説明

通信システム、通信装置及びプログラム

【課題】情報の授受を行う場合において、利用者から得られる情報に基づき、各利用者に応じた情報を提供可能にする。
【解決手段】本発明に係るネットワーク講義システム10は、講義者端末100と、複数の受講者端末200とを備える。受講者端末200は、講義を再生可能であるとともに、講義に関する入力情報の入力を受け付け、これを講義者端末100に送信することができる。講義者端末100は、入力情報を受信すると、その内容に応じて入力情報を分類し、さらに、入力情報の分類結果に基づいて受講者端末200の利用者(受講者)を分類する。そして、講義者端末100は、利用者の分類結果に応じた講義を再生させるための情報を受講者端末200に送信する。これにより、利用者は、各自の理解力や興味に応じた講義を視聴することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者を分類する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介した講義において、講義者が各受講者の理解度を把握する技術がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術によれば、講義者が講義中に受講者の理解度を把握することが可能であり、講義者がこれを講義に反映させることも可能である。
【特許文献1】特開2005−62528号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、講義に対する理解力は、受講者毎にばらつきがあり、受講者が多いほどそのばらつきの幅も大きくなるのが一般的である。したがって、講義内容の理解度が全体的に低いために講義内容を平易にすれば、その講義は、十分に理解している受講者にとっては物足りない内容となり得る。一方、講義内容を高度にした場合には、講義内容を十分に理解できない受講者を生じさせるおそれがある。
また、一般に、受講者は興味や関心のあるものほどよく習得することができるが、受講者の興味や関心は、一定ではなく人それぞれである。
そこで、本発明は、講義等における情報の授受を行う場合において、利用者(受講者等)から得られる情報に基づき、各利用者に応じた情報(講義内容等)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る通信システムは、複数の利用者によってそれぞれ使用される複数の端末と、前記複数の端末と通信を行う通信装置とを有する通信システムであって、前記通信装置は、前記複数の端末のいずれかを送信元として当該端末の利用者により入力された入力情報を受信する受信手段と、前記入力情報の送信元である端末の利用者を識別する識別手段と、前記受信手段により受信された入力情報又は当該入力情報に応じた情報を複数のグループの少なくともいずれかに分類する第1の分類手段と、前記第1の分類手段による分類結果に基づき、前記識別手段により識別された利用者を複数のグループの少なくともいずれかに分類する第2の分類手段と、前記第2の分類手段による利用者の分類結果を表す分類情報を生成する生成手段とを備え、前記端末は、利用者が前記入力情報を入力する入力手段と、前記入力手段により入力された入力情報を前記通信装置に送信する送信手段と、前記生成手段により生成された分類情報に応じた再生情報を再生する再生手段とを備えることを特徴とする。
【0005】
本発明に係る通信装置は、複数の利用者によってそれぞれ使用される複数の端末のいずれかを送信元として当該端末の利用者により入力された入力情報を取得する取得手段と、前記入力情報の送信元である端末の利用者を識別する識別手段と、前記取得手段により取得された入力情報又は当該入力情報に応じた情報を複数のグループの少なくともいずれかに分類する第1の分類手段と、前記第1の分類手段による分類結果に基づき、前記識別手段により識別された利用者を複数のグループの少なくともいずれかに分類する第2の分類手段と、前記第2の分類手段による利用者の分類結果を表す分類情報を生成する生成手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明に係る通信装置において、前記入力情報は、問題に対する解答を含み、前記第1の分類手段は、前記入力情報に含まれる解答の正誤を判別することにより採点を行う採点手段を備え、前記採点手段による採点結果を前記入力情報に応じた情報として分類する構成であってもよい。
【0007】
本発明に係る通信装置において、前記入力情報は、問題に対する解答を含み、前記第1の分類手段は、前記入力情報に含まれる解答の正誤を判別することにより採点を行う採点手段を備え、前記採点手段による採点結果に応じて前記入力情報を分類する構成であってもよい。
【0008】
本発明に係る通信装置において、前記入力情報は、文字又は文字に変換可能な情報を含み、前記第1の分類手段は、前記入力情報の前記文字にあらかじめ決められた文字列が含まれるか否かを判別する判別手段を備え、前記判別手段による判別結果を前記入力情報に応じた情報として分類する構成であってもよい。
【0009】
本発明に係る通信装置において、前記入力情報は、文字又は文字に変換可能な情報を含み、前記第1の分類手段は、文字列とグループとを対応付けて記憶する記憶手段を備え、前記入力情報の前記文字に前記文字列が含まれる場合に、当該入力情報を当該文字列に対応付けられたグループに分類する構成であってもよい。
【0010】
本発明に係る通信システムにおいて、前記送信手段は、前記再生手段による再生情報の再生時間に応じたタイミングで前記入力情報を送信する構成であってもよい。
この場合において、前記送信手段は、複数の異なるタイミングで前記入力情報を送信し、前記第1及び第2の分類手段は、前記入力情報が受信されるタイミング毎に分類を行う構成であってもよい。
【0011】
本発明は、コンピュータを上述した通信装置として機能させるためのプログラムや、かかるプログラムを記憶した記録媒体としても特定され得る。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、情報の授受を行う場合において、利用者から得られる情報に基づき、各利用者に応じた情報を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に示す実施形態は、ネットワークを介して行う講義に本発明を適用したものであり、講義者と受講者とを利用者とし、両者の間で情報の授受を行うものである。第1実施形態は、講義中に講義に関するテスト(試験)を行い、その結果に応じて受講者を分類する例である。一方、第2実施形態は、講義中に受講者から意見を受け付け、その意見の内容に応じて受講者を分類する例である。
【0014】
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態であるネットワーク講義システムの構成を示す図である。同図に示すように、本実施形態のネットワーク講義システム10は、講義者端末100と、複数の受講者端末200と、ネットワーク300とを備える。
【0015】
講義者端末100及び受講者端末200は、相互に通信可能な通信装置であり、例えば、パーソナルコンピュータである。なお、講義者端末100及び受講者端末200としては、パーソナルコンピュータに限定することなく、後述する動作を実行可能な種々の通信装置を採用し得る。講義者端末100は、本システムにおいて講義を行う利用者が使用する通信装置である。講義者端末100を使用する利用者のことを、以下では「講義者」という。受講者端末200は、本システムにおいて講義を受講する利用者が使用する通信装置である。受講者端末200を使用する利用者のことを、以下では「受講者」という。受講者は、本システムにおいては複数であり、各々の受講者端末200を用いて講義を受講するほか、適当なタイミングでテストに解答する。
【0016】
ネットワーク300は、講義者端末100と受講者端末200とを通信可能にするネットワークであり、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)である。なお、ネットワーク300は、講義者端末100と受講者端末200とを通信可能であれば、その具体的な形態を問わず、例えば、いわゆるPeer to Peer型のネットワークであってもよい。また、ネットワーク300は、有線であっても無線であってもよく、これらを組み合わせてもよい。
【0017】
図2は、講義者端末100の構成を示すブロック図である。同図に示すように、講義者端末100は、制御部110と、通信部120と、情報入力部130と、情報出力部140と、記憶部150とを備える。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置やメモリを備え、あらかじめ記憶されたプログラムを実行することによって講義者端末100の動作を制御する。なお、制御部110が実現する機能には、周知の音声認識、形態素解析、音声読み上げなどを含み得る。通信部120は、ネットワーク300を介したデータの送受信を可能にするインタフェースであり、制御部110により供給されたデータをネットワーク300を介して送信するとともに、ネットワーク300を介して受信したデータを制御部110に供給する。情報入力部130は、受講者端末200に送信するデータを入力するためのインタフェースである。本実施形態の情報入力部130は、音声を入力するためのマイクロホンと、文字等を入力するためのキーボードやマウスとを備える。情報出力部140は、受講者端末200から受信したデータを出力するためのインタフェースである。本実施形態の情報出力部140は、音声を放音するためのスピーカと、文字等を含む画像を表示するための表示装置とを備える。なお、情報出力部140が表示する画像は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。記憶部150は、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置を備え、制御部110が参照するデータを記憶する。なお、記憶部150は、ネットワーク300又は他のネットワークに接続された、講義者端末100とは別体の記憶装置であってもよい。また、記憶部150における記憶手段は、光ディスク(DVD等)などのように、講義者端末100と別体に構成されたものを含んでもよい。記憶部150には、受講者が視聴する講義を記録した講義データと、受講者に対して行うテストを記述した複数のテストデータと、各テストデータの問題に応じた正しい解答を記述した正解データとが記憶されている。本実施形態の講義データは、あらかじめ録画及び録音されたデータである。また、本実施形態のテストデータは、受講者が認識し、解答を入力することが可能なように問題が記述されていれば、いかなる形式であってもよい。
【0018】
図3は、講義データの内容を例示する図である。同図に示すように、本実施形態の講義データは、複数の部分に分割可能なデータである。以下では、この分割される部分のことを「セクション」といい、講義データを構成する各セクションのデータのことを「セクションデータ」という。同図に例示する講義データは、講義の全体を「m」個のセクションに分割したものである。つまり、第1セクションから順に、第2セクション、第3セクション、…、第mセクションと講義データを再生すれば、講義の最初から最後までを視聴可能であるということである。
【0019】
また、本実施形態の講義データは、同一のセクションについて複数のセクションデータを含み得る。同一のセクションについて複数のセクションデータがある場合、そのセクションの講義内容は、複数あるということである。本実施形態においては、講義内容の難易度に応じたレベルを設けた場合に、そのレベル毎にセクションデータが存在するものとする。例えば、図3に示した第2セクションにおいては、「レベル1」と「レベル2」の2段階のレベルが存在する。ここにおいて、レベルとは、その値が小さいほど平易(すなわち難易度が低い)であり、その値が大きいほど難解(すなわち難易度が高い)であることを表すものである。
【0020】
つまり、図3に例示した講義データは、全体がm個のセクションに分かれており、最終の第mセクションにおいてはn段階のレベルが設けられていることを意味する。また、本実施形態において、講義内容のレベルは、第1セクションにおいては単一であるが、講義が進行するにつれて細分化されている。なお、ここにおけるm及びnは、2以上の任意の自然数である。
【0021】
図4は、受講者端末200の構成を示すブロック図である。同図に示すように、受講者端末200は、制御部210と、通信部220と、情報入力部230と、情報出力部240とを備える。制御部210、通信部220、情報入力部230及び情報出力部240の機能は、それぞれ、講義者端末100の制御部110、通信部120、情報入力部130及び情報出力部140の機能とほぼ同様であるため、説明を省略する。要するに、受講者端末200は、記憶部150を除き、講義者端末100と同様の構成であってよいということである。ただし、制御部210が実行する処理には、講義者端末100の制御部110が実行する処理と相違がある。
【0022】
なお、受講者端末200には、講義者端末100において各々の端末を識別可能にするための識別情報が割り当てられている。この識別情報は、講義者端末100と受講者端末200とで行われる、後述する解答データの送受信の態様に応じて決定されるものである。例えば、解答データの送受信が電子メールで行われる場合、識別情報はメールアドレスである。また、解答データの送受信の態様によっては、IPアドレス、MACアドレス、電話番号などを識別情報として用いることも可能である。
【0023】
本実施形態のネットワーク講義システム10の構成は、以上のとおりである。この構成のもと、ネットワーク講義システム10においては、講義が実施される。受講者は、講義に参加する場合、パスワード入力等の所定の認証処理を行い、ネットワーク講義システム10を利用可能にする。この動作は、いわゆるログインであり、受講者端末200を操作することで行われる。講義者端末100は、ログインが行われた受講者端末200に対し、所定のタイミングで講義データの送信を行う。受講者端末200は、講義データを受信すると、これを再生する。本実施形態においては、説明の便宜上、あらかじめ決められた日時に複数の受講者端末200に対して同時に講義データの送信を行うとする。すなわち、本実施形態の講義は、ログインを行った受講者の全員について同時に進行する。
【0024】
本実施形態の講義は、第1セクションから順に行われる。第1セクションのセクションデータは単一であるため、ログイン中の受講者は、全員が同じ内容の講義を視聴する。なお、講義者は、この第1セクションの講義の前に口頭で講義を行い、これをリアルタイムに放送(いわゆるライブ放送)したり、あるいは、この第1セクションの講義に代えて、口頭で講義を行って放送したりしてもよい。
【0025】
第1セクションの講義が終了し、又は、終了に近づくと、講義者端末100は、ログインが行われたすべての受講者端末200に対し、テストデータを送信する。ここで送信されるテストデータは、第1セクションの講義内容に応じたものであり、第1セクションの講義内容の理解度を問うものである。なお、テストデータは、音声を含んでもよいし、文字や画像を含んでもよい。受講者端末200は、テストデータを受信すると、これを再生し、受講者は、再生されたテストデータの内容を視聴して回答する。このとき、受講者端末200は、情報入力部230を介して受講者による解答の入力を受け付け、これをデータに変換して送信する。このとき送信されるデータのことを、以下では「解答データ」という。なお、受講者端末200は、自端末の識別情報を、この解答データに対応付けて送信する。この場合において、識別情報は、解答データに含まれていてもよい。また、解答データは、対応するテストデータを示す情報を含む。すなわち、解答データは、どのセクションのどのレベルのテストデータに対応するものであるかを示す情報を含む。
【0026】
講義者端末100は、受講者端末200から解答データを受信すると、対応する正解データを参照することにより解答の正誤を判別し、採点を行う。ここにおいて、得点は、100点を満点とし、正解が多いほど点数が多いとする。そして、講義者端末100は、この解答データを得点に応じて分類し、さらに、解答データの送信元である受講者をその分類結果に応じて分類し、レベル分けを行う。このとき講義者端末100の制御部110が実行する処理は、以下のとおりである。
【0027】
図5は、講義者端末100の制御部110が実行する分類処理を示すフローチャートである。この分類処理は、講義の各セクションについて実行されるものである。同図に示すように、制御部110は、まず、受講者端末200からの解答データの受信を待機する(ステップSa1)。すなわち、制御部110は、解答データを受信したか否かの判断を当該判断が肯定的になるまで繰り返し、解答データを受信すると、次のステップの処理を実行する。
【0028】
制御部110は、解答データを受信すると、これを通信部120を介して取得し、解答データの送信元を識別する(ステップSa2)。制御部110は、解答データに対応付けられた識別情報を参照することにより、解答データの送信元である受講者端末200(又は当該端末によりログインした受講者)を識別する。
【0029】
次に、制御部110は、受信した解答データに対し採点処理を実行する(ステップSa3)。ここにおいて、採点処理とは、受信した解答データに対応する正解データを参照し、解答データに含まれる各解答の正誤を判別する処理をいう。制御部110は、採点処理を実行すると、その採点結果を表す得点データを生成する。本実施形態の得点データは、0以上100以下の数値である。制御部110は、得点データを生成すると、これをステップSa2において参照した識別情報と対応付けて記憶部150に記憶させる(ステップSa4)。これにより、講義者端末100においては、各講義者の得点が特定可能となる。なお、このとき制御部110は、より望ましくは、セクション及びレベルを特定する情報を得点データと対応付けて記憶させる。
【0030】
制御部110は、このようにして各講義者の得点を記録する。すなわち、制御部110は、解答データを受信する度に上述したステップSa2〜Sa4の処理を繰り返す。制御部110は、このような処理を、所定の条件が満たされるまで繰り返す。つまり、制御部110は、ステップSa4の処理の後に、所定の条件が満たされているか否かを判断し(ステップSa5)、条件が満たされていない場合には(ステップSa5:NO)、ステップSa1の処理を再度実行する。なお、ここにおける「所定の条件」は、上述した得点と識別情報の組の数や、時間などである。例えば、講義に参加している受講者のうちの所定数の受講者の採点が行われたことや、当該セクションの講義が終了してから所定の時間が経過したことを契機として後続の処理を実行するようにすればよい。
【0031】
所定の条件が満たされた場合(ステップSa5:YES)、制御部110は、解答データの採点結果である得点データを、その得点により複数のグループのいずれかに分類する(ステップSa6)。具体的には、制御部110は、上述した得点データと識別情報の組を得点に応じて分類する。このとき、制御部110は、例えば得点が80点以上100点以下である組を同一のグループとする、といったように、絶対評価によって分類を行ってもよいし、例えば得点が上位10位以内である組を同一のグループとする、といったように、相対評価によって分類を行ってもよい。
なお、この分類は、解答データのレベル毎に個別に行われる。これは、テストデータのレベルが異なり、テストデータの内容が異なれば、得点がもつ意味合いも異なるからである。これは、換言すれば、平易なテストで満点を得た受講者と難解なテストで満点を得た受講者とでは、その理解度に相違があり得るということである。
【0032】
続いて、制御部110は、ステップSa6における分類結果に基づき、受講者を複数のグループのいずれかに分類する(ステップSa7)。ここにおける分類は、受講者の識別情報を次のセクションのレベル数に応じた数のグループに分類するものである。すなわち、このステップの分類は、受講者のレベル分けであるといえる。制御部110は、このようにしてレベル分けを行ったら、その分類結果を表す情報を生成し、これを得点と識別情報の組に付与して記憶させる(ステップSa8)。以下では、ここで生成される情報のことを「分類情報」という。分類情報は、その後に送信すべきセクションデータのレベルを表す情報である。
【0033】
なお、詳細は後述するが、ステップSa6において分類されるグループとステップSa7において分類されるグループとは、別異のものであり、その数も同数であるとは限らない。以下において、これらを区別する必要がある場合には、ステップSa6における分類を「第1の分類」といい、ステップSa7における分類を「第2の分類」という。
【0034】
以上の処理を実行したら、制御部110は、ステップSa8において記憶された分類情報に基づき、各々の受講者端末200に応じたセクションデータを送信する(ステップSa9)。例えば、制御部110は、ある受講者の得点と識別情報の組に付与された分類情報が「レベル1」を表す場合には、「レベル1」のセクションデータを当該受講者の受講者端末200に送信する。
【0035】
講義者端末100が実行する分類処理は、以上のとおりである。この分類処理が実行された結果、受講者端末200には、受講者のテストの結果に応じたレベルのセクションデータが送信される。受講者端末200がこのセクションデータを再生することにより、受講者は、対応するセクションの講義を視聴することができる。
【0036】
本実施形態のネットワーク講義システム10においては、このような動作がセクション毎に繰り返される。すなわち、このネットワーク講義システム10においては、あるセクションの講義の再生が終了すると、テストが実施され、次のセクションにおいては、このテストの結果に応じたレベルの講義が再生される、といった動作が繰り返される。
【0037】
ここで、本実施形態における分類の態様について、図3に示した講義データの例に沿って説明する。まず、第1セクションのセクションデータが再生され、第1セクションの講義が終了すると、第1セクションに対応したテストが実施される。第1セクションは単一であるため、各受講者が回答する問題は、このセクションにおいては共通である。制御部110は、解答データを受信すると、採点処理を実行し、その採点結果に応じた第1の分類を行う。ここでは、受講者を分類するグループを「高」、「中」、「低」の3つのグループとする。ここにおいて、「高」は得点が高いグループ、「低」は得点が低いグループ、「中」はこれらの中間の得点のグループとする。
【0038】
制御部110は、第1の分類の後、第2の分類を行う。この第2の分類においては、次の第2セクションが2つのレベルに分かれているため、受講者を「レベル1」と「レベル2」の2つのグループに分類する。ここにおいて、制御部110は、得点の高いグループがレベルの高いグループになるように分類を行う。具体的には、上述した「高」、「中」の2グループを「レベル2」のグループとし、「低」の1グループを「レベル1」のグループとしてもよいし、「高」の1グループを「レベル2」のグループとし、「中」、「低」の2グループを「レベル1」のグループとしてもよい。この場合において、「中」のグループをいずれのレベルとするかは、あらかじめ決められていてもよいし、何らかの基準を用いて決めてもよい。ここにおける基準としては、セクション自体の難易度や、全受講者の得点の平均などを用いることができ、例えば、平均点が所定の値より高かった場合には「中」のグループを「レベル2」に分類し、平均点が所定の値より低かった場合には「中」のグループを「レベル1」に分類する、というようにしてもよい。
【0039】
このようにして第2の分類が行われたら、制御部110は、この分類に応じた第2セクションのセクションデータを各々の受講者端末200に送信する。すなわち、受講者は、テストの結果が相対的に良好であれば「レベル2」の講義を視聴し、そうでなければ「レベル1」の講義を視聴する。なお、講義のレベルは、受講者に認識できるようにしてもよいし、認識できないようにしてもよい。
【0040】
そして、第2セクションの講義が終了すると、第2セクションに対応したテストが実施される。このときは、第1セクションの場合と異なり、受講者がレベル分けされているので、受講者端末200が受信するテストデータは、受信したセクションデータのレベルに応じたものになる。よって、制御部110は、受信した解答データをレベル毎に採点し、その採点結果に応じた第1の分類を行う。つまり、ここでは、受講者を分類するグループを「高」、「中」、「低」の3つのグループとすると、「レベル1」の受講者と「レベル2」の受講者とのそれぞれについて3つのグループに分類されるため、合計すると6つのグループに分類される(図6参照)。以下では、図6に示すように、第2セクションで「レベル2」を受講した受講者のグループを「第1グループ」〜「第3グループ」といい、第2セクションで「レベル1」を受講した受講者のグループを「第4グループ」〜「第6グループ」という。
【0041】
制御部110は、このように6つのグループに分類した後、第2の分類を行う。この第2の分類においては、次の第3セクションが4つのレベルに分かれているため、受講者を「レベル1」〜「レベル4」の4つのグループに分類する。ここにおいて、制御部110は、例えば、図7(a)又は(b)に示すように分類を行う。図7(a)に示す例は、第2セクションのレベルが「レベル2」であった受講者のみが「レベル3」又は「レベル4」に分類され、第2セクションのレベルが「レベル1」であった受講者のみが「レベル1」又は「レベル2」に分類されるものである。一方、図7(b)に示す例は、「レベル1」と「レベル4」以外のグループについては、第2セクションのレベルによらず、いずれの受講者も得点次第で分類され得るものである。
【0042】
このように、本実施形態のネットワーク講義システム10によれば、受講者(又は受講者端末200)をテストの採点結果に応じて複数のグループに分類し、それぞれのグループに応じた画一的でない内容の講義を受講者に視聴させることが可能である。よって、このネットワーク講義システム10によれば、あらかじめ適切な講義データを構成しておくことにより、受講者の講義に対する理解度にばらつきがある場合であっても、各々の受講者の理解度に応じた内容の講義をセクション毎に視聴させ、全体の講義を終えることが可能となる。このようにすれば、多数の受講者が受講する場合であっても、それぞれの受講者の理解度に応じた講義を行うことが可能である。
【0043】
また、このネットワーク講義システム10によれば、セクション毎にレベル分けが繰り返されるため、講義内容を受講者の理解度に応じてセクション毎に変更することが可能である。したがって、受講者の講義に対する理解度が途中で向上又は低下したとしても、講義内容を理解度の変化に従って変化させることが可能である。これにより、受講者は、理解力が十分でないために途中で講義についていけなくなったり、講義が平易であるために途中で理解力を持て余したりすることなく、各受講者の能力に応じた講義を受講することが可能となる。
【0044】
[第2実施形態]
本実施形態は、上述したように、講義中に受講者から意見を受け付け、その意見の内容に応じて受講者を分類するものである。すなわち、本実施形態は、受講者から受け付ける情報がテストではなく意見である点が第1実施形態と異なる。また、本実施形態は、授受されるデータや分類の態様が第1実施形態と相違するものの、各装置のハードウェア構成(図1、2及び4に記載された構成)は第1実施形態と同様である。そこで、本実施形態については、第1実施形態と異なる点を主に説明し、第1実施形態と共通する事項に関しては、第1実施形態と同様の名称や符号を用い、その説明を適宜省略する。
なお、本実施形態は、理科の講義を行う場合を例にして説明するが、講義内容はこの限りではない。
【0045】
図8は、本実施形態における講義の分類を例示する図である。本実施形態の講義は、「理科」として包括されるものであるが、複数の分野に分類されるものである。また、本実施形態における分野は、「大分類」と「小分類」とにより区別される。ここにおいて、「大分類」は、複数の小分類を包括する上位概念的な分類であり、「物理学」、「化学」、「生物学」、「地学」などである。また、「小分類」は、ある特定の大分類を更に分類した下位概念的な分類であり、「力学」、「電磁気学」、「有機化学」などである。なお、大分類は、1又は複数の小分類を含む。
【0046】
図9は、本実施形態の講義データの内容を例示する図である。同図に示すように、本実施形態の講義データは、第1実施形態の講義データと同様に、複数のセクションに分割されている。ただし、本実施形態の講義データは、第1実施形態のように「レベル」により分類されるのではなく、「分野」により分類されており、この分類は講義の最初から最後まで変化しない。すなわち、本実施形態の講義データは、分野と同数の講義の内容を記述したデータである。本実施形態においては、ある分野についての講義内容がすべての受講者において同一となり、第1実施形態のように途中で変化するものとはならない。
【0047】
本実施形態において受講者端末200が送信する情報は、講義に関する意見である。ここにおいて、意見とは、講義に関する質問や、あらかじめ与えられたアンケートに対する回答などをいう。本実施形態の意見は、受講者が講義に関して入力するものであれば、いかなるものであってもよい。以下では、かかる意見を表すデータのことを「意見データ」という。本実施形態の意見データは、第1実施形態の解答データに代わるものである。
【0048】
また、講義者端末100は、正解データに代えて、キーワードDBを記憶している。ここにおいて、「キーワードDB」は、キーワードとグループとの対応付けを記述したデータベース(database)である。ここにおいて、「キーワード」とは、受講者の分類の基準となる文字列をいい、これは1文字であってもよい。また、ここでいう「文字」は、数字や記号であってもよい。
【0049】
図10は、キーワードDBの内容を例示する図である。同図に示すように、本実施形態のキーワードDBに含まれるデータは、「キーワード」、「大分類」及び「小分類」であり、これらが対応付けられて1の集合として認識される。キーワードデータは、講義の内容に関連する用語(すなわちキーワード)を表すデータである。本実施形態の講義は理科に関する講義であるため、図中のキーワードは、いずれも理科の各分野に関する用語となっている。また、大分類データ及び小分類データは、対応するキーワードデータがいずれの分類に属するかを表すデータである。すなわち、同図の例によれば、「万有引力」なるキーワードは、大きく「物理学」に分類され、詳細には「力学」に分類される。
【0050】
本実施形態のネットワーク講義システム10の構成は、以上のとおりである。この構成のもと、ネットワーク講義システム10においては、講義が実施される。なお、本実施形態の講義は、第1実施形態のように各受講者について同時に進行する必要はなく、各受講者が任意のタイミングで開始できるものであってよい。
【0051】
本実施形態の講義は、受講者が受講する分野を決定する第1の期間と、各分野の実質的な講義を行う第2の期間とに大別される。第1の期間は、いわゆるガイダンスを行う期間であるといってもよい。また、第1の期間の講義は、上述した講義データと別異のデータにより行われるものであって、例えば、講義者がライブ放送で行うものでもよい。受講者は、この期間において、意見の提出、すなわち意見データの送信を行う。この意見の提出は、受講者が自らの意思で行うものであってもよいし、講義者からの求めに応じて行うものであってもよい。例えば、受講者は、これから行う講義についての小論文を作成して入力してもよいし、講義に関する疑問や質問などを入力してもよい。あるいは、受講者は、あらかじめ作成された講義に関するアンケートなどの回答を入力してもよい。なお、意見データの送信は、各受講者について同じ回数であってもよいし、回数を特に定めなくてもよい。
【0052】
講義者端末100においては、第1の期間が終了し、又は、終了に近づくと、意見データの内容に基づいて受講者の分類が行われる。講義者端末100は、適当なタイミングで意見データの受信の受付を終了し、この分類を行う。このとき講義者端末100の制御部110が実行する処理は、以下のとおりである。
【0053】
図11は、講義者端末100の制御部110が実行する分類処理を示すフローチャートである。この分類処理は、受講者端末200の各々について、第1の期間の講義の開始後であって、各分野の講義の開始前(すなわち、分野別の講義データが送信される前)に実行されるものである。同図に示すように、制御部110は、まず、受講者端末200からの意見データの受信を待機し(ステップSb1)、意見データが受信されると、通信部120を介して意見データを取得し、送信元を識別する(ステップSb2)。送信元の識別は、第1実施形態と同様の要領で行われる。
【0054】
次に、制御部110は、受信した意見データからキーワードデータと比較するための文字列を抽出する(ステップSb3)。制御部110は、受講者が文字を入力してなる意見データを受信した場合には、その意見データに対して形態素解析を行って文字列を抽出し、受講者が音声を入力してなる意見データを受信した場合には、その音声を認識して文字に変換し、変換した文字から文字列を抽出する。その後、制御部110は、キーワードDBを参照し、抽出した各文字列とキーワードデータとを比較し(ステップSb4)、抽出した文字列がいずれかのキーワードと一致した場合には、当該キーワードデータに対応する分類を示す情報を生成し、これを記憶部150に記憶させる(ステップSb5)。以下では、ここで生成される情報のことを「分類情報」という。
【0055】
図12は、本実施形態の分類情報と、その記録される態様とを示す図である。同図に示すように、本実施形態の分類情報は、抽出した文字列とキーワードとが一致した回数を記述したものであり、その回数を、一致したキーワードに対応する「大分類」及び「小分類」毎に加算したものである。また、この分類情報は、各受講者に対応する識別情報と対応付けて記憶されるものである。同図に示す例は、「A」なる識別情報により識別される受講者の分類情報である。この分類情報は、この受講者により入力された意見データが「物理学」に分類される文字列を「5」個含み、このうち、「力学」に分類される文字列の数が「3」であり、「電磁気学」に分類される文字列の数が「2」であることを表している。
【0056】
ここで図11の説明に戻る。このようにして分類情報を生成及び記憶したら、制御部110は、所定の条件が満たされているか否かを判断し(ステップSb6)、条件が満たされていない場合には(ステップSb6:NO)、ステップSb1の処理を再度実行する。なお、ここにおける「所定の条件」は、例えば、意見データの受信の受付を終了するタイミングが到来したか否かなどである。なお、意見データの受信回数があらかじめ決められている場合には、この回数を条件に用いてもよい。同一の受講者により複数の意見データが受信される場合、制御部110は、上述した「大分類」及び「小分類」の一致回数を加算することで分類情報を更新する。
【0057】
所定の条件が満たされた場合(ステップSb6:YES)、制御部110は、意見データに基づいて得られた分類情報を、その「大分類」の値(すなわちキーワードとの一致回数)によって分類する(ステップSb7)。すなわち、制御部110は、受講者が入力した意見データを集計した結果である分類情報を「物理学」、「化学」、「生物学」及び「地学」のグループのいずれかに分類する。このとき、制御部110は、分類情報の「大分類」の値が最大であるグループに当該分類情報を分類する。
【0058】
続いて、制御部110は、ステップSb7における分類結果に基づき、分類情報をその「小分類」の値によって分類する(ステップSb8)。このとき、制御部110は、ステップSb7において分類した分類情報の「大分類」に属する「小分類」の各グループのうち、その値が最大であるグループに当該分類情報を分類する。このようにして分類情報をいずれかの小分類(すなわち分野)に分類したら、制御部110は、当該分類情報に対応する識別情報を特定する(ステップSb9)。つまり、ステップSb8及びSb9の処理は、全体として、ステップSb7における分類結果に基づいて識別情報(すなわち意見データの送信元である受講者端末200の利用者)を分類する処理であるといえる。
【0059】
識別情報を特定した後、制御部110は、ステップSb8において分類した分野の講義データを記憶部150から読み出し、読み出した講義データを、ステップSb9において特定した識別情報が割り当てられた受講者端末200に送信する(ステップSb10)。なお、本実施形態の制御部110は、第1実施形態と異なり、講義データの全セクションを一度に送信してよい。
【0060】
講義者端末100が実行する分類処理は、以上のとおりである。この分類処理が実行されることにより、受講者は、自らの意見に応じた講義を受講することが可能となり、例えば、力学に興味のある者は力学の講義を受講し、あるいは、電磁気学に興味のある者は電磁気学の講義を受講することが可能となる。すなわち、本実施形態のネットワーク講義システム10によれば、各受講者の興味や関心に応じ、各受講者の個性を更に際立たせることができるような講義を提供することが可能である。
あるいは、逆に、電磁気学の理解が不足していると考える者がその旨の意見を入力することにより、電磁気学の講義を受講して弱点を改善する、といった利用の態様もあり得る。
【0061】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限らず、その他の形態でも実施し得る。本発明に対しては、例えば、以下のような変形を適用することが可能である。なお、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
【0062】
(1)変形例1
本発明において、受講者は、2つ以上のグループに分類されてもよい。例えば、受講者が入力した意見データの内容によっては、受講者のグループを1つに特定できない場合がある(一致回数が最大となる分野が複数ある場合など)。このような場合には、2つ以上の分野を受講者に通知し、受講者にいずれかの分野を選択させて再生を行ってもよい。また、受講者に分野の選択を促すときには、各分野の講義の一部(冒頭など)を受講者端末200が再生するようにしてもよい。なお、かかる受講者端末200の動作は、講義者端末100が受講者端末200に対してその旨の動作を行うことを指示することによって実現されてもよい。
【0063】
また、受講者をレベル分けする場合においても、これと同様に、2つ以上のレベルを受講者に通知して選択を促し、受講者により選択されたレベルの講義を再生するようにしてもよい。要するに、本発明における分類は、上述した実施形態のように1つのグループのみに分類するものに限定されず、複数のグループのうちの少なくともいずれかに分類するものであればよいということである。
【0064】
(2)変形例2
本発明において、講義データは、受講者端末200に記憶されてもよい。この場合、講義者端末100は、再生するレベル又は分野を特定する情報(すなわち分類情報)を受講者端末200に送信し、受講者端末200は、受信した分類情報に応じた講義データを再生すればよい。
【0065】
(3)変形例3
本発明は、上述した第1実施形態と第2実施形態を組み合わせた態様で実施することも可能である。例えば、本発明は、受講者に対して、複数の分野のいずれかに分類した後に、当該分野においてレベル分けを行うような分類を行ってもよい。
【0066】
(4)変形例4
上述した第1実施形態において、得点データは、識別情報と対応付けて記憶されており、識別情報は、解答データから一意的に特定されるものである。ゆえに、得点データを分類する処理(ステップSa6)は、解答データを分類する処理と実質的に同等であるといえる。また、第2実施形態の分類情報も、識別情報と対応付けて記憶されているため、分類情報を分類する処理(ステップSb6、Sb7)は、意見データを分類する処理と実質的に同等であるといえる。
【0067】
(5)変形例5
講義者端末100は、解答データ又は意見データの送信が行われない受講者端末200や、受信した意見データからキーワードに一致する文字列を抽出できなかった受講者端末200に対して、当該データの送信を促す構成を備えてもよい。あるいは、講義者端末100は、このような場合にはあらかじめ決められたグループに受講者を分類してもよい。
【0068】
また、講義者端末100は、受信した解答データ又は意見データを集計して解析し、解析結果を出力する構成を備えてもよい。このようにすれば、講義者がこの解析結果を参照し、講義内容に反映させることが可能となる。
【0069】
(6)変形例6
第1実施形態における採点は、講義者により行われてもよい。この場合、講義者は、情報入力部130を介して得点を入力し、制御部110は、その入力結果に応じた得点データを生成すればよい。
【0070】
(7)変形例7
本発明における講義は、その一部又は全部をライブ放送により行ってもよい。例えば、講義者は、特定のレベルの講義又は特定の分野の講義をライブ放送により行ってもよい。このようにすれば、ライブ放送により行われる講義に相当する分の講義データが不要となる。
【0071】
また、講義者を複数名にし、それぞれの講義者に各自が担当するレベル又は分野の講義を行わせるようにしてもよい。この場合、講義者端末100は、音声や文字等を入力する手段をそれぞれの講義者毎に備えればよい。また、このように講義者が複数となる場合には、講義者端末100のうちの分類処理を行うための構成を別体の通信装置として構成し、この通信装置と複数の講義者端末とを通信手段により通信可能にすると望ましい。
【0072】
なお、受講者は、同じ場所で同時に講義を視聴してもよいし、各々が異なる場所で講義を視聴してもよい。なお、複数の受講者が教室等において同時に講義を受講する場合には、講義を再生する手段(表示装置、スピーカなど)と回答を再生する手段とを別体としてもよい。
【0073】
(8)変形例8
本発明を適用して実施されるものは、講義のみに限らず、各種の説明や陳述なども含まれる。よって、本発明における「講義」とは、このような講義に類するものを包含する概念とみなすことができる。また、ここでいう「講義」は、上述した実施形態からも明らかなように、一方(講義者)から他方(受講者)への一方向の情報伝達にとどまらず、双方向の情報伝達を行い得るものである。
【0074】
(9)変形例9
上述した実施形態において、講義者端末100の制御部110によって実行されるプログラムは、磁気ディスク等の磁気記録媒体、光ディスク等の光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムは、インターネット等のネットワーク経由でダウンロードされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の一実施形態であるネットワーク講義システムの構成を示す図
【図2】講義者端末の構成を示すブロック図
【図3】講義データの内容を例示する図
【図4】受講者端末の構成を示すブロック図
【図5】講義者端末が実行する分類処理を示すフローチャート
【図6】受講者を分類する態様を例示する図
【図7】受講者を分類する態様を例示する図
【図8】講義の分類を例示する図
【図9】講義データの内容を例示する図
【図10】キーワードDBの内容を例示する図
【図11】講義者端末が実行する分類処理を示すフローチャート
【図12】分類情報と、その記録される態様とを示す図
【符号の説明】
【0076】
10…ネットワーク講義システム、100…講義者端末、200…受講者端末、300…ネットワーク、110…制御部、120…通信部、130…情報入力部、140…情報出力部、150…記憶部、210…制御部、220…通信部、230…情報入力部、240…情報出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者によってそれぞれ使用される複数の端末と、前記複数の端末と通信を行う通信装置とを有する通信システムであって、
前記通信装置は、
前記複数の端末のいずれかを送信元として当該端末の利用者により入力された入力情報を受信する受信手段と、
前記入力情報の送信元である端末の利用者を識別する識別手段と、
前記受信手段により受信された入力情報又は当該入力情報に応じた情報を複数のグループの少なくともいずれかに分類する第1の分類手段と、
前記第1の分類手段による分類結果に基づき、前記識別手段により識別された利用者を複数のグループの少なくともいずれかに分類する第2の分類手段と、
前記第2の分類手段による利用者の分類結果を表す分類情報を生成する生成手段とを備え、
前記端末は、
利用者が前記入力情報を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された入力情報を前記通信装置に送信する送信手段と、
前記生成手段により生成された分類情報に応じた再生情報を再生する再生手段とを備える
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
複数の利用者によってそれぞれ使用される複数の端末のいずれかを送信元として当該端末の利用者により入力された入力情報を取得する取得手段と、
前記入力情報の送信元である端末の利用者を識別する識別手段と、
前記取得手段により取得された入力情報又は当該入力情報に応じた情報を複数のグループの少なくともいずれかに分類する第1の分類手段と、
前記第1の分類手段による分類結果に基づき、前記識別手段により識別された利用者を複数のグループの少なくともいずれかに分類する第2の分類手段と、
前記第2の分類手段による利用者の分類結果を表す分類情報を生成する生成手段と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項3】
前記入力情報は、問題に対する解答を含み、
前記第1の分類手段は、
前記入力情報に含まれる解答の正誤を判別することにより採点を行う採点手段を備え、前記採点手段による採点結果を前記入力情報に応じた情報として分類する
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記入力情報は、問題に対する解答を含み、
前記第1の分類手段は、
前記入力情報に含まれる解答の正誤を判別することにより採点を行う採点手段を備え、前記採点手段による採点結果に応じて前記入力情報を分類する
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項5】
前記入力情報は、文字又は文字に変換可能な情報を含み、
前記第1の分類手段は、
前記入力情報の前記文字にあらかじめ決められた文字列が含まれるか否かを判別する判別手段を備え、前記判別手段による判別結果を前記入力情報に応じた情報として分類する
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項6】
前記入力情報は、文字又は文字に変換可能な情報を含み、
前記第1の分類手段は、
文字列とグループとを対応付けて記憶する記憶手段を備え、
前記入力情報の前記文字に前記文字列が含まれる場合に、当該入力情報を当該文字列に対応付けられたグループに分類する
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項7】
前記送信手段は、
前記再生手段による再生情報の再生時間に応じたタイミングで前記入力情報を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項8】
前記送信手段は、
複数の異なるタイミングで前記入力情報を送信し、
前記第1及び第2の分類手段は、
前記入力情報が受信されるタイミング毎に分類を行う
ことを特徴とする請求項7に記載の通信システム。
【請求項9】
コンピュータを、
複数の利用者によってそれぞれ使用される複数の端末のいずれかを送信元として当該端末の利用者により入力された入力情報を取得する取得手段と、
前記入力情報の送信元である端末の利用者を識別する識別手段と、
前記取得手段により取得された入力情報又は当該入力情報に応じた情報を複数のグループの少なくともいずれかに分類する第1の分類手段と、
前記第1の分類手段による分類結果に基づき、前記識別手段により識別された利用者を複数のグループの少なくともいずれかに分類する第2の分類手段と、
前記第2の分類手段による利用者の分類結果を表す分類情報を生成する生成手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−198896(P2009−198896A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−41685(P2008−41685)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】