説明

通信システムにおける局側装置および通信制御方法

【課題】通信状態に応じて局側装置を構成するデバイスや帯域等の資源の柔軟な割当てを可能にする局側装置およびその通信制御方法を提供する。
【解決手段】複数の宅側装置200が伝送路で接続された局側装置であって、複数の宅側装置との間で伝送路を通した信号の送受信を行う複数の物理層デバイス102−1〜102−4と、それぞれ管轄する宅側装置に対する信号の送受信制御および帯域割当てを少なくとも行う複数のメディアアクセス制御(MAC)デバイス101−1〜101−4と、複数の物理層デバイスと複数のMACデバイスとの間の接続状態を変更可能に設定するスイッチ103と、複数の物理層デバイスの一部あるいは全部を複数のMACデバイスの1つに接続するようにスイッチおよび複数のMACデバイスを制御する制御部104と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システムに係り、特に複数の宅側装置を接続した局側装置とその通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、光アクセス領域には、1つの局側通信装置(Optical Line Terminal: OLT)と複数の宅側通信装置(Optical Network Unit: ONU)とを、光ファイバおよび光スプリッタで接続し、複数のONUで帯域を共有するパッシブ光ネットワーク(Passive Optical Network:PON)が広く用いられている。OLTからONUへの下り伝送には通常の光通信で用いられる信号と同様の連続信号が用いられる。一方、各ONUからOLTへの上り伝送には、複数のONUからの信号の衝突を避けるため、時分割多重接続(Time Division Multiple Access: TDMA)方式によるバースト信号が用いられる。
【0003】
OLTは、帯域制御や送信フレーム生成、受信信号の処理を行うメディアアクセス制御回路(Media Access Control-Large Scale Integrated:MAC−LSI)と、ONUとの光信号の送受信を行う光I/F(光I/F)と、からなり、1つのMAC−LSIと1つの光I/Fが高速信号用I/Fで接続され、PON-OLTとして機能する。また、PONにおいてはOLTが管轄するONUを論理リンクID(Logical Link ID:LLID)単位で管理し、上り信号/下り信号の帯域制御を行う。現在、標準化が完了し、次世代のPONとして開発が進められている10G−EPON(非特許文献1)では、光の分岐損失、伝送損失からロスバジェットが規定され、1台のOLTから光スプリッタにより最大32分岐、最大伝送距離は20kmとなっている。
【0004】
10G−EPONにおいては、新規にONUが接続された際、アクセス制御プロトコルMPCP(Multi-Point Control Protocol)に従ってディスカバリ処理がなされる。このプロセスによりOLTは、新規に接続されたONUに対してLLIDを付与し、往復時間RTT(Round Trip Time)を測定してOLTと時刻同期させる。PONには光スプリッタによる時分割多重(TDM)が用いられているため、複数のONUからの上り信号が衝突しないように送信タイミング制御を行う。具体的にはOLTからGateメッセージを各ONUに送信し、各ONUの上り信号送信タイミングと送信量とを指定する。送信タイミングおよび送信量は各ONUからの帯域割当要求と、ディスカバリ処理時に測定したRTTを元にOLTのMAC−LSI内で計算される。このようなONU制御は動的帯域割当(DBA)と呼ばれる。
【0005】
ところで、近年、温室効果ガス削減や燃料資源節約のためにネットワークの省電力化が求められている。特に、PONシステムでは、局舎と加入者宅とを接続するアクセス領域の電力消費が大きいために早急な対策が必要である。省電力化に関しては種々の技術が提案されている。たとえば特許文献1に開示されたシステムでは、加入者側装置を間欠的に送受信動作させることで省電力化を図っている。また、特許文献2に開示された伝送装置の省電力技術では、複数の並列伝送チャネルのうち使用するチャネルの光送信部だけに電源を供給し、他の光送信部の電源をオフにすることで省電力化を図っている。
【0006】
他方、光ファイバ通信では、障害発生時の通信遮断を回避するために、通常使用する通信装置のほかに予備系の通信装置を設けた冗長システムも提案されている。たとえば特許文献3には、局側装置内に予備系を含む複数の光回線ユニット(OSU)を設け、通信の停止を回避する送信制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−233761号公報
【特許文献2】特開2010−263610号公報
【特許文献3】特開2010−206687号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】IEEE802.3av-2009 “Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection (CSMA/CD) Access Method and Physical Layer Specifications”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載の技術によれば、ONUの消費電力を抑えることでPON全体の省電力を図ることはできる。しかしながら、時間帯あるいは地域によっては実際に送受信されるトラフィックがほとんどない場合や接続されているONUの数が少ない場合がある。このような場合には情報量あるいはユーザあたりのOLT消費電力が非常に大きくなり非効率的である。言い換えれば、通信状況に応じてOLTの資源を柔軟に変更できないために、十分なOLT消費電力の削減を達成できない。
【0010】
特許文献2の省電力技術は、多重部が複数のフレームを1レーンに束ね、多重化されたフレームを送信する光送信部だけに電源を供給するものである。したがって、送信データ量に応じた光送信部の電源効率化を狙うことはできるが通信状況に応じた省電力化を図ることができない。
【0011】
また、特許文献3に記載の技術によれば、現用OSUに障害が発生した場合、予備系OSUに切り替えて通信を復旧させることが可能であるが、複数のOSUを光スイッチにより切り替えているために、同時に複数のOSUに障害が発生した場合に対応できない。
【0012】
このように、上記特許文献に開示されたような技術を用いた局側装置OLTでは、通信資源を柔軟に変更できないために、通信状況に応じた省電力化を十分に達成できな上に、種々の障害に柔軟に対応することができない。
【0013】
そこで、本発明の目的は、通信状態に応じて局側装置を構成するデバイスや帯域等の資源の柔軟な割当てを可能にする局側装置およびその通信制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明による局側装置は、複数の宅側装置が伝送路で接続された局側装置であって、前記複数の宅側装置との間で伝送路を通した信号の送受信を行う複数の物理層デバイスと、それぞれ管轄する宅側装置に対する信号の送受信制御および帯域割当てを少なくとも行う複数のメディアアクセス制御(MAC)デバイスと、前記複数の物理層デバイスと前記複数のMACデバイスとの間の接続状態を変更可能に設定するスイッチ手段と、前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部を前記複数のMACデバイスの1つに接続するように前記スイッチ手段および前記複数のMACデバイスを制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
本発明による通信制御方法は、複数の宅側装置が伝送路で接続された局側装置における通信制御方法であって、前記局側装置が、前記複数の宅側装置との間で伝送路を通した信号の送受信を行う複数の物理層デバイスと、それぞれ管轄する宅側装置に対する信号の送受信制御および帯域割当てを少なくとも行う複数のメディアアクセス制御(MAC)デバイスと、を備え、スイッチ手段が前記複数の物理層デバイスと前記複数のMACデバイスとの間の接続状態を変更可能に設定し、前記スイッチ手段および前記複数のMACデバイスを制御することで、前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部を前記複数のMACデバイスの1つに接続する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、通信状態に応じて局側装置を構成するデバイスや帯域等の資源の柔軟な割当てが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態による局側装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態の通常運用時の動作を説明するための模式的なブロック図である。
【図3】第1実施形態の省電力時の動作を説明するための模式的なブロック図である。
【図4】第1実施形態による局側装置を用いた通信システムのOLT再構成(Reconfiguration)による省電力動作への移行を示すシーケンス図である。
【図5】第1実施形態による局側装置を用いた通信システムの省電力動作から通常運用への移行を示すシーケンス図である。
【図6】本発明の第2実施形態による局側装置の動作例を示すタイムチャートである。
【図7】本発明の第3実施形態による局側装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図8】第3実施形態による局側装置を用いた通信システムの予備系への切替動作を示すシーケンス図である。
【図9】本発明の第4実施形態による局側装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第5実施形態による局側装置の機能的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明による局側装置は、複数の物理層デバイスと複数のメディアアクセス制御(MAC)デバイスとの間に集約スイッチを設け、通信状況に応じて集約スイッチを制御することで、1つのMACデバイスに複数の物理層デバイスを電気的に接続することができ、これにより局側装置の通信状況に応じて局側リソースを効率的に分配し省電力化を図ることができる。
【0019】
より具体的には、M個(Mは2以上の整数)の光インターフェイス(光I/F)とN個(Nは2以上の整数)のMACデバイス(MAC−LSI)との間に集約スイッチを設け、電気信号(または論理信号)の段で分岐・集約を行う。宅側装置の稼働数や帯域利用量などの通信状況に応じて集約スイッチを制御することにより、各宅側装置にリソースを効率的に分配することができる。また集約スイッチにより電気信号での分岐、集約を行うことで、光信号の不要な分岐損失をなくしつつMAC以上の上位ブロックの稼働数を調整でき、省電力化を図ることが可能となる。
【0020】
以下、10G−EPON標準の光通信システムを一例として、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は10G−EPON標準に限定されるものではなく、他の種類のPONあるいは通信装置にも適用可能である。また、図および説明の煩雑化を避けるためにMACデバイスの数Nと光I/Fの数MとをM=N=4として説明するが、この数に限定されるものではない。
【0021】
1.第1実施形態
1.1)構成
本発明の第1実施形態による局側装置100は、MACデバイス101(101−1〜101−4)と光I/F102(102−1〜102−4)とが電気または論理信号の集約スイッチ103により任意の組合せで接続可能であり、集約スイッチ103はOLT機能管理ブロック104により制御される。
【0022】
OLT機能管理ブロック104は、光I/F102−1〜102−4をそれぞれ通過するトラフィックの通信状態を監視する通信状態監視ブロック105と、MACデバイス 101−1〜101−4が管轄する全てのONU200に対して一括してLLID付与または削除を行うLLID管理ブロック106と、集約スイッチ103の経路を制御する経路制御ブロック107と、OLT全体を管理する制御部108とを有する。
【0023】
MACデバイス101−1〜101−4の各々は論理回路で構成され、自身の配下にあるONU200に対して、帯域割り当ての計算、下り信号フレーム生成および上り信号の受信処理を行う。全てのMACデバイス101−1〜101−4は全体管理ブロックからのマスタクロックで動作し互いに同期している。
【0024】
光I/F102−1〜102−4の各々は、レーザ光源および光変調器からなる電気/光(E/O:Electrical/Optical)変換部と、光電変換器としてのアバランシェフォトダイオード(ADP)からなる光/電気(O/E:Optical/Electrical)変換部と、電気信号増幅回路とを有する。E/O変換部はMACデバイス101−1〜101−4の1つから集約スイッチ103を通して入力した送信信号を光信号に変換し、光伝送路へ送出する。ここでは、光I/Fから送出された光信号は光分岐部300により分岐され、複数のONU200へ分配される。O/E変換部は、ONU200から光分岐部300を通して到達した光信号を光電変換し、変換後の電気信号を集約スイッチ103を介してMACデバイス101−1〜101−4のいずれか1つに出力する。
【0025】
集約スイッチ103は複数の第1ポートと複数の第2ポートとを有し、複数の第1ポートがMACデバイス101−1〜101−4にそれぞれ接続され、複数の第2ポートが光I/F102−1〜102−4にそれぞれ接続されている。集約スイッチ103は、各第1ポートが1つあるいは複数の第2ポートに接続し、各第2ポートが1つあるいは複数の第1ポートに接続することができるマトリクススイッチの構成を有する。また、全ての入力ポートから全ての出力ポートまでの信号伝播遅延が等しくなるように構成されている。
【0026】
通信状態監視ブロック105は、稼動中のMACデバイス101−1〜101−4からLLID別にトラフィック量の情報を取得し、LLID管理ブロック106を参照して光I/Fごとに総トラフィック量を集計し、各光I/F102−1〜102−4を通過するトラフィックを監視する。
【0027】
LLID管理ブロック106はMACデバイス101−1〜101−4の間で共通に使用するLLIDを管理しており、ONU200からのLLID付与要求または削除要求をMACデバイスを介して受けることにより各ONU200へのLLIDの付与または削除を行う。
【0028】
経路制御ブロック107は、MACデバイス101−1〜101−4から入力した稼動ONU数あるいは帯域利用量、またはその両方の情報に基づいて、制御部108が判断した経路設定に従い集約スイッチ103を制御する。
【0029】
一般的なOLTでは、各MACデバイスにLLID管理ブロックが備えられており、複数のMACデバイスがそれぞれに独立してLLIDの管理を行い、登録したONUのONU-type、レンジングの結果得られたRTT、QoS-rank等をLLIDに関連付けて記憶する。
【0030】
これに対して、本実施形態による局側装置100ではLLID管理ブロック106を複数のMACデバイス101−1〜101−4で共有し、LLID管理ブロック106はLLID、ONU-type、RTT、担当する光I/F、QoS-rank等を管理する。
【0031】
本実施形態によれば、光I/F102−1〜102−4の集約を効率的に行うために、LLIDを付与されたONU200が複数の光I/F102−1〜102−4のうちのいずれに接続されているかを特定する必要がある。そのため、新たなONU200が追加されるたびに、少なくとも一度以上、図1に付した同じ番号(#N:Nは番号)のMACデバイスと光I/Fとを接続し、追加されたONU200が接続されている光I/Fを特定し、LLIDと接続光I/F番号とを関連付けて、LLID管理ブロック106へ通知する。LLID管理ブロック106は通知された情報を元に、LLID管理テーブルに当該LLIDを持つONU200が接続されている光I/F番号を追加する。
【0032】
なお、OLT機能管理ブロック104の機能は、図示しないメモリに格納されたプログラムをプログラム制御プロセッサ上で実行することにより実現することもできる。以下、本実施形態の動作を詳細に説明する。
【0033】
1.2)切替動作1(省電力モードへの移行)
図2〜図4を参照しながら、通常運用モードから省電力モードへの移行について説明する。通常運用時には、図2に示すように、MACデバイス101−1〜101−4と光I/F102−1〜102−4が1対1で接続される。この状態から帯域要求量あるいは接続ONU数の変動により、制御部108が1つのMACデバイスだけで複数の光I/Fを収容できると判断したとする。この場合、制御部108は、経路制御ブロック107を制御して、例えば図3に示すように光I/F102−1〜102−3を1つのMACデバイス101−1に集約し、残りのMACデバイス101−2および101−3の電源をOFFすることで機能を停止させる。これにより局側装置100全体の消費電力を低減させることができる。
【0034】
以下、本発明によるOLT再構成(Reconfiguration)の動作を図4を参照しながら具体的に説明する。ここでは、通常運用状態で帯域要求または稼動ONU数が少なくなり、図2に示す接続状態から図3に示す省電力接続状態へ移行する動作を説明する。
【0035】
MACデバイス101−1〜101−4は、LLIDに関連付けられたトラフィック量または稼動ONU数、通信障害アラーム等の通信状態の情報をOLT機能管理ブロック104へ通知し、通信状態監視ブロック105がLLIDごとのトラフィック量を集計し各光I/Fのトラフィック量を監視する(ステップS1)。
【0036】
制御部108は、通信状態監視ブロック105からの監視情報に基づいて、たとえばトラフィック量合計が通信システムの容量よりも十分少ない場合とか稼動ONU数が所定数より少ない場合にMACデバイス101−1〜101−4と光I/F102−1〜102−4との接続状態をより効率的に変更できるか否かを判定する。ここでは、光I/F102−1〜102−3を通過するトラフィック量合計が1つのMACデバイス101−1で対応できると判断したとする(ステップS2)。この場合、制御部108は全てのMACデバイス101−1〜101−4に、その時点以降の帯域割当をしないように指示を出す(ステップS3)。その際に、必要に応じて、MACデバイス101−1〜101−4がONU200に対し局側装置100が再構成(Reconfiguration)を行うことを示すOLT_Reconfig通知を送信してもよい(ステップS4)。
【0037】
MACデバイス101−1〜101−4は、それぞれのONU200から割り当て済みの上り信号を受信し全ての終端処理が終了すると(ステップS5)、OLT機能管理ブロック104へ再構成スタイバイ(Reconfig_SBY)信号を返す(ステップS6)。
【0038】
OLT機能管理ブロック104の制御部108は、全てのMACデバイス101−1〜101−4からReconfig_SBY信号を受けると、経路制御ブロック107を制御して集約スイッチ103に経路切替指示を出す(ステップS7)。集約スイッチ103は、経路切替指示を受けて、MACデバイス101−1と光I/F102−1〜102−3、MACデバイス101−4と光I/F102−4をそれぞれ接続させるように接続状態を変更する。
【0039】
同時に、制御部108は、MACデバイス101−1に対して、再構成前にMACデバイス102−2および102−3が管轄していたONUのLLID情報と、PON運用に必要な情報(例えばONU-type, RTT, QoS-rankなど)とを通知すると共に、MACデバイス101−1および101−4に対してPON運用再開指示を送信する(ステップS8)。さらに制御部108は、MACデバイス102−2および102−3の電源供給をシャットダウンし(ステップS9)、LLID管理テーブルの接続光I/F情報を更新する。
【0040】
MACデバイス101−1は、通知されたLLID情報を元に、通常のMPCPプロトコルおよびDBAアルゴリズムに従い最大96分岐のPON運用を行う。なお、複数の光I/F102−1〜102−4を介したPONにおいて、全てのMACデバイス101−1〜101−4から全ての光I/F102−1〜102−4 までの信号伝播遅延を等しく設計することで、経路を切り替えた後も、MACデバイス101−1〜101−4が行う通常のDBAアルゴリズムによってONUの上り信号送信タイミング制御が可能である。
【0041】
1.3)切替動作2(省電力モードからの復帰)
図2および図5を参照しながら、省電力モードから通常運用モードへの復帰について説明する。図3に示す省電力モードでは、上述したようにMACデバイス101−1が光I/F102−1〜102−3と接続され、MACデバイス101−4が光I/F102−4と接続されている。
【0042】
この省電力状態で、図5に示すように、MACデバイス101−1および101−4は、LLID単位で通信状態をOLT機能管理ブロック104に通知しており(ステップS1)、通信状態監視ブロック105は各光I/F101−1および101−4ごとのトラフィック量を集計している。
【0043】
ここで、制御部108がMACデバイス101−1だけでは光I/F102−1〜102−3に接続されているONUへの帯域割当ができないと判断すると、MACデバイス101−2および101−3に対して再起動指示を出力する(ステップS10)。これに対して、MACデバイス101−2および101−3は再起動の初期設定が終了すると、OLT機能管理ブロック104へReconfig_SBY信号を返す(ステップS11)。
【0044】
制御部108は、MACデバイス101−2および101−3からReconfig_SBY信号を受信すると、MACデバイス101−1および101−4に対して、それ以降の帯域割当を停止する指示を出す(ステップS12)。その際、必要に応じて、MACデバイス101−1および101−4が配下のONU200に対し局側装置100が再構成(Reconfiguration)を行うことを示すOLT_Reconfig通知を送信してもよい(ステップS4)。
【0045】
MACデバイス101−1および101−4は、それぞれのONU200から割り当て済みの上り信号を受信し全ての終端処理が終了すると(ステップS5)、OLT機能管理ブロック104へ再構成スタイバイ(Reconfig_SBY)信号を返す(ステップS13)。
【0046】
OLT機能管理ブロック104の制御部108は、MACデバイス101−1および101−4からReconfig_SBY信号を受けると、経路制御ブロック107を制御して集約スイッチ103に経路切替指示を出す(ステップS14)。集約スイッチ103は、経路切替指示を受けて、MACデバイス101−1〜101−4と光I/F102−1〜102−4とを1対1で接続させるように接続状態を変更する。
【0047】
同時に、制御部108は、MACデバイス101−1〜101−4各々に対して、管轄すべきLLID情報と、PON運用に必要な情報(例えばONU-type, RTT, QoS-rankなど)とを通知すると共に、MACデバイス101−1〜101−4に対してPON運用再開指示を送信する(ステップS15)。MACデバイス101−1〜101−4は通知されたLLID情報を元に通常のMPCPプロトコルおよびDBAアルゴリズムに従い、最大32分岐のPON運用を行う。
【0048】
上記のような省電力動作への移行および省電力動作からの復帰の条件は、本発明を利用する通信オペレータがサービス形態に応じて設定することができる。
【0049】
また、ONU200は、局側装置100からOLT_Reconfigの信号を受け取った際に、局側装置100からの下り信号の瞬断によるアラームを切るよう設定しても良い。
【0050】
本実施形態では最大集約可能数(MACデバイスと光I/Fの数)を4として説明したが、最大集約可能数は装置の規模や求められる性能、あるいはService Level Agreement(SLA)により自由に設計できるものである。
【0051】
また、本実施形態では帯域要求の量あるいは接続ONU数で経路切り替えの判断を行う例で説明したが、例えば複数のMACデバイスのいずれかで障害やソフト/ハードウェア更新の必要性が発生したことを検知して、OLT機能管理ブロック104にアラームを送出したことをトリガとして経路切り替えの判定をしても良い。あるいは、帯域要求の量、接続ONU数および上記障害や更新のうち任意の組合せにより経路切替判断を行うこともできる。
【0052】
1.4)効果
本実施形態によれば、実効的なONU稼動数または帯域利用量に応じてMACデバイスの稼動数を制御することができるので、無駄な電力消費を抑え局側装置の省電力を図ることができる。また、電気信号領域での集約・分岐を行うことにより、光信号の分岐損失を増大させることなく集約数を増加させることが可能である。
【0053】
2.第2実施形態
上述した第1実施形態では、MACデバイス101−1〜101−4から上位のブロックの省電力動作について説明したが、より大きな省電力効果をもたらすためには光I/F102−1〜102−4の省電力動作も必要である。
【0054】
そこで、本発明の第2実施形態による局側装置は、MACデバイス101−1〜101−4に光I/F電源制御機能を設け、また集約スイッチ103にMACデバイス101−1〜101−4から光I/F102−1〜102−4へそれぞれ制御信号線を設ける。光I/F102−1〜102−4は、次に述べるように、各光I/Fを管轄するMACデバイスで行うDBA情報によって省電力動作を行う。
【0055】
図6に示すように、PONの上り信号はバースト信号であり、帯域利用量やDBAアルゴリズムによってはONU200からの上り信号が入力されない無信号区間が存在する。そこで、この無信号区間で、図6に示すように光I/F102−1〜102−4の受信ブロックを省電力動作させる。これにより通常のPONの動作を妨げることなく光I/F102−1〜102−4の消費電力を抑制することができる。
【0056】
3.第3実施形態
本発明は、局側装置の省電力だけでなく、OLTの冗長構成による信頼性向上にも寄与しうる。劣化した装置を新しいものに交換したりMACデバイスに含まれるハードウェアやソフトウェアを更新したりするためには、一部のMACデバイスの機能を一時的に停止させる必要がある。その際に、修理・更新等の作業の間のONU200との通信を確保するために、一時停止させるMACデバイスの機能を他のMACデバイスに移行させる必要があるが、このような場合にも本発明は有効である。
【0057】
3.1)構成
図7に示すように、本発明の第3実施形態による局側装置100は、図1に示す第1実施形態の構成に加え、1つ以上の予備系MACデバイス(ここでは1個の予備系MACデバイス101−5)を備える。この予備系MACデバイスを設けることで、現用系のMACデバイスに障害による修理や更新の必要性が生じた場合、サービスレベルを低下させることなく通信を維持することができる。すなわち、OLT機能制御ブロック104の制御部108は、MACデバイス101−1〜101−4のいずれかから障害通知信号を受けると、予備系MACデバイス101−5を起動し、障害通知のあったMACデバイスの機能を停止させて経路の切り替えを行う。
【0058】
以下、通常運用状態でMACデバイス101−1に修理あるいは更新の必要性が発生した場合の動作について具体的に説明する。
【0059】
3.2)動作
図8において、MACデバイス101−1〜101−4は、LLIDに関連付けられたトラフィック量または稼動ONU数、通信障害アラーム等の通信状態の情報をOLT機能管理ブロック104へ通知し、通信状態監視ブロック105がLLIDごとのトラフィック量や障害発生の有無を監視している(ステップS1)。
【0060】
制御部108は、通信状態監視ブロック105からの監視情報に基づいて、たとえばMACデバイス101−1の障害アラームが発生し、予備系MACデバイス101−5へ切り替える判断をしたものとする(ステップS2)。この場合、制御部108は、予備系MACデバイス101−5に対して起動指示を出力する(ステップS20)。これに対して、予備系MACデバイス101−5は起動の初期設定が終了すると、OLT機能管理ブロック104へReconfig_SBY信号を返す(ステップS21)。
【0061】
続いて、制御部108は、予備系MACデバイス101−5からReconfig_SBY信号を受信すると、MACデバイス101−1に対して、それ以降の帯域割当を停止する指示を出す(ステップS22)。その際、必要に応じて、MACデバイス101−1が配下のONU200に対し局側装置100が再構成(Reconfiguration)を行うことを示すOLT_Reconfig通知を送信してもよい(ステップS23)。MACデバイス101−1が、それぞれのONU200から割り当て済みの上り信号を受信し全ての終端処理が終了すると(ステップS24)、OLT機能管理ブロック104へ再構成スタイバイ(Reconfig_SBY)信号を返す(ステップS25)。
【0062】
OLT機能管理ブロック104の制御部108は、MACデバイス101−1からReconfig_SBY信号を受けると、経路制御ブロック107を制御して集約スイッチ103に経路切替指示を出す(ステップS26)。集約スイッチ103は、経路切替指示を受けて、MACデバイス101−2〜101−4を光I/F102−2〜102−4に1対1接続させたまま、予備系MACデバイス101−5を光I/F102−1に接続させるように接続状態を変更する。
【0063】
同時に、制御部108は、予備系MACデバイス101−5に対して、MACデバイス101−1が再構成前に管轄していたLLID情報と、PON運用に必要な情報(例えばONU-type, RTT, QoS-rankなど)とを通知すると共にPON運用再開指示を送信する(ステップS27)。予備系MACデバイス101−5は通知されたLLID情報を元に通常のMPCPプロトコルおよびDBAアルゴリズムに従い、最大32分岐のPON運用を行う。さらに制御部108は、MACデバイス102−1の電源供給をシャットダウンし(ステップS28)、LLID管理テーブルの接続光I/F情報を更新する。
【0064】
3.3)効果
上述したように、本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、MACデバイス101−1〜101−4のいずれかに障害が発生しても、または更新の必要が生じた場合でも、サービスレベルを低下させることなく復旧が可能となる。
【0065】
4.第4実施形態
PONでは、伝送路障害や光デバイスの劣化によるサービス断を防ぐため、OLT-ONU間の装置や伝送路を2重化する方式が検討されている。本発明の第4実施形態による局側装置100は、図9に示すように、図1に示す第1実施形態の構成に加え、光I/F102−1〜102−4と同等の機能をもつ1個以上の予備系光I/F102−5を備え、複数の光I/Fの一部もしくは全部を2重化して集約スイッチに接続する。ここでは、2重化した光I/F102−4および予備系光I/F102−5に2×32スプリッタ301を接続し、2×32スプリッタ301にONU201を接続することで伝送路を2重化している。
【0066】
本実施形態の場合、OLT機能制御ブロック104は、MACデバイス101−1〜101−4からの障害通知信号を受け、経路切り替えの判定を行う。再構成時の動作は、第1実施形態に示した手順に従い集約スイッチ103を制御することで光I/F102−4と予備系光I/F102−5を切り替える。本実施形態により、光I/F102−1〜102−4に障害が発生した場合または更新の必要が生じた場合にもサービスレベルを低下させることなく復旧が可能となる。
【0067】
5.他の実施形態
上述した第3実施形態と第4実施形態を組み合わせてMACデバイスと光I/Fの両方の冗長化を行うこともできる。
【0068】
図10に示すように、本発明の第5実施形態による局側装置100は、図1に示す第1実施形態の構成に加え、1つ以上の予備系MACデバイス(ここでは1個の予備系MACデバイス101−5)と、光I/F102−1〜102−4と同等の機能をもつ1個以上の予備系光I/F102−5とを備える。本実施形態の構成および動作は第3実施形態と第4実施形態との組合せであるから、説明は省略する。
【0069】
以上、上記第1〜第5実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
【0070】
6.付記
上述した実施形態の一部あるいは全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、これらに限定されるものではない。
【0071】
(付記1)
複数の宅側装置が伝送路で接続された局側装置であって、
前記複数の宅側装置との間で伝送路を通した信号の送受信を行う複数の物理層デバイスと、
それぞれ管轄する宅側装置に対する信号の送受信制御および帯域割当てを少なくとも行う複数のメディアアクセス制御(MAC)デバイスと、
前記複数の物理層デバイスと前記複数のMACデバイスとの間の接続状態を変更可能に設定するスイッチ手段と、
前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部を前記複数のMACデバイスの1つに接続するように前記スイッチ手段および前記複数のMACデバイスを制御する制御手段と、
を有することを特徴とする局側装置。
【0072】
(付記2)
前記制御手段は、前記複数のMACデバイスの各々が管轄する宅側装置との通信状態に基づいて前記スイッチ手段を制御し、前記複数の物理層デバイスと前記複数のMACデバイスとの間の接続状態を前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部が前記1つのMACデバイスに集約された接続状態に変更することを特徴とする付記1に記載の局側装置。
【0073】
(付記3)
前記制御手段は、前記複数の物理層デバイスに接続される全ての宅側装置に対して前記複数のMACデバイスの間で共通に用いる識別番号を割り当てて管理する識別番号管理手段を有し、前記識別番号を用いて各MACデバイスが管轄する宅側装置との通信状態を監視することを特徴とする付記2に記載の局側装置。
【0074】
(付記4)
前記制御手段は、前記複数の物理層デバイスの各々を通過するトラフィック量、各物理層デバイスに接続されている宅側装置の個数、あるいはMACデバイスからの通信障害通知の有無のうち少なくとも1つを前記通信状態として監視することを特徴とする付記2または3に記載の局側装置。
【0075】
(付記5)
前記制御手段は、前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部を前記1つのMACデバイスに集約した場合、信号の送受信をしていない他のMACデバイスの機能の一部あるいは全部を停止することを特徴とする付記1−4のいずれか1項に記載の局側装置。
【0076】
(付記6)
前記物理層デバイスが、伝送路から入力した光信号を電気信号に変換し、送信すべき電気信号を光信号に変換する光インターフェイスであり、前記MACデバイスおよび前記スイッチ手段は電気信号を扱うことを特徴とする付記1−5のいずれか1項に記載の局側装置。
【0077】
(付記7)
複数の宅側装置が伝送路で接続された局側装置における通信制御方法であって、
前記局側装置が、前記複数の宅側装置との間で伝送路を通した信号の送受信を行う複数の物理層デバイスと、それぞれ管轄する宅側装置に対する信号の送受信制御および帯域割当てを少なくとも行う複数のメディアアクセス制御(MAC)デバイスと、を備え、
スイッチ手段が前記複数の物理層デバイスと前記複数のMACデバイスとの間の接続状態を変更可能に設定し、
前記スイッチ手段および前記複数のMACデバイスを制御することで、前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部を前記複数のMACデバイスの1つに接続する、
ことを特徴とする通信制御方法。
【0078】
(付記8)
前記複数のMACデバイスの各々が管轄する宅側装置との通信状態に基づいて前記スイッチ手段を制御することで、前記複数の物理層デバイスと前記複数のMACデバイスとの間の接続状態を前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部が前記1つのMACデバイスに集約された接続状態に変更する、
ことを特徴とする付記7に記載の通信制御方法。
【0079】
(付記9)
識別番号管理手段が前記複数の物理層デバイスに接続される全ての宅側装置に対して前記複数のMACデバイスの間で共通に用いる識別番号を割り当てて管理し、
監視手段が前記識別番号を用いて各MACデバイスが管轄する宅側装置との通信状態を監視する、
ことを特徴とする付記8に記載の通信制御方法。
【0080】
(付記10)
前記監視手段が、前記複数の物理層デバイスの各々を通過するトラフィック量、各物理層デバイスに接続されている宅側装置の個数、あるいはMACデバイスからの通信障害通知の有無のうち少なくとも1つを前記通信状態として監視することを特徴とする付記8または9に記載の通信制御方法。
【0081】
(付記11)
前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部を前記1つのMACデバイスに集約した場合、信号の送受信をしていない他のMACデバイスの機能の一部あるいは全部を停止することを特徴とする付記7−10のいずれか1項に記載の通信制御方法。
【0082】
(付記12)
前記物理層デバイスが、伝送路から入力した光信号を電気信号に変換し、送信すべき電気信号を光信号に変換する光インターフェイスであり、前記MACデバイスおよび前記スイッチ手段は電気信号を扱うことを特徴とする付記7−11のいずれか1項に記載の通信制御方法。
【0083】
(付記13)
局側装置と複数の宅側装置とが伝送路で接続された通信システムであって、
前記局側装置が、
前記複数の宅側装置との間で伝送路を通した信号の送受信を行う複数の物理層デバイスと、
それぞれ管轄する宅側装置に対する信号の送受信制御および帯域割当てを少なくとも行う複数のメディアアクセス制御(MAC)デバイスと、
前記複数の物理層デバイスと前記複数のMACデバイスとの間の接続状態を変更可能に設定するスイッチ手段と、
前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部を前記複数のMACデバイスの1つに接続するように前記スイッチ手段および前記複数のMACデバイスを制御する制御手段と、
を有することを特徴とする通信システム。
【0084】
(付記14)
前記物理層デバイスが、伝送路から入力した光信号を電気信号に変換し、送信すべき電気信号を光信号に変換する光インターフェイスであり、前記伝送路が光伝送路であり、前記局側装置と前記複数の宅側装置とは前記光伝送路と光スプリッタとを通して接続されていることを特徴とする付記13に記載の通信システム。
【0085】
(付記15)
複数の宅側装置が伝送路で接続された局側装置におけるプログラム制御プロセッサを機能させるプログラムであって、
前記局側装置が、前記複数の宅側装置との間で伝送路を通した信号の送受信を行う複数の物理層デバイスと、それぞれ管轄する宅側装置に対する信号の送受信制御および帯域割当てを少なくとも行う複数のメディアアクセス制御(MAC)デバイスと、を備え、
スイッチ手段が前記複数の物理層デバイスと前記複数のMACデバイスとの間の接続状態を変更可能に設定し、
前記スイッチ手段および前記複数のMACデバイスを制御することで、前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部を前記複数のMACデバイスの1つに接続する、
ように前記プログラム制御プロセッサを機能させることを特徴とするプログラム。
【0086】
(付記16)
前記複数のMACデバイスの各々が管轄する宅側装置との通信状態に基づいて前記スイッチ手段を制御することで、前記複数の物理層デバイスと前記複数のMACデバイスとの間の接続状態を前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部が前記1つのMACデバイスに集約された接続状態に変更する、
ことを特徴とする付記15に記載のプログラム。
【0087】
(付記17)
識別番号管理手段が前記複数の物理層デバイスに接続される全ての宅側装置に対して前記複数のMACデバイスの間で共通に用いる識別番号を割り当てて管理し、
監視手段が前記識別番号を用いて各MACデバイスが管轄する宅側装置との通信状態を監視する、
ことを特徴とする付記16に記載のプログラム。
【0088】
(付記18)
前記監視手段が、前記複数の物理層デバイスの各々を通過するトラフィック量、各物理層デバイスに接続されている宅側装置の個数、あるいはMACデバイスからの通信障害通知の有無のうち少なくとも1つを前記通信状態として監視することを特徴とする付記16または17に記載のプログラム。
【0089】
(付記19)
前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部を前記1つのMACデバイスに集約した場合、信号の送受信をしていない他のMACデバイスの機能の一部あるいは全部を停止することを特徴とする付記15−18のいずれか1項に記載のプログラム。
【0090】
(付記20)
前記物理層デバイスが、伝送路から入力した光信号を電気信号に変換し、送信すべき電気信号を光信号に変換する光インターフェイスであり、前記MACデバイスおよび前記スイッチ手段は電気信号を扱うことを特徴とする付記15−19のいずれか1項に記載のプログラム。
【0091】
(付記21)
複数の宅側装置が伝送路で接続された局側装置であって、
前記複数の宅側装置との間で伝送路を通した信号の送受信を行う複数の物理層デバイスと、
それぞれ管轄する宅側装置に対する信号の送受信制御および帯域割当てを少なくとも行う複数のメディアアクセス制御(MAC)デバイスと、
前記複数の物理層デバイスと前記複数のMACデバイスとの間の接続状態を変更可能に設定するスイッチ手段と、
前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部を前記複数のMACデバイスの1つに接続するように前記スイッチ手段および前記複数のMACデバイスを制御する制御手段と、
を有し、
前記複数のMACデバイスの各々は、
自身が管轄する宅側装置との通信状態を検知する状態検知手段と、
自身が管轄する宅側装置との通信状態を前記制御手段へ通知する通知手段と、
を有することを特徴とする局側装置。
【0092】
(付記22)
前記制御手段は、前記複数のMACデバイスの各々からの前記通信状態に基づいて前記スイッチ手段を制御し、前記複数の物理層デバイスと前記複数のMACデバイスとの間の接続状態を前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部が前記1つのMACデバイスに集約された接続状態に変更することを特徴とする付記21に記載の局側装置。
【0093】
(付記23)
前記制御手段は、前記複数の物理層デバイスに接続される全ての宅側装置に対して前記複数のMACデバイスの間で共通に用いる識別番号を割り当てて管理する識別番号管理手段を有し、前記識別番号を用いて各MACデバイスが管轄する宅側装置との通信状態を監視することを特徴とする付記22に記載の局側装置。
【0094】
(付記24)
前記制御手段は、前記複数の物理層デバイスの各々を通過するトラフィック量、各物理層デバイスに接続されている宅側装置の個数、あるいはMACデバイスからの通信障害通知の有無のうち少なくとも1つを前記通信状態として監視することを特徴とする付記22または23に記載の局側装置。
【0095】
(付記25)
前記制御手段は、前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部を前記1つのMACデバイスに集約した場合、信号の送受信をしていない他のMACデバイスの機能の一部あるいは全部を停止することを特徴とする付記21−24のいずれか1項に記載の局側装置。
【0096】
(付記26)
前記物理層デバイスが、伝送路から入力した光信号を電気信号に変換し、送信すべき電気信号を光信号に変換する光インターフェイスであり、前記MACデバイスおよび前記スイッチ手段は電気信号を扱うことを特徴とする付記21−25のいずれか1項に記載の局側装置。
【0097】
(付記27)
複数の宅側装置が伝送路で接続された局側装置における通信制御方法であって、
前記局側装置が、前記複数の宅側装置との間で伝送路を通した信号の送受信を行う複数の物理層デバイスと、それぞれ管轄する宅側装置に対する信号の送受信制御および帯域割当てを少なくとも行う複数のメディアアクセス制御(MAC)デバイスと、を備え、
スイッチ手段が前記複数の物理層デバイスと前記複数のMACデバイスとの間の接続状態を変更可能に設定し、
前記スイッチ手段および前記複数のMACデバイスを制御することで、前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部を前記複数のMACデバイスの1つに接続し、
前記複数のMACデバイスの各々が、
自身が管轄する宅側装置との通信状態を検知し、
自身が管轄する宅側装置との通信状態を前記制御手段へ通知する、
ことを特徴とする通信制御方法。
【0098】
(付記28)
前記複数のMACデバイスの各々からの前記通信状態に基づいて前記スイッチ手段を制御することで、前記複数の物理層デバイスと前記複数のMACデバイスとの間の接続状態を前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部が前記1つのMACデバイスに集約された接続状態に変更する、
ことを特徴とする付記27に記載の通信制御方法。
【0099】
(付記29)
識別番号管理手段が前記複数の物理層デバイスに接続される全ての宅側装置に対して前記複数のMACデバイスの間で共通に用いる識別番号を割り当てて管理し、
監視手段が前記識別番号を用いて各MACデバイスが管轄する宅側装置との通信状態を監視する、
ことを特徴とする付記28に記載の通信制御方法。
【0100】
(付記30)
前記監視手段が、前記複数の物理層デバイスの各々を通過するトラフィック量、各物理層デバイスに接続されている宅側装置の個数、あるいはMACデバイスからの通信障害通知の有無のうち少なくとも1つを前記通信状態として監視することを特徴とする付記28または29に記載の通信制御方法。
【0101】
(付記31)
前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部を前記1つのMACデバイスに集約した場合、信号の送受信をしていない他のMACデバイスの機能の一部あるいは全部を停止することを特徴とする付記27−30のいずれか1項に記載の通信制御方法。
【0102】
(付記32)
前記物理層デバイスが、伝送路から入力した光信号を電気信号に変換し、送信すべき電気信号を光信号に変換する光インターフェイスであり、前記MACデバイスおよび前記スイッチ手段は電気信号を扱うことを特徴とする付記27−31のいずれか1項に記載の通信制御方法。
【0103】
(付記33)
局側装置と複数の宅側装置とが伝送路で接続された通信システムであって、
前記局側装置が、
前記複数の宅側装置との間で伝送路を通した信号の送受信を行う複数の物理層デバイスと、
それぞれ管轄する宅側装置に対する信号の送受信制御および帯域割当てを少なくとも行う複数のメディアアクセス制御(MAC)デバイスと、
前記複数の物理層デバイスと前記複数のMACデバイスとの間の接続状態を変更可能に設定するスイッチ手段と、
前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部を前記複数のMACデバイスの1つに接続するように前記スイッチ手段および前記複数のMACデバイスを制御する制御手段と、
を有し、
前記複数のMACデバイスの各々は、
自身が管轄する宅側装置との通信状態を検知する状態検知手段と、
自身が管轄する宅側装置との通信状態を前記制御手段へ通知する通知手段と、
を有することを特徴とする通信システム。
【0104】
(付記34)
前記物理層デバイスが、伝送路から入力した光信号を電気信号に変換し、送信すべき電気信号を光信号に変換する光インターフェイスであり、前記伝送路が光伝送路であり、前記局側装置と前記複数の宅側装置とは前記光伝送路と光スプリッタとを通して接続されていることを特徴とする付記33に記載の通信システム。
【0105】
(付記35)
複数の宅側装置が伝送路で接続された局側装置におけるプログラム制御プロセッサを機能させるプログラムであって、
前記局側装置が、前記複数の宅側装置との間で伝送路を通した信号の送受信を行う複数の物理層デバイスと、それぞれ管轄する宅側装置に対する信号の送受信制御および帯域割当てを少なくとも行う複数のメディアアクセス制御(MAC)デバイスと、を備え、
スイッチ手段が前記複数の物理層デバイスと前記複数のMACデバイスとの間の接続状態を変更可能に設定し、
前記スイッチ手段および前記複数のMACデバイスを制御することで、前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部を前記複数のMACデバイスの1つに接続し、
前記複数のMACデバイスの各々が、
自身が管轄する宅側装置との通信状態を検知し、
自身が管轄する宅側装置との通信状態を前記制御手段へ通知する、
ように前記プログラム制御プロセッサを機能させることを特徴とするプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、PONのような光通信システムにおける局側装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0107】
100 OLT
101-1 MACデバイス#1
101-2 MACデバイス#2
101-3 MACデバイス#3
101-4 MACデバイス#4
101-5 予備系MACデバイス$5
102-1 光I/F#1
102-2 光I/F#2
102-3 光I/F#3
102-4 光I/F#4
102-5 予備系光I/F#5
103 集約スイッチ
104 OLT機能管理ブロック
105 通信状態監視ブロック
106 LLID管理ブロック
107 経路制御ブロック
108 制御部
200 ONU
201 ONU
300 1:32光スプリッタ
301 2:32光スプリッタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の宅側装置が伝送路で接続された局側装置であって、
前記複数の宅側装置との間で伝送路を通した信号の送受信を行う複数の物理層デバイスと、
それぞれ管轄する宅側装置に対する信号の送受信制御および帯域割当てを少なくとも行う複数のメディアアクセス制御(MAC)デバイスと、
前記複数の物理層デバイスと前記複数のMACデバイスとの間の接続状態を変更可能に設定するスイッチ手段と、
前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部を前記複数のMACデバイスの1つに接続するように前記スイッチ手段および前記複数のMACデバイスを制御する制御手段と、
を有することを特徴とする局側装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記複数のMACデバイスの各々が管轄する宅側装置との通信状態に基づいて前記スイッチ手段を制御し、前記複数の物理層デバイスと前記複数のMACデバイスとの間の接続状態を前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部が前記1つのMACデバイスに集約された接続状態に変更することを特徴とする請求項1に記載の局側装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記複数の物理層デバイスに接続される全ての宅側装置に対して前記複数のMACデバイスの間で共通に用いる識別番号を割り当てて管理する識別番号管理手段を有し、前記識別番号を用いて各MACデバイスが管轄する宅側装置との通信状態を監視することを特徴とする請求項2に記載の局側装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記複数の物理層デバイスの各々を通過するトラフィック量、各物理層デバイスに接続されている宅側装置の個数、あるいはMACデバイスからの通信障害通知の有無のうち少なくとも1つを前記通信状態として監視することを特徴とする請求項2または3に記載の局側装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部を前記1つのMACデバイスに集約した場合、信号の送受信をしていない他のMACデバイスの機能の一部あるいは全部を停止することを特徴とする請求項1−4のいずれか1項に記載の局側装置。
【請求項6】
前記物理層デバイスが、伝送路から入力した光信号を電気信号に変換し、送信すべき電気信号を光信号に変換する光インターフェイスであり、前記MACデバイスおよび前記スイッチ手段は電気信号を扱うことを特徴とする請求項1−5のいずれか1項に記載の局側装置。
【請求項7】
複数の宅側装置が伝送路で接続された局側装置における通信制御方法であって、
前記局側装置が、前記複数の宅側装置との間で伝送路を通した信号の送受信を行う複数の物理層デバイスと、それぞれ管轄する宅側装置に対する信号の送受信制御および帯域割当てを少なくとも行う複数のメディアアクセス制御(MAC)デバイスと、を備え、
スイッチ手段が前記複数の物理層デバイスと前記複数のMACデバイスとの間の接続状態を変更可能に設定し、
前記スイッチ手段および前記複数のMACデバイスを制御することで、前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部を前記複数のMACデバイスの1つに接続する、
ことを特徴とする通信制御方法。
【請求項8】
局側装置と複数の宅側装置とが伝送路で接続された通信システムであって、
前記局側装置が、
前記複数の宅側装置との間で伝送路を通した信号の送受信を行う複数の物理層デバイスと、
それぞれ管轄する宅側装置に対する信号の送受信制御および帯域割当てを少なくとも行う複数のメディアアクセス制御(MAC)デバイスと、
前記複数の物理層デバイスと前記複数のMACデバイスとの間の接続状態を変更可能に設定するスイッチ手段と、
前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部を前記複数のMACデバイスの1つに接続するように前記スイッチ手段および前記複数のMACデバイスを制御する制御手段と、
を有することを特徴とする通信システム。
【請求項9】
前記物理層デバイスが、伝送路から入力した光信号を電気信号に変換し、送信すべき電気信号を光信号に変換する光インターフェイスであり、前記伝送路が光伝送路であり、前記局側装置と前記複数の宅側装置とは前記光伝送路と光スプリッタとを通して接続されていることを特徴とする請求項8に記載の通信システム。
【請求項10】
複数の宅側装置が伝送路で接続された局側装置であって、
前記複数の宅側装置との間で伝送路を通した信号の送受信を行う複数の物理層デバイスと、
それぞれ管轄する宅側装置に対する信号の送受信制御および帯域割当てを少なくとも行う複数のメディアアクセス制御(MAC)デバイスと、
前記複数の物理層デバイスと前記複数のMACデバイスとの間の接続状態を変更可能に設定するスイッチ手段と、
前記複数の物理層デバイスの一部あるいは全部を前記複数のMACデバイスの1つに接続するように前記スイッチ手段および前記複数のMACデバイスを制御する制御手段と、
を有し、
前記複数のMACデバイスの各々は、
自身が管轄する宅側装置との通信状態を検知する状態検知手段と、
自身が管轄する宅側装置との通信状態を前記制御手段へ通知する通知手段と、
を有することを特徴とする局側装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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