説明

通信システム

【課題】上位レイヤパスの設定に際して、既存の下位レイヤパスを利用するか、新たにカットスルーパスを設定するかを、適切に選択する。
【解決手段】複数のノードは、インバンド方式による制御プレーンネットワークとデータプレーンネットワークとを有し、データプレーンネットワークの第1のレイヤに、第1レイヤパスを設定する第1レイヤノードと、第1のレイヤより上位レイヤである第2のレイヤに、第1レイヤパスを用いた第2レイヤパスを設定する第2レイヤノードとを含み、第2レイヤノードは、新たな第2レイヤパスを設定する際、第2レイヤパスの始点終点間において、既に設定されている第1レイヤパスを用いた新たな第2レイヤパスを設定するか、終点第2レイヤノードと直接接続される新たな第1レイヤパスを第1のレイヤに設定し、新たな第1レイヤパスを用いた第2レイヤパスを設定するかを、始終点間で測定される通信品質情報に基づいて決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチレイヤネットワークにおいて設定されるべきパスの通信経路を適切に選択する通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信ネットワークをベースとしたパケットネットワークは、下位レイヤネットワークと、上位レイヤネットワークとを備える。下位レイヤネットワークは、波長単位で通信回線の切り替えを行うWDM(Wavelength Division Multiplexing)装置などの光伝送装置で構成される。上位レイヤネットワークは、下位レイヤネットワークの装置間に設定された通信回線(パス)をリンクとして利用して、レイヤ2におけるフレーム単位で切り替えを行うレイヤ2スイッチや、レイヤ3におけるパケット単位で切り替えを行うIP(Internet Protocol)/MPLS(Multi−Protocol Label Switching)ルータといったパケットレイヤスイッチで構成される。また、WDM装置で構成されたWDMネットワーク上に、SONET/SDH(Synchronous Optical Network/Synchronaus Digital Hierarchy)装置によるTDM(Time Division Multiplexing)ネットワークを構成し、さらにTDMネットワーク上にIP/MPLSルータによるIP/MPLSネットワークを構成するというような、3レイヤ以上で構成されるマルチレイヤネットワークも知られている。
【0003】
以下では、説明の簡易のため、WDM装置等の光伝送装置で構成される下位レイヤネットワークと、IP/MPLSレイヤ等のパケットスイッチで構成される上位レイヤネットワークとの2レイヤで構成されるマルチレイヤネットワークについて説明する。3レイヤ以上で構成されるマルチレイヤネットワークでは、パケットスイッチで構成されるネットワークのうち最も上位のレイヤのネットワークと、そのすぐ下位のレイヤのネットワークとが、各説明文における上位レイヤネットワークと下位レイヤネットワークとに該当する。
【0004】
このようなネットワークにおけるトラフィックエンジニアリング技術として、MPLSやGMPLS(Generalized Multi−Protocol Label Switching)が知られている。MPLSネットワークやGMPLSネットワークでは、制御プレーンネットワークとデータプレーンネットワークとが物理的、あるいは論理的に分離されて構成される。制御プレーンネットワークは、ノード間において、ルーティング情報やパス設定のためのシグナリングメッセージ等を伝送する。データプレーンネットワークは、ノード間において、ユーザのデータトラフィックを伝送する。制御プレーンネットワークとデータプレーンネットワークとが論理的には分離されているが、光ファイバ等の物理的なインターフェースを共有する方式をインバンド方式、論理的にも物理的に分離されている方式をアウトオブバンド方式という。なお、制御プレーンネットワークは、通常、IPネットワークで構成される。
【0005】
このようなマルチレイヤネットワークにおいて、上位レイヤネットワークのノード間通信のために上位レイヤネットワークにパスを設定する方法は二通りある。一つは、既存の上位レイヤリンクを利用して上位レイヤパスを設定する方法である。もう一つは、下位レイヤネットワークに新たなカットスルーパス(下位レイヤカットスルーパス)を設定して上位レイヤネットワークのノード間を直接リンクで接続して、そこに上位レイヤパスを設定する方法である。
【0006】
これら二通りの方法を、図面を参照して説明を行う。図1は、マルチレイヤネットワークによる従来の通信システムの構成を示す図である。図1の通信システムは、上位レイヤノード1011〜1013と、下位レイヤノード1021〜1023とを備える。上位レイヤノード1011〜1013は、それぞれ、各ノード及び上位レイヤパスを制御する制御部1031〜1033を備える。また、下位レイヤノード1021〜1023は、それぞれ、各ノード及び下位レイヤパスを制御する制御部1041〜1043を備える。上位レイヤノード1011〜1013、及び下位レイヤノード1021〜1023は、上位レイヤリンクとなる、下位レイヤパス1051〜1052により接続されている。下位レイヤパス1051〜1052は、データプレーンネットワークに設定されたパスである。ここで、データプレーンネットワークとは、ユーザのトラフィックを伝送するためのネットワークである。また、制御部1031〜1033、及び制御部1041〜1043とは、IPネットワークである制御プレーンネットワーク1000により、それぞれ接続されている。ここで、制御プレーネットワークとは、通信システムに含まれる上位レイヤネットワーク、および下位レイヤネットワークを制御するための制御データを伝送するためのネットワークである。以下の説明では、データプレーンネットワークと制御プレーンネットワークは、同一の物理回線上に論理的に分離されたインバンド方式で構成されているとして説明を行う。
【0007】
制御部1031〜1033は、上位レイヤネットワークのトポロジ情報を、また、制御部1041〜1043は、下位レイヤネットワークのトポロジ情報を、それぞれ、制御プレーンネットワーク1000を介して、OSPF−TE(Open Shortest Path First−Traffic Engineering)等のルーティングプロトコルにより収集する。また、制御部1031〜1033、及び制御部1041〜1043は、制御プレーンネットワーク1000を介して、RSVP−TE(Resource reSerVation Plotocol−Traffic Engineering)等のシグナリングプロトコルを用いたパス制御メッセージを制御部間で送受信して、パスの設定、削除といったパス制御を行う。
【0008】
このような通信システムにおいて、上位レイヤノード1011と上位レイヤノード1013との間に上位レイヤパスを設定する場合を考える。まず、前述の一つ目の方法である既存の上位レイヤリンクを利用して上位レイヤパスを設定する場合を説明する。まず、上位レイヤパスの始点ノードの制御部1031が、上位レイヤノード1011と1013との間に設定されるべき上位レイヤパスの経路を、上位レイヤネットワークのトポロジ情報に基づいて計算する。このとき、既に、下位レイヤパス(上位レイヤリンク)1051〜1052があるため、上位レイヤパスを設定することのできる経路[1011−1012−1013]が存在する。よって、制御部1031を始点として経路[1011−1012−1013]に沿って各ノードの制御部間でシグナリングメッセージをリレーして、各制御部が自ノードに対するパス設定を行う(以下、これらパス設定のための処理をシグナリングと呼ぶ。)ことにより、上位レイヤノード1011と1013との間に上位レイヤパスが設定される。
【0009】
次に、前述の二つ目の方法である下位レイヤネットワークに新たに下位レイヤカットスルーパス(以下、カットスルーパス)を設定する場合を説明する。まず、上位レイヤパスの始点ノードの制御部1031が、上位レイヤノード1011と上位レイヤノード1013との間を直接接続する上位レイヤリンクを設定するために、カットスルーパス1053を設定するように下位レイヤの制御部1041へ要求する。制御部1041は、制御部1031からの要求を受けて、下位レイヤネットワークのトポロジ情報に基づいて、経路計算を行って経路[1021−1022−1023]を検出する。制御部1041は、シグナリングを行ってカットスルーパス1053を設定する。これにより、上位レイヤノード1011と上位レイヤノード1013との間に上位レイヤリンクが設定されたことになる。制御部1031は、保持されている上位レイヤネットワークのトポロジ情報にこの上位レイヤリンクを新たに追加して、上位レイヤパスの経路計算を行う。これにより、制御部1031は、上位レイヤネットワークにおいて1ホップで到達できる経路[1011−1013]を検出し、シグナリングによって上位レイヤノード1011と1013との間に上位レイヤパスが設定される。
【0010】
これら二つの上位レイヤパスの設定方法において、前者の既存の上位レイヤリンクを用いて上位レイヤパスを設定する方法を用いると、新たなパス設定の必要が無いため、ネットワークリソースの利用効率を高めることができる。しかし、設定された上位レイヤパスは、複数の上位レイヤノードを経由するため、経由ノードのうちいずれか1つにおいて輻輳が起きる等の理由で通信データパケットの遅延が増大してしまう危険がある。
【0011】
一方、後者の下位レイヤにカットスルーパスを設定する方法を用いると、上位レイヤの始点ノードと終点ノードとの間を直接接続するリンクが作成される。カットスルーパス上に設定される上位レイヤパスは、他の上位レイヤノードを経由しないため、他の上位レイヤノードにおける輻輳などの影響を受けにくい。しかし、他に利用することが可能な下位レイヤパスが存在する場合であっても、新たに下位レイヤパスを設定してしまうため、ネットワークリソースの利用効率が低下する。したがって、実際には、これら二つの方法を状況に応じて使い分けることが求められる。
【0012】
特許文献1は、上位レイヤパスを設定する際に、上述のいずれの方法を用いるかを判断するパケット通信網を開示している。特許文献1のパケット通信網によれば、上位レイヤパスの始点ノードが、既存パスの通信データパケットのトラフィック情報を観測するトラフィック観測部を備え、上位レイヤパスを設定する際には、トラフィック観測部の観測したトラフィック情報と、予め設けられた閾値とに基づいて、既存パスを利用するか、それともカットスルーパスを設定するかを判定する。ここで、トラフィック情報とは、例えば、ノード内で行われるパケット転送処理の処理遅延時間である。始点ノードである上位レイヤノード1011の制御部1031は、処理遅延時間が閾値を超えていなければ既存パスを利用し、処理遅延時間が閾値を超えていればカットスルーパスを設定する。
【0013】
図2は、図1の通信システムに特許文献1の開示する技術を適用した場合の構成図である。図2の通信システムは、図1の通信システムの構成に加えて、上位レイヤノード1011がトラフィック観測部1061を備えている。トラフィック観測部1061は、上位レイヤノード1011に設定されたパスのトラフィック情報を観測する。図2の上位レイヤノード1011の制御部1031は、上位レイヤノード1011と1013との間に上位レイヤパスを設定しようとする場合、トラフィック観測部1061の観測したトラフィック情報と、予め設定された閾値とを比較して、既存パスを利用して経路[1011−1012−1013]に沿った上位レイヤパスを設定するか、あるいは、カットスルーパス1053を設定し経路[1011−1013]に沿った上位レイヤパスを決定するかを判断する。
【0014】
また、特許文献2、特許文献3には、マルチレイヤネットワークにおける、パス設定に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2003−209564号公報
【特許文献2】特開2005−277941号公報
【特許文献3】特開2005−073152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかし、特許文献1のパケット通信網では、上位レイヤパスの設定に際して、既存の下位レイヤパスを利用するか、あるいはカットスルーパスを設定するかを、設定されるべき上位レイヤパスに即した細やかな判定を行うことができないという課題がある。
【0017】
その理由は、特許文献1のパケット通信網では、パケット通信網の各ノード単位で観測したトラフィック情報のみを判断に使用しているためである。設定されるべき上位レイヤパスに即した情報を用いないため、例えば、既存の下位レイヤパスを利用する場合と、カットスルーパスを設定する場合とで、設定されるべき上位レイヤパスに生じる通信品質の差を考慮して判定することができない。
【0018】
また、他の理由は、特許文献1のパケット通信網では、固定的な閾値を判定基準に使用しているためである。事前に設定された固定的な閾値を判定基準とすることで、当該閾値が、設定されるべき上位レイヤパスを設定する時点において適切な値であることが補償されない。
【0019】
そこで、本発明の目的は、上位レイヤパスの設定に際して、既存の下位レイヤパスを利用するか、あるいは新たにカットスルーパスを設定するかを、設定されるべき上位レイヤパスに即した細やかな判定を行うことが可能な通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の通信システムは、複数のノードを備え、複数のノードは、各ノードを制御する制御データを伝送する制御プレーンネットワークと、各ノード間のユーザデータを伝送するデータプレーンネットワークとを構成し、制御プレーンネットワークと、データプレーンネットワークとは、同一の物理インターフェース上で論理的に分離されたインバンド方式で構成され、データプレーンネットワークの第1のレイヤに、複数のノード間を接続する第1レイヤパスを設定する第1レイヤノードと、データプレーンネットワークの第1のレイヤより上位レイヤである第2のレイヤに、第1レイヤパスを用いて複数のノード間を接続する第2レイヤパスを設定する第2レイヤノードとを含み、第2レイヤノードのうち新たな第2レイヤパスを設定するべき始点第2レイヤノードは、新たな第2レイヤパスを設定するときに、新たな第2レイヤパスの終点第2レイヤノードとの間において、既にデータプレーンネットワークに設定されている第1レイヤパスを用いた第1の新たな第2レイヤパスを設定するか、終点第2レイヤノードと直接接続される新たな第1レイヤパスを第1のレイヤに設定して、新たな第1レイヤパスを用いた第2の新たな第2レイヤパスを設定するかを、終点第2レイヤノードとの間で測定される通信品質情報に基づいて決定するカットスルー判定部を具備する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、上位レイヤパスの設定に際して、既存の下位レイヤパスを利用するか、あるいは新たにカットスルーパスを設定するかを、設定されるべき上位レイヤパスに即した細やかな判定を行うことが可能な通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】マルチレイヤネットワークによる従来の通信システムの構成を示す図である。
【図2】図1の通信システムに特許文献1の開示する技術を適用した場合の構成図である。
【図3】第1の実施形態における通信システムの構成図である。
【図4】第1の実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの構成を示す図である。
【図5】第1の実施形態における上位レイヤパスの始点以外のノードの構成を示す図である。
【図6】第1の実施形態における通信システムの動作フローである。
【図7】第1の実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの動作フローである。
【図8】第1の実施形態における上位レイヤパスの始点以外のノードの動作フローである。
【図9】第2の実施形態における通信システムの構成を示す図である。
【図10】第2の実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの構成を示す図である。
【図11】第2の実施形態における上位レイヤパスの始点以外のノードの構成を示す図である。
【図12】第2の実施形態におけるNW情報集中管理装置81の構成を示す図である。
【図13】第2の実施形態における通信システムの動作フローである。
【図14A】第2の実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの動作フローである。
【図14B】第2の実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの動作フローである。
【図15】第2の実施形態における上位レイヤパスの始点以外のノードの動作フローである。
【図16】第3の実施形態における通信システムの構成を示す図である。
【図17】第3の実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの構成を示す図である。
【図18】第3の実施形態における上位レイヤパスの始点以外のノードの構成を示す図である。
【図19】第3の実施形態における通信システムの動作フローである。
【図20A】第3の実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの動作フローである。
【図20B】第3の実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの動作フローである。
【図21】第3の実施形態における上位レイヤパスの始点以外のノードの動作フローである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
添付図面を参照して、本発明の実施形態による通信システムを以下に説明する。
【0024】
(第1の実施形態)
はじめに、本発明の第1の実施形態による通信システムの説明を行う。
【0025】
本実施形態の通信システムでは、新たな上位レイヤパスを設定するときに、新たな上位レイヤパスの始点となる上位レイヤノードが、既存の下位レイヤパスを用いて新たな上位レイヤパスを設定するか、あるいは、新たな上位レイヤパスの始点および終点の上位レイヤノード間を直接接続する下位レイヤパスであるカットスルーパスを設定して新たな上位レイヤパスを設定するかを、新たな上位レイヤパスの始点および終点の上位レイヤノード間に遅延測定メッセージを転送させて測定した遅延時間に基づいて決定する。このとき、カットスルーパスを設定して新たな上位レイヤパスを設定する場合の転送経路の遅延は、各ノード間に構成された制御プレーンネットワークを用いて実際にカットスルーパスを設定した場合と同じ転送経路により測定される。これによって、新たな上位レイヤパスの始点および終点の上位レイヤノード間における通信品質を反映させた柔軟な経路選択を可能としている。
【0026】
[構成の説明]
まず、本実施形態における通信システムの構成の説明を行う。図3は、本実施形態における通信システムの構成図である。本実施形態の通信システムは、上位レイヤノード11〜13と、下位レイヤノード21〜23とを備える。上位レイヤノード11〜13は、それぞれ、制御部31〜33を備える。制御部31〜33は、各上位レイヤノードと上位レイヤパスを制御する。また、下位レイヤノード21〜23は、それぞれ、制御部41〜43を備える。制御部41〜43は、各下位レイヤノードと下位レイヤパスを制御する。上位レイヤノード11と上位レイヤノード12とは、下位レイヤノード21と下位レイヤノード22を経由する下位レイヤパス51(上位レイヤリンク)で接続されている。また、上位レイヤノード12と上位レイヤノード13とは、下位レイヤノード22と下位レイヤノード23を経由する下位レイヤパス52(上位レイヤリンク)で接続されている。また、制御部31〜33、及び制御部41〜43は、IPネットワークである制御プレーンネットワーク10により、それぞれ接続されている。ここで、制御プレーネットワークとは、通信システムに含まれる上位レイヤネットワーク、および下位レイヤネットワークを制御するための制御データを伝送するためのネットワークである。上位レイヤノード11と13との間には、下位レイヤパス(上位レイヤリンク)51、52を経由する上位レイヤパス[経路:11−12−13]が一つ、または複数設定されている。ここで、下位レイヤパス51、52、および下位レイヤパス51、52上に設定されている複数の上位レイヤパスは、データプレーンネットワークに設定されたパスである。ここで、データプレーンネットワークとは、ユーザのトラフィックを伝送するためのネットワークである。
【0027】
制御部31〜33は、上位レイヤネットワークのトポロジ情報を、また、制御部41〜43は、下位レイヤネットワークのトポロジ情報を、それぞれ、制御プレーンネットワーク10を介して、OSPF−TE(Open Shortest Path First−Traffic Engineering)等のルーティングプロトコルにより収集する。また、制御部31〜33、及び制御部41〜43は、制御プレーンネットワーク1000を介して、RSVP−TE(Resource reSerVation Plotocol−Traffic Engineering)等のシグナリングプロトコルを用いたパス制御メッセージを各制御部間で送受信して、パスの設定や削除といったパス制御を行う。なお、図3の通信システムは、制御プレーンネットワーク10の通信と、データプレーンネットワークの通信とが、同じ物理インターフェースを用いて行われるインバンド方式により構成されている。
【0028】
本実施形態の通信システムは、上位レイヤノード11の制御部31が、カットスルー判定部314を備える点に特徴がある。カットスルー判定部314は、設定されるべき上位レイヤパスの始点に位置するノード(以下、始点ノードと呼ぶ場合がある。)に備えられる。カットスルー判定部314は、設定されるべき上位レイヤパスにおける端点(始点及び終点)となる上位レイヤノード間において、通信品質情報の測定を行う。本実施形態において、通信品質情報は、新たに設定するべき上位レイヤパスの端点の上位レイヤノード間における遅延時間である。カットスルー判定部314は、新たに設定するべき上位レイヤパスの端点の上位レイヤノード間の、制御プレーンネットワーク10における遅延時間と、データプレーンネットワークにおける遅延時間とを測定する。カットスルー判定部314は、制御プレーンネットワーク10における遅延時間と、データプレーンネットワークにおける遅延時間との比較処理を行って、既存の下位レイヤパスを使用して上位レイヤパスを設定するか、新たに下位レイヤカットスルーパスを設定して上位レイヤパスを設定するかを判定する。なお、図1では、制御部31のみがカットスルー判定部314を備えているが、例えば、上位レイヤノード13や、その他の上位レイヤノードが設定されるべき上位レイヤパスの始点ノードとなり得る場合には、制御部33や他の制御部もカットスルー判定部を備える。これは、制御部32についても同様である。
【0029】
次に、図4は、本実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの構成を示す図である。本説明では、上位レイヤノード11が、設定されるべき上位レイヤパスの始点ノードであるとして説明を行う。上位レイヤノード11は、制御部31と、スイッチ部316と、ノード間物理インターフェース317とを備える。また、制御部31は、パス制御部311と、制御プレーンネットワーク通信部312と、経路計算部313と、カットスルー判定部314と、トポロジ情報DB315とを備える。
【0030】
スイッチ部316は、他のノードとデータプレーンネットワークの通信トラフィックの送受信処理を行う。ノード間物理インターフェース部317は、制御プレーンネットワークとデータプレーンネットワークの双方において、他のノードとの間で送受信されるデータを送受信する物理インターフェースである。
【0031】
パス制御部311は、ルーティング情報の送受信や、シグナリング処理を行う。ここで、シグナリングとは、通信システムに存在するノード間で制御データの送受信を行ってパス設定を行う処理をさす。制御プレーンネットワーク通信部312は、他のノードの制御部と制御プレーンネットワークを介して通信を行う。トポロジ情報データベース315は、制御プレーンネットワークを介して収集されたトポロジ情報を格納する。経路計算部313は、トポロジ情報データベース315に格納されたトポロジ情報に基づいて経路計算を行う。
【0032】
カットスルー判定部314は、制御プレーンネットワーク遅延測定部3141と、データプレーンネットワーク遅延測定部3142と、遅延比較部3143とを備える。
【0033】
制御プレーンネットワーク遅延測定部3141は、設定されるべき上位レイヤパスの端点のノード間の制御プレーンネットワークにおける遅延時間を測定する。データプレーンネットワーク遅延測定部3142は、設定されるべき上位レイヤパスの端点のノード間に、上位レイヤノード11を始点として既に設定されている既存下位レイヤパスのデータプレーンネットワークにおける遅延時間を測定する。遅延比較部3143は、制御プレーンネットワーク遅延測定部3141の測定した遅延時間の値と、データプレーンネットワーク遅延測定部3142の測定した遅延時間の値とを比較して、既存下位レイヤパスを使用するか、あるいは新たに下位レイヤカットスルーパス(以下、カットスルーパス)を設定するか否かを判定する。
【0034】
なお、図4の上位レイヤノード11は、物理的なインターフェースであるノード間物理インターフェース317を1つ備えているが、ノード間物理インターフェース317は、複数備えられても良い。
【0035】
次に、図5は、本実施形態における上位レイヤパスの始点以外のノードの構成を示す図である。本説明では、上位レイヤノード12、13、及び下位レイヤノード21〜23が、上位レイヤパスの始点以外のノードである。なお、上位レイヤノード12と上位レイヤノード13、及び下位レイヤノード21〜23は同様の構成であるので、重ねての説明を省略して、上位レイヤノード12の説明を行う。
【0036】
上位レイヤノード12は、制御部32と、スイッチ部326と、ノード間物理インターフェース327とを備える。制御部32は、パス制御部321と、制御プレーンネットワーク通信部322と、経路計算部323と、トポロジ情報データベース325とを備える。
【0037】
上位レイヤノード12の各構成は、上位レイヤノード11の対応する構成と同様である。すなわち、スイッチ部326は、他のノードとデータプレーンネットワークの通信トラフィックの送受信を行う。ノード間物理インターフェース部327は、制御プレーンネットワークとデータプレーンネットワークの双方において、他のノードとの間で送受信されるデータを送受信する物理インターフェースである。
【0038】
また、パス制御部321は、ルーティング情報の送受信や、シグナリング処理を行う。制御プレーンネットワーク通信部322は、他のノードの制御部と制御プレーンネットワークを介して通信を行う。トポロジ情報データベース325は、制御プレーンネットワークを介して収集されたトポロジ情報を格納する。経路計算部323は、トポロジ情報データベース315に格納されたトポロジ情報に基づいて経路計算を行う。
【0039】
なお、図5の上位レイヤノード12は、物理的なインターフェースであるノード間物理インターフェース327を1つ備えているが、ノード間物理インターフェース327は、複数備えられても良い。これは上位レイヤノード13、及びか下位レイヤノード21〜23においても同様である。また、以下の説明において、上位レイヤノード12以外の備える各構成は、上位レイヤノード12の各構成に付された符号の上位二桁を、各制御部の符号に対応させて表記する。
【0040】
以上が、本実施形態における通信システムの構成の説明である。
【0041】
[動作方法の説明]
次に、図3と図6を用いて、上述のような構成による本実施形態の通信システムの動作方法の説明を行う。図6は、本実施形態における通信システムの動作フローである。なお、以下の説明では、上述と同様に、上位レイヤノード11を始点として、上位レイヤノード11と上位レイヤノード13との間に上位レイヤパスを設定する場合を説明する。
【0042】
(ステップS100)
上位レイヤノード11は、上位レイヤパス設定要求を入力する。上位レイヤノード11は、ユーザあるいはネットワーク管理者から、上位レイヤノード11と上位レイヤノード13との間に上位レイヤパスを設定するように要求を入力される。
【0043】
(ステップS110)
上位レイヤノード11のカットスルー判定部314は、設定されるべき上位レイヤパスの端点ノード間において、制御プレーンネットワークを使用した場合の遅延時間dと、データプレーンネットワークを使用した場合の遅延時間dとを測定する。
【0044】
具体的には、カットスルー判定部314は、遅延時間dを測定するために、制御プレーンネットワーク10に上位レイヤノード13の制御部33宛ての遅延測定メッセージを送信する。ここで、遅延測定メッセージには、例えば、IPネットワークでのPingメッセージ、イーサネット(登録商標)であれば、イーサネットOAM(Operation Administration and Maintenance)を用いたループバック試験メッセージ等を用いる。遅延測定メッセージは、制御プレーンネットワーク10の各ノードの制御部においてIPフォワ−ディングが行われて制御部33へ到達する。このとき、遅延測定メッセージが転送される経路は、「制御部31−制御部41−制御部42−制御部43−制御部33」となる。この経路は、仮に下位レイヤカットスルーパス(以下、カットスルーパス)53を設定して、下位レイヤカットスルーパス上に上位レイヤパスを設定する場合に、当該上位レイヤパスの通信データが転送される経路と同一である。このため、制御プレーンネットワーク10に遅延測定メッセージを転送させて測定した遅延時間dが、カットスルーパスを設定した場合に見込まれる遅延量と考えることができる。
【0045】
上位レイヤノード13の制御部33は、遅延測定メッセージを受信すると、遅延測定メッセージに対する応答メッセージを生成して、応答メッセージを上位レイヤノード11の制御部31へ送信する。応答メッセージは、遅延測定メッセージと同様の経路を逆向きに転送される。すなわち、応答メッセージの転送される経路は、[制御部33−制御部43−制御部42−制御部41−制御部31]となる。このようにして、制御部31のカットスルー判定部314は、遅延測定メッセージに対する応答メッセージを受信する。カットスルー判定部314が遅延測定メッセージを送信してから応答メッセージを受信するまでの時間が、制御プレーンネットワークにおける制御部31と制御部33との間の往復の遅延時間dである。そのため、カットスルー判定部314は、制御部31と制御部33との間の往復の遅延時間の半分の時間を、制御プレーンネットワークにおける制御部31と制御部33の間の片道の遅延時間dとする。
【0046】
また、カットスルー判定部314は、遅延時間dを測定するために、上位レイヤノード13へ向けて遅延測定メッセージをデータプレーンネットワークへ送信する。遅延測定メッセージは、既存の上位レイヤパスを経路[上位レイヤノード11−上位レイヤノード12−上位レイヤノード13]を経由して上位レイヤノード13へ転送される。この転送経路は、下位レイヤノードを含めて示すのであれば、経路[上位レイヤノード11−下位レイヤノード21−下位レイヤノード22−上位レイヤノード12−下位レイヤノード22−下位レイヤノード23−上位レイヤノード13]となる。
【0047】
上位レイヤノード13は、遅延測定メッセージを受信すると、遅延測定メッセージに対する応答メッセージを生成して、応答メッセージを上位レイヤノード11へ送信する。応答メッセージは、遅延測定メッセージと同様の経路により転送される。すなわち、応答メッセージの転送される経路は、[上位レイヤノード13−下位レイヤノード23−下位レイヤノード22−上位レイヤノード12−下位レイヤノード22−下位レイヤノード21−上位レイヤノード11]となる。このようにして、カットスルー判定部314は、遅延測定メッセージに対する応答メッセージを受信する。カットスルー判定部314が遅延測定メッセージを送信してから応答メッセージを受信するまでの時間が、データプレーンネットワークにおける上位レイヤノード11と上位レイヤノード13との間の往復の遅延時間dである。そのため、カットスルー判定部314は、上位レイヤノード11と上位レイヤノード13との間の往復の遅延時間の半分の時間を、データプレーンネットワークにおける上位レイヤノード11と上位レイヤノード13との間の片道の遅延時間dとする。
【0048】
(ステップS120)
カットスルー判定部314は、測定された遅延時間dと遅延時間dとを規格化する。一般に、制御プレーンネットワーク10とデータプレーンネットワークとでは、ネットワークの帯域幅が大きく異なる。通常、データプレーンネットワークの帯域幅は、制御プレーンネットワーク10の帯域幅より大きい。そのため、それぞれのネットワークにおけるノード間の伝送遅延の差も大きい。また、カットスルー判定部314が遅延時間dを測定した際の遅延測定メッセージの転送経路は、データプレーンネットワークに設定されるべきカットスルーパス53の経路と同様である。しかし、遅延測定メッセージ及び応答メッセージは、制御プレーンネットワーク10を転送されるIPパケットであるため、各下位レイヤノード21、22、23においてIPルーティング等の処理が行われる。そのため、遅延測定メッセージ及び応答メッセージは、カットスルーパス53を転送される通信データに比べて余計な処理が行われており、遅延時間が余計にかかることになる。これらを考慮して、カットスルー判定部314は、遅延時間dと遅延時間dに対する規格化を行って、遅延時間dと遅延時間dとを比較可能な状態に補正する。
【0049】
規格化の方法は、制御プレーンネットワーク10と、設定されるべきカットスルーパスとの通信条件の違いを補正することができれば任意である。具体的な規格化の方法として、次のような方法がある。前述したように、遅延時間dと、実際に設定されるカットスルーパスとの遅延時間の差は、制御プレーンネットワーク10において経由する下位レイヤノードでのパケット処理に必要な時間の差と、各下位レイヤノード間を伝送される伝送遅延時間の差とを合わせた時間である。これら、通信条件の違いにより発生する時間の差を補正する処理となる。
【0050】
例えば、遅延測定メッセージの制御プレーンネットワーク10における伝送遅延時間は、遅延測定メッセージのサイズ(P)を、制御プレーンネットワーク10の帯域幅(BW)で割った値(P/BW)で示すことができる。また、遅延測定メッセージを仮にカットスルーパス経由で送信した場合の伝送遅延時間は、遅延測定メッセージのサイズ(P)を、データプレーンネットワークに設定されるべき下位レイヤパスの帯域幅(BW)で割った値(P/BW)で示すことができる。よって、これらの伝送遅延時間の差である(P/BW−P/BW)と遅延メッセージが転送経路において経由した下位レイヤノード数(N)との積((P/BW−P/BW)×N)を算出する。この値は、制御プレーンネットワーク10を用いて測定したことにより余計に係った伝送遅延時間(T)である。そのため、この値を制御プレーンネットワーク10における遅延時間dから減算することで伝送遅延の補正を行うことができる。
【0051】
一方、下位レイヤノード21〜23の制御部41〜43におけるパケット処理時間についての補正は、例えば、下位レイヤノード11の制御部31におけるパケット処理時間の平均値を1ノードあたりのパケット処理時間(Tp)として設定しておき、この1ノードあたりのパケット処理時間と遅延測定メッセージの経由した下位レイヤノードの数(N)との積(Tp×N)を算出する。この値は、各下位レイヤノードで行われた総パケット処理時間(T)である。そのため、この値を遅延時間dから減算減産することでパケット処理時間の補正を行うことができる。
【0052】
このように、以上の2つの方法によって、算出された伝送遅延時間(T)と総パケット処理時間(T)とを遅延時間dから減算する補正をおこなって、規格化後の遅延時間dを算出する。すなわち、(d−((P/BW−P/BW)×N+(Tp×N)))によって規格化後のdを算出する。なお、遅延時間dは、測定された値をそのまま使用する。遅延時間dは、データプレーンネットワークに設定された既存の下位レイヤパスを用いて測定された値であるためである。このようにして、カットスルー判定部314は、遅延時間dと遅延時間dの規格化を行う。なお、上述した規格化における算出方法は、一例であって、この方法には限定しない。
【0053】
また、上位レイヤノード11の制御部31は、遅延測定メッセージの転送経路を知ることができない。そのため、制御部31は、遅延測定メッセージが制御プレーンネットワーク10において経由した下位レイヤノードの数を直接知ることができない。そこで、遅延測定メッセージとは別に、制御プレーンネットワーク10における通信パケットの転送経路を調べる必要がある。この転送経路の調査には、IPネットワークであればトレースルート機能を用いることができ、また、イーサネット(登録商標)であればイーサネットOAMのリンクトレース機能を用いることができる。
【0054】
(ステップS130)
カットスルー判定部314は、遅延時間dと遅延時間dとの比較を行う。カットスルー判定部314は、遅延時間dと遅延時間dとの比較結果に基づいて、既存下位レイヤパスを使用するか、あるいは新たにカットスルーパスを設定するかを判定する。カットスルー判定部314は、ステップS120で生成された規格後の遅延時間dと遅延時間dとを比較する。カットスルー判定部314は、遅延時間dより遅延時間dのほうが大きければ、新たにカットスルーパスを設定したほうが有効であると判定する。この場合、ステップS140へ進む。一方、カットスルー判定部314は、遅延時間dより遅延時間dのほうが小さければ、既存の下位レイヤパスを使用したほうが有効であると判定して、カットスルーパスの設定を行わない。この場合、ステップS150へ進む。
【0055】
(ステップS140)
カットスルー判定部314は、遅延時間dより遅延時間dのほうが大きければ、カットスルーパスを設定と決定する。このような状況は、例えば、ネットワークにおいて、上位レイヤノード12で輻輳が発生しているような場合が該当する。カットスルー判定部314がカットスルーパスを設定することを決定すると、制御部31は、下位レイヤノード21の制御部41へカットスルーパス53を設定するように、シグナリングにより要求する。制御部41は、下位レイヤネットワークのトポロジ情報に基づいて経路計算を行って、シグナリングにより経路計算により決定された経路のカットスルーパス53を設定する。制御部41は、カットスルーパス53の設定が完了すると、制御部31へ設定完了を通知する。制御部31は、通知を受けてカットスルーパス53を、上位レイヤノード11と上位レイヤノード13との間の上位レイヤリンクとして、新たに制御部31の備える上位レイヤネットワークのトポロジ情報を更新する。
【0056】
(ステップS150)
上位レイヤノード11の制御部31は、上位レイヤパスを設定する。制御部31は、カットスルーパスの設定が完了した後、あるいは、既存の下位レイヤパスを使用すると判定された後、上位レイヤネットワークのトポロジ情報に基づいて経路計算を行って、算出された経路に沿って上位レイヤパスを設定する。制御部31は、カットスルーパス53を設定した場合には、上位レイヤネットワーク上で1ホップの経路[上位レイヤノード11−上位レイヤノード13]を設定する。一方、制御部31は、既存の下位レイヤパスを使用する場合には、上位レイヤネットワーク上での経路[上位レイヤノード11−上位レイヤノード12−上位レイヤノード13]を設定する。
【0057】
以上が、本実施形態の通信システムの動作方法の説明である。このようにして、本実施形態の通信システムは、上位レイヤノード11と上位レイヤノード13との間に上位レイヤパスを設定する。
【0058】
次に、図4と図7を用いて、本実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの動作方法を説明する。図7は、本実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの動作フローである。なお、以下の説明では、前述と同様に、上位レイヤノード11と上位レイヤノード13との間に上位レイヤパスを設定する場合で、上位レイヤパスの始点ノードが上位レイヤノード11である場合を説明する。
【0059】
(ステップS200)
上位レイヤノード11は、上位レイヤパス設定要求を入力する。上位レイヤノード11は、ユーザあるいはネットワーク管理者から、上位レイヤノード11と上位レイヤノード13との間に上位レイヤパスを設定するように要求を入力される。
【0060】
(ステップS210)
パス制御部311は、上位レイヤパスの設定要求を受けると、設定されるべき上位レイヤパスの経路計算を、経路計算部313へ依頼する。経路計算部313は、トポロジ情報DB315を検索して、設定されるべき上位レイヤパスの端点ノード間が下位レイヤリンクで接続されているかを判定する。すなわち、経路計算部313は、設定されるべき上位レイヤパスの端点間に、既に下位レイヤのカットスルーパスが設定されているかを判定する。既に端点間に下位レイヤのカットスルーパスが設定されている場合には、ステップS280進む。一方、端点間に下位レイヤのカットスルーパスが設定されていない場合には、ステップS220へ進む。
【0061】
(ステップS220)
経路計算部313は、端点間に下位レイヤのカットスルーパスが設定されていない場合、カットスルー判定部314の遅延比較部3143へ遅延の測定及び比較を命令する。遅延比較部3143は、制御プレーンネットワーク遅延測定部3141へ制御プレーンネットワーク10における端点間の遅延時間dの測定を、また、データプレーンネットワーク遅延測定部3142へデータプレーンネットワークにおける端点間の遅延時間dの測定を、それぞれ命令する。制御プレーンネットワーク遅延測定部3141は、制御プレーンネットワーク通信部312を介して遅延測定メッセージを上位レイヤノード13の制御部33へ送信して、制御プレーンネットワーク10における端点間の遅延時間dを測定する。また、データプレーンネットワーク遅延測定部3142は、スイッチ部316を介して、遅延測定メッセージを上位レイヤノード13へ送信して、データプレーンネットワークにおける端点間の遅延時間dを測定する。なお、遅延測定メッセージによる遅延測定方法は、前述の通信システムの動作方法で説明を行ったので説明を省略する。
【0062】
(ステップS230)
遅延比較部3143は、遅延時間dと遅延時間dとの規格化を行う。遅延比較部3143は、制御プレーンネットワーク遅延測定部3141により測定された遅延時間dと、データプレーンネットワーク遅延測定部3142により測定された遅延時間dとに対して、規格化を行う。なお、遅延時間dと遅延時間dとの規格化方法は、前述の通信システムの動作方法で説明を行ったので説明を省略する。
【0063】
(ステップS240)
遅延比較部3143は、規格化後の遅延時間dと遅延時間dとの比較を行う。遅延比較部3143は、遅延時間dより遅延時間dが大きい場合、カットスルーパスを設定するべきと判定する。遅延比較部3143は、判定結果を経路計算部313へ返す。この場合、ステップS250へ進む。一方、遅延時間dより遅延時間dが小さい場合、既存の下位レイヤパスを使用するべきと判定する。遅延比較部3143は、判定結果を経路計算部313へ通知すると共に、設定するべき上位レイヤパスの経路計算を命令する。この場合、ステップS280へ進む。
【0064】
(ステップS250)
経路計算部313は、カットスルーパスを設定するべきとの判定を受けると、パス制御部311へ、カットスルーパスを設定するよう依頼する。パス制御部311は、制御プレーンネットワーク通信部312を介して、設定するべき上位レイヤパスの端点間にカットスルーパスを設定するように、シグナリングを行って下位レイヤノードに要求する。
【0065】
(ステップS260)
パス制御部311は、各下位レイヤノードにおいてカットスルーパスの設定が完了すると、各下位レイヤノードから制御プレーンネットワーク通信部312を介してカットスルーパスの設定完了を通知される。
【0066】
(ステップS270)
パス制御部311は、下位レイヤに設定されたカットスルーパスを上位レイヤリンクとして、トポロジ情報DB315へ登録する。パス制御部311は、経路計算部313へ設定するべき上位レイヤパスの経路計算を命令する。
【0067】
(ステップS280)
既存の下位レイヤパスを使用するべきと判定された場合、あるいは新たにされたカットスルーパスのトポロジ情報の登録が完了すると、経路計算部313は、トポロジ情報DB315に登録されているトポロジ情報に基づいて経路計算を行う。経路計算部313は、経路計算結果をパス制御部311へ通知する。
【0068】
(ステップS290)
パス制御部311は、経路計算部313から入力した経路計算結果に基づいて、制御プレーンネットワーク通信部312を介して他のノードとのシグナリングを行い、また、スイッチ部316への転送設定を行って、上位レイヤパスの設定を完了する。
【0069】
以上が、本実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの動作方法の説明である。
【0070】
次に、図5と図8を用いて、本実施形態における上位レイヤパスの始点以外のノードの動作方法を説明する。図8は、本実施形態における上位レイヤパスの始点以外のノードの動作フローである。なお、以下の説明では、前述と同様に、上位レイヤノード11と上位レイヤノード13との間に上位レイヤパスを設定する場合で、上位レイヤパスの始点以外のノードが上位レイヤノード12である場合を説明する。
【0071】
(ステップS400)
上位レイヤノード12の制御部32のパス制御部321は、他のノードからシグナリングによる上位レイヤパスの設定要求を受ける。
【0072】
(ステップS410)
パス制御部321は、経路計算部323へ、設定されるべき上位レイヤパスの経路計算を行うように命令する。経路計算部323は、トポロジ情報DB325を参照して経路計算を行う。経路計算部323は、経路計算結果をパス制御部321へ通知する。
【0073】
(ステップS420)
パス制御部321は、経路計算部323から入力した経路計算結果に基づいて、制御プレーンネットワーク通信部を介して、他のノードとシグナリングを行う。
【0074】
(ステップS430)
パス制御部321は、他のノードとのシグナリングを行うと共に、スイッチ部326への転送設定を行って、上位レイヤパスの設定を完了する。
【0075】
以上が、上位レイヤパスの始点以外のノードの動作方法を説明である。本説明では、上位レイヤノード12の説明を行ったが、下位レイヤノード21〜23も同様の動作方法となる。
【0076】
なお、上述した3つの動作方法の説明において、各ノードが設定するべきパスの経路計算を行う場合を説明した。しかし、集中的に経路計算を行う図示されない経路計算サーバが、設定されるべきパスの始点ノードに代わって経路計算を行っても良い。この場合には、始点ノードの制御部は、自ノード内で経路計算を行わずに、経路計算サーバへ設定されるべきパスの経路計算要求メッセージを送信する。経路計算サーバは、設定されるべきパスの経路計算を行って、経路計算結果を始点ノードへ返す。これによって、始点ノードは、設定されるべきパスの経路を得る。始点ノードは、経路計算サーバから受信した経路計算結果に基づいて、他のノードとシグナリングを行ってパスを設定するという動作方法となる。このような経路計算サーバの例は、例えば、IETF(Internet Engineering Task Force)で標準化が行われているPCE(Path Computation Element)がある。
【0077】
以上が、本実施形態の説明である。本実施形態の通信システムでは、新たな上位レイヤパスを設定するときに、新たな上位レイヤパスの始点となる上位レイヤノードが、既存の下位レイヤパスを用いて新たな上位レイヤパスを設定するか、あるいは、新たな上位レイヤパスの始点および終点の上位レイヤノード間を直接接続する下位レイヤパスであるカットスルーパスを設定して新たな上位レイヤパスを設定するかを、新たな上位レイヤパスの始点および終点の上位レイヤノード間に遅延測定メッセージを転送させて測定した通信品質情報である遅延時間に基づいて判定する。
【0078】
遅延時間は、既存の下位レイヤパスを用いて新たな上位レイヤパスを設定する場合の転送経路における遅延時間dがデータプレーンネットワークを用いて測定され、また、新たな上位レイヤパスの始点および終点の上位レイヤノード間を直接接続する下位レイヤパスであるカットスルーパスを設定して新たな上位レイヤパスを設定する場合の転送経路における遅延時間dが制御プレーンネットワークを用いて測定される。ここで、遅延時間dは、制御プレーンネットワークを用いて測定が行われるために、実際にデータプレーンネットワークに上位レイヤパスを設定した場合の遅延時間との時間差が発生する。そこで、遅延時間dに対して、この時間差を補正する規格化が行われる。これによって、遅延時間dDと遅延時間dを用いた適切な比較処理が可能となり、適切な経路選択が可能となる。このように、本実施形態では、新たに設定されるべき上位レイヤパスの始点終点間に遅延測定メッセージを転送させて測定した遅延時間に基づいて設定するべき転送経路決定するため、より実際の通信条件に即した柔軟な経路選択を行うことができる。
【0079】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態による通信システムの説明を行う。
【0080】
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、新たに設定されるべき上位レイヤパスの始点終点間に遅延測定メッセージを転送させて測定した遅延時間に基づいて設定するべき転送経路決定する。本実施形態では、制御プレーンネットワークを転送させる遅延測定メッセージの転送経路を決定するネットワーク情報集中管理装置を備える。新たな上位レイヤパスの始点となる上位レイヤノードは、ネットワーク情報集中管理装置へ問い合わせを行って取得した転送経路を格納した遅延測定メッセージを制御プレーンネットワークへ送信する。遅延測定メッセージを受信した各ノードは、遅延測定メッセージに格納された転送経路に基づいて転送を行うため、遅延測定メッセージが転送される往復の転送経路を同一にすることができる。これによって、複雑なネットワークトポロジである場合にも適切な遅延時間dの測定を行うことができる。
【0081】
[構成の説明]
はじめに、本実施形態における通信システムの構成の説明を行う。図9は、本実施形態における通信システムの構成を示す図である。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を行う。
【0082】
本実施形態の通信システムは、上位レイヤノード11〜13と、下位レイヤノード21〜23と、ネットワーク情報集中管理装置(以下NW情報集中管理装置)81とを備える。上位レイヤノード11〜13は、それぞれ制御部31〜33を備える。制御部31〜33は、各上位レイヤノード11〜13の制御と、上位レイヤパスの制御を行う。また、下位レイヤノード21〜23は、それぞれ制御部41〜43を備える。制御部41〜43は、各下位レイヤノード21〜23の制御と、下位レイヤパスの制御を行う。NW情報集中管理装置81は、ネットワークの情報を集中的に管理する。
【0083】
また、上位レイヤノード11と上位レイヤノード13との間は、下位レイヤノード21と下位レイヤノード23とを介した下位レイヤパス(上位レイヤリンク)51で接続されている。上位レイヤノード12と上位レイヤノード13との間は、下位レイヤノード22と下位レイヤノード23とを介した下位レイヤパス(上位レイヤリンク)52で接続されている。制御部31〜33と、制御部41〜43とは、それぞれIPネットワークである制御プレーンネットワーク10で接続されている。また、上位レイヤノード11と12との間には、下位レイヤパス(上位レイヤリンク)51と52とを利用した上位レイヤパスが一つまたは複数設定されている。これらの上位レイヤパスの経路は[上位レイヤ11−上位レイヤ13−上位レイヤ12]である。なお、本説明において、下位レイヤノード21と下位レイヤノード22との間の下位レイヤリンクは、既に下位レイヤパス54が占有している。そのため、下位レイヤノード21と下位レイヤノード22との間のリンクを通る下位レイヤパスを新たに設定することはできない。また、下位レイヤパス51、52、54は、データプレーンネットワークに設定されたパスである。
【0084】
また、第1の実施形態と同様に、制御部31〜33は、制御プレーンネットワーク10を介して、上位レイヤネットワークのトポロジ情報を、また、制御部41〜43は、制御プレーンネットワークを介して、下位レイヤネットワークのトポロジ情報を、OSPF−TEなどのルーティングプロトコルにより収集する。制御部31〜33、及び制御部41〜43は、制御プレーンネットワーク10を介して、RSVP−TEなどのシグナリングプロトコルを用いたパス制御メッセージを各制御部間で送受信することで、パスの設定・削除等のパス制御を行う。なお、図9の通信システムは、制御プレーンネットワークの通信と、データプレーンネットワークの通信とが、同一の物理インターフェースを用いて行われるインバンド方式によって構成されている。
【0085】
本実施形態の通信システムは、第1の実施形態の構成に加えて、制御部31〜33、及び制御部41〜43が、遅延測定メッセージ処理部318、328、338、418、428、438(以下、これらをまとめて、318〜438と記載する場合がある。)を備える。遅延測定メッセージ処理部318〜438は、制御プレーンネットワーク10を転送される遅延測定メッセージに対して、転送経路を指定した転送経路情報と、実際に転送された経路の履歴を示す転送履歴情報を付与する処理を行う。また、遅延測定メッセージ処理部318〜438は、制御プレーンネットワークの遅延測定における始点となる場合に、送信するべき遅延測定メッセージの転送経路を決定するために、NW情報集中管理装置81との間で、遅延測定経路要求と遅延測定経路応答を送受信する。なお、第1の実施形態と同様に、設定されるべき上位レイヤパスの始点ノードとなり得る上位レイヤノード(本実施形態では上位レイヤノード11とする。)は、カットスルー判定部314を備える。
【0086】
ここで、転送履歴情報は、例えば、IPアドレスである。転送履歴情報は、遅延測定メッセージと遅延測定メッセージに対する応答メッセージとの転送される転送経路が確実に同じ経路となるよう、設定されるべき上位レイヤパスの終点ノードの制御部が応答メッセージの転送経路を指定するために用いられる。これは、遅延測定メッセージと応答メッセージとで始点ノードの制御部から終点ノードの制御部まで転送されるIPアドレスの並びが異なる場合があるためである。制御プレーンネットワークでは、隣接する制御部同士をGRE(Generic Routing Encapsulation)プロトコルにより1対1のトンネルで接続するなど、IPネットワーク上に論理的なコネクションを設定している場合がある。そのような場合に、各制御部はトンネル毎に受信用IPアドレスを有するため、同じノードの制御部であっても、遅延測定メッセージと応答メッセージとで送信先となるIPアドレスを変更する必要が発生する。このような状況でも、各制御部が、応答メッセージの転送経路で指定するべきIPアドレスを転送履歴情報として遅延測定メッセージに追加することで、終点ノードの制御部は応答メッセージの転送先を適切に設定することができ、応答メッセージを正しく始点ノードまで転送することができる。
【0087】
次に、図10は、本実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの構成を示す図である。本説明では、上位レイヤノード11が、上位レイヤパスの始点ノードであるとして説明を行う。
【0088】
上位レイヤノード11は、第1の実施形態と同様に、制御部31と、スイッチ部316と、ノード間物理インターフェース317とを備える。また、制御部31は、第1の実施形態と同様に、パス制御部311と、制御プレーンネットワーク通信部312と、経路計算部313と、カットスルー判定部314と、トポロジ情報DB315とを備え、本実施形態では、さらに、遅延測定メッセージ処理部318を備える。
【0089】
遅延測定メッセージ処理部318は、制御プレーンネットワーク10における遅延測定メッセージの転送処理を行う。なお、スイッチ部316と、ノード間物理インターフェース317とは第1の実施形態と同様であり、また、制御部31のパス制御部311と、制御プレーンネットワーク通信部312と、経路計算部313と、カットスルー判定部314と、トポロジ情報DB315とは第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0090】
次に、図11は、本実施形態における上位レイヤパスの始点以外のノードの構成を示す図である。本説明では、上位レイヤノード12、13、及び下位レイヤノード21〜23が、上位レイヤパスの始点以外のノードであるとして説明を行う。なお、上位レイヤノード12、13、及び下位レイヤノード21〜23は同様の構成であるので、重ねての説明を省略して、上位レイヤノード12の説明を行う。
【0091】
上位レイヤノード12は、第1の実施形態と同様に、制御部32と、スイッチ部326と、ノード間物理インターフェース327とを備える。また、制御部32は、第1の実施形態と同様に、パス制御部321と、制御プレーンネットワーク通信部322と、経路計算部323と、トポロジ情報DB325とを備え、本実施形態では、さらに、遅延測定メッセージ処理部328を備える。
【0092】
遅延測定メッセージ処理部328は、制御プレーンネットワークにおける遅延測定メッセージの転送処理を行う。なお、スイッチ部326と、ノード間物理インターフェース327とは第1の実施形態と同様であり、また、制御部32のパス制御部321と、制御プレーンネットワーク通信部322と、経路計算部323と、トポロジ情報DB325とは第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0093】
なお、図10の上位レイヤノード11、及び図11の上位レイヤノード12は、物理的なインターフェースであるノード間物理インターフェース317、327をそれぞれ1つ備えているが、ノード間物理インターフェース317、327は、複数備えられても良い。これは上位レイヤノード13においても同様である。また、以下の説明において、上位レイヤノード12以外の備える各構成は、上位レイヤノード12の各構成に付された符号の上位二桁を、各制御部の符号に対応させて表記する。
【0094】
次に、図12は、本実施形態におけるNW情報集中管理装置81の構成を示す図である。NW情報集中管理装置81は、制御部811と、制御プレーンネットワーク通信部812と、ネットワーク情報管理部813とを備える。制御プレーンネットワーク通信部812は、他のノードの制御部と制御プレーンネットワーク10を介して通信を行う。制御部811は、ネットワークのルーティング情報や、設定されたパスの経路情報などの収集や、他のノードからの遅延測定経路要求及び遅延測定経路応答のメッセージ処理を、制御プレーンネットワーク通信部812を介して行う。ネットワーク情報管理部813は、制御部811から入力される情報に基づいてデータベースの更新処理を行う。
【0095】
ネットワーク情報管理部813は、データプレーンネットワーク情報部(以下、データプレーンNW情報部)814と、制御プレーンネットワーク情報データベース(以下、制御プレーンNW情報DB)815とを備える。データプレーンNW情報部814は、上位レイヤネットワーク情報部(以下、上位レイヤNW情報部)8141と、下位レイヤネットワーク情報部(以下、下位レイヤNW情報部)8142と、上位レイヤネットワーク−下位レイヤネットワーク対応関係データベース(以下、対応関係DB)8143とを備える。さらに、上位レイヤNW情報部8141は、上位レイヤトポロジ情報DB81411と、上位レイヤパス情報DB81412とを備える。下位レイヤNW情報部8142は、下位レイヤトポロジ情報DB81421と、下位レイヤパス情報DB81422と、を備える。
【0096】
上位レイヤトポロジ情報DB81411は、上位レイヤネットワークにおけるトポロジ情報を記録している。上位レイヤパス情報DBは、上位レイヤネットワークにおける経路情報を含めた上位レイヤパス情報を記録している。下位レイヤトポロジ情報DB81421は、下位レイヤネットワークにおけるトポロジ情報を記録している。下位レイヤパス情報DB81422は、下位レイヤネットワークにおける経路情報を含めた下位レイヤパス情報を記録している。対応関係DB8143は、上位レイヤリンクと下位レイヤパスとの対応関係を記憶している。制御プレーンNW情報DB815は、制御プレーンネットワークにおけるルーティング情報を保持する。
【0097】
以上が、本実施形態における通信システムの構成の説明である。
【0098】
[動作方法の説明]
次に、図9、図12、及び図13を用いて、上述のような構成による本実施形態の通信システムの動作方法の説明を行う。図13は、本実施形態における通信システムの動作フローである。なお、以下の説明では、上述と同様に、上位レイヤノード11を始点として、上位レイヤノード11と上位レイヤノード12との間に上位レイヤパスを設定する場合を説明する。なお、以下の説明において、第1の実施形態における通信システムの動作方法と同様の部分については適宜説明を省略する。
【0099】
(ステップS100)
上位レイヤノード11は、上位レイヤパス設定要求を入力する。上位レイヤノード11は、ユーザあるいはネットワーク管理者から、上位レイヤノード11と上位レイヤノード12との間に上位レイヤパスを設定するように要求を入力される。なお、本ステップは、第1の実施形態と同様である。
【0100】
(ステップS101)
遅延測定メッセージ処理部318は、制御プレーンネットワークにおける遅延測定経路を決定する。上位レイヤノード11のカットスルー判定部314は、設定されるべき上位レイヤパスの端点のノード間において、制御プレーンネットワーク10を使用した場合の遅延時間dを測定するために遅延測定メッセージを生成する。カットスルー判定部314は、遅延測定メッセージを遅延測定メッセージ処理部318へ出力する。遅延測定メッセージ処理部318は、入力された遅延測定メッセージの転送経路を決定するべく、NW情報集中管理装置81へ、遅延測定経路要求メッセージを送信する。遅延測定経路要求メッセージには、遅延を測定するべき始点ノード(上位レイヤノード11)と終点ノード(上位レイヤノード12)と、始点ノードと終点ノードとの間に既に設定されているデータプレーンネットワーク上の上位レイヤパスの経路情報を含んでいる。経路情報には、例えば、既に設定されている上位レイヤパスの経由するデータプレーンネットワーク上における各ノードのインターフェースの識別子の並びが含まれる。
【0101】
NW情報集中管理装置81は、遅延測定経路要求メッセージを受信すると、遅延測定経路要求メッセージに含まれる上位レイヤパスの経路情報に基づいて、遅延を測定するべき制御プレーンネットワーク10上の経路を決定する。まず、NW情報集中管理装置81は、対応関係データベース8143に記録されている上位レイヤリンクと下位レイヤパスとの対応関係を参照して、遅延測定経路要求メッセージに含まれた上位レイヤパスの経由する下位レイヤパスを特定する。次に、NW情報集中管理装置81は、下位レイヤパス情報DB81422に記録されている下位レイヤネットワークにおけるパス情報を参照して、遅延測定経路要求メッセージに含まれた上位レイヤパスの経由する下位レイヤノードを特定する。そして、NW情報集中管理装置81は、下位レイヤトポロジ情報DB81421と、制御プレーンNW情報DB815とを参照して、上位レイヤパスが経由すると特定されたそれぞれ下位レイヤノードの制御部の識別子を特定する。NW情報集中管理装置81は、設定されるべき上位レイヤパスの始点(上位レイヤノード11)を最初に、終点(上位レイヤノード12)を最後に配置して、特定された下位レイヤノードの制御部の識別子を、始点から終点まで間で経由する順に並べた経路を遅延測定メッセージの転送経路として決定する。図9の通信システムにおいて、遅延測定メッセージの転送経路は、経路[上位レイヤノード31−下位レイヤノード41−下位レイヤノード43−下位レイヤノード42−上位レイヤノード12]と決定される。
【0102】
NW情報集中管理装置81は、このようにして決定した遅延測定メッセージの転送経路を、遅延測定経路応答メッセージへ転送経路情報として含めて上位レイヤノード11の制御部31の遅延測定メッセージ処理部318へ送信する。遅延測定メッセージ処理部318は、NW情報集中管理装置81から遅延測定経路応答メッセージを受信すると、遅延測定経路応答メッセージに含まれた遅延測定メッセージの転送経路情報を取得する。遅延測定メッセージ処理部318は、転送経路情報に含まれる転送経路情報を、遅延測定メッセージの転送経路として決定する。
【0103】
(ステップS111)
遅延測定メッセージ処理部318は、遅延時間dを測定する。上位レイヤノード11の制御部31の遅延測定メッセージ処理部318は、NW情報集中管理装置81から受信した遅延測定メッセージの転送経路情報を遅延測定メッセージへ格納する。また、遅延測定メッセージ処理部318は、遅延測定メッセージの転送履歴情報に制御部31の識別子を追加する。遅延測定メッセージ処理部318は、このように転送経路情報と、転送履歴情報とを含めた遅延測定メッセージを、遅延測定メッセージの転送経路における次ホップである下位レイヤノード21の制御部41へ送信する。
【0104】
下位レイヤノード21の制御部41の遅延測定メッセージ処理部418は、遅延測定メッセージを受信する。遅延測定メッセージ処理部418は、遅延測定メッセージに含まれる転送経路情報に基づいて、次に遅延測定メッセージを転送するべきノード(下位レイヤノード43)を特定する。遅延測定メッセージ処理部418は、遅延測定メッセージの転送履歴情報に制御部41の識別子を追加する。遅延測定メッセージ処理部418は、遅延測定メッセージの転送経路における次ホップである下位レイヤノード23の制御部43へ、遅延測定メッセージを送信する。
【0105】
遅延測定メッセージは、下位レイヤノード23の制御部43の遅延測定メッセージ処理部438と、下位レイヤノード22の制御部42の遅延測定メッセージ428とにおいても、同様に、各制御部の識別子が転送履歴情報に追加され、遅延測定メッセージに含まれた次の転送先へ送信される。このようにして、遅延測定メッセージは、設定するべき上位レイヤパスの終点である上位レイヤノード12の制御部32へ到達する。
【0106】
制御部32の遅延測定メッセージ処理部328は、遅延測定メッセージを受信する。遅延測定メッセージ処理部328は、遅延測定メッセージに含まれる転送経路情報に基づいて、自ノードが転送経路の終点であることを検知する。遅延測定メッセージ処理部328は、転送経路情報に含まれる転送経路(往路)と同様の経路を転送経路(復路)とする。なお、往路の転送経路は、[上位レイヤノード31−下位レイヤノード41−下位レイヤノード43−下位レイヤノード42−上位レイヤノード12]であるため、復路の転送経路は、この逆の[上位レイヤノード12−下位レイヤノード42−下位レイヤノード43−下位レイヤノード41−上位レイヤノード11]となる。遅延測定メッセージ処理部328は、転送経路情報に基づいて転送経路(復路)における次ホップである下位レイヤノード22の制御部42へ、遅延測定メッセージに対する応答メッセージを送信する。この応答メッセージには、遅延測定メッセージに含まれた転送経路情報を格納する。各ノードの制御部は、応答メッセージに含まれた転送経路情報に基づいて、応答メッセージの転送先を決定する。なお、応答メッセージには、転送履歴情報を追加されない。
【0107】
応答メッセージは、転送経路情報に基づいて各ノードの制御部を転送されて、上位レイヤノード11の制御部31へ到達する。制御部31のカットスルー判定部314は、第1の実施形態と同様に、遅延測定メッセージを送信してから応答メッセージを受信するまでの時間を測定する。この時間は、転送経路における往復の時間である。そのため、カットスルー判定部314は、遅延測定メッセージを送信してから応答メッセージを受信するまでの時間の半分の時間を、制御部31から制御部32までの片道の遅延時間dと決定する。このようにして、制御プレーンネットワークの遅延時間dの測定が完了する。なお、データプレーンネットワーク遅延測定部3142によるデータプレーンネットワークの遅延時間dの測定は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0108】
(ステップS120〜ステップS150)
ステップS120からステップS150までは、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。すなわち、カットスルー判定部314は、測定された遅延時間dと遅延時間dとを規格化する(ステップS120)。カットスルー判定部314は、規格化後の遅延時間d及び遅延時間dを比較して、既存の下位レイヤパスを使用するか、あるいはカットスルーパスを設定するかを判定する(ステップS130)。遅延時間dより遅延時間dのほうが大きければ、ステップS140へ進む。一方、遅延時間dより遅延時間dのほうが小さければ、ステップS150へ進む。制御部31は、遅延時間dより遅延時間dのほうが大きく、カットスルーパスを設定すると決定されると、下位レイヤネットワークのトポロジ情報に基づいて経路計算を行って、他のノードの制御部とシグナリングを行い、カットスルーパスを設定する(ステップS140)。制御部31は、カットスルーパスの設定が完了すると、あるいは、遅延時間dより遅延時間dのほうが小さく、既存の下位レイヤパスを使用すると判定されると、上位レイヤネットワークのトポロジ情報に基づいて経路計算を行い、他のノードとシグナリングを行って、上位レイヤパスを設定する(ステップS150)。
【0109】
以上が、本実施形態の通信システムの動作方法の説明である。このようにして、本実施形態の通信システムは、上位レイヤノード11と上位レイヤノード12との間に上位レイヤパスを設定する。
【0110】
次に図10、図14A、および図14Bを用いて、本実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの動作方法を説明する。図14Aおよび図14Bは、本実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの動作フローである。なお、以下の説明では、前述と同様に、上位レイヤノード11と上位レイヤノード12との間に上位レイヤパスを設定する場合で、上位レイヤパスの始点ノードが上位レイヤノード11である場合を説明する。また、第1の実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの動作方法と同様の部分については適宜説明を省略する。
【0111】
(ステップS200〜ステップS210)
ステップS200からステップS210は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。すなわち、上位レイヤノード11は、上位レイヤパスの設定要求を入力する(ステップS200)。パス制御部311は、上位レイヤパスの設定要求を受けると、経路計算部313へ設定されるべき上位レイヤパスの経路計算を依頼する。経路計算部313は、設定されるべき上位レイヤパスの端点間に、既に下位レイヤのカットスルーパスが設定されているかを判定する(ステップS210)。既に端点間に下位レイヤのカットスルーパスが設定されている場合には、ステップS280進む。一方、端点間に下位レイヤのカットスルーパスが設定されていない場合には、ステップS211へ進む。
【0112】
(ステップS211)
経路計算部313は、端点間に下位レイヤのカットスルーパスが設定されていない場合、カットスルー判定部314の遅延比較部3143へ、遅延の測定及び比較を命令する。遅延比較部3143は、制御プレーンネットワーク10における遅延時間dの測定を制御プレーンネットワーク遅延測定部3141へ命令し、データプレーンネットワークにおける遅延時間dの測定をデータプレーンネットワーク遅延測定部3142へ命令する。
【0113】
制御プレーンネットワーク遅延測定部3141は、遅延時間dを測定するために、遅延測定メッセージを遅延測定メッセージ処理部318へ出力する。遅延測定メッセージ処理部318は、本実施形態の通信システムの動作方法の説明で述べた動作方法により、NW情報集中管理装置81と遅延測定経路要求と遅延測定経路応答を送受信することで、遅延測定メッセージの転送経路を取得する。
【0114】
(ステップS221)
遅延測定メッセージ処理部318は、遅延時間dを測定する。遅延測定メッセージ処理部318は、取得した転送経路を転送経路情報として遅延測定メッセージへ格納し、また、転送履歴情報に制御部31の識別子を追加する。遅延測定メッセージ処理部318は、このようにして生成した遅延測定メッセージを、転送経路における次ホップのノードの制御部へ送信する。なお、このとき、遅延測定メッセージ処理部318は、遅延測定メッセージを送信したことを制御プレーンネットワーク遅延測定部3141へ通知する。
【0115】
この後、遅延測定メッセージは、本実施形態の通信システムの動作方法の説明で述べたように、転送経路の各ノードを転送されて、設定されるべき上位レイヤパスの終点のノードへ到達する。遅延測定メッセージ処理部318は、終点のノードから送信された遅延測定メッセージに対する応答メッセージを受信する。遅延測定メッセージ処理部318は、応答メッセージを受信すると、応答メッセージを受信したことを制御プレーンネットワーク遅延測定部3141へ通知する。制御プレーンネットワーク3141は、遅延測定メッセージ処理部318からの通知に基づいて、遅延測定メッセージを送信してから応答メッセージを受信するまでの時間を測定して、当該時間の半分の時間を端点のノード間の制御プレーンネットワーク10における遅延時間dとする。制御プレーンネットワーク遅延測定部3141は、遅延時間dを遅延比較部3143へ通知して、遅延時間の測定を完了する。なお、データプレーンネットワーク遅延測定部3142によるデータプレーンネットワークにおける遅延時間dの測定は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0116】
(ステップS230〜ステップS290)
ステップS230〜ステップS290は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。すなわち、遅延比較部3143は、遅延時間dと遅延時間dとの規格化を行う(ステップS230)。遅延比較部3143は、規格化後の遅延時間dと遅延時間dとの比較を行う(ステップS240)。遅延時間dより遅延時間dが大きい場合、ステップS250へ進む。一方、遅延時間dより遅延時間dが小さい場合、ステップS280へ進む。経路計算部313は、パス制御部311へ、カットスルーパスを設定するよう命令する。パス制御部311は、設定するべき上位レイヤパスの端点間にカットスルーパスを設定するように、シグナリングを行って下位レイヤノードに要求する(ステップS250)。パス制御部311は、各下位レイヤノードからカットスルーパスの設定完了を通知される(ステップS260)。パス制御部311は、下位レイヤに設定されたカットスルーパスを上位レイヤリンクとして、トポロジ情報DB315へ登録する(ステップS270)。経路計算部313は、トポロジ情報DB315に登録されているトポロジ情報に基づいて経路計算を行う(ステップS280)。パス制御部311は、経路計算結果に基づいてシグナリングを行い、また、スイッチ部316への転送設定を行って、上位レイヤパスの設定を完了する(ステップS290)。
【0117】
以上が、本実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの動作方法の説明である。
【0118】
次に、図11と図15とを用いて、本実施形態における上位レイヤパスの始点以外のノードの動作方法を説明する。図15は、本実施形態における上位レイヤパスの始点以外のノードの動作フローである。なお、以下の説明では、上位レイヤパスの始点以外のノードとして上位レイヤノード12を例に説明を行う。また、第1の実施形態における上位レイヤパスの始点以外のノードの動作方法と同様の部分については適宜説明を省略する。すなわち、図8を用いて説明を行った、始点ノードからのパス設定要求を受信した場合の動作方法は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。本説明では、遅延測定メッセージ、又は応答メッセージを受信した場合の動作方法の説明を行う。
【0119】
(ステップS500)
遅延測定メッセージ処理部328は、制御プレーンネットワーク通信部322を介して他のノードからメッセージ(遅延測定メッセージあるいは応答メッセージ)を受信する。
【0120】
(ステップS510)
遅延測定メッセージ処理部328は、受信されたメッセージが遅延測定メッセージであるか、応答メッセージであるかを判定する。この様な判定は、一般に、遅延測定メッセージや応答メッセージのパケットのヘッダ等に、いずれのメッセージであるかを識別するためのメッセージ番号あるいはフラグ(ビット)を設定するエリアが設けられており、このメッセージ番号あるいはフラグの値に基づいて判定を行う。受信したメッセージが、遅延測定メッセージである場合、ステップS520へ進む。一方、受信したメッセージが、応答メッセージである場合、ステップS560へ進む。
【0121】
(ステップS520)
遅延測定メッセージ処理部328は、受信されたメッセージが遅延測定メッセージである場合、遅延測定メッセージに含まれる転送経路情報を参照して、転送経路情報における次の転送先が存在するか否かを判定する。転送経路情報に次の転送先が記録されている場合には、ステップS530進む。一方、転送経路情報に次の転送先が記録されていない場合には、ステップS550へ進む。
【0122】
(ステップS530)
遅延測定メッセージ処理部328は、遅延測定メッセージの転送履歴情報に次の転送先が存在する場合、遅延測定メッセージの転送履歴情報に自ノードの制御部の識別子を追加する。
【0123】
(ステップS540)
遅延測定メッセージ処理部328は、遅延測定メッセージの転送経路情報に基づいて、次の転送先へ遅延測定メッセージを送信する。これにより本動作方法は終了となる。
【0124】
(ステップS550)
遅延測定メッセージ処理部328は、遅延測定メッセージの転送経路情報に次の転送先が存在しない場合、自ノードが終点ノードであることを検知して、応答メッセージを生成する。遅延測定処理メッセージ処理部328は、遅延測定メッセージに含まれている転送経路情報を応答メッセージに格納する。なお、応答メッセージには、転送履歴情報を追加する必要はない。
【0125】
(ステップS560)
遅延測定メッセージ処理部328は、応答メッセージの転送経路情報に基づいて、次の転送先へ応答メッセージを送信する。以上で本動作方法は終了となる。
【0126】
以上が、本実施形態における上位レイヤパスの始点以外のノードの動作方法を説明である。本実施形態では、制御プレーンネットワークを転送させる遅延測定メッセージの転送経路を決定するネットワーク情報集中管理装置を備える。新たな上位レイヤパスの始点となる上位レイヤノードは、ネットワーク情報集中管理装置へ問い合わせを行って取得した転送経路を格納した遅延測定メッセージを制御プレーンネットワークへ送信して遅延時間dの測定を行う。遅延測定メッセージを受信した各ノードは、遅延測定メッセージに格納された転送経路に基づいて転送を行うため、遅延測定メッセージが転送される往復の転送経路を同一にすることができる。これによって、複雑なネットワークトポロジである場合にも適切な遅延時間dの測定を行うことができる。
【0127】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態による通信システムの説明を行う。
【0128】
本実施形態では、第2の実施形態におけるネットワーク情報集中管理装置に替わり、各ノードが、制御プレーンネットワークを転送させる遅延測定メッセージの転送経路を決定する遅延測定経路設定部と、転送経路決定するために必要なデータを記録したデータベースとを備える。新たな上位レイヤパスの始点となる上位レイヤノードは、遅延測定経路設定部で決定した転送経路を格納した遅延測定メッセージを制御プレーンネットワークへ送信する。遅延測定メッセージを受信した各ノードは、遅延測定メッセージに格納された転送経路に基づいて転送を行うため、遅延測定メッセージが転送される往復の転送経路を同一にすることができる。これによって、ネットワーク情報集中管理装置のような構成を備える必要がなくなるためネットワーク構成がシンプルとなり、ネットワーク情報集中管理装置とノード間で送受信される遅延測定経路取得のためのメッセージのトラフィックを削減することができる。
【0129】
[構成の説明]
はじめに、本実施形態における通信システムの構成の説明を行う。図16は、本実施形態における通信システムの構成を示す図である。なお、以下の説明において、第2の実施形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を行う。
【0130】
本実施形態の通信システムは、第2の実施形態とほぼ同様の構成である。すなわち、本実施形態の通信システムは、上位レイヤノード11〜13と、下位レイヤノード21〜23とを備える。上位レイヤノード11〜13は、それぞれ制御部31〜33を備える。また、下位レイヤノード21〜23は、それぞれ制御部41〜43を備える。なお、本実施形態の通信システムは、情報集中管理装置81を備えていない。
【0131】
また、上位レイヤノード11〜13、及び下位レイヤノード21〜23は、第2実施形態と同様に、下位レイヤパス(上位レイヤリンク)51、下位レイヤパス52で接続されており、制御部31〜33、及び制御部41〜43は、それぞれ、IPネットワークである制御プレーンネットワーク10で接続されている。また、上位レイヤノード11と12との間には、下位レイヤパス(上位レイヤリンク)51と52とを利用した上位レイヤパスが一つまたは複数設定されている。これらの上位レイヤパスの経路は[上位レイヤ11−上位レイヤ12−上位レイヤ13]である。なお、本説明において、下位レイヤノード21と下位レイヤノード22との間の下位レイヤリンクは、既に下位レイヤパス54が占有している。そのため、下位レイヤノード21と下位レイヤノード22との間のリンクを通る下位レイヤパスを新たに設定することはできない。また、下位レイヤパス51、52、54は、データプレーンネットワークに設定されたパスである。
【0132】
さらに、第2の実施形態と同様に、制御部31〜33は、制御プレーンネットワーク10を介して、上位レイヤネットワークのトポロジ情報を、また、制御部41〜43は、制御プレーンネットワークを介して、下位レイヤネットワークのトポロジ情報を、OSPF−TEなどのルーティングプロトコルにより収集する。また、制御部31〜33、及び制御部41〜43は、制御プレーンネットワーク10を介して、RSVP−TEなどのシグナリングプロトコルを用いたパス制御メッセージを各制御部間で送受信することで、パスの設定・削除等のパス制御を行う。なお、図16の通信システムは、制御プレーンネットワークの通信と、データプレーンネットワークの通信とが、同一の物理インターフェースを用いて行われるインバンド方式によって構成されている。
【0133】
本実施形態の通信システムは、第2の実施形態の構成に加えて、制御部31〜33、及び制御部41〜43が、遅延測定経路設定部319、329、339、419、429、439(以下、これらをまとめて、319〜439と記載する場合がある。)を備える。遅延測定経路設定部319〜439は、遅延測定経路探索メッセージ、及び遅延測定経路応答メッセージを、他のノードの遅延測定経路設定部319〜439との間で送受信することにより、遅延測定メッセージ転送経路を決定する。なお、第2の実施形態と同様に、設定されるべき上位レイヤパスの始点ノードとなり得る上位レイヤノード(本実施形態では上位レイヤノード11とする。)は、カットスルー判定部314を備える。
【0134】
次に、図17は、本実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの構成を示す図である。本説明では、上位レイヤノード11が、上位レイヤパスの始点ノードであるとして説明を行う。上位レイヤノード11は、第2の実施形態と同様に、制御部31と、スイッチ部316と、ノード間物理インターフェース317とを備える。また、制御部31は、第2の実施形態と同様に、パス制御部311と、制御プレーンネットワーク通信部312と、経路計算部313と、カットスルー判定部314と、トポロジ情報DB315と、遅延測定メッセージ処理部318を備え、さらに、本実施形態では、遅延測定経路設定部319と、パス情報データベース(以下、パス情報DB)3191と、制御プレーンネットワーク情報データベース(以下、制御プレーンネットワーク情報DB)3192と、上位レイヤネットワーク−下位レイヤネットワーク対応関係データベース(以下、対応関係DB)3193と、を備える。
【0135】
遅延測定経路設定部319は、他のノードの遅延測定経路設定部との間で、遅延測定経路探索メッセージ及び遅延測定経路応答メッセージを送受信することで、遅延測定メッセージの転送経路を決定する。パス情報DB3191は、自ノードが始点となるパスの、上位レイヤネットワークにおける経路情報を記録している。制御プレーンネットワーク情報DB3192は、制御プレーンネットワークのルーティング情報を記録している。対応関係DB3193は、自ノードに接続されている上位レイヤリンクと、下位レイヤパスとの対応関係を記録している。
【0136】
次に、図18は、本実施形態における上位レイヤパスの始点以外のノードの構成を示す図である。本説明では、上位レイヤノード12、13、及び下位レイヤノード21〜23が、上位レイヤパスの始点以外のノードであるとして説明を行う。なお、上位レイヤノード12、13、及び下位レイヤノード21〜23は同様の構成であるので、重ねての説明を省略して、上位レイヤノード12の説明を行う。
【0137】
上位レイヤノード12は、第2の実施形態と同様に、制御部32と、スイッチ部326と、ノード間物理インターフェース327とを備える。また、制御部32は、第2の実施形態と同様に、パス制御部321と、制御プレーンネットワーク通信部322と、経路計算部323と、トポロジ情報DB325と、遅延測定メッセージ処理部328とを備え、さらに、本実施形態では、遅延測定経路設定部329と、パス情報DB3191と、制御プレーンネットワーク情報DB3192と、を備える。
【0138】
前述の通り、遅延測定経路設定部319は、他のノードの遅延測定経路設定部との間で、遅延測定経路探索メッセージ及び遅延測定経路応答メッセージを送受信することで、遅延測定メッセージの転送経路を決定する。パス情報DB3191は、自ノードが始点となるパスの、上位レイヤネットワークにおける経路情報を記録している。制御プレーンネットワーク情報DB3192は、制御プレーンネットワークのルーティング情報を記録している。
【0139】
なお、図10の上位レイヤノード11、及び図11の上位レイヤノード12は、物理的なインターフェースであるノード間物理インターフェース317、327をそれぞれ1つ備えているが、ノード間物理インターフェース317、327は、複数備えられても良い。これは上位レイヤノード13においても同様である。また、以下の説明において、上位レイヤノード12以外の備える各構成は、上位レイヤノード12の各構成に付された符号の上位二桁を、各制御部の符号に対応させて表記する。
【0140】
以上が、本実施形態における通信システムの構成の説明である。
【0141】
[動作方法の説明]
次に、図16から図19を用いて、上述のような構成による本実施形態の通信システムの動作方法の説明を行う。図19は、本実施形態における通信システムの動作フローである。なお、以下の説明では、第2の実施形態と同様に、上位レイヤノード11を始点として、上位レイヤノード11と上位レイヤノード12との間に上位レイヤパスを設定する場合を説明する。なお、以下の説明において、第2の実施形態における通信システムの動作方法と同様の部分については適宜説明を省略する。
【0142】
(ステップS100)
上位レイヤノード11は、上位レイヤパスの設定要求を入力する。上位レイヤノード11は、ユーザあるいはネットワーク管理者から、上位レイヤノード11と上位レイヤノード12との間に上位レイヤパスを設定するように要求を入力される。なお、本ステップは、第1の実施形態と同様である。
【0143】
(ステップS102)
上位レイヤノード11のカットスルー判定部314は、設定されるべき上位レイヤパスの端点のノード間において、制御プレーンネットワーク10を使用した場合の遅延時間dを測定するための遅延測定メッセージを生成する。カットスルー判定部314は、遅延測定メッセージを遅延測定メッセージ処理部318へ出力する。遅延測定メッセージ処理部318は、遅延測定メッセージを入力すると、遅延測定メッセージの転送経路を決定するよう、遅延測定経路設定部319へ命令する。遅延測定経路設定部319は、遅延測定メッセージ処理部318からの命令を受けると、遅延測定経路を決定する。
【0144】
具体的には、遅延測定経路設定部319は、まず、パス情報DB3191を参照して、上位レイヤノード11と上位レイヤノード12との間に既に設定されている上位レイヤパスの経路を特定する。本説明では、上位レイヤリンクである下位レイヤパス51と52とを経由する経路が既に設定されている。そのため、上位レイヤパスの経路は、下位レイヤパス51と52を経由する[上位レイヤノード11−上位レイヤノード13−上位レイヤノード12]と特定される。次に、トポロジ情報DB315と制御プレーンネットワーク情報DB3192とを参照して、上位レイヤパスの転送経路上に存在する上位レイヤノードの制御部を特定する。本説明では、[制御部31−制御部33−制御部32]となる。一方で、トポロジ情報DB315と対応関係DB3193を参照して、上位レイヤパスの経路[上位レイヤノード11−上位レイヤノード13−上位レイヤノード12]の経由する下位レイヤパスの識別子の並びを特定する。本説明では、[下位レイヤパス51−下位レイヤパス52]である。この識別子を、先に求めた制御部の始点の制御部と終点の制御部との間に並べる。このようにして、遅延測定経路情報[制御部31−下位レイヤパス51−下位レイヤパス52−制御部32]が生成される。
【0145】
遅延測定経路設定部319は、このようにして生成した遅延測定経路情報を遅延測定経路探索メッセージへ格納して、隣接する下位レイヤノード21の制御部41へ送信する。
【0146】
下位レイヤノード21の制御部41の遅延測定経路設定部419は、遅延測定経路探索メッセージを受信する。遅延測定経路設定部419は、遅延測定経路探索メッセージに格納された遅延測定経路情報を参照して、遅延測定経路において自ノードが終点であるか否かを判定する。ここでは、制御部41が終点ではない。そのため、遅延測定経路設定部419は、遅延測定経路情報に基づいて、次の転送先のノードの制御部へ送信するべき遅延測定経路探索メッセージを作成する。
【0147】
具体的には、まず、遅延測定経路設定部419は、パス情報DB4191を参照して、遅延測定経路情報に、自ノードを始点とする下位レイヤパスが含まれているかを判定する。ここでは、下位レイヤパス51が該当する。遅延測定経路設定部419は、パス情報DB4191を参照して、下位レイヤパス51の下位レイヤネットワーク上の経路[下位レイヤノード21−下位レイヤノード23]を特定する。遅延測定経路設定部419は、この経路[下位レイヤノード21−下位レイヤノード23]とトポロジ情報DB415に記録された下位レイヤネットワークのトポロジ情報に基づいて、下位レイヤパス51の経由するノードの識別子の並びを特定する。遅延測定経路設定部419は、制御プレーンネットワーク情報DB4192を参照して、下位レイヤパス51の経由するノードの制御部の識別子の並びを特定する。ここでは、制御部の識別子の並びは、[制御部41−制御部43]となる。遅延測定経路設定部419は、受信された遅延測定経路探索メッセージに格納された遅延測定経路情報において、下位レイヤパス51を、下位レイヤパス51の経由するノードの制御部の識別子の並びである[制御部41−制御部43]へ置き換える。このようにして、遅延測定経路設定部419は、新たに遅延測定経路情報[制御部31−制御部41−制御部43−下位レイヤパス52−制御部32]を生成する。
【0148】
遅延測定経路設定部419は、新たな遅延測定経路情報を遅延測定経路探索メッセージへ格納して、新たな遅延測定経路情報における次の転送先である下位レイヤノード23の制御部43へ、遅延測定経路探索メッセージを送信する。
【0149】
下位レイヤノード23の制御部43の遅延測定経路設定部439は、遅延測定経路探索メッセージを受信する。遅延測定経路設定部439は、遅延測定経路探索メッセージに格納された遅延測定経路情報を参照して、遅延測定経路において自ノードが終点であるか否かを判定する。ここでは、制御部43が終点ではない。遅延測定経路設定部439は、前述の遅延測定経路設定部429と同様の動作により、遅延測定経路情報[制御部31−制御部41−制御部43−下位レイヤパス52−制御部32]の下位レイヤパス52をノードの制御部の並び[制御部43−制御部42]へ置き換える。このようにして、遅延測定経路設定部439は、更新された遅延測定経路情報[制御部31−制御部41−制御部43−制御部42−制御部32]を生成する。遅延測定経路設定部439は、更新された遅延測定経路情報を遅延測定経路探索メッセージへ格納して、更新された遅延測定情報における次の転送先である下位レイヤノード22の制御部42へ、遅延測定経路探索メッセージを送信する。
【0150】
下位レイヤノード22の制御部42の遅延測定経路設定部429は、遅延測定経路探索メッセージを受信する。遅延測定経路設定部429は、遅延測定経路探索メッセージに格納された遅延測定経路情報を参照して、遅延測定経路において自ノードが終点であるか否かを判定する。ここでは、制御部42が終点ではない。そのため、遅延測定経路設定部419は、遅延測定経路情報に基づいて、次の転送先のノードの制御部へ送信するべき遅延測定経路探索メッセージを作成する。
【0151】
具体的には、これまでと同様に、まず、遅延測定経路設定部419は、パス情報DB4291を参照して、遅延測定経路情報に、自ノードを始点とする下位レイヤパスが含まれているかを判定する。しかし、転送経路情報[制御部31−制御部41−制御部43−制御部42−制御部32]には、パス情報DB4291に一致する下位レイヤパスが含まれない。そのため、遅延測定経路設定部419は、受信した遅延測定経路情報を更新することなく、同じ遅延測定経路情報を遅延測定経路探索メッセージへ確認して、転送経路情報における次の転送先である上位レイヤノード12の制御部32へ、遅延測定経路探索メッセージを送信する。
【0152】
上位レイヤノード12の制御部32の遅延測定経路設定部329は、遅延測定経路探索メッセージを受信する。遅延測定経路設定部329は、遅延測定経路探索メッセージに格納された遅延測定経路情報を参照して、遅延測定経路において自ノードが終点であるか否かを判定する。遅延測定経路設定部329は、自ノードが、転送経路情報[制御部31−制御部41−制御部43−制御部42−制御部32]の終点であることを検知する。遅延測定経路設定部329は、受信された遅延測定経路探索メッセージに格納された遅延測定経路情報に対する更新処理を行わずに、当該遅延測定経路情報を遅延測定経路応答メッセージに格納して、遅延測定経路における始点である上位レイヤノード11の制御部31へ送信する。なお、ここで、遅延測定経路応答メッセージは、遅延測定メッセージに対する応答メッセージのように復路の転送経路を指定する必要はない。
【0153】
上位レイヤノード11の制御部31の遅延測定経路設定部319は、遅延測定経路応答メッセージを受信する。遅延測定経路設定部319は、遅延測定経路応答メッセージに格納された転送経路情報を取得する。遅延測定経路設定部319は、転送経路情報[制御部31−制御部41−制御部43−制御部42−制御部32]を、遅延測定メッセージの転送経路として決定する。遅延測定経路設定部319は、転送経路[制御部31−制御部41−制御部43−制御部42−制御部32]を、遅延測定メッセージの転送経路として、遅延測定メッセージ処理部318へ通知する。このようにして、遅延測定メッセージ処理部318は、遅延測定メッセージの転送経路を取得する。
【0154】
(ステップS111〜ステップS150)
ステップS111からステップS150までは、第2の実施形態における通信システムの動作方法と同様であるので説明を省略する。すなわち、上位レイヤノード11の制御部31の遅延測定メッセージ処理部318は、制御プレーンネットワークにおける遅延時間dを測定し、カットスルー判定部314のデータプレーンネットワーク遅延測定部3142は、データプレーンネットワークにおける遅延時間dと測定する(ステップS111)。なお、遅延時間dの測定には、ステップS102で遅延測定経路設定部319から取得した転送経路情報が用いられる。カットスルー判定部314は、測定された遅延時間dと遅延時間dとを規格化する(ステップS120)。カットスルー判定部314は、規格化後の遅延時間d及び遅延時間dを比較して、既存パスを使用するか、あるいはカットスルーパスを設定するかを判定する(ステップS130)。遅延時間dより遅延時間dのほうが大きければ、ステップS140へ進む。一方、遅延時間dより遅延時間dのほうが小さければ、ステップS150へ進む。制御部31は、遅延時間dより遅延時間dのほうが大きく、カットスルーパスを設定すると決定されると、下位レイヤネットワークのトポロジ情報に基づいて経路計算を行って、他のノードの制御部とシグナリングを行い、カットスルーパスを設定する(ステップS140)。制御部31は、カットスルーパスの設定が完了すると、あるいは、遅延時間dより遅延時間dのほうが小さく、既存の下位レイヤパスを使用すると判定されると、上位レイヤネットワークのトポロジ情報に基づいて経路計算を行い、他のノードとシグナリングを行って、上位レイヤパスを設定する(ステップS150)。
【0155】
以上が、本実施形態の通信システムの動作方法の説明である。このようにして、本実施形態の通信システムは、上位レイヤノード11と上位レイヤノード12との間に上位レイヤパスを設定する。
【0156】
次に、図17、図20A、および図20Bとを用いて、本実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの動作方法を説明する。図20Aおよび図20Bは、本実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの動作フローである。なお、以下の説明では、前述と同様に、上位レイヤノード11と上位レイヤノード12との間に上位レイヤパスを設定する場合で、上位レイヤパスの始点ノードが上位レイヤノード11である場合を説明する。また、第2の実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの動作方法と同様の部分については適宜説明を省略する。
【0157】
(ステップS200〜ステップS210)
ステップS200からステップS210は、第2の実施形態と同様であるので説明を省略する。すなわち、上位レイヤノード11は、上位レイヤパスの設定要求を入力する(ステップS200)。パス制御部311は、上位レイヤパスの設定要求を受けると、経路計算部313へ設定されるべき上位レイヤパスの経路計算を依頼する。経路計算部313は、設定されるべき上位レイヤパスの端点間に、既に下位レイヤのカットスルーパスが設定されているかを判定する(ステップS210)。既に端点間に下位レイヤのカットスルーパスが設定されている場合には、ステップS280進む。一方、端点間に下位レイヤのカットスルーパスが設定されていない場合には、ステップS212へ進む。
【0158】
(ステップS212)
経路計算部313は、設定されるべき上位レイヤパスの端点ノード間に下位レイヤのカットスルーパスが設定されていない場合、カットスルー判定部314の遅延比較部3143へ、遅延の測定及び比較を命令する。遅延比較部3143は、制御プレーンネットワーク10における遅延時間dの測定を制御プレーンネットワーク遅延測定部3141へ命令し、データプレーンネットワークにおける遅延時間dの測定をデータプレーンネットワーク測定部3142へ命令する。
【0159】
制御プレーンネットワーク遅延測定部3141は、遅延時間dを測定するために、遅延測定メッセージを遅延測定メッセージ処理部318へ出力する。遅延測定メッセージ処理部318は、遅延測定経路設定部319に遅延測定メッセージの転送経路を決定するように命令する。遅延測定経路設定部319は、本実施形態の通信システムの動作方法の説明で述べた動作方法により、トポロジ情報DB315、パス情報DB3191、制御プレーンネットワーク情報DB3192、及び対応関係DB3193を参照して、遅延測定経路情報を生成する。遅延測定経路設定部319は、遅延測定経路情報を格納した遅延測定経路探索メッセージを、制御プレーンNW通信部312を介して、隣接するノードの制御部へ送信する。
【0160】
その後、遅延測定経路設定部319は、転送経路情報における終点のノードから遅延測定経路応答メッセージを受信する。遅延測定経路設定部319は、遅延測定経路応答メッセージに格納された転送経路情報を取得して、遅延測定メッセージの転送経路として決定する。遅延測定経路設定部319は、遅延測定経路応答メッセージに格納された転送経路情報を遅延測定メッセージ処理部318へ通知する。このようにして、遅延測定メッセージ処理部318は、遅延測定メッセージの転送経路を取得する。
【0161】
(ステップS221〜ステップS290)
ステップS221〜ステップS290は、第2の実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの動作方法と同様であるので説明を省略する。すなわち、遅延測定メッセージ処理部318は、制御プレーンネットワークにおける遅延時間dを測定し、カットスルー判定部314のデータプレーンネットワーク遅延測定部3142は、データプレーンネットワークにおける遅延時間dと測定する(ステップS221)遅延比較部3143は、遅延時間dと遅延時間dとの規格化を行う(ステップS230)。遅延比較部3143は、規格化後の遅延時間dと遅延時間dとの比較を行う(ステップS240)。遅延時間dより遅延時間dが大きい場合、ステップS250へ進む。一方、遅延時間dより遅延時間dが小さい場合、ステップS280へ進む。経路計算部313は、パス制御部311へ、カットスルーパスを設定するよう命令する。パス制御部311は、設定するべき上位レイヤパスの端点間にカットスルーパスを設定するように、シグナリングを行って下位レイヤノードに要求する(ステップS250)。パス制御部311は、各下位レイヤノードからカットスルーパスの設定完了を通知される(ステップS260)。パス制御部311は、下位レイヤに設定されたカットスルーパスを上位レイヤリンクとして、トポロジ情報DB315へ登録する(ステップS270)。経路計算部313は、トポロジ情報DB315に登録されているトポロジ情報に基づいて経路計算を行う(ステップS280)。パス制御部311は、経路計算結果に基づいてシグナリングを行い、また、スイッチ部316への転送設定を行って、上位レイヤパスの設定を完了する(ステップS290)。
【0162】
以上が、本実施形態における上位レイヤパスの始点ノードの動作方法の説明である。
【0163】
次に、図18と図21とを用いて、本実施形態における上位レイヤパスの始点以外のノードの動作方法を説明する。図21は、本実施形態における上位レイヤパスの始点以外のノードの動作フローである。なお、以下の説明では、上位レイヤパスの始点以外のノードとして上位レイヤノード12を例に説明を行う。また、第2の実施形態における上位レイヤパスの始点以外のノードの動作方法と同様の部分については適宜説明を省略する。すなわち、図8を用いて説明を行った、始点ノードからのパス設定要求を受信した場合の動作方法、及び、図15を用いて説明を行った、遅延測定メッセージ、又は応答メッセージを受信した場合の動作方法は、第1、第2の実施形態と同様であるので説明を省略する。本説明では、遅延測定経路探索メッセージを受信した場合の動作方法の説明を行う。
【0164】
(ステップS600)
遅延測定経路設定部329は、制御プレーンネットワーク通信部322を介して他のノードから遅延測定経路探索メッセージを受信する。
【0165】
(ステップS610)
遅延測定経路設定部329は、遅延測定経路探索メッセージに格納された転送経路情報を参照して、自ノードが転送経路における終点であるか否かを判定する。自ノードが転送経路における終点である場合には、ステップS620進む。一方、自ノードが転送経路における終点でない場合には、ステップS640へ進む。
【0166】
(ステップS620)
遅延測定経路設定部329は、自ノードが転送経路における終点である場合、遅延測定経路探索メッセージに格納された転送経路情報を取得して、当該転送経路情報を格納した遅延測定経路応答メッセージを生成する。
【0167】
(ステップS630)
遅延測定経路設定部329は、遅延測定経路応答メッセージを、転送経路情報における始点ノードの制御部へ送信する。なお、このとき、遅延測定経路応答メッセージの転送経路を指定する必要はない。これにより、本動作方法は完了となる。
【0168】
(ステップS640)
遅延測定経路設定部329は、自ノードが転送経路における終点でない場合、本実施形態の通信システムの動作方法で説明を行ったとおり、トポロジ情報DB325、パス情報DB3191、制御プレーンネットワーク情報DB3192を参照して、受信された遅延測定経路探索メッセージに格納された転送経路情報を、新たな転送経路情報へ更新する。遅延測定経路設定部329は、更新された転送経路情報を格納した遅延測定経路探索メッセージを生成する。
【0169】
(ステップS650)
遅延測定経路設定部329は、更新された転送経路情報を格納した遅延測定経路探索メッセージを、転送経路における次の送信先のノードの制御部へ送信する。これにより本動作方法は完了となる。
【0170】
以上が、本実施形態における上位レイヤパスの始点以外のノードの動作方法の説明である。本実施形態では、各ノードが、制御プレーンネットワークを転送させる遅延測定メッセージの転送経路を決定する遅延測定経路設定部と、転送経路決定するために必要なデータを記録したデータベースとを備える。新たな上位レイヤパスの始点となる上位レイヤノードは、遅延測定経路設定部で決定した転送経路を格納した遅延測定メッセージを制御プレーンネットワークへ送信する。遅延測定メッセージを受信した各ノードは、遅延測定メッセージに格納された転送経路に基づいて転送を行うため、遅延測定メッセージが転送される往復の転送経路を同一にすることができる。これによって、ネットワーク情報集中管理装置のような構成を備える必要がなくなるためネットワーク構成がシンプルとなり、ネットワーク情報集中管理装置とノード間で送受信される遅延測定経路取得のためのメッセージのトラフィックを削減することができる。
【0171】
なお、第2、第3の実施形態に特有の効果は、下位レイヤネットワークのネットワークトポロジが、リング型やスター型であるなど、制御プレーンネットワークのIPルーティングによる経路と、制御プレーンネットワークにおいて遅延を測定した経路とが異なる場合にも適用できることである。その理由は、制御プレーンネットワークにおいて遅延を測定するための遅延測定メッセージの転送経路を指定することが可能なためである。
【0172】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態における通信システムの説明を行う。
【0173】
本実施形態の通信システムは、第1、第2、第3の実施形態における通信システムの構成に適用することが可能である。本実施形態の通信システムでは、設定するべき上位レイヤパスの始点ノードである上位レイヤノード11の制御部31のカットスルー判定部314の遅延比較部3143における、遅延時間dと遅延時間dとの比較動作が異なる。
【0174】
本実施形態の遅延比較部3143は、遅延時間dと遅延時間dとの比較時の判定に、「dC<dC+α」を用いて行う点が異なる。ここで重み付け値「α」は、任意の実数であり、「α=0」の場合は、第1、第2、第3の実施形態と同一となる。カットスルーパスを設定するか否かの判定は、第1、第2、第3の実施形態同様に、右辺が大きい場合にカットスルーパスを設定し、左辺が大きければ、既存の下位レイヤパスを使用する。
【0175】
本実施形態では、「遅延時間d」に重み付け値「α」を加えることで、αの値をネットワーク管理者が任意に設定することにより、カットスルーパスの設定に対して管理者のポリシーを反映することが可能となる。例えば、重み付け値「α」の値を正の値に設定すれば、カットスルーパスの設定を優先して設定することができる。これは、ネットワークリソースの効率利用により上位レイヤパスの通信品質を優先したネットワーク制御を行うことができる。一方、重み付け値「α」の値を不の値に設定すれば、既存の下位レイヤパスの使用を優先することができる。これは、ネットワークリソースの効率的な利用を優先したネットワーク制御を行うことができる。
【0176】
以上が、第4の実施形態における通信システムの説明である。本実施形態の通信システムに特有の効果は、ネットワーク管理者のポリシーを反映させたパス制御が行えるようになる点である。その理由は、遅延時間dへ加算される重み付け値「α」の値任意に設定することができるためである。
【0177】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しえる様々な変更を行うことができる。また、各実施形態は、独立してのみ実現可能なものではない。各実施形態の構成を組み合わせて本発明を実施することも可能である。
【符号の説明】
【0178】
10 制御プレーンネットワーク
11 上位レイヤノード
12 上位レイヤノード
13 上位レイヤノード
21 下位レイヤノード
22 下位レイヤノード
23 下位レイヤノード
31 制御部
32 制御部
33 制御部
41 制御部
42 制御部
43 制御部
51 下位レイヤパス
52 下位レイヤパス
53 下位レイヤカットスルーパス
81 ネットワーク情報集中管理装置
311 パス制御部
312 制御プレーンネットワーク通信部
313 経路計算部
314 カットスルー判定部
315 トポロジ情報データベース
316 スイッチ部
317 ノード間物理インターフェース
318 遅延測定メッセージ処理部
319 遅延測定経路設定部
321 パス制御部
322 制御プレーンネットワーク通信部
323 経路計算部
325 トポロジ情報データベース
326 スイッチ部
327 ノード間物理インターフェース
328 遅延測定メッセージ処理部
329 遅延測定経路設定部
338 遅延測定メッセージ処理部
339 遅延測定経路設定部
418 遅延測定メッセージ処理部
419 遅延測定経路設定部
428 遅延測定メッセージ処理部
429 遅延測定経路設定部
438 遅延測定メッセージ処理部
439 遅延測定経路設定部
811 制御部
812 制御プレーンネットワーク通信部
813 ネットワーク情報管理部
814 データプレーンネットワーク情報部
815 制御プレーンネットワーク情報データベース
1000 制御プレーンネットワーク
1011 上位レイヤノード
1012 上位レイヤノード
1013 上位レイヤノード
1021 下位レイヤノード
1022 下位レイヤノード
1023 下位レイヤノード
1031 制御部
1032 制御部
1033 制御部
1041 制御部
1042 制御部
1043 制御部
1051 下位レイヤパス
1052 下位レイヤパス
1053 下位レイヤカットスルーパス
1061 トラフィック観測部
3141 制御プレーンネットワーク遅延測定部
3142 データプレーンネットワーク遅延測定部
3143 遅延比較部
3191 パス情報データベース
3192 制御プレーンネットワーク情報データベース
3193 上位レイヤネットワーク−下位レイヤネットワーク対応関係データベース
8141 上位レイヤネットワーク情報部
8142 下位レイヤネットワーク情報部
8143 上位レイヤネットワーク−下位レイヤネットワーク対応関係データベース
81411 上位レイヤトポロジ情報データベース
81412 上位レイヤパス情報データベース
81421 下位レイヤトポロジ情報データベース
81422 下位レイヤパス情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノードを備え、
前記複数のノードは、
前記各ノードを制御する制御データを伝送する制御プレーンネットワークと、前記各ノード間のユーザデータを伝送するデータプレーンネットワークと
を構成し、
前記制御プレーンネットワークと、前記データプレーンネットワークとは、同一の物理インターフェース上で論理的に分離されたインバンド方式で構成され、
前記データプレーンネットワークの第1のレイヤに、前記複数のノード間を接続する第1レイヤパスを設定する第1レイヤノードと、
前記データプレーンネットワークの前記第1のレイヤより上位レイヤである第2のレイヤに、前記第1レイヤパスを用いて前記複数のノード間を接続する第2レイヤパスを設定する第2レイヤノードと
を含み、
前記第2レイヤノードのうち新たな第2レイヤパスを設定するべき始点第2レイヤノードは、前記新たな第2レイヤパスを設定するときに、前記新たな第2レイヤパスの終点第2レイヤノードとの間において、既に前記データプレーンネットワークに設定されている第1レイヤパスを用いた第1の新たな第2レイヤパスを設定するか、前記終点第2レイヤノードと直接接続される新たな第1レイヤパスを前記第1のレイヤに設定して、前記新たな第1レイヤパスを用いた第2の新たな第2レイヤパスを設定するかを、前記終点第2レイヤノードとの間で測定される通信品質情報に基づいて決定するカットスルー判定部
を具備する通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムであって、
前記通信品質情報は、前記データプレーンネットワークと前記制御プレーンネットワークとのそれぞれにおいて、前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードとの間に遅延測定メッセージを転送させて測定した遅延時間である
通信システム。
【請求項3】
請求項2に記載の通信システムであって、
前記カットスルー判定部は、
前記データプレーンネットワークに設定されるべき前記第1の新たな第2レイヤパスの転送経路へ前記遅延測定メッセージを転送させて第1の遅延時間を測定するデータプレーンネットワーク遅延測定部と、
前記制御プレーンネットワークにおいて前記データプレーンネットワークに設定されるべき前記第2の新たな第2レイヤパスの転送経路と同一の転送経路へ前記遅延測定メッセージを転送させて第2の遅延時間を測定する制御プレーンネットワーク遅延測定部と、
前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間の比較処理を行って、前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間のうちで値の小さい遅延時間に対応する転送経路を用いて、前記新たな第2レイヤパスを設定するべきと決定する遅延比較部と
を備える通信システム。
【請求項4】
請求項3に記載の通信システムであって、
前記データプレーンネットワーク遅延測定部は、前記遅延測定メッセージを送信してから前記遅延測定メッセージに対する応答メッセージを受信するまでの時間に基づいて前記第1の遅延時間を算出し、
前記制御プレーンネットワーク遅延測定部は、前記遅延測定メッセージを送信してから前記遅延測定メッセージに対する応答メッセージを受信するまでの時間に基づいて前記第2の遅延時間を算出する
通信システム。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の通信システムであって、
前記遅延比較部は、前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間とを入力すると、前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間とのいずれかに予め定められた時間の重み付け値を加算する
通信システム。
【請求項6】
請求項3から請求項5までのいずれかに記載の通信システムであって、
前記遅延比較部は、前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間とに対して、測定された転送経路における通信条件の違いにより発生する時間の差を補正する規格化を行って、規格化後の前記第1の遅延時間と規格化後の前記第2の遅延時間を用いて比較処理を行う
通信システム。
【請求項7】
請求項6に記載の通信システムであって、
前記遅延比較部は、前記第2の遅延時間の測定された前記遅延測定メッセージの転送経路に存在する前記第1レイヤノードの各々が行う処理に必要な時間の差と、当該転送経路に存在する前記第1レイヤノード間を前記遅延測定メッセージが伝送される時間の差とを補正する
通信システム。
【請求項8】
請求項7に記載の通信システムであって、
前記遅延比較部は、前記第2の遅延時間をd、遅延測定メッセージのサイズ(P)、制御プレーンネットワーク10の帯域幅(BW)、データプレーンネットワークにおける設定されるべき下位レイヤパスの帯域幅(BW)、遅延メッセージが転送経路において経由した下位レイヤノード数(N)とすると、規格化後のdを、
規格化後のd=(d−((P/BW−P/BW)×N−(Tp×N))
に基づいて算出する
通信システム。
【請求項9】
請求項3から請求項8までのいずれかに記載の通信システムであって、
第2の遅延時間を測定するための前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を決定するネットワーク情報集中管理装置をさらに備え、
前記複数のノードの各々は、前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送処理を行う遅延測定メッセージ処理部をさらに備え、
前記始点第2レイヤノードの前記遅延測定メッセージ処理部は、前記カットスルー判定部から前記遅延測定メッセージを入力すると、前記ネットワーク情報集中管理装置から前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を取得して、前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を前記遅延測定メッセージへ格納して、前記遅延測定メッセージを送信し、
前記始点第2レイヤノード以外の前記複数のノードの備える前記遅延測定メッセージ処理部は、前記遅延測定メッセージを入力すると、前記遅延測定メッセージに格納された前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路に基づいて前記遅延測定メッセージを転送する
通信システム。
【請求項10】
請求項9に記載の通信システムであって、
前記ネットワーク情報集中管理装置は、
前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードとの間に既に設定されている第2レイヤパスと第1レイヤパスとの対応関係に基づいて、前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードとの間に既に設定されている前記下位レイヤパスを特定し、前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードとの間に既に設定されている前記下位レイヤパスの経由する第1レイヤノードを特定し、前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードとの間に設定された前記下位レイヤパスの経由する第1レイヤノードの識別子を特定し、前記始点第2レイヤノードを最初に配置し、前記終点第2レイヤノードを最後に配置して、特定された前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードとの間に設定された前記下位レイヤパスの経由する第1レイヤノードの識別子を、前記始点第2レイヤノードから前記終点第2レイヤノードまでの間で経由する順に並べて前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を決定する
通信システム。
【請求項11】
請求項3から請求項8までのいずれかに記載の通信システムであって、
前記複数のノードの各々は、
前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送処理を行う遅延測定メッセージ処理部と、
第2の遅延時間を測定するための前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を決定する遅延測定経路設定部と
をさらに備え、
前記始点第2レイヤノードの備える前記遅延測定メッセージ処理部は、前記カットスルー判定部から前記遅延測定メッセージを入力すると、遅延測定経路設定部から前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を取得して、前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を前記遅延測定メッセージへ格納して、前記遅延測定メッセージを送信し、
前記始点第2レイヤノード以外の前記複数のノードの備える前記遅延測定メッセージ処理部は、前記遅延測定メッセージを入力すると、前記遅延測定メッセージに格納された前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路に基づいて前記遅延測定メッセージを転送する
通信システム。
【請求項12】
請求項11に記載の通信システムであって、
前記始点第2レイヤノードの遅延測定経路設定部は、前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードとの間を接続可能とする既に設定されている第2レイヤパスに基づいて、当該第2レイヤパスの経由する前記第2レイヤノードを特定して、前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードの識別子と、当該第2レイヤパスの経由する前記第2レイヤノード間を接続する第1レイヤパスとを遅延測定経路情報として格納した前記遅延測定経路探索メッセージを生成し、
前記各ノードの遅延測定経路設定部は、前記遅延測定経路探索メッセージを受信すると、前記遅延測定経路探索メッセージに格納された遅延測定経路情報に含まれる前記第1レイヤパスのうちで、自ノードを始点とする前記第1レイヤパスが含まれているかを判定し、前記第1レイヤパスを前記第1レイヤパスの経由する前記第1レイヤノードの識別子へ置き換えた遅延測定経路探索メッセージを生成して、置き換え後の遅延測定経路探索メッセージを転送する
通信システム。
【請求項13】
複数のノードを備え、
前記複数のノードは、
前記各ノードを制御する制御データを伝送する制御プレーンネットワークと、前記各ノード間のユーザデータを伝送するデータプレーンネットワークとを構成し、
前記制御プレーンネットワークと、前記データプレーンネットワークとは、同一の物理インターフェース上で論理的に分離されたインバンド方式で構成され、
前記データプレーンネットワークの第1のレイヤに、前記複数のノード間を接続する第1レイヤパスを設定する第1レイヤノードと、
前記データプレーンネットワークの前記第1のレイヤより上位レイヤである第2のレイヤに、前記第1レイヤパスを用いて前記複数のノード間を接続する第2レイヤパスを設定する第2レイヤノードと
を含む通信システムにおいて、
前記新たな第2レイヤパスを設定するときに、前記新たな第2レイヤパスの終点第2レイヤノードとの間において、既に前記データプレーンネットワークに設定されている第1レイヤパスを用いた第1の新たな第2レイヤパスを設定するか、前記終点第2レイヤノードと直接接続される新たな第1レイヤパスを前記第1のレイヤに設定して、前記新たな第1レイヤパスを用いた第2の新たな第2レイヤパスを設定するかを、前記終点第2レイヤノードとの間で測定される通信品質情報に基づいて決定するカットスルー判定部
を具備するネットワークノード。
【請求項14】
請求項13に記載のネットワークノードであって、
前記通信品質情報は、前記データプレーンネットワークと前記制御プレーンネットワークとのそれぞれにおいて、前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードとの間に遅延測定メッセージを転送させて測定した遅延時間である
ネットワークノード。
【請求項15】
請求項14に記載のネットワークノードであって、
前記カットスルー判定部は、
前記データプレーンネットワークに設定されるべき前記第1の新たな第2レイヤパスの転送経路へ前記遅延測定メッセージを転送させて第1の遅延時間を測定するデータプレーンネットワーク遅延測定部と、
前記制御プレーンネットワークにおいて前記データプレーンネットワークに設定されるべき前記第2の新たな第2レイヤパスの転送経路と同一の転送経路へ前記遅延測定メッセージを転送させて第2の遅延時間を測定する制御プレーンネットワーク遅延測定部と、
前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間の比較処理を行って、前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間のうちで値の小さい遅延時間に対応する転送経路を用いて、前記新たな第2レイヤパスを設定するべきと決定する遅延比較部と
を備えるネットワークノード。
【請求項16】
請求項15に記載のネットワークノードであって、
前記データプレーンネットワーク遅延測定部は、前記遅延測定メッセージを送信してから前記遅延測定メッセージに対する応答メッセージを受信するまでの時間に基づいて前記第1の遅延時間を算出し、
前記制御プレーンネットワーク遅延測定部は、前記遅延測定メッセージを送信してから前記遅延測定メッセージに対する応答メッセージを受信するまでの時間に基づいて前記第2の遅延時間を算出する
ネットワークノード。
【請求項17】
請求項15または請求項16に記載のネットワークノードであって、
前記遅延比較部は、前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間とを入力すると、前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間とのいずれかに予め定められた時間の重み付け値を加算する
ネットワークノード。
【請求項18】
請求項15から請求項17までのいずれかに記載のネットワークノードであって、
前記遅延比較部は、前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間とに対して、測定された転送経路における通信条件の違いにより発生する時間の差を補正する規格化を行って、規格化後の前記第1の遅延時間と規格化後の前記第2の遅延時間を用いて比較処理を行う
ネットワークノード。
【請求項19】
請求項18に記載のネットワークノードであって、
前記遅延比較部は、前記第2の遅延時間の測定された前記遅延測定メッセージの転送経路に存在する前記第1レイヤノードの各々が行う処理に必要な時間の差と、当該転送経路に存在する前記第1レイヤノード間を前記遅延測定メッセージが伝送される時間の差とを補正する
ネットワークノード。
【請求項20】
請求項19に記載のネットワークノードであって、
前記遅延比較部は、前記第2の遅延時間をd、遅延測定メッセージのサイズ(P)、制御プレーンネットワーク10の帯域幅(BW)、データプレーンネットワークにおける設定されるべき下位レイヤパスの帯域幅(BW)、遅延メッセージが転送経路において経由した下位レイヤノード数(N)とすると、規格化後のdを、
規格化後のd=(d−((P/BW−P/BW)×N−(Tp×N))
に基づいて算出する
ネットワークノード。
【請求項21】
請求項15から請求項20までのいずれかに記載のネットワークノードであって、
前期通信システムは、第2の遅延時間を測定するための前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を決定するネットワーク情報集中管理装置をさらに備え、
前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送処理を行う遅延測定メッセージ処理部をさらに備え、
前記遅延測定メッセージ処理部は、前記カットスルー判定部から前記遅延測定メッセージを入力すると、前記ネットワーク情報集中管理装置から前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を取得して、前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を前記遅延測定メッセージへ格納して、前記遅延測定メッセージを送信し、
他のノードから前記遅延測定メッセージを入力すると、前記遅延測定メッセージに格納された前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路に基づいて前記遅延測定メッセージを転送する
ネットワークノード。
【請求項22】
請求項15から請求項20までのいずれかに記載のネットワークノードであって、
前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送処理を行う遅延測定メッセージ処理部と、
第2の遅延時間を測定するための前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を決定する遅延測定経路設定部と
を備え、
前記遅延測定メッセージ処理部は、前記カットスルー判定部から前記遅延測定メッセージを入力すると、遅延測定経路設定部から前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を取得して、前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を前記遅延測定メッセージへ格納して、前記遅延測定メッセージを送信する
ネットワークノード。
【請求項23】
請求項22に記載のネットワークノードであって、
前記遅延測定経路設定部は、
前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードとの間を接続可能とする既に設定されている第2レイヤパスに基づいて、当該第2レイヤパスの経由する前記第2レイヤノードを特定して、前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードの識別子と、当該第2レイヤパスの経由する前記第2レイヤノード間を接続する第1レイヤパスとを遅延測定経路情報として格納した前記遅延測定経路探索メッセージを生成し、
他のノードから前記遅延測定経路探索メッセージを受信すると、前記遅延測定経路探索メッセージに格納された遅延測定経路情報に含まれる前記第1レイヤパスのうちで、自ノードを始点とする前記第1レイヤパスが含まれているかを判定し、前記第1レイヤパスを前記第1レイヤパスの経由する前記第1レイヤノードの識別子へ置き換えた遅延測定経路探索メッセージを生成して、置き換え後の遅延測定経路探索メッセージを転送する
ネットワークノード。
【請求項24】
複数のノードを備え、前記複数のノードは、前記各ノードを制御する制御データを伝送する制御プレーンネットワークと、前記各ノード間のユーザデータを伝送するデータプレーンネットワークとを構成し、前記制御プレーンネットワークと、前記データプレーンネットワークとは、同一の物理インターフェース上で論理的に分離されたインバンド方式で構成される通信システムにおいて、
前記データプレーンネットワークの第1のレイヤに、前記複数のノード間を接続する第1レイヤパスを設定するステップと、
前記データプレーンネットワークの前記第1のレイヤより上位レイヤである第2のレイヤに、前記第1レイヤパスを用いて前記複数のノード間を接続する第2レイヤパスを設定するステップと
前記新たな第2レイヤパスを設定するときに、前記新たな第2レイヤパスの終点第2レイヤノードとの間において、既に前記データプレーンネットワークに設定されている第1レイヤパスを用いた第1の新たな第2レイヤパスを設定するか、前記終点第2レイヤノードと直接接続される新たな第1レイヤパスを前記第1のレイヤに設定して、前記新たな第1レイヤパスを用いた第2の新たな第2レイヤパスを設定するかを、前記終点第2レイヤノードとの間で測定される通信品質情報に基づいて決定するステップと
を具備する通信システム制御方法。
【請求項25】
請求項24に記載の通信システム制御方法であって、
前記通信品質情報は、前記データプレーンネットワークと前記制御プレーンネットワークとのそれぞれにおいて、前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードとの間に遅延測定メッセージを転送させて測定した遅延時間である
通信システム制御方法。
【請求項26】
請求項25に記載の通信システム制御方法であって、前記決定するステップは、
前記データプレーンネットワークに設定されるべき前記第1の新たな第2レイヤパスの転送経路へ前記遅延測定メッセージを転送させて第1の遅延時間を測定するステップと、
前記制御プレーンネットワークにおいて前記データプレーンネットワークに設定されるべき前記第2の新たな第2レイヤパスの転送経路と同一の転送経路へ前記遅延測定メッセージを転送させて第2の遅延時間を測定するステップと、
前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間の比較処理を行って、前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間のうちで値の小さい遅延時間に対応する転送経路を用いて、前記新たな第2レイヤパスを設定するべきと決定するステップと
を含む通信システム制御方法。
【請求項27】
請求項26に記載の通信システム制御方法であって、前記決定するステップは、
前記遅延測定メッセージを送信してから前記遅延測定メッセージに対する応答メッセージを受信するまでの時間に基づいて前記第1の遅延時間を算出するステップと、
前記遅延測定メッセージを送信してから前記遅延測定メッセージに対する応答メッセージを受信するまでの時間に基づいて前記第2の遅延時間を算出するステップと
を含む通信システム制御方法。
【請求項28】
請求項26または請求項27に記載の通信システム制御方法であって、前記決定するステップは、
前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間とを入力すると、前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間とのいずれかに予め定められた時間の重み付け値を加算するステップ
を含む通信システム制御方法。
【請求項29】
請求項26から請求項28までのいずれかに記載の通信システム制御方法であって、前記決定するステップは、
前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間とに対して、測定された転送経路における通信条件の違いにより発生する時間の差を補正する規格化を行うステップと、
規格化後の前記第1の遅延時間と規格化後の前記第2の遅延時間を用いて前期比較処理を行うステップと
を含む通信システム制御方法。
【請求項30】
請求項29に記載の通信システム制御方法であって、前記規格化を行うステップは、
前記第2の遅延時間の測定された前記遅延測定メッセージの転送経路に存在する前記第1レイヤノードの各々が行う処理に必要な時間の差と、当該転送経路に存在する前記第1レイヤノード間を前記遅延測定メッセージが伝送される時間の差とを補正するステップ
を含む通信システム制御方法。
【請求項31】
請求項30に記載の通信システム制御方法であって、前記補正するステップは、
前記第2の遅延時間をd、遅延測定メッセージのサイズ(P)、制御プレーンネットワーク10の帯域幅(BW)、データプレーンネットワークにおける設定されるべき下位レイヤパスの帯域幅(BW)、遅延メッセージが転送経路において経由した下位レイヤノード数(N)とすると、規格化後のdを、
規格化後のd=(d−((P/BW−P/BW)×N−(Tp×N))
に基づいて算出するステップ
を含む通信システム制御方法。
【請求項32】
請求項26から請求項31までのいずれかに記載の通信システム制御方法であって、
前記通信システムは、ネットワーク情報集中管理装置をさらに備え、
前記決定するステップは、
第2の遅延時間を測定するための前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を決定するステップと、
前記カットスルー判定部から前記遅延測定メッセージを入力すると、前記ネットワーク情報集中管理装置から前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を取得するステップと、
前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を前記遅延測定メッセージへ格納した前記遅延測定メッセージを送信するステップと、
前記遅延測定メッセージを入力すると、前記遅延測定メッセージに格納された前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路に基づいて前記遅延測定メッセージを転送するステップと
を備える通信システム制御方法。
【請求項33】
請求項32に記載の通信システム制御方法であって、前記転送経路を決定するステップは、
前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードとの間に既に設定されている第2レイヤパスと第1レイヤパスとの対応関係に基づいて、前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードとの間に既に設定されている前記下位レイヤパスを特定するステップと、
前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードとの間に既に設定されている前記下位レイヤパスの経由する第1レイヤノードを特定するステップと、
前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードとの間に設定された前記下位レイヤパスの経由する第1レイヤノードの識別子を特定するステップと、
前記始点第2レイヤノードを最初に配置し、前記終点第2レイヤノードを最後に配置して、特定された前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードとの間に設定された前記下位レイヤパスの経由する第1レイヤノードの識別子を、前記始点第2レイヤノードから前記終点第2レイヤノードまでの間で経由する順に並べて前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を決定するステップと
を含む通信システム制御方法。
【請求項34】
請求項26から請求項31までのいずれかに記載の通信システム制御方法であって、前記決定するステップは、
前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送処理を行うステップと、
第2の遅延時間を測定するための前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を決定するステップと、
前記カットスルー判定部から前記遅延測定メッセージを入力すると、遅延測定経路設定部から前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を取得するステップと、
前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を前記遅延測定メッセージへ格納した前記遅延測定メッセージを送信するステップと、
前記遅延測定メッセージを入力すると、前記遅延測定メッセージに格納された前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路に基づいて前記遅延測定メッセージを転送するステップと
を含む通信システム制御方法。
【請求項35】
請求項34に記載の通信システム制御方法であって、前記転送経路を決定するステップは、
前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードとの間を接続可能とする既に設定されている第2レイヤパスに基づいて、当該第2レイヤパスの経由する前記第2レイヤノードを特定するステップと、
前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードの識別子と、当該第2レイヤパスの経由する前記第2レイヤノード間を接続する第1レイヤパスとを遅延測定経路情報として格納した前記遅延測定経路探索メッセージを生成するステップと、
前記遅延測定経路探索メッセージを受信すると、前記遅延測定経路探索メッセージに格納された遅延測定経路情報に含まれる前記第1レイヤパスのうちで、自ノードを始点とする前記第1レイヤパスが含まれているかを判定するステップと、
前記第1レイヤパスを前記第1レイヤパスの経由する前記第1レイヤノードの識別子へ置き換えた遅延測定経路探索メッセージを生成するステップと、
置き換え後の遅延測定経路探索メッセージを転送するステップと
を含む通信システム制御方法。
【請求項36】
複数のノードを備え、前記複数のノードは、前記各ノードを制御する制御データを伝送する制御プレーンネットワークと、前記各ノード間のユーザデータを伝送するデータプレーンネットワークとを構成し、前記制御プレーンネットワークと、前記データプレーンネットワークとは、同一の物理インターフェース上で論理的に分離されたインバンド方式で構成される通信システムにおいて、
前記データプレーンネットワークの第1のレイヤに、前記複数のノード間を接続する第1レイヤパスを設定するステップと、
前記データプレーンネットワークの前記第1のレイヤより上位レイヤである第2のレイヤに、前記第1レイヤパスを用いて前記複数のノード間を接続する第2レイヤパスを設定するステップと
前記新たな第2レイヤパスを設定するときに、前記新たな第2レイヤパスの終点第2レイヤノードとの間において、既に前記データプレーンネットワークに設定されている第1レイヤパスを用いた第1の新たな第2レイヤパスを設定するか、前記終点第2レイヤノードと直接接続される新たな第1レイヤパスを前記第1のレイヤに設定して、前記新たな第1レイヤパスを用いた第2の新たな第2レイヤパスを設定するかを、前記終点第2レイヤノードとの間で測定される通信品質情報に基づいて決定するステップと
を具備するネットワークノード制御方法。
【請求項37】
請求項36に記載のネットワークノード制御方法であって、
前記通信品質情報は、前記データプレーンネットワークと前記制御プレーンネットワークとのそれぞれにおいて、前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードとの間に遅延測定メッセージを転送させて測定した遅延時間である
ネットワークノード制御方法。
【請求項38】
請求項37に記載のネットワークノード制御方法であって、前記決定するステップは、
前記データプレーンネットワークに設定されるべき前記第1の新たな第2レイヤパスの転送経路へ前記遅延測定メッセージを転送させて第1の遅延時間を測定するステップと、
前記制御プレーンネットワークにおいて前記データプレーンネットワークに設定されるべき前記第2の新たな第2レイヤパスの転送経路と同一の転送経路へ前記遅延測定メッセージを転送させて第2の遅延時間を測定するステップと、
前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間の比較処理を行って、前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間のうちで値の小さい遅延時間に対応する転送経路を用いて、前記新たな第2レイヤパスを設定するべきと決定するステップと
を含むネットワークノード制御方法。
【請求項39】
請求項38に記載のネットワークノード制御方法であって、前記決定するステップは、
前記遅延測定メッセージを送信してから前記遅延測定メッセージに対する応答メッセージを受信するまでの時間に基づいて前記第1の遅延時間を算出するステップと、
前記遅延測定メッセージを送信してから前記遅延測定メッセージに対する応答メッセージを受信するまでの時間に基づいて前記第2の遅延時間を算出するステップと
を含むネットワークノード制御方法。
【請求項40】
請求項38または請求項39に記載のネットワークノード制御方法であって、前記決定するステップは、
前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間とを入力すると、前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間とのいずれかに予め定められた時間の重み付け値を加算するステップ
を含むネットワークノード制御方法。
【請求項41】
請求項38から請求項40までのいずれかに記載のネットワークノード制御方法であって、前記決定するステップは、
前記第1の遅延時間と前記第2の遅延時間とに対して、測定された転送経路における通信条件の違いにより発生する時間の差を補正する規格化を行うステップと、
規格化後の前記第1の遅延時間と規格化後の前記第2の遅延時間を用いて前期比較処理を行うステップと
を含むネットワークノード制御方法。
【請求項42】
請求項41に記載のネットワークノード制御方法であって、前記規格化を行うステップは、
前記第2の遅延時間の測定された前記遅延測定メッセージの転送経路に存在する前記第1レイヤノードの各々が行う処理に必要な時間の差と、当該転送経路に存在する前記第1レイヤノード間を前記遅延測定メッセージが伝送される時間の差とを補正するステップ
を含むネットワークノード制御方法。
【請求項43】
請求項42に記載のネットワークノード制御方法であって、前記補正するステップは、
前記第2の遅延時間をd、遅延測定メッセージのサイズ(P)、制御プレーンネットワーク10の帯域幅(BW)、データプレーンネットワークにおける設定されるべき下位レイヤパスの帯域幅(BW)、遅延メッセージが転送経路において経由した下位レイヤノード数(N)とすると、規格化後のdを、
規格化後のd=(d−((P/BW−P/BW)×N+(Tp×N)))
に基づいて算出するステップ
を含むネットワークノード制御方法。
【請求項44】
請求項38から請求項43までのいずれかに記載のネットワークノード制御方法であって、
前記通信システムは、ネットワーク情報集中管理装置をさらに備え、
前記決定するステップは、
第2の遅延時間を測定するための前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を決定するステップと、
前記カットスルー判定部から前記遅延測定メッセージを入力すると、前記ネットワーク情報集中管理装置から前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を取得するステップと、
前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を前記遅延測定メッセージへ格納した前記遅延測定メッセージを送信するステップと、
前記遅延測定メッセージを入力すると、前記遅延測定メッセージに格納された前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路に基づいて前記遅延測定メッセージを転送するステップと
を備えるネットワークノード制御方法。
【請求項45】
請求項38から請求項43までのいずれかに記載のネットワークノード制御方法であって、前記決定するステップは、
前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送処理を行うステップと、
第2の遅延時間を測定するための前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を決定するステップと、
前記カットスルー判定部から前記遅延測定メッセージを入力すると、遅延測定経路設定部から前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を取得するステップと、
前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路を前記遅延測定メッセージへ格納した前記遅延測定メッセージを送信するステップと、
前記遅延測定メッセージを入力すると、前記遅延測定メッセージに格納された前記制御プレーンネットワークにおける前記遅延測定メッセージの転送経路に基づいて前記遅延測定メッセージを転送するステップと
を含むネットワークノード制御方法。
【請求項46】
請求項45に記載のネットワークノード制御方法であって、前記転送経路を決定するステップは、
前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードとの間を接続可能とする既に設定されている第2レイヤパスに基づいて、当該第2レイヤパスの経由する前記第2レイヤノードを特定するステップと、
前記始点第2レイヤノードと前記終点第2レイヤノードの識別子と、当該第2レイヤパスの経由する前記第2レイヤノード間を接続する第1レイヤパスとを遅延測定経路情報として格納した前記遅延測定経路探索メッセージを生成するステップと、
前記遅延測定経路探索メッセージを受信すると、前記遅延測定経路探索メッセージに格納された遅延測定経路情報に含まれる前記第1レイヤパスのうちで、自ノードを始点とする前記第1レイヤパスが含まれているかを判定するステップと、
前記第1レイヤパスを前記第1レイヤパスの経由する前記第1レイヤノードの識別子へ置き換えた遅延測定経路探索メッセージを生成するステップと、
置き換え後の遅延測定経路探索メッセージを転送するステップと
を含むネットワークノード制御方法。
【請求項47】
請求項36から請求項46までのいずれかに記載のネットワークノード制御方法をコンピュータに実行させるネットワークノード制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−41213(P2011−41213A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189441(P2009−189441)
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成20年度、独立行政法人情報通信研究機構「高度通信・放送研究開発委託研究/λユーティリティ技術の研究開発」)は産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】