説明

通信制御装置および通信制御方法

【課題】通信回線の通信速度が低下した場合に、複数のフローの全ての通信品質を低下させることなく通信を行わせる。
【解決手段】通信制御装置が、送信側装置から送信される情報を定められた複数のフローを受信し、情報を受信する受信速度を算出し、受信した情報のフローを受信側装置に送信し、情報を送信する送信速度を算出し、受信速度が送信速度を超えるか否かを判定し、受信速度が送信速度を超えると判定された場合、受信した複数のフローのうち定められたフローを停止対象のフローとして判定し、停止対象として判定されたフロー以外のフローに対応する情報を受信側装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信回線を介した情報通信を中継する通信制御装置および通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)やVDSL(Very high bitrate Digital Subscriber Line)、FTTH(Fiber To The Home)などの通信技術が普及し、ブロードバンドの通信回線を介して様々な情報が通信されている。このような通信回線では、文字データや静止画像データの通信のみならず、例えばIP(Internet Protocol)パケットによる音声データや動画配信において映像データをストリーミング配信する等、中断なく持続的に送信されることが要求される情報の通信が行われている。ここで、通信回線の通信速度には物理的な限界があるため、通信回線の通信速度に応じた中継回線の帯域を超える量の情報が入力される場合、その情報の種別に対応付けられた優先度に応じて制御を行なうQoS(Quality of Service)技術が研究されている。
【0003】
このようなQoSによる優先制御では、送信される情報の種別毎に、その情報が送信される際に遅延や損失が許容される度合いに応じた優先度クラスが定められる。定められた優先度クラスは、送信側の通信回線から受信側の通信回線への情報の中継を行う通信制御装置に記憶される。通信制御装置は、送信側の通信回線を介して受信した単位時間あたりの情報量が、単位時間あたりに受信側の通信回線に中継可能な情報量を超える場合、より優先度の低いクラスに対応付けられた種別の情報を廃棄し、より優先度の高いクラスに対応付けられた情報を優先して送信する。このような優先制御により持続性が求められる情報の種別を高い優先度クラスに対応付けておくことで、大量の情報が通信回線に送信された場合でも、持続性が求められる情報を途切れさせることなく中継することができる。
【0004】
ところで、非特許文献1〜3には、このような通信制御装置が、通信回線の信号対雑音比(SNR:Signal to Noise ratio)が低下してSNRが下限基準値を下回る程に減少した場合、通信速度を低下させることによりSNRを増加させ、上限基準値を超える程に増加すれば通信速度を増加させてSNRを減少させるように制御するSRA(Seamless Rate Adaptation)機能や、SNRの急激な減少(ノイズの急激な増加)を検知すると即座に通信速度を低下させるように制御するSOS機能などが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「ITU−T勧告G.993.2 Amendment3」、TELECOMMUNICATION STANDARDIZATION SECTOR OF ITU、2008年8月
【非特許文献2】「ITU−T勧告G.993.2」、TELECOMMUNICATION STANDARDIZATION SECTOR OF ITU、2006年2月
【非特許文献3】「ITU−T勧告G.994.1」、TELECOMMUNICATION STANDARDIZATION SECTOR OF ITU、2003年5月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術による優先制御は、送信側の通信回線の通信速度が受信側の通信回線の通信速度を超える場合には、より低い優先度クラスに対応付けられた種別の情報以外については考慮することなく無作為に廃棄するものであるため、同一の種別であり同一の優先度クラスに対応付けられた複数のフローが存在する場合、複数のフローのいずれかのフローがランダムに廃棄される。例えば、マルチキャストで2つのフローにより異なる動画が同一の通信回線に送信されている状態で、受信速度が送信速度を超えた場合、同一の種別の情報が単位時間毎にランダムに廃棄されるため、双方の動画に乱れが発生してしまうことになる。例えば、動画を配信する1フローあたりに10Mbps(Mega bit per second)の帯域が必要であれば、受信側の通信回線の帯域が20Mbpsを超えている場合には双方の動画の送信が可能であるが、ノイズの影響等により受信側の通信回線の帯域が20Mbps以下に低下した場合、単位時間毎にいずれかのフローの情報がランダムに廃棄されることとなり、双方のフローの通信品質が低下する。特に、SRA機能やSOS機能によりノイズに応じて柔軟に通信速度が変化する通信環境では、このような状態が発生し易くなることが考えられる。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、ノイズの影響等により通信速度が変化して受信速度が送信速度を超えることとなり、受信側の通信回線における通信速度が相対的に低下した場合に、通信速度低下による通信品質への影響が受信側の通信回線における全てのフローに及ぶことを防ぐ通信制御装置および通信制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明は、送信側の通信回線を介して接続された送信側装置から送信される情報を、受信側の通信回線を介して接続された情報の宛先である受信側装置に送信する通信制御装置であって、送信側装置から送信される情報の複数のフローを受信する受信部と、受信部が情報を受信する受信速度を算出する受信速度算出部と、受信部が受信した情報のフローを受信側装置に送信する送信部と、送信部が情報を送信する送信速度を算出する送信速度算出部と、受信速度算出部によって算出された受信速度が、送信速度算出部によって算出された送信速度を超えるか否かを判定する通信速度判定部と、通信速度判定部によって、受信速度が送信速度を超えると判定された場合、受信部が受信した複数のフローのうち、定められたフローを停止対象のフローとして判定し、停止させるフロー制御部と、受信部が受信した複数のフローのうち、フロー制御部によって停止対象として判定されたフロー以外のフローに対応する情報を、送信部によって送信させる通信制御部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、受信速度算出部が、受信部が受信する情報の量を単位時間毎に測定し、測定結果に基づいて受信速度を算出することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、送信側装置から送信される情報の種別を示す情報種別と、情報種別の情報に対応するフローの通信速度を示すフロー通信速度とが対応付けられて記憶されるフロー通信速度記憶部を備え、受信速度算出部は、受信部が受信するフローの情報種別に対応付けられたフロー通信速度を、フロー通信速度記憶部から読み出し、複数のフローの情報種別毎に読み出したフロー通信速度に基づいて、受信速度を算出することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、通信速度判定部が、フロー制御部によってフローが停止対象として判定された後、送信速度算出部によって算出された送信速度が、予め定められた閾値を超えているか否かを判定し、フロー制御部は、通信速度判定部によって、送信情報量が予め定められた閾値を超えていると判定された場合、定められた停止対象のフローの送信を再開すると判定し、通信制御部は、フロー制御部によって送信を再開すると判定されたフローに対応する情報を、送信部によって送信させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、送信側の通信回線を介して接続された送信側装置から送信される情報を、受信側の通信回線を介して接続された情報の宛先である受信側装置に送信する通信制御装置の通信制御方法であって、受信部が、送信側装置から送信される情報の複数のフローを受信するステップと、受信速度算出部が、受信部によって情報が受信される受信速度を算出するステップと、送信部が、受信部によって受信された情報のフローを受信側装置に送信するステップと、送信速度算出部が、送信部におって情報が送信される送信速度を算出するステップと、通信速度判定部が、受信速度算出部によって算出された受信速度が、送信速度算出部によって算出された送信速度を超えるか否かを判定するステップと、フロー制御部が、通信速度判定部によって、受信速度が送信速度を超えると判定された場合、受信部が受信した複数のフローのうち、定められたフローを停止対象のフローとして判定し、停止させるステップと、通信制御部が、受信部によって受信された複数のフローのうち、フロー制御部によって停止対象として判定されたフロー以外のフローに対応する情報を、送信部によって送信させるステップと、を備えることを特徴とする通信制御方法。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、通信制御装置が、送信側装置から送信される情のフローを受信し、情報を受信する受信速度を算出し、受信した情報のフローを受信側装置に送信し、情報を送信する送信速度を算出し、受信速度が送信速度を超えるか否かを判定し、受信速度が送信速度を超えると判定された場合、受信した複数のフローのうち定められたフローを停止対象のフローとして判定し、停止対象として判定されたフロー以外のフローに対応する情報を受信側装置に送信するようにしたので、例えばノイズの発生や増加等により送信速度が低下し、受信速度が送信速度を超えることとなった場合でも、定められたフローによる情報の送信を停止することによって他のフローへの通信速度低下の影響を吸収し、他のフローにおける通信速度の低下を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態による通信システムの概要を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による通信システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態によるフロー制御部に記憶されるデータ例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態の優先制御部による優先制御の概念を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態によるSRA制御部によって行なわれる制御の概念を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態によるSRA制御部によって行なわれる制御の概念を示す図である。
【図7】従来の通信状態の変化に対応する通信速度の変化と、SRA機能およびSOS機能を用いた通信状態の変化に対応する通信速度の変化とを示す図である。
【図8】本発明の一実施形態による通信システムの動作例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態による通信システムの動作例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態による通信システムの動作概要を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態による通信システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による通信システム1の概要を示す図である。マンション等の集合住宅20の管理人室に設置されたMDF(Main Distributing Frame)410には、メタリックケーブルの通信回線を介して交換局10の交換機110が接続され、交換機110は電話網に接続される。また、集合住宅20の管理人室に設置されたVDSL集合装置200は、光アクセス装置420を介して光ファイバーケーブルに接続され、光ファイバーケーブルは局側装置(光アクセス装置)100に接続される。局側装置100は、IP網に接続される。VDSL集合装置200はMDF410に接続され、MDF410は、集合住宅20の構内メタルケーブルを介して宅内に設置されたVDSLモデム320に接続される。VDSLモデム320は、宅内通信装置(HGW(Home GateWay))310−1や、IP技術によって音声通信を実現する宅内通信装置(VOIP(Voice over IP)端末)310−2を介して端末装置300−1や端末装置300−2に接続される。
【0016】
図2は、本実施形態による通信システム1の構成を示すブロック図である。
本実施形態では、1台の局側装置100と、1台のVDSL集合装置200と、1台のVDSLモデム320とを図示して説明するが、1台の局側装置100に対し、複数台のVDSL装置200が接続されて良いし、1台のVDSL装置200に対し、複数台のVDSLモデム320が接続されるように構成して良い。この場合、VDSL装置200の各部は、接続されたVDSLモデム320毎に、フロー制御処理を行う。
【0017】
局側装置100は、端末装置300−1または端末装置300−2が送受信する情報を中継する送信側の通信装置である。
VDSL集合装置200は、通信回線を介して接続された局側装置100と通信を行う通信装置である。VDSL集合装置200は、局側装置100から送信される情報のフローを受信し、受信した情報を、その情報の宛先である端末装置300に送信する。VDSL集合装置200は、受信部210と、受信速度算出部220と、通信速度判定部230と、フロー制御部240と、優先制御部250と、通信制御部260と、送信部270と、帯域モニタ280とを備えている。
【0018】
受信部210は、通信回線を介して局側装置100から送信された複数のフローを受信する。ここで、フローは、情報の種別によって定められたチャネル毎に送受信される情報をいう。
受信速度算出部220は、受信部210が情報を受信する受信速度を算出する。ここで、受信速度算出部220は、情報の送信先となるVDSLモデム320ひとつあたりのフローの受信速度を算出する。例えば、受信速度算出部220は、受信部210が単位時間あたりに受信する送信先(VDSLモデム320)ひとつあたりの情報の量を測定し、測定結果に基づいて受信速度を算出する。受信速度の単位は、例えばMbpsである。
【0019】
通信速度判定部230は、受信速度算出部220によって算出された受信速度と、後述する帯域モニタ280によって算出された受信側の通信回線への送信速度とを比較する。また、通信速度判定部230は、比較結果により、受信速度算出部220によって算出された受信速度が、帯域モニタ280によって算出された送信速度を超えるか否かを判定する。
【0020】
フロー制御部240は、通信速度判定部230によって、受信速度が送信速度を超えると判定された場合、局側装置100から受信した複数のフローのうち、定められたフローを停止対象として判定する。フロー制御部240は、停止対象として判定したフローにより送信される情報を廃棄して、通信制御部260によって送信されないように制御する。ここで、特定フロー停止部240が停止対象とするフローは、フロー制御部240の記憶領域に予め記憶されているようにしても良いし、例えば複数のフロー毎に、そのフローによる情報の送信が開始されてからの経過時間を計測し、計測した経過時間に基づいて判定されるようにしても良い。
【0021】
経過時間に基づいて停止対象のフローを判定する場合、フロー制御部240の記憶領域には、図3に示されるようにフロー送信テーブルとタイムテーブルとが記憶される。フロー送信テーブルには、定められたフロー毎に、そのフローによる送信を行なうか否かを示す送信可否情報(フラグ)が対応付けられて記憶される。例えば、送信可否情報が「ON」である場合には、対応するフローによる情報の送信を行なうことを示し、送信可否情報が「OFF」である場合には、対応するフローによる情報の送信を行なわないことを示す。タイムテーブルは、フロー送信テーブルに記憶されたフロー毎に、そのフローによる通信が開始された時刻と、その開始時刻からの経過時間を示すタイム値とが記憶される。タイム値が多ければそのフローにより通信が開始された時刻からの経過時間が長いことを示し、タイム値が少なければそのフローにより通信が開始された時刻からの経過時間が短いことを示す。図3(a)に示されるように、フロー1とフロー2とのいずれもが「ON」であり、フロー1のタイム値がフロー2のタイム値より多ければ、フロー制御部240は、タイム値が少ないフロー2を停止対象のフローとして判定する。フロー制御部240は、情報の停止対象として定められたフローに対応する情報を廃棄し、優先制御部250への送信を停止する。ここで、フロー制御部240は、例えば、受信部210が受信するパケットのヘッダ部に含まれる送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号、入力インタフェース等を示す情報により、情報の種別を識別する。また、フロー毎の情報の識別は、他のパケット識別子やMLD(Multicast listener Discovery)等により識別されるようにするなど特定のアプリケーションに特化した識別方法を持っても良い。
【0022】
優先制御部250は、予め定められた優先度クラスと情報種別との対応付けに応じて、VDSL集合装置200から端末装置300に送信される情報の優先制御を行う。例えば、優先制御部250には、たとえばIPパケットのヘッダ等に示される情報種別の優先度クラスが記憶されており、さらに、優先度クラス毎の情報種別が記憶されている。例えば、優先度クラスとしては、低優先(L)クラス、優先(M)クラス、高優先(H)クラスの3クラスが記憶される。ここでは、通信が中断せずに持続性が要求される度合いが低い情報の種別がより低い優先度クラスに対応付けられ、通信が中断せずに持続性が要求される度合いが高い情報の種別がより高い優先度クラスに対応付けられる。例えば、低優先(L)クラスには、文字データや静止画像などの情報種別が対応付けられる。優先(M)クラスには、ストリーミング配信による動画などの情報種別が対応付けられる。高優先(H)クラスには、IP電話通信による音声データなどの情報種別が対応付けられる。優先制御部250は、通信制御部260によって情報が送信される通信回線の通信速度を監視し、受信部210が受信する情報の受信速度が、通信制御部260から送信される情報の送信速度より大きい場合には、優先クラスが低い種別に対応付けられた情報からランダムに廃棄対象の情報を判定し、廃棄対象として判定した情報を廃棄する。ここで、優先制御部250は、例えば、受信部210が受信するパケットのヘッダ部に含まれる送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号、入力インタフェース等を示す情報により、情報の種別を識別する。また。フロー毎の情報の識別は、他のパケット識別子やMLD(Multicast listener Discovery)等により識別されるようにしても良い。
【0023】
例えば、図4に示されるように、受信部全体としてS0の速度で受信しているとし、各クラス、フローの配分を最優先(H)クラスから積み上げていったとき、各クラス、フローを一つずつ積み上げた通信速度S0、通信速度Sa、通信速度Sb、通信速度Sc、通信速度Sdが、S0>Sa>Sb>Sc>Sdの関係にあるとする。ここで、通信制御部260から送信される情報の送信速度を通信速度Sとすると、通信速度Sが、S0より小さく、Saより大きい(S0>S>Sa)場合には、低優先(L)クラスに対応する種別の情報が優先制御部250にてランダムに廃棄される。同様に、通信速度Sが、Saより小さく、Scより大きい(Sa>S>Sc)場合には、低優先(L)クラスに対応する種別の情報の全てと、優先(M)クラスに対応する種別の情報からランダムに判定した情報が優先制御部250にて廃棄される。同様に、通信速度Sが、Scより小さい(Sc>S)場合には、低優先(L)クラスおよび優先(M)クラスに対応する種別の情報の全てと、高優先(H)クラスに対応する種別の情報からランダムに判定した情報が優先制御部250にて廃棄される。一般に、優先制御部は高速動作を担保する為、受信する情報の優先度を識別する基準を多く持つことが難しい。例えば図4に示すように、H、M、Lの3クラスのみの優先度を判定して高速動作する。よって、本実施形態では、従来技術において同一の優先度の中にある多くのフローを識別して優先制御を柔軟に行うことが難しいことを鑑みて、フロー制御部240を配置している。
【0024】
図2に戻り、通信制御部260は、SNR測定部261と、SRA制御部262と、SOS制御部263とを備えており、受信部210が送信側の通信回線から受信した情報を、送信部270によって受信側の通信回線に送信させるVDSL通信の制御処理を行う。
SNR測定部261は、送信部270がVDSLモデム320に情報を送信する通信回線におけるSNRを測定する。
【0025】
SRA制御部262は、VDSLにおけるSRA機能の制御を行う。SRA機能は、SNR測定部261によって一定時間内に測定されたSNRが、予め定められたSNR上限基準値を超えて増加していればVDSLモデム320との間での通信速度を上げ、予め定められたSNR下限基準値を下回っていれば通信速度を下げるように制御する。ここで、通信速度の増減は、例えば単位時間当たりに送信する情報のビット数を変化させることにより制御する。
【0026】
例えば、図5は、SNR測定部261が測定したSNRが時間の経過とともに減少し、ノイズ量が増加する場合に、SRA制御部262によって行なわれる制御の概念を示す図である。図において、Y軸はSNRを示しており、上方である程SNRが大きく、ノイズ量が少ないことを示す。例えば、SNRが符号aに示される点にある場合は、SNR下限基準値を超えるSNRマージンが維持できている。SNRマージンとは、定められた通信品質を維持した通信を行うための下限基準値と、下限基準値を超えるSNRとの差であり、安定した通信を行うためには一定以上(例えば、1dB)のSNRマージンを維持することが望ましい。SNRが符号aに示される点から、外的要因により符号bに向かって減少し、ノイズ量が増加したことがSNR測定部261によって測定される。この場合、SRA制御部262は、予め定められた時間(例えば、5秒)の間、SNR下限基準値を下回る符号bのSNRが継続したと判定すると、通信速度を低下させる。これにより、SNRは符号cから符号dに向かって増加し、SNRマージンが回復する。
【0027】
これに対し、図6は、SNR測定部261が測定したSNRが時間の経過とともに増加し、ノイズ量が減少する場合に、SRA制御部262によって行なわれる制御の概念を示す図である。例えば、SNRが符号aに示される点から、外的要因により符号bに向かって増加し、ノイズ量が減少したことがSNR測定部261によって測定される。この場合、SRA制御部262は、予め定められた時間(例えば、5秒)の間、SNR上限基準値を下回る符号bのSNRが継続したと判定すると、送信部270の通信速度を上げる。これにより、SNRは符号cから符号dに向かって減少し、SNRマージンを取りすぎることなく、通信回線のSNRの状態に応じた適切な通信速度により通信を行うことができる。
【0028】
図2に戻り、SOS制御部263は、SNRの急激な増加を検知すると即座に通信速度を低下させるようにVDSLモデム320との間での通信を制御する。SOSは、ユーザ設定に応じて、例えば一定時間内に複数回の通信エラーを検知した場合や、一定時間内に閾値を超えるSNRの変化があった場合などに動作し、予め定められた通信制御を行って通信速度を低下させる。すなわち、SRAは、5秒などの時間の経過に応じたSNRの緩やかな変化に応じて通信速度を変化させる機能であるが、SOSは、外的要因の急激な変化に応じたエラーを防ぐために、素早く通信レートを変化させて通信速度を低下させ、SNRマージンを確保する機能である。例えば、雑音レベルが急激に増大した場合には、通信フローにもエラーが発生する場合があるため、通信速度を変更するためのパラメータの送受信すら行えない状態に陥る場合があり、SRA機能では対応することが難しい場合がある。SOSの機能によればこのような急激な外的要因の変化が起きた場合に素早く通信速度を低下させ、リンクを維持することができる。
【0029】
図7は、従来の通信状態の変化に対応する通信速度の変化と、SRA機能およびSOS機能を用いた通信状態の変化に対応する通信速度の変化とを示す図である。図7(a)に示すように、従来では、雑音の増加等が発生し、エラーの多発などにより定められた通信品質を保てなくなった場合には、リンク断が発生し、再トレーニングが行なわれた後、低下された通信速度で通信が再開される。図7(b)に示すように、SRA機能およびSOS機能を用いれば、雑音が増加した時点でSOS機能により瞬時に通信速度を低下させた後、通信状態に応じてSRA機能により通信速度を徐々に上げていくことで、急激にノイズが増加した場合でも、再トレーニングやリンク断が発生することなく通信の接続状態を維持することが可能である。
【0030】
図2に戻り、送信部270は、通信制御部260からの制御指示に応じて、受信部210が受信した情報をフローにVDSLモデム320に送信する。
帯域モニタ280は、送信部270が情報を送信する送信速度を算出する。例えば、帯域モニタ280は、受信部210が単位時間当たりに送信する情報の量を測定し、Mbpsを単位とする通信速度を算出する。
VDSLモデム320は、宅内に設置される通信装置であり、VDSL伝送方式に沿った通信を集合装置200と行う。
【0031】
宅内通信装置310−1および宅内通信装置310−2は、VDSLモデムと宅外の端末装置とを接続する通信装置であり、例えば、HGWや、STB(Set Top Box)などが適用できる。宅内通信装置310−1および宅内通信装置310−2は同様の構成であるので、以下の説明において特に区別をする必要がない場合には宅内通信装置310として説明する。ここで、図には2台の宅内通信装置310を図示しているが、宅内に設置される宅内通信装置310は1台でも良いし、利用者宅の通信環境等に応じて3台以上の複数台を設置しても良い。
【0032】
端末装置300−1および端末装置300−2は、宅内に設置される通信装置であり、VDSL集合装置200を介して送信される情報を受信する。端末装置300には、例えば送信される動画情報を再生するPC(Personal Computer)や、IP電話通信を行うIP電話端末などが適用できる。端末装置300−1および端末装置300−2は同様の構成であるので、以下の説明において特に区別をする必要がない場合には端末装置300として説明する。ここで、図には2台の端末装置300を図示しているが、宅内に設置される端末装置300は1台でも良いし、利用者宅の通信環境等に応じて3台以上の端末装置300を設置しても良い。
【0033】
次に、本実施形態による通信システム1の動作例を説明する。図8は、本実施形態の通信システム1によって行われる通信制御の動作例を示すフローチャートである。
ここでは、局側装置100から端末装置300への情報の送信が開始されており、通信制御部260のSRA制御部262によるSRAの処理と、SOS制御部263によるSOSの処理が行われる(ステップS1)。SOSまたはSRAの処理により、送信部270が情報を送信する通信速度が低下する(ステップS2)。帯域モニタ280は、送信部270の通信速度を算出して通信速度判定部230に出力する。通信速度判定部230は、帯域モニタ280によって算出された送信速度Sが、優先度(M)クラスの通信速度の閾値Saより小さく、通信速度Sbより大きいか否かを判定する(ステップS3)。ここで、通信速度判定部230が、通信速度Sが、通信速度Saより小さく、通信速度Sbより大きくないと判定すると(ステップS3:NO)、処理を終了する。
【0034】
ステップS3において、通信速度判定部230によって、通信速度Sが、通信速度Saより小さく、通信速度Sbより大きいと判定されると(ステップS3:YES)、フロー制御部240は、優先度(M)クラスに対応付けられた種別の情報のうちいずれかの送信を停止すると判定する(ステップS4)。フロー制御部240は、停止すると判定された優先度(M)クラスの種別に対応する複数のフローのうち、いずれのフローの情報を停止対象とするかを判定し、廃棄対象として判定した情報を廃棄する(ステップS5)。
【0035】
同様に、VDSL集合装置200は、フロー制御部240によっていずれかのフローによる情報の送信が停止された後、帯域モニタ280によって算出される送信速度が予め定められた閾値を超えた場合、停止したフローの送信を再開させる。例えば、図9は、このように情報の送信を再開する際のVDSL集合装置200の動作例を示すフローチャートである。
【0036】
SNR測定部261によって測定されるSNRが増加し、SRA制御部262がSRAの処理を実行すると(ステップS11)、送信部270の通信速度が向上する(ステップS12)。ここで、通信速度判定部230が、帯域モニタ280によって算出された送信速度Sが通信速度Saより大きいと判定すると、フロー制御部240は、ステップS5において情報送信を停止したフローの情報送信を再開すると判定する(ステップS14)。そして、送信部270は、ステップS5において停止されていたフローの情報送信を再開する(ステップS15)。
【0037】
図10は、このように動作する通信システム1の概念を示す図である。ここでは、上位装置(例えば、局側装置100)から送信されたフロー1の動画情報とフロー2の動画情報とを、VDSL集合装置200が、VDSLモデム320を介して端末装置(TV)300−1と端末装置(TV)300−2とに送信している。帯域モニタ280は、送信部270が送信している情報の送信速度を測定する。送信部270の送信速度(出力帯域)が、ノイズ等の影響によりSRA、SOS機能が動作し、低下する(符号a→符号b)と、フロー制御部240によって、フロー2の配信が停止される。優先制御部250には、高優先(H)クラスのフローと、優先(M)クラスのフローのうちフロー2を除くフロー1と、低優先(L)クラスのフローが入力される。優先制御部250は、優先制御により、低優先(L)クラスのフローによるパケットを廃棄する。これにより、優先(M)クラスの情報のうちフロー2のパケットを除くフロー1のパケットは、優先制御部250によって廃棄されることなく端末装置300−1に送信され、一定以上の通信品質が維持される。フロー2の送信は停止されるため端末装置300−2には動画情報が送信されない。
【0038】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図11は、本実施形態による通信システム1の構成を示すブロック図である。本実施形態による通信システム1の構成は第1の実施形態と同様であるが、VDSL集合装置200が、フロー通信速度記憶部290を備えている。フロー通信速度記憶部290には、局側装置100から送信される情報の種別を示す情報種別と、情報種別の情報に対応するフローの通信速度を示すフロー通信速度とが対応付けられて記憶される。
【0039】
第1の実施形態においては、受信速度算出部220は、受信部210が情報を受信する送信側の通信回線の通信速度を測定することにより受信速度を算出したことに対し、本実施形態では、局側装置100から送信される複数の情報のフローの情報種別に対応付けられたフロー通信速度を、フロー通信速度記憶部290から読み出し、複数のフロー毎に読み出した通信速度に対応する情報量の総量に基づいて受信速度を算出する。
【0040】
例えば、フロー通信速度記憶部290には、情報種別毎にその情報種別の情報を送信するために1フロー当たりに必要となる通信速度(帯域)が予め対応付けられて記憶される。例えば、情報種別が「動画配信」である場合には、1フロー当たり「10Mbps」の帯域が、「高品質動画配信」である場合には1フロー当たり「20Mbps」などの帯域が予め対応付けられて記憶される。フロー通信速度記憶部290は、受信部210が受信した情報のフロー毎の情報種別(例えば、「動画配信」か「高品質動画配信」か)を判定し、判定した情報種別のフローの数と、そのフローの情報種別に対応する帯域とを乗ずることで、送信先ひとつあたりのフローの受信速度を算出する。通信速度判定部230は、算出した受信速度と、帯域モニタ280が測定した送信速度とを比較することにより、受信速度が送信速度を超えているか否かを判定する。
【0041】
なお、本実施形態では、通信速度判定部230が、受信速度と送信速度とを比較し、比較結果に応じてフロー制御部240がフローの制御処理を行うようにした。これにより、優先制御部250は従来と同様の機能が適用できるため、本実施形態による通信制御処理を行うために優先制御部250の機能を改修する必要がなく、既存の優先制御機能を活かしつつ本実施形態による機能の追加が容易に行なえるものである。なお、既存の優先制御機能を改修し、改修された優先制御部250が受信速度と送信速度とを比較し、比較結果に応じてフローの制御処理を行う機能部を設けるようにしても良い。
【0042】
また、本実施形態では、受信速度と送信速度との比較結果に応じて、受信側の通信回線に送信するフローを制御する機能部を、VDSL集合装置200が備えることとして説明したが、VDSLモデム320にフローを制御する機能部を設けて、VDSLモデム320によって端末装置300に送信されるフローを制御するようにしても良い。
【0043】
また、本実施形態では、局側に設置された局側装置100を情報の送信側とし、宅内に設置された端末装置300を情報の受信側として説明したが、宅内に設置された端末装置300を情報の送信側とし、局側に設置された局側装置100を情報の受信側とする場合にも、同様の通信制御を行うことができる。この場合、VDSL集合装置200は、特定のフローに対応付けられた情報の送信を停止すると判定した場合には、VDSLモデム320にパケットの停止命令を送信し、停止命令を受信したVDSLモデム320は該当するフローによる情報の送信を停止する。
【0044】
以上説明したように、本実施形態によれば、SOSやSRAの機能等により通信回線の通信速度が変化した場合、ある同一の優先度クラスに対応する種別の情報においてフロー毎のフロー制御を実行することができる。例えば、動画配信サービス等で2つのフローの情報が利用者の端末装置に送信されている場合、通信速度が低下して2つのフローの情報を送信する帯域が確保されない場合でも、1つのフロー以上の帯域が確保されていれば、2つのフローのうちいずれかのフローによる情報送信を、通信品質を下げることなく行うことが可能である。これにより、利用者のサービス利用満足度の向上が期待できる。
【0045】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより通信制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0046】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0047】
1 通信システム
10 交換局
20 集合住宅
100 局側装置
110 交換機
200 VDSL集合装置
210 受信部
220 受信速度算出部
230 通信速度判定部
240 フロー制御部
250 優先制御部
260 通信制御部
261 SNR測定部
262 SRA制御部
263 SOS制御部
280 帯域モニタ
270 送信部
290 フロー通信速度記憶部
300 端末装置
310 宅内通信装置
320 VDSLモデム
410 MDF
420 光アクセス装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信側の通信回線を介して接続された送信側装置から送信される情報を、受信側の通信回線を介して接続された前記情報の宛先である受信側装置に送信する通信制御装置であって、
前記送信側装置から送信される前記情報の複数のフローを受信する受信部と、
前記受信部が前記情報を受信する受信速度を算出する受信速度算出部と、
前記受信部が受信した前記情報のフローを前記受信側装置に送信する送信部と、
前記送信部が前記情報を送信する送信速度を算出する送信速度算出部と、
前記受信速度算出部によって算出された前記受信速度が、前記送信速度算出部によって算出された前記送信速度を超えるか否かを判定する通信速度判定部と、
前記通信速度判定部によって、前記受信速度が前記送信速度を超えると判定された場合、前記受信部が受信した前記複数のフローのうち、定められたフローを停止対象のフローとして判定し、停止させるフロー制御部と、
前記受信部が受信した前記複数のフローのうち、前記フロー制御部によって停止対象として判定された前記フロー以外のフローに対応する前記情報を、前記送信部によって送信させる通信制御部と、
を備えることを特徴とする通信制御装置。
【請求項2】
前記受信速度算出部は、前記受信部が受信する情報の量を単位時間毎に測定し、測定結果に基づいて前記受信速度を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
前記送信側装置から送信される情報の種別を示す情報種別と、当該情報種別の情報に対応する前記フローの通信速度を示すフロー通信速度とが対応付けられて記憶されるフロー通信速度記憶部を備え、
前記受信速度算出部は、前記受信部が受信する前記フローの情報種別に対応付けられた前記フロー通信速度を、前記フロー通信速度記憶部から読み出し、前記複数のフローの情報種別毎に読み出した前記フロー通信速度に基づいて、前記受信速度を算出する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記通信速度判定部は、前記フロー制御部によって前記フローが停止対象として判定された後、前記送信速度算出部によって算出された前記送信速度が、予め定められた閾値を超えているか否かを判定し、
前記フロー制御部は、前記通信速度判定部によって、前記送信情報量が予め定められた閾値を超えていると判定された場合、前記定められた停止対象のフローの送信を再開すると判定し、
通信制御部は、前記フロー制御部によって送信を再開すると判定された前記フローに対応する情報を、前記送信部によって送信させる
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項5】
送信側の通信回線を介して接続された送信側装置から送信される情報を、受信側の通信回線を介して接続された前記情報の宛先である受信側装置に送信する通信制御装置の通信制御方法であって、
受信部が、前記送信側装置から送信される前記情報の複数のフローを受信するステップと、
受信速度算出部が、前記受信部によって前記情報が受信される受信速度を算出するステップと、
送信部が、前記受信部によって受信された前記情報のフローを前記受信側装置に送信するステップと、
送信速度算出部が、前記送信部におって前記情報が送信される送信速度を算出するステップと、
通信速度判定部が、前記受信速度算出部によって算出された前記受信速度が、前記送信速度算出部によって算出された前記送信速度を超えるか否かを判定するステップと、
フロー制御部が、前記通信速度判定部によって、前記受信速度が前記送信速度を超えると判定された場合、前記受信部が受信した前記複数のフローのうち、定められたフローを停止対象のフローとして判定し、停止させるステップと、
通信制御部が、前記受信部によって受信された前記複数のフローのうち、前記フロー制御部によって停止対象として判定された前記フロー以外のフローに対応する前記情報を、前記送信部によって送信させるステップと、
を備えることを特徴とする通信制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−233112(P2010−233112A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−80452(P2009−80452)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【Fターム(参考)】