通信支援システム
【目的】 受信者が使用可能な通信手段の情報と該対地の様子の映像とを、発信者が通信を開始の際に、事前に通知する通信支援システムを提供する。
【構成】 LAN40と、交換機41と、携帯端末管理装置42と、個人情報蓄積管理装置43とを備え、かつ、各対地に設けられる、ディスプレイ11と、ビデオカメラ12と、LAN40に接続され、ディスプレイ11およびビデオカメラ12に対し、映像を送受信するための映像通信装置13とを備える。個人情報蓄積管理装置43は、ユーザと対地との対応関係と、ユーザが利用できる通信手段の情報とを管理し、ビデオカメラからの受信者の対地の状態の映像を発信者のディスプレイに表示させるよう映像通信装置13を制御する。携帯端末管理装置42は、ユーザの位置情報と、発信者および受信者を示す情報とを得て、個人情報蓄積管理装置から送信される受信者通信手段の情報を発信者の携帯端末に送信する。
【構成】 LAN40と、交換機41と、携帯端末管理装置42と、個人情報蓄積管理装置43とを備え、かつ、各対地に設けられる、ディスプレイ11と、ビデオカメラ12と、LAN40に接続され、ディスプレイ11およびビデオカメラ12に対し、映像を送受信するための映像通信装置13とを備える。個人情報蓄積管理装置43は、ユーザと対地との対応関係と、ユーザが利用できる通信手段の情報とを管理し、ビデオカメラからの受信者の対地の状態の映像を発信者のディスプレイに表示させるよう映像通信装置13を制御する。携帯端末管理装置42は、ユーザの位置情報と、発信者および受信者を示す情報とを得て、個人情報蓄積管理装置から送信される受信者通信手段の情報を発信者の携帯端末に送信する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通信システムにおける通信支援システムに係り、特に、発信者が送信者の便宜を考慮して通信できるように支援するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、我々は様々な通信手段を利用できる。それらの通信手段は、電話やテレビ会議システムに代表される即時系通信手段と、ファックスや電子メールに代表される蓄積系通信手段の二つに大別される。この二つは互いの長所短所を相補することで発達しユーザに受け入れられてきた。その一方で、例えば、鳴ると取るしかない電話の場合、かかってきた電話によって突然割り込まれた受信者は、それまでの作業を一旦中断し電話を受信することになる。また日本的な大部屋のオフィスでは、送信者の意図した相手が不在であれば、第三者が代理にその電話に応答することになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術は、受信者がそれまでの作業を一旦中断しなければならないという問題があり、さらにはこの割り込みがいつ発生するかも予測できない。これらは、一般に通信手段が発信者中心にデザインされており、発信者に主導権があることに起因している。つまり、AさんがBさんに連絡を取ろうとしたときに、A−B間に何種類かある通信手段のうち、どれを用いていつ連絡するかという選択権は発信者であるAさんにのみ存在しており、受信者であるBさんはその選択結果を受け入れなければならないのが現状である。これまで各種の通信手段は「より速く、より正確に、より大量に」を目指して発達し、近年は「いつでも、どこでも、誰とでも」をキャッチフレーズに新たな通信手段が作り出されている。だがこのキャッチフレーズ自体、受信者の都合無視を表しており、携帯電話であっても留守番電話機能が欲しいという要求はこれへの不満を端的に表している。
【0004】ここでは身近で顕著な例として電話を取り上げたが、この問題点は、広く一般に通信手段の即時系/蓄積系を問わないことに注目したい。例えば、電子メールの場合、普段電子メールをよく使う人であっても、たまたま出張で数日アクセスできないので、むしろ留守番電話に入れておいてくれた方が出張先から聞くことができて便利だとか、電子メールアドレスを持っていてもあまり使わず、もっぱらファックスにしか目を通さない人であったりすると発信者のメッセージが埋もれてしまうこともありえる。
【0005】元来、コミュニケーションを取るには互いの都合(時間や場所や方法など)が合っていなければ成立しないと考えるのが自然であろう。目の前にいる相手ならば、いま話しかけてもよさそうか、いやメモを書いて渡しておこう、といった判断が可能である。通信手段を介したテレコミュニケーションにおいては、この判断をするための情報を通信手段を利用する前に知ることは難しい。我々はここに着目する。発信者が、これから連絡を取ろうとしている相手がどんな通信手段で、どこへ、いつ連絡を取ってほしいと希望しているか(あるいはその時点では連絡を取られることを希望していないかもしれない)という情報を知ることができれば、互いに快適なテレコミュニケーションを行うことができるのではないだろうか。我々は、そうした支援をユーザが欲したときに行ってくれるツールを実現したいと考えている。そのためには、受信者側の視点から通信手段のデザインを整理し捉え直す必要がある。これまで受信者の都合に関する議論は、夜遅いから電話はやめておくとか、電話をかけて相手が出たら今話をしてもいいか確認してから用件を話すなどあるが、これはいわゆるマナーに属するものである。我々は、各種の通信手段を使い分ける時に、具体的に受信者の都合をどう取り扱うかという議論をしなければならない。
【0006】通信は、本来、相対的なものであり、発信者と受信者の両者の事情が合致することが望ましい。しかし、上述したように、従来の通信システムでは、もっぱら発信者の都合で通信が開始され、また、通信手段が選ばれている。そのため、受信者の都合に関する配慮は、もっぱら、発信者の個人的なマナーによっていた。そこで、このような状況を、システムとして解決できることが望まれていた。
【0007】本発明の目的は、発信者が通信を開始するに当たり、受信者の都合を示す情報を発信者側に示して、発信者に、受信者の都合を通信に先だって知らせることができる通信支援システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達成するため、本発明の第1の態様によれば、少なくとも1つの通信手段を含む通信システムを介して接続可能な複数の対地について、いずれかの対地から他のいずれかの対地に通信を行う際に支援を行う通信支援システムであって、当該対地の状態を示す映像を取り込む撮像手段と、映像の表示を行うための表示手段と、上記撮像手段から映像データを取り込むと共に、取り込んだ映像データを他の対地のために送信し、かつ、送られてきた、他の対地についての映像データを受信して、上記表示手段に表示させる映像通信装置とを、各対地ごとに備え、かつ、通信システムを介して、いずれかの対地からの他のいずれかの対地の状態を示す情報の要求があると、通信システムを介して、当該他の対地の映像通信装置に対して、当該対地についての映像を要求元の対地の映像通信装置に送るよう指示する手段を備えることを特徴とする通信支援システムが提供される。
【0009】この第1の態様においては、撮像手段は、各対地において、それぞれの対地の状態、特に、その対地に所在する人々を含めて撮像する。これにより、当該対地の状態が、それに所在する人々の状態を含めて視覚的に表現する映像データが得られる。
【0010】対地についての映像データを要求元の対地の映像通信装置に送るよう指示する手段は、通信システムを介して、いずれかの対地からの他のいずれかの対地の状態を示す情報の要求を受け付ける。そして、通信システムを介して、当該他の対地の映像通信装置に対して、当該対地についての映像データを要求元の対地の映像通信装置に送るよう指示する。
【0011】映像通信装置は、上記指示を受けて、この映像データを、その対地に所在するユーザ(受信者)に向けて通信を開始しようとしているユーザ(発信者)が所在する対地に置かれた映像通信装置に送信する。そして、映像通信装置は、表示手段に、この映像データを送って、映像を表示させる。この映像通信装置は、例えば、通信システムを介して通信を行うための通信接続手段と、撮像手段から取り込んだ映像データを取り込むごとに更新して記憶する記憶手段と、通信接続手段で受信した映像データを表示手段に出力する手段とを備えることで、構成することができる。
【0012】表示手段は、人物を、見かけ上、等身大のイメージで表示できる大きさのディスプレイを有するものとすることができる。例えば、パネルディスプレイ形式の表示装置、プロジェクタによりスクリーンに投影する形式の表示装置等が用いられる。このように、大型のディスプレイを用いることにより、対地の各所からディスプレイの表示内容を見ることができる。また、見かけ上、等身大のイメージで人物が見えるので、臨場感を持って、相手対地の様子を見ることができる。
【0013】このように、第1の態様によれば、発信者が通信を開始するに当たり、受信者の都合を示す情報、すなわち、対地の映像を、発信者側で、ディスプレイ上に示して、発信者に、受信者の都合を通信に先だって知らせることができる。
【0014】また、本態様には、当該対地におけるユーザの所在を示すユーザ位置情報を登録するためのユーザ位置登録手段をさらに備えることができる。このユーザ位置登録手段は、例えば、それぞれ固有の識別子を付与された複数の携帯端末と、各対地ごとに設けられ、それぞれの対地内で、当該対地内に所在する携帯端末の識別子を検出する基地局と、検出された携帯端末の識別子の情報を、検出した基地局から通信システムを介して受信し、基地局と携帯端末の識別子との対応関係を示す情報を記憶する手段を有する携帯端末管理装置とを備えることで構成することができる。これにより、第1の態様において、携帯端末の使用が可能となる。この携帯端末は、後述するように、ユーザの位置を知るために、また、ユーザの状態を知るために用いられる。
【0015】次に、本発明の第2の態様によれば、少なくとも1つの通信手段を含む通信システムを介して接続可能な複数の対地について、いずれかの対地から他のいずれかの対地に通信を行う際に支援を行う通信支援システムであって、それぞれ固有の識別子を付与された複数の携帯端末と、各対地ごとに設けられ、それぞれの対地内で、当該対地内に所在する携帯端末の識別子を検出する基地局と、検出された携帯端末の識別子の情報を、検出した基地局から通信システムを介して受信し、基地局と携帯端末の識別子との対応関係を示す情報を記憶する手段を有する携帯端末管理装置とを備えることを特徴とする通信支援システムが提供される。
【0016】これにより、携帯端末の使用が可能となる。この携帯端末は、後述するように、ユーザの位置を知るために、また、ユーザの状態を知るために用いられる。
【0017】第1および第2の態様において、各携帯端末は、基地局と無線通信で通信することができる無線通信部と、電源をオンさせた時に、上記無線通信部に、当該端末に付与された識別子の送信を行わせる手段とを備える構成とすることができる。これにより、ユーザが携帯端末を保持して移動することできるので、携帯端末を識別することにより、携帯端末を介してユーザの所在が検出できる。
【0018】第1および第2の態様において、携帯端末を保持するユーザの個人情報を蓄積管理する個人情報蓄積管理装置をさらに備えることができる。また、携帯端末管理装置は、携帯端末とこれを保持するユーザとの対応関係を示す情報を予め記録する手段と、上記記憶される、携帯端末とこれを保持するユーザとの対応関係を示す情報と、基地局と携帯端末の識別子との対応関係を示す情報とを用いて、ユーザの所在位置を示す情報を生成し、通信システムを介して、個人情報蓄積管理装置に送信する手段とを備えることができる。このようにすると、各携帯端末が、携帯端末管理装置により一括管理でき、しかも、携帯端末の所在、および、それとの関係から、その携帯端末を所持するユーザの位置を示す位置情報を生成することができる。
【0019】第1および2の態様において、携帯端末は、受信者となるべきユーザを指定するための入力の受け付けが少なくとも可能な入力部と、上記無線通信部に、受信者となるべきユーザの指定を、基地局を介して個人情報蓄積管理装置に送信させる手段と、それ自身が生成したデータおよび外部から送られてきたデータの表示を行うための表示部と、上記無線通信部が受信した内容を表示部に表示させる手段とをさらに備えることができる。この携帯端末によって、受信者となるべきユーザについての状態を示す情報の要求が行え、かつ、その情報の一部を受け取ることができる。
【0020】第1および2の態様において、個人情報蓄積管理装置は、ユーザが個人的に利用可能な通信手段を示す情報、および、ある対地で利用可能な通信手段を示す情報のうち、少なくとも一方を含む通信手段情報が登録される通信手段情報登録手段と、携帯端末管理装置から送られる、ユーザの所在位置を示す情報を受信して、蓄積するユーザ位置情報蓄積手段と、基地局を介して携帯端末から送られる、受信者となるべきユーザの指定を受信すると、ユーザ位置情報を参照して、通信手段情報登録手段から指定されたユーザの通信手段情報を読みだして、通信システムを介して、上記携帯端末管理装置に送信する手段を備えることができる。これにより、個人情報蓄積管理装置は、ユーザが個人的に利用可能な通信手段を示す情報、および、ある対地で利用可能な通信手段を示す情報の内、少なくとも一方を、携帯端末からの要求に応じて提供することができる。
【0021】第1および2の態様において、上記携帯端末管理装置は、上記個人情報蓄積管理手段から送られた通信手段情報を、発信者の携帯端末に送信する手段を備える構成とすることができる。また、携帯端末は、上記無線通信部が受信した内容を表示部に表示させる手段に、上記携帯端末管理装置から送られる通信手段情報を、表示部に表示させることができる。これによって、受信者となるべきユーザが用いることができる通信手段、例えば、電話、電子メール等が、発信者のために表示される。発信者は、その中から選択した通信手段を用いて、受信者と通信を行うことができる。
【0022】また、本発明において、通信システムは、各対地に置かれる電話器と、これらの電話器の内線接続および外線との接続を行う交換機を備える構成とすることができる。さらに、上記個人情報蓄積管理装置は、ある対地で利用可能な、電話器を含む通信手段を示す情報を少なくともを含む通信手段情報が登録される通信手段情報登録手段と、携帯端末管理装置から送られる、ユーザの所在位置を示す情報を受信して、蓄積するユーザ位置情報蓄積手段と、ユーザ位置情報を参照して、当該ユーザが所在する対地での通信手段情報を読みだして、ユーザごとに、使用できる対地データの通信手段の電話番号を、通信システムを介して、交換機に送信する手段を備え、上記交換機は、送信された電話番号を、当該ユーザのそれまでの電話番号に対する転送先電話番号として登録する手段を備える構成とすることができる。これによって、受信者となるべきユーザがそれまでに使用していた電話に着呼があったとき、交換機は、当該呼を転送先に自動的に転送することができる。
【0023】本発明の好ましい態様によれば、予め登録された個人通信手段と対地通信手段が、受信者となるユーザのいる対地に自動的に合わせられ、なおかつ、受信者となるユーザのいる対地の様子が映像として自動的に表示される。従って、発信者となるユーザが通信手段を選択し該手段を実行するときに、受信者通信手段を容易に取得することが可能となり、また該対地の様子を映像でもって観測することが可能となりより一層適切な通信手段の選択を行うに利便性の高い情報を容易に知ることが可能となる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。図1に、本発明の通信支援システムの構成の概要を示す。図1に示すように、本発明の通信支援システムは、複数(図1には、A、BおよびCの三つを示す)の対地A10,B20,C30相互と、公衆網45を介した外部との通信を行なう際の支援を行なうためのシステムである。本システムでは、外部の公衆網と接続され電話交換を行なう交換機41と、携帯端末と接続され、それらの管理を行なう携帯端末管理装置42と、本システムにおいてサービスを受ける個人情報を蓄積管理すると共に、受信側対地の様子を示す映像データを発信側対地に送るよう制御する個人情報蓄積管理装置43とが、各対地A10,B20,C30に共通に設置されている。また、各対地A10,B20,C30の各々に、映像通信装置13,23,33が設けられる。さらに、本システムでは、LAN(ローカルエリアネットワーク)40が設置される。そして、交換機41、携帯端末管理装置42、個人情報蓄積管理装置43、および、映像通信装置13,23,33は、LAN40に接続される。
【0025】対地A10は、本発明における通信システムの通信対地の一つを示している。対地A10には、ビデオカメラ12と、ディスプレイ11と、基地局14と、電話機a16とが配置される。
【0026】ビデオカメラ12は、映像通信装置13と接続され、対地A10の様子を撮影して、映像データを、映像通信装置13に送る。この例では、対地A10内の様子が全体的に見渡せるように、広角で撮影する。なお、ビデオカメラ12に、姿勢制御装置(図示せず)を付加し、特定対象についてズームアップして撮影するようにしてもよい。この場合、姿勢制御装置は、通信に使用される機器を特定する情報を受けることにより、その機器の位置を知り、自位置とその位置とから、ズームアップすべき方位および距離を求めて、ビデオカメラ12を制御する。
【0027】ディスプレイ11は、映像通信装置13と接続され、他対地のビデオカメラが撮像した映像を表示することに用いられる。ディスプレイ11は、各種表示に用いることができる汎用のものを用いることができる。ただし、本実施例では、また、このディスプレイ11は、当該対地内のいずれの位置においても、ユーザがよく見えるように、大型の表示面を有するものが用いられる。このディスプレイ11のサイズとしては、例えば、人物を等身大のイメージで表示できる程度の大きさが挙げられる。このような大型のディスプレイを用いる他のメリットは、例えば、あたかも、相手が所在する部屋を覗いているかのように、相手の様子を臨場感を持って見ることができる点にある。なお、ディスプレイ11を複数配置してもよい。もちろん、大型ディスプレイの配置ができない場合には、小型のディスプレイであってもよい。その場合には、複数台配置することが好ましい。
【0028】映像通信装置13は、例えば、図14に示すように、中央処理装置(CPU)150と、メモリ151と、ビデオカメラ12と接続してビデオカメラ12からビデオカメラインタフェース152と、ディスプレイ11と接続して映像データを出力するディスプレイインタフェース153と、LAN40と接続するためのLAN接続インタフェース154とを備える。この映像通信装置13は、ビデオカメラ12からの映像データを取り込んで、LAN40を介して送信する手段として機能し、かつ、LAN40を介して送られてきた映像データを受信し、当該映像をディスプレイ11に表示させる手段として機能する。この映像通信装置13は、ビデオカメラインタフェース152により、ビデオカメラ12を用いて、一定周期で映像を取り込む。その映像データは、メモリ151に、取り込む毎に、最新の映像データに更新されて、蓄積される。LAN接続インタフェース154を介して、個人情報蓄積管理装置43からの指示を受けると、CPU150は、メモリ151に蓄積されている最新の映像データを、発信者の所在する対地の映像通信装置13に送る。なお、LAN40の伝送容量が大きい場合には、動画映像を送るようにしてもよい。
【0029】基地局14は、無線通信が可能な携帯端末が無線通信を行うときに、その電波を送受信する装置であり、携帯端末管理装置42と接続されている。この基地局14は、それ自体、または、少なくともアンテナ部分(図示せず)が、対地A10の全体が電波的に見渡せる位置に配置される。具体的には、例えば、室内の天井近傍に設置される。
【0030】電話機a16は、通常の電話を行うことができるもので、交換機41に接続されている。なお、電話器a16は、図1では、1台のみ示しているが、これは、代表的に図示したものであって、1台に限られるものではない。従って、電話器a16は、複数台配置することができる。また、電話器a16として、通常の通話以外の用途に用いるものを配置することができる。このような電話器a16としては、例えば、ファクシミリ、モデムを有するコンピュータ等が挙げられる。
【0031】対地B20および対地C30も対地A10と同様の構成である。対地B20では、ディスプレイ21、ビデオカメラ22、映像通信装置23、基地局24、および、電話機b26が配置されている。同様に、対地C30は、ディスプレイ31、ビデオカメラ32、映像通信装置33、基地局34、および、電話機c36が配置されている。
【0032】本発明の支援システムが支援の対象とする通信システムでは、対地対応に設置された上記電話器等の通信手段のほかに、ユーザ対応に設置される通信手段をも利用できる。すなわち、そのための通信手段として、携帯端末a15、携帯端末b25および携帯端末c35を有する。
【0033】携帯端末a15、携帯端末b25、携帯端末c35は、それぞれ一人のユーザが占有して使用する無線通信が可能かつ携帯可能な情報処理装置であり、無線通信により基地局を介して携帯端末管理装置42と接続されている。本実施例では、携帯端末a15をユーザa17が、携帯端末b25をユーザb27が、携帯端末c35をユーザc37が、それぞれ占有して使用するものとする。携帯端末a15、携帯端末b25、携帯端末c35は、それぞれ自端末のID(識別子)が予め設定してあり、電源がオンされると、そのIDを発信し、携帯端末管理装置42に伝える手段を有する。また、携帯端末a15、携帯端末b25、携帯端末c35は、発信者となるユーザが受信者となるユーザを指定する手段と、該指定された受信者のユーザIDを携帯端末管理装置42へ伝える手段と、携帯端末管理装置42から送られる受信者の通信手段情報を受信し、表示する手段とを有する。
【0034】図15は、携帯端末の構成の一例を示す。すなわち、携帯端末15は、中央処理装置(CPU)160と、メモリ161と、入力装置162と、表示装置163と、無線通信装置164とを有する。メモリ161には、IDを記憶する領域が設けてある。入力装置162は、例えば、タッチパネル、キーボード等で構成される。表示装置163は、例えば、液晶ディスプレイが用いられる。無線通信装置164は、基地局との間で、例えば、電波で通信を行なう。
【0035】上記の例では、携帯端末として、情報処理装置を挙げているが、上記機能を実現できるのであれば、その他の装置であってもよい。例えば、携帯電話器等であってもよい。
【0036】交換機41の構成を図11に示す。交換機41は、内線と接続するインタフェース123、および、外線に接続するインタフェース122を持つ既存の交換機に、LANと接続するインタフェース124と、中央処理装置(CPU)120と、データを蓄積するメモリ121とを備えるものである。メモリ121には、転送先の電話番号と転送元の電話番号との対応表75を記憶する(図6参照)。また、メモリ121には、CPU120のプログラムを格納する。この交換機41は、公衆網45とLAN40とに接続され、CPU120の制御の下で、当該対地の電話器と、各対地の電話機との接続処理、または、外部の電話との接続処理を行う。
【0037】携帯端末管理装置42の構成を図12に示す。携帯端末管理装置42は、基地局と接続するインタフェース132と、LAN40と接続するインタフェース133と、CPU130と、データを蓄積するメモリ131とを備えた装置であり、LAN40と接続され、各対地の基地局と接続されている。携帯端末管理装置42は、例えば、図2に模式的に示すように、基地局と設置場所の対応表50(図2参照)、および、携帯端末IDとユーザIDの対応表55(図3参照)を、メモリ131に記憶する。また、携帯端末管理装置42は、メモリ131に格納されるプログラムを実行することにより構成される、ユーザがどの対地にいるかという位置情報を、対応表50および対応表55に基づいて生成し、個人情報管理装置43に自動的に送信する手段と、発信者の位置情報(対地)と受信者のユーザIDとを組にして個人情報蓄積管理装置43に送信する手段と、個人情報蓄積管理装置43から送られてくる受信者の個人通信手段と受信者の対地通信手段とを併合した通信手段(以下、受信者通信手段と略す)の情報を発信者の携帯端末に送信する手段とを有する。
【0038】個人情報蓄積管理装置43の構成を図13に示す。個人情報蓄積管理装置43は、LAN40と接続するインタフェース142と、CPU140と、データを蓄積するメモリ141とを備え、LAN40と接続されている。この個人情報蓄積管理装置43は、ユーザがどの対地にいるかを示す位置情報と、その対地で利用可能な通信手段の情報と、個人が利用可能な通信手段の情報とを蓄積管理する能力を備えた装置で、ユーザIDと対地との対応表80(図7参照)と、予め登録されている個人が利用可能な通信手段(以下、個人通信手段と略す)を格納するための個人通信手段の表60(図4参照)、予め登録されている対地で利用可能な通信手段(以下、対地通信手段と略す)を格納するための対地通信手段の表70(図5参照)とを、メモリ141に記憶する。
【0039】また、個人情報蓄積管理装置43は、メモリ141に格納されるプログラムを実行することにより構成される各種手段を有する。すなわち、送信されたユーザの位置情報に基づいてユーザIDと対地との対応を対応表80蓄積する手段と、個人の内線電話番号への着呼を、携帯端末管理装置42から登録されたユーザの位置情報を基に、個人通信手段の表60および対地通信手段の表70から、該当する対地の内線電話番号を得て、当該内線番号へ転送する指示を、交換機41に自動的に登録する手段とを有する。さらに、個人情報蓄積管理装置は、ユーザIDをキーとして該ユーザの個人通信手段の情報を検索する手段と、ユーザIDをキーとして該ユーザの位置情報を検索する手段と、得られた位置情報をキーとして対地通信手段の情報を検索する手段と、得られた個人通信手段と対地通信手段の情報を併合し、携帯端末管理装置42へ送信する手段と、得られた受信者の位置情報と発信者の位置情報から、受信者対地の映像通信装置に該対地のビデオカメラからの映像データを発信者対地の映像通信装置に送信する指示と発信者対地の映像通信装置に受信者対地の映像通信装置からの映像データを受信し、ディスプレイに表示する指示を出す手段とを有する。
【0040】以上の構成において、本実施例では、LAN40と、交換機41と、電話器16,26,36とは、ユーザが通信を行うための基盤として設置され、通信システムを構成する。一方、携帯端末管理装置42と、基地局14,24,34と、携帯端末15,25,35と、個人情報蓄積管理装置43と、ビデオカメラ12,22,32と、ディスプレイ11,21,31と、映像通信装置13,23,33とは、ユーザが通信を行う際の支援を行うための基盤として設置され、通信支援システムを構成する。また、交換機41は、その機能の一部が通信支援システムをを構築するための機能として用いられる。本実施例では、このような基盤を利用して、受信者が通信に使用可能な通信手段と、該受信者のいる対地で使用可能な通信手段の情報と、該対地の様子の映像とを、発信者が通信を行う際に、事前に容易に知ることができるように支援する。
【0041】まず、通信支援ための、ユーザの位置情報の登録時における処理の流れを、図1〜8を用いて説明する。
【0042】例えば、図1に示すように、ユーザa17が携帯端末a15を持って対地A10に入り、携帯端末a15の電源を入れると、図8に示すような手順で、ユーザ位置情報が登録される。すなわち、携帯端末a15は、自端末のIDを発信する。基地局a14は、このIDを受信し、これを携帯端末管理装置42に送る(ステップ101)。
【0043】この端末IDを受信した携帯端末管理装置42は、予め保持している基地局と設置場所の対応表50を基地局をキーとして検索し、携帯端末a15が対地A10にあることを得る。次に、予め保持している携帯端末IDとユーザIDの対応表55を端末IDをキーとして検索し、携帯端末a15がユーザa17が使用していることを得る。ここで得た情報から、ユーザa17が対地A10にいるという位置情報を生成することができる。携帯端末管理装置42は、この位置情報を、個人情報蓄積管理装置43へ送信する(ステップ102)。
【0044】個人情報蓄積管理装置43は、送信されたユーザの位置情報を、ユーザIDと対地との対応表80としてメモリ141に蓄積する。次に、予め登録されている個人通信手段の表60を、ステップ102で送信されたユーザIDをキーとして検索し、ユーザa17の個人通信手段の情報を得る。次に、予め登録されている対地通信手段の表70を、ステップ102で送信された対地をキーとして検索し、対地A10の対地通信手段の情報を得る。CPU120は、ここで得た二つの情報を併合するマージ処理を行う。その時、図4および図5示す、個人通信手段と対地通信手段とについて、通信手段62、72を比較する。同じ通信手段がある場合には、対地通信手段の通信手段を優先するマージ処理を行う。この処理において、電話が両方にある場合には、交換機41に対して、個人通信手段の電話に記載されている電話番号への着呼を対地の電話番号へ転送する指示を送信するステップ103。交換機41は、転送先の電話番号を転送元と転送先の対応表75として保持する。
【0045】以上のように、ユーザa17が携帯端末a15の電源を入れた以降が、全て自動的に処理され、ユーザa17の位置情報がシステムに登録されることとなる。本登録処理は、本発明の構成によってなる通信支援システムのすべての対地、すべてのユーザに対して行われるものである。
【0046】次に、ユーザの位置情報の検索時における処理の流れを、図1、4、5、7、9、10を用いて説明する。
【0047】システムが起動されると、各対地A10,B20,C30のそれぞれにおいて、映像通信装置13,23,33は、それぞれ予め定めた周期で、それぞれ対応するビデオカメラ12,22,32から、それぞれの対地A10,B20,C30の映像データを取り込んで、この映像データを記憶保持する。その後、映像通信装置13,23,33は、予め定めた周期で、それぞれ対応するビデオカメラ12,22,32から映像データを取り込んで、それまでの映像データを更新する。すなわち、映像通信装置13,23,33は、それぞれ最新の映像データを保持する。また、映像通信装置13,23,33のうち、個人情報蓄積管理装置43からの指示を受けた装置、例えば、映像通信装置33は、発信者が所在する映像通信装置、例えば、映像通信装置13に、保持している映像データをLAN40を介して送信する。一方、送信された映像データを受信した映像通信装置13は、ディスプレイ11に、受信した映像データを表示する。上記映像データの送信は、現在保持している映像データを送信すれば終了する。一方、受信した映像通信装置13は、予め定めた時間、受信した映像データをディスプレイ11に表示する。
【0048】例えば、図1において、ユーザc37がユーザb27と通信を開始しようとした時、ユーザc37は、携帯端末c35を用いて、受信者となるユーザb27を指定すると、ユーザb27のユーザIDを携帯端末c35が発信する(図9:ステップ111)。基地局c34を介してこのユーザIDを受信した携帯端末管理装置42は、予め保持している基地局と設置場所の対応表50(図2参照)を、基地局をキーとして検索し、携帯端末c35が対地C30にあることを得る。そして、携帯端末c35の位置情報と、ステップ111の送信により得た受信者ユーザb27のユーザIDとを組にして、個人情報蓄積管理装置43に送信する(図9:ステップ112)。
【0049】個人情報蓄積管理装置43は、予め登録されている個人通信手段の表60(図4参照)を、ステップ112で送信されたユーザb27のユーザIDをキーとして検索し、ユーザb27の個人通信手段の情報を得る。次に、ステップ112で得た受信者ユーザb27のユーザIDをキーとして、登録時に保持したユーザIDと対地との対応表80(図7参照)を検索し、ユーザb27の位置情報を得る。次に、ここで得たユーザb27の位置情報をキーとして、予め登録されている対地通信手段の表70(図5参照)を検索し、対地B20の対地通信手段の情報を得る。ここで得たユーザb27の個人通信手段と対地B20の対地通信手段の二つの情報とを併合し、受信者通信手段を生成する。その時、個人通信手段と対地通信手段とを通信手段62、72を比較し、同じ通信手段がある場合には、対地通信手段の通信手段を優先する併合処理を行う。次に、ここで生成した受信者通信手段を携帯端末管理装置42へ送信する(図9:ステップ113)。
【0050】携帯端末管理装置42は、ステップ113で得た受信者通信手段の情報を、基地局c34を介して携帯端末c35へ送信する(図9:ステップ114)。携帯端末c35は、受信したステップ114の受信者通信手段情報を、表示装置163の画面に表示する(図10R>0a参照)。これにより、発信者ユーザc37は、受信者ユーザb27の受信者通信手段を得る。
【0051】一方、個人情報蓄積管理装置43は、ステップ112で得た発信者ユーザc37の位置情報と、ステップ112で得た受信者ユーザb27のユーザIDをキーとして、登録時に保持したユーザIDと対地との対応表80(図7参照)を検索する。個人情報蓄積管理装置43は、検索によって得たユーザb27の位置情報から、対地Bの映像通信装置23に、ビデオカメラ22から取り込んだ映像データを対地Cの映像通信装置33に送信する指示を出し(図9:ステップ115)、次に、対地Cの映像通信装置33に、対地Bの映像通信装置23からの映像データを受信して、ディスプレイ31に表示する指示を出す(図9:ステップ116)。以上により、発信者ユーザc37は、受信者ユーザb27の対地B20における状態の映像を得る(図10b)。
【0052】なお、ディスプレイ31における受信者ユーザb27の対地B20における状態の映像は、一定時間経過後、消去する。この一定時間は、例えば、独自に、又は、映像の取り込み周期と対応させて、設定することができる。より具体的には、発信者が、映像を確認して受信者に通信を開始するまでに要する時間、例えば、高々数分程度とする。もちろん、この時間は、適宜、設定/変更できるようにしてもよい。このようにして、他の発信者の利用を可能とする。なお、ディスプレイ31の映像を、当該発信者が通信中も継続するようにしてもよい。この場合には、実質的なTV電話として機能する。複数の発信者が利用したい場合には、画面を分割して、それぞれの映像を表示するようにしてもよい。また、ディスプレイが、複数台あるときは、それぞれの発信者にディスプレイを割り当てればよい。
【0053】以上の処理によって、通信支援システムが実現される。これにより、通信システムにおいて、受信者が通信に使用可能な通信手段と、該受信者のいる対地で使用可能な通信手段の情報と、該対地の様子の映像とを、発信者が通信する際、事前に容易に知ることができる。
【0054】本実施例では、予め登録された個人通信手段と対地通信手段が、受信者となるユーザのいる対地に自動的に合わせられ、なおかつ、受信者となるユーザのいる対地の様子が映像データとして自動的に蓄えられるため、発信者となるユーザが通信手段を選択し該手段を実行するときに、受信者通信手段を容易に取得することが可能になるという効果があり、また該対地の様子を映像でもって観測することが可能となり、より一層、適切な通信手段の選択を行うに利便性の高い情報を容易に知ることが可能となる効果がある。
【0055】以上の実施例では、映像通信装置に、一定周期でビデオカメラから映像データを取り込んで、映像データを、逐次更新しつつ保持し、要求があると、その映像データを発信者の所在する映像通信装置に送信している。しかし、本発明は、これに限定されない。例えば、図16に示すように、LAN40に、映像蓄積配信装置44を接続したシステムとすることができる。このシステムによれば、映像蓄積配信装置44は、各対地の映像通信装置から、逐次、当該対地の状態を示す映像データを受信して、最新の映像データを保持する。そして、要求があると、発信者の所在する対地の映像通信装置に、保持している映像データのうち、受信者が除剤する対地についての映像データを送信する。
【0056】以上の実施例では、携帯端末から携帯端末IDを送信しているが、当該携帯端末の保持者であるユーザのIDを送信するようにしてもい。
【0057】また、以上の実施例では、通信システム全体がLAN40によって接続されている場合における通信支援について述べた。しかし、本発明は、これに限定されない。LAN以外の通信手段により接続される通信システムにおける支援についても、適用可能である。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、発信者が通信を開始する前に、受信者の都合について知ることができる。より具体的には、受信者の所在する対地の様子の映像を、発信者が通信を行う際に、事前に知ることができる。また、受信者が通信に使用可能の通信手段を示す情報を、事前に知ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通信支援システムの一実施例の構成の概要を示すブロック図。
【図2】基地局と設置場所との対応を示す対応表の一例を示す説明図。
【図3】携帯端末IDとユーザIDの対応表の一例を示す説明図。
【図4】個人通信手段の表の一例を示す説明図。
【図5】対地通信手段の表の一例を示す説明図。
【図6】転送先電話番号の表の一例を示す説明図。
【図7】個人居場所の表の一例を示す説明図。
【図8】ユーザが対地へ入ったときの位置情報の登録処理の一例を示すフローチャート。
【図9】発信者が受信者の状態を知るための検索処理の一例を示すフローチャート。
【図10】aは、対隊端末における通信手段表示の一例を示す説明図、bは、ディスプレイにおける映像による状況表示の一例を示す説明図。
【図11】交換機の構成の概略を示すブロック図。
【図12】携帯端末管理装置の構成の概略を示すブロック図。
【図13】個人情報蓄積管理装置の構成の概略を示すブロック。
【図14】本発明で用いられる映像通信装置の構成の一例を示すブロック図。
【図15】本発明で用いられる携帯端末の構成の一例を示すブロック図。
【図16】本発明の通信支援システムの他の実施例の構成の概要を示すブロック図。
【符号の説明】
10…対地A、11…ディスプレイ、12…ビデオカメラ、13…映像通信装置、14…基地局a、15…携帯端末a、16…電話機a、17…ユーザa、20…対地B、21…大画面ディスプレイ、22…ビデオカメラ、23…映像通信装置、24…基地局b、25…携帯端末b、26…電話機b、27…ユーザb、30…対地C、31…大画面ディスプレイ、32…ビデオカメラ、33…映像通信装置、34…基地局c、35…携帯端末c、36…電話機c、37…ユーザc、40…LAN、41…交換機、42…携帯端末管理装置、43…個人情報蓄積管理装置、44…映像蓄積配信装置、45…公衆網、50…基地局設置場所表、55…携帯端末ユーザ表、60…個人通信手段表、70…対地通信手段表、75…転送先電話番号表、80…個人位置情報表、85…対地状態映像表。
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通信システムにおける通信支援システムに係り、特に、発信者が送信者の便宜を考慮して通信できるように支援するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、我々は様々な通信手段を利用できる。それらの通信手段は、電話やテレビ会議システムに代表される即時系通信手段と、ファックスや電子メールに代表される蓄積系通信手段の二つに大別される。この二つは互いの長所短所を相補することで発達しユーザに受け入れられてきた。その一方で、例えば、鳴ると取るしかない電話の場合、かかってきた電話によって突然割り込まれた受信者は、それまでの作業を一旦中断し電話を受信することになる。また日本的な大部屋のオフィスでは、送信者の意図した相手が不在であれば、第三者が代理にその電話に応答することになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術は、受信者がそれまでの作業を一旦中断しなければならないという問題があり、さらにはこの割り込みがいつ発生するかも予測できない。これらは、一般に通信手段が発信者中心にデザインされており、発信者に主導権があることに起因している。つまり、AさんがBさんに連絡を取ろうとしたときに、A−B間に何種類かある通信手段のうち、どれを用いていつ連絡するかという選択権は発信者であるAさんにのみ存在しており、受信者であるBさんはその選択結果を受け入れなければならないのが現状である。これまで各種の通信手段は「より速く、より正確に、より大量に」を目指して発達し、近年は「いつでも、どこでも、誰とでも」をキャッチフレーズに新たな通信手段が作り出されている。だがこのキャッチフレーズ自体、受信者の都合無視を表しており、携帯電話であっても留守番電話機能が欲しいという要求はこれへの不満を端的に表している。
【0004】ここでは身近で顕著な例として電話を取り上げたが、この問題点は、広く一般に通信手段の即時系/蓄積系を問わないことに注目したい。例えば、電子メールの場合、普段電子メールをよく使う人であっても、たまたま出張で数日アクセスできないので、むしろ留守番電話に入れておいてくれた方が出張先から聞くことができて便利だとか、電子メールアドレスを持っていてもあまり使わず、もっぱらファックスにしか目を通さない人であったりすると発信者のメッセージが埋もれてしまうこともありえる。
【0005】元来、コミュニケーションを取るには互いの都合(時間や場所や方法など)が合っていなければ成立しないと考えるのが自然であろう。目の前にいる相手ならば、いま話しかけてもよさそうか、いやメモを書いて渡しておこう、といった判断が可能である。通信手段を介したテレコミュニケーションにおいては、この判断をするための情報を通信手段を利用する前に知ることは難しい。我々はここに着目する。発信者が、これから連絡を取ろうとしている相手がどんな通信手段で、どこへ、いつ連絡を取ってほしいと希望しているか(あるいはその時点では連絡を取られることを希望していないかもしれない)という情報を知ることができれば、互いに快適なテレコミュニケーションを行うことができるのではないだろうか。我々は、そうした支援をユーザが欲したときに行ってくれるツールを実現したいと考えている。そのためには、受信者側の視点から通信手段のデザインを整理し捉え直す必要がある。これまで受信者の都合に関する議論は、夜遅いから電話はやめておくとか、電話をかけて相手が出たら今話をしてもいいか確認してから用件を話すなどあるが、これはいわゆるマナーに属するものである。我々は、各種の通信手段を使い分ける時に、具体的に受信者の都合をどう取り扱うかという議論をしなければならない。
【0006】通信は、本来、相対的なものであり、発信者と受信者の両者の事情が合致することが望ましい。しかし、上述したように、従来の通信システムでは、もっぱら発信者の都合で通信が開始され、また、通信手段が選ばれている。そのため、受信者の都合に関する配慮は、もっぱら、発信者の個人的なマナーによっていた。そこで、このような状況を、システムとして解決できることが望まれていた。
【0007】本発明の目的は、発信者が通信を開始するに当たり、受信者の都合を示す情報を発信者側に示して、発信者に、受信者の都合を通信に先だって知らせることができる通信支援システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達成するため、本発明の第1の態様によれば、少なくとも1つの通信手段を含む通信システムを介して接続可能な複数の対地について、いずれかの対地から他のいずれかの対地に通信を行う際に支援を行う通信支援システムであって、当該対地の状態を示す映像を取り込む撮像手段と、映像の表示を行うための表示手段と、上記撮像手段から映像データを取り込むと共に、取り込んだ映像データを他の対地のために送信し、かつ、送られてきた、他の対地についての映像データを受信して、上記表示手段に表示させる映像通信装置とを、各対地ごとに備え、かつ、通信システムを介して、いずれかの対地からの他のいずれかの対地の状態を示す情報の要求があると、通信システムを介して、当該他の対地の映像通信装置に対して、当該対地についての映像を要求元の対地の映像通信装置に送るよう指示する手段を備えることを特徴とする通信支援システムが提供される。
【0009】この第1の態様においては、撮像手段は、各対地において、それぞれの対地の状態、特に、その対地に所在する人々を含めて撮像する。これにより、当該対地の状態が、それに所在する人々の状態を含めて視覚的に表現する映像データが得られる。
【0010】対地についての映像データを要求元の対地の映像通信装置に送るよう指示する手段は、通信システムを介して、いずれかの対地からの他のいずれかの対地の状態を示す情報の要求を受け付ける。そして、通信システムを介して、当該他の対地の映像通信装置に対して、当該対地についての映像データを要求元の対地の映像通信装置に送るよう指示する。
【0011】映像通信装置は、上記指示を受けて、この映像データを、その対地に所在するユーザ(受信者)に向けて通信を開始しようとしているユーザ(発信者)が所在する対地に置かれた映像通信装置に送信する。そして、映像通信装置は、表示手段に、この映像データを送って、映像を表示させる。この映像通信装置は、例えば、通信システムを介して通信を行うための通信接続手段と、撮像手段から取り込んだ映像データを取り込むごとに更新して記憶する記憶手段と、通信接続手段で受信した映像データを表示手段に出力する手段とを備えることで、構成することができる。
【0012】表示手段は、人物を、見かけ上、等身大のイメージで表示できる大きさのディスプレイを有するものとすることができる。例えば、パネルディスプレイ形式の表示装置、プロジェクタによりスクリーンに投影する形式の表示装置等が用いられる。このように、大型のディスプレイを用いることにより、対地の各所からディスプレイの表示内容を見ることができる。また、見かけ上、等身大のイメージで人物が見えるので、臨場感を持って、相手対地の様子を見ることができる。
【0013】このように、第1の態様によれば、発信者が通信を開始するに当たり、受信者の都合を示す情報、すなわち、対地の映像を、発信者側で、ディスプレイ上に示して、発信者に、受信者の都合を通信に先だって知らせることができる。
【0014】また、本態様には、当該対地におけるユーザの所在を示すユーザ位置情報を登録するためのユーザ位置登録手段をさらに備えることができる。このユーザ位置登録手段は、例えば、それぞれ固有の識別子を付与された複数の携帯端末と、各対地ごとに設けられ、それぞれの対地内で、当該対地内に所在する携帯端末の識別子を検出する基地局と、検出された携帯端末の識別子の情報を、検出した基地局から通信システムを介して受信し、基地局と携帯端末の識別子との対応関係を示す情報を記憶する手段を有する携帯端末管理装置とを備えることで構成することができる。これにより、第1の態様において、携帯端末の使用が可能となる。この携帯端末は、後述するように、ユーザの位置を知るために、また、ユーザの状態を知るために用いられる。
【0015】次に、本発明の第2の態様によれば、少なくとも1つの通信手段を含む通信システムを介して接続可能な複数の対地について、いずれかの対地から他のいずれかの対地に通信を行う際に支援を行う通信支援システムであって、それぞれ固有の識別子を付与された複数の携帯端末と、各対地ごとに設けられ、それぞれの対地内で、当該対地内に所在する携帯端末の識別子を検出する基地局と、検出された携帯端末の識別子の情報を、検出した基地局から通信システムを介して受信し、基地局と携帯端末の識別子との対応関係を示す情報を記憶する手段を有する携帯端末管理装置とを備えることを特徴とする通信支援システムが提供される。
【0016】これにより、携帯端末の使用が可能となる。この携帯端末は、後述するように、ユーザの位置を知るために、また、ユーザの状態を知るために用いられる。
【0017】第1および第2の態様において、各携帯端末は、基地局と無線通信で通信することができる無線通信部と、電源をオンさせた時に、上記無線通信部に、当該端末に付与された識別子の送信を行わせる手段とを備える構成とすることができる。これにより、ユーザが携帯端末を保持して移動することできるので、携帯端末を識別することにより、携帯端末を介してユーザの所在が検出できる。
【0018】第1および第2の態様において、携帯端末を保持するユーザの個人情報を蓄積管理する個人情報蓄積管理装置をさらに備えることができる。また、携帯端末管理装置は、携帯端末とこれを保持するユーザとの対応関係を示す情報を予め記録する手段と、上記記憶される、携帯端末とこれを保持するユーザとの対応関係を示す情報と、基地局と携帯端末の識別子との対応関係を示す情報とを用いて、ユーザの所在位置を示す情報を生成し、通信システムを介して、個人情報蓄積管理装置に送信する手段とを備えることができる。このようにすると、各携帯端末が、携帯端末管理装置により一括管理でき、しかも、携帯端末の所在、および、それとの関係から、その携帯端末を所持するユーザの位置を示す位置情報を生成することができる。
【0019】第1および2の態様において、携帯端末は、受信者となるべきユーザを指定するための入力の受け付けが少なくとも可能な入力部と、上記無線通信部に、受信者となるべきユーザの指定を、基地局を介して個人情報蓄積管理装置に送信させる手段と、それ自身が生成したデータおよび外部から送られてきたデータの表示を行うための表示部と、上記無線通信部が受信した内容を表示部に表示させる手段とをさらに備えることができる。この携帯端末によって、受信者となるべきユーザについての状態を示す情報の要求が行え、かつ、その情報の一部を受け取ることができる。
【0020】第1および2の態様において、個人情報蓄積管理装置は、ユーザが個人的に利用可能な通信手段を示す情報、および、ある対地で利用可能な通信手段を示す情報のうち、少なくとも一方を含む通信手段情報が登録される通信手段情報登録手段と、携帯端末管理装置から送られる、ユーザの所在位置を示す情報を受信して、蓄積するユーザ位置情報蓄積手段と、基地局を介して携帯端末から送られる、受信者となるべきユーザの指定を受信すると、ユーザ位置情報を参照して、通信手段情報登録手段から指定されたユーザの通信手段情報を読みだして、通信システムを介して、上記携帯端末管理装置に送信する手段を備えることができる。これにより、個人情報蓄積管理装置は、ユーザが個人的に利用可能な通信手段を示す情報、および、ある対地で利用可能な通信手段を示す情報の内、少なくとも一方を、携帯端末からの要求に応じて提供することができる。
【0021】第1および2の態様において、上記携帯端末管理装置は、上記個人情報蓄積管理手段から送られた通信手段情報を、発信者の携帯端末に送信する手段を備える構成とすることができる。また、携帯端末は、上記無線通信部が受信した内容を表示部に表示させる手段に、上記携帯端末管理装置から送られる通信手段情報を、表示部に表示させることができる。これによって、受信者となるべきユーザが用いることができる通信手段、例えば、電話、電子メール等が、発信者のために表示される。発信者は、その中から選択した通信手段を用いて、受信者と通信を行うことができる。
【0022】また、本発明において、通信システムは、各対地に置かれる電話器と、これらの電話器の内線接続および外線との接続を行う交換機を備える構成とすることができる。さらに、上記個人情報蓄積管理装置は、ある対地で利用可能な、電話器を含む通信手段を示す情報を少なくともを含む通信手段情報が登録される通信手段情報登録手段と、携帯端末管理装置から送られる、ユーザの所在位置を示す情報を受信して、蓄積するユーザ位置情報蓄積手段と、ユーザ位置情報を参照して、当該ユーザが所在する対地での通信手段情報を読みだして、ユーザごとに、使用できる対地データの通信手段の電話番号を、通信システムを介して、交換機に送信する手段を備え、上記交換機は、送信された電話番号を、当該ユーザのそれまでの電話番号に対する転送先電話番号として登録する手段を備える構成とすることができる。これによって、受信者となるべきユーザがそれまでに使用していた電話に着呼があったとき、交換機は、当該呼を転送先に自動的に転送することができる。
【0023】本発明の好ましい態様によれば、予め登録された個人通信手段と対地通信手段が、受信者となるユーザのいる対地に自動的に合わせられ、なおかつ、受信者となるユーザのいる対地の様子が映像として自動的に表示される。従って、発信者となるユーザが通信手段を選択し該手段を実行するときに、受信者通信手段を容易に取得することが可能となり、また該対地の様子を映像でもって観測することが可能となりより一層適切な通信手段の選択を行うに利便性の高い情報を容易に知ることが可能となる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。図1に、本発明の通信支援システムの構成の概要を示す。図1に示すように、本発明の通信支援システムは、複数(図1には、A、BおよびCの三つを示す)の対地A10,B20,C30相互と、公衆網45を介した外部との通信を行なう際の支援を行なうためのシステムである。本システムでは、外部の公衆網と接続され電話交換を行なう交換機41と、携帯端末と接続され、それらの管理を行なう携帯端末管理装置42と、本システムにおいてサービスを受ける個人情報を蓄積管理すると共に、受信側対地の様子を示す映像データを発信側対地に送るよう制御する個人情報蓄積管理装置43とが、各対地A10,B20,C30に共通に設置されている。また、各対地A10,B20,C30の各々に、映像通信装置13,23,33が設けられる。さらに、本システムでは、LAN(ローカルエリアネットワーク)40が設置される。そして、交換機41、携帯端末管理装置42、個人情報蓄積管理装置43、および、映像通信装置13,23,33は、LAN40に接続される。
【0025】対地A10は、本発明における通信システムの通信対地の一つを示している。対地A10には、ビデオカメラ12と、ディスプレイ11と、基地局14と、電話機a16とが配置される。
【0026】ビデオカメラ12は、映像通信装置13と接続され、対地A10の様子を撮影して、映像データを、映像通信装置13に送る。この例では、対地A10内の様子が全体的に見渡せるように、広角で撮影する。なお、ビデオカメラ12に、姿勢制御装置(図示せず)を付加し、特定対象についてズームアップして撮影するようにしてもよい。この場合、姿勢制御装置は、通信に使用される機器を特定する情報を受けることにより、その機器の位置を知り、自位置とその位置とから、ズームアップすべき方位および距離を求めて、ビデオカメラ12を制御する。
【0027】ディスプレイ11は、映像通信装置13と接続され、他対地のビデオカメラが撮像した映像を表示することに用いられる。ディスプレイ11は、各種表示に用いることができる汎用のものを用いることができる。ただし、本実施例では、また、このディスプレイ11は、当該対地内のいずれの位置においても、ユーザがよく見えるように、大型の表示面を有するものが用いられる。このディスプレイ11のサイズとしては、例えば、人物を等身大のイメージで表示できる程度の大きさが挙げられる。このような大型のディスプレイを用いる他のメリットは、例えば、あたかも、相手が所在する部屋を覗いているかのように、相手の様子を臨場感を持って見ることができる点にある。なお、ディスプレイ11を複数配置してもよい。もちろん、大型ディスプレイの配置ができない場合には、小型のディスプレイであってもよい。その場合には、複数台配置することが好ましい。
【0028】映像通信装置13は、例えば、図14に示すように、中央処理装置(CPU)150と、メモリ151と、ビデオカメラ12と接続してビデオカメラ12からビデオカメラインタフェース152と、ディスプレイ11と接続して映像データを出力するディスプレイインタフェース153と、LAN40と接続するためのLAN接続インタフェース154とを備える。この映像通信装置13は、ビデオカメラ12からの映像データを取り込んで、LAN40を介して送信する手段として機能し、かつ、LAN40を介して送られてきた映像データを受信し、当該映像をディスプレイ11に表示させる手段として機能する。この映像通信装置13は、ビデオカメラインタフェース152により、ビデオカメラ12を用いて、一定周期で映像を取り込む。その映像データは、メモリ151に、取り込む毎に、最新の映像データに更新されて、蓄積される。LAN接続インタフェース154を介して、個人情報蓄積管理装置43からの指示を受けると、CPU150は、メモリ151に蓄積されている最新の映像データを、発信者の所在する対地の映像通信装置13に送る。なお、LAN40の伝送容量が大きい場合には、動画映像を送るようにしてもよい。
【0029】基地局14は、無線通信が可能な携帯端末が無線通信を行うときに、その電波を送受信する装置であり、携帯端末管理装置42と接続されている。この基地局14は、それ自体、または、少なくともアンテナ部分(図示せず)が、対地A10の全体が電波的に見渡せる位置に配置される。具体的には、例えば、室内の天井近傍に設置される。
【0030】電話機a16は、通常の電話を行うことができるもので、交換機41に接続されている。なお、電話器a16は、図1では、1台のみ示しているが、これは、代表的に図示したものであって、1台に限られるものではない。従って、電話器a16は、複数台配置することができる。また、電話器a16として、通常の通話以外の用途に用いるものを配置することができる。このような電話器a16としては、例えば、ファクシミリ、モデムを有するコンピュータ等が挙げられる。
【0031】対地B20および対地C30も対地A10と同様の構成である。対地B20では、ディスプレイ21、ビデオカメラ22、映像通信装置23、基地局24、および、電話機b26が配置されている。同様に、対地C30は、ディスプレイ31、ビデオカメラ32、映像通信装置33、基地局34、および、電話機c36が配置されている。
【0032】本発明の支援システムが支援の対象とする通信システムでは、対地対応に設置された上記電話器等の通信手段のほかに、ユーザ対応に設置される通信手段をも利用できる。すなわち、そのための通信手段として、携帯端末a15、携帯端末b25および携帯端末c35を有する。
【0033】携帯端末a15、携帯端末b25、携帯端末c35は、それぞれ一人のユーザが占有して使用する無線通信が可能かつ携帯可能な情報処理装置であり、無線通信により基地局を介して携帯端末管理装置42と接続されている。本実施例では、携帯端末a15をユーザa17が、携帯端末b25をユーザb27が、携帯端末c35をユーザc37が、それぞれ占有して使用するものとする。携帯端末a15、携帯端末b25、携帯端末c35は、それぞれ自端末のID(識別子)が予め設定してあり、電源がオンされると、そのIDを発信し、携帯端末管理装置42に伝える手段を有する。また、携帯端末a15、携帯端末b25、携帯端末c35は、発信者となるユーザが受信者となるユーザを指定する手段と、該指定された受信者のユーザIDを携帯端末管理装置42へ伝える手段と、携帯端末管理装置42から送られる受信者の通信手段情報を受信し、表示する手段とを有する。
【0034】図15は、携帯端末の構成の一例を示す。すなわち、携帯端末15は、中央処理装置(CPU)160と、メモリ161と、入力装置162と、表示装置163と、無線通信装置164とを有する。メモリ161には、IDを記憶する領域が設けてある。入力装置162は、例えば、タッチパネル、キーボード等で構成される。表示装置163は、例えば、液晶ディスプレイが用いられる。無線通信装置164は、基地局との間で、例えば、電波で通信を行なう。
【0035】上記の例では、携帯端末として、情報処理装置を挙げているが、上記機能を実現できるのであれば、その他の装置であってもよい。例えば、携帯電話器等であってもよい。
【0036】交換機41の構成を図11に示す。交換機41は、内線と接続するインタフェース123、および、外線に接続するインタフェース122を持つ既存の交換機に、LANと接続するインタフェース124と、中央処理装置(CPU)120と、データを蓄積するメモリ121とを備えるものである。メモリ121には、転送先の電話番号と転送元の電話番号との対応表75を記憶する(図6参照)。また、メモリ121には、CPU120のプログラムを格納する。この交換機41は、公衆網45とLAN40とに接続され、CPU120の制御の下で、当該対地の電話器と、各対地の電話機との接続処理、または、外部の電話との接続処理を行う。
【0037】携帯端末管理装置42の構成を図12に示す。携帯端末管理装置42は、基地局と接続するインタフェース132と、LAN40と接続するインタフェース133と、CPU130と、データを蓄積するメモリ131とを備えた装置であり、LAN40と接続され、各対地の基地局と接続されている。携帯端末管理装置42は、例えば、図2に模式的に示すように、基地局と設置場所の対応表50(図2参照)、および、携帯端末IDとユーザIDの対応表55(図3参照)を、メモリ131に記憶する。また、携帯端末管理装置42は、メモリ131に格納されるプログラムを実行することにより構成される、ユーザがどの対地にいるかという位置情報を、対応表50および対応表55に基づいて生成し、個人情報管理装置43に自動的に送信する手段と、発信者の位置情報(対地)と受信者のユーザIDとを組にして個人情報蓄積管理装置43に送信する手段と、個人情報蓄積管理装置43から送られてくる受信者の個人通信手段と受信者の対地通信手段とを併合した通信手段(以下、受信者通信手段と略す)の情報を発信者の携帯端末に送信する手段とを有する。
【0038】個人情報蓄積管理装置43の構成を図13に示す。個人情報蓄積管理装置43は、LAN40と接続するインタフェース142と、CPU140と、データを蓄積するメモリ141とを備え、LAN40と接続されている。この個人情報蓄積管理装置43は、ユーザがどの対地にいるかを示す位置情報と、その対地で利用可能な通信手段の情報と、個人が利用可能な通信手段の情報とを蓄積管理する能力を備えた装置で、ユーザIDと対地との対応表80(図7参照)と、予め登録されている個人が利用可能な通信手段(以下、個人通信手段と略す)を格納するための個人通信手段の表60(図4参照)、予め登録されている対地で利用可能な通信手段(以下、対地通信手段と略す)を格納するための対地通信手段の表70(図5参照)とを、メモリ141に記憶する。
【0039】また、個人情報蓄積管理装置43は、メモリ141に格納されるプログラムを実行することにより構成される各種手段を有する。すなわち、送信されたユーザの位置情報に基づいてユーザIDと対地との対応を対応表80蓄積する手段と、個人の内線電話番号への着呼を、携帯端末管理装置42から登録されたユーザの位置情報を基に、個人通信手段の表60および対地通信手段の表70から、該当する対地の内線電話番号を得て、当該内線番号へ転送する指示を、交換機41に自動的に登録する手段とを有する。さらに、個人情報蓄積管理装置は、ユーザIDをキーとして該ユーザの個人通信手段の情報を検索する手段と、ユーザIDをキーとして該ユーザの位置情報を検索する手段と、得られた位置情報をキーとして対地通信手段の情報を検索する手段と、得られた個人通信手段と対地通信手段の情報を併合し、携帯端末管理装置42へ送信する手段と、得られた受信者の位置情報と発信者の位置情報から、受信者対地の映像通信装置に該対地のビデオカメラからの映像データを発信者対地の映像通信装置に送信する指示と発信者対地の映像通信装置に受信者対地の映像通信装置からの映像データを受信し、ディスプレイに表示する指示を出す手段とを有する。
【0040】以上の構成において、本実施例では、LAN40と、交換機41と、電話器16,26,36とは、ユーザが通信を行うための基盤として設置され、通信システムを構成する。一方、携帯端末管理装置42と、基地局14,24,34と、携帯端末15,25,35と、個人情報蓄積管理装置43と、ビデオカメラ12,22,32と、ディスプレイ11,21,31と、映像通信装置13,23,33とは、ユーザが通信を行う際の支援を行うための基盤として設置され、通信支援システムを構成する。また、交換機41は、その機能の一部が通信支援システムをを構築するための機能として用いられる。本実施例では、このような基盤を利用して、受信者が通信に使用可能な通信手段と、該受信者のいる対地で使用可能な通信手段の情報と、該対地の様子の映像とを、発信者が通信を行う際に、事前に容易に知ることができるように支援する。
【0041】まず、通信支援ための、ユーザの位置情報の登録時における処理の流れを、図1〜8を用いて説明する。
【0042】例えば、図1に示すように、ユーザa17が携帯端末a15を持って対地A10に入り、携帯端末a15の電源を入れると、図8に示すような手順で、ユーザ位置情報が登録される。すなわち、携帯端末a15は、自端末のIDを発信する。基地局a14は、このIDを受信し、これを携帯端末管理装置42に送る(ステップ101)。
【0043】この端末IDを受信した携帯端末管理装置42は、予め保持している基地局と設置場所の対応表50を基地局をキーとして検索し、携帯端末a15が対地A10にあることを得る。次に、予め保持している携帯端末IDとユーザIDの対応表55を端末IDをキーとして検索し、携帯端末a15がユーザa17が使用していることを得る。ここで得た情報から、ユーザa17が対地A10にいるという位置情報を生成することができる。携帯端末管理装置42は、この位置情報を、個人情報蓄積管理装置43へ送信する(ステップ102)。
【0044】個人情報蓄積管理装置43は、送信されたユーザの位置情報を、ユーザIDと対地との対応表80としてメモリ141に蓄積する。次に、予め登録されている個人通信手段の表60を、ステップ102で送信されたユーザIDをキーとして検索し、ユーザa17の個人通信手段の情報を得る。次に、予め登録されている対地通信手段の表70を、ステップ102で送信された対地をキーとして検索し、対地A10の対地通信手段の情報を得る。CPU120は、ここで得た二つの情報を併合するマージ処理を行う。その時、図4および図5示す、個人通信手段と対地通信手段とについて、通信手段62、72を比較する。同じ通信手段がある場合には、対地通信手段の通信手段を優先するマージ処理を行う。この処理において、電話が両方にある場合には、交換機41に対して、個人通信手段の電話に記載されている電話番号への着呼を対地の電話番号へ転送する指示を送信するステップ103。交換機41は、転送先の電話番号を転送元と転送先の対応表75として保持する。
【0045】以上のように、ユーザa17が携帯端末a15の電源を入れた以降が、全て自動的に処理され、ユーザa17の位置情報がシステムに登録されることとなる。本登録処理は、本発明の構成によってなる通信支援システムのすべての対地、すべてのユーザに対して行われるものである。
【0046】次に、ユーザの位置情報の検索時における処理の流れを、図1、4、5、7、9、10を用いて説明する。
【0047】システムが起動されると、各対地A10,B20,C30のそれぞれにおいて、映像通信装置13,23,33は、それぞれ予め定めた周期で、それぞれ対応するビデオカメラ12,22,32から、それぞれの対地A10,B20,C30の映像データを取り込んで、この映像データを記憶保持する。その後、映像通信装置13,23,33は、予め定めた周期で、それぞれ対応するビデオカメラ12,22,32から映像データを取り込んで、それまでの映像データを更新する。すなわち、映像通信装置13,23,33は、それぞれ最新の映像データを保持する。また、映像通信装置13,23,33のうち、個人情報蓄積管理装置43からの指示を受けた装置、例えば、映像通信装置33は、発信者が所在する映像通信装置、例えば、映像通信装置13に、保持している映像データをLAN40を介して送信する。一方、送信された映像データを受信した映像通信装置13は、ディスプレイ11に、受信した映像データを表示する。上記映像データの送信は、現在保持している映像データを送信すれば終了する。一方、受信した映像通信装置13は、予め定めた時間、受信した映像データをディスプレイ11に表示する。
【0048】例えば、図1において、ユーザc37がユーザb27と通信を開始しようとした時、ユーザc37は、携帯端末c35を用いて、受信者となるユーザb27を指定すると、ユーザb27のユーザIDを携帯端末c35が発信する(図9:ステップ111)。基地局c34を介してこのユーザIDを受信した携帯端末管理装置42は、予め保持している基地局と設置場所の対応表50(図2参照)を、基地局をキーとして検索し、携帯端末c35が対地C30にあることを得る。そして、携帯端末c35の位置情報と、ステップ111の送信により得た受信者ユーザb27のユーザIDとを組にして、個人情報蓄積管理装置43に送信する(図9:ステップ112)。
【0049】個人情報蓄積管理装置43は、予め登録されている個人通信手段の表60(図4参照)を、ステップ112で送信されたユーザb27のユーザIDをキーとして検索し、ユーザb27の個人通信手段の情報を得る。次に、ステップ112で得た受信者ユーザb27のユーザIDをキーとして、登録時に保持したユーザIDと対地との対応表80(図7参照)を検索し、ユーザb27の位置情報を得る。次に、ここで得たユーザb27の位置情報をキーとして、予め登録されている対地通信手段の表70(図5参照)を検索し、対地B20の対地通信手段の情報を得る。ここで得たユーザb27の個人通信手段と対地B20の対地通信手段の二つの情報とを併合し、受信者通信手段を生成する。その時、個人通信手段と対地通信手段とを通信手段62、72を比較し、同じ通信手段がある場合には、対地通信手段の通信手段を優先する併合処理を行う。次に、ここで生成した受信者通信手段を携帯端末管理装置42へ送信する(図9:ステップ113)。
【0050】携帯端末管理装置42は、ステップ113で得た受信者通信手段の情報を、基地局c34を介して携帯端末c35へ送信する(図9:ステップ114)。携帯端末c35は、受信したステップ114の受信者通信手段情報を、表示装置163の画面に表示する(図10R>0a参照)。これにより、発信者ユーザc37は、受信者ユーザb27の受信者通信手段を得る。
【0051】一方、個人情報蓄積管理装置43は、ステップ112で得た発信者ユーザc37の位置情報と、ステップ112で得た受信者ユーザb27のユーザIDをキーとして、登録時に保持したユーザIDと対地との対応表80(図7参照)を検索する。個人情報蓄積管理装置43は、検索によって得たユーザb27の位置情報から、対地Bの映像通信装置23に、ビデオカメラ22から取り込んだ映像データを対地Cの映像通信装置33に送信する指示を出し(図9:ステップ115)、次に、対地Cの映像通信装置33に、対地Bの映像通信装置23からの映像データを受信して、ディスプレイ31に表示する指示を出す(図9:ステップ116)。以上により、発信者ユーザc37は、受信者ユーザb27の対地B20における状態の映像を得る(図10b)。
【0052】なお、ディスプレイ31における受信者ユーザb27の対地B20における状態の映像は、一定時間経過後、消去する。この一定時間は、例えば、独自に、又は、映像の取り込み周期と対応させて、設定することができる。より具体的には、発信者が、映像を確認して受信者に通信を開始するまでに要する時間、例えば、高々数分程度とする。もちろん、この時間は、適宜、設定/変更できるようにしてもよい。このようにして、他の発信者の利用を可能とする。なお、ディスプレイ31の映像を、当該発信者が通信中も継続するようにしてもよい。この場合には、実質的なTV電話として機能する。複数の発信者が利用したい場合には、画面を分割して、それぞれの映像を表示するようにしてもよい。また、ディスプレイが、複数台あるときは、それぞれの発信者にディスプレイを割り当てればよい。
【0053】以上の処理によって、通信支援システムが実現される。これにより、通信システムにおいて、受信者が通信に使用可能な通信手段と、該受信者のいる対地で使用可能な通信手段の情報と、該対地の様子の映像とを、発信者が通信する際、事前に容易に知ることができる。
【0054】本実施例では、予め登録された個人通信手段と対地通信手段が、受信者となるユーザのいる対地に自動的に合わせられ、なおかつ、受信者となるユーザのいる対地の様子が映像データとして自動的に蓄えられるため、発信者となるユーザが通信手段を選択し該手段を実行するときに、受信者通信手段を容易に取得することが可能になるという効果があり、また該対地の様子を映像でもって観測することが可能となり、より一層、適切な通信手段の選択を行うに利便性の高い情報を容易に知ることが可能となる効果がある。
【0055】以上の実施例では、映像通信装置に、一定周期でビデオカメラから映像データを取り込んで、映像データを、逐次更新しつつ保持し、要求があると、その映像データを発信者の所在する映像通信装置に送信している。しかし、本発明は、これに限定されない。例えば、図16に示すように、LAN40に、映像蓄積配信装置44を接続したシステムとすることができる。このシステムによれば、映像蓄積配信装置44は、各対地の映像通信装置から、逐次、当該対地の状態を示す映像データを受信して、最新の映像データを保持する。そして、要求があると、発信者の所在する対地の映像通信装置に、保持している映像データのうち、受信者が除剤する対地についての映像データを送信する。
【0056】以上の実施例では、携帯端末から携帯端末IDを送信しているが、当該携帯端末の保持者であるユーザのIDを送信するようにしてもい。
【0057】また、以上の実施例では、通信システム全体がLAN40によって接続されている場合における通信支援について述べた。しかし、本発明は、これに限定されない。LAN以外の通信手段により接続される通信システムにおける支援についても、適用可能である。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、発信者が通信を開始する前に、受信者の都合について知ることができる。より具体的には、受信者の所在する対地の様子の映像を、発信者が通信を行う際に、事前に知ることができる。また、受信者が通信に使用可能の通信手段を示す情報を、事前に知ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通信支援システムの一実施例の構成の概要を示すブロック図。
【図2】基地局と設置場所との対応を示す対応表の一例を示す説明図。
【図3】携帯端末IDとユーザIDの対応表の一例を示す説明図。
【図4】個人通信手段の表の一例を示す説明図。
【図5】対地通信手段の表の一例を示す説明図。
【図6】転送先電話番号の表の一例を示す説明図。
【図7】個人居場所の表の一例を示す説明図。
【図8】ユーザが対地へ入ったときの位置情報の登録処理の一例を示すフローチャート。
【図9】発信者が受信者の状態を知るための検索処理の一例を示すフローチャート。
【図10】aは、対隊端末における通信手段表示の一例を示す説明図、bは、ディスプレイにおける映像による状況表示の一例を示す説明図。
【図11】交換機の構成の概略を示すブロック図。
【図12】携帯端末管理装置の構成の概略を示すブロック図。
【図13】個人情報蓄積管理装置の構成の概略を示すブロック。
【図14】本発明で用いられる映像通信装置の構成の一例を示すブロック図。
【図15】本発明で用いられる携帯端末の構成の一例を示すブロック図。
【図16】本発明の通信支援システムの他の実施例の構成の概要を示すブロック図。
【符号の説明】
10…対地A、11…ディスプレイ、12…ビデオカメラ、13…映像通信装置、14…基地局a、15…携帯端末a、16…電話機a、17…ユーザa、20…対地B、21…大画面ディスプレイ、22…ビデオカメラ、23…映像通信装置、24…基地局b、25…携帯端末b、26…電話機b、27…ユーザb、30…対地C、31…大画面ディスプレイ、32…ビデオカメラ、33…映像通信装置、34…基地局c、35…携帯端末c、36…電話機c、37…ユーザc、40…LAN、41…交換機、42…携帯端末管理装置、43…個人情報蓄積管理装置、44…映像蓄積配信装置、45…公衆網、50…基地局設置場所表、55…携帯端末ユーザ表、60…個人通信手段表、70…対地通信手段表、75…転送先電話番号表、80…個人位置情報表、85…対地状態映像表。
【特許請求の範囲】
【請求項1】少なくとも1つの通信手段を含む通信システムを介して接続可能な複数の対地について、いずれかの対地から他のいずれかの対地に通信を行う際に支援を行う通信支援システムであって、当該対地の状態を示す映像を取り込む撮像手段と、映像の表示を行うための表示手段と、上記撮像手段から映像データを取り込むと共に、取り込んだ映像データを他の対地のために送信し、かつ、送られてきた、他の対地についての映像データを受信して、上記表示手段に表示させる映像通信装置とを、各対地ごとに備え、かつ、通信システムを介して、いずれかの対地からの他のいずれかの対地の状態を示す情報の要求があると、通信システムを介して、当該他の対地の映像通信装置に対して、当該対地についての映像データを要求元の対地の映像通信装置に送るよう指示する手段を備えることを特徴とする通信支援システム。
【請求項2】請求項1記載において、上記映像通信装置は、通信システムを介して通信を行うための通信接続手段と、撮像手段から取り込んだ映像データを取り込むごとに更新して記憶する記憶手段と、通信接続手段で受信した映像データを表示手段に出力する手段とを備えることを特徴とする通信支援システム。
【請求項3】請求項1または2において、表示手段は、人物を、見かけ上、等身大のイメージで表示できる大きさのディスプレイを有する通信支援システム。
【請求項4】請求項1において、当該対地におけるユーザの所在を示すユーザ位置情報を登録するためのユーザ位置登録手段をさらに備える通信支援システム。
【請求項5】請求項4において、ユーザ位置登録手段は、それぞれ固有の識別子を付与された複数の携帯端末と、各対地ごとに設けられ、それぞれの対地内で、当該対地内に所在する携帯端末の識別子を検出する基地局と、検出された携帯端末の識別子の情報を、検出した基地局から通信システムを介して受信し、基地局と携帯端末の識別子との対応関係を示す情報を記憶する手段を有する携帯端末管理装置とを備えることを特徴とする通信支援システム。
【請求項6】少なくとも1つの通信手段を含む通信システムを介して接続可能な複数の対地について、いずれかの対地から他のいずれかの対地に通信を行う際に支援を行う通信支援システムであって、それぞれ固有の識別子を付与された複数の携帯端末と、各対地ごとに設けられ、それぞれの対地内で、当該対地内に所在する携帯端末の識別子を検出する基地局と、検出された携帯端末の識別子の情報を、検出した基地局から通信システムを介して受信し、基地局と携帯端末の識別子との対応関係を示す情報を記憶する手段を有する携帯端末管理装置とを備えることを特徴とする通信支援システム。
【請求項7】請求項5または6において、各携帯端末は、基地局と無線通信で通信することができる無線通信部と、電源をオンさせた時に、上記無線通信部に、当該端末に付与された識別子の送信を行わせる手段とを備えることを特徴とする通信支援システム。
【請求項8】請求項7において、携帯端末を保持するユーザの個人情報を蓄積管理する個人情報蓄積管理装置をさらに備え、携帯端末管理装置は、携帯端末とこれを保持するユーザとの対応関係を示す情報を予め記録する手段と、上記記憶される、携帯端末とこれを保持するユーザとの対応関係を示す情報と、基地局と携帯端末の識別子との対応関係を示す情報とを用いて、ユーザの所在位置を示す情報を生成し、通信システムを介して、個人情報蓄積管理装置に送信する手段とを備えることを特徴とする通信支援システム。
【請求項9】請求項8において、携帯端末は、受信者となるべきユーザを指定するための入力の受け付けが少なくとも可能な入力部と、上記無線通信部に、受信者となるべきユーザの指定を、基地局を介して個人情報蓄積管理装置に送信させる手段と、それ自身が生成したデータおよび外部から送られてきたデータの表示を行うための表示部と、上記無線通信部が受信した内容を表示部に表示させる手段とをさらに備えることを特徴とする通信支援システム。
【請求項10】請求項9において、個人情報蓄積管理装置は、ユーザが個人的に利用可能な通信手段を示す情報、および、ある対地で利用可能な通信手段を示す情報のうち、少なくとも一方を含む通信手段情報が登録される通信手段情報登録手段と、携帯端末管理装置から送られる、ユーザの所在位置を示す情報を受信して、蓄積するユーザ位置情報蓄積手段と、基地局を介して携帯端末から送られる、受信者となるべきユーザの指定を受信すると、ユーザ位置情報を参照して、通信手段情報登録手段から指定されたユーザの通信手段情報を読みだして、通信システムを介して、上記携帯端末管理装置に送信する手段を備えることを特徴とする通信支援システム。
【請求項11】請求項10において、上記携帯端末管理装置は、上記個人情報蓄積管理手段から送られた通信手段情報を、発信者の携帯端末に送信する手段を備え、携帯端末は、上記無線通信部が受信した内容を表示部に表示させる手段に、上記携帯端末管理装置から送られる通信手段情報を、表示部に表示させることを特徴とする通信システム。
【請求項12】請求項8において、通信システムは、各対地に置かれる電話器と、これらの電話器の内線接続および外線との接続を行う交換機を備え、上記個人情報蓄積管理装置は、ある対地で利用可能な、電話器を含む通信手段を示す情報を少なくともを含む通信手段情報が登録される通信手段情報登録手段と、携帯端末管理装置から送られる、ユーザの所在位置を示す情報を受信して、蓄積するユーザ位置情報蓄積手段と、ユーザ位置情報を参照して、当該ユーザが所在する対地での通信手段情報を読みだして、ユーザごとに、使用できる対地データの通信手段の電話番号を、通信システムを介して、交換機に送信する手段を備え、上記交換機は、送信された電話番号を、当該ユーザのそれまでの電話番号に対する転送先電話番号として登録する手段を備えることを特徴とする通信支援システム。
【請求項1】少なくとも1つの通信手段を含む通信システムを介して接続可能な複数の対地について、いずれかの対地から他のいずれかの対地に通信を行う際に支援を行う通信支援システムであって、当該対地の状態を示す映像を取り込む撮像手段と、映像の表示を行うための表示手段と、上記撮像手段から映像データを取り込むと共に、取り込んだ映像データを他の対地のために送信し、かつ、送られてきた、他の対地についての映像データを受信して、上記表示手段に表示させる映像通信装置とを、各対地ごとに備え、かつ、通信システムを介して、いずれかの対地からの他のいずれかの対地の状態を示す情報の要求があると、通信システムを介して、当該他の対地の映像通信装置に対して、当該対地についての映像データを要求元の対地の映像通信装置に送るよう指示する手段を備えることを特徴とする通信支援システム。
【請求項2】請求項1記載において、上記映像通信装置は、通信システムを介して通信を行うための通信接続手段と、撮像手段から取り込んだ映像データを取り込むごとに更新して記憶する記憶手段と、通信接続手段で受信した映像データを表示手段に出力する手段とを備えることを特徴とする通信支援システム。
【請求項3】請求項1または2において、表示手段は、人物を、見かけ上、等身大のイメージで表示できる大きさのディスプレイを有する通信支援システム。
【請求項4】請求項1において、当該対地におけるユーザの所在を示すユーザ位置情報を登録するためのユーザ位置登録手段をさらに備える通信支援システム。
【請求項5】請求項4において、ユーザ位置登録手段は、それぞれ固有の識別子を付与された複数の携帯端末と、各対地ごとに設けられ、それぞれの対地内で、当該対地内に所在する携帯端末の識別子を検出する基地局と、検出された携帯端末の識別子の情報を、検出した基地局から通信システムを介して受信し、基地局と携帯端末の識別子との対応関係を示す情報を記憶する手段を有する携帯端末管理装置とを備えることを特徴とする通信支援システム。
【請求項6】少なくとも1つの通信手段を含む通信システムを介して接続可能な複数の対地について、いずれかの対地から他のいずれかの対地に通信を行う際に支援を行う通信支援システムであって、それぞれ固有の識別子を付与された複数の携帯端末と、各対地ごとに設けられ、それぞれの対地内で、当該対地内に所在する携帯端末の識別子を検出する基地局と、検出された携帯端末の識別子の情報を、検出した基地局から通信システムを介して受信し、基地局と携帯端末の識別子との対応関係を示す情報を記憶する手段を有する携帯端末管理装置とを備えることを特徴とする通信支援システム。
【請求項7】請求項5または6において、各携帯端末は、基地局と無線通信で通信することができる無線通信部と、電源をオンさせた時に、上記無線通信部に、当該端末に付与された識別子の送信を行わせる手段とを備えることを特徴とする通信支援システム。
【請求項8】請求項7において、携帯端末を保持するユーザの個人情報を蓄積管理する個人情報蓄積管理装置をさらに備え、携帯端末管理装置は、携帯端末とこれを保持するユーザとの対応関係を示す情報を予め記録する手段と、上記記憶される、携帯端末とこれを保持するユーザとの対応関係を示す情報と、基地局と携帯端末の識別子との対応関係を示す情報とを用いて、ユーザの所在位置を示す情報を生成し、通信システムを介して、個人情報蓄積管理装置に送信する手段とを備えることを特徴とする通信支援システム。
【請求項9】請求項8において、携帯端末は、受信者となるべきユーザを指定するための入力の受け付けが少なくとも可能な入力部と、上記無線通信部に、受信者となるべきユーザの指定を、基地局を介して個人情報蓄積管理装置に送信させる手段と、それ自身が生成したデータおよび外部から送られてきたデータの表示を行うための表示部と、上記無線通信部が受信した内容を表示部に表示させる手段とをさらに備えることを特徴とする通信支援システム。
【請求項10】請求項9において、個人情報蓄積管理装置は、ユーザが個人的に利用可能な通信手段を示す情報、および、ある対地で利用可能な通信手段を示す情報のうち、少なくとも一方を含む通信手段情報が登録される通信手段情報登録手段と、携帯端末管理装置から送られる、ユーザの所在位置を示す情報を受信して、蓄積するユーザ位置情報蓄積手段と、基地局を介して携帯端末から送られる、受信者となるべきユーザの指定を受信すると、ユーザ位置情報を参照して、通信手段情報登録手段から指定されたユーザの通信手段情報を読みだして、通信システムを介して、上記携帯端末管理装置に送信する手段を備えることを特徴とする通信支援システム。
【請求項11】請求項10において、上記携帯端末管理装置は、上記個人情報蓄積管理手段から送られた通信手段情報を、発信者の携帯端末に送信する手段を備え、携帯端末は、上記無線通信部が受信した内容を表示部に表示させる手段に、上記携帯端末管理装置から送られる通信手段情報を、表示部に表示させることを特徴とする通信システム。
【請求項12】請求項8において、通信システムは、各対地に置かれる電話器と、これらの電話器の内線接続および外線との接続を行う交換機を備え、上記個人情報蓄積管理装置は、ある対地で利用可能な、電話器を含む通信手段を示す情報を少なくともを含む通信手段情報が登録される通信手段情報登録手段と、携帯端末管理装置から送られる、ユーザの所在位置を示す情報を受信して、蓄積するユーザ位置情報蓄積手段と、ユーザ位置情報を参照して、当該ユーザが所在する対地での通信手段情報を読みだして、ユーザごとに、使用できる対地データの通信手段の電話番号を、通信システムを介して、交換機に送信する手段を備え、上記交換機は、送信された電話番号を、当該ユーザのそれまでの電話番号に対する転送先電話番号として登録する手段を備えることを特徴とする通信支援システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
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【図11】
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【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開平8−335953
【公開日】平成8年(1996)12月17日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−141492
【出願日】平成7年(1995)6月8日
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【公開日】平成8年(1996)12月17日
【国際特許分類】
【出願日】平成7年(1995)6月8日
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
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