説明

通信機器、消費電力制御方法、およびプログラム

【課題】家電の優先度を設定することなくデマンド制御を行なうことが可能な通信装置を提供する。
【解決手段】通信アダプタ401は、外部の機器から、宅内の消費電力を指定された割合だけ削減するための削減指示DRαを受信すると、家電301の制御に用いる複数の指示内容のうちの指定された優先順位の指示内容に基づいて、家電301を制御する。通信アダプタ401は、指定された優先順位の指示内容に基づいた制御後に家電301において指定された割合の消費電力が削減されていない場合には、家電301の制御に用いる指示内容を、優先順位が1つ下位となる指示内容に切り換える。通信アダプタ401は、切り換え後の指示内容に基づいて家電301を制御する。通信アダプタ401は、家電301において指定された割合の消費電力が削減されるまで、指示内容の切り換えと、当該切り換え後の指示内容に基づいた家電301の制御とを繰り返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信機器、消費電力制御方法、およびプログラムに関する。特に、宅内における複数の家電を制御するための通信機器、消費電力制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力のデマンド制御を行なう装置が知られている。
たとえば、特許文献1には、上記の装置として、デマンド制御の優先度を設定するデマンド優先度設定手段および設定された優先度をコントローラに通知する優先度通知手段を、家電機器側にそれぞれ設置し、コントローラが、優先度通知手段からの優先度に従ってデマンド制御対象の家電機器の順番を決定する構成が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、ユーザが契約した消費電流値を超えそうな場合、ユーザが、電波リモコンで、エアコンの電波リモコン受信部に対して、運転停止や消費電力を下げる運転に移行するような電文を送信する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−75015号公報
【特許文献2】特開2010−74591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のデマンド制御を行なう装置では、コントローラが制御対象である複数の家電を制御する構成であるため、複雑な構成となってしまう。
【0006】
本願は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、簡易な構成で、家電のデマンド制御を行なうことが可能な、通信機器、消費電力制御方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある局面に従うと、通信機器は、宅内における複数の家電のうちの1つの家電と通信可能に接続されている。通信機器は、プロセッサと、メモリと、通信インターフェイスとを備える。メモリは、接続された家電の制御に用いる複数の指示内容を、優先順位を対応付けて格納している。プロセッサは、通信インターフェイスを用いて、外部の機器から、宅内の消費電力を指定された割合または当該割合以上削減するための削減指示を受信する。プロセッサは、削減指示を受信すると、複数の指示内容のうち指定された優先順位の指示内容に基づいて、接続された家電を制御する。プロセッサは、指定された優先順位の指示内容に基づいた制御後に、接続された家電において指定された割合の消費電力が削減されていない場合には、接続された家電の制御に用いる指示内容を、優先順位が1つ下位となる指示内容に切り換える。プロセッサは、切り換え後の指示内容に基づいて、接続された家電を制御する。プロセッサは、接続された家電において指定された割合の消費電力が削減されるまで、切り換えと、当該切り換え後の指示内容に基づいた接続された家電の制御とを繰り返す。
【0008】
好ましくは、優先順位が低いほど、接続された家電の消費電力の削減割合が大きい。
好ましくは、指示内容に対して、消費電力の削減割合が予め対応付けられている。指定された優先順位の指示内容は、指定された割合に応じた削減割合に対応付けられた指示内容である。
【0009】
好ましくは、プロセッサは、指定された割合と、接続された家電において指定された割合の消費電力が削減されたときの指示内容に対応付けられた削減割合とを対応付けてメモリに格納する。プロセッサは、外部の機器から、指定された割合と同じ割合または当該割合以上の消費電力を削減するための削減指示を再度受信した場合、メモリにおいて当該指定された割合に対応付けられた削減割合となる指示内容に基づいて、接続された家電を制御する。プロセッサは、指定された割合に対応付けられた削減割合となる指示内容に基づいた制御によっても、接続された家電において指定された割合の消費電力が削減されていない場合には、切り換えと、当該切り換え後の指示内容に基づいた接続された家電の制御とを繰り返す。
【0010】
好ましくは、プロセッサは、複数の指示内容のうち1つの指示内容を選択するための選択指示と、当該選択された指示内容を更新する更新指示とを受け付けた場合、当該選択された指示内容を更新指示に基づいた指示内容に更新する。
【0011】
好ましくは、通信機器は、通信機能を備えた電力量計に通信可能に接続されたアダプタである。外部機器は、電力量計である。
【0012】
好ましくは、通信機器は、複数の家電を管理するコントローラに接続されたアダプタである。アダプタは、コントローラおよびアダプタに接続された家電のうちのいずれか一方から受信する通信データを他方と通信可能な通信形式に変換する。外部機器は、コントローラである。
【0013】
好ましくは、通信機器は、削減指示を受信すると、複数の指示内容のうち最も優先順位が高い指示内容に基づいて、接続された家電を制御する。
【0014】
好ましくは、接続された家電は、温度制御を行なう装置である。通信機器は、温度計をさらに備える。メモリは、複数の指示内容を、温度に区分して格納している。プロセッサは、削減指示を受信すると、温度計から温度を取得する。プロセッサは、取得した温度が含まれる区分における複数の指示内容のうち、指定された優先順位の指示内容に基づいて、接続された家電を制御する。
【0015】
好ましくは、接続された家電は、温度制御を行なう装置である。通信機器は、時計をさらに備える。メモリは、複数の指示内容を、時刻に区分して格納している。プロセッサは、削減指示を受信すると、時計から時刻を取得する。プロセッサは、取得した時刻が含まれる区分における複数の指示内容のうち、指定された優先順位の指示内容に基づいて、接続された家電を制御する。
【0016】
好ましくは、接続された家電は、照明装置またはディスプレイを有する装置である。通信機器は、照度計をさらに備える。メモリは、複数の指示内容を、照度に区分して格納している。プロセッサは、削減指示を受信すると、照度計から照度を取得する。プロセッサは、取得した照度が含まれる区分における複数の指示内容のうち、指定された優先順位の指示内容に基づいて、接続された家電を制御する。
【0017】
好ましくは、プロセッサは、複数の家電が設置された部屋に設置されたセンサからの出力を取得する。メモリは、複数の指示内容を、センサの出力に区分して格納している。プロセッサは、削減指示を受信した場合、センサの出力に対応する区分における複数の指示内容のうち、指定された優先順位の指示内容に基づいて、接続された家電を制御する。
【0018】
好ましくは、センサは、人感センサまたは照度センサである。
本発明の他の局面に従うと、消費電力制御方法は、宅内における複数の家電のうちの1つの家電と通信可能に接続された通信機器における消費電力制御方法である。通信機器のメモリは、接続された家電の制御に用いる複数の指示内容を、優先順位を対応付けて格納している。消費電力制御方法は、通信機器のプロセッサが、通信インターフェイスを用いて、外部の機器から、宅内の消費電力を指定された割合または当該割合以上削減するための削減指示を受信するステップと、プロセッサが、削減指示を受信すると、複数の指示内容のうち指定された優先順位の指示内容に基づいて、接続された家電を制御するステップと、プロセッサが、指定された優先順位の指示内容に基づいた制御後に、接続された家電において指定された割合の消費電力が削減されていない場合には、接続された家電の制御に用いる指示内容を、優先順位が1つ下位となる指示内容に切り換えるステップと、プロセッサが、切り換え後の指示内容に基づいて、接続された家電を制御するステップと、プロセッサが、接続された家電において指定された割合の消費電力が削減されるまで、切り換えと、当該切り換え後の指示内容に基づいた接続された家電の制御とを繰り返すステップとを備える。
【0019】
本発明のさらに他の局面に従うと、プログラムは、宅内における複数の家電のうちの1つの家電と通信可能に接続された通信機器を制御するためのプログラムである。通信機器のメモリは、接続された家電の制御に用いる複数の指示内容を、優先順位を対応付けて格納している。プログラムは、通信機器の通信インターフェイスを用いて、外部の機器から、宅内の消費電力を指定された割合または当該割合以上削減するための削減指示を受信するステップと、削減指示を受信すると、複数の指示内容のうち指定された優先順位の指示内容に基づいて、接続された家電を制御するステップと、指定された優先順位の指示内容に基づいた制御後に、接続された家電において指定された割合の消費電力が削減されていない場合には、接続された家電の制御に用いる指示内容を、優先順位が1つ下位となる指示内容に切り換えるステップと、切り換え後の指示内容に基づいて、接続された家電を制御するステップと、接続された家電において指定された割合の消費電力が削減されるまで、切り換えと、当該切り換え後の指示内容に基づいた接続された家電の制御とを繰り返すステップとを、通信機器のプロセッサに実行させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、簡易な構成で、家電のデマンド制御を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】通信システムの概略構成を説明するための図である。
【図2】通信システムにおける各機器の処理の概要を説明するための図である。
【図3】スマートメータのハードウェア構成を表した図である。
【図4】ホームコントローラの構成を説明するための図である。
【図5】異なる形態のテーブルを表した図である。
【図6】異なる形態の他のテーブルを表した図である。
【図7】異なる形態のさらに他のテーブルを表した図である。
【図8】通信システムにおけるシーケンスチャートである。
【図9】ホームコントローラにおけるデータ処理の流れを示したフローチャートである。
【図10】通信システムの変形例である他の通信システムを説明するための図である。
【図11】さらに他の通信システムの概略構成を説明するための図である。
【図12】図11の通信システムにおける各機器の処理の概要を説明するための図である。
【図13】通信アダプタの構成と家電の構成とを説明するための図である。
【図14】通信アダプタのハードウェア構成を表した図である。
【図15】気温情報および時刻情報を利用しない場合におけるテーブルの具体例を示した図である。
【図16】気温情報を利用する場合におけるテーブルの具体例を示した図である。
【図17】時刻情報を利用する場合におけるテーブルの具体例を示した図である。
【図18】通信アダプタのメモリに格納されているテーブルの一例を表した図である。
【図19】他の通信アダプタのメモリに格納されているテーブルの一例を表した図である。
【図20】さらに他の通信アダプタのメモリに格納されているテーブルの一例を表した図である。
【図21】図11の通信システムにおけるシーケンスチャートである。
【図22】通信アダプタにおけるフローチャートである。
【図23】図11における通信システムの他の変形例である通信システムを説明するための図である。
【図24】図11における通信システムのさらに他の変形例である通信システム1Dを説明するための図である。
【図25】さらに他の通信システムの概略構成を説明するための図である。
【図26】センサと家電との対応関係を説明するための図である。
【図27】他のスマートメータ10のハードウェア構成を表した図である。
【図28】センサが人感センサである場合において、ホームコントローラが用いるテーブルを表した図である。
【図29】センサが照度センサである場合において、ホームコントローラが用いるテーブルを表した図である。
【図30】図25における通信システムの変形例である通信システムを説明するための図である。
【図31】さらに他の通信システムの概略構成を説明するための図である。
【図32】さらに他の通信アダプタのハードウェア構成を表した図である。
【図33】通信アダプタが利用するテーブルの具体例を表した図である。
【図34】通信アダプタが利用するテーブルの具体例を表した図である。
【図35】通信アダプタが利用するテーブルの具体例を表した図である。
【図36】通信アダプタが利用するテーブルの具体例を表した図である。
【図37】通信アダプタが利用するテーブルの具体例を表した図である。
【図38】図31の通信システムの変形例である通信システムを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る通信システムについて説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0023】
[実施の形態1]
<A.システム構成>
図1は、通信システム1の概略構成を説明するための図である。図1を参照して、通信システム1は、スマートメータ10と、ホームコントローラ20と、家電群30とを備える。家電群30は、複数の家電を含む。家電群30は、たとえば、エアーコンディショナ301と、冷蔵庫302と、照明装置303と、テレビ304と、洗濯機305と、電子レンジ306とを含む。スマートメータ10は、建物9の外(宅外)に設置されている。ホームコントローラ20と、家電群30とは、建物9の中(宅内)に設置されている。なお、以下では、説明の便宜上、家電群30に含まれる各家電301〜306を区別することなく表す場合には、「家電300」と表記する。
【0024】
なお、家電群30は、エアーコンディショナ301と、冷蔵庫302と、照明装置303と、テレビ304と、洗濯機305と、電子レンジ306とを含むが、特にこられに限定されるものではない。たとえば、家電群30は、IH(Induction Heating)調理器、炊飯器、電気暖房機、電子ブラインド、床暖房、電気温水器等の電気機器を含んでもよい。
【0025】
スマートメータ10は、通信機能を有する電力量計である。スマートメータ10は、ホームコントローラ20と通信可能に接続されている。スマートメータ10は、各家電300と電力線により各家電300に給電可能に接続されている。スマートメータ10は、電力会社8の発電所80が発電した電力を、電力系統81を介して受電する。
【0026】
スマートメータ10は、電力会社8から、建物9における消費(使用)電力(以下、単に「消費電力」と称する)を削減するための削減指示DRαを受信する。典型的には、スマートメータ10は、電力会社8から、建物9における予め定められた時間当たりの消費(使用)電力(以下、単に「消費電力」と称する)を削減するための削減指示DRαを受信する。より正確には、スマートメータ10は、電力会社8から、建物9における単位時間当たりの消費電力量(電力×時間)を削減するための削減指示DRαを受信する。
【0027】
スマートメータ10は、受信した削減指示DRαをホームコントローラ20に送信する。削減指示DRαとしては、消費電力を或る割合(たとえば2割(20パーセント))削減するための指示、消費電力を或る割合以上削減するための指示、消費電力を或る電力だけ削減するための指示、消費電力を或る電力以上だけ削減するための指示等が挙げられる。以下では、説明の便宜上、削減指示DRαとして、消費電力を或る割合削減するための指示をスマートメータ10が受信する場合を例に挙げて説明する。なお、後述する実施の形態2においても、同様である。
【0028】
ホームコントローラ20は、各家電300を制御するためのコントローラである。ホームコントローラ20は、スマートメータ10および各家電300と通信可能に接続されている。ホームコントローラ20は、スマートメータ10から受信した削減指示DRαに対して予め定められたプロトコル変換を行なうことにより、家電群30が利用可能な削減指示DRβを生成する。ホームコントローラ20は、削減指示DRβを各家電300に送信する。
【0029】
各家電300は、スマートメータ10を介して受電する。各家電300は、ホームコントローラ20からの削減指示DRβを受信する。各家電300は、削減指示DRβに基づき動作状態を変更する。一例として、エアーコンディショナ301は、冷房運転時には設定温度を上げ、暖房運転時には設定温度を下げる。
【0030】
ホームコントローラ20は、削減指示DRβの送信後の予め定められたタイミングで、スマートメータ10から建物9における消費電力を取得する。ホームコントローラ20は、当該取得した消費電力と削減指示DRαに示された削減割合とに基づき、電力会社から指示された削減割合の消費電力の削減が達成できているか否かを判断する。ホームコントローラ20は、達成できていないと判断した場合、さらなる処理を行なう。当該処理の詳細については、後述する(図2)。
【0031】
ここで、ホームコントローラ20が或る割合の消費電力を削減する指示を各家電300に送信しているにも拘わらず、家電群300の消費電力が当該指示された割合(率)だけ削減されていない状態が発生する理由は、以下のとおりである。たとえば、エアーコンディショナ301は、冷房運転時には、送風運転への切り換え、運転停止などにより、指示された割合以上の消費電力の削減が可能である。一方、冷蔵庫302は、庫内の設定温度を上昇させることは可能であるが、上昇幅には限度がある。また、洗濯機305も運転を取り止めることは適切でないため、消費電力の削減には限度がある。このような理由等から、電力会社8から指示された割合だけ消費電力が削減されていない状態が発生してしまう。
【0032】
<B.概要>
図2は、通信システム1における各機器10,20,30の処理の概要を説明するための図である。具体的には、図2は、スマートメータ10が、一例として電力会社8から消費電力を20%削減するようにとの指示を受信した場合における、各機器10,20,30の処理の概要を説明するための図である。
【0033】
図2を参照して、スマートメータ10は、消費電力を20%削減するための削減指示DRαをホームコントローラ20に送信する。ホームコントローラ20は、削減指示DRαを受信する。ホームコントローラ20は、メモリに予め格納しておいた更新前のテーブル240を参照して、削減指示DRαによって指示された割合(20%)に対応する割合(20%)だけ消費電力を削減するための削減指示DRβを生成する。当該テーブル240には、削減指示DRαに示された割合(図中には削減指示DRαとして表記)と、当該削減割合に対応する割合(図中には削減指示DRβとして表記)とが対応付けられている。
【0034】
ホームコントローラ20は、生成した削減指示DRβを、家電群30の各家電300(301〜306)に送信する。各家電300は、削減指示DRβに基づき、動作状態を変更する。ホームコントローラ20は、削減指示DRβの送信後において、建物9についての消費電力をスマートメータ10から取得する。
【0035】
ホームコントローラ20は、取得した消費電力と削減指示DRαに示された削減割合とに基づき、消費電力を20%削減できているか否かを判断する。ホームコントローラ20は、消費電力を20%削減できていないと判断した場合には、削減指示DRβを、前回送信した削減指示DRβよりも多くの消費電力の削減を要求する削減指示DRβに更新する。ホームコントローラ20は、当該更新後の削減指示DRβを各家電300に送信する。たとえば、ホームコントローラ30は、消費電力を30%削減するための削減指示DRβを各家電300に送信する。
【0036】
各家電300は、消費電力を30%削減するための削減指示DRβに基づき、動作状態を変更する。各家電300は、動作状態変更後の消費電力をホームコントローラ20に送信する。ホームコントローラ20は、当該削減指示DRβの送信後において、建物9についての消費電力をスマートメータ10から取得する。
【0037】
ホームコントローラ20は、取得した消費電力と削減指示DRαに示された削減割合とに基づき、家電群30全体として消費電力を20%削減できているか否かを再度判断する。ホームコントローラ20は、消費電力を20%削減できていない場合には、削減指示DRβを、前回送信した削減指示DRβよりも多くの消費電力の削減を要求する削減指示DRβに更新する。ホームコントローラ20は、当該更新後の削減指示DRβを各家電300に送信する。たとえば、ホームコントローラ30は、消費電力を40%削減するための削減指示DRβを各家電300に送信する。
【0038】
各家電300は、消費電力を40%削減するための削減指示DRβに基づき、動作状態を変更する。ホームコントローラ20は、当該削減指示DRβの送信後において、建物9についての消費電力をスマートメータ10から取得する。
【0039】
ホームコントローラ20は、取得した消費電力と削減指示DRαに示された削減割合とに基づき、家電群30全体として消費電力を20%削減できているか否かを再度判断する。ホームコントローラ20は、消費電力を20%削減できたと判断すると、削減指示DRβの再度の送信を行なうことなく、テーブル240を更新する。具体的には、ホームコントローラ20は、削減指示DRαの欄における値20%に対応する、削減指示DRβの欄の「20%」を「40%」に更新する。
【0040】
なお、ホームコントローラ20は、削減指示DRαの欄における割合30%および割合40%に対応する削減指示DRβの欄の割合についても、併せて更新することが好ましい。この場合には、ホームコントローラ20は、たとえば、削減指示DRαの値30%に対応する削減指示DRβの値30%を値50%に更新し、削減指示DRαの40%に対応する削減指示DRβの値40%を値60%に更新すればよい。
【0041】
また、ホームコントローラ20は、前回の割合(20%)と同じ割合の消費電力を削減する削減指示DRαを再度受信した場合、テーブル240において当該割合に対応付けられた割合(40%)の消費電力を削減するための削減指示DRβを、各家電300に送信する。
【0042】
以上のように、ホームコントローラ20は、各家電300に送信する削減指示DRβにおける削減割合を増加させることにより、消費電力の削減がさらに可能な家電のみが消費電力をさらに削減することになる。これにより、ホームコントローラ20は、家電群30の消費電力(各家電300の消費電力の総和)を、電力会社8から指示された割合だけ削減することが可能となる。
【0043】
また、ホームコントローラ20は、テーブル240を更新するため、前回の割合と同じ割合の消費電力を削減する削減指示DRαを再度受信した場合には、より速やかに、家電群30の消費電力を電力会社8から指示された割合だけ削減することが可能となる。なお、以下では、ホームコントローラ20によるテーブル240の更新機能を、「学習機能」とも称する。
【0044】
なお、上記においては、削減割合を10%づつ増加させる例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。ホームコントローラ20が、削減割合を予め定められた値だけ増加させる構成であればよい。
【0045】
以下、上記の処理を実現するための各機器10,20,30の具体的に構成について説明する。
【0046】
<C.ハードウェア構成>
図3は、スマートメータ10のハードウェア構成を表した図である。図3を参照して、スマートメータ10は、CPU(Central Processing Unit)11と、メモリ12と、照度計13と、温度計14と、系統用通信インターフェイス15と、電力量計16と、宅内用通信インターフェイス17とを備える。
【0047】
メモリ12は、各種のRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクなどによって実現される。メモリ12は、CPU201によって実行される、OS(Operation System)、各種の制御プログラム、並びにCPU201によって読み出される各種データを格納する。
【0048】
照度計13は、宅外の照度を測定する。照度計13は、CPU11の指示に基づき、測定結果(照度情報)をCPU11に通知する。温度計14は、宅外の外気温度を測定する。温度計14は、CPU11の指示に基づき、測定結果(温度情報)をCPU11に通知する。各測定結果の利用方法については、後述する(図5、図6)。
【0049】
系統用通信インターフェイス15は、電力会社8との通信に用いるインターフェイスである。スマートメータ10は、系統用通信インターフェイス15を用いて、削減指示DRαを受信する。
【0050】
電力量計16は、電力会社8から受電した電力を、家電群30に送電する。また、電力量計16は、建物9における消費電力を測定する。なお、ホームコントローラ20が、電力量計16から消費電力を取得してもよい。
【0051】
宅内用通信インターフェイス17は、ホームコントローラ20に対して、削減指示DRαを送信する。宅内用通信インターフェイス17は、ホームコントローラからの指示に基づき、指示を付けつけた時点における消費電力をホームコントローラ20に送信する。
【0052】
図4は、ホームコントローラ20の構成を説明するための図である。図4(a)は、ホームコントローラ20の外観を表した図である。図4(b)は、ホームコントローラ20のハードウェア構成の一態様を表わすブロック図である。
【0053】
図4(a)を参照して、ホームコントローラ20は、CPU201と、ボタン204と、通信インターフェイス205と、タッチパネル付きディスプレイ206と、スピーカ207と、時計208と、メモリ209とを含む。タッチパネル付きディスプレイ206は、ディスプレイ202と、タブレット203とで構成され、ディスプレイ202の表面にタブレット203が敷設されている。ただし、ホームコントローラ20は、タブレット203を有していなくともよい。
【0054】
メモリ209は、各種のRAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスクなどによって実現される。たとえば、メモリ209は、読取用のインターフェイスを介して利用される、USB(Universal Serial Bus)メモリ、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated
Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、不揮発的にプログラムを格納する媒体などによっても実現される。
【0055】
メモリ209は、CPU201によって実行される、OS、各種の制御プログラム、並びにCPU201によって読み出されるテーブル240等の各種データテーブルを格納する。
【0056】
ディスプレイ202は、CPU201によって制御されることによって、各家電300の状態を表示する。より詳しくは、ディスプレイ202は、各家電300の消費電力、家電群30の消費電力の総和、電力会社8からの削減指示の内容等の各種情報を表示する。タブレット203は、ユーザの指によるタッチ操作を検出して、タッチ座標などをCPU201に入力する。CPU201は、タブレット203を介して、ユーザからの命令を受け付ける。
【0057】
ボタン204は、ホームコントローラ20の表面に配置される。決定キー、方向キー、テンキーなどの複数のボタンがホームコントローラ20に配置されても良い。ボタン204は、ユーザからの命令を受け付ける。ボタン204は、ユーザからの命令をCPU201に入力する。
【0058】
通信インターフェイス205は、CPU201によって制御されることによって、ネットワークを介して、家電群30の各家電300とデータを送受信する。通信インターフェイス205は、たとえば、無線LAN、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、有線LAN、またはPLCなどを利用することによって、各家電300とデータを送受信する。
【0059】
スピーカ207は、CPU201からの命令に基づいて、音声を出力する。たとえば、CPU201は、音声データに基づいて、スピーカ207に音声を出力させる。
【0060】
時計208は、CPU201からの命令に基づいて、現在の日付や時刻をCPU201に入力する。
【0061】
CPU201は、メモリ209に記憶されている各種のプログラムを実行することによって、各種の情報処理などを実行する。換言すれば、ホームコントローラ20における処理は、各ハードウェアおよびCPU201により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、メモリ209に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、記憶媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。
【0062】
このようなソフトウェアは、図示しない読取装置を利用することによってその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信インターフェイス205を利用することによってダウンロードされて、メモリ209に一旦格納される。CPU201は、ソフトウェアを実行可能なプログラムの形式でメモリ209に格納してから、当該プログラムを実行する。
【0063】
なお、記憶媒体としては、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、不揮発的にプログラムを格納する媒体(一時的ではない媒体)が挙げられる。
【0064】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0065】
なお、後述するホームコントローラ20Bおよびホームコントローラ20Bについても、ホームコントローラ20と同様のハードウェア構成を有する。
【0066】
<D.データ>
次に、ホームコントローラ20の時計208と、スマートメータ10の照度計13および温度計14とを用いた構成について説明する。具体的には、時計208、照度計13、および温度計14のうちの少なくとも1つを用いた場合における、ホームコントローラ20が利用するテーブルの更新例について説明する。
【0067】
(d1.温度情報)
図5は、テーブル240とは異なる形態のテーブル251を表した図である。図5(a)は、温度計14を利用する場合におけるテーブル251のデフォルト状態を表した図である。図5(b)は、温度計14を利用した場合における、或る時点でのテーブル251の状態を表した図である。つまり、図5(b)は、学習機能が実行された後のテーブルを表した図である。
【0068】
図5(a)を参照して、ホームコントローラ20は、割合を示す値(%表記)と気温についての複数の区分とに対応付けた各家電300に指示する削減割合(削減指示DRβの削減割合)を表したテーブル251を格納している。当該削減割合のデフォルト値は、最も左の欄における割合を表す値と同じである。たとえば、当該割合を表す値が10%である場合、いずれの気温の区分においても、各家電300に指示する削減割合のデフォルト値は10%となっている。また、当該割合を表す値は、削減指示DRαに示される消費電力の削減の割合に対応している。
【0069】
ホームコントローラ20のCPU201は、スマートメータ10の温度計14から、温度情報を取得する。CPU201は、電力会社8からスマートメータ10を介して削減指示DRαを受信した場合には、当該削減指示DRαに示された割合に対応する、上記取得した温度情報が示す気温の区分における値を読み出す。CPU201は、削減割合が当該読み出した値となる削減指示DRβを生成し、各家電300に送信する。
【0070】
たとえば、取得した温度情報が22℃を示している場合、CPU201は、テーブル251において、22℃が含まれる区分におけるデータを読み出す。ここで、たとえば、削減指示DRαが20%削減を要求する信号である場合、CPU201は、「20%」を読み出す。
【0071】
ホームコントローラ20は、以後、図2に基づいて説明したように、電力会社8から指示された消費電力の削減を達成するまで、宅内の消費電力の取得と、削減指示DRβの更新と、各家電300への当該更新後の削減指示DRβの送信とを繰り返す。ホームコントローラ20は、指示された消費電力の削減を達成した場合、テーブル251を更新する。上記の場合、20℃以上25℃未満の区分における割合が20%に対応するデータを更新する。
【0072】
図5(b)は、より詳しくは、上記のテーブル251の更新が複数回行なわれた後の状態を示した図である。テーブル251における括弧書きの数値は、デフォルト状態から更新がされていないことを示している。なお、テーブル251が図5(b)の状態となった後は、ホームコントローラ20は、当該テーブル251を参照して、上述した繰り返し処理を実行する。
【0073】
以上のように、ホームコントローラ20は、削減指示DRαに示される削減割合(以下、「第1の割合」とも称する)と、宅内の消費電力が削減指示DRβを送信する前の消費電力以下になったときの削減指示DRβについての削減割合(以下、「第2の割合」とも称する)とを対応付けたデータを、温度情報に示された温度に応じて複数生成する。また、ホームコントローラ20は、宅外の電力系統81から第1の割合と同じ割合の消費電力を削減する削減指示DRαを再度受信した場合、温度情報を再度取得する。さらに、ホームコントローラ20は、上記対応付けされたデータにおいて再度取得した温度情報に示された温度に応じた第2の割合の消費電力を削減するための削減指示DRβを、各家電300に送信する。
【0074】
(d2.時刻情報)
図6は、テーブル240,251とは異なる形態のテーブル252を表した図である。図6(a)は、時計208を利用する場合におけるテーブル252のデフォルト状態を表した図である。図6(b)は、時計208を利用した場合における、或る時点でのテーブル252の状態を表した図である。つまり、図6(b)は、学習機能が実行された後のテーブルを表した図である。
【0075】
図6(a)を参照して、ホームコントローラ20は、割合を示す値(%表記)と時刻についての複数の区分(時間帯)とに対応付けた各家電300に指示する削減割合(削減指示DRβの削減割合)を表したテーブル252を格納している。当該削減割合のデフォルト値は、最も左の欄における割合を表す値と同じである。たとえば、当該割合を表す値が10%である場合、いずれの時刻の区分においても、各家電300に指示する削減割合のデフォルト値は10%となっている。また、当該割合を表す値は、削減指示DRαに示される消費電力の削減の割合に対応している。
【0076】
ホームコントローラ20のCPU201は、時計208から、時刻情報を取得する。CPU201は、電力会社8からスマートメータ10を介して削減指示DRαを受信した場合には、当該削減指示DRαに示された割合に対応する、上記取得した時刻情報が示す時刻の区分における値を読み出す。CPU201は、削減割合が当該読み出した値となる削減指示DRβを生成し、各家電300に送信する。
【0077】
たとえば、取得した時刻情報が13時を示している場合、CPU201は、テーブル252において、13時が含まれる区分におけるデータを読み出す。ここで、たとえば、削減指示DRαが20%削減を要求する信号である場合、CPU201は、「20%」を読み出す。
【0078】
ホームコントローラ20は、以後、図2に基づいて説明したように、電力会社8から指示された消費電力の削減を達成するまで、宅内の消費電力の取得と、削減指示DRβの更新と、各家電300への当該更新後の削減指示DRβの送信とを繰り返す。ホームコントローラ20は、指示された消費電力の削減を達成した場合、テーブル252を更新する。上記の場合、12:00:00〜15:59:59の区分における割合が20%に対応するデータを更新する。
【0079】
図6(b)は、より詳しくは、上記のテーブル252の更新が複数回行なわれた後の状態を示した図である。テーブル252における括弧書きの数値は、デフォルト状態から更新がされていないことを示している。なお、テーブル252が図6(b)の状態となった後は、ホームコントローラ20は、当該テーブル252を参照して、上述した繰り返し処理を実行する。
【0080】
以上のように、ホームコントローラ20は、削減指示DRαに示される削減割合(以下、「第1の割合」とも称する)と、宅内の消費電力が削減指示DRβを送信する前の消費電力以下になったときの削減指示DRβについての削減割合(以下、「第2の割合」とも称する)とを対応付けたデータを、時刻情報に示された時刻に応じて複数生成する。また、ホームコントローラ20は、宅外の電力系統81から第1の割合と同じ割合の消費電力を削減する削減指示DRαを再度受信した場合、時刻情報を再度取得する。さらに、ホームコントローラ20は、上記対応付けされたデータにおいて再度取得した時刻情報に示された時刻に応じた第2の割合の消費電力を削減するための削減指示DRβを、各家電300に送信する。
【0081】
(d3.照度情報・時刻情報・気温情報)
図7は、テーブル240,251とは異なる形態のテーブル263,264を表した図である。また、図7は、照度計13を利用した場合における、或る時点でのテーブルの状態を表した図である。つまり、図7は、学習機能が実行された後のテーブルを表した図である。
【0082】
図7(a)は、測定された照度が100ルクス以上の場合に用いるテーブル263を表した図である。図7(b)は、測定された照度が100ルクス未満の場合に用いるテーブル264を表した図である。なお、括弧書きの値は、現在の値がデフォルト値のままの状態であることを示している。
【0083】
以下、図7(a),(b)の利用方法について説明する。ホームコントローラ20は、スマートメータ10から削減指示DRαを受信したことに基づき、スマートメータ10から照度情報を取得する。ホームコントローラ20は、照度情報に基づき、使用するテーブルを選択する。具体的には、ホームコントローラ20は、照度情報が表す照度が100ルクス以上の場合にはテーブル263を使用し、照度が100ルクス未満の場合にはテーブル264を使用する。
【0084】
以下、ホームコントローラ20が、テーブル263を使用する場合について、具体例を挙げて説明する。たとえば、CPU201は、スマートメータ10から受信した削減指示DRαが20%の消費電力の削減を指示するものである場合に、時計208より取得した時刻が時刻帯16:00:00〜19:59:59であり、温度計14より取得した温度が20℃以上25℃未満であったとする。この場合には、CPU201は、テーブル263から値0.8を読み出す。さらに、CPU201は、指示された削減割合である値20パーセントを、読み出した値0.8で割る。CPU201は、当該割り算の商である25%を削減割合とする削減指示DRβを、各家電300に送信する。
【0085】
次に、CPU201は、スマートメータ10から受信した削減指示DRαが20%の消費電力の削減を指示するものである場合に、時計208より取得した時刻が時刻帯16:00:00〜19:59:59であり、温度計14より取得した温度が25℃以上30℃未満であったとする。この場合には、CPU201は、テーブル263から値0.7を読み出す。さらに、CPU201は、指示された削減割合である値20パーセントを、読み出した値0.7で割る。CPU201は、当該割り算の商である29%を削減割合とする削減指示DRβを、各家電300に送信する。
【0086】
また、ホームコントローラ20が、テーブル264を使用する場合も、テーブル263を用いて説明した処理と同様の処理がなされる。
【0087】
ホームコントローラ20は、テーブル263,264におけるデータの更新を、以下の手順により行なう。或る時間帯および或る温度の区分に着目して説明すると、ホームコントローラ20は、削減指示DRαに示された削減割合を、当該削減割合を達成できたときの削減割合で割る。ホームコントローラ20は、当該割り算の商の平均値をテーブル263,264におけるデータとする。ホームコントローラ20は、このような演算処理を、他の時間帯および他の温度の区分についても行なう。当該処理により、ホームコントローラ20は、テーブル263,264におけるデータを更新する。
【0088】
なお、上記においては、テーブル263,264は、削減指示DRαが示す削減割合に関係なく利用されるテーブルであるが、これに限定されるものではない。削減割合に応じて複数のテーブルを格納しておくように、ホームコントローラ20を構成してもよい。
【0089】
また、照度とは無関係に温度情報および時刻情報を使用するように、ホームコントローラ20を構成としてもよい。このように照度情報を用いない場合には、ホームコントローラ20は、以下の構成を有するといえる。ホームコントローラ20は、削減指示DRαに示される削減割合(第1の割合)と、宅内の消費電力が削減指示DRβを送信する前の消費電力以下になったときの削減指示DRβについての削減割合(第2の割合)とを対応付けたデータを、温度情報に示された温度と時刻情報に示された時刻とに応じて複数生成する。また、ホームコントローラ20は、宅外の電力系統81から第1の割合と同じ割合の消費電力を削減する削減指示DRαを再度受信した場合、温度情報と時刻情報とを再度取得する。さらに、ホームコントローラ20は、上記対応付けされたデータにおいて再度取得した温度情報に示された温度および時刻情報に示された時刻に応じた第2の割合の消費電力を削減するための削減指示DRβを、各家電300に送信する。
【0090】
一方、照度により処理を変える場合には、ホームコントローラ20は、以下の構成を有するといえる。ホームコントローラ20は、削減指示DRαに示される削減割合(第1の割合)と、宅内の消費電力が削減指示DRβを送信する前の消費電力以下になったときの削減指示DRβについての削減割合(第2の割合)とを対応付けたデータを、温度情報に示された温度と時刻情報に示された時刻と照度情報に示された照度とに応じて複数生成する。また、ホームコントローラ20は、宅外の電力系統81から第1の割合と同じ割合の消費電力を削減する削減指示DRαを再度受信した場合、温度情報と時刻情報と照度情報とを再度取得する。さらに、ホームコントローラ20は、上記対応付けされたデータにおいて再度取得した温度情報に示された温度と時刻情報に示された時刻と照度情報に示された照度とに応じた第2の割合の消費電力を削減するための削減指示DRβを、各家電300に送信する。
【0091】
<E.データ処理の流れ>
図8は、通信システム1におけるシーケンスチャートである。図8を参照して、ステップS2において、スマートメータ10は、削減指示DRαをホームコントローラ20に送信する。ステップS4において、ホームコントローラ20は、上述したテーブルを参照して、削減指示DRβを生成する。ステップS6において、ホームコントローラ20は、生成した削減指示DRβを家電群30における各家電300に送信する。
【0092】
ステップS8において、ホームコントローラ20は、スマートメータ10から、宅内における消費電力を取得する。ステップS10において、ホームコントローラ20は、電力会社8から指示された割合の消費電力を削減できたか否かを判断する。
【0093】
ホームコントローラ20は、削減できたと判断すると(ステップS10においてYES)、ステップS14において、上述したテーブルの更新を行なう。なお、ステップS10の処理の後、後述するステップS12の処理を一度も行なっていない場合には、テーブルの更新は行なわれない。
【0094】
ホームコントローラ20は、削減できていないと判断すると(ステップS10においてNO)、ステップS12の処理を実行する。以下、ステップS12の処理の詳細について説明する。
【0095】
ステップS122において、ホームコントローラ20は、各家電300に送信する削減指示DRβにおける削減割合を増加させる。ステップS124において、ホームコントローラ20は、家電群30の各家電300に対して、削減割合を増加させた削減指示DRβを送信する。ステップS126において、ホームコントローラ20は、宅内の消費電力をスマートメータ10から取得する。ステップS128において、ホームコントローラ20は、電力会社8から指示された割合の消費電力を削減できたか否かを判断する。
【0096】
ホームコントローラ20は、削減できたと判断した場合(ステップS128においてYES)、処理をステップS14に進める。ホームコントローラ20は、削減できていないと判断した場合(ステップS128においてNO)、処理をステップS122に進める。このように、ステップS12の処理が、電力会社8から指示された割合の消費電力の削減が達成されるまで、繰り返される。
【0097】
図9は、ホームコントローラ20におけるデータ処理の流れを示したフローチャートである。ステップS22において、ホームコントローラ20は、通信インターフェイス205を用いて、スマートメータ10から削減指示DRαを受信する。ステップS24において、ホームコントローラ20は、上述したテーブルを参照して、削減指示DRαに対応する削減割合を読み出し、当該削減割合の削減指示DRβを生成する。つまり、ホームコントローラ20は、削減指示DRαをプロトコル変換することにより、削減指示DRβを生成する。
【0098】
ステップS26において、ホームコントローラ20は、生成した削減指示DRβを各家電300に送信する。ステップS28において、ホームコントローラ20は、スマートメータ10から宅内における消費電力を取得する。ステップS30において、ホームコントローラ20は、削減指示DRαによって指示された割合の消費電力を削減できたか否かを判断する。
【0099】
ホームコントローラ20は、削減できたと判断した場合(ステップS30においてYES)、ステップS38において、テーブルの更新を行なう。なお、ステップS30の処理の後、後述するステップS32,S34,36の処理を一度も行なっていない場合には、テーブルの更新は行なわれない。
【0100】
ホームコントローラ20は、削減できていないと判断した場合(ステップS30においてNO)、ステップS32において、各家電300に指示する削減割合を増加させる。ステップS34において、ホームコントローラ20は、削減割合を増加させた後の削減指示DRβを各家電300に送信する。ステップS36において、ホームコントローラ20は、スマートメータから、宅内における消費電力を取得する。ホームコントローラ20は、ステップS30の処理の後は、処理をステップS30に進める。
【0101】
<F.変形例>
(f1.第1の変形例)
(1)図10は、通信システム1の変形例である通信システム1Aを説明するための図である。図10を参照して、通信システム1Aは、スマートメータを内蔵したホームコントローラ20Aと、家電群30の各家電300(301〜306)とを備える。つまり、ホームコントローラ20は、宅内の消費電力を測定するための測定装置を備える。
【0102】
通信システム1Aは、スマートメータとホームコントローラとが一体となっている点において、スマートメータ10とホームコントローラ20とが分離されている通信システム1とは異なる。ホームコントローラ20Aは、ホームコントローラ20とスマートメータ10との機能を備える。
【0103】
ホームコントローラ20Aは、一体型である点を除けば、スマートメータ10およびホームコントローラ20からなる構成と異なる点はない。したがって、ここでは、ホームコントローラ20Aにおける処理の詳細については、その説明を繰り返さない。なお、通信システム1Aによっても、通信システム1と同様の効果を奏することが可能となる。
【0104】
なお、後述するホームコントローラ20Dおよびホームコントローラ20Fについても、ホームコントローラ20Aと同様のハードウェア構成を有する。
【0105】
(2)上記においては、ホームコントローラ20が、スマートメータ10を介して、電力会社8より削減割合の指示を受け付ける構成を例に挙げて説明した。しかしながら、これに限定されるものではない。電力会社8からの削減指示は、削減割合の代わりに、削減量であってもよい。この構成の場合、ホームコントローラ20は、削減指示DRαに示された削減量を削減割合に変換し、当該変換により得られた削減割合の削減指示DRβを各家電300に送信すればよい。
【0106】
具体的には、ホームコントローラ20は、指定された削減量と、削減指示DRβを送信する前の宅内の消費電力とから、1回目に送信する削減指示DRβを生成すればよい。なお、1回目に送信する削減指示DRβとは、削減指示DRαを受け付けた後に、各家電300に最初に送信する削減指示DRβのことである。たとえば、宅内の消費電力が1kWである場合、ホームコントローラ20は、電力会社からたとえば0.3kWの削減指示を受け付けると、最初に、消費電力を30%削減するための削減指示DRβを各家電300に送信する。
【0107】
ホームコントローラ20の上記構成によって、通信システム1は、電力会社8から削減量を指示された場合であっても、電力会社8から削減割合を指示されたときと同様の効果を得ることができる。
【0108】
(f2.第2の変形例)
次に、建物9の中にセンサを備え、コントローラが当該センサからの出力に基づき各家電を制御する構成について説明する。
【0109】
図25は、通信システム1Eの概略構成を説明するための図である。図25を参照して、通信システム1Eは、スマートメータ10Eと、ホームコントローラ20Eと、家電群30と、センサ群60とを備える。センサ群60は、センサ601と、センサ602とを含む。スマートメータ10Eは、建物9の外に設置されている。ホームコントローラ20Eと、家電群30と、センサ群60とは、建物9の中に設置されている。なお、センサ群60に含まれる各センサ601,602を区別することなく表す場合には、「センサ600」と表記する。
【0110】
スマートメータ10Eは、通信機能を有する電力量計である。スマートメータ10Eは、ホームコントローラ20Eと通信可能に接続されている。スマートメータ10Eは、各家電300と電力線により各家電300に給電可能に接続されている。スマートメータ10Eは、電力会社8の発電所80が発電した電力を、電力系統81を介して受電する。
【0111】
スマートメータ10Eは、電力会社8から、建物9における消費電力を削減するための削減指示DRαを受信する。典型的には、スマートメータ10Eは、電力会社8から、建物9における予め定められた時間当たりの消費電力を削減するための削減指示DRαを受信する。より正確には、スマートメータ10Eは、電力会社8から、建物9における単位時間当たりの消費電力量(電力×時間)を削減するための削減指示DRαを受信する。
【0112】
スマートメータ10Eは、受信した削減指示DRαをホームコントローラ20に送信する。削減指示DRαとしては、消費電力を或る割合(たとえば2割(20%))削減するための指示、消費電力を或る割合以上削減するための指示、消費電力を或る電力だけ削減するための指示、消費電力を或る電力以上だけ削減するための指示等が挙げられる。
【0113】
ホームコントローラ20Eは、各家電300を制御するためのコントローラである。ホームコントローラ20Eは、スマートメータ10、各家電300、および各センサ600と通信可能に接続されている。ホームコントローラ20Eは、スマートメータ10から受信した削減指示DRαに対して予め定められたプロトコル変換を行なうことにより、上述した削減指示DRβを生成する。ホームコントローラ20Eは、削減指示DRβを各家電300に送信する。
【0114】
ホームコントローラ20Eは、削減指示DRβを生成する場合、センサ600からのセンサ出力を利用する。ホームコントローラ20Eは、たとえば、センサ600から第1の出力を取得した場合と第2の出力を取得した場合とで、削減指示DRβの内容を異ならせる。削減指示DRβの生成の詳細については、後述する。
【0115】
図26は、センサ600と家電300との対応関係を説明するための図である。図26(a)は、建物9の中(宅内)の見取り図である。図26(b)は、図26(a)に示したセンサ600と家電300との対応関係を表した表である。
【0116】
図26(a),(b)を参照して、建物9は、部屋Aと部屋Bとを備えている。部屋Aには、家電300として、エアーコンディショナ301と、照明装置303と、テレビ304とが設置されている。照明装置303は、部屋Aの天井に備え付けられている。また、部屋Aには、センサ601が設置されている。センサ601は、たとえば、照明装置303の近くに設置されている。部屋Bには、家電300として、冷蔵庫302と、洗濯機305と、電子レンジ306とが設置されている。また、部屋Aには、センサ601が設置されている。
【0117】
センサ600は、宅内の状態(環境)を検知する。センサ601は、部屋Aの状態を検知する。センサ602は、部屋Bの状態を検知する。センサ601,602は、たとえば、人感センサである。人感センサとしては、単に、人の在不在を検知するだけではなく、画像認識によって人の人数を検知可能な構成であってもよい。また、センサ601,602は、照度センサであってもよい。
【0118】
図27は、スマートメータ10Eのハードウェア構成を表した図である。図27を参照して、スマートメータ10Eは、CPU11と、メモリ12と、系統用通信インターフェイス15と、電力量計16と、宅内用通信インターフェイス17とを備える。つまり、スマートメータ10Eは、照度計13および温度計14を備えていない点において、図3に示したスマートメータ10とは異なる。その他の構成は、スマートメータ10Eとスマートメータ10とでは同じである。したがって、ここでは、スマートメータ10Eのハードウェアの詳細は、繰り返して説明しない。
【0119】
ホームコントローラ20Eは、部屋A用のテーブルを用いて、部屋Aに設置されているエアーコンディショナ301、照明装置303、およびテレビ304を制御する。ホームコントローラ20Eは、部屋B用のテーブルを用いて、部屋Bに設置されている冷蔵庫302、洗濯機305、および電子レンジ306を制御する。
【0120】
図28は、センサ601,602が人感センサである場合において、ホームコントローラ20Eが用いるテーブルを表した図である。つまり、図28は、テーブル240(図2)とは異なる形態のテーブル811,812とを表した図である。テーブル811は、部屋A用のテーブルである。テーブル812は、部屋B用のテーブルである。
【0121】
図28(a)は、人感センサを利用する場合におけるテーブル811,812のデフォルト状態を表した図である。図28(b)は、人感センサを利用した場合における、或る時点でのテーブル811の状態を表した図である。つまり、図28(b)は、学習機能が実行された後のテーブルを表した図である。図28(c)は、人感センサを利用した場合における、或る時点でのテーブル812の状態を表した図である。つまり、図28(c)は、学習機能が実行された後のテーブルを表した図である。なお、図28(b),(c)におけるテーブル811,812の括弧書きの数値は、デフォルト状態から更新がされていないことを示している。まり、図28(b),(c)におけるテーブル811,812は、ホームコントローラ20Eが削減指示DRαをスマートメータ10Eから再度受信したときに用いられる。
【0122】
図28(a)〜(c)を参照して、ホームコントローラ20Eは、センサ601,602が人を検知したときに用いるテーブル811と、人を検知しなったときに用いるテーブル812とをメモリ209に格納している。
【0123】
ホームコントローラ20Eは、スマートメータ10Eから削減指示DRαを受信した場合において、センサ601が人を検知しているときには、テーブル811における“人を検知”の欄に示した数値を用いて、エアーコンディショナ301、照明装置303、およびテレビ304を制御する。一方、ホームコントローラ20Eは、スマートメータ10Eから削減指示DRαを受信した場合において、センサ601が人を検知していないときには、テーブル811における“人を検知せず”の欄に示した数値を用いて、エアーコンディショナ301、照明装置303、およびテレビ304を制御する。
【0124】
また、ホームコントローラ20Eは、スマートメータ10Eから削減指示DRαを受信した場合において、センサ602が人を検知しているときには、テーブル812における“人を検知”の欄に示した数値を用いて、冷蔵庫302、洗濯機305、および電子レンジ306を制御する。一方、ホームコントローラ20Eは、スマートメータ10Eから削減指示DRαを受信した場合において、センサ602が人を検知していないときには、テーブル812における“人を検知せず”の欄に示した数値を用いて、冷蔵庫302、洗濯機305、および電子レンジ306を制御する。
【0125】
このように、ホームコントローラ20Eは、人がいる場合と人がいない場合とで、異なるテーブルを用いて各家電300を制御する。さらに、ホームコントローラ20Eは、テーブルを部屋ごとに有しており、部屋Aの家電の制御と部屋Bの家電の制御とで異なるテーブルを用いる。
【0126】
図29は、センサ601,602が照度センサである場合において、ホームコントローラ20Eが用いるテーブルを表した図である。つまり、図29は、テーブル240(図2)とは異なる形態のテーブル821,822とを表した図である。テーブル821は、部屋A用のテーブルである。テーブル822は、部屋B用のテーブルである。
【0127】
図29(a)は、照度センサを利用する場合におけるテーブル821,822のデフォルト状態を表した図である。図29(b)は、照度センサを利用した場合における、或る時点でのテーブル821の状態を表した図である。つまり、図29(b)は、学習機能が実行された後のテーブルを表した図である。図29(c)は、照度センサを利用した場合における、或る時点でのテーブル822の状態を表した図である。つまり、図29(c)は、学習機能が実行された後のテーブルを表した図である。なお、図29(b),(c)におけるテーブル821,822の括弧書きの数値は、デフォルト状態から更新がされていないことを示している。つまり、図29(b),(c)におけるテーブル811,812は、ホームコントローラ20Eが削減指示DRαをスマートメータ10Eから再度受信したときに用いられる。
【0128】
図29(a)〜(c)を参照して、ホームコントローラ20Eは、センサ601,602が人を検知したときに用いるテーブル821と、人を検知しなったときに用いるテーブル822とをメモリ209に格納している。
【0129】
ホームコントローラ20Eは、スマートメータ10Eから削減指示DRαを受信した場合において、センサ601が100lx未満の照度を検知しているときには、テーブル821における“100lx未満”の欄に示した数値を用いて、エアーコンディショナ301、照明装置303、およびテレビ304を制御する。一方、ホームコントローラ20Eは、スマートメータ10Eから削減指示DRαを受信した場合において、センサ601が100lx以上の照度を検知しているときには、テーブル821における“100lx以上”の欄に示した数値を用いて、エアーコンディショナ301、照明装置303、およびテレビ304を制御する。
【0130】
また、ホームコントローラ20Eは、スマートメータ10Eから削減指示DRαを受信した場合において、センサ602が100lx未満の照度を検知しているときには、テーブル822における“100lx未満”の欄に示した数値を用いて、冷蔵庫302、洗濯機305、および電子レンジ306を制御する。一方、ホームコントローラ20Eは、スマートメータ10Eから削減指示DRαを受信した場合において、センサ602が100lx以上の照度を検知しているときには、テーブル822における“100lx以上”の欄に示した数値を用いて、冷蔵庫302、洗濯機305、および電子レンジ306を制御する。
【0131】
このように、ホームコントローラ20Eは、検知した照度が予め定められた値以上か否かで異なるテーブルを用いて各家電300を制御する。さらに、ホームコントローラ20Eは、テーブルを部屋ごとに有しており、部屋Aの家電の制御と部屋Bの家電の制御とで異なるテーブルを用いる。
【0132】
図30は、通信システム1Eの変形例である通信システム1Fを説明するための図である。図30を参照して、通信システム1Fは、スマートメータを内蔵したホームコントローラ20Fと、家電群30の各家電300(301〜306)とを備える。つまり、ホームコントローラ20は、宅内の消費電力を測定するための測定装置を備える。
【0133】
通信システム1Fは、スマートメータとホームコントローラとが一体となっている点において、スマートメータ10Eとホームコントローラ20Eとが分離されている通信システム1Eとは異なる。ホームコントローラ20Fは、ホームコントローラ20Eとスマートメータ10Eとの機能を備える。
【0134】
ホームコントローラ20Fは、一体型である点を除けば、スマートメータ10Eおよびホームコントローラ20Eからなる構成と異なる点はない。したがって、ここでは、ホームコントローラ20Fにおける処理の詳細については、その説明を繰り返さない。なお、通信システム1Fによっても、通信システム1と同様の効果を奏することが可能となる。
【0135】
[実施の形態2]
<G.システム構成>
図11は、通信システム1Bの概略構成を説明するための図である。図1を参照して、通信システム1Bは、スマートメータ10と、ホームコントローラ20Bと、家電群30と、通信アダプタ群40とを備える。通信アダプタ群40は、複数の通信アダプタ401〜406を含む。ホームコントローラ20と、家電群30と、通信アダプタ群40とは、建物9の中(宅内)に設置されている。なお、以下では、説明の便宜上、通信アダプタ群40に含まれる各通信アダプタ401〜406を区別することなく表す場合には、「通信アダプタ400」と表記する。
【0136】
スマートメータ10は、受信した削減指示DRαをホームコントローラ20Bに送信する。
【0137】
ホームコントローラ20Bは、スマートメータ10および各通信アダプタ400と通信可能に接続されている。ホームコントローラ20Bは、スマートメータ10から受信した削減指示DRαに対して予め定められたプロトコル変換を行なうことにより、通信アダプタ群40が利用可能な削減指示DRβを生成する。ホームコントローラ20Bは、削減指示DRβを各通信アダプタ400に送信する。本実施の形態では、削減指示DRαにおける削減割合と、削減指示DRβにおける削減割合とは、1対1の関係にある。つまり、削減指示DRβの削減割合は、変化しない。具体的には、削減指示DRαにおける削減割合と、削減指示DRβにおける削減割合とは、常に同一である。
【0138】
各通信アダプタ400は、ホームコントローラ20Bと通信可能に接続されている。各通信アダプタ400は、ホームコントローラ20Bから削減指示DRβを受信する。通信アダプタ群における通信アダプタ401〜406は、それぞれ、1つの家電301〜406に通信可能に接続されている。たとえば、通信アダプタ401は、エアーコンディショナ301と通信可能に接続されている。
【0139】
各通信アダプタ400は、各々に接続された家電の動作を制御する。具体的には、各通信アダプタ400は、家電の動作を制御するための制御信号(コマンド)を家電に送信することにより、各々に接続された家電の動作を制御する。一例として、各通信アダプタ400は、削減指示DRβを受信した場合、当該削減指示DRβに示された削減割合の消費電力を低減するための制御信号を、各々に接続された家電に送信する。
【0140】
各家電300は、スマートメータ10および通信アダプタ400を介して受電する。各家電300は、各通信アダプタ400からの制御信号を受信する。各家電300は、制御信号に基づき動作状態を変更する。一例として、エアーコンディショナ301は、冷房運転時には設定温度を上げ、暖房運転時には設定温度を下げる。
【0141】
各通信アダプタ400は、制御信号の送信後の予め定められたタイミングで、各々に接続された家電300から当該家電の消費電力を取得する。たとえば、通信アダプタ401は、エアーコンディショナ301から、エアーコンディショナ301における消費電力を取得する。
【0142】
各通信アダプタ400は、当該取得した消費電力に基づき、電力会社から指示された削減割合の消費電力の削減が達成できているか否かを判断する。各通信アダプタ400のうちの少なくとも1つの通信アダプタ400は、達成できていないと判断した場合、さらなる処理を行なう。当該処理の詳細については、後述する(図12)。
【0143】
<H.概要>
図12は、通信システム1Bにおける各機器の処理の概要を説明するための図である。具体的には、図12は、スマートメータ10が、一例として電力会社8から消費電力を20%削減するようにとの指示を受信した場合における、各機器の処理の概要を説明するための図である。
【0144】
図12を参照して、スマートメータ10は、消費電力を20%削減するための削減指示DRαをホームコントローラ20に送信する。ホームコントローラ20は、削減指示DRαを受信する。ホームコントローラ20は、削減指示DRαによって指示された割合(20%)に対応する割合(20%)だけ消費電力を削減するための削減指示DRβを生成する。ホームコントローラ20は、生成した削減指示DRβを、通信アダプタ401〜406に送信する。以下、通信アダプタ400と家電300との動作を、通信アダプタ401と通信アダプタ401に接続されたエアーコンディショナ301とを例に挙げて、説明する。
【0145】
通信アダプタ401は、テーブル403をメモリに予め格納している。テーブル430においては、優先順位と、割合と、指示内容とが対応付けて格納されている。また、優先順位が低いほど、エアーコンディショナ301の消費電力の削減割合が大きい。
【0146】
通信アダプタ401は、削減指示DRβをホームコントローラ20Bから受信すると、エアーコンディショナ301の消費電力をエアーコンディショナ301から取得する。また、通信アダプタ401は、削減指示DRβをホームコントローラ20Bから受信すると、テーブル430から、優先順位が最も高い(つまり1位)の指示内容を読み出す。通信アダプタ401は、当該読み出した指示内容を示した制御信号を、エアーコンディショナ301に送信する。つまり、通信アダプタ401は、エアーコンディショナ301の設定温度を1℃上昇させる。なお、エアーコンディショナ301は、冷房運転中であるとする。
【0147】
通信アダプタ401は、設定温度を1℃上昇させる制御信号を送信した後、エアーコンディショナ301の消費電力を取得する。通信アダプタ401は、設定温度を1℃上昇させる制御信号を送信する前後に取得した消費電力に基づいて、エアーコンディショナ301の消費電力が20%削減されているか否かを判断する。
【0148】
通信アダプタ401は、消費電力が20%削減されていないと判断した場合、エアーコンディショナ301の制御に用いる指示内容を、優先順位が1つ下位となる指示内容に切り換えるため、優先順位が1つ下位となる指示内容を読み出す。通信アダプタ401は、切り換え後の指示内容に基づいて、エアーコンディショナ301を制御する。具体的には、通信アダプタ401は、エアーコンディショナ301の設定温度を2℃上昇させる。
【0149】
通信アダプタ401は、設定温度を2℃上昇させる制御信号を送信した後、エアーコンディショナ301の消費電力を再度取得し、エアーコンディショナ301の消費電力が20%削減されているか否かを判断する。
【0150】
通信アダプタ401は、エアーコンディショナ301において指定された割合(20%)の消費電力が削減されるまで、指示内容の切り換えと、当該切り換え後の指示内容に基づいたエアーコンディショナ301の制御とを繰り返す。
【0151】
通信アダプタ401は、これらの一連の処理によって、エアーコンディショナ301の消費電力を、ホームコントローラ20Bから指示された割合だけ削減することができる。
【0152】
ここで、通信アダプタ401は、たとえば、設定温度を3℃上昇させる制御信号を送信した後に、エアーコンディショナ301の消費電力が20%削減されたと判断したとする。この場合、通信アダプタ401は、ホームコントローラ20から20%の削減指示DRαを再度受信した場合、当該受信後に優先順位が3位の指示内容の制御信号を送信する。具体的に説明すると、以下のとおりである。
【0153】
通信アダプタ401は、指定された割合(上記の例では20%)と、エアーコンディショナ301において当該指定された割合の消費電力が削減されたときの指示内容に対応付けられた削減割合(上記の例では30%)とを対応付けてメモリに格納する。
【0154】
通信アダプタ401は、ホームコントローラ20Bから、前回指定された割合と同じ割合または当該割合以上の消費電力を削減するための削減指示を再度受信した場合、メモリにおいて当該指定された割合に対応付けられた削減割合(30%)となる指示内容(つまり、設定温度を3℃上昇)に基づいて、エアーコンディショナ301を制御する。なお、本実施の形態では、このような制御を行なう機能を「学習機能」と称する。
【0155】
また、通信アダプタ401は、指定された割合に対応付けられた削減割合となる指示内容に基づいた制御によっても、エアーコンディショナ301において指定された割合の消費電力が削減されていない場合には、指示内容の切り換えと、当該切り換え後の指示内容に基づいたエアーコンディショナ301の制御とを繰り返す。
【0156】
通信アダプタ401は、このような一連の処理によって、優先順位が1位の指示内容から順次指示内容を切り換える場合よりも、速やかに、ホームコントローラ20Bから指示された割合だけ削減することができる。
【0157】
上記においては、通信アダプタ401は、削減指示DRβをホームコントローラ20Bから受信すると、テーブル430から、優先順位が最も高い(1位)の指示内容を読み出す構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。テーブル430において削減指示DRβに示されている削減割合に対応する優先順位の指示内容を読み出すように、通信アダプタ401を構成してもよい。たとえば、エアーコンディショナ301の消費電力を20%削減する削減指示DRβを受信した場合、テーブル430において20%に対応付けられた優先順位(2位)の制御内容(つまり、設定温度を2℃上昇)を読み出すように、通信アダプタ401を構成してもよい。
【0158】
また、上記の学習機能を用いないように通信アダプタ401を構成してもよい。つまり、ホームコントローラ20Bから前回指定された割合と同じ割合または当該割合以上の消費電力を削減するための削減指示を再度受信した場合であっても、優先順位が最も高い(1位)の指示内容を読み出し、当該指示内容の制御信号を送信するように、通信アダプタ401を構成してもよい。
【0159】
上記においては、通信アダプタ401を例に挙げて説明したが、他の通信アダプタ402〜406においても、テーブルの指示内容が通信アダプタ401と異なる点を除き、通信アダプタ402〜406の各々に接続された家電に対して、同様の制御を行なう。このため、通信アダプタ402〜406の処理についての説明は、ここでは繰り返さない。
【0160】
<I.通信アダプタおよび家電の構成>
図13は、通信アダプタ400の構成と家電300の構成とを説明するための図である。図13を参照して、通信アダプタ400は、家電300と、ホームコントローラ20Bとの間で行なわれる通信を中継する。家電300と通信アダプタ400との間で行なわれる通信の通信形式は、通信アダプタ400とホームコントローラ20Bとの間で行なわれる通信の通信形式と異なる。通信アダプタ400は、家電300およびホームコントローラ20Bのうちのいずれか一方から受信するデータを他方と通信可能な通信形式に変換する。
【0161】
家電300は、機器通信制御部320と、通信インターフェイス部310と、プラグ330とを含む。機器通信制御部320は、通信インターフェイス部310を経由して通信アダプタ400との間で通信を行なうための機器通信プログラムを実行する。
【0162】
機器通信制御部320は、機器情報応答部322を含む。機器情報応答部322は、通信アダプタ400(具体的には、機器情報取得部418)からの要求に応じて機器情報を通信アダプタ400に対して送信する。
【0163】
機器通信制御部320は、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)等の簡易的な通信機能を用いて通信アダプタ400と通信を行なう。通信インターフェイス部310と通信アダプタ400とは、有線通信によって相互に通信可能に接続されてもよい。あるいは、通信インターフェイス部310と通信アダプタ400とは、無線通信によって相互に通信可能に接続されてもよい。無線通信は、たとえば、RFID(Radio Frequency IDentification)などの短距離無線通信であってもよいし、赤外線通信であってもよい。
【0164】
家電300と通信アダプタ400との間で通信を行なうための機器通信プログラムは、家電300に開発負担が増大しないように各家電機器固有の通信仕様で必要最小限のデータのやりとりを行なう。
【0165】
通信アダプタ400は、家電300と接続するための家電用通信インターフェイス408と、ホームコントローラ20Bと接続するための宅内用通信インターフェイス416と、機器全体の制御を行なうための制御部440と、メモリ446と、電力量計480と、ソケット490と、照度計471と、温度計472と、時計473とを含む。制御部440は、たとえば、マイクロコンピュータである。制御部440は、家電用通信インターフェイス408を経由して家電300から受信するデータを通信アダプタ400とホームコントローラ20Bとの間の通信に対応する通信形式のデータに変換して宅内用通信インターフェイス416を経由してホームコントローラ20Bに送信する。あるいは、制御部440は、宅内用通信インターフェイス416を経由してホームコントローラ20Bから受信するデータを通信アダプタ400と家電300との間の通信に対応する通信形式のデータに変換して家電用通信インターフェイス408を経由して家電300に送信する。
【0166】
制御部440は、機器通信制御部410と、データ変換部412と、変換データ書換制御部424と、ネットワーク通信制御部414とを含む。
【0167】
家電用通信インターフェイス408は、家電300と通信アダプタ400との間でデータを送受信するためのインターフェイスである。たとえば、通信インターフェイス部310と家電用通信インターフェイス408との間で、有線通信を用いてデータが送受信されてもよいし、あるいは、無線通信を用いてデータが送受信されてもよい。家電300にケーブル等を用いて物理的に接続される場合には、家電用通信インターフェイス408として、USB(Universal Serial Bus)等の所定の規格に適合したコネクタが用いられる。
【0168】
機器通信制御部410は、家電300との通信を制御する。具体的には、機器通信制御部410は、データ変換部412において通信形式が変換されたデータを家電用通信インターフェイス408を経由して家電300に送信する。あるいは、機器通信制御部410は、家電300から家電用通信インターフェイス408を経由して受信したデータをデータ変換部412に送信する。
【0169】
機器通信制御部410は、機器情報取得部418と、機器情報要求部438とを含む。機器情報要求部438は、家電300の機器情報を送信するように家電300に対して要求する。機器情報取得部418は、家電300から機器情報を取得する。具体的には、機器情報取得部418は、家電300から機器情報を受信した場合に機器情報を変換データ書換制御部424に送信したり、あるいは、メモリ等の記憶媒体に記憶させたりする。
【0170】
家電300の機器情報は、家電300のメーカ情報と、機種情報と、機能、型番、製造年度あるいはバージョンなどの型式情報とを含む家電300の固有の情報である。家電300の機器情報は、家電300内のメモリ等の記憶媒体に予め記憶されている。
【0171】
データ変換部412は、家電300およびホームコントローラ20Bのうちのいずれか一方との通信を可能とする通信形式のデータを他方との通信を可能とする通信形式のデータに変換する。
【0172】
具体的には、データ変換部412は、機器通信制御部410から受信したデータをホームコントローラ20Bとの通信を可能とする通信形式のデータに変換してネットワーク通信制御部414に送信する。
【0173】
また、データ変換部412は、ネットワーク通信制御部414から受信したデータを家電300との通信を可能とする通信形式のデータに変換して機器通信制御部410に送信する。
【0174】
データ変換部412は、基本データ変換部442と、付加データ変換部444とを含む。基本データ変換部442は、データのヘッダ等の情報(たとえば、後述するプロパティコード)に基づいて家電300およびホームコントローラ20Bのうちのいずれか一方から受信するデータが基本データである場合に、基本データを他方との通信を可能とする通信形式のデータに変換する。基本データは、家電300の機種が共通する複数の電気機器間で共通する情報を含む。
【0175】
付加データ変換部444は、データのヘッダ等の情報に基づいて家電300およびホームコントローラ20Bのうちのいずれか一方から受信するデータが付加データである場合に、付加データを他方との通信を可能とする通信形式のデータに変換する。付加データは、家電300の機種が共通する複数の電気機器間で共通しない情報であって、家電300の型式に依存した情報を含む。
【0176】
基本データ変換部442および付加データ変換部444は、ソフトウェアによって実現される。すなわち、基本データ変換部442は、制御部440がプログラム(以下、基本データ変換プログラムともいう)を実行することによって基本データのデータ変換を行なう。また、付加データ変換部444は、制御部440がプログラム(以下、付加データ変換プログラムともいう)を実行することによって付加データのデータ変換を行なう。基本データ変換プログラムおよび付加データ変換プログラムの各々は、通信アダプタ400内の書換可能な記憶媒体であるメモリ446に記憶される。なお、メモリ446は、制御部440内に設けられてもよい。メモリ446は、たとえば、不揮発性メモリである。
【0177】
ネットワーク通信制御部414は、ホームコントローラ20Bとの通信を制御する。ネットワーク通信制御部414は、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)等のネットワーク50の規格に応じた通信方式で通信を行なうための通信プログラムを実行する。ネットワーク50は、たとえば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、あるいは、インターネットを利用したものであってもよい。
【0178】
ネットワーク通信制御部414は、データ変換部412において通信形式が変換されたデータを宅内用通信インターフェイス416を経由してホームコントローラ20Bに対して送信する。あるいは、ネットワーク通信制御部414は、宅内用通信インターフェイス416を経由して受信したホームコントローラ20Bからのデータをデータ変換部412に送信する。
【0179】
宅内用通信インターフェイス416は、ホームコントローラ20Bと接続するためのインターフェイスである。たとえば、ホームコントローラ20Bに通信ケーブル、電話線、電力線等の有線を用いて通信が行なわれる場合には、宅内用通信インターフェイス416としてUSB等の所定の規格に適合したコネクタが用いられる。
【0180】
また、たとえば、ホームコントローラ20Bに接続されたアクセスポイントに無線通信(たとえば、無線LAN)を用いて通信が行なわれる場合には、宅内用通信インターフェイス416として、アクセスポイントから電波を送受信するための無線ユニットが用いられる。
【0181】
変換データ書換制御部424は、上述の基本データ変換プログラムまたは付加データ変換プログラムの書換動作を制御する。変換データ書換制御部424は、変換データ比較部426を含む。
【0182】
変換データ書換制御部424は、家電用通信インターフェイス408および宅内用通信インターフェイス416のうちの少なくともいずれか一方を経由して取得される家電300に対応した更新情報を用いて基本データ変換部442および付加データ変換部444を個別に更新する。変換データ書換制御部424は、基本データ変換部442において基本データの通信形式の変換が可能である場合であって、かつ、付加データ変換部444において付加データの通信形式の変換が可能でない場合に更新情報を用いて付加データ変換部444を更新する。さらに、変換データ書換制御部424は、基本データ変換部442において第1データの通信形式の変換が可能でない場合に更新情報を用いて第1変換部および第2変換部を更新する。さらに、変換データ書換制御部424は、基本データ変換部442において基本データの通信形式の変換が可能である場合であって、かつ、付加データ変換部444において付加データの通信形式の変換が可能である場合に基本データ変換部442および付加データ変換部444のいずれも更新しない。
【0183】
変換データ比較部426は、機器情報取得部418から受信する家電300の機器情報と基本データ変換部442とが対応するか否かを判定する。すなわち、変換データ比較部426は、家電300から家電用通信インターフェイス408を経由して取得される家電300の機種と、メモリ446に記憶された基本データ変換プログラムによって基本データの通信形式の変換が可能な機種とが一致する場合に基本データの通信形式の変換が可能であると判定し、一致しない場合に基本データの通信形式の変換が可能でないと判定する。
【0184】
さらに、変換データ比較部426は、家電300から家電用通信インターフェイス408を経由して取得される家電300の型式と、メモリ446に記憶された付加データ変換プログラムによって付加データの通信形式の変換が可能な型式とが一致する場合に不可データの通信形式の変換が可能であると判定し、一致しない場合に付加データの通信形式の変換が可能でないと判定する。
【0185】
なお、変換データ比較部426は、家電300の機器情報のうちのメーカ情報および機種情報が、メモリ446に記憶されている基本データ変換プログラムに対応するメーカ情報および機種情報と一致するか否かを判定する。
【0186】
変換データ書換制御部424は、変換データ比較部426において家電300の機器情報と基本データ変換部442とが対応しないと判定された場合に、基本データ変換プログラムおよび付加データ変換プログラムの両方の書換を実行する。
【0187】
変換データ比較部426は、家電300の機器情報と基本データ変換部442とが対応すると判定した場合に、家電300の機器情報と付加データ変換部444とが対応するか否かを判定する。具体的には、変換データ比較部426は、家電300の機器情報のうちの型式情報が、メモリ446に記憶されている付加データ変換プログラムに対応する型式情報と一致するか否かを判定する。
【0188】
変換データ書換制御部424は、変換データ比較部426において家電300の機器情報と付加データ変換部444とが対応しないと判定された場合に、付加データ変換プログラムのみの書換を実行する。
【0189】
なお、変換データ書換制御部424は、たとえば、変換データ比較部426において家電300の機器情報と基本データ変換部442および付加データ変換部444の各々とが対応すると判定された場合にプログラムの書換を実行しない。
【0190】
変換データ書換制御部424は、プログラムの書換を行なう場合に書換用プログラムの取得をネットワーク通信制御部414に対して要求する。ネットワーク通信制御部414は、変換データ取得部428と、制御信号生成部450とを含む。また、制御信号生成部450は、学習部451を有する。
【0191】
変換データ取得部428は、変換データ書換制御部424からの要求に応じてホームコントローラ20Bに対して書換用プログラムの取得を要求し、ホームコントローラ20Bから書換用のプログラムをダウンロードする。変換データ取得部428は、たとえば、家電300の機器情報をホームコントローラ20Bに対して送信することによって適切な書換用プログラムを取得する。
【0192】
変換データ取得部428は、たとえば、基本データ変換プログラムおよび付加データ変換プログラムの両方の書換を行なう場合には、いずれか一方のプログラムの書換用プログラムを取得する。変換データ取得部428は、取得した書換用プログラムをメモリ446の一時記憶領域に記憶させる。変換データ書換制御部424は、一時記憶領域から書換用プログラムを読み出して、書換対象となる一方のプログラムが記憶された所定の記憶領域を上書きすることによって一方のプログラムの書換を実行する。変換データ取得部428は、一方のプログラムの書換が完了した後に、他方のプログラムの書換用プログラムを取得を要求する。変換データ取得部428は、ホームコントローラ20Bから要求に応じて送信された他方のプログラムの書換用プログラムを取得して、メモリ446の一時記憶領域に上書きする。変換データ書換制御部424は、上書きされた一時記憶領域から書換用プログラムを読み出して、他方のプログラムが記憶された所定の記憶領域を上書きすることによって他方のプログラムの書換を実行する。
【0193】
なお、変換データ取得部428は、データの一時記憶領域の記憶容量が基本データ変換プログラムおよび付加データ変換プログラムのデータサイズよりも十分に大きい場合には、両方の書換用プログラムを取得した後に順次あるいは並行して書換を実行するようにしてもよい。
【0194】
また、変換データ取得部428は、付加データ変換プログラムのみの書換を行なう場合には、付加データ変換プログラムの書換用プログラムのみを取得する。
【0195】
次に、電力量計480と、ソケット490と、プラグ330と、制御信号生成部450と、学習部451とについて説明する。
【0196】
ソケット490は、家電300のプラグ330と接続するためのコンセントである。ソケット490にプラグ330を差し込むことにより、通信アダプタ400を経由して家電300に電力が供給される。
【0197】
電力量計480は、家電300に給電される電力量を計測する機器である。電力量計480は、計測した電力量を制御部440に通知する。
【0198】
制御信号生成部450は、削減指示DRβを、家電300を制御するための制御信号に変換する。学習部451は、指定された割合(図12の例では20%)と、エアーコンディショナ301において当該指定された割合の消費電力が削減されたときの指示内容に対応付けられた削減割合(図12の例では30%)とを対応付けてメモリ446に格納する。
【0199】
図14は、通信アダプタ400のハードウェア構成を表した図である。図14を参照して、通信アダプタ400は、CPU41と、メモリ42と、照度計471と、温度計472と、時計473と、電力量計480と、ソケット490と、宅内用通信インターフェイス416と、家電用通信インターフェイス408とを備える。
【0200】
メモリ42は、図13に示したメモリ446を含んでいる。メモリ42は、各種のRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクなどによって実現される。メモリ42は、CPU41によって実行される、OS(Operation System)、各種の制御プログラム、並びにCPU41によって読み出される各種データを格納する。
【0201】
CPU41は、メモリ42に記憶されている各種のプログラムを実行することによって、各種の情報処理などを実行する。換言すれば、通信アダプタ400における処理は、各ハードウェアおよびCPU41により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、メモリ42に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、記憶媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。
【0202】
このようなソフトウェアは、図示しない読取装置を利用することによってその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信インターフェイス416を利用することによってダウンロードされて、メモリ42に一旦格納される。CPU41は、ソフトウェアを実行可能なプログラムの形式でメモリ42に格納してから、当該プログラムを実行する。
【0203】
なお、記憶媒体としては、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、不揮発的にプログラムを格納する媒体(一時的ではない媒体)が挙げられる。
【0204】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0205】
<J.データ>
次に、通信アダプタ401,402,403,404のメモリに格納されているテーブルの具体例について説明する。
【0206】
(j1.エアーコンディショナ301についてのテーブル)
図15〜図17に通信アダプタ401のメモリに格納されている、図12に示したテーブル430以外のテーブルの具体例を説明する。
【0207】
図15は、気温情報および時刻情報を利用しない場合におけるテーブルの具体例を示した図である。図15(a)は、エアーコンディショナ301が暖房運転している場合に、通信アダプタ401が利用するテーブルを示している。図15(b)は、エアーコンディショナ301が冷房運転している場合に、通信アダプタ401が利用するテーブルを示している。
【0208】
図15(a)を参照して、たとえば、優先順位が1位の指示内容は、「設定温度を1℃下げる」である。通信アダプタ401は、当該指示内容を、削減割合10%と対応付けている。つまり、通信アダプタ401は、デフォルト状態では、エアーコンディショナ301の設定温度を1℃下げれば、エアーコンディショナ301の消費電力を10%削減できるであろうと認識している。
【0209】
また、通信アダプタ401は、たとえば、エアーコンディショナ301の設定温度を1℃下げてもエアーコンディショナ301の消費電力を10%削減できないと判断した場合、テーブル441を参照して、エアーコンディショナ301の設定温度を2℃下げる制御を行なう。つまり、通信アダプタ401は、優先順位が1つ下位となる2位の指示内容に基づいて、エアーコンディショナ301を制御する。
【0210】
たとえば、通信アダプタ401は、優先順位が2位の指示内容で、ホームコントローラ20Bから指示された削減割合(ここでは10%)を達成できた場合、再度、同じ割合の削減指示DRβをホームコントローラ20Bから受信すると、学習機能によって、優先順位が1位の指示内容に応じた制御を行なうことなく、2位の指示内容に応じた制御を行なう。
【0211】
テーブル441は、テーブル430と同様に、優先順位が下位となるほど、指示内容がエアーコンディショナ301の消費電力が低くなるようになっている。また、設定温度を5℃以上下げると、暖房の効果がなくなることが予想されるため、テーブル441では、便宜上、削減割合50%と「運転停止」とを対応付けている。
【0212】
図15(b)を参照して、たとえば、優先順位が1位の指示内容は、「設定温度を1℃上げる」である。通信アダプタ401は、当該指示内容を、削減割合10%と対応付けている。つまり、通信アダプタ401は、デフォルト状態では、エアーコンディショナ301の設定温度を1℃上げれば、エアーコンディショナ301の消費電力を10%削減できるであろうと認識している。
【0213】
また、通信アダプタ401は、たとえば、エアーコンディショナ301の設定温度を1℃上げてもエアーコンディショナ301の消費電力を10%削減できないと判断した場合、テーブル442を参照して、エアーコンディショナ301の設定温度を2℃上げる制御を行なう。つまり、通信アダプタ401は、優先順位が1つ下位となる2位の指示内容に基づいて、エアーコンディショナ301を制御する。
【0214】
たとえば、通信アダプタ401は、優先順位が2位の指示内容で、ホームコントローラ20Bから指示された削減割合(ここでは10%)を達成できた場合、再度、同じ割合の削減指示DRβをホームコントローラ20Bから受信すると、学習機能によって、優先順位が1位の指示内容に応じた制御を行なうことなく、2位の指示内容に応じた制御を行なう。
【0215】
テーブル442は、テーブル430と同様に、優先順位が下位となるほど、指示内容がエアーコンディショナ301の消費電力が低くなるようになっている。また、設定温度を3℃以上上げると、冷房の効果がなくなることが予想されるため、テーブル442では、削減割合40%と「送風停止」とを対応付けている。さらに、送風運転では、50%の消費電力の削減はできないため、テーブル442では、便宜上、削減割合50%と「運転停止」とを対応付けている。
【0216】
また、通信アダプタ401は、暖房運転時のテーブルと、冷房運転時のテーブルとを、削減指示DRβを受け付ける前の設定温度毎にメモリ42に格納していてもよい。
【0217】
図16は、気温情報を利用する場合におけるテーブルの具体例を示した図である。図16(a)は、エアーコンディショナ301が暖房運転している場合に、通信アダプタ401が利用するテーブルを示している。図16(b)は、エアーコンディショナ301が冷房運転している場合に、通信アダプタ401が利用するテーブルを示している。
【0218】
図16(a)を参照して、テーブル451では、エアーコンディショナ301への指示内容が、気温による3つの区分で別々に設定されている。当該区分に含まれる各指示内容は、優先順位が下位となるほど、指示内容がエアーコンディショナ301の消費電力が低くなるようになっている。なお、運転停止よりも消費電力を削減する手法はないため、16℃以上20℃未満の区分では、優先順位が3位以降の指示内容は、全て「運転停止」となっている。
【0219】
通信アダプタ401は、テーブル451を利用する場合、温度計472から得た温度が含まれる区分における指示内容を用いて、エアーコンディショナ301を制御する。通信アダプタ401は、たとえば温度計472から得た温度が18℃である場合、10℃以上15℃未満の区分における指示内容を用いた制御を行なう。
【0220】
図16(b)を参照して、テーブル452では、図16(a)と同様、エアーコンディショナ301への指示内容が気温による3つの区分で別々に設定されている。当該区分に含まれる各指示内容は、優先順位が下位となるほど、指示内容がエアーコンディショナ301の消費電力が低くなるようになっている。なお、運転停止よりも消費電力を削減する手法はないため、26℃以上30℃未満の区分では、優先順位が4位以降の指示内容は、全て「運転停止」となっている。
【0221】
通信アダプタ401は、テーブル452を利用する場合、温度計472から得た温度が含まれる区分における指示内容を用いて、エアーコンディショナ301を制御する。通信アダプタ401は、たとえば温度計472から得た温度が28℃である場合、26℃以上30℃未満の区分における指示内容を用いた制御を行なう。
【0222】
なお、テーブル461を用いた場合における学習機能は、図15等に基づいて説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0223】
図17は、時刻情報を利用する場合におけるテーブルの具体例を示した図である。図17(a)は、エアーコンディショナ301が暖房運転している場合に、通信アダプタ401が利用するテーブルを示している。図17(b)は、エアーコンディショナ301が冷房運転している場合に、通信アダプタ401が利用するテーブルを示している。
【0224】
図17(a)を参照して、テーブル461では、エアーコンディショナ301への指示内容が、3つの時間帯で別々に設定されている。当該時間帯(区分)に含まれる各指示内容は、優先順位が下位となるほど、指示内容がエアーコンディショナ301の消費電力が低くなるようになっている。なお、運転停止よりも消費電力を削減する手法はないため、10時00分00秒〜15時59分59秒までの区分では、優先順位が4位以降の指示内容は、「運転停止」となっている。
【0225】
通信アダプタ401は、テーブル461を利用する場合、時計473から得た時刻が含まれる区分における指示内容を用いて、エアーコンディショナ301を制御する。通信アダプタ401は、たとえば時計473から得た時刻が12時00分00秒である場合、10時00分00秒〜15時59分59秒の区分における指示内容を用いた制御を行なう。
【0226】
図17(b)を参照して、テーブル462では、図17(a)と同様、エアーコンディショナ301への指示内容が3つの時間帯で別々に設定されている。当該区分に含まれる各指示内容は、優先順位が下位となるほど、指示内容がエアーコンディショナ301の消費電力が低くなるようになっている。なお、運転停止よりも消費電力を削減する手法はないため、0時00分00秒〜9時59分59秒までの区分では、優先順位が4位以降の指示内容は、全て「運転停止」となっている。
【0227】
通信アダプタ401は、テーブル462を利用する場合、時計473から得た温度が含まれる区分における指示内容を用いて、エアーコンディショナ301を制御する。通信アダプタ401は、たとえば時計473から得た時刻が8時00分00秒である場合、0時00分00秒〜9時59分59秒の区分における指示内容を用いた制御を行なう。
【0228】
なお、テーブル461を用いた場合における学習機能は、図15等に基づいて説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0229】
以上のように、通信アダプタ401は、時間帯を考慮したテーブルを利用することにより、エアーコンディショナ301が設置されている場所等の条件(朝日が当たる、西日が当たる等)を考慮して制御ができる。
【0230】
(j2.冷蔵庫302についてのテーブル)
図18は、通信アダプタ402のメモリに格納されているテーブルの一例を表した図である。具体的は、図18は、時刻情報を利用する場合におけるテーブルの一例を示した図である。
【0231】
図18を参照して、テーブル431では、冷蔵庫302への指示内容が、3つの時間帯で別々に設定されている。当該時間帯(区分)に含まれる各指示内容は、優先順位が下位となるほど、指示内容が冷蔵庫302の消費電力が低くなるようになっている。なお、冷蔵庫302を運転停止すると、冷蔵庫302に収納している食品が腐ったり、冷凍している食品が解凍したりするため、好ましくない。このため、通信アダプタ402は、冷蔵庫302に対して、運転停止の指示を行なわない。
【0232】
通信アダプタ402は、テーブル431を利用する場合、時計473から得た時刻が含まれる区分における指示内容を用いて、冷蔵庫302を制御する。通信アダプタ402は、たとえば時計473から得た時刻が12時00分00秒である場合、10時00分00秒〜15時59分59秒の区分における指示内容を用いた制御を行なう。
【0233】
なお、テーブル431における括弧書きの数値は、食品保管の観点から、冷蔵庫302の性能を確保するための許容量範囲の上限値である。当該数値では、指示された削減率の達成は困難となる。
【0234】
なお、テーブル431を用いた場合における学習機能は、図15等に基づいて説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0235】
以上のように、通信アダプタ402は、時間帯を考慮したテーブルを利用することにより、テーブルの開閉の回数が多い時間帯と少ない時間帯とに応じた制御を行なうことができる。
【0236】
(j3.テレビ304についてのテーブル)
図19は、通信アダプタ404のメモリに格納されているテーブルの一例を表した図である。図19を参照して、たとえば、優先順位が1位の指示内容は、テレビ304について、「バックライトの輝度を20%下げる」である。通信アダプタ404は、当該指示内容を、削減割合10%と対応付けている。つまり、通信アダプタ404は、デフォルト状態では、テレビ304のバックライトの輝度を20%下げれば、テレビ304の消費電力を10%削減できるであろうと認識している。
【0237】
また、通信アダプタ404は、たとえば、テレビ304のバックライトの輝度を20%下げてもテレビ304の消費電力を10%削減できないと判断した場合、テーブル481を参照して、バックライトの輝度を40%下げる制御を行なう。つまり、通信アダプタ404は、優先順位が1つ下位となる2位の指示内容に基づいて、テレビ304を制御する。
【0238】
たとえば、通信アダプタ404は、優先順位が2位の指示内容で、ホームコントローラ20Bから指示された削減割合(ここでは10%)を達成できた場合、再度、同じ割合の削減指示DRβをホームコントローラ20Bから受信すると、学習機能によって、優先順位が1位の指示内容に応じた制御を行なうことなく、2位の指示内容に応じた制御を行なう。なお、テーブル481は、テーブル430と同様に、優先順位が下位となるほど、指示内容がテレビ304の消費電力が低くなるようになっている。
【0239】
また、テレビ304におけるバックライトの輝度の制御について、照度を利用するように、通信アダプタ404を構成してもよい。以下、当該構成について説明する。テレビ304の周囲の明るさが明るい場合には、バックライトの輝度を下げすぎると、ユーザは、テレビ304に表示される映像を視認しづらくなる。そこで、通信アダプタ404は、通信アダプタ404の周囲の明るさが予め定められた値以上(たとえば、100ルクス以上)の場合に、バックライトの輝度をたとえば90%下げるとホームコントローラ20Bから指示された削減割合(ここでは10%)を達成できたとしても、バックライトをオフさせる指示をテレビ304に送る。通信アダプタ404は、当該構成により、ユーザの利便性を考慮しつつも、省電力化を達成できる。
【0240】
(j4.照明装置303についてのテーブル)
図20は、通信アダプタ403のメモリに格納されているテーブルの一例を表した図である。図20を参照して、たとえば、優先順位が1位の指示内容は、照明装置303について、「光量を20%下げる」である。通信アダプタ403は、当該指示内容を、削減割合10%と対応付けている。つまり、通信アダプタ403は、デフォルト状態では、照明装置303の光量を20%下げれば、照明装置303の消費電力を10%削減できるであろうと認識している。
【0241】
また、通信アダプタ403は、たとえば、照明装置303の光量を20%下げても照明装置303の消費電力を10%削減できないと判断した場合、テーブル491を参照して、光量を30%下げる制御を行なう。つまり、通信アダプタ403は、優先順位が1つ下位となる2位の指示内容に基づいて、照明装置303を制御する。
【0242】
たとえば、通信アダプタ403は、優先順位が2位の指示内容で、ホームコントローラ20Bから指示された削減割合(ここでは10%)を達成できた場合、再度、同じ割合の削減指示DRβをホームコントローラ20Bから受信すると、学習機能によって、優先順位が1位の指示内容に応じた制御を行なうことなく、2位の指示内容に応じた制御を行なう。なお、テーブル491は、テーブル430と同様に、優先順位が下位となるほど、指示内容がテレビ304の消費電力が低くなるようになっている。
【0243】
また、照明装置303の光量の制御について、照度を利用するように、通信アダプタ403を構成してもよい。以下、当該構成について説明する。照明装置303の周囲が暗い場合には、通信アダプタ403がテーブル491に沿った制御を行なうと、ユーザの利便性を損なう。そこで、通信アダプタ403は、通信アダプタ403の制御によって通信アダプタ403の周囲の明るさが予め定められた値(たとえば、100ルクス)まで下がった場合には、照明装置303の光量を上記値以下とならないように照明装置303を制御する。
【0244】
<K.データ処理の流れ>
図21は、通信システム1Bにおけるシーケンスチャートである。図21を参照して、ステップS52において、スマートメータ10は、削減指示DRαをホームコントローラ20Bに送信する。ステップS54において、ホームコントローラ20Bは、削減指示DRαに対してプロトコル変換を行なう。ステップS56において、ホームコントローラ20Bは、プロトコル変換によって得られた削減指示DRβを、通信アダプタ400に送信する。
【0245】
ステップS58において、通信アダプタ400は、上述したテーブルを参照して、指定された優先順位の指示内容を読み出す。指定された優先順位とは、たとえば、最も高い優先順位(1位)、削減指示DRβに示されている削減割合に対応する優先順位等である。ステップS60において、通信アダプタ400は、当該読み出した指示内容に基づく制御信号を、通信アダプタ400に接続された家電300に送信する。ステップS62において、通信アダプタ400は、消費電力を測定する。ステップS64において、通信アダプタ400は、測定した消費電力に基づき、指示された割合の消費電力を削減できたか否かを判断する。
【0246】
通信アダプタ400は、指定された割合の消費電力を削減できたと判断した場合(ステップS64においてYES)、ステップS68において、受信した削減指示DRβに示された削減割合に、指定された割合の消費電力を削減できたときの制御内容を対応付けて記憶する。
【0247】
通信アダプタ400は、指定された割合の消費電力を削減できていないと判断した場合(ステップS64においてNO)、ステップS66の処理を実行する。以下、ステップS66の処理の詳細について説明する。
【0248】
ステップS662において、通信アダプタ400は、上述したテーブルから、優先順位が1つ下位の指示内容を読み出す。ステップS664において、通信アダプタ400は、当該読み出した指示内容に基づく制御信号を、通信アダプタ400に接続された家電300に送信する。ステップS666において、通信アダプタ400は、家電300における消費電力を測定する。ステップS668において、通信アダプタ400は、測定した消費電力に基づき、指定された割合の消費電力を削減できたか否かを判断する。
【0249】
通信アダプタ400は、削減できたと判断した場合(ステップS668においてYES)、処理をステップS68に進める。通信アダプタ400は、削減できていないと判断した場合(ステップS668においてNO)、処理をステップS662に進める。
【0250】
図22は、通信アダプタ400におけるフローチャートである。図22を参照して、ステップS82において、通信アダプタ400は、削減指示DRβをホームコントローラ20Bから受信する。ステップS84において、通信アダプタ400は、テーブルを参照して、指定された優先順位の指示内容を読み出す。ステップS86において、通信アダプタ400は、読み出した指示内容に基づく制御信号を、通信アダプタ400に接続された家電300に送信する。
【0251】
ステップS88において、通信アダプタ400は、通信アダプタ400に接続された家電300かの消費電力を測定する。ステップS90において、通信アダプタ400は、測定した消費電力に基づき、削減指示DRβによって指定された割合の消費電力を削減できたか否かを判断する。
【0252】
通信アダプタ400は、削減できたと判断した場合(ステップS90においてYES)、ステップS98において、受信した削減指示DRβに示された削減割合に、指定された割合の消費電力を削減できたときの指示内容を対応付けて記憶する。
【0253】
通信アダプタ400は、削減できていないと判断した場合(ステップS90においてNO)、ステップS92において、優先順位が1つ下位の指示内容をテーブルから読み出す。ステップS94において、通信アダプタ400は、読み出した指示内容に基づく制御信号を、通信アダプタ400に接続された家電300に送信する。ステップS96において、通信アダプタ400は、通信アダプタ400に接続された家電300の消費電力を測定する。通信アダプタ400は、ステップS96の後、処理をステップS90に進める。
【0254】
<L.変形例>
(l1.第1の変形例)
(1)図23は、通信システム1Bの変形例である通信システム1Cを説明するための図である。通信システム1Bでは、図11および図13に示したように、家電300は、通信アダプタ400を介して給電されていた。図23を参照して、通信システム1Cでは、家電301〜306は、それぞれ、通信アダプタ401A、402A,403A,404A,405A,406Aを介さずに、スマートメータ10を介して給電される。なお、図示していないが、通信アダプタ401A〜406Aは、スマートメータ10を介して給電される。
【0255】
通信システム1Cのその他の構成は、通信システム1Bと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0256】
(2)図24は、通信システム1Bの他の変形例である通信システム1Dを説明するための図である。図24を参照して、通信システム1Dは、スマートメータを内蔵したホームコントローラ20Dと、家電群30の各家電300(301〜306)とを備える。つまり、ホームコントローラ20Dは、宅内の消費電力を測定するための測定装置を備える。
【0257】
通信システム1Dは、スマートメータとホームコントローラとが一体となっている点において、スマートメータ10とホームコントローラ20Bとが分離されている通信システム1B(図11参照)とは異なる。ホームコントローラ20Dは、ホームコントローラ20Bとスマートメータ10との機能を備える。
【0258】
ホームコントローラ20Dは、一体型である点を除けば、スマートメータ10およびホームコントローラ20Bからなる構成と異なる点はない。したがって、ここでは、ホームコントローラ20Dにおける処理の詳細については、その説明を繰り返さない。なお、通信システム1Dによっても、通信システム1Bと同様の効果を奏することが可能となる。
【0259】
(l2.第2の変形例)
(1)実施の形態1における家電群30(図1参照)を、実施の形態2における通信アダプタ群40および家電群30の構成(図11参照)で置き換えてもよい。このように置き換えたシステム構成により、より細やかな制御を行なうことができる。
【0260】
(2)実施の形態1において、各家電300がホームコントローラ20に対して消費電力を送信する構成としてもよい。
【0261】
(3)実施の形態2においては、テーブル内のデータを更新しない構成を例に挙げて説明した。つまり、学習機能として読み出す制御内容の優先順位を変更(開始点の変更)する構成を説明した。しかしながら、これに限定されるものではない。テーブル内のデータを更新するよう、通信アダプタ400を構成してもよい。
【0262】
(l3.第3の変形例)
図31は、通信システム1Gの概略構成を説明するための図である。図31を参照して、通信システム1Gは、スマートメータ10と、ホームコントローラ20Bと、家電群30と、通信アダプタ群40Gとを備える。通信アダプタ群40Gは、複数の通信アダプタ401G〜406Gを含む。ホームコントローラ20Gと、家電群30と、通信アダプタ群40とは、建物9の中(宅内)に設置されている。なお、以下では、説明の便宜上、通信アダプタ群40Gに含まれる各通信アダプタ401G〜406Gを区別することなく表す場合には、「通信アダプタ400G」と表記する。
【0263】
スマートメータ10は、受信した削減指示DRαをホームコントローラ20Bに送信する。
【0264】
ホームコントローラ20Bは、スマートメータ10と各通信アダプタ400Gと各センサ600と通信可能に接続されている。ホームコントローラ20Bは、スマートメータ10から受信した削減指示DRαに対して予め定められたプロトコル変換を行なうことにより、通信アダプタ群40Gが利用可能な削減指示DRβを生成する。ホームコントローラ20Bは、削減指示DRβを各通信アダプタ400Gに送信する。なお、上述したとおり、削減指示DRαにおける削減割合と、削減指示DRβにおける削減割合とは、1対1の関係にある。
【0265】
各通信アダプタ400Gは、ホームコントローラ20Bと通信可能に接続されている。各通信アダプタ400Gは、ホームコントローラ20Bから削減指示DRβを受信する。通信アダプタ群における通信アダプタ401G〜406Gは、それぞれ、1つの家電301〜306に通信可能に接続されている。たとえば、通信アダプタ401Gは、エアーコンディショナ301と通信可能に接続されている。
【0266】
各通信アダプタ400Gは、各々に接続された家電300の動作を制御する。具体的には、各通信アダプタ400Gは、家電の動作を制御するための制御信号(コマンド)を家電に送信することにより、各々に接続された家電の動作を制御する。一例として、通信アダプタ401Gは、削減指示DRβを受信した場合、通信アダプタ401Gに格納されたテーブルを参照することにより、当該削減指示DRβに示された削減割合の消費電力を低減するための制御信号を生成し、当該生成した制御信号を通信アダプタ401Gに接続されたエアーコンディショナ301に送信する。
【0267】
たとえば、照明装置303に対応する通信アダプタ403Gが参照するデータテーブルは、センサ601が人感センサの場合には図35のテーブル850、センサ601が照度センサの場合には図37のテーブル870である。
【0268】
各通信アダプタ400Gは、制御信号を生成する場合、センサ600からのセンサ出力を利用する。具体的には、エアーコンディショナ301に対応する通信アダプタ401Gと、照明装置303に対応する通信アダプタ403Gと、テレビ304に対応する通信アダプタ404Gとは、センサ601からのセンサ出力を利用して制御信号を生成する。冷蔵庫302に対応する通信アダプタ402Gと、洗濯機305に対応する通信アダプタ405Gと、電子レンジ306に対応する通信アダプタ406Gとは、センサ602からのセンサ出力を利用して制御信号を生成する。
【0269】
通信アダプタ400は、実施の形態1の変形例で説明したのと同様、各々に対応するセンサ600から、第1の出力を取得した場合と第2の出力を取得した場合とで、対応する家電を制御するための制御信号の内容を異ならせる。
【0270】
各家電300は、スマートメータ10および通信アダプタ400Gを介して受電する。各家電300は、各通信アダプタ400Gからの制御信号を受信する。各家電300は、当該受信した制御信号に基づき動作状態を変更する。
【0271】
図32は、通信アダプタ400Gのハードウェア構成を表した図である。図32を参照して、通信アダプタ400Gは、CPU41と、メモリ42と、電力量計480と、ソケット490と、宅内用通信インターフェイス416と、家電用通信インターフェイス408とを備える。つまり、通信アダプタ400Gは、照度計471、温度計472、および時計473を備えていない点において、図13および図14に示した通信アダプタ400とは異なる。その他の構成は、通信アダプタ400Gと通信アダプタ400とでは同じである。したがって、ここでは、通信アダプタ400Gのハードウェアの詳細は、繰り返して説明しない。
【0272】
・センサ601,602が人感センサである場合
図33は、通信アダプタ401Gが利用するテーブルの具体例を表した図である。具体的には図33は、エアーコンディショナ301が冷房運転している場合に、通信アダプタ401Gが利用するテーブルを示している。図33を参照して、テーブル830は、指示内容が、センサ601が人を検知した場合と、人を検知しなかった場合とに区分されている点が、図15(b)のテーブル442とは異なっている。
【0273】
通信アダプタ401Gは、センサ601からの出力に応じた指示内容をテーブル830から読み出し、当該読み出した指示内容に基づき、エアーコンディショナ301を制御する。
【0274】
図34は、通信アダプタ404Gが利用するテーブルの具体例を表した図である。具体的には図34は、テレビ304が起動している場合に、通信アダプタ404Gが利用するテーブルを示している。図34を参照して、テーブル840は、指示内容が、センサ601が人を検知した場合と、人を検知しなかった場合とに区分されている点が、図19のテーブル481とは異なっている。
【0275】
通信アダプタ404Gは、センサ601からの出力に応じた指示内容をテーブル840から読み出し、当該読み出した指示内容に基づき、テレビ304を制御する。
【0276】
図35は、通信アダプタ403Gが利用するテーブルの具体例を表した図である。具体的には図35は、照明装置303が点灯している場合に、通信アダプタ403Gが利用するテーブルを示している。図35を参照して、テーブル850は、指示内容が、センサ601が人を検知した場合と、人を検知しなかった場合とに区分されている点が、図20のテーブル491とは異なっている。
【0277】
通信アダプタ403Gは、センサ601からの出力に応じた指示内容をテーブル850から読み出し、当該読み出した指示内容に基づき、照明装置303を制御する。
【0278】
同様に、通信アダプタ402Gは、センサ602からの出力(人の有無)に応じた指示内容をテーブル(図示せず)から読み出し、当該読み出した指示内容に基づき、冷蔵庫302を制御する。また、通信アダプタ405Gは、センサ602からの出力(人の有無)に応じた指示内容をテーブル(図示せず)から読み出し、当該読み出した指示内容に基づき、洗濯機305を制御する。通信アダプタ406Gは、センサ602からの出力(人の有無)に応じた指示内容をテーブル(図示せず)から読み出し、当該読み出した指示内容に基づき、電子レンジ306を制御する。
【0279】
・センサ601,602が照度センサである場合
図36は、通信アダプタ404Gが利用するテーブルの具体例を表した図である。具体的には図36は、テレビ304が起動している場合に、通信アダプタ404Gが利用するテーブルを示している。図36を参照して、テーブル860は、指示内容が、センサ601が50lx以上の照度を検知した場合と、50lx未満の照度を検知した場合とに区分されている点が、図19のテーブル481とは異なっている。
【0280】
通信アダプタ404Gは、センサ601からの出力に応じた指示内容をテーブル860から読み出し、当該読み出した指示内容に基づき、テレビ304を制御する。
【0281】
図37は、通信アダプタ403Gが利用するテーブルの具体例を表した図である。具体的には図37は、照明装置303が点灯している場合に、通信アダプタ403Gが利用するテーブルを示している。図37を参照して、テーブル870は、指示内容が、センサ601が50lx以上の照度を検知した場合と、50lx未満の照度を検知した場合とに区分されている点が、図20のテーブル491とは異なっている。
【0282】
通信アダプタ403Gは、センサ601からの出力に応じた指示内容をテーブル870から読み出し、当該読み出した指示内容に基づき、照明装置303を制御する。
【0283】
同様に、通信アダプタ401Gは、センサ601からの出力(照度が50lx以上か否か)に応じた指示内容をテーブル(図示せず)から読み出し、当該読み出した指示内容に基づき、エアーコンディショナ301を制御する。通信アダプタ402Gは、センサ602からの出力(照度が50lx以上か否か)に応じた指示内容をテーブル(図示せず)から読み出し、当該読み出した指示内容に基づき、冷蔵庫302を制御する。また、通信アダプタ405Gは、センサ602からの出力(照度が50lx以上か否か)に応じた指示内容をテーブル(図示せず)から読み出し、当該読み出した指示内容に基づき、洗濯機305を制御する。通信アダプタ406Gは、センサ602からの出力(照度が50lx以上か否か)に応じた指示内容をテーブル(図示せず)から読み出し、当該読み出した指示内容に基づき、電子レンジ306を制御する。
【0284】
以上のように、通信アダプタ400は、各々に対応するセンサ600から、第1の出力を取得した場合と第2の出力を取得した場合とで、対応する家電を制御するための制御信号の内容を異ならせる。より詳しくは、通信アダプタ400GのCPU41は、複数の家電が設置された部屋に設置されたセンサ600からの出力を取得する。メモリ42は、複数の指示内容を、センサ600の出力に区分して格納している。CPU41は、削減指示DRα’を受信した場合、センサ600の出力に対応する上記区分における複数の指示内容のうち、指定された優先順位の指示内容に基づいて、接続された家電を制御する。
【0285】
図38は、通信システム1Gの変形例である通信システム1Hを説明するための図である。図38を参照して、通信システム1Hは、スマートメータを内蔵したホームコントローラ20Dと、家電群30の各家電300(301〜306)と、通信アダプタ群40Gとを備える。
【0286】
通信システム1Hは、スマートメータとホームコントローラとが一体となっている点において、スマートメータ10とホームコントローラ20Bとが分離されている通信システム1G(図31参照)とは異なる。なお、通信システム1Hによっても、通信システム1Gと同様の効果を奏することが可能となる。
【0287】
上記においては削減指示DRαを電力会社から直接受信する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、電力会社からの削減指示DRαを管理する中継会社から削減指示DRαを受信してもよい。あるいは、スマートグリッドを利用した地域エネルギーマネージメントシステムによって各家庭ではなく地域全体で消費電力を管理している場合には、地域全体の電力の需要・供給状況を鑑み地域エネルギーマネージメントシステムから削減指示DRαを受信してもよい。このように、本発明は、削減指示DRαを宅外の電力系統側から受信する場合に好適に適用することができる。
【0288】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0289】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H 通信システム、8 電力会社、9 建物、10,10E スマートメータ、12,42,209,446 メモリ、13,471 照度計、14,472 温度計、15 系統用通信インターフェイス、16 電力量計、17,416 宅内用通信インターフェイス、20,20A,20B,20D,20E,20F ホームコントローラ、30 家電群、40 通信アダプタ群、50 ネットワーク、60 センサ群、80 発電所、81 電力系統、202 ディスプレイ、203 タブレット、204 ボタン、205,416 通信インターフェイス、206 タッチパネル付きディスプレイ、207 スピーカ、208,473 時計、300 家電、301 エアーコンディショナ、302 冷蔵庫、303 照明装置、304 テレビ、305 洗濯機、306 電子レンジ、310 通信インターフェイス部、320,410 機器通信制御部、322 機器情報応答部、330 プラグ、400,401,401A,402,402A,403,403A,404,404A,405,405A,406,406A 通信アダプタ、408 家電用通信インターフェイス、412 データ変換部、414 ネットワーク通信制御部、418 機器情報取得部、424 変換データ書換制御部、426 変換データ比較部、428 変換データ取得部、438 機器情報要求部、440 制御部、442 基本データ変換部、444 付加データ変換部、450 制御信号生成部、451 学習部、490 ソケット、601,602 センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
宅内における複数の家電のうちの1つの家電と通信可能に接続された通信機器であって、
プロセッサと、
メモリと、
通信インターフェイスとを備え、
前記メモリは、前記接続された家電の制御に用いる複数の指示内容を、優先順位を対応付けて格納しており、
前記プロセッサは、
前記通信インターフェイスを用いて、外部の機器から、前記宅内の消費電力を指定された割合または当該割合以上削減するための削減指示を受信し、
前記削減指示を受信すると、前記複数の指示内容のうち指定された優先順位の指示内容に基づいて、前記接続された家電を制御し、
前記指定された優先順位の指示内容に基づいた制御後に、前記接続された家電において前記指定された割合の消費電力が削減されていない場合には、前記接続された家電の制御に用いる前記指示内容を、前記優先順位が1つ下位となる前記指示内容に切り換え、
前記切り換え後の指示内容に基づいて、前記接続された家電を制御し、
前記接続された家電において前記指定された割合の消費電力が削減されるまで、前記切り換えと、当該切り換え後の指示内容に基づいた前記接続された家電の制御とを繰り返す、通信機器。
【請求項2】
前記優先順位が低いほど、前記接続された家電の消費電力の削減割合が大きい、請求項1に記載の通信機器。
【請求項3】
前記指示内容に対して、前記消費電力の削減割合が予め対応付けられており、
前記指定された優先順位の指示内容は、前記指定された割合に応じた前記削減割合に対応付けられた指示内容である、請求項2に記載の通信機器。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記指定された割合と、前記接続された家電において前記指定された割合の消費電力が削減されたときの前記指示内容に対応付けられた前記削減割合とを対応付けて前記メモリに格納し、
前記外部の機器から、前記指定された割合と同じ割合または当該割合以上の消費電力を削減するための削減指示を再度受信した場合、前記メモリにおいて当該指定された割合に対応付けられた前記削減割合となる前記指示内容に基づいて、前記接続された家電を制御し、
前記指定された割合に対応付けられた前記削減割合となる前記指示内容に基づいた制御によっても、前記接続された家電において前記指定された割合の消費電力が削減されていない場合には、前記切り換えと、当該切り換え後の指示内容に基づいた前記接続された家電の制御とを繰り返す、請求項3に記載の通信機器。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記複数の指示内容のうち1つの前記指示内容を選択するための選択指示と、当該選択された指示内容を更新する更新指示とを受け付けた場合、当該選択された指示内容を更新指示に基づいた指示内容に更新する、請求項1から4のいずれか1項に記載の通信機器。
【請求項6】
前記通信機器は、通信機能を備えた電力量計に通信可能に接続されたアダプタであり、
前記外部機器は、前記電力量計である、請求項1から5のいずれか1項に記載の通信機器。
【請求項7】
前記通信機器は、前記複数の家電を管理するコントローラに接続されたアダプタであり、
前記アダプタは、前記コントローラおよび前記アダプタに接続された家電のうちのいずれか一方から受信する通信データを他方と通信可能な通信形式に変換し、
前記外部機器は、前記コントローラである、請求項1から5のいずれか1項に記載の通信機器。
【請求項8】
前記削減指示を受信すると、前記複数の指示内容のうち最も優先順位が高い指示内容に基づいて、前記接続された家電を制御する、請求項1に記載の通信機器。
【請求項9】
前記接続された家電は、温度制御を行なう装置であり、
前記通信機器は、温度計をさらに備え、
前記メモリは、前記複数の指示内容を、温度に区分して格納しており、
前記プロセッサは、
前記削減指示を受信すると、前記温度計から温度を取得し、
前記取得した温度が含まれる前記区分における前記複数の指示内容のうち、前記指定された優先順位の指示内容に基づいて、前記接続された家電を制御する、請求項1に記載の通信機器。
【請求項10】
前記接続された家電は、温度制御を行なう装置であり、
前記通信機器は、時計をさらに備え、
前記メモリは、前記複数の指示内容を、時刻に区分して格納しており、
前記プロセッサは、
前記削減指示を受信すると、前記時計から時刻を取得し、
前記取得した時刻が含まれる前記区分における前記複数の指示内容のうち、前記指定された優先順位の指示内容に基づいて、前記接続された家電を制御する、請求項1に記載の通信機器。
【請求項11】
前記接続された家電は、照明装置またはディスプレイを有する装置であり、
前記通信機器は、照度計をさらに備え、
前記メモリは、前記複数の指示内容を、照度に区分して格納しており、
前記プロセッサは、
前記削減指示を受信すると、前記照度計から照度を取得し、
前記取得した照度が含まれる前記区分における前記複数の指示内容のうち、前記指定された優先順位の指示内容に基づいて、前記接続された家電を制御する、請求項1に記載の通信機器。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記複数の家電が設置された部屋に設置されたセンサからの出力を取得し、
前記メモリは、前記複数の指示内容を、前記センサの出力に区分して格納しており、
前記プロセッサは、前記削減指示を受信した場合、前記センサの出力に対応する前記区分における前記複数の指示内容のうち、前記指定された優先順位の指示内容に基づいて、前記接続された家電を制御する、請求項1に記載の通信機器。
【請求項13】
前記センサは、人感センサまたは照度センサである、請求項12に記載の通信機器。
【請求項14】
宅内における複数の家電のうちの1つの家電と通信可能に接続された通信機器における消費電力制御方法であって、
前記通信機器のメモリは、前記接続された家電の制御に用いる複数の指示内容を、優先順位を対応付けて格納しており、
前記消費電力制御方法は、
前記通信機器のプロセッサが、通信インターフェイスを用いて、外部の機器から、前記宅内の消費電力を指定された割合または当該割合以上削減するための削減指示を受信するステップと、
前記プロセッサが、前記削減指示を受信すると、前記複数の指示内容のうち指定された優先順位の指示内容に基づいて、前記接続された家電を制御するステップと、
前記プロセッサが、前記指定された優先順位の指示内容に基づいた制御後に、前記接続された家電において前記指定された割合の消費電力が削減されていない場合には、前記接続された家電の制御に用いる前記指示内容を、前記優先順位が1つ下位となる前記指示内容に切り換えるステップと、
前記プロセッサが、前記切り換え後の指示内容に基づいて、前記接続された家電を制御するステップと、
前記プロセッサが、前記接続された家電において前記指定された割合の消費電力が削減されるまで、前記切り換えと、当該切り換え後の指示内容に基づいた前記接続された家電の制御とを繰り返すステップとを備える、消費電力制御方法。
【請求項15】
宅内における複数の家電のうちの1つの家電と通信可能に接続された通信機器を制御するためのプログラムであって、
前記通信機器のメモリは、前記接続された家電の制御に用いる複数の指示内容を、優先順位を対応付けて格納しており、
前記プログラムは、
前記通信機器の通信インターフェイスを用いて、外部の機器から、前記宅内の消費電力を指定された割合または当該割合以上削減するための削減指示を受信するステップと、
前記削減指示を受信すると、前記複数の指示内容のうち指定された優先順位の指示内容に基づいて、前記接続された家電を制御するステップと、
前記指定された優先順位の指示内容に基づいた制御後に、前記接続された家電において前記指定された割合の消費電力が削減されていない場合には、前記接続された家電の制御に用いる前記指示内容を、前記優先順位が1つ下位となる前記指示内容に切り換えるステップと、
前記切り換え後の指示内容に基づいて、前記接続された家電を制御するステップと、
前記接続された家電において前記指定された割合の消費電力が削減されるまで、前記切り換えと、当該切り換え後の指示内容に基づいた前記接続された家電の制御とを繰り返すステップとを、前記通信機器のプロセッサに実行させる、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2013−51668(P2013−51668A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−49082(P2012−49082)
【出願日】平成24年3月6日(2012.3.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】