説明

通信装置、パケット化周期変更方法、及びプログラム

【課題】TDM−PWシステムのサービス中に、サービストラヒックに影響を与えることなく、パケット化周期/TDM化周期を変更可能とする通信装置及びパケット化周期変更方法を提供する。
【解決手段】TDMデータをパケット化したデータを受信する通信装置であって、周期情報検出部16と、パケット化したデータを一定期間格納するジッタバッファ12と、ジッタバッファ容量制御部22とを備える。周期情報検出部16は、受信したパケット化したデータに含まれる、TDMデータをパケット化する周期を指定するパケット化周期情報を抽出し、パケット化したデータをTDM化するTDM化周期を、パケット化周期情報に基づいて取得する。ジッタバッファ容量制御部22は、取得したTDM化周期を受け取り、TDM化周期に応じてジッタバッファの容量を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TDM−PW(TDM:Time Division Multiplexing、PW:Pseudo Wire)システムの通信装置に関し、特に、サービスを停止させずにパケット化周期、TDM化周期を変更する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
TDMデータをパケット化する装置(送信側)と、パケットをTDM化する装置(受信側)を接続したシステムでは、パケット化周期を変更するために、外部制御端末から送信側にパケット化周期を変更する操作と、受信側にTDM化周期を変更する操作を実施する必要があった。これは、パケット化周期変更の操作において、サービス中にパケット化周期の変更を行うとパケットロスが発生してしまう可能性があるため、サービス中にパケット化周期を変更できなかった。
従って、TDM−PWシステムでは、送信側のTDMデータをパケット化する装置におけるパケット化周期と、受信側のパケットをTDM化する装置におけるTDM化周期とを、サービス開始前に設定し、固定値として使用することが一般的である。
【0003】
関連する技術として、パケットを多重化するシステムに関して、特許文献1には、パケットを送信する周期を変更しても、周辺通信装置との間で、パケットの衝突を発生させずにパケットを多重化して通信することができる通信装置が開示されている。特許文献1では、図3に示されているように、タイムスロットに送信周期情報を挿入し、送信側から受信側の通信装置に送信周期を通知する。特許文献1の要約に記載されているように、この技術では、送信周期を延長する場合、送信周期での送信タイムスロットの使用状態が「RTC」(衝突発生)であるか否かを判定し、使用状態の全てが「RTC」ではない場合には、現在の送信タイムスロットを変更せずに、そのまま次の送信タイムスロットとして決定する。また、送信周期を短縮する場合には、送信周期での送信タイムスロットの使用状態の全てが「RTC」ではなく、かつ、現在の送信周期での送信タイムスロットに対する裏のタイムスロットが使用されていないと判定されると、現在の送信タイムスロットを変更せずに、パケットの送信周期を1/2の周期に短縮する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−227962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、TDM−PWシステムでは、サービス中にパケット化周期を変更した場合、パケット化周期の変更範囲が大きいと、バッファアンダーラン/バッファオーバーランなどのバッファエラーが発生してしまう可能性がある。このため、特許文献1に開示されている、送信周期情報を送信側から受信側の通信装置へ通知するという技術により、仮に、パケット化周期を送信側から受信側の通信装置へ通知することによって、送信側と受信側との通信装置間でパケット化周期変更のタイミング同期をとることができたとしても、バッファアンダーラン/バッファオーバーランなどのバッファエラーの発生を回避できない場合が生じるという問題があった。
【0006】
一方、一般にパケット化周期/TDM化周期の値は、遅延との間には正比例の関係、帯域利用効率の間にはトレードオフの関係がある。言い換えると、周期を短くすれば遅延は小さくなり、周期を長くすれば遅延は大きくなる。また、周期を短くするとオーバヘッドが大きくなるため、帯域利用効率は悪くなり、周期を長くすれば帯域利用効率は良くなる。
このような関係がある中で、パケット化周期/TDM化周期を固定値で使用する場合、例えば、収容トラヒックのQoS(Quality of Service)(遅延)要求が変化した時にその要求を満たせない、または、接続回線数が増加した時にすべての回線を収容できないなど、トラヒックの変化に柔軟に対応できない可能性があるという課題がある。
このような課題を解決するために、本発明では、TDM−PWシステムのサービス中に、サービストラヒックに影響を与えることなく、パケット化周期/TDM化周期を変更可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る通信装置の一態様は、TDMデータをパケット化したデータを受信する通信装置であって、周期情報検出部と、パケット化したデータを一定期間格納するジッタバッファと、ジッタバッファ容量制御部とを少なくとも備える。周期情報検出部は、受信したパケット化したデータに含まれる、TDMデータをパケット化する周期を指定するパケット化周期情報を抽出し、パケット化したデータをTDM化するTDM化周期を、パケット化周期情報に基づいて取得する。ジッタバッファ容量制御部は、取得したTDM化周期を受け取り、TDM化周期に応じてジッタバッファの容量を制御する。
【0008】
本発明に係るパケット化周期変更方法の一態様は、TDMデータをパケット化したデータを受信する通信装置のパケット化周期変更方法であって、受信したパケット化したデータに含まれる、TDMデータをパケット化する周期を指定するパケット化周期情報を抽出し(パケット化周期情報抽出工程)、パケット化したデータをTDM化するTDM化周期を、パケット化周期情報に基づいて取得し(パケット化周期情報取得工程)、パケット化したデータを一定期間格納するジッタバッファの容量を、取得したTDM化周期に応じて制御する(ジッタバッファ容量制御工程)。
【0009】
本発明に係るプログラムの一態様は、TDMデータをパケット化したデータを受信する通信装置のパケット化周期変更方法を実現するプログラムであって、コンピュータに、受信したパケット化したデータに含まれる、TDMデータをパケット化する周期を指定するパケット化周期情報を抽出する処理と、パケット化したデータをTDM化するTDM化周期を、パケット化周期情報に基づいて取得する処理と、パケット化したデータを一定期間格納するジッタバッファの容量を、取得したTDM化周期に応じて制御する処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、TDM−PWシステムのサービス中に、サービストラヒックに影響を与えることなく、パケット化周期/TDM化周期を変更可能とする通信装置及びパケット化周期変更方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態1の通信装置の構成例を示す図である。
【図2A】本発明の実施形態1の周期情報挿入部と周期情報検出部との詳細構成を示す図である。
【図2B】本発明の実施形態1の周期情報検出部、ジッタバッファ容量制御部、及びジッタバッファとの関係を示す図である。
【図2C】TDM化周期テーブルの一例を示す図である。
【図3】パケット化周期情報が送信側の通信装置から受信側の通信装置へ通知される動作例を示すフローチャートである。
【図4】パケット化周期が1msから2msに変更するときの送信側と受信側の通信装置の動作を説明する図である。
【図5】CESoPSN(RFC5086)方式において、Reserved bit Control WordのReservedの領域を使用して、パケット化周期情報を転送する転送方式について説明する図である。
【図6】SAToP(RFC4553)方式において、Reserved bit Control WordのReservedの領域を使用して、パケット化周期情報を転送する転送方式について説明する図である。
【図7】SONET/SDH CES化(RFC4842)において、Reserved bit Control WordのReservedの領域を使用して、パケット化周期情報を転送する転送方式について説明する図である。
【図8】ペイロード部分の一部領域を使用して、パケット化周期情報を転送する転送方式について説明する図である。
【図9】RTPヘッダのReserved/不使用の領域(Payload Typeエリア)を使用して、パケット化周期情報を転送する転送方式について説明する図である。
【図10】RTPヘッダのReserved/不使用の領域(timestampエリア)を使用して、パケット化周期情報を転送する転送方式について説明する図である。
【図11】SAToP[RFC4553]のフレームフォーマットを示す図である。
【図12】CESoPSN[RFC5086]のフレームフォーマットを示す図である。
【図13】SONET/SDH[RFC4842]のフレームフォーマットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において同一の構成または機能を有する構成要素および相当部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0013】
本発明は、TDM−PWシステムにおいて(TDM:Time Division Multiplexing、PW:Pseudo Wire)、サービスを停止させずにパケット化周期、TDM化周期を変更可能する構成を備える。例えば、送信側の通信装置は、外部端末から、TDMデータをパケット化するパケット化周期の変更指示を受けると、新たなパケット化周期情報を主信号に挿入し、受信側の通信装置に送信する。受信側の通信装置は、受信パケットからパケット化周期情報を抽出すると、パケット化したデータをTDM化するTDM化周期を変更するとともに、ジッタバッファ容量を調整する。以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0014】
実施形態1.
図1は本発明の実施形態1の通信装置の構成例を示す図である。通信装置1,2は、一方が送信側、他方が受信側であり、同じ構成を有する場合を示す。
通信装置1,2は、バッファ11、CES化部(CES化回路)13、周期情報挿入部(パケット化周期情報挿入回路)15、PW−パケット化周期テーブル19、バッファ容量制御部(バッファ容量制御回路)21、パケット化周期制御部(パケット化周期制御回路)23、周期情報検出部(パケット化周期情報検出回路)16、ジッタバッファ12、TDM化部(TDM化回路)14、ジッタバッファ容量制御部(ジッタバッファ容量制御回路)22、及び、TDM化周期制御部(TDM化周期制御回路)24から構成される。
加えて、通信装置1、2の設定を行なうための外部制御端末5、6が接続される。さらに、TDMのクライアント装置として、TDM送受信機3、4が通信装置1、2に接続されている。
【0015】
バッファ11は、送受信機3,4からのTDMデータを一旦格納するバッファである。
CES化部13は、バッファ11からのTDMデータを取り出し、一定の周期でパケット化を行い、パケット化時にPWラベル情報(PWラベル値)を挿入する回路である。
周期情報挿入部15は、イーサネット(登録商標)データ(以降、「データ」と称する)をCES化部13から受信し、パケット化周期情報をデータに挿入して、対向(他の)の通信装置の周期情報検出部16に送信する回路である。
ここで、パケット化周期情報は、データをパケット化するパケット化周期を示す情報であり、例えばコード値を用いる。また、パケット化周期情報は、受信側の通信装置において、パケット化したデータをTDMデータへ変換するときに用いるTDM化周期に変換して用いる。パケット化周期とTDM化周期とは実質的に同じ値となる。これについては、図2Aから図2Cを用いて後述する。
【0016】
PW−パケット化周期テーブル19は、外部制御端末5,6から設定されたPWラベル情報と、パケット化周期情報とを関連付ける内部テーブルである。
バッファ容量制御部21は、外部制御端末5,6からのバッファ容量設定情報と、パケット化周期制御部23からのパケット化周期情報をもとに、バッファ11の容量を制御する回路である。
パケット化周期制御部23は、外部制御端末5,6からのパケット化周期設定情報を、バッファ容量制御部21、CES化部13、周期情報挿入部15に送信する回路である。
【0017】
周期情報検出部16は、データを受信し、パケット化周期情報を読み取り、その情報をTDM化周期制御部24及び、ジッタバッファ容量制御部22に送信する回路である。また、データをジッタバッファ12に送信する回路である。
ジッタバッファ12は、データを一定時間格納するバッファである。
TDM化部14は、データを一定周期でTDM化し、TDM化したデータ(TDMデータ)をTDM送受信機3,4に送信する回路である。
ジッタバッファ容量制御部22は、パケット化周期情報を受信後、ジッタバッファ12の容量を制御する回路である。
TDM化周期制御部24は、パケット化周期情報を受信後、TDM化部14のTDM化周期を制御する回路である。
【0018】
図2Aは、本発明の実施形態1の周期情報挿入部15と周期情報検出部16との詳細構成を示している。
周期情報挿入部15は、受信部(パケット化周期情報受信部)301、パケット化周期変換部(パケット化周期情報−挿入データ変換回路)303、パケット化周期テーブル(パケット化周期設定情報テーブル)305、及び、挿入部(パケット化周期情報挿入部)307から構成される。
周期情報検出部16は、送信部(パケット化周期情報送信部)302、TDM化周期変換部(パケット化周期情報−挿入データ変換回路)304、TDM化周期テーブル(TDM化周期設定情報テーブル)306、及び、抽出部(パケット化周期情報抽出部)308から構成される。
【0019】
受信部301は、パケット化周期をパケット化周期制御部23から受信する回路である。
パケット化周期変換部303は、パケット化周期テーブル305を参照し、パケット化周期を、パケットに書き込むコード値に変換する回路である。ここでは、パケット化周期情報の一例として、コード値を用いる場合を説明する。
パケット化周期テーブル305は、パケット化周期と、パケットに書き込むコード値の変換ルールの設定を格納するためのテーブルである。
挿入部307は、パケットに書き込むコード値をデータに挿入し、周期情報検出部16にデータを送信する回路である。
【0020】
抽出部308は、データからパケット化周期を示すコード値を読み取り、読み取ったコード値をTDM化周期変換部304に送信する回路である。
TDM化周期変換部304は、TDM化周期テーブル306を参照し、抽出部308から受信したコード値を、TDM化周期(パケット化周期)に変換し、送信部302に送信する回路である。
TDM化周期テーブル306は、データに挿入されているパケット化周期を示すコード値と、TDM化周期との変換ルールの設定を格納するためのテーブルである。
送信部302は、TDM化周期をジッタバッファ容量制御部22及びTDM化周期制御部24へ送信する回路である。
【0021】
図2Bは、本発明の実施形態1の周期情報検出部16、ジッタバッファ容量制御部22、及びジッタバッファ12との関係を示す図である。送信部302は、パケット化周期情報(TDM化周期)をジッタバッファ容量制御部22へ送信する。また、図2Cは、TDM化周期テーブル306の一例を示す図である。TDM化周期テーブル306は、パケット化周期情報(コード値)とTDM化周期とを対応づける。なお、パケット化周期テーブル305の構成は、図2Cに示すTDM化周期テーブルのTDM化周期をパケット化周期に替えて構成することができ、パケット化周期とパケット化周期情報(コード値)とを対応づける。図2B、図2Cについては、図3を参照して説明する。
【0022】
図1では、CES化部13、周期情報挿入部15、バッファ容量制御部21、パケット化周期制御部23、周期情報検出部16、TDM化部14、ジッタバッファ容量制御部22、及び、TDM化周期制御部24を回路(ハードウェア)で構成する場合を一例として説明しているが、これに限られるわけではない。例えば、ソフトウェア、回路とソフトウェアとの組合せで構成する場合であっても構わない。同様に、図2A,図2Bにおける、受信部301、パケット化周期変換部303、挿入部307、送信部302、TDM化周期変換部304、及び、抽出部308も同様に、回路で構成される場合に限定されるものではない。
【0023】
図3は、パケット化周期情報が送信側の通信装置から受信側の通信装置へ通知される動作例のフローチャートを示している。以降の説明では、通信装置1を送信側、通信装置2を受信側であることを前提として説明する。
周期情報挿入部15の受信部301は、Step1として、外部制御端末5からパケット化周期制御部23を介してパケット化周期の変更指示を受け、新たなパケット化周期情報を受信する。
その後、Step2において、パケット化周期変換部303は、パケット化周期テーブル305を参照して、Step1で受信したパケット化周期情報をコード値に変換する。挿入部307は、Step3として、変換したコード値を主信号パケットの所定の領域に挿入する。
コード値が挿入された主信号パケット(データ)は、送信側の通信装置1から受信側の通信装置2に送信される。
【0024】
続いて、受信側の通信装置2の周期情報検出部16の抽出部308は、Step4として、受信パケットからパケット化周期情報のコード値を読み取る。
TDM化周期変換部304は、Step5において、TDM化周期テーブル306を参照してコード値をTDM化周期に変換する。送信部302は、Step6において、TDM化周期制御部24とジッタバッファ容量制御部22に新たなTDM化周期を送信する。
ジッタバッファ容量制御部22は、Step7において、受信した新たなTDM化周期に基づいて、ジッタバッファ12の容量を制御する。TDM化周期制御部24は、新たなTDM化周期を、TDM化部に通知する。
【0025】
ここで、例えば図2Cに示すパケット化周期情報(コード値)として"01"が送信側から受信側の通信装置2へ通知される場合の具体的な動作例を説明する。
抽出部308は、送信側の通信装置1から受信したデータからコード値"01"を抽出する(Step4)。TDM化周期変換部304は、抽出部308からパケット化周期情報"01"を受信し、TDM化周期テーブルを参照して、コード値"01"をTDM化周期"500μs"という周期に変換する(Step5)。送信部302は、TDM化周期変換部304が取得したTDM化周期"500μs"をジッタバッファ容量制御部22及びTDM化周期制御部24へ送信する(Step6)。ジッタバッファ容量制御部22は、ジッタバッファ12を、TDM化周期"500μs"に応じた容量に制御(変更)する(Step7)。
【0026】
図3のフローチャートを参照して説明したように、図2Aの構成により、パケット化周期情報が送信側の通信装置1から受信側の通信装置2へ通知される。そして、図2Bに示すように、受信側の通信装置2は、通知されたパケット化周期情報(コード値)に基づいて、自装置内のジッタバッファ12の容量を制御する。
【0027】
図4は、パケット化周期が1msから2msに変更するときの送信側と受信側の通信装置の動作を説明する図である。ここでは、図4に示す(S31)等のステップの番号は必ずしも時系列の順番を示すものではなく、任意の複数のステップが並行して処理される場合もあり得る。
送信側の通信装置1では以下の動作を実施する。
通信装置1は、TDM送受信機3から受信したTDMデータを一旦バッファ11へ格納する(S31)。
外部制御端末5は、パケット化周期を1msから2msに変更する設定を行う(S32)。
外部制御端末5から変更指示を受けたバッファ容量制御部21は、バッファ漏れが発生しないようにバッファサイズを調整する(S33)。ここでは、バッファ11のオーバーフローを回避するため、バッファ容量を増加させる。
【0028】
加えて、外部制御端末5から変更指示を受けたパケット化周期制御部23は、CES化部13でのパケット化周期を1msから2msに変更するよう制御する(S34)。この指示に応じて、CES化部13では、バッファ11から、1ms毎にデータを読み出す動作(1ms毎に読み出し)を、2ms毎にデータを読み出す動作(2ms毎に読み出し)へ変更する(S35)。また、CES化部13は、読み出したデータを、1ms毎にパケット化する動作(1msでパケット化)を、2ms毎にパケット化する動作(2msでパケット化)へ変更する(S36)。
パケット化周期制御部23は、周期情報挿入部15にパケット化周期を送信する。このとき、周期情報挿入部15は、主信号に挿入するパケット化周期を1msから2msに変更する(S37)。
【0029】
受信側の通信装置2では以下の動作を実施する。
周期情報検出部16は、1msから2msへ変更されたパケット化周期情報をデータから抽出し、パケット化周期情報(コード値)をTDM化周期に変更して、TDM化周期制御部24とジッタバッファ容量制御部22に伝達する(S41)。このとき、周期情報検出部16は、送信側の通信装置1から受信したデータをジッタバッファ12に一旦格納する(S42)。
変更されたTDM化周期を受けたTDM化周期制御部24は、TDM化部14でのTDM化周期を1msから2msに変更するように制御する(S45)。
【0030】
加えて、変更されたTDM化周期を受けたバッファ容量制御部21は、ジッタバッファ12でバッファアンダーラン/バッファオーバーランなどのバッファエラーが発生しないように、バッファ容量を制御(調整)する(S43)。図4の動作例のようにパケット化周期を2msに変更した場合、ジッタバッファ12の容量は、ジッタバッファオーバーラン、アンダーランエラーによるパケットロスを防止するために、ジッタバッファ容量は±2ms以上、言い換えると、データの2msの遅延、早着を救済できるバッファ容量にすることが好ましい。これは、イーサネット(登録商標)フレームがゆらいだ場合、ロスしない範囲を表している。例えば、イーサネット(登録商標)フレームが遅延した場合、2ms以下の遅延であればロスすることがない。一方、2msより遅延した場合はロスすることになる。早着した場合も同様となる。あらかじめジッタバッファ容量を大きく設定しておくことも可能だが、遅延時間はジッタバッファ容量に比例するため、ジッタバッファを可能な限り小さい容量に制御しておくことが好ましい。
TDM化部14は、ジッタバッファからパケット化されたデータを読み出し(S44)、変更されたTDM化周期(2ms)を用いて、パケット化されたデータをTDM化する(S46)。
【0031】
以上説明した動作のように、送信側の通信装置1でパケット化周期を変更したタイミングを、受信側の通信装置2で検出することが可能になり、加えて、検出したタイミングで受信側の通信装置1が自動的に調整してTDM化周期の変更を行うため、トラフィックに影響が発生しない。
このように、上記の仕組みによりサービス中であってもパケット化周期を1msから2msに変更可能とする機能を実現する。
【0032】
次にパケット化周期情報の転送方法について説明する。本発明では、パケット化周期情報は以下の方法により転送可能である。
・転送方式(1) ヘッダのReserved bit Control WordのReservedの領域を使用して転送する。
(1−1):CESoPSN (RFC5086)方式 ・・・(図5)
(1−2):SAToP (RFC4553)方式 ・・・(図6)
(1−3):SONET/SDH CES化(RFC4842) ・・・(図7)
・転送方式(2) ペイロード部分の一部領域を使用して転送する ・・・(図8)
・転送方式(3) RTPヘッダのReserved/不使用の領域を使用して転送する
(3−1):Payload Typeエリア ・・・(図9)
(3−2):timestampエリア ・・・(図10)
【0033】
また、パケット化周期情報の転送値について以下の2種類を提案する。
・方式(I):パケット化周期値を選択する方式にし、選択値を転送する。
・方式(II):ある時間MのN倍でパケット化を行うものとし、N値を転送する。
(一例:パケット化周期を1ms時、M=125μs、N=4とし、N=4を送信する)
方式(I)、(II)のいずれにおいても図2のパケット化周期テーブル305とTDM化周期テーブル306にパケットに書き込むコード値の変換ルールをあらかじめ設定しておくことが必要となる。具体的には、図5から図10に示されているパケット化周期(TDM化周期)、コード値について、パケット化周期テーブル305では、パケット化周期をコード値に変換するための対応づけを設定し、TDM化周期テーブル306にコード値をTDM化周期に変換するための対応づけを設定しておく。
以下に各転送方式におけるパケット化周期情報の挿入位置について説明する。
なお、フレームフォーマットについては、図11から図13に示す。図11は、SAToP[RFC4553]のフレームフォーマット、図12は、CESoPSN[RFC5086]のフレームフォーマット、及び、図13は、SONET/SDH[RFC4842]のフレームフォーマットを示している。
【0034】
転送方式(1−1)
図5ha,転送方式(1−1)を説明した図である。
本方式は、CESoPSN方式(RFC5086)(CESoPSN : Structure-Aware Time Division Multiplexed (TDM) Circuit Emulation Service over Packet Switched Network)を用いてCES化(CES : Circuit Emulation Service)した時の転送方式であり、CES化時に付与されるヘッダのCW(CW : Control Word)のLbitとMbitの組み合わせのうちReservedのパターンを利用した転送方式である。
LbitとMbitは受信機において、参照している値のため、パケット化周期を変更したい時のみ本方式を使用するものとし、その他の場合はRFC5086に準拠した値をとるものとする。
転送方式(1−1)は、方式(I)が適用可能である。
【0035】
一例として以下のように定義する。
・方式(I)
L:M=
0:01 (Reserved) ・・・125μs
1:01 (Reserved) ・・・500μs
1:10 (Reserved) ・・・1ms
1:11 (Reserved) ・・・2ms
【0036】
転送方式(1−2)
図6は、転送方式(1−2)を説明した図である。
本方式は、SAToP方式(RFC4553)(SAToP:Structure-Agnostic Time Division Multiplexing (TDM) over Packet)を用いてCES化した時の転送方式であり、CES化時に付与されるヘッダのCW部分のReserved領域を利用した転送方式である。
転送方式(1−2)は、方式(I)が適用可能である
【0037】
一例として以下のように定義する。
・方式(I)
00:125μs
01:500μs
10:1ms
11:2ms
【0038】
転送方式(1−3)
図7は、転送方式(1−3)を説明した図である。
本方式は、SONET/SDH(Synchronous Optical NETwork/Synchronous Digital Hierarchy)をCES化(RFC4842)した時の転送方式であり、CES化時に付与されるヘッダのCEP Header(CEP:Circuit Emulation over Packet)のReserved領域を利用した転送方式である。
転送方式(1−3)は、方式(I)、(II)が適用可能である。
【0039】
一例として以下のように定義する。
・方式(I)
0000:125μs
0001:250μs
0010:500μs
0011:1ms
0100:2ms
0101:4ms
0110:8ms
・方式(II)
M=125μs、N=1〜64
【0040】
転送方式(2)
図8は、転送方式(2)を説明した図である。
本方式は、ペイロード部分にパケット化周期情報を挿入したときの転送方式であり、データ部分の末尾(ペイロードの週信号データの最後の領域)にパケット化周期情報を挿入する転送方式である。
転送方式(2)は、方式(I)、(II)が適用可能である。
【0041】
一例として以下のように定義する。
・方式(I)
0001:125μs
0010:500μs
0100:1ms
1000:2ms
・方式(II)
M=100μs、N=1〜80
【0042】
転送方式(3−1)
図9は、転送方式(3−1)を説明した図である。
本方式は、CES化時にRTP(RTP:Real-time Transport Protocol)ヘッダを挿入した場合のPayload Type領域を利用する転送方式であり、Payload Typeのunassigned番号を利用してパケット化周期を転送する方式である。
Payload Typeの77〜95がunassignedのため、この部分を利用する。
転送方式(3−1)は、方式(I)、(II)が適用可能である。
【0043】
一例として以下のように定義する。
・方式(I)
1010000 (80):125μs
1010001 (81):500μs
1010010 (82):1ms
1010011 (83):2ms
・方式(II)
M=125μs、N=1,2,4,6,8,16,32,64
【0044】
転送方式(3−2)
図10は、転送方式(3−2)を説明した図である。
本方式は、CES化時にRTPヘッダを挿入した場合の timestamp領域を利用する転送方式であり、Timestampの下位bitをパケット化周期情報転送に利用する方式である。
転送方式(3−2)は、方式(I)が適用可能である。
【0045】
一例として以下のように定義する。
・方式(I)
0001:125μs
0010:500μs
0100:1ms
1000:2ms
【0046】
実施形態2.
実施形態1では、周期情報検出部16は、パケット化周期情報を受信すると、ジッタバッファ容量制御部22及びTDM化周期制御部24へ送信する動作を説明したが、次のように動作する場合であってもよい。例えば、周期情報検出部16は、現在のTDM化周期を保持する場合、あるいは、自装置内の記憶領域に格納された現在のTDM化周期を取得することが可能な構成である場合、新たに検出したTDM化周期が、現在のTDM化周期と異なる場合に、新たに取得したTDM化周期を、ジッタバッファ容量制御部22及びTDM化周期制御部24へ送信するように構成してもよい。
また、主信号に挿入するパケット周期情報に、パケット化周期が変更されたか否かの情報を含めるようにしてもよい。例えば、コード値にパケット化周期の変更を示す情報を含めるように設定してもよい。
【0047】
また、ジッタバッファ容量制御部22は、通知されたTDM化周期の値に応じて容量を調整してもよい。例えば、TDM化周期の値を用いて、所定の計算式等を用いてジッタバッファ12の容量を調整してもよい。あるいは、TDM化周期と、ジッタバッファ12の適切な容量とを対応づける容量テーブルを保持し、TDM化周期が通知されると、容量テーブルを参照してジッタバッファ12の容量を調整してもよい。
【0048】
その他の実施形態.
上記各実施形態では、図1、図2A,図2Bに含まれる構成要素、例えば、周期情報検出部16、ジッタバッファ容量制御部22を回路によって実現する場合を説明したが、プログラムを用いて実現することも可能である。プログラムは、コンピュータ内のメモリにロードされ、CPU(Central Processing Unit)の制御のもとで実行される。
【0049】
プログラムは、TDMデータをパケット化したデータを受信する通信装置のパケット化周期変更方法を実現するプログラムであり、コンピュータに少なくとも次の処理を実行させる。(a)受信したパケット化したデータに含まれる、TDMデータをパケット化する周期を指定するパケット化周期情報を抽出する処理(パケット化周期情報抽出処理)。(b)パケット化したデータをTDM化するTDM化周期を、パケット化周期情報に基づいて取得する処理(パケット化周期情報取得処理)。(c)パケット化したデータを一定期間格納するジッタバッファの容量を、取得したTDM化周期に応じて制御する処理(ジッタバッファ容量制御処理)。パケット化周期情報抽出処理及びパケット化周期情報取得処理は、周期情報検出部16が実現する処理を実施するものであり、ジッタバッファ容量制御処理は、ジッタバッファ容量制御部22が実現する処理を実施するものである。
【0050】
さらに、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録して提供することも可能である。プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0051】
上記各実施形態で説明したように、図1において、送信側の通信装置の周期情報挿入部15は、パケット化周期の変更指示を受けると、新たなパケット化周期情報を主信号に挿入し、受信側の通信装置に送信する。受信側の通信装置の周期情報検出部16は、受信パケットからパケット化周期情報を抽出すると、TDM化周期を変更するとともにジッタバッファ容量を調整する。このような制御により、サービスを停止させずにパケット化周期を変更し、かつ、パケットロスを防ぐことを可能とする。
言い換えると、送信側の通信装置から送信するデータにパケット化周期情報を挿入し、受信側の通信装置に伝達することによって、受信側の通信装置はパケット化周期変更のタイミングを検知することができる。加えて、受信側の通信装置は、パケット化周期情報を検出したタイミングをトリガとして、ジッタバッファの制御を行う。これにより、バッファのエラーを防ぐことが可能となる。さらに、ジッタバッファの制御を行うことによって、データの遅延時間を抑えることが可能となる。このようにして、通信装置が本方式を実装することにより、サービス中であってもパケット化周期を変更することを可能としている。
【0052】
以上説明したように、本発明の各実施形態によれば、サービス中にパケット化周期変更の操作を行ってもパケットロスを発生させずにパケット化周期を変更させることができる。
【0053】
なお、本発明は上記に示す実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲において、上記実施形態の各要素を、当業者であれば容易に考えうる内容に変更、追加、変換することが可能である。
【0054】
[付記]
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
付記1:
TDMデータをパケット化したデータを受信する通信装置であって、
受信したパケット化したデータに含まれる、TDMデータをパケット化する周期を指定するパケット化周期情報を抽出し、パケット化したデータをTDM化するTDM化周期を、前記パケット化周期情報に基づいて取得する周期情報検出部と、
前記パケット化したデータを一定期間格納するジッタバッファと、
取得したTDM化周期を受け取り、前記TDM化周期に応じて前記ジッタバッファの容量を制御するジッタバッファ容量制御部と、を備える通信装置。
【0055】
付記2:
前記周期情報検出部は、
前記パケット化周期情報と、前記TDM化周期とを対応づけて格納するTDM化情報テーブルと、
前記受信したパケット化したデータに含まれる、前記パケット化周期情報を抽出する抽出部と、
前記周期設定テーブルを参照して、抽出したパケット化周期情報に対応づけられたTDM化周期を取得する変換部と、を備えることを特徴とする付記1記載の通信装置。
【0056】
付記3:
前記ジッタバッファ容量制御部は、前記TDM化周期に対して、所定の範囲内の容量に設定することを特徴とする付記1または2記載の通信装置。
付記4:
前記ジッタバッファ容量制御部は、前記TDM化周期が大きくなる場合、前記ジッタバッファの容量が大きくし、前記TDM化周期が小さくなる場合、前記ジッタバッファの容量を小さくするように制御することを特徴とする付記1乃至3のいずれか一項に記載の通信装置。
【0057】
付記5:
前記パケット化周期情報は、前記パケット化したデータ内のReserved bitの領域に挿入されることを特徴とする付記1乃至4のいずれか一項に記載の通信装置。
付記6:
前記パケット化周期情報は、前記パケット化したデータ内のペイロード部分の領域に挿入されることを特徴とする付記1乃至4のいずれか一項に記載の通信装置。
付記7:
前記パケット化周期情報は、前記パケット化したデータ内のRTPヘッダのPayload Typeの未定義値の領域に挿入されることを特徴とする付記1乃至4のいずれか一項に記載の通信装置。
付記8:
前記パケット化周期情報は、前記パケット化したデータ内のRTPヘッダのtimestampの領域に挿入されることを特徴とする付記1乃至4のいずれか一項に記載の通信装置。
【0058】
付記9:
TDMデータをパケット化したデータを受信する通信装置のパケット化周期変更方法であって、
受信したパケット化したデータに含まれる、TDMデータをパケット化する周期を指定するパケット化周期情報を抽出し、
パケット化したデータをTDM化するTDM化周期を、前記パケット化周期情報に基づいて取得し、
前記パケット化したデータを一定期間格納するジッタバッファの容量を、取得したTDM化周期に応じて制御するパケット化周期変更方法。
【0059】
付記10:
TDMデータをパケット化したデータを受信する通信装置のパケット化周期変更方法を実現するプログラムであって、
コンピュータに、
受信したパケット化したデータに含まれる、TDMデータをパケット化する周期を指定するパケット化周期情報を抽出する処理と、
パケット化したデータをTDM化するTDM化周期を、前記パケット化周期情報に基づいて取得する処理と、
前記パケット化したデータを一定期間格納するジッタバッファの容量を、取得したTDM化周期に応じて制御する処理と、を実行させるプログラム。
【0060】
付記11:
TDMデータをパケット化したデータを送受信する通信システムであって、
送信側の通信装置は、
TDMデータをパケット化する周期を指定するパケット化周期情報を用いて、TDMデータをパケット化したデータを生成し、前記パケット化周期情報を前記パケット化したデータに挿入して受信側の通信装置へ送信し、
受信側の通信装置は、
受信したパケット化したデータに含まれる、TDMデータをパケット化する周期を指定するパケット化周期情報を抽出し、パケット化したデータをTDM化するTDM化周期を、前記パケット化周期情報に基づいて取得する周期情報検出部と、
前記パケット化したデータを一定期間格納するジッタバッファと、
取得したTDM化周期を受け取り、前記TDM化周期に応じて前記ジッタバッファの容量を制御するジッタバッファ容量制御部と、を備える通信システム。
【0061】
付記12:
TDMデータをパケット化したデータを送受信する通信システムのパケット化周期変更方法であって、
送信側の通信装置は、
TDMデータをパケット化する周期を指定するパケット化周期情報を用いて、TDMデータをパケット化したデータを生成し、前記パケット化周期情報を前記パケット化したデータに挿入して受信側の通信装置へ送信し、
受信側の通信装置は、
受信したパケット化したデータに含まれる、TDMデータをパケット化する周期を指定するパケット化周期情報を抽出し、
パケット化したデータをTDM化するTDM化周期を、前記パケット化周期情報に基づいて取得し、
前記パケット化したデータを一定期間格納するジッタバッファの容量を、取得したTDM化周期に応じて制御するパケット化周期変更方法。
【符号の説明】
【0062】
1,2 通信装置
3,4 TDM送受信機
5,6 外部制御端末
11 バッファ
12 ジッタバッファ
13 CES化部
14 TDM化部
15 周期情報挿入部
16 周期情報検出部
19 PW−パケット化周期テーブル
21 バッファ容量制御部
22 ジッタバッファ容量制御部
23 パケット化周期制御部
24 TDM化周期制御部
301 受信部
302 送信部
303 パケット化周期変換部
304 TDM化周期変換部
305 パケット化周期テーブル
306 TDM化周期テーブル
307 挿入部
308 抽出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
TDM(Time Division Multiplexing)化データをパケット化したデータを受信する通信装置であって、
受信したデータに含まれる、TDMデータをパケット化する周期を指定するパケット化周期情報を抽出し、パケット化したデータをTDM化するTDM化周期を、前記パケット化周期情報に基づいて取得する周期情報検出手段と、
前記パケット化したデータを一定期間格納するジッタバッファと、
取得したTDM化周期を受け取り、前記TDM化周期に応じて前記ジッタバッファの容量を制御するジッタバッファ容量制御手段と、を備える通信装置。
【請求項2】
前記周期情報検出手段は、
前記パケット化周期情報と、前記TDM化周期とを対応づけて格納するTDM化情報テーブルと、
前記受信したパケット化したデータに含まれる、前記パケット化周期情報を抽出する抽出手段と、
前記周期設定テーブルを参照して、抽出したパケット化周期情報に対応づけられたTDM化周期を取得する変換手段と、を備えることを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記ジッタバッファ容量制御手段は、前記TDM化周期に対して、所定の範囲内の容量に設定することを特徴とする請求項1または2記載の通信装置。
【請求項4】
前記ジッタバッファ容量制御手段は、前記TDM化周期が大きくなる場合、前記ジッタバッファの容量が大きくし、前記TDM化周期が小さくなる場合、前記ジッタバッファの容量を小さくするように制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記パケット化周期情報は、前記パケット化したデータ内のReserved bitの領域に挿入されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記パケット化周期情報は、前記パケット化したデータ内のペイロード部分の領域に挿入されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記パケット化周期情報は、前記パケット化したデータ内のRTPヘッダのPayload Typeの未定義値の領域に挿入されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記パケット化周期情報は、前記パケット化したデータ内のRTPヘッダのtimestampの領域に挿入されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項9】
TDMデータをパケット化したデータを受信する通信装置のパケット化周期変更方法であって、
受信したパケット化したデータに含まれる、TDMデータをパケット化する周期を指定するパケット化周期情報を抽出し、
パケット化したデータをTDM化するTDM化周期を、前記パケット化周期情報に基づいて取得し、
前記パケット化したデータを一定期間格納するジッタバッファの容量を、取得したTDM化周期に応じて制御するパケット化周期変更方法。
【請求項10】
TDMデータをパケット化したデータを受信する通信装置のパケット化周期変更方法を実現するプログラムであって、
コンピュータに、
受信したパケット化したデータに含まれる、TDMデータをパケット化する周期を指定するパケット化周期情報を抽出する処理と、
パケット化したデータをTDM化するTDM化周期を、前記パケット化周期情報に基づいて取得する処理と、
前記パケット化したデータを一定期間格納するジッタバッファの容量を、取得したTDM化周期に応じて制御する処理と、を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−30873(P2013−30873A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164050(P2011−164050)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】