説明

通信装置、通話装置、通信システム、通信方法、通話方法、通信プログラム、および通話プログラム

【課題】着信時に、発信者側に関する信用のある情報を提示することのできる通信装置、通話装置、通信システム、通信方法、通話方法、通信プログラム、および通話プログラムを得ること。
【解決手段】証明用データ発行サーバ31は、個人が第1の通信装置32を用いて要求した所属証明情報を記した電子的なデータを発行し、所属証明情報格納手段32cに格納させる。その個人は第2の通信装置33に所属証明情報格納手段32cを装着してその中から所望の所属証明書を所属証明書選択手段33cで選択し、所属証明書データ送信手段33dを用いて着信側に自己の情報として表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着信があったときに発信者等の発信側の情報を着信側に通知するための通信装置、通話装置、通信システム、通信方法、通話方法、通信プログラム、および通話プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の音声による通信を行う電話機では、着信音が鳴っただけではその電話が誰から掛かってきたかが分からず、応答すべきでない相手に応答してしまう場合がある。そこで、携帯電話機等の電話機の多くには通話対象となる電話機の電話番号やその電話機を所持する者の名前を登録するアドレス帳登録機能が備えられており、これに登録した電話機から電話が掛かってくると、電話を掛けた者の名前がディスプレイに表示されるようになっている。この機能を活用すると、アドレス帳に登録していない者から電話が掛かってきた場合には、その旨の通知が行われるので、いたずら電話等の不必要な電話に応答する必要がなくなる。
【0003】
ところが、アドレス帳に登録していない友人や顧客が電話をしてくることも皆無ではない。また、アドレス帳に登録している以外の友人や顧客であっても、登録した電話機以外の電話機から電話を掛けてくる場合がある。
【0004】
たとえば、営業担当者が自分の携帯電話機を忘れてきたり、電池がなくなったために、アドレス帳に登録している顧客に対して他人の携帯電話機を借用したり固定電話機を使用して緊急の連絡をとる場合がある。このような場合、着信側の電話機でアドレス帳に登録している電話番号以外は着信しない設定となっていると、営業担当者は何度電話を掛けても相手先と連絡をとることができない。電話機を新たな電話番号の機種に交換した場合にも、同様の問題がある。
【0005】
そこで、着信側の電話機に着信時に発信者固有のメッセージ情報を表示して、着信側が必要な相手を判別できるようにした技術が本発明の関連技術として提案されている(たとえば特許文献1参照)。この関連技術では、発呼側の携帯電話機で予め登録しておいたユーザ名や、現在、発信側の携帯電話機を使用している場所を示す位置情報が文字情報として着信(着呼)側の電話機に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−298966号公報(第0014段落、第0016段落、図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電話先で「おれだよ、おれ。」と言ってお金を振り込ませる振り込め詐欺や、いたずら電話等の迷惑な電話が大きな社会問題となっている。これらへの対策として、知らない電話番号には応答しなかったり、電話機内の電話帳に記載していない番号や非通知電話に対して着信を拒否する場合が多い。
【0008】
先に説明した関連技術は、アドレス帳に登録していない者からの電話であっても、その者の名前や現在位置が表示される。したがって、着信側は発信側の情報を得ることができ、この情報を基にして電話に応答するべきかを判断することで重要な電話をとり損ねるといった問題が解消する。
【0009】
しかしながら、この関連技術では、発信者固有のメッセージ情報を発信者が自由に作成することができる。具体的には、発信者が任意の制御コード<I>と制御コード</I>の間に、相手側の電話機に表示させたい文字情報を入力しておけばよい。
【0010】
このため、たとえば振り込め詐欺を行おうとする者が、自分の電話機に表示する情報として、着信者の息子や孫の名前や「孫です。」という語句を入力しておけば、これが着信側の電話機に発信側の情報として表示されることになる。この結果、着信側では自分の息子や孫が電話を掛けてきたものと勘違いして電話をとることになる。しかも着信側では、息子や孫からの電話と思い込んで対応するので、一層詐欺にあいやすいという問題が生じる。
【0011】
以上、振り込め詐欺を例として説明したが、これに限るものではない。この関連技術では、発信者が性別、年齢、肩書等の情報を偽って電話を掛けると、これらの情報を信頼して、着信側では本来対応すべきでない電話に出てしまう場合があり、新たな問題が発生するおそれがあった。
【0012】
そこで本発明の目的は、着信時に、発信者側に関する信用のある情報を提示することのできる通信装置、通話装置、通信システム、通信方法、通話方法、通信プログラム、および通話プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明では、(イ)発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書をその発行者から電子的なデータとしてネットワークを経由して取得したものを格納した所属証明書データ格納手段と、(ロ)発信者個人を発信元として着信側と所定の通信を開始する際に前記した所属証明書データ格納手段から所属証明書の電子的なデータの一覧を読み出して表示する所属証明書一覧表示手段と、(ハ)この所属証明書一覧表示手段に表示した所属証明書の電子的なデータの一覧から着信者に応じて送信対象とする所属証明書を選択する所属証明書選択手段と、(ニ)この所属証明書選択手段で選択した所属証明書の電子的なデータを読み出してこれを前記した着信側に送信する所属証明書データ送信手段とを通信装置が具備する。
【0014】
また、本発明では、(イ)発信者側の装置から送られてきた音声呼確立用の通信制御メッセージを受信する通信制御メッセージ受信手段と、(ロ)この通信制御メッセージ受信手段が前記した通信制御メッセージを受信したとき自装置がこの通信制御メッセージに発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書の電子的なデータが含まれた場合に所属証明書を着信時に着信音の出力前に表示する設定になっているかを判別する表示設定内容判別手段と、(ハ)この表示設定内容判別手段が着信音の出力前に前記した所属証明書を表示する設定になっているときその表示を行う所属証明書表示手段とを通話装置が具備する。
【0015】
更に本発明では、(イ)個人から通信ネットワークを介して要求があったときその者が自己の機関または組織に所属しまたは所属した場合にこれを示す所属証明情報を記した電子的なデータを発行する証明用データ発行サーバと、(ロ)この証明用データ発行サーバに対して前記した所属証明情報を記した電子的なデータの発行を要求する証明用データ発行要求手段と、この証明用データ発行要求手段の要求に基づいて発行した前記した所属証明情報を記した電子的なデータを受信する証明用データ受信手段と、この証明用データ受信手段の受信した前記した所属証明情報を記した電子的なデータを各種の通信装置に着脱自在に装着できる所定のメモリカードに格納する所属証明情報格納手段とを備えた第1の通信装置と、(ハ)この第1の通信装置の前記した所属証明情報格納手段としてのメモリカードを装着可能なカード装着手段と、このカード装着手段に前記したメモリカードを装着してこのメモリカードに格納された所属証明書の電子的なデータの発行依頼者を発信元として着信側と所定の通信を開始する際に前記したメモリカードから所属証明書の電子的なデータの一覧を読み出して表示する所属証明書一覧表示手段と、この所属証明書一覧表示手段に表示した所属証明書の電子的なデータの一覧から着信者に応じて送信対象とする所属証明書を選択する所属証明書選択手段と、この所属証明書選択手段で選択した所属証明書の電子的なデータを読み出してこれを前記した着信側に送信する所属証明書データ送信手段とを備えた第2の通信装置とを通信システムが具備する。
【0016】
更にまた本発明では、(イ)発信者個人を発信元として着信側と所定の通信を開始する際に発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書をその発行者から電子的なデータとしてネットワークを経由して取得したものを格納した所属証明書データ格納手段から所属証明書の電子的なデータの一覧を読み出して表示する所属証明書一覧表示ステップと、(ロ)この所属証明書一覧表示ステップで表示した所属証明書の電子的なデータの一覧から着信者に応じて送信対象とする所属証明書を選択する所属証明書選択ステップと、(ハ)この所属証明書選択ステップで選択した所属証明書の電子的なデータを読み出してこれを前記した着信側に送信する所属証明書データ送信ステップとを通信方法が具備する。
【0017】
また、本発明では、(イ)発信者側の装置から送られてきた音声呼確立用の通信制御メッセージを受信する通信制御メッセージ受信ステップと、(ロ)この通信制御メッセージ受信ステップで前記した通信制御メッセージを受信したとき着信者側の装置がこの通信制御メッセージに発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書の電子的なデータが含まれた場合に所属証明書を着信時に着信音の出力前に表示する設定になっているかを判別する表示設定内容判別ステップと、(ハ)この表示設定内容判別ステップで着信音の出力前に前記した所属証明書を表示する設定になっていると判別したときその表示を行う所属証明書表示ステップとを通話方法が具備する。
【0018】
更に本発明では、コンピュータに、通信プログラムとして、(イ)発信者個人を発信元として着信側と所定の通信を開始する際に発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書をその発行者から電子的なデータとしてネットワークを経由して取得したものを格納した所属証明書データ格納手段から所属証明書の電子的なデータの一覧を読み出して表示する所属証明書一覧表示処理と、(ロ)この所属証明書一覧表示処理で表示した所属証明書の電子的なデータの一覧から着信者に応じて送信対象とする所属証明書を選択する所属証明書選択処理と、(ハ)この所属証明書選択処理で選択した所属証明書の電子的なデータを読み出してこれを前記した着信側に送信する所属証明書データ送信処理とを実行させる。
【0019】
更にまた、本発明では、コンピュータに、通話プログラムとして、(イ)発信者側の装置から送られてきた音声呼確立用の通信制御メッセージを受信する通信制御メッセージ受信処理と、(ロ)この通信制御メッセージ受信処理で前記した通信制御メッセージを受信したとき着信者側の装置がこの通信制御メッセージに発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書の電子的なデータが含まれた場合に所属証明書を着信時に着信音の出力前に表示する設定になっているかを判別する表示設定内容判別処理と、(ハ)この表示設定内容判別処理で着信音の出力前に前記した所属証明書を表示する設定になっていると判別したときその表示を行う所属証明書表示処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明の通信装置、通信方法および通信プログラムによれば、発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書を着信者に応じて選択して送信することができる。このため、着信者に応答のための必要な情報を提示することができるだけでなく、不必要に発信者の情報を開示する必要がないという利点がある。
【0021】
また、本発明の通話装置、通話方法および通話プログラムによれば発信者側の装置から送られてくる音声呼確立用の通信制御メッセージに所属証明書の電子的なデータを組み込んで送信することにしたので、この所属証明書の電子的なデータが組み込まれていれば、着信音の出力される呼び出し中に着信者が所属証明書の内容を見て応答するか否かの判断を行うことが可能になる。
【0022】
更に本発明の通信システムによれば、第1の通信装置を用いて自分の所属証明書を取り寄せて所属証明情報格納手段としてのメモリカードに格納しておけば、これを第2の通信装置に差し替えて自分の所属証明書を着信側に提示することができる。これにより、着信側に第2の通信装置の電話番号が登録されていない場合でも着信拒否の可能性を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の通信装置のクレーム対応図である。
【図2】本発明の通話装置のクレーム対応図である。
【図3】本発明の通信システムのクレーム対応図である。
【図4】本発明の通信方法のクレーム対応図である。
【図5】本発明の通話方法のクレーム対応図である。
【図6】本発明の通信プログラムのクレーム対応図である。
【図7】本発明の通話プログラムのクレーム対応図である。
【図8】本発明の実施の形態による着信時発信側情報通知システムの概要を表わしたシステム構成図である。
【図9】本実施の形態の着信時発信側情報通知システムで使用される第1の電話機の構成の概要を表わしたブロック図である。
【図10】本実施の形態の利用者が証明ファイルを取得する様子を表わした説明図である。
【図11】証明ファイルがダウンロードされる際の第1の電話機の各部における処理の様子の概要を表わした説明図である。
【図12】本実施の形態の証明ファイルをダウンロードしてからこの所属証明情報についての第1のユーザからの確認応答を得るまでのインターネット制御部の処理の流れを具体的に表わした流れ図である。
【図13】図12のステップS234で示したエラー表示についての具体的な処理を表わした流れ図である。
【図14】図12のステップS235で示した所属証明情報の確認要求に関する具体的な処理を表わした流れ図である。
【図15】図14のステップS273で示した所属証明情報の表示要求に伴う具体的な処理を表わした流れ図である。
【図16】図14のステップS279で示した所属証明情報の格納要求に伴う具体的な処理を表わした流れ図である。
【図17】本実施の形態の発信側の第1のユーザが所属証明情報の通知設定を行っている様子を表わした説明図である。
【図18】本実施の形態の着信側の第2のユーザが発信側の所属証明情報の表示設定を行っている様子を表わした説明図である。
【図19】図17で概要を説明した発信側の第1の電話機内に格納された所属証明情報の通知設定についての処理の流れを表わした説明図である。
【図20】本実施の形態の発信側の第1の電話機で所属証明情報の通知設定を行う際の選択の対象となる所属証明情報通知設定メニューが表示されるまでの処理を具体的に示した流れ図である。
【図21】図20のステップS432として示した認証制御部による所属証明情報の取得要求についての処理を具体的に表わした流れ図である。
【図22】本実施の形態の所属証明情報の取得要求についての記憶部の処理を具体的に表わした流れ図である。
【図23】本実施の形態のキー入力部を使用してチェックボックスに記入し、設定指示が行われたときの画面制御部の制御の様子を表わした流れ図である。
【図24】図23のステップS492で示した認証制御部における設定情報の格納処理を具体的に表わした流れ図である。
【図25】図24のステップS502で示した記憶部が設定情報格納要求を受けたときの設定情報格納処理を具体的に表わした流れ図である。
【図26】本実施の形態の着信側の第2のユーザの電話機に発信側の第1のユーザの所属証明情報を表示するイメージを表わした説明図である。
【図27】本実施の形態の所属証明情報の通知設定が行われている状態の第1の電話機を使用して電話を掛ける際の処理の概要を表わした説明図である。
【図28】本実施の形態の音声呼発信要求を受け取った画面制御部の処理の様子を表わした流れ図である。
【図29】本実施の形態の所属証明情報通知確認要求を受け取った認証制御部の制御の様子を表わした流れ図である。
【図30】図29のステップS645で示した通信制御部が行う音声呼発信要求を具体的に表わした流れ図である。
【図31】本実施の形態の発信側の所属証明情報が存在する場合における着信側の音声通信の処理を示した説明図である。
【図32】本実施の形態の発信側の所属証明情報が存在しない場合における着信側の音声通信の処理を示した説明図である。
【図33】本実施の形態の通信制御部が音声呼の着信を行う際の制御を具体的に表わした流れ図である。
【図34】本実施の形態の画面制御部が所属証明情報表示要求を受けた場合の制御を具体的に表わした流れ図である。
【図35】本実施の形態の認証制御部から所属証明情報表示確認要求があった場合の記憶部の処理を具体的に表わした流れ図である。
【図36】本実施の形態の着信音要求があったときの音源制御部の処理を表わした流れ図である。
【図37】本実施の形態の所属証明情報通知が発行されたときの認証制御部の処理の一部を具体的に表わした流れ図である。
【図38】本実施の形態の所属証明情報通知が発行されたときの認証制御部の処理の残りの部分を具体的に表わした流れ図である。
【図39】本実施の形態の第2のユーザのキー入力部を操作に対する画面制御部の処理を具体的に表わした流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の通信装置のクレーム対応図を示したものである。本発明の通信装置10は、所属証明書データ格納手段11と、所属証明書一覧表示手段12と、所属証明書選択手段13と、所属証明書データ送信手段14を備えている。ここで、所属証明書データ格納手段11は、発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書をその発行者から電子的なデータとしてネットワークを経由して取得したものを格納している。所属証明書一覧表示手段12は、発信者個人を発信元として着信側と所定の通信を開始する際に所属証明書データ格納手段11から所属証明書の電子的なデータの一覧を読み出して表示する。所属証明書選択手段13は、所属証明書一覧表示手段12に表示した所属証明書の電子的なデータの一覧から着信者に応じて送信対象とする所属証明書を選択する。所属証明書データ送信手段14は、所属証明書選択手段13で選択した所属証明書の電子的なデータを読み出してこれを前記した着信側に送信する。
【0025】
図2は、本発明の通話装置のクレーム対応図を示したものである。本発明の通話装置20は、通信制御メッセージ受信手段21と、表示設定内容判別手段22と、所属証明書表示手段23を備えている。ここで、通信制御メッセージ受信手段21は、発信者側の装置から送られてきた音声呼確立用の通信制御メッセージを受信する。表示設定内容判別手段22は、通信制御メッセージ受信手段21が前記した通信制御メッセージを受信したとき自装置がこの通信制御メッセージに発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書の電子的なデータが含まれた場合に所属証明書を着信時に着信音の出力前に表示する設定になっているかを判別する。所属証明書表示手段23は、表示設定内容判別手段22が着信音の出力前に前記した所属証明書を表示する設定になっているときその表示を行う。
【0026】
図3は、本発明の通信システムのクレーム対応図を示したものである。本発明の通信システム30は、証明用データ発行サーバ31と、第1の通信装置32と、第2の通信装置33を備えている。ここで、証明用データ発行サーバ31は、個人から通信ネットワークを介して要求があったときその者が自己の機関または組織に所属しまたは所属した場合にこれを示す所属証明情報を記した電子的なデータを発行する。第1の通信装置32は、証明用データ発行要求手段32aと、証明用データ受信手段32bと、所属証明情報格納手段32cを備えている。証明用データ発行要求手段32aは、証明用データ発行サーバ31に対して前記した所属証明情報を記した電子的なデータの発行を要求する。証明用データ受信手段32bは、証明用データ発行要求手段32aの要求に基づいて発行した前記した所属証明情報を記した電子的なデータを受信する。所属証明情報格納手段32cは、証明用データ受信手段32bの受信した前記した所属証明情報を記した電子的なデータを各種の通信装置に着脱自在に装着できる所定のメモリカードに格納する。第2の通信装置33は、カード装着手段33aと、所属証明書一覧表示手段33bと、所属証明書選択手段33cと、所属証明書データ送信手段33dを備えている。カード装着手段33aは、第1の通信装置32の所属証明情報格納手段32cとしてのメモリカードを装着可能な構成となっている。所属証明書一覧表示手段33bは、カード装着手段33aに前記したメモリカードを装着してこのメモリカードに格納された所属証明書の電子的なデータの発行依頼者を発信元として着信側と所定の通信を開始する際に前記したメモリカードから所属証明書の電子的なデータの一覧を読み出して表示する。所属証明書選択手段33cは、所属証明書一覧表示手段33bに表示した所属証明書の電子的なデータの一覧から着信者に応じて送信対象とする所属証明書を選択する。所属証明書データ送信手段33dは、所属証明書選択手段33cで選択した所属証明書の電子的なデータを読み出してこれを前記した着信側に送信する。
【0027】
図4は、本発明の通信方法のクレーム対応図を示したものである。本発明の通信方法40は、所属証明書一覧表示ステップ41と、所属証明書選択ステップ42と、所属証明書データ送信ステップ43を備えている。ここで、所属証明書一覧表示ステップ41では、発信者個人を発信元として着信側と所定の通信を開始する際に発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書をその発行者から電子的なデータとしてネットワークを経由して取得したものを格納した所属証明書データ格納手段から所属証明書の電子的なデータの一覧を読み出して表示する。所属証明書選択ステップ42では、所属証明書一覧表示ステップ41で表示した所属証明書の電子的なデータの一覧から着信者に応じて送信対象とする所属証明書を選択する。所属証明書データ送信ステップ43では、所属証明書選択ステップ42で選択した所属証明書の電子的なデータを読み出してこれを前記した着信側に送信する。
【0028】
図5は、本発明の通話方法のクレーム対応図を示したものである。本発明の通話方法50は、通信制御メッセージ受信ステップ51と、表示設定内容判別ステップ52と、所属証明書表示ステップ53を備えている。ここで、通信制御メッセージ受信ステップ51では、発信者側の装置から送られてきた音声呼確立用の通信制御メッセージを受信する。表示設定内容判別ステップ52では、通信制御メッセージ受信ステップ51で前記した通信制御メッセージを受信したとき着信者側の装置がこの通信制御メッセージに発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書の電子的なデータが含まれた場合に所属証明書を着信時に着信音の出力前に表示する設定になっているかを判別する。所属証明書表示ステップ53では、表示設定内容判別ステップ52で着信音の出力前に前記した所属証明書を表示する設定になっていると判別したときその表示を行う。
【0029】
図6は、本発明の通信プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明の通信プログラム60は、コンピュータに、所属証明書一覧表示処理61と、所属証明書選択処理62と、所属証明書データ送信処理63を実行させるようにしている。ここで、所属証明書一覧表示処理61では、発信者個人を発信元として着信側と所定の通信を開始する際に発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書をその発行者から電子的なデータとしてネットワークを経由して取得したものを格納した所属証明書データ格納手段から所属証明書の電子的なデータの一覧を読み出して表示する。所属証明書選択処理62では、所属証明書一覧表示処理61で表示した所属証明書の電子的なデータの一覧から着信者に応じて送信対象とする所属証明書を選択する。所属証明書データ送信処理63では、所属証明書選択処理62で選択した所属証明書の電子的なデータを読み出してこれを前記した着信側に送信する。
【0030】
図7は、本発明の通話プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明の通話プログラム70は、コンピュータに、通信制御メッセージ受信処理71と、表示設定内容判別処理72と、所属証明書表示処理73を実行させるようにしている。ここで、通信制御メッセージ受信処理71では、発信者側の装置から送られてきた音声呼確立用の通信制御メッセージを受信する。表示設定内容判別処理72では、通信制御メッセージ受信処理71で前記した通信制御メッセージを受信したとき着信者側の装置がこの通信制御メッセージに発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書の電子的なデータが含まれた場合に所属証明書を着信時に着信音の出力前に表示する設定になっているかを判別する。所属証明書表示処理73では、表示設定内容判別処理72で着信音の出力前に前記した所属証明書を表示する設定になっていると判別したときその表示を行う。
【0031】
<発明の実施の形態>
【0032】
次に本発明の実施の形態を説明する。
【0033】
図8は、本発明の実施の形態による着信時発信側情報通知システムの概要を表わしたものである。この着信時発信側情報通知システム100は、第1の電話機101から第2の電話機102に電話を掛けるものとした場合を簡易に示したものである。第1の電話機101は発信側の第1のユーザ103が所持しており、第2の電話機102は着信側の第2のユーザ104が所持している。もちろん、第1の電話機101と第2の電話機102は、どちらからでも電話を掛けることができるので、第2のユーザ104が発信者となり、第1のユーザ103が着信者となることは可能である。
【0034】
第1の電話機101は、この例で携帯電話機あるいはPHS(Personal Handyphone System)であり、最寄りの第1の基地局105を介して通信網106に接続される。ここで通信網106とは、携帯電話機に関する携帯電話網、公衆電話交換回線網、インターネット等の電話のための通信を行うネットワークを包括的に表わしたものである。第2の電話機102も最寄りの第2の基地局107を介して通信網106に接続される。第1の電話機101は、このようにして通信網106を介してと第2の電話機102を呼び出し、第2のユーザ104が呼に応答したときに第1のユーザ103との間で通話を行うことができる。ここでは第1の電話機101と第2の電話機102を携帯端末として示しているが、これらのうちの少なくとも一方が固定式の電話機であってもよい。
【0035】
通信網106には、一例として特定の企業に係わる企業サーバ108、特定の学校に係わる学校サーバ109および特定の役所に係わる役所サーバ110が配置されている。これら企業サーバ108、学校サーバ109および役所サーバ110は、発信側の第1のユーザ103の所属証明情報を記した証明ファイルを発行する役割を果たしている。所属証明情報とは、個人における出身校や在籍している学校、現在または過去に勤務した企業、住所のある市町村、所属している特定のクラブや会派、所持している特定のクレジットカード等の個人の社会的な繋がりを示す情報である。
【0036】
したがって、通信網106には、それぞれの発信者の所属を証明する所属証明情報を発行するための各種のサーバが存在している。これらのサーバの一部は、幾つかのサーバを統合した機能を備えていてもよい。たとえばA企業単独のサーバであってもよいし、A企業を傘下とした企業グループのサーバであってもよい。
【0037】
本実施の形態の着信時発信側情報通知システム100では、第1のユーザ103が第1の電話機101を使用して第2のユーザ104に電話を掛けるとき、関係機関や組織によって証明された証明ファイルを付した形で発呼を行う。第2のユーザ104は第2の電話機102の着信時にそのディスプレイに表示された所属証明情報によって発信者に関する確かな情報を取得することができ、これによって応答の是非を判断することができる。
【0038】
図9は、この着信時発信側情報通知システムで使用される第1の電話機の構成の概要を表わしたものである。図8に示した第2の電話機102も第1の電話機101と基本的に同一の構成となっている。そこで、第2の電話機102の構成に関する図面および説明は省略する。図8と共に説明する。
【0039】
第1の電話機101は、CPU(Central Processing Unit)121を備えており、記憶部122を接続している。記憶部122には、第1の電話機101の全体的な制御を行うための制御プログラムが格納されると共に、CPU121がこの制御プログラムを実行する際に必要とする各種データを一時的に格納する作業用メモリ領域が用意されている。CPU121は、記憶部122の他に次の各部と接続されている。なお、これらの各部の少なくとも一部は、ハードウェアで構成される必要はなく、CPU121が制御プログラムを実行することによってソフトウェア的に実現する機能部として構成されていてもよい。
【0040】
通信制御部123は、呼接続全般の信号制御と、所属証明情報を通信信号へ加工する処理を行う。音源制御部124は、呼び出し音や音声通話を制御する。画面制御部125は、第1の電話機101に備えられているディスプレイ126に各種情報を表示する制御を行う。認証制御部127は、所属証明情報の暗号化解除を行い、情報解析を解析する。キー入力部128は、第1の電話機101の図示しない操作パネルに配置されているキースイッチを用いて各種のデータを入力する。このキー入力部128の入力操作に基づいて、画面制御部125は所属証明情報の表示用編集やメニュー表示も行うようになっている。インターネット制御部129は、所属証明情報ファイルを入手する際のブラウジング機能を実行したり、インターネット等の通信網106を使用してメールの送受信を行う。
【0041】
ここで記憶部122は、第1の電話機101が携帯端末で構成されている場合、証明ファイルとして得られた所属証明情報を外付けのUSIM(Universal Subscriber Identity Module)カード130に格納するようになっている。第1の電話機101が固定電話機であれば、所属証明情報は記憶部122の一部を構成する不揮発メモリに格納する。記憶部122は、USIMカード130に格納された所属証明情報等の証明ファイルの読み書きの制御も行う。
【0042】
図10は、利用者が証明ファイルを取得する様子を表わしたものである。図10で図8と同一部分には同一の符号を付している。ここでは、図8に示した第1のユーザ103が第1の電話機101を使用して証明ファイルを取得する場合を説明する。図8および図9と共に説明する。
【0043】
第1のユーザ103は、着信時発信側情報通知システム100で第2のユーザ104等の者に電話を掛ける場合に備えて所属証明情報を取得することができる。所属証明情報は第1のユーザ103自身の現在または過去の所属や住民票あるいは本籍を有する場所を証明する情報である。
【0044】
所属証明情報の発行元は、第1のユーザ103が所属証明情報の使用目的に沿って自由に選択することができる。ここでは、一例として第1のユーザ103の現在の勤務先である企業と、卒業した学校および住民票を有する地区の役所から所属証明情報を発行してもらう場合を説明する。これらの企業、学校および役所は、図8に示したようにインターネット等の通信網106上にそれぞれの企業サーバ108、学校サーバ109および役所サーバ110を配置している。
【0045】
第1のユーザ103は、これら企業サーバ108、学校サーバ109および役所サーバ110に所属証明情報の申請要求141〜143を行う。これに対して企業サーバ108では、所属証明情報の申請要求141を受信すると、第1のユーザ103が、要求のあった企業に勤務しているかを確認する。そして、要求のあった企業で、現在、営業社員として勤務している場合、これを示す証明ファイル144を作成して、通信網106を介して第1の電話機101に送出する。このとき所属証明情報は発行日の記載と共に有効期限付きで発行する。たとえば、第1のユーザ103が期限付きで勤務を行っている場合には、その期限も記される。
【0046】
また、学校サーバ109は、第1のユーザ103から所属証明情報の申請要求142を受信すると、第1のユーザ103が、過去にその学校に在籍していたかを確認する。在校生であれば、その旨を確認する。そして、該当する学部や学年を示す証明ファイル145を発行する。在校生の場合には所属証明情報は発行日の記載と共に有効期限付きで発行される。
【0047】
役所サーバ110の場合には、第1のユーザ103から所属証明情報の申請要求143を受信すると、要求のあった住民票や本籍を示す証明ファイル146を作成して、通信網106を介して第1の電話機101に送出する。証明ファイル146は発行日の記載と共に有効期限付きで発行される。
【0048】
所属証明情報の申請要求141〜143は、第1の電話機101を使用して行うことができるが、他の電話機や郵便あるいはファクシミリを使用することも可能である。第1の電話機101あるいは他の通信端末を使用して企業サーバ108、学校サーバ109あるいは役所サーバ110に直接アクセスして、あるいはこれらを電子メールの宛先として証明ファイル144〜146の発行を要求してもよい。
【0049】
証明ファイル144〜146の取得は、第1のユーザ103がその使用の対象となる第1の電話機101にダウンロードすることで実現する。このために、企業サーバ108、学校サーバ109および役所サーバ110は証明ファイル144〜146をダウンロードできるURL(Uniform Resource Locator)を第1のユーザ103に通知する。第1のユーザ103は、ID(identification)およびパスワードを用いて該当するURLにアクセスして、証明ファイル144〜146をダウンロードする。ダウンロードした証明ファイル144〜146は、USIMカード130に格納される。
【0050】
図11は、証明ファイルがダウンロードされる際の第1の電話機の各部における処理の様子の概要を表わしたものである。ここでは説明を単純にするために、図10に示す企業サーバ108から証明ファイル144が第1の電話機101にダウンロードされる場合を例に説明を行う。図8および図10と共に説明する。
【0051】
インターネット制御部129は、証明ファイル144としての所属証明情報が企業サーバ108からダウンロードされると(ステップS201)、認証制御部127に対して所属証明情報の確認要求を行う(ステップS202)。認証制御部127は所属証明情報の確認要求を受信すると、所属証明情報の暗号化解除を行い、情報解析を行うことになる。そして、解析結果としての所属証明情報を画面制御部125に送って所属証明情報の表示を要求する(ステップS203)。これにより、画面制御部125はディスプレイ126に所属証明情報の画面表示を行う(ステップS204)。これは、第1のユーザ103に、自分の要求した証明ファイル144の内容を確認させると共に所属証明情報を保存するかを指示させるためである。
【0052】
第1のユーザ103はディスプレイ126に表示された所属証明情報を見て、キー入力部128からキー入力を行い(ステップS205)、その所属証明情報の格納指示を行う(ステップS206)。ディスプレイ126がタッチパネルを採用していれば、キー入力部128によるキー入力は、タッチパネルに対する所定の座標位置における押下情報となる。
【0053】
画面制御部125は、第1のユーザ103が所属証明情報の格納指示を行ったら認証制御部127に対して所属証明情報の表示応答を行う(ステップS207)。これにより、認証制御部127はディスプレイ126に表示された所属証明情報を第1のユーザ103によって採用が承認されたものとして、記憶部122に対して所属証明情報の格納要求を発する(ステップS208)。記憶部122は、これに基づいて所属証明情報を格納する(ステップS209)。
【0054】
記憶部122は、所属証明情報を格納したら所属証明情報格納応答を認証制御部127に送出する(ステップS210)。認証制御部127は所属証明情報格納応答を受け取ったら、所属証明情報確認応答をインターネット制御部129に送出して(ステップS211)、所属証明情報のダウンロードに基づく一連の受信処理を終了することになる。
【0055】
図12は、図11で説明した以上の処理のうちの証明ファイルをダウンロードしてからこの所属証明情報についての第1のユーザからの確認応答を得るまでのインターネット制御部の処理の流れを具体的に表わしたものである。図9および図10と共に説明する。所属証明情報を表わした証明ファイル144がダウンロードされると(ステップS231)、インターネット制御部129は正常に証明ファイル144が取得できたかを判別する(ステップS232)。
【0056】
証明ファイル144のダウンロードの途中で通信に何らかのエラーが発生してダウンロードが停止してしまった場合のようにダウンロードが正常に終了しなかった場合(ステップS232:N)、インターネット制御部129はエラーが発生したことを画面制御部125に通知する(ステップS233)。これを基にして、画面制御部125は図9に示したディスプレイ126にエラー表示を行って(ステップS234)、受信処理を終了する(エンド)。
【0057】
これに対して、ステップS232で証明ファイル144のダウンロードが成功したことが確認された場合(Y)、インターネット制御部129はその証明ファイル144を認証制御部127に送って所属証明情報の確認要求を行う(ステップS235)。このとき、認証制御部127は受け取った証明ファイル144について暗号化の解除と情報の解析を行う。
【0058】
この後、インターネット制御部129は図11で説明したように第1のユーザ103による所属証明情報の確認結果の受信を待機する状態となる(ステップS236)。所属証明情報の確認結果の受信が、タイムアウトに相当する所定の時間が経過する前に得られれば(ステップS237:N、ステップS236:Y)、所属証明情報の受信処理が終了する(エンド)。
【0059】
これに対して、ステップS235の所属証明情報の確認要求が行われた後、タイムアウトに相当する所定の時間が経過しても所属証明情報の確認結果の受信が得られない場合には(ステップS236:N、ステップS237:Y)、ステップS233に進んで、インターネット制御部129はエラーが発生したことを画面制御部125に通知する。この場合、画面制御部125は図9に示したディスプレイ126にエラー表示を行って(ステップS234)、受信処理を終了することになる(エンド)。
【0060】
図13は、図12のステップS234で示したエラー表示についての具体的な処理を表わしたものである。図9および図11と共に説明する。
【0061】
画面制御部125では、エラー発生通知を受信すると(ステップS251:Y)、その通知されたエラー情報を、予め定めたフォーマットに沿って編集する(ステップS252)。そして、これをディスプレイ126に表示して(ステップS253)、エラー表示に関する処理を終了する(エンド)。ディスプレイ126に対する視覚的な表示のみでなく、あるいはこれに代えて音源制御部124から警告音やエラーの内容を示すメッセージを出力することも可能である。
【0062】
図14は、図12のステップS235で示した所属証明情報の確認要求に関する具体的な処理を表わしたものである。図9〜図11と共に説明する。
【0063】
認証制御部127はインターネット制御部129から証明ファイル144を受け取ると、所属証明情報の暗号化の解除(復号)と解析を実行する(ステップS271)。次に、認証制御部127は得られた情報の中から所属証明情報を抽出する(ステップS272)。認証制御部127は、抽出した所属証明情報を画面制御部125に送って所属証明情報の表示を要求する(ステップS273)。
【0064】
この後、認証制御部127は図11のステップS206で示した所属証明情報についての格納指示が、タイムアウトに相当する所定の時間が経過する前に得られなければ(ステップS274:N、ステップS275:Y)、認証制御部127はエラーが発生したことを画面制御部125に通知する(ステップS276)。これを基にして、画面制御部125は図9に示したディスプレイ126にエラー表示を行って(ステップS277)、所属証明情報の確認要求に関する具体的な処理を終了する(エンド)。ここで、ステップS277のエラー表示は、図13で示した制御と同一の制御となる。
【0065】
一方、タイムアウトが生じる前に図11のステップS206で示した所属証明情報についての格納指示が得られた場合(ステップS275:N、ステップS274:Y)、認証制御部127は所属証明情報を再度暗号化する(ステップS278)。これは、所属証明情報を第1の電話機101に格納する際のセキュリティを考慮したためである。
【0066】
この後、認証制御部127は所属証明情報格納要求を記憶部122に送出する(ステップS279)。そして、記憶部から図11のステップS210で示した所属証明情報格納応答が受信されるのを待機する(ステップS280)。このとき所属証明情報格納応答が、タイムアウトに相当する所定の時間が経過する前に得られなければ(ステップS280:N、ステップS281:Y)、記憶部122にUSIMカード130が装着されていないとか、USIMカード130に障害があるといった原因で所属証明情報の格納が確認されないことになる。そこで、この場合、認証制御部127はエラーが発生したことを画面制御部125に通知する(ステップS276)。これを基にして、画面制御部125は図9に示したディスプレイ126にエラー表示を行って(ステップS277)、所属証明情報の確認要求に関する具体的な処理を終了する(エンド)。
【0067】
一方、タイムアウトが生じる前に図11のステップS210で示した所属証明情報格納応答を受信した場合(ステップS281:N、ステップS280:Y)、認証制御部127は図11で示した記憶部122における所属証明情報の格納が正常に終了したことが確認されたことになる。そこで、所属証明情報の確認要求処理としての一連の処理を終了する(エンド)。
【0068】
図15は、図14のステップS273で示した所属証明情報の表示要求に伴う具体的な処理を表わしたものである。図8、図9および図11と共に説明する。
【0069】
画面制御部125は認証制御部127から送られてきた所属証明情報を画面表示用に加工する(ステップS291)。そして、所属証明情報をディスプレイ126に表示すると共に、この所属証明情報を記憶部122で記憶することの指示待ちの状態であることを画面表示する(ステップS292)。
【0070】
発信側の第1のユーザ103は、第1の電話機101のディスプレイ126の表示を見て、表示された所属証明情報を記憶部122でUSIMカード130に格納するか否かをキー入力部128を使用して入力する(ステップS293)。キー入力部128によるキー入力確認処理が行われたら、画面制御部125はこの入力状態としての格納の要否を表示して(ステップS294)、所属証明情報の表示要求についての一連の処理を終了する(エンド)。
【0071】
図16は、図14のステップS279で示した所属証明情報の格納要求に伴う具体的な処理を表わしたものである。図9〜図11と共に説明する。
【0072】
記憶部122は所属証明情報の格納要求を認証制御部127から受け取ると、所属証明情報を読み込む場所を示す読み込みポインタPを初期化して、「P=−1」とする(ステップS301)。次に記憶部122は所属証明情報を格納する場所を示す格納ポインタSを初期化して、「S=−1」とする(ステップS302)。
【0073】
この後、記憶部122は本実施の形態で所属証明情報を記憶する記憶媒体として用いられるUSIMカード130に格納されている格納済み所属証明情報管理テーブルを読み込む(ステップS303)。格納済み所属証明情報管理テーブルは、第1の電話機101に格納されている全所属証明情報を管理している。記憶部122は、次に読み込みポインタPを「1」だけカウントアップする(ステップS304)。
【0074】
カウントアップ後の読み込みポインタPが最大値に達していない場合(ステップS305:N)、記憶部122はポインタPの示す場所に格納情報が存在するかをチェックする(ステップS306)。ポインタPの示す場所に格納情報が存在しない場合には(N)、格納ポインタSをポインタPと等しい値にして記憶する(ステップS307)。そして、ステップS304に戻って、ポインタPを「1」だけカウントアップして次の処理に進む。
【0075】
これに対して、ポインタPの示す場所に格納情報が存在する場合には(ステップS306:Y)、格納指示のあった所属証明情報とUSIMカード130に格納済みの所属証明情報とが一致するかをチェックする(ステップS308)。
【0076】
たとえば、発信側の第1のユーザ103が所属証明情報として役所サーバ110に所属証明情報の申請要求143を行い住民票の証明ファイル146を要求したとする。このとき、役所サーバ110の発行する証明ファイル146は発行日の記載と共に有効期限付きのものとなる。したがって、第1のユーザ103が住民票について同日に重複して申請要求143を行わない限り、2つの所属証明情報が一致することはない。
【0077】
そこで格納済みの所属証明情報と格納指示のあった所属証明情報が一致するような事態が発生した場合(ステップS308:Y)、記憶部122はエラーが発生したことを画面制御部125に通知する(ステップS309)。この場合、画面制御部125は図9に示したディスプレイ126にエラー表示を行って(ステップS310)、一連の処理を終了する(エンド)。ここで、ステップS306のエラー表示は、図13で示した制御と同一の制御となる。
【0078】
一方、ステップS308で格納済みの所属証明情報と格納指示のあった所属証明情報が一致しなかった場合には(N)、ポインタPの示す場所に所属証明情報を格納することについて特に問題が生じない。そこで、この場合にはステップS304に戻って、ポインタPを「1」だけカウントアップして次の処理に進む。
【0079】
以上のようにしてポインタPのカウントアップが順次行われた結果、ある時点でその値が最大値に到達したとする(ステップS305:Y)。記憶部122はこのときの格納ポインタSが「0」以上であるかをチェックする(ステップS311)。格納ポインタSはステップS302で「−1」に初期化されている。したがって、格納する所属証明情報が最低で1以上であれば格納ポインタSの値は「0」以上となる。そこで格納ポインタSの値が「0」以上となっていない場合には(N)、ステップS309に進んでエラーが発生したことを画面制御部125に通知する。それ以降の処理は前記した通りである。
【0080】
ステップS311で格納ポインタSの値が「0」以上であると判別された場合(Y)、記憶部122は図11のステップS209で示したように、格納指示のあった所属証明情報をUSIMカード130に格納し、格納済み所属証明情報管理テーブルの更新を行って(ステップS312)、所属証明情報の格納要求に伴う一連の処理を終了する(エンド)。このようにして、USIMカード130に格納領域が残っている限り、新たな所属証明情報が格納される。
【0081】
USIMカード130に格納領域が残っていない場合には、不要な所属証明情報を消去して新たな所属証明情報を格納したり、新たなUSIMカード130等の記憶領域を指定すればよいが、これについては一般に知られた技術であり、本実施の形態での説明は省略する。
【0082】
以上のようにして図8に示す第1のユーザ103は、自己の所持あるいは使用する可能性のある第1の電話機101に対して各種の所属証明情報を格納しておくことができる。そこで、次に第1のユーザ103が第2のユーザ104に電話を掛ける際に処理の様子について説明する。
【0083】
図17は、発信側の第1のユーザが所属証明情報の通知設定を行っている様子を表わしたものである。第1のユーザ103は、第1の電話機101に対して所定の操作を行って、その表示画面151に発信側の所属証明情報通知設定メニューを表示する。所属証明情報通知設定メニューは、幾つかの所属証明情報の中から所定の宛先に通知する所属証明情報を選択するメニューである。
【0084】
所属証明情報通知設定メニューが選択されると、表示画面151には第1のユーザ103が取得した各種の所属証明情報が四角のチェックボックスと共に表示される。第1のユーザ103は、着信側に必要とする所属証明情報についてのチェックボックスにチェック記号「レ」を付ければよい。
【0085】
図18は、着信側の第2のユーザが発信側の所属証明情報の表示設定を行っている様子を表わしたものである。第2のユーザ104は、予め第2の電話機102に対して所定の操作を行って、その表示画面152に着信側の所属証明情報通知設定メニューを表示する。
【0086】
着信側の所属証明情報通知設定メニューの画面には、2つのチェックボックスが表示されており、第2のユーザ104はこれらのうちの必要な項目にチェック記号「レ」を付ける。1番目のチェックボックスにチェック記号「レ」を付けると、着信時に所属証明情報が通知されてきているかの確認が実施される。2番目のチェックボックスにチェック記号「レ」を付けると、所属証明情報の表示が着信時における処理として優先度が高いものとして設定される。
【0087】
図19は、図17で概要を説明した発信側の第1の電話機内に格納された所属証明情報の通知設定についての処理の流れを表わしたものである。図8、図9および図17と共に説明する。
【0088】
第1のユーザ103は、所属証明情報通知設定メニューを表示するために第1の電話機101のキー入力部128から所定のキー操作を行う(ステップS401)。すると、キー入力部128から設定メニューの表示指示が画面制御部125に送られる(ステップS402)。画面制御部125は第1の電話機101に格納されている所属証明情報を取得するために認証制御部127に対して所属証明情報の取得要求を発行する(ステップS403)。
【0089】
認証制御部127は所属証明情報の取得要求を受け取ると、記憶部122に対してUSIMカード130内に格納されている所属証明情報と管理テーブルを要求するための所属証明情報取得要求を送出する(ステップS404)。記憶部122はこの所属証明情報取得要求を受け取ると、所属証明情報取得応答を返して所属証明情報と管理テーブルを認証制御部127に送出する(ステップS405)。
【0090】
認証制御部127は所属証明情報と管理テーブルを受け取ると、所属証明情報の暗号化を解除する。そして、第1の電話機101の表示画面151に表示するために必要な情報を、所属証明情報取得応答として画面制御部125に引き渡す(ステップS406)。画面制御部125は認証制御部127から受け取ったこの情報を加工し、画面表示向けに情報編集して第1の電話機101のディスプレイ126の表示画面151に表示する(ステップS407)。
【0091】
第1のユーザ103は、表示画面151を見て、表示された所属証明情報のうち、第2のユーザ104に通知したい所属証明情報のチェックボックスに対してキー入力部128からチェック記号「レ」を付ける入力操作を行う(ステップS408)。チェック記号「レ」の付けられた所属証明情報は、設定指示としてキー入力部128から画面制御部125に送られる(ステップS409)。
【0092】
画面制御部125では、チェック記号「レ」の付けられた所属証明情報を設定情報格納要求として認証制御部127に引き渡す(ステップS410)。設定情報を受け取った認証制御部127は、所属証明情報管理テーブルに設定する情報を反映させ、設定情報格納要求として記憶部122へ送出する(ステップS411)。
【0093】
記憶部122では、引き渡された所属証明情報管理テーブルに設定されている情報について順に更新対象の情報か否かを確認する。そして、更新対象の情報の場合には、更新要求の内容が正しいかの正当性の確認を実施して、記憶情報更新用の管理テーブルを更新する。このようにして引き渡された管理テーブル情報の確認が終了したら、記憶部122は更新用管理テーブルを用いてUSIMカード130へのデータ更新を実施する(ステップS412)。
【0094】
USIMカード130へのデータ更新が終了したら、記憶部122は設定情報格納応答を認証制御部127に送出する(ステップS413)。認証制御部127は設定情報格納応答を受けると、所属証明情報通知設定メニューを更新するために、画面制御部125に設定情報格納応答を送出する(ステップS414)。画面制御部125は、これを基に画面の更新を行う。
【0095】
図18に示した第2のユーザ104による第2の電話機102に対する所属証明情報の表示設定の操作の概要も、図19の一連の処理の流れと同様である。第2の電話機102に対する着信設定では、図18の表示画面152の1番目のチェックボックスで選択する所属証明情報確認機能の設定と、2番目のチェックボックスで選択する所属証明情報表示優先度の設定の2種類の設定操作を行う。
【0096】
所属証明情報確認機能については、着信時に、発信者からの所属証明情報の有無を確認する機能であり、オン設定した場合に確認が行われる。所属証明情報表示優先度については、「高」を設定すると、たとえば発信者番号非通知時に、着信拒否を行うといった他の着信制御機能よりも優先的に所属証明情報の表示を実施させることが可能になる。
【0097】
図20は、発信側の第1の電話機で所属証明情報の通知設定を行う際の選択の対象となる所属証明情報通知設定メニューが表示されるまでの処理を具体的に示したものである。図17および図19と共に説明する。
【0098】
画面制御部125は、図19のステップS402で示した設定メニューの表示指示が送られてくると、この設定指示情報を確認し(ステップS431)、図19のステップS403で示すように認証制御部127に対して所属証明情報の取得要求を発行する(ステップS432)。この後、所属証明情報の取得に関して認証制御部127に処理が移る。
【0099】
この後、認証制御部127から所属証明の表示情報の確認ができたかできないかを示す結果が得られる。確認ができた(OK)との結果が得られた場合には(ステップS433:Y)、第1の電話機101の表示画面151に表示する画面表示情報の加工と編集を行う(ステップS434)。そして、画面制御部125は編集された画面表示情報を第1の電話機101に画面表示して(ステップS435)、処理を終了する(エンド)。このようにして図17に示したような設定のためのメニュー画面が表示されることになる。
【0100】
一方、所属証明の表示情報の確認ができない旨の結果が得られた場合には(ステップS433:N)、第1の電話機101の表示画面151への表示を行うことなく、画面制御部125による一連の処理を終了する(エンド)。
【0101】
図21は、図20のステップS432として示した認証制御部による所属証明情報の取得要求についての処理を具体的に表わしたものである。図19と共に説明する。
【0102】
認証制御部127は、画面制御部125から所属証明情報の取得要求があったら(図19ステップS403)、記憶部122に対して所属証明情報の取得要求を行う(ステップS451、図19ステップS404)。この後、記憶部122から所属証明情報取得応答が返ってくる。認証制御部127はこの所属証明情報取得応答が所属証明情報があることを示していれば(ステップS452:Y)、その所属証明情報の暗号化を解除して(ステップS453)、認証制御部127による所属証明情報の取得要求についての処理を終了する(エンド)。所属証明情報がないと判別された場合には(ステップS452:N)、そのまま所属証明情報の取得要求についての処理を終了する(エンド)。
【0103】
図22は、所属証明情報の取得要求についての記憶部の処理を具体的に表わしたものである。図9および図19と共に説明する。
【0104】
記憶部122は、認証制御部127から所属証明情報と管理テーブルを要求するための所属証明情報取得要求を受け取ると、USIMカード130から格納済みの所属証明情報と所属証明情報管理テーブルを読み出す(ステップS471)。そして、所属証明情報取得応答を返して所属証明情報と管理テーブルを認証制御部127に送出し(ステップS472)、記憶部122における処理を終了する(エンド)。
【0105】
図23は、キー入力部を使用してチェックボックスに記入し、設定指示が行われたときの画面制御部の制御の様子を表わしたものである。図9および図19と共に説明する。
【0106】
画面制御部125は、キー入力部128からチェック記号「レ」が適宜記入された設定メニューの表示指示が送られてくると、これを設定情報に変換する(ステップS491)。そして変換後の設定情報をUSIMカード130内に格納するための設定情報格納要求を認証制御部127に送出する(図19ステップS410)。認証制御部127は、これを基にして記憶部122に設定情報格納要求を出力する(ステップS492、図19ステップS411)。
【0107】
この後、記憶部122は図19のステップS412でUSIMカード130に対する設定情報の格納処理を行うことになるが、画面制御部125はこの結果を待機する。この結果、USIMカード130に対する設定情報の格納結果が来る前にタイムアウトが生じた場合には(ステップS493:N、ステップS494:Y)、画面制御部125がディスプレイ126にエラー表示を行って(ステップS495)、設定情報の格納に関する処理を終了する(エンド)。
【0108】
一方、タイムアウト前に設定情報の格納処理に関する結果としての設定情報格納応答が認証制御部127から得られた場合(ステップS493:Y、図19ステップS414)、画面制御部125はこの結果を画面表示情報として編集する(ステップS496)。画面制御部125は得られた画面表示情報をディスプレイ126に表示して(ステップS497)、設定情報の格納に関する表示処理を終了する(エンド)。
【0109】
図24は、図23のステップS492で示した認証制御部における設定情報の格納処理を具体的に表わしたものである。図9および図19と共に説明する。
【0110】
画面制御部125から設定情報格納要求を受けた認証制御部127は、まず所属証明情報管理テーブルを更新する(ステップS501)。そして、図19のステップS411で示すように記憶部122に対して設定情報格納要求を送出する(ステップS502)。
【0111】
この後、タイムアウトが生じる前に記憶部122から設定情報格納応答が得られたら(ステップS503:N)、ステップS504:Y、図19ステップS413)、認証制御部127は設定情報格納応答を画面制御部125に送出して(ステップS505、図19ステップS414)、認証制御部127における設定情報の格納処理を終了する(エンド)。
【0112】
これに対して、記憶部122から設定情報格納応答が得られる前にタイムアウトが発生した場合(ステップS504:N、ステップS503:Y)、認証制御部127はエラーが発生したことを画面制御部125に通知する(ステップS506)。これを基にして、画面制御部125は図9に示したディスプレイ126にエラー表示を行って(ステップS507)、認証制御部127における設定情報の格納処理を終了する(エンド)。
【0113】
図25は、図24のステップS502で示した記憶部が設定情報格納要求を受けたときの設定情報格納処理を具体的に表わしたものである。図9および図19と共に説明する。
【0114】
記憶部122は認証制御部127から設定情報格納要求を受けると、USIMカード130に格納されている所属証明情報管理テーブルを読み込む(ステップS521)。そして、設定情報を読み込む場所を示す読み込みポインタLを初期化して、「L=0」とし、設定情報を格納する場所を示す格納ポインタSを初期化して、「S=0」とする(ステップS522)。
【0115】
次に記憶部122は、設定情報の更新要求のある所属証明情報管理テーブルの読み込みポインタLに更新対象情報が格納されているかをチェックする(ステップS523)。読み込みポインタLに更新対象情報が格納されている場合には(Y)、更新要求の内容が正しいか正当性の確認を行う(ステップS524)。正当性がないと判別した場合(N)、記憶部122は設定情報の格納を行うことなく、一連の処理を終了する(エンド)。
【0116】
一方、更新要求の内容に正当性が確認された場合(ステップS524:Y)、記憶部122は所属証明情報管理テーブルを更新する(ステップS525)。この場合、記憶部122は格納ポインタSを「1」だけ加算して(ステップS526)、次に読み込みポインタLの値を「1」だけ加算する(ステップS527)。この結果、加算後の読み込みポインタLの値が最大値になっているかを判別し(ステップS528)、最大値になっていなければ(N)、ステップS523の処理に進むことになる。
【0117】
以上の処理の繰り返しによって読み込みポインタLの値が最大値に到達した場合(ステップS528:Y)、記憶部122は格納ポインタSの値が「1」以上となっているかを判別する(ステップS529)。格納ポインタSの値が「0」のままであれば(N)、USIMカード130に対する所属証明情報管理テーブルの書込処理を行うことなく、一連の処理を終了する(エンド)。
【0118】
これに対して、ステップS529で格納ポインタSの値が「1」以上となっていれば(Y)、記憶部122はUSIMカード130に対する所属証明情報管理テーブルの書込処理を行って(ステップS530)、一連の処理を終了する(エンド)。
【0119】
さて、図8に示す発信側の第1のユーザ103は、以上のようにして第1の電話機101に対して所属証明情報の通知設定を行った後、着信側の第2のユーザ104に対して電話をかけることになる。
【0120】
図26は、着信側の第2のユーザの電話機に発信側の第1のユーザの所属証明情報を表示するイメージを表わしたものである。第2のユーザ104が、図18で説明したように自分の所持する第2の電話機102について所属証明情報の表示設定を行っているものとする。この場合には、第1の電話機101が第2の電話機102を呼び出した着信段階で、第2の電話機102の表示画面152には、図18で設定した内容に応じて所属証明情報が表示される。これは、第1の電話機101の内部に保持した所属証明情報が音声呼確立用の通信制御メッセージに載せて第2の電話機102に送られるからである。
【0121】
第2の電話機102が電話番号非通知の着信拒否設定が行われていたり、電話帳に登録されている電話番号以外の電話番号から電話が掛かった場合に着信を拒否する設定となっている場合がある。このような場合には、図18で説明したように所属証明情報の表示が着信時における処理として優先度が高いものとして設定されている場合には、着信拒否の状態でも第1のユーザ103の所属証明情報が第2の電話機102の表示画面152に表示される。したがって、第2のユーザは電話を掛けてきた者の情報を得ることができ、その内容によっては電話に応答することができる。
【0122】
図27は、所属証明情報の通知設定が行われている状態の第1の電話機を使用して電話を掛ける際の処理の概要を表わしたものである。図26と共に説明する。
【0123】
発信側の第1のユーザ103は、第1の電話機101のキー入力部128から発信操作としてダイヤル情報をキー入力する(ステップS601)。キー入力部128はこのキー入力を受け付けると、音声呼発信要求を画面制御部125に送出する(ステップS602)。画面制御部125は音声呼発信要求を受け付けると、認証制御部127に対して所属証明情報の通知要否の要求を行う(ステップS603)。
【0124】
認証制御部127は、所属証明情報の通知要否の要求を受けて、所属証明情報の取得要求を記憶部122に対して行う(ステップS604)。記憶部122はこれを基にして所属証明情報通知要否の確認を実施する(ステップS605)。そして、所属証明情報通知が必要であると判別した場合、記憶部122は所属証明情報を取得して、所属証明情報取得応答を認証制御部127に返す(ステップS606)。この場合、認証制御部127は所属証明情報通知確認応答をその表示のために画面制御部125に送信する(ステップS607)。
【0125】
認証制御部127は、この後、通信制御部123に対して音声呼発信要求を行って(ステップS608)、着信側の第2の電話機102に対して音声呼確立のための発呼処理を開始する。このとき、第2の電話機102に対して音声呼確立用通信制御メッセージ(セットアップメッセージ)が送信される(ステップS609)。
【0126】
図28は、音声呼発信要求を受け取った画面制御部の処理の様子を表わしたものである。図9および図27と共に説明する。
【0127】
第1の電話機101のキー入力部128から音声呼発信要求を受け取った画面制御部125は、まず認証制御部127に対して所属証明情報の通知要否の要求を行う(ステップS621、図27ステップS603)。そして、図27のステップS607における所属証明情報通知確認応答がタイムアウトの生じる前に到来するかを監視する(ステップS622、ステップS623)。
【0128】
タイムアウトの生じる前に所属証明情報通知確認応答が返ってきた場合(ステップS623:N、ステップS622:Y)、画面制御部125はその所属証明情報を画面表示するための編集を行って(ステップS624)、所属証明情報の通知結果を第1の電話機101のディスプレイ126に表示して(ステップS625)、画面制御部125による制御を終了する(エンド)。
【0129】
これに対して、所属証明情報通知確認応答が返ってこずにタイムアウトが発生した場合には(ステップS622:N、ステップS623:Y)、その時点で画面制御部125による制御を終了する(エンド)。これに代わって画面制御部125はエラー表示を行ってもよい。
【0130】
図29は、所属証明情報通知確認要求を受け取った認証制御部の制御の様子を表わしたものである。図27と共に説明する。
【0131】
画面制御部125から所属証明情報通知確認要求を受け取った認証制御部127は、まず、図27で示した所属証明情報の取得要求を記憶部122に対して行う(ステップS641)。この結果として記憶部122から所属証明情報取得応答として所属証明情報の通知が必要である旨の応答があり(ステップS642:Y)、かつ所属証明情報が記憶部122に素材することが確認された場合(ステップS643:Y)、認証制御部127は呼確立用メッセージに載せるパラメータを設定する(ステップS644)。
【0132】
この後、認証制御部127は通信制御部123に対して音声呼発信要求を行って(ステップS645、図27ステップS608)、所属証明情報通知確認要求の受け取りに対する認証制御部127の処理を終了する(エンド)。
【0133】
一方、ステップS642で所属証明情報の通知が不要であるとされたときには(N)、直ちにステップS645に処理が進む。ステップS643で所属証明情報がなしとされた場合にも(N)、ステップS644の処理を行わずに、ステップS645の処理に進むことになる。
【0134】
図30は、図29のステップS645で示した通信制御部が行う音声呼発信要求を具体的に表わしたものである。図26および図27と共に説明する。
【0135】
通信制御部123は図27のステップS608で認証制御部127から音声呼発信要求を受けると、発信者としての第1のユーザ103についての所属証明情報の有無を確認する(ステップS661)。所属証明情報が発呼の際に存在する場合(Y)、通信制御部123は所属証明情報通知情報について通信制御用メッセージの編集を行う(ステップS662)。そして、この通信制御用メッセージを用いて第1の電話機101から第2の電話機102に対して発呼のための通信制御を行って(ステップS663)、音声呼発信要求に対する処理を終了する(エンド)。
【0136】
第2の電話機102に対する発呼の際に所属証明情報が必要ない場合には、この所属証明情報が存在しない(ステップS661:N)。この場合には、ステップS662の処理を行うことなく、ステップS663の処理に進むことになる。
【0137】
図31は、発信側の所属証明情報が存在する場合における着信側の音声通信の処理を示したものである。ここでは、図9に示した第1の電話機101の各部の符号をそのまま第2の電話機102についても使用して説明する。図8および図9と共に説明する。
【0138】
第2の電話機102の通信制御部123は、第1の電話機101から音声呼確立用の通信制御メッセージを受信する(ステップS701)。この通信制御メッセージには、所属証明情報が存在している。この場合、通信制御部123は認証制御部127に対して、所属証明情報通知を発行する(ステップS702)。認証制御部127は、所属証明情報通知を受け取ると、表示設定の有無を確認するため記憶部122に対して所属証明情報表示確認要求を行う(ステップS703)。
【0139】
記憶部122は、所属証明情報を表示する設定になっているかを確認するために所属証明情報管理テーブルを読み込んで、その結果として所属証明情報表示確認応答を認証制御部127に返す(ステップS704)。この応答には、所属証明情報を表示する設定になっているかを示す情報と、所属証明情報表示優先度の設定内容が含まれる。
【0140】
所属証明情報を表示する設定とになっている場合(所属証明情報確認機能オン)で、かつ表示優先度が「高」となっている場合、認証制御部127は通信制御部123から受け取った発信者からの所属証明情報を画面制御部125へ引き渡して所属証明情報表示要求を行う(ステップS705)。画面制御部125は、所属証明情報を表示用に編集して画面表示を行う。そして所属証明情報の表示に関する応答を所属証明情報表示応答として認証制御部127に返す(ステップS706)。
【0141】
所属証明情報の画面表示が行われると、認証制御部127は、次に、他の着信拒否機能を起動させる(ステップS707)。この例の場合には、「他の着信拒否機能」よりも所属証明情報の表示の優先度を高く設定しているからである。他の着信拒否機能が動作した場合には、既存の機能動作に従う。
【0142】
一方、表示優先度が「低」となっている場合には、まず「他の着信拒否機能」が実行され(ステップS708)、続いて認証制御部127が所属証明情報表示要求を画面制御部125に送出する(ステップS709)。画面制御部125はこの場合、「他の着信拒否機能」の実行後に所属証明情報をディスプレイ126に表示する。そして、画面制御部125は所属証明情報表示応答を認証制御部127に返すことになる(ステップS710)。
【0143】
以上と異なり、所属証明情報確認機能がオフとなっており、所属証明情報の表示が第2の電話機102で設定されていない場合には、所属証明情報の画面表示は行われず、単に「他の着信拒否機能」が実行されることになる(ステップS711)。
【0144】
以上のステップS705〜ステップS707の処理、ステップS708〜ステップS710の処理、あるいはステップS711の処理のいずれかの処理が行われたとき、「他の着信拒否機能」で着信が拒否されなければ、認証制御部127は音源制御部124に対して着信音の出力を要求する(ステップS712)。
【0145】
電話の呼び出し音が鳴った状態で、第2のユーザ104はキー入力部128からキー入力を行い、着信応答する(ステップS713)。この着信応答で通話を行う場合には音声呼着信応答(ステップS714)が行われて、第1のユーザ103と第2のユーザ104の間で音声呼通話処理が開始されることになる(ステップS715)。
【0146】
図32は、発信側の所属証明情報が存在しない場合における着信側の音声通信の処理を示したものである。ここでも、図9に示した第1の電話機101の各部の符号をそのまま第2の電話機102についても使用して説明する。図8および図9と共に説明する。
【0147】
第2の電話機102の通信制御部123は、第1の電話機101から音声呼確立用の通信制御メッセージを受信する(ステップS731)。この通信制御メッセージには、所属証明情報が付いていない。この場合も、通信制御部123は認証制御部127に対して、所属証明情報通知を機械的に発行する(ステップS732)。認証制御部127は、所属証明情報通知を受け取ると、表示設定の有無を確認するため記憶部122に対して所属証明情報表示確認要求を行う(ステップS733)。
【0148】
記憶部122は、所属証明情報を表示する設定になっているかを確認するために所属証明情報管理テーブルを読み込んで、その結果として所属証明情報表示確認応答を認証制御部127に返す(ステップS734)。この応答には、所属証明情報を表示する設定になっているかを示す情報と、所属証明情報表示優先度の設定内容が含まれる。
【0149】
所属証明情報を表示する設定とになっている場合(所属証明情報確認機能オン)で、かつ表示優先度が「高」となっている場合、認証制御部127は通信制御部123から所属証明情報を受け取らない状態で所属証明情報表示要求を行う(ステップS735)。画面制御部125は、所属証明情報の表示に関する応答を所属証明情報表示応答として認証制御部127に返す(ステップS736)。
【0150】
この場合、所属証明情報の画面表示は行われない。認証制御部127は、他の着信拒否機能を起動させる(ステップS737)。この例の場合には、「他の着信拒否機能」よりも所属証明情報の表示の優先度を高く設定しているからである。他の着信拒否機能が動作した場合には、既存の機能動作に従う。
【0151】
一方、表示優先度が「低」となっている場合には、まず「他の着信拒否機能」が実行され(ステップS738)、続いて認証制御部127が所属証明情報表示要求を画面制御部125に送出する(ステップS739)。画面制御部125は所属証明情報表示応答を認証制御部127に返す(ステップS740)。
【0152】
以上の処理でステップS737またはステップS738で着信拒否機能が動作すれば、認証制御部127から通信制御部123に対して切断要求が行われる(ステップS741)。このときは、第2の電話機102の通信制御部123から通信制御メッセージが送出されて(ステップS742)、音声呼が切断される。
【0153】
着信側の、所属証明情報確認機能がオフになっている場合には、他の着信拒否機能が設定されている場合、直ちにその機能が実行される(ステップS743)。この場合にもステップS741以降の処理が行われて、音声呼が切断される。
【0154】
以上と異なり、「他の着信拒否機能」が実行されずに呼び出し音が鳴動した場合、第2のユーザ104はキー入力部128からキー入力を行い、着信応答する(ステップS744)。この着信応答で通話を行う場合には音声呼着信応答(ステップS745)が行われて、第1のユーザ103と第2のユーザ104の間で音声呼通話処理が開始されることになる(ステップS746)。
【0155】
図33は、通信制御部が音声呼の着信を行う際の制御を具体的に表わしたものである。これは、図31のステップS701あるいは図32のステップS731に基づく制御である。図8、図31および図32と共に説明する。
【0156】
第2の電話機102の通信制御部123は、第1の電話機101から音声呼確立用の通信制御メッセージを受信する(ステップS761)。そして、所属証明情報の有無を確認し(ステップS762)、通信制御部123は認証制御部127に対して、所属証明情報通知を発行する(ステップS763)。
【0157】
図34は、画面制御部が所属証明情報表示要求を受けた場合の制御を具体的に表わしたものである。これは、図31のステップS705あるいは図32のステップS735に基づく制御である。図31および図32と共に説明する。
【0158】
第2の電話機102の画面制御部125は認証制御部127から所属証明情報表示要求を受けると、表示の対象となる所属証明情報が存在するかをチェックして(ステップS781)、存在すれば(Y)、所属証明情報の表示用の編集を行う(ステップS782)。そして、所属証明情報を画面制御部125へ引き渡して所属証明情報の画面表示を行わせて(ステップS783)、処理を終了する(エンド)。
【0159】
ステップS781で表示の対象となる所属証明情報が存在しないと判別されれば(N)、そのまま処理を終了することになる(エンド)。
【0160】
図35は、認証制御部から所属証明情報表示確認要求があった場合の記憶部の処理を具体的に表わしたものである。これは、図31のステップS703あるいは図32のステップS733に基づく制御である。図8、図31および図32と共に説明する。
【0161】
記憶部122は認証制御部127から所属証明情報表示確認要求があると、所属証明情報を表示する設定になっているかを確認するためにUSIMカード130に格納された所属証明情報管理テーブルを読み込む(ステップS801)。そして、所属証明情報表示確認応答を認証制御部127に送信して(ステップS802)、処理を終了する(エンド)。
【0162】
図36は、着信音要求があったときの音源制御部の処理を表わしたものである。これは、図31のステップS712に基づく制御である。図31と共に説明する。
【0163】
音源制御部124は、認証制御部127から着信音の出力の要求があると、着信音を起動して(ステップS821)、その処理を終了する(エンド)。
【0164】
図37および図38は、所属証明情報通知が発行されたときの認証制御部の処理を具体的に表わしたものである。これは、図31のステップS702あるいは図32のステップS732に基づく制御である。図8、図31および図32と共に説明する。
【0165】
通信制御部123が所属証明情報通知を発行すると、これを受け取った認証制御部127は表示設定の有無を確認するため記憶部122に対して所属証明情報表示確認要求を行う(ステップS841)。これに対して記憶部122は、所属証明情報を表示する設定になっているかを確認するために所属証明情報管理テーブルを読み込んで、その結果として所属証明情報表示確認応答を認証制御部127に返す(図31ステップS704、図12ステップS734)。
【0166】
認証制御部127は、この所属証明情報表示確認応答の内容によって、所属証明情報確認機能がオンであるかをチェックし(ステップS842)、所属証明情報確認機能がオンである場合には(Y)、更に表示優先度が「高」であるかをチェックする(ステップS843)。更にまた表示優先度が「高」である場合(Y)、認証制御部127は所属証明情報が第1の電話機101から第2の電話機102に通知されているかをチェックする(ステップS844)。
【0167】
ここでステップS844で所属証明情報が第1の電話機101から第2の電話機102に通知されていると判別された場合を最初に説明する。この場合(Y)、認証制御部127は通信制御部123から受け取った発信者からの所属証明情報を画面制御部125へ引き渡して所属証明情報表示要求を行う(ステップS845、図31ステップS705)。画面制御部125はこれを基にして画面表示を行うので、認証制御部127は画面制御部125から所属証明情報表示応答が返ってくるのを待機する(ステップS846)。
【0168】
所属証明情報表示応答が返ってくる前にタイムアウトが生じた場合には(ステップS846:N、ステップS847:Y)、認証制御部127は画面制御部125にエラー発生を通知して(ステップS848)、画面制御部125によるエラー表示が行われて(ステップS849)、一連の処理を終了する(エンド)。ここで、ステップS849のエラー表示は、図13で示した制御と同一の制御となる。
【0169】
一方、タイムアウトが生じる前に所属証明情報表示応答が返ってきた場合には(ステップS847:N、ステップS846:Y)、「他の着信拒否機能」が実行される(ステップS850)。このとき、実際に着信拒否機能が起動されれば(ステップS851:Y)、認証制御部127から通信制御部123に対して回線の切断が要求されて(ステップS852)、一連の処理が終了する(エンド)。ステップS844で所属証明情報が第1の電話機101から第2の電話機102に通知されていない場合(N)にも、同様にステップS852の処理に進むことになる。
【0170】
ステップS851で着信拒否機能が起動されなかった場合には(N)、認証制御部127から音源制御部124に対して着信音の出力が要求されて(ステップS853)、図37に示す一連の処理が終了する(エンド)。
【0171】
ところで、図37のステップS842の処理で所属証明情報確認機能がオフの場合には(N)、図38のステップS854で示す「他の着信拒否機能」が実行される。この場合にも「他の着信拒否機能」が起動されたかのチェックが行われる(ステップS855)。「他の着信拒否機能」が起動されれば(Y)、図37のステップS852の処理に進む。「他の着信拒否機能」が起動されなかった場合には(図38ステップS855:N)、認証制御部127から音源制御部124に対して着信音の出力が要求されて(ステップS856)、一連の処理が終了する(エンド)。
【0172】
再び図37に戻って、ステップS843で表示優先度が「高」でないと判別された場合(Y)について説明する。この場合には図38のステップS857で示す「他の着信拒否機能」が実行される。この場合にも「他の着信拒否機能」が起動されたかのチェックが行われる(ステップS858)。「他の着信拒否機能」が起動されれば(Y)、図37のステップS852の処理に進む。
【0173】
「他の着信拒否機能」が起動されなかった場合には(ステップS858:N)、所属証明情報表示要求が認証制御部127から画面制御部125に行われる(ステップS859)。画面制御部125はこれを基にして画面表示を行うので、認証制御部127は画面制御部125から所属証明情報表示応答が返ってくるのを待機する(ステップS860)。
【0174】
所属証明情報表示応答が返ってくる前にタイムアウトが生じた場合には(ステップS860:N、ステップS861:Y)、認証制御部127は画面制御部125にエラー発生を通知して(ステップS862)、画面制御部125によるエラー表示が行われて(ステップS863)、一連の処理を終了する(エンド)。ここで、ステップS863のエラー表示は、図13で示した制御と同一の制御となる。
【0175】
一方、タイムアウトが生じる前に所属証明情報表示応答が返ってきた場合(ステップS861:N、ステップS860:Y)、認証制御部127は音源制御部124に着信音を要求して(ステップS856)、一連の処理が終了する(エンド)。
【0176】
図39は、第2のユーザのキー入力部を操作に対する画面制御部の処理を具体的に表わしたものである。これは、図31のステップS714あるいは図32のステップS745に基づく制御である。図8、図31および図32と共に説明する。
【0177】
画面制御部125は、第2のユーザ104がキー入力部128を操作するのを監視している。音声呼着信応答の操作が行われれば(ステップS871:Y)、音声呼通話処理が行われて(ステップS872)、図39に示す処理が終了する(エンド)。
【0178】
音声呼着信応答の操作が行われず(ステップS871:N)、音声呼切断要求が行われれば(ステップS873)、音声呼切断処理が行われて(ステップS874)、図39に示す処理が終了することになる(エンド)。
【0179】
以上説明した実施の形態では、電話番号の知らない相手から電話が掛かってきた場合でも所属証明情報が送られてきた場合にはこれで発信者の所属を確認することができる。したがって、発信者に関する情報が電話番号以外になく一方的に着信を拒否していた従来の着信時の応対に比べて電話に応答する機会が増え、緊急の事態にもより対応できることになる。
【0180】
また、所属証明情報は発信者以外の予め定めた機関や組織が発行する。したがって、発信者個人が自分に関するメッセージを作成して着信側に送信する場合に比べて情報の信頼性が高い。
【0181】
更に実施の形態では発信側の電話機がUSIMカード130に所属証明情報を保存するようにしている。したがって、発信者は自分の携帯電話機等の電話機を交換した場合でも、発信者は所属証明情報の有効期間内であればこの情報を使用して電話を掛け、自分に関する情報を着信側に伝達することができる。
【0182】
また、本実施の形態によればオフィスの固定式の電話機から顧客に電話を掛ける場合、自分の勤務する企業の発行する所属証明情報を通信制御メッセージに含めて顧客側の電話機に送信することができる。これにより、顧客は発信者が着信者側で登録した携帯電話機を使用しない場合にもその発信者を判別することができ、電話による連絡が繋がりやすくなるという効果がある。
【0183】
更に本実施の形態によれば、着信者側の電話機のアドレス帳に登録していない者も所属証明情報を使用して電話を掛けることができる。したがって、アドレス帳に登録してなく、また所属証明情報を添付できない者からの電話をより効率的に拒否銑ことができ、いたずら電話を減少させることができる。
【0184】
更にまた本実施の形態では着信側の電話機に一般的な着信拒否機能が備えられている場合、所属証明情報との表示の優先度を設定することができる。したがって、所属証明情報の優先度を一般的な着信拒否機能よりも高く設定しておくことで、一般的な着信拒否機能の実行前に着信側の電話機に所属証明情報を表示することができ、一方的な着信拒否を防止することができる。
【0185】
なお、以上説明した実施の形態では所属証明情報を記した証明ファイルが信頼性の高い企業等や機関によって発行される場合には、これを発信側のユーザの簡易的な身分証明用のファイルとして活用することもできる。
【0186】
また実施の形態では所属証明情報を発行する企業、学校等の機関または組織が社会的な信用力を有することを前提として説明したが、特殊な学校等の機関または組織の場合には所属証明情報を発行しても一般にはその証明情報に信用力がない場合もある。このような場合には、このような機関または組織の存在を所定の認証機関が認証するようにしてもよい。また、学校等の機関または組織が所属証明情報の発行をこれら認証機関に依頼して、認証機関が所属証明情報の発行を一括して行うようにすることも可能である。
【0187】
企業、学校等の機関または組織あるいは特定の認証機関が所属証明情報あるいは証明ファイルを発行する場合には、その機関または組織の広告をこれに掲載することができる。この場合、企業、学校等の機関または組織は証明ファイルを発行することで自社の宣伝効果を期待することができる。
【0188】
なお、実施の形態では個人が電話を掛ける際に自身の情報を開示するために所属証明情報を提示することにした。ここで電話はWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、PHS(Personal Handy-phone System)、固定電話機等の電話機の全般を対象とするが、電話機以外の通信手段で個人の名前で行うあらゆる通信にも本発明を適用することができる。一例としては、同様に受け取りの拒否が行われるおそれのある電子メールの送信の際や、ファクシミリの送信の際に所属証明情報を送信することで、本来の通信内容の確実な伝達の可能性を高めることができる。
【0189】
更に実施の形態ではUSIMカードに所属証明情報等の証明ファイルを書き込み、必要な場合にはこのUSIMカードを他の通信装置に装着してUSIMカードの所有者の所属証明情報を着信側に提示できるようにしたが、証明ファイルの格納手段はUSIMカードに限るものではない。各種の通信装置に接続できる記憶媒体としての幾種類かのメモリカードをUSIMカードの代わりに使用しても同様に利用者の所属証明を行いながら相手先との通信を試みることができる。この場合の通信システムは、証明ファイルとしての証明用データを発行する証明用データ発行サーバと、この証明用データ発行サーバに要求して所属証明情報を記した電子的なデータを受信しこれを所定のメモリカードに格納する第1の通信装置と、この第1の通信装置を使用して通信できないとき等に使用する第2の通信装置で構成することができる。この第2の通信装置は、第1の通信装置で使用したメモリカードを装着することができるので、これを装着して着信側に所属証明書の電子的なデータを送信することができる。これは、本明細書の記載で十分理解できるところである。
【0190】
以上説明した実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0191】
(付記1)
発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書をその発行者から電子的なデータとしてネットワークを経由して取得したものを格納した所属証明書データ格納手段と、
発信者個人を発信元として着信側と所定の通信を開始する際に前記所属証明書データ格納手段から所属証明書の電子的なデータの一覧を読み出して表示する所属証明書一覧表示手段と、
この所属証明書一覧表示手段に表示した所属証明書の電子的なデータの一覧から着信者に応じて送信対象とする所属証明書を選択する所属証明書選択手段と、
この所属証明書選択手段で選択した所属証明書の電子的なデータを読み出してこれを前記着信側に送信する所属証明書データ送信手段
とを具備することを特徴とする通信装置。
【0192】
(付記2)
前記所属証明書には発行日の記載と有効期限が付いていることを特徴とする付記1記載の通信装置。
【0193】
(付記3)
前記所属証明書データ格納手段は、装置本体に装着自在のUSIM(Universal Subscriber Identity Module)カードであることを特徴とする付記1記載の通信装置。
【0194】
(付記4)
発信者側の装置から送られてきた音声呼確立用の通信制御メッセージを受信する通信制御メッセージ受信手段と、
この通信制御メッセージ受信手段が前記通信制御メッセージを受信したとき自装置がこの通信制御メッセージに発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書の電子的なデータが含まれた場合に所属証明書を着信時に着信音の出力前に表示する設定になっているかを判別する表示設定内容判別手段と、
この表示設定内容判別手段が着信音の出力前に前記所属証明書を表示する設定になっているときその表示を行う所属証明書表示手段
とを具備することを特徴とする通話装置。
【0195】
(付記5)
前記表示設定内容判別手段は、予め定めた発信者以外の発信者から着信があったときに着信を拒否する着信拒否機能が設定されているときに前記所属証明書の表示を優先するか否かを判別する表示優先度判別手段を備えており、この表示優先度判別手段が前記所属証明書の表示に優先して前記着信拒否機能が実行されると判別したとき、この着信拒否機能の実行で着信が拒否されなかったときのみ前記所属証明書表示手段が前記所属証明書を表示することを特徴とする付記4記載の通話装置。
【0196】
(付記6)
前記表示設定内容判別手段が前記所属証明書を表示しない設定となっていると判別したとき、予め定めた発信者以外の発信者から着信があったときに着信を拒否する着信拒否機能が設定されているときにその着信拒否機能をまず実行し、この着信拒否機能の実行で着信が拒否されなかったときのみ着信音の出力を行う着信音出力手段を具備することを特徴とする付記4記載の通話装置。
【0197】
(付記7)
個人から通信ネットワークを介して要求があったときその者が自己の機関または組織に所属しまたは所属した場合にこれを示す所属証明情報を記した電子的なデータを発行する証明用データ発行サーバと、
この証明用データ発行サーバに対して前記所属証明情報を記した電子的なデータの発行を要求する証明用データ発行要求手段と、この証明用データ発行要求手段の要求に基づいて発行した前記所属証明情報を記した電子的なデータを受信する証明用データ受信手段と、この証明用データ受信手段の受信した前記所属証明情報を記した電子的なデータを各種の通信装置に着脱自在に装着できる所定のメモリカードに格納する所属証明情報格納手段とを備えた第1の通信装置と、
この第1の通信装置の前記所属証明情報格納手段としてのメモリカードを装着可能なカード装着手段と、このカード装着手段に前記メモリカードを装着してこのメモリカードに格納された所属証明書の電子的なデータの発行依頼者を発信元として着信側と所定の通信を開始する際に前記メモリカードから所属証明書の電子的なデータの一覧を読み出して表示する所属証明書一覧表示手段と、この所属証明書一覧表示手段に表示した所属証明書の電子的なデータの一覧から着信者に応じて送信対象とする所属証明書を選択する所属証明書選択手段と、この所属証明書選択手段で選択した所属証明書の電子的なデータを読み出してこれを前記着信側に送信する所属証明書データ送信手段とを備えた第2の通信装置
とを具備することを特徴とする通信システム。
【0198】
(付記8)
前記所属証明書には発行日の記載と有効期限が付いていることを特徴とする付記7記載の通信システム。
【0199】
(付記9)
前記メモリカードは、USIM(Universal Subscriber Identity Module)カードであることを特徴とする付記7記載の通信システム。
【0200】
(付記10)
前記所属証明情報を記した電子的なデータを発行する機関または組織の存在を認証する所定の認証機関を更に具備することを特徴とする付記7記載の通信システム。
【0201】
(付記11)
発信者個人を発信元として着信側と所定の通信を開始する際に発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書をその発行者から電子的なデータとしてネットワークを経由して取得したものを格納した所属証明書データ格納手段から所属証明書の電子的なデータの一覧を読み出して表示する所属証明書一覧表示ステップと、
この所属証明書一覧表示ステップで表示した所属証明書の電子的なデータの一覧から着信者に応じて送信対象とする所属証明書を選択する所属証明書選択ステップと、
この所属証明書選択ステップで選択した所属証明書の電子的なデータを読み出してこれを前記着信側に送信する所属証明書データ送信ステップ
とを具備することを特徴とする通信方法。
【0202】
(付記12)
発信者側の装置から送られてきた音声呼確立用の通信制御メッセージを受信する通信制御メッセージ受信ステップと、
この通信制御メッセージ受信ステップで前記通信制御メッセージを受信したとき着信者側の装置がこの通信制御メッセージに発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書の電子的なデータが含まれた場合に所属証明書を着信時に着信音の出力前に表示する設定になっているかを判別する表示設定内容判別ステップと、
この表示設定内容判別ステップで着信音の出力前に前記所属証明書を表示する設定になっていると判別したときその表示を行う所属証明書表示ステップ
とを具備することを特徴とする通話方法。
【0203】
(付記13)
コンピュータに、
発信者個人を発信元として着信側と所定の通信を開始する際に発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書をその発行者から電子的なデータとしてネットワークを経由して取得したものを格納した所属証明書データ格納手段から所属証明書の電子的なデータの一覧を読み出して表示する所属証明書一覧表示処理と、
この所属証明書一覧表示処理で表示した所属証明書の電子的なデータの一覧から着信者に応じて送信対象とする所属証明書を選択する所属証明書選択処理と、
この所属証明書選択処理で選択した所属証明書の電子的なデータを読み出してこれを前記着信側に送信する所属証明書データ送信処理
とを実行させることを特徴とする通信プログラム。
【0204】
(付記14)
コンピュータに、
発信者側の装置から送られてきた音声呼確立用の通信制御メッセージを受信する通信制御メッセージ受信処理と、
この通信制御メッセージ受信処理で前記通信制御メッセージを受信したとき着信者側の装置がこの通信制御メッセージに発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書の電子的なデータが含まれた場合に所属証明書を着信時に着信音の出力前に表示する設定になっているかを判別する表示設定内容判別処理と、
この表示設定内容判別処理で着信音の出力前に前記所属証明書を表示する設定になっていると判別したときその表示を行う所属証明書表示処理
とを実行させることを特徴とする通話プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0205】
以上説明したように本発明は、企業から個人レベルまで幅広く利用可能である。特に一般ユーザに対して外出先から連絡を取る機会の多い仕事や複数の電話番号を有する企業には有効である。
【符号の説明】
【0206】
10 通信装置
11 所属証明書データ格納手段
12、33b 所属証明書一覧表示手段
13、33c 所属証明書選択手段
14、33d 所属証明書データ送信手段
20 通話装置
21 通信制御メッセージ受信手段
22 表示設定内容判別手段
23 所属証明書表示手段
30 通信システム
31 証明用データ発行サーバ
32 第1の通信装置
32a 証明用データ発行要求手段
32b 証明用データ受信手段
32c 所属証明情報格納手段
33 第2の通信装置
33a カード装着手段
40 通信方法
41 所属証明書一覧表示ステップ
42 所属証明書選択ステップ
43 所属証明書データ送信ステップ
50 通話方法
51 通信制御メッセージ受信ステップ
52 表示設定内容判別ステップ
53 所属証明書表示ステップ
60 通信プログラム
61 所属証明書一覧表示処理
62 所属証明書選択処理
63 所属証明書データ送信処理
70 通話プログラム
71 通信制御メッセージ受信処理
72 表示設定内容判別処理
73 所属証明書表示処理
100 着信時発信側情報通知システム
101 第1の電話機
102 第2の電話機
103 第1のユーザ
104 第2のユーザ
108 企業サーバ
109 学校サーバ
110 役所サーバ
121 CPU
122 記憶部
123 通信制御部
124 音源制御部
125 画面制御部
126 ディスプレイ
127 認証制御部
128 キー入力部
129 インターネット制御部
130 USIMカード
144〜146 証明ファイル
151、152 表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書をその発行者から電子的なデータとしてネットワークを経由して取得したものを格納した所属証明書データ格納手段と、
発信者個人を発信元として着信側と所定の通信を開始する際に前記所属証明書データ格納手段から所属証明書の電子的なデータの一覧を読み出して表示する所属証明書一覧表示手段と、
この所属証明書一覧表示手段に表示した所属証明書の電子的なデータの一覧から着信者に応じて送信対象とする所属証明書を選択する所属証明書選択手段と、
この所属証明書選択手段で選択した所属証明書の電子的なデータを読み出してこれを前記着信側に送信する所属証明書データ送信手段
とを具備することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
発信者側の装置から送られてきた音声呼確立用の通信制御メッセージを受信する通信制御メッセージ受信手段と、
この通信制御メッセージ受信手段が前記通信制御メッセージを受信したとき自装置がこの通信制御メッセージに発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書の電子的なデータが含まれた場合に所属証明書を着信時に着信音の出力前に表示する設定になっているかを判別する表示設定内容判別手段と、
この表示設定内容判別手段が着信音の出力前に前記所属証明書を表示する設定になっているときその表示を行う所属証明書表示手段
とを具備することを特徴とする通話装置。
【請求項3】
前記表示設定内容判別手段は、予め定めた発信者以外の発信者から着信があったときに着信を拒否する着信拒否機能が設定されているときに前記所属証明書の表示を優先するか否かを判別する表示優先度判別手段を備えており、この表示優先度判別手段が前記所属証明書の表示に優先して前記着信拒否機能が実行されると判別したとき、この着信拒否機能の実行で着信が拒否されなかったときのみ前記所属証明書表示手段が前記所属証明書を表示することを特徴とする請求項2記載の通話装置。
【請求項4】
前記表示設定内容判別手段が前記所属証明書を表示しない設定となっていると判別したとき、予め定めた発信者以外の発信者から着信があったときに着信を拒否する着信拒否機能が設定されているときにその着信拒否機能をまず実行し、この着信拒否機能の実行で着信が拒否されなかったときのみ着信音の出力を行う着信音出力手段を具備することを特徴とする請求項2記載の通話装置。
【請求項5】
個人から通信ネットワークを介して要求があったときその者が自己の機関または組織に所属しまたは所属した場合にこれを示す所属証明情報を記した電子的なデータを発行する証明用データ発行サーバと、
この証明用データ発行サーバに対して前記所属証明情報を記した電子的なデータの発行を要求する証明用データ発行要求手段と、この証明用データ発行要求手段の要求に基づいて発行した前記所属証明情報を記した電子的なデータを受信する証明用データ受信手段と、この証明用データ受信手段の受信した前記所属証明情報を記した電子的なデータを各種の通信装置に着脱自在に装着できる所定のメモリカードに格納する所属証明情報格納手段とを備えた第1の通信装置と、
この第1の通信装置の前記所属証明情報格納手段としてのメモリカードを装着可能なカード装着手段と、このカード装着手段に前記メモリカードを装着してこのメモリカードに格納された所属証明書の電子的なデータの発行依頼者を発信元として着信側と所定の通信を開始する際に前記メモリカードから所属証明書の電子的なデータの一覧を読み出して表示する所属証明書一覧表示手段と、この所属証明書一覧表示手段に表示した所属証明書の電子的なデータの一覧から着信者に応じて送信対象とする所属証明書を選択する所属証明書選択手段と、この所属証明書選択手段で選択した所属証明書の電子的なデータを読み出してこれを前記着信側に送信する所属証明書データ送信手段とを備えた第2の通信装置
とを具備することを特徴とする通信システム。
【請求項6】
前記所属証明情報を記した電子的なデータを発行する機関または組織の存在を認証する所定の認証機関を更に具備することを特徴とする請求項5記載の通信システム。
【請求項7】
発信者個人を発信元として着信側と所定の通信を開始する際に発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書をその発行者から電子的なデータとしてネットワークを経由して取得したものを格納した所属証明書データ格納手段から所属証明書の電子的なデータの一覧を読み出して表示する所属証明書一覧表示ステップと、
この所属証明書一覧表示ステップで表示した所属証明書の電子的なデータの一覧から着信者に応じて送信対象とする所属証明書を選択する所属証明書選択ステップと、
この所属証明書選択ステップで選択した所属証明書の電子的なデータを読み出してこれを前記着信側に送信する所属証明書データ送信ステップ
とを具備することを特徴とする通信方法。
【請求項8】
発信者側の装置から送られてきた音声呼確立用の通信制御メッセージを受信する通信制御メッセージ受信ステップと、
この通信制御メッセージ受信ステップで前記通信制御メッセージを受信したとき着信者側の装置がこの通信制御メッセージに発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書の電子的なデータが含まれた場合に所属証明書を着信時に着信音の出力前に表示する設定になっているかを判別する表示設定内容判別ステップと、
この表示設定内容判別ステップで着信音の出力前に前記所属証明書を表示する設定になっていると判別したときその表示を行う所属証明書表示ステップ
とを具備することを特徴とする通話方法。
【請求項9】
コンピュータに、
発信者個人を発信元として着信側と所定の通信を開始する際に発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書をその発行者から電子的なデータとしてネットワークを経由して取得したものを格納した所属証明書データ格納手段から所属証明書の電子的なデータの一覧を読み出して表示する所属証明書一覧表示処理と、
この所属証明書一覧表示処理で表示した所属証明書の電子的なデータの一覧から着信者に応じて送信対象とする所属証明書を選択する所属証明書選択処理と、
この所属証明書選択処理で選択した所属証明書の電子的なデータを読み出してこれを前記着信側に送信する所属証明書データ送信処理
とを実行させることを特徴とする通信プログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
発信者側の装置から送られてきた音声呼確立用の通信制御メッセージを受信する通信制御メッセージ受信処理と、
この通信制御メッセージ受信処理で前記通信制御メッセージを受信したとき着信者側の装置がこの通信制御メッセージに発信者個人の社会的な繋がりを示す証明書としての所属証明書の電子的なデータが含まれた場合に所属証明書を着信時に着信音の出力前に表示する設定になっているかを判別する表示設定内容判別処理と、
この表示設定内容判別処理で着信音の出力前に前記所属証明書を表示する設定になっていると判別したときその表示を行う所属証明書表示処理
とを実行させることを特徴とする通話プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2012−253648(P2012−253648A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126101(P2011−126101)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】