通信装置及び通信システム
【課題】確実にデータの通信を実行し得る技術を提供すること。
【解決手段】送信側の多機能機は、受信側の多機能機へ送信するデータを記憶しておくデータ保持領域39を備える。受信側の多機能機は、データを受信することが可能な期間に関する受信可能期間情報を含む能力応答メッセージを作成する。受信側の多機能機は、能力応答メッセージをIP網を介して送信側の多機能機へ送信する。送信側の多機能機は、IP網を介して受信側の多機能機から能力応答メッセージを受信する。送信側の多機能機は、能力応答メッセージを受信した場合に、受信した能力応答メッセージに基づいて、受信側の多機能機がデータを受信することが可能な期間中に、データ保持領域39に記憶されているデータを受信側の多機能機へ送信する。受信側の多機能機は、IP網を介して送信側の多機能機からコンテンツデータを受信する。
【解決手段】送信側の多機能機は、受信側の多機能機へ送信するデータを記憶しておくデータ保持領域39を備える。受信側の多機能機は、データを受信することが可能な期間に関する受信可能期間情報を含む能力応答メッセージを作成する。受信側の多機能機は、能力応答メッセージをIP網を介して送信側の多機能機へ送信する。送信側の多機能機は、IP網を介して受信側の多機能機から能力応答メッセージを受信する。送信側の多機能機は、能力応答メッセージを受信した場合に、受信した能力応答メッセージに基づいて、受信側の多機能機がデータを受信することが可能な期間中に、データ保持領域39に記憶されているデータを受信側の多機能機へ送信する。受信側の多機能機は、IP網を介して送信側の多機能機からコンテンツデータを受信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、データの通信を実行する通信装置および通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のFAX装置では、第1のFAX装置のサブCPUが低消費電力モード中に、第1のFAX装置でFAX受信した場合、受信したFAXデータを記憶可能なLAN上の装置が探索される。そして、探索された第2のFAX装置にFAXデータが一時的に記憶される。その後、第1のFAX装置が低消費電力モードから通常モードに復帰すると、第1のFAX装置は第2のFAX装置からFAXデータを取得して印刷を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−77619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
データの機密保持等の理由により、FAXデータを受信したくない期間(事務所の営業時間外の期間など)が存在する場合がある。当該FAXデータを受信したくない期間中に、FAX受信側の装置の電源をオフにするなどの方法によってデータ受信を拒否する場合には、当該期間中にFAX送信側の装置がFAXデータを送信してしまうと、FAX送信側の装置はリダイヤル処理(所定時間の経過後にFAX送信側の装置から再度FAXデータを送信する処理)を行う必要があるため、非効率である。また、FAX受信側の装置が、所定時間内にFAXデータを受信可能な状態に復帰しない場合には、通信エラーとなる。この場合、ユーザはFAX送信の手続きを再度行う必要があるため、非効率である。本明細書では、このような不便性を解消することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願に記載の通信装置は、IPネットワークを介して通信先機器とデータを通信することが可能な通信装置であって、通信先機器へ送信するデータを記憶しておくデータ保持手段と、データをIPネットワークを介して通信先機器から受信する第1受信手段と、第1受信手段によってデータを受信することが可能な期間に関する受信可能期間情報を含む能力情報を作成する作成手段と、能力情報をIPネットワークを介して通信先機器へ送信する第1送信手段と、能力情報をIPネットワークを介して通信先機器から受信する第2受信手段と、能力情報を通信先機器から受信した場合に、受信した能力情報に基づいて、通信先機器がデータを受信することが可能な期間中に、テータ保持手段に記憶されているデータを通信先機器へ送信する第2送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本願に記載の通信装置が複数存在する場合には、IPネットワークを介して接続することで、通信装置間で通信することが可能になる。そして、データ受信側の通信装置は、データ受信側の通信装置でデータを受信することが可能な期間に関する受信可能期間情報を含む能力情報を、第1送信手段を用いて、データ送信側の通信装置に送信することができる。また、データ送信側の通信装置は、第2受信手段によって能力情報を受信することで、データ受信側の通信装置がデータ受信可能となる期間を識別することができる。そしてデータ送信側の通信装置は、データ受信側の通信装置がデータ受信可能となる期間が到来するまで、データをデータ保持手段に保持しておくことで、送信処理を待機することができる。データ送信側の通信装置が、データ受信側の通信装置がデータ受信可能な期間中に第2送信手段を用いてデータを送信すると、データ受信側の通信装置は、第1受信手段を用いて当該データを受信することができる。
【0007】
これにより、データ受信側の通信装置がデータを受信することができない期間中に、データ送信側の通信装置からデータが送信されてしまう事態を防止することができる。よって、FAX送信側の装置がリダイヤル処理を実行する必要性を無くすことができる。また、通信エラーの発生により、ユーザがFAX送信の手続きを再度行う必要性を無くすことができる。以上より、ユーザの利便性を高めることができる。
【0008】
また、請求項2に記載の通信装置では、HTTP(HyperText Transfer Protocol)形式の通信プロトコルに基づいて、能力情報の通信が行われる。これにより、データ送信側の通信装置とデータ受信側の通信装置との間で、能力情報の通信を自由に行うことが可能となる。
【0009】
また、請求項3に記載の通信装置では、T.38形式またはみなし音声伝送方式の伝送制御プロトコルに基づいて、データの通信が行われる。これにより、データの通信を、従来用いられている一般的なプロトコルを用いて行うことが可能となる。
【0010】
また、請求項4に記載の通信装置では、データ送信側の通信装置は、複数の異なるデータ受信側の通信装置の各々について、データ受信可能となる期間を記憶することができる。これにより、データ受信側の通信装置が複数存在する場合においても、各装置がデータ受信可能な期間中に、データを送信することが可能となる。
【0011】
IPネットワークを介した通信では、通信回線を確立するために、回線接続処理(通信の接続を行う処理、通信の切断を行う処理、など)の実行が必要である。請求項5に記載の通信装置では、送信先が同一の通信先機器である複数のデータを、一の回線接続処理によって確立された通信回線を用いて、まとめて送信することができる。よって、回線接続処理の実行回数を減少させることができるため、送信時間等のロスを低減させることが可能となる。
【0012】
また、請求項6に記載の通信装置では、データ受信側の通信装置は、複数の異なるデータ送信側の通信装置の各々について、データを受信することが可能な期間を、当該期間の開始時間が互いに異なるように設定することができる。これにより、複数の異なるデータ送信側の通信装置から1のデータ受信側の通信装置へデータを送信する際の、送信開始時間を異ならせることができる。よって、送信されてくるデータがある特定の時間に集中してしまい、データ受信側の通信装置がビジー状態になってしまう事態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】通信システムの構成の一例を示す。
【図2】多機能機10の動作フローチャートを示す。
【図3】多機能機10の動作フローチャートを示す。
【図4】多機能機110の動作フローチャートを示す。
【図5】多機能機110の動作フローチャートを示す。
【図6】受信可能期間テーブルの一例を示す。
【図7】送信側管理テーブルの一例を示す。
【図8】オフセットテーブルの一例を示す。
【図9】ジョブテーブルの一例を示す。
【図10】INVITEメッセージのSDPの一例を示す。
【図11】200OKのSDPの一例を示す。
【図12】能力通知要求メッセージの一例を示す。
【図13】能力応答メッセージの一例を示す。
【図14】能力応答メッセージの一例を示す。
【図15】送信時刻の変更完了通知のSDPの一例を示す。
【図16】コンテンツデータの電文例を示す。
【図17】通信システムの動作の具体例を示す。
【図18】通信システムの動作の具体例を示す。
【図19】通信システムの動作の具体例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施例)
(システムの構成)
図面を参照して実施例を説明する。図1に示されるように、通信システム2は、IP網4と、LAN6、40ないし42と、多機能機10、110、110a、110bと、SIPサーバ220を備える。多機能機10はLAN6に接続されている。多機能機110ないし110bは、LAN40ないし42の各々に接続されている。LAN6、40ないし42及びSIPサーバ220は、IP網4に接続されている。多機能機10と、SIPサーバ220と、多機能機110ないし110bとは、LAN6、40ないし42とIP網4を介して、相互に通信可能である。
【0015】
IP網4は、プロバイダ(インターネット接続業者)によって提供されるIP網である。IP網4は、SIPサーバ220で制御される。IP網4の一例としては、NGN(Next Generation Network)が挙げられる。NGNは、現行の公衆網を代替する次世代IPネットワークである。すなわちNGNは、現在別々に構築されている、インターネットサービス用IPネットワークと電話サービス用の電話網を、IP技術を用いてIP通信網として統合したネットワークである。また、多機能機10、110、110a、110bは、アプリケーション層としてHTTP(HyperText Transfer Protocol)を利用し、トランスポート層としてTCP(Transmission Control Protocol)を利用して、FAXデータを通信することが可能な装置である。
【0016】
(多機能機10の構成)
多機能機10の構成について説明する。多機能機10は、印刷機能、スキャナ機能、コピー機能、電子メール送受信機能、IPFAX機能、電話機能等の多機能を備える。多機能機10は、表示部12と、操作部14と、ネットワークI/F(インターフェイス)16と、スキャン実行部18と、印刷実行部20と、制御部22と、を備える。上記の各部12〜22はバス線24に接続されている。表示部12は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。操作部14は、複数のキーによって構成される。ユーザは、操作部14を操作することによって、様々な指示を多機能機10に入力することができる。ネットワークI/F16は、LAN6に接続されている。スキャン実行部18は、CIS、CCD等のスキャン機構を備え、スキャン対象物をスキャンすることによって画像データを生成する。印刷実行部20は、インクジェットヘッド方式、レーザ方式等の印刷機構を備え、制御部22からの指示に従って印刷を行う。
【0017】
制御部22は、CPU30とメモリ32とリアルタイムクロック(RTC)33を備える。メモリ32は、プログラム34、受信可能期間テーブルTB1、送信側管理テーブルTB2、オフセットテーブルTB3、ジョブテーブルTB4、データ保持領域39、を格納している。CPU30は、メモリ32内のプログラム34に従って各種の制御を実行する。リアルタイムクロック33は、多機能機10の電源とは直接はつながっていない内蔵電池から電源供給を受けて、現在時刻を刻み続けるクロックである。後述する電源オフモードの状態では、制御部22への電源供給が停止されるが、リアルタイムクロック33は内蔵電池によって電源オフモードの期間中にも動作し続けることが可能である。リアルタイムクロック33によって、電源オフモードからの復帰動作や、ジョブの時刻指定送信の実行などの日時管理を行うことができる。
【0018】
CPU30が実行する制御の一例として、スリープモードと電源オフモードが挙げられる。スリープモードの状態では、印刷実行部20などへの電源供給が停止され、消費電力を削減することができる。またスリープモード中には、制御部22への電源供給は停止されないため、FAXデータの着信を検出することが可能である。そして、スリープモード中にFAXデータの着信を検出すると、多機能機10は通常モードに復帰し、FAXデータを受信して印刷実行部20で印刷を実行する。一方、電源オフモードの状態では、印刷実行部20などへの電源供給停止に加えて、制御部22への電源供給も停止される。これにより、多機能機10の消費電力を、スリープモードよりもさらに低減することができる。しかし電源オフモードの状態では、制御部22への電源供給も停止されるため、FAXデータの着信を検出することができず、FAXデータを受信することができない。
【0019】
なお電源オフモードからの復帰動作は、例えば、復帰時刻を予め設定しておき、リアルタイムクロック33によって復帰時刻の到来が検出されることに応じてCPU30を動作させることで実行することができる。また例えば、操作部14の電源ボタンの押下が検出されることに応じてCPU30を動作させることで、実行することができる。
【0020】
図6に、受信可能期間テーブルTB1の一例を示す。受信可能期間テーブルTB1は、自機(多機能機10)および通信先機器(多機能機110ないし110b)がデータを受信することが可能な期間(受信可能期間)を示すためのテーブルである。受信可能期間テーブルTB1は、自機および通信先機器の各々に対応して、複数作成される。受信可能期間テーブルTB1は、曜日ごとに受信可能期間を記憶することができる。自機(多機能機10)についての受信可能期間テーブルTB1は、予めユーザによって設定されるとしてもよい。また、自機は、受信可能期間の期間外においては電源オフモードとされていてもよい。通信先機器(多機能機110ないし110b)の各々についての受信可能期間テーブルTB1は、後述するように、通信先機器との間の通信によって取得され、メモリ32に記憶される。
【0021】
図7に、送信側管理テーブルTB2の一例を示す。送信側管理テーブルTB2は、通信先情報62、ポインタ情報63を記憶する。通信先情報62は、通信先機器(多機能機110ないし110b)を識別するための情報(例:FAX番号)である。ポインタ情報63は、多機能機110ないし110bの各々と、多機能機110ないし110bの各々について作成された受信可能期間テーブルTB1との対応関係を示す情報である。ポインタ情報63を用いることにより、通信先情報62で特定される多機能機についての受信可能期間テーブルTB1にアクセスすることが可能となる。
【0022】
図8に、オフセットテーブルTB3の一例を示す。オフセットテーブルTB3は、後述する能力応答メッセージを作成する際に用いるテーブルである。オフセットテーブルTB3は、通信先情報72、オフセット時間73を記憶する。通信先情報72は、通信先機器の各々を識別するための情報(例:FAX番号)である。オフセット時間73は、受信可能期間の開始時間を遅延させるオフセット値である。
【0023】
図9に、ジョブテーブルTB4の一例を示す。ジョブテーブルTB4は、時刻指定送信のジョブを実行する際の指定時刻を記憶するテーブルである。ジョブテーブルTB4は、ジョブ番号81、通信先情報82、ジョブ実行時刻83を記憶する。ジョブ番号81は、各ジョブに割り当てられる連続番号である。通信先情報82は、通信先機器の各々を識別するための情報(例:FAX番号)である。ジョブ実行時刻83は、ジョブ(FAX送信)を実行する時刻である。
【0024】
データ保持領域39は、FAXデータを記憶する領域である。データ保持領域39は、複数のFAXデータを記憶することが可能である。なおデータ保持領域39は、同一の通信先機器についての複数のFAXデータを記憶することも可能である。
【0025】
(多機能機110ないし110bの構成)
多機能機110の構成について説明する。多機能機110は、表示部112と、操作部114と、ネットワークI/F116と、スキャン実行部118と、印刷実行部120と、制御部122と、を備える。制御部122は、CPU130とメモリ132とを備える。メモリ132は、プログラム134、受信可能期間テーブルTB11、送信側管理テーブルTB12、オフセットテーブルTB13、ジョブテーブルTB14、データ保持領域139、を格納している。なお、多機能機110の各構成の内容は、多機能機10と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、多機能機110に記憶されている受信可能期間テーブルTB11、送信側管理テーブルTB12、オフセットテーブルTB13、ジョブテーブルTB14の各々の内容は、多機能機10に記憶されている受信可能期間テーブルTB1、送信側管理テーブルTB2、オフセットテーブルTB3、ジョブテーブルTB4の各々と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、多機能機110aおよび110bの構成についても、多機能機10と同様であるため、図1における構成内容の図示を省略する。
【0026】
(SIPサーバ220の構成)
SIPサーバ220の構成について説明する。SIPサーバ220は、多機能機10、110、110a、110bの各々について、当該多機能機のIPアドレスと、当該多機能機のSIPURIと、を対応付けて記憶している。SIPサーバ220は、SIP(Session Initiation Protocol)を利用して、多機能機10、110、110a、110bの間の通信セッションを確立する。即ち、例えば、多機能機10と多機能機110との間でIPFAX送信処理を実行するための通信セッションを確立するための各種コマンドは、SIPサーバ220を経由して送信される。
【0027】
(IPFAX送信処理)
続いて、IPFAX送信処理について説明する。以下では、多機能機10が送信側機器、多機能機110が受信側機器であり、多機能機10から多機能機110にFAXデータを送信する場合を例として、IPFAX送信処理の内容を説明する。
【0028】
図2および図3を用いて、FAXデータの送信側機器である多機能機10の動作を説明する。図2および図3のフローは、多機能機10の電源が投入されている間に実行されるフローである。S100において、CPU30は、FAXデータの時刻指定送信の時刻が到来したか否かを判断する。具体的には、リアルタイムクロック33を用いて、ジョブテーブルTB4に記憶されているジョブ実行時刻83の何れかの時刻が到来したかを判断する。到来した場合(S100:YES)にはS120へ進み、到来していない場合(S100:NO)にはS101へ進む。
【0029】
S101においてCPU30は、IPFAX送信操作が実行されたか否かを判断する。IPFAX送信操作は、多機能機10のユーザが図示しない自動原稿搬送装置に原稿をセットし、その状態で、操作部14を用いてIPFAX送信操作(例、ダイヤル入力後、スタートボタン押下)を実行する操作である。IPFAX送信操作は、FAXの送信先である多機能機110のSIPURIを入力する操作を含む。IPFAX送信操作が実行されていない場合(S101:NO)にはS100へ戻り、実行された場合(S101:YES)にはS102へ進む。
【0030】
S102において、CPU30は、自動原稿搬送装置にセットされた原稿を、スキャン実行部18にスキャンさせる。これにより、スキャン実行部18は、スキャンデータを生成する。CPU30は、スキャン実行部18により生成されたスキャンデータをメモリ32に記憶する。S104において、CPU30は、メモリ32に記憶されたスキャンデータを取得し、符号化(圧縮)処理を行い、FAXデータを生成し、データ保持領域39に記憶する。そして、S112へ進む。
【0031】
S112において、CPU30は、多機能機110についての受信可能期間テーブルTB1に、受信可能期間が記憶されているか否かを判断する。具体的には、送信側管理テーブルTB2に記憶されている多機能機110のポインタ情報を用いて、メモリ32に記憶されている複数の受信可能期間テーブルTB1のうちから、多機能機110に関する受信可能期間テーブルTB1を検索してアクセスする。そして多機能機110に関する受信可能期間テーブルTB1の記憶内容を読み出すことで、当該判断を行う。受信可能期間が記憶されていない場合(S112:NO)にはS120へ進み、記憶されている場合(S112:YES)にはS114へ進む。
【0032】
S114においてCPU30は、多機能機110が、現在データ受信可能な状態であるか否かを判断する。具体的には、現在時刻が、多機能機110に関する受信可能期間テーブルTB1に記憶されている受信可能期間の期間内であるか否かを判断する。データが受信可能な状態ではないと判断される場合(S114:NO)には、S116へ進む。S116において、CPU30は、今回のIPFAX送信操作で生成されたジョブを、時刻指定送信のジョブに変更する。具体的には、ジョブテーブルTB4において、通信先情報82に多機能機110の情報を記憶させる。また、ジョブ実行時刻83として、多機能機110のデータ受信可能期間内の時刻の何れかを記憶させる。そしてS100へ戻る。
【0033】
一方、多機能機110がデータ受信可能であると判断される場合(S114:YES)には、S120へ進む。S120において、CPU30は、IPFAX送信操作で取得されたSIPURIを送信先として、SIPサーバ220にINVITEメッセージを送信する。SIPサーバ220は、INVITEメッセージを多機能機110に転送する。ここで図10に、INVITEメッセージのSDP(Session Description Protocol)の一例を示す。多機能機110は、INVITEメッセージを受信すると、200OKをSIPサーバ220に送信する。SIPサーバ220は、200OKを多機能機10に転送する。ここで図11に、INVITEメッセージに対する200OKのSDPの一例を示す。
【0034】
S121においてCPU30は、INVITEメッセージを送信した後に、SIPサーバ220を介して、多機能機110から200OKを受信したか否かを監視する。受信していない場合(S121:NO)にはS121へ戻り、受信した場合(S121:YES)にはS122へ進む。
【0035】
S122において、CPU30は、IPFAX送信操作で取得されたSIPURIを送信先として、SIPサーバ220にACK信号を送信する。SIPサーバ220は、ACK信号を多機能機110に転送する。多機能機110は、ACK信号を受信する。これにより、多機能機10と多機能機110との間で通信セッションが確立される。
【0036】
通信セッションが確立すると、S124においてCPU30は、能力通知要求メッセージを多機能機110に対して送信する。能力通知要求メッセージは、HTTP(HyperText Transfer Protocol)形式の通信プロトコルにおけるGETメソッドに基づいて送信される。ここで、能力通知要求メッセージの一例を図12に示す。
【0037】
多機能機110は、この能力通知要求メッセージに対して能力応答メッセージを返信することにより、能力応答を行なう。 能力応答メッセージは、GETメソッドに対する応答である。能力応答メッセージの一例を、図13および図14に示す。図13は、多機能機110がデータを受信できない場合の電文例である。この電文例では、受信可能期間情報(deviceAvailableTime)(図13、領域A11)は含まれているが、記録能力宣言(deviceCapability)は含まれていない。一方、図14は、多機能機110がデータを受信できる場合の電文例である。この電文例では、受信可能期間情報(図14、領域A21)に加えて、記録能力宣言(図14、領域A22)が含まれている。S126において、CPU30は、多機能機110から能力応答メッセージを受信したか否かを判断する。受信していない場合(S126:NO)にはS126へ戻り、受信した場合(S126:YES)にはS128へ進む。
【0038】
S128において、CPU30は、受信可能期間情報が能力応答メッセージに含まれているか否かを判断する。受信可能期間情報が含まれていない場合(S128:NO)にはS134(図3)へ進み、受信可能期間情報が含まれている場合(S128:YES)にはS130へ進む。S130において、CPU30は、多機能機110に関する受信可能期間テーブルTB1がまだメモリ32に記憶されていない場合には、多機能機110に関する受信可能期間テーブルTB1を新たに作成してメモリ32に記憶させる。そして、当該テーブルに受信可能期間を記憶させる。一方、多機能機110に対応した受信可能期間テーブルTB1が既にメモリ32に記憶されている場合には、当該テーブルに記憶されていた受信可能期間を、今回取得した受信可能期間に更新する。
【0039】
S134(図3)において、CPU30は、多機能機110がデータ受信可能な状態であるか否かを判断する。具体的には、第1条件として、多機能機110から受信した能力応答メッセージ内に、記録能力宣言が含まれているかを判断する。記録能力宣言が含まれている場合には、多機能機110側がビジー状態等ではなく、エラーが発生していない状態であると判断される。また、第2条件として、現在の時刻が、多機能機110のデータ受信可能な期間内であるかを、多機能機110に関するテーブルTB1を用いて判断する。そして、第1条件および第2条件をともに満たす場合には、多機能機110がデータ受信可能な状態であると判断し(S134:YES)、S150へ進む。
【0040】
S150において、CPU30は、S134で受信した記録能力宣言に基づいて、コンテンツデータを作成する。コンテンツデータは、FAXの1ページ分に対応するデータである。S152においてCPU30は、作成した1ページ分のコンテンツデータを多機能機110へ送信する。コンテンツデータは、HTTP形式の通信プロトコルにおけるPOSTメソッドに基づいて送信される。ここで図16に、コンテンツデータの電文例を示す。
【0041】
S154において、CPU30は、多機能機110から受信完了応答を受信したか否かを判断する。受信完了応答は、POSTメソッドに対する応答である。受信していない場合(S126:NO)にはS154へ戻り、受信した場合(S154:YES)にはS156へ進む。
【0042】
S156において、CPU30は、送信すべき次ページのコンテンツデータが存在するか否かを判断する。存在する場合(S156:YES)にはS152へ戻り、次ページのコンテンツデータをPOSTメソッドにより送信する。一方、存在しない場合(S156:NO)にはS160へ進む。
【0043】
S160において、CPU30は、現在セッションを確立している多機能機110を通信先とする他のFAXデータが、データ保持領域39に記憶されているか否かを判断する。記憶されている場合(S160:YES)にはS162へ進む。S162においてCPU30は、記録能力宣言に基づいて、他のFAXデータからコンテンツデータを作成する。そしてS152へ戻り、作成したコンテンツデータを、POSTメソッドにより多機能機110へ送信する。
【0044】
一方、S160において、他のFAXデータがデータ保持領域39に記憶されていない場合(S160:NO)には、S170へ進む。S170において、CPU30は、BYE信号をSIPサーバ220へ送出する。BYE信号は、多機能機10と多機能機110との間に確立された通信セッションを終了するためのコマンドである。SIPサーバ220は、受信したBYE信号を多機能機110に転送する。多機能機110は、BYEを受信すると、200OKをSIPサーバ220に送信する。SIPサーバ220は、200OKを多機能機10に転送する。S172において、CPU30は、SIPサーバ220から200OKを受信したか否かを監視する。受信していない場合(S172:NO)にはS172へ戻り、受信した場合(S172:YES)には多機能機10と多機能機110との通信セッションが終了する。そしてS100へ戻る。
【0045】
また、S134において、CPU30は、多機能機110がデータ受信可能な状態ではないと判断した場合(S134:NO)には、S140へ進む。S140において、CPU30は、今回のIPFAX送信操作で生成されたジョブを、時刻指定送信のジョブに変更する。時刻指定送信のジョブに変更する処理の内容はS116と同様であるため、ここでは説明を省略する。S142においてCPU30は、送信時刻の変更完了通知を、POSTメソッドにより多機能機110へ送信する。ここで図15に、送信時刻の変更完了通知のSDPの一例を示す。
【0046】
S144において、CPU30は、SIPサーバ220を介して、多機能機110から200OKを受信したか否かを監視する。受信していない場合(S144:NO)にはS144へ戻り、受信した場合(S144:YES)にはS170へ進む。S170以降の動作は前述の通りであるため、詳細な説明を省略する。
【0047】
図4および図5を用いて、FAXデータの受信側機器である多機能機110の動作を説明する。図4および図5のフローは、多機能機110の電源が投入されている間に実行されるフローである。S212において、CPU130は、送信側機器である多機能機10からINVITEメッセージを受信したか否かを判断する。受信していない場合(S212:NO)にはS212へ戻り、受信した場合(S212:YES)にはS214へ進む。S214において、CPU130は、SIPサーバ220を介して多機能機10へ200OKを送信する。S215において、CPU130は、多機能機10からACK信号を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S215:NO)にはS215へ戻り、受信した場合(S215:YES)にはS216へ進む。
【0048】
S216において、CPU130は、多機能機10からGETメソッドに基づく能力通知要求メッセージを受信したか否かを判断する。受信していない場合(S216:NO)にはS216へ戻り、受信した場合(S216:YES)にはS218へ進む。
【0049】
S218において、CPU130は、送信側機器である多機能機10に関するオフセット時間73が、オフセットテーブルTB13に登録されているか否かを判断する。登録されている場合(S218:YES)にはS222(図5)へ進み、登録されていない場合(S218:NO)にはS220へ進む。S220において、CPU130は、多機能機10に関する新たなオフセット時間73を決定し、オフセットテーブルTB13に登録する。新たなオフセット時間73の決定は、オフセットテーブルTB13に記憶されている複数のオフセット時間73の各々が、全て異なる値となるように決定される。例えば、オフセットテーブルTB13に記憶されているオフセット時間73の最大値に、所定値を加えることで、新たなオフセット時間73を決定してもよい。
【0050】
S222(図5)において、CPU130は、自機である多機能機110がデータ受信可能な状態であるか否かを判断する。具体的には、現在時刻が多機能機110に関する受信可能期間テーブルTB11に記憶されている受信可能期間の期間内である場合や、ビジー状態等の各種のエラーが多機能機110で発生していない場合には、多機能機110がデータ受信可能な状態であると判断される。多機能機110がデータ受信可能な状態である場合(S222:YES)には、S230へ進む。S230において、CPU130は、能力応答メッセージを作成する。多機能機110がデータ受信可能な状態であるため、図14の例に示すように、受信可能期間情報(deviceAvailableTime)および記録能力宣言(deviceCapability)が含まれている能力応答メッセージを作成する。
【0051】
S230での、受信可能期間情報の作成方法を説明する。CPU130は、受信可能期間テーブルTB11に記憶されている受信可能期間の各曜日の開始時間の各々に、オフセットテーブルTB13に記憶されている多機能機10についてのオフセット時間73を加算することで、受信可能期間情報を作成する。例えば、多機能機110に記憶されている受信可能期間テーブルTB11およびオフセットテーブルTB13の記憶内容の各々が、図6および図8に示す内容である場合を説明する。この場合、月曜日の受信可能期間(図6、10:00−18:00)の開始時間(10:00)に、多機能機10(図8、通信先情報72=052-333-4567)についてのオフセット時間73(10分)が加算される。よって、多機能機10へ送信される、月曜日の受信可能期間情報は、「10:10−18:00」となる。同様にして、多機能機110aへ送信される、月曜日の受信可能期間情報は、「10:05−18:00」となる。また、多機能機110bへ送信される、月曜日の受信可能期間情報は、「10:00−18:00」となる。なお、火曜日ないし土曜日の受信可能期間情報の作成方法は、月曜日の受信可能期間情報の作成方法と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0052】
以上より、データ受信側の110は、複数の異なるデータ送信側の多機能機10、110a、110bの各々について、受信可能期間情報を、開始時間が互いに異なるように設定することができる。これにより、複数の異なるデータ送信側の通信装置(多機能機10、110a、110b)から1のデータ受信側の多機能機110へデータを送信する際の、送信開始時間を異ならせることができる。よって、送信されてくるデータがある特定の時間(例:月曜日の10:00)に集中してしまい、データ受信側の多機能機110がビジー状態になってしまう事態を防止することができる。
【0053】
S232において、CPU130は、作成した能力応答メッセージを多機能機10へ送信する。能力応答メッセージは、GETメソッドに対する応答である。S238において、CPU130は、1ページ分のコンテンツデータを多機能機10から受信する。S240において、CPU130は、受信完了応答を多機能機10へ送信する。受信完了応答は、POSTメソッドに対する応答である。
【0054】
S262において、CPU130は、SIPサーバ220を介して多機能機10からBYE信号を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S262:NO)にはS238へ戻り、次ページのコンテンツデータを受信する。一方、受信した場合(S262:YES)にはS264へ進む。S264において、CPU130は、200OKを多機能機10へ送信する。そしてフローを終了する。
【0055】
一方、S222において、多機能機110がデータ受信可能な状態でない場合(S222:NO)には、S250へ進む。S250において、CPU130は、能力応答メッセージを作成する。多機能機110がデータ受信可能な状態ではないため、図13の例に示すように、受信可能期間情報(deviceAvailableTime)は含まれているが、記録能力宣言(deviceCapability)は含まれていない能力応答メッセージを作成する。
【0056】
S252において、CPU130は、作成した能力応答メッセージを多機能機10へ送信する。S254において、CPU130は、送信時刻変更完了通知を多機能機10から受信したか否かを判断する。受信していない場合(S254:NO)にはS254へ戻り、受信した場合(S254:YES)にはS256へ進む。S256において、CPU130は、SIPサーバ220を介して多機能機10へ200OKを送信する。S258において、CPU130は、SIPサーバ220を介して多機能機10からBYE信号を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S258:NO)にはS258へ戻り、受信した場合(S258:YES)にはS264へ進む。S264において、CPU130は、200OKを多機能機10へ送信する。そしてフローを終了する。
【0057】
(動作の具体例)
本実施形態に係る通信システム2の動作の具体例を、図17ないし図19のシーケンス図を用いて説明する。図17ないし図19では、例として、多機能機10から多機能機110へFAXが送信される場合の動作を説明する。また、多機能機110に記憶されている受信可能期間テーブルTB11の記憶内容が、図6に示す内容である場合を説明する。
【0058】
図17の動作を説明する。図17の動作は、多機能機110の受信可能期間の期間外に、多機能機10でIPFAX送信操作が行われた場合の動作である。例として、日曜日の10:00に多機能機10でIPFAX送信操作が行われる場合を説明する。また、IPFAX送信操作が実行され(S101:YES)、FAXデータの生成および記憶(S102、S104)が完了した時点からの動作を説明する。多機能機10がINVITEメッセージを送信すると(S120)、多機能機110はINVITEメッセージを受信する(S212:YES)。多機能機110が200OKを送信すると(S214)、多機能機10は200OKを受信する(S121:YES)。多機能機10がACK信号を送信すると(S122)、多機能機110はACK信号を受信する(S215:YES)。これにより、多機能機10と多機能機110との間で通信セッションが確立される。
【0059】
多機能機10は、GETメソッドに基づいて、能力通知要求メッセージを多機能機110に対して送信する(S124)。多機能機110は、能力通知要求メッセージを受信すると(S216:YES)、現在時刻(日曜日の10:00)が受信可能期間テーブルTB11(図6)に記憶されている受信可能期間の期間内ではないため、多機能機110がデータ受信可能な状態ではないと判断する(S222:NO)。よって、受信可能期間情報は含まれているが記録能力宣言は含まれていない能力応答メッセージを作成する。(S250)。そして多機能機110は、作成した能力応答メッセージを多機能機10へ送信する(S252)。
【0060】
多機能機10は、多機能機110から能力応答メッセージを受信すると(S126:YES)、能力応答メッセージに記録能力宣言が含まれていないため、多機能機110がデータ受信可能な状態ではないと判断する(S134:NO)。よって今回のIPFAX送信操作で生成されたジョブを、月曜日10:00の時刻指定送信のジョブに変更し(S140)、送信時刻の変更完了通知を多機能機110へ送信する(S142)。多機能機110は、送信時刻変更完了通知を多機能機10から受信すると(S254:YES)、多機能機10へ200OKを送信する(S256)。多機能機10は200OKを受信する(S144:YES)。
【0061】
多機能機10がBYE信号を送信すると(S170)、多機能機110はBYE信号を受信する(S262:YES)。多機能機110が200OKを送信すると(S264)、多機能機10は200OKを受信する(S172)。これにより、多機能機10と多機能機110との通信セッションが終了する。
【0062】
図18の動作を説明する。図18の動作は、多機能機110の受信可能期間の期間内に、IPFAX送信操作が行われた場合の動作である。例として、火曜日の13:00にIPFAX送信操作が行われる場合を説明する。多機能機10と多機能機110との間で通信セッションを確立するまでの動作は、図17の動作と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0063】
多機能機10は、GETメソッドに基づいて、能力通知要求メッセージを多機能機110に対して送信する(S124)。多機能機110は、能力通知要求メッセージを受信すると(S216:YES)、現在時刻(火曜日の13:00)が受信可能期間テーブルTB11(図6)に記憶されている受信可能期間の期間内であるため、多機能機110がデータ受信可能な状態であると判断する(S222:YES)。よって、受信可能期間情報および記録能力宣言が含まれている能力応答メッセージを作成する(S230)。そして多機能機110は、作成した能力応答メッセージを多機能機10へ送信する(S232)。
【0064】
多機能機10は、多機能機110から能力応答メッセージを受信すると(S126:YES)、能力応答メッセージに記録能力宣言が含まれているため、多機能機110がデータ受信可能な状態であると判断する(S134:YES)。よって多機能機10は、記録能力宣言に基づいてコンテンツデータを作成し(S150)、コンテンツデータを多機能機110へ送信する(S152)。多機能機110は、コンテンツデータを多機能機10から受信すると(S238)、受信完了応答を多機能機10へ送信する(S240)。以後において、多機能機10と多機能機110との通信セッションを終了させるまでの動作は、図17の動作と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0065】
図19の動作を説明する。図19の動作は、多機能機10から多機能機110へ初めてのFAX送信が実行され、その後に2回目のFAX送信が実行される場合の動作である。例として、初回のIPFAX送信操作は、多機能機110の受信可能期間の期間内(例:火曜日の13:00)に行われ、2回目のIPFAX送信操作は、多機能機110の受信可能期間の期間外(例:日曜日の10:00)に行われる場合を説明する。
【0066】
初回のIPFAX送信操作が実行されると(S101:Y)、多機能機110についての受信可能期間テーブルTB1に受信可能期間が記憶されているか否かが判断される(S112)。まだ多機能機110と通信したことがなく、多機能機110の受信可能期間を多機能機110から受信していないため、多機能機110についての受信可能期間テーブルTB1には受信可能期間が記憶されていない(S112:NO)。よって通信セッションを確立する動作が行われる。通信セッションを確立するまでの動作は、図17の動作と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0067】
多機能機110は、作成した能力応答メッセージを多機能機10へ送信する(S232)。多機能機10は、多機能機110から能力応答メッセージを受信すると(S126:YES)、能力応答メッセージに受信可能期間情報が含まれているため(S128:Y)、多機能機110に関する受信可能期間テーブルTB1を新たに作成してメモリ32に記憶させる(S130)。多機能機10は、コンテンツデータを多機能機110へ送信する(S152)。多機能機110は、コンテンツデータを多機能機10から受信する(S238)。以後において、多機能機10と多機能機110との通信セッションを終了させるまでの動作は、図17の動作と同様であるため、ここでは説明を省略する。以上により、初回のIPFAX送信操作が終了する。
【0068】
2回目のIPFAX送信操作が実行されると(S101:Y)、多機能機110についての受信可能期間テーブルTB1に受信可能期間が記憶されており(S112:Y)、多機能機110がデータ受信可能な状態ではないことが当該受信可能期間に基づいて判断される(S114:NO)。よって、今回のIPFAX送信操作で生成されたジョブが、時刻指定送信(月曜日の10:00)のジョブに変更される(S116)。
【0069】
FAXデータの時刻指定送信の時刻が到来すると(S100:Y)、通信セッションを確立する動作が行われ、多機能機10はコンテンツデータを多機能機110へ送信する(S152)。多機能機110は、コンテンツデータを多機能機10から受信する(S238)。そして、多機能機10と多機能機110との通信セッションが終了される。
【0070】
(効果)
以上説明した、本実施例の説明例に係る通信システム2の効果を説明する。データ受信側の多機能機110は、多機能機110でデータを受信することが可能な期間に関する受信可能期間情報を含む能力応答メッセージを、GETメソッドを用いて、データ送信側の多機能機10に送信することができる(S232、S252)。また、データ送信側の多機能機10は、GETメソッドによって能力応答メッセージを受信することで、多機能機110がデータ受信可能となる期間を識別することができる(S134)。そしてデータ送信側の多機能機10は、データ受信側の多機能機110がデータ受信可能となる期間が到来するまで、FAXデータをデータ保持領域39に保持しておくことで、送信処理を待機することができる(S140)。多機能機10が、多機能機110がデータ受信可能な期間中にPOSTメソッドを用いてコンテンツデータを送信すると(S152)、多機能機110は、当該コンテンツデータを受信することができる(S238)。
【0071】
これにより、データ受信側の多機能機110がFAXデータを受信することができない期間(多機能機110の受信可能期間の期間外、多機能機110が電源オフモードとされている期間)中に、データ送信側の多機能機10からFAXデータが送信されてしまう事態を防止することができる。よって、多機能機10がリダイヤル処理を実行する必要性を無くすことができる。また、通信エラーの発生により、ユーザがFAX送信の手続きを再度行う必要性を無くすことができる。以上より、ユーザの利便性を高めることができる。
【0072】
また、本実施例に係る通信システム2は、例えば以下のようなケースにおいて有用である。データの機密保持等の理由により、事務所の営業時間内でのみFAXのデータ受信および印刷を多機能機10に実行させたい場合が存在する。このような場合、受信可能な時間(営業時間)を予め受信可能期間テーブルTB1に設定しておけばよい。例えば、図6に示す受信可能期間テーブルTB1のように設定した場合には、多機能機10を送信先とするFAX送信操作が、外部の多機能機110で営業時間外(例:日曜の10:00)に実行された場合には、営業時間(月曜日の10:00)が到来するまで、多機能機110から多機能機10へのFAX送信は待機される。これにより、多機能機10でのFAXのデータ受信および印刷を、営業時間内のみに実行させることが可能となる。
【0073】
また通信システム2では、HTTP形式の通信プロトコルであるGETメソッドに基づいて、能力応答メッセージの通信が行われる。これにより、データ送信側の多機能機10とデータ受信側の多機能機110との間で、能力応答メッセージの通信を自由に行うことが可能となる。
【0074】
また、データ送信側の多機能機10は、データ受信側の多機能機110、110a、110bの各々について、複数の受信可能期間テーブルTB1を記憶することができる。これにより、データ受信側の多機能機が複数存在する場合においても、各多機能機がデータ受信可能な期間中に、FAXデータを送信することが可能となる。
【0075】
IP網4を介した通信では、通信セッションを確立するために、回線接続処理(INVITEメッセージや200OKの送受信など)の実行が必要である。本実施例に係る通信システム2では、セッションを確立した多機能機へ1のFAXデータを送信した場合に、当該多機能機を送信先とする他のFAXデータが存在する場合には(S160:YES)、当該他のデータを確立済みのセッションを用いて送信することができる(S152)。よって、回線接続処理の実行回数を減少させることができるため、送信時間等のロスを低減させることが可能となる。
【0076】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0077】
(変形例)
コンテンツデータの送信(S152)や、受信完了応答の送信(S240)で用いられるプロトコルは、POSTメソッドに限られない。FAXデータを送信するための各種のプロトコル(例:T.38形式、みなし音声伝送方式など)を使用することが可能である。これにより、FAXデータの通信を、従来用いられている一般的なプロトコルを用いて行うことが可能となる。
【0078】
本実施形態では、多機能機10が多機能機110に対してFAX送信処理を実行する場合を例に説明した。しかしながら、本技術は各種のデータ送信処理(例:電子メール送信処理)に適用可能である。
【0079】
本実施形態で説明した受信可能期間テーブルTB1(図6)、送信側管理テーブルTB2(図7)、オフセットテーブルTB3(図8)、ジョブテーブルTB4(図9)の記憶内容は、例示である。よって、通信先情報の数、受信可能期間、オフセット時間73などは、これらの値に限定されない。また、図15の送信時刻の変更完了通知のSDPでは、領域A31に送信時刻(10:10)および送信曜日(mon)が記載されているが、この形態に限られない。送信時刻のみを通知すればよい場合には、領域A31に送信時刻のみを記載してもよい。
【0080】
IP網4に接続される多機能機は、多機能機10、110、110a、110bの4台に限られず、これ以上の台数の多機能機が接続される場合においても、本願の技術を適用可能である。
【0081】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0082】
なお、IP網4はIPネットワークの一例である。多機能機10、110は通信装置の一例である。データ保持領域39はデータ保持手段の一例である。S238を実行するCPUは第1受信手段の一例である。能力応答メッセージは能力情報の一例である。S230を実行するCPUは作成手段の一例である。S232、S252を実行するCPUは第1送信手段の一例である。S126を実行するCPUは第2受信手段の一例である。S152を実行するCPUは第2送信手段の一例である。受信可能期間テーブルTB1、TB11は記憶手段の一例である。
【符号の説明】
【0083】
2:通信システム、4:IP網、10、110、110a、110b:多機能機、39:データ保持領域、120:SIPサーバ、TB1、TB11:受信可能期間テーブル
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、データの通信を実行する通信装置および通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のFAX装置では、第1のFAX装置のサブCPUが低消費電力モード中に、第1のFAX装置でFAX受信した場合、受信したFAXデータを記憶可能なLAN上の装置が探索される。そして、探索された第2のFAX装置にFAXデータが一時的に記憶される。その後、第1のFAX装置が低消費電力モードから通常モードに復帰すると、第1のFAX装置は第2のFAX装置からFAXデータを取得して印刷を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−77619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
データの機密保持等の理由により、FAXデータを受信したくない期間(事務所の営業時間外の期間など)が存在する場合がある。当該FAXデータを受信したくない期間中に、FAX受信側の装置の電源をオフにするなどの方法によってデータ受信を拒否する場合には、当該期間中にFAX送信側の装置がFAXデータを送信してしまうと、FAX送信側の装置はリダイヤル処理(所定時間の経過後にFAX送信側の装置から再度FAXデータを送信する処理)を行う必要があるため、非効率である。また、FAX受信側の装置が、所定時間内にFAXデータを受信可能な状態に復帰しない場合には、通信エラーとなる。この場合、ユーザはFAX送信の手続きを再度行う必要があるため、非効率である。本明細書では、このような不便性を解消することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願に記載の通信装置は、IPネットワークを介して通信先機器とデータを通信することが可能な通信装置であって、通信先機器へ送信するデータを記憶しておくデータ保持手段と、データをIPネットワークを介して通信先機器から受信する第1受信手段と、第1受信手段によってデータを受信することが可能な期間に関する受信可能期間情報を含む能力情報を作成する作成手段と、能力情報をIPネットワークを介して通信先機器へ送信する第1送信手段と、能力情報をIPネットワークを介して通信先機器から受信する第2受信手段と、能力情報を通信先機器から受信した場合に、受信した能力情報に基づいて、通信先機器がデータを受信することが可能な期間中に、テータ保持手段に記憶されているデータを通信先機器へ送信する第2送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本願に記載の通信装置が複数存在する場合には、IPネットワークを介して接続することで、通信装置間で通信することが可能になる。そして、データ受信側の通信装置は、データ受信側の通信装置でデータを受信することが可能な期間に関する受信可能期間情報を含む能力情報を、第1送信手段を用いて、データ送信側の通信装置に送信することができる。また、データ送信側の通信装置は、第2受信手段によって能力情報を受信することで、データ受信側の通信装置がデータ受信可能となる期間を識別することができる。そしてデータ送信側の通信装置は、データ受信側の通信装置がデータ受信可能となる期間が到来するまで、データをデータ保持手段に保持しておくことで、送信処理を待機することができる。データ送信側の通信装置が、データ受信側の通信装置がデータ受信可能な期間中に第2送信手段を用いてデータを送信すると、データ受信側の通信装置は、第1受信手段を用いて当該データを受信することができる。
【0007】
これにより、データ受信側の通信装置がデータを受信することができない期間中に、データ送信側の通信装置からデータが送信されてしまう事態を防止することができる。よって、FAX送信側の装置がリダイヤル処理を実行する必要性を無くすことができる。また、通信エラーの発生により、ユーザがFAX送信の手続きを再度行う必要性を無くすことができる。以上より、ユーザの利便性を高めることができる。
【0008】
また、請求項2に記載の通信装置では、HTTP(HyperText Transfer Protocol)形式の通信プロトコルに基づいて、能力情報の通信が行われる。これにより、データ送信側の通信装置とデータ受信側の通信装置との間で、能力情報の通信を自由に行うことが可能となる。
【0009】
また、請求項3に記載の通信装置では、T.38形式またはみなし音声伝送方式の伝送制御プロトコルに基づいて、データの通信が行われる。これにより、データの通信を、従来用いられている一般的なプロトコルを用いて行うことが可能となる。
【0010】
また、請求項4に記載の通信装置では、データ送信側の通信装置は、複数の異なるデータ受信側の通信装置の各々について、データ受信可能となる期間を記憶することができる。これにより、データ受信側の通信装置が複数存在する場合においても、各装置がデータ受信可能な期間中に、データを送信することが可能となる。
【0011】
IPネットワークを介した通信では、通信回線を確立するために、回線接続処理(通信の接続を行う処理、通信の切断を行う処理、など)の実行が必要である。請求項5に記載の通信装置では、送信先が同一の通信先機器である複数のデータを、一の回線接続処理によって確立された通信回線を用いて、まとめて送信することができる。よって、回線接続処理の実行回数を減少させることができるため、送信時間等のロスを低減させることが可能となる。
【0012】
また、請求項6に記載の通信装置では、データ受信側の通信装置は、複数の異なるデータ送信側の通信装置の各々について、データを受信することが可能な期間を、当該期間の開始時間が互いに異なるように設定することができる。これにより、複数の異なるデータ送信側の通信装置から1のデータ受信側の通信装置へデータを送信する際の、送信開始時間を異ならせることができる。よって、送信されてくるデータがある特定の時間に集中してしまい、データ受信側の通信装置がビジー状態になってしまう事態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】通信システムの構成の一例を示す。
【図2】多機能機10の動作フローチャートを示す。
【図3】多機能機10の動作フローチャートを示す。
【図4】多機能機110の動作フローチャートを示す。
【図5】多機能機110の動作フローチャートを示す。
【図6】受信可能期間テーブルの一例を示す。
【図7】送信側管理テーブルの一例を示す。
【図8】オフセットテーブルの一例を示す。
【図9】ジョブテーブルの一例を示す。
【図10】INVITEメッセージのSDPの一例を示す。
【図11】200OKのSDPの一例を示す。
【図12】能力通知要求メッセージの一例を示す。
【図13】能力応答メッセージの一例を示す。
【図14】能力応答メッセージの一例を示す。
【図15】送信時刻の変更完了通知のSDPの一例を示す。
【図16】コンテンツデータの電文例を示す。
【図17】通信システムの動作の具体例を示す。
【図18】通信システムの動作の具体例を示す。
【図19】通信システムの動作の具体例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施例)
(システムの構成)
図面を参照して実施例を説明する。図1に示されるように、通信システム2は、IP網4と、LAN6、40ないし42と、多機能機10、110、110a、110bと、SIPサーバ220を備える。多機能機10はLAN6に接続されている。多機能機110ないし110bは、LAN40ないし42の各々に接続されている。LAN6、40ないし42及びSIPサーバ220は、IP網4に接続されている。多機能機10と、SIPサーバ220と、多機能機110ないし110bとは、LAN6、40ないし42とIP網4を介して、相互に通信可能である。
【0015】
IP網4は、プロバイダ(インターネット接続業者)によって提供されるIP網である。IP網4は、SIPサーバ220で制御される。IP網4の一例としては、NGN(Next Generation Network)が挙げられる。NGNは、現行の公衆網を代替する次世代IPネットワークである。すなわちNGNは、現在別々に構築されている、インターネットサービス用IPネットワークと電話サービス用の電話網を、IP技術を用いてIP通信網として統合したネットワークである。また、多機能機10、110、110a、110bは、アプリケーション層としてHTTP(HyperText Transfer Protocol)を利用し、トランスポート層としてTCP(Transmission Control Protocol)を利用して、FAXデータを通信することが可能な装置である。
【0016】
(多機能機10の構成)
多機能機10の構成について説明する。多機能機10は、印刷機能、スキャナ機能、コピー機能、電子メール送受信機能、IPFAX機能、電話機能等の多機能を備える。多機能機10は、表示部12と、操作部14と、ネットワークI/F(インターフェイス)16と、スキャン実行部18と、印刷実行部20と、制御部22と、を備える。上記の各部12〜22はバス線24に接続されている。表示部12は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。操作部14は、複数のキーによって構成される。ユーザは、操作部14を操作することによって、様々な指示を多機能機10に入力することができる。ネットワークI/F16は、LAN6に接続されている。スキャン実行部18は、CIS、CCD等のスキャン機構を備え、スキャン対象物をスキャンすることによって画像データを生成する。印刷実行部20は、インクジェットヘッド方式、レーザ方式等の印刷機構を備え、制御部22からの指示に従って印刷を行う。
【0017】
制御部22は、CPU30とメモリ32とリアルタイムクロック(RTC)33を備える。メモリ32は、プログラム34、受信可能期間テーブルTB1、送信側管理テーブルTB2、オフセットテーブルTB3、ジョブテーブルTB4、データ保持領域39、を格納している。CPU30は、メモリ32内のプログラム34に従って各種の制御を実行する。リアルタイムクロック33は、多機能機10の電源とは直接はつながっていない内蔵電池から電源供給を受けて、現在時刻を刻み続けるクロックである。後述する電源オフモードの状態では、制御部22への電源供給が停止されるが、リアルタイムクロック33は内蔵電池によって電源オフモードの期間中にも動作し続けることが可能である。リアルタイムクロック33によって、電源オフモードからの復帰動作や、ジョブの時刻指定送信の実行などの日時管理を行うことができる。
【0018】
CPU30が実行する制御の一例として、スリープモードと電源オフモードが挙げられる。スリープモードの状態では、印刷実行部20などへの電源供給が停止され、消費電力を削減することができる。またスリープモード中には、制御部22への電源供給は停止されないため、FAXデータの着信を検出することが可能である。そして、スリープモード中にFAXデータの着信を検出すると、多機能機10は通常モードに復帰し、FAXデータを受信して印刷実行部20で印刷を実行する。一方、電源オフモードの状態では、印刷実行部20などへの電源供給停止に加えて、制御部22への電源供給も停止される。これにより、多機能機10の消費電力を、スリープモードよりもさらに低減することができる。しかし電源オフモードの状態では、制御部22への電源供給も停止されるため、FAXデータの着信を検出することができず、FAXデータを受信することができない。
【0019】
なお電源オフモードからの復帰動作は、例えば、復帰時刻を予め設定しておき、リアルタイムクロック33によって復帰時刻の到来が検出されることに応じてCPU30を動作させることで実行することができる。また例えば、操作部14の電源ボタンの押下が検出されることに応じてCPU30を動作させることで、実行することができる。
【0020】
図6に、受信可能期間テーブルTB1の一例を示す。受信可能期間テーブルTB1は、自機(多機能機10)および通信先機器(多機能機110ないし110b)がデータを受信することが可能な期間(受信可能期間)を示すためのテーブルである。受信可能期間テーブルTB1は、自機および通信先機器の各々に対応して、複数作成される。受信可能期間テーブルTB1は、曜日ごとに受信可能期間を記憶することができる。自機(多機能機10)についての受信可能期間テーブルTB1は、予めユーザによって設定されるとしてもよい。また、自機は、受信可能期間の期間外においては電源オフモードとされていてもよい。通信先機器(多機能機110ないし110b)の各々についての受信可能期間テーブルTB1は、後述するように、通信先機器との間の通信によって取得され、メモリ32に記憶される。
【0021】
図7に、送信側管理テーブルTB2の一例を示す。送信側管理テーブルTB2は、通信先情報62、ポインタ情報63を記憶する。通信先情報62は、通信先機器(多機能機110ないし110b)を識別するための情報(例:FAX番号)である。ポインタ情報63は、多機能機110ないし110bの各々と、多機能機110ないし110bの各々について作成された受信可能期間テーブルTB1との対応関係を示す情報である。ポインタ情報63を用いることにより、通信先情報62で特定される多機能機についての受信可能期間テーブルTB1にアクセスすることが可能となる。
【0022】
図8に、オフセットテーブルTB3の一例を示す。オフセットテーブルTB3は、後述する能力応答メッセージを作成する際に用いるテーブルである。オフセットテーブルTB3は、通信先情報72、オフセット時間73を記憶する。通信先情報72は、通信先機器の各々を識別するための情報(例:FAX番号)である。オフセット時間73は、受信可能期間の開始時間を遅延させるオフセット値である。
【0023】
図9に、ジョブテーブルTB4の一例を示す。ジョブテーブルTB4は、時刻指定送信のジョブを実行する際の指定時刻を記憶するテーブルである。ジョブテーブルTB4は、ジョブ番号81、通信先情報82、ジョブ実行時刻83を記憶する。ジョブ番号81は、各ジョブに割り当てられる連続番号である。通信先情報82は、通信先機器の各々を識別するための情報(例:FAX番号)である。ジョブ実行時刻83は、ジョブ(FAX送信)を実行する時刻である。
【0024】
データ保持領域39は、FAXデータを記憶する領域である。データ保持領域39は、複数のFAXデータを記憶することが可能である。なおデータ保持領域39は、同一の通信先機器についての複数のFAXデータを記憶することも可能である。
【0025】
(多機能機110ないし110bの構成)
多機能機110の構成について説明する。多機能機110は、表示部112と、操作部114と、ネットワークI/F116と、スキャン実行部118と、印刷実行部120と、制御部122と、を備える。制御部122は、CPU130とメモリ132とを備える。メモリ132は、プログラム134、受信可能期間テーブルTB11、送信側管理テーブルTB12、オフセットテーブルTB13、ジョブテーブルTB14、データ保持領域139、を格納している。なお、多機能機110の各構成の内容は、多機能機10と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、多機能機110に記憶されている受信可能期間テーブルTB11、送信側管理テーブルTB12、オフセットテーブルTB13、ジョブテーブルTB14の各々の内容は、多機能機10に記憶されている受信可能期間テーブルTB1、送信側管理テーブルTB2、オフセットテーブルTB3、ジョブテーブルTB4の各々と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、多機能機110aおよび110bの構成についても、多機能機10と同様であるため、図1における構成内容の図示を省略する。
【0026】
(SIPサーバ220の構成)
SIPサーバ220の構成について説明する。SIPサーバ220は、多機能機10、110、110a、110bの各々について、当該多機能機のIPアドレスと、当該多機能機のSIPURIと、を対応付けて記憶している。SIPサーバ220は、SIP(Session Initiation Protocol)を利用して、多機能機10、110、110a、110bの間の通信セッションを確立する。即ち、例えば、多機能機10と多機能機110との間でIPFAX送信処理を実行するための通信セッションを確立するための各種コマンドは、SIPサーバ220を経由して送信される。
【0027】
(IPFAX送信処理)
続いて、IPFAX送信処理について説明する。以下では、多機能機10が送信側機器、多機能機110が受信側機器であり、多機能機10から多機能機110にFAXデータを送信する場合を例として、IPFAX送信処理の内容を説明する。
【0028】
図2および図3を用いて、FAXデータの送信側機器である多機能機10の動作を説明する。図2および図3のフローは、多機能機10の電源が投入されている間に実行されるフローである。S100において、CPU30は、FAXデータの時刻指定送信の時刻が到来したか否かを判断する。具体的には、リアルタイムクロック33を用いて、ジョブテーブルTB4に記憶されているジョブ実行時刻83の何れかの時刻が到来したかを判断する。到来した場合(S100:YES)にはS120へ進み、到来していない場合(S100:NO)にはS101へ進む。
【0029】
S101においてCPU30は、IPFAX送信操作が実行されたか否かを判断する。IPFAX送信操作は、多機能機10のユーザが図示しない自動原稿搬送装置に原稿をセットし、その状態で、操作部14を用いてIPFAX送信操作(例、ダイヤル入力後、スタートボタン押下)を実行する操作である。IPFAX送信操作は、FAXの送信先である多機能機110のSIPURIを入力する操作を含む。IPFAX送信操作が実行されていない場合(S101:NO)にはS100へ戻り、実行された場合(S101:YES)にはS102へ進む。
【0030】
S102において、CPU30は、自動原稿搬送装置にセットされた原稿を、スキャン実行部18にスキャンさせる。これにより、スキャン実行部18は、スキャンデータを生成する。CPU30は、スキャン実行部18により生成されたスキャンデータをメモリ32に記憶する。S104において、CPU30は、メモリ32に記憶されたスキャンデータを取得し、符号化(圧縮)処理を行い、FAXデータを生成し、データ保持領域39に記憶する。そして、S112へ進む。
【0031】
S112において、CPU30は、多機能機110についての受信可能期間テーブルTB1に、受信可能期間が記憶されているか否かを判断する。具体的には、送信側管理テーブルTB2に記憶されている多機能機110のポインタ情報を用いて、メモリ32に記憶されている複数の受信可能期間テーブルTB1のうちから、多機能機110に関する受信可能期間テーブルTB1を検索してアクセスする。そして多機能機110に関する受信可能期間テーブルTB1の記憶内容を読み出すことで、当該判断を行う。受信可能期間が記憶されていない場合(S112:NO)にはS120へ進み、記憶されている場合(S112:YES)にはS114へ進む。
【0032】
S114においてCPU30は、多機能機110が、現在データ受信可能な状態であるか否かを判断する。具体的には、現在時刻が、多機能機110に関する受信可能期間テーブルTB1に記憶されている受信可能期間の期間内であるか否かを判断する。データが受信可能な状態ではないと判断される場合(S114:NO)には、S116へ進む。S116において、CPU30は、今回のIPFAX送信操作で生成されたジョブを、時刻指定送信のジョブに変更する。具体的には、ジョブテーブルTB4において、通信先情報82に多機能機110の情報を記憶させる。また、ジョブ実行時刻83として、多機能機110のデータ受信可能期間内の時刻の何れかを記憶させる。そしてS100へ戻る。
【0033】
一方、多機能機110がデータ受信可能であると判断される場合(S114:YES)には、S120へ進む。S120において、CPU30は、IPFAX送信操作で取得されたSIPURIを送信先として、SIPサーバ220にINVITEメッセージを送信する。SIPサーバ220は、INVITEメッセージを多機能機110に転送する。ここで図10に、INVITEメッセージのSDP(Session Description Protocol)の一例を示す。多機能機110は、INVITEメッセージを受信すると、200OKをSIPサーバ220に送信する。SIPサーバ220は、200OKを多機能機10に転送する。ここで図11に、INVITEメッセージに対する200OKのSDPの一例を示す。
【0034】
S121においてCPU30は、INVITEメッセージを送信した後に、SIPサーバ220を介して、多機能機110から200OKを受信したか否かを監視する。受信していない場合(S121:NO)にはS121へ戻り、受信した場合(S121:YES)にはS122へ進む。
【0035】
S122において、CPU30は、IPFAX送信操作で取得されたSIPURIを送信先として、SIPサーバ220にACK信号を送信する。SIPサーバ220は、ACK信号を多機能機110に転送する。多機能機110は、ACK信号を受信する。これにより、多機能機10と多機能機110との間で通信セッションが確立される。
【0036】
通信セッションが確立すると、S124においてCPU30は、能力通知要求メッセージを多機能機110に対して送信する。能力通知要求メッセージは、HTTP(HyperText Transfer Protocol)形式の通信プロトコルにおけるGETメソッドに基づいて送信される。ここで、能力通知要求メッセージの一例を図12に示す。
【0037】
多機能機110は、この能力通知要求メッセージに対して能力応答メッセージを返信することにより、能力応答を行なう。 能力応答メッセージは、GETメソッドに対する応答である。能力応答メッセージの一例を、図13および図14に示す。図13は、多機能機110がデータを受信できない場合の電文例である。この電文例では、受信可能期間情報(deviceAvailableTime)(図13、領域A11)は含まれているが、記録能力宣言(deviceCapability)は含まれていない。一方、図14は、多機能機110がデータを受信できる場合の電文例である。この電文例では、受信可能期間情報(図14、領域A21)に加えて、記録能力宣言(図14、領域A22)が含まれている。S126において、CPU30は、多機能機110から能力応答メッセージを受信したか否かを判断する。受信していない場合(S126:NO)にはS126へ戻り、受信した場合(S126:YES)にはS128へ進む。
【0038】
S128において、CPU30は、受信可能期間情報が能力応答メッセージに含まれているか否かを判断する。受信可能期間情報が含まれていない場合(S128:NO)にはS134(図3)へ進み、受信可能期間情報が含まれている場合(S128:YES)にはS130へ進む。S130において、CPU30は、多機能機110に関する受信可能期間テーブルTB1がまだメモリ32に記憶されていない場合には、多機能機110に関する受信可能期間テーブルTB1を新たに作成してメモリ32に記憶させる。そして、当該テーブルに受信可能期間を記憶させる。一方、多機能機110に対応した受信可能期間テーブルTB1が既にメモリ32に記憶されている場合には、当該テーブルに記憶されていた受信可能期間を、今回取得した受信可能期間に更新する。
【0039】
S134(図3)において、CPU30は、多機能機110がデータ受信可能な状態であるか否かを判断する。具体的には、第1条件として、多機能機110から受信した能力応答メッセージ内に、記録能力宣言が含まれているかを判断する。記録能力宣言が含まれている場合には、多機能機110側がビジー状態等ではなく、エラーが発生していない状態であると判断される。また、第2条件として、現在の時刻が、多機能機110のデータ受信可能な期間内であるかを、多機能機110に関するテーブルTB1を用いて判断する。そして、第1条件および第2条件をともに満たす場合には、多機能機110がデータ受信可能な状態であると判断し(S134:YES)、S150へ進む。
【0040】
S150において、CPU30は、S134で受信した記録能力宣言に基づいて、コンテンツデータを作成する。コンテンツデータは、FAXの1ページ分に対応するデータである。S152においてCPU30は、作成した1ページ分のコンテンツデータを多機能機110へ送信する。コンテンツデータは、HTTP形式の通信プロトコルにおけるPOSTメソッドに基づいて送信される。ここで図16に、コンテンツデータの電文例を示す。
【0041】
S154において、CPU30は、多機能機110から受信完了応答を受信したか否かを判断する。受信完了応答は、POSTメソッドに対する応答である。受信していない場合(S126:NO)にはS154へ戻り、受信した場合(S154:YES)にはS156へ進む。
【0042】
S156において、CPU30は、送信すべき次ページのコンテンツデータが存在するか否かを判断する。存在する場合(S156:YES)にはS152へ戻り、次ページのコンテンツデータをPOSTメソッドにより送信する。一方、存在しない場合(S156:NO)にはS160へ進む。
【0043】
S160において、CPU30は、現在セッションを確立している多機能機110を通信先とする他のFAXデータが、データ保持領域39に記憶されているか否かを判断する。記憶されている場合(S160:YES)にはS162へ進む。S162においてCPU30は、記録能力宣言に基づいて、他のFAXデータからコンテンツデータを作成する。そしてS152へ戻り、作成したコンテンツデータを、POSTメソッドにより多機能機110へ送信する。
【0044】
一方、S160において、他のFAXデータがデータ保持領域39に記憶されていない場合(S160:NO)には、S170へ進む。S170において、CPU30は、BYE信号をSIPサーバ220へ送出する。BYE信号は、多機能機10と多機能機110との間に確立された通信セッションを終了するためのコマンドである。SIPサーバ220は、受信したBYE信号を多機能機110に転送する。多機能機110は、BYEを受信すると、200OKをSIPサーバ220に送信する。SIPサーバ220は、200OKを多機能機10に転送する。S172において、CPU30は、SIPサーバ220から200OKを受信したか否かを監視する。受信していない場合(S172:NO)にはS172へ戻り、受信した場合(S172:YES)には多機能機10と多機能機110との通信セッションが終了する。そしてS100へ戻る。
【0045】
また、S134において、CPU30は、多機能機110がデータ受信可能な状態ではないと判断した場合(S134:NO)には、S140へ進む。S140において、CPU30は、今回のIPFAX送信操作で生成されたジョブを、時刻指定送信のジョブに変更する。時刻指定送信のジョブに変更する処理の内容はS116と同様であるため、ここでは説明を省略する。S142においてCPU30は、送信時刻の変更完了通知を、POSTメソッドにより多機能機110へ送信する。ここで図15に、送信時刻の変更完了通知のSDPの一例を示す。
【0046】
S144において、CPU30は、SIPサーバ220を介して、多機能機110から200OKを受信したか否かを監視する。受信していない場合(S144:NO)にはS144へ戻り、受信した場合(S144:YES)にはS170へ進む。S170以降の動作は前述の通りであるため、詳細な説明を省略する。
【0047】
図4および図5を用いて、FAXデータの受信側機器である多機能機110の動作を説明する。図4および図5のフローは、多機能機110の電源が投入されている間に実行されるフローである。S212において、CPU130は、送信側機器である多機能機10からINVITEメッセージを受信したか否かを判断する。受信していない場合(S212:NO)にはS212へ戻り、受信した場合(S212:YES)にはS214へ進む。S214において、CPU130は、SIPサーバ220を介して多機能機10へ200OKを送信する。S215において、CPU130は、多機能機10からACK信号を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S215:NO)にはS215へ戻り、受信した場合(S215:YES)にはS216へ進む。
【0048】
S216において、CPU130は、多機能機10からGETメソッドに基づく能力通知要求メッセージを受信したか否かを判断する。受信していない場合(S216:NO)にはS216へ戻り、受信した場合(S216:YES)にはS218へ進む。
【0049】
S218において、CPU130は、送信側機器である多機能機10に関するオフセット時間73が、オフセットテーブルTB13に登録されているか否かを判断する。登録されている場合(S218:YES)にはS222(図5)へ進み、登録されていない場合(S218:NO)にはS220へ進む。S220において、CPU130は、多機能機10に関する新たなオフセット時間73を決定し、オフセットテーブルTB13に登録する。新たなオフセット時間73の決定は、オフセットテーブルTB13に記憶されている複数のオフセット時間73の各々が、全て異なる値となるように決定される。例えば、オフセットテーブルTB13に記憶されているオフセット時間73の最大値に、所定値を加えることで、新たなオフセット時間73を決定してもよい。
【0050】
S222(図5)において、CPU130は、自機である多機能機110がデータ受信可能な状態であるか否かを判断する。具体的には、現在時刻が多機能機110に関する受信可能期間テーブルTB11に記憶されている受信可能期間の期間内である場合や、ビジー状態等の各種のエラーが多機能機110で発生していない場合には、多機能機110がデータ受信可能な状態であると判断される。多機能機110がデータ受信可能な状態である場合(S222:YES)には、S230へ進む。S230において、CPU130は、能力応答メッセージを作成する。多機能機110がデータ受信可能な状態であるため、図14の例に示すように、受信可能期間情報(deviceAvailableTime)および記録能力宣言(deviceCapability)が含まれている能力応答メッセージを作成する。
【0051】
S230での、受信可能期間情報の作成方法を説明する。CPU130は、受信可能期間テーブルTB11に記憶されている受信可能期間の各曜日の開始時間の各々に、オフセットテーブルTB13に記憶されている多機能機10についてのオフセット時間73を加算することで、受信可能期間情報を作成する。例えば、多機能機110に記憶されている受信可能期間テーブルTB11およびオフセットテーブルTB13の記憶内容の各々が、図6および図8に示す内容である場合を説明する。この場合、月曜日の受信可能期間(図6、10:00−18:00)の開始時間(10:00)に、多機能機10(図8、通信先情報72=052-333-4567)についてのオフセット時間73(10分)が加算される。よって、多機能機10へ送信される、月曜日の受信可能期間情報は、「10:10−18:00」となる。同様にして、多機能機110aへ送信される、月曜日の受信可能期間情報は、「10:05−18:00」となる。また、多機能機110bへ送信される、月曜日の受信可能期間情報は、「10:00−18:00」となる。なお、火曜日ないし土曜日の受信可能期間情報の作成方法は、月曜日の受信可能期間情報の作成方法と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0052】
以上より、データ受信側の110は、複数の異なるデータ送信側の多機能機10、110a、110bの各々について、受信可能期間情報を、開始時間が互いに異なるように設定することができる。これにより、複数の異なるデータ送信側の通信装置(多機能機10、110a、110b)から1のデータ受信側の多機能機110へデータを送信する際の、送信開始時間を異ならせることができる。よって、送信されてくるデータがある特定の時間(例:月曜日の10:00)に集中してしまい、データ受信側の多機能機110がビジー状態になってしまう事態を防止することができる。
【0053】
S232において、CPU130は、作成した能力応答メッセージを多機能機10へ送信する。能力応答メッセージは、GETメソッドに対する応答である。S238において、CPU130は、1ページ分のコンテンツデータを多機能機10から受信する。S240において、CPU130は、受信完了応答を多機能機10へ送信する。受信完了応答は、POSTメソッドに対する応答である。
【0054】
S262において、CPU130は、SIPサーバ220を介して多機能機10からBYE信号を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S262:NO)にはS238へ戻り、次ページのコンテンツデータを受信する。一方、受信した場合(S262:YES)にはS264へ進む。S264において、CPU130は、200OKを多機能機10へ送信する。そしてフローを終了する。
【0055】
一方、S222において、多機能機110がデータ受信可能な状態でない場合(S222:NO)には、S250へ進む。S250において、CPU130は、能力応答メッセージを作成する。多機能機110がデータ受信可能な状態ではないため、図13の例に示すように、受信可能期間情報(deviceAvailableTime)は含まれているが、記録能力宣言(deviceCapability)は含まれていない能力応答メッセージを作成する。
【0056】
S252において、CPU130は、作成した能力応答メッセージを多機能機10へ送信する。S254において、CPU130は、送信時刻変更完了通知を多機能機10から受信したか否かを判断する。受信していない場合(S254:NO)にはS254へ戻り、受信した場合(S254:YES)にはS256へ進む。S256において、CPU130は、SIPサーバ220を介して多機能機10へ200OKを送信する。S258において、CPU130は、SIPサーバ220を介して多機能機10からBYE信号を受信したか否かを判断する。受信していない場合(S258:NO)にはS258へ戻り、受信した場合(S258:YES)にはS264へ進む。S264において、CPU130は、200OKを多機能機10へ送信する。そしてフローを終了する。
【0057】
(動作の具体例)
本実施形態に係る通信システム2の動作の具体例を、図17ないし図19のシーケンス図を用いて説明する。図17ないし図19では、例として、多機能機10から多機能機110へFAXが送信される場合の動作を説明する。また、多機能機110に記憶されている受信可能期間テーブルTB11の記憶内容が、図6に示す内容である場合を説明する。
【0058】
図17の動作を説明する。図17の動作は、多機能機110の受信可能期間の期間外に、多機能機10でIPFAX送信操作が行われた場合の動作である。例として、日曜日の10:00に多機能機10でIPFAX送信操作が行われる場合を説明する。また、IPFAX送信操作が実行され(S101:YES)、FAXデータの生成および記憶(S102、S104)が完了した時点からの動作を説明する。多機能機10がINVITEメッセージを送信すると(S120)、多機能機110はINVITEメッセージを受信する(S212:YES)。多機能機110が200OKを送信すると(S214)、多機能機10は200OKを受信する(S121:YES)。多機能機10がACK信号を送信すると(S122)、多機能機110はACK信号を受信する(S215:YES)。これにより、多機能機10と多機能機110との間で通信セッションが確立される。
【0059】
多機能機10は、GETメソッドに基づいて、能力通知要求メッセージを多機能機110に対して送信する(S124)。多機能機110は、能力通知要求メッセージを受信すると(S216:YES)、現在時刻(日曜日の10:00)が受信可能期間テーブルTB11(図6)に記憶されている受信可能期間の期間内ではないため、多機能機110がデータ受信可能な状態ではないと判断する(S222:NO)。よって、受信可能期間情報は含まれているが記録能力宣言は含まれていない能力応答メッセージを作成する。(S250)。そして多機能機110は、作成した能力応答メッセージを多機能機10へ送信する(S252)。
【0060】
多機能機10は、多機能機110から能力応答メッセージを受信すると(S126:YES)、能力応答メッセージに記録能力宣言が含まれていないため、多機能機110がデータ受信可能な状態ではないと判断する(S134:NO)。よって今回のIPFAX送信操作で生成されたジョブを、月曜日10:00の時刻指定送信のジョブに変更し(S140)、送信時刻の変更完了通知を多機能機110へ送信する(S142)。多機能機110は、送信時刻変更完了通知を多機能機10から受信すると(S254:YES)、多機能機10へ200OKを送信する(S256)。多機能機10は200OKを受信する(S144:YES)。
【0061】
多機能機10がBYE信号を送信すると(S170)、多機能機110はBYE信号を受信する(S262:YES)。多機能機110が200OKを送信すると(S264)、多機能機10は200OKを受信する(S172)。これにより、多機能機10と多機能機110との通信セッションが終了する。
【0062】
図18の動作を説明する。図18の動作は、多機能機110の受信可能期間の期間内に、IPFAX送信操作が行われた場合の動作である。例として、火曜日の13:00にIPFAX送信操作が行われる場合を説明する。多機能機10と多機能機110との間で通信セッションを確立するまでの動作は、図17の動作と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0063】
多機能機10は、GETメソッドに基づいて、能力通知要求メッセージを多機能機110に対して送信する(S124)。多機能機110は、能力通知要求メッセージを受信すると(S216:YES)、現在時刻(火曜日の13:00)が受信可能期間テーブルTB11(図6)に記憶されている受信可能期間の期間内であるため、多機能機110がデータ受信可能な状態であると判断する(S222:YES)。よって、受信可能期間情報および記録能力宣言が含まれている能力応答メッセージを作成する(S230)。そして多機能機110は、作成した能力応答メッセージを多機能機10へ送信する(S232)。
【0064】
多機能機10は、多機能機110から能力応答メッセージを受信すると(S126:YES)、能力応答メッセージに記録能力宣言が含まれているため、多機能機110がデータ受信可能な状態であると判断する(S134:YES)。よって多機能機10は、記録能力宣言に基づいてコンテンツデータを作成し(S150)、コンテンツデータを多機能機110へ送信する(S152)。多機能機110は、コンテンツデータを多機能機10から受信すると(S238)、受信完了応答を多機能機10へ送信する(S240)。以後において、多機能機10と多機能機110との通信セッションを終了させるまでの動作は、図17の動作と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0065】
図19の動作を説明する。図19の動作は、多機能機10から多機能機110へ初めてのFAX送信が実行され、その後に2回目のFAX送信が実行される場合の動作である。例として、初回のIPFAX送信操作は、多機能機110の受信可能期間の期間内(例:火曜日の13:00)に行われ、2回目のIPFAX送信操作は、多機能機110の受信可能期間の期間外(例:日曜日の10:00)に行われる場合を説明する。
【0066】
初回のIPFAX送信操作が実行されると(S101:Y)、多機能機110についての受信可能期間テーブルTB1に受信可能期間が記憶されているか否かが判断される(S112)。まだ多機能機110と通信したことがなく、多機能機110の受信可能期間を多機能機110から受信していないため、多機能機110についての受信可能期間テーブルTB1には受信可能期間が記憶されていない(S112:NO)。よって通信セッションを確立する動作が行われる。通信セッションを確立するまでの動作は、図17の動作と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0067】
多機能機110は、作成した能力応答メッセージを多機能機10へ送信する(S232)。多機能機10は、多機能機110から能力応答メッセージを受信すると(S126:YES)、能力応答メッセージに受信可能期間情報が含まれているため(S128:Y)、多機能機110に関する受信可能期間テーブルTB1を新たに作成してメモリ32に記憶させる(S130)。多機能機10は、コンテンツデータを多機能機110へ送信する(S152)。多機能機110は、コンテンツデータを多機能機10から受信する(S238)。以後において、多機能機10と多機能機110との通信セッションを終了させるまでの動作は、図17の動作と同様であるため、ここでは説明を省略する。以上により、初回のIPFAX送信操作が終了する。
【0068】
2回目のIPFAX送信操作が実行されると(S101:Y)、多機能機110についての受信可能期間テーブルTB1に受信可能期間が記憶されており(S112:Y)、多機能機110がデータ受信可能な状態ではないことが当該受信可能期間に基づいて判断される(S114:NO)。よって、今回のIPFAX送信操作で生成されたジョブが、時刻指定送信(月曜日の10:00)のジョブに変更される(S116)。
【0069】
FAXデータの時刻指定送信の時刻が到来すると(S100:Y)、通信セッションを確立する動作が行われ、多機能機10はコンテンツデータを多機能機110へ送信する(S152)。多機能機110は、コンテンツデータを多機能機10から受信する(S238)。そして、多機能機10と多機能機110との通信セッションが終了される。
【0070】
(効果)
以上説明した、本実施例の説明例に係る通信システム2の効果を説明する。データ受信側の多機能機110は、多機能機110でデータを受信することが可能な期間に関する受信可能期間情報を含む能力応答メッセージを、GETメソッドを用いて、データ送信側の多機能機10に送信することができる(S232、S252)。また、データ送信側の多機能機10は、GETメソッドによって能力応答メッセージを受信することで、多機能機110がデータ受信可能となる期間を識別することができる(S134)。そしてデータ送信側の多機能機10は、データ受信側の多機能機110がデータ受信可能となる期間が到来するまで、FAXデータをデータ保持領域39に保持しておくことで、送信処理を待機することができる(S140)。多機能機10が、多機能機110がデータ受信可能な期間中にPOSTメソッドを用いてコンテンツデータを送信すると(S152)、多機能機110は、当該コンテンツデータを受信することができる(S238)。
【0071】
これにより、データ受信側の多機能機110がFAXデータを受信することができない期間(多機能機110の受信可能期間の期間外、多機能機110が電源オフモードとされている期間)中に、データ送信側の多機能機10からFAXデータが送信されてしまう事態を防止することができる。よって、多機能機10がリダイヤル処理を実行する必要性を無くすことができる。また、通信エラーの発生により、ユーザがFAX送信の手続きを再度行う必要性を無くすことができる。以上より、ユーザの利便性を高めることができる。
【0072】
また、本実施例に係る通信システム2は、例えば以下のようなケースにおいて有用である。データの機密保持等の理由により、事務所の営業時間内でのみFAXのデータ受信および印刷を多機能機10に実行させたい場合が存在する。このような場合、受信可能な時間(営業時間)を予め受信可能期間テーブルTB1に設定しておけばよい。例えば、図6に示す受信可能期間テーブルTB1のように設定した場合には、多機能機10を送信先とするFAX送信操作が、外部の多機能機110で営業時間外(例:日曜の10:00)に実行された場合には、営業時間(月曜日の10:00)が到来するまで、多機能機110から多機能機10へのFAX送信は待機される。これにより、多機能機10でのFAXのデータ受信および印刷を、営業時間内のみに実行させることが可能となる。
【0073】
また通信システム2では、HTTP形式の通信プロトコルであるGETメソッドに基づいて、能力応答メッセージの通信が行われる。これにより、データ送信側の多機能機10とデータ受信側の多機能機110との間で、能力応答メッセージの通信を自由に行うことが可能となる。
【0074】
また、データ送信側の多機能機10は、データ受信側の多機能機110、110a、110bの各々について、複数の受信可能期間テーブルTB1を記憶することができる。これにより、データ受信側の多機能機が複数存在する場合においても、各多機能機がデータ受信可能な期間中に、FAXデータを送信することが可能となる。
【0075】
IP網4を介した通信では、通信セッションを確立するために、回線接続処理(INVITEメッセージや200OKの送受信など)の実行が必要である。本実施例に係る通信システム2では、セッションを確立した多機能機へ1のFAXデータを送信した場合に、当該多機能機を送信先とする他のFAXデータが存在する場合には(S160:YES)、当該他のデータを確立済みのセッションを用いて送信することができる(S152)。よって、回線接続処理の実行回数を減少させることができるため、送信時間等のロスを低減させることが可能となる。
【0076】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0077】
(変形例)
コンテンツデータの送信(S152)や、受信完了応答の送信(S240)で用いられるプロトコルは、POSTメソッドに限られない。FAXデータを送信するための各種のプロトコル(例:T.38形式、みなし音声伝送方式など)を使用することが可能である。これにより、FAXデータの通信を、従来用いられている一般的なプロトコルを用いて行うことが可能となる。
【0078】
本実施形態では、多機能機10が多機能機110に対してFAX送信処理を実行する場合を例に説明した。しかしながら、本技術は各種のデータ送信処理(例:電子メール送信処理)に適用可能である。
【0079】
本実施形態で説明した受信可能期間テーブルTB1(図6)、送信側管理テーブルTB2(図7)、オフセットテーブルTB3(図8)、ジョブテーブルTB4(図9)の記憶内容は、例示である。よって、通信先情報の数、受信可能期間、オフセット時間73などは、これらの値に限定されない。また、図15の送信時刻の変更完了通知のSDPでは、領域A31に送信時刻(10:10)および送信曜日(mon)が記載されているが、この形態に限られない。送信時刻のみを通知すればよい場合には、領域A31に送信時刻のみを記載してもよい。
【0080】
IP網4に接続される多機能機は、多機能機10、110、110a、110bの4台に限られず、これ以上の台数の多機能機が接続される場合においても、本願の技術を適用可能である。
【0081】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0082】
なお、IP網4はIPネットワークの一例である。多機能機10、110は通信装置の一例である。データ保持領域39はデータ保持手段の一例である。S238を実行するCPUは第1受信手段の一例である。能力応答メッセージは能力情報の一例である。S230を実行するCPUは作成手段の一例である。S232、S252を実行するCPUは第1送信手段の一例である。S126を実行するCPUは第2受信手段の一例である。S152を実行するCPUは第2送信手段の一例である。受信可能期間テーブルTB1、TB11は記憶手段の一例である。
【符号の説明】
【0083】
2:通信システム、4:IP網、10、110、110a、110b:多機能機、39:データ保持領域、120:SIPサーバ、TB1、TB11:受信可能期間テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IPネットワークを介して通信先機器とデータを通信することが可能な通信装置であって、
前記通信先機器へ送信する前記データを記憶しておくデータ保持手段と、
前記データを前記IPネットワークを介して前記通信先機器から受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段によって前記データを受信することが可能な期間に関する受信可能期間情報を含む能力情報を作成する作成手段と、
前記能力情報を前記IPネットワークを介して前記通信先機器へ送信する第1送信手段と、
前記能力情報を前記IPネットワークを介して前記通信先機器から受信する第2受信手段と、
前記能力情報を前記通信先機器から受信した場合に、受信した前記能力情報に基づいて、前記通信先機器が前記データを受信することが可能な期間中に、前記テータ保持手段に記憶されている前記データを前記通信先機器へ送信する第2送信手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記第1送信手段および前記第2受信手段は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)形式の通信プロトコルに基づいて、前記能力情報の送信および受信を行うことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記第2送信手段および前記第1受信手段は、T.38形式またはみなし音声伝送方式の伝送制御プロトコルに基づいて、前記データの送信および受信を行うことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記第2受信手段で受信される前記能力情報に含まれている、複数の異なる通信先機器の各々についての前記受信可能期間情報を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記第2送信手段は、前記記憶手段に記憶されている前記受信可能期間情報に基づいて、複数の異なる通信先機器の各々について前記データを受信することが可能な期間に前記データを送信することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記データ保持手段は、複数の前記データを記憶し、
前記第2送信手段は、送信先が同一の通信先機器である複数の前記データを、一の回線接続処理によって確立された通信回線を用いて送信することを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記作成手段は、複数の異なる通信先機器の各々について前記能力情報を設定し、
前記能力情報に含まれている前記受信可能期間情報におけるデータを受信することが可能な期間の開始時間は、複数の異なる通信先機器の各々で異なっていることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
IPネットワークを介して送信側通信装置から受信側通信装置へデータを送信することが可能な通信システムであって、
前記送信側通信装置は、前記受信側通信装置へ送信する前記データを記憶しておくデータ保持手段を備え、
前記受信側通信装置は、
前記データを前記IPネットワークを介して前記送信側通信装置から受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段によって前記データを受信することが可能な期間に関する受信可能期間情報を含む能力情報を作成する作成手段と、
前記能力情報を前記IPネットワークを介して前記送信側通信装置へ送信する第1送信手段と、
を備え、
前記送信側通信装置は、
前記能力情報を前記IPネットワークを介して前記受信側通信装置から受信する第2受信手段と、
前記能力情報を前記受信側通信装置から受信した場合に、受信した前記能力情報に基づいて、前記受信側通信装置が前記データを受信することが可能な期間中に、前記テータ保持手段に記憶されている前記データを前記受信側通信装置へ送信する第2送信手段と、
をさらに備えることを特徴とする通信システム。
【請求項1】
IPネットワークを介して通信先機器とデータを通信することが可能な通信装置であって、
前記通信先機器へ送信する前記データを記憶しておくデータ保持手段と、
前記データを前記IPネットワークを介して前記通信先機器から受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段によって前記データを受信することが可能な期間に関する受信可能期間情報を含む能力情報を作成する作成手段と、
前記能力情報を前記IPネットワークを介して前記通信先機器へ送信する第1送信手段と、
前記能力情報を前記IPネットワークを介して前記通信先機器から受信する第2受信手段と、
前記能力情報を前記通信先機器から受信した場合に、受信した前記能力情報に基づいて、前記通信先機器が前記データを受信することが可能な期間中に、前記テータ保持手段に記憶されている前記データを前記通信先機器へ送信する第2送信手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記第1送信手段および前記第2受信手段は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)形式の通信プロトコルに基づいて、前記能力情報の送信および受信を行うことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記第2送信手段および前記第1受信手段は、T.38形式またはみなし音声伝送方式の伝送制御プロトコルに基づいて、前記データの送信および受信を行うことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記第2受信手段で受信される前記能力情報に含まれている、複数の異なる通信先機器の各々についての前記受信可能期間情報を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記第2送信手段は、前記記憶手段に記憶されている前記受信可能期間情報に基づいて、複数の異なる通信先機器の各々について前記データを受信することが可能な期間に前記データを送信することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記データ保持手段は、複数の前記データを記憶し、
前記第2送信手段は、送信先が同一の通信先機器である複数の前記データを、一の回線接続処理によって確立された通信回線を用いて送信することを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記作成手段は、複数の異なる通信先機器の各々について前記能力情報を設定し、
前記能力情報に含まれている前記受信可能期間情報におけるデータを受信することが可能な期間の開始時間は、複数の異なる通信先機器の各々で異なっていることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
IPネットワークを介して送信側通信装置から受信側通信装置へデータを送信することが可能な通信システムであって、
前記送信側通信装置は、前記受信側通信装置へ送信する前記データを記憶しておくデータ保持手段を備え、
前記受信側通信装置は、
前記データを前記IPネットワークを介して前記送信側通信装置から受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段によって前記データを受信することが可能な期間に関する受信可能期間情報を含む能力情報を作成する作成手段と、
前記能力情報を前記IPネットワークを介して前記送信側通信装置へ送信する第1送信手段と、
を備え、
前記送信側通信装置は、
前記能力情報を前記IPネットワークを介して前記受信側通信装置から受信する第2受信手段と、
前記能力情報を前記受信側通信装置から受信した場合に、受信した前記能力情報に基づいて、前記受信側通信装置が前記データを受信することが可能な期間中に、前記テータ保持手段に記憶されている前記データを前記受信側通信装置へ送信する第2送信手段と、
をさらに備えることを特徴とする通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−74331(P2013−74331A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209759(P2011−209759)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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