説明

通信装置

【課題】 テレビの電源状態に応じて映像データの再生を制御することをを目的とする。
【解決手段】 外部装置(200)とコマンドの送受信を行う通信手段(103)と、映像データの再生を制御する制御手段(101)とを有し、前記制御手段によって前記映像データの再生が行われている場合、前記通信手段が前記外部装置から前記外部装置の電源の状態を示す電源状態コマンドを受信したとき、前記制御手段は前記電源状態コマンドに応じて前記映像データの再生を制御することを特徴とする通信装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置と通信を行う通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
HDMI(High Definition Multimedia Interface)に対応したソース装置とシンク装置において、ソース装置は電源がオンになるとシンク装置の電源をオフからオンにするように制御する制御システムがある(特許文献1)。このような制御システムにおいて、ソース装置は、シンク装置の電源をオンにする制御を行ってから映像データをシンク装置に出力し、シンク装置は、ソース装置から出力された映像データを表示していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−098850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような制御システムにおいて、ソース装置によって電源がオンになるように制御されたシンク装置は、電源をオンにするための起動が終了するまでの間、ソース装置から出力された映像データを表示することができなかった。
【0005】
このため、シンク装置の起動が終了するまでの間、ユーザは、ソース装置によって再生された映像データをシンク装置で視聴することができず、ソース装置で再生された映像データの一部を見逃していた。
【0006】
ユーザは、見逃した映像データをシンク装置で視聴するために、映像データの巻き戻しを行うための操作をソース装置に対して行う必要があり、ユーザにとって手間であった。このような事態を防ぐため、ソース装置は、シンク装置の起動が終了し、シンク装置の電源がオンになってから映像データを再生する必要があった。
【0007】
そこで、本発明は、シンク装置の電源状態に応じて、映像データの再生を制御することをを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る通信装置は、外部装置とHDMIインターフェースを介して接続する通信装置であって、前記外部装置に映像データ及び音声データの少なくとも一つを含む所定のデータを送信する送信手段と、前記外部装置の電源状態に応じて、前記所定のデータを前記外部装置に送信するか否かを制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、外部装置の電源状態に応じて映像データの再生を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例1に係る通信システムを示す。
【図2】本発明の実施例1に係る通信システムのブロック図の一例を示す。
【図3】本発明の実施例1に係る通信装置によって行われる再生処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例1における警告表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
【実施例1】
【0012】
以下に、実施例1に係る通信装置を含む通信システムについて説明する。
【0013】
図1は、通信装置100、外部装置200及び接続インターフェース300を含む通信システムを示す図である。通信装置100と外部装置200は、接続インターフェース300を介して接続されている。
【0014】
通信装置100は、接続インターフェース300を介して映像(video)データ、音声(audio)データ及び補助データを外部装置200に送信することができるソース装置である。外部装置200は、通信装置100から送信された映像データを表示器に表示し、通信装置100から送信された音声データをスピーカから出力する出力装置である。通信装置100及び外部装置200は、接続インターフェース300を介して様々な制御コマンドを双方向に送信することができる。
【0015】
実施例1では、通信装置100の一例としてビデオカメラを用い、外部装置200の一例としてテレビジョン受像機(以下、「テレビ」という)を用いる。また、実施例1では、接続インターフェース300の一例としてHDMI(High Definition Multimedia Interface)規格に準拠した接続ケーブルを用いる。以下、HDMI規格に準拠した接続ケーブルを「HDMIケーブル」という。
【0016】
<HDMIケーブル300>
次に、HDMIケーブル300について説明する。HDMIケーブル300は、ビデオカメラ100からテレビ200にデジタル信号を伝送するためのインターフェースである。
【0017】
HDMIケーブル300は、電源ライン、HPD(Hot Plug Detect)ライン301、DDC(Display Data Channel)ライン302等を有する。さらに、HDMIケーブル300は、CEC(Consumer Electronics Control)ライン303を有する。さらに、HDMIケーブル300は、TMDS(登録商標)(Transition Minimized Differential Singnaling)ライン304を有する。
【0018】
電源ラインは、HDMIケーブル300が物理的に接続された場合、ビデオカメラ100からテレビ200に所定の電源を供給するためのラインである。電源ラインによって、ビデオカメラ100からテレビ200に供給される所定の電源は、例えば、+5V電源である。
【0019】
HPDライン301は、テレビ200がビデオカメラ100からの所定の電源を検出した場合、テレビ200から所定の電源に対する応答としてHPD信号をビデオカメラ100に伝送するラインである。
【0020】
DDCライン302は、テレビ200の表示能力等を示す能力情報であるEDIDをテレビ200からビデオカメラ100に伝送する伝送ラインである。ビデオカメラ100は、EDIDを用いて、テレビ200の設定情報を引き継ぎ、テレビ200の性能に合わせて自動的にビデオカメラ100の設定を行う。
【0021】
CECライン303は、ビデオカメラ100とテレビ200との間で様々な制御コマンドを双方向に伝送する伝送ラインである。CECは、HDMI規格で規定されている制御プロトコルであり、CECライン303を介してビデオカメラ100とテレビ200との間では、「CECコマンド」と呼ばれる制御コマンドを双方向に送受信する。テレビ200は、ビデオカメラ100を制御するためのCECコマンドをCECライン303を介してビデオカメラ100に送信することにより、ビデオカメラ100を制御することができる。ビデオカメラ100も、テレビ200を制御するためのCECコマンドをCECライン303を介してテレビ200に送信することにより、テレビ200を制御することができる。
【0022】
TMDSライン304は、ビデオカメラ100からテレビ200に映像データ、音声データ及び補助データを伝送する伝送ラインである。
【0023】
ビデオカメラ100は、HDMI規格で規定されたHDMIソース(HDMI Source)として動作し、テレビ200は、HDMI規格で規定されたHDMIシンク(HDMI Sink)として動作する。
【0024】
また、接続ケーブル300は、HDMIケーブルに限るものではなく、HDMIケーブル以外の接続ケーブル等であってもよい。また、接続ケーブル300は、HDMI規格に対して互換性を持つインターフェースであってもよい。
【0025】
<ビデオカメラ100>
以下、ビデオカメラ100について説明する。ビデオカメラ100は、図2に示すようにCPU101、メモリ102、通信部103、撮像部104、マイクロフォン部105、記録部106、表示部107及び操作部108を有する。以下、ビデオカメラ100について説明する。
【0026】
ビデオカメラ100は、記録モード、再生モード等の動作モードを有する。ビデオカメラ100の動作モードが記録モードの場合、ビデオカメラ100は、被写体の撮影が可能になり、撮影された映像(動画、静止画のいずれでもよい)データを記録媒体に記録することができる。ビデオカメラ100の動作モードが再生モードの場合、ユーザによって選択された映像データを記録媒体から再生することができる。
【0027】
CPU(Central Processing Unit)101は、メモリ102に記憶されているコンピュータプログラムに従って、ビデオカメラ100を制御する。また、CPU101は、メモリ102に記録されているコンピュータプログラムに従って、ビデオカメラ100の情報やビデオカメラ100が取得したテレビ200に関する情報の解析や演算を行う。また、CPU101は、テレビ200に関する情報をHDMIケーブル300を介してテレビ200から取得し、テレビ200から取得した情報をメモリ102に記憶する。
【0028】
メモリ102は、CPU101のワークエリアとして機能するメモリである。メモリ102には、CPU101で使用されるデータや設定フラグ、ビデオカメラ100を制御するコンピュータプログラム、表示部107に表示される所定の画像データやアイコン等が記憶される。
【0029】
また、メモリ102に記憶される情報には、テレビ200からHDMIケーブル300を介して取得した情報がある。テレビ200からHDMIケーブル300を介して取得した情報とは、例えば、テレビ200の固有情報であるGUIDやテレビ200の能力であるEDID(Extended display identification data)等がある。なお、EDIDは、テレビ200の表示能力を示す情報やテレビ200の音声出力能力を示す情報を含む。なお、CPU101のワークエリアは、メモリ102に限られるものではなく、ハードディスク装置等の外部記憶装置であってもよい。なお、メモリ102に記録されているコンピュータプログラムは、CPU101により実行される。
【0030】
通信部103は、HDMIケーブル300を接続するためのHDMI規格に対応するコネクタを有する。通信部103は、HDMIケーブル300を介して、映像データ、音声データ及びCPU101で生成された補助データをテレビ200に送信する。また、通信部103は、HDMIケーブル300を介して、テレビ200に対してCECコマンドを送信したり、テレビ200からCECコマンドを受信したりする。
【0031】
ビデオカメラ100の動作モードが撮影モードである場合、通信部103は、撮像部104が生成した映像データ、マイクロフォン部105が生成した音声データ及びCPU101で生成された補助データをTMDSライン304を介してテレビ200に送信する。ビデオカメラ100の動作モードが再生モードである場合、通信部103は、記録部106が記録媒体106aから再生した映像データ、音声データ及び補助データを、TMDSライン304を介してテレビ200に送信する。
【0032】
また、通信部103は、テレビ200からCECコマンドを受信した場合、受信したCECコマンドをCPU101に供給する。通信部103は、テレビ200にCECコマンドを送信する場合、CPU101がCECコマンドを生成し、通信部103に供給する。通信部103がテレビ200に送信するCECコマンドには、例えば、<Give Device Power Status>コマンドがある。<Give Device Power Status>コマンドとは、テレビ200の電源がON(オン)であるかOFF(オフ)であるかをテレビ200に問い合わせるためのコマンドである。
【0033】
また、通信部103は、HPDライン301の信号を検知するHPD信号検出部103a及びEDIDを取得するためのデバイス情報取得部103bを有する。
【0034】
HPD信号検出部103aは、HPDライン301を介して送信されるHPD信号を検出し、HPD信号の検出結果をCPU101に出力する。これによって、CPU101は、ビデオカメラ100とテレビ200とがHDMIケーブル300を介した通信を行える接続状態であるか、ビデオカメラ100とテレビ200とがHDMIケーブル300を介した通信を行えない切断状態であるかの判定を行う。
【0035】
HPD信号検出部103aが検出したHPD信号がH(High)である場合、CPU101はビデオカメラ100とテレビ200とが接続状態であると判定し、メモリ102に接続フラグを設定する。HPD信号検出部103aが検出したHPD信号がL(Low)である場合、CPU101はビデオカメラ100とテレビ200とが切断状態であると判定する。
【0036】
また、HPD信号検出部103aがHPDライン301を介してHPD信号を検出できない場合であっても、CPU101は、ビデオカメラ100とテレビ200とが切断状態であると判定する。
【0037】
デバイス情報取得部103bは、HDMIケーブル300を介してビデオカメラ100とテレビ200とが物理的に接続された場合、テレビ200のEDIDを取得するために、DDCライン302を介して、テレビ200にEDIDの要求を送信する。また、デバイス情報取得部103bは、テレビ200からEDIDの要求に対する応答信号として、ACK(Acknowledgement)信号又はNACK(Negative Acknowledgement)信号を受信する。さらに、デバイス情報取得部103bは、テレビ200から受信した応答信号をCPU101に供給する。
【0038】
ACK信号とは、EDIDの要求に対する確認または肯定を示す応答信号であって、ビデオカメラ100から送信されたEDIDの要求をテレビ200が正しく受信できた場合、テレビ200がビデオカメラ100に送信する応答信号である。NACK信号とは、EDIDの要求に対する否定を示す応答信号であって、ビデオカメラ100から送信されたEDIDの要求をテレビ200が正しく受信できなかった場合に、テレビ200がビデオカメラ100に送信する応答信号のことである。
【0039】
デバイス情報取得部103bがACK信号を受信した場合、デバイス情報取得部103bは、DDCライン302を介してテレビ200からEDIDを取得できる。この場合、ACK信号とともにテレビ200から取得したEDIDをCPU101に供給し、CPU101は、メモリ102にACK信号を示すフラグを設定するとともに、EDIDをメモリ102に格納する。デバイス情報取得部103bがNACK信号を受信した場合、デバイス情報取得部103bは、テレビ200からEDIDを取得できない。この場合、デバイス情報取得部103bは、NACK信号をCPU101に供給し、CPU101は、メモリ102にNACK信号を示すフラグを設定する。
【0040】
撮像部104は、ビデオカメラ100の動作モードが記録モードである場合、被写体を撮影し、当該被写体の光学像から映像データを生成する。撮像部104によって生成された映像データは、様々な画像処理が行われた後、記録部106及び表示部107に供給される。マイクロフォン部105が生成した音声データも、記録部106に供給される。
【0041】
マイクロフォン部105は、外部から集音された音声から音声データを生成する。
【0042】
記録部106は、撮像部104が生成した映像データと、マイクロフォン部105が生成した音声データとを記録媒体106aに記録することができる。また、ビデオカメラ100の動作モードが再生モードである場合、記録部106は、ユーザによって選択された映像データ及び音声データを記録媒体106aから再生することができる。記録媒体106aから再生された映像データは、表示部107及び通信部103に供給される。一方、記録媒体106aから再生された音声データは、通信部103及び不図示のスピーカ部に供給される。
【0043】
なお、記録部106で用いられる記録媒体106aは、ビデオカメラ100に内蔵されたものであっても、ビデオカメラ100から取り外し可能なものであってもよい。また、記録部106は、複数の記録媒体に映像データ及び音声データを記録するものであっても良い。
【0044】
表示部107は、液晶ディスプレイ等の表示器により構成される。ビデオカメラ100の動作モードが記録モードである場合、表示部107は、撮像部104が生成した映像データを表示する。ビデオカメラ100の動作モードが再生モードである場合、表示部107は、記録部106が記録媒体106aから再生した動画や静止画等の映像データを表示する。
【0045】
また、表示部107は、メモリ102に記憶されている警告画面やミュート用映像等の所定の映像データやアイコン等も表示することができる。
【0046】
操作部108は、ビデオカメラ100を操作するためのユーザインタフェースであり、ビデオカメラ100を操作するための複数のボタン等を有する。ユーザからの指示は、操作部108を介してCPU101に入力される。操作部108の各ボタンは、スイッチ、タッチパネル等により構成される。操作部108は、ビデオカメラ100を電源オン状態又は電源オフ状態に変更する電源ボタン、映像データ等の記録媒体106aへの記録の開始又は一時停止を指示するスタート/ストップボタン、ビデオカメラ100の動作モードを変更する変更ボタン等を有する。
【0047】
また、操作部108は、再生ボタン、停止ボタン、一時停止ボタン、早送りボタン、巻き戻しボタン等を有する。これらのボタンは、記録媒体106aに記録された映像データの再生(play)、停止(stop)、一時停止(pause)、早送り(fast forward)及び巻き戻し(rewind)の実行をCPU101に指示するボタンである。また、ユーザによってこれらのボタンが押下された場合、CPU101は、記録媒体106aに記録された映像データの再生、停止、一時停止、早送り及び巻戻し等を制御する。
【0048】
なお、通信装置100は、ビデオカメラに限るものではない。例えば、スチルカメラ、カメラ付き携帯電話等の撮像装置であってもよい。また、通信装置100は、映像データや音声データを外部に供給することができるできる電子機器であれば良い。
【0049】
<テレビ200>
以下、テレビ200について説明する。テレビ200はHDMIケーブル300を介して、ビデオカメラ100から送信された画像データを表示器に表示し、ビデオカメラ100から送信された音声データをスピーカから出力する。また、テレビ200は、ユーザからの入力に応じてビデオカメラ100の制御のためのCECコマンドを生成し、HDMIケーブル300を介してCECコマンドをビデオカメラ100に送信する。
【0050】
テレビ200は、図2に示すように、CPU201、チューナ部202、通信部203、表示部204、操作部205及びメモリ206を有する。
【0051】
CPU(Central Processing Unit)201は、メモリ206に記憶されているコンピュータプログラムに従って、テレビ200を制御する。
【0052】
チューナ部202は、ユーザの選択に従って、アナログテレビジョン放送、デジタルテレビジョン放送又はケーブルテレビジョン放送を受信する。チューナ部202が受信するテレビジョン放送の種類は、不図示のテレビ200のリモートコントローラ(以下、「リモコン」と呼ぶ。)または操作部205により選択することができる。チューナ部202が受信するテレビジョンチャンネルも、テレビ200のリモコンまたは操作部205により選択することができる。アナログテレビジョン放送、デジタルテレビジョン放送又はケーブルテレビジョン放送に含まれる映像データは、表示部204に表示される。また、アナログテレビジョン放送、デジタルテレビジョン放送又はケーブルテレビジョン放送に含まれる音声データは、不図示のスピーカ部から出力される。
【0053】
通信部203は、HDMIケーブル300を接続するためにHDMI規格に対応するコネクタを有する。通信部203は、ビデオカメラ100から送信された映像データ、音声データ及び補助データをTMDSライン304を介して受信することができる。また、通信部203は、CECライン303を介してCECコマンドを送受信することができる。ビデオカメラ100から受信した映像データは、表示部204に表示され、ビデオカメラ100から受信した音声データは不図示のスピーカ部に出力され、ビデオカメラ100から受信した補助データは、CPU201に供給される。また、通信部203は、CECコマンドを受信した場合、CPU201に供給し、CECコマンドを送信する場合、CPU201によってCECコマンドが生成され、通信部203に出力される。通信部203は、ビデオカメラ100から<Give Device Power Status>コマンドを受信した場合、CPU201に供給する。これに対して、CPU201はテレビ200の電源状態を示すCECコマンドである<Report Power Status>コマンドを生成し、通信部203を制御して<Report Power Status>コマンドをビデオカメラ100に送信させる。<Report Power Status>コマンドは、<Give Device Power Status>コマンドに対する応答コマンドであり、テレビ200の電源状態をを知らせるために用いる。
【0054】
<Report Power Status>コマンドにはテレビ200の電源状態を示す情報が含まれている。テレビ200の電源状態を示す情報として、電源オン状態、電源オフ状態、電源オン状態から電源オフ状態までの移行状態、電源オフ状態から電源オン状態までの移行状態の4つの電源状態を示す情報がある。なお、電源オフ状態は、スタンバイ状態と言い換えても良いものとする。
【0055】
表示部204は、液晶ディスプレイ等の表示器により構成される。表示部204は、映像データ、テレビ200及びビデオカメラ100を操作するためのメニュー画面、ミュート用映像、アイコン等を表示することができる。
【0056】
また、表示部204は、テレビ200が電源オフ状態から電源オン状態に移行する場合、テレビ200が電源オン状態になるまでの所定の期間、メモリ206に記録されているミュート用映像を表示する。
【0057】
操作部205は、選択されたメニューの決定キー、メニューを選択するカーソルキー、テレビ200の電源オン/オフを行う電源キー等を有する。なお、操作部205のこれらのキー操作を行う操作手段には、スイッチ、タッチパネル等がある。
【0058】
操作部205は、操作手段による入力に対応した信号をCPU201に入力し、CPU201は、入力された信号に応じてテレビ200を制御する。
【0059】
なお、不図示のリモコンは、テレビ200の電源オン/オフを行う電源ボタン、テレビジョン放送選択ボタン、チャンネルボタン、外部入力ボタン、メニューボタン、十字ボタン、SETボタン等を有する。これらのボタンは、テレビ200を操作するためのボタンであり、テレビ200の電源オン/オフやテレビジョン放送の切り換え、チャンネルの変更、テレビ200の設定等を操作することができる。
【0060】
メモリ206には、所定の映像データ及び音声データ、テレビ200及びビデオカメラ100を操作するためのメニュー画面、アイコン、ミュート用映像、通信部203に対応するEDID等が記録されている。なお、メモリ206に記録されるEDIDは、通信部203を介して、ビデオカメラ100に読み出される。また、メモリ206には、テレビ200を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。
【0061】
なお、外部装置200は、テレビ200に限るものではない。例えば、プロジェクタ等の装置であってもよく、表示装置としての機能を持つ装置であってもよい。
【0062】
<再生処理>
次に、図3を参照し、実施例1に係るビデオカメラ100で行われる再生処理について説明する。
【0063】
図3は実施例1に係るビデオカメラ100で行われる再生処理の一例を示すフローチャートである。図3に示した再生処理のフローチャートは、CPU101がメモリ102に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって制御される。なお、再生処理は、ビデオカメラ100とテレビ200とがHDMIケーブル300によって物理的に接続され、ビデオカメラ100に映像データの再生を行わせる指示が入力された場合に行われる。なお、ビデオカメラ100に映像データの再生を行わせる指示が入力された場合、CPU101は、メモリ102に格納されている再生フラグpfを1に設定する。
【0064】
S301において、CPU101はビデオカメラ100とテレビ200とが接続状態であるか否かを判定する。CPU101は、HPD信号検出部103aの検出結果に応じて、ビデオカメラ100とテレビ200とが接続状態であるか否かを判定する。CPU101によって、ビデオカメラ100とテレビ200とが接続状態であると判定された場合(S301でYes)、本フローチャートはS301からS302に進む。CPU101によって、ビデオカメラ100とテレビ200とが接続状態でないと判定された場合(S301でNo)、本フローチャートは、S301からS311に進む。
【0065】
S302において、CPU101は、CECライン303を介して通信部103によって<Give Device Power Status>コマンドが送信された否かを判定する。CPU101によって、通信部103が<Give Device Power Status>コマンドをテレビ200に送信したと判定された場合(S302でYes)、本フローチャートは、S302からS304に進む。CPU101によって、通信部103が<Give Device Power Status>コマンドをテレビ200に送信していないと判定された場合(S302でNo)、本フローチャートは、S302からS303に進む。
【0066】
S303において、CPU101は<Give Device Power Status>コマンドを生成し、CECライン303を介してテレビ200に生成したコマンドを送信するように通信部103を制御する。この場合、本フローチャートは、S303からS304に進む。
【0067】
S304において、CPU101は、通信部103がCECライン303を介してテレビ200からCECコマンドを受信したか否かを検出する。
【0068】
CPU101によって、通信部103がCECコマンドを受信したと判定された場合(S304でYes)、本フローチャートは、S304からS305に進む。CPU101によって、通信部103がCECコマンドを受信していないと判定された場合(S304でNo)、本フローチャートは、S304からS311に進む。
【0069】
S305において、CPU101は、S304で通信部103が受信したCECコマンドが<Report Power Status>コマンドであるか否かを判定する。
【0070】
CPU101によって、通信部103が受信したCECコマンドが<Report Power Status>コマンドであると判定された場合(S305でYes)、本フローチャートは、S305からS306に進む。CPU101によって、通信部103が受信したCECコマンドが<Report Power Status>コマンドではないと判定された場合(S305でNo)、本フローチャートは、S305からS311に進む。
【0071】
S306において、CPU101は<Report Power Status>コマンドを解析して、解析されたコマンドに含まれる情報がテレビ200の電源状態がオン状態であることを示しているか否かを判定する。CPU101は、<Report Power Status>コマンドに含まれる情報がテレビ200の電源状態がオン状態であることを示しているか否かを判定する。テレビ200の電源状態がオン状態以外の状態である場合、CPU101は、テレビ200の電源状態が、電源オフ状態、電源オン状態から電源オフ状態までの移行状態、電源オフ状態から電源オン状態までの移行状態のいずれか一つであると判定する。CPU101によって、<Report Power Status>コマンドに含まれる情報がテレビ200の電源状態がオン状態であることを示していないと判定された場合(S306でNo)、本フローチャートは、S306からS307に進む。
【0072】
CPU101によって、<Report Power Status>コマンドに含まれる情報が、テレビ200の電源状態がオン状態であることを示していると判定された場合(S306でNo)、本フローチャートは、S306からS310に進む。
【0073】
S307において、CPU101は、メモリ102に格納されている再生フラグpfが1であるか0であるかを判定する。再生フラグpfが1である場合、CPU101は、記録媒体106aに記録されている映像データや音声データを再生していると判定する。再生フラグpfが0である場合、CPU101は、記録媒体106aに記録されている映像データや音声データを再生していないと判定する。
【0074】
CPU101によって、再生フラグpfが1であると判定された場合(S307でYesの場合)、本フローチャートは、S307からS308に進む。CPU101によって、再生フラグpfが0であると判定された場合(S307でNoの場合)、本フローチャートはS307からS311に進む。
【0075】
S308において、CPU101はメモリ102に格納されている再生フラグpfを1から0にリセットし、映像データや音声データの再生を一時停止させるように記録部106を制御する。この場合、本フローチャートは、S308から309に進む。
【0076】
S309において、CPU101は、メモリ102から図4に示すような警告表示402を読み出して、表示部107に表示させる。CPU101は、表示部107に表示されている再生画面401にテレビ200が起動中であることを示す警告表示402が表示されるようにする。この場合、本フローチャートは、S308からS311に進む。
【0077】
S310において、CPU101は、メモリ102に格納されている再生フラグpfを0から1にセットし、記録媒体106aに記録される映像データを再生させるように記録部106を制御する。CPU101は、表示部107及び通信部103に再生された映像データを出力するように指示し、通信部103にTMDSライン304を介して再生された映像データをテレビ200に送信するように制御する。これによって、ビデオカメラ100の表示部107及びテレビ200の表示部204には記録媒体106aから再生された映像データが表示される。このとき、CPU101は、警告表示402を表示部107に表示していたら、警告表示402を表示部107に表示させないようにする。この場合、本フローチャートはステップS310からステップS311に進む。
【0078】
S311において、CPU101は、再生を終了させるための指示が操作部108を介して入力されたか否かを判定する。
【0079】
CPU101によって、再生を終了させるための指示を操作部108を介して入力されたとと判定された場合(S311でYesの場合)、本フローチャートは、終了する。このとき、CPU101は、メモリ102に格納されている再生フラグpfを1から0にする。さらに、CPU101は、映像データや音声データの再生を停止するように記録部106を制御する。
【0080】
CPU101によって、再生を終了させるための指示を操作部108を介して入力されていないと判定された場合(S311でNoの場合)、本フローチャートは、S311からS301に戻る。
【0081】
このように、実施例1に係るビデオカメラ100は映像データをテレビ200に出力する際に、テレビ200の電源状態に応じて映像データの再生を制御することができる。
【0082】
これにより、テレビ200の電源状態が電源オン状態でない場合、ビデオカメラ100は映像データを再生しないので、ユーザがビデオカメラ100で再生された映像データを見逃してしまう事態を抑制することができる。
【0083】
また、ビデオカメラ100は、テレビ200の電源状態が電源オン状態でない場合、テレビ200が起動中であることを示す表示を行うので、ユーザにテレビ200が起動中であることを通知することができる。
【0084】
なお、S310において、CPU101は、ビデオカメラ100で再生された映像データをテレビ200に出力するようにしたが、映像データの頭出しを行い、映像データの先頭からテレビ200に出力するようにしてもよい。この場合、テレビ200の電源状態が電源オン状態になったとき、ユーザは、ビデオカメラ100に映像データの巻き戻しや頭出しを行わせるための操作を行うことなく、ビデオカメラ100で再生された映像データを先頭からテレビ200で視聴することができる。
【0085】
なお、ビデオカメラ100は、S310において、映像データの代わりに音声データをテレビ200に出力するようにしても良いものとする。
【0086】
また、ビデオカメラ100は、テレビ200の電源状態を検出するために<Give Device Power Status>コマンドを用いるようにした。しかし、ビデオカメラ100は、<Give Device Power Status>コマンド以外のコマンドを用いて、テレビ200の電源状態を検出してもよいものとする。
【0087】
また、テレビ200は、ビデオカメラ100にテレビ200の電源状態を通知するために<Report Power Status>コマンドを用いるようにした。しかし、テレビ200は、<Report Power Status>コマンド以外のコマンドを用いて、テレビ200の電源状態をビデオカメラ100に通知してもよいものとする。
【0088】
また、S310において、CPU101は、記録媒体106aに記録される映像データを再生させるように記録部106を制御するようにした。しかし、S310において、CPU101は、撮像部104で生成された映像データをテレビ200に送信するようにしてもよい。また、S310において、CPU101は、映像データを送信せずに、音声データをテレビ200に送信するようにしてもよい。また、また、S310において、CPU101は、音声データを送信せずに、映像データをテレビ200に送信するようにしてもよい。
【0089】
また、S311において、CPU101は、再生を終了させるための指示を操作部108を介して入力されたか否かを判定するようにした。しかし、CPU101は、映像データや音声データの送信を終了させるための指示が操作部108を介して入力されたか否かを判定するようにしてもよい。この場合、CPU101によって、映像データや音声データの送信を終了させるための指示が操作部108を介して入力されたと判定された場合(S311でYesの場合)、本フローチャートは、終了する。
この場合、CPU101によって、映像データや音声データの送信を終了させるための指示が操作部108を介して入力されていないと判定された場合(S311でNoの場合)、本フローチャートは、S311からS301に戻る。 通信装置であって、外部装置に映像データ及び音声データの少なくとも一つを含む所定のデータを送信する送信手段と、前記外部装置の電源状態に応じて、前記所定のデータを前記外部装置に送信するか否かを制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0090】
(他の実施形態)
本発明に係る通信装置は、実施例1説明した通信装置に限定されるものではない。例えば、本発明に係る通信装置は、複数の装置から構成されるシステムにより実現することも可能である。
【0091】
また、実施例1で説明した様々な処理及び機能は、コンピュータプログラムにより実現することも可能である。この場合、本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ(CPU等を含む)で実行され、実施例1で説明した様々な機能を実現することになる。
【0092】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ上で稼動しているOS(Operating System)などを利用して、実施例1で説明した様々な処理及び機能を実現してもよいことは言うまでもない。
【0093】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体から読み出され、コンピュータで実行されることになる。コンピュータ読取可能な記録媒体には、ハードディスク装置、光ディスク、CD−ROM、CD−R、メモリカード、ROM等を用いることができる。また、本発明に係るコンピュータプログラムは、通信インターフェースを介して外部装置からコンピュータに提供され、当該コンピュータで実行されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0094】
100 通信装置
200 外部装置
300 接続ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置とHDMIに対応するインターフェースを介して接続する通信装置であって、
前記外部装置に映像データ及び音声データの少なくとも一つを含む所定のデータを送信する送信手段と、
前記外部装置の電源状態に応じて、前記所定のデータを前記外部装置に送信するか否かを制御する制御手段とを有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記外部装置の電源状態が電源オン状態である場合、前記制御手段は、前記所定のデータを前記外部装置に送信するように前記送信手段を制御し、
前記外部装置の電源状態が電源オン状態でない場合、前記制御手段は、前記所定のデータを前記外部装置に送信しないように前記送信手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
CECに応じたコマンドを用いて、前記外部装置の電源状態を検出する検出手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−46095(P2013−46095A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180360(P2011−180360)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】