説明

通信装置

【課題】 電源オフ操作を受け付けた場合に所定動作をした後に電源の給電を停止させる通信装置において、起動時又は稼働中の通信タスクの処理負担を軽減する。
【解決手段】 システム制御部211は、通信タスクを受け付けると、その通信タスクが実行時期を延ばせるものか否かを判断し、延ばせるものと判断したら、NV−RAM202に蓄積する。そして、電源オフ操作を受け付けたとき、冷却部210によるランプ208の冷却処理中にNV−RAM202に蓄積された通信タスクを実行する。また、NV−RAM202に蓄積された全通信タスクの実行に要する時間が冷却処理に要する時間を超える場合、電源オフまで待たずにいくつかの通信タスクを直ちに実行して蓄積数を減らす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、外部装置と通信可能なプロジェクタ装置を含む通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被投射面としてのスクリーンに映像を照射し、スクリーンに拡大像を投影して表示するプロジェクタ装置がある。
このプロジェクタ装置に外部装置と通信可能な機能を設けることにより、例えば、管理センタの管理装置(「外部装置」に相当する)が公衆回線、インタネットを含むネットワーク経由で被管理装置を遠隔管理する遠隔管理システム(例えば、特許文献1参照)の被管理装置として加えることができる。
【0003】
上記のようなプロジェクタ装置は、管理装置へ通知する通信タスクを起動時又は投影処理時に実行している。
また、プロジェクタ装置は、使用中は映像を投影するランプが高温になるので、ランプを保護するため、ユーザからの電源オフ操作を受け付けても直ちに電源を切らず、ランプを冷却ファン等の冷却装置で冷却した後で電源を切っている。この冷却処理には所定時間(例えば、約1分30秒)を要し、その処理中は特に他の処理は行っていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のプロジェクタ装置は、起動時又は投影処理時に通信タスクの負荷が増加すると、起動や投影処理が遅くなるという問題があった。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、電源オフ操作を受け付けた場合に所定動作をした後に電源の給電を停止させる通信装置において、起動時又は稼働中の通信タスクの処理負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上記の目的を達成するため、外部装置と通信する通信手段を用いた通信タスクを実行するタスク実行手段と、自装置に対する電源オフ操作を受け付けた場合に自装置内の所定の駆動手段に所定動作をさせた後に電源手段の給電を停止させる電源制御手段と、自装置が電源オン中に通信タスクを受け付けた場合、その通信タスクが実行時期を延ばせる通信タスクか否かを判断する判断手段と、その判断手段が実行時期を延ばせない通信タスクと判断した場合はその通信タスクをタスク実行手段に実行させ、判断手段が実行時期を延ばせる通信タスクと判断した場合はその通信タスクを蓄積手段に蓄積し、自装置に対する電源オフ操作を受け付けたときに蓄積手段に通信タスクが蓄積されていた場合、駆動手段に所定動作をさせている間に蓄積手段に蓄積された通信タスクをタスク実行手段に実行させるタスク制御手段を有する通信装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
この発明による通信装置は、電源オフ操作を受け付けた場合に所定動作をした後に電源の給電を停止させる通信装置において、起動時又は稼働中の通信タスクの処理負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図2に示す被管理装置の一例であるプロジェクタ装置内の物理的構成とそのコントローラボード内のCPUの処理によって実現される機能部の構成との一例を示すブロック図である。
【図2】発明の実施形態である遠隔管理システムの構成例を示す概念図である。
【図3】図2に示す仲介装置内の物理的構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図2に示す管理装置内の物理的構成例を示すブロック図である。
【図5】図1に示すシステム制御部が参照するテーブルデータの一例を示す図である。
【図6】図1に示すシステム制御部が動作中に通信タスクを受け付けた場合の処理を示すフローチャート図である。
【図7】図1に示すシステム制御部が動作中に通信タスクを受け付けた場合の他の処理例を示すフローチャート図である。
【図8】図1に示すシステム制御部が電源オフ操作を受け付けた場合の処理を示すフローチャート図である。
【図9】図2の仲介装置の機能を備えたプロジェクタ装置が電源オフ時に管理装置へ通信タスクを実行するときの処理手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図2は、発明の実施形態である遠隔管理システムの構成の一例を示す概念図である。
この実施形態の遠隔管理システムは、プロジェクタ装置と、プリンタ,ファクシミリ(FAX)装置,デジタル複写機,スキャナ装置,デジタル複合機等の画像処理装置と、ネットワーク家電,自動販売機,医療機器,電源装置,空調システム,ガス・水道・電気等の計量システム等に通信機能(通信手段)を持たせた電子装置(通信装置)を被管理装置10(10a,10b,10c,10d,10e,10f)とする遠隔管理システムである。
【0009】
また、この遠隔管理システムは、被管理装置10と接続される(被管理装置側から見た)外部装置として、被管理装置10とローカルエリアネットワーク(LAN)によって接続された遠隔管理仲介装置である仲介装置101(101a,101b,101c)を備えている。
さらに、この遠隔管理システムは、仲介装置101と公衆回線(電話回線)103又はインタネット112を介して接続されるサーバ装置として機能する管理装置102を備えている。
【0010】
そして、この遠隔管理システムは、管理装置102が、仲介装置101を介して各被管理装置10を集中的に遠隔管理できるようにしたものである。
仲介装置101および被管理装置10は、その利用環境に応じて多様な階層構造を成す。
また、公衆回線103としては、アナログ回線,ADSL回線,デジタル回線(ISDN回線),光ファイバー利用回線等の固定電話回線や、携帯電話回線,PHS回線等の移動電話回線がある。
【0011】
例えば、図2に示す設置環境Aでは、管理装置102とHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)による直接的なコネクションを確立できる仲介装置101aが、被管理装置10aおよび10bを従える単純な階層構造になっている。
しかし、図2に示す設置環境Bでは、4台の被管理装置10を設置する為、1台の仲介装置101を設置しただけでは負荷が大きくなる。
【0012】
そのため、管理装置102とHTTPによる直接的なコネクションを確立できる仲介装置101bが、被管理装置10cおよび10dだけでなく、他の仲介装置101cを従え、この仲介装置101cが被管理装置10eおよび10fを更に従えるという階層構造を形成している。
この場合、被管理装置10eおよび10fを遠隔管理するために管理装置102から発せられた情報は、仲介装置101bとその下位のノードである仲介装置101cとを経由して、被管理装置10e又は10fに到達することになる。
【0013】
また、設置環境Cのように、被管理装置10に仲介装置101の機能を併せ持たせた仲介機能付被管理装置(以下単に「被管理装置」ともいう)11a,11bを、別途仲介装置を介さずに公衆回線103又はインタネット112によって管理装置102に接続するようにしてもよい。
この仲介機能付被管理装置11については、仲介装置101の機能を実現するためにこれらのユニットを単に被管理装置10に付加しても良い。
【0014】
あるいは、被管理装置10に備えるCPU,ROM,RAM等のハードウェア資源を利用し、CPUに適当なアプリケーションやプログラムモジュールを実行させることによって仲介装置101の機能を実現することもできる。
さらに、図2には図示をしていないが、仲介機能付被管理装置11の下位に更に被管理装置10と同等の被管理装置を接続することもできる。
【0015】
ダイヤルアップサーバ111は、中継装置であり、管理装置102と仲介装置101又は被管理装置11とを公衆回線103(専用回線でもよい)およびインタネット112経由で通信可能に接続する。
例えば、仲介装置101又は被管理装置10からの要求(管理装置102との通信要求)により、その要求元と公衆回線103経由でネゴシエーション(通信に関する情報交換)を行い、公衆回線103およびインタネット112経由で要求元と管理装置102とを通信可能に接続する(要求元と管理装置102との間を通信可能状態にする)。
【0016】
なお、各設置環境A,B,Cには、セキュリティ面を考慮し、ファイアウォール104(104a,104b,104c)を設置する。
このファイアウォール104は、プロキシサーバによって構成する。
【0017】
このような遠隔管理システムにおいて、仲介装置101は、これに接続された被管理装置10の制御管理のためのアプリケーションプログラムを実装している。
管理装置102は、各仲介装置101の制御管理、更にはこの仲介装置101を介した被管理装置10の制御管理を行うためのアプリケーションプログラムを実装している。
そして、被管理装置10も含め、この遠隔管理システムにおけるこれら各ノードは、RPC(remote procedure call)により、相互の実装するアプリケーションプログラムのメソッドに対する処理の依頼である「要求」を送信し、この依頼された処理の結果である「応答」を取得することができるようになっている。
【0018】
すなわち、仲介装置101又はこれと接続された被管理装置10では、管理装置102への要求を生成してこれを管理装置102へ引き渡し、この要求に対する応答を取得できる一方で、管理装置102は、上記仲介装置101側への要求を生成してこれを仲介装置101側へ引き渡し、この要求に対する応答を取得できるようになっている。
この要求には、仲介装置101に被管理装置10に対して各種要求を送信させ、被管理装置10からの応答を仲介装置101を介して取得することも含まれる。
【0019】
なお、RPCを実現するために、SOAP(Simple Object Access Protocol),HTTP,FTP(File Transfer Protocol),COM(Component Object Model),CORBA(Common Object Request Broker Architecture)等の既知のプロトコル(通信規格),技術,仕様などを利用することができる。
【0020】
次に、被管理装置10と管理装置102との間のデータ送受手順について説明する。
(A)被管理装置10で管理装置102に対する要求が発生した場合のデータ送受手順
(A)のデータ送受モデルでは、被管理装置10が被管理装置側要求を生成し、これを仲介装置101を経由して受け取った管理装置102がこの要求に対する応答を返すという手順になる。この場合、仲介装置101は複数であるケースも想定できる(図2の設置環境B)。
【0021】
なお、(A)のデータ送受手順では、応答だけでなく応答遅延通知を返信することもできる。これは、管理装置102を、仲介装置101を経由して被管理装置側要求を受け取って、当該要求に対する応答を即座に返せないと判断したときには、応答遅延通知を通知して一旦接続状態を切断し、次回の接続の際に上記要求に対する応答を改めて引き渡す構成としているためである。
【0022】
(B)管理装置102で被管理装置10に対する要求が発生した場合のデータ送受手順
(B)のデータ送受手順では、管理装置102が管理装置側要求を生成し、これを仲介装置101を経由して受け取った被管理装置10が、当該要求に対する応答を返すという手順になっている。
なお、(B)のデータ送受手順でも、応答を即座に返せないときに応答遅延通知を返すことは(A)のデータ送受手順と同様である。
【0023】
以下、図2に示した遠隔管理システムのより具体的な例として、被管理装置10、11としてプロジェクタ装置10′、11′を適用した場合について説明する。
まず、仲介装置101の物理的構成について説明する。
図3は、仲介装置101内の物理的構成の一例を示すブロック図である。
仲介装置101は、CPU31,DRAM32,フラッシュROM33,カードメモリコントローラ34,カードメモリ35,画像形成装置I/F36,リアルタイムクロック回路(RTC)37,モデム38,NCU(網制御装置)39,NIC40,41,および電源回路42によって構成されている。
【0024】
CPU31は、仲介装置101全体を統括的に制御する中央処理装置であり、DRAM32内のOS(オペレーションシステム)を含む各種プログラムに基づいて、仲介装置101に接続されているプロジェクタ装置10′を制御する。
また、CPU31は、NCU39又はNIC40,41等により、公衆回線103又はインタネット112経由で管理装置102に対する各種データ(又は信号)の送受信を制御する。
【0025】
さらに、CPU31は、プロジェクタ装置10′からのデータにより公衆回線103経由で管理装置102に対して発呼を行い、回線をプロジェクタ装置10′側に接続するか、外部通信機器である一般電話器(TEL)又はファクシミリ装置(FAX)側に接続するかの切り替え制御(回線切り替えタイミングの制御を含む)を行うなどの各種の制御処理を行う。
DRAM32は、OSを含む各種プログラムを記憶するプログラムメモリや、CPU31がデータ処理を行う際に使用するワークメモリ等として使用するメインメモリである。
なお、このDRAM32の代わりに、SRAMを使用してもよい。
【0026】
フラッシュROM33は、ブート・プログラムを記憶するプログラムメモリ、管理装置102および後述する各プロジェクタ装置10′の一方から他方への送信データ、同じく後述するプロジェクタ装置10′からの定期通知情報、エラー自動通報情報を含む各種情報を記憶するデータベース(DB)として使用する不揮発性メモリ(不揮発性記憶手段)であり、電源がオフになっても記憶内容を保持するようになっている。
なお、このフラッシュROM33の代わりに、EEPROM等の他の不揮発性メモリを使用してもよい。
【0027】
カードメモリコントローラ34は、カードメモリ35に対する各種データの読み書きを制御するものである。
カードメモリ35は、SDメモリ等の記録媒体(不揮発性記憶手段)であり、OS,ドライバ,アプリケーション等の各種プログラムを記録している。
このプログラムは、フラッシュROM33に記憶するようにしてもよい。
また、HDDを設け、プログラムをそのHDDに記憶するようにしてもよい。
被管理装置I/F36は、遠隔管理対象となる被管理装置、ここでは後述するプロジェクタ装置10′と通信可能に接続する接続手段である。
【0028】
リアルタイムクロック回路37は、時刻情報を発生するものであり、CPU31がそれを読み込むことによって現在の時刻を知ることができる。
モデム38は、変復調手段であり、管理装置102へ公衆回線103経由でデータを送信する場合、そのデータを公衆回線103に流せる形に変調する。
また、モデム38は、管理装置102から送られてくる変調されたデータを受信した場合、そのデータを復調する。
【0029】
NCU39は、公衆回線103経由で管理装置102を含む各種外部装置あるいは外部通信機器(一般電話器又はファクシミリ装置)との通信(データの送受信)を制御するものである。よって、外部通信機器接続手段としての機能を実現できる。
NIC40,41は、LAN(他のネットワークでもよい)上の遠隔管理対象となる各プロジェクタ装置10′,ファイアウォール104,又は図示しないパーソナルコンピュータ等を用いた管理用端末を含む他の電子装置との通信の制御、ファイアウォール104およびインタネット112を介して管理装置102を含む各種の外部装置との通信の制御を含む通信制御をするものである。よって、上記接続手段としての機能を実現できる。
【0030】
電源回路42は、ACアダプタ43からのAC電源(商用電源)をDC電源に変換して仲介装置101内の上述した各部に供給するものである。
ここで、モデム38とCPU31とは、送信データ(TX),受信データ(RX)のデータ線、および送信可能信号(CTS),送信要求信号(RTS),データセットレディ信号(DSR),キャリア検出信号(DCD)の信号線によって接続されている。
【0031】
モデム38は、CPU31からの送信要求信号(RTS)およびキャリア検出信号(DCD)に従って制御する。
また、NCU39とモデム38とは、受信データ(RXD)および送信データ(TXD)の信号線によって接続されている。
受信データ(RXD)は、管理装置102のモデムにより変調されたアナログ信号、送信データ(TXD)はモデム38によって変調されたアナログ信号である。
【0032】
また、CPU31は、電源ON(電源回路42からの電源投入)時に、フラッシュROM33内のブート・プログラムに従い、カードメモリコントローラ34を制御してカードメモリ35内のOSを含む各種プログラムを読み出し、DRAM32のプログラムメモリにインストールする。
そして、その各種プログラムに従って動作する(その各種プログラムを必要に応じて選択的に実行する)と共に、リアルタイムクロック回路37,モデム38,NCU(網制御装置)39,NIC40,41を必要に応じて選択的に使用する。
【0033】
次に、管理装置102の物理的構成について説明する。
図4は、管理装置102内の物理的構成例を示すブロック図である。
管理装置102は、モデム601,通信端末602,プロキシ(Proxy)サーバ603,操作者端末604,データベース605,制御装置606等からなる。
モデム601は、公衆回線103を介して機器利用者側(例えば、プロジェクタ装置10′を利用しているユーザ先)の仲介装置101又はプロジェクタ装置11′と通信するものであり、送受信するデータを変復調する。
通信端末602は、モデム601による通信を制御するものである。
【0034】
プロキシサーバ603は、インタネット112を介して機器利用者側の仲介装置101又はプロジェクタ装置10′との通信およびセキュリティ管理を行う。
操作者端末604は、各種データの入力をオペレータによるキーボードやポインティングデバイス(マウス等)等の入力部上の操作により受け付ける。
データベース605は、図示しないサーバのハードディスク装置等の記憶装置に存在し、各機器利用者側の仲介装置101およびプロジェクタ装置11′から受信したデータ、仲介装置101を介して受信した後述するプロジェクタ装置10′からの定期通知情報、エラー自動通報情報を含む各種情報、操作者端末604から入力されたデータおよびプログラム等の各種データを記憶する。
【0035】
このデータベース605の所定領域には、パラメータ記憶エリアを備え、回線パラメータを含む各種パラメータを記憶する。
制御装置606は、図示しないCPU,ROM,RAM等からなるマイクロコンピュータを備えており、管理装置102全体を統括的に制御する。
そのCPUが、上記プログラムに従って動作する(上記プログラムを必要に応じて実行する)と共に、モデム601,通信端末602,又はプロキシサーバ603を必要に応じて選択的に使用することにより、各種機能を実現することができる。
【0036】
ここで、上記回線パラメータについて簡単に説明しておく。
なお、そのパラメータ記憶エリアに記憶される回線パラメータの一部は、仲介装置101(又は画像形成装置110)のフラッシュROM33にも記憶される。
回線パラメータには、サーバ情報(仲介装置101のIPアドレス,デフォルトゲートウェイアドレス,DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)仕様の有無,サブネットマスク,SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバ名,管理装置102のメールアドレス,SMTPのアドレスとパスワード)やプロキシ情報(プロキシのIPアドレス又は名称であるプロキシアドレスがある。
【0037】
また、プロキシへの認証キーであるプロキシ認証キー,HTTP(hyper text transfer protocol)ポーリングモード,管理装置102のポーリング間隔(通常時と異常時))やPPP情報(PB(Push Button)またはDP(Dial Pulse)等の回線種別情報,管理装置102とのポーリング回数やポーリング間隔)といったネットワーク環境に関する秘密情報であるネットワーク環境情報(ネットワーク環境パラメータ)がある。
【0038】
さらに、後述する被管理装置である(管理対象となる)プロジェクタ装置10′のIPアドレスや機種機番といった管理対象に対する秘密情報である管理対象情報(管理対象パラメータ)がある。
この管理対象情報は、仲介装置101から公衆回線103経由で管理装置102へ送信されるものであり、端末装置(ユーザ/CE端末)等から仲介装置101に入力されるか、仲介装置101のCPU31によりプロジェクタ装置10′から取得(収集)され、フラッシュROM33に書き込まれる。
【0039】
また、経路(Proxy利用かPPP(Point to Point Protocol)利用),管理装置102のIPアドレス,仲介装置101の認証キーやURL(uniform resource locator),ポート番号,タイムアウト時間,定期通知間隔,管理装置102の電話番号,仲介装置101の電話番号,仲介装置101から管理装置102へのダイヤルアップ認証キー,管理装置102から仲介装置101へのダイヤルアップ認証キーといったネットワーク環境情報がある。
【0040】
このネットワーク環境情報は、管理装置102から公衆回線103経由で仲介装置101へ送信されるものであり、管理装置102のデータベース605のパラメータ設定エリアに予め記憶されているか、操作者端末604から入力され、制御装置606によりデータベース605のパラメータ設定エリアに書き込まれる。
【0041】
次に、仲介装置101のCPU31は、例えば、DHCPやSNMPにより、後述するプロジェクタ装置10′の定期通知情報、エラー通知情報を取得し、フラッシュROM33に書き込んで設定する。
また、端末装置等からオペレータの操作によってネットワーク環境情報が入力された場合に、そのネットワーク環境情報もフラッシュROM33に書き込んで設定する。
ここで、「DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)」とは、インタネット112に一時的に接続するコンピュータに、IPアドレスなど必要な情報を自動的に割り当てるプロトコルのことである。
【0042】
「プロトコル」とは、LANやインタネット112等のネットワークを介してコンピュータ同士が通信を行う上で、相互に決められた約束事の集合である。
「SNMP(Simple Network Management Protocol)」とは、TCP/IPネットワークにおいて、ルータやコンピュータ,端末など、ネットワークに接続された通信機器をネットワーク経由で監視・制御するためのプロトコルである。
【0043】
図1は、プロジェクタ装置10′、11′内の物理的構成とそのコントローラボード内のCPUの処理によって実現される機能部の構成との一例を示すブロック図である。
プロジェクタ装置10′と11′は、被投射面としてのスクリーンに画像データに基づく映像を照射し、スクリーンに拡大像を投影して表示する画像表示装置である。
図1に示すように、プロジェクタ装置10′、11′は、コントローラボード200、HDD(ハードディスクドライブ)201、NV−RAM(不揮発性RAM)202、PI(パーソナルインタフェース)ボード203、PHY(物理メディアインタフェース)204、操作パネル205、投射エンジン206、及び電源ユニット207を含む各ユニットを備えている。
【0044】
これらのユニットは、それぞれがプロジェクタ装置10′、11′におけるハードウェア資源である。
ここで、コントローラボード200は、制御手段に該当し、CPU,ROM,RAMを含むマイクロコンピュータを備え、例えば、PCI−BUS(Peripheral Components Interconnect-Bus)を介して他の各ユニットの動作を制御している。
HDD201は、電源ユニット207からの給電に関係なく各種の情報を記憶保存する記憶手段(記録媒体)である。
【0045】
NV−RAM202は、不揮発性記憶手段であり、RAMと電池を利用したバックアップ回路を集積した不揮発性RAMや、EEPROM,フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを使用することができる。このNV−RAM202が、後述する実行時期を延ばせる通信タスクを蓄積する蓄積手段に相当する。
コントローラボード200内のRAMは、電源ユニット207からの給電中だけ情報を記憶保存する揮発性記憶手段である。
また、PIボード203とPHY204は、通信手段に該当し、外部との通信を行うためのものであって、例えば、通信ボード等が該当する。
【0046】
PIボード203はRS485規格に準拠したインタフェースを備え、ラインアダプタを介して公衆回線に接続している。
PHY204は、LANを介して外部装置と通信を行うためのインタフェースである。
また、操作パネル205は、各種の操作キー(操作スイッチ又は操作ボタンともいう)を有する操作部と、LCD又はCRTの文字表示器を有する表示部とを備えた操作手段である。
【0047】
ここで、図1中のENGRDYは、投射エンジン206側の各種初期設定が完了し、コントローラボード200とコマンドの送受信の準備ができたことをコントローラボード200側に通知するための信号線である。
また、PWRCTLは、電源ユニット207に対して投射エンジン206への電源供給をコントローラボード200側から制御するための信号線である。
投射エンジン206は、ランプ208、センサ209、冷却部210を備えている。
ランプ208は、被投射面としてのスクリーンに映像を照射し、スクリーンに拡大像を投影して表示する光源である。
【0048】
センサ209は、ランプ208の温度を検出するセンサと、ランプ208の稼働時間を検知するセンサと、投射エンジン206内の異常(ランプ異常、冷却ファン異常)等の所定の事象を検出するためのセンサとを有する。
冷却部210は、高温になったランプ208を冷却する装置であり、例えば、ランプ208に送風して冷却する冷却ファン、ランプ208にペルチェ素子を接触して設け、そのペルチェ素子への通電による冷却効果によってランプ208を冷却する冷却装置などがある。
電源ユニット207は、プロジェクタ装置10′、11′内の各部へ電力を供給する電源装置である。
【0049】
次に、プロジェクタ装置10′、11′のコントローラボード200内のCPUの処理によって実現される主要な機能部について説明する。
プロジェクタ装置10′、11′は、最上位のアプリケーションモジュール層、その下位のサービスモジュール層からなる。
アプリケーションモジュール層のソフトウェアは、CPUを、ハードウェア資源を動作させて所定の機能を実現させる複数のアプリケーション制御手段(処理実行手段)として機能させるためのプログラムによって構成される。
【0050】
また、サービスモジュール層のソフトウェアは、CPUを、ハードウェア資源と各アプリケーション制御手段との間に介在し、複数のアプリケーション制御手段からのハードウェア資源に対する動作要求の受付,その動作要求の調停,およびその動作要求に基づく動作の実行制御を行うサービス制御手段(処理実行手段)として機能させるためのプログラムによって構成される。
これらのソフトウェアを構成するプログラムはHDD201やコントローラボード200上のRAMに記憶され、必要に応じて読み出されてコントローラボード200上のCPUによって実行される。
【0051】
そして、CPUは、これらのプログラムを必要に応じて実行することにより、図1に示したシステム制御部211、ユーザインタフェース部212、対仲介装置通信機能部213、及び対管理装置通信機能部214の各機能部を実現する。
システム制御部211は、プロジェクタ装置10′、11′の全体の制御を司り、対仲介装置通信機能部213、又は対管理装置通信機能部214を用いた通信タスクを実行するタスク実行手順と、ユーザインタフェース部212が操作パネル205から自装置に対する電源オフ操作を受け付けた場合に冷却部210にランプ208の冷却動作をさせた後に電源ユニット207の給電を停止させる電源制御手順の処理を実行する。
上記冷却部210が字装置内の所定の駆動手段に相当し、上記ランプ208の冷却動作が所定動作に相当する。また、上記電源ユニット207が電源手段に相当する。
【0052】
システム制御部211は、プロジェクタ装置10′、11′の起動制御や終了制御、投射エンジン206の制御、NV−RAM202の制御を実施する。
また、対仲介装置通信機能部213、対管理装置通信機能部214にそれぞれメッセージ送信の要求を実施し、対仲介装置通信機能部213、対管理装置通信機能部214でそれぞれ受信したメッセージを解釈し、メッセージ内容に従った各制御を実施する。
さらに、ユーザインタフェース部212からの要求を受けて各制御を実施する。
【0053】
プロジェクタ装置10′、11′では、電源オフする際、高温になったランプ208を所定時間冷却した後に給電を停止するため、ユーザが電源オフ操作をしても実際に給電停止をするまでに所定時間かかる。
そこで、プロジェクタ装置10′、11′では、起動時及び投影処理時に生じた通信タスクのうち、通信の実行時期を延ばせるものを蓄積しておき、電源オフ時の冷却時間の間に処理することにより、起動時及び投影処理時の通信タスクの処理負担を軽減している。
【0054】
そのため、システム制御部211は、自装置が電源オン中に通信タスクを受け付けた場合、その通信タスクが実行時期を延ばせる通信タスクか否かを判断する判断手順と、その判断手順で実行時期を延ばせない通信タスクと判断した場合はその通信タスクを上記タスク実行手順で実行させ、判断手順が実行時期を延ばせる通信タスクと判断した場合はその通信タスクをNV−RAM202に蓄積し、ユーザインタフェース部212が自装置に対する電源オフ操作を受け付けたときにNV−RAM202に通信タスクが蓄積されていた場合、冷却部210にランプ208の冷却動作をさせている間にNV−RAM202に蓄積された通信タスクを上記タスク実行手順で実行させるタスク制御手順の処理を実行する。
【0055】
なお、この実施形態では、通信タスクを蓄積する先をNV−RAM202にした場合を説明するが、HDD201等の他の記憶手段に蓄積するようにしても良い。
次に、上記実行時期を延ばせない通信タスクと延ばせる通信タスクについて説明する。
上記実行時期を延ばせない通信タスクには、プロジェクタ装置10′、11′でエラーが発生したときに管理装置へ即時に通知するエラー自動通報情報の通知をする通信タスクがある。
上記エラー自動通報情報には、「ランプ異常」「プロジェクタ装置本体高温異常」「プロジェクタ装置内部冷却ファン異常」「プロジェクタ装置本体内部異常」「電源オン時メモリ読み込み異常」等の情報がある。
【0056】
ランプ異常のエラー自動通報情報は、システム制御部211がセンサ209からのランプ208の点灯及び消灯の異常の検出結果に基いて作成する。
プロジェクタ装置本体高温異常のエラー自動通報情報は、システム制御部211がセンサ209からの投射エンジン206内の温度の検出結果が所定温度を超えている場合に作成する。
また、図示を省略したプロジェクタ装置10′、11′内の各所に設けられた温度センサによって装置内の温度を検出し、システム制御部211は、いずれかの温度センサの検出温度が異常を示した場合にもプロジェクタ装置本体高温異常のエラー自動通報情報を作成する。
【0057】
プロジェクタ装置内部冷却ファン異常のエラー自動通報情報は、システム制御部211がセンサ209からの冷却部の異常の検出結果に基いて作成する。
プロジェクタ装置本体内部異常のエラー自動通報情報は、システム制御部211が図示を省略したプロジェクタ装置10′、11′内の各所に設けられたセンサによって装置内の各部の異常を検出し、システム制御部211がいずれかのセンサが異常を示した場合にそのセンサに該当する部分の異常を示すものとして作成する。
電源オン時メモリ読み込み異常のエラー自動通報情報は、システム制御部211がRAM、NV−RAM202、HDD201の読み込み時のエラーを検出したときに作成する。
【0058】
一方、上記実行時期を延ばせる通信タスクには、プロジェクタ装置10′、11′が自装置に関する情報を管理装置に定期的(例えば、一日一回)に通知する定期通知情報の通信タスクがある。
上記定期通知情報には、「プロジェクタ装置10′、11′の製品名」「プロジェクタ装置10′、11′のシリアル番号」「プロジェクタ装置10′、11′の機種機番」「プロジェクタ装置10′、11′に搭載された投射エンジンのエンジン番号」「プロジェクタ装置10′、11′の搭載ランプ数」がある。
【0059】
また、定期通知情報には、「プロジェクタ装置10′、11′に搭載されたメイン基板(コントローラボード)のROMにインストールされているソフトウェアのバージョン」「プロジェクタ装置10′、11′に搭載されたメイン基板(コントローラボード)のROMにインストールされているスタンバイソフトウェアのバージョン」「プロジェクタ装置10′、11′に搭載されたネットワーク基板(PIボード、PHY)のROMにインストールされているソフトウェアバージョン」もある。
【0060】
さらに、定期通知情報には、「プロジェクタ装置10′、11′のデジタル証明書」がある。
また、定期通知情報には、「プロジェクタ装置10′、11′のランプ点灯のべ時間であるランプ稼働時間」「プロジェクタ装置10′、11′の総使用時間であるトータル時間(累積稼働時間)」「プロジェクタ装置10′、11′のエコモードでのランプ点灯のべ時間であるトータルエコモードランプ稼働時間」「プロジェクタ装置10′、11′の通常モード時の二酸化炭素(CO2)の排出量からエコモード時のCO2の排出量を減算した値を示すCO2削減量」がある。
【0061】
さらに、「プロジェクタ装置10′、11′でランプ使用時間をリセットした回数を示すランプリセット回数」「プロジェクタ装置10′、11′を標準モードのランプパワーで動作させた場合のランプ耐性時間(標準動作時)」「プロジェクタ装置10′、11′をエコモードのランプパワーで動作させた場合のランプ耐性時間(エコモード動作時)」「プロジェクタ装置10′、11′のエアフィルタ使用時間」等がある。
これらの定期通知情報は、例えば、NV−RAM202にテーブル形式で記憶するようにするとよい。また、ランプ点灯のべ時間等の計測又は計算が必要なパラメータについては、システム制御部211が稼働中に計測又は計算した値をNV−RAM202にテーブル形式で記憶する。
【0062】
また、上記実行時期を延ばせない通信タスクと実行時期を延ばせる通信タスクには、プロジェクタ装置10′、11′の稼働中にユーザが作成した通信タスクも含めることができる。
この場合、ユーザは直ぐに実行する必要のある通信タスクに対しては実行時期を延ばせない通信タスクの指定操作をし、直ぐに実行する必要のない通信タスクに対しては実行時期を延ばせる通信タスクの指定操作をするとよい。
【0063】
システム制御部211は、上記実行時期を延ばせる通信タスクと実行時期を延ばせない通信タスクの識別には、図5の(a)に示すテーブルデータを用いるとよい。
このテーブルデータは、例えば、図1のNV−RAM202に記憶するとよい。
図5の(a)に示すテーブルデータには、定期通知情報は実行時期を延ばせる通信タスクであることを示す実行時期延長可否識別フラグ「TRUE」と、エラー自動通報情報は実行時期を延ばせない通信タスクであることを示す実行時期延長可否識別フラグ「FALSE」を記憶している。
【0064】
システム制御部211は、定期通知情報の通信タスクを受け付けた場合、図5の(a)のテーブルデータの定期通知情報に対応する実行時期延長可否識別フラグ「TRUE」を参照することにより、上記受け付けた通信タスクが実行時期を延ばせる通信タスクであると判断し、図1のNV−RAM202に蓄積(例えば、キューに蓄積)して、電源オフのランプ208の冷却処理時まで実行を延ばす。
また、システム制御部211は、エラー自動通報情報の通信タスクを受け付けた場合、図5の(a)のテーブルデータのエラー自動通報情報に対応する実行時期延長可否識別フラグ「FALSE」を参照することにより、上記受け付けた通信タスクが実行時期を延ばせない通信タスクであると判断し、その通信タスクを即時で実行する。
【0065】
また、図示を省略するが、ユーザが作成する通信タスクについても、図5の(a)に示すテーブルデータに予め実行時期延長可否識別フラグ「TRUE」あるいは「FALSE」を登録すれば、システム制御部211は、ユーザが作成した通信タスクについても上述と同様にして実行時期を延ばせる通信タスクか否かを容易に判断し、蓄積あるいは即時実行をすることができる。
また、ユーザが作成する通信タスクについては、ユーザから作成の都度、実行時期を延ばせる通信タスクか否かを示す設定操作を受け付けるようにすれば、システム制御部211は、ユーザが作成した通信タスクを受け付ける毎に実行時期を延ばせる通信タスクか否かを容易に判断し、蓄積あるいは即時実行をすることができる。
【0066】
次に、システム制御部211は、NV−RAM202に通信タスクが蓄積された場合、上記タスク実行手順でNV−RAM202に蓄積された全通信タスクを実行するために要する第1の時間と、冷却部210がランプ208の冷却動作を実行するために要する第2の時間とをそれぞれ予測し、上記第1の時間が上記第2の時間を超えると判断した場合はNV−RAM202に蓄積された各通信タスクのうち所定規則に基づいて選択した通信タスクを上記タスク実行手順で実行させて、上記第1の時間が上記第2の時間を超えないようにNV−RAM202に蓄積された通信タスクの数を減らす手順の処理も実行する。
【0067】
上記第1の時間の予測処理では、例えば、図1のNV−RAM202に定期通知情報の、エラー自動通報情報の通信タスク、ユーザが作成する各種の通信タスクの種類毎に所要時間(例えば、通知内容の作成から送信完了までの総時間)の一覧を記憶したテーブルデータを記憶しておき、システム制御部211が、そのテーブルデータを参照してそれぞれ求めるようにするとよい。
【0068】
また、上記第2の時間の予測処理では、例えば、図1のNV−RAM202に予め設定した時間を参照して用いるようにしても良いし、また、ランプ208の温度毎に所定温度まで下げるのに要する冷却時間(第2の時間に相当する)を実験で測定し、その一覧テーブルを作成して図1のNV−RAM202に記憶するようにすれば、図1のシステム制御部211は、電源オフ時のランプ208の検出温度に基いて一覧テーブルから対応する冷却時間を第2の時間として設定することができる。
【0069】
また、上記第1の時間と第2の時間の予測に予めタスク処理性能に基づいて作成した通信タスクの重みを用いるようにしてもよい。
例えば、予めプロジェクタ装置の機種毎のタスク処理性能(CPU負荷・通信負荷)に基づいて、定期通知情報、エラー自動通報情報、ユーザの作成した情報の各通信タスクを実行するために要する時間に対応する重みの数値をそれぞれ求め、その重みをテーブルデータにしてNV−RAM202に記憶し、システム制御部211が上記第1の時間の予測時に参照するようにするとよい。
【0070】
例えば、図5の(b)に示すテーブルデータには、第1の時間を求めるための情報として、定期通知情報の通信タスクの重み50と、エラー自動通報情報の通信タスク3を記憶している。この場合、定期通知情報の通信タスクの方がエラー自動通報情報の通信タスクよりも処理負荷が高く、実行に要する時間がかかる。
【0071】
また、予めプロジェクタ装置の機種毎のランプ冷却処理性能に基づいて、ランプの冷却処理を実行するために要する時間に対応する重みの数値を求め、例えば、予めNV−RAM202に記憶し、システム制御部211が上記第2の時間の予測時に参照するようにするとよい。
ここで、ランプの温度毎、又はランプの点灯時間毎に冷却時間を異ならせる場合、ランプの温度毎、又はランプの点灯時間毎の重みを求めて記憶しておくようにするとよい。
【0072】
次に、NV−RAM202に蓄積された各通信タスクのうち実行する通信タスクを選択する所定規則については、例えば、予め定期通知情報の通信タスク、エラー自動通報情報の通信タスク、ユーザの作成した通信タスク毎に設定したタスク優先度に基づいて選択するようにするとよい。
例えば、図5の(c)に示すテーブルデータには、定期通知情報1の通信タスクのタスク優先度5と、定期通知情報2の通信タスク3を記憶している。このタスク優先度のテーブルデータをNV−RAM202に記憶し、システム制御部211が通信タスクの選択時に参照するようにするとよい。
【0073】
次に、システム制御部211は、NV−RAM202に通信タスクを蓄積する前、上記タスク実行手順でその通信タスク及びNV−RAM202に蓄積された全通信タスクを実行するために要する第1の時間と、冷却部210がランプ208の冷却動作を実行するために要する第2の時間とをそれぞれ予測し、上記第1の時間が上記第2の時間を超えると判断した場合はその通信タスクをNV−RAM202に蓄積せずに上記タスク実行手順に実行させる手順の処理を実行することもできる。
【0074】
この場合の第1の時間と第2の時間についても、上述と同様に予め記憶した重みの情報に基づいて予測するようにしてもよい。
上述したように、システム制御部211は、タスク実行手段、電源制御手段、判断手段、及びタスク制御手段の各機能を果たす。
【0075】
ユーザインタフェース部212は、操作パネル205との入出力を制御し、ユーザからの自装置に対する電源オン操作、電源オフ操作、及び各種の設定操作を受け付け、その受け付けた情報をシステム制御部211へ通知する。
対仲介装置通信機能部213は、システム制御部211からの要求を受け、仲介装置101へメッセージを送信する。また、そのメッセージに対する返送メッセージを受信することもできる。
対管理装置通信機能部214は、システム制御部211からの要求を受け、管理装置102へメッセージを送信する。また、そのメッセージに対する返送メッセージを受信することもできる。
【0076】
なお、管理装置102との通信に係わる機能(通信手段としての機能)の実現方法は、プロジェクタ装置10′とプロジェクタ装置11′とによって異なる。
つまり、プロジェクタ装置10′の場合は、仲介装置101の機能を備えているため、CPUが対応するプログラムを実行することにより、管理装置102との通信に係わる機能を実現することができる。
一方、プロジェクタ装置11′の場合には、CPUが対応するプログラムを実行すると共に、仲介装置101を利用することにより、管理装置102との通信に係わる機能を実現することができる。
【0077】
次に、プロジェクタ装置10′、11′が動作中に通信タスクを受け付けた場合の処理について説明する。
図6は、図1のプロジェクタ装置10′、11′のシステム制御部211が動作中に通信タスクを受け付けた場合の処理を示すフローチャート図である。
図1のシステム制御部211は、自装置に対する入力の受け付けを監視して、通信タスクを受け付けた場合、図6のフローチャート図の処理を実行する。
【0078】
この通信タスクは、プロジェクタ装置10′、11′の起動中、投影中に要求された定期通知情報の通信タスク、エラー自動通報情報の通信タスク、又はユーザが作成した通信タスクである。この定期通知情報の通信タスクの要求は、図1のシステム制御部211で動作中の定期通知プログラムの処理によって行われる。
また、エラー自動通報情報の通信タスクの要求は、図1のシステム制御部211で動作中のエラー処理プログラムの処理によって行われる。さらに、ユーザが作成した通信タスクは、システム制御部211で動作中のアプリケーションプログラムの処理によって行われる。
【0079】
図6のステップ(図中「S」で示す)1では、受け付けた通信タスクは実行時期を延ばせる通信タスクか否かを判断し、実行時期を延ばせる通信タスクの場合(「Y」の場合)はステップ2へ進み、実行時期を延ばせない通信タスクの場合(「N」の場合)はステップ6へ進む。
ステップ1の判断処理では、上述した図5の(a)のテーブルデータを参照して判断する。
【0080】
すなわち、定期通知情報の通信タスク、ユーザが作成して実行時期を延ばせると設定した通信タスクの場合はステップ2へ進み、エラー自動通報情報の通信タスク、ユーザが作成して実行時期を延ばせないと設定した通信タスクの場合はステップ6へ進む。
ステップ2では、受け付けた通信タスクを図1のNV−RAM202に蓄積し、ステップ3へ進む。
【0081】
ステップ3では、第1の時間と第2の時間を予測し、ステップ4へ進む。
この第1の時間は、図1のNV−RAM202に蓄積された全通信タスクを実行するために要する時間であり、上述したようにして求める。
また、第2の時間は、図1の冷却部210がランプ208を冷却処理する動作を実行するために要する時間であり、これも上述したようにして求める。
【0082】
ステップ4では、第1の時間が第2の時間を超えるか否かを判断し、超える場合(「Y」の場合)はステップ5へ進み、超えない場合(「N」の場合)はこの処理を終了する。
ステップ5では、図1のNV−RAM202に蓄積された各通信タスクの中から選択した通信タスクを実行して蓄積数を減らし、この処理を終了する。
ステップ5の処理では、上述した図5の(c)のテーブルデータに基づいてタスク優先度の高いものから選択して実行する。
【0083】
このようにして、図1のNV−RAM202に蓄積する通信タスクの数を、電源オフ時のランプ冷却処理中に行えるだけの数に収めるので、電源オフ時に全通信タスクの実行が終わる前に給電が遮断されるようなことのないようにすることができ、仲介装置又は管理装置への通知を確実に済ませることができる。
【0084】
そして、その通信タスクの実行は、図1のNV−RAM202に残った各通信タスクの実行に要する第1の時間が第2の時間を超えなくなるまで行う。
一方、ステップ6では、受け付けた通信タスクを図1のNV−RAM202に蓄積せずに、直ちに実行し、この処理を終了する。
このようにして、起動中及び投影処理中に通信タスクの要求があった場合、実行時期を延ばせる通信タスクは直ちに実行せずに電源オフ時のランプ冷却時間中に行わせるために蓄積するので、起動時間を短縮し、投影処理時の処理負荷を低減することができる。
【0085】
なお、上記ステップ3〜5の処理は、ステップ2の処理の直後に実行してもよいし、プロジェクタ装置の処理負荷が低いとき(例えば、起動終了後、投射映像を変化させていないとき)に実行するようにすれば、システム制御部211の処理負担をより軽減することができる。
【0086】
次に、プロジェクタ装置10′、11′が動作中に通信タスクを受け付けた場合の他の処理例について説明する。
図7は、図1のプロジェクタ装置10′、11′のシステム制御部211が動作中に通信タスクを受け付けた場合の他の処理例を示すフローチャート図である。
図6に示した処理例では、図1のNV−RAM202に蓄積された全通信タスクを実行するために要する第1の時間が、図1の冷却部210がランプ208の冷却処理を実行するために要する第2の時間を超えないように、図1のNV−RAM202に蓄積された通信タスクを実行して蓄積する通信タスクの総数を減らした。
【0087】
しかし、図7に示す処理例では、図1のNV−RAM202に通信タスクを蓄積する前に、その通信タスクと図1のNV−RAM202に蓄積された全通信タスクを実行するために要する第1の時間が、図1の冷却部210がランプ208の冷却処理を実行するために要する第2の時間を超えるか否かを判断し、超えない場合は蓄積し、超える場合は蓄積せずに直ちに実行するようにしている。
【0088】
図1のシステム制御部211は、自装置に対する入力の受け付けを監視して、通信タスクを受け付けた場合、図7のフローチャート図の処理を実行する。
図7のステップ(図中「S」で示す)11では、受け付けた通信タスクは実行時期を延ばせる通信タスクか否かを判断し、実行時期を延ばせる通信タスクの場合(「Y」の場合)はステップ12へ進み、実行時期を延ばせない通信タスクの場合(「N」の場合)はステップ15へ進む。
【0089】
ステップ11の判断処理では、上述した図5の(a)のテーブルデータを参照して判断する。
すなわち、定期通知情報の通信タスク、ユーザが作成して実行時期を延ばせると設定した通信タスクの場合はステップ12へ進み、エラー自動通報情報の通信タスク、ユーザが作成して実行時期を延ばせないと設定した通信タスクの場合はステップ15へ進む。
【0090】
ステップ12では、第1の時間と第2の時間を予測し、ステップ13へ進む。
この場合の第1の時間は、受け付けた通信タスクと図1のNV−RAM202に蓄積された全通信タスクを実行するために要する時間であり、上述したようにして求める。
また、第2の時間は、図1の冷却部210がランプ208を冷却処理する動作を実行するために要する時間であり、これも上述したようにして求める。
【0091】
ステップ13では、第1の時間が第2の時間を超えるか否かを判断して、超える場合(「Y」の場合)はステップ16へ進み、超えない場合(「N」の場合)はステップ14へ進む。
ステップ14では、受け付けた通信タスクを図1のNV−RAM202に蓄積し、この処理を終了する。
一方、ステップ15では、受け付けた通信タスクを図1のNV−RAM202に蓄積せずに、直ちに実行し、この処理を終了する。
【0092】
また、ステップ16では、図1のNV−RAM202に蓄積せずに通信タスクを直ちに実行して、この処理を終了する。
このようにして、図1のNV−RAM202には第2の時間を超える通信タスク数を常に蓄積しないようにするので、図1のNV−RAM202のメモリ領域の使用量を節約することができ、他の処理の実行に利用したり、他の情報の蓄積に活用することができる。
また、図6に示した処理よりもシステム制御部211の処理負担を軽減することもできる。
【0093】
次に、図6及び図7の処理においては、図1のNV−RAM202に蓄積する通信タスクの数は、その実行に要する時間に基いて制限するようにした場合を説明したが、図1のNV−RAM202に蓄積する通信タスク数が多過ぎても電源オフ時に実行できないくらいの時間を要してしまう恐れがある。
そこで、図1のNV−RAM202に蓄積する通信タスクの総数に上限値(上限数)を設け、その上限値を超えないように制御すると良い。
【0094】
また、例えば、図2の仲介装置101、管理装置102において、例えば、一度に多くのデータを受信すると処理が滞る場合や、ネットワークを介した攻撃と見なして受信を拒否してしまうような事態があるので、図2の仲介装置101、管理装置102、プロジェクタ装置10′、11′との通信規定において、プロジェクタ装置10′、11′から仲介装置101、管理装置102へ1度に送ることができるデータ数を所定数(例えば、5個)までと規定していることもある。
この場合、電源オフ時に一度に実行する通信タスクの総数を上記所定数内に収めるため、図1のNV−RAM202に蓄積する通信タスクの総数を制限する必要がある。
【0095】
そこで、図1のNV−RAM202に蓄積する通信タスクの上限数を、例えば、図1のNV−RAM202に予め記憶しておく。
そして、図1のシステム制御部211は、自装置が稼働中は定期的に図1のNV−RAM202に記憶された通信タスクの総数を求め、同じくNV−RAM202に記憶された上限数を参照し、蓄積された通信タスクの総数が上限数を超える場合、図1のNV−RAM202に蓄積した各通信タスクのうち、上述したタスク優先度に基づいて実行する通信タスクを選択して実行することにより、電源オフ時にNV−RAM202に蓄積されている通信タスクの総数が上限数以内になるように蓄積数を減らすように制御する。
【0096】
また、図1のシステム制御部211は、実行時期を延ばせる通信タスクを受け付けたとき、その通信タスクを蓄積する前に、図1のNV−RAM202に記憶された通信タスクの総数を求めて、図1のNV−RAM202に記憶された上限数を参照し、その総数に1を加えた値が上限数を超える場合、すなわち、新たに受け付けた通信タスクを蓄積すると上限数を超える場合には、図1のNV−RAM202に蓄積せずにその通信タスクを直ちに実行するように制御するようにしてもよい。
【0097】
さらに、図1のシステム制御部211は、図6の処理と図7の処理のいずれも実行できるようにし、ユーザ操作による切り替え設定を受け付け、プロジェクタ装置10′、11′の稼働中はその設定内容に応じて図6の処理、あるいは図7の処理を実行するようにすると良い。
【0098】
次に、プロジェクタ装置10′、11′が電源オフ操作を受け付けた場合の処理について説明する。
図8は、図1に示すシステム制御部が電源オフ操作を受け付けた場合の処理を示すフローチャート図である。
図1のシステム制御部211は、自装置に対する入力の受け付けを監視して、電源オフ操作を受け付けた場合、図8のフローチャート図の処理を実行する。
【0099】
図1のシステム制御部211は、図8のステップ(図中「S」で示す)23の冷却処理を実行すると共に、その実行中に、ステップ21,22の処理を行う。
このステップ21,22とステップ23とが同時進行の処理であることを示すため、図中ではステップ23の処理過程を示す線を破線で示している。
図1のシステム制御部211は、上記電源オフ操作を受け付けたことの判断は、図1のユーザインタフェース部212が操作パネル205の電源ボタンがユーザによって押下されたことを検出した旨の通知によって行える。
【0100】
ステップ23の処理は、図1の投射エンジン206の冷却部210を駆動してランプ208を所定時間冷却する処理である。
この冷却処理では、予め決められた所定時間冷却するようにしても良いが、冷却開始と共にセンサ209でランプ208の温度を測定しながら、その温度が所定温度になるまで冷却処理を実行するようにしても良い。
上記所定温度は、予め実験によって測定されたランプ208の故障を招かない程度の温度にするとよい。
【0101】
一方、ステップ21では、図1のNV−RAMに通信タスクが蓄積されているか否かを判断し、蓄積されていない場合(「N」の場合)は、冷却処理が終了後に処理を終了するが、蓄積されている場合(「Y」の場合)は、ステップ22で図1のNV−RAMに蓄積されている通信タスクを実行し、冷却処理が終了後に処理を終了する。
そして、システム制御部211は、この処理の終了と共に、電源ユニット207に対して自装置への給電を停止させるための指示を送り、電源ユニット207に給電を遮断させる。
【0102】
このようにして、電源オフ時のランプ冷却時間中は、ランプ208の冷却処理の他には特に他の処理を実行していないので、システム制御部211は、起動中及び投影処理中に蓄積した実行時期を延ばせる通信タスクを余裕を持って実行することができる。
したがって、プロジェクタ装置10′、11′の起動時間を短縮し、投影処理時の処理負荷を低減することができ、さらに、電源オフ時の時間を有効に活用することもできる。
【0103】
また、上述した通信タスクの蓄積の処理について、実行時期を延ばせる通信タスクは、その通知内容を作成するのに時間がかからない場合(この場合の時間はランプ冷却処理の動作時間を超える時間)はランプ冷却処理の動作中に通知内容も作成して送信してもよいが、通知内容を作成するのに時間がかかる通信タスクの場合、通信が完了する前にランプ冷却処理が終了してしまって通信を完了できなくなる恐れがある。
そこで、図1のシステム制御部211が、定期通知情報を含む通知内容を作成するのに時間がかかる場合、実行時期を延ばせる通信タスクでも、その通知内容を作成するところまでは即時で実施し、その内容をNV−RAM202に保管しておくようにすれば、電源オフ操作の受け付け時は、NV−RAM202に保管しておいたデータを読み出して短時間で通信を完了することができ、通信タスクを確実に実行することができる。
【0104】
図9は、仲介装置の機能も備えたプロジェクタ装置11′が電源オフ時に管理装置102へ通信タスクを実行するときの処理手順の一例を示す図である。
図9において、ステップ31で、ユーザが電源オン状態のプロジェクタ装置11′の操作パネルの電源ボタンを押下すると、プロジェクタ装置11′は、システム制御部211がユーザインタフェース部212からの通知に基いて電源オフ操作を受け付ける。
プロジェクタ装置11′は、ステップ33でシステム制御部211が投射エンジン206の冷却部210を駆動し、ランプ208の冷却処理を開始する。
【0105】
この冷却処理にかかる時間は、管理装置へのデータ通知の実施にかかる時間よりも十分に長い時間であるとする。また、冷却処理と管理装置102へのデータ通知は同時に開始し並行で実施できるものとする。
プロジェクタ装置11′のシステム制御部211は、冷却処理を開始すると共に、ステップ34でNV−RAM202に蓄積された通信タスクを実行し、管理装置へのデータ通知を開始する。
【0106】
この通信タスクでは、定期通知情報として、例えば、プロジェクタ装置11′を識別する機種機番、プロジェクタ装置11′を識別するデジタル証明書、プロジェクタ装置11′で発生しているエラー情報、プロジェクタ装置11′の累積稼働時間、プロジェクタ装置11′の消耗パーツ(ランプやエアフィルタ)の使用時間等の管理情報を管理装置へ送付できる。
【0107】
管理装置102では、ステップ38でプロジェクタ装置11′から定期通知情報を受信すると、ステップ39で、自装置で保持している当該プロジェクタ装置11′の定期通知情報を受信した定期通知情報に更新する。
一方、プロジェクタ装置11′では、ステップ35で、ランプ208が規定温度以下になるまでランプ冷却処理を継続し、規定温度以下になると、システム制御部11は、ステップ36で冷却部210を駆動を停止してランプ冷却処理を終了し、ステップ37で電源ユニット207に給電を遮断させて電源オフ処理を終了する。
【0108】
こうして、ランプ冷却が完了すると電源オフ処理としては完了であり、プロジェクタ装置11′のプラグをコンセントから安全に抜くことができる。
そこで、ステップ40で、ユーザはファンの音が止まったことやシステム制御部211が操作パネル205に表示させたメッセージによって、電源オフ処理が完了したことを知ることができ、コンセントからプラグを抜く。
このように、遠隔管理システムの構成として、プロジェクタ装置に仲介装置の機能を併せ持たせた仲介機能付プロジェクタ装置でも上述と同様にして実施することができる。
【0109】
この実施形態のプロジェクト装置10′、11′において、上述の処理に加え、図1のシステム制御部211がランプ冷却処理中に電源オフ(終了時)のタイミングを検知して仲介装置101または管理装置102に対して終了通知するようにすれば、仲介装置101または管理装置102に対してプロジェクタ装置10′、11′が終了したことをリアルタイムに伝えることができる。
また、この実施形態のプロジェクタ装置10′、11′は、アドレスが代わることがあってもその影響を受けないため、「持ち運びして色々な場所で使われる」という利用上の特徴を持つプロジェクタ装置についても適用できる。
【0110】
なお、蓄積した通信タスクの実行のタイミングについは、電源オフ操作の受け付けのときだけではなく、ウェブユーザインタフェースが搭載されたプロジェクタ装置であれば、ユーザによるウェブユーザインタフェースを介した終了処理のときに開始しても良い。
また、管理系ネットワークプロトコルによる終了処理が搭載されたプロジェクタ装置であれば、アプリケーションによるネットワークプロトコルでの終了処理のときに開始しても良い。
さらに、プロジェクタ装置自身の持つタイマで予約された終了処理の開始を検知し、その検知したタイミングで通信タスクを実行しても良い。
【0111】
以上で実施形態の説明を終了するが、この発明において、各部の具体的な構成、処理の内容、第1の時間、第2の時間、定期通知情報、エラー自動通報情報、所定の駆動手段、所定動作、上限値及び所定規則の内容、データ及びテーブルデータの形式等は、実施形態で説明したものに限るものではない。
また、上述の実施形態では、この発明をプロジェクタ装置に適用した例について説明した。
【0112】
しかし、この発明は、外部装置と通信する通信機能と、自装置に対する電源オフ操作を受け付けた場合に自装置内の所定の駆動手段に所定動作をさせた後に電源の給電を停止させる機能を備えたものならば、任意の通信装置に適用可能である。
さらに、以上説明してきた実施形態の構成は、相互に矛盾しない限り任意に組み合わせて実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0113】
10:被管理装置 10′、11′:プロジェクタ装置 11:仲介機能付被管理装置 31:CPU 32:DRAM 33:フラッシュROM 34:カードメモリコントローラ 35:カードメモリ 36:被管理装置I/F 37:リアルタイムクロック回路(RTC) 38,601:モデム 39:NCU 40,41:NIC 42:電源回路 101:仲介装置 102:管理装置 103:公衆回線 104:ファイアウォール 110:仲介機能付画像形成装置 111:ダイヤルアップサーバ 112:インタネット 200:コントローラボード 201:HDD 202:NV−RAM 203:PIボード 204:PHY 205:操作パネル 206:投射エンジン 207:電源ユニット 208:ランプ 209:センサ 210:冷却部 211:システム制御部 212:ユーザインタフェース部 213:対仲介装置通信機能部 214:対管理装置通信可能部 602:通信端末 603:プロキシサーバ 604:操作者端末 605:データベース 606:制御装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0114】
【特許文献1】特開2004−30625号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置と通信する通信手段を用いた通信タスクを実行するタスク実行手段と、
自装置に対する電源オフ操作を受け付けた場合に自装置内の所定の駆動手段に所定動作をさせた後に電源手段の給電を停止させる電源制御手段と、
自装置が電源オン中に通信タスクを受け付けた場合、該通信タスクが実行時期を延ばせる通信タスクか否かを判断する判断手段と、
該判断手段が実行時期を延ばせない通信タスクと判断した場合は該通信タスクを前記タスク実行手段に実行させ、前記判断手段が実行時期を延ばせる通信タスクと判断した場合は該通信タスクを蓄積手段に蓄積し、自装置に対する電源オフ操作を受け付けたときに前記蓄積手段に通信タスクが蓄積されていた場合、前記駆動手段に所定動作をさせている間に前記蓄積手段に蓄積された通信タスクを前記タスク実行手段に実行させるタスク制御手段を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記タスク制御手段は、前記蓄積手段に通信タスクが蓄積された場合、前記タスク実行手段が前記蓄積手段に蓄積された全通信タスクを実行するために要する第1の時間と、前記所定の駆動手段が所定動作を実行するために要する第2の時間とをそれぞれ予測し、前記第1の時間が前記第2の時間を超えると判断した場合は前記蓄積手段に蓄積された各通信タスクのうち所定規則に基づいて選択した通信タスクを前記タスク実行手段に実行させて、前記第1の時間が前記第2の時間を超えないように前記蓄積手段に蓄積された通信タスクの数を減らす手段を有することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記タスク制御手段は、前記蓄積手段に通信タスクを蓄積する前、前記タスク実行手段が該通信タスク及び前記蓄積手段に蓄積された全通信タスクを実行するために要する第1の時間と、前記所定の駆動手段が所定動作を実行するために要する第2の時間とをそれぞれ予測し、前記第1の時間が前記第2の時間を超えると判断した場合は該通信タスクを前記蓄積手段に蓄積せずに前記タスク実行手段に実行させる手段を有することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項4】
前記タスク制御手段は、前記蓄積手段に通信タスクが蓄積された場合、前記蓄積手段に蓄積された通信タスクの総数が予め設定した上限値を超えているか否かを判断し、超えていると判断した場合は前記蓄積手段に蓄積された各通信タスクのうち所定規則に基づいて選択した通信タスクを前記タスク実行手段に実行させて、前記蓄積手段に蓄積された通信タスクの総数が前記上限値を超えないように通信タスクの数を減らす手段を有することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項5】
前記タスク制御手段は、前記蓄積手段に通信タスクを蓄積する前、該通信タスク及び前記蓄積手段に蓄積された通信タスクの総数が予め設定した上限値を超えると判断した場合は該通信タスクを前記蓄積手段に蓄積せずに前記タスク実行手段に実行させる手段を有することを特徴とする請求項1記載の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−65145(P2013−65145A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202705(P2011−202705)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】