説明

通帳発行システム及び通帳発行依頼受付サーバ並びに通帳

【課題】金融機関グループに属する複数の金融機関の間で共通して発行される顧客の通帳を作成するに際し、当該通帳の表面に印刷されるデザイン画像や情報を顧客に自由に選択可能な通帳発行システムを提供する。
【解決手段】通帳発行依頼受付サーバ3は顧客端末装置1から送信される口座開設情報、若しくは金融機関端末装置21から送信される口座開設情報を受信する。データ収集部316は口座開設情報入力画面(ウェブページ)を介した口座開設情報の収集処理を行う。通帳作成部317はこの口座開設情報に含まれている通帳のデザイン画像を通帳印刷形式データ7(別図)のデザイン画像領域71に格納すると共に、この口座開設情報に含まれている金融機関名を金融機関印刷領域73に埋め込み、かつ当該口座開設情報に含まれている支店名を支店名印刷領域74に埋め込む。通帳印刷部318は当該通帳印刷形式データを印刷装置に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通帳発行システム及び通帳発行依頼受付サーバ並びに通帳に係り、特に、通帳の表面に印刷される図柄を預金者に自由に選択させて印刷する機能を備えた通帳発行システム及び通帳発行依頼受付サーバ並びに通帳に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通帳発行システムは金融機関毎に設置されて運営されており、よって、預金通帳に印刷される情報とその配置、例えば、預金通帳の表面に印刷される図柄(以下、「デザイン画像」と称する)や文字情報等、及び預金通帳に貼り付けられる識別用情報媒体(例えば、磁気テープやICチップ)等の配置は、金融機関毎に定められているので、現在、通帳の種類は非常に多く存在している。
【0003】
従来、預金通帳の発行に際しては、偽造防止を含めたセキュリティ面が重視されている。このようなセキュリティ面を配慮した先行技術としては、例えば、印鑑の偽造によるトラブル防止と、印鑑照合作業の自動化とを意図した通帳の発行システム及び陰影照合システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、通帳に表示された陰影を有する届出印鑑の偽造を防止することを意図した通帳発行システムと、届出印鑑の大きさが通帳の陰影からは分からないようにする偽造防止手段を施した通帳が提案されている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照。)。
【0005】
しかしながら、今日、金融機関が幾つかの金融機関グループに統合合併されていくに連れて、現在、このように多様であった預金通帳の種類も次第に統合されてきており、その結果、多くの金融機関で発行される大量の通帳が、全て同じデザインに統一されてきたので、これを不満とする預金者の数も増えてきている。
【特許文献1】特開平10−208048号公報
【特許文献2】特開平11−306259号公報
【特許文献3】特開2003−170678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このような従来の通帳発行システムにおいては、前述のとおり、今日、金融機関が幾つかの金融機関グループに統合合併されていくに連れて、預金通帳の種類も統合されて通帳の多様性が失われつつあるといった事情を派生しており、にも関わらず、これを不満とする預金者数の増大には全く配慮されていないという問題点を有していた。
【0007】
より具体的には、金融機関が幾つかの金融機関グループに統合・合併されていくに連れて、大量の通帳が全て同じデザインに統一されるため、預金者は、自分だけの通帳であるとの親近感を持てなくなっているという問題点が有った。
【0008】
例えば、預金通帳の場合、ATMでの取引が可能なICカードが普及した今日、この預金通帳は、預金者と金融機関の双方にとって、その存在価値が薄れてきており、預金通帳を自己専有のメモ用紙(覚書)であるものとして利用している預金者の数も増えてきている。よって、従来の通帳発行システムで発行される預金通帳に対しては、預金者は、自分だけの通帳であるとの親近感を持てないという不満を感じており、このような預金者の数が増加してきているので、今日、このような預金者の不満は、無視できない問題点となっている。
【0009】
このため、本発明は、金融機関グループに属する複数の金融機関の間で共通して発行される顧客の通帳を作成するに際し、当該通帳の表面に印刷されるデザイン画像や情報を顧客に自由に選択させることができる通帳発行システムの提供を目的とするものである。
【0010】
本発明の他の目的は、金融機関グループに属する複数の金融機関の間で共通して発行される顧客の通帳を作成するに際し、当該通帳の表面に印刷されるデザイン画像や情報を顧客に自由に選択させることを可能にする通帳発行依頼受付サーバを提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、顧客が自由に選択したデザイン画像や情報が印刷されて成る通帳を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記した従来の通帳発行システムの課題に鑑みてなされたものであり、顧客が使用する顧客端末装置と、金融機関グループに属する複数の金融機関の各々に設置された金融機関端末装置と、前記金融機関の仕事を代行する通帳発行依頼受付サーバ手段と、を備え、前記複数の金融機関の間で共通して発行される前記顧客の通帳を作成する通帳発行システムであって、口座開設に必要な口座開設情報を収集するための口座開設情報入力画面を掲載したウェブページを、前記顧客端末装置に送信するウェブページ提供手段と、前記顧客が前記通帳に印刷されることを希望する画像を、前記ウェブページを介して選択させると共に、前記選択された画像の画像データを含む口座開設情報を、前記ウェブページ、若しくは前記ウェブページと電子メール手段とを介して収集するデータ収集手段と、前記収集された口座開設情報を、印刷形式データに埋め込む通帳作成手段と、前記印刷形式データを発行前の通帳に印刷する通帳印刷手段と、を備えたことを特徴とする通帳発行システムを提供するものである。
【0013】
このように構成したので、金融機関グループに属する複数の金融機関の間で共通して発行される顧客の通帳を作成するに際し、当該通帳の表面に印刷されるデザイン画像や情報を、口座開設情報入力画面を掲載したウェブページを介して顧客に自由に選択させることができる通帳発行システムを提供することができる。
【0014】
また、前記通帳発行システムは、前記データ収集手段を前記金融機関端末装置及び/または前記通帳発行依頼受付サーバ手段に備えると共に、前記通帳作成手段と、前記通帳印刷手段とを前記通帳発行依頼受付サーバ手段に備えたことを特徴とする。
【0015】
このように構成したので、金融機関グループに属する複数の金融機関の間で共通して発行される通帳を作成するための窓口機関の設置箇所に自由度が与えられると共に、通帳の印刷データの作成処理や通帳の印刷処理を通帳発行依頼受付サーバ手段に代行させることができるので、金融機関グループ全体として設備コストを節約することができる。
【0016】
また、前記通帳発行システムは、画像をウェブページを介して提供する外部のサーバ手段をさらに備えると共に、前記顧客が前記通帳に印刷されることを希望する画像を、前記外部のサーバ手段から選択させる手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
このように構成したので、顧客が通帳に印刷されることを希望する画像の選択手段に自由度が与えられると共に選択できる画像の種類が豊富になり、しかも、本システム全体、特に、通帳発行依頼受付サーバ手段におけるデータベース手段等の設備負担を軽減することができる。
【0018】
また、前記通帳発行システムにおいて、前記データ収集手段が収集する前記口座開設情報には、少なくとも、前記顧客の、住所、氏名、電話番号、電子メールアドレス、口座を開設する金融機関名、及び前記金融機関の支店名、を含むことを特徴とする。
【0019】
また、前記通帳発行システムにおいて、前記データ収集手段は、前記選択された画像の画像データを、前記電子メール手段を介して収集することを特徴とする。
【0020】
さらに、前記通帳発行システムにおいて、前記データ収集手段が収集する前記口座開設情報には、前記通帳の表面に印刷されるデータと、前記通帳の裏面に印刷されるデータとを含めることができることを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、金融機関グループに属する複数の金融機関の仕事を代行し、前記複数の金融機関の間で共通して発行される顧客の通帳を作成する通帳発行依頼受付サーバであって、口座開設に必要な口座開設情報を収集するための口座開設情報入力画面を掲載したウェブページを、前記顧客が使用する顧客端末装置に送信するウェブページ提供手段と、前記顧客が前記通帳に印刷されることを希望する画像を、前記ウェブページを介して選択させると共に、前記選択された画像の画像データを含む口座開設情報を、前記ウェブページ、若しくは前記ウェブページと電子メール手段とを介して収集するデータ収集手段と、前記収集された口座開設情報を、印刷形式データに埋め込む通帳作成手段と、前記印刷形式データを発行前の通帳に印刷する通帳印刷手段と、を備えたことを特徴とする通帳発行依頼受付サーバを提供するものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、金融機関グループに属する複数の金融機関の間で共通して発行される顧客の通帳を作成するに際し、当該通帳の表面に印刷されるデザイン画像や情報を、口座開設情報入力画面を掲載したウェブページを介して顧客に自由に選択させることができる通帳発行システムを実現したのである。
【0023】
また、データ収集手段を前記金融機関端末装置及び/または前記通帳発行依頼受付サーバ手段に備えると共に、通帳作成手段と、通帳印刷手段とを通帳発行依頼受付サーバ手段に備える構成により、金融機関グループに属する複数の金融機関の間で共通して発行される通帳を作成するための窓口機関の設置箇所に自由度が与えられる効果を有すると共に、通帳の印刷データの作成処理や通帳の印刷処理を通帳発行依頼受付サーバ手段に代行させることができるので、金融機関グループ全体として設備コストを節約することができる効果を有する。
【0024】
さらに、通帳発行システムは、画像をウェブページを介して提供する外部のサーバ手段をさらに備えると共に、顧客が通帳に印刷されることを希望する画像を、外部のサーバ手段から選択させる手段を備えるように構成できるので、顧客が通帳に印刷されることを希望する画像の選択手段に自由度が与えられると共に選択できる画像の種類が豊富になり、しかも、本システム全体、特に、通帳発行依頼受付サーバ手段におけるデータベース手段等の設備負担を軽減することができる効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る通帳発行システムの全体構成を示すものである。図1に示すように、本実施形態に係る通帳発行システムは、預金等の口座を開設する顧客が操作する顧客端末装置1と、複数の金融グループ2の各々に属する複数の金融機関が備える複数の金融機関端末装置21と、通帳印刷機関30が運営し、通帳に印刷される情報を収集すると共に通帳の印刷形式データを完成させて通帳を印刷する通帳発行依頼受付サーバ3(本実施形態に係る通帳発行依頼受付サーバ)と、通帳に印刷される画像を提供するデザイン画像外部サーバ4(外部のサーバ手段)と、前記の各構成要素を互いに通信可能に接続する通信網10と、から構成される。
【0026】
顧客端末装置1は、通信機能を有するパーソナルコンピュータであってもよいし、携帯電話端末装置であってもよい(図2に詳細構成例を示す。)。
【0027】
複数の金融機関端末装置21(A,B,…,N)の各々は、通信機能を有するコンピュータで構成することができる。
【0028】
通帳発行依頼受付サーバ3は、主要な構成要素として、通帳のデザイン画像を含む顧客情報を収集するデータ収集部316と、通帳の印刷形式の情報を作成する通帳作成部317と、通帳を印刷する通帳印刷部318と、を備える(図3に詳細構成例を示す)。
【0029】
デザイン画像外部サーバ4は、必須の構成要素ではなく、デザイン画像外部サーバ4を省略したシステム構成も可能である。
【0030】
通信網10は、主としてインターネット網で構成されるが、部分的にはLAN(Local Area Network)、公衆電話網、及び携帯電話網で構成されるものであってもよい。
【0031】
以下、本実施形態に係る通帳発行システムの各構成要素の機能を説明する。
顧客端末装置1は、ウェブページアクセス部114(即ちブラウザ)を介して、通帳発行依頼受付サーバ3または複数の金融機関端末装置21(A,B,…,N)の各々が提供するホームページ上の口座開設用のウェブページを表示する。これにより、顧客(口座開設者)は、前記表示されたウェブページ上の口座開設情報入力画面(図4)を介して自己の口座開設に必要な情報を入力する。この情報は、ウェブページアクセス部114を介して、前記ウェブページを提供している前記サーバ3または前記金融機関端末装置21に送信される。
【0032】
顧客の通帳(表面及び/または裏面)に印刷されるデザイン画像は、後述するように、前記のウェブページまたは外部のサーバが提供するウェブページから検索して指定することができる。さらには当該口座開設者が顧客端末装置1に保持しているデザイン画像を、電子メールにて前記サーバ3または前記金融機関端末装置21に送信することによって指定することができる。
【0033】
複数の金融機関端末装置21(A,B,…,N)の各々は、詳細構成の図示を省略するが、後述する通帳発行依頼受付サーバ3(図3)と同様の構成をとることが可能である。よって、通帳発行依頼受付サーバ3と同様に、少なくとも口座開設情報入力画面(図4)を格納するウェブページデータベースと、口座開設情報入力画面(図4)を含むウェブページを掲載するウェブサーバと、データ収集部を備え、顧客端末装置1に口座開設用ウェブページを提供すると共に、当該ウェブページに設けられた口座開設情報入力画面(図4)を介して顧客端末装置1から送信される口座開設情報を収集し、内容を検証した後、通帳発行依頼受付サーバ3に送信し、通帳発行依頼受付サーバ3において通帳を作成させる機能を備えている。
【0034】
通帳発行依頼受付サーバ3は、ウェブページデータベースとウェブサーバとを備え、顧客端末装置1に口座開設用ウェブページを提供すると共に、当該ウェブページに設けられた口座開設情報入力画面(図4)を介して顧客端末装置1から送信される口座開設情報を受信する。若しくは、通帳発行依頼受付サーバ3は、前記の金融機関端末装置21から送信される口座開設情報を受信する。データ収集部316は、ウェブサーバ314がウェブページ上に開設した口座開設情報入力画面を介した前記口座開設情報の収集処理を行う。次に、通帳作成部317が、この口座開設情報に含まれている通帳のデザイン画像を通帳のデザイン画像領域71(図7)に格納すると共に、この口座開設情報に含まれている金融機関名を金融機関印刷領域73(図7)に埋め込み、かつ当該口座開設情報に含まれている支店名を支店名印刷領域74(図7)に埋め込む。次に、通帳印刷部318が、通帳印刷形式データを印刷装置に出力する。
【0035】
なお、前記口座開設情報の内、通帳に印刷されるデザイン画像は、前記口座開設情報入力画面を介してデータ収集部316の機能により入力されるが、この機能による送信とは別途に、顧客端末装置1からのメール便にて受信することが可能である。
【0036】
デザイン画像外部サーバ4は、一般的な利用者に提供する複数の画像を保持しているが、これらの画像の内、本システムの金融機関端末装置21または通帳発行依頼受付サーバ3から参照され、かつ通帳に印刷されるデザイン画像は、本システムの運営機関との間で予め著作権に関する使用契約が締結されたものに限定されるものとする。
【0037】
なお、図7に示す通帳印刷形式データは、通帳の表面用の印刷データであるが、当該通帳の裏面についても、別途、裏面用の通帳印刷形式データを用意しておき、当該通帳の表面と同様の印刷処理を行うことができる。また、この通帳の裏面については、例えば、口座開設者の氏名や、通帳覚書等(図4参照)を印刷することが可能であり、この場合、通帳作成部317が、口座開設者の氏名や、通帳覚書等を裏面用の印刷形式データに格納することになる。
【0038】
図2は、本発明の実施の形態に係る通帳発行システムにおける顧客端末装置1の1構成例を示す構成図である。
同図に例示する顧客端末装置1は、通信網10を介した通信機能及び全体の制御機能を有する制御部11と、デザイン画像を格納するデザイン画像DB(データベース)(DB10)と、を備えて構成される。制御部11は、本装置全体を管理する主制御部111と、主制御部111が実行する制御プログラム、処理プログラム、及びデータ等を格納するRAM110と、通信網10に対応した通信プロトコルを備えて金融グループ2及び通帳発行依頼受付サーバ3と相互に通信する通信処理部112と、デザイン画像DB(DB10)を制御するデータベース管理部113と、ブラウザ機能を備えてウェブページにアクセスするウェブページアクセス部114と、口座開設者に関する情報や口座開設者の意思をデータとして入力するデータ入力部115と、ウェブページを閲覧可能に表示する表示部116と、を備える。
【0039】
デザイン画像DB(DB10)には、口座開設者が独自に作成または収集したデザイン画像(メール送信が可能なデザイン画像)が格納される。データ入力部115は、表示部116の表示画面上の情報を指定し、さらには入力するためのマウスを備えることができる。表示部116の表示画面をタッチパネルとして構成することも可能であり、この場合はタッチペンを備えることも可能である。制御部11は、ウェブページアクセス部114を介して、通帳発行依頼受付サーバ3または複数の金融機関端末装置21(A,B,…,N)の各々が提供するウェブページを参照し、その口座開設情報入力画面(図4)を介して自己の口座開設に必要な情報を入力すると共に、この情報を、ウェブページアクセス部114を介して、前記ウェブページを提供している前記サーバまたは前記金融機関端末装置に送信する処理を担う。また、制御部11は、口座開設者の通帳(表面及び/または裏面)に印刷されるデザイン画像の前記のウェブページまたは外部のサーバが提供するウェブページ上からの検索の処理や、場合によっては、デザイン画像DB(DB10)に保持されているデザイン画像を電子メールで前記サーバまたは前記金融機関端末装置に送信する処理を担う。
【0040】
図3は、本発明の実施の形態に係る通帳発行システムにおける通帳発行依頼受付サーバ3の1構成例を示す構成図である。
図3において、通帳発行依頼受付サーバ3は、全体を制御する制御部31と、顧客の口座開設情報を格納するための口座開設情報DB(DB1)と、顧客の通帳発行注文を格納するための注文台帳DB(DB2)と、顧客が選択可能なデザイン画像を見本として格納するデザイン画像見本集DB(DB3)と、顧客が選択可能なデザイン画像を提供する外部サーバに関する情報を格納するデザイン画像外部サーバDB(DB4)と、口座開設のために閲覧されるURL付きのウェブページを格納するウェブページDB(DB5)(ウェブページ提供手段)と、印刷された通帳を宅配する宅配業者に関する情報を格納する宅配業者情報DB(DB6)と、を備えて構成される。
【0041】
制御部31は、他の構成要素の処理を分担すると共に他の構成要素を制御する主制御部311と、制御プログラム及び通帳の注文処理に必要なプログラム並びにデータを記憶するRAM321と、回線接続を制御する回線制御部312と、通信網10とのプロトコルを備えて他の端末装置との通信を行う通信制御部313と、口座開設のために閲覧されるウェブページの管理とアクセス制御とを行うウェブサーバ314(ウェブページ提供手段)と、データベースDB1〜6を制御するデータベース管理部315と、通帳の印刷に必要な口座開設情報を収集するデータ収集部316(データ収集手段)と、通帳の印刷形式データを作成する通帳作成部317(通帳作成手段)と、通帳の印刷形式データを後述する印刷装置320に出力する通帳印刷部318(通帳印刷手段)と、印刷処理等の進行状況をモニタするための表示部319と、通帳の印刷形式データを印刷する印刷装置320(通帳印刷手段)と、を備える。
【0042】
この他に、OCRやスキャナ等で構成された入力装置等を必要に応じて備えることができる。
【0043】
主制御部311は、本サーバ全体を制御すると共に、注文された通帳の作成処理全般についての補助的な処理を行う。
【0044】
RAM321は、本サーバ全体を制御するための制御プログラム及び通帳の作成処理に必要なプログラムやデータを記憶すると共に、前記の各処理の実行に必要な一時的データ(テンポラリデータ)を記憶する。
【0045】
回線制御部312は、本サーバを、通信網10を介して他の端末装置と双方向通信可能に接続するための通信プロトコルを備えるが、この他に、デジタル終端接続装置(DSU)や侵入防止用のファイアウォールアプリケーションを実装したルータなどを備えて構成することができる。
【0046】
通信制御部313は、ウェブサーバ314を制御すると共に、複数の顧客端末装置2及び複数の金融機関端末装置並びにデザイン画像外部サーバ4との回線接続を選択的に行う制御を実行する。なお、この通信制御部313は、例えば、インターネット上での時刻同期用NTP(Network Time Protocol)サーバ、分散ファイルシステム用のNFS(Network File System)サーバなどを備えることができる。
【0047】
通信制御部313は、さらに、個人情報などの秘密保持のための暗号化データ転送用の暗号化通信プロトコルを保持し、SSL(Secure Sockets Layer)サーバの制御を実行することができる。
【0048】
ウェブサーバ314は、インターネット網を含む通信網10上で基幹的な通信処理(ブラウジング)を実行するための主コンピュータとして動作する。このウェブサーバ314は、前記インターネット網上に開設されるホームページを運営するものであり、このホームページは口座開設用のウェブページを含み、さらに、この口座開設用のウェブページは口座開設情報入力画面を含む。また、この口座開設情報入力画面は、本サーバが提供するデザイン画像選択画面とそのリンク情報、及び外部サーバが提供するデザイン画像選択画面とそのリンク情報を含む。
【0049】
また、このウェブサーバ314は、顧客端末装置1から前記ホームページ及びウェブページへのアクセスがなされた時、前記ホームページ及び要求されたウェブページを通信制御部313を介して顧客端末装置1に送信する制御を行う。
【0050】
データベース管理部315は、入出力バス340を介して、前記のデータベースDB1〜6を管理する。この管理には、オペレーティングシステムによるファイルの排他制御(占有制御)や、バッファリング技法が含まれる。
【0051】
データ収集部316は、顧客が入力する通帳印刷形式データ(図7参照)を介して口座開設情報を収集する。より具体的には、データ収集部316は、ウェブページ上の通帳印刷形式データ(図7参照)を介して顧客が入力する口座開設情報の取得処理を行う。通帳作成部317は、当該口座開設情報に含まれている通帳のデザイン画像を通帳のデザイン画像領域71(図7参照)に格納すると共に、この口座開設情報に含まれている金融機関名を金融機関印刷領域73(図7参照)に埋め込み、かつ、当該口座開設情報に含まれている支店名を支店名印刷領域74(図7参照)に埋め込む。通帳印刷部318は、前記通帳印刷形式データを印刷装置320に出力する。
【0052】
表示装置319は、通帳作成処理等の処理結果を表示し、通帳作成処理等の進行状況をモニタするため等に使用される。口座開設情報DB(DB1)には、受信された口座開設情報が格納される。注文台帳DB(DB2)には、口座開設情報を参照して作成された顧客の通帳発行注文が格納される。デザイン画像見本集DB(DB3)には、顧客がウェブページを介して選択可能なデザイン画像が見本として格納されている。デザイン画像外部サーバDB(DB4)には、顧客が選択可能なデザイン画像を提供する外部サーバに関する情報が格納されている。この外部サーバに関する情報には、外部サーバに関する認証情報や取引情報が含まれる他、口座開設情報入力画面(図4)に掲載するための外部サーバのウェブページ(顧客が選択可能なデザイン画像を掲載している外部サーバ発信のウェブページ)へのリンク情報も含まれている。ウェブページDB(DB5)にはURL付きのホームページやウェブページ(前記口座開設のために閲覧されるホームページ及び口座開設情報入力画面を掲載するウェブページ)が格納されている。宅配業者情報DB(DB6)には、印刷装置320で印刷された通帳の宅配業務を行う宅配業者に関する情報(屋号、所在地、取引情報、等)が格納されている。
【0053】
印刷装置320は、前記通帳印刷形式データを印刷するものであり、通帳の印刷専用機で構成することが好ましい。
【0054】
図4は、本システムが提供するウェブページ上の口座開設情報の入力画面の1例を示す説明図である。
顧客端末装置1が、顧客の操作により、金融グループ2または通帳発行依頼受付サーバ3に開設されているホームページを呼び出すと、表示部116(図2)の表示画面には、当該ホームページが表示される。さらに、顧客が、このホームページを介して口座開設用のウェブページを呼び出すと、表示部116の表示画面には、当該口座開設用のウェブページが表示される。さらに、表示部116には、顧客の操作により、このウェブページを介して、図4に示す口座開設情報入力画面5が表示することができる。この入力画面には、まず、口座開設金融グループの名称が表示されており、引き続き、口座を開設する顧客が入力すべき複数の入力項目が表示されている。この例では、これらの入力項目として、顧客の、住所、氏名、連絡先(電話番号)、連絡先(Eメールアドレス)、及び、口座開設金融機関名、支店名、が表示されており、さらに、通帳に覚書として印刷される通帳覚書を入力するための入力領域が表示されている(この入力領域への入力は省略可能である)。
【0055】
また、図4に示す口座開設情報入力画面5には、デザイン画像選択画面(より具体的には図5に示す通帳デザイン画像集の表示画面)へのリンク情報が表示されている。
【0056】
このリンク情報は、通帳の表面に印刷される前記デザイン画像へのリンク情報と、通帳の裏面に印刷されるデザイン画像データへのリンク情報とが個別に表示されており、さらに、通帳の表裏それぞれについて、当該ウェブページ上に掲載されている前記デザイン画像集へのリンク情報と、デザイン画像外部サーバ4(図1)が提供するウェブページ上に掲載されているデザイン画像データへのリンク情報とが分けられて表示されている。
【0057】
さらに、図4に示す口座開設情報入力画面5には、画面全体の末尾に、顧客が保持するデザイン画像データを、別途、メールにて送信する場合にクリックするメール送信釦が表示されている。
【0058】
図5は、本システムが提供するウェブページ上に掲載されているデザイン画像集を1例として示す説明図である。
前述のデザイン画像選択画面へのリンク情報(図4参照)において、「このウェブページへのリンク」と表示されたリンク釦がクリックされることにより、図5に示すようなデザイン画像集の画面が表示される。この画面には、複数の縮小されたデザイン画像がマトリクス表示されている。ここで、顧客が、当該表示されたデザイン画像集のデザイン画像の内、希望するデザイン画像を1回クリックすると、通帳に印刷される原寸大のデザイン画像を表示する表示画面に移る。また、顧客が、当該表示されたデザイン画像集のデザイン画像の内、自己が希望するデザイン画像をダブルクリックすると、当該ダブルクリックされたデザイン画像が、通帳に印刷されるデザイン画像として選択(入力)される。また、この間、顧客が「ネクスト」と表示された釦をクリックすると、前記デザイン画像集に継続するデザイン画像集が表示される。
【0059】
図6は、デザイン画像外部サーバ4が提供するデザイン画像データへのカテゴリー別のリンク情報を1例として示す説明図である。
デザイン画像外部サーバ4が提供するウェブページにも、デザイン画像データが掲載されている。口座を開設する顧客が、口座開設情報入力画面5(図4)において、「他のウェブページへのリンク」と表示されたリンク釦をクリックすることにより、図6に示す他ウェブページの通帳デザイン画像集リンク60の画面が表示される。この通帳デザイン画像集リンクの画面60には、デザイン画像外部サーバ4が提供するカテゴリー別の通帳デザイン画像データへの複数のリンク釦及びそれらの概要を説明する説明文と、当該リンク釦に対応する選択釦が表示され、引き続き「ネクスト」の釦が表示される。
【0060】
口座を開設しようとする顧客は、カテゴリーを選択し、さらにリンク釦の上に付記されている前述の説明文を読むことで当該デザイン画像に関するおおよその見当を付けた後、カテゴリー別の通帳デザイン画像データへの複数のリンク釦の1つをクリックすることにより、当該リンク釦に対応するデザイン画像を表示部116(図2)に表示させることができる。これにより、当該顧客は、当該表示されたデザイン画像が自己の通帳に印刷すべきデザイン画像であるか否かを判別することができる。次に、当該顧客は、自己が利用しているブラウザの「戻る」釦をクリックすることにより、元の他ウェブページの通帳デザイン画像集60の画面(図6)に戻ることができる。この画面において、当該顧客は、前述の操作で、前述のデザイン画像が、自己の通帳に印刷すべきデザイン画像であると判別していた時には、前記リンク釦に対応する選択釦をクリックする。さもなくて、当該顧客が、前述のデザイン画像が、自己の通帳に印刷すべきデザイン画像ではないと判別していた時には、引き続き、当該顧客は、当該カテゴリーに属する通帳デザイン画像データへの複数のリンク釦の1つをクリックし、これにより、当該カテゴリーに属する他の通帳デザイン画像を表示させることができるので、当該顧客は、この画面に対して前記と同様の選択操作を繰り返すことができる。なお、この間、当該顧客が当該カテゴリーに対応して画面の右端に表示された「ネクスト」の釦をクリックすると、当該カテゴリーに属する通帳デザイン画像集に継続する他の通帳デザイン画像集の画面が表示される。このデザイン画像集の画面には、画面全体の末尾に、やはり「ネクスト」の釦が表示されており、当該顧客が、この「ネクスト」の釦をクリックすると、前記通帳デザイン画像集に継続する他の、カテゴリー別の通帳デザイン画像集が表示される。
【0061】
図7は、通帳の表面に印刷される通帳印刷形式データの1例を示す説明図である。
図7において、デザイン画像領域71は、印刷装置320によって印刷される通帳の表面に、前述の表面用に選択されたデザイン画像が印刷される領域である。磁気テープは、通帳の表面側又は裏面側に配置されても良いことは言うまでもない。また、磁気テープに替わって。ICチップが通帳の表紙又は裏面に埋め込まれている通帳も本願発明の対象となる。このような通帳の発行に係る情報を記録した磁気テープまたはICチップが、通帳の表面又は裏面に設けられる磁気テープ領域72である(当該通帳は、この磁気テープに必要なデータが書き込まれることにより当該金融機関から正式に発行されたこととなる)。
【0062】
図7において、金融機関名印刷領域73は、図4に示す口座開設情報入力画面5を介して入力された口座開設金融機関名が印刷される領域である。支店名印刷領域74は、図4に示す口座開設情報入力画面5を介して入力された支店名が印刷される領域である。
【0063】
なお、金融グループ名については、図7に示す例では、金融グループ名が予め印刷された通帳印刷用紙を使用するものとしているが、この金融グループ名についても、前記他の項目と同様に、口座開設情報入力画面5に入力項目を設置して顧客に選択(入力)させ、これを、この通帳印刷形式データに埋め込んだ後、印刷装置320によって印刷することができる。
【0064】
図8は、通帳印刷形式データと、選択された通帳デザイン画像から通帳の表面が印刷される過程を示す説明図であり、図8(a)は通帳印刷形式データ、図8(b)は選択された通帳デザイン画像データ、図8(c)は印刷された通帳の表面を、それぞれ示す。
通帳発行依頼受付サーバ3の、通帳作成部317(図1,3)は、図8(a)に示す通帳印刷形式データを作成する。より具体的には、通帳作成部317は、データ収集部316が口座開設情報入力画面5を介して収集した口座開設情報に含まれる通帳デザイン画像データ(図8(b))を通帳印刷形式データのデザイン画像領域71に埋め込むと共に、金融機関名印刷領域73に、前記口座開設情報に含まれる金融機関名を埋め込み、かつ支店名印刷領域74に同じく支店名を埋め込むことで印刷形式の通帳印刷形式データを完成する。通帳印刷部318(図1,3)は、完成した前記通帳印刷形式データを印刷装置320(図3)に出力する。同様に、当該通帳の裏面用の通帳印刷形式データも完成され、印刷装置320(図3)に出力される。
【0065】
印刷装置320(図3)から出力された通帳は、注文先の顧客または所定の金融機関に宅配されるが、この宅配を担う業者は、主制御部311(図3)が宅配業者DB(DB6)を参照することにより、主制御部311によって決定することができる。通帳が顧客に宅配された場合は、当該顧客は、当該通帳を、当該通帳を発行する金融機関に持参して発行を依頼するものとする。
【0066】
図9は、発行された通帳の表面の1例を示す説明図である。
図9に示す通帳8において、磁気テープ領域72(図7,8)に対応する箇所には、当該通帳を発行する金融機関の支店等により、当該通帳の発行に係る情報を記録した磁気テープまたはICチップが貼り付けられる。図9に示す例では磁気テープ領域72に磁気テープ70が貼り付けられている。これにより、当該通帳が正式に発行され、顧客本人に直接手渡される(顧客が来店の場合)か、または顧客本人の住所宛に宅配される。
【0067】
図10は、通帳発行依頼受付サーバ3のデータ収集部316における通帳印刷データ収集処理の動作を示すフローチャート図である。
ここでは、通帳の表面に印刷されるデータを収集する場合の動作を示しているが、通帳の裏面に印刷されるデータを収集する場合の動作も同様である(口座開設情報入力画面5では、通帳の表裏に渡る印刷データの収集を可能にするように構成している)。
【0068】
まず、口座開設情報入力画面5の呼び出しがなされるまで待機し、前記画面の呼び出しがなされた場合はステップS2に進む(ステップS1)。
【0069】
ステップS2では、口座開設情報入力画面5を、この画面をアクセスした顧客端末装置1に送信し、口座開設情報入力画面5を介して順次入力されるデータの各々を送信用の入力データに転記する。
【0070】
次に、この口座開設情報の全項目の入力が完了されるまで待機し、前記全項目の入力が完了すると、ステップS4に進む(ステップS3)。
【0071】
ステップS4では、デザイン画像データが、別途、メール便にて送信されるものであるか否かを検証し、デザイン画像データが別途メール便にて送信される場合はステップS9に移り、デザイン画像データが別途メール便にて送信されない場合はステップS5に進む。なお、デザイン画像データが別途メールにて送信される場合には、口座開設情報入力画面5においてメール送信釦がクリックされるので、データ収集部316は、このメール送信釦がクリックされたか否かを検証することになる。
【0072】
ステップS5では、内部画像データを入力するのか否か、即ち、口座開設情報入力画面5において、「このウェブページへのリンク」として示されたリンク釦がクリックされたか否かを検証し、前記リンク釦がクリックされた場合はステップS6に進み、前記リンク釦がクリックされていない場合はステップS11に移る。
【0073】
ステップS6では、通帳デザイン画像集6(図5)を掲載する最初のウェブページ(ウェブページDB(DB5)に格納されている)を前記顧客端末装置1に送信する。
【0074】
次に、この最初のウェブページ上に表示される複数の通帳デザイン画像(デザイン画像見本集DB(DB3)に格納されている)の内、いずれかの通帳デザイン画像が選択されたか否か(即ち、いずれかの通帳デザイン画像がダブルクリックされたか否か)を検証し、前記選択がなされた場合はステップS8に進み、前記選択がなされていない場合はステップS13に移る(ステップS7)。
【0075】
ステップS8では、選択された通帳デザイン画像を送信用の入力データに転記し、ステップS1に戻る。
【0076】
ステップS9では、デザイン画像データが、別途、メール便にて送信されることが選択されたので、データ収集部316は、このメール便を受信するまで待機し、このメール便を受信すると、添付されているメール画像を通帳印刷形式データ7のデザイン画像領域71に直接転記し、ステップS1に戻る。
【0077】
ステップS11では、外部画像データを入力するのか否か、即ち、口座開設情報入力画面5において、「他のウェブページへのリンク」として示されたリンク釦がクリックされたか否かを検証し、前記リンク釦がクリックされた場合はステップS12に進み、前記リンク釦がクリックされていない場合はステップS5に戻る。なお、メール送信を利用しない場合は、前記のいずれかのリンク釦がクリックされなければならないことを規定しておく。
【0078】
ステップS12では、デザイン画像外部サーバ4が提供する通帳デザイン画像集へリンクするためのリンク釦を配置した他ウェブページの通帳デザイン画像集リンク60の画面を、前記顧客端末装置1に送信し、ステップS15に移る。
【0079】
ステップS13では、前記表示された通帳デザイン画像集6(図5)を掲載する最初のウェブページにおいて、この画面全体の末尾右端に設けられた「ネクスト」釦がクリックされたか否かを検証し、前記「ネクスト」釦がクリックされた場合はステップS14で通帳デザイン画像集6(図5)の継続するウェブページを送信してステップS7に戻り、前記「ネクスト」釦がクリックされていない場合は、そのままステップS7に戻る。
【0080】
ステップS15では、前記表示された通帳デザイン画像集6(図5)を掲載するウェブページにおいて、いずれかのリンク釦が選択された(即ちクリックされた)か否かを検証し、前記いずれのリンク釦もクリックされない場合はステップS19に移り、前記いずれかのリンク釦がクリックされた場合はステップS16に進む。
【0081】
ステップS16では、デザイン画像外部サーバ4が提供する通帳デザイン画像集の通帳デザイン画像の内、前記選択されたリンク釦に対応する通帳デザイン画像を掲載するウェプページ(そのURLは、デザイン画像外部サーバDB(DB4)に格納されている)へリンクする。なお、前述のとおり、顧客は、この画面から元の通帳デザイン画像集6(図5)の画面に戻る際には、顧客が利用するブラウザの「戻る」釦をクリックするものとする。
【0082】
次に、元の通帳デザイン画像集6(図5)の画面において、画像が選択されたか否か、即ち、前記選択されたリンク釦に対応する選択釦がクリックされたか否かを検証し、前記選択釦がクリックされた場合はステップS18に進み、前記選択釦がクリックされない場合はステップS20に移る(ステップS17)。
【0083】
ステップS18では、前記選択された選択釦に対応するデザイン画像データを前記デザイン画像外部サーバ4から受信し、前記送信用の入力データに転記し、ステップS1に戻る。
【0084】
ステップS19では、サブルーチンの「ネクスト処理」(後述)において「ネクスト」に関する処理を実行させた後、制御の流れが当該サブルーチンのいずれの出口を経過した場合にも、制御の流れをステップS15に戻す。
【0085】
ステップS20では、ステップS15と同様に、前記表示された通帳デザイン画像集6(図5)を掲載するウェブページにおいて、いずれかのリンク釦が選択された(即ちクリックされた)か否かを、今一度検証し、前記いずれのリンク釦もクリックされない場合はステップS21に移り、前記いずれかのリンク釦がクリックされた場合はステップS16に進む。
【0086】
ステップS21では、前記の「ネクスト処理」のサブルーチンにおいて「ネクスト」に関する処理を実行させた後、前記サブルーチンにおいて、いずれかの「ネクスト」がクリックされた場合の処理がなされていた場合に経過する前記サブルーチンの出口1からは制御の流れをステップS15に戻し、前記サブルーチンにおいて、いずれの「ネクスト」もクリックされていなかった場合の処理がなされていた場合に経過する前記サブルーチンの出口2からは制御の流れをステップS17に戻す。
【0087】
なお、図10に示すフローチャート図に基づく動作では、顧客の操作待ちのために待機状態となる一連のステップが存在するが、この時に、OS(オペレーティングシステム)の機能を使用して、通帳発行依頼受付サーバ3を構成するCPUの処理能力を他のジョブに開放し、前記CPUに負担を掛けないように構成することが可能である。また、待機時間が所定の一定時間に達した時に、通帳印刷データ収集処理のジョブを打ち切るように構成することも可能である。
【0088】
図11は、サブルーチン:「ネクスト処理」における「ネクスト」釦に関する処理の動作を示すフローチャート図である。
まず、前記表示された通帳デザイン画像集6(図5)を掲載するウェブページにおいて、カテゴリー毎に設置されている「ネクスト」釦と、前記ウェブページ全体の末尾に設置されている「ネクスト」釦の、いずれかの「ネクスト」釦がクリックされたか否かを検証し、いずれの「ネクスト」釦もクリックされていない場合は制御の流れを出口2から復帰させ、いずれかの「ネクスト」釦がクリックされている場合はステップA2に進む(ステップA1)。
【0089】
ステップA2では、前記クリックされた「ネクスト」釦に対応する外部画像リンク画面が掲載されたウェブページを前記端末装置1に送信した後、制御の流れを出口1から復帰させる。
【0090】
本実施形態に係る通帳発行システムでは、口座開設に必要な情報を顧客端末装置1を介して収集するものとしたが、この顧客端末装置1の機能を金融機関端末装置21や通帳発行依頼受付サーバ3に備える構成も可能である。この場合、顧客は、金融機関端末装置21や通帳発行依頼受付サーバ3の店頭において口座開設の手続きを済ませることができる。
【0091】
また、本発明に係る通帳発行システムの顧客は、新規に口座を開設する顧客に限られることはなく、既設の口座を有する顧客であってもよい。
【0092】
さらに、本発明に係る通帳発行システムは、通帳の発行に係るシステムであるが、このシステムを、他の一般的な印刷物(例えば、メモ用紙、手帳、アルバム等)の作成に適用することも可能である。
【0093】
なお、本発明に係る金融機関端末装置21または通帳発行依頼受付サーバ3の各構成要素の処理の少なくとも一部をコンピュータ制御により実行するものとし、かつ、上記処理を、図10,11のフローチャートで示した手順によりコンピュータに実行せしめるプログラムは、半導体メモリを始め、CD−ROMや磁気テープなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配付してもよい。そして、少なくともマイクロコンピュータ,パーソナルコンピュータ,汎用コンピュータを範疇に含むコンピュータが、上記の記録媒体から上記プログラムを読み出して、実行するものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、通帳の表面に印刷される図柄を預金者に自由に選択させて印刷する機能を備えた通帳発行システム及び通帳発行依頼受付サーバ並びに通帳に関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の実施形態に係る通帳発行システムの全体構成を示すものである。
【図2】本発明の実施の形態に係る通帳発行システムにおける顧客端末装置1の1構成例を示す構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る通帳発行システムにおける通帳発行依頼受付サーバ3の1構成例を示す構成図である。
【図4】本システムが提供するウェブページ上の口座開設情報の入力画面の1例を示す説明図である。
【図5】本システムが提供するウェブページ上に掲載されているデザイン画像集を1例として示す説明図である。
【図6】デザイン画像外部サーバ4が提供するデザイン画像データへのカテゴリー別のリンク情報を1例として示す説明図である。
【図7】通帳の表面に印刷される通帳印刷形式データの1例を示す説明図である。
【図8】通帳印刷形式データと、選択された通帳デザイン画像から通帳の表面が印刷される過程を示す説明図であり、図8(a)は通帳印刷形式データ、図8(b)は選択された通帳デザイン画像データ、図8(c)は印刷された通帳の表面を、それぞれ示す。
【図9】発行された通帳の表面の1例を示す説明図である。
【図10】通帳発行依頼受付サーバ3のデータ収集部316における通帳印刷データ収集処理の動作を示すフローチャート図である。
【図11】サブルーチン:「ネクスト処理」における「ネクスト」釦に関する処理の動作を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0096】
1:顧客端末装置
2:金融グループ
3:通帳発行依頼受付サーバ
4:デザイン画像外部サーバ
5:口座開設情報入力画面
6:通帳デザイン画像集
7:通帳印刷形式データ(表面用)
8:通帳
21:金融機関端末装置
30:通帳印刷機関
60:他ウェブページの通帳デザイン画像集リンク
70:磁気テープ
71:デザイン画像領域
72:磁気テープ領域
73:金融機関名印刷領域
74:支店名印刷領域
114:ウェブページアクセス部
316:データ収集部
317:通帳作成部
318:通帳印刷部
DB1:口座開設情報DB(データベース)
DB2:注文台帳DB
DB3:デザイン画像見本集DB
DB4:デザイン画像外部サーバDB
DB5:ウェブページDB
DB6:宅配業者情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が使用する顧客端末装置と、金融機関グループに属する複数の金融機関の各々に設置された金融機関端末装置と、前記金融機関の仕事を代行する通帳発行依頼受付サーバ手段と、を備え、前記複数の金融機関の間で共通して発行される前記顧客の通帳を作成する通帳発行システムであって、
口座開設に必要な口座開設情報を収集するための口座開設情報入力画面を掲載したウェブページを、前記顧客端末装置に送信するウェブページ提供手段と、
前記顧客が前記通帳に印刷されることを希望する画像を、前記ウェブページを介して選択させると共に、前記選択された画像の画像データを含む口座開設情報を、前記ウェブページ、若しくは前記ウェブページと電子メール手段とを介して収集するデータ収集手段と、
前記収集された口座開設情報を、印刷形式データに埋め込む通帳作成手段と、
前記印刷形式データを発行前の通帳に印刷する通帳印刷手段と、
を備えたことを特徴とする通帳発行システム。
【請求項2】
前記データ収集手段を前記金融機関端末装置及び/または前記通帳発行依頼受付サーバ手段に備えると共に、前記通帳作成手段と、前記通帳印刷手段とを前記通帳発行依頼受付サーバ手段に備えたことを特徴とする請求項1記載の通帳発行システム。
【請求項3】
画像をウェブページを介して提供する外部のサーバ手段をさらに備えると共に、前記顧客が前記通帳に印刷されることを希望する画像を、前記外部のサーバ手段から選択させる手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の通帳発行システム。
【請求項4】
前記データ収集手段が収集する前記口座開設情報には、少なくとも、前記顧客の、住所、氏名、電話番号、電子メールアドレス、口座を開設する金融機関名、及び前記金融機関の支店名、を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れかの項に記載の通帳発行システム。
【請求項5】
前記データ収集手段は、前記選択された画像の画像データを、前記電子メール手段を介して収集することを特徴とする請求項1乃至4の何れかの項に記載の通帳発行システム。
【請求項6】
前記データ収集手段が収集する前記口座開設情報には、前記通帳の表面に印刷されるデータと、前記通帳の裏面に印刷されるデータとを含めることができることを特徴とする請求項1乃至5の何れかの項に記載の通帳発行システム。
【請求項7】
金融機関グループに属する複数の金融機関の仕事を代行し、前記複数の金融機関の間で共通して発行される顧客の通帳を作成する通帳発行依頼受付サーバであって、
口座開設に必要な口座開設情報を収集するための口座開設情報入力画面を掲載したウェブページを、前記顧客が使用する顧客端末装置に送信するウェブページ提供手段と、
前記顧客が前記通帳に印刷されることを希望する画像を、前記ウェブページを介して選択させると共に、前記選択された画像の画像データを含む口座開設情報を、前記ウェブページ、若しくは前記ウェブページと電子メール手段とを介して収集するデータ収集手段と、
前記収集された口座開設情報を、印刷形式データに埋め込む通帳作成手段と、
前記印刷形式データを発行前の通帳に印刷する通帳印刷手段と、
を備えたことを特徴とする通帳発行依頼受付サーバ。
【請求項8】
請求項1乃至6の何れかの項に記載の通帳発行システムによって作成された通帳。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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