説明

通帳発行装置

【課題】通帳カセットに通帳が表裏を逆の向きで誤装填された場合、装填直後にそれを検出して係員に知らせることができるようにする。
【解決手段】通帳の表面にステルスバーコードを、裏面には標準バーコードを設け、通帳12を移送するキャリア2に通帳表裏面のバーコードに対応するステルスバーコードリーダ10と標準バーコードリーダ11を設けて、通帳カセット3に通帳を装填したとき、各通帳カセット3に装填されている通帳のバーコードがステルスバーコードリーダ10と標準バーコードリーダ11によって読み取れたか否かをかにより、通帳が正しく装填されているか否かを制御部9で判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行等の金融機関で使用される通帳発行装置に関するもので、特に種別の異なる通帳を種別毎に通帳カセットに収納して、指定された種別の通帳を発行する通帳発行装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の通帳発行装置として例えば特許文献1に開示されたものがある。
図8はこの特許文献1に開示された通帳発行装置を示す概略構成図で、この通帳発行装置1はカセット収納部4及び通帳処理部5を備えている。
カセット収納部4は、中央部に上下方向に移動可能なキャリア2を有し、このキャリア2の移動経路に沿ってその両側に通帳カセット3が複数段設けられており、種別の異なる通帳が種別毎に通帳カセット3に収納され、図示しない上位装置あるいは入力手段により指定された種別の通帳がキャリア2により通帳カセット3から取込まれるものとなっている。
【0003】
図9は通帳カセット3に通帳12が装填された状態を示す側面図で、この図に示したように通帳12は各カセット収納部4に取外し可能に装着された通帳カセット3内に綴じ目側を上にして斜めに傾斜した状態で整列させて収納されており、コイルスプリング等により付勢された押圧板によってキャリア2側に設けられた繰出し口側に押圧されている。
ここで図に向かって右側の通帳カセット3にはキャリア2側に通帳表面が向くように通帳12が装填され、向かって左側の通帳カセット3にはキャリア2側に通帳裏面が向くように通帳12が装填されるものとなっている。
【0004】
通帳処理部5は、図示しない通帳搬送路と、この通帳搬送路に沿って配置された磁気ヘッド、頁めくり手段、印字手段、頁検知手段、印字済行検知手段等を有し、前記キャリア2から通帳搬送路に送り込まれた通帳を搬送して、通帳の磁気ストライプに対する磁気データの書込み及び読取り、表紙及び頁の順めくりあるいは逆めくり、頁検知、印字済行数検知、印字を行い、すべての処理が終わった後、通帳を通帳発行口に搬送して発行するものとなっている。
【特許文献1】特開2007−25921号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術においては、キャリアの移動経路の両側に配置される通帳カセットに通帳が表裏を逆の向きで誤装填された場合、通帳発行時に通帳が通帳処理部に移送されて磁気ストライプの読取りが行われるまで誤装填されたことが判らないという問題がある。
また、通帳カセットに本来装填すべき通帳と異なる種類の通帳が誤装填された場合、やはり通帳が通帳処理部に移送されて磁気ストライプの読取りが行われて、通帳種類の識別が行われるまで種類の異なる通帳が誤装填されたことが判らないという問題もある。
【0006】
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、本発明は、上下動可能なキャリアの移動経路の両側に通帳カセットを配置し、該通帳カセットから繰出した通帳を前記キャリアにより通帳処理部に移送する通帳発行装置において、通帳の表裏面に該通帳の種別を示す情報を種類の異なるバーコードとして設け、前記移動経路の一方の側に配置した通帳カセットには通帳を表面が前記キャリア側になるように装填するものとすると共に前記前記移動経路の他方の側に配置した通帳カセットには通帳の裏面が前記キャリア側になるように装填するものとし、前記キャリアには前記通帳の表裏面のバーコードに対応する複数のバーコードリーダを設けて、前記通帳カセットに通帳が装填されたとき、前記それぞれのバーコードリーダで前記装填された最前部の通帳のバーコードの読取りを行い、バーコードが読取れたか否かにより通帳が正しい向きで装填されたか否かを判断することを特徴とする。
【0008】
また本発明は前記通帳発行装置において、前記バーコードが読取れたとき、そのバーコードの情報により通帳の種別を判別して、予め通帳カセットに割当てられた種別の通帳か否かを判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
このようにした本発明は、通帳カセットに通帳を装填したとき、各通帳カセットに装填されている通帳のバーコードがキャリアに設けたバーコードリーダによって読み取れたか否かをかにより、通帳が正しく装填されているか否かを判断するようにしているため、通帳カセットに通帳が表裏を逆の向きで誤装填された場合、装填直後にそれを検出して係員に知らせることができるという効果が得られる。
【0010】
また、前記バーコードとして通帳の種別を示す情報が用いられているため、通帳装填時にバーコードリーダによりバーコードが読取れた場合、その通帳の種別を確認することで通帳カセットに本来装填すべき通帳と異なる種類の通帳が誤装填されていた場合、それを検出して係員に知らせることができるという効果も得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明による通帳発行装置の実施例を説明する。
【実施例】
【0012】
図1は第1の実施例の概略構成を示すブロック図である。
図において1は通帳発行装置で、上位装置である通帳情報管理サーバ20と専用回線を介して通信可能に接続されている。
この通帳発行装置1は、カセット収納部4、通帳処理部5、通帳発行口6、表示部7、入力部8、及びこれら各部を制御する制御部9等を備えている。
【0013】
ここでカセット収納部4は、中央部に上下方向に移動可能なキャリア2を有し、このキャリア2の移動経路に沿ってその両側に通帳カセット3が複数段設けられている。
各通帳カセット3にはカセット番号(識別情報)が付与され、そのカセット番号により制御部12が通帳カセット3の装着の有無等を管理するものとなっている。
キャリア2の下部には、図に向かって右側の通帳カセット3に収納されている通帳の情報を読取るステルスバーコードリーダ10及び左側の通帳カセット3に収納される通帳の情報を読取る標準バーコードリーダ11が装備されている。
【0014】
通帳処理部5は、図示しない通帳搬送路と、この通帳搬送路に沿って配置された磁気ヘッド、頁めくり手段、印字手段、頁検知手段、印字済行検知手段等有し、前記キャリア2から通帳搬送路に送り込まれた通帳を搬送して、通帳の磁気ストライプに対する磁気データの書込み及び読取り、表紙及び頁の順めくりあるいは逆めくり、頁検知、印字済行数検知、印字を行い、すべての処理が終わった後、通帳を通帳発行口6に搬送して発行するものとなっている。
【0015】
表示部7にはLCD等が用いられ、入力部8としてはオペレータ(係員)操作用のキーボードが用いられるが、表示部7上にタッチパネルを配して入力部8とすることも可能である。
制御部9は、図示しない記憶部に記憶された制御プログラムに従ってキャリア2、通帳カセット3、通帳処理部5、表示部7、入力部8等を制御し、通帳の発行処理を実行すると共に、ステルスバーコードリーダ10及び標準バーコードリーダ11の読取り結果に基づいて通帳種別の識別を行う機能を有している。
【0016】
通帳情報管理サーバ20は管理テーブル21を有し、この管理テーブル21には、どのカセットにどの種別の通帳が格納されているかを確認するための通帳カセット毎の識別情報であるカセット番号と、通帳カセット毎に割り当てられた通帳の種別を示す通帳種別情報が通帳カセットの識別情報に対応付けて格納されている。
図2は通帳カセット3に収納される通帳12の説明図で、同図(a)に示したように通帳12の表面(表紙外面)には、その中央下部にステルスバーコード12aが印刷され、同図(b)に示したように通帳12の裏面(裏表紙外面)には、その中央下部に標準バーコード12bが印刷されていて、このステルスバーコード12aと標準バーコード12bは普通預金通帳あるいは総合口座通帳などの通帳の種別を示す同一内容の情報が記録されている。
【0017】
尚、ステルスバーコード12aは通常の状態では視認できないステルス性インクにより印刷されており、通帳12に印刷される模様やイラスト等のデザインに影響を与えないものとなっている。
また、標準バーコードは視認可能なインクにより、複数のバーを平行に印刷したものである。
【0018】
図3は通帳カセット3の側面図で、この図に示したように通帳12は各カセット収納部4に取外し可能に装着された通帳カセット3内に綴じ目側を上にして斜めに傾斜した状態で整列させて収納されており、コイルスプリング等により付勢された押圧板によってキャリア2側に設けられた繰出し口側に押圧されている。
ここで図に向かって右側の通帳カセット3にはキャリア2側に通帳表面が向くように通帳12が装填され、向かって左側の通帳カセット3にはキャリア2側に通帳裏面が向くように通帳12が装填されるものとなっている。
【0019】
また、通帳カセット3内の通帳12は後述するピッカローラにより傾斜したまま上方へ1冊ずつ繰出され、繰出された通帳12はキャリア2に取込まれて通帳処理部5へ移送されるものとなっている。
図4は左右の通帳カセット3の正面図で、同図(a)は図3のA−A矢視図、同図(b)は図3のB−B矢視図である。
【0020】
この図に示したよう通帳12が表裏を正常な向きにして通帳カセット3に装填されている場合、右側の通帳カセット3に装填された通帳12は通帳表面のステルスバーコード12aがキャリア2のステルスバーコードリーダ10側を向き、左側の通帳カセット3に装填された通帳12は通帳裏面の標準バーコード12bがキャリア2の標準バーコードリーダ11側を向くものとなる。
【0021】
図5はキャリア2の概略図で、この図に示したようにキャリア2に設けられたステルスバーコードリーダ10は発光部10aと受光部10bから成り、発光部10aからの光が通帳12のステルスバーコード12aを照射し、その反射光を受光部10bで受光することによりステルスバーコード12aの読取りを行うものとなっている。
また、標準バーコードリーダ11も発光部11aと受光部11bから成り、同様に標準バーコード12bの読取りを行うものとなっている。
【0022】
13はキャリア2に搭載されたピッカローラで、揺動可能なブラケット14に回転可能に支持され、駆動モータ15により図示しないベルトを介して時計方向及び反時計方向に回転するようになっている。
16aと16bはピッカローラ13により通帳カセット3から繰出された通帳12を検知する検知センサで、検知センサ16aは図1または図3に向かって右側の通帳カセット3から繰出された通帳12を検知し、検知センサ16bは左側の通帳カセット3から繰出された通帳12を検知するようにキャリア2に配置されている。
【0023】
尚、ブラケット14の揺動や駆動モータ15の駆動、検知センサ16a、16bの通帳検知等も制御部9により制御されるものである。
また、各通帳カセット3には、ステルスバーコードリーダ10や標準バーコードリーダ11によるステルスバーコード12aや標準バーコード12bの読取り、及びピッカローラ13による通帳12の繰出しを可能にするためのスリットあるいは窓穴が形成されている。
【0024】
上述した構成の作用について説明する。
尚、以下に説明する各部の動作は、図示しない記憶部に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて制御部9により制御されるものとする。
銀行の係員が通帳発行装置1に設けられた扉を開いて通帳カセット3に通帳12を装填する。
【0025】
このとき図4に示したように表裏が正常な向きで装填された場合、右側の通帳カセット3に装填された通帳12はステルスバーコード12aがキャリア2側、左側の通帳カセット3に装填された通帳12は標準バーコード12bがキャリア2側になる。
係員が通帳装填後に通帳発行装置1の扉を閉めると、制御部9の制御によりキャリア2が上下動し、キャリア2に設けられているステルスバーコードリーダ10及び標準バーコードリーダ11がそれぞれ最上段または最下段の通帳カセット3から順に各通帳カセット3に装填されている通帳12のステルスバーコード12a及び標準バーコード12bを読取る。
【0026】
このステルスバーコード12a及び標準バーコード12bの情報は通帳種別を示す情報である。
読取られたバーコード情報は制御部9によって通帳情報管理サーバ20に送られ、通帳情報管理サーバ20で管理テーブル21の通帳種別情報と照合が行われる。
この場合、通帳発行装置1の制御部9から通帳情報管理サーバ20に送られるのは、上記のように通帳種別を示す情報であるが、ステルスバーコードリーダ10及び標準バーコードリーダ11がどの通帳カセット3の通帳12から読取るかが判っているので、送られてくる情報に対応する通帳カセット3はその順序により識別可能であり、従って通帳情報管理サーバ20は管理テーブル21の該当するカセッ情報から通帳種別情報を読出して送られてきた通帳種別情報と照合することができ、これにより通帳カセット3に割り当てられた種類の通帳12か否かを判断する。
【0027】
照合の結果、通帳カセット3毎に割り当てられている通帳12の種別が一致しないものがある場合は、その旨の通知が通帳発行装置1に送信され、この通知を制御部9が受信すると、制御部9は通帳の種別が一致しない旨のメッセージと該当カセット番号等を配した内容のエラー画面を表示部7に表示して係員の装填種別エラーであることを通知する。
一方、係員が表裏を逆にして通帳12を通帳カセット3に装填した場合、通帳裏面の標準バーコード12aがステルスバーコードリーダ10側を向き、通帳表面のステルスバーコード12aが標準バーコードリーダ11側を向くため、ステルスバーコードリーダ10や標準バーコードリーダ11は読取が不可となる。
【0028】
そのため、制御部9は前記のようにキャリア2が上下動させて、ステルスバーコードリーダ10及び標準バーコードリーダ11により読取りを行ったとき、ステルスバーコード12a及び標準バーコード12bが読取れたか否かにより、通帳が正しい向きで装填されているか否かを判断し、正しい向きで装填されていない通帳12があった場合、その旨のメッセージセージと該当カセット番号等を配した内容のエラー画面を表示部7に表示して係員の表裏装填エラーであることを通知する。
【0029】
以上説明したように、第1の実施例では、通帳の表裏面に種類の異なるバーコードを設け、通帳を移送するキャリアに表裏面のバーコードに対応するバーコードリーダを設けて、通帳カセットに通帳を装填したとき、各通帳カセットに装填されている通帳のバーコードがキャリアに設けたバーコードリーダによって読み取れたか否かをかにより、通帳が正しく装填されているか否かを判断するようにしているため、通帳カセットに通帳が表裏を逆の向きで誤装填された場合、装填直後にそれを検出して係員に知らせることができるという効果が得られる。
【0030】
また、前記バーコードとして通帳の種別を示す情報が用いられているため、通帳装填時にバーコードリーダによりバーコードが読取れた場合、その通帳の種別を確認することで通帳カセットに本来装填すべき通帳と異なる種類の通帳が誤装填されていた場合、それを検出して係員に知らせることができるという効果も得られる。
次に第2の実施例について説明する。
【0031】
この第2の実施例の構成は第1の実施例と同様であり、各通帳カセット3への通帳12の装填も同様に行われる。
図6は通帳カセット3内に残りの通帳12がある状態において間違った状態で通帳12が補充された場合を示す図で、同図(a)は残りの通帳12の後ろに異なる種類の通帳12が補充された場合の説明図、同図(b)は残りの通帳12の後ろに表裏が逆の向きで通帳が補充された場合の説明図である。
【0032】
図7は第2の実施例の作用を示す側面図で、キャリア2に設けられたピッカローラ13により通帳カセット3から通帳12を繰出す状態を示している。
この図6及び図7を参照して第2の実施例の作用について説明する。
図7に示したよう繰出すべき通帳12が装填されている通帳カセット3に対応する通帳繰出し位置にキャリア2を停止させ、ブラケット14を右側に揺動させてピッカローラ13を最前面の通帳12に当接させた後、駆動モータ15によりピッカローラ13を反時計方向に回転させて通帳カセット3から最前面の通帳12を繰出す。
【0033】
そして、この通帳12が2冊目の通帳12のステルスバーコード12aが読取り可能な位置まで繰出されたら、ステルスバーコードリーダ10により2冊目の通帳12のステルスバーコード12aを読取り、ステルスバーコード12aの読み取りができた場合、第1の実施例と同様にそのバーコード情報を通帳情報管理サーバ20に送信して、通帳情報管理サーバ20で管理テーブル21の通帳種別情報と照合を行う。
【0034】
このようにして通帳12を繰出す毎に、次の通帳12のステルスバーコード12aを読取って、通帳12の種別の照合を行うことで通帳カセット3に割り当てられた種類の通帳12か否かを判断し、図6(a)に示したように、残りの通帳12の後ろに異なる種別の通帳12が補充されていた場合、つまり通帳カセット3毎に割り当てられている通帳12の種別が一致しない場合は、その通帳12を繰出す前に種類の異なる通帳12が補充されていることを検出することが可能となる。
【0035】
この場合、第1の実施例と同様に、通帳の種類が一致しない旨の通知が通帳情報管理サーバ20から通帳発行装置1に送信され、この通知を制御部9が受信すると、制御部9は通帳の種別が一致しない旨のメッセージと該当カセット番号等を配した内容のエラー画面を表示部7に表示して係員の装填種別エラーであることを通知する。
一方、図6(b)に示すように残りの通帳12の後に表裏が逆の状態で通帳が補充された場合、通帳裏面の標準バーコード12aがステルスバーコードリーダ10側を向くため、ステルスバーコードリーダ10は読取が不可となる。
【0036】
そのため、通帳12を繰出す毎に、次の通帳12に対してステルスバーコードリーダ10により読取りを行ったとき、ステルスバーコード12が読取れたか否かにより、通帳12が正しい向きで装填されているか否かを判断し、正しい向きで装填されていない場合、制御部9はその旨のメッセージセージと該当カセット番号等を配した内容のエラー画面を表示部7に表示して係員の表裏装填エラーであることを通知する。
【0037】
尚、右側の通帳カセット3に補充された通帳についても同様の処理が行われることは無論である。
以上説明したように、第2の実施例では、通帳カセットから通帳を繰出す毎にバーコードをキャリアに設けたバーコードリーダによって次の通帳のバーコードを読取り、バーコードが読取れたか否かにより、通帳が正しく装填されているか否かを判断するようにしているため、通帳カセット内に残りの通帳がある状態で、係員により通帳の補充(装填)が行われたとき、残りの通帳の後ろに表裏が逆の向きで通帳が補充された場合でも、その通帳の繰出し前に、表裏を逆の向きで誤装填されていることを検出して係員に知らせることができるという効果が得られる。
【0038】
また、通帳カセットから通帳を繰出す毎に次の通帳からバーコードの読取りを行って、バーコードが読み取れた場合、そのバーコード情報により通帳の種別の確認を行っているため、通帳カセット内に残りの通帳がある状態で、係員により通帳の補充(装填)が行われたとき、通帳カセットに本来装填すべき通帳と異なる種別の通帳が誤装填されていた場合でも、それを検出して係員に知らせることができるという効果も得られる。
【0039】
尚、上述した第1、第2の実施例では、通帳12の表面(表紙外面)にステルスバーコード12aが印刷され、通帳12の裏面(裏表紙外面)に標準バーコード12bが印刷されているものとして説明したが逆であってもよく、また、標準バーコード12部に変えて二次元バーコードを用いることも可能である。
また、上述した第1、第2の実施例では、通帳12から読取ったステルスバーコード12aや標準バーコード12bから読取ったバーコード情報を通帳情報管理サーバ20送信して、通帳の種別を確認するものとして説明したが、通帳発行装置1の起動時等に通帳情報管理サーバ20から通帳カセット毎のカセット番号等の識別情報と、通帳カセット毎に収納される通帳の種別を示す通帳種別情報を受信して、通帳発行装置1の図示しない記憶部に記憶させ、この記憶部に記憶した通帳カセットの識別情報と通帳種別情報を用いて通帳発行装置1の制御部9で通帳の種別を確認することも可能であり、更に前記記憶部に予め固定情報として通帳カセット3の識別情報と通帳種別情報を記憶させて、制御部9により通帳の種別を確認することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第1の実施例の概略構成を示すブロック図
【図2】通帳カセットに収納される通帳の説明図
【図3】通帳カセットの側面図
【図4】左右の通帳カセットの正面図
【図5】キャリアの概略図
【図6】間違った状態で通帳が補充された場合を示す図
【図7】第2の実施例の作用を示す側面図
【図8】従来の通帳発行装置を示す概略構成図
【図9】通帳カセットに通帳が装填された状態を示す側面図
【符号の説明】
【0041】
1 通帳発行装置
2 キャリア
3 通帳カセット
4 カセット収納部
5 通帳処理部
6 通帳発行口
9 制御部
10 ステルスバーコードリーダ
11 標準バーコードリーダ
12 通帳
12a ステルスバーコード
12b 標準バーコード
13 ピッカローラ
20 通帳情報管理サーバ
21 管理テーブル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下動可能なキャリアの移動経路の両側に通帳カセットを配置し、該通帳カセットから繰出した通帳を前記キャリアにより通帳処理部に移送する通帳発行装置において、
通帳の表裏面に該通帳の種別を示す情報を種類の異なるバーコードとして設け、
前記移動経路の一方の側に配置した通帳カセットには通帳を表面が前記キャリア側になるように装填するものとすると共に前記前記移動経路の他方の側に配置した通帳カセットには通帳の裏面が前記キャリア側になるように装填するものとし、
前記キャリアには前記通帳の表裏面のバーコードに対応する複数のバーコードリーダを設けて、
前記通帳カセットに通帳が装填されたとき、前記それぞれのバーコードリーダで前記装填された最前部の通帳のバーコードの読取りを行い、バーコードが読取れたか否かにより通帳が正しい向きで装填されたか否かを判断することを特徴とする通帳発行装置。
【請求項2】
請求項1記載の通帳発行装置において、
前記バーコードが読取れたとき、そのバーコードの情報を用いて予め通帳カセットに割当てられた種別の通帳か否かを判断することを特徴とする通帳発行装置。
【請求項3】
請求項1記載の通帳発行装置において、
前記通帳カセットから通帳が繰出された際、次の通帳のバーコードを対応するバーコードリーダで読み取りを行って、バーコードが読取れたか否かにより次の通帳が正しい向きで装填されているか否かを判断することを特徴とする通帳発行装置。
【請求項4】
請求項3記載の通帳発行装置において、
前記次の通帳のバーコードが読取れたとき、そのバーコードの情報を用いて予め通帳カセットに割当てられた種別の通帳か否かを判断することを特徴とする通帳発行装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4記載のいずれか1項記載の通帳発行装置において、前記通帳の表裏面の一方の面のバーコードは、ステルスバーコードとすることを特徴とする通帳発行装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2008−282290(P2008−282290A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127427(P2007−127427)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】