通気栓
【課題】通気膜の破損が生じにくい構造の通気栓を提供すること。
【解決手段】貫通孔1aを有する筒状部材1と、該筒状部材1に連設され、前記貫通孔1aを横断する支持体2と、前記筒状部材1に周着された通気膜3とを備え、前記通気膜3が前記支持体2に保持されており、前記通気膜3には前記支持体2の形状に沿った凸状部3aが形成されるようにした通気栓を作製する。
【解決手段】貫通孔1aを有する筒状部材1と、該筒状部材1に連設され、前記貫通孔1aを横断する支持体2と、前記筒状部材1に周着された通気膜3とを備え、前記通気膜3が前記支持体2に保持されており、前記通気膜3には前記支持体2の形状に沿った凸状部3aが形成されるようにした通気栓を作製する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体は通過させつつも水滴や油滴のような液体を遮断する機能を有する通気膜を備えた通気栓に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のヘッドランプ、リアランプ、フォグランプ、パワーウィンドー、圧力センサー、圧力スイッチ、エンジンコントロールユニット等の電気装置は、水や油、界面活性剤等の液体に曝される環境下で使用されるものである。また一般家電製品の中でも、電気カミソリ、携帯電話、電動歯ブラシ等、水や油、界面活性剤等の液体に曝される環境下で使用されるものがある。これらの電気装置では、内部に電子部品を収納するケースの防滴性を高くする必要があるが、全くの密閉状態にしてしまうと、温度変化によってケース内部の気体が膨張・収縮する際に、ケース内外に圧力差が発生し、ケースに過大な負荷がかかってしまう。従って上記ケースは、液体の侵入は防止しつつも、気体は出入り可能な状態にしておく必要がある。
【0003】
特許文献1には、有底円筒状のカバー部品と、その内部に嵌装された筒状体とから構成されており、カバー部品の内周と筒状体の外周との間、カバー部品の底面と筒状体の底部との間に迷路状の通気路を形成することにより、防水性と通気性を発揮させる通気キャップが記載されている。
【0004】
特許文献2には、自動車用パワーウィンドーの電動モーターケースに取り付ける通気可能栓が記載されている。この円筒状栓本体のシート接合部には、栓本体内部を塞ぐようにして通気シートを形成することにより、モーターケース内部に水が侵入するのを防止するとともに、通気膜の機能によりケース内部と外部との間を通気可能にしている。
【0005】
特許文献3には、ゴム材等の弾性部材からなる装着本体の一方の開口部端面に、部分的に突出する閉塞防止突起を装着本体に形成し、装着本体の開口部を覆うように防水シートを固着して装着部材を形成し、この装着部材を呼吸口の筒状部に着脱可能に嵌着したモータが記載されている。この装着部材によれば、呼吸口への雨水等の水の浸入を防止でき、また、上記突起の存在により、呼吸口の開口部が他の部材の面と接触して閉塞されることが防止されるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−143524号公報(図1)
【特許文献2】特開2003−63549号公報(図1、図2)
【特許文献3】特開2008−148388号公報(図4、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記従来の通気キャップ(通気栓)を使用した場合、通気栓の取り扱い時、例えば、通気栓をモーターケースに装着する際に、作業者の手指や取り付け装置等(以下、「手指等」という)が通気膜に接触して破損することがあった。かかる事情に鑑み、本発明は、多少の接触があっても通気膜が破損しない、或いは、多少破損したとしても液体や気体がリークしない構造の通気栓を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成し得た本発明の通気栓は、
貫通孔を有する筒状部材と、該筒状部材に連設され、前記貫通孔を横断する支持体と、前記筒状部材に周着された通気膜とを備え、前記通気膜が前記支持体に保持されており、前記通気膜には前記支持体の形状に沿った凸状部が形成されているものである。
【0009】
上記通気栓において、前記筒状部材と前記支持体とが同じ材料により一体的に形成されていることが望ましい。
【0010】
上記通気栓において、前記支持体が枝分かれ構造を有しており、前記筒状部材の3箇所以上に連設されている態様を適用することができる。
【0011】
上記通気栓において、前記支持体が十字構造を有しており、前記筒状部材の4箇所以上に連設されている態様を適用することができる。
【0012】
上記通気栓において、前記支持体が網目構造を有している態様を適用することが望ましい。
【0013】
上記通気栓において、前記支持体が円弧形状を有している態様を適用することが望ましい。
【0014】
上記通気栓において、前記筒状部材は、前記通気膜が周着された部分において突起部を有している態様を適用することが好ましい。また、前記突起部の頂点は、前記通気膜の凸状部の頂点よりも高い位置にあることが一層好ましい。
【0015】
上記通気栓において、前記支持体が前記貫通孔を完全に横断することなく途切れている態様を適用することができる。
【0016】
上記通気栓において、前記支持体が突起部を有する態様を適用することができる。
【0017】
上記通気栓において、前記通気膜を多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜とすることが望ましい。
【0018】
上記通気栓において、前記通気膜が撥液性を有するものであることが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の通気栓は、支持体と、この支持体に保持された通気膜を有しており、通気膜には支持体の形状に沿った凸状部が形成されているため、通気栓をモーターケースに装着する際に手指等が通気膜に接触しても通気膜が破損しにくく、また、通気膜が多少破損したとしても液体や気体がリークし難い優れた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(a)は本発明の実施の形態1に係る通気栓の分解図、(b)は完成した通気栓の斜視図、(c)は同通気栓の断面図である。
【図2】(a)は本発明の実施の形態2に係る通気栓の分解図、(b)は完成した通気栓の斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態3に係る通気栓の斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態4に係る通気栓の斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態5に係る通気栓の斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態6に係る通気栓の斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態7に係る通気栓の斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態8に係る通気栓の斜視図である。
【図9】(a)は本発明の実施の形態9に係る通気栓の斜視図、(b)は支持体2を含む断面図である。
【図10】本発明の通気栓の使用例を示す図である。
【図11】本発明の通気栓の他の使用例を示す図である。
【図12】本発明の通気栓の製造プロセス例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
1.通気栓の構造
以下、本発明の実施の形態における通気栓の構造について図面を参照しながら説明する。
【0022】
(実施の形態1)
図1(a)〜(c)は、本発明の実施の形態1に係る通気栓を示すものであり、(a)は、通気栓の内部構造を理解するための分解図、(b)は、完成した通気栓の斜視図、(c)は、同通気栓の断面図である。図1(a)は、上記の通り分解図であり、通気膜3の筒状部材1への装着工程がこのような形態に限定されるものではない。なお、通気膜3は、実際に使用されるものよりも厚めに描いている。
【0023】
図1(a)〜(c)において、貫通孔1aを有する筒状部材1には貫通孔1aを横断する支持体2が連設されている。また、筒状部材1及び支持体2を覆うように通気膜3が装着されている。図1(a)〜(c)、特に(c)に示すように、通気膜3は、支持体2に保持されており、通気膜3には支持体2の形状に沿った凸状部3aが形成されている。
【0024】
通気膜3のうち、筒状部材1に周状に接している部分を「周着領域」と呼ぶこととする。また、筒状部材1に接しておらず貫通孔1aに面している部分では、貫通孔1aを通じて通気が可能であることから、これを「通気領域」と呼ぶこととする。なお、特に断らない限り、通気膜3が支持体2に保持されている部分も便宜上「通気領域」と呼ぶこととする。
【0025】
通気膜3の通気領域には上記のように、支持体2の形状に沿った凸状部3aが形成されているため、通気領域の上方から手指等が接近した際には、手指等は、通気領域中で小高くなっている凸状部3aに最初に接触する確率が高い。凸状部3aに手指等が接触しても、凸状部3aの裏側には支持体2が設けられているため、支持体2がクッションとなり手指等の接触が起きても通気膜3は破損しにくい。また、仮に通気膜3に破損が生じたとしても、支持体2の存在により、液体や気体のリークは最小限にとどまる。
【0026】
より詳しく説明すると、実施の形態1にかかる通気栓では、通気膜3の通気領域のうち、手指等が最初に接触する確率が高い部分は、周囲に比べて相対的に高く形成されている凸状部3aである。したがって、手指等が通気栓に接近した場合に凸状部3aに優先的に接触するため、支持体2が形成されていない部分に手指等が接触する確率を相対的に低減させることができ、そのため手指等が通気膜3を破損させる確率が低減される。また、通気膜3が万一破損した場合でも、支持体2の存在により液体や気体のリーク確率を低減させるものである。
【0027】
なお、図1に示すように、支持体2の幅を筒状部材1に向かって大きくなるように、すなわち台形状に形成すれば通気膜3が支持体2の側面に密着し易くなるため、通気膜3に凸状部3aを形成し易くなるので好ましい実施形態である。
【0028】
また本発明の必須要件ではないが、実施の形態1に係る通気栓のように、通気膜3の周着領域の外周部が筒状部材1の側面部に接していることが望ましい。通気膜3上に滞留した液滴を通気栓の側面部までスムーズに導くことができるためである。
【0029】
本発明の実施の形態1に係る通気栓は、例えば、通気と防滴の双方を必要とする電気装置の収納ケースに用いられる。収納ケースには、例えば円状の穴が空けられており、通気栓はこの穴に差し込まれるようにして取り付けられる。図1に示したように、通気栓の筒状部材1の側面をテーパー形状にすれば、通気栓を当該穴に確実に差し込むことができる。
【0030】
(実施の形態2)
図2(a)、(b)は、本発明の実施の形態2に係る通気栓を示すものであり、(a)は、通気栓の内部構造を理解するための分解図、(b)は、完成した通気栓の斜視図である。実施の形態2に係る通気栓も基本的には実施の形態1に係る通気栓と同様のものであるが、実施の形態1では、支持体2が通気栓の筒状部材1の上に載置されているような態様であったが、実施の形態2では、支持体2が筒状部材1の貫通孔1a内に形成されており、筒状部材1の上面よりも高い位置には支持体2は存在していない。このような形態であっても、通気膜3の通気領域であって支持体2が存在していない部分において通気膜3が撓み等により垂れ下がるため、支持体2が存在している部分では支持体2の形状に沿った凸状部3aが形成される。これにより、実施の形態1において説明した通り手指等によって通気膜3が破損される確率が低減される。
【0031】
実施の形態2では、実施の形態1に係る通気栓の効果を有しつつ、筒状部材1の上面よりも高い位置には支持体2は形成していないため、手指等が通気膜3に接触する確率そのものが実施の形態1の場合に比べて低い。
【0032】
なお、上記実施の形態1および2においては、支持体2を1本形成した場合について図示して説明したが、支持体2を2本以上形成すれば通気膜3が破損する確率を一層低減することが可能となる。
【0033】
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3に係る通気栓の斜視図である。実施の形態3に係る通気栓では支持体2が枝分かれ構造を有しており、支持体2の端部は筒状部材1にそれぞれ連設されている。通気膜3が破損する確率を広範囲に渡って低くするためには、上述したように棒状の支持体2を複数形成する方法も考えられるが、単純に支持体2の本数を増やした場合、通気膜3の通気領域と支持体2の接触による通気効率の低下(圧力損失の上昇)を伴うことがある。これに対して、実施の形態3に係る通気栓のように支持体2が枝分かれ構造を有していれば、必要な部分に支持体2を配置することができるため、通気膜3の低圧力損失を維持しつつ、広範囲に渡って通気膜3の破損する確率を効率よく低減することができる。
【0034】
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4に係る通気栓の斜視図である。実施の形態4に係る通気栓は、支持体2が十字構造を有しており、筒状部材1の4箇所に連設されている。実施の形態3に係る通気栓と同様に、通気膜3の圧力損失の大幅な増大を伴うことなく、広範囲に渡って通気膜3の破損する確率を効率よく低減することができる。
【0035】
(実施の形態5)
図5は、本発明の実施の形態5に係る通気栓の斜視図である。実施の形態5に係る通気栓は、支持体2が網目構造を有している。実施の形態3または4に係る通気栓と同様に、通気膜3の圧力損失の大幅な増大を伴うことなく、広範囲に渡って通気膜3の破損する確率を効率よく低減することができる。特に、図5に示した支持体2は、網目構造の中でもハニカム構造と呼ばれる蜂の巣状の形状を有しており、高強度を実現できる。したがって、手指等の外部からの応力に対して一定の剛性を有し、また通気膜3の収縮等の変形力に対する抗力を備えるものである。
【0036】
網目の一つひとつの形状として、図5に示した六角形の他、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形、三角形、その他の多角形状を適用することができる。その他にも、円形や楕円形など、曲線を含む形状も勿論適用可能である。
【0037】
(実施の形態6)
図6は、本発明の実施の形態6に係る通気栓の斜視図である。実施の形態6に係る通気栓は、支持体2が円弧形状を有している。この場合、通気膜3の通気領域をドーム状にすることができるため、同じ形状の筒状部材1を用いても通気領域が平面状である場合に比べて通気領域の面積を増加させることができる。従って、支持体2を設けたことによる通気膜3の圧力損失の増加分を減じることが可能であり、更には、圧力損失の増加分を全て相殺して、より低圧力損失の通気栓を提供することも可能となる。また、通気領域が膨らむことで、通気領域での液体の滞留を防ぐ効果もある。
【0038】
(実施の形態7)
図7は、本発明の実施の形態7に係る通気栓の斜視図である。但し、形状の理解のため、通気膜3が形成されていない状態のものを示している。実施の形態7に係る通気栓は、基本的構造は実施の形態1に係る通気栓と同様のものであるが、実施の形態7に係る通気栓では、通気膜3の周着領域おいて筒状部材1に突起部1bが形成されている。この突起部1bは、手指等が通気栓に接近した際の防護堤となり、手指等が通気膜3に直接触れることを防止する。そのため、通気膜3が破損する確率を低減することができる。なお、突起部1bは筒状部材1の一部として一体的に形成されたものであってもよいし、筒状部材1に別途追加された部品であってもよい。
【0039】
通気膜3は、周着領域において突起部1bを覆うように形成されており、突起部1bの表面形状に沿った形状を有している。従って、通気膜3の通気領域に存在する液滴が突起部1bによって堰き止められることなく、通気膜3上で通気領域から周着領域へとスムーズに移動する。このため、通気栓の内部に液滴が滞留しにくく、屋外やエンジンルーム内等の過酷な使用環境下においても、通気領域のうち液滴が滞留していない部分の面積、すなわち有効開口面積は高く保持され、通気性を維持することができる。
【0040】
なお、突起部1bの頂点が通気膜3の凸状部3aの頂点よりも高い位置となるように通気栓を作製すれば、手指等が通気栓に接近した場合、通気膜3の凸状部3aよりも先に筒状部材1の突起部1bに接触する確率が高くなり、通気膜3の破損を防止する観点からは一層好ましい。より具体的には、突起部1bの頂点が凸状部3aの頂点よりも0.5〜5mm高く設定されていることが望ましい。
【0041】
(実施の形態8)
図8は、本発明の実施の形態8に係る通気栓の斜視図である。実施の形態8に係る通気栓では、支持体2が貫通孔1aを完全に横断することなく途中で途切れている。支持体2が筒状部材1に確実に固定されていることが必要条件であるが、このような構造では、通気膜3の中央部など通気に重要な役割を果たす部分に支持体2を設けないことにより、通気栓の圧力損失を低く保つことができる。
【0042】
(実施の形態9)
図9(a)は、本発明の実施の形態9に係る通気栓の斜視図である。但し、形状の理解のため、通気膜3が形成されていない状態のものを示している。図9(b)は、支持体2を含む断面図であり、この断面図には通気膜3が形成された状態のものを示している。
【0043】
実施の形態9に係る通気栓は、図9(a)、(b)に示されるように、基本的な構造は実施の形態2に係る通気栓と同様のものであるが、実施の形態9に係る通気栓では、支持体2に突起部2aが設けられている点で実施の形態2のものとは異なる。
【0044】
支持体2に突起部2aを設けることは、支持体2の形状に沿った凸状部3aの中でも一段と高い部分を設けることであり、これにより、手指等が接触する確率の高い場所を突起部2aの箇所に確定的に定めておくことができる。突起部2aを設ける位置は、通気膜3の通気領域の中央部であることが好ましい。突起部2aの高さは、突起部2aが設けられていない部分に比べて0.5〜5mm高く設定されていることが望ましい。
【0045】
実施の形態1〜9において、筒状部材1と支持体2とは、別の材料により構成されていてもよいが、後述する射出成型等の方法により同じ材料で一体的に形成されていてもよい。
【0046】
2.通気栓の各構成要素の詳細な説明
次に、本発明の通気栓における筒状部材1および通気膜3の詳細(好ましい材料等)について説明する。
【0047】
(1)筒状部材
筒状部材1の材質は特に限定されないが、上述したように電気装置の一部に通気栓を差し込む用途を考慮すれば、弾力性のある樹脂で構成されることが好ましい。樹脂の例としては、サントプレーン、ミナストマー等のオレフィン系を主とした弾性樹脂、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、アクリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴムなどのゴム系若しくはゴム代替の弾性樹脂、ポリプロピレン(PP)を含むものが望ましい。電気装置の一部に本発明の通気栓を容易に差し込むためには、筒状部材1の硬度(JIS K 6253)は100度以下、より好ましくは80度以下である。筒状部材のシール性を担保するためには、10度以上、より好ましくは40度以上である。ゴム硬度の計測には、デュロメータ(株式会社島津製作所製:DUROMETER A)が用いられる。
【0048】
筒状部材1の突起部1bの高さは、通気孔1aの直径に対し、5〜200%が好ましく、より好ましくは10〜100%、さらに好ましくは15〜50%とすることが望ましい。
【0049】
(2)通気膜
通気膜3の構成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド等を使用することができるが、好ましくは防水性に優れたフッ素樹脂、更に好ましくは、多孔質ポリテトラフルオロエチレン(多孔質PTFE)のフィルムを用いることが推奨される。通気膜3の微視的形状としては、ネット状、メッシュ状、多孔質のものを用いることができる。多孔質PTFEフィルムは、防滴性に優れ、水滴、油滴、塵埃の侵入を防止しつつ電気装置の内外に通気性を持たせる用途に適している。
【0050】
多孔質PTFEフィルムは、PTFEのファインパウダーを成形助剤と混合することにより得られるペーストの成形体から、成形助剤を除去した後、高温高速度で延伸、さらに必要に応じて焼成することにより得られるものである。一軸延伸の場合、ノード(折り畳み結晶)が延伸方向に直角に細い島状となっていて、このノード間を繋ぐようにすだれ状にフィブリル(折り畳み結晶が延伸により解けて引出された直鎖状の分子束)が延伸方向に配向している。そして、フィブリル間、又はフィブリルとノードとで画される空間が空孔となった繊維質構造となっている。また、二軸延伸の場合には、フィブリルが放射状に広がり、フィブリルを繋ぐノードが島状に点在して、フィブリルとノードとで画された空間が多数存在するクモの巣状の繊維質構造となっている。
【0051】
通気膜3は、一軸延伸多孔質PTFEフィルムであっても良いし、二軸延伸多孔質PTFEフィルムであってもよい。
【0052】
通気膜3は、単独で(単層で)使用できるだけの強度を有することが好ましいが、不織布、織物や編物等のネット等、伸縮性を持ち、好ましくは120℃の高温に耐え得る通気性の補強層と積層して使用してもよい。
【0053】
通気膜3の物理的特性としては、1kPa以上、より好ましくは10kPa以上の耐水圧と、1000秒以下、より好ましくは100秒以下の透気度(JIS P 8117)を備えることが望ましい。
【0054】
通気膜3は、その細孔内表面に撥液性を付与されているのが好ましい。通気膜3に撥液性を持たせることで、体脂や機械油、水滴などの様々な汚染物が、通気膜3の細孔内に浸透若しくは保持されるのを抑制できる。これらの汚染物質は、通気膜3の捕集特性や通気特性を低下させ、通気膜としての機能を損なわせる原因となる。なお、筒状部材1の表面全体に撥液性を付与してもよい。
【0055】
なお、特許請求の範囲及び本明細書において、撥液性を付与する方法としては、撥液性材料を使用する、もしくは、撥液剤を添加することでも可能であり、この場合の「撥液」とは、液体をはじく性質乃至は機能を指すものであるとし、「撥液剤」には、「撥水剤」、「撥油剤」、「撥水撥油剤」等を含むものとする。以下、撥水撥油性ポリマーを例に挙げて説明する。
【0056】
撥水撥油性ポリマーとしては、含フッ素側鎖を有するポリマーを用いることができる。撥水撥油性ポリマーおよびそれを多孔質PTFEフィルムに複合化する方法の詳細についてはWO94/22928号公報などに開示されている。
【0057】
また、通気膜3には上記の撥液性材料のほか、親水性材料、導電性材料、着色材料、帯電防止材料、抗菌性材料などを付加することにより、様々な機能性を付与することができる。
【0058】
(3)その他
筒状部材1と通気膜3との接合には、後述するように溶融した筒状部材1に通気膜3を圧着させる方法を用いることができるし、両面粘着テープを使用することもできるが本発明の必須の構成要素ではない。その両面粘着テープには、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ナイロン不織布等を芯材とした不織布基材両面粘着テープ、PET基材両面粘着テープ、ポリイミド基材両面粘着テープ、ナイロン基材両面粘着テープ、発泡体(例えば、ウレタンフォーム、シリコーンフォーム、アクリルフォーム、ポリエチレンフォーム)基材両面粘着テープ、基材レス両面粘着テープなど様々なタイプのものを用いることができる。
【0059】
3.通気栓の使用例
本願発明の通気栓は、例えば内部に電子部品を収納するケース(筐体)に直接又は間接に取り付けられるが、取り付け部位の形状によって筒状部材1の形状は種々変更され得る。
【0060】
図10に示すように、通気栓が通気パイプ4の先端部に取り付けられる場合には、筒状部材1の内側に通気パイプ4の先端が当接する段差部を設けてもよい。また、図示はしていないが、筒状部材1の形状を通気パイプ4の内側と外側の両方に勘合するように形成すれば、通気栓の取り付け強度が高くなる。
【0061】
図11に示すように、通気栓が上記ケース(筐体)5の一部に設けられた有底穴に取り付けられてもよい。当該穴との勘合性を高めることによりシールド性、取り付け強度に優れた通気栓を作製することができる。
【0062】
4.通気栓の製造プロセス例
以下、本発明の通気栓の製造に適用し得るプロセス例について説明する。
【0063】
(1)射出成型(インジェクションモールディング)
溶融させた熱可塑性樹脂を所定の凹状に加工した金型内に圧入し、その後、熱可塑性樹脂を冷却することで通気栓の成型品を得る方法である。工程手順は、図12(a)〜(c)の工程断面図によって示される。
【0064】
まず、図12(a)に示すように第1の金型11及び第2の金型12を向かい合わせて密着させることにより、金型の内部に筒状部材1の形状の空洞を形成する。第1の金型11及び第2の金型12の間には、予め通気膜3を挟持しておく。
【0065】
次に、図12(b)に示すように、注入口13から溶融させた熱可塑性樹脂を第1の金型11内に注入する。熱可塑性樹脂が通気膜3に到達すると、熱可塑性樹脂が通気膜3を第2の金型12の凹部にまで押し上げるため、通気膜3は熱可塑性樹脂の形状に沿った形状に成型される。このとき、第2の金型12の凹部に流れ込んだ溶融樹脂は支持体2の部分を構成するものである。
【0066】
溶融樹脂を注入する際、樹脂の注入圧力で通気膜3(例えばPTFE多孔質体)の空隙部分に樹脂を含侵させ、さらに樹脂を冷却し、硬化させることで樹脂(すなわち成型された筒状部材1)と通気膜3とがアンカー効果によって強固に固着された状態となる。
【0067】
最後に、図12(c)に示すように、第1の金型11及び第2の金型12を脱型することにより、筒状部材1と支持体2とが一体成型され、さらに通気膜3と一体的に形成された通気栓を得ることができる。
【0068】
(2)圧縮成型(コンプレッションモールディング)
工程手順としては上述の射出成型と同様であるが、圧縮成型では加硫によって硬化する樹脂(上記EPDM等のゴム系材料)を高圧のプレス機で所定形状に加工した金型内に圧入し、その後、加硫によって樹脂を硬化させることで通気栓の成型品を得る方法である。樹脂の注入圧力で、通気膜3(例えばPTFE多孔質体)の空隙部分に樹脂を含侵させ、樹脂を冷却・硬化することでアンカー効果による強固な固着効果を得ることができる。
【0069】
(3)その他の方法
射出成型や圧縮成型等の成型加工により、まずは筒状部材1およびこれに一体成型される支持体2を単独で成型しておき、その後、筒状部材1の周着領域に所定の形状の溶着部材を用いて通気膜3を固着することも可能である。固着には、再度熱をかけて筒状部材1を溶かし、溶けた樹脂を通気膜3(例えばPTFE多孔質体)の空隙部分に樹脂を含侵させ、筒状部材1を冷却し固化させることにより筒状部材1と支持体2とが一体成型され、さらに通気膜3と一体的に形成された通気栓を得る方法もある。
【0070】
更にその他、樹脂製の筒状部材1および/または支持体2と、通気膜3とを、接着剤を用いて接着すること、及び、既に詳細に説明したようにこれらを両面粘着テープで固定することも可能である。
【0071】
上記実施の形態1〜9のいずれにおいても、ゴムコンプレッションモールディング成型機(株式会社名機製作所製:Rシリーズ、型締能力 70ton)と、所定形状の空洞を有する金属製の金型を用い、金型の所定の位置に通気膜を設置した後、その金型に未加硫のゴムを圧入し加硫・硬化させて通気栓を得ることができる。なお、筒状部材1および/または支持体2を構成する樹脂には例えばEPDMを用い、通気膜3には、例えば撥油性PTFE膜(孔径1μm、厚さ300μm、空孔率60%(共に公称値))を用いることができる。
【符号の説明】
【0072】
1 筒状部材
1a 貫通孔
1b 突起部
2 支持体
2a 突起部
3 通気膜
3a 凸状部
4 通気パイプ
5 ケース(筐体)
11 第1の金型
12 第2の金型
13 注入口
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体は通過させつつも水滴や油滴のような液体を遮断する機能を有する通気膜を備えた通気栓に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のヘッドランプ、リアランプ、フォグランプ、パワーウィンドー、圧力センサー、圧力スイッチ、エンジンコントロールユニット等の電気装置は、水や油、界面活性剤等の液体に曝される環境下で使用されるものである。また一般家電製品の中でも、電気カミソリ、携帯電話、電動歯ブラシ等、水や油、界面活性剤等の液体に曝される環境下で使用されるものがある。これらの電気装置では、内部に電子部品を収納するケースの防滴性を高くする必要があるが、全くの密閉状態にしてしまうと、温度変化によってケース内部の気体が膨張・収縮する際に、ケース内外に圧力差が発生し、ケースに過大な負荷がかかってしまう。従って上記ケースは、液体の侵入は防止しつつも、気体は出入り可能な状態にしておく必要がある。
【0003】
特許文献1には、有底円筒状のカバー部品と、その内部に嵌装された筒状体とから構成されており、カバー部品の内周と筒状体の外周との間、カバー部品の底面と筒状体の底部との間に迷路状の通気路を形成することにより、防水性と通気性を発揮させる通気キャップが記載されている。
【0004】
特許文献2には、自動車用パワーウィンドーの電動モーターケースに取り付ける通気可能栓が記載されている。この円筒状栓本体のシート接合部には、栓本体内部を塞ぐようにして通気シートを形成することにより、モーターケース内部に水が侵入するのを防止するとともに、通気膜の機能によりケース内部と外部との間を通気可能にしている。
【0005】
特許文献3には、ゴム材等の弾性部材からなる装着本体の一方の開口部端面に、部分的に突出する閉塞防止突起を装着本体に形成し、装着本体の開口部を覆うように防水シートを固着して装着部材を形成し、この装着部材を呼吸口の筒状部に着脱可能に嵌着したモータが記載されている。この装着部材によれば、呼吸口への雨水等の水の浸入を防止でき、また、上記突起の存在により、呼吸口の開口部が他の部材の面と接触して閉塞されることが防止されるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−143524号公報(図1)
【特許文献2】特開2003−63549号公報(図1、図2)
【特許文献3】特開2008−148388号公報(図4、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記従来の通気キャップ(通気栓)を使用した場合、通気栓の取り扱い時、例えば、通気栓をモーターケースに装着する際に、作業者の手指や取り付け装置等(以下、「手指等」という)が通気膜に接触して破損することがあった。かかる事情に鑑み、本発明は、多少の接触があっても通気膜が破損しない、或いは、多少破損したとしても液体や気体がリークしない構造の通気栓を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成し得た本発明の通気栓は、
貫通孔を有する筒状部材と、該筒状部材に連設され、前記貫通孔を横断する支持体と、前記筒状部材に周着された通気膜とを備え、前記通気膜が前記支持体に保持されており、前記通気膜には前記支持体の形状に沿った凸状部が形成されているものである。
【0009】
上記通気栓において、前記筒状部材と前記支持体とが同じ材料により一体的に形成されていることが望ましい。
【0010】
上記通気栓において、前記支持体が枝分かれ構造を有しており、前記筒状部材の3箇所以上に連設されている態様を適用することができる。
【0011】
上記通気栓において、前記支持体が十字構造を有しており、前記筒状部材の4箇所以上に連設されている態様を適用することができる。
【0012】
上記通気栓において、前記支持体が網目構造を有している態様を適用することが望ましい。
【0013】
上記通気栓において、前記支持体が円弧形状を有している態様を適用することが望ましい。
【0014】
上記通気栓において、前記筒状部材は、前記通気膜が周着された部分において突起部を有している態様を適用することが好ましい。また、前記突起部の頂点は、前記通気膜の凸状部の頂点よりも高い位置にあることが一層好ましい。
【0015】
上記通気栓において、前記支持体が前記貫通孔を完全に横断することなく途切れている態様を適用することができる。
【0016】
上記通気栓において、前記支持体が突起部を有する態様を適用することができる。
【0017】
上記通気栓において、前記通気膜を多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜とすることが望ましい。
【0018】
上記通気栓において、前記通気膜が撥液性を有するものであることが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の通気栓は、支持体と、この支持体に保持された通気膜を有しており、通気膜には支持体の形状に沿った凸状部が形成されているため、通気栓をモーターケースに装着する際に手指等が通気膜に接触しても通気膜が破損しにくく、また、通気膜が多少破損したとしても液体や気体がリークし難い優れた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(a)は本発明の実施の形態1に係る通気栓の分解図、(b)は完成した通気栓の斜視図、(c)は同通気栓の断面図である。
【図2】(a)は本発明の実施の形態2に係る通気栓の分解図、(b)は完成した通気栓の斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態3に係る通気栓の斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態4に係る通気栓の斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態5に係る通気栓の斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態6に係る通気栓の斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態7に係る通気栓の斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態8に係る通気栓の斜視図である。
【図9】(a)は本発明の実施の形態9に係る通気栓の斜視図、(b)は支持体2を含む断面図である。
【図10】本発明の通気栓の使用例を示す図である。
【図11】本発明の通気栓の他の使用例を示す図である。
【図12】本発明の通気栓の製造プロセス例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
1.通気栓の構造
以下、本発明の実施の形態における通気栓の構造について図面を参照しながら説明する。
【0022】
(実施の形態1)
図1(a)〜(c)は、本発明の実施の形態1に係る通気栓を示すものであり、(a)は、通気栓の内部構造を理解するための分解図、(b)は、完成した通気栓の斜視図、(c)は、同通気栓の断面図である。図1(a)は、上記の通り分解図であり、通気膜3の筒状部材1への装着工程がこのような形態に限定されるものではない。なお、通気膜3は、実際に使用されるものよりも厚めに描いている。
【0023】
図1(a)〜(c)において、貫通孔1aを有する筒状部材1には貫通孔1aを横断する支持体2が連設されている。また、筒状部材1及び支持体2を覆うように通気膜3が装着されている。図1(a)〜(c)、特に(c)に示すように、通気膜3は、支持体2に保持されており、通気膜3には支持体2の形状に沿った凸状部3aが形成されている。
【0024】
通気膜3のうち、筒状部材1に周状に接している部分を「周着領域」と呼ぶこととする。また、筒状部材1に接しておらず貫通孔1aに面している部分では、貫通孔1aを通じて通気が可能であることから、これを「通気領域」と呼ぶこととする。なお、特に断らない限り、通気膜3が支持体2に保持されている部分も便宜上「通気領域」と呼ぶこととする。
【0025】
通気膜3の通気領域には上記のように、支持体2の形状に沿った凸状部3aが形成されているため、通気領域の上方から手指等が接近した際には、手指等は、通気領域中で小高くなっている凸状部3aに最初に接触する確率が高い。凸状部3aに手指等が接触しても、凸状部3aの裏側には支持体2が設けられているため、支持体2がクッションとなり手指等の接触が起きても通気膜3は破損しにくい。また、仮に通気膜3に破損が生じたとしても、支持体2の存在により、液体や気体のリークは最小限にとどまる。
【0026】
より詳しく説明すると、実施の形態1にかかる通気栓では、通気膜3の通気領域のうち、手指等が最初に接触する確率が高い部分は、周囲に比べて相対的に高く形成されている凸状部3aである。したがって、手指等が通気栓に接近した場合に凸状部3aに優先的に接触するため、支持体2が形成されていない部分に手指等が接触する確率を相対的に低減させることができ、そのため手指等が通気膜3を破損させる確率が低減される。また、通気膜3が万一破損した場合でも、支持体2の存在により液体や気体のリーク確率を低減させるものである。
【0027】
なお、図1に示すように、支持体2の幅を筒状部材1に向かって大きくなるように、すなわち台形状に形成すれば通気膜3が支持体2の側面に密着し易くなるため、通気膜3に凸状部3aを形成し易くなるので好ましい実施形態である。
【0028】
また本発明の必須要件ではないが、実施の形態1に係る通気栓のように、通気膜3の周着領域の外周部が筒状部材1の側面部に接していることが望ましい。通気膜3上に滞留した液滴を通気栓の側面部までスムーズに導くことができるためである。
【0029】
本発明の実施の形態1に係る通気栓は、例えば、通気と防滴の双方を必要とする電気装置の収納ケースに用いられる。収納ケースには、例えば円状の穴が空けられており、通気栓はこの穴に差し込まれるようにして取り付けられる。図1に示したように、通気栓の筒状部材1の側面をテーパー形状にすれば、通気栓を当該穴に確実に差し込むことができる。
【0030】
(実施の形態2)
図2(a)、(b)は、本発明の実施の形態2に係る通気栓を示すものであり、(a)は、通気栓の内部構造を理解するための分解図、(b)は、完成した通気栓の斜視図である。実施の形態2に係る通気栓も基本的には実施の形態1に係る通気栓と同様のものであるが、実施の形態1では、支持体2が通気栓の筒状部材1の上に載置されているような態様であったが、実施の形態2では、支持体2が筒状部材1の貫通孔1a内に形成されており、筒状部材1の上面よりも高い位置には支持体2は存在していない。このような形態であっても、通気膜3の通気領域であって支持体2が存在していない部分において通気膜3が撓み等により垂れ下がるため、支持体2が存在している部分では支持体2の形状に沿った凸状部3aが形成される。これにより、実施の形態1において説明した通り手指等によって通気膜3が破損される確率が低減される。
【0031】
実施の形態2では、実施の形態1に係る通気栓の効果を有しつつ、筒状部材1の上面よりも高い位置には支持体2は形成していないため、手指等が通気膜3に接触する確率そのものが実施の形態1の場合に比べて低い。
【0032】
なお、上記実施の形態1および2においては、支持体2を1本形成した場合について図示して説明したが、支持体2を2本以上形成すれば通気膜3が破損する確率を一層低減することが可能となる。
【0033】
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3に係る通気栓の斜視図である。実施の形態3に係る通気栓では支持体2が枝分かれ構造を有しており、支持体2の端部は筒状部材1にそれぞれ連設されている。通気膜3が破損する確率を広範囲に渡って低くするためには、上述したように棒状の支持体2を複数形成する方法も考えられるが、単純に支持体2の本数を増やした場合、通気膜3の通気領域と支持体2の接触による通気効率の低下(圧力損失の上昇)を伴うことがある。これに対して、実施の形態3に係る通気栓のように支持体2が枝分かれ構造を有していれば、必要な部分に支持体2を配置することができるため、通気膜3の低圧力損失を維持しつつ、広範囲に渡って通気膜3の破損する確率を効率よく低減することができる。
【0034】
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4に係る通気栓の斜視図である。実施の形態4に係る通気栓は、支持体2が十字構造を有しており、筒状部材1の4箇所に連設されている。実施の形態3に係る通気栓と同様に、通気膜3の圧力損失の大幅な増大を伴うことなく、広範囲に渡って通気膜3の破損する確率を効率よく低減することができる。
【0035】
(実施の形態5)
図5は、本発明の実施の形態5に係る通気栓の斜視図である。実施の形態5に係る通気栓は、支持体2が網目構造を有している。実施の形態3または4に係る通気栓と同様に、通気膜3の圧力損失の大幅な増大を伴うことなく、広範囲に渡って通気膜3の破損する確率を効率よく低減することができる。特に、図5に示した支持体2は、網目構造の中でもハニカム構造と呼ばれる蜂の巣状の形状を有しており、高強度を実現できる。したがって、手指等の外部からの応力に対して一定の剛性を有し、また通気膜3の収縮等の変形力に対する抗力を備えるものである。
【0036】
網目の一つひとつの形状として、図5に示した六角形の他、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形、三角形、その他の多角形状を適用することができる。その他にも、円形や楕円形など、曲線を含む形状も勿論適用可能である。
【0037】
(実施の形態6)
図6は、本発明の実施の形態6に係る通気栓の斜視図である。実施の形態6に係る通気栓は、支持体2が円弧形状を有している。この場合、通気膜3の通気領域をドーム状にすることができるため、同じ形状の筒状部材1を用いても通気領域が平面状である場合に比べて通気領域の面積を増加させることができる。従って、支持体2を設けたことによる通気膜3の圧力損失の増加分を減じることが可能であり、更には、圧力損失の増加分を全て相殺して、より低圧力損失の通気栓を提供することも可能となる。また、通気領域が膨らむことで、通気領域での液体の滞留を防ぐ効果もある。
【0038】
(実施の形態7)
図7は、本発明の実施の形態7に係る通気栓の斜視図である。但し、形状の理解のため、通気膜3が形成されていない状態のものを示している。実施の形態7に係る通気栓は、基本的構造は実施の形態1に係る通気栓と同様のものであるが、実施の形態7に係る通気栓では、通気膜3の周着領域おいて筒状部材1に突起部1bが形成されている。この突起部1bは、手指等が通気栓に接近した際の防護堤となり、手指等が通気膜3に直接触れることを防止する。そのため、通気膜3が破損する確率を低減することができる。なお、突起部1bは筒状部材1の一部として一体的に形成されたものであってもよいし、筒状部材1に別途追加された部品であってもよい。
【0039】
通気膜3は、周着領域において突起部1bを覆うように形成されており、突起部1bの表面形状に沿った形状を有している。従って、通気膜3の通気領域に存在する液滴が突起部1bによって堰き止められることなく、通気膜3上で通気領域から周着領域へとスムーズに移動する。このため、通気栓の内部に液滴が滞留しにくく、屋外やエンジンルーム内等の過酷な使用環境下においても、通気領域のうち液滴が滞留していない部分の面積、すなわち有効開口面積は高く保持され、通気性を維持することができる。
【0040】
なお、突起部1bの頂点が通気膜3の凸状部3aの頂点よりも高い位置となるように通気栓を作製すれば、手指等が通気栓に接近した場合、通気膜3の凸状部3aよりも先に筒状部材1の突起部1bに接触する確率が高くなり、通気膜3の破損を防止する観点からは一層好ましい。より具体的には、突起部1bの頂点が凸状部3aの頂点よりも0.5〜5mm高く設定されていることが望ましい。
【0041】
(実施の形態8)
図8は、本発明の実施の形態8に係る通気栓の斜視図である。実施の形態8に係る通気栓では、支持体2が貫通孔1aを完全に横断することなく途中で途切れている。支持体2が筒状部材1に確実に固定されていることが必要条件であるが、このような構造では、通気膜3の中央部など通気に重要な役割を果たす部分に支持体2を設けないことにより、通気栓の圧力損失を低く保つことができる。
【0042】
(実施の形態9)
図9(a)は、本発明の実施の形態9に係る通気栓の斜視図である。但し、形状の理解のため、通気膜3が形成されていない状態のものを示している。図9(b)は、支持体2を含む断面図であり、この断面図には通気膜3が形成された状態のものを示している。
【0043】
実施の形態9に係る通気栓は、図9(a)、(b)に示されるように、基本的な構造は実施の形態2に係る通気栓と同様のものであるが、実施の形態9に係る通気栓では、支持体2に突起部2aが設けられている点で実施の形態2のものとは異なる。
【0044】
支持体2に突起部2aを設けることは、支持体2の形状に沿った凸状部3aの中でも一段と高い部分を設けることであり、これにより、手指等が接触する確率の高い場所を突起部2aの箇所に確定的に定めておくことができる。突起部2aを設ける位置は、通気膜3の通気領域の中央部であることが好ましい。突起部2aの高さは、突起部2aが設けられていない部分に比べて0.5〜5mm高く設定されていることが望ましい。
【0045】
実施の形態1〜9において、筒状部材1と支持体2とは、別の材料により構成されていてもよいが、後述する射出成型等の方法により同じ材料で一体的に形成されていてもよい。
【0046】
2.通気栓の各構成要素の詳細な説明
次に、本発明の通気栓における筒状部材1および通気膜3の詳細(好ましい材料等)について説明する。
【0047】
(1)筒状部材
筒状部材1の材質は特に限定されないが、上述したように電気装置の一部に通気栓を差し込む用途を考慮すれば、弾力性のある樹脂で構成されることが好ましい。樹脂の例としては、サントプレーン、ミナストマー等のオレフィン系を主とした弾性樹脂、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、アクリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴムなどのゴム系若しくはゴム代替の弾性樹脂、ポリプロピレン(PP)を含むものが望ましい。電気装置の一部に本発明の通気栓を容易に差し込むためには、筒状部材1の硬度(JIS K 6253)は100度以下、より好ましくは80度以下である。筒状部材のシール性を担保するためには、10度以上、より好ましくは40度以上である。ゴム硬度の計測には、デュロメータ(株式会社島津製作所製:DUROMETER A)が用いられる。
【0048】
筒状部材1の突起部1bの高さは、通気孔1aの直径に対し、5〜200%が好ましく、より好ましくは10〜100%、さらに好ましくは15〜50%とすることが望ましい。
【0049】
(2)通気膜
通気膜3の構成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド等を使用することができるが、好ましくは防水性に優れたフッ素樹脂、更に好ましくは、多孔質ポリテトラフルオロエチレン(多孔質PTFE)のフィルムを用いることが推奨される。通気膜3の微視的形状としては、ネット状、メッシュ状、多孔質のものを用いることができる。多孔質PTFEフィルムは、防滴性に優れ、水滴、油滴、塵埃の侵入を防止しつつ電気装置の内外に通気性を持たせる用途に適している。
【0050】
多孔質PTFEフィルムは、PTFEのファインパウダーを成形助剤と混合することにより得られるペーストの成形体から、成形助剤を除去した後、高温高速度で延伸、さらに必要に応じて焼成することにより得られるものである。一軸延伸の場合、ノード(折り畳み結晶)が延伸方向に直角に細い島状となっていて、このノード間を繋ぐようにすだれ状にフィブリル(折り畳み結晶が延伸により解けて引出された直鎖状の分子束)が延伸方向に配向している。そして、フィブリル間、又はフィブリルとノードとで画される空間が空孔となった繊維質構造となっている。また、二軸延伸の場合には、フィブリルが放射状に広がり、フィブリルを繋ぐノードが島状に点在して、フィブリルとノードとで画された空間が多数存在するクモの巣状の繊維質構造となっている。
【0051】
通気膜3は、一軸延伸多孔質PTFEフィルムであっても良いし、二軸延伸多孔質PTFEフィルムであってもよい。
【0052】
通気膜3は、単独で(単層で)使用できるだけの強度を有することが好ましいが、不織布、織物や編物等のネット等、伸縮性を持ち、好ましくは120℃の高温に耐え得る通気性の補強層と積層して使用してもよい。
【0053】
通気膜3の物理的特性としては、1kPa以上、より好ましくは10kPa以上の耐水圧と、1000秒以下、より好ましくは100秒以下の透気度(JIS P 8117)を備えることが望ましい。
【0054】
通気膜3は、その細孔内表面に撥液性を付与されているのが好ましい。通気膜3に撥液性を持たせることで、体脂や機械油、水滴などの様々な汚染物が、通気膜3の細孔内に浸透若しくは保持されるのを抑制できる。これらの汚染物質は、通気膜3の捕集特性や通気特性を低下させ、通気膜としての機能を損なわせる原因となる。なお、筒状部材1の表面全体に撥液性を付与してもよい。
【0055】
なお、特許請求の範囲及び本明細書において、撥液性を付与する方法としては、撥液性材料を使用する、もしくは、撥液剤を添加することでも可能であり、この場合の「撥液」とは、液体をはじく性質乃至は機能を指すものであるとし、「撥液剤」には、「撥水剤」、「撥油剤」、「撥水撥油剤」等を含むものとする。以下、撥水撥油性ポリマーを例に挙げて説明する。
【0056】
撥水撥油性ポリマーとしては、含フッ素側鎖を有するポリマーを用いることができる。撥水撥油性ポリマーおよびそれを多孔質PTFEフィルムに複合化する方法の詳細についてはWO94/22928号公報などに開示されている。
【0057】
また、通気膜3には上記の撥液性材料のほか、親水性材料、導電性材料、着色材料、帯電防止材料、抗菌性材料などを付加することにより、様々な機能性を付与することができる。
【0058】
(3)その他
筒状部材1と通気膜3との接合には、後述するように溶融した筒状部材1に通気膜3を圧着させる方法を用いることができるし、両面粘着テープを使用することもできるが本発明の必須の構成要素ではない。その両面粘着テープには、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ナイロン不織布等を芯材とした不織布基材両面粘着テープ、PET基材両面粘着テープ、ポリイミド基材両面粘着テープ、ナイロン基材両面粘着テープ、発泡体(例えば、ウレタンフォーム、シリコーンフォーム、アクリルフォーム、ポリエチレンフォーム)基材両面粘着テープ、基材レス両面粘着テープなど様々なタイプのものを用いることができる。
【0059】
3.通気栓の使用例
本願発明の通気栓は、例えば内部に電子部品を収納するケース(筐体)に直接又は間接に取り付けられるが、取り付け部位の形状によって筒状部材1の形状は種々変更され得る。
【0060】
図10に示すように、通気栓が通気パイプ4の先端部に取り付けられる場合には、筒状部材1の内側に通気パイプ4の先端が当接する段差部を設けてもよい。また、図示はしていないが、筒状部材1の形状を通気パイプ4の内側と外側の両方に勘合するように形成すれば、通気栓の取り付け強度が高くなる。
【0061】
図11に示すように、通気栓が上記ケース(筐体)5の一部に設けられた有底穴に取り付けられてもよい。当該穴との勘合性を高めることによりシールド性、取り付け強度に優れた通気栓を作製することができる。
【0062】
4.通気栓の製造プロセス例
以下、本発明の通気栓の製造に適用し得るプロセス例について説明する。
【0063】
(1)射出成型(インジェクションモールディング)
溶融させた熱可塑性樹脂を所定の凹状に加工した金型内に圧入し、その後、熱可塑性樹脂を冷却することで通気栓の成型品を得る方法である。工程手順は、図12(a)〜(c)の工程断面図によって示される。
【0064】
まず、図12(a)に示すように第1の金型11及び第2の金型12を向かい合わせて密着させることにより、金型の内部に筒状部材1の形状の空洞を形成する。第1の金型11及び第2の金型12の間には、予め通気膜3を挟持しておく。
【0065】
次に、図12(b)に示すように、注入口13から溶融させた熱可塑性樹脂を第1の金型11内に注入する。熱可塑性樹脂が通気膜3に到達すると、熱可塑性樹脂が通気膜3を第2の金型12の凹部にまで押し上げるため、通気膜3は熱可塑性樹脂の形状に沿った形状に成型される。このとき、第2の金型12の凹部に流れ込んだ溶融樹脂は支持体2の部分を構成するものである。
【0066】
溶融樹脂を注入する際、樹脂の注入圧力で通気膜3(例えばPTFE多孔質体)の空隙部分に樹脂を含侵させ、さらに樹脂を冷却し、硬化させることで樹脂(すなわち成型された筒状部材1)と通気膜3とがアンカー効果によって強固に固着された状態となる。
【0067】
最後に、図12(c)に示すように、第1の金型11及び第2の金型12を脱型することにより、筒状部材1と支持体2とが一体成型され、さらに通気膜3と一体的に形成された通気栓を得ることができる。
【0068】
(2)圧縮成型(コンプレッションモールディング)
工程手順としては上述の射出成型と同様であるが、圧縮成型では加硫によって硬化する樹脂(上記EPDM等のゴム系材料)を高圧のプレス機で所定形状に加工した金型内に圧入し、その後、加硫によって樹脂を硬化させることで通気栓の成型品を得る方法である。樹脂の注入圧力で、通気膜3(例えばPTFE多孔質体)の空隙部分に樹脂を含侵させ、樹脂を冷却・硬化することでアンカー効果による強固な固着効果を得ることができる。
【0069】
(3)その他の方法
射出成型や圧縮成型等の成型加工により、まずは筒状部材1およびこれに一体成型される支持体2を単独で成型しておき、その後、筒状部材1の周着領域に所定の形状の溶着部材を用いて通気膜3を固着することも可能である。固着には、再度熱をかけて筒状部材1を溶かし、溶けた樹脂を通気膜3(例えばPTFE多孔質体)の空隙部分に樹脂を含侵させ、筒状部材1を冷却し固化させることにより筒状部材1と支持体2とが一体成型され、さらに通気膜3と一体的に形成された通気栓を得る方法もある。
【0070】
更にその他、樹脂製の筒状部材1および/または支持体2と、通気膜3とを、接着剤を用いて接着すること、及び、既に詳細に説明したようにこれらを両面粘着テープで固定することも可能である。
【0071】
上記実施の形態1〜9のいずれにおいても、ゴムコンプレッションモールディング成型機(株式会社名機製作所製:Rシリーズ、型締能力 70ton)と、所定形状の空洞を有する金属製の金型を用い、金型の所定の位置に通気膜を設置した後、その金型に未加硫のゴムを圧入し加硫・硬化させて通気栓を得ることができる。なお、筒状部材1および/または支持体2を構成する樹脂には例えばEPDMを用い、通気膜3には、例えば撥油性PTFE膜(孔径1μm、厚さ300μm、空孔率60%(共に公称値))を用いることができる。
【符号の説明】
【0072】
1 筒状部材
1a 貫通孔
1b 突起部
2 支持体
2a 突起部
3 通気膜
3a 凸状部
4 通気パイプ
5 ケース(筐体)
11 第1の金型
12 第2の金型
13 注入口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔を有する筒状部材と、該筒状部材に連設され、前記貫通孔を横断する支持体と、前記筒状部材に周着された通気膜とを備え、前記通気膜が前記支持体に保持されており、前記通気膜には前記支持体の形状に沿った凸状部が形成されている通気栓。
【請求項2】
前記筒状部材と前記支持体とが同じ材料により一体的に形成されている請求項1に記載の通気栓。
【請求項3】
前記支持体が枝分かれ構造を有しており、前記筒状部材の3箇所以上に連設されている請求項1または2に記載の通気栓。
【請求項4】
前記支持体が十字構造を有しており、前記筒状部材の4箇所以上に連設されている請求項1または2に記載の通気栓。
【請求項5】
前記支持体が網目構造を有している請求項1〜4のいずれかに記載の通気栓。
【請求項6】
前記支持体が円弧形状を有している請求項1〜5のいずれかに記載の通気栓。
【請求項7】
前記筒状部材は、前記通気膜が周着された部分において突起部を有している請求項1〜6のいずれかに記載の通気栓。
【請求項8】
前記突起部の頂点は、前記通気膜の凸状部の頂点よりも高い位置にある請求項7に記載の通気栓。
【請求項9】
前記支持体が前記貫通孔を完全に横断することなく途切れている請求項1〜8のいずれかに記載の通気栓。
【請求項10】
前記支持体が突起部を有する請求項1〜9のいずれかに記載の通気栓。
【請求項11】
前記通気膜が多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜である請求項1〜10のいずれかに記載の通気栓。
【請求項12】
前記通気膜が撥液性を有する請求項1〜11のいずれかに記載の通気栓。
【請求項1】
貫通孔を有する筒状部材と、該筒状部材に連設され、前記貫通孔を横断する支持体と、前記筒状部材に周着された通気膜とを備え、前記通気膜が前記支持体に保持されており、前記通気膜には前記支持体の形状に沿った凸状部が形成されている通気栓。
【請求項2】
前記筒状部材と前記支持体とが同じ材料により一体的に形成されている請求項1に記載の通気栓。
【請求項3】
前記支持体が枝分かれ構造を有しており、前記筒状部材の3箇所以上に連設されている請求項1または2に記載の通気栓。
【請求項4】
前記支持体が十字構造を有しており、前記筒状部材の4箇所以上に連設されている請求項1または2に記載の通気栓。
【請求項5】
前記支持体が網目構造を有している請求項1〜4のいずれかに記載の通気栓。
【請求項6】
前記支持体が円弧形状を有している請求項1〜5のいずれかに記載の通気栓。
【請求項7】
前記筒状部材は、前記通気膜が周着された部分において突起部を有している請求項1〜6のいずれかに記載の通気栓。
【請求項8】
前記突起部の頂点は、前記通気膜の凸状部の頂点よりも高い位置にある請求項7に記載の通気栓。
【請求項9】
前記支持体が前記貫通孔を完全に横断することなく途切れている請求項1〜8のいずれかに記載の通気栓。
【請求項10】
前記支持体が突起部を有する請求項1〜9のいずれかに記載の通気栓。
【請求項11】
前記通気膜が多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜である請求項1〜10のいずれかに記載の通気栓。
【請求項12】
前記通気膜が撥液性を有する請求項1〜11のいずれかに記載の通気栓。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−23206(P2011−23206A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−167138(P2009−167138)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(000107387)ジャパンゴアテックス株式会社 (121)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(000107387)ジャパンゴアテックス株式会社 (121)
【Fターム(参考)】
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