通気装置、画像形成装置及び情報処理装置
【課題】空気の排出方向又は吸引方向を設定することができるようにする。
【解決手段】第1の係合部を備え、空気を通過させるための通気部と、第2の係合部を備え、第1の係合部と第2の係合部とを係合させることによって、通気部に対して回動自在に取り付けられ、回動に伴って送風方向を変更する送風方向変更部とを有する。通気部は、回動中心B、及び複数の開口部を備え、送風方向変更部は、送風方向変更部の回転軸に対して傾斜させて配設される偏向部材、及び送風方向変更部が通気部に取り付けられた状態で、開口部と連通する通気口部を備える。送風方向変更部を回動させることによって、情報処理装置の配置状態に応じて、空気の排出方向又は吸引方向を設定することができる。
【解決手段】第1の係合部を備え、空気を通過させるための通気部と、第2の係合部を備え、第1の係合部と第2の係合部とを係合させることによって、通気部に対して回動自在に取り付けられ、回動に伴って送風方向を変更する送風方向変更部とを有する。通気部は、回動中心B、及び複数の開口部を備え、送風方向変更部は、送風方向変更部の回転軸に対して傾斜させて配設される偏向部材、及び送風方向変更部が通気部に取り付けられた状態で、開口部と連通する通気口部を備える。送風方向変更部を回動させることによって、情報処理装置の配置状態に応じて、空気の排出方向又は吸引方向を設定することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通気装置、画像形成装置及び情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の情報処理装置としての画像形成装置、例えば、プリンタにおいては、プリンタの本体、すなわち、装置本体内の空気を排出したり、装置本体内に空気を吸引したりするために通気装置が配設されるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−265288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の通気装置においては、プリンタの配置状態に応じて、装置本体内の空気を排出する方向、すなわち、排出方向又は装置本体内に空気を吸引する方向、すなわち、吸引方向を設定することができない。
【0005】
本発明は、前記従来の通気装置の問題点を解決して、情報処理装置の配置状態に応じて、空気の排出方向又は吸引方向を設定することができる通気装置、画像形成装置及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明の通気装置においては、第1の係合部を備え、空気を通過させるための通気部と、第2の係合部を備え、前記第1の係合部と前記第2の係合部とを係合させることによって、前記通気部に対して回動自在に取り付けられ、回動に伴って送風方向を変更する送風方向変更部とを有する。
【0007】
そして、前記通気部は、前記送風方向変更部を回動自在に取り付けるための回動中心、及び複数の開口部を備える。
【0008】
また、前記送風方向変更部は、送風方向変更部の回転軸に対して傾斜させて配設される偏向部材、及び送風方向変更部が前記通気部に取り付けられた状態で、前記開口部と連通する通気口部を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、通気装置においては、第1の係合部を備え、空気を通過させるための通気部と、第2の係合部を備え、前記第1の係合部と前記第2の係合部とを係合させることによって、前記通気部に対して回動自在に取り付けられ、回動に伴って送風方向を変更する送風方向変更部とを有する。
【0010】
そして、前記通気部は、前記送風方向変更部を回動自在に取り付けるための回動中心、及び複数の開口部を備える。
【0011】
また、前記送風方向変更部は、送風方向変更部の回転軸に対して傾斜させて配設される偏向部材、及び送風方向変更部が前記通気部に取り付けられた状態で、前記開口部と連通する通気口部を備える。
【0012】
この場合、前記送風方向変更部は、送風方向変更部の回転軸に対して傾斜させて配設される偏向部材、及び送風方向変更部が前記通気部に取り付けられた状態で、前記開口部と連通する通気口部を備えるので、送風方向変更部を回動させることによって、情報処理装置の配置状態に応じて、空気の排出方向及び吸引方向を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態における外装カバーの正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における通気装置の第1の分解斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における通気装置の第2の分解斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における通風領域の拡大図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における係合爪の要部を示す拡大図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態におけるルーバの斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるルーバの要部を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における係合爪の要部を示す拡大図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における外装カバーの斜視図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における外装カバーの要部を示す斜視図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態におけるルーバの取付状態を示す第1の図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態におけるルーバの取付状態を示す第2の図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態におけるルーバの取付状態を示す第3の図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態におけるルーバの取付状態を示す第4の図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態における通風領域の拡大図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態における通気装置の正面図である。
【図18】本発明の第4の実施の形態における通気装置の要部を示す斜視図である。
【図19】本発明の第5の実施の形態における通風領域の拡大図である。
【図20】本発明の第6の実施の形態における通風領域の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、情報処理装置としての、かつ、画像形成装置としての電子写真式のプリンタについて説明する。
【0015】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの斜視図である。
【0016】
図において、10はプリンタ、10aはプリンタ10の本体、すなわち、装置本体の筐体、91は該筐体10a内の所定の箇所に配設された制御部である。
【0017】
前記プリンタ10には、図示されない画像形成ユニット、定着装置としての図示されない定着器等が配設され、画像形成ユニットにおいて形成され、媒体としての用紙に転写させられた現像剤像としてのトナー像が、定着器において用紙に定着させられ、画像が形成されるようになっている。そして、前記定着器は、定着ローラ及びバックアップローラを備え、前記定着ローラ内に配設された加熱源の熱によってトナー像を加熱し、溶融させ、バックアップローラによって加圧し、用紙に定着させる。
【0018】
ところで、前記定着器において発生させられた熱によって装置本体内の温度が高くなると、画像形成ユニット及び定着器を適正に作動させることができなくなってしまう。
【0019】
そこで、前記筐体10aの所定の箇所、本実施の形態においては、プリンタ10の左側面を覆う外装カバー20の裏面側(装置本体内)に、送風部としての図示されないファンが、外装カバー20の表面側(装置本体外)に送風方向変更部としてのルーバ30が配設され、前記ファンを作動させることによって、装置本体内の空気を装置本体外に排出するようにしている。なお、前記外装カバー20、ルーバ30及びファンによって通気装置が構成される。
【0020】
次に、該通気装置について説明する。
【0021】
図1は本発明の第1の実施の形態における外装カバーの正面図、図3は本発明の第1の実施の形態における通気装置の第1の分解斜視図、図4は本発明の第1の実施の形態における通気装置の第2の分解斜視図、図5は本発明の第1の実施の形態における通風領域の拡大図、図6は本発明の第1の実施の形態における係合爪の要部を示す拡大図である。
【0022】
図において、20は外装カバー、30はルーバ、40はファンである。
【0023】
前記外装カバー20には、装置本体内の空気を排出するに当たり、所定の形状、本実施の形態においては、ほぼ矩形の形状を有し、空気を通過させるための通気部としての通風領域AR1が形成される。前記ファン40は、装置本体内において、前記外装カバー20と対向させて、かつ、前記通風領域AR1と対向させて配設され、固定要素としての図示されないネジ等によって、外装カバー20の内側に配設された図示されない装置本体のフレーム、すなわち、装置本体フレームに固定される。前記ファン40は、前記制御部91からの制御信号を受けて作動させられ、送風を行う。
【0024】
また、前記ルーバ30は、前記通風領域AR1を介して前記ファン40と対向させて配設される。そして、前記ルーバ30は、通気方向としての、かつ、送風方向としての、装置本体内からの空気の排出方向を変更することができるように、外装カバー20に対して着脱自在に、かつ、回動自在に取り付けられる。
【0025】
なお、本実施の形態において、前記ファン40は、装置本体フレームに固定されるようになっているが、外装カバー20に直接取り付けることができる。また、本実施の形態において、通気装置は、装置本体内の空気を装置本体外に(図3における矢印A方向に)排出するために配設されるが、装置本体内に空気を吸引するために配設することができる。その場合、ルーバ30は、通気方向としての、かつ、送風方向としての、装置本体内への空気の吸引方向を変更することができるように、外装カバー20に対して着脱自在に、かつ、回動自在に取り付けられる。
【0026】
前記通風領域AR1の中央には、前記ルーバ30を外装カバー20に対して位置決めをして取り付けるための第1の係合部としての取付部22が形成される。そして、該取付部22には、一つの取付孔24が外装カバー20を貫通させて形成され、前記取付孔24によって、ルーバ30を外装カバー20に対して回動自在に取り付けるための回動中心Bが設定される。また、前記取付孔24の周囲には、前記ルーバ30が外装カバー20に対して誤って取り付けられるのを防止するために、誤取付防止部としての複数の、本実施の形態においては、6個の凹部25が、外装カバー20を貫通させることなく所定の深さで形成される。
【0027】
前記各凹部25は、取付孔24の周囲において、前記回動中心Bを中心とする仮想的な多角形(正多角形)、本実施の形態においては、正六角形Pbの各辺に沿って頂点及び辺を形成する。そして、前記各凹部25の周囲には、排出される空気を通過させるために、円形の形状を有する開口部としての複数の通風孔23が、所定のパターンで、かつ、外装カバー20を貫通させて形成される。各通風孔23は、前記凹部25の近傍から径方向外方にかけて、前記回動中心Bを中心とする一つ以上の仮想的な多角形(正多角形)、本実施の形態においては、複数の正六角形Pi(i=1、2、…)の各辺に沿って頂点及び辺を形成し、かつ、各正六角形Piの辺を形成する通風孔23の数が、一つずつ多くなるように形成される。なお、前記各凹部25の中心は正六角形Pbの各辺上に、前記各通風孔23の中心は正六角形Piの各辺上に置かれる。
【0028】
また、前記各通風孔23は正六角形Piの各辺の垂直二等分線R1に対して対称に形成される。そして、二つの隣接する垂直二等分線R1が成す角度β1、及び二つの隣接する辺が成す角度、すなわち、正六角形Piの外角β2は、いずれも60〔°〕である。
【0029】
本実施の形態において、前記各正六角形Pb、Piは、各辺が互いに平行になるように、前記回動中心Bに対して同心状に、かつ、径方向において所定のピッチで設定され、対向する所定の二つの辺が水平に延在するように設定されるが、前記正六角形Pb、Piを、対向する所定の二つの頂点が垂直方向に置かれるように設定することができる。そして、正六角形Pb、P1の各辺間の距離Lb、及び各正六角形Piの各辺間の距離Lは、いずれも等しく、
Lb=L
≒5.2〔mm〕
にされる。また、本実施の形態において、各通風孔23の径は4〔mm〕にされ、前記取付孔24の径は通風孔23の径より大きくされる。
【0030】
ところで、前記各通風孔23は、60〔°〕ずつ異なる6個の方向、すなわち、六方向において互いに隣接させられ、60〔°〕異なる方向で隣接する二つの通風孔23と仮想的な三角形、本実施の形態においては、正三角形を形成する。そして、六方向において隣接する各通風孔23間の距離は、ほぼ等しく、6〔mm〕にされる。
【0031】
また、前記各通風孔23によって、水平方向に、かつ、互いに平行に延在する複数の通気孔列Qj(j=1、2、…)が形成され、各通気孔列Qjにおいて、各通風孔23は、ピッチd、
d=6〔mm〕
で配列され、隣接する各通気孔列Qj間において、所定の量、本実施の形態においては、ピッチdの1/2だけ位相がずらされる。
【0032】
本実施の形態においては、誤取付防止部として、前記各凹部25が形成されるようになっているが、誤取付防止部として、取付孔24の周囲に通風孔23及び凹部25のいずれも形成されない平坦部を形成することができる。
【0033】
ところで、図3に示されるように、ファン40の中心をXとし、ファン40の軸受け部41の外径をD1とし、ファン40の羽根42の外径をD2としたとき、中心Xから値D1/2離れた部分から値D2/2離れた部分までの送風に寄与する領域、すなわち、送風領域において、ファン40によって、装置本体内の空気を各通風孔23を介して排出するための空気の流れが形成される。本実施の形態において、前記各凹部25は、中心Xから値D1/2離れた部分以内の領域、すなわち、軸受け領域内に形成されているので、凹部25によって送風領域が遮蔽されることはなく、装置本体内の空気を円滑に排出することができる。
【0034】
前記ルーバ30は、円形の形状を有し、所定の径及び所定の厚さを有する環状体32、該環状体32内において、互いに平行に、かつ、環状体32の軸方向において所定の角度だけ傾斜させて配設された偏向部材としての、かつ、羽根としての複数の桟31、並びにルーバ30の中央部において複数の、本実施の形態においては、三つの桟31に対して直角の方向に延在させられ、各桟31を連結する中央基部としての連結部81を備える。そして、前記各桟31によって、すなわち、環状体32内における各桟31間に、通風孔23と連通させられ、前記桟31の角度と同じ角度で傾斜させられた通気口部37が形成され、該通気口部37は、ルーバ30が外装カバー20に取り付けられた状態で、通風孔23と連通させられる。したがって、各通風孔23を通過した空気は、各桟31によって偏向させられ、各通気口部37を傾斜させられた状態で通過する。
【0035】
前記各桟31及び通気口部37は、前記正六角形Piの所定の辺とほぼ平行に延在させられる。また、前記各桟31は、連結部81に沿って延在させられる基準軸Jに対して左右対称に延在させられ、各桟31間の距離Wはほぼ等しくされる。
【0036】
前記連結部81は、所定の厚さを有する板状体によって形成され、操作者がルーバ30を回動させる際に摘みとして機能する。そして、前記連結部81の表面側に、通気口部37を通過する際の空気の傾斜方向を表す指標としての矢印38が刻印によって形成される。
【0037】
また、前記連結部81の裏面側に、第2の係合部としての軸部36が一対の係合爪33を外装カバー20側に突出させることによって形成され、前記各係合爪33と前記取付部22とを係合させることによって、ルーバ30を外装カバー20に対して着脱自在に取り付けることができる。
【0038】
そのために、前記各係合爪33は、可撓性を有するように薄い舌片状に、かつ、所定の間隔を置いて平行に形成され、先端の近傍には、係止部35が互いに離間する方向に向けて突出させて形成される。また、前記取付部22には、外装カバー20の裏面側において、取付孔24の内周縁に沿って、環状の係止部24aが突出させて形成される。
【0039】
したがって、前記各係合爪33を撓ませて軸部36を取付孔24内に挿入し、前記係止部35と係止部24aとを係止させることによって、前記係合爪33と前記取付部22とを係合させることができる。
【0040】
なお、前記各係合爪33には、軸部36を取付孔24内に挿入する際に、各係合爪33が容易に撓むように傾斜部35aが、軸部36を取付孔24から取り出す際に、各係合爪33が容易に撓むように傾斜部35bが形成される。
【0041】
そして、前記軸部36は、ルーバ30の回転軸Hとして機能し、ルーバ30を外装カバー20に対して取り付けた後は、軸部36を中心にして、ルーバ30を回動させることができる。
【0042】
このように、本実施の形態においては、ルーバ30が外装カバー20に対して回動自在に取り付けられ、ルーバ30の回転軸Hに対して所定の角度だけ傾斜させて、各桟31が配設され、通風孔23と連通させられる通気口部37が形成されるので、操作者は、連結部81を摘んでルーバ30を回動させることによって、ルーバ30の回動角度に対応させて空気の排出方向を変更することができる。
【0043】
したがって、プリンタ10の配置状態に応じて、空気の排出方向を設定することができる。
【0044】
また、本実施の形態においては、前記ルーバ30が外装カバー20に対して着脱自在に配設され、空気の排出方向が設定されるようになっているが、ルーバ30を外装カバー20から取り外して使用しても、装置本体内からの空気の排出機能が低下することはない。
【0045】
そして、前記取付孔24の周囲には、凹部25が外装カバー20を貫通させることなく形成されるので、操作者は取付孔24を十分に識別することができる。したがって、操作者は、軸部36を取付孔24内に容易に挿入することができるので、ルーバ30を外装カバー20に対して容易に取り付けることができる。
【0046】
なお、軸部36が正確に取付孔24内に挿入されない場合には、軸部36が凹部25に当接し、それ以上の軸部36の動作が阻止される。したがって、ルーバ30が外装カバー20に対して誤って取り付けられるのを防止することができる。
【0047】
また、本実施の形態においては、各通風孔23が円形の形状を有するので、正六角形Piの各辺に沿って通風孔23を密接させて形成しても、外装カバー20の強度が低くなることがない。
【0048】
なお、製造上、通風孔23間のピッチd、前記距離Lb、L等を正確に設定したり、垂直二等分線R1に対して通風孔23を精度良く対称に形成したりすることが困難な場合があるが、理想的な寸法、理想的な配列等に対して±20〔%〕以内の誤差であれば、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0049】
ところで、本実施の形態においては、前記ルーバ30が外装カバー20に対して着脱自在に配設されるので、ルーバ30をオプション品として、ルーバ30を外装カバー20から取り外した状態でプリンタ10を使用することができる。
【0050】
その場合、前記取付孔24の周囲には、前記各凹部25及び通風孔23が複数の正六角形Piの各辺に沿うように形成されるので、装置本体内の空気を通風孔23を介して排出することができるだけでなく、外装カバー20の通風領域AR1の外観を良くすることができる。
【0051】
なお、ルーバ30を外装カバー20から取り外して使用した場合に、操作者の指先がファン40に直接触れることがないように、前述されたように、本実施の形態においては、前記通風孔23の径が4〔mm〕にされる。この場合、90パーセントタイル(100人のうち90人)の成人は指先の径が約12〔mm〕であるので、通風孔23の径を安全率を1.5として8〔mm〕とすることが好ましいが、本実施の形態においては、安全率を3.0として4〔mm〕とした。また、本実施の形態において、通風孔23は円形の形状を有するようになっているが、通風孔23に操作者の指先が入らない形状を有するものであれば、通風孔23を円形以外の形状にすることができる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0053】
図7は本発明の第2の実施の形態におけるルーバの斜視図、図8は本発明の第2の実施の形態におけるルーバの要部を示す斜視図、図9は本発明の第2の実施の形態における係合爪の要部を示す拡大図、図10は本発明の第2の実施の形態における外装カバーの斜視図、図11は本発明の第2の実施の形態における外装カバーの要部を示す斜視図である。
【0054】
この場合、外装カバー20には、送風方向変更部としてのルーバ30を外装カバー20に対して位置決めをして取り付けるための第1の係合部としての取付部22が形成され、該取付部22に、取付孔24が外装カバー20を貫通させて形成される。
【0055】
また、前記ルーバ30には、中央基部としての連結部81の裏面側に、第2の係合部としての軸部36が一対の係合爪33を突出させることによって形成され、該各係合爪33と前記取付部22とを係合させることによって、ルーバ30を外装カバー20に対して着脱自在に取り付けることができる。
【0056】
そのために、前記各係合爪33は、可撓性を有するように薄い舌片状に、かつ、所定の間隔を置いて平行に形成され、先端の近傍には、係止部35が互いに離間する方向に向けて突出させて形成される。また、前記取付部22には、外装カバー20の裏面側において、取付孔24の内周縁に沿って、環状の係止部24aが突出させて形成される。
【0057】
そして、前記各係合爪33における係止部35より連結部81側に、係止突起34が、係止部35と隣接させて、かつ、回転軸Hを通る平面に対して垂直な方向に係合爪33から突出させて形成され、係止部24aの内周面における複数箇所、本実施の形態においては、6箇所に、円周方向において所定のピッチで、かつ、互いに所定の角度γを置いて係止溝26が形成される。この場合、該係止溝26によって第1の位置決め要素が、係止突起34によって第2の位置決め要素が構成される。
【0058】
なお、前記角度γは、開口部としての複数の通風孔23のパターンに対応させて設定され、本実施の形態においては、正六角形Piの各辺に沿って通風孔23が形成されるので、
γ=360/6
=60〔°〕
にされる。
【0059】
すなわち、図5に示されるように、正六角形Piの外角β2が60〔°〕であるので、前記角度γは正六角形Piの外角β2とほぼ等しくされる。
【0060】
したがって、前記各係合爪33を撓ませて軸部36を取付孔24内に挿入し、ルーバ30を回動させ、係止突起34を係止溝26内に進入させると、前記係止部35と係止部24aとを所定の角度ごと(本実施の形態においては、60〔°〕ごと)に係止させることができ、前記係合爪33と前記取付部22とを前記角度γごとに係合させることができる。
【0061】
その結果、ルーバ30を、円周方向における複数箇所、本実施の形態においては、6箇所で外装カバー20に対して位置決めをすることができる。
【0062】
なお、前記係合爪33には、軸部36を取付孔24内に挿入する際に、係合爪33が容易に撓むように傾斜部35aが、軸部36を取付孔24から取り出す際に、係合爪33が容易に撓むように傾斜部35bが形成される。また、係止突起34には、軸部36を取付孔24から取り出す際に、係合爪33が容易に撓むように傾斜部34aが形成される。
【0063】
次に、前記ルーバ30を、円周方向における6箇所で外装カバー20に対して位置決めをしたときの、ルーバ30の偏向部材としての、かつ、羽根としての複数の桟31と外装カバー20の通風孔23との関係について説明する。
【0064】
この場合、連結部81に沿って延在させられる基準軸Jが鉛直方向に延びている状態をルーバ30の基準位置とする。
【0065】
図12は本発明の第2の実施の形態におけるルーバの取付状態を示す第1の図、図13は本発明の第2の実施の形態におけるルーバの取付状態を示す第2の図、図14は本発明の第2の実施の形態におけるルーバの取付状態を示す第3の図、図15は本発明の第2の実施の形態におけるルーバの取付状態を示す第4の図である。
【0066】
図において、20は外装カバー、30はルーバ、31は桟、81は連結部である。
【0067】
前記基準軸Jと鉛直線とが成す角度をルーバ30の取付角度θとしたとき、該取付角度θが0〔°〕である場合、ルーバ30は、図12に示されるような第1の取付状態(基準位置)に置かれ、取付角度θが60〔°〕である場合、ルーバ30は、図13に示されるような第2の取付状態に置かれ、取付角度θが120〔°〕である場合、ルーバ30は、図14に示されるような第3の取付状態に置かれ、取付角度θが180〔°〕である場合、ルーバ30は、図15に示されるような第4の取付状態に置かれる。なお、取付角度θが240〔°〕及び300〔°〕である場合は、それぞれ取付角度θが120〔°〕及び60〔°〕である場合と、鉛直線に対して対称の取付状態に置かれるので説明を省略する。
【0068】
そして、取付角度θが0〔°〕、60〔°〕、120〔°〕、180〔°〕、240〔°〕及び300〔°〕の6個の角度のうちのいずれの角度においても、ルーバ30の桟31間に見ることができる通風孔23が桟31と平行に、かつ、一列に延在する。すなわち、取付角度θが6個の角度のうちのいずれの角度においても、ルーバ30の桟31と正六角形Pi(図5)の所定の辺とがほぼ平行になり、各通気口部37は基準軸Jに対して直角の方向に延在する通風孔23と連通させられる。
【0069】
したがって、ルーバ30の取付角度θが6個の角度のうちのいずれの角度においても、各通気口部37と通風孔23とが効率的に連通させられ、各通気口部37と連通させられる通風孔23の総面積、すなわち、通風孔23の開口率が一定になるので、空気を排出する際の抵抗、すなわち、排気抵抗が変化しない。その結果、排出される空気の量を安定させることができ、装置本体内の空気を装置本体外に十分に排出することができる。
【0070】
また、前述されたように、通風孔23は正六角形Piの辺の垂直二等分線R1に対して対称に形成されるので、ルーバ30の取付角度θが6個の角度のうちのいずれの角度においても、排出される空気の量を等しくすることができる。
【0071】
しかも、本実施の形態においては、通風孔23が、取付孔24の周囲において、回動中心Bを中心とする仮想的な正六角形Piの辺にほぼ沿って形成され、前記係止溝26と係止突起34とが、角度γと正六角形Piの外角β2とがほぼ等しくなるように係合させられるので、前記通風孔23の開口率を一定にすることができる。
【0072】
そして、ルーバ30の取付角度θが6個の角度のうちのいずれの角度においても、桟31間に見ることができる通風孔23が常に一列に延在するので、ルーバ30を外装カバー20に取り付けた状態の外観を良くすることができる。
【0073】
なお、本実施の形態においては、二つの隣接する垂直二等分線R1が成す角度β1と前記角度γとがほぼ等しくされるが、角度β1の製造上の誤差が角度γに対する±10〔%〕以内であれば、同様の効果を得ることができる。
【0074】
また、本実施の形態においては、ルーバ30の桟31と正六角形Piの所定の辺とが平行にされ、通風孔23の開口率を大きくすることができるので、通風孔23のピッチd(図1)の誤差が大きい場合でも、排出される空気の量を安定させることができる。
【0075】
さらに、ルーバ30の取付角度θを6個の角度のうちで変化させたときに、通風孔23の開口率が一定になるようにするために、通気口部37の大きさ、及び前記各角度において通気口部37と連通させられる通風孔23の数の変化が20〔%〕以内に収まるようにするのが好ましい。
【0076】
また、製造上、通風孔23のピッチd、距離Lb、L等を正確に設定したり、垂直二等分線R1に対して通風孔23を精度良く対称に形成したりすることが困難な場合でも、通気口部37の大きさ、及び前記各角度において通気口部37と連通する通風孔23の数の変化が20〔%〕以内に収まるようにすると、排出される空気の量を安定させることができる。
【0077】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1、第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0078】
図16は本発明の第3の実施の形態における通風領域の拡大図である。
【0079】
この場合、外装カバー20の通気部としての通風領域AR1の中央に、送風方向変更部としてのルーバ30を外装カバー20に対して位置決めをして取り付けるための第1の係合部としての取付部22が形成され、該取付部22に、取付孔24が外装カバー20を貫通させて形成される。なお、前記取付孔24によって、ルーバ30を通風領域AR1に対して回動自在に取り付けるための回動中心Bが設定される。
【0080】
また、前記取付孔24の周囲には、排出される空気を通過させるために、円形の形状を有する開口部としての複数の通風孔23が、所定のパターンで、かつ、外装カバー20を貫通させて形成される。各通風孔23は、前記取付孔24の近傍から径方向外方にかけて、前記回動中心Bを中心とする一つ以上の仮想的な多角形(正多角形)、本実施の形態においては、正六角形Pk(k=11、12、…)の各辺に沿って、かつ、各正六角形Pkの辺を形成する通風孔23の数が、一つずつ多くなるように形成される。また、各通風孔23は正六角形Pkの各辺の垂直二等分線R1に対して対称に形成される。
【0081】
なお、前記第1の実施の形態においては、送風部としてのファン40(図3)の軸受け部41が形成される軸受け領域内に凹部25が形成されるようになっているが、ファン40の軸受け部41が小さい場合には、本実施の形態のように、前記凹部25に代えて、通風孔23を形成することができる。
【0082】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0083】
図17は本発明の第4の実施の形態における通気装置の正面図、図18は本発明の第4の実施の形態における通気装置の要部を示す斜視図である。
【0084】
図において、AR1は通気部としての通風領域、20は外装カバー、23は開口部としての通風孔、24は取付孔、50は送風方向変更部としてのルーバである。なお、前記取付孔24によって、ルーバ50を回動自在に取り付けるための回動中心Bが設定される。
【0085】
前記ルーバ50は、送風方向としての、装置本体内からの空気の排出方向を変更することができるように、外装カバー20に対して着脱自在に、かつ、回動自在に取り付けられる。
【0086】
また、前記ルーバ50は、円形の形状を有し、所定の径及び所定の厚さを有する板状体50a、及び該板状体50aの複数箇所、本実施の形態においては、4箇所に突出させて配設された偏向部材としての桟51を備える。そして、板状体50aを貫通させて円形の形状を有する4個の通気口部57が形成され、該各通気口部57に桟51が取り付けられる。
【0087】
該各桟51は、前記通気口部57のほぼ半分を覆うように形成され、「コ」字状の形状を有し、互いに対向させて、かつ、迫り出させて形成された一対の腕部fr1、fr2、及び該腕部fr1、fr2を連結する連結部fr3から成る枠fr、台形の形状を有し、前記連結部fr3から斜め下方に向けて所定の角度だけ傾斜させて延在させられる偏向部材としての、かつ、傾斜部材としての頂壁51a、並びに三角形の形状を有し、前記腕部fr1、fr2から斜め横方に向けて延在させられる側壁51b、51cを備える。
【0088】
そして、前記枠frによって、矩形の形状を有し、空気を排出するための開口mが形成される。したがって、通風孔23を通過した空気は、桟51によって偏向させられ、通気口部57を傾斜させられた状態で通過する。
【0089】
前記ルーバ50の回転軸を通り、各連結部fr3に対して直角の方向に延在する軸を基準軸Jとしたとき、該基準軸Jが鉛直方向に延びている状態をルーバ50の基準位置とする。そして、ルーバ50を基準位置に置いたときに、前記各通気口部57のうちの二つの通気口部57の中心が、基準軸Jと角度ε1
ε1=30〔°〕
を成す線H1上に置かれ、前記各通気口部57のうちの残りの二つの通気口部57の中心が、基準軸Jと角度ε2
ε2=60〔°〕
を成す線H2上に置かれる。このとき、各通気口部57内に、中心に位置する通風孔23、及び該通風孔23と隣接する6個の通風孔23を合わせた7個の通風孔23が位置させられる。
【0090】
本実施の形態においては、第2の実施の形態と同様に、基準軸Jと鉛直線とが成す角度をルーバ50の取付角度θとしたとき、取付角度θが0〔°〕、60〔°〕、120〔°〕、180〔°〕、240〔°〕及び300〔°〕の6個の角度のうちのいずれの角度においても、ルーバ50の通気口部57と連通させられる通風孔23は7個である。
【0091】
したがって、ルーバ50の取付角度θが6個の角度のうちのいずれの角度においても、通気口部57と通風孔23とが効率的に連通させられ、通風孔23の開口率が一定になり、空気を排出する際の排気抵抗が変化しない。その結果、排出される空気の量を安定させることができ、装置本体内の空気を十分に排出することができる。
【0092】
すなわち、本実施の形態のように、第1〜第3の実施の形態における通気口部37と異なる形状の通気口部57を形成した場合においても、第1〜第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0093】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0094】
図19は本発明の第5の実施の形態における通風領域の拡大図である。
【0095】
この場合、外装カバー20には、排出される空気を通過させるために、所定の形状、本実施の形態においては、ほぼ矩形の形状を有する通気部としての通風領域AR2が形成され、該通風領域AR2の中央に、第2の実施の形態と同様の送風方向変更部としてのルーバ30(図7)を外装カバー20に対して位置決めをして取り付けるための第1の係合部としての取付部22が形成される。そして、該取付部22に、取付孔24が外装カバー20を貫通させて形成される。
【0096】
また、前記取付孔24の周囲には、排出される空気を通過させるために、円形の形状を有する開口部としての複数の通風孔23が、所定のパターンで、かつ、外装カバー20を貫通させて形成される。各通風孔23は、前記取付孔24の近傍から径方向外方にかけて、一つ以上の仮想的な多角形(正多角形)、本実施の形態においては、正四角形Pm(m=21、22、…)の辺に沿って、かつ、各正四角形Pmの辺を形成する通風孔23の数が、二つずつ多くなるように形成される。また、各通風孔23は正四角形Pmの各辺の垂直二等分線R2に対して対称に形成される。なお、二つの隣接する垂直二等分線R2が成す角度β3、及び正四角形Pmの外角β4はいずれも90〔°〕である。
【0097】
また、前記ルーバ30には、中央基部としての連結部81の裏面側に、第2の係合部としての軸部36が一対の係合爪33を突出させることによって形成され、該係合爪33と前記取付部22とを係合させることによって、ルーバ30を外装カバー20に対して着脱自在に取り付けることができる。
【0098】
そのために、前記各係合爪33は、可撓性を有するように薄い舌片状に、かつ、所定の間隔を置いて平行に形成され、先端の近傍には、係合止35が互いに離間する方向に向けて突出させて形成される。また、前記取付部22には、外装カバー20の裏面側において、取付孔24の内周縁に沿って、環状の係止部24aが突出させて形成される。
【0099】
そして、前記係合爪33における係止部35より連結部81側に、係止突起34(図8)が、係止部35と隣接させて、かつ、突出させて形成され、係止部24aの内周面における複数箇所、本実施の形態においては、4箇所に、円周方向において所定のピッチで、かつ、互いに所定の角度γ’を置いて図示されない係止溝が形成される。この場合、該係止溝によって第1の位置決め要素が、係止突起34によって第2の位置決め要素が構成される。
【0100】
なお、前記角度γ’は、通風孔23のパターンに対応させて設定され、本実施の形態においては、正四角形Pmの各辺に沿って通風孔23が形成されるので、
γ’=360/4
=90〔°〕
にされる。
【0101】
すなわち、図19に示されるように、正四角形Pmの外角β4は90〔°〕であるので、前記角度γ’は正四角形Pmの外角β4とほぼ等しくされる。
【0102】
なお、本実施の形態においては、二つの隣接する垂直二等分線R2が成す角度β3と前記角度γ’とが等しくされるが、角度β3の製造上の誤差が角度γ’に対する±3〔%〕以内であれば同様の効果を得ることができる。
【0103】
本実施の形態においては、基準軸Jと鉛直線とが成す角度をルーバ30の取付角度θとしたとき、取付角度θが0〔°〕、90〔°〕、180〔°〕及び270〔°〕の4個の角度のうちのいずれの角度においても、ルーバ30の通気口部37を介して見ることができる通風孔23は桟31と平行に、かつ、一列に延在する。すなわち、取付角度θが4個の角度のうちのいずれの角度においても、ルーバ30の桟31と正四角形Pmの所定の辺とが平行になり、各通気口部37は基準軸Jに対して直角の方向に延在する通風孔23と連通させられる。
【0104】
したがって、ルーバ30の取付角度θが4個の角度のうちのいずれの角度においても、通気口部37と通風孔23とが効率的に連通させられ、通風孔23の開口率が一定になり、空気を排出する際の排気抵抗が変化しない。その結果、排出される空気の量を安定させることができ、装置本体内の空気を十分に排出することができる。
【0105】
本実施の形態においては、通風孔23が、取付孔24の周囲において、回動中心Bを中心とする仮想的な正四角形Pmにほぼ沿うように形成され、係止溝と係止突起34とが、角度γ’と外角β4とがほぼ等しくなるように係合させられるので、通気口部37と連通させられる通風孔23の開口率を一定にすることができる。
【0106】
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0107】
図20は本発明の第6の実施の形態における通風領域の拡大図である。
【0108】
この場合、外装カバー20には、排出される空気を通過させるために、所定の形状、本実施の形態においては、ほぼ矩形の形状を有する通気部としての通風領域AR3が形成され、該通風領域AR3の中央に、第2の実施の形態と同様のルーバ30(図7)を外装カバー20に対して位置決めをして取り付けるための第1の係合部としての取付部22が形成される。そして、該取付部22に、取付孔24が外装カバー20を貫通させて形成される。
【0109】
また、前記取付孔24の周囲には、排出される空気を通過させるために、長溝形の形状を有する開口部としての複数の通風孔63が、所定のパターンで、かつ、外装カバー20を貫通させて形成される。各通風孔63は、前記取付孔24の近傍から径方向外方にかけて、一つ以上の仮想的な多角形(正多角形)、本実施の形態においては、正四角形Po(o=31、32、…)の辺を形成し、かつ、各正四角形Poの辺を形成する通風孔63が、徐々に長くなるように形成される。また、各通風孔63は正四角形Poの各辺の垂直二等分線R3に対して対称に形成される。なお、二つの隣接する垂直二等分線R3が成す角度β5、及び正四角形Poの外角β6はいずれも90〔°〕である。
【0110】
また、前記ルーバ30には、第5の実施の形態と同様の係合爪33が形成され、該係合爪33における係止部35より連結部81側に、係止突起34(図8)が突出させて形成され、係止部24aの内周面における複数箇所、本実施の形態においては、4箇所に、円周方向において所定のピッチで、互いに所定の角度γ’を置いて図示されない係止溝が形成される。この場合、該係止溝によって第1の位置決め要素が、係止突起34によって第2の位置決め要素が構成される。
【0111】
なお、前記角度γ’は、第5の実施の形態と同様に90〔°〕にされる。
【0112】
本実施の形態においては、基準軸Jと鉛直線とが成す角度をルーバ30の取付角度θとしたとき、取付角度θが0〔°〕、90〔°〕、180〔°〕及び270〔°〕の4個の角度のうちのいずれの角度においても、ルーバ30の通気口部37を介して見ることができる通風孔63が偏向部材としての桟31と平行に延在する。すなわち、取付角度θが4個の角度のうちのいずれの角度においても、ルーバ30の桟31と正四角形Poの所定の辺とが平行になり、各通気口部37は基準軸Jに対して直角の方向に延在する通風孔63と連通させられる。
【0113】
したがって、ルーバ30の取付角度θが4個の角度のうちのいずれの角度においても、通気口部37と通風孔63とが効率的に連通させられ、通風孔63の開口率が一定になり、空気を排出する際の排気抵抗が変化しない。その結果、排出される空気の量を安定させることができ、装置本体内の空気を十分に排出することができる。
【0114】
すなわち、本実施の形態のように、第1〜第5の実施の形態における通風孔23と異なる形状の通風孔63を形成した場合においても、第1〜第5の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0115】
前記第1〜第4の実施の形態においては、仮想的な多角形が正六角形Pb、Pkにされ、第5、第6の実施の形態においては、仮想的な多角形が正四角形Pm、Poにされるが、仮想的な多角形を、正三角形、正五角形、正七角形、又はそれ以上の正多角形にすることができる。
【0116】
前記各実施の形態においては、プリンタ10について説明しているが、本発明を複写機、ファクシミリ、複合機等に適用することができる。
【0117】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0118】
20 外装カバー
22 取付部
23、63 通風孔
30、50 ルーバ
31、51 桟
36 軸部
37、57 通気口部
40 ファン
AR1〜AR3 通風領域
B 回動中心
H 回転軸
Pb、Pi、Pk、Pm、Po 多角形
【技術分野】
【0001】
本発明は、通気装置、画像形成装置及び情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の情報処理装置としての画像形成装置、例えば、プリンタにおいては、プリンタの本体、すなわち、装置本体内の空気を排出したり、装置本体内に空気を吸引したりするために通気装置が配設されるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−265288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の通気装置においては、プリンタの配置状態に応じて、装置本体内の空気を排出する方向、すなわち、排出方向又は装置本体内に空気を吸引する方向、すなわち、吸引方向を設定することができない。
【0005】
本発明は、前記従来の通気装置の問題点を解決して、情報処理装置の配置状態に応じて、空気の排出方向又は吸引方向を設定することができる通気装置、画像形成装置及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明の通気装置においては、第1の係合部を備え、空気を通過させるための通気部と、第2の係合部を備え、前記第1の係合部と前記第2の係合部とを係合させることによって、前記通気部に対して回動自在に取り付けられ、回動に伴って送風方向を変更する送風方向変更部とを有する。
【0007】
そして、前記通気部は、前記送風方向変更部を回動自在に取り付けるための回動中心、及び複数の開口部を備える。
【0008】
また、前記送風方向変更部は、送風方向変更部の回転軸に対して傾斜させて配設される偏向部材、及び送風方向変更部が前記通気部に取り付けられた状態で、前記開口部と連通する通気口部を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、通気装置においては、第1の係合部を備え、空気を通過させるための通気部と、第2の係合部を備え、前記第1の係合部と前記第2の係合部とを係合させることによって、前記通気部に対して回動自在に取り付けられ、回動に伴って送風方向を変更する送風方向変更部とを有する。
【0010】
そして、前記通気部は、前記送風方向変更部を回動自在に取り付けるための回動中心、及び複数の開口部を備える。
【0011】
また、前記送風方向変更部は、送風方向変更部の回転軸に対して傾斜させて配設される偏向部材、及び送風方向変更部が前記通気部に取り付けられた状態で、前記開口部と連通する通気口部を備える。
【0012】
この場合、前記送風方向変更部は、送風方向変更部の回転軸に対して傾斜させて配設される偏向部材、及び送風方向変更部が前記通気部に取り付けられた状態で、前記開口部と連通する通気口部を備えるので、送風方向変更部を回動させることによって、情報処理装置の配置状態に応じて、空気の排出方向及び吸引方向を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態における外装カバーの正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における通気装置の第1の分解斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における通気装置の第2の分解斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における通風領域の拡大図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における係合爪の要部を示す拡大図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態におけるルーバの斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるルーバの要部を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における係合爪の要部を示す拡大図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における外装カバーの斜視図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における外装カバーの要部を示す斜視図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態におけるルーバの取付状態を示す第1の図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態におけるルーバの取付状態を示す第2の図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態におけるルーバの取付状態を示す第3の図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態におけるルーバの取付状態を示す第4の図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態における通風領域の拡大図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態における通気装置の正面図である。
【図18】本発明の第4の実施の形態における通気装置の要部を示す斜視図である。
【図19】本発明の第5の実施の形態における通風領域の拡大図である。
【図20】本発明の第6の実施の形態における通風領域の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、情報処理装置としての、かつ、画像形成装置としての電子写真式のプリンタについて説明する。
【0015】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの斜視図である。
【0016】
図において、10はプリンタ、10aはプリンタ10の本体、すなわち、装置本体の筐体、91は該筐体10a内の所定の箇所に配設された制御部である。
【0017】
前記プリンタ10には、図示されない画像形成ユニット、定着装置としての図示されない定着器等が配設され、画像形成ユニットにおいて形成され、媒体としての用紙に転写させられた現像剤像としてのトナー像が、定着器において用紙に定着させられ、画像が形成されるようになっている。そして、前記定着器は、定着ローラ及びバックアップローラを備え、前記定着ローラ内に配設された加熱源の熱によってトナー像を加熱し、溶融させ、バックアップローラによって加圧し、用紙に定着させる。
【0018】
ところで、前記定着器において発生させられた熱によって装置本体内の温度が高くなると、画像形成ユニット及び定着器を適正に作動させることができなくなってしまう。
【0019】
そこで、前記筐体10aの所定の箇所、本実施の形態においては、プリンタ10の左側面を覆う外装カバー20の裏面側(装置本体内)に、送風部としての図示されないファンが、外装カバー20の表面側(装置本体外)に送風方向変更部としてのルーバ30が配設され、前記ファンを作動させることによって、装置本体内の空気を装置本体外に排出するようにしている。なお、前記外装カバー20、ルーバ30及びファンによって通気装置が構成される。
【0020】
次に、該通気装置について説明する。
【0021】
図1は本発明の第1の実施の形態における外装カバーの正面図、図3は本発明の第1の実施の形態における通気装置の第1の分解斜視図、図4は本発明の第1の実施の形態における通気装置の第2の分解斜視図、図5は本発明の第1の実施の形態における通風領域の拡大図、図6は本発明の第1の実施の形態における係合爪の要部を示す拡大図である。
【0022】
図において、20は外装カバー、30はルーバ、40はファンである。
【0023】
前記外装カバー20には、装置本体内の空気を排出するに当たり、所定の形状、本実施の形態においては、ほぼ矩形の形状を有し、空気を通過させるための通気部としての通風領域AR1が形成される。前記ファン40は、装置本体内において、前記外装カバー20と対向させて、かつ、前記通風領域AR1と対向させて配設され、固定要素としての図示されないネジ等によって、外装カバー20の内側に配設された図示されない装置本体のフレーム、すなわち、装置本体フレームに固定される。前記ファン40は、前記制御部91からの制御信号を受けて作動させられ、送風を行う。
【0024】
また、前記ルーバ30は、前記通風領域AR1を介して前記ファン40と対向させて配設される。そして、前記ルーバ30は、通気方向としての、かつ、送風方向としての、装置本体内からの空気の排出方向を変更することができるように、外装カバー20に対して着脱自在に、かつ、回動自在に取り付けられる。
【0025】
なお、本実施の形態において、前記ファン40は、装置本体フレームに固定されるようになっているが、外装カバー20に直接取り付けることができる。また、本実施の形態において、通気装置は、装置本体内の空気を装置本体外に(図3における矢印A方向に)排出するために配設されるが、装置本体内に空気を吸引するために配設することができる。その場合、ルーバ30は、通気方向としての、かつ、送風方向としての、装置本体内への空気の吸引方向を変更することができるように、外装カバー20に対して着脱自在に、かつ、回動自在に取り付けられる。
【0026】
前記通風領域AR1の中央には、前記ルーバ30を外装カバー20に対して位置決めをして取り付けるための第1の係合部としての取付部22が形成される。そして、該取付部22には、一つの取付孔24が外装カバー20を貫通させて形成され、前記取付孔24によって、ルーバ30を外装カバー20に対して回動自在に取り付けるための回動中心Bが設定される。また、前記取付孔24の周囲には、前記ルーバ30が外装カバー20に対して誤って取り付けられるのを防止するために、誤取付防止部としての複数の、本実施の形態においては、6個の凹部25が、外装カバー20を貫通させることなく所定の深さで形成される。
【0027】
前記各凹部25は、取付孔24の周囲において、前記回動中心Bを中心とする仮想的な多角形(正多角形)、本実施の形態においては、正六角形Pbの各辺に沿って頂点及び辺を形成する。そして、前記各凹部25の周囲には、排出される空気を通過させるために、円形の形状を有する開口部としての複数の通風孔23が、所定のパターンで、かつ、外装カバー20を貫通させて形成される。各通風孔23は、前記凹部25の近傍から径方向外方にかけて、前記回動中心Bを中心とする一つ以上の仮想的な多角形(正多角形)、本実施の形態においては、複数の正六角形Pi(i=1、2、…)の各辺に沿って頂点及び辺を形成し、かつ、各正六角形Piの辺を形成する通風孔23の数が、一つずつ多くなるように形成される。なお、前記各凹部25の中心は正六角形Pbの各辺上に、前記各通風孔23の中心は正六角形Piの各辺上に置かれる。
【0028】
また、前記各通風孔23は正六角形Piの各辺の垂直二等分線R1に対して対称に形成される。そして、二つの隣接する垂直二等分線R1が成す角度β1、及び二つの隣接する辺が成す角度、すなわち、正六角形Piの外角β2は、いずれも60〔°〕である。
【0029】
本実施の形態において、前記各正六角形Pb、Piは、各辺が互いに平行になるように、前記回動中心Bに対して同心状に、かつ、径方向において所定のピッチで設定され、対向する所定の二つの辺が水平に延在するように設定されるが、前記正六角形Pb、Piを、対向する所定の二つの頂点が垂直方向に置かれるように設定することができる。そして、正六角形Pb、P1の各辺間の距離Lb、及び各正六角形Piの各辺間の距離Lは、いずれも等しく、
Lb=L
≒5.2〔mm〕
にされる。また、本実施の形態において、各通風孔23の径は4〔mm〕にされ、前記取付孔24の径は通風孔23の径より大きくされる。
【0030】
ところで、前記各通風孔23は、60〔°〕ずつ異なる6個の方向、すなわち、六方向において互いに隣接させられ、60〔°〕異なる方向で隣接する二つの通風孔23と仮想的な三角形、本実施の形態においては、正三角形を形成する。そして、六方向において隣接する各通風孔23間の距離は、ほぼ等しく、6〔mm〕にされる。
【0031】
また、前記各通風孔23によって、水平方向に、かつ、互いに平行に延在する複数の通気孔列Qj(j=1、2、…)が形成され、各通気孔列Qjにおいて、各通風孔23は、ピッチd、
d=6〔mm〕
で配列され、隣接する各通気孔列Qj間において、所定の量、本実施の形態においては、ピッチdの1/2だけ位相がずらされる。
【0032】
本実施の形態においては、誤取付防止部として、前記各凹部25が形成されるようになっているが、誤取付防止部として、取付孔24の周囲に通風孔23及び凹部25のいずれも形成されない平坦部を形成することができる。
【0033】
ところで、図3に示されるように、ファン40の中心をXとし、ファン40の軸受け部41の外径をD1とし、ファン40の羽根42の外径をD2としたとき、中心Xから値D1/2離れた部分から値D2/2離れた部分までの送風に寄与する領域、すなわち、送風領域において、ファン40によって、装置本体内の空気を各通風孔23を介して排出するための空気の流れが形成される。本実施の形態において、前記各凹部25は、中心Xから値D1/2離れた部分以内の領域、すなわち、軸受け領域内に形成されているので、凹部25によって送風領域が遮蔽されることはなく、装置本体内の空気を円滑に排出することができる。
【0034】
前記ルーバ30は、円形の形状を有し、所定の径及び所定の厚さを有する環状体32、該環状体32内において、互いに平行に、かつ、環状体32の軸方向において所定の角度だけ傾斜させて配設された偏向部材としての、かつ、羽根としての複数の桟31、並びにルーバ30の中央部において複数の、本実施の形態においては、三つの桟31に対して直角の方向に延在させられ、各桟31を連結する中央基部としての連結部81を備える。そして、前記各桟31によって、すなわち、環状体32内における各桟31間に、通風孔23と連通させられ、前記桟31の角度と同じ角度で傾斜させられた通気口部37が形成され、該通気口部37は、ルーバ30が外装カバー20に取り付けられた状態で、通風孔23と連通させられる。したがって、各通風孔23を通過した空気は、各桟31によって偏向させられ、各通気口部37を傾斜させられた状態で通過する。
【0035】
前記各桟31及び通気口部37は、前記正六角形Piの所定の辺とほぼ平行に延在させられる。また、前記各桟31は、連結部81に沿って延在させられる基準軸Jに対して左右対称に延在させられ、各桟31間の距離Wはほぼ等しくされる。
【0036】
前記連結部81は、所定の厚さを有する板状体によって形成され、操作者がルーバ30を回動させる際に摘みとして機能する。そして、前記連結部81の表面側に、通気口部37を通過する際の空気の傾斜方向を表す指標としての矢印38が刻印によって形成される。
【0037】
また、前記連結部81の裏面側に、第2の係合部としての軸部36が一対の係合爪33を外装カバー20側に突出させることによって形成され、前記各係合爪33と前記取付部22とを係合させることによって、ルーバ30を外装カバー20に対して着脱自在に取り付けることができる。
【0038】
そのために、前記各係合爪33は、可撓性を有するように薄い舌片状に、かつ、所定の間隔を置いて平行に形成され、先端の近傍には、係止部35が互いに離間する方向に向けて突出させて形成される。また、前記取付部22には、外装カバー20の裏面側において、取付孔24の内周縁に沿って、環状の係止部24aが突出させて形成される。
【0039】
したがって、前記各係合爪33を撓ませて軸部36を取付孔24内に挿入し、前記係止部35と係止部24aとを係止させることによって、前記係合爪33と前記取付部22とを係合させることができる。
【0040】
なお、前記各係合爪33には、軸部36を取付孔24内に挿入する際に、各係合爪33が容易に撓むように傾斜部35aが、軸部36を取付孔24から取り出す際に、各係合爪33が容易に撓むように傾斜部35bが形成される。
【0041】
そして、前記軸部36は、ルーバ30の回転軸Hとして機能し、ルーバ30を外装カバー20に対して取り付けた後は、軸部36を中心にして、ルーバ30を回動させることができる。
【0042】
このように、本実施の形態においては、ルーバ30が外装カバー20に対して回動自在に取り付けられ、ルーバ30の回転軸Hに対して所定の角度だけ傾斜させて、各桟31が配設され、通風孔23と連通させられる通気口部37が形成されるので、操作者は、連結部81を摘んでルーバ30を回動させることによって、ルーバ30の回動角度に対応させて空気の排出方向を変更することができる。
【0043】
したがって、プリンタ10の配置状態に応じて、空気の排出方向を設定することができる。
【0044】
また、本実施の形態においては、前記ルーバ30が外装カバー20に対して着脱自在に配設され、空気の排出方向が設定されるようになっているが、ルーバ30を外装カバー20から取り外して使用しても、装置本体内からの空気の排出機能が低下することはない。
【0045】
そして、前記取付孔24の周囲には、凹部25が外装カバー20を貫通させることなく形成されるので、操作者は取付孔24を十分に識別することができる。したがって、操作者は、軸部36を取付孔24内に容易に挿入することができるので、ルーバ30を外装カバー20に対して容易に取り付けることができる。
【0046】
なお、軸部36が正確に取付孔24内に挿入されない場合には、軸部36が凹部25に当接し、それ以上の軸部36の動作が阻止される。したがって、ルーバ30が外装カバー20に対して誤って取り付けられるのを防止することができる。
【0047】
また、本実施の形態においては、各通風孔23が円形の形状を有するので、正六角形Piの各辺に沿って通風孔23を密接させて形成しても、外装カバー20の強度が低くなることがない。
【0048】
なお、製造上、通風孔23間のピッチd、前記距離Lb、L等を正確に設定したり、垂直二等分線R1に対して通風孔23を精度良く対称に形成したりすることが困難な場合があるが、理想的な寸法、理想的な配列等に対して±20〔%〕以内の誤差であれば、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0049】
ところで、本実施の形態においては、前記ルーバ30が外装カバー20に対して着脱自在に配設されるので、ルーバ30をオプション品として、ルーバ30を外装カバー20から取り外した状態でプリンタ10を使用することができる。
【0050】
その場合、前記取付孔24の周囲には、前記各凹部25及び通風孔23が複数の正六角形Piの各辺に沿うように形成されるので、装置本体内の空気を通風孔23を介して排出することができるだけでなく、外装カバー20の通風領域AR1の外観を良くすることができる。
【0051】
なお、ルーバ30を外装カバー20から取り外して使用した場合に、操作者の指先がファン40に直接触れることがないように、前述されたように、本実施の形態においては、前記通風孔23の径が4〔mm〕にされる。この場合、90パーセントタイル(100人のうち90人)の成人は指先の径が約12〔mm〕であるので、通風孔23の径を安全率を1.5として8〔mm〕とすることが好ましいが、本実施の形態においては、安全率を3.0として4〔mm〕とした。また、本実施の形態において、通風孔23は円形の形状を有するようになっているが、通風孔23に操作者の指先が入らない形状を有するものであれば、通風孔23を円形以外の形状にすることができる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0053】
図7は本発明の第2の実施の形態におけるルーバの斜視図、図8は本発明の第2の実施の形態におけるルーバの要部を示す斜視図、図9は本発明の第2の実施の形態における係合爪の要部を示す拡大図、図10は本発明の第2の実施の形態における外装カバーの斜視図、図11は本発明の第2の実施の形態における外装カバーの要部を示す斜視図である。
【0054】
この場合、外装カバー20には、送風方向変更部としてのルーバ30を外装カバー20に対して位置決めをして取り付けるための第1の係合部としての取付部22が形成され、該取付部22に、取付孔24が外装カバー20を貫通させて形成される。
【0055】
また、前記ルーバ30には、中央基部としての連結部81の裏面側に、第2の係合部としての軸部36が一対の係合爪33を突出させることによって形成され、該各係合爪33と前記取付部22とを係合させることによって、ルーバ30を外装カバー20に対して着脱自在に取り付けることができる。
【0056】
そのために、前記各係合爪33は、可撓性を有するように薄い舌片状に、かつ、所定の間隔を置いて平行に形成され、先端の近傍には、係止部35が互いに離間する方向に向けて突出させて形成される。また、前記取付部22には、外装カバー20の裏面側において、取付孔24の内周縁に沿って、環状の係止部24aが突出させて形成される。
【0057】
そして、前記各係合爪33における係止部35より連結部81側に、係止突起34が、係止部35と隣接させて、かつ、回転軸Hを通る平面に対して垂直な方向に係合爪33から突出させて形成され、係止部24aの内周面における複数箇所、本実施の形態においては、6箇所に、円周方向において所定のピッチで、かつ、互いに所定の角度γを置いて係止溝26が形成される。この場合、該係止溝26によって第1の位置決め要素が、係止突起34によって第2の位置決め要素が構成される。
【0058】
なお、前記角度γは、開口部としての複数の通風孔23のパターンに対応させて設定され、本実施の形態においては、正六角形Piの各辺に沿って通風孔23が形成されるので、
γ=360/6
=60〔°〕
にされる。
【0059】
すなわち、図5に示されるように、正六角形Piの外角β2が60〔°〕であるので、前記角度γは正六角形Piの外角β2とほぼ等しくされる。
【0060】
したがって、前記各係合爪33を撓ませて軸部36を取付孔24内に挿入し、ルーバ30を回動させ、係止突起34を係止溝26内に進入させると、前記係止部35と係止部24aとを所定の角度ごと(本実施の形態においては、60〔°〕ごと)に係止させることができ、前記係合爪33と前記取付部22とを前記角度γごとに係合させることができる。
【0061】
その結果、ルーバ30を、円周方向における複数箇所、本実施の形態においては、6箇所で外装カバー20に対して位置決めをすることができる。
【0062】
なお、前記係合爪33には、軸部36を取付孔24内に挿入する際に、係合爪33が容易に撓むように傾斜部35aが、軸部36を取付孔24から取り出す際に、係合爪33が容易に撓むように傾斜部35bが形成される。また、係止突起34には、軸部36を取付孔24から取り出す際に、係合爪33が容易に撓むように傾斜部34aが形成される。
【0063】
次に、前記ルーバ30を、円周方向における6箇所で外装カバー20に対して位置決めをしたときの、ルーバ30の偏向部材としての、かつ、羽根としての複数の桟31と外装カバー20の通風孔23との関係について説明する。
【0064】
この場合、連結部81に沿って延在させられる基準軸Jが鉛直方向に延びている状態をルーバ30の基準位置とする。
【0065】
図12は本発明の第2の実施の形態におけるルーバの取付状態を示す第1の図、図13は本発明の第2の実施の形態におけるルーバの取付状態を示す第2の図、図14は本発明の第2の実施の形態におけるルーバの取付状態を示す第3の図、図15は本発明の第2の実施の形態におけるルーバの取付状態を示す第4の図である。
【0066】
図において、20は外装カバー、30はルーバ、31は桟、81は連結部である。
【0067】
前記基準軸Jと鉛直線とが成す角度をルーバ30の取付角度θとしたとき、該取付角度θが0〔°〕である場合、ルーバ30は、図12に示されるような第1の取付状態(基準位置)に置かれ、取付角度θが60〔°〕である場合、ルーバ30は、図13に示されるような第2の取付状態に置かれ、取付角度θが120〔°〕である場合、ルーバ30は、図14に示されるような第3の取付状態に置かれ、取付角度θが180〔°〕である場合、ルーバ30は、図15に示されるような第4の取付状態に置かれる。なお、取付角度θが240〔°〕及び300〔°〕である場合は、それぞれ取付角度θが120〔°〕及び60〔°〕である場合と、鉛直線に対して対称の取付状態に置かれるので説明を省略する。
【0068】
そして、取付角度θが0〔°〕、60〔°〕、120〔°〕、180〔°〕、240〔°〕及び300〔°〕の6個の角度のうちのいずれの角度においても、ルーバ30の桟31間に見ることができる通風孔23が桟31と平行に、かつ、一列に延在する。すなわち、取付角度θが6個の角度のうちのいずれの角度においても、ルーバ30の桟31と正六角形Pi(図5)の所定の辺とがほぼ平行になり、各通気口部37は基準軸Jに対して直角の方向に延在する通風孔23と連通させられる。
【0069】
したがって、ルーバ30の取付角度θが6個の角度のうちのいずれの角度においても、各通気口部37と通風孔23とが効率的に連通させられ、各通気口部37と連通させられる通風孔23の総面積、すなわち、通風孔23の開口率が一定になるので、空気を排出する際の抵抗、すなわち、排気抵抗が変化しない。その結果、排出される空気の量を安定させることができ、装置本体内の空気を装置本体外に十分に排出することができる。
【0070】
また、前述されたように、通風孔23は正六角形Piの辺の垂直二等分線R1に対して対称に形成されるので、ルーバ30の取付角度θが6個の角度のうちのいずれの角度においても、排出される空気の量を等しくすることができる。
【0071】
しかも、本実施の形態においては、通風孔23が、取付孔24の周囲において、回動中心Bを中心とする仮想的な正六角形Piの辺にほぼ沿って形成され、前記係止溝26と係止突起34とが、角度γと正六角形Piの外角β2とがほぼ等しくなるように係合させられるので、前記通風孔23の開口率を一定にすることができる。
【0072】
そして、ルーバ30の取付角度θが6個の角度のうちのいずれの角度においても、桟31間に見ることができる通風孔23が常に一列に延在するので、ルーバ30を外装カバー20に取り付けた状態の外観を良くすることができる。
【0073】
なお、本実施の形態においては、二つの隣接する垂直二等分線R1が成す角度β1と前記角度γとがほぼ等しくされるが、角度β1の製造上の誤差が角度γに対する±10〔%〕以内であれば、同様の効果を得ることができる。
【0074】
また、本実施の形態においては、ルーバ30の桟31と正六角形Piの所定の辺とが平行にされ、通風孔23の開口率を大きくすることができるので、通風孔23のピッチd(図1)の誤差が大きい場合でも、排出される空気の量を安定させることができる。
【0075】
さらに、ルーバ30の取付角度θを6個の角度のうちで変化させたときに、通風孔23の開口率が一定になるようにするために、通気口部37の大きさ、及び前記各角度において通気口部37と連通させられる通風孔23の数の変化が20〔%〕以内に収まるようにするのが好ましい。
【0076】
また、製造上、通風孔23のピッチd、距離Lb、L等を正確に設定したり、垂直二等分線R1に対して通風孔23を精度良く対称に形成したりすることが困難な場合でも、通気口部37の大きさ、及び前記各角度において通気口部37と連通する通風孔23の数の変化が20〔%〕以内に収まるようにすると、排出される空気の量を安定させることができる。
【0077】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1、第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0078】
図16は本発明の第3の実施の形態における通風領域の拡大図である。
【0079】
この場合、外装カバー20の通気部としての通風領域AR1の中央に、送風方向変更部としてのルーバ30を外装カバー20に対して位置決めをして取り付けるための第1の係合部としての取付部22が形成され、該取付部22に、取付孔24が外装カバー20を貫通させて形成される。なお、前記取付孔24によって、ルーバ30を通風領域AR1に対して回動自在に取り付けるための回動中心Bが設定される。
【0080】
また、前記取付孔24の周囲には、排出される空気を通過させるために、円形の形状を有する開口部としての複数の通風孔23が、所定のパターンで、かつ、外装カバー20を貫通させて形成される。各通風孔23は、前記取付孔24の近傍から径方向外方にかけて、前記回動中心Bを中心とする一つ以上の仮想的な多角形(正多角形)、本実施の形態においては、正六角形Pk(k=11、12、…)の各辺に沿って、かつ、各正六角形Pkの辺を形成する通風孔23の数が、一つずつ多くなるように形成される。また、各通風孔23は正六角形Pkの各辺の垂直二等分線R1に対して対称に形成される。
【0081】
なお、前記第1の実施の形態においては、送風部としてのファン40(図3)の軸受け部41が形成される軸受け領域内に凹部25が形成されるようになっているが、ファン40の軸受け部41が小さい場合には、本実施の形態のように、前記凹部25に代えて、通風孔23を形成することができる。
【0082】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0083】
図17は本発明の第4の実施の形態における通気装置の正面図、図18は本発明の第4の実施の形態における通気装置の要部を示す斜視図である。
【0084】
図において、AR1は通気部としての通風領域、20は外装カバー、23は開口部としての通風孔、24は取付孔、50は送風方向変更部としてのルーバである。なお、前記取付孔24によって、ルーバ50を回動自在に取り付けるための回動中心Bが設定される。
【0085】
前記ルーバ50は、送風方向としての、装置本体内からの空気の排出方向を変更することができるように、外装カバー20に対して着脱自在に、かつ、回動自在に取り付けられる。
【0086】
また、前記ルーバ50は、円形の形状を有し、所定の径及び所定の厚さを有する板状体50a、及び該板状体50aの複数箇所、本実施の形態においては、4箇所に突出させて配設された偏向部材としての桟51を備える。そして、板状体50aを貫通させて円形の形状を有する4個の通気口部57が形成され、該各通気口部57に桟51が取り付けられる。
【0087】
該各桟51は、前記通気口部57のほぼ半分を覆うように形成され、「コ」字状の形状を有し、互いに対向させて、かつ、迫り出させて形成された一対の腕部fr1、fr2、及び該腕部fr1、fr2を連結する連結部fr3から成る枠fr、台形の形状を有し、前記連結部fr3から斜め下方に向けて所定の角度だけ傾斜させて延在させられる偏向部材としての、かつ、傾斜部材としての頂壁51a、並びに三角形の形状を有し、前記腕部fr1、fr2から斜め横方に向けて延在させられる側壁51b、51cを備える。
【0088】
そして、前記枠frによって、矩形の形状を有し、空気を排出するための開口mが形成される。したがって、通風孔23を通過した空気は、桟51によって偏向させられ、通気口部57を傾斜させられた状態で通過する。
【0089】
前記ルーバ50の回転軸を通り、各連結部fr3に対して直角の方向に延在する軸を基準軸Jとしたとき、該基準軸Jが鉛直方向に延びている状態をルーバ50の基準位置とする。そして、ルーバ50を基準位置に置いたときに、前記各通気口部57のうちの二つの通気口部57の中心が、基準軸Jと角度ε1
ε1=30〔°〕
を成す線H1上に置かれ、前記各通気口部57のうちの残りの二つの通気口部57の中心が、基準軸Jと角度ε2
ε2=60〔°〕
を成す線H2上に置かれる。このとき、各通気口部57内に、中心に位置する通風孔23、及び該通風孔23と隣接する6個の通風孔23を合わせた7個の通風孔23が位置させられる。
【0090】
本実施の形態においては、第2の実施の形態と同様に、基準軸Jと鉛直線とが成す角度をルーバ50の取付角度θとしたとき、取付角度θが0〔°〕、60〔°〕、120〔°〕、180〔°〕、240〔°〕及び300〔°〕の6個の角度のうちのいずれの角度においても、ルーバ50の通気口部57と連通させられる通風孔23は7個である。
【0091】
したがって、ルーバ50の取付角度θが6個の角度のうちのいずれの角度においても、通気口部57と通風孔23とが効率的に連通させられ、通風孔23の開口率が一定になり、空気を排出する際の排気抵抗が変化しない。その結果、排出される空気の量を安定させることができ、装置本体内の空気を十分に排出することができる。
【0092】
すなわち、本実施の形態のように、第1〜第3の実施の形態における通気口部37と異なる形状の通気口部57を形成した場合においても、第1〜第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0093】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0094】
図19は本発明の第5の実施の形態における通風領域の拡大図である。
【0095】
この場合、外装カバー20には、排出される空気を通過させるために、所定の形状、本実施の形態においては、ほぼ矩形の形状を有する通気部としての通風領域AR2が形成され、該通風領域AR2の中央に、第2の実施の形態と同様の送風方向変更部としてのルーバ30(図7)を外装カバー20に対して位置決めをして取り付けるための第1の係合部としての取付部22が形成される。そして、該取付部22に、取付孔24が外装カバー20を貫通させて形成される。
【0096】
また、前記取付孔24の周囲には、排出される空気を通過させるために、円形の形状を有する開口部としての複数の通風孔23が、所定のパターンで、かつ、外装カバー20を貫通させて形成される。各通風孔23は、前記取付孔24の近傍から径方向外方にかけて、一つ以上の仮想的な多角形(正多角形)、本実施の形態においては、正四角形Pm(m=21、22、…)の辺に沿って、かつ、各正四角形Pmの辺を形成する通風孔23の数が、二つずつ多くなるように形成される。また、各通風孔23は正四角形Pmの各辺の垂直二等分線R2に対して対称に形成される。なお、二つの隣接する垂直二等分線R2が成す角度β3、及び正四角形Pmの外角β4はいずれも90〔°〕である。
【0097】
また、前記ルーバ30には、中央基部としての連結部81の裏面側に、第2の係合部としての軸部36が一対の係合爪33を突出させることによって形成され、該係合爪33と前記取付部22とを係合させることによって、ルーバ30を外装カバー20に対して着脱自在に取り付けることができる。
【0098】
そのために、前記各係合爪33は、可撓性を有するように薄い舌片状に、かつ、所定の間隔を置いて平行に形成され、先端の近傍には、係合止35が互いに離間する方向に向けて突出させて形成される。また、前記取付部22には、外装カバー20の裏面側において、取付孔24の内周縁に沿って、環状の係止部24aが突出させて形成される。
【0099】
そして、前記係合爪33における係止部35より連結部81側に、係止突起34(図8)が、係止部35と隣接させて、かつ、突出させて形成され、係止部24aの内周面における複数箇所、本実施の形態においては、4箇所に、円周方向において所定のピッチで、かつ、互いに所定の角度γ’を置いて図示されない係止溝が形成される。この場合、該係止溝によって第1の位置決め要素が、係止突起34によって第2の位置決め要素が構成される。
【0100】
なお、前記角度γ’は、通風孔23のパターンに対応させて設定され、本実施の形態においては、正四角形Pmの各辺に沿って通風孔23が形成されるので、
γ’=360/4
=90〔°〕
にされる。
【0101】
すなわち、図19に示されるように、正四角形Pmの外角β4は90〔°〕であるので、前記角度γ’は正四角形Pmの外角β4とほぼ等しくされる。
【0102】
なお、本実施の形態においては、二つの隣接する垂直二等分線R2が成す角度β3と前記角度γ’とが等しくされるが、角度β3の製造上の誤差が角度γ’に対する±3〔%〕以内であれば同様の効果を得ることができる。
【0103】
本実施の形態においては、基準軸Jと鉛直線とが成す角度をルーバ30の取付角度θとしたとき、取付角度θが0〔°〕、90〔°〕、180〔°〕及び270〔°〕の4個の角度のうちのいずれの角度においても、ルーバ30の通気口部37を介して見ることができる通風孔23は桟31と平行に、かつ、一列に延在する。すなわち、取付角度θが4個の角度のうちのいずれの角度においても、ルーバ30の桟31と正四角形Pmの所定の辺とが平行になり、各通気口部37は基準軸Jに対して直角の方向に延在する通風孔23と連通させられる。
【0104】
したがって、ルーバ30の取付角度θが4個の角度のうちのいずれの角度においても、通気口部37と通風孔23とが効率的に連通させられ、通風孔23の開口率が一定になり、空気を排出する際の排気抵抗が変化しない。その結果、排出される空気の量を安定させることができ、装置本体内の空気を十分に排出することができる。
【0105】
本実施の形態においては、通風孔23が、取付孔24の周囲において、回動中心Bを中心とする仮想的な正四角形Pmにほぼ沿うように形成され、係止溝と係止突起34とが、角度γ’と外角β4とがほぼ等しくなるように係合させられるので、通気口部37と連通させられる通風孔23の開口率を一定にすることができる。
【0106】
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0107】
図20は本発明の第6の実施の形態における通風領域の拡大図である。
【0108】
この場合、外装カバー20には、排出される空気を通過させるために、所定の形状、本実施の形態においては、ほぼ矩形の形状を有する通気部としての通風領域AR3が形成され、該通風領域AR3の中央に、第2の実施の形態と同様のルーバ30(図7)を外装カバー20に対して位置決めをして取り付けるための第1の係合部としての取付部22が形成される。そして、該取付部22に、取付孔24が外装カバー20を貫通させて形成される。
【0109】
また、前記取付孔24の周囲には、排出される空気を通過させるために、長溝形の形状を有する開口部としての複数の通風孔63が、所定のパターンで、かつ、外装カバー20を貫通させて形成される。各通風孔63は、前記取付孔24の近傍から径方向外方にかけて、一つ以上の仮想的な多角形(正多角形)、本実施の形態においては、正四角形Po(o=31、32、…)の辺を形成し、かつ、各正四角形Poの辺を形成する通風孔63が、徐々に長くなるように形成される。また、各通風孔63は正四角形Poの各辺の垂直二等分線R3に対して対称に形成される。なお、二つの隣接する垂直二等分線R3が成す角度β5、及び正四角形Poの外角β6はいずれも90〔°〕である。
【0110】
また、前記ルーバ30には、第5の実施の形態と同様の係合爪33が形成され、該係合爪33における係止部35より連結部81側に、係止突起34(図8)が突出させて形成され、係止部24aの内周面における複数箇所、本実施の形態においては、4箇所に、円周方向において所定のピッチで、互いに所定の角度γ’を置いて図示されない係止溝が形成される。この場合、該係止溝によって第1の位置決め要素が、係止突起34によって第2の位置決め要素が構成される。
【0111】
なお、前記角度γ’は、第5の実施の形態と同様に90〔°〕にされる。
【0112】
本実施の形態においては、基準軸Jと鉛直線とが成す角度をルーバ30の取付角度θとしたとき、取付角度θが0〔°〕、90〔°〕、180〔°〕及び270〔°〕の4個の角度のうちのいずれの角度においても、ルーバ30の通気口部37を介して見ることができる通風孔63が偏向部材としての桟31と平行に延在する。すなわち、取付角度θが4個の角度のうちのいずれの角度においても、ルーバ30の桟31と正四角形Poの所定の辺とが平行になり、各通気口部37は基準軸Jに対して直角の方向に延在する通風孔63と連通させられる。
【0113】
したがって、ルーバ30の取付角度θが4個の角度のうちのいずれの角度においても、通気口部37と通風孔63とが効率的に連通させられ、通風孔63の開口率が一定になり、空気を排出する際の排気抵抗が変化しない。その結果、排出される空気の量を安定させることができ、装置本体内の空気を十分に排出することができる。
【0114】
すなわち、本実施の形態のように、第1〜第5の実施の形態における通風孔23と異なる形状の通風孔63を形成した場合においても、第1〜第5の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0115】
前記第1〜第4の実施の形態においては、仮想的な多角形が正六角形Pb、Pkにされ、第5、第6の実施の形態においては、仮想的な多角形が正四角形Pm、Poにされるが、仮想的な多角形を、正三角形、正五角形、正七角形、又はそれ以上の正多角形にすることができる。
【0116】
前記各実施の形態においては、プリンタ10について説明しているが、本発明を複写機、ファクシミリ、複合機等に適用することができる。
【0117】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0118】
20 外装カバー
22 取付部
23、63 通風孔
30、50 ルーバ
31、51 桟
36 軸部
37、57 通気口部
40 ファン
AR1〜AR3 通風領域
B 回動中心
H 回転軸
Pb、Pi、Pk、Pm、Po 多角形
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1の係合部を備え、空気を通過させるための通気部と、
(b)第2の係合部を備え、前記第1の係合部と前記第2の係合部とを係合させることによって、前記通気部に対して回動自在に取り付けられ、回動に伴って送風方向を変更する送風方向変更部とを有するとともに、
(c)前記通気部は、前記送風方向変更部を回動自在に取り付けるための回動中心、及び複数の開口部を備え、
(d)前記送風方向変更部は、送風方向変更部の回転軸に対して傾斜させて配設される偏向部材、及び送風方向変更部が前記通気部に取り付けられた状態で、前記開口部と連通する通気口部を備えることを特徴とする通気装置。
【請求項2】
前記各開口部は、前記回動中心を中心とする仮想的な多角形の辺に沿って形成される請求項1に記載の通気装置。
【請求項3】
前記偏向部材及び通気口部は、前記送風方向変更部が前記通気部に取り付けられた状態で、前記多角形の辺とほぼ平行に延在させられる請求項1に記載の通気装置。
【請求項4】
前記開口部は、前記回動中心に対して同心状に、かつ、所定のピッチで設定された複数の多角形の各辺に沿って形成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項5】
前記多角形は正多角形である請求項1〜4のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項6】
(a)前記第1の係合部と前記第2の係合部とは所定の角度ごとに係合させられ、
(b)該所定の角度と前記正多角形の外角とがほぼ等しくされる請求項1〜5のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項7】
前記所定の角度は60〔°〕である請求項6に記載の通気装置。
【請求項8】
前記開口部は円形の形状を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項9】
(a)前記開口部は円形の形状を有し、
(b)隣接する開口部間の距離がほぼ等しくされる請求項1に記載の通気装置。
【請求項10】
(a)第1の係合部を備え、空気を通過させるための通気部と、
(b)第2の係合部を備え、前記第1の係合部と前記第2の係合部とを係合させることによって、前記通気部に対して回動自在に取り付けられ、回動に伴って送風方向を変更する送風方向変更部とを有するとともに、
(c)前記通気部は、前記送風方向変更部を回動自在に取り付けるための回動中心、及び空気を通過させるための複数の通気孔列を形成する開口部を備え、
(d)前記各通気孔列のうちの互いに隣接する通気孔列間で、開口部は所定の量だけずらされ、
(e)前記送風方向変更部は、送風方向変更部の回転軸に対して傾斜させて配設される偏向部材、及び送風方向変更部が前記通気部に取り付けられた状態で、前記通気孔列の開口部と連通する通気口部を備えることを特徴とする通気装置。
【請求項11】
(a)前記第1の係合部と前記第2の係合部とは所定の角度ごとに係合させられ、
(b)前記各通気孔列において、前記各開口部は所定のピッチで配列され、
(c)前記通気孔列のうちの互いに隣接する通気孔列間で、前記開口部は前記所定のピッチのほぼ1/2だけずらされる請求項10に記載の通気装置。
【請求項12】
前記各通気孔列の前記各開口部は、前記回動中心を中心とする仮想的な多角形の辺にほぼ沿って配設される請求項10に記載の通気装置。
【請求項13】
前記多角形は正多角形である請求項12に記載の通気装置。
【請求項14】
(a)前記第1の係合部と前記第2の係合部とは所定の角度ごとに係合させられ、
(b)該所定の角度と前記正多角形の外角とがほぼ等しくされる請求項13に記載の通気装置。
【請求項15】
前記所定の角度は60〔°〕である請求項14に記載の通気装置。
【請求項16】
前記回動中心は、前記送風方向変更部を前記通気部に取り付けるために、通気部を貫通させて形成された取付孔であり、第1の係合部を備える請求項1〜15のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項17】
前記通気部は、前記回動中心の周囲に、前記送風方向変更部が通気部に対して誤って取り付けられるのを防止するための誤取付防止部を備える請求項1に記載の通気装置。
【請求項18】
前記通気部と対向させて送風部が配設される請求項1〜17のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項19】
前記送風方向変更部は、前記通気部に対して着脱自在に取り付けられる請求項1〜18のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項20】
(a)第1の係合部を備え、空気を通過させるための通気部と、
(b)第2の係合部を備え、前記第1の係合部と前記第2の係合部とを係合させることによって、前記通気部に対して回動自在に取り付けられ、回動に伴って送風方向を変更する送風方向変更部とを有するとともに、
(c)前記通気部は、前記送風方向変更部を回動自在に取り付けるための回動中心、及び複数の開口部を備え、
(d)前記送風方向変更部は、送風方向変更部の回転軸に対して傾斜させて配設される偏向部材、及び送風方向変更部が前記通気部に取り付けられた状態で、前記開口部と連通する通気口部を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項21】
(a)第1の係合部を備え、空気を通過させるための通気部と、
(b)第2の係合部を備え、前記第1の係合部と前記第2の係合部とを係合させることによって、前記通気部に対して回動自在に取り付けられ、回動に伴って送風方向を変更する送風方向変更部とを有するとともに、
(c)前記通気部は、前記送風方向変更部を回動自在に取り付けるための回動中心、及び複数の開口部を備え、
(d)前記送風方向変更部は、送風方向変更部の回転軸に対して傾斜させて配設される偏向部材、及び送風方向変更部が前記通気部に取り付けられた状態で、前記開口部と連通する通気口部を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項1】
(a)第1の係合部を備え、空気を通過させるための通気部と、
(b)第2の係合部を備え、前記第1の係合部と前記第2の係合部とを係合させることによって、前記通気部に対して回動自在に取り付けられ、回動に伴って送風方向を変更する送風方向変更部とを有するとともに、
(c)前記通気部は、前記送風方向変更部を回動自在に取り付けるための回動中心、及び複数の開口部を備え、
(d)前記送風方向変更部は、送風方向変更部の回転軸に対して傾斜させて配設される偏向部材、及び送風方向変更部が前記通気部に取り付けられた状態で、前記開口部と連通する通気口部を備えることを特徴とする通気装置。
【請求項2】
前記各開口部は、前記回動中心を中心とする仮想的な多角形の辺に沿って形成される請求項1に記載の通気装置。
【請求項3】
前記偏向部材及び通気口部は、前記送風方向変更部が前記通気部に取り付けられた状態で、前記多角形の辺とほぼ平行に延在させられる請求項1に記載の通気装置。
【請求項4】
前記開口部は、前記回動中心に対して同心状に、かつ、所定のピッチで設定された複数の多角形の各辺に沿って形成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項5】
前記多角形は正多角形である請求項1〜4のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項6】
(a)前記第1の係合部と前記第2の係合部とは所定の角度ごとに係合させられ、
(b)該所定の角度と前記正多角形の外角とがほぼ等しくされる請求項1〜5のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項7】
前記所定の角度は60〔°〕である請求項6に記載の通気装置。
【請求項8】
前記開口部は円形の形状を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項9】
(a)前記開口部は円形の形状を有し、
(b)隣接する開口部間の距離がほぼ等しくされる請求項1に記載の通気装置。
【請求項10】
(a)第1の係合部を備え、空気を通過させるための通気部と、
(b)第2の係合部を備え、前記第1の係合部と前記第2の係合部とを係合させることによって、前記通気部に対して回動自在に取り付けられ、回動に伴って送風方向を変更する送風方向変更部とを有するとともに、
(c)前記通気部は、前記送風方向変更部を回動自在に取り付けるための回動中心、及び空気を通過させるための複数の通気孔列を形成する開口部を備え、
(d)前記各通気孔列のうちの互いに隣接する通気孔列間で、開口部は所定の量だけずらされ、
(e)前記送風方向変更部は、送風方向変更部の回転軸に対して傾斜させて配設される偏向部材、及び送風方向変更部が前記通気部に取り付けられた状態で、前記通気孔列の開口部と連通する通気口部を備えることを特徴とする通気装置。
【請求項11】
(a)前記第1の係合部と前記第2の係合部とは所定の角度ごとに係合させられ、
(b)前記各通気孔列において、前記各開口部は所定のピッチで配列され、
(c)前記通気孔列のうちの互いに隣接する通気孔列間で、前記開口部は前記所定のピッチのほぼ1/2だけずらされる請求項10に記載の通気装置。
【請求項12】
前記各通気孔列の前記各開口部は、前記回動中心を中心とする仮想的な多角形の辺にほぼ沿って配設される請求項10に記載の通気装置。
【請求項13】
前記多角形は正多角形である請求項12に記載の通気装置。
【請求項14】
(a)前記第1の係合部と前記第2の係合部とは所定の角度ごとに係合させられ、
(b)該所定の角度と前記正多角形の外角とがほぼ等しくされる請求項13に記載の通気装置。
【請求項15】
前記所定の角度は60〔°〕である請求項14に記載の通気装置。
【請求項16】
前記回動中心は、前記送風方向変更部を前記通気部に取り付けるために、通気部を貫通させて形成された取付孔であり、第1の係合部を備える請求項1〜15のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項17】
前記通気部は、前記回動中心の周囲に、前記送風方向変更部が通気部に対して誤って取り付けられるのを防止するための誤取付防止部を備える請求項1に記載の通気装置。
【請求項18】
前記通気部と対向させて送風部が配設される請求項1〜17のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項19】
前記送風方向変更部は、前記通気部に対して着脱自在に取り付けられる請求項1〜18のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項20】
(a)第1の係合部を備え、空気を通過させるための通気部と、
(b)第2の係合部を備え、前記第1の係合部と前記第2の係合部とを係合させることによって、前記通気部に対して回動自在に取り付けられ、回動に伴って送風方向を変更する送風方向変更部とを有するとともに、
(c)前記通気部は、前記送風方向変更部を回動自在に取り付けるための回動中心、及び複数の開口部を備え、
(d)前記送風方向変更部は、送風方向変更部の回転軸に対して傾斜させて配設される偏向部材、及び送風方向変更部が前記通気部に取り付けられた状態で、前記開口部と連通する通気口部を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項21】
(a)第1の係合部を備え、空気を通過させるための通気部と、
(b)第2の係合部を備え、前記第1の係合部と前記第2の係合部とを係合させることによって、前記通気部に対して回動自在に取り付けられ、回動に伴って送風方向を変更する送風方向変更部とを有するとともに、
(c)前記通気部は、前記送風方向変更部を回動自在に取り付けるための回動中心、及び複数の開口部を備え、
(d)前記送風方向変更部は、送風方向変更部の回転軸に対して傾斜させて配設される偏向部材、及び送風方向変更部が前記通気部に取り付けられた状態で、前記開口部と連通する通気口部を備えることを特徴とする情報処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−234005(P2012−234005A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101653(P2011−101653)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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