説明

速度調節可能な巻上駆動機のモータの回転速度制御方法と巻上駆動機

速度調節可能なモータの回転速度を調節する本発明の方法は、上昇速度情報(ω’’m)を受け取り、上昇速度情報(ω’’m)を含む初期情報を用いて最終速度情報(ω’m)を形成し、最終速度情報(ωm)を速度調節可能な巻上駆動機のモータの回転速度の速度情報として用いることを含む。本発明はさらに、ケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数(dF/dz)を監視することを含む。最終速度情報(ω’m)を形成するための初期情報は、ケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数(dF/dz)を含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
本発明は、速度調節可能な巻上駆動機のモータの回転速度の制御に関する。
【0002】
荷を地面から持ち上げるとき、荷と荷を運ぶ構造体との両方に垂直方向の振動が生じる。この垂直方向の振動は、主に衝撃荷重により起こり、衝撃荷重は荷を地面から高い上昇速度で素早く持ち上げたときに生じる。
【0003】
衝撃荷重は、荷を地面から運ぶとき上昇速度を低く保つことによって抑えてもよい。経験のある昇降機の操作者は、この手法の適用を手動で、荷が地面を離れる瞬間に上昇速度を下げることによって行うかもしれない。
【0004】
巻上駆動機に巻上制御装置を備えつけて、ケーブルに掛かる力の時間変化、すなわちケーブルに掛かる力の時間導関数を監視することで、ケーブルが張っていることや荷が空中を移動していることを検知することは公知である。ケーブルに掛かる力の時間導関数が高くなりすぎた場合、上昇速度を落とす。ケーブルに掛かる力の時間導関数が十分低ければ、上昇速度を上げて元の値に戻す。このような制御装置は2速式巻上駆動機において大変良い結果をもたらす。
【0005】
時間導関数を監視することによって衝撃荷重を防ぐことの問題点は、この方法が、上昇速度が最低速度と最高速度との間のいかなる値にもなり得る速度調節可能な巻上駆動機にあまり適していないことである。
【発明の簡単な説明】
【0006】
したがって本発明の目的は、速度調節可能な巻上駆動機のモータの回転速度を制御する方法と巻上駆動機とを提供して上述の問題を軽減することにある。本発明の目的は、独立請求項に記載された特徴を有する方法と巻上駆動機により達成される。本発明の好ましい実施例は、従属請求項に記載されている。
【0007】
本発明の基礎をなす考えは、ケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数を、速度調節可能な巻上駆動機の最終速度情報の形成に用いることである。ケーブルに掛かる力の位置導関数とは、吊り部材の位置に対するケーブルに掛かる力の変化を言う。
【0008】
本発明の利点は、ケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数を監視することにより、ケーブルに掛かる力の時間導関数を監視する方法を用いた場合より、信頼性の高い情報を吊上げ事象の各段階について得られることである。本発明は、たとえば荷が宙を移動していることを示したりケーブルが張っていることを示すための使用に適している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明を、好適な実施例に関連して添付図面を参照してより詳細に説明する。
【図1】本発明に係る実施例の巻上駆動機の概略図である。
【図2】図1の巻上駆動機のシュミレートされた巻上事象を示す図である。
【発明の詳細な説明】
【0010】
図1は巻上駆動機を示し、巻上駆動機は、ケーブル2と、ケーブルに接続された吊り部材4と、ケーブル2に操作可能に接続されて吊り部材4を用いて荷8を持ち上げる速度調節可能なモータ6と、巻上制御装置10とを含む。巻上制御装置10は上昇速度情報ω^’mを受け取り、最終速度情報ω^mを形成し、速度調節可能なモータ6の回転速度を最終速度情報ω^mを用いて制御するよう構成されている。
【0011】
巻上駆動機はさらに、ケーブル2に掛かる力の実際の値 F を測定する手段と、吊り部材4の位置情報を判定する手段とを含む。ケーブルに掛かる力の実際の値 F を測定する手段は、張力計測器を含んでもよく、張力計測器はケーブル2の締結点に接続されている。ケーブルに掛かる力の実際の値 F に関する情報は、巻上制御装置10に取り込まれる。吊り部材4の位置情報を判定する手段は、モータ6のパルスセンサを含んでもよい。パルスセンサはモータの回転に関する情報 nm を提供し、この情報は巻上制御装置10に取り込まれる。巻上制御装置10は、吊り部材4の位置を、初期情報としてモータ6の回転に関する情報 nm と、モータ6の回転と吊り部材4の位置との間の既知の伝達比を用いることによって判定する。
【0012】
巻上制御装置10は、ケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数 dF/dz を、初期情報としてケーブルに掛かる力の実際の値 F と吊り部材4の位置情報とを用いることによって決定するよう構成されている。ケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数 dF/dz は、このように、吊り部材4の位置 z の変化に対するケーブルに掛かる力の実際の値 F の変化を表す。巻上制御装置10は、巻上制御装置10が決定したケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数 dF/dz を監視し、モータ6の回転速度をこの導関数に基づいて制御するよう構成されている。巻上駆動機は、ケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数 dF/dz を用いて、荷吊上事象の様々な段階を監視する。
【0013】
巻上制御装置10は、所定の条件が満たされると、ケーブル2がぴんと張っていることを示す。ケーブルが張っていることを示すために用いる条件には、ケーブルに掛かる力の位置導関数の所定の衝撃荷重限界値 dFz,IL と、ケーブルに掛かる力の衝撃荷重限界値 FIL とが含まれる。巻上制御装置10は、ケーブルが張っていることが示されると、最終速度情報ω^mの値を低くして速度情報の所定の衝撃荷重限界値ωILに等しくするよう構成されている。
【0014】
ケーブル2が張っていることが示されていない場合、巻上制御装置10は最終速度情報ω^mを形成し、最終速度情報は、所定のパラメータの限界値の範囲内で、上昇速度情報ω^’mに随伴するよう構成されている。最終速度情報ω^mの変化の速さは所定の限界値の範囲内に留められている。すなわち、最終速度情報ω^mは、たとえ上昇速度情報ω^’mが段階的に変化しても、段階的に変化することはない。
【0015】
巻上制御装置10では、ケーブル2が張っていることを示すための一つの条件として、ケーブルに掛かる力の衝撃荷重限界値 FIL を超えていることを用いる。なぜなら、たとえば、この方法により、ケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数 dF/dz が誤って決定された場合、ケーブル2が張っていることを誤って示すことを防ぐことができるからである。したがって、ケーブルに掛かる力の衝撃荷重限界値 FIL を超えていることを、ケーブルが張っていることを示すための条件として使用することは、補強条件である。本発明の実施例では、ケーブルが張っていることを示すために用いる所定の条件には、ケーブルに掛かる力の位置導関数の衝撃荷重限界値 dFz,IL を超えていることは含まれるが、ケーブルに掛かる力の衝撃荷重限界値 FIL を超えていることは含まれない。
【0016】
巻上制御装置10は、ケーブルが張っていることが示された後であってケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数 dF/dz が所定の荷離床限界値 dFz,LO を下回った時、荷が宙を移動していることを示す。不等式 dFz,IL > dFz,LO > 0 が、これらのケーブルに掛かる力の位置導関数の限界値において成り立つ。荷が宙を移動していることが示されると、巻上制御装置10は、最終速度情報ω^mの値を上昇速度情報ω^’mと同じ値に引き上げる。
【0017】
位置導関数の荷離床限界値 dFz,LO は、巻上制御装置10に前もって与えられた巻上駆動機固有の初期情報である。ケーブルに掛かる力の位置導関数の衝撃荷重限界値 dFz,IL 、ケーブルに掛かる力の衝撃荷重限界値 FIL 、および速度情報の衝撃荷重限界値ωILもまた、巻上駆動機固有の初期情報である。
【0018】
本発明の実施例では、ケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数 dF/dz は、荷が空中を移動していることを示すためだけに用いられる。すなわち、荷が空中を移動していることは、ケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数 dF/dz が所定の荷離床限界値 dFz,LO を下回った場合に表示される。この実施例では、ケーブルが張っていることを、ケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数 dF/dz とは異なる量を用いて示す。ケーブルが張っていることを、たとえばケーブルに掛かる力の所定の衝撃荷重限界値 FIL を超えた場合に示してもよい。
【0019】
図2は、図1の巻上駆動機のシュミレートされた巻上事象に基づいて描かれた4つのグラフを示す。第1のグラフは、速度調節可能なモータ6の最終速度情報ω^mと回転速度ωmを示す。第2のグラフは、ケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数 dF/dz を示す。第3のグラフは、ケーブルに掛かる力の実際の値 F を示す。第4のグラフは、巻上駆動装置の運転状態 OS を示す。図2の4つのグラフはすべて時間の関数として示され、横軸の単位は秒である。
【0020】
時刻 t=0 において、最終速度情報ω^mおよび回転速度ωmがゼロのとき、400 rad/s より少し高い上昇速度情報ω^’mが、巻上制御装置10に与えられる。図2の第1のグラフによれば、巻上制御装置10は最終速度情報ω^mを上昇させて、最終速度情報ω^mは角加速度αacc= 260 rad/s2 で上昇する。最終速度情報ω^mが上昇速度情報ω^’mに達したとき、最終速度情報ω^mは上昇を止める。
【0021】
時刻 tOS2_3 において、ケーブル2が張っていることを示すための条件が満たされる。すなわち、ケーブルに掛かる力の実際の値 F がケーブルに掛かる力の衝撃荷重限界値 FIL = 5000 N より高く、ケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数 dF/dz がケーブルに掛かる力の位置導関数の衝撃荷重限界値 dFz,IL = 100 N/mm より高い。第3のグラフからは、ケーブルに掛かる力の実際の値 F が、実際にはそれより前にすでに、ケーブルに掛かる力の衝撃荷重限界値 FIL を超えていることが分かる。すなわち、ケーブルが張っていることを示すのに関係する決定的な事象は、ケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数 dF/dz がケーブルに掛かる力の位置導関数の衝撃荷重限界値 dFz,IL より高くなったことである。
【0022】
ケーブル2が張っていることが示されると、巻上制御装置10は、最終速度情報ω^mを減少させ始め、最終速度情報は角加速度αdec_f で減少して速度情報の衝撃荷重限界値ωILまで下がる。角加速度αdec_fの絶対値は、角加速度αaccの絶対値より十分に高い。すなわち、巻上制御装置10がケーブルが張っていることを示した後、モータ6の回転速度は急激に低下する。角加速度の低下が速いので、荷が地面を離れる前に最終速度情報ω^mが速度情報の衝撃荷重限界値ωILに達するのに十分な時間が確保される。最終速度情報ω^mが速度情報の衝撃荷重限界値ωIL = 65 rad/s に達したとき、最終速度情報ω^mは減少を止める。
【0023】
理論的には、巻上駆動装置10がケーブルが張っていることを示したとき、最終速度情報ω^mを速度情報の衝撃荷重限界値ωILまで急激に低下させてもよいかもしれない。しかし、実際の巻上駆動機では、最終速度情報の急激な低下により、たとえばモータ用の周波数変換器の過電流保護装置が停止する可能性がある。したがって、いくつかの実施例において、最終速度情報を速度情報の衝撃荷重限界値に角加速度を制限して低下させる必要がある。
【0024】
図2の第2および第3のグラフから、ケーブルに掛かる力の実際の値 Fとケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数 dF/dz との両方が、時刻 tOS2_3 の後も上昇し、最終速度情報ω^mが速度情報の衝撃荷重限界値ωILに達した後も上昇を続けることが分かる。
【0025】
時刻 tOS3_4 において、荷が宙を移動していることを示すための条件が満たされる。すなわち、ケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数 dF/dz が、ケーブルが張っていることが示されたことに対応して、時刻 tOS2_3 より後の時刻において、所定の荷離床限界値 dFz,LO = 50 N/mmより下に落ち込む。そのような場合、巻上制御装置10は最終速度情報ω^mを上昇させ始めて、最終速度情報は角加速度αaccで上昇速度情報ω^’mへ上昇する。最終速度情報ω^mが上昇速度情報ω^’mに達すると、最終速度情報ω^mは上昇を止める。
【0026】
図2の第1のグラフからは、速度調節可能なモータ6の回転速度ωmが、比較的しっかりと最終速度情報ω^mに随伴しているのが分かる。すなわち、回転速度ωmと最終速度情報ω^mのグラフは、ほとんどの時間、実質的に互いに重なり合っている。最終速度情報ω^mのグラフは、直線から成り、速度調節可能なモータ6の回転速度ωmは、これらの直線がゆがんだものとして示されている。速度調節可能なモータ6の回転速度ωmが、最終速度情報ω^mとはかなり異なっているのは、最終速度情報ω^mが、減少につれ、速度情報の衝撃荷重限界値ωILに達した場合だけである。この場合、モータ6の回転速度ωmは、一時的にはっきりと速度情報の衝撃荷重限界値ωILより下に落ち込む。
【0027】
図2の第4のグラフは、さまざまな時刻における巻上駆動機の運転状態 OS を示している。まず、巻上駆動機は運転状態 OS2 にあり、運転状態 OS2では、巻上制御装置10は吊り要素10に荷が付いていないと判定する。時刻 tOS2_3 では、巻上駆動機は運転状態 OS2から運転状態 OS3 に進み、運転状態 OS3 では、巻上制御装置10はケーブル2がぴんと張っていると判定する。時刻 tOS_34 では、巻上駆動機は運転状態 OS3 から運転状態 OS4 に進み、運転状態 OS4では、巻上制御装置10は荷が宙を移動していると判定する。
【0028】
図2のシュミレートされた巻上事象では、上昇速度情報ω^’mは常に一定である。しかし、本発明の方法が、上昇速度情報が巻上事象中、変化する状況においても有効であることは、明らかである。たとえば、ケーブルが張っていることが示された後であって最終速度情報ω^mが速度情報の衝撃荷重限界値ωILに達する前、上昇速度情報ω^’mが速度情報の衝撃荷重限界値ωILより下に落ち込めば、巻上制御装置10は、最終速度情報の減少を速度情報の衝撃荷重限界値ωILで止めず、最終速度情報ω^mを新しい上昇速度情報のレベルまで減少させるであろう。換言すれば、巻上制御装置10は、ケーブルが張っていることを示した後、最終速度情報を少なくとも速度情報の衝撃荷重限界値ωILのレベルに落とす。同様に、巻上制御装置10が、荷が宙を移動していることを示した後、最終速度情報ω^mの値を上昇させ始めるのは、上昇速度情報が速度情報の衝撃荷重限界値ωILより高い場合だけである。
【0029】
本発明の方法は、不都合に高い衝撃荷重を自動的に防止することができ、巻上制御装置に供給される上昇速度情報は、荷を地面から持ち上げる途中、巻上駆動機のモータの回転速度の許容最大値と等しくてもよい。したがって、巻上駆動機の操作者の経験や技能に関係無く、荷をスムーズに地面から持ち上げることができる。そのため本発明の方法は自動的な吊上げにも適している。
【0030】
図1において、吊り部材4は吊りフックである。本発明の他の実施例では、吊り部材は荷をつかむことができるいかなる部材でもよく、たとえば、吊りアンカーや、吊りフォーク、磁性吊り部材であってもよい。
【0031】
吊り部材4の位置は、上記では ‘z’ で表され、z は多くの場合、垂直方向の距離を表す。しかし、本発明の適用は、荷が垂直方向に移動する実施例のみに限定されないことは明らかである。
【0032】
当業者にとって、本発明の基本的な考えは様々な方法で変更してもよいことは自明である。本発明とその実施例は、したがって、上述の例に限定されず、請求の範囲に記載された発明の範囲内で変更可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
速度調節可能な巻上駆動機がケーブル(2)と、該ケーブル(2)に接続された吊り部材(4)と、該ケーブル(2)に操作可能に接続されて荷(8)を吊り部材(4)を用いて吊り上げる速度調節可能なモータ(6)とを含み、
上昇速度情報(ω^’m)を受け取り、
該上昇速度情報(ω^’m)を含む初期情報を用いて最終速度情報(ω’m)を形成し、
該最終速度情報(ω’m)を前記巻上駆動機のモータ(6)の回転速度の速度情報として用いる速度調節可能な巻上駆動機のモータの回転速度制御方法において、
該方法はさらに、ケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数(dF/dz)を監視し、前記最終速度情報(ω’m)を形成するための初期情報には、該ケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数(dF/dz)が含まれることを特徴とするモータの回転速度制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、該方法はさらに
前記ケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数(dF/dz)が所定の荷離床限界値(dFz,LO)より下に落ち込んだことを含む所定の条件が満たされたとき前記荷(8)が宙を移動していることを示し、
該荷が宙を移動していることが示されると、前記最終速度情報(ω^m)の値を上昇させて前記上昇速度情報(ω^’m)に等しくすることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、該方法はさらに、
所定の条件が満たされた時(tOS2_3)、前記ケーブルが張っていることを示し、
前記荷が宙を移動していることを示すための所定の条件には、前記荷が宙を移動していることが示された時刻(tOS3_4)が、前記ケーブルが張っていることが示された時刻(tOS2_3)より遅いことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、前記ケーブルが張っていることを示す所定の条件には、前記ケーブルに掛かる力の位置導関数の所定の衝撃荷重限界値(dFz,IL)を超えていることが含まれることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項3または4に記載の方法において、前記ケーブルが張っていることを示すための所定の条件には、前記ケーブルに掛かる力の所定の衝撃荷重限界値(FIL)を超えていることが含まれることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項3ないし5のいずれかに記載の方法において、前記ケーブルが張っていることが示されると、前記最終速度情報(ω^m)の値を低下させて前記速度情報の所定の衝撃荷重限界値(ωIL)と等しくし、該速度情報の所定の衝撃荷重限界値は、前記上昇速度情報(ω^’m)より低いことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、該方法はさらに、
前記ケーブルに掛かる力の位置導関数の所定の衝撃荷重限界値(dFz,IL)を超えていることを含む所定の条件を満たしたとき、前記ケーブルが張っていることを示し、
該ケーブルが張っていることが示されると、前記最終速度情報(ω^m)の値を低下させて、前記速度情報の所定の衝撃荷重限界値(ωIL)と等しくし、該速度情報の所定の衝撃荷重限界値は、前記上昇速度情報(ω^’m)より低いことを特徴とする方法。
【請求項8】
ケーブル(2)と、該ケーブル(2)に接続された吊り部材(4)と、該ケーブルに操作可能に接続されて該吊り部材(4)を用いて荷(8)を吊り上げる速度調節可能なモータ(6)と、巻上制御装置(10)とを含み、該巻上制御装置(10)は
上昇速度情報(ω^’m)を受け取り、
該上昇速度情報(ω^’m)を含む初期情報を用いて最終速度情報(ω^m)を形成し、
該最終速度情報(ω^m)を用いて前記速度調節可能なモータ(6)の回転速度を制御するよう構成された巻上駆動機において、
前記巻上制御装置(10)はさらに、前記ケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数(dF/dz)を監視し、前記最終速度情報(ω^m)を形成するための初期情報には、該ケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数(dF/dz)が含まれる用構成されていることを特徴とする巻上駆動機。
【請求項9】
請求項8に記載の巻上駆動機において、前記巻上制御装置(10)はさらに、
前記ケーブルに掛かる力の実際の値の位置導関数(dF/dz)が所定の荷離床限界値(dFz,LO)より下に落ち込むことを含む所定の条件が満たされたとき、前記荷(8)が宙を移動していることを示し、
該荷が宙を移動していることが示されると、前記最終速度情報(ω^m)の値を上昇させて、前記上昇速度情報(ω^’m)に等しくするよう構成されていることを特徴とする巻上駆動機。
【請求項10】
請求項8に記載の方法において、前記巻上制御装置(10)はさらに、
前記ケーブルに掛かる力の位置導関数の所定の衝撃荷重限界値(dFz,IL)を超えていることを含む所定の条件が満たされたとき、前記ケーブルが張っていることを示し、
該ケーブルが張っていることが示されると、前記最終速度情報(ω^m)の値を低下させて前記速度情報の所定の衝撃荷重限界値(ωIL)に等しくするよう構成されていることを特徴とする巻上駆動機。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−525463(P2011−525463A)
【公表日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514074(P2011−514074)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【国際出願番号】PCT/FI2009/050505
【国際公開番号】WO2009/156573
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(510051679)コネクレーンズ ピーエルシー (7)
【氏名又は名称原語表記】KONECRANES PLC