説明

速読文章の配列形態及び速読方法

【課題】 一連の文章を特別な訓練や才能を必要とせずに速読することが出来る方法の提供。
【解決手段】 文章の文字配列を変換して1行2が2文字〜8文字とし、この文字1,1・・・配列で構成した縦列群3を上から下方へ視線を動かすことで内容を読み取ることが出来る速読方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は各種の文章、例えば小説、論文、社説などの文章を短時間で速読することが出来る方法、及び速読する為の文字及び文章の配列形態に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日の文明社会では文章に接する機会は多く、朝一番で新聞を読み、会社では上司ともなれば部下からの報告書類が届いて、一々目を通さなくては成らない。又、仕事以外では趣味で小説を読んだり社説を読むことも多い。しかし、これら数多くの文章を限られた時間内で読むことには無理がある。従って、ついつい目を通さないで放置してしまう場合も多い。
【0003】
しかし、仕事ともなれば全く目を通さないでおくことは出来ず、結果として体に無理をかけることになる。そこで、あらゆる文章を短時間で読むことが出来るならばより多くの書類に目を通すことが出来ると共に、体に無理をかけることも少ない。ところで、従来では文章の速読方法なるものが知られているが、誰にでも直ぐに出来る方法ではない。
【0004】
勿論、訓練が必要となり、しかし同じ訓練をしても出来る人と出来ない人が発生し、人の才能に大きく左右されることが大きい。昔から、速読の一般的な方法として斜め読み方法は知られているが、この斜め読みに関して具体的な手法がある訳ではなく、その為に熟練とかなりの経験が必要であり、一般人が斜め読みしてもその全内容をすぐさま正確に理解することは不可能である。
【0005】
例えば、特開2009−115859号に係る「速読訓練法」は、従来の方法に比べて、極めて短い訓練時間で遥かに優れた速読能力を容易に体得できる速読訓練法である。すなわち、音源から発する意味のない一定のリズムの音を、単位時間当りの音の数を段階的に増やしつつ聞かせながら、テキストの文章を読ませる速読訓練法が知られている。しかし、この発明もタイトルにあるように速読訓練法であり、ある程度の時間をかけて自らを訓練しなくては成果が得られない。
【0006】
特開2009−210998号に係る「読解及び復習支援装置、文章移動表示プログラム、それらの利用方法、及びコンピュータに読み取り可能な記録媒体」は、学習者が一度学習を行った後、未習得事項を箇条書きにして、コンピュータに保存した文章が、復習を行わずに数週間を経ると、学習直後には十分理解できていた文脈を忘れかかるなどして、通常の読み方では非常に読みにくくなり、復習する気がしなくなる場合が多い。しかしそのような事項は、忘れかかった頃に再読されることなしには学習者の記憶に実用的な知識として定着しがたい。
【0007】
本発明プログラムは、コンピュータを、文章内部分部分における、個々学習者にとっての読みにくさ読みやすさの変化に応じ、その各部分に対し、学習者による理解が成立するまでに必要な待ち時間を、学習者に機敏かつ頻繁に、積極的に変化させつつ確保させるような読み方を行わせ、結果、文章内のほぼすべての部分に対して曖昧な理解を生じない速読を行わせる手段として機能させることができ、またそのような読み方の習慣を学習者に習得させようとする方法である。
【0008】
しかし、この発明は学習を対象としたもので、新聞、小説、雑誌、社説などを対象とした速読方法とは違い、本発明からかけ離れた技術思想である。
【特許文献1】特開2009−115859号に係る「速読訓練法」
【特許文献2】特開2009−210998号に係る「読解及び復習支援装置、文章移動表示プログラム、それらの利用方法、及びコンピュータに読み取り可能な記録媒体」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように、従来の速読方法には上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、特別な才能に依存することなく、又訓練も必要とせず、誰にでも速く読むことが出来る速読方法、並びに速読する為の文章を構成する文字の配列形態を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る速読方法は、一行の文字数を2〜8文字とすることで記載している内容を速く読み取ることが出来る方法である。そこで、一般には一行が30字〜40字で構成している文章を一行が2文字〜8文字の縦列群になるように文字の配列変換を行う。元々、新聞のように縦表記している文字配列の場合にも、同じように1行が2文字〜8文字に成るように配列変換を行なう。2字〜8字で構成される1行の文句は視線を水平方向に動かすことなく理解することが出来る。そこで、縦列群を上から下方へ視線を移動することで一連の文章の内容を理解することが可能である。
【0011】
そして、2字〜8字で構成される縦列群は1ページに複数郡設けることが出来、すなわち、1ページに複数の縦列群が所定の間隔をおいて表記することは可能である。ここで、所定の間隔とは縦列群で構成される文章を速読する際に、隣りの縦列群が気にならない間隔が必要であり、特に限定はしないが出来れば1字〜3字分の空間があれば十分である。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、長い文章を一行が2字〜8字で構成される縦列群に変換することで、従来の文書形態に比較して少なくとも数分の1の時間で速読することが可能と成る。これは、2字〜8字程度の文句は視線を動かすことなくその内容が理解されることから、この文字配列形態で構成した文章は視線を上から下方へ移動するだけで文章の内容を正確に理解することが可能と成る。
【0013】
このように2字〜8字の縦列群を1ページに所定の間隔をおいて複数郡表示されるが、間に間隔をおいている為に読み難くなることはない。また、本発明の速読方法は縦列群を上から下方へ視線を動かすことでその内容を誰にでも正確に理解することが出来るが、特別な訓練を必要とせず、しかも速読するに際して神経を集中しなくても出来ることから、疲れは少ない。
【0014】
最近、書籍、新聞、雑誌を講読することが出来る電子書籍が普及しつつある。又、電子書籍端末も販売され、書籍や新聞、雑誌などを取り込むことが可能となり、この場合に本発明を利用することで、受信した文章や電子書籍の文字配列を変換して短時間で速読することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来の一般的な文章の配列形態。
【図2】本発明に係る文章の配列形態。
【図3】本発明に係る文章の配列形態。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は従来の文書形態を示している具体例である。同図では○をもって1文字1とし、一行2には36文字1,1・・・・が配列し、そして30行を有している。従って、1ページは1080文字1,1・・・で構成されており、この1080文字1,1・・・から成る文章を読む場合、各行2,2・・・ごとに左側から右側へ視線を移動させて読み取ることが出来る。そして、所定の行2を読み終えたならば、下段の行2へ移って同じように左側から右側へ視線を移動して読み取る。
【0017】
これを繰り返して1ページの文章を読み終えて次のページに移る。次のページも上段の行2から下方へ移動しながら同じように各行2,2・・・ごとに読み取ることが出来る。各行2の各文字1,1・・・間の間隔が小さい場合、そして各行2,2・・・間の間隔が小さい場合には非常に読み難く、長時間にわたって読んでいると疲れる。勿論、読みにくい為に速く読むことは出来ない。特に、文字1,1・・・が小さい場合にはなおさらである。
【0018】
ところで、本発明では図2に示すように電子書籍などに記載されている文字1,1・・・の配列形態を変更し、1行2を3文字1,1,1で構成した配列形態としている。例えば、前記図1の1ページには1行2が36文字1,1・・・と成っているが、これを図2に示す配列形態に変換するならば、1行36文字1,1・・・は12行に変換される。そして、3文字36行で1縦列群3を構成するならば、1080文字が表記されている1ページは、10縦列群3,3・・・に変換される。
【0019】
図2は1行3文字で36行で構成した縦列群3が一定の間隔4,4・・を隔てて3縦列群3,3・・・が1ページに表記されている。そこで、人は左側の縦列群3の上から下方へ視線を移動することで縦列群3に記載している内容を即座に理解することが出来る。1縦列群3を読み終えたならば、次の中央の縦列群3を上から下方へ視線を移動して読み取り、さらに右側の縦列群3を同じように読み取ることが出来る。
【0020】
1行を3文字で構成するならば、視線を移動することなく3文字の内容を理解出来、下方の行へ視線を移動することが出来る。従って、視線は右方向へ移動することなく上から下方へ移動することで1縦列群3の内容が即座に理解出来ることから、速読することが可能と成る。
【0021】
図2は1行3文字で構成した配列形態であるが、図3は1行5文字で縦列群3を構成した配列形態を示している。しかし、1行の文字数が多くなると視線を動かすことなく1行に記載されている内容を把握することは出来ないので、8文字が限度である。又、1行の文字数が少なくて1文字であれば、縦列群3,3・・・の数が多くなり過ぎて速読時間が長くなるといった問題が発生する。
【0022】
一方、1行に1文字では熟語漢字が1行に収まらない為に、読み辛くなることから、1行2文字から8文字が適している。ところで、図1の文字配列を基にして、これを図2や図3に示す文字配列形態に変換することは、コンピュータによって簡単に行うことが出来る。1ページに1縦列群に変換するのであれば、今日市販されているワープロにて文字及び行数の変換を行なうことで可能と成る。
【0023】
勿論、電子書籍や新聞、雑誌をパソコン上で従来の文字配列から本発明の文字配列に変換し、該パソコン上で読み取るならば、1ページに複数の縦列群を形成する必要はなく、1ページ1縦列群3に変換することで十分である。
【符号の説明】
【0024】
1 文字
2 行
3 縦列群
4 間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連の文章を速読する方法において、該文章の文字配列を変換して1行が2文字〜8文字とし、この文字配列で構成した縦列群を上から下方へ視線を動かすことで内容を読み取ることを特徴とする文章の速読方法。
【請求項2】
一連の文章を速読する為に変換される文章の配列形態において、1行が2文字〜8文字として縦方向に配列した縦列群を構成したことを特徴とする速読文章の配列形態。
【請求項3】
上記縦列群を1ページに所定の間隔をおいて複数設けた請求項2記載の速読文章の配列形態。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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