説明

連続的処理形態で行われる、流れろ過システム内におけるプレナム利用の高圧のブローバックガス送り出しシステム

【課題】連続的処理形態のろ過システムの洗浄局面の間、プレナムを介して高圧のブローバックガスをフィルタエレメントに提供する改良された方法及びシステムを提供する。
【解決手段】プレナム利用の高圧のブローバックガス送り出しシステムが提供される。システムは、流体の入口103,出口105を含む、2つの部分に分割されたフィルタ容器を含む。システムは、第一の容器部分から第二の容器部分内に流れる流体をろ過する複数のフィルタエレメント104を更に含む。特定の物質がフィルタエレメント上に付着することに起因する圧力差に応答して、第二の容器部分内に保持されたプレナム109に装着されたノズル110を介して、高圧のブローバックガスの均一な流れがフィルタエレメントに送り出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、気体(ガス)から微粒子物質をろ過するシステムに関する。より詳細には、本発明は、連続的処理形態で行われる、流れろ過システムにおける洗浄局面の間、プレナムを介して高圧のブローバックガスをフィルタエレメントに供給する、改良された方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの工業的過程において、気体から微粒子物質を除去する能力が要求される。その例は、排気流をタービン内にて使用する前に、炭素及び灰を燃料排気流から除去すること、原油の精製及び石油化学過程にて使用した触媒を回収すること、及びコーヒー製品の処理の間、芳香粒子を回収することさえを含む。気体から微粒子物質を除去するろ過システムは、全体として、2つの基本的モードの一方、すなわちトラップフィルタ又は連続的な過程用のフィルタとして作用する。それらの典型的な作用モードにおいて、その双方の設計に基づいて作られたものは、同様の態様にて機能する。すなわち、気体はフィルタエレメント(手段)を通して流され、フィルタエレメントは微粒子物質を留める一方、洗浄された気体は、フィルタエレメントを通過し、全体的な過程における次の段階に進む。時間の経過と共に、微粒子物質は、該微粒子物質からなる透過可能なケーク(かたまり)としてフィルタエレメント上に蓄積し、フィルタエレメントは、最終的に、洗浄されることを必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
トラップ又は最終フィルタは、基本的に清浄な気体の流れにおいて使用され、その目的は下流の過程及び装置を保護することである。これらのフィルタは、その取り付け状態のままで洗浄されることを意図されるものではなく、微粒子物質をフィルタから除去するためには、処理過程における作動を停止してフィルタ組立体を分解することを必要とする。フィルタエレメントは、一般に、化学的方法又は超音波的方法を使用して洗浄される。
【0004】
連続的な処理形態の過程で使用されるフィルタは、微粒子が顕著に含まれた気体流において使用される。上述したように、時間の経過と共に、微粒子物質はフィルタエレメント上に蓄積する。最終的に、フィルタエレメント上の微粒子物質からなるケークは、フィルタエレメントが洗浄を要求する程度にまで、フィルタ媒質を通る気体の流れを制限することになる。この時点にて、高圧のブローバックガスの流れが、フィルタエレメントを通して通常の気体の流れと逆方向に向けて供給され、このことは、微粒子物質のケークをフィルタエレメントから押し出すことになる。この時点にて、ケークは、フィルタ組立体の底部に落下する。十分な量の微粒子物質が収集されたとき、これらをフィルタ組立体から除去(排出)する。
【0005】
洗浄過程の間、ろ過過程全体の作動を停止させる必要はない。高圧のブローバックガスをマニホルド及び1組のヘッダパイプに通すことができる。このことは、高圧のブローバックガスを洗浄のため、フィルタエレメントの小集団に向けることを許容する。残るフィルタエレメントは、通常通りに機能し続け、汚れた気体をろ過する。ブローバックガスは、順次に、フィルタエレメントに向けられ、洗浄サイクルの間に、フィルタエレメントの全てが洗浄される。洗浄サイクルの間、高圧のブローバックガスがフィルタエレメントの小集団を通って逆流するので、全体的な気体ろ過過程は、最適には機能しない。しかし、これは、洗浄サイクルの間中、全体的な気体のろ過過程を完全に作動停止させる場合よりもなお、効率的である。
【0006】
本発明は、連続的処理形態のろ過システムの洗浄局面の間、プレナムを介して高圧のブローバックガスをフィルタエレメントに提供する改良された方法及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの形態に基づくプレナム利用の高圧ブローバックガス送り出しシステムは、流体の入口及び出口を含む2つの部分に分割されたフィルタ容器を含む。システムは、第一の容器部分から第二の容器部分内に流れる流体をろ過する複数のフィルタエレメントを更に含む。微粒子物質がフィルタエレメント上に付着することに起因する圧力差に応答して、高圧のブローバックガスの均一な流れが、第二の容器部分内に保持されたプレナムに装着したノズルを介してフィルタエレメントに送り出される。
【0008】
上記及びその他の特徴は、本発明の実施の形態を単に一例として示し且つ説明する以下の詳細な説明から容易に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の色々な実施の形態をより完全に理解するため、次に、添付図面と共に、以下の説明を参照する。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態は、連続的な処理形態のろ過システムにおける洗浄局面の間、高圧のブローバックガスをプレナムを介してフィルタエレメントに供給する改良された方法及びシステムを提供する。一例としての実施の形態において、アキュムレータタンクが、高圧のブローバックガスを1組のプレナム及びこれに関係したノズル管に供給する。ノズル管及びノズルは、円筒状のフィルタエレメントと整合され且つ、絞った流れの高圧のブローバックガスをフィルタエレメントの内部へと向ける。高圧のブローバックガスの絞った流れは、ベンチュリ管を通して誘発された追加的な流れと共に、フィルタエレメントの各々に対し均一な洗浄パルス(波動)を与える。
【0011】
ノズル管には、ヘッダパイプ及びマニホルドを通してではなくて、プレナムを通して高圧のブローバックガスが供給される。ノズル管、従ってフィルタエレメントは、その幾何学的形態がヘッダパイプ及びマニホルドに依存しないため、高密度に密集させることができる。全体的なフィルタ効率の増大に加え、製造コストが削減される。
【0012】
図1は、下方流れガスろ過システム100の、一部分を断面図とした斜示図である。下方流れガスろ過システムは、管板113により分離されたフィルタ容器101と、トップヘッドボンネット組立体102とを含む。
【0013】
フィルタ容器101は、入口及び管組立体103と、複数のフィルタエレメント104と、計測及びレベル検出ポート111と、固体分排出ポート112とを含む。フィルタ容器101の寸法及び材質のような構造の詳細は、基本となる工業的過程いかんによって定まる。例えば、フィルタ壁の材料及び肉厚の選択は、ろ過される気体の温度、圧力及び腐食性に依存するであろう。一例としての材料は、インコネル(Inconel)、炭素鋼、ステンレス鋼を含む。フィルタ容器の直径は、30.48cm(1フィート)以下から213.4cm(7フィート)以上の範囲とすることができる。しかしながらフィルタ容器の直径が30.48cm(1フィート)未満の寸法の場合には、ブローバックヘッドは通常、使用されない。
【0014】
キャンドルとしても知られたフィルタエレメント104の構造は同様に、基本となる工業的過程いかんによって定まる。これらエレメントは、焼結金属フィルタ、セラミック管フィルタ、又は織地キャンドルとさえすることができる。フィルタエレメントは、一般に、25.4mm(1インチ)ないし152mm(6インチ)の範囲の外径(OD)寸法にて製造される。
【0015】
トップヘッドボンネット組立体102は、出口流ノズル105と、アキュムレータ容器106と、フランジ付きノズル107と、ブローバック弁108と、プレナム109と、ノズル管110とを含む。トップヘッドボンネット組立体の構成要素の詳細は、図8ないし図12を参照しながら、以下により詳細に説明する。
【0016】
通常の作動中、未ろ過気体は入口及び管組立体103を通ってフィルタ容器101の内部に入り、複数のフィルタエレメント104を通過する。ろ過除去すべき微粒子物質がフィルタエレメント上に蓄積する一方、清浄な気体は、フィルタエレメント104、管板113を通ってトップヘッドボンネット組立体102内に入る。清浄な気体は、フランジ付きノズル出口105を通ってトップヘッドボンネット組立体102から出る。時間の経過と共に、微粒子物質の透過性ケーク(かたまり)がフィルタ手段の表面に留められる。粒子ケークは、未ろ過気体とろ過済み気体との間に追加的な圧力降下を引き起こし、この圧力降下は、粒子ケークの厚さが増すに伴い増大する。圧力降下を測定するために周知の計測器が使用され、限界圧力降下に達したとき、ブローバック洗浄サイクルが開始される。
【0017】
各ブローバック洗浄サイクルがなされる間、ブローバック弁108は順次に開き且つ閉じられる。ブローバック弁108の各々は、アキュムレータ容器106及びプレナム109と流体的連通可能であり、ブローバック弁108の各々がサイクル作動されるとき、高圧のブローバックガスがアキュムレータ容器106からプレナム109に供給される。次に、高圧のブローバックガスは、ノズル管110、フィルタエレメント104を通ってフィルタ容器101の内部に入る。気体がフィルタエレメント104の内部を通過すると、粒子ケークは、フィルタエレメント104の外面から脱落する。次に、粒子ケークはフィルタ容器101の底部に落下する。フィルタ容器101は、容器の基部にて微粒子物質を測定することを許容する計測及びレベル検出ポート111を含む。物質の十分な蓄積量が検出されたとき、微粒子物質は、固体分排出ポート112を介して除去されることができる。
【0018】
図2は、図1の下方流れ気体ろ過システムの一部分を断面図とした立面図である。この図は、入口及び管組立体103及び出口流ノズル105の位置を一層良く示す。更に、ノズル管110がフィルタエレメント104の真上にてこれらと個別に整合する状態を見ることができる。
【0019】
図3は、円筒状フィルタエレメントの断面図である。フィルタエレメントを製造するため使用される一例としての材料は、焼結金属粉体媒質及び焼結繊維金属媒質を含む。焼結金属粉体媒質は、316Lステンレス鋼、インコネル及びその他の合金を含む、さまざまな合金にて得られる。同様に、焼結繊維金属媒質は、316Lステンレス鋼を含む、さまざまな合金にて得られる。媒質及び材料の型式の選択は、ろ過される気体の温度、圧力及び腐食の性質に依存するであろう。ろ過サイクルの間、微粒子物質の透過性ケークは、フィルタエレメント301上に堆積する。洗浄サイクルが開始されたとき、高圧気体の逆流が微粒子物質のケークをフィルタエレメント302から分離させる。
【0020】
図4は、多数の洗浄サイクルに亙る気体ろ過システムの圧力降下を示すグラフである。グラフは、時間の経過に伴う粒子ケークの蓄積に起因する圧力降下を示す。粒子ケークがフィルタ媒質の表面にて発生すると、未ろ過気体と、ろ過済みの気体との間の圧力降下は増大する(401)。所定の圧力降下402に達したとき、ブローバック洗浄サイクルが開始され(403)、フィルタエレメントを洗浄する。洗浄サイクルの間、微粒子物質の透過性ケークは、フィルタエレメントから吹き払われるが、一部の粒子は多孔質のフィルタ媒質内に残留するであろう。一部の粒子をフィルタエレメント内にて保持する結果、フィルタエレメント405が新品のときの圧力降下を僅かに上回る値の圧力降下404が生じる。この状態は、調整したエレメントに対する公称の圧力降下としてグラフに示されている。洗浄サイクルは手動にて開始してもよいし、限界圧力降下が検出されたときに自動的に開始されるようにしてもよいし、又は予め設定したタイマーによって開始させることもできる。
【0021】
図5は、管板束フレーム500の斜示図である。管板束フレームは、管板113と、スパイダ組立体501と、複数のフィルタエレメント104と、複数の支持ロッド502と、複数の分離板(図示せず)とを含む。管板113、スパイダ組立体501及び支持ロッド502の製造のために選ばれる材料は、ろ過される気体の温度、圧力及び腐食の性質に依存するであろう。管板113は、管板束フレームの頂部を形成し、スパイダ組立体501は、管板束フレームの底部を形成する。支持ロッド502は、管板113と、スパイダ組立体501との間の構造的支持体を提供する。
【0022】
フィルタエレメント104は、管板113とスパイダ組立体501との間にて垂直に保持されている。個別のフィルタエレメントは、管板113に溶接され又は螺着されている。管板113及びフィルタエレメント104は、フィルタ容器101とトップヘッドボンネット組立体102との境界面を形成し、未ろ過の気体をろ過済みの気体から実質的に分離する。管板113の穴は、気体がフィルタエレメントを通って流れ且つフィルタ容器101とトップヘッドボンネット組立体102との間を通過するのを許容する。管板113に穴を形成することについては、以下に説明する。
【0023】
図6は、図5の管板束フレーム500の一部を断面図とした斜示図である。この図は、図5にて見ることができない管板束フレーム500の追加的な要素及びフィルタエレメント104を示す。具体的に、図6には、ベンチュリ管601と、分離板602と、管カラー(鍔)603、604とが示されている。個別のフィルタエレメントの各々は、該フィルタエレメントが管板113に装着される位置に配置されたベンチュリ管601を含む。洗浄サイクルでブローバックが行われている間、ベンチュリ管601は、追加の清浄な気体を高圧のブローバックガスと一緒にトップヘッドボンネット組立体102からフィルタエレメント内へと引き出すようにする。この追加的な気体の流れは、粒子ケークを各フィルタエレメントの外側から除去するのを助ける。ベンチュリ管601の寸法は、洗浄サイクルにて使用される気体の半分が高圧のブローバックガスであり、気体の半分がトップヘッドボンネット組立体102から引き出されるように考慮されて決められている。ベンチュリ管を機械加工するコストのために、フィルタエレメントのコストは増えるが、この増分は、その他の製造上及び作動上のコストが削減されることによって相殺される。すなわち、ベンチュリ管601が無ければ、約2倍の高圧のブローバックガスの量が必要とされ、その結果、増大した作動コストとなる。更に、高圧のブローバックガスの量がより多ければ、より大型のアキュムレータ容器106が必要となり、また、これに伴って製造コストは増大する。
【0024】
フィルタエレメントが洗浄されるとき、微粒子のケークは、フィルタエレメントの表面から押し出される。分離板602がフィルタエレメントの群の間に存在し、押し出された微粒子のケークが横方向に動くのを阻止し且つ微粒子のケークをフィルタ容器101の基部まで案内する。このことは、押し出された微粒子のケークが、そのときは洗浄されていないフィルタエレメントに対する気体の流れに干渉し又はその流れ中に取り込まれるのを防止することを意味する。フィルタエレメントの群及びこれらに関係した分離板の群を配置することについては、以下により詳細に説明する。管カラー603、604は、フィルタ容器101の管板束に対する物理的な支持体を提供する。管カラー603、604は、入口及び管組立体103に対し横方向支持力及び安定性を提供する。管カラー604に示した開口部は、汚れた気体が入口及び管組立体103からフィルタ容器101の内部に入るのを許容する。
【0025】
図7は、マニホルド701を有する従来のトップヘッドボンネット組立体700の一部分を断面図とした斜示図である。この図は、高圧のブローバックガスをアキュムレータ容器106からマニホルド701に誘導するために必要とされる複雑な配管及び多数のブローバック弁108を示す。この配置の結果、製造コスト及び作動コストは増大する。
【0026】
図8は、本発明の1つ又はより多くの実施の形態に従ったトップヘッドボンネット組立体の一部分を断面図とした斜示図である。この図は、トップヘッドボンネット組立体102を図1におけるよりも詳細に示す。トップヘッドボンネット組立体は、アキュムレータ容器106と、フランジ付きノズル107と、ブローバック弁108と、内部ヘッド部(番号無し、図10参照)とを含む。内部ヘッド部は、多数のプレナム109を含む。プレナム109の各々は、内部ヘッド部801の上面と、垂直仕切り部802と、内部ヘッド部の下面(セグメント板803としても知られている)とにより境が設定された、取り囲まれた空間である。セグメント板803の各々は、ノズル管110が接続される穴を有する。図示した実施の形態において、内部ヘッド部は、6つのパイ形状セグメントに分割されており、そのセグメントの各々はプレナム109である。プレナム109の数は、設計上の選択で決められるが、詳しくは以下に説明する。
【0027】
アキュムレータ容器106は、フランジ付きノズル107及びブローバック弁108を介してプレナム109と流体連通可能である。プレナム109の各々は、また、セグメント板803の各々の穴を介してノズル管110の小集団と接続されている。ノズル管110は、フィルタエレメント104が装着される管板113に切り込んだ穴の上方にて終わる。個別のノズル管110、管板113に切り込んだ穴及び個別のフィルタ要素104は、垂直方向に沿って整合されている。垂直仕切り部802及びセグメント板803の穴の配置状態については、以下により詳細に説明する。
【0028】
アキュムレータ容器106は、洗浄サイクルの間の圧力損失、及び、この圧力損失ゆえに洗浄サイクルの初期にて要求されるより高い内部圧力に対応し得る寸法としなければならない。更に、アキュムレータ容器106は、該アキュムレータ容器106を新たな高圧のブローバックガスにて再充填することが必要となる前に、洗浄サイクルの全体を完了することができるような全体寸法とされている。このことは、内部ヘッド部内のプレナム109の各々を充填するのに十分な高圧のブローバックガスがアキュムレータ容器106内に存在しなければならないことを意味する。例えば、大まかに、フィルタエレメントに供給される高圧のブローバックガスは、フィルタの設計圧力の少なくとも2.5倍とすべきであり、洗浄サイクルの間、高圧のブローバックガスの絞った流れが生じるようにする。プレナム109の各々が順々に充填されてゆくと、洗浄サイクルのそうした作業の間、気体はアキュムレータ容器106内にて相応する圧力降下を生ずるであろう。アキュムレータ容器106は、十分な圧力、この場合、作動圧力の2.5倍の圧力が残り、洗浄サイクルの間、最後のプレナム109を充填し得るような寸法としなければならない。このことは、洗浄サイクル中の圧力降下を考慮して、アキュムレータ容器106は、洗浄サイクルの開始時における作動圧力の2.5倍以上の圧力に耐えるよう設計しなければならないことを意味する。図示した実施の形態において、作動圧力は28.958kPa(4.2psig)ないし172.369kPa(24psig)の範囲とすることができる。アキュムレータ容器106は、758.424kPa(110psig)の圧力に耐える寸法とされている。洗浄サイクルの間、最後のプレナム109が充填されるとき、圧力は、758.424kPa(110psig)以下に降下するであろうが、依然として高圧のブローバックガスの絞った流れを発生させるために要求される427.475kPa(62psig)以上であろう。最後に、高圧のブローバックガスは、ろ過された清浄な気体とされるか、あるいは、ろ過された気体と互換可能または調和可能な気体とする。一例として、窒素を使用することができる。
【0029】
ブローバック弁108は、閉−開−閉弁サイクルを約1秒以内に完了することができるような寸法とされている。このことは、ノズルの直径を現在の弁技術の限界点である、約305mm(12インチ)以下に規制することになる。
【0030】
上述したように、洗浄サイクルの間、ベンチュリ管601を使用するとき、フィルタエレメントに入る逆方向の流れの約半分は高圧のブローバックガスからのものである。残りの半分の逆方向流れは、ベンチュリ管601を介してフィルタを通って後方に流れるよう誘発される、トップヘッドボンネット内に保持された清浄な気体である。このトップヘッドボンネットの内部からの気体の流れによって、トップヘッドボンネット内にて及び出口ノズル105の下流出口圧力にて圧力変動が引き起こされる。例えば、全体的な過程のうちの下流部分が、出口圧力に対して敏感な場合、出口圧力の変動を少なくするため、トップボンネットヘッド組立体の全体の内部容積を増大させることができる。内部容積を増大するため、セグメント板803が、管板113から、より長い垂直距離に配置される。この距離がノズル管110の長さを決定することになる。
【0031】
上述したように、アキュムレータ容器106は、高圧のブローバックガスの供給分を保持する。洗浄サイクルの間、ブローバック弁108の各々は連続的に開放され、任意の使用時点にて単一のプレナム109のみに高圧のブローバックガスが作用するようにする。プレナム109の各々に高圧のブローバックガスが作用するため、気体は、プレナム109から出て、a)複数のノズル管組立体110を通り、b)管板113の穴を通り、c)ベンチュリ管601を通り、d)フィルタエレメント104を通る。一つのブローバック弁108が反復的に作動した後、残るブローバック弁の各々は順々に反復的に作動し、プレナム及びそれに関係したフィルタエレメントの各々に対し高圧のブローバックガスを作用させる。ブローバック弁108の各々は順々に開放されるので、任意の1つの時点にて、フィルタエレメントの一部分にのみ高圧のブローバックガスが作用する。このことは、洗浄サイクルの間でさえ、ある時点で洗浄されているフィルタエレメント以外の残るフィルタエレメントを使用して全体的なろ過過程を続行することを許容することになる。
【0032】
図9は、図8のトップヘッドボンネット組立体の一部断面図とした立面図である。この図は、アキュムレータ容器106からフランジ付きノズル107及びブローバック弁108を通ってプレナム109に入る高圧のブローバックガスの流れをより明確に示す。更に、この図は、高圧のブローバックガスは、アキュムレータ容器106からフィルタエレメント104の開放した端部内に垂直に流れることを示す。このことは、ノズル管組立体110に入る前に高圧のブローバックガスはマニホルド701から水平に下方に動かなければならないため損失が生ずるであろう従来のトップヘッドボンネット組立体に勝る有利な点である。
【0033】
図10は、本発明の1つ又はより多くの実施の形態に従った内部ヘッド組立体、ノズル管及びノズルの斜示図である。この図は、トップヘッドボンネット組立体102によって取り込まれることによりブロックされる部分を有しない内部ヘッド組立体を示す。更に、図10では、ノズル管組立体110の端部におけるノズル1001の位置を見ることができる。上述したように、内部ヘッド組立体はプレナムに分割され、該プレナムの各々は、内部ヘッド部801の上面、セグメント板803及び垂直仕切り部(図示せず)により境が設定されている。ノズル107は、内部ヘッド部801の上面に侵入し、高圧のブローバックガスがプレナムに入るのを許容する。セグメント板803は、ノズル管組立体110が装着される穴を有する。ノズル管組立体110の各々はノズル1001にて終わる。高圧のブローバックガスは、ノズルを通ってプレナムに入り且つプレナムからノズル管組立体を通って出る。
【0034】
ノズル1001は、音速流又は絞った流れを生じさせるような全体的な寸法とされている、すなわち、ノズルオリフィスを通って流れる高圧のブローバックガスの体積流量は、ノズルの出口側における下流圧力に対して依存性がない。質量流量は、ノズルの上流側における温度及び圧力並びにノズルオリフィス開口部の寸法にのみ依存する。このことは、ベンチュリ管の寸法をトップボンネットヘッド組立体の内部からのろ過した清浄な気体の追加的な質量流れを誘発し、洗浄目的のため、通常の上流質量流れの約2倍の量がフィルタを通って送られるようにすることを許容する。
【0035】
プレナム、ノズル及びベンチュリ管という構成の設計を使用することは、個別のフィルタエレメントの各々が均一なブローバックガスの流れを受け取ることを意味する。このことは、全てのフィルタエレメントが均一に洗浄され、全体的なフィルタの効率を増大させることになる。洗浄サイクルの終了時、個別のフィルタエレメントが受け取るブローバックガスが少なくなるのであれば、より多くのケーク状となった微粒子物質がフィルタエレメント上に残っているのであろう。このフィルタエレメントは、全体的なフィルタを通っての圧力降下を減少させ、また、それ自体その他のフィルタエレメントよりも早期に限界圧力降下状態に達するであろう。絞った流れ及びベンチュリ管を得るために寸法決めされたノズルを使用して追加的な気体を誘発することは不要であるが、この場合、フィルタの洗浄効率の低下と共に、ブローバックガスの消費量は増大することになろう。
【0036】
プレナムの基部としてセグメント板803を使用することは、ノズル管組立体110及びフィルタエレメントをより高密度にて密集配置する幾何学的形態を可能にする。セグメント板803は平坦であり、ノズル管組立体110が装着される穴を有している。穴は容易に機械加工され、プレナム内の高圧のブローバックガスの供給源は、穴の幾何学的形態に何ら制限を課さない。このことは、従来のトップヘッド組立体にて使用されるマニホルド701と相違する。外径63.5mm(2.5インチ)のフィルタエレメントの場合、セグメント板803に穴を形成するとき、約79.375mm(31/8インチ)のピッチが要求される。このことは、通常の作動中、フィルタエレメント上に微粒子物質が蓄積することを考慮するものであり、また、ケークの架橋を防止するのに十分な空間を提供する。
【0037】
図11は、図10の内部ヘッド組立体の上側部分の斜示図である。この図は、プレナム109の各々の側壁を形成するため使用される垂直板802の位置をより明確に示す。
【0038】
図12は、図10の内部ヘッド組立体の一部断面図とした斜示図である。この図は、セグメント板803の穴がノズル管組立体110と垂直に整合する状態をより明確に示す。
【0039】
追加的な設計上の制約
プレナムの寸法、数及び幾何学的形態の選択は、多くの可変値による影響を受ける。大きいプレナムによる有利な点は、材料コストが減少し且つトップヘッドボンネット組立体にて利用可能な空間を増大させることを含む。例えば、プレナムが少ないことは、要求される垂直仕切り部802が少ないことを意味する。この場合、この空間は、追加的なノズル管組立体110及びフィルタエレメント104のために使用することができる。更に、より少ないプレナムは、要求されるブローバック弁108がより少ないことを意味する。しかし、プレナムの最小数は、全体として4つであるが、使用するプレナムはより少なくてもよく、その場合、全体的なフィルタ効率は低下する。4つのプレナムの場合、個別のフィルタエレメントの約25%は、任意の1つの時点にて高圧のブローバックガス洗浄が行われる。フィルタエレメントがブローバックガスに曝される比率がより大きい場合、システムを通じての全体的な圧力降下は増大するであろう。制限的な場合は、一回のプレナムの洗浄にて全てのフィルタエレメントを同時に洗浄する場合であろう。この場合、フィルタエレメントの全ては、逆流するブローバックガスの作用を受けるであろうから、連続的なろ過作用は行われないであろう。
【0040】
また、より小さいプレナムによる利点もある。例えば、洗浄サイクルの間、高圧のブローバックガスの一部分は無駄になる。フィルタの作用圧力の約2倍の圧力に達する前に、ノズル1207を通しての音速流又は絞った流れは実現されていない。同様に、ブローバック弁が閉じられ、洗浄過程が完了した後、ノズル1207を通る流れの絞りは停止するであろう。プレナムの寸法が増大すると、各洗浄サイクルの開始時、及び終了時に無駄とされるブローバックガスの量は増大し、これにより全体的な作動コストを増すことになる。
【0041】
上述したように、プレナムは、ブローバックガスの十分な圧力勾配を発生させ得るよう、フィルタの設計圧力の約3倍の圧力を保持するような構造としなければならない。内部ヘッド組立体の追加的な費用及び複雑さは、トップヘッドボンネット組立体の外壁はブローバック圧力に耐えるような構造とする必要はないから、全体として正当化される。内部ヘッド組立体の場合でさえ、全体的なフィルタは、従来のトップヘッドボンネット組立体のマニホルド及びヘッダパイプの解決策よりも複雑ではない。
【0042】
フィルタの設計圧力、要求されるブローバック圧力及び個別のプレナムの必要体積は、使用されるヘッドの選択を左右する。内部ヘッドは、全体として所定の圧力に対して薄い壁を有することができる2対1の楕円体のヘッドである。この理由は、高圧のブローバックガスがプレナムを通って進むとき、内部ヘッドがその高圧のブローバックガスを保持しなければならないからである。更に、所定の直径の場合、2対1の楕円体のヘッドは、半球状ヘッドの容積の約3分の1を取り囲む。半球状の内部ヘッドの容積がより大きいならば、無駄となるブローバックガスを増大し、これにより全体的な作動コストを増大させることになる。トップヘッドボンネット組立体は、全体として、フランジ付きで且つ皿型ヘッドと称される場合がある、円形球状ヘッドである。この型式のヘッド組立体は、所定の圧力に対して、その他の型式のヘッドよりも厚い壁を有しなければならない。しかし、この外部ヘッドは、高圧のブローバックガスではなくて、フィルタの設計圧力にのみ合った寸法とすればよい。
【0043】
本発明は、特定の実施の形態に関して説明したが、この説明は本発明を単に説明するためであり、限定的なものであると解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の1つ又はより多くの実施の形態に従った下降流れガスろ過システムの部分断面図とした斜示図である。
【図2】図1の下降流れガスろ過システムの部分断面図とした立面図である。
【図3】ろ過サイクルの間、微粒子物質の透過可能なケークが堆積し且つその後に、ブローバック過程の間、除去される円筒状フィルタエレメントの断面図である。
【図4】連続的過程のガスろ過システムにおける多数回の洗浄サイクルにわたる圧力降下を示すグラフである。
【図5】管板束フレームの斜示図である。
【図6】図5の管板束フレームの部分断面図とした斜示図である。
【図7】マニホルド及びヘッダパイプを保持する従来のトップヘッドボンネット組立体の部分断面図とした斜示図である。
【図8】本発明の1つ又はより多くの実施の形態に従ったトップヘッドボンネット組立体の部分断面図とした斜示図である。
【図9】図8のトップヘッドボンネット組立体の部分断面図とした立面図である。
【図10】本発明の1つ又はより多くの実施の形態に従った内部ヘッド組立体、ノズル管及びノズルの斜示図である。
【図11】図10の内部ヘッド組立体の上側部分を示す斜示図である。
【図12】図10の内部ヘッド組立体の部分断面図とした斜示図である。
【符号の説明】
【0045】
100 ろ過システム
101 フィルタ容器
102 トップヘッドボンネット組立体
103 管組立体
104 フィルタエレメント
105 出口流ノズル
106 アキュムレータ容器
107 フランジ付きノズル
108 ブローバック弁
109 プレナム
110 ノズル管
111 レベル検出ポート
112 固体分排出ポート
113 管板
301 フィルタエレメント
302 フィルタエレメント
401 圧力降下
402 圧力降下
403 ブローバック洗浄サイクルの開始時
404 圧力降下
405 フィルタエレメント
500 管板束フレーム
501 スパイダ組立体
502 複数の支持ロッド
601 ベンチュリ管
602 分離板
603 管カラー
604 管カラー
700 トップヘッドボンネット組立体
701 マニホルド
801 内部ヘッド部
802 垂直仕切り部
803 セグメント板
1001 ノズル
1207 ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレナム利用の高圧ブローバックガス送り出しシステムにおいて、
流体の入口及び出口を有するフィルタ容器と、
フィルタ容器内にある管板であって、前記フィルタ容器を、未ろ過流体のための第一の容器部分と、第二の容器部分とに分割し、第一の容器部分は入口と流体連通可能であり、第二の容器部分は出口と流体連通可能である、前記管板と、
管板の開口に装着された複数のフィルタエレメントであって、第一の容器部分と第二の容器部分とが流体連通するときに流体が通るところの前記複数のフィルタエレメントと、
第一の容器部分及び第二の容器部分内の圧力を測定し、フィルタエレメント上の微粒子物質の付着に起因する圧力差を決定する計測器と、
第二の容器部分内の複数のプレナムであって、ブローバック弁のサイクル作動中、各々が高圧のブローバックガスの供給源と流体連通可能な前記複数のプレナムと、
第二の容器部分内にあり、管板の開口部と整合された複数のノズル管であって、各プレナムがノズル管の小集団と流体連通可能に接続されている、前記複数のノズル管と、
を備え、
各プレナムは、高圧のブローバックガスを、ノズル管の小集団と整合する関連したフィルタエレメントまでそれぞれ独立して送り出すことができる、高圧ブローバックガス送り出しシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、フィルタエレメントは、閉じた底部壁及び側壁と、開放した頂部とを有する円筒状であり、開放した頂部は、管板の開口に装着されている、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、プレナムの各々を取り囲む構造体は、第二の容器部分の外壁を含まない、システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、プレナムの各々を取り囲む構造体は、第二の容器部分の外壁を含んでいる、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−302358(P2008−302358A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−120191(P2008−120191)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(500013898)モット・コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】