連続粒グレイン製粉プロセス、粗粒、及び全粒粉の小麦粉
【課題】超微粉全粒粉製品を作り出す。
【解決手段】小麦粒の全栄養価を有する一方、精白小麦粉のテクスチャーおよび精白小麦粉に似た外観を維持している超微粉加工全粒小麦粉、および該超微粉加工全粒小麦粉から作れる製品を作り出すためのプロセス。該プロセスはまた、超微粉加工粗粒分を作り出すのにも使うことができ、これは、置換物として、また、精白小麦粉を強化するのに使える。該超微粉加工粗粒分は、ベーカリー、スナック、およびフード製品に使える。さらに、該プロセスを各種の他のグレインに使うことについて論じる。
【解決手段】小麦粒の全栄養価を有する一方、精白小麦粉のテクスチャーおよび精白小麦粉に似た外観を維持している超微粉加工全粒小麦粉、および該超微粉加工全粒小麦粉から作れる製品を作り出すためのプロセス。該プロセスはまた、超微粉加工粗粒分を作り出すのにも使うことができ、これは、置換物として、また、精白小麦粉を強化するのに使える。該超微粉加工粗粒分は、ベーカリー、スナック、およびフード製品に使える。さらに、該プロセスを各種の他のグレインに使うことについて論じる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願人は、2003年12月17日提出の米国特許出願第10/738,732号および2004年9月20日提出の米国特許出願第10/945,199号の優先権に基づいて、PCT特許出願を提出し、かつ引用された出願のそれぞれが、本明細書に組み込まれることを要請する。
【0002】
本発明は、超微粉加工全粒小麦粉およびその製品を製造するためのプロセスに関する。このプロセスには、小麦粒全体を用いて、超微粉加工全粒小麦粉およびその製品を製造することが含まれている。本発明は、さらにこの方法によって製造された超微粉加工粗粒分の使用およびその製品に関する。
【背景技術】
【0003】
精白小麦粉(白小麦粉)は、パン、ベーグル、マフィン、ワッフル、ピザ外皮、クッキー、クラッカー、ベーカリーミックス、フルーツ&グレインバー、トルティヤ、ブラウニー、ペーストリー、パイ外皮、半焼成ベーカリー製品、ケーキ、クイックパン、スウィートロール、ドーナツ、マイクロウェーブ加工できるスナック製品、スナックチップ、および押出しスナックを含む、広範囲の一般的なベーカリーおよびスナック製品を作り出すのに使用され、伝統的に、一様で、明るい色の外観および滑らかな(ざらざらしていない)テクスチャーを有している。これに比べ、伝統的な全粒小麦粉で作られた製品は、より粗い、濃いテクスチャーおよびより暗い、より一様でない外観を有する傾向がある。精白小麦粉はまた、パスタ、即席飲料、インスタント飲料、ミートエクステンダー、ミート(ベジタリアン)代用品、栄養バー、フルーツ&グレインバー、即席穀類製品、菓子類、調味料ブレンド、グレービーソースミックス、スープミックス、ルー、コーティングまたはブレッディング、クッキードウまたは他のアイスクリーム含有物、および各種の他の用途などの、多数の他の用途で使用されている。
【0004】
小麦粒は、3種類の分級物、すなわち、胚乳、ふすま、および胚芽から成り、これらは、組成的に、また、形態学的に非常に異なっている。したがって、製品は、使用される小麦粒の部分により、粗さ、テクスチャー、および色が、異なることになる。精白小麦粉は、主として、小麦粒の胚乳から、少量のふすまおよび胚芽とともに形成される。胚乳は、小麦粒の約82%を構成している。胚乳の機能は、小麦粒の発芽中、胚性の植物にエネルギーを与えることである。胚乳は、約75%の澱粉および10〜14%の蛋白質を含んでいる。胚乳は、ふすまおよび胚芽に比べて、低量の繊維、脂質、ビタミン、ミネラル、顔料および他の植物栄養素を含んでいる。これは、精白小麦粉に、その一様な、きめの細かい、澱粉質のテクスチャー、および全粒小麦粉に比べてオフホワイトな色を与えるのに役立っている。ふすまは、いくつかのセル層から成り、相当量の繊維を含んでいる。ふすまは、アリューロン層を含んでおり、これは、胚乳をふすま層から分離するものである。アリューロン層は、蛋白質、ビタミンおよびフェルラ酸などの植物栄養素に富んでいる。胚芽は、脂質、繊維、ビタミン、ミネラルおよびフラボノイドなどの植物栄養素に富んでいる。したがって、精白小麦粉(これは主として胚乳から作られる)は、主として澱粉であり、わずかな量の繊維、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラルおよび他の植物栄養素を有している。
【0005】
精白小麦粉は、消費者が望むテクスチャーおよび色を呈するが、全粒小麦粉の栄養価は有していない。多くの消費者、特に子供は、全粒小麦粉から作られた製品に比べて、精白小麦粉で作られたベーカリーおよびスナック製品のテクスチャー、外観および香味を好む。全粒は、大人の米人(20才またはそれ以上)が、毎日消費するグレイン系食品6.7サービングのうちの僅か0.8〜1サービングである、と推定されている。
【0006】
全粒消費量を増大させることの重要性は、政府および健康団体の専門家グループが発行する推奨値の変化に反映されている。ヘルシー・ピープル2010レポート(Healthy People 2010 Report )(National Academy Press, 1999)では、2才およびそれ以上の個人は、毎日少なくとも6サービングのグレイン製品を(うち少なくとも3サービングを全粒で)消費すべきことを推奨している。2000ダイエトリ・ガイドライン・フォア・アメリカンズ(2000 Dietary Guidelines for Americans)(Fifth Edition, USDA, USDHHS, Home and Garden Bulletin No. 232)では、別個の推奨値が、グレイン用に追加され、具体的には、個人は、毎日、各種のグレイン、特に全粒を選択すべきことが、説かれている。USDAでは、食物ガイドラインを改訂中である。Dietary Guidelines Advisory Committeeの2005 Reportでは、「フルーツおよび野菜、全粒、および脱脂または低脂肪ミルクおよびミルク製品の毎日摂取量を上げる」よう、人々に示唆する食物ガイドラインの開発を支持している(2005 Dietary Guidelines Advisory Committee Report(Executive Summary)。このガイドラインによれば、「全粒に富んだ食物は、冠状動脈心臓病および2型糖尿病のリスクを減らすことができ、体重コントロールに役立つ」。Advisory Committeeは、毎日少なくとも3サービングの全粒を消費して、冠状動脈心臓病および2型糖尿病のリスクを減らし、体重維持に役立てるよう、推奨している。米国心臓協会(American Heart Association、米国糖尿病協会( American Diabetes Association)、および 米国癌協会(American Cancer Society )もまた、全粒の消費を増大させることについての具体的な推奨を行なっている。
【0007】
全粒小麦粉は、精白小麦粉に比べて、栄養価が増大したが、これは、全粒小麦粉が、主として胚乳だけでなく、ふすま、胚芽および胚乳を含む小麦粒全体を含むからである(図1および2)。したがって、全粒小麦粉は、食物抗酸化物として作用するフェノール系化合物およびフィテートを含む、繊維、蛋白質、ビタミン、ミネラル、脂質および植物栄養素が、精白小麦粉に比べて、より高い。
【0008】
一般に、精白小麦粉で作られる製品に全粒小麦粉を使用すると、該製品のテクスチャーおよび色が変わることになる。消費者は、一般に、精白小麦粉を使用した製品の一様なテクスチャーおよびより明るい色を好むので、製品テクスチャーおよび外観に対するそのような影響は、ベーカリーおよびスナック製品における伝統的な全粒小麦粉の使用を限定する。ベーカリーおよびスナック製品で、精白小麦粉の代わりに全粒小麦粉を使用した場合は、製品は、一般に、目に見えるふすまのホシを含み、テクスチャーは、より粗く、より重くなり、色は、精白小麦粉で作った製品に比べて、より暗くなる。
【0009】
テクスチャーおよび色の相違は、製品内のふすまのホシと相俟って、製品を大部分の消費者にとってより好ましくないものにする。全粒小麦粉を使用する製品の増大した栄養価は、多くの具体例で、ふすまのホシを含まない一様なテクスチャー、明るい色の製品を得たい、という消費者の欲望には勝てないことが分かった。全粒小麦粉は、繊維、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラル、および他の栄養素の含有量がより多く、澱粉のそれがより少ない、という事実を含む全粒小麦粉対精白小麦粉の栄養価を基にすれば、消費者の消費のための各種の調製製品で、全粒小麦粉を使用するのが望ましかろう。
【0010】
全粒小麦粉に比べれば、精白小麦粉は、カロリーおよび澱粉がより高いが、全粒小麦粉で見出される食物繊維の約5分の1しか含まず、また、図1および2に示すように、全粒小麦粉より蛋白質の含有量が約7〜10%少ない。最近、健康開業医達は、全粒食品の利点を支持しつつある。特に、人々は、多量の澱粉および砂糖を含むプロセス食品の消費量を減らして、より健康で総合的な食物を摂るべきであると、提議されている。
【0011】
精白小麦粉は、多量の澱粉を含んでいる。さらに、栄養強化された精白小麦粉は、小麦粒で見出されるレベルで、あるいは、そのやや上のレベルで添加されたチアミン、リボフラビン、ナイアシン、葉酸および鉄を含むが、全粒小麦粉で見出される繊維、ミネラル、脂質、および植物栄養素は、添加されていない。精白小麦粉が含む繊維、ミネラル、脂質および植物栄養素は、一般に、全粒小麦粉で見出される量よりもより少ない量で存在し、それらの存在は、主として、精白小麦粉に存在する少量のふすまおよび胚芽によるものである(図1)。
【0012】
現在、米国では、精白小麦粉から作られた白パン対全粒小麦粉パンの消費は、約5対1である。消費される白パン各5ローフに対して、1ローフの全粒小麦粉パンが消費される。精白小麦粉で作られた一般のベーカリーおよびスナック製品は、低繊維であり、かつ、各全粒対応物の栄養上の利点を有していない以上、ベーカリーおよびスナック製品において精白小麦粉を置換するのに使用でき、しかも、消費者に受け入れられる所望のテクスチャーおよび外観を有する製品を産み出すのに使用できる全粒小麦粉を開発することが重要である。製品は、増大した繊維および抗酸化物含有量を含む増強された栄養価を有する一方、大部分の人々にアピールする品質を保持するであろう。
【0013】
高繊維食物に頼る人々は、一般に、心臓病、高血圧症、癌、糖尿病、および肥満症の率が、より低い。米国では、個人は、一般に、一日当り12〜15グラムの繊維を消費しているが、これは、推奨レベルの半分またはそれ以下である。繊維および他の栄養素が高く、しかも、精白小麦粉の外観および感触を犠牲にしないフード製品の開発が望ましい。
【0014】
また、食物における抗酸化物の量を増大させることが望ましい。フラボノイドを含む抗酸化物は、癌防止の役割を演ずる可能性がある、と考えられる。したがって、個人は、抗酸化物を含むフルーツ、野菜および全粒などの食品の消費を増大させることが推奨されている。
【0015】
フード製品の抗酸化作用は、ORAC(Oxygen Radical Absorbance Capacity(活性酸素吸収能力))アッセイによって測定可能である。ORACアッセイでは、食品の親水性および疎水性抗酸化能力を、フルオレセインを蛍光プローブとして用いて、また、2,2'-アゾビス-2-アミジノプロパン二塩酸塩をペルオキシルラジカルジェネレータとして用いて、測定する。ORACアッセイにより、フード製品における栄養素(ビタミンA、C、およびE)および非栄養素(フラボノイド、フェノール酸、カロテノイドおよび他の植物栄養素)による能力を含む総抗酸化力が、容易に測定できる。フラボノイドなどの抗酸化物は、人体が癌を予防するのに役立つと思われる。
【0016】
トリテイカム・エステイバム(Triticum aestivum) 種の小麦(普通の小麦)は、一般に3セットの用語を用いて定義されている。第1のセットは、硬質または軟質で、これは、粒の硬度に関する用語である。第2のセットは、赤または白で、これは、小麦粒の外側の層における赤色顔料の存在または欠如に関する用語である。最後に、冬または春小麦という変種が有り、これは、小麦が何時播種されたかで、そのように分類されるものである。デュラム小麦は、トリテイカム・デュラム(Triticum durum)種の小麦である。デュラム小麦は、非常に硬い粒を生じ、かつ、外側の層においてではなく胚乳全体を通じて黄色の顔料を有する点で、普通の小麦とは明確に違うものである。デュラム小麦は、一般に、パスタ製品を作るのに使用されるが、普通の小麦は、例えば、パン、ケーキ、クッキー、およびクラッカーに使用される。
【0017】
精白小麦粉は、デュラム小麦およびレッドデュラム小麦以外の精選された小麦を粉砕し、篩別することによって調製されるフラワーである。米国食品医薬品局(United States Food and Drug Administration)(U.S. FDA)では、フラワーが、精白小麦粉の範疇に入るためには、ある粒度規準を満たさなくてはならない、としている。その粒度は、フラワーの98%またはそれ以上が、"212μm(U.S. Wire 70)"と呼ばれるワイヤクロス織布の開口またはそれより小さい開口を有する布を通過する粒度、と記述されている。U.S. FDA Code of Federal Regulations(CFR)によれば、栄養強化フラワーとは、精白小麦粉の1ポンド当り、2.9mgのチアミン、1.8mgのリボフラビン、24mgのナイアシン、0.7mgの葉酸および20mgの鉄を含む精白小麦粉である。栄養強化フラワーは、精白小麦粉の1ポンド当り960mgの量で、カルシウムを含んでいてよい。U.S. FDA のガイドラインを満たすためには、栄養強化フラワーは、5重量%を超える量の小麦胚芽または部分的に脱脂した小麦胚芽を含むことはできない。
【0018】
全粒粉についてのU.S. FDAガイドラインは、全粒粉は、デュラム小麦およびレッドデュラム小麦以外の精選された小麦を粉砕することによって調製され、ひとたび粉砕された後の粒度は、90%またはそれ以上が、2.36ミリメートルの(U.S. Wire 8)篩を通過し、かつ、50%またはそれ以上が、850μm(U.S. Wire 20)篩を通過する、と述べている。全粒粉(全粒小麦粉)では、水分以外の小麦における自然成分の割合は、小麦粒と比べて、変わらない。小麦粒は、全体を使用する。製品は、ドウを全粒粉、臭素酸塩処理全粒粉、またはこれらの組合せから作った場合、100%全粒小麦粉と考えるべきである。これらの製品には、精白小麦粉、または栄養強化フラワーは、全く使用しない。全粒小麦粉は、小麦粒に自然に存在する栄養素のスペクトル全体を含むので、栄養強化された精白フラワーより健康的と考えられる(図1および2)。
【0019】
現在の製粉プロセスでは、胚乳をふすまおよび胚芽から分離して、精白フラワーを作る。一方、ふすま、胚芽、および少量の胚乳は、粗粒分として収集される。現在の技術では、粗粒分粒子の85%は、大きすぎて、149ミクロン(U.S. Wire 100の篩)を通過しない。粗粒分は、蛋白質、ビタミン、ミネラル、および植物栄養素の含有量が高い。粗粒分は、一般に、フード製品での使用がさらに制限される原因となる高微生物負荷を含んでいる。したがって、粗粒分は、一般に、値打ちの低い副産物と考えられており、動物の飼料として使用される傾向がある。ある製粉プロセスでは、胚芽の一部が、分離され、食品または食物サプリメントおよび化粧品用途におけるオイルソースとして使用されている。一般に、胚芽の25%を下回る量が、これら用途向きに収集される。ふすまおよび胚芽は、小麦粒の約18重量%しか構成していないが、これらは、小麦の栄養価の約75%を占めている。粗粒分は、粗粒分の粒度が大きいので、ベーカリーおよびスナック食品用途では、そのままでは使用できない。このような用途における粗粒分の用途は、製品のテクスチャーおよび外観に対する粗粒分の影響により、限定される。現在、粗粒分は、ある種のベーキングおよびスナック食品用途で、主として、製品に、より健康的な外観を与えるために低レベルで使用される。
【0020】
伝統的には、全粒粉製品は、精白小麦粉製品ほどには細かく製粉されていない。伝統的な製粉フローシートで、超微粉全粒粉を作り出すためには、粗粒分をさらにプロセスすることが必要である。粗粒分をレデュースして、精白小麦粉の粒度と等価な粒度にするには、粉砕された製品を篩別するための中間的な方法を含むことになるであろう多重パスハンマーミリングシステムが必要である。現在の技術では、ハンマーミルを使用して、粗粒分をレデュースし、超微粉全粒粉を生産することになろうが、能力が低く、製品のトン当たりのエネルギー使用量が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】カナダ国特許発明第2141974号明細書
【特許文献2】米国特許第6372281号明細書
【特許文献3】特開2001−204411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
超微粉全粒粉製品を作り出そうとする試みは為されたが、これらの試みは、一般に、経済的に実行できず、一般に、業界が受け入れるところとはならなかった。これらプロセスは、ロール機、ハンマーミル、およびふすまスライサーなどの伝統的な粉砕方法を用いて、小ぶすま(粗粒分)の粒度をレデュースすることに頼っていたが、これらの方法では、粗粒分の粒子を必要な超微粉グラニュレーションにまで経済的にあるいは能率的にレデュースすることはできない。このプロセスは、現在、ロール機、ハンマーミル、およびふすまスライサーを用いて粗粒分を粉砕するのに必要なエネルギー使用量および資本の額が大きくて、不経済である。ハンマーミル、ロール機およびふすまスライサーは、主要なレダクションモードとして、粒子対粒子の摩擦という、より能率的な方法ではなく、せん断および衝撃を用いて、ふすまおよび胚芽(小ぶすま)、粗粒分、の粒度をレデュースする。これは、小麦粒のこれらの部分を粉砕するには非能率的なやり方である。
【0023】
代表的な全粒小麦粉製粉機は、精白小麦粉に匹敵する粒度を有する全粒小麦粉を作り出さない。現在の技術では、市場で入手できる全粒小麦粉の最も細かいグラニュレーションでも、U.S. Wire100の篩を通るのが60%という粒度しか有していない。したがって、全粒小麦粉は、一般に、粗く、精白小麦粉製品を食するのが好きな消費者には魅力がなく、また、ベーカーにとっても、実用性がより少ない。
【0024】
ミルフローシートは、製粉プロセスのマップである。伝統的な全粒小麦粉のミルフローシートでは、数種類の粗粒状全粒粉製品しか作り出せない(図3)。したがって、伝統的な全粒小麦製粉技術では、十分な粒度レダクションを行なって、精白小麦粉と同様なベーキング属性を有する全粒小麦粉を作り出すことはできない。
【0025】
必要なのは、全粒小麦粉を使用しながら、代表的な精白小麦粉のベーキング属性および「外観および感触」を維持し、それにより、消費者にとってより口に合う全粒小麦製品を作り出すことによって、一般的なベーカリー、スナック、およびフード製品の栄養価を高める方法である。該プロセスは、小麦粒全体を使用して、フード製品の開発者が、より高いパーセンテージの全粒小麦粉を彼らのベーカリー、スナック、およびフード製品で使用して、仕上がり製品の栄養価を高めることを可能にする超微粉加工全粒小麦粉を作り出すべきである。該プロセスは、小麦粒全体を含む超微粉加工全粒小麦粉を生ずるべきである。このようにすれば、超微粉加工全粒小麦粉は、小麦粒で見出される栄養素の全てを含むことになろう。
【0026】
超微粉加工全粒小麦粉は、パン、ベーグル、マフィン、ワッフル、ピザ外皮、クッキー、クラッカー、ベーカリーミックス、フルーツ&グレインバー、トルティヤ、ブラウニー、ペーストリー、パイ外皮、半焼成ベーカリー製品、ケーキ、クイックパン、スウィートロール、ドーナツ、マイクロウェーブ加工できるスナック製品、スナックチップ、および押出しスナックなどの伝統的なベーカリーおよびスナック製品において、精白小麦粉を置換して、フラワーを含む製品の栄養価を高めることが可能であるべきである。超微粉加工全粒小麦粉はまた、即席穀物製品、即席飲料、インスタント飲料、ミートエクステンダー、ミート(ベジタリアン)代用品、栄養バー、菓子類、調味料ブレンド、グレービーソースミックス、スープミックス、ルー、コーティング、ブレッディング、クッキードウまたは他のアイスクリーム含有物、および各種の他の用途などのフード製品において、精白小麦粉を置換すべきである。超微粉加工全粒小麦粉で作られたベーカリー製品、スナック製品、およびフード製品のテクスチャーは、あたかも精白小麦粉が使用されたかのようなそれと同じであるべきである。このようなベーカリー、スナック、およびフード製品の外観は、精白小麦粉で作られた製品により似たものとなろう。
【0027】
追加的には、このような製品の栄養価を高めるため、ベーキング、スナック、およびフード製品で使用できる超微粉加工粗粒分が必要である。超微粉加工粗粒分は、各種のベーカリー、スナック、およびフード製品において、精白小麦粉または全粒小麦粉の100%までを置換可能であるべきである。焼上げ商品、スナック製品、およびフード製品で、微生物負荷がより低く、かつ、抗酸化力がより高い超微粉加工粗粒分を使用するのも有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明は、超微粉加工全粒小麦粉およびその製品を製造するためのプロセスに関する。「超微粉」とは、約150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度を有すること、と定義される。本発明は、さらに、本発明のプロセスを用いて作られる超微粉加工粗粒分、および該超微粉加工粗粒分を用いる製品に関する。本発明は、詳しくは、超微粉加工粗粒分を用いて、精白小麦粉を置換するベーカリー、スナック、およびフード製品に関する。このような製品には、パスタ、即席穀物製品、マイクロウェーブ加工できるスナック製品、半焼成ベーカリー製品、ベーカリーミックス、パン、ベーグル、マフィン、ワッフル、ピザ外皮、クッキー、ペーストリー、パイ外皮、トルティヤ、ブラウニー、ケーキ、クイックパン、スウィートロール、ドーナツ、即席飲料、インスタント飲料、ミートエクステンダー、ミート(ベジタリアン)代用品、栄養バー、フルーツ&グレインバー、菓子類、調味料ブレンド、グレービーソースミックス、スープミックス、ルー、押出しスナック、コーティングまたはブレッディング、クッキードウまたは他のアイスクリーム含有物、および各種の他の用途が含まれている。超微粉加工粗粒分は、任意の用途において、精白小麦粉または全粒粉を置換するのに使用できる。
【0029】
該プロセスは、ある量の精選され、かつ、調整された小麦粒を、少量の残留ふすまおよび胚芽とともに、主として胚乳から成る細粒分と、ふすま、胚芽、および少量の残留胚乳から成る粗粒分とに分離する工程を含む連続流グレイン製粉プロセスである。粗粒分は、ギャップミルなどの製粉機を通して粉砕されて、約150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度を有する超微粉加工粗粒分を形成する。超微粉加工粗粒分は、各種の製品において、精白小麦粉を置換するのに使用できる。超微粉加工粗粒分はまた、細粒分と混合して、超微粉加工全粒小麦粉を形成するのに使用できる。その利点は、フラワーが、小麦粒の全栄養価を有しながら、精白小麦粉のテクスチャーおよび精白小麦粉に似た外観を維持していることである。したがって、該フラワーは、ベーカリー製品、スナック、およびフード製品などの一般に精白小麦粉を使用するフード製品で使用できる。さらに該プロセスの利点は、超微粉加工粗粒分が、標準の粗粒分で見出される微生物負荷より低い微生物負荷を有していることである。最後に、超微粉加工粗粒分は、精白小麦粉より約3倍大きい抗酸化力を有している(図16aおよび16b)。
【0030】
したがって、本発明は、精白小麦粉、超微粉加工粗粒分、および超微粉加工全粒小麦粉を作るための一石三鳥のプロセスを開示する。この一石三鳥のプロセスには、小麦粒全体を超微粉加工することも含まれている。一石三鳥のプロセスの第1の製品は、精白小麦粉である。この精白小麦粉は、現在市場に出ている精白小麦粉と同じ物である。第2の製品は、本発明の超微粉加工粗粒分であり、これは、製品における精白小麦粉を置換して、製品の栄養価を高めるのに使用できる。最後に、第3の製品、超微粉加工全粒小麦粉は、超微粉加工粗粒分と細粒分とを混合して作る。この一石三鳥のプロセスは、製粉され得るいかなる種類のグレインにも使用できる。
【0031】
超微粉加工粗粒分は、精白小麦粉を下回るかまたはそれに等しい粒度を有している。
それは、目に見えるふすまのホシがない精白小麦粉に似た細かなテクスチャーを有し、精白小麦粉よりやや暗い色を有している。したがって、それは、パン、ベーグル、ピザ外皮、トルティヤ、ブラウニー、ワッフル、ペーストリー、パイ外皮、スナックチップ、マフィン、クッキー、クラッカー、ベーカリーミックス、フルーツ&グレインバー、パスタ、マイクロウェーブ加工できるスナック製品、半焼成ベーカリー製品、ケーキ、クイックパン、スウィートロール、ドーナツ、即席飲料、インスタント飲料、ミートエクステンダー、ミート(ベジタリアン)代用品、栄養バー、即席穀類製品、菓子類、調味料ブレンド、グレービーソースミックス、スープミックス、ルー、押出しスナック、コーティングまたはブレッディング、クッキードウまたは他のアイスクリーム含有物、および各種の他の用途などのベーキング、スナック、食品、および穀類製品用途で使用できる。超微粉加工粗粒分は、栄養素が濃く、かつ、高繊維である。超微粉加工粗粒分の繊維含有量は、合計食物繊維が、約38〜40%である。一方、超微粉加工粗粒分は、25%またはそれを下回る澱粉を有している。高繊維は、低減した澱粉含有量と相俟って、利用できる炭水化物が当然より低いフラワー製品を生ずる。超微粉加工粗粒分の高繊維は、それが、精白小麦粉より低いカロリー密度を有していることを意味する。カロリー密度は、不溶性の繊維の量の増大、および精白小麦粉に比較してより高い保水性(カロリー密度を下げる)のため、特に焼上げた製品で、より低い。さらに、超微粉加工粗粒分は、少なくとも18%の蛋白質を含み、かつ、フラボノイドなどのフェノール系植物栄養素のソースであり、これは、重要な抗酸化物で、したがって、超微粉加工粗粒分の抗酸化力を増大している。
【0032】
また、精白小麦粉を強化するためのプロセスも開示されており、これには、精白小麦粉のある量と、約150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有する超微粉加工粗粒分のある量と、を混合することが含まれている。精白小麦粉と超微粉加工粗粒分とを混合することによって、超微粉加工小麦粉製品が作り出され、これは、精白小麦粉より、より多くの栄養素を含み、パン、ブラウニー、マフィン、ワッフル、ピザ外皮、ベーグル、クッキー、クラッカー、ベーカリーミックス、フルーツ&グレインバー、ペーストリー、パイ外皮、トルティヤ、即席穀類製品、パスタ、マイクロウェーブ加工できるスナック製品、半焼成ベーカリー製品、ケーキ、クイックパン、スウィートロール、ドーナツ、即席飲料、インスタント飲料、ミートエクステンダー、ミート(ベジタリアン)代用品、栄養バー、菓子類、調味料ブレンド、グレービーソースミックス、スープミックス、ルー、押出しスナック、スナックチップ、コーティングまたはブレッディング、クッキードウまたは他のアイスクリーム含有物、および各種の他の用途において、精白小麦粉の全てを置換するのに使用することができた。
【0033】
パンにおいては、精白小麦粉のあるパーセンテージが、超微粉加工小麦粉製品によって置換される。精白小麦粉の約20%と約25%との間の量を超微粉加工粗粒分で置換すると、精白小麦粉の使用に関連した品質および全粒小麦粉の栄養価を有する製品が生じる。ある食品用途では、より高いパーセンテージの精白小麦粉を超微粉加工粗粒分で置換することによって、製品のテクスチャーおよび外観は、精白小麦粉に酷似する一方、栄養価が増大し、栄養的に全粒小麦粉を超えて強化された製品が、作り出される。これらの用途においては、小麦のいかなる変種でも構わないが、赤小麦変種ではなく白小麦変種を用いると、白小麦変種のふすまの明色のため、外観が精白小麦粉で作られた製品により似た製品が生ずることになる。
【0034】
本発明はまた、該プロセスの製品、該プロセスの製品(複数)から作られたベーカリー製品、該プロセスの製品(複数)から作られたスナック製品、および該プロセスの製品(複数)から作られた各種の他のフード製品も含んでいる。
【0035】
本発明はまた、該プロセスの製品、該プロセスの製品(単数)から作られたベーカリー製品、該プロセスの製品(単数)から作られたスナック製品、および該プロセスの製品(単数)から作られた各種の他のフード製品も含んでいる。
【0036】
該プロセスは、精白小麦粉、あるパーセンテージの精白フラワーまたは全粒小麦粉を置換するのに使用できる超微粉加工粗粒分、および全粒粉の栄養上の配合を有している一方、精白小麦粉に似たテクスチャーおよび精白小麦粉により似た外観を維持している超微粉加工全粒小麦粉を生ずる。超微粉加工全粒小麦粉は、ウィートベリー全体に由来する。これと対照的に、超微粉加工粗粒分は、主として、ウィートベリーのふすまおよび胚芽から成る。超微粉加工全粒小麦粉は、精白小麦粉または全粒小麦粉を用いるいかなる用途にも使える。普通の小麦のいかなる種でも使用できるが、各種の白小麦を使うのが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】精白小麦粉および全粒小麦粉の棒グラフによる栄養比較である。
【図2】精白小麦粉および全粒小麦粉の栄養含有量を比較する表であり、合計炭水化物の量を、近似分析で測定し、蛋白質、脂肪、灰分、および水分のパーセンテージを測定して、100から引き、その答を合計炭水化物のパーセンテージと考えているが、合計食物繊維のパーセンテージは、実際の測定値である。
【図3】伝統的な精白小麦粉製粉プロセスおよび伝統的な全粒小麦粉製粉プロセスのフローチャートである。
【図4】本発明のギャップ製粉プロセスのフローチャートで、ワンステップおよびツーステッププロセスを示すものである。
【図5】ギャップミルプロセスの詳細なフローシートである。
【図6】高能力ギャップミルプロセスの詳細なフローシートで、本発明のリサイクリングプロセスを含む2つの工程ギャップミルを説明するものである。
【図7】細粒分(精白小麦粉)、超微粉加工粗粒分、および超微粉加工全粒小麦粉の粒度分布を記載した表である。
【図8】精白小麦粉対超微粉加工全粒小麦粉および超微粉加工粗粒分の栄養データを記載した表である。
【図9】異なる量の精白小麦粉を超微粉加工粗粒分で置換した4種類のブラウニーレシピの各材料の量を記載した表である。
【図10】異なる量の精白小麦粉を超微粉加工粗粒分で置換した5種類のアップルシナモンマフィンレシピの各材料の量を記載した表である。
【図11】異なる量の精白小麦粉を超微粉加工粗粒分で置換した3種類のチョコレートチップクッキーレシピの各材料の量を記載した表である。
【図12】異なる量の精白小麦粉を超微粉加工粗粒分で置換した2種類の全粒小麦粉パンレシピの各材料の量を記載した表である。
【図13】ある量の精白小麦粉を超微粉加工粗粒分で置換したトルティヤレシピの各材料の量を記載した表である。
【図14】異なる量のロンググレイン米フラワーを超微粉加工粗粒分で置換した2種類のクリスプ化穀類レシピの各材料の量を記載した表である。
【図15】異なる量のデュラムセモリナを超微粉加工全粒小麦粉および超微粉加工粗粒分で置換した4種類のパスタレシピの各材料の量を記載した表である。
【図16】小麦分級物の抗酸化力を記載した表であり、図16aは、小麦製粉分級物の抗酸化力を記載したもの、図16bは、小麦分級物対フルーツおよび野菜の抗酸化力の比較である。
【図17】超微粉加工全粒小麦粉、粗粒分および超微粉加工粗粒分フラワーの微生物負荷の結果の表である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、超微粉加工全粒小麦粉およびその製品を作り出すプロセスに関する。普通の小麦のいかなる種でも使用できるが、各種の白小麦を使用するのが望ましい。望ましいプロセスは、連続流グレイン製粉プロセスであり、このプロセスは、ある量の小麦を与えることまたは得ることから始まる。小麦は、主として胚乳から成る細粒分、および主としてふすまおよび胚芽から成る粗粒分を生ずるよう製粉される。二つの分級物は、約150μmを下回るかまたはそれ等しい粒度を有する分級物を生ずるよう製粉される。特に、超微粉加工粗粒分は、目に見えるふすまのホシを有さないよう、かつ、約150μmを下回るかまたはそれ等しい粒度を有するよう作り出される。二つの分級物は、組み合わせて、全小麦ベリーから成る超微粉加工全粒小麦粉を形成することができる。プロセス中に、ギャップミルを使用して、粗粒分を製粉するのが望ましい。明らかに、開示されたプロセスの使用は、粗粒分の微生物負荷を低減し、精白小麦粉との併用をより有利にすらするものであるが、これは、フラワーの栄養価が増大し、微生物負荷が減少するためである。さらに、超微粉加工粗粒分の使用は、精白小麦粉に比較して、超微粉加工全粒粉の抗酸化力を増大する。超微粉加工粗粒分は、各種の焼上げ商品、スナック製品、およびフード製品における精白小麦粉の強化に、また、精白小麦粉または全粒小麦粉を使用する任意の用途における精白小麦粉または全粒小麦粉に対する置換物としても使用できる。
【0039】
製粉目的のためには、小麦粒を3種類の解剖学的な領域に分割する。ふすまは、外側の保護層からなり、これは、粒の、約14重量パーセント(14%)を構成し、かつ、繊維および灰(ミネラル)分が高い。胚芽は、胚性の小麦植物であり、小麦粒の約3パーセント(2〜3%)を構成している。胚芽は、小麦粒で見出される脂質および必須栄養素のうちの高パーセンテージ分を含んでいる。胚乳は、発育する小麦植物にエネルギーを与える小麦粒の澱粉質内部部分である。胚乳は、その高澱粉およびかなり高い蛋白質(すなわち、グルテン)含有量によって特徴付けられる。小麦粒の大部分は、胚乳から成っている。胚乳は、精白小麦粉の主要な構成成分である。
【0040】
小麦製粉は、小麦粒を圧砕して、ふすまおよび胚芽からできるだけたくさんの胚乳を分離し、胚乳を粉砕してフラワーにする機械的な方法である。このプロセスでは、小麦の主要な構成要素が、実質的に互いに他から分離される。精白小麦粉は、ふすまおよび胚芽の大部分が、胚乳から分離される時に作り出される。一般に、胚乳、または精白小麦粉の、製粉プロセスから得られる歩留は、プロセスされた全小麦の70〜80パーセント(70〜80%)である。残りの胚乳は、依然として粗粒分内に存在する。本発明の代表的な歩留は、プロセスによる水分損失によるが、全小麦粒の約97%〜約100%である。
【0041】
ある量の小麦を得た後、粒を精選し、調整する。調整された小麦は、次いで、約8〜24時間の期間保持して、水分が、小麦粒内で平衡化できるようにする。調整された小麦は、次いで、一連のロール機、篩機および純化機を通してプロセスし、ふすまおよび胚芽から胚乳を分離する。胚乳は、ふすまおよび胚芽からひとたび分離されると、約150μmに等しいかまたはそれを下回る粒度にまで粉砕される。ふすまおよび胚芽は、粗粒分の一部として除去され、集められる。粗粒分は、ふすま、胚芽、および少量の残留胚乳から成っている。
【0042】
伝統的な製粉方法では、小麦は、図3に示すように、集められ、精選され、調整され、次いで、粉砕されて、精白小麦粉および小ぶすま(粗粒分)が、形成される。このプロセスの第1段階、小麦の精選は、雑草の種子、石、泥ボール、および他の異物などの各種の不純物の、小麦からの除去が含まれる。小麦の精選は、一般に、選別機の振動篩を用いて、木片および麦わら片、および小麦より大きすぎるかまたは小さすぎる全てのものを除去することから始まる。次に、気流を利用する風選機を用いて、埃およびより軽い不純物を除去する。次いで、除石機を用いて、小麦と同じ大きさの石などの重たい混在物を分離する。振動デッキ上のワイヤクロス織布で覆った小麦のベッドに空気を通す。比重および表面摩擦の違いにより分離を行なう。小麦は、次いで、形状および長さで分離する一連の円板または円筒分離機を通して、代表的な小麦粒より長い、より短い、より丸い、またはより角張った混在物を排除する。最後に、研磨機により、ふすま層の一部、粒溝の汚れ、および他のより小さな不純物を除去する。
【0043】
小麦が、ひとたび精選されると、製粉用に条件を整えるために調整される。小麦粒に水分を加えて、ふすま層を強靭にする一方、胚乳を柔らかくする。したがって、小麦粒の各部分は、より容易に分離し、かつ、より容易に分離する傾向がある。製粉に先立ち、調整された小麦を8〜24時間の間貯蔵して、小麦粒が水分を充分に吸収できるようにする。製粉プロセスは、基本的に、小麦粒の漸進的なレダクションである。粉砕プロセスでは、ふすまおよび胚乳を含むグラニュライトの混合物が生じ、これを篩機および純化機を用いて分級する。胚乳の粗い粒子は、次いで、一連のロール機により、フラワーに粉砕する。小麦を製粉する場合、小麦粒は、一般に75%の精白小麦粉(細粒分)および25%の粗粒分を生じる。粗粒分は、小麦粒の精白小麦粉にまでプロセスされなかった部分であり、一般にふすま、胚芽、および少量の残留胚乳を含んでいる。
【0044】
回収された粗粒分は、次いで、粉砕機、望ましくは、ギャップミルを通して粉砕し、約150μmを下回るかまたはそれ等しい粒度分布を有する超微粉加工粗粒分を形成する(図4)。ギャップミルのチップ速度は、一般に、115m/s〜130m/sの間である。ギャップミルのチップ速度が高いと、プロセスで熱が発生する。プロセス中に発生する熱および増大する気流は、図17に示すように、超微粉加工粗粒分の微生物負荷の減少をもたらす。ギャップミルでの粉砕に先立ち、粗粒分の平均好気性プレートカウントは、95000コロニー形成単位/グラム(cfu/g)であり、平均大腸菌群数は、1200cfu/gであった。ギャップミルを通過後、超微粉加工粗粒分の平均好気性プレートカウントは、10000cfu/gであり、平均大腸菌群数は、900cfu/gであった。したがって、微生物負荷は、超微粉加工粗粒分において、著しく減少する。この減少は、プロセスで発生する熱および気流による。篩別後、150μmを上回る粒度を有する粉砕された粗粒分はすべて、プロセスに戻して、さらに製粉することができる。
【0045】
高能力プロセスは、図6に掲げたフローシートに示すようにして始まる。細粒分(精白小麦粉)および粗粒分(粗粒状製品)が分離された後、粗粒分は、分割され、粗粒分の各部分は、別個の粉砕機を通して送られる。粗粒分は、分割され、システムの能力を増大するため、2種類のギャップミルに送られる。粉砕機は、望ましくは、ギャップミルである。他の種類のミルよりもギャップミルの使用が望ましい理由は、ギャップミルの設計は、粗粒分の粒子が、互いに他に衝突して、粒子間の摩擦が生じ、それにより、粒子をさらにより小さな粒度にまで圧砕できるからである。前述のように、ギャップミルは、プロセス中に熱を発生する。ギャップミルが発生する熱は、システム内の気流と相俟って、超微粉加工粗粒分内の水分を減らすことになる。水分の喪失は、超微粉加工粗粒分の微生物負荷を低減するという追加の利点を有すると思われる(図17)。ギャップミルは、望ましくは、バウエルマイスター(Bauermeister) ギャップミル(米国、テネシー州、メンフィスの Bauermeister, Inc. 製)である。バウエルマイスター(Bauermeister)ギャップミルは、細粒粉砕用に設計され、かつ、円錐形ロータと条溝付きのじゃま板との間に、調整可能な粉砕ギャップを含んでいるので、最も能率的である。これは、他のギャップミルに比べて、より高いレベルの粒子レダクションをもたらすことになる。粗粒分は、製粉機から第1の工程のギャップミル2台の入口まで10,000ポンド/時(#/時)の概略速度で連続的に運搬される。粉砕された粗粒分は、次いで、ギャップミルの底部から重力により気流中に排出され、フィルターまで空圧により運搬される。
【0046】
粉砕された粗粒分は、5000cfm(概略気流速度)の負圧リフトにより、ギャップミルから出る。粉砕された粗粒分は、フィルターにより、気流から分離され、バイブロ(Vibro)篩機に吐き出される。バイブロ(Vibro)篩機は、粉砕された粗粒分を、遠心および起振力を用いて分離し、粉砕された粗粒分を篩別する。篩を通過する材料は、約150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度を有する超微粉加工粗粒分であり、したがってそれ以上のプロセスを必要としない。篩を通過しなかった粉砕された粗粒分は、粒度が大きすぎるので、追加の粒子レダクションが必要である。この粉砕された粗粒分は、第2の工程のギャップミルに流れる。そして、ひとたび第2の工程のギャップミルを通過すると、粉砕された粗粒分は、5000cfm(概略気流速度)の負圧リフトにより、運搬される。粉砕された粗粒分は、フィルターにより、気流から分離され、バイブロ(Vibro)篩機に吐き出される。粉砕された粗粒分は、バイブロ(Vibro)篩機を用いて篩別され、仕上がり製品、超微粉加工粗粒分における、約150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度が保証される。バイブロ(Vibro)篩機篩を通過しなかった粉砕された粗粒分は、粒度が大きすぎるので、追加の粒子レダクションが必要である。粉砕された粗粒分のこの部分は、第1の工程および第2の工程のギャップミルの入口に再び向けられ、さらにプロセスされる。結果として生ずる製品は、粗粒分に比較して微生物負荷が少ない超微粉加工粗粒分である(図17)。超微粉加工粗粒分は、次いで、細粒分と混合して超微粉加工全粒小麦粉を形成し、したがって、精白小麦粉に比較して、製品の栄養価、繊維含有量、および抗酸化力を高めることができる。超微粉加工粗粒分はまた、焼上げ商品、スナック製品、およびフード製品における精白小麦粉または全粒小麦粉を各種の量で置換できる。
【0047】
超微粉加工粗粒分(7,400μモルTE/100g)の抗酸化力は、小麦胚芽(8,400μモルTE/100g)の抗酸化力、精白小麦粉(1,450μモルTE/100g)の平均抗酸化力の約3倍に匹敵する(図16a)。小麦粒の胚芽およびふすま部分における抗酸化物の量は、図16aに示す総抗酸化力で明らかなように、胚乳に比べて大幅に高い。ギャップミルを通してプロセスされる前の粗粒分は、6,700μモルTE/100gの抗酸化力を有している。一方、超微粉加工全粒粉は、2,800μモルTE/100gの抗酸化力を有している。ベーカリー、スナック、およびフード製品における超微粉加工粗粒分の使用は、製品の抗酸化力を大幅に高めることができる。
【0048】
超微粉加工粗粒分の抗酸化力は、ブルーベリー、レーズン、いちご、ホウレンソウ、ブロッコリーおよびトマトなど、各種のフルーツおよび野菜と、等重量ベースで比較して、大幅により大きい。試験したフルーツおよび野菜の中で、アーティチョークおよび乾燥プラムだけが、抗酸化力がより高い(図16b)。超微粉加工粗粒分の抗酸化力が、粗粒分のそれに比べて大きいのは、超微粉加工粗粒分のより低い水分含有量による。
【0049】
超微粉加工粗粒分で作られた製品は、精白小麦粉で作られた製品に比べて、繊維、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラルおよび植物栄養素レベルがより高いという利点を有している。繊維レベルがより高いと、不溶性の繊維の量の増大によりカロリー密度が低下した製品が生ずる。さらに、多くの焼上げ製品では、繊維のより高い水吸収/保持により、精白小麦粉に比べて、カロリー密度が低下する。焼上げ商品、スナック製品、およびフード製品で、精白小麦粉の約24%を超微粉加工粗粒分で置換すると、テクスチャーおよび外観は、100%精白小麦粉製品により似ているが、栄養価は、全粒小麦のそれを有する製品が生ずる。該用途では、任意の変種の小麦が使用できるが、白小麦変種の使用は、より明るい色のふすまを有するので、精白小麦粉で作った製品に、より似た製品外観を生ずることになる。栄養価には、製品に存在する繊維、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラルおよび植物栄養素の量が含まれる。さらに、精白小麦粉または全粒小麦粉のより大きな量を超微粉加工粗粒分で置換することによって、製品の栄養価を、全粒小麦粉で作った製品よりも、実際により高くすることができる。したがって、製品は、精白小麦粉製品または全粒小麦粉製品よりも高い繊維、ビタミンおよびミネラル含有量および植物栄養素を有することになる。
【0050】
したがって、プロセスでは、製品を3種類まで生ずることができる。第1の製品は、細粒分から成る精白小麦粉であり、これは、主として小麦粒の胚乳を、残留量のふすまおよび胚芽と共に含んでいる。この分級物は、一般に、約150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有している。精白小麦粉製品は、米国FDA規格に従って、98%またはそれ以上が、U.S. Wire 70篩を通過する粒度を有していなければならない。したがって、米国FDA規格を満足するためには、粒度分布は、精白小麦粉については、212μmを下回るかまたはそれに等しくなければならない。精白小麦粉は、一般に、約10〜11%の蛋白質、約1%の脂肪、約76%の合計炭水化物(これは、約2.5〜3%の食物繊維を含んでいる)、および約0.5%の灰分(ミネラル)から成っている(図8)。
【0051】
第2の製品は、超微粉加工粗粒分である。これは、ギャップミルを通してプロセスされた粗粒分であり、約150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有している。この超微粉加工粗粒分は、約20%の蛋白質、約7%の脂肪、約60%の合計炭水化物、および約40%の食物繊維繊維を含んでいる。超微粉加工粗粒分の灰分(ミネラル)含有量は、約6%である(図8)。超微粉加工粗粒分の微生物負荷は、プロセスで発生する熱および気流の増大により低減した。超微粉加工粗粒分は、消費者に販売することができ、また、製品レシピに使用される精白フラワーまたは全粒小麦粉のあるパーセンテージの置換に使用して、製品の繊維含有量、抗酸化力、および総合的栄養価を高めることができる。
【0052】
第3の製品は、超微粉加工全粒小麦粉である。このフラワーは、約150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有している。超微粉加工全粒小麦粉の粒度分布および栄養価によれば、超微粉加工全粒小麦粉は、現在、全粒小麦粉および精白小麦粉で作られているすべてのフード製品中の全粒小麦粉または精白小麦粉を置換可能である。この超微粉加工全粒小麦粉の栄養上の配合は、全粒小麦粉のそれと同じである(図8)。超微粉加工全粒小麦粉は、約13〜14%の蛋白質、約2%の脂肪、約2%の灰分(ミネラル)、および約73%の合計炭水化物、および約12%の合計食物繊維を含んでいる。したがって、超微粉加工全粒小麦粉は、超微粉加工粗粒分に比べて、蛋白質、繊維、ビタミン、ミネラル、および植物栄養素の含有量が少ない(図8)。これは、超微粉加工全粒小麦粉が、細粒分(これは、精白小麦粉である)と、超微粉加工粗粒分(これは、ふすまおよび胚芽から成っている)との混合物から成っているため、予想されることである。細粒分および超微粉加工粗粒分は、各分級物が、約150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布に製粉された後で、組み合わせて、超微粉加工全粒小麦粉を形成するので、超微粉加工全粒小麦粉は、二つの分級物が、初めて互いに他に接触した時の、配合前の状態では、プレミックスされた小麦粉調合物である、と考えられる。二つの分級物は、ひとたび互いに他に接触すると、配合されて、超微粉加工全粒小麦粉を形成する。超微粉加工全粒小麦粉は、精白小麦粉と同じテクスチャーおよび精白小麦粉により似た色を有している。したがって、超微粉加工全粒小麦粉は、現在精白小麦粉または全粒小麦粉を含んでいるいかなるフード製品においても使用できる。フード製品には、パスタ、即席穀物製品、マイクロウェーブ加工できるスナック製品、半焼成ベーカリー製品、ベーカリーミックス、ケーキ、クイックパン、スウィートロール、ドーナツ、即席飲料、インスタント飲料、ミートエクステンダー、ミート(ベジタリアン)代用品、栄養バー、フルーツ&グレインバー、菓子類、調味料ブレンド、グレービーソースミックス、スープミックス、ルー、押出しスナック、コーティングまたはブレッディング、クッキードウまたは他のアイスクリーム含有物、および各種の他の用途がある。超微粉加工全粒小麦粉の主要な利点は、テクスチャーおよび外観が、精白小麦粉により似ている一方、全粒小麦粉の栄養価が加わっている点である。
【0053】
別の実施形態は、精白小麦粉を強化するためのプロセスである。このプロセスには、ある量の精白小麦粉と、約150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有しているある量の超微粉加工粗粒分とを混合して、超微粉加工小麦粉製品を作り出すことが含まれている。超微粉加工小麦粉製品は、精白小麦粉より多くの栄養素、抗酸化物、および繊維を含んでおり、現在精白小麦粉または全粒小麦粉を使用しているいかなるベーカリー、スナック、およびフード製品にも使用できる。
【0054】
超微粉加工粗粒分はまた、市販用製品の調製で、精白小麦粉を置換するのにも使用できる。精白小麦粉の20%〜25%を超微粉加工粗粒分で置換することによって、精白小麦粉製品の栄養価は、全粒小麦粉で作った製品の栄養価に等しいレベルまで高めることができる。このような置換を行なっても、製品のテクスチャーおよび外観には、ほとんど影響がない。製品の栄養価は、精白小麦粉の25%を上回る量を、超微粉加工粗粒分で置換することによって、全粒小麦の栄養価以上に高めることができる。超微粉加工粗粒分は、パスタ、即席穀物製品、即席飲料、インスタント飲料、ミートエクステンダー、ミート(ベジタリアン)代用品、栄養バー、菓子類、調味料ブレンド、グレービーソースミックス、スープミックス、ルー、コーティング、ブレッディング、パン、ベーグル、ブラウニー、マフィン、ワッフル、ピザ外皮、クッキー、ペーストリー、パイ外皮、クイックパン、スウィートロール、ドーナツ、ベーキングミックス、トルティヤ、フルーツ&グレインバー、半焼成ベーカリー製品、クラッカー、マイクロウェーブ加工できるスナック製品、押出しスナック、およびスナックチップなど、多数のベーカリー、スナックおよびフード製品で、精白小麦粉または全粒小麦粉を置換するのに使用できる。
【0055】
一実施形態では、超微粉加工全粒小麦粉または超微粉加工粗粒分を、ミートエクステンダーとして使用することが含まれている。ミートエクステンダーは、ミートの嵩を上げるのに使用されるフラワーなどの材料である。ミートエクステンダーは、ソーセージ、ホットドッグ、および他のミート製品の生産で使用できる。超微粉加工全粒小麦粉またはthe超微粉加工粗粒分はまた、このような製品のミートレスバージョンにおけるエクステンダーとしても使用できる。超微粉加工全粒小麦粉または超微粉加工粗粒分の、これら製品におけるエクステンダーとしての使用は、製品の栄養価を高めることになる。さらに、このような利用は、人々に別の繊維源を提供し、それによって、繊維の摂取量を現在推奨されているレベルにまで上げるのに役立つことになる。
【0056】
超微粉加工全粒小麦粉または超微粉加工粗粒分はまた、調味料ブレンド、グレービーソースミックス、スープミックス、およびルー、などの製品におけるエクステンダーまたは粘調剤としても使用できる。さらに、超微粉加工全粒小麦粉または超微粉加工粗粒分は、即席飲料またはインスタント飲料で使用できる。
【0057】
また別の実施形態では、コーン、ライ麦、大麦、米、オート、トリティカーレ、きび、あわ類、ソバ、キノア、アマランス、これらの変種、およびこれらの混合物などの他のグレイン製品を、同じプロセスで、しかし異なる粉砕能力で粉砕することができる。該プロセスを利用してこれら他のグレインを粉砕する場合、グレインの約100%から作られた超微粉加工全粒粉が生ずることになる。これら超微粉加工全粒粉は、現在市場に出ている全粒粉と同じ用途で使用できる。したがって、これら超微粉全粒粉は、パン、穀類、ベーカリー、スナック、およびフード製品で使用できる。超微粉加工全粒粉はまた、消費者に直接販売して、かれらのホームメード焼上げ製品で使用してもらうこともできよう。
【実施例1】
【0058】
ある量のPlatteハードホワイト冬小麦を得、既知の製粉手順に従って製粉した。細粒分および粗粒分を製粉プロセス中に分離する。細粒分は、1.4%が、US 100 Wire(メッシュサイズ149μm)より粗い粒度を有している(図7)(参考資料1270)。したがって、細粒分の98.6%が、150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有している。U.S. 200 Wire(74μm)、U.S. 325 Wire(44μm)およびU.S. 400 Wire(37μm)を用いてさらなる篩別を行なった。細粒分の47パーセントが、U.S. 200 Wire上に残ったが、これは、細粒分の53%が、74μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有していることを示している。細粒分の約77%が、U.S. 325 Wire上に残ったが、これは、細粒分の23%が、44μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有していたことを示している。最後に、細粒分の98%が、U.S. 400 Wire上に残ったが、これは、細粒分の2%が、37μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有していたことを示している。
【0059】
粗粒分は、UMS Type FG1 ギャップミルを用いて粉砕した(図5)。ギャップミルを通過後、超微粉加工粗粒分の4.0%が、図7の参考資料1269に示すように、U.S. 100 Wire (メッシュサイズ149μm)を通過しなかった。したがって、超微粉加工粗粒分の96%が、150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度を有している。超微粉加工粗粒分の約46%が、U.S. 200 Wire上に残ったが、これは、超微粉加工粗粒分の54%が、75μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有していることを示している。超微粉加工粗粒分の約68%が、U.S. 325 Wire上に残ったが、これは、超微粉加工粗粒分の32%が、44μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有していたことを示している。最後に、超微粉加工粗粒分の約99%が、U.S. 400 Wire上に残ったが、これは、超微粉加工粗粒分の1%が、37μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有していたことを示している(図7)。
【0060】
超微粉加工粗粒分を細粒分と配合して、超微粉加工全粒小麦粉を形成した後、超微粉加工全粒小麦粉の2%が、図7の参考資料1301に示すように、US 100 Wire(メッシュサイズ149μm)を通過しなかった。したがって、細粒分の約98%は、150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有している。U.S. 200 Wire(74μm)、U.S. 325 Wire(44μm)および U.S. 400 Wire(37μm)を用いて、さらなる篩別を行なった。細粒分の48パーセントが、U.S. 200 Wire上に残ったが、これは、細粒分の52%が、74μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有していることを示している。細粒分の約78%が、U.S. 325 Wire上に残ったが、これは、細粒分の22%が、44μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有していたことを示している。最後に、細粒分の98%が、U.S. 400 Wire上に残ったが、これは、細粒分の2%が、37μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有していたことを示している。
【0061】
したがって、結果は、図7に示すように、ギャップミルの粗粒分に対する使用によって、精白小麦粉に似た粒度を有する製品が生じたことを示している。これらの結果に基づけば、小麦粒全体を使用し、かつ、全粒粉の栄養価の全てを有する一方、精白小麦粉の粒度分布条件を依然として満足している超微粉加工全粒小麦粉が、作り出された、と言える。
【実施例2】
【0062】
超微粉加工全粒小麦粉を作り出すための高能力設備
【0063】
代表的なミルフローシートで、精白小麦粉(細粒分)および粗粒分を作り出す。粗粒分は、製粉機から2台のギャップミルまで、連続的に運搬する(図6)。第1のギャップミル工程は、推定スループット110 cwt/時(11000ハンドレッドウェート/時)を有する機械2台を使用する。フローシート(図6)は、100 cwt/時の粗粒分を所望の粒度にレデュースする。粉砕された粗粒分は、5000 cfmの負圧空気リフトにより、ギャップミルからフィルターまで運搬されるが、フィルターは、運搬された製品からサイクロンなしに空気を分離するよう設計されている。粉砕された粗粒分は、フィルターから出て、Vibro 篩機に排出される。Vibro 篩機は、遠心および起振力を用いて、粉砕された粗粒分を篩別することにより粉砕された粗粒分を分離する。Vバイブロ(Vibro ) 篩機の篩を通過する材料は、150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有している超微粉加工粗粒分となり、それ以上のプロセスを必要としない。第1の工程のギャップミルの効率は、歩留65%に達する。150μmを上回る粒度を有するギャップミル工程からの粉砕された粗粒分は、バイブロ(Vibro )篩機により分離され、第2のシングルギャップミルに向けられて、さらにレデュースされる。150μmを上回る粒度を有するギャップミル工程からの粉砕された粗粒分は、第1のギャップミル・バイブロ(Vibro )篩機から第2のギャップミル工程に、38.5 cwt/時の推定速度で連続的に運搬される。約13.5 cwt/時の粉砕された粗粒分は、150μmを上回る粒度を有し、第2の工程のバイブロ(Vibro )篩機により、排除される。150μmを上回る粒度を有する13.5 cwt/時の粉砕された粗粒分は、リサイクルループに入り、第1および第2のギャップミル工程で再粉砕される。両方の粉砕された粗粒分は、第1および第2のギャップミル工程の前述したプロセスフローを辿ることになる。排除された第2の工程で粉砕された粗粒分の15%は、第2の工程のギャップミルに戻り、第2の工程で粉砕された粗粒分の85%は、第1の工程のギャップミルに戻る。第2のギャップミル工程の粉砕効率は、第1のギャップミル工程の粉砕効率を下回る。第2の工程のギャップミルの粉砕効率は、150μmの篩を通して約50% +/-5%であろう。システム能力は、第2の工程のギャップミルの粉砕効率に限定される。超微粉加工粗粒分および細粒分は、ひとたびレデュースされると、連続的に配合されて、超微粉加工全粒小麦粉となる。該小麦粉は、全粒小麦粉と同じ栄養価を有し、精白小麦粉に似たテクスチャーおよび外観を有する(図5)。
【実施例3】
【0064】
超微粉加工粗粒分を作り出すための高能力設備
【0065】
実施例1で開示したのと同じ手順を辿るが、超微粉加工粗粒分が、エンド製品であり、細粒分と混合しない点が異なる。超微粉加工粗粒分は、蛋白質、繊維、および他の栄養素が、精白小麦粉または全粒小麦粉のいずれよりも高いが(図5)が、精白小麦粉に似たテクスチャーを有している。
【実施例4】
【0066】
超微粉加工全粒製品の生産
【0067】
多種多様なグレインをプロセスして、超微粉加工全粒製品を作り出すことができる。使用されるグレインは、コーン、ライ麦、大麦、米、オート、トリティカーレ、きび、あわ類、ソバ、キノア、アマランス、これらの変種、およびこれらの混合物を含む従来技術で既知の任意のグレインであってよい。グレインは、2台のギャップミルに連続的に運搬される(図6)。2台の機械を有する第1のギャップミル工程は、110 cwt/時の推定スループットを有しているが、グレインのモーフォロジーおよび配合により変化してよい。フローシート(図6)は、100 cwt/時のグレインを所望の粒度にレデュースするものである。粉砕されたグレインは、5000 cfmの負圧空気リフトにより、ギャップミルからフィルターまで運搬されるが、フィルターは、運搬された製品からサイクロンなしに空気を分離するよう設計されている。粉砕されたグレインは、フィルターから出て、Vibro 篩機に排出される。Vibro 篩機は、遠心および起振力を用いて、粉砕されたグレインを篩別することにより粉砕されたグレインを分離する。Vibro 篩機の篩を通過する材料は、150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有している超微粉加工グレイン製品となり、それ以上のプロセスを必要としない。第1の工程のギャップミルの効率は、歩留約79%に達する。150μmを上回る粒度を有するギャップミル工程からの粉砕されたグレインは、Vibro 篩機により分離され、第2のシングルギャップミルに向けられて、さらにレデュースされる。150μmを上回る粒度を有する粉砕されたグレインは、第1のギャップミルVibro 篩機から第2のギャップミル工程に、約24 cwt/時の推定速度で連続的に運搬される。約12 cwt/時の粉砕されたグレインは、第2の工程のVibro 篩機により、排除される。排除され粉砕されたグレインは、リサイクルループに入り、第1および第2のギャップミル工程で再粉砕される。両方の粉砕されたグレイン製品は、第1および第2のギャップミル工程の前述したプロセスフローを辿ることになる。排除された第2の工程で粉砕されたグレインの15%は、第2の工程のギャップミルに戻り、第2の工程で粉砕されたグレインの85%は、第1の工程のギャップミルに戻る。第2のギャップミル工程の粉砕効率は、第1のギャップミル工程の粉砕効率を下回る。第2の工程のギャップミルの粉砕効率は、150μmの篩を通して約50% +/-5%であろう。システム能力は、第2の工程のギャップミルの粉砕効率に限定される。超微粉加工全粒粉は、それぞれの従来法で製粉された全粒粉と同じ栄養価を有しているが、よりきめのこまかいテクスチャーを有する。
【実施例5】
【0068】
ある量のPlatteハードホワイト冬小麦を得、既知の製粉手順に従って製粉した。細粒分および粗粒分を製粉プロセス中に分離する。粗粒分は、UMS Type FG1ギャップミルを用いて粉砕した(図5)。ギャップミルを通す前、粗粒分の平均好気性プレートカウントは、95000 CFU/g(コロニーフォーミングユニット数/グラム)であり、平均大腸菌数カウントは、1200 CFU/gであった(図17)。ギャップミルを通した後は、超微粉加工粗粒分の平均好気性プレートカウントは、10000 CFU/gであり、平均大腸菌数カウントは、900 CFU/gであった(図17)。したがって、総合的な微生物負荷値は、粗粒分がギャップミルを通過した時に減少した。
【0069】
超微粉加工粗粒分を細粒分と配合して、超微粉加工全粒小麦粉を形成した後、超微粉加工全粒小麦粉の平均好気性プレートカウントは、20000 CFU/gであり、平均大腸菌数カウントは、1165 CFU/gであった(図17)。
【0070】
したがって、結果は、図17に示すように、ギャップミルの粗粒分に対する使用によって、微生物負荷が減少した製品が生じたことを示している。これらの結果に基づけば、小麦粒全体を使用し、減少した微生物負荷を有し、かつ、全粒粉の栄養価の全てを有する一方、精白小麦粉の粒度分布条件を依然として満足している超微粉加工全粒小麦粉が、作り出された、と言える。
【実施例6】
【0071】
ブラウニー
超微粉加工粗粒分を、ブラウニーレシピにおけるフラワーとして用いて、比較を行なった。4種類のブラウニーレシピを作成した。ブラウニーレシピ1は、フラワーの100%を精白小麦粉として用い、対照と考えた。ブラウニーレシピ2は、精白小麦粉の24%を、超微粉加工粗粒分で置換した。ブラウニーレシピ3は、精白小麦粉の50%を、超微粉加工粗粒分で置換した。ブラウニーレシピ4は、精白小麦粉の100%を、超微粉加工粗粒分で置換した。ブラウニーレシピはまた、グラニュー糖、ココアパウダー、塩、ふくらし粉、バター、卵、バニラエキス、砕いたくるみ、および砕いたペカンの実を含んでいた。各材料の量を図9に示す。
【0072】
各ブラウニーレシピは、精白小麦粉、超微粉加工粗粒分、砂糖、ふくらし粉、塩、およびココアパウダーを配合して、乾燥材料の混合物を形成することにより調製した。次いで、バターを配合し、卵およびバニラを配合した。くるみおよびペカンの実を最終バッター混合物に撹拌しながら加えてから、油を塗った8インチ角のベーキングテンパンに注いだ。
【0073】
ブラウニーレシピはすべて、375°Fで30〜35分間、予熱したオブンで焼き上げた。最終調理時間は、各ブラウニーレシピの観察により、すなわち、ブラウニーが、何時、テンパンの側部から僅か引き離され、かつ、ブラウニーのテンパンの中央に挿入されたケーキテスターが、クラムを付着して出てくるかを観察して、測定した。ひとたびこれが生じた時、ブラウニーをオブンから取り出し、テンパン内で完全に冷却してから、四角に切って、個々のブラウニーレシピの特性を試験・決定した。
【0074】
観察の結果、それぞれ、50:50の精白小麦粉:超微粉加工粗粒分、および100:0の精白小麦粉:超微粉加工粗粒分を含むブラウニーレシピ3および4が、生地の固さ、外観、味、および総合的な構成の点で、それぞれ、100:0の精白小麦粉:超微粉加工粗粒分、および76:24の精白小麦粉:超微粉加工粗粒分を用いたブラウニーレシピ1および2に比べて優っていることが、分かった。ブラウニーレシピ1は、よくかめない縁部、および、だれる内部を有していた。ブラウニーレシピ2は、よくかめない縁部、および、ややだれる内部を有していた。精白小麦粉の増大する量を超微粉加工粗粒分で置換した4種類のレシピを観察して分かったことは、精白小麦粉の50%〜100%を、超微粉加工粗粒分で置換することによって作成したブラウニーは、優れた特性を有していることであった。ブラウニーレシピ3は、よくかめない縁部、および、湿ったよくかめない内部を有する最適なブラウニー特性を有していた。
【実施例7】
【0075】
アップルシナモンマフィン
5種類のマフィンレシピを作成したが、それぞれ、異なるパーセンテージの精白小麦粉を超微粉加工粗粒分で置換した。マフィンレシピ1は、精白小麦粉の24%を超微粉加工粗粒分で置換した。マフィンレシピ2は、精白小麦粉の50%を超微粉加工粗粒分で置換した。マフィンレシピ3は、精白小麦粉の75%を超微粉加工粗粒分で置換した。マフィンレシピ4および5は、精白小麦粉の100%を、超微粉加工粗粒分で置換した。マフィンレシピ4と5の違いは、マフィンレシピ4における砂糖、水および大豆油のいくらかをマフィンレシピ5の無糖のアップルソースで置換したことである。アップルシナモンマフィンの残りの材料は、Sustaグレイン(全粒大麦フレーク、ふくらし粉、塩、脱脂粉乳、グラニュー糖、シナモン、乾燥角切りりんご、乾燥全卵、水、大豆油および無糖のアップルソースを含んでいた。これら各種材料の正確な量は、図10に示してある。
【0076】
マフィンレシピは、精白小麦粉、超微粉加工粗粒分、Sustaグレイン(全粒大麦フレーク、ふくらし粉、塩、脱脂粉乳、砂糖、シナモン、乾燥角切りりんごおよび乾燥全卵を混合して、乾燥材料混合物を形成することによって調製した。次いで、大豆油、水、および無糖のアップルソースを、一体になるまで混合した。
【0077】
マフィンカップ当り18グラムで油を塗ったミニマフィンテンパンに、マフィンバッターを落とし、425°Fで7分間焼き上げた。焼き上げたマフィンは、テンパン内で完全に冷却してから、個々のマフィンを取り出し、各マフィンレシピの特性を試験・決定した。
【0078】
精白小麦粉の増大する量を超微粉加工粗粒分で置換した異なるレシピを観察して分かったことは、精白小麦粉の100%までを超微粉加工粗粒分で置換して作ったマフィンでは、香味、外観およびテクスチャーが良好であるばかりでなく、栄養価が、フラワーの100%を精白小麦粉として作ったマフィンに比べて、向上していることであった。
【実施例8】
【0079】
チョコレートチップクッキー
3種類のチョコレートチップクッキーレシピを、各種の量の超微粉加工粗粒分を用いて作った。クッキーレシピ1は、フラワーの100%を精白小麦粉として用い、対照と考えた。クッキーレシピ2は、精白小麦粉の24%を超微粉加工粗粒分で置換し、一方、クッキーレシピ3は、精白小麦粉の50%を超微粉加工粗粒分で置換した。クッキーにおける他の材料は、軽マーガリン、薄褐色砂糖、グラニュー糖、Egg Beaters(登録商標)、バニラエキス、重曹、ふくらし粉、塩、インスタントコーヒー顆粒、およびセミスイートチョコレートチップを含んでいた。使用した各材料の量は、図11に示してある。
【0080】
チョコレートチップクッキーレシピは、精白小麦粉、超微粉加工粗粒分、重曹、ふくらし粉、塩、およびインスタントコーヒー顆粒を混合して、乾燥材料の混合物を形成することによって調製した。マーガリンおよび砂糖は、クリーム状にした。エッグ・ビーターズ(Egg Beaters)(登録商標)およびバニラエキスは、クリーム状混合物に配合した。乾燥材料混合物は、湿った材料混合物に配合した。セミスイートチョコレートチップは、最終的なクッキードウ混合物に巻き込んだ。
【0081】
クッキードウは、油を塗ったクッキーシートに、32〜35グラムづつ分け入れ、予熱したオブンで、350°Fで10〜15分間、あるいは、ゴールデンブラウンになるまで焼き上げた。クッキーをオブンから取り出し、メタルラックで冷却してから、各クッキーレシピの特性を試験・決定した。
【0082】
気が付いたことは、超微粉加工粗粒分をより多く、精白小麦粉をより少なく用い、軽マーガリンと組み合わせた場合は、香味、テクスチャー、および外観が良好なクッキーが出来、また、クッキーレシピで全脂肪マーガリンの代わりに軽マーガリンを使用した場合に一般的な、過度な延びは無かったことであった。
【実施例9】
【0083】
パン
各種の量の超微粉加工粗粒分を用いて3種類のパンレシピを作った。パンレシピ1は、対照レシピであり、100%の精白小麦粉および0%の超微粉加工粗粒分を含んでいた。パンレシピ2は、精白小麦粉の25%を超微粉加工粗粒分で置換した。パンレシピ3は、フラワーの50%を超微粉加工粗粒分で置換した。パン中の他の材料は、水、グルテン、圧搾酵母、大豆油、砂糖、ステアロイル乳酸ナトリウム、イースト食品、塩、乳化剤、アスコルビン酸、およびアゾジカルボンアミド溶液を含んでいた。使用された各材料の量は、図12に示してある。
【0084】
スポンジ材料はすべて、混合ボールに加えた。ドウフックアタッチメントを用いて、スポンジ材料を低速で1〜2分間混合し、材料が十分に水和するまで混合した。スポンジは、乾燥を防ぐためカバーした。スポンジは、室温で3〜4時間保蔵した。スポンジが、固化した後、残りの乾燥材料、水、イースト、およびスポンジを混合ボールに加えた。ドウフックアタッチメントを用いて、材料を低速で1〜2分間混合し、材料が、十分に水和するまで混合した。次いで、材料を高速で合計6〜10分間混合し、ドウが、完全に生地生成されるまで混合した。ドウは、カバーして、45分〜1時間の間室温で放置した。ドウは、所望の重量および形状に分割し、425°Fで、ゴールデンブラウンになるまで焼き上げた。ベーキング時間は、製品の形状およびサイズにより、変えた。パンは、少なくとも15分間冷却してから、切断した。
【0085】
気が付いたことは、パンレシピに超微粉加工粗粒分をより多く、精白小麦粉をより少なく用いた場合は、品質が良好なパンができることであった。精白小麦粉の増大する量を超微粉加工粗粒分で置換した異なるレシピを観察して分かったことは、精白小麦粉の50%を超微粉加工粗粒分で置換することによって作成したパンレシピは、他のレシピに比べて、依然として良好なテクスチャー、外観、および味を呈し、かつ、超微粉加工粗粒分を用いて、100%全粒小麦粉パンより、より濃い小麦栄養素を有するパンが作れることであった。
【実施例10】
【0086】
トルティヤ
トルティヤレシピ1は、超微粉加工粗粒分で作った。トルティヤ内の他の材料は、全粒粉、グルテン、抵抗性澱粉、醤油蛋白質アイソレート、オート繊維、水、ショートニング、塩、ふくらし粉、フマル酸、プロピオン酸カルシウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、ソルビン酸カリウムおよびスクラロースを含んでいた。使用された各材料の量は、図13に示してある。
【0087】
水以外の材料の全てを、良く配合されるまで混合して、トルティヤレシピを調製した。次いで、トルティヤミックスに水(26.5°C)を加え、乾燥材料が水和する(約2分間)まで、低速で配合した。ミキサーのドウフックアタッチメントを用いて、ドウを中速で混合し、ドウが、完全に生地生成するまで混合した。ドウを所望のピースサイズに分割し、丸めてほいろしてからプレスして、焼き上げた。
【0088】
観察の結果、超微粉加工粗粒分は、高繊維トルティヤ用途で精白小麦粉に代用できることが分かった。気が付いたことは、超微粉加工粗粒分をより多く、精白小麦粉をより少なく用いた場合は、品質が良好かつプロセス特性が良好なトルティヤができることであった。
【実施例11】
【0089】
クリスプ化穀類
超微粉加工粗粒分を用いて、高蛋白質、マルチグレインクリスプ化穀類を作った。クリスプ化穀類内の他の材料は、ロンググレイン米フラワー、醤油蛋白質アイソレート、全粒オートフラワー、トーステッドオートフラワー、モルトエキス、砂糖および塩を含んでいた。これら材料の量を図14に示す。レシピ1は、100%ロンググレイン米フラワーを使用し、一方、レシピ2は、米フラワーの24%を超微粉加工粗粒分で置換した。クリスプ化穀類レシピは、乾燥材料を混合して、良く配合されるまで混合した。乾燥材料のブレンドは、水と配合し、従来技術の公知の機器、条件および手法を用いて、ツインスクリュー押出し機でプロセスした。結果として生じた製品は、押出し加工したクリスプ化穀類であった。気が付いたことは、ロンググレイン米フラワーの一部を超微粉加工粗粒分で置換した場合は、香味、外観およびテクスチャーが良好なクリスプが生じたことであった。クリスプ化穀類は、即席穀物製品、穀物バー用途、およびスイートまたはキダチハッカスナックミックスで使用できる。
【実施例12】
【0090】
パスタ
各種の量の全粒小麦粉を用いて、2種類のパスタレシピを作った。パスタレシピ1は、フラワーの100%をデュラムセモリナとして用い、対照として考えた。パスタレシピ2は、デュラムセモリナの52%を超微粉加工全粒小麦粉で置換した。パスタ内の他の材料は、乾燥卵白および水であった。使用された各材料の量は、図15に示してある。
【0091】
乾燥材料を混合して、乾燥材料混合物を形成した。乾燥材料の28〜32%の量の温水(36〜40°C)を高速ミキサーの乾燥材料混合物に混合してドウを形成した。ドウは、エルボマカロニ形に押し出し、約4時間の間、78°Cで乾燥した。
【0092】
気が付いたことは、デュラムセモリナの52%を超微粉加工全粒小麦粉で置換した場合は、テクスチャー、香味、外観が良好なパスタが生じたことであった。51%の超微粉加工全粒小麦粉を含むパスタは、異なる量の全粒小麦粉でつくった小売のパスタにより似ているゴールデンブラウン色を有していたが、hadaデュラムセモリナまたは精白小麦粉で作ったパスタにより似ている滑らかでざらざらしていないテクスチャーを有していた。
【実施例13】
【0093】
パスタ
超微粉加工粗粒分によるパスタ
各種の量の超微粉加工粗粒分を用いて、2種類のパスタレシピを作った。パスタレシピ3は、フラワーの100%をデュラムセモリナとして使用し、対照として考えた。パスタレシピ2は、デュラムセモリナの24%を超微粉加工粗粒分で置換した。パスタ内の他の材料は、乾燥卵白および水であった。使用された各材料の量は、図15に示してある。
【0094】
乾燥材料を混合して、良く配合されるまで混合した。27.5部の水を72.5部の乾燥材料のブレンドに配合して、ドウを形成した。ドウは、ベンチトップ型パスタ機を通して、フェットチーニ形に押し出した。できたてのパスタを、沸騰水で、ゆで上がるまでゆでた。
【0095】
観察されたことは、超微粉加工粗粒分を含むレシピ4は、香味、テクスチャーおよび外観が良好で、レシピ3のパスタに比べて色がやや濃かったことであった。
【0096】
以上、超微粉加工全粒粉およびその製品、並びに、超微粉加工粗粒分およびその製品を作る方法を示し、かつ、記述し、それらが、それらに求められる全ての目的および利点を成就しているのを明らかにした。しかしながら、該方法および製品に対しては、多くの変更、バリエーション、修正、および他の利用法および用途が可能であることは、当業者には明らかであり、かつまた、本発明の主旨および範囲を逸脱しないそのような変更、バリエーション、修正、および他の利用法および用途は、本発明によってカバーされると見なされ、本発明は、以下に続くクレームによってのみ限定されるものとする。
【0097】
引用文献
この特許出願の先行する文または下記の引用文献リストにおいて、本明細書に記載の細部を補足する例示的細部、手続き的細部、または他の細部が得られる程度に、引用された引用文献はすべて、各個別の出版物または特許出願が、あたかも、特定的かつ個別的に、引用によって組み込まれていることが表示されているかのように、引用によって同程度にまで特定的に組み込まれている。
Agricultural Research, "Back to the Old Grind-er," page 21, May 2000.
【0098】
Marquart, Len, Gary Fulcherand Joanne Slavin, "Whole Grains and Health(Past, Present and Future," Technical Bulletin, Volume XXV, Issue 2, February 2003
[000115] USDA/USDHHS. Healthy People 2010: Objectives for improving health. U.S. Department of Agriculture/U.S. Department of Health and Human Services, Office of Disease Prevention and Health Promotion. U.S. Government Printing Office, Washington, DC. 2001. http://www.health.gov/healthypeople/.
【0099】
Agricultural Research, "Back to the Old Grinder," page 21, May 2000#USDA/USDHHS "2005 Dietary Guidelines Advisory Committee Report."
http://www.health.gov/dietaryguidelines/dga2005/report/.
【0100】
Wu, X., Beecher, G.R., Holden, J.M., Haytowitz, D.B., Gebhardt, S.E., and Prior, R.L., "Lipophilic and Hydrophilic AntioxidiantCapacities of Common Foods in the United States." J. Agric. Food Chem. 2004, 52: 4026-4037.
【技術分野】
【0001】
本出願人は、2003年12月17日提出の米国特許出願第10/738,732号および2004年9月20日提出の米国特許出願第10/945,199号の優先権に基づいて、PCT特許出願を提出し、かつ引用された出願のそれぞれが、本明細書に組み込まれることを要請する。
【0002】
本発明は、超微粉加工全粒小麦粉およびその製品を製造するためのプロセスに関する。このプロセスには、小麦粒全体を用いて、超微粉加工全粒小麦粉およびその製品を製造することが含まれている。本発明は、さらにこの方法によって製造された超微粉加工粗粒分の使用およびその製品に関する。
【背景技術】
【0003】
精白小麦粉(白小麦粉)は、パン、ベーグル、マフィン、ワッフル、ピザ外皮、クッキー、クラッカー、ベーカリーミックス、フルーツ&グレインバー、トルティヤ、ブラウニー、ペーストリー、パイ外皮、半焼成ベーカリー製品、ケーキ、クイックパン、スウィートロール、ドーナツ、マイクロウェーブ加工できるスナック製品、スナックチップ、および押出しスナックを含む、広範囲の一般的なベーカリーおよびスナック製品を作り出すのに使用され、伝統的に、一様で、明るい色の外観および滑らかな(ざらざらしていない)テクスチャーを有している。これに比べ、伝統的な全粒小麦粉で作られた製品は、より粗い、濃いテクスチャーおよびより暗い、より一様でない外観を有する傾向がある。精白小麦粉はまた、パスタ、即席飲料、インスタント飲料、ミートエクステンダー、ミート(ベジタリアン)代用品、栄養バー、フルーツ&グレインバー、即席穀類製品、菓子類、調味料ブレンド、グレービーソースミックス、スープミックス、ルー、コーティングまたはブレッディング、クッキードウまたは他のアイスクリーム含有物、および各種の他の用途などの、多数の他の用途で使用されている。
【0004】
小麦粒は、3種類の分級物、すなわち、胚乳、ふすま、および胚芽から成り、これらは、組成的に、また、形態学的に非常に異なっている。したがって、製品は、使用される小麦粒の部分により、粗さ、テクスチャー、および色が、異なることになる。精白小麦粉は、主として、小麦粒の胚乳から、少量のふすまおよび胚芽とともに形成される。胚乳は、小麦粒の約82%を構成している。胚乳の機能は、小麦粒の発芽中、胚性の植物にエネルギーを与えることである。胚乳は、約75%の澱粉および10〜14%の蛋白質を含んでいる。胚乳は、ふすまおよび胚芽に比べて、低量の繊維、脂質、ビタミン、ミネラル、顔料および他の植物栄養素を含んでいる。これは、精白小麦粉に、その一様な、きめの細かい、澱粉質のテクスチャー、および全粒小麦粉に比べてオフホワイトな色を与えるのに役立っている。ふすまは、いくつかのセル層から成り、相当量の繊維を含んでいる。ふすまは、アリューロン層を含んでおり、これは、胚乳をふすま層から分離するものである。アリューロン層は、蛋白質、ビタミンおよびフェルラ酸などの植物栄養素に富んでいる。胚芽は、脂質、繊維、ビタミン、ミネラルおよびフラボノイドなどの植物栄養素に富んでいる。したがって、精白小麦粉(これは主として胚乳から作られる)は、主として澱粉であり、わずかな量の繊維、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラルおよび他の植物栄養素を有している。
【0005】
精白小麦粉は、消費者が望むテクスチャーおよび色を呈するが、全粒小麦粉の栄養価は有していない。多くの消費者、特に子供は、全粒小麦粉から作られた製品に比べて、精白小麦粉で作られたベーカリーおよびスナック製品のテクスチャー、外観および香味を好む。全粒は、大人の米人(20才またはそれ以上)が、毎日消費するグレイン系食品6.7サービングのうちの僅か0.8〜1サービングである、と推定されている。
【0006】
全粒消費量を増大させることの重要性は、政府および健康団体の専門家グループが発行する推奨値の変化に反映されている。ヘルシー・ピープル2010レポート(Healthy People 2010 Report )(National Academy Press, 1999)では、2才およびそれ以上の個人は、毎日少なくとも6サービングのグレイン製品を(うち少なくとも3サービングを全粒で)消費すべきことを推奨している。2000ダイエトリ・ガイドライン・フォア・アメリカンズ(2000 Dietary Guidelines for Americans)(Fifth Edition, USDA, USDHHS, Home and Garden Bulletin No. 232)では、別個の推奨値が、グレイン用に追加され、具体的には、個人は、毎日、各種のグレイン、特に全粒を選択すべきことが、説かれている。USDAでは、食物ガイドラインを改訂中である。Dietary Guidelines Advisory Committeeの2005 Reportでは、「フルーツおよび野菜、全粒、および脱脂または低脂肪ミルクおよびミルク製品の毎日摂取量を上げる」よう、人々に示唆する食物ガイドラインの開発を支持している(2005 Dietary Guidelines Advisory Committee Report(Executive Summary)。このガイドラインによれば、「全粒に富んだ食物は、冠状動脈心臓病および2型糖尿病のリスクを減らすことができ、体重コントロールに役立つ」。Advisory Committeeは、毎日少なくとも3サービングの全粒を消費して、冠状動脈心臓病および2型糖尿病のリスクを減らし、体重維持に役立てるよう、推奨している。米国心臓協会(American Heart Association、米国糖尿病協会( American Diabetes Association)、および 米国癌協会(American Cancer Society )もまた、全粒の消費を増大させることについての具体的な推奨を行なっている。
【0007】
全粒小麦粉は、精白小麦粉に比べて、栄養価が増大したが、これは、全粒小麦粉が、主として胚乳だけでなく、ふすま、胚芽および胚乳を含む小麦粒全体を含むからである(図1および2)。したがって、全粒小麦粉は、食物抗酸化物として作用するフェノール系化合物およびフィテートを含む、繊維、蛋白質、ビタミン、ミネラル、脂質および植物栄養素が、精白小麦粉に比べて、より高い。
【0008】
一般に、精白小麦粉で作られる製品に全粒小麦粉を使用すると、該製品のテクスチャーおよび色が変わることになる。消費者は、一般に、精白小麦粉を使用した製品の一様なテクスチャーおよびより明るい色を好むので、製品テクスチャーおよび外観に対するそのような影響は、ベーカリーおよびスナック製品における伝統的な全粒小麦粉の使用を限定する。ベーカリーおよびスナック製品で、精白小麦粉の代わりに全粒小麦粉を使用した場合は、製品は、一般に、目に見えるふすまのホシを含み、テクスチャーは、より粗く、より重くなり、色は、精白小麦粉で作った製品に比べて、より暗くなる。
【0009】
テクスチャーおよび色の相違は、製品内のふすまのホシと相俟って、製品を大部分の消費者にとってより好ましくないものにする。全粒小麦粉を使用する製品の増大した栄養価は、多くの具体例で、ふすまのホシを含まない一様なテクスチャー、明るい色の製品を得たい、という消費者の欲望には勝てないことが分かった。全粒小麦粉は、繊維、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラル、および他の栄養素の含有量がより多く、澱粉のそれがより少ない、という事実を含む全粒小麦粉対精白小麦粉の栄養価を基にすれば、消費者の消費のための各種の調製製品で、全粒小麦粉を使用するのが望ましかろう。
【0010】
全粒小麦粉に比べれば、精白小麦粉は、カロリーおよび澱粉がより高いが、全粒小麦粉で見出される食物繊維の約5分の1しか含まず、また、図1および2に示すように、全粒小麦粉より蛋白質の含有量が約7〜10%少ない。最近、健康開業医達は、全粒食品の利点を支持しつつある。特に、人々は、多量の澱粉および砂糖を含むプロセス食品の消費量を減らして、より健康で総合的な食物を摂るべきであると、提議されている。
【0011】
精白小麦粉は、多量の澱粉を含んでいる。さらに、栄養強化された精白小麦粉は、小麦粒で見出されるレベルで、あるいは、そのやや上のレベルで添加されたチアミン、リボフラビン、ナイアシン、葉酸および鉄を含むが、全粒小麦粉で見出される繊維、ミネラル、脂質、および植物栄養素は、添加されていない。精白小麦粉が含む繊維、ミネラル、脂質および植物栄養素は、一般に、全粒小麦粉で見出される量よりもより少ない量で存在し、それらの存在は、主として、精白小麦粉に存在する少量のふすまおよび胚芽によるものである(図1)。
【0012】
現在、米国では、精白小麦粉から作られた白パン対全粒小麦粉パンの消費は、約5対1である。消費される白パン各5ローフに対して、1ローフの全粒小麦粉パンが消費される。精白小麦粉で作られた一般のベーカリーおよびスナック製品は、低繊維であり、かつ、各全粒対応物の栄養上の利点を有していない以上、ベーカリーおよびスナック製品において精白小麦粉を置換するのに使用でき、しかも、消費者に受け入れられる所望のテクスチャーおよび外観を有する製品を産み出すのに使用できる全粒小麦粉を開発することが重要である。製品は、増大した繊維および抗酸化物含有量を含む増強された栄養価を有する一方、大部分の人々にアピールする品質を保持するであろう。
【0013】
高繊維食物に頼る人々は、一般に、心臓病、高血圧症、癌、糖尿病、および肥満症の率が、より低い。米国では、個人は、一般に、一日当り12〜15グラムの繊維を消費しているが、これは、推奨レベルの半分またはそれ以下である。繊維および他の栄養素が高く、しかも、精白小麦粉の外観および感触を犠牲にしないフード製品の開発が望ましい。
【0014】
また、食物における抗酸化物の量を増大させることが望ましい。フラボノイドを含む抗酸化物は、癌防止の役割を演ずる可能性がある、と考えられる。したがって、個人は、抗酸化物を含むフルーツ、野菜および全粒などの食品の消費を増大させることが推奨されている。
【0015】
フード製品の抗酸化作用は、ORAC(Oxygen Radical Absorbance Capacity(活性酸素吸収能力))アッセイによって測定可能である。ORACアッセイでは、食品の親水性および疎水性抗酸化能力を、フルオレセインを蛍光プローブとして用いて、また、2,2'-アゾビス-2-アミジノプロパン二塩酸塩をペルオキシルラジカルジェネレータとして用いて、測定する。ORACアッセイにより、フード製品における栄養素(ビタミンA、C、およびE)および非栄養素(フラボノイド、フェノール酸、カロテノイドおよび他の植物栄養素)による能力を含む総抗酸化力が、容易に測定できる。フラボノイドなどの抗酸化物は、人体が癌を予防するのに役立つと思われる。
【0016】
トリテイカム・エステイバム(Triticum aestivum) 種の小麦(普通の小麦)は、一般に3セットの用語を用いて定義されている。第1のセットは、硬質または軟質で、これは、粒の硬度に関する用語である。第2のセットは、赤または白で、これは、小麦粒の外側の層における赤色顔料の存在または欠如に関する用語である。最後に、冬または春小麦という変種が有り、これは、小麦が何時播種されたかで、そのように分類されるものである。デュラム小麦は、トリテイカム・デュラム(Triticum durum)種の小麦である。デュラム小麦は、非常に硬い粒を生じ、かつ、外側の層においてではなく胚乳全体を通じて黄色の顔料を有する点で、普通の小麦とは明確に違うものである。デュラム小麦は、一般に、パスタ製品を作るのに使用されるが、普通の小麦は、例えば、パン、ケーキ、クッキー、およびクラッカーに使用される。
【0017】
精白小麦粉は、デュラム小麦およびレッドデュラム小麦以外の精選された小麦を粉砕し、篩別することによって調製されるフラワーである。米国食品医薬品局(United States Food and Drug Administration)(U.S. FDA)では、フラワーが、精白小麦粉の範疇に入るためには、ある粒度規準を満たさなくてはならない、としている。その粒度は、フラワーの98%またはそれ以上が、"212μm(U.S. Wire 70)"と呼ばれるワイヤクロス織布の開口またはそれより小さい開口を有する布を通過する粒度、と記述されている。U.S. FDA Code of Federal Regulations(CFR)によれば、栄養強化フラワーとは、精白小麦粉の1ポンド当り、2.9mgのチアミン、1.8mgのリボフラビン、24mgのナイアシン、0.7mgの葉酸および20mgの鉄を含む精白小麦粉である。栄養強化フラワーは、精白小麦粉の1ポンド当り960mgの量で、カルシウムを含んでいてよい。U.S. FDA のガイドラインを満たすためには、栄養強化フラワーは、5重量%を超える量の小麦胚芽または部分的に脱脂した小麦胚芽を含むことはできない。
【0018】
全粒粉についてのU.S. FDAガイドラインは、全粒粉は、デュラム小麦およびレッドデュラム小麦以外の精選された小麦を粉砕することによって調製され、ひとたび粉砕された後の粒度は、90%またはそれ以上が、2.36ミリメートルの(U.S. Wire 8)篩を通過し、かつ、50%またはそれ以上が、850μm(U.S. Wire 20)篩を通過する、と述べている。全粒粉(全粒小麦粉)では、水分以外の小麦における自然成分の割合は、小麦粒と比べて、変わらない。小麦粒は、全体を使用する。製品は、ドウを全粒粉、臭素酸塩処理全粒粉、またはこれらの組合せから作った場合、100%全粒小麦粉と考えるべきである。これらの製品には、精白小麦粉、または栄養強化フラワーは、全く使用しない。全粒小麦粉は、小麦粒に自然に存在する栄養素のスペクトル全体を含むので、栄養強化された精白フラワーより健康的と考えられる(図1および2)。
【0019】
現在の製粉プロセスでは、胚乳をふすまおよび胚芽から分離して、精白フラワーを作る。一方、ふすま、胚芽、および少量の胚乳は、粗粒分として収集される。現在の技術では、粗粒分粒子の85%は、大きすぎて、149ミクロン(U.S. Wire 100の篩)を通過しない。粗粒分は、蛋白質、ビタミン、ミネラル、および植物栄養素の含有量が高い。粗粒分は、一般に、フード製品での使用がさらに制限される原因となる高微生物負荷を含んでいる。したがって、粗粒分は、一般に、値打ちの低い副産物と考えられており、動物の飼料として使用される傾向がある。ある製粉プロセスでは、胚芽の一部が、分離され、食品または食物サプリメントおよび化粧品用途におけるオイルソースとして使用されている。一般に、胚芽の25%を下回る量が、これら用途向きに収集される。ふすまおよび胚芽は、小麦粒の約18重量%しか構成していないが、これらは、小麦の栄養価の約75%を占めている。粗粒分は、粗粒分の粒度が大きいので、ベーカリーおよびスナック食品用途では、そのままでは使用できない。このような用途における粗粒分の用途は、製品のテクスチャーおよび外観に対する粗粒分の影響により、限定される。現在、粗粒分は、ある種のベーキングおよびスナック食品用途で、主として、製品に、より健康的な外観を与えるために低レベルで使用される。
【0020】
伝統的には、全粒粉製品は、精白小麦粉製品ほどには細かく製粉されていない。伝統的な製粉フローシートで、超微粉全粒粉を作り出すためには、粗粒分をさらにプロセスすることが必要である。粗粒分をレデュースして、精白小麦粉の粒度と等価な粒度にするには、粉砕された製品を篩別するための中間的な方法を含むことになるであろう多重パスハンマーミリングシステムが必要である。現在の技術では、ハンマーミルを使用して、粗粒分をレデュースし、超微粉全粒粉を生産することになろうが、能力が低く、製品のトン当たりのエネルギー使用量が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】カナダ国特許発明第2141974号明細書
【特許文献2】米国特許第6372281号明細書
【特許文献3】特開2001−204411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
超微粉全粒粉製品を作り出そうとする試みは為されたが、これらの試みは、一般に、経済的に実行できず、一般に、業界が受け入れるところとはならなかった。これらプロセスは、ロール機、ハンマーミル、およびふすまスライサーなどの伝統的な粉砕方法を用いて、小ぶすま(粗粒分)の粒度をレデュースすることに頼っていたが、これらの方法では、粗粒分の粒子を必要な超微粉グラニュレーションにまで経済的にあるいは能率的にレデュースすることはできない。このプロセスは、現在、ロール機、ハンマーミル、およびふすまスライサーを用いて粗粒分を粉砕するのに必要なエネルギー使用量および資本の額が大きくて、不経済である。ハンマーミル、ロール機およびふすまスライサーは、主要なレダクションモードとして、粒子対粒子の摩擦という、より能率的な方法ではなく、せん断および衝撃を用いて、ふすまおよび胚芽(小ぶすま)、粗粒分、の粒度をレデュースする。これは、小麦粒のこれらの部分を粉砕するには非能率的なやり方である。
【0023】
代表的な全粒小麦粉製粉機は、精白小麦粉に匹敵する粒度を有する全粒小麦粉を作り出さない。現在の技術では、市場で入手できる全粒小麦粉の最も細かいグラニュレーションでも、U.S. Wire100の篩を通るのが60%という粒度しか有していない。したがって、全粒小麦粉は、一般に、粗く、精白小麦粉製品を食するのが好きな消費者には魅力がなく、また、ベーカーにとっても、実用性がより少ない。
【0024】
ミルフローシートは、製粉プロセスのマップである。伝統的な全粒小麦粉のミルフローシートでは、数種類の粗粒状全粒粉製品しか作り出せない(図3)。したがって、伝統的な全粒小麦製粉技術では、十分な粒度レダクションを行なって、精白小麦粉と同様なベーキング属性を有する全粒小麦粉を作り出すことはできない。
【0025】
必要なのは、全粒小麦粉を使用しながら、代表的な精白小麦粉のベーキング属性および「外観および感触」を維持し、それにより、消費者にとってより口に合う全粒小麦製品を作り出すことによって、一般的なベーカリー、スナック、およびフード製品の栄養価を高める方法である。該プロセスは、小麦粒全体を使用して、フード製品の開発者が、より高いパーセンテージの全粒小麦粉を彼らのベーカリー、スナック、およびフード製品で使用して、仕上がり製品の栄養価を高めることを可能にする超微粉加工全粒小麦粉を作り出すべきである。該プロセスは、小麦粒全体を含む超微粉加工全粒小麦粉を生ずるべきである。このようにすれば、超微粉加工全粒小麦粉は、小麦粒で見出される栄養素の全てを含むことになろう。
【0026】
超微粉加工全粒小麦粉は、パン、ベーグル、マフィン、ワッフル、ピザ外皮、クッキー、クラッカー、ベーカリーミックス、フルーツ&グレインバー、トルティヤ、ブラウニー、ペーストリー、パイ外皮、半焼成ベーカリー製品、ケーキ、クイックパン、スウィートロール、ドーナツ、マイクロウェーブ加工できるスナック製品、スナックチップ、および押出しスナックなどの伝統的なベーカリーおよびスナック製品において、精白小麦粉を置換して、フラワーを含む製品の栄養価を高めることが可能であるべきである。超微粉加工全粒小麦粉はまた、即席穀物製品、即席飲料、インスタント飲料、ミートエクステンダー、ミート(ベジタリアン)代用品、栄養バー、菓子類、調味料ブレンド、グレービーソースミックス、スープミックス、ルー、コーティング、ブレッディング、クッキードウまたは他のアイスクリーム含有物、および各種の他の用途などのフード製品において、精白小麦粉を置換すべきである。超微粉加工全粒小麦粉で作られたベーカリー製品、スナック製品、およびフード製品のテクスチャーは、あたかも精白小麦粉が使用されたかのようなそれと同じであるべきである。このようなベーカリー、スナック、およびフード製品の外観は、精白小麦粉で作られた製品により似たものとなろう。
【0027】
追加的には、このような製品の栄養価を高めるため、ベーキング、スナック、およびフード製品で使用できる超微粉加工粗粒分が必要である。超微粉加工粗粒分は、各種のベーカリー、スナック、およびフード製品において、精白小麦粉または全粒小麦粉の100%までを置換可能であるべきである。焼上げ商品、スナック製品、およびフード製品で、微生物負荷がより低く、かつ、抗酸化力がより高い超微粉加工粗粒分を使用するのも有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明は、超微粉加工全粒小麦粉およびその製品を製造するためのプロセスに関する。「超微粉」とは、約150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度を有すること、と定義される。本発明は、さらに、本発明のプロセスを用いて作られる超微粉加工粗粒分、および該超微粉加工粗粒分を用いる製品に関する。本発明は、詳しくは、超微粉加工粗粒分を用いて、精白小麦粉を置換するベーカリー、スナック、およびフード製品に関する。このような製品には、パスタ、即席穀物製品、マイクロウェーブ加工できるスナック製品、半焼成ベーカリー製品、ベーカリーミックス、パン、ベーグル、マフィン、ワッフル、ピザ外皮、クッキー、ペーストリー、パイ外皮、トルティヤ、ブラウニー、ケーキ、クイックパン、スウィートロール、ドーナツ、即席飲料、インスタント飲料、ミートエクステンダー、ミート(ベジタリアン)代用品、栄養バー、フルーツ&グレインバー、菓子類、調味料ブレンド、グレービーソースミックス、スープミックス、ルー、押出しスナック、コーティングまたはブレッディング、クッキードウまたは他のアイスクリーム含有物、および各種の他の用途が含まれている。超微粉加工粗粒分は、任意の用途において、精白小麦粉または全粒粉を置換するのに使用できる。
【0029】
該プロセスは、ある量の精選され、かつ、調整された小麦粒を、少量の残留ふすまおよび胚芽とともに、主として胚乳から成る細粒分と、ふすま、胚芽、および少量の残留胚乳から成る粗粒分とに分離する工程を含む連続流グレイン製粉プロセスである。粗粒分は、ギャップミルなどの製粉機を通して粉砕されて、約150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度を有する超微粉加工粗粒分を形成する。超微粉加工粗粒分は、各種の製品において、精白小麦粉を置換するのに使用できる。超微粉加工粗粒分はまた、細粒分と混合して、超微粉加工全粒小麦粉を形成するのに使用できる。その利点は、フラワーが、小麦粒の全栄養価を有しながら、精白小麦粉のテクスチャーおよび精白小麦粉に似た外観を維持していることである。したがって、該フラワーは、ベーカリー製品、スナック、およびフード製品などの一般に精白小麦粉を使用するフード製品で使用できる。さらに該プロセスの利点は、超微粉加工粗粒分が、標準の粗粒分で見出される微生物負荷より低い微生物負荷を有していることである。最後に、超微粉加工粗粒分は、精白小麦粉より約3倍大きい抗酸化力を有している(図16aおよび16b)。
【0030】
したがって、本発明は、精白小麦粉、超微粉加工粗粒分、および超微粉加工全粒小麦粉を作るための一石三鳥のプロセスを開示する。この一石三鳥のプロセスには、小麦粒全体を超微粉加工することも含まれている。一石三鳥のプロセスの第1の製品は、精白小麦粉である。この精白小麦粉は、現在市場に出ている精白小麦粉と同じ物である。第2の製品は、本発明の超微粉加工粗粒分であり、これは、製品における精白小麦粉を置換して、製品の栄養価を高めるのに使用できる。最後に、第3の製品、超微粉加工全粒小麦粉は、超微粉加工粗粒分と細粒分とを混合して作る。この一石三鳥のプロセスは、製粉され得るいかなる種類のグレインにも使用できる。
【0031】
超微粉加工粗粒分は、精白小麦粉を下回るかまたはそれに等しい粒度を有している。
それは、目に見えるふすまのホシがない精白小麦粉に似た細かなテクスチャーを有し、精白小麦粉よりやや暗い色を有している。したがって、それは、パン、ベーグル、ピザ外皮、トルティヤ、ブラウニー、ワッフル、ペーストリー、パイ外皮、スナックチップ、マフィン、クッキー、クラッカー、ベーカリーミックス、フルーツ&グレインバー、パスタ、マイクロウェーブ加工できるスナック製品、半焼成ベーカリー製品、ケーキ、クイックパン、スウィートロール、ドーナツ、即席飲料、インスタント飲料、ミートエクステンダー、ミート(ベジタリアン)代用品、栄養バー、即席穀類製品、菓子類、調味料ブレンド、グレービーソースミックス、スープミックス、ルー、押出しスナック、コーティングまたはブレッディング、クッキードウまたは他のアイスクリーム含有物、および各種の他の用途などのベーキング、スナック、食品、および穀類製品用途で使用できる。超微粉加工粗粒分は、栄養素が濃く、かつ、高繊維である。超微粉加工粗粒分の繊維含有量は、合計食物繊維が、約38〜40%である。一方、超微粉加工粗粒分は、25%またはそれを下回る澱粉を有している。高繊維は、低減した澱粉含有量と相俟って、利用できる炭水化物が当然より低いフラワー製品を生ずる。超微粉加工粗粒分の高繊維は、それが、精白小麦粉より低いカロリー密度を有していることを意味する。カロリー密度は、不溶性の繊維の量の増大、および精白小麦粉に比較してより高い保水性(カロリー密度を下げる)のため、特に焼上げた製品で、より低い。さらに、超微粉加工粗粒分は、少なくとも18%の蛋白質を含み、かつ、フラボノイドなどのフェノール系植物栄養素のソースであり、これは、重要な抗酸化物で、したがって、超微粉加工粗粒分の抗酸化力を増大している。
【0032】
また、精白小麦粉を強化するためのプロセスも開示されており、これには、精白小麦粉のある量と、約150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有する超微粉加工粗粒分のある量と、を混合することが含まれている。精白小麦粉と超微粉加工粗粒分とを混合することによって、超微粉加工小麦粉製品が作り出され、これは、精白小麦粉より、より多くの栄養素を含み、パン、ブラウニー、マフィン、ワッフル、ピザ外皮、ベーグル、クッキー、クラッカー、ベーカリーミックス、フルーツ&グレインバー、ペーストリー、パイ外皮、トルティヤ、即席穀類製品、パスタ、マイクロウェーブ加工できるスナック製品、半焼成ベーカリー製品、ケーキ、クイックパン、スウィートロール、ドーナツ、即席飲料、インスタント飲料、ミートエクステンダー、ミート(ベジタリアン)代用品、栄養バー、菓子類、調味料ブレンド、グレービーソースミックス、スープミックス、ルー、押出しスナック、スナックチップ、コーティングまたはブレッディング、クッキードウまたは他のアイスクリーム含有物、および各種の他の用途において、精白小麦粉の全てを置換するのに使用することができた。
【0033】
パンにおいては、精白小麦粉のあるパーセンテージが、超微粉加工小麦粉製品によって置換される。精白小麦粉の約20%と約25%との間の量を超微粉加工粗粒分で置換すると、精白小麦粉の使用に関連した品質および全粒小麦粉の栄養価を有する製品が生じる。ある食品用途では、より高いパーセンテージの精白小麦粉を超微粉加工粗粒分で置換することによって、製品のテクスチャーおよび外観は、精白小麦粉に酷似する一方、栄養価が増大し、栄養的に全粒小麦粉を超えて強化された製品が、作り出される。これらの用途においては、小麦のいかなる変種でも構わないが、赤小麦変種ではなく白小麦変種を用いると、白小麦変種のふすまの明色のため、外観が精白小麦粉で作られた製品により似た製品が生ずることになる。
【0034】
本発明はまた、該プロセスの製品、該プロセスの製品(複数)から作られたベーカリー製品、該プロセスの製品(複数)から作られたスナック製品、および該プロセスの製品(複数)から作られた各種の他のフード製品も含んでいる。
【0035】
本発明はまた、該プロセスの製品、該プロセスの製品(単数)から作られたベーカリー製品、該プロセスの製品(単数)から作られたスナック製品、および該プロセスの製品(単数)から作られた各種の他のフード製品も含んでいる。
【0036】
該プロセスは、精白小麦粉、あるパーセンテージの精白フラワーまたは全粒小麦粉を置換するのに使用できる超微粉加工粗粒分、および全粒粉の栄養上の配合を有している一方、精白小麦粉に似たテクスチャーおよび精白小麦粉により似た外観を維持している超微粉加工全粒小麦粉を生ずる。超微粉加工全粒小麦粉は、ウィートベリー全体に由来する。これと対照的に、超微粉加工粗粒分は、主として、ウィートベリーのふすまおよび胚芽から成る。超微粉加工全粒小麦粉は、精白小麦粉または全粒小麦粉を用いるいかなる用途にも使える。普通の小麦のいかなる種でも使用できるが、各種の白小麦を使うのが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】精白小麦粉および全粒小麦粉の棒グラフによる栄養比較である。
【図2】精白小麦粉および全粒小麦粉の栄養含有量を比較する表であり、合計炭水化物の量を、近似分析で測定し、蛋白質、脂肪、灰分、および水分のパーセンテージを測定して、100から引き、その答を合計炭水化物のパーセンテージと考えているが、合計食物繊維のパーセンテージは、実際の測定値である。
【図3】伝統的な精白小麦粉製粉プロセスおよび伝統的な全粒小麦粉製粉プロセスのフローチャートである。
【図4】本発明のギャップ製粉プロセスのフローチャートで、ワンステップおよびツーステッププロセスを示すものである。
【図5】ギャップミルプロセスの詳細なフローシートである。
【図6】高能力ギャップミルプロセスの詳細なフローシートで、本発明のリサイクリングプロセスを含む2つの工程ギャップミルを説明するものである。
【図7】細粒分(精白小麦粉)、超微粉加工粗粒分、および超微粉加工全粒小麦粉の粒度分布を記載した表である。
【図8】精白小麦粉対超微粉加工全粒小麦粉および超微粉加工粗粒分の栄養データを記載した表である。
【図9】異なる量の精白小麦粉を超微粉加工粗粒分で置換した4種類のブラウニーレシピの各材料の量を記載した表である。
【図10】異なる量の精白小麦粉を超微粉加工粗粒分で置換した5種類のアップルシナモンマフィンレシピの各材料の量を記載した表である。
【図11】異なる量の精白小麦粉を超微粉加工粗粒分で置換した3種類のチョコレートチップクッキーレシピの各材料の量を記載した表である。
【図12】異なる量の精白小麦粉を超微粉加工粗粒分で置換した2種類の全粒小麦粉パンレシピの各材料の量を記載した表である。
【図13】ある量の精白小麦粉を超微粉加工粗粒分で置換したトルティヤレシピの各材料の量を記載した表である。
【図14】異なる量のロンググレイン米フラワーを超微粉加工粗粒分で置換した2種類のクリスプ化穀類レシピの各材料の量を記載した表である。
【図15】異なる量のデュラムセモリナを超微粉加工全粒小麦粉および超微粉加工粗粒分で置換した4種類のパスタレシピの各材料の量を記載した表である。
【図16】小麦分級物の抗酸化力を記載した表であり、図16aは、小麦製粉分級物の抗酸化力を記載したもの、図16bは、小麦分級物対フルーツおよび野菜の抗酸化力の比較である。
【図17】超微粉加工全粒小麦粉、粗粒分および超微粉加工粗粒分フラワーの微生物負荷の結果の表である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、超微粉加工全粒小麦粉およびその製品を作り出すプロセスに関する。普通の小麦のいかなる種でも使用できるが、各種の白小麦を使用するのが望ましい。望ましいプロセスは、連続流グレイン製粉プロセスであり、このプロセスは、ある量の小麦を与えることまたは得ることから始まる。小麦は、主として胚乳から成る細粒分、および主としてふすまおよび胚芽から成る粗粒分を生ずるよう製粉される。二つの分級物は、約150μmを下回るかまたはそれ等しい粒度を有する分級物を生ずるよう製粉される。特に、超微粉加工粗粒分は、目に見えるふすまのホシを有さないよう、かつ、約150μmを下回るかまたはそれ等しい粒度を有するよう作り出される。二つの分級物は、組み合わせて、全小麦ベリーから成る超微粉加工全粒小麦粉を形成することができる。プロセス中に、ギャップミルを使用して、粗粒分を製粉するのが望ましい。明らかに、開示されたプロセスの使用は、粗粒分の微生物負荷を低減し、精白小麦粉との併用をより有利にすらするものであるが、これは、フラワーの栄養価が増大し、微生物負荷が減少するためである。さらに、超微粉加工粗粒分の使用は、精白小麦粉に比較して、超微粉加工全粒粉の抗酸化力を増大する。超微粉加工粗粒分は、各種の焼上げ商品、スナック製品、およびフード製品における精白小麦粉の強化に、また、精白小麦粉または全粒小麦粉を使用する任意の用途における精白小麦粉または全粒小麦粉に対する置換物としても使用できる。
【0039】
製粉目的のためには、小麦粒を3種類の解剖学的な領域に分割する。ふすまは、外側の保護層からなり、これは、粒の、約14重量パーセント(14%)を構成し、かつ、繊維および灰(ミネラル)分が高い。胚芽は、胚性の小麦植物であり、小麦粒の約3パーセント(2〜3%)を構成している。胚芽は、小麦粒で見出される脂質および必須栄養素のうちの高パーセンテージ分を含んでいる。胚乳は、発育する小麦植物にエネルギーを与える小麦粒の澱粉質内部部分である。胚乳は、その高澱粉およびかなり高い蛋白質(すなわち、グルテン)含有量によって特徴付けられる。小麦粒の大部分は、胚乳から成っている。胚乳は、精白小麦粉の主要な構成成分である。
【0040】
小麦製粉は、小麦粒を圧砕して、ふすまおよび胚芽からできるだけたくさんの胚乳を分離し、胚乳を粉砕してフラワーにする機械的な方法である。このプロセスでは、小麦の主要な構成要素が、実質的に互いに他から分離される。精白小麦粉は、ふすまおよび胚芽の大部分が、胚乳から分離される時に作り出される。一般に、胚乳、または精白小麦粉の、製粉プロセスから得られる歩留は、プロセスされた全小麦の70〜80パーセント(70〜80%)である。残りの胚乳は、依然として粗粒分内に存在する。本発明の代表的な歩留は、プロセスによる水分損失によるが、全小麦粒の約97%〜約100%である。
【0041】
ある量の小麦を得た後、粒を精選し、調整する。調整された小麦は、次いで、約8〜24時間の期間保持して、水分が、小麦粒内で平衡化できるようにする。調整された小麦は、次いで、一連のロール機、篩機および純化機を通してプロセスし、ふすまおよび胚芽から胚乳を分離する。胚乳は、ふすまおよび胚芽からひとたび分離されると、約150μmに等しいかまたはそれを下回る粒度にまで粉砕される。ふすまおよび胚芽は、粗粒分の一部として除去され、集められる。粗粒分は、ふすま、胚芽、および少量の残留胚乳から成っている。
【0042】
伝統的な製粉方法では、小麦は、図3に示すように、集められ、精選され、調整され、次いで、粉砕されて、精白小麦粉および小ぶすま(粗粒分)が、形成される。このプロセスの第1段階、小麦の精選は、雑草の種子、石、泥ボール、および他の異物などの各種の不純物の、小麦からの除去が含まれる。小麦の精選は、一般に、選別機の振動篩を用いて、木片および麦わら片、および小麦より大きすぎるかまたは小さすぎる全てのものを除去することから始まる。次に、気流を利用する風選機を用いて、埃およびより軽い不純物を除去する。次いで、除石機を用いて、小麦と同じ大きさの石などの重たい混在物を分離する。振動デッキ上のワイヤクロス織布で覆った小麦のベッドに空気を通す。比重および表面摩擦の違いにより分離を行なう。小麦は、次いで、形状および長さで分離する一連の円板または円筒分離機を通して、代表的な小麦粒より長い、より短い、より丸い、またはより角張った混在物を排除する。最後に、研磨機により、ふすま層の一部、粒溝の汚れ、および他のより小さな不純物を除去する。
【0043】
小麦が、ひとたび精選されると、製粉用に条件を整えるために調整される。小麦粒に水分を加えて、ふすま層を強靭にする一方、胚乳を柔らかくする。したがって、小麦粒の各部分は、より容易に分離し、かつ、より容易に分離する傾向がある。製粉に先立ち、調整された小麦を8〜24時間の間貯蔵して、小麦粒が水分を充分に吸収できるようにする。製粉プロセスは、基本的に、小麦粒の漸進的なレダクションである。粉砕プロセスでは、ふすまおよび胚乳を含むグラニュライトの混合物が生じ、これを篩機および純化機を用いて分級する。胚乳の粗い粒子は、次いで、一連のロール機により、フラワーに粉砕する。小麦を製粉する場合、小麦粒は、一般に75%の精白小麦粉(細粒分)および25%の粗粒分を生じる。粗粒分は、小麦粒の精白小麦粉にまでプロセスされなかった部分であり、一般にふすま、胚芽、および少量の残留胚乳を含んでいる。
【0044】
回収された粗粒分は、次いで、粉砕機、望ましくは、ギャップミルを通して粉砕し、約150μmを下回るかまたはそれ等しい粒度分布を有する超微粉加工粗粒分を形成する(図4)。ギャップミルのチップ速度は、一般に、115m/s〜130m/sの間である。ギャップミルのチップ速度が高いと、プロセスで熱が発生する。プロセス中に発生する熱および増大する気流は、図17に示すように、超微粉加工粗粒分の微生物負荷の減少をもたらす。ギャップミルでの粉砕に先立ち、粗粒分の平均好気性プレートカウントは、95000コロニー形成単位/グラム(cfu/g)であり、平均大腸菌群数は、1200cfu/gであった。ギャップミルを通過後、超微粉加工粗粒分の平均好気性プレートカウントは、10000cfu/gであり、平均大腸菌群数は、900cfu/gであった。したがって、微生物負荷は、超微粉加工粗粒分において、著しく減少する。この減少は、プロセスで発生する熱および気流による。篩別後、150μmを上回る粒度を有する粉砕された粗粒分はすべて、プロセスに戻して、さらに製粉することができる。
【0045】
高能力プロセスは、図6に掲げたフローシートに示すようにして始まる。細粒分(精白小麦粉)および粗粒分(粗粒状製品)が分離された後、粗粒分は、分割され、粗粒分の各部分は、別個の粉砕機を通して送られる。粗粒分は、分割され、システムの能力を増大するため、2種類のギャップミルに送られる。粉砕機は、望ましくは、ギャップミルである。他の種類のミルよりもギャップミルの使用が望ましい理由は、ギャップミルの設計は、粗粒分の粒子が、互いに他に衝突して、粒子間の摩擦が生じ、それにより、粒子をさらにより小さな粒度にまで圧砕できるからである。前述のように、ギャップミルは、プロセス中に熱を発生する。ギャップミルが発生する熱は、システム内の気流と相俟って、超微粉加工粗粒分内の水分を減らすことになる。水分の喪失は、超微粉加工粗粒分の微生物負荷を低減するという追加の利点を有すると思われる(図17)。ギャップミルは、望ましくは、バウエルマイスター(Bauermeister) ギャップミル(米国、テネシー州、メンフィスの Bauermeister, Inc. 製)である。バウエルマイスター(Bauermeister)ギャップミルは、細粒粉砕用に設計され、かつ、円錐形ロータと条溝付きのじゃま板との間に、調整可能な粉砕ギャップを含んでいるので、最も能率的である。これは、他のギャップミルに比べて、より高いレベルの粒子レダクションをもたらすことになる。粗粒分は、製粉機から第1の工程のギャップミル2台の入口まで10,000ポンド/時(#/時)の概略速度で連続的に運搬される。粉砕された粗粒分は、次いで、ギャップミルの底部から重力により気流中に排出され、フィルターまで空圧により運搬される。
【0046】
粉砕された粗粒分は、5000cfm(概略気流速度)の負圧リフトにより、ギャップミルから出る。粉砕された粗粒分は、フィルターにより、気流から分離され、バイブロ(Vibro)篩機に吐き出される。バイブロ(Vibro)篩機は、粉砕された粗粒分を、遠心および起振力を用いて分離し、粉砕された粗粒分を篩別する。篩を通過する材料は、約150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度を有する超微粉加工粗粒分であり、したがってそれ以上のプロセスを必要としない。篩を通過しなかった粉砕された粗粒分は、粒度が大きすぎるので、追加の粒子レダクションが必要である。この粉砕された粗粒分は、第2の工程のギャップミルに流れる。そして、ひとたび第2の工程のギャップミルを通過すると、粉砕された粗粒分は、5000cfm(概略気流速度)の負圧リフトにより、運搬される。粉砕された粗粒分は、フィルターにより、気流から分離され、バイブロ(Vibro)篩機に吐き出される。粉砕された粗粒分は、バイブロ(Vibro)篩機を用いて篩別され、仕上がり製品、超微粉加工粗粒分における、約150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度が保証される。バイブロ(Vibro)篩機篩を通過しなかった粉砕された粗粒分は、粒度が大きすぎるので、追加の粒子レダクションが必要である。粉砕された粗粒分のこの部分は、第1の工程および第2の工程のギャップミルの入口に再び向けられ、さらにプロセスされる。結果として生ずる製品は、粗粒分に比較して微生物負荷が少ない超微粉加工粗粒分である(図17)。超微粉加工粗粒分は、次いで、細粒分と混合して超微粉加工全粒小麦粉を形成し、したがって、精白小麦粉に比較して、製品の栄養価、繊維含有量、および抗酸化力を高めることができる。超微粉加工粗粒分はまた、焼上げ商品、スナック製品、およびフード製品における精白小麦粉または全粒小麦粉を各種の量で置換できる。
【0047】
超微粉加工粗粒分(7,400μモルTE/100g)の抗酸化力は、小麦胚芽(8,400μモルTE/100g)の抗酸化力、精白小麦粉(1,450μモルTE/100g)の平均抗酸化力の約3倍に匹敵する(図16a)。小麦粒の胚芽およびふすま部分における抗酸化物の量は、図16aに示す総抗酸化力で明らかなように、胚乳に比べて大幅に高い。ギャップミルを通してプロセスされる前の粗粒分は、6,700μモルTE/100gの抗酸化力を有している。一方、超微粉加工全粒粉は、2,800μモルTE/100gの抗酸化力を有している。ベーカリー、スナック、およびフード製品における超微粉加工粗粒分の使用は、製品の抗酸化力を大幅に高めることができる。
【0048】
超微粉加工粗粒分の抗酸化力は、ブルーベリー、レーズン、いちご、ホウレンソウ、ブロッコリーおよびトマトなど、各種のフルーツおよび野菜と、等重量ベースで比較して、大幅により大きい。試験したフルーツおよび野菜の中で、アーティチョークおよび乾燥プラムだけが、抗酸化力がより高い(図16b)。超微粉加工粗粒分の抗酸化力が、粗粒分のそれに比べて大きいのは、超微粉加工粗粒分のより低い水分含有量による。
【0049】
超微粉加工粗粒分で作られた製品は、精白小麦粉で作られた製品に比べて、繊維、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラルおよび植物栄養素レベルがより高いという利点を有している。繊維レベルがより高いと、不溶性の繊維の量の増大によりカロリー密度が低下した製品が生ずる。さらに、多くの焼上げ製品では、繊維のより高い水吸収/保持により、精白小麦粉に比べて、カロリー密度が低下する。焼上げ商品、スナック製品、およびフード製品で、精白小麦粉の約24%を超微粉加工粗粒分で置換すると、テクスチャーおよび外観は、100%精白小麦粉製品により似ているが、栄養価は、全粒小麦のそれを有する製品が生ずる。該用途では、任意の変種の小麦が使用できるが、白小麦変種の使用は、より明るい色のふすまを有するので、精白小麦粉で作った製品に、より似た製品外観を生ずることになる。栄養価には、製品に存在する繊維、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラルおよび植物栄養素の量が含まれる。さらに、精白小麦粉または全粒小麦粉のより大きな量を超微粉加工粗粒分で置換することによって、製品の栄養価を、全粒小麦粉で作った製品よりも、実際により高くすることができる。したがって、製品は、精白小麦粉製品または全粒小麦粉製品よりも高い繊維、ビタミンおよびミネラル含有量および植物栄養素を有することになる。
【0050】
したがって、プロセスでは、製品を3種類まで生ずることができる。第1の製品は、細粒分から成る精白小麦粉であり、これは、主として小麦粒の胚乳を、残留量のふすまおよび胚芽と共に含んでいる。この分級物は、一般に、約150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有している。精白小麦粉製品は、米国FDA規格に従って、98%またはそれ以上が、U.S. Wire 70篩を通過する粒度を有していなければならない。したがって、米国FDA規格を満足するためには、粒度分布は、精白小麦粉については、212μmを下回るかまたはそれに等しくなければならない。精白小麦粉は、一般に、約10〜11%の蛋白質、約1%の脂肪、約76%の合計炭水化物(これは、約2.5〜3%の食物繊維を含んでいる)、および約0.5%の灰分(ミネラル)から成っている(図8)。
【0051】
第2の製品は、超微粉加工粗粒分である。これは、ギャップミルを通してプロセスされた粗粒分であり、約150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有している。この超微粉加工粗粒分は、約20%の蛋白質、約7%の脂肪、約60%の合計炭水化物、および約40%の食物繊維繊維を含んでいる。超微粉加工粗粒分の灰分(ミネラル)含有量は、約6%である(図8)。超微粉加工粗粒分の微生物負荷は、プロセスで発生する熱および気流の増大により低減した。超微粉加工粗粒分は、消費者に販売することができ、また、製品レシピに使用される精白フラワーまたは全粒小麦粉のあるパーセンテージの置換に使用して、製品の繊維含有量、抗酸化力、および総合的栄養価を高めることができる。
【0052】
第3の製品は、超微粉加工全粒小麦粉である。このフラワーは、約150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有している。超微粉加工全粒小麦粉の粒度分布および栄養価によれば、超微粉加工全粒小麦粉は、現在、全粒小麦粉および精白小麦粉で作られているすべてのフード製品中の全粒小麦粉または精白小麦粉を置換可能である。この超微粉加工全粒小麦粉の栄養上の配合は、全粒小麦粉のそれと同じである(図8)。超微粉加工全粒小麦粉は、約13〜14%の蛋白質、約2%の脂肪、約2%の灰分(ミネラル)、および約73%の合計炭水化物、および約12%の合計食物繊維を含んでいる。したがって、超微粉加工全粒小麦粉は、超微粉加工粗粒分に比べて、蛋白質、繊維、ビタミン、ミネラル、および植物栄養素の含有量が少ない(図8)。これは、超微粉加工全粒小麦粉が、細粒分(これは、精白小麦粉である)と、超微粉加工粗粒分(これは、ふすまおよび胚芽から成っている)との混合物から成っているため、予想されることである。細粒分および超微粉加工粗粒分は、各分級物が、約150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布に製粉された後で、組み合わせて、超微粉加工全粒小麦粉を形成するので、超微粉加工全粒小麦粉は、二つの分級物が、初めて互いに他に接触した時の、配合前の状態では、プレミックスされた小麦粉調合物である、と考えられる。二つの分級物は、ひとたび互いに他に接触すると、配合されて、超微粉加工全粒小麦粉を形成する。超微粉加工全粒小麦粉は、精白小麦粉と同じテクスチャーおよび精白小麦粉により似た色を有している。したがって、超微粉加工全粒小麦粉は、現在精白小麦粉または全粒小麦粉を含んでいるいかなるフード製品においても使用できる。フード製品には、パスタ、即席穀物製品、マイクロウェーブ加工できるスナック製品、半焼成ベーカリー製品、ベーカリーミックス、ケーキ、クイックパン、スウィートロール、ドーナツ、即席飲料、インスタント飲料、ミートエクステンダー、ミート(ベジタリアン)代用品、栄養バー、フルーツ&グレインバー、菓子類、調味料ブレンド、グレービーソースミックス、スープミックス、ルー、押出しスナック、コーティングまたはブレッディング、クッキードウまたは他のアイスクリーム含有物、および各種の他の用途がある。超微粉加工全粒小麦粉の主要な利点は、テクスチャーおよび外観が、精白小麦粉により似ている一方、全粒小麦粉の栄養価が加わっている点である。
【0053】
別の実施形態は、精白小麦粉を強化するためのプロセスである。このプロセスには、ある量の精白小麦粉と、約150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有しているある量の超微粉加工粗粒分とを混合して、超微粉加工小麦粉製品を作り出すことが含まれている。超微粉加工小麦粉製品は、精白小麦粉より多くの栄養素、抗酸化物、および繊維を含んでおり、現在精白小麦粉または全粒小麦粉を使用しているいかなるベーカリー、スナック、およびフード製品にも使用できる。
【0054】
超微粉加工粗粒分はまた、市販用製品の調製で、精白小麦粉を置換するのにも使用できる。精白小麦粉の20%〜25%を超微粉加工粗粒分で置換することによって、精白小麦粉製品の栄養価は、全粒小麦粉で作った製品の栄養価に等しいレベルまで高めることができる。このような置換を行なっても、製品のテクスチャーおよび外観には、ほとんど影響がない。製品の栄養価は、精白小麦粉の25%を上回る量を、超微粉加工粗粒分で置換することによって、全粒小麦の栄養価以上に高めることができる。超微粉加工粗粒分は、パスタ、即席穀物製品、即席飲料、インスタント飲料、ミートエクステンダー、ミート(ベジタリアン)代用品、栄養バー、菓子類、調味料ブレンド、グレービーソースミックス、スープミックス、ルー、コーティング、ブレッディング、パン、ベーグル、ブラウニー、マフィン、ワッフル、ピザ外皮、クッキー、ペーストリー、パイ外皮、クイックパン、スウィートロール、ドーナツ、ベーキングミックス、トルティヤ、フルーツ&グレインバー、半焼成ベーカリー製品、クラッカー、マイクロウェーブ加工できるスナック製品、押出しスナック、およびスナックチップなど、多数のベーカリー、スナックおよびフード製品で、精白小麦粉または全粒小麦粉を置換するのに使用できる。
【0055】
一実施形態では、超微粉加工全粒小麦粉または超微粉加工粗粒分を、ミートエクステンダーとして使用することが含まれている。ミートエクステンダーは、ミートの嵩を上げるのに使用されるフラワーなどの材料である。ミートエクステンダーは、ソーセージ、ホットドッグ、および他のミート製品の生産で使用できる。超微粉加工全粒小麦粉またはthe超微粉加工粗粒分はまた、このような製品のミートレスバージョンにおけるエクステンダーとしても使用できる。超微粉加工全粒小麦粉または超微粉加工粗粒分の、これら製品におけるエクステンダーとしての使用は、製品の栄養価を高めることになる。さらに、このような利用は、人々に別の繊維源を提供し、それによって、繊維の摂取量を現在推奨されているレベルにまで上げるのに役立つことになる。
【0056】
超微粉加工全粒小麦粉または超微粉加工粗粒分はまた、調味料ブレンド、グレービーソースミックス、スープミックス、およびルー、などの製品におけるエクステンダーまたは粘調剤としても使用できる。さらに、超微粉加工全粒小麦粉または超微粉加工粗粒分は、即席飲料またはインスタント飲料で使用できる。
【0057】
また別の実施形態では、コーン、ライ麦、大麦、米、オート、トリティカーレ、きび、あわ類、ソバ、キノア、アマランス、これらの変種、およびこれらの混合物などの他のグレイン製品を、同じプロセスで、しかし異なる粉砕能力で粉砕することができる。該プロセスを利用してこれら他のグレインを粉砕する場合、グレインの約100%から作られた超微粉加工全粒粉が生ずることになる。これら超微粉加工全粒粉は、現在市場に出ている全粒粉と同じ用途で使用できる。したがって、これら超微粉全粒粉は、パン、穀類、ベーカリー、スナック、およびフード製品で使用できる。超微粉加工全粒粉はまた、消費者に直接販売して、かれらのホームメード焼上げ製品で使用してもらうこともできよう。
【実施例1】
【0058】
ある量のPlatteハードホワイト冬小麦を得、既知の製粉手順に従って製粉した。細粒分および粗粒分を製粉プロセス中に分離する。細粒分は、1.4%が、US 100 Wire(メッシュサイズ149μm)より粗い粒度を有している(図7)(参考資料1270)。したがって、細粒分の98.6%が、150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有している。U.S. 200 Wire(74μm)、U.S. 325 Wire(44μm)およびU.S. 400 Wire(37μm)を用いてさらなる篩別を行なった。細粒分の47パーセントが、U.S. 200 Wire上に残ったが、これは、細粒分の53%が、74μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有していることを示している。細粒分の約77%が、U.S. 325 Wire上に残ったが、これは、細粒分の23%が、44μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有していたことを示している。最後に、細粒分の98%が、U.S. 400 Wire上に残ったが、これは、細粒分の2%が、37μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有していたことを示している。
【0059】
粗粒分は、UMS Type FG1 ギャップミルを用いて粉砕した(図5)。ギャップミルを通過後、超微粉加工粗粒分の4.0%が、図7の参考資料1269に示すように、U.S. 100 Wire (メッシュサイズ149μm)を通過しなかった。したがって、超微粉加工粗粒分の96%が、150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度を有している。超微粉加工粗粒分の約46%が、U.S. 200 Wire上に残ったが、これは、超微粉加工粗粒分の54%が、75μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有していることを示している。超微粉加工粗粒分の約68%が、U.S. 325 Wire上に残ったが、これは、超微粉加工粗粒分の32%が、44μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有していたことを示している。最後に、超微粉加工粗粒分の約99%が、U.S. 400 Wire上に残ったが、これは、超微粉加工粗粒分の1%が、37μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有していたことを示している(図7)。
【0060】
超微粉加工粗粒分を細粒分と配合して、超微粉加工全粒小麦粉を形成した後、超微粉加工全粒小麦粉の2%が、図7の参考資料1301に示すように、US 100 Wire(メッシュサイズ149μm)を通過しなかった。したがって、細粒分の約98%は、150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有している。U.S. 200 Wire(74μm)、U.S. 325 Wire(44μm)および U.S. 400 Wire(37μm)を用いて、さらなる篩別を行なった。細粒分の48パーセントが、U.S. 200 Wire上に残ったが、これは、細粒分の52%が、74μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有していることを示している。細粒分の約78%が、U.S. 325 Wire上に残ったが、これは、細粒分の22%が、44μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有していたことを示している。最後に、細粒分の98%が、U.S. 400 Wire上に残ったが、これは、細粒分の2%が、37μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有していたことを示している。
【0061】
したがって、結果は、図7に示すように、ギャップミルの粗粒分に対する使用によって、精白小麦粉に似た粒度を有する製品が生じたことを示している。これらの結果に基づけば、小麦粒全体を使用し、かつ、全粒粉の栄養価の全てを有する一方、精白小麦粉の粒度分布条件を依然として満足している超微粉加工全粒小麦粉が、作り出された、と言える。
【実施例2】
【0062】
超微粉加工全粒小麦粉を作り出すための高能力設備
【0063】
代表的なミルフローシートで、精白小麦粉(細粒分)および粗粒分を作り出す。粗粒分は、製粉機から2台のギャップミルまで、連続的に運搬する(図6)。第1のギャップミル工程は、推定スループット110 cwt/時(11000ハンドレッドウェート/時)を有する機械2台を使用する。フローシート(図6)は、100 cwt/時の粗粒分を所望の粒度にレデュースする。粉砕された粗粒分は、5000 cfmの負圧空気リフトにより、ギャップミルからフィルターまで運搬されるが、フィルターは、運搬された製品からサイクロンなしに空気を分離するよう設計されている。粉砕された粗粒分は、フィルターから出て、Vibro 篩機に排出される。Vibro 篩機は、遠心および起振力を用いて、粉砕された粗粒分を篩別することにより粉砕された粗粒分を分離する。Vバイブロ(Vibro ) 篩機の篩を通過する材料は、150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有している超微粉加工粗粒分となり、それ以上のプロセスを必要としない。第1の工程のギャップミルの効率は、歩留65%に達する。150μmを上回る粒度を有するギャップミル工程からの粉砕された粗粒分は、バイブロ(Vibro )篩機により分離され、第2のシングルギャップミルに向けられて、さらにレデュースされる。150μmを上回る粒度を有するギャップミル工程からの粉砕された粗粒分は、第1のギャップミル・バイブロ(Vibro )篩機から第2のギャップミル工程に、38.5 cwt/時の推定速度で連続的に運搬される。約13.5 cwt/時の粉砕された粗粒分は、150μmを上回る粒度を有し、第2の工程のバイブロ(Vibro )篩機により、排除される。150μmを上回る粒度を有する13.5 cwt/時の粉砕された粗粒分は、リサイクルループに入り、第1および第2のギャップミル工程で再粉砕される。両方の粉砕された粗粒分は、第1および第2のギャップミル工程の前述したプロセスフローを辿ることになる。排除された第2の工程で粉砕された粗粒分の15%は、第2の工程のギャップミルに戻り、第2の工程で粉砕された粗粒分の85%は、第1の工程のギャップミルに戻る。第2のギャップミル工程の粉砕効率は、第1のギャップミル工程の粉砕効率を下回る。第2の工程のギャップミルの粉砕効率は、150μmの篩を通して約50% +/-5%であろう。システム能力は、第2の工程のギャップミルの粉砕効率に限定される。超微粉加工粗粒分および細粒分は、ひとたびレデュースされると、連続的に配合されて、超微粉加工全粒小麦粉となる。該小麦粉は、全粒小麦粉と同じ栄養価を有し、精白小麦粉に似たテクスチャーおよび外観を有する(図5)。
【実施例3】
【0064】
超微粉加工粗粒分を作り出すための高能力設備
【0065】
実施例1で開示したのと同じ手順を辿るが、超微粉加工粗粒分が、エンド製品であり、細粒分と混合しない点が異なる。超微粉加工粗粒分は、蛋白質、繊維、および他の栄養素が、精白小麦粉または全粒小麦粉のいずれよりも高いが(図5)が、精白小麦粉に似たテクスチャーを有している。
【実施例4】
【0066】
超微粉加工全粒製品の生産
【0067】
多種多様なグレインをプロセスして、超微粉加工全粒製品を作り出すことができる。使用されるグレインは、コーン、ライ麦、大麦、米、オート、トリティカーレ、きび、あわ類、ソバ、キノア、アマランス、これらの変種、およびこれらの混合物を含む従来技術で既知の任意のグレインであってよい。グレインは、2台のギャップミルに連続的に運搬される(図6)。2台の機械を有する第1のギャップミル工程は、110 cwt/時の推定スループットを有しているが、グレインのモーフォロジーおよび配合により変化してよい。フローシート(図6)は、100 cwt/時のグレインを所望の粒度にレデュースするものである。粉砕されたグレインは、5000 cfmの負圧空気リフトにより、ギャップミルからフィルターまで運搬されるが、フィルターは、運搬された製品からサイクロンなしに空気を分離するよう設計されている。粉砕されたグレインは、フィルターから出て、Vibro 篩機に排出される。Vibro 篩機は、遠心および起振力を用いて、粉砕されたグレインを篩別することにより粉砕されたグレインを分離する。Vibro 篩機の篩を通過する材料は、150μmを下回るかまたはそれに等しい粒度分布を有している超微粉加工グレイン製品となり、それ以上のプロセスを必要としない。第1の工程のギャップミルの効率は、歩留約79%に達する。150μmを上回る粒度を有するギャップミル工程からの粉砕されたグレインは、Vibro 篩機により分離され、第2のシングルギャップミルに向けられて、さらにレデュースされる。150μmを上回る粒度を有する粉砕されたグレインは、第1のギャップミルVibro 篩機から第2のギャップミル工程に、約24 cwt/時の推定速度で連続的に運搬される。約12 cwt/時の粉砕されたグレインは、第2の工程のVibro 篩機により、排除される。排除され粉砕されたグレインは、リサイクルループに入り、第1および第2のギャップミル工程で再粉砕される。両方の粉砕されたグレイン製品は、第1および第2のギャップミル工程の前述したプロセスフローを辿ることになる。排除された第2の工程で粉砕されたグレインの15%は、第2の工程のギャップミルに戻り、第2の工程で粉砕されたグレインの85%は、第1の工程のギャップミルに戻る。第2のギャップミル工程の粉砕効率は、第1のギャップミル工程の粉砕効率を下回る。第2の工程のギャップミルの粉砕効率は、150μmの篩を通して約50% +/-5%であろう。システム能力は、第2の工程のギャップミルの粉砕効率に限定される。超微粉加工全粒粉は、それぞれの従来法で製粉された全粒粉と同じ栄養価を有しているが、よりきめのこまかいテクスチャーを有する。
【実施例5】
【0068】
ある量のPlatteハードホワイト冬小麦を得、既知の製粉手順に従って製粉した。細粒分および粗粒分を製粉プロセス中に分離する。粗粒分は、UMS Type FG1ギャップミルを用いて粉砕した(図5)。ギャップミルを通す前、粗粒分の平均好気性プレートカウントは、95000 CFU/g(コロニーフォーミングユニット数/グラム)であり、平均大腸菌数カウントは、1200 CFU/gであった(図17)。ギャップミルを通した後は、超微粉加工粗粒分の平均好気性プレートカウントは、10000 CFU/gであり、平均大腸菌数カウントは、900 CFU/gであった(図17)。したがって、総合的な微生物負荷値は、粗粒分がギャップミルを通過した時に減少した。
【0069】
超微粉加工粗粒分を細粒分と配合して、超微粉加工全粒小麦粉を形成した後、超微粉加工全粒小麦粉の平均好気性プレートカウントは、20000 CFU/gであり、平均大腸菌数カウントは、1165 CFU/gであった(図17)。
【0070】
したがって、結果は、図17に示すように、ギャップミルの粗粒分に対する使用によって、微生物負荷が減少した製品が生じたことを示している。これらの結果に基づけば、小麦粒全体を使用し、減少した微生物負荷を有し、かつ、全粒粉の栄養価の全てを有する一方、精白小麦粉の粒度分布条件を依然として満足している超微粉加工全粒小麦粉が、作り出された、と言える。
【実施例6】
【0071】
ブラウニー
超微粉加工粗粒分を、ブラウニーレシピにおけるフラワーとして用いて、比較を行なった。4種類のブラウニーレシピを作成した。ブラウニーレシピ1は、フラワーの100%を精白小麦粉として用い、対照と考えた。ブラウニーレシピ2は、精白小麦粉の24%を、超微粉加工粗粒分で置換した。ブラウニーレシピ3は、精白小麦粉の50%を、超微粉加工粗粒分で置換した。ブラウニーレシピ4は、精白小麦粉の100%を、超微粉加工粗粒分で置換した。ブラウニーレシピはまた、グラニュー糖、ココアパウダー、塩、ふくらし粉、バター、卵、バニラエキス、砕いたくるみ、および砕いたペカンの実を含んでいた。各材料の量を図9に示す。
【0072】
各ブラウニーレシピは、精白小麦粉、超微粉加工粗粒分、砂糖、ふくらし粉、塩、およびココアパウダーを配合して、乾燥材料の混合物を形成することにより調製した。次いで、バターを配合し、卵およびバニラを配合した。くるみおよびペカンの実を最終バッター混合物に撹拌しながら加えてから、油を塗った8インチ角のベーキングテンパンに注いだ。
【0073】
ブラウニーレシピはすべて、375°Fで30〜35分間、予熱したオブンで焼き上げた。最終調理時間は、各ブラウニーレシピの観察により、すなわち、ブラウニーが、何時、テンパンの側部から僅か引き離され、かつ、ブラウニーのテンパンの中央に挿入されたケーキテスターが、クラムを付着して出てくるかを観察して、測定した。ひとたびこれが生じた時、ブラウニーをオブンから取り出し、テンパン内で完全に冷却してから、四角に切って、個々のブラウニーレシピの特性を試験・決定した。
【0074】
観察の結果、それぞれ、50:50の精白小麦粉:超微粉加工粗粒分、および100:0の精白小麦粉:超微粉加工粗粒分を含むブラウニーレシピ3および4が、生地の固さ、外観、味、および総合的な構成の点で、それぞれ、100:0の精白小麦粉:超微粉加工粗粒分、および76:24の精白小麦粉:超微粉加工粗粒分を用いたブラウニーレシピ1および2に比べて優っていることが、分かった。ブラウニーレシピ1は、よくかめない縁部、および、だれる内部を有していた。ブラウニーレシピ2は、よくかめない縁部、および、ややだれる内部を有していた。精白小麦粉の増大する量を超微粉加工粗粒分で置換した4種類のレシピを観察して分かったことは、精白小麦粉の50%〜100%を、超微粉加工粗粒分で置換することによって作成したブラウニーは、優れた特性を有していることであった。ブラウニーレシピ3は、よくかめない縁部、および、湿ったよくかめない内部を有する最適なブラウニー特性を有していた。
【実施例7】
【0075】
アップルシナモンマフィン
5種類のマフィンレシピを作成したが、それぞれ、異なるパーセンテージの精白小麦粉を超微粉加工粗粒分で置換した。マフィンレシピ1は、精白小麦粉の24%を超微粉加工粗粒分で置換した。マフィンレシピ2は、精白小麦粉の50%を超微粉加工粗粒分で置換した。マフィンレシピ3は、精白小麦粉の75%を超微粉加工粗粒分で置換した。マフィンレシピ4および5は、精白小麦粉の100%を、超微粉加工粗粒分で置換した。マフィンレシピ4と5の違いは、マフィンレシピ4における砂糖、水および大豆油のいくらかをマフィンレシピ5の無糖のアップルソースで置換したことである。アップルシナモンマフィンの残りの材料は、Sustaグレイン(全粒大麦フレーク、ふくらし粉、塩、脱脂粉乳、グラニュー糖、シナモン、乾燥角切りりんご、乾燥全卵、水、大豆油および無糖のアップルソースを含んでいた。これら各種材料の正確な量は、図10に示してある。
【0076】
マフィンレシピは、精白小麦粉、超微粉加工粗粒分、Sustaグレイン(全粒大麦フレーク、ふくらし粉、塩、脱脂粉乳、砂糖、シナモン、乾燥角切りりんごおよび乾燥全卵を混合して、乾燥材料混合物を形成することによって調製した。次いで、大豆油、水、および無糖のアップルソースを、一体になるまで混合した。
【0077】
マフィンカップ当り18グラムで油を塗ったミニマフィンテンパンに、マフィンバッターを落とし、425°Fで7分間焼き上げた。焼き上げたマフィンは、テンパン内で完全に冷却してから、個々のマフィンを取り出し、各マフィンレシピの特性を試験・決定した。
【0078】
精白小麦粉の増大する量を超微粉加工粗粒分で置換した異なるレシピを観察して分かったことは、精白小麦粉の100%までを超微粉加工粗粒分で置換して作ったマフィンでは、香味、外観およびテクスチャーが良好であるばかりでなく、栄養価が、フラワーの100%を精白小麦粉として作ったマフィンに比べて、向上していることであった。
【実施例8】
【0079】
チョコレートチップクッキー
3種類のチョコレートチップクッキーレシピを、各種の量の超微粉加工粗粒分を用いて作った。クッキーレシピ1は、フラワーの100%を精白小麦粉として用い、対照と考えた。クッキーレシピ2は、精白小麦粉の24%を超微粉加工粗粒分で置換し、一方、クッキーレシピ3は、精白小麦粉の50%を超微粉加工粗粒分で置換した。クッキーにおける他の材料は、軽マーガリン、薄褐色砂糖、グラニュー糖、Egg Beaters(登録商標)、バニラエキス、重曹、ふくらし粉、塩、インスタントコーヒー顆粒、およびセミスイートチョコレートチップを含んでいた。使用した各材料の量は、図11に示してある。
【0080】
チョコレートチップクッキーレシピは、精白小麦粉、超微粉加工粗粒分、重曹、ふくらし粉、塩、およびインスタントコーヒー顆粒を混合して、乾燥材料の混合物を形成することによって調製した。マーガリンおよび砂糖は、クリーム状にした。エッグ・ビーターズ(Egg Beaters)(登録商標)およびバニラエキスは、クリーム状混合物に配合した。乾燥材料混合物は、湿った材料混合物に配合した。セミスイートチョコレートチップは、最終的なクッキードウ混合物に巻き込んだ。
【0081】
クッキードウは、油を塗ったクッキーシートに、32〜35グラムづつ分け入れ、予熱したオブンで、350°Fで10〜15分間、あるいは、ゴールデンブラウンになるまで焼き上げた。クッキーをオブンから取り出し、メタルラックで冷却してから、各クッキーレシピの特性を試験・決定した。
【0082】
気が付いたことは、超微粉加工粗粒分をより多く、精白小麦粉をより少なく用い、軽マーガリンと組み合わせた場合は、香味、テクスチャー、および外観が良好なクッキーが出来、また、クッキーレシピで全脂肪マーガリンの代わりに軽マーガリンを使用した場合に一般的な、過度な延びは無かったことであった。
【実施例9】
【0083】
パン
各種の量の超微粉加工粗粒分を用いて3種類のパンレシピを作った。パンレシピ1は、対照レシピであり、100%の精白小麦粉および0%の超微粉加工粗粒分を含んでいた。パンレシピ2は、精白小麦粉の25%を超微粉加工粗粒分で置換した。パンレシピ3は、フラワーの50%を超微粉加工粗粒分で置換した。パン中の他の材料は、水、グルテン、圧搾酵母、大豆油、砂糖、ステアロイル乳酸ナトリウム、イースト食品、塩、乳化剤、アスコルビン酸、およびアゾジカルボンアミド溶液を含んでいた。使用された各材料の量は、図12に示してある。
【0084】
スポンジ材料はすべて、混合ボールに加えた。ドウフックアタッチメントを用いて、スポンジ材料を低速で1〜2分間混合し、材料が十分に水和するまで混合した。スポンジは、乾燥を防ぐためカバーした。スポンジは、室温で3〜4時間保蔵した。スポンジが、固化した後、残りの乾燥材料、水、イースト、およびスポンジを混合ボールに加えた。ドウフックアタッチメントを用いて、材料を低速で1〜2分間混合し、材料が、十分に水和するまで混合した。次いで、材料を高速で合計6〜10分間混合し、ドウが、完全に生地生成されるまで混合した。ドウは、カバーして、45分〜1時間の間室温で放置した。ドウは、所望の重量および形状に分割し、425°Fで、ゴールデンブラウンになるまで焼き上げた。ベーキング時間は、製品の形状およびサイズにより、変えた。パンは、少なくとも15分間冷却してから、切断した。
【0085】
気が付いたことは、パンレシピに超微粉加工粗粒分をより多く、精白小麦粉をより少なく用いた場合は、品質が良好なパンができることであった。精白小麦粉の増大する量を超微粉加工粗粒分で置換した異なるレシピを観察して分かったことは、精白小麦粉の50%を超微粉加工粗粒分で置換することによって作成したパンレシピは、他のレシピに比べて、依然として良好なテクスチャー、外観、および味を呈し、かつ、超微粉加工粗粒分を用いて、100%全粒小麦粉パンより、より濃い小麦栄養素を有するパンが作れることであった。
【実施例10】
【0086】
トルティヤ
トルティヤレシピ1は、超微粉加工粗粒分で作った。トルティヤ内の他の材料は、全粒粉、グルテン、抵抗性澱粉、醤油蛋白質アイソレート、オート繊維、水、ショートニング、塩、ふくらし粉、フマル酸、プロピオン酸カルシウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、ソルビン酸カリウムおよびスクラロースを含んでいた。使用された各材料の量は、図13に示してある。
【0087】
水以外の材料の全てを、良く配合されるまで混合して、トルティヤレシピを調製した。次いで、トルティヤミックスに水(26.5°C)を加え、乾燥材料が水和する(約2分間)まで、低速で配合した。ミキサーのドウフックアタッチメントを用いて、ドウを中速で混合し、ドウが、完全に生地生成するまで混合した。ドウを所望のピースサイズに分割し、丸めてほいろしてからプレスして、焼き上げた。
【0088】
観察の結果、超微粉加工粗粒分は、高繊維トルティヤ用途で精白小麦粉に代用できることが分かった。気が付いたことは、超微粉加工粗粒分をより多く、精白小麦粉をより少なく用いた場合は、品質が良好かつプロセス特性が良好なトルティヤができることであった。
【実施例11】
【0089】
クリスプ化穀類
超微粉加工粗粒分を用いて、高蛋白質、マルチグレインクリスプ化穀類を作った。クリスプ化穀類内の他の材料は、ロンググレイン米フラワー、醤油蛋白質アイソレート、全粒オートフラワー、トーステッドオートフラワー、モルトエキス、砂糖および塩を含んでいた。これら材料の量を図14に示す。レシピ1は、100%ロンググレイン米フラワーを使用し、一方、レシピ2は、米フラワーの24%を超微粉加工粗粒分で置換した。クリスプ化穀類レシピは、乾燥材料を混合して、良く配合されるまで混合した。乾燥材料のブレンドは、水と配合し、従来技術の公知の機器、条件および手法を用いて、ツインスクリュー押出し機でプロセスした。結果として生じた製品は、押出し加工したクリスプ化穀類であった。気が付いたことは、ロンググレイン米フラワーの一部を超微粉加工粗粒分で置換した場合は、香味、外観およびテクスチャーが良好なクリスプが生じたことであった。クリスプ化穀類は、即席穀物製品、穀物バー用途、およびスイートまたはキダチハッカスナックミックスで使用できる。
【実施例12】
【0090】
パスタ
各種の量の全粒小麦粉を用いて、2種類のパスタレシピを作った。パスタレシピ1は、フラワーの100%をデュラムセモリナとして用い、対照として考えた。パスタレシピ2は、デュラムセモリナの52%を超微粉加工全粒小麦粉で置換した。パスタ内の他の材料は、乾燥卵白および水であった。使用された各材料の量は、図15に示してある。
【0091】
乾燥材料を混合して、乾燥材料混合物を形成した。乾燥材料の28〜32%の量の温水(36〜40°C)を高速ミキサーの乾燥材料混合物に混合してドウを形成した。ドウは、エルボマカロニ形に押し出し、約4時間の間、78°Cで乾燥した。
【0092】
気が付いたことは、デュラムセモリナの52%を超微粉加工全粒小麦粉で置換した場合は、テクスチャー、香味、外観が良好なパスタが生じたことであった。51%の超微粉加工全粒小麦粉を含むパスタは、異なる量の全粒小麦粉でつくった小売のパスタにより似ているゴールデンブラウン色を有していたが、hadaデュラムセモリナまたは精白小麦粉で作ったパスタにより似ている滑らかでざらざらしていないテクスチャーを有していた。
【実施例13】
【0093】
パスタ
超微粉加工粗粒分によるパスタ
各種の量の超微粉加工粗粒分を用いて、2種類のパスタレシピを作った。パスタレシピ3は、フラワーの100%をデュラムセモリナとして使用し、対照として考えた。パスタレシピ2は、デュラムセモリナの24%を超微粉加工粗粒分で置換した。パスタ内の他の材料は、乾燥卵白および水であった。使用された各材料の量は、図15に示してある。
【0094】
乾燥材料を混合して、良く配合されるまで混合した。27.5部の水を72.5部の乾燥材料のブレンドに配合して、ドウを形成した。ドウは、ベンチトップ型パスタ機を通して、フェットチーニ形に押し出した。できたてのパスタを、沸騰水で、ゆで上がるまでゆでた。
【0095】
観察されたことは、超微粉加工粗粒分を含むレシピ4は、香味、テクスチャーおよび外観が良好で、レシピ3のパスタに比べて色がやや濃かったことであった。
【0096】
以上、超微粉加工全粒粉およびその製品、並びに、超微粉加工粗粒分およびその製品を作る方法を示し、かつ、記述し、それらが、それらに求められる全ての目的および利点を成就しているのを明らかにした。しかしながら、該方法および製品に対しては、多くの変更、バリエーション、修正、および他の利用法および用途が可能であることは、当業者には明らかであり、かつまた、本発明の主旨および範囲を逸脱しないそのような変更、バリエーション、修正、および他の利用法および用途は、本発明によってカバーされると見なされ、本発明は、以下に続くクレームによってのみ限定されるものとする。
【0097】
引用文献
この特許出願の先行する文または下記の引用文献リストにおいて、本明細書に記載の細部を補足する例示的細部、手続き的細部、または他の細部が得られる程度に、引用された引用文献はすべて、各個別の出版物または特許出願が、あたかも、特定的かつ個別的に、引用によって組み込まれていることが表示されているかのように、引用によって同程度にまで特定的に組み込まれている。
Agricultural Research, "Back to the Old Grind-er," page 21, May 2000.
【0098】
Marquart, Len, Gary Fulcherand Joanne Slavin, "Whole Grains and Health(Past, Present and Future," Technical Bulletin, Volume XXV, Issue 2, February 2003
[000115] USDA/USDHHS. Healthy People 2010: Objectives for improving health. U.S. Department of Agriculture/U.S. Department of Health and Human Services, Office of Disease Prevention and Health Promotion. U.S. Government Printing Office, Washington, DC. 2001. http://www.health.gov/healthypeople/.
【0099】
Agricultural Research, "Back to the Old Grinder," page 21, May 2000#USDA/USDHHS "2005 Dietary Guidelines Advisory Committee Report."
http://www.health.gov/dietaryguidelines/dga2005/report/.
【0100】
Wu, X., Beecher, G.R., Holden, J.M., Haytowitz, D.B., Gebhardt, S.E., and Prior, R.L., "Lipophilic and Hydrophilic AntioxidiantCapacities of Common Foods in the United States." J. Agric. Food Chem. 2004, 52: 4026-4037.
【特許請求の範囲】
【請求項1】
精選されかつ調整された小麦穀粒から製粉された粗粒を作り出すための連続粒グレイン製粉プロセスであって、
前記小麦穀粒を、内胚乳を含む細粒とふすま及び胚芽を含む粗粒とに製粉することと、
前記粗粒から細粒を分離することと、
前記粗粒をギャップミルで別々に製粉して製粉された粗粒を形成することと、
を備え、
前記製粉された粗粒は、それが製粉される前に粗粒内にある全てのふすま及び胚芽を実質的に含み、
前記製粉された粗粒は、前記製粉された粗粒の少なくとも98%が212μm以下となるように小さな粒のサイズの分布を有することを特徴とする連続粒グレイン製粉プロセス。
【請求項2】
前記製粉された粗粒は、前記精選されかつ調整された小麦穀粒内のふすま及び胚芽の少なくとも97%を含むことを特徴とする請求項1記載のプロセス。
【請求項3】
前記細粒を製粉して製粉された細粒を形成することと、
前記製粉された粗粒の部分を前記製粉された細粒の部分と組み合わせて全粒粉の小麦粉を形成することと、
を備え、
前記全粒粉の小麦粉は、前記全粒粉の小麦粉の少なくとも98%が212μm以下となるように小さなサイズの粒の分布を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記全粒粉の小麦粉は、前記精選されかつ調整された小麦穀粒と比べて、水分以外で、自然成分の実質的に同一の割合を含むことを特徴とする請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記全粒粉の小麦粉は、水分以外で前記精選されかつ調整された小麦穀粒の少なくとも97%を含むことを特徴とする請求項3又は請求項4記載のプロセス。
【請求項6】
前記全粒粉の小麦粉の少なくとも98%は、150μm以下の小さな粒のサイズを有することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記製粉された粗粒の少なくとも96%は、150μm以下の小さな粒のサイズを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記ギャップミルは、円錐形ロータを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記ギャップミルは、空気摩擦ギャップミルであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記空気摩擦ギャップミルは、前記円錐形ロータと条溝付きのじゃま板との間の調整可能な砕くためのギャップを含むことを特徴とする請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
前記粗粒は、チップスピードが115M/Sから130M/Sで駆動する円錐形ロータを有する空気摩擦ギャップミル内で製粉されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項12】
(a)請求項1〜11のいずれか1項に従って得られた小麦の製粉された粗粒の量を得ることと、
前記製粉された粗粒の量の少なくとも一部を追加の成分とミキシングして、前記製粉された粗粒を含む食べられる製品を生成することと、
を有する請求項1〜11のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記粗粒をミキシングすることは、前記粗粒のより大きい粒を分離することと前記ギャップミルを通してそれをリサイクリングすることとを含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項14】
全粒粉の小麦穀粒から製粉された粗粒であって、
ふすま及び胚芽と、
前記粗粒の少なくとも98%が212μm以下となるための小さな粒のサイズの分布と、
全粒粉の小麦穀粒内の前記ふすま及び胚芽の実質的に全てと、
を備えた粗粒。
【請求項15】
前記粗粒は、前記全粒粉の小麦穀粒内のふすま及び胚芽の少なくとも97%を含むことを特徴とする請求項14に記載の粗粒。
【請求項16】
前記粗粒の少なくとも96%は、150μm以下の小さな粒のサイズを有することを特徴とする請求項14又は請求項15記載に粗粒。
【請求項17】
請求項14〜16のいずれか1項の粗粒と、内胚乳である細粒と、を含む全粒粉の小麦粉であって、
前記全粒粉の小麦粉は、前記全粒粉の小麦粉の少なくとも98%が212μm以下となるための小さな粒のサイズの分布を有することを特徴とする全粒粉の小麦粉。
【請求項18】
前記全粒粉の小麦粉の少なくとも98%は、150μm以下の小さなサイズを有することを特徴とする請求項17に記載の全粒粉の小麦。
【請求項19】
前記全粒粉の小麦粉は、全粒粉の小麦各量に比較して水分以外で自然成分の実質的に同一の割合を含むことを特徴とする請求項17又は請求項18に記載の全粒粉の小麦。
【請求項1】
精選されかつ調整された小麦穀粒から製粉された粗粒を作り出すための連続粒グレイン製粉プロセスであって、
前記小麦穀粒を、内胚乳を含む細粒とふすま及び胚芽を含む粗粒とに製粉することと、
前記粗粒から細粒を分離することと、
前記粗粒をギャップミルで別々に製粉して製粉された粗粒を形成することと、
を備え、
前記製粉された粗粒は、それが製粉される前に粗粒内にある全てのふすま及び胚芽を実質的に含み、
前記製粉された粗粒は、前記製粉された粗粒の少なくとも98%が212μm以下となるように小さな粒のサイズの分布を有することを特徴とする連続粒グレイン製粉プロセス。
【請求項2】
前記製粉された粗粒は、前記精選されかつ調整された小麦穀粒内のふすま及び胚芽の少なくとも97%を含むことを特徴とする請求項1記載のプロセス。
【請求項3】
前記細粒を製粉して製粉された細粒を形成することと、
前記製粉された粗粒の部分を前記製粉された細粒の部分と組み合わせて全粒粉の小麦粉を形成することと、
を備え、
前記全粒粉の小麦粉は、前記全粒粉の小麦粉の少なくとも98%が212μm以下となるように小さなサイズの粒の分布を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記全粒粉の小麦粉は、前記精選されかつ調整された小麦穀粒と比べて、水分以外で、自然成分の実質的に同一の割合を含むことを特徴とする請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記全粒粉の小麦粉は、水分以外で前記精選されかつ調整された小麦穀粒の少なくとも97%を含むことを特徴とする請求項3又は請求項4記載のプロセス。
【請求項6】
前記全粒粉の小麦粉の少なくとも98%は、150μm以下の小さな粒のサイズを有することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記製粉された粗粒の少なくとも96%は、150μm以下の小さな粒のサイズを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記ギャップミルは、円錐形ロータを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記ギャップミルは、空気摩擦ギャップミルであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記空気摩擦ギャップミルは、前記円錐形ロータと条溝付きのじゃま板との間の調整可能な砕くためのギャップを含むことを特徴とする請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
前記粗粒は、チップスピードが115M/Sから130M/Sで駆動する円錐形ロータを有する空気摩擦ギャップミル内で製粉されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項12】
(a)請求項1〜11のいずれか1項に従って得られた小麦の製粉された粗粒の量を得ることと、
前記製粉された粗粒の量の少なくとも一部を追加の成分とミキシングして、前記製粉された粗粒を含む食べられる製品を生成することと、
を有する請求項1〜11のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記粗粒をミキシングすることは、前記粗粒のより大きい粒を分離することと前記ギャップミルを通してそれをリサイクリングすることとを含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項14】
全粒粉の小麦穀粒から製粉された粗粒であって、
ふすま及び胚芽と、
前記粗粒の少なくとも98%が212μm以下となるための小さな粒のサイズの分布と、
全粒粉の小麦穀粒内の前記ふすま及び胚芽の実質的に全てと、
を備えた粗粒。
【請求項15】
前記粗粒は、前記全粒粉の小麦穀粒内のふすま及び胚芽の少なくとも97%を含むことを特徴とする請求項14に記載の粗粒。
【請求項16】
前記粗粒の少なくとも96%は、150μm以下の小さな粒のサイズを有することを特徴とする請求項14又は請求項15記載に粗粒。
【請求項17】
請求項14〜16のいずれか1項の粗粒と、内胚乳である細粒と、を含む全粒粉の小麦粉であって、
前記全粒粉の小麦粉は、前記全粒粉の小麦粉の少なくとも98%が212μm以下となるための小さな粒のサイズの分布を有することを特徴とする全粒粉の小麦粉。
【請求項18】
前記全粒粉の小麦粉の少なくとも98%は、150μm以下の小さなサイズを有することを特徴とする請求項17に記載の全粒粉の小麦。
【請求項19】
前記全粒粉の小麦粉は、全粒粉の小麦各量に比較して水分以外で自然成分の実質的に同一の割合を含むことを特徴とする請求項17又は請求項18に記載の全粒粉の小麦。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−85663(P2012−85663A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−25944(P2012−25944)
【出願日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【分割の表示】特願2006−545458(P2006−545458)の分割
【原出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【出願人】(509323107)コナグラ フーズ フード イングリーディエンツ カンパニー インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【分割の表示】特願2006−545458(P2006−545458)の分割
【原出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【出願人】(509323107)コナグラ フーズ フード イングリーディエンツ カンパニー インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
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