連続鋳造機のガイドロールセグメント
【課題】連続鋳造機の多点曲げ矯正域にある隣り合うガイドロールセグメントにおいて、上下のフレーム及び上下のガイドロールを共有化してガイドロールセグメントの保有台数を減少させることができるガイドロールセグメントを提供する。
【解決手段】上下一対のフレーム１，３及び上下一対のガイドロール２を備えた、連続鋳造機の多点曲げ矯正域にある隣り合うガイドロールセグメントXSEG1,YSEGのガイドロールセグメントにおいて、隣り合うガイドロールセグメント間で互いに共用する、ひとつの上下一対のフレーム１，３及びひとつの上下一対のガイドロール２と、水平方向のガイドロール間の距離及び垂直方向のガイドロール高さを調整するためにそれぞれのフレーム１，３とガイドロール軸受を支持するチョックの間に配置されたガイドロール位置調整用スペーサー５〜８を備えている。
【解決手段】上下一対のフレーム１，３及び上下一対のガイドロール２を備えた、連続鋳造機の多点曲げ矯正域にある隣り合うガイドロールセグメントXSEG1,YSEGのガイドロールセグメントにおいて、隣り合うガイドロールセグメント間で互いに共用する、ひとつの上下一対のフレーム１，３及びひとつの上下一対のガイドロール２と、水平方向のガイドロール間の距離及び垂直方向のガイドロール高さを調整するためにそれぞれのフレーム１，３とガイドロール軸受を支持するチョックの間に配置されたガイドロール位置調整用スペーサー５〜８を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、連続鋳造機において、フレーム及びガイドロールを共有化したガイドロールセグメンに関する。
【背景技術】
【０００２】
連続鋳造機においては、溶鋼をモールドに注湯し、モールド下方に鋳片をガイドして下方に引き抜く複数のガイドロールが組み込まれたガイドロールセグメントが鋳片の引き抜き方向に並べられている。
【０００３】
図４は連続鋳造機の全体の概略図である。図４において、溶鋼１をタンディッシュから浸漬ノズルを介して、鋳型Ｍに注入し、この鋳型で冷却して凝固させながら得られた鋳片１２を、鋳型の下部に配置した複数のサポートロールＳＲとこの下方に接続された複数のガイドロール１３からなる複数のガイドロールセグメントで構成された鋳片支持構造を介して湾曲支持しながら搬出する構造を有している。複数のガイドロールセグメントにより形成する湾曲部の多点曲げ矯正域の鋳造半径は、湾曲部終端のロールセグメントでは漸次鋳造半径（Ｒ１〜Ｒ８）を大きくして水平部につなげている（特許文献１参照）。
【０００４】
ガイドロールセグメントは、上フレームと下フレームのそれぞれに、複数本のガイドロールがチョックを介して所定間隔で軸支されている。
【０００５】
ガイドロールセグメントは、高温の鋳片、冷却水、蒸気およびスケールなどの存在する苛酷な状態におかれているので、交換が必要な場合は、ガイドロールセグメント単位の出し入れによって行われる。また、通常、ガイドロールセグメントは数カ月毎に、摩耗ロールの交換、軸受及びシールの交換、他部品の点検などのメンテナンスのために予備のガイドロールセグメントと交換する必要がある。
【０００６】
図５に示すように、ガイドロールセグメントはそれぞれに交換用のガイドロールセグメントが用意されている。図５（ａ）に示すオンライン状態において、連続鋳造機の多点曲げ矯正域におけるＸ番目のガイドロールセグメントXSEGとこれと隣り合うＹ番目のガイドロールセグメントYSEGは、それぞれ上フレーム１４（１７）と上ガイドロール１５、下フレーム１６（１８）と下ガイドロール１５で構成される。
【０００７】
図５（ｂ）において、Ｘ番目及びＹ番目のガイドロールセグメントは、それぞれと同一の交換用の予備のガイドロールセグメントを保有している。ガイドロールセグメントのそれぞれが予備のガイドロールセグメントを保有している理由は、多点曲げ矯正域にある隣り合うガイドロールセグメントにおいては、曲げ矯正域の円弧半径が異なり、ガイドロール間の円弧長が等しい隣り合うガイドロールの水平距離および高さがそれぞれ異なっているため、各ガイドロールセグメントを独立した別々のガイドロールセグメントとして扱っているので、予備のガイドロールセグメントも各々保有する必要があるためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００８】
【特許文献１】特開２００３−０２５０５２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
しかしながら、従来のガイドロールセグメントは、各ガイドロールセグメントがそれぞれ予備のガイドロールセグメントを保有することにより、予備のガイドロールセグメントの保有台数が多くなり、そのためコストも高くなり、また、メンテナンス場のスペースを確保しなくてはならないという問題がある。
【００１０】
そこで、本発明は、連続鋳造機の多点曲げ矯正域にある隣り合うガイドロールセグメントにおいて、上下のフレーム及び上下のガイドロールを共有化してガイドロールセグメントの保有台数を減少させることができるガイドロールセグメントを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明は、上下一対のフレーム及び上下一対のガイドロールを備えた、連続鋳造機の多点曲げ矯正域にある隣り合うガイドロールセグメントにおいて、隣り合うガイドロールセグメント間で互いに共用する、ひとつの上下一対のフレーム及びひとつの上下一対のガイドロールと、水平方向のガイドロール間の距離及びガイドロールの垂直方向のガイドロール高さを調整するためにそれぞれのフレームとガイドロールを支持するチョックの間に配置されたガイドロール位置調整用スペーサーを備えたことを特徴とする。
【００１２】
前記構成において、ガイドロール位置調整用スペーサーを重ねて厚みを変えてガイドロール高さが調整され、また、複数のガイドロール位置調整用スペーサー表面及び／又は裏面に凸部が形成されるとともに、前記凸部に対向する面に前記凸部が嵌合する凹部が形成され、前記凸部と前記凹部の位置により水平方向の位置が調整されることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１３】
本発明により、ガイドロール間水平距離およびガイドロール高さが異なる、多点曲げ矯正域にある隣り合うガイドロールセグメントにおいて、チョックとフレームの間にガイドロール位置調整用スペーサーを設置することにより隣り合うガイドロールセグメントの上下フレームの共有化を図ることができるので、ガイドロールセグメント保有台数を減らすことが可能となる。
【００１４】
本発明の上下のフレーム及び上下のガイドロールを互いに共有する予備のガイドロールセグメントは、メンテナンスの時期をずらすことにより、取り出したガイドロールセグメントを補修して交互に交換することが可能となり、予備のガイドロールセグメントの数量を減少させることが可能となる。
【００１５】
また、ガイドロールセグメント保有台数の減少により、メンテナンス場のスペース確保が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】本発明のガイドロールセグメントにおける上下フレームと上下ロールの共有化についての説明図である。
【図２】本発明のガイドロールセグメントの実施例１を示し、（ａ）は６番目のガイドセグメント、（ｂ）は６番目のガイドロールセグメントと隣り合う７番目のガイドロールセグメント、（ｃ）は軸受箱に支持されたガイドロール、（ｄ）はロール位置調整用スペーサーを示す図である。
【図３】ガイドロールの配置の説明図である。
【図４】連続鋳造機の概略図である。
【図５】従来の予備ガイドロールセグメントの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００１７】
図１（ａ）において、連続鋳造機の多点曲げ矯正域におけるＸ番目のガイドロールセグメント（XSEG）とこれと隣り合うＹ番目のガイドロールセグメント（YSEG）は、上側がそれぞれ同じサイズの上フレーム１と直径が同一の上ガイドロール２で構成され、下側が同じサイズの下フレーム３と直径が同一の下ガイドロール２で構成される。図１ではガイドロール２は、８個／セグメントであり、ロールチョック９（図２）の軸受に支持され、ロールチョック９は上側及び下側でそれぞれ同一サイズである。
【００１８】
ロールチョック９とフレーム１の間にはガイドロール位置調整用スペーサー５，６、７，８を設置し、多点曲げ矯正域の鋳造半径に応じて水平方向のガイドロール間の距離、垂直方向のガイドロール高さが調整されている。
【００１９】
図１（ｂ）において、隣り合うＸ番目及びＹ番目のガイドロールセグメントのための予備のガイドロールセグメントは、Ｘ番目及びＹ番目のガイドロールセグメントの上フレーム１と上ガイドロール２を互いに共有するとともに、Ｘ番目及びＹ番目のガイドロールセグメントの下フレーム３と下ガイドロール２を互いに共有する。Ｘ番目又はＹ番目のガイドロールセグメントの組み立ての際に、ガイドロール間の水平距離及びガイドロール高さがロール位置調整用スペーサー５，６，７，８で調整される。
【００２０】
その結果、従来の隣り合う２台のガイドロールセグメントがそれぞれ予備のガイドロールセグメントを保有する場合に比べて、本発明では、共有する上下のフレーム１，３、共有する上下のガイドロール２を用意しておけばよいので、表１に示すように従来に比べてフレーム、ロール、ロールを支持するチョックの数量を減らすことが可能となる。
【００２１】
【表１】
【実施例１】
【００２２】
本実施例は、図４において多点曲げ矯正域における６番目のガイドロールセグメント（６SEG）とこれと隣り合う７番目のガイドロールセグメント（７SEG）で、ガイドロールがセグメント当たり上下で計８個の例である。
【００２３】
図２（ａ）に示す６番目のガイドロールセグメントと、図２（ｂ）に示す７番目のガイドロールセグメントは、それぞれ上フレーム１，１と上ガイドロール２，２、下フレーム３，３と下ガイドロール２で構成される。両セグメントの上フレーム１，１は同一サイズであり、ガイドロール２，２は同一直径である。
【００２４】
ガイドロール２は、図２（ｃ）に示すように、フレーム１，３に固定されたロールチョック９のロール軸受に支持される。フレーム１，３とロールチョック９の間にはガイドロール位置調整用スペーサー５〜８を設置する。
【００２５】
鋳片の品質を確保するため、ガイドロール位置調整用スペーサー５〜８によりガイドロール２の水平方向及び垂直方向の調整を行って、６番目及び７番目のガイドロールセグメントにおけるすべてのガイドロール（上８個、下８個）間の円弧長ｍを同一長とする。
水平方向の調整は、６番目ガイドロールセグメントを基本にするので、６番目ガイドロールセグメントでは水平方向の移動はせず、７番目ガイドロールセグメントに配置する複数のガイドロール位置調整用スペーサー７，８の凸部、または凸部が勘合する凹部の水平位置を変え、ガイドロール２を水平方向に移動させる。
【００２６】
垂直方向の調整は、６番目及び７番目のガイドロールセグメントに配置する各々のガイドロール位置調整用スペーサー５〜８の厚みを変えて高さを調整する。
【符号の説明】
【００２７】
１：上フレーム ２：上ガイドロール、下ガイドロール
３：下フレーム
５：ロール位置調整用スペーサー ６：ロール位置調整用スペーサー
７：ロール位置調整用スペーサー ８：ロール位置調整用スペーサー
９：ロールチョック １１：凸部
1２：鋳片 １３：ガイドロール
１４：上フレーム １５：上ロール
１６：下フレーム
１７：下ガイドロール
【技術分野】
【０００１】
本発明は、連続鋳造機において、フレーム及びガイドロールを共有化したガイドロールセグメンに関する。
【背景技術】
【０００２】
連続鋳造機においては、溶鋼をモールドに注湯し、モールド下方に鋳片をガイドして下方に引き抜く複数のガイドロールが組み込まれたガイドロールセグメントが鋳片の引き抜き方向に並べられている。
【０００３】
図４は連続鋳造機の全体の概略図である。図４において、溶鋼１をタンディッシュから浸漬ノズルを介して、鋳型Ｍに注入し、この鋳型で冷却して凝固させながら得られた鋳片１２を、鋳型の下部に配置した複数のサポートロールＳＲとこの下方に接続された複数のガイドロール１３からなる複数のガイドロールセグメントで構成された鋳片支持構造を介して湾曲支持しながら搬出する構造を有している。複数のガイドロールセグメントにより形成する湾曲部の多点曲げ矯正域の鋳造半径は、湾曲部終端のロールセグメントでは漸次鋳造半径（Ｒ１〜Ｒ８）を大きくして水平部につなげている（特許文献１参照）。
【０００４】
ガイドロールセグメントは、上フレームと下フレームのそれぞれに、複数本のガイドロールがチョックを介して所定間隔で軸支されている。
【０００５】
ガイドロールセグメントは、高温の鋳片、冷却水、蒸気およびスケールなどの存在する苛酷な状態におかれているので、交換が必要な場合は、ガイドロールセグメント単位の出し入れによって行われる。また、通常、ガイドロールセグメントは数カ月毎に、摩耗ロールの交換、軸受及びシールの交換、他部品の点検などのメンテナンスのために予備のガイドロールセグメントと交換する必要がある。
【０００６】
図５に示すように、ガイドロールセグメントはそれぞれに交換用のガイドロールセグメントが用意されている。図５（ａ）に示すオンライン状態において、連続鋳造機の多点曲げ矯正域におけるＸ番目のガイドロールセグメントXSEGとこれと隣り合うＹ番目のガイドロールセグメントYSEGは、それぞれ上フレーム１４（１７）と上ガイドロール１５、下フレーム１６（１８）と下ガイドロール１５で構成される。
【０００７】
図５（ｂ）において、Ｘ番目及びＹ番目のガイドロールセグメントは、それぞれと同一の交換用の予備のガイドロールセグメントを保有している。ガイドロールセグメントのそれぞれが予備のガイドロールセグメントを保有している理由は、多点曲げ矯正域にある隣り合うガイドロールセグメントにおいては、曲げ矯正域の円弧半径が異なり、ガイドロール間の円弧長が等しい隣り合うガイドロールの水平距離および高さがそれぞれ異なっているため、各ガイドロールセグメントを独立した別々のガイドロールセグメントとして扱っているので、予備のガイドロールセグメントも各々保有する必要があるためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００８】
【特許文献１】特開２００３−０２５０５２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
しかしながら、従来のガイドロールセグメントは、各ガイドロールセグメントがそれぞれ予備のガイドロールセグメントを保有することにより、予備のガイドロールセグメントの保有台数が多くなり、そのためコストも高くなり、また、メンテナンス場のスペースを確保しなくてはならないという問題がある。
【００１０】
そこで、本発明は、連続鋳造機の多点曲げ矯正域にある隣り合うガイドロールセグメントにおいて、上下のフレーム及び上下のガイドロールを共有化してガイドロールセグメントの保有台数を減少させることができるガイドロールセグメントを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明は、上下一対のフレーム及び上下一対のガイドロールを備えた、連続鋳造機の多点曲げ矯正域にある隣り合うガイドロールセグメントにおいて、隣り合うガイドロールセグメント間で互いに共用する、ひとつの上下一対のフレーム及びひとつの上下一対のガイドロールと、水平方向のガイドロール間の距離及びガイドロールの垂直方向のガイドロール高さを調整するためにそれぞれのフレームとガイドロールを支持するチョックの間に配置されたガイドロール位置調整用スペーサーを備えたことを特徴とする。
【００１２】
前記構成において、ガイドロール位置調整用スペーサーを重ねて厚みを変えてガイドロール高さが調整され、また、複数のガイドロール位置調整用スペーサー表面及び／又は裏面に凸部が形成されるとともに、前記凸部に対向する面に前記凸部が嵌合する凹部が形成され、前記凸部と前記凹部の位置により水平方向の位置が調整されることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１３】
本発明により、ガイドロール間水平距離およびガイドロール高さが異なる、多点曲げ矯正域にある隣り合うガイドロールセグメントにおいて、チョックとフレームの間にガイドロール位置調整用スペーサーを設置することにより隣り合うガイドロールセグメントの上下フレームの共有化を図ることができるので、ガイドロールセグメント保有台数を減らすことが可能となる。
【００１４】
本発明の上下のフレーム及び上下のガイドロールを互いに共有する予備のガイドロールセグメントは、メンテナンスの時期をずらすことにより、取り出したガイドロールセグメントを補修して交互に交換することが可能となり、予備のガイドロールセグメントの数量を減少させることが可能となる。
【００１５】
また、ガイドロールセグメント保有台数の減少により、メンテナンス場のスペース確保が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】本発明のガイドロールセグメントにおける上下フレームと上下ロールの共有化についての説明図である。
【図２】本発明のガイドロールセグメントの実施例１を示し、（ａ）は６番目のガイドセグメント、（ｂ）は６番目のガイドロールセグメントと隣り合う７番目のガイドロールセグメント、（ｃ）は軸受箱に支持されたガイドロール、（ｄ）はロール位置調整用スペーサーを示す図である。
【図３】ガイドロールの配置の説明図である。
【図４】連続鋳造機の概略図である。
【図５】従来の予備ガイドロールセグメントの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００１７】
図１（ａ）において、連続鋳造機の多点曲げ矯正域におけるＸ番目のガイドロールセグメント（XSEG）とこれと隣り合うＹ番目のガイドロールセグメント（YSEG）は、上側がそれぞれ同じサイズの上フレーム１と直径が同一の上ガイドロール２で構成され、下側が同じサイズの下フレーム３と直径が同一の下ガイドロール２で構成される。図１ではガイドロール２は、８個／セグメントであり、ロールチョック９（図２）の軸受に支持され、ロールチョック９は上側及び下側でそれぞれ同一サイズである。
【００１８】
ロールチョック９とフレーム１の間にはガイドロール位置調整用スペーサー５，６、７，８を設置し、多点曲げ矯正域の鋳造半径に応じて水平方向のガイドロール間の距離、垂直方向のガイドロール高さが調整されている。
【００１９】
図１（ｂ）において、隣り合うＸ番目及びＹ番目のガイドロールセグメントのための予備のガイドロールセグメントは、Ｘ番目及びＹ番目のガイドロールセグメントの上フレーム１と上ガイドロール２を互いに共有するとともに、Ｘ番目及びＹ番目のガイドロールセグメントの下フレーム３と下ガイドロール２を互いに共有する。Ｘ番目又はＹ番目のガイドロールセグメントの組み立ての際に、ガイドロール間の水平距離及びガイドロール高さがロール位置調整用スペーサー５，６，７，８で調整される。
【００２０】
その結果、従来の隣り合う２台のガイドロールセグメントがそれぞれ予備のガイドロールセグメントを保有する場合に比べて、本発明では、共有する上下のフレーム１，３、共有する上下のガイドロール２を用意しておけばよいので、表１に示すように従来に比べてフレーム、ロール、ロールを支持するチョックの数量を減らすことが可能となる。
【００２１】
【表１】
【実施例１】
【００２２】
本実施例は、図４において多点曲げ矯正域における６番目のガイドロールセグメント（６SEG）とこれと隣り合う７番目のガイドロールセグメント（７SEG）で、ガイドロールがセグメント当たり上下で計８個の例である。
【００２３】
図２（ａ）に示す６番目のガイドロールセグメントと、図２（ｂ）に示す７番目のガイドロールセグメントは、それぞれ上フレーム１，１と上ガイドロール２，２、下フレーム３，３と下ガイドロール２で構成される。両セグメントの上フレーム１，１は同一サイズであり、ガイドロール２，２は同一直径である。
【００２４】
ガイドロール２は、図２（ｃ）に示すように、フレーム１，３に固定されたロールチョック９のロール軸受に支持される。フレーム１，３とロールチョック９の間にはガイドロール位置調整用スペーサー５〜８を設置する。
【００２５】
鋳片の品質を確保するため、ガイドロール位置調整用スペーサー５〜８によりガイドロール２の水平方向及び垂直方向の調整を行って、６番目及び７番目のガイドロールセグメントにおけるすべてのガイドロール（上８個、下８個）間の円弧長ｍを同一長とする。
水平方向の調整は、６番目ガイドロールセグメントを基本にするので、６番目ガイドロールセグメントでは水平方向の移動はせず、７番目ガイドロールセグメントに配置する複数のガイドロール位置調整用スペーサー７，８の凸部、または凸部が勘合する凹部の水平位置を変え、ガイドロール２を水平方向に移動させる。
【００２６】
垂直方向の調整は、６番目及び７番目のガイドロールセグメントに配置する各々のガイドロール位置調整用スペーサー５〜８の厚みを変えて高さを調整する。
【符号の説明】
【００２７】
１：上フレーム ２：上ガイドロール、下ガイドロール
３：下フレーム
５：ロール位置調整用スペーサー ６：ロール位置調整用スペーサー
７：ロール位置調整用スペーサー ８：ロール位置調整用スペーサー
９：ロールチョック １１：凸部
1２：鋳片 １３：ガイドロール
１４：上フレーム １５：上ロール
１６：下フレーム
１７：下ガイドロール
【特許請求の範囲】
【請求項１】
上下一対のフレーム及び上下一対のガイドロールを備えた、連続鋳造機の多点曲げ矯正域にある隣り合うガイドロールセグメントにおいて、
隣り合うガイドロールセグメント間で互いに共用する、ひとつの上下一対のフレーム及びひとつの上下一対のガイドロールと、水平方向のガイドロール間の距離及びガイドロールの垂直方向のガイドロール高さを調整するためにそれぞれのフレームとガイドロールを支持するチョックの間に配置されたガイドロール位置調整用スペーサーを備えたことを特徴とする連続鋳造機のガイドロールセグメント。
【請求項２】
複数のガイドロール位置調整用スペーサーを重ねて厚みを変えてガイドロール高さが調整されることを特徴とする請求項１記載の連続鋳造機のガイドロールセグメント。
【請求項３】
ガイドロール位置調整用スペーサー表面及び／又は裏面に凸部が形成されるとともに、前記凸部に対向する面に前記凸部が嵌合する凹部が形成され、前記凸部と凹部の位置により水平方向の位置が調整されることを特徴とする請求項２記載の連続鋳造機のガイドロールセグメント。
【請求項１】
上下一対のフレーム及び上下一対のガイドロールを備えた、連続鋳造機の多点曲げ矯正域にある隣り合うガイドロールセグメントにおいて、
隣り合うガイドロールセグメント間で互いに共用する、ひとつの上下一対のフレーム及びひとつの上下一対のガイドロールと、水平方向のガイドロール間の距離及びガイドロールの垂直方向のガイドロール高さを調整するためにそれぞれのフレームとガイドロールを支持するチョックの間に配置されたガイドロール位置調整用スペーサーを備えたことを特徴とする連続鋳造機のガイドロールセグメント。
【請求項２】
複数のガイドロール位置調整用スペーサーを重ねて厚みを変えてガイドロール高さが調整されることを特徴とする請求項１記載の連続鋳造機のガイドロールセグメント。
【請求項３】
ガイドロール位置調整用スペーサー表面及び／又は裏面に凸部が形成されるとともに、前記凸部に対向する面に前記凸部が嵌合する凹部が形成され、前記凸部と凹部の位置により水平方向の位置が調整されることを特徴とする請求項２記載の連続鋳造機のガイドロールセグメント。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１１−１７７７５４（Ｐ２０１１−１７７７５４Ａ）
【公開日】平成２３年９月１５日（２０１１．９．１５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−４４４４７（Ｐ２０１０−４４４４７）
【出願日】平成２２年３月１日（２０１０．３．１）
【出願人】（３０６０２２５１３）新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【出願人】（３９００２２８７３）日鐵プラント設計株式会社 (275)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年９月１５日（２０１１．９．１５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年３月１日（２０１０．３．１）
【出願人】（３０６０２２５１３）新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【出願人】（３９００２２８７３）日鐵プラント設計株式会社 (275)
【Ｆターム（参考）】
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