進捗表示装置及び進捗管理システム
【課題】複数の作業手順の進捗状況を段階的に容易に把握することができる進捗表示装置及び進捗管理システムを提供する。
【解決手段】時間的順序に沿った複数の作業工程により完遂される特許案件の出願の進捗状況を表示するPC300であって、完遂すべき複数の作業工程の全工程に対応した全手順表示部310を表示させるための表示信号を表示部301に出力すると共に、複数の作業工程のうち現在までに完了した作業工程に対応した完了手順表示部320を、全手順表示部310と対比させて表示するための表示信号を表示部301に出力する制御回路303とを有する。
【解決手段】時間的順序に沿った複数の作業工程により完遂される特許案件の出願の進捗状況を表示するPC300であって、完遂すべき複数の作業工程の全工程に対応した全手順表示部310を表示させるための表示信号を表示部301に出力すると共に、複数の作業工程のうち現在までに完了した作業工程に対応した完了手順表示部320を、全手順表示部310と対比させて表示するための表示信号を表示部301に出力する制御回路303とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時間的順序に沿った複数の作業手順により完遂される事象の進捗状況を表示する進捗表示装置及びこれを備えた進捗管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えた無線タグ回路素子を有する小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが提唱されており、様々な分野において実用化されつつある。
【0003】
上記RFIDシステムの従来技術として、例えば特許文献1に記載のものがある。この従来技術では、書類に無線タグラベル(RFIDタグ)を取り付けるとともに、その無線タグラベルが有する無線タグ回路素子のタグ識別情報(タグ識別子)と書類情報とを関連付けてデータベースに格納する。さらに、ワークフローの領域近辺に複数のリーダ(センサ)が設けられており、これら各リーダの場所も事前にデータベースに登録されている。これにより、書類に取り付けられた無線タグラベルのタグ識別情報がリーダで読み取られると、そのタグ識別情報と書類情報、及び場所が対応付けられ、書類の場所が把握できるようになっている。このようにして、書類の物理的な動きを追跡可能としている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−152258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に業務の進行においては、複数の作業手順が並行して進捗する。したがって、業務を効果的に管理するには、複数の作業手順の進捗状況を一元管理する必要がある。このとき、上記従来技術のシステムでは、業務の進行に伴って作成される書類の物理的な動きを追跡することは可能であるが、その書類の動きにより作業手順が進捗しても、その進捗状況を段階的に容易に把握することができなかった。
【0006】
本発明の目的は、複数の作業手順の進捗状況を段階的に容易に把握することができる進捗表示装置及び進捗管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、時間的順序に沿った複数の作業手順により完遂される事象の進捗状況を表示する進捗表示装置であって、前記完遂すべき前記複数の作業手順の全手順に対応した全手順表示部を表示させるための表示信号を出力する全手順表示信号出力手段と、前記複数の作業手順のうち現在までに完了した作業手順に対応した完了手順表示部を、前記全手順表示部と対比させて表示するための表示信号を出力する完了手順表示信号出力手段とを有することを特徴とする。
【0008】
本願第1発明においては、時間的順序に沿った複数の作業手順により完遂される事象について、全手順表示信号出力手段からの表示信号に基づき、複数の作業手順の全手順に対応した全手順表示部の表示が実行される。また、完了手順表示信号出力手段からの表示信号に基づき、それら全手順のうち現在までに完了した手順に対応した完了手順表示部の表示が上記全手順表示部と対比させた形で実行される。これにより、それら複数の作業手順の進捗状況を一元管理することができるので、当該事象の進捗状況を段階的に容易に把握することができる。また進捗状況情報を容易に共有することも可能である。
【0009】
第2の発明は、上記第1発明において、前記完了手順表示部に表示される前記現在までに完了した作業手順のうち、予め定められた完了期限が既に到来したものを、それ以外の手順と異なる表示態様で表示するための表示制御信号を出力する期限管理用表示制御手段を有することを特徴とする。
【0010】
期限切れとなったものを他と異ならせて表示することにより、操作者に対して視覚的に明確に認識させ、確実に注意喚起をすることができる。
【0011】
第3の発明は、上記第1発明において、前記完了手順表示部に時間的順序に沿って表示される前記現在までに完了した作業手順のうち、作業者による実行が省略され次の手順へスキップされた手順を、それ以外の手順と異なる表示態様で表示するための表示制御信号を出力するスキップ用表示制御手段を有することを特徴とする。
【0012】
スキップされた手順を他の手順と異ならせて表示することにより、操作者に対してスキップされたことを視覚的に明確に認識させ、確実に注意喚起をすることができる。
【0013】
第4の発明は、上記第2又は第3発明において、前記完了手順表示信号出力手段は、無線タグより無線通信を介し取得された情報に基づき、対応する前記表示信号を出力することを特徴とする。
【0014】
本願第4発明においては、時間的順序に沿った複数の作業手順により完遂される事象について、全手順表示信号出力手段からの表示信号に基づき、複数の作業手順の全手順に対応した全手順表示部の表示が実行される。また、無線タグより無線通信を介し取得された情報に基づく完了手順表示信号出力手段からの表示信号により、それら全手順のうち現在までに完了した手順に対応した完了手順表示部の表示が上記全手順表示部と対比させた形で実行される。これにより、上記複数の作業手順に対応した情報を無線タグに記憶させておくことで、それら複数の作業手順の進捗状況を、無線タグに対する情報読み取りに基づいて表示させることが可能となる。この結果、当該事象の進捗状況を段階的に容易に把握することができ、また進捗状況情報を容易に共有することも可能となる。
【0015】
第5の発明は、上記第4発明において、前記完了手順表示信号出力手段は、前記複数の作業手順それぞれに対応して設けられた複数の前記無線タグとの情報通信結果に基づき、最後に通信を行った前記無線タグより取得された情報に対応した前記表示信号を出力することを特徴とする。
【0016】
複数の作業手順それぞれに対応した複数の無線タグを用意しておくことで、最後にどの無線タグから情報読み取りを行ったかによって、対応する作業手順が現在行われている最も新しい作業となることから、これに基づき進捗状況を表示させることができる。
【0017】
第6の発明は、上記第4又は第5発明において、前記完了手順表示信号出力手段は、複数の前記事象をそれぞれに対応した複数の前記完了手順表示部を一覧表示するための前記表示信号を出力することを特徴とする。
【0018】
これにより、複数の事象それぞれについて、複数の作業手順の進捗状況を一元管理し、各事象ごとの進捗状況を段階的に容易に把握することができる。
【0019】
第7の発明は、上記第6発明において、前記全手順表示信号出力手段又は前記完了手順表示信号出力手段は、前記複数の事象ごと又は前記複数の作業手順毎に、互いに異なる表示態様となるような前記全手順表示部又は前記完了手順表示部を表示するための表示信号を出力することを特徴とする。
【0020】
これにより、複数の事象のそれぞれについて、又は、複数の作業手順それぞれについて、互いに視覚的に明確に区別しつつ操作者に認識させることができる。
【0021】
第8の発明は、上記第4乃至第7発明のいずれかにおいて、前記全手順表示部又は前記完了手順表示部の表示のうち、操作者の選択指示入力に対応したものを抽出して選択的に表示するための表示制御信号を出力する抽出表示制御手段を有することを特徴とする。
【0022】
これにより、操作者の意図に応じた事象又は作業手順等を特にピックアップして余分な表示を除去した状態で表示できるので、利便性を向上することができる。
【0023】
上記目的を達成するために、第9の発明は、時間的順序に沿った複数の作業手順により完遂される特許出願の明細書作成の前記複数の作業手順に対応した無線タグより、無線通信を介し情報読み取りを行う読み取り装置と、前記読み取り装置で前記無線タグより無線通信を介し取得された情報に基づき、完遂すべき前記複数の作業手順の全手順に対応した全手順表示部と、前記複数の作業手順のうち現在までに完了した作業手順に対応した完了手順表示部とを、対比させて表示する進捗表示装置とを有することを特徴とする。
【0024】
本願第9発明においては、時間的順序に沿った複数の作業手順により完遂される特許出願の明細書作成のそれら複数の作業手順に対応して無線タグが用意されており、その無線タグに対し読み取り装置によって情報読み取りが行われる。そして、この読み取り装置で無線タグより無線通信を介し取得された情報に基づき、進捗表示装置において、複数の作業手順の全手順に対応した全手順表示部の表示と、それら全手順のうち現在までに完了した手順に対応した完了手順表示部の表示とが対比して行われる。これにより、明細書作成における複数の作業手順の進捗状況を、無線タグに対する情報読み取りを行うだけで表示させることができる。この結果、当該事象の進捗状況を段階的に容易に把握することができ、また進捗状況情報を容易に共有することも可能となる。
【0025】
第10の発明は、上記第9発明において、前記進捗表示装置は、前記複数の作業手順それぞれに対応して設けられた複数の前記無線タグとの前記読み取り装置による情報読み取り結果に基づき、最後に通信を行った前記無線タグより取得された情報に対応した表示を行うことを特徴とする。
【0026】
複数の作業手順それぞれに対応した複数の無線タグを用意しておくことで、読み取り装置によって最後にどの無線タグから情報読み取りが行われたかによって、対応する作業手順が最新の作業となる。したがって、この最後の無線タグからの読み取り結果に基づき、進捗状況を表示させることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、複数の作業手順の進捗状況を段階的に容易に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0029】
図1は、本実施形態のタグラベル作成装置を備えた特許進捗管理システムを表すシステム構成図である。
【0030】
図1に示すこの特許進捗管理システムPSは、無線タグ情報の送受信を行うためのタグ側アンテナ151及びこれに接続され無線タグ情報を記憶可能なIC回路部150により構成される無線タグ回路素子To(後述の図4参照)を有する無線タグラベルTを作成するタグラベル作成装置100と、このタグラベル作成装置100と有線あるいは無線による通信回線NWを介して接続されたサーバ200及びPC(Personal Computer)300と、このPC300に接続され、作成された上記無線タグラベルTと無線通信を行い無線タグ回路素子ToのIC回路部150から無線タグ情報の読み取りを行うリーダ400とを有している。上記PC300は、液晶ディスプレイ等の表示部301及びキーボードやマウス等の操作部302を有しており、後述する各作業手順を行う際に操作者が表示部301を介して情報を閲覧したり、操作部302を用いて情報の入力を行うことが可能である。なお、ここでは煩雑防止のためPC300を1台のみ図示しているが、実際には複数のPC300が通信回線NWに接続されており、各PC300の操作者がサーバ200及びタグラベル作成装置100を共有可能となっている。
【0031】
図2は、上記特許進捗管理システムPSのシステム構成を表すシステム構成図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0032】
上記サーバ200は、サーバ200全体の制御を行う制御回路201と、この制御回路201と上記タグラベル作成装置100やPC300との間で通信回線NWを介して行われるネットワーク通信を行うためのインターフェース202と、各特許案件の案件情報(発明の名称、代表発明者等)や進捗情報、これらと関連付けられた無線タグ回路素子ToのタグID(タグ識別情報)等の情報が格納されるデータベース203(ハードディスク等で構成される)とを有している。
【0033】
上記PC300(進捗表示装置)は、各種表示を行う上記表示部301と、操作者が各種操作入力を行うための上記操作部302と、上記リーダ400の高周波回路402と情報の入出力を行うと共に、PC300全体の制御を行う制御回路303と、この制御回路303と上記タグラベル作成装置100や上記サーバ200の制御回路201と通信回線NWを介して行われるネットワーク通信を行うためのインターフェース304とを有する。
【0034】
上記リーダ400(無線探索装置、読み取り装置)は、無線タグラベルTに備えられる無線タグ回路素子Toのタグ側アンテナ151との間で無線通信により信号の授受を行うアンテナ401と、このアンテナ401を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150へ無線通信によりアクセスし、その無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理する上記高周波回路402とを有している。このリーダ400は操作者が手に携帯しやすい大きさとなっており、PC300と接続された状態で所定の範囲内において操作者が携帯して移動することが可能なように構成されている。
【0035】
なお、上記PC300とリーダ400とが、特許請求の範囲各項記載の進捗管理システムを構成する。
【0036】
図3は、上記タグラベル作成装置100の詳細構成を表す構成図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0037】
タグラベル作成装置100は、所定間隔で無線タグ回路素子Toが備えられたタグテープ103(タグ媒体)を巻回したタグテープロール104(本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示している)を着脱可能な(又はタグテープロール104を備えたカートリッジを着脱可能な)タグテープロールホルダ部110と、このタグテープロール104から繰り出されたタグテープ103のうち上記無線タグ回路素子Toに対応した領域に所定の印字を行う印字ヘッド105(印字手段)と、無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行うアンテナ106と、高周波回路101及び制御回路102と、上記サーバ200及びPC300との間で通信回線NWを介して行われるネットワーク通信を行うためのインターフェース108と、タグテープ103への印字及び無線タグ回路素子Toへの上記情報書き込みが終了したタグテープ103を所定の長さに切断して無線タグラベルTとするカッタ107と、印字ヘッド105に対向して設けられ、制御回路102により制御されてタグテープ103を搬送する搬送装置109(搬送手段)とを有する。
【0038】
高周波回路101及び制御回路102は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150へのアクセス情報を生成し、アンテナ106を介して無線タグ回路素子Toへ送信し、無線タグ回路素子ToのIC回路部150へ情報書き込みを行う。なお、上記高周波回路101及びアンテナ106が、特許請求の範囲各項記載の無線タグ回路素子に無線通信によるアクセスを行うタグアクセス手段を構成する。
【0039】
なお、上記タグラベル作成装置の制御回路102、サーバ200の制御回路201、及びPC300の制御回路303及びは、特に図示はしないが、いわゆるマイクロコンピュータであり、中央演算処理装置であるCPU、ROM、RAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って所定の処理手順を行うようになっている。
【0040】
図4は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0041】
この図4において、無線タグ回路素子Toは、装置側アンテナ(無線タグラベル作成装置100のアンテナ106やリーダ400のアンテナ401)と無線通信により非接触で信号の送受信を行う上記タグ側アンテナ151と、このタグ側アンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
【0042】
IC回路部150は、タグ側アンテナ151により受信された質問波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部154と、上記タグ側アンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部157と、上記タグ側アンテナ151に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
【0043】
変復調部158は、タグ側アンテナ151により受信された上記装置側アンテナからの通信信号の復調を行い、また、上記制御部155からの返信信号を変調し、タグ側アンテナ151より応答波として送信する。
【0044】
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0045】
クロック抽出部156は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部155にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の周波数に対応したクロックを制御部155に供給する。
【0046】
図5は、上記サーバ200の制御回路201によって行われる制御手順を表すフローチャートである。
【0047】
まずステップS10では、制御回路201は操作者により作業モードの選択入力があるか否かを判定する。ここで作業モードとは、無線タグラベルTを作成させるための「ラベル発行」モード、作業工程(作業手順)を進捗させるための「進捗更新」モード、進捗を表示させるための「進捗一覧表示」モード、所望の案件フォルダ(無線タグラベルT)を探索するための「リアルサーチ」モード、及び所望の無線タグラベルTの複製を作成するための「ラベルコピー」モードのことである。この判定は、制御回路201が、操作者がPC300の操作部302を用いて入力したモード選択信号を通信回線NWを介して受信したか否かによって行われる。制御回路201は作業モードの選択入力があるまで本ステップを繰り返し、選択入力があると判定が満たされて次のステップS20に移る。
【0048】
ステップS20では、制御回路201は上記ステップS10で選択入力された作業モードが「ラベル発行」モードであるか否かを判定する。「ラベル発行」モードが選択されている場合には、判定が満たされてステップS100に移り、無線タグラベルTの作成を行うラベル発行処理を行う(後述の図6参照)。その後、ステップS70に移る。一方、「ラベル発行」モードが選択されていない場合には、判定が満たされずに次のステップS30に移る。
【0049】
ステップS30では、制御回路201は上記ステップS10で選択入力された作業モードが「進捗更新」モードであるか否かを判定する。「進捗更新」モードが選択されている場合には、判定が満たされてステップS200に移り、作業工程を進捗させる進捗更新処理を行う(後述の図12参照)。その後、ステップS70に移る。一方、「進捗更新」モードが選択されていない場合には、判定が満たされずに次のステップS40に移る。
【0050】
ステップS40では、制御回路201は上記ステップS10で選択入力された作業モードが「進捗一覧表示」モードであるか否かを判定する。「進捗一覧表示」モードが選択されている場合には、判定が満たされてステップS300に移り、PC300に進捗一覧表示を行わせるために進捗情報等を送信する進捗一覧表示処理を行う(後述の図13参照)。その後、ステップS70に移る。一方、「進捗一覧表示」モードが選択されていない場合には、判定が満たされずに次のステップS50に移る。
【0051】
ステップS50では、制御回路201は上記ステップS10で選択入力された作業モードが「リアルサーチ」モードであるか否かを判定する。「リアルサーチ」モードが選択されている場合には、判定が満たされてステップS400に移り、PC300に接続されたリーダ400を用いて所望の無線タグラベルTを探索するリアルサーチ処理を行う(後述の図16参照)。その後、ステップS70に移る。一方、「リアルサーチ」モードが選択されていない場合には、判定が満たされずに次のステップS60に移る。
【0052】
ステップS60では、制御回路201は上記ステップS10で選択入力された作業モードが「ラベルコピー」モードであるか否かを判定する。「ラベルコピー」モードが選択されている場合には、判定が満たされてステップS500に移り、タグラベル作成装置100で所望の無線タグラベルTの複製を作成するラベルコピー処理を行う(後述の図17参照)。その後、ステップS70に移る。一方、「ラベルコピー」モードが選択されていない場合には、判定が満たされずに次のステップS70に移る。
【0053】
ステップS70では、制御回路201は作業を終了するか否かを判定する。具体的には、操作者がPC300において上記作業を行うためのソフトウェアを閉じたり、PC300の電源を落としたりした場合に作業終了と判定する。それ以外の場合には、判定が満たされずに先のステップS10に戻る。一方、上記のような作業終了操作がなされた場合には、判定が満たされて本フローを終了する。
【0054】
なお、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0055】
図6は、上記ラベル発行処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【0056】
まずステップS110において、制御回路201は発行する無線タグラベルTが新規案件に対応するものであるか否かを判定する。この判定は、制御回路201が、操作者がPC300の操作部302を用いて入力した新規案件である旨の入力信号(例えば画面に表示された「新規登録」ボタンを押すことにより入力される)を通信回線NWを介して受信したか否かによって行われる。入力信号を受信した場合(新規登録である場合)には、判定が満たされて次のステップS600に移る。
【0057】
ステップS600では、制御回路201は新規案件を登録する際の最初の無線タグラベルT(以下、「主タグラベルT」と記載する)を作成するための主タグラベル発行処理を行う(後述の図7参照)。この主タグラベルTは、各特許案件に対応するフォルダに取り付けて使用される。なお、フォルダは対応する特許案件の各種書類(依頼書やクレーム、明細書原稿等)を格納するものである(例えば包袋)。そして、本ルーチンを終了する。
【0058】
一方、上記ステップS110において入力信号を受信していない場合(新規登録でない場合)には、判定が満たされずにステップS700に移る。このステップS700では、制御回路201は既に主タグラベルTが作成された案件について主タグラベルTの作成後に作成が予定された無線タグラベルT(以下、「従タグラベルT」と記載する)を作成するための従タグラベル発行処理を行う(後述の図9参照)。本実施形態では、従タグラベルTは、各特許案件につき知財担当者が特許事務所からクレーム(特許請求の範囲)を受領した際及び明細書原稿を受領した際に作成され、それぞれクレーム原稿及び明細書原稿に取り付けて使用される。そして、本ルーチンを終了する。
【0059】
なお、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0060】
図7は、上記主タグラベル発行処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【0061】
まずステップS610では、制御回路201は通信回線NWを介してPC300の制御回路303に制御信号を送信し、表示部301に案件情報入力画面を表示させる。案件情報入力画面は知財担当者が新規に特許案件を登録する際に案件情報を入力する画面であり、知財整理番号(出願識別情報)、発明のタイトル、代表発明者、発注する代理人(特許事務所)、登録日等の入力欄を有している。
【0062】
次のステップS620では、制御回路201は、知財担当者が上記案件情報入力画面を参照しつつPC300の操作部302を用いて入力した案件情報を、通信回線NWを介して入力する。
【0063】
次のステップS630では、制御回路201は主タグラベルTの発行を行うか否かを判定する。この判定は、制御回路201が、知財担当者がPC300の操作部302を用いて入力した発行指令信号(例えば画面に表示された「発行」ボタンを押すことにより入力される)を通信回線NWを介して受信したか否かによって行われる。発行指令信号を受信しない場合には判定が満たされずに上記ステップS620に戻る。一方、発行指令信号を受信した場合には判定が満たされて次のステップS640に移る。
【0064】
ステップS640では、制御回路201は作成する主タグラベルTの無線タグ回路素子Toに書き込むタグID(タグ識別情報)を設定する。この設定は、制御回路201が上記データベース203に格納されたタグIDデータベースから適宜のIDを読み出すことにより行う。なお、タグID設定用のデータベースをデータベース203とは別に設けるようにしてもよい。
【0065】
ステップS650では、制御回路201は作成する主タグラベルTに印字する印字情報を作成する。本実施形態では、主タグラベルTにはタグラベルの用途(主タグラベルTの場合には「フォルダ用」)、知財整理番号、代表発明者、代理人、発明のタイトルが印字されるようになっており(後述の図11(a)参照)、上記印字情報はこれらの情報を含むようになっている。
【0066】
次のステップS660では、制御回路201は上記ステップS640で設定したタグID及び上記ステップS650で作成した印字情報を、通信回線NWを介してタグラベル作成装置100の制御回路102に送信する。
【0067】
ステップS670では、制御回路201は、タグラベル作成装置100において主タグラベルTの作成が完了した際に制御回路102から送信される主タグラベル作成完了信号(後述の図10中ステップS840参照)を通信回線NWを介して受信したか否かを判定する。主タグラベル作成完了信号を受信するまで本ステップを繰り返し、受信した場合には判定が満たされて次のステップS680に移る。
【0068】
ステップS680では、制御回路201は上記ステップS640で設定したタグIDとステップS620で入力した案件情報、及びステップS650で作成した印字情報とを関連付けてデータベース203に登録する。
【0069】
次のステップS690では、制御回路201は作成した主タグラベルTの作成後に作成が予定される従タグラベルT、すなわちクレーム用及び明細書原稿用の2つの従タグラベルTのタグIDを上記ステップS640と同様にして設定し、これらの従タグラベルT用のタグID(以下、適宜「従タグID」と記載)を上記ステップS680で登録した主タグラベルT用のタグID(以下、適宜「主タグID」と記載)と関連付けて一体的にデータベース203に登録する。これにより、主タグIDの格納領域に関連付けて従タグIDの格納領域をデータベース203内に生成することができるようになっている。そして、本ルーチンを終了する。
【0070】
なお、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0071】
図8は、上記ステップS680及びステップS690においてデータベース203に格納されたデータ内容(ここではタグID)を概念的に表す図である。
【0072】
図8に示すように、データベース203は所定のメモリブロック番地に所定のデータを格納する形式が取られている。なお、ここでの番地とは、データベース203(例えばハードディスク)のメモリ領域を所定の記憶容量(例えば数Kバイト)ごとのメモリ領域(メモリブロック)に区画した場合における当該メモリブロックの場所を示すものである。
【0073】
図8(a)に示すように、本実施形態では主タグIDと従タグIDとが、データベース203におけるN番地のメモリブロックD(格納領域、一体格納領域)に一体的に関連付けられて登録されている。ここで、図中に示す従1タグIDとはクレーム用の従タグラベルTのタグID、従2タグIDとは明細書原稿用の従タグラベルTのタグIDのことである。
【0074】
なお、上記では主タグIDと従タグIDとを同じメモリブロック番地に一体的に格納するようにしたが、これに限られない。すなわち、図8(b)に示すように、主タグIDと従タグIDとを互いに関連付けられた複数の格納領域に個別にそれぞれ格納するようにしてもよい。ここに示す例では、主タグIDをn番地のメモリブロックd1(格納領域、個別格納領域)、クレーム用の従タグIDを2n番地のメモリブロックd2(格納領域、個別格納領域)、明細書原稿用の従タグIDを3n番地のメモリブロックd3(格納領域、個別格納領域)に格納しており、さらにこれらメモリブロックd1,d2,d3を関連付ける関連付けデータを適宜のメモリブロックに格納するようになっている。
【0075】
このように主タグIDと従タグIDとを個別にそれぞれ格納することにより、上記のように一体的な領域に格納する場合よりも格納場所や格納態様の自由度を広げることができる。
【0076】
図9は、上記従タグラベル発行処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【0077】
まずステップS710では、制御回路201は登録された案件の中から従タグラベルTを作成する案件が選択されたか否かを判定する。この判定は、制御回路201が、知財担当者がPC300の操作部302を用いて入力した案件選択信号(例えば登録された案件一覧を画面に表示し、知財担当者がその一覧の中から特定の案件を選択ことにより入力される)を通信回線NWを介して受信したか否かによって行われる。案件選択信号を受信するまで本ステップを繰り返し、受信したら判定が満たされて次のステップS720に移る。
【0078】
ステップS720では、制御回路201は従タグラベルTの発行を行うか否かを判定する。この判定は、制御回路201が、知財担当者がPC300の操作部302を用いて入力した発行指令信号(例えば画面に表示された「発行」ボタンを押すことにより入力される)を通信回線NWを介して受信したか否かによって行われる。発行指令信号を受信するまで本ステップを繰り返し、受信した場合には判定が満たされて次のステップS730に移る。
【0079】
ステップS730では、制御回路201は上記ステップS710で選択された案件が所定の作業工程まで進捗しているか否かを判定する。具体的には、本実施形態では各案件の作業工程は社内打合せ(工程1)、依頼書発送(工程2)、特許事務所打合せ(工程3)、クレーム受領(工程4)、発明者クレームチェック(工程5)、知財クレームチェック(工程6)、明細書原稿受領(工程7)、発明者原稿チェック(工程8)、知財明細書チェック(工程9)、出願(工程10)、審査請求(工程11)の11工程から構成されており(後述の図15参照)、このうちのクレーム受領(工程4)又は明細書原稿受領(工程7)の工程まで進捗しているか否かを判定する。クレーム受領(工程4)又は明細書原稿受領(工程7)まで進捗していない場合には、判定が満たされずにステップS740に移り、PC300の制御回路303に制御信号を送信して表示部301に所定のエラー表示(例えば「クレームを受領していません」「明細書原稿を受領していません」等)を行わせる。一方、クレーム受領(工程4)又は明細書原稿受領(工程7)まで進捗している場合には、判定が満たされて次のステップS750に移る。
【0080】
ステップS750では、制御回路201は作成する従タグラベルT(作業工程がクレーム受領(工程4)まで進捗している場合にはクレーム用の従タグラベルTであり、作業工程が明細書原稿受領(工程7)まで進捗している場合には明細書原稿用の従タグラベルTである。以下同様)の無線タグ回路素子Toに書き込むタグID(タグ識別情報)を、データベース203から読み出し取得する(前述したように、これら従タグIDは主タグラベルT作成時に予め設定され、データベース203の番地NのメモリブロックDに格納されている。図8(a)参照)。
【0081】
次のステップS760では、制御回路201は作成する従タグラベルTに印字する印字情報を作成する。本実施形態では、従タグラベルTには上述した主タグラベルTと同様に、タグラベルの用途(従タグラベルTの場合には「クレーム用」又は「明細書用」)、知財整理番号、代表発明者、代理人、発明のタイトルが印字されるようになっており(後述の図11(b)(c)参照)、上記印字情報はこれらの情報を含むようになっている。
【0082】
次のステップS770では、制御回路201は上記ステップS750で取得したタグID及び上記ステップS760で作成した印字情報を、通信回線NWを介してタグラベル作成装置100の制御回路102に送信する。
【0083】
ステップS780では、制御回路201は、タグラベル作成装置100において従タグラベルTの作成が完了した際に制御回路102から送信される従タグラベル作成完了信号(後述の図10中ステップS840参照)を通信回線NWを介して受信したか否かを判定する。従タグラベル作成完了信号を受信するまで本ステップを繰り返し、受信した場合には判定が満たされて次のステップS790に移る。
【0084】
ステップS790では、制御回路201は上記ステップS750で取得したタグIDと案件情報、及びステップS760で作成した印字情報とを関連付けてデータベース203に登録する。そして、本ルーチンを終了する。
【0085】
なお、上記ステップS730は、特許請求の範囲各項記載の作成される無線タグラベルが、複数の作業手順の時間的順序に沿ったものとなっているかどうかを判定する判定手段を構成する。
【0086】
また、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0087】
図10はタグラベル作成装置100の制御回路102によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0088】
図10において、まずステップS810において、制御回路102は通信回線NWを介してサーバ200の制御回路201からタグID及び印字情報を受信したか否かを判定する(図7中ステップS660、図9中ステップS770参照)。タグID及び印字情報を受信するまで本ステップを繰り返し、受信したら判定が満たされて次のステップS820に移る。
【0089】
ステップS820では、制御回路102は高周波回路101によりアクセス情報を生成して装置側アンテナ106を介して無線タグ回路素子Toへ送信し、IC回路部150へ上記ステップS810で受信したタグIDの書き込みを行う。また、上記ステップS810で受信した印字情報に基づいた印字ヘッド105による印字を行う。
【0090】
次のステップS830では、制御回路102はカッタ107を駆動させて上記印字及び無線タグ回路素子Toへの情報書き込みが終了したタグテープ103を所定の長さに切断し、1つの無線タグ回路素子Toを備えた無線タグラベルT(主タグラベルT又は従タグラベルT)を作成する。
【0091】
次のステップS840では、制御回路102は無線タグラベルT(主タグラベルT又は従タグラベルT)の作成が完了した旨を表すラベル作成完了信号を、通信回線NWを介してサーバ200の制御回路201に送信する。そして、本フローチャートを終了する。
【0092】
なお、上記ステップS840は、特許請求の範囲各項記載の複数の無線タグラベルのうち1つの無線タグラベルを作成する際、データベース内の1つの無線タグラベルに対応するタグ識別情報の格納領域に関連づけて、複数の無線タグラベルのうち残りの無線タグラベルに対応するタグ識別情報の格納領域をデータベース内に生成するための生成指示信号を出力する領域生成指示手段を構成し、主タグラベルTを作成する際にステップS840でサーバ200に対し送信する主タグラベル作成完了信号が、上記生成指示信号に相当する。
【0093】
また、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0094】
図11は、上記制御によりタグラベル作成装置100で作成された無線タグラベルTの外観の一例を表す上面図である。なお、図11(a)は主タグラベルT、図11(b)及び(c)は従タグラベルTの外観を表している。
【0095】
これら図11(a)(b)及び(c)に示すように、各無線タグラベルTの表側(上面)にはタグラベルの用途(主タグラベルTの場合には「フォルダ用」、従タグラベルTの場合には「クレーム用」又は「明細書用」)、知財整理番号、代表発明者、代理人、発明のタイトルが印字されている。なお、印字項目は必ずしもこれらに限定する必要はなく、例えばタグラベル用途と知財整理番号のみといったように印字項目を減らしてもよいし、さらに他の情報を印字するようにしてもよい。また、文字だけでなく図形や符号、あるいは色塗りや模様等を付加してもよく、何らかの形で案件を認識・識別できるものであればよい。
【0096】
なお、図11では図示を省略しているが、各無線タグラベルTは無線タグ情報の送受信を行うためのタグ側アンテナ151及びこれに接続され無線タグ情報を記憶可能なIC回路部150により構成される無線タグ回路素子Toをそれぞれ内蔵している。
【0097】
図12は、上記進捗更新処理の詳細手順を表すフローチャートである。なお、前述したように各案件の作業工程は社内打合せ(工程1)、依頼書発送(工程2)、特許事務所打合せ(工程3)、クレーム受領(工程4)、発明者クレームチェック(工程5)、知財クレームチェック(工程6)、明細書原稿受領(工程7)、発明者原稿チェック(工程8)、知財明細書チェック(工程9)、出願(工程10)、審査請求(工程11)の11工程から構成されているが、本実施形態では工程1〜4については主タグラベルT、工程5〜6についてはクレーム用の従タグラベルT、工程7については主タグラベルT、工程8〜9については明細書原稿用の従タグラベルT、その後の工程10〜11については主タグラベルTを用いて進捗更新を行うようになっている。以下の図12の説明においては、タグラベルの種類を区別せずに単に無線タグラベルTとして説明する。
【0098】
まずステップS210では、制御回路201は無線タグラベルTからタグIDの読み取りを行ったか否かを判定する。具体的には、制御回路201は通信回線NWを介してPC300の制御回路303に制御信号を送信し、リーダ400の高周波回路402及びアンテナ401を介し、無線タグラベルTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶されたタグIDを読み取るための読み取り信号を送信させる。その後、上記読み取り信号に対応し無線タグ回路素子Toから返信されたリプライ信号がアンテナ401を介し受信され、高周波回路402を介し制御回路303へ取り込まれたかどうかを判定する。タグIDの読み取りを行うまで本ステップを繰り返し、読み取りを行った場合には判定が満たされて次のステップS220に移る。
【0099】
ステップS220では、制御回路201は、上記ステップS210においてPC300の制御回路303が無線タグラベルTから取得したタグIDを、通信回線NWを介して受信し取得する。
【0100】
次のステップS230では、制御回路201は上記ステップS220で取得したタグIDに基づきデータベース203を検索し、当該タグIDに対応する特許案件の案件情報(進捗情報)を読み出す。
【0101】
次のステップS240では、制御回路201は上記ステップS230で読み出した案件の進捗状況に基づき、PC300の制御回路303に制御信号を送信して表示部301に次の作業工程に対応する進捗更新画面の表示を行わせる。例えば、現在の進捗状況が特許事務所打合せ(工程3)まで終了している場合、次のクレーム受領(工程4)に対応する更新画面の表示を行う。
【0102】
次のステップS250では、制御回路201は、知財担当者が上記更新画面を参照しつつPC300の操作部302を用いて入力した更新情報を、通信回線NWを介して入力する。例えば上記の例では、クレーム受領(工程4)に対応する更新画面において知財担当者が入力したクレーム受領日を入力する。
【0103】
次のステップS260では、制御回路201は進捗更新を行うか否かを判定する。この判定は、制御回路201が、知財担当者がPC300の操作部302を用いて入力した更新指令信号(例えば画面に表示された「更新」ボタンを押すことにより入力される)を通信回線NWを介して受信したか否かによって行われる。更新指令信号を受信しない場合(更新を行わない場合)には判定が満たされずに上記ステップS250に戻る。一方、更新指令信号を受信した場合(更新を行う場合)には判定が満たされて次のステップS270に移る。
【0104】
ステップS270では、制御回路201は上記ステップS250で入力した更新情報をデータベース203に登録し、案件情報を更新する。そして、本ルーチンを終了する。
【0105】
以上のような制御により、知財担当者が作業を管理する工程1〜4については知財担当者が主タグラベルTを用いて進捗を更新し、クレーム用の従タグラベルTを発行した後はその従タグラベルTをクレーム原稿に取り付けることにより、発明者はクレームチェック終了時にクレーム原稿に取り付けられた従タグラベルTを用いて進捗を工程5から工程6に更新することができる。同様に、明細書原稿用の従タグラベルTを発行した後はその従タグラベルTを明細書原稿に取り付けることにより、発明者は明細書チェック終了時に明細書原稿に取り付けられた従タグラベルTを用いて進捗を工程8から工程9に更新することができるようになっている。
【0106】
なお、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0107】
図13は、上記進捗一覧表示処理の詳細手順を表すフローチャートである。なお、この進捗一覧表示は案件の進捗に関わりなく主タグラベルT又は従タグラベルTのいずれを用いても表示することが可能となっている。したがって、以下の図13の説明においては、タグラベルの種類を区別せずに単に無線タグラベルTとして説明する。
【0108】
まずステップS310では、制御回路201は進捗状態を案件毎に個別に表示するか、または複数の案件について一覧表示するかを判定する。この判定は、制御回路201が、知財担当者がPC300の操作部302を用いて入力した一覧表示指令信号(例えば画面に表示された「一覧」ボタンを押すことにより入力される)を通信回線NWを介して受信したか否かによって行われる。一覧表示指令信号を受信した場合には判定が満たされずにステップS320に移り、知財担当者がPC300の操作部302を用いて入力した担当者識別情報(例えば担当者ID及びパスワード)を、通信回線NWを介して入力する。そして、次のステップS350に移る。
【0109】
一方、上記ステップS310で一覧表示指令信号を受信しない場合(すなわち個別表示を行う場合)には、判定が満たされて次のステップS330に移る。ステップS330では、制御回路201は無線タグラベルTからタグIDの読み取りを行ったか否かを判定する。タグIDの読み取りを行うまで本ステップを繰り返し、読み取りを行った場合には判定が満たされて次のステップS340に移る。
【0110】
ステップS340では、制御回路201は、上記ステップS330においてPC300の制御回路303が無線タグラベルTから取得したタグIDを、通信回線NWを介して受信し取得する。
【0111】
次のステップS350では、制御回路201は上記ステップS320又はステップS340で取得した複数又は単数のタグIDに基づきデータベース203を検索し、当該タグIDに対応する特許案件の案件情報(進捗情報)を読み出す。
【0112】
次のステップS360では、制御回路201は、上記ステップS350でデータベース203から読み出した案件情報(進捗情報)を通信回線NWを介してPC300の制御回路303に送信する。そして、本ルーチンを終了する。
【0113】
なお、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。例えば、上記では一覧表示をさせる際に知財担当者が担当者識別情報を入力する(ステップS320参照)ようにしたが、これに限られず、例えば最初にPC300において担当者識別情報を入力してログインを行ってから各作業手順を開始するようにしてもよい。この場合、上記ステップS320は不要となる。
【0114】
図14は、上記進捗一覧表示を行う際にPC300の制御回路303によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0115】
まずステップS910では、制御回路303は通信回線NWを介してサーバ200の制御回路201から案件情報(進捗情報を含む)を受信したか否かを判定する。なおこのとき、一覧表示である場合には知財担当者が担当する複数の案件についての案件情報を全て受信し、個別表示である場合にはリーダ400に読み取らせた無線タグラベルTに対応する1件の案件情報を受信する。案件情報を受信するまで本ステップを繰り返し、受信したら判定が満たされて次のステップS920に移る。
【0116】
ステップS920では、制御回路303は受信した案件情報に基づき表示部301に表示信号を出力し、完遂すべき複数の作業工程の全工程(前述した11工程)に対応した全手順表示部310(後述の図15参照)を表示させる。
【0117】
次のステップS930では、制御回路303は受信した案件情報に基づき表示部301に表示信号を出力し、複数の作業工程(前述した11工程)のうち現在までに完了した作業工程に対応した完了手順表示部320(後述の図15参照)を表示させる。なおこのとき、一覧表示である場合には複数の案件についての案件情報を全て受信し、個別表示である場合にはリーダ400で読み取った無線タグラベルT(無線タグ回路素子To)のタグIDに対応する1件の案件情報を受信する。そして、本フローを終了する。
【0118】
なお、上記ステップS920は、特許請求の範囲各項記載の完遂すべき複数の作業手順の全手順に対応した全手順表示部を表示させるための表示信号を出力する全手順表示信号出力手段を構成し、ステップS930は、複数の作業手順のうち現在までに完了した作業手順に対応した完了手順表示部を、全手順表示部と対比させて表示するための表示信号を出力する完了手順表示信号出力手段を構成すると共に、現在までに完了した作業手順のうち、作業者による実行が省略され次の手順へスキップされた手順を、それ以外の手順と異なる表示態様で表示するための表示制御信号を出力するスキップ用表示制御手段をも構成する。また、上記11の工程からなる特許案件の出願が、時間的順序に沿った複数の作業手順により完遂される事象に相当する。
【0119】
また、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。例えば、上記ではステップS920とステップS930とを分けて別個のステップとしたが、これらを一ステップで行うようにしてもよい。
【0120】
図15は上記制御によってPC300の表示部301に表示される進捗一覧表示の一例を表す図である。ここでは、複数の案件を一覧表示した場合を示している。
【0121】
図15において、この例では知財担当者が担当する特許案件は6件あり、各案件について知財整理番号、発明のタイトル、代表発明者、進捗状態、最終工程日、及び上記全手順表示部310及び完了手順表示部320から構成される進捗グラフがそれぞれ表示されている。
【0122】
上記進捗グラフには、特許案件に係る全工程(11工程)を表す1〜11までの数字からなる全手順表示部310と、この全工程のうち完了した工程について「○」の記号を付した完了手順表示部320とが表示されている。すなわち、この図に示す例では、例えば知財整理番号が「2007−00027」である案件の進捗状況は、知財担当者によるクレームチェックまで終了しており、現在特許事務所からの明細書原稿待ちの状態である。なお、完了手順表示部320において矢印「→」が表示された工程は、知財担当者による作業の実行が省略され次の工程にスキップされたことを示す。すなわち、例えば上記整理番号「2007−00027」の案件においては、例えば社内打合せ(工程1)に代理人が参加した等により特許事務所打合せ(工程3)が省略されたことを示している。
【0123】
また、上記進捗グラフにおいては、完了手順表示部320に示すように、複数の作業工程ごとに(本実施形態では工程1〜3、工程4〜6、工程7〜9、工程10〜11のそれぞれにおいて)互いに異なる色で「○」が表示されている(工程10〜11については図示していないが黒丸となる)。これにより、知財担当者は、複数の作業工程それぞれについて互いに視覚的に明確に区別しつつ進捗状況を認識できるようになっている。
【0124】
なお、上記完了手順表示部320における完了工程を示す「○」や工程のスキップを示す「→」の表示は、これに限定するものではなく、その他の表示態様を用いてもよい。例えば完了工程を示す「○」についてはその他の記号や文字、図形等でもよく、またスキップを示す「→」については、色違い、文字違い、線違い、記号付加等、それ以外の工程と異なる表示態様であればよい。
【0125】
また、上記では完了手順表示部320において複数の作業工程ごとに互いに異なる色となるようにしたが、これに限られず、文字違い、線違い、記号付加等、互いに異なる表示態様であればよい。さらには、上記では複数の作業工程ごとに互いに異なる表示態様としたが、これに限られず、案件ごとに表示態様を異ならせてもよい。
【0126】
図16は、上記リアルサーチ処理の詳細手順を表すフローチャートである。このリアルサーチは、知財担当者が所望の特許案件のフォルダを見失った場合などに、知財整理番号を入力してリーダ400を携帯して複数のフォルダにかざすことにより、該当するフォルダを探索するものである。
【0127】
まずステップS410では、制御回路201は通信回線NWを介してPC300の制御回路303に制御信号を送信し、表示部301に整理番号入力画面を表示させる。
【0128】
次のステップS420では、制御回路201は、知財担当者が上記整理番号入力画面を参照しつつPC300の操作部302を用いて入力した整理番号を、通信回線NWを介して受信したか否かを判定する。受信するまで本ステップを繰り返し、受信した場合には判定が満たされて次のステップS430に移る。
【0129】
ステップS430では、制御回路201は上記ステップS420で取得した知財整理番号に基づきデータベース203を検索し、当該整理番号に対応する特許案件のタグIDを読み出す。
【0130】
次のステップS440では、制御回路201は無線タグラベルT(ここでは主タグラベルT。以下同様)からタグIDの読み取りを行ったか否かを判定する。タグIDの読み取りを行うまで本ステップを繰り返し、読み取りを行った場合には判定が満たされて次のステップS450に移る。
【0131】
ステップS450では、制御回路201は、上記ステップS440においてPC300の制御回路303が無線タグラベルTから取得したタグIDを、通信回線NWを介して受信し取得する。
【0132】
次のステップS460では、制御回路201は、上記ステップS430でデータベース203より取得したタグIDと、上記ステップS450で無線タグラベルTから取得したタグIDとが一致するか否かを判定する。一致しない場合には、上記ステップS440に戻り、再びタグIDの読み取りを行ったか否かを判定する。一方、一致した場合には判定が満たされて次のステップS470に移る。
【0133】
ステップS470では、制御回路201はPC300の制御回路303に制御信号を送信して表示部301に該当する無線タグラベルTを発見した旨の表示(例えば「該当する案件を見つけました」等)を行わせる。なおこのとき、図示しないスピーカを用いて音声による報知を行うようにしてもよい。そして、本フローを終了する。
【0134】
なお、上記ではリーダ400を用いて主タグラベルTの探索を行う場合を例にとって説明したが、これに限られず、従タグラベルTの探索を可能としてもよい。これにより、所望の案件のフォルダのみでなく、クレームや明細書原稿を見失った場合でも、知財整理番号を入力してリーダ400を携帯して該当する原稿を探索することが可能となる。
【0135】
また、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0136】
図17は、上記ラベルコピー処理の詳細手順を表すフローチャートである。このラベルコピーは、例えば主タグラベルTの複製を作成してフォルダの複数箇所に分散して取り付けることにより、上記リアルサーチ時のリーダ400による読み取りの容易化を図る場合等に行うものである。なお、このラベルコピーは主タグラベルT又は従タグラベルTのいずれについても行うことが可能である。したがって、以下の図17の説明においては、タグラベルの種類を区別せずに単に無線タグラベルTとして説明する。
【0137】
まずステップS510では、制御回路201は無線タグラベルTからタグIDの読み取りを行ったか否かを判定する。タグIDの読み取りを行うまで本ステップを繰り返し、読み取りを行った場合には判定が満たされて次のステップS520に移る。
【0138】
ステップS520では、制御回路201は、上記ステップS510においてPC300の制御回路303が無線タグラベルTから取得したタグIDを、通信回線NWを介して受信し取得する。
【0139】
次のステップS530では、制御回路201は上記ステップS520で取得したタグIDに基づきデータベース203を検索し、当該タグIDに対応する特許案件の案件情報及び印字情報を読み出す。
【0140】
次のステップS540では、制御回路201は作成する複製の無線タグラベルTの無線タグ回路素子Toに書き込むタグIDを設定する。この設定は、前述と同様に制御回路201が上記データベース203に格納されたタグIDデータベースから適宜のIDを読み出すことにより行う。なお、タグID設定用のデータベースをデータベース203とは別に設けるようにしてもよい。
【0141】
次のステップS550では、制御回路201は上記ステップS540で設定したタグID及び上記ステップS530でデータベース203から読み出した印字情報を、通信回線NWを介してタグラベル作成装置100の制御回路102に送信する。
【0142】
ステップS560では、制御回路201は、タグラベル作成装置100において無線タグラベルTの作成が完了した際に制御回路102から送信されるタグラベル作成完了信号(図10中ステップS840参照)を通信回線NWを介して受信したか否かを判定する。タグラベル作成完了信号を受信するまで本ステップを繰り返し、受信した場合には判定が満たされて次のステップS570に移る。
【0143】
ステップS570では、制御回路201は上記ステップS540で設定したタグIDとデータベース203から読み出した案件情報及び印字情報とを関連付けてデータベース203に登録する。そして、本ルーチンを終了する。
【0144】
なお、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0145】
以上において、タグラベル作成装置100の制御回路102は、特許請求の範囲各項記載の無線探索装置が主タグラベル又は従タグラベルの無線タグ回路素子を探索しアクセスに成功したとき、その無線タグ回路素子の記憶情報と同等の記憶情報を別の無線タグ回路素子に書き込んだ新たな無線タグラベルを作成するように、搬送手段、印字手段、タグアクセス手段を連携して制御する複製用連携制御手段を構成する。
【0146】
以上説明した実施形態においては、時間的順序に沿った複数の作業工程により完遂される特許案件の出願について、PC300の制御回路303からの表示信号に基づき、複数の作業工程の全工程に対応した全手順表示部310の表示が表示部301で実行される。また、同様にPC300の制御回路303からの表示信号に基づき、それら全工程のうち現在までに完了した工程に対応した完了手順表示部320の表示が上記全手順表示部310と対比させた形で表示部301で実行される。これにより、それら複数の作業工程の進捗状況を一元管理することができるので、当該特許出願案件の進捗状況を段階的に容易に把握することができる。また進捗状況情報を容易に共有することもできる。
【0147】
また、本実施形態では特に、完了手順表示部320に時間的順序に沿って表示される現在までに完了した作業工程のうち、作業者による実行が省略され次の工程へスキップされた工程を、それ以外の工程と異なる表示態様(上記実施形態では矢印)で表示する。このように、スキップされた工程を他の工程と異ならせて表示することにより、操作者に対してスキップされたことを視覚的に明確に認識させ、確実に注意喚起をすることができる。
【0148】
また、本実施形態では特に、時間的順序に沿った複数の作業工程により完遂される特許案件の出願について、PC300の制御回路303からの表示信号に基づき、複数の作業工程の全工程に対応した全手順表示部310の表示が表示部301で実行される。また、無線タグラベルTより無線通信を介し取得された進捗情報に基づくPC300の制御回路303からの表示信号により、それら全工程のうち現在までに完了した工程に対応した完了手順表示部320の表示が上記全手順表示部310と対比させた形で表示部301で実行される。これにより、上記複数の作業工程に対応した情報を無線タグラベルTに記憶させておくことで、それら複数の作業工程の進捗状況を、無線タグラベルTに対する情報読み取りに基づいて表示させることができる。この結果、当該特許案件の進捗状況を段階的に容易に把握することができ、また進捗状況情報を容易に共有することもできる。
【0149】
また、本実施形態では特に、PC300の制御回路303は、複数の作業工程に対応して設けられた複数の無線タグラベルT(主タグラベルT及び2つの従タグラベルT)との情報通信結果に基づき、上記進捗更新処理において最後に通信を行った無線タグラベルT(主タグラベルT及び2つの従タグラベルT)より取得された情報に対応して(すなわち最後に主タグラベルT又は従タグラベルTを用いて更新された進捗情報に対応して)、完了手順表示部320の表示を表示部301で行う。このように、複数の作業工程に対応した複数の無線タグラベルTを用意しておくことで、進捗更新処理において最後にどの無線タグラベルTから情報読み取りを行ったかによって、対応する作業工程が現在行われている最も新しい作業となることから、これに基づき最新の進捗状況を表示させることができる。
【0150】
また、本実施形態では特に、PC300の制御回路303は、複数の特許案件についてそれぞれに対応した複数の完了手順表示部320を一覧表示する。これにより、複数の特許案件それぞれについて、複数の作業工程の進捗状況を一元管理し、各事象ごとの進捗状況を段階的に容易に把握することができる。
【0151】
また、本実施形態では特に、PC300の制御回路303は、複数の作業工程毎に、互いに異なる表示態様(本実施形態では色違い)となるように完了手順表示部320を表示部301で表示する。これにより、複数の作業工程のそれぞれについて、互いに視覚的に明確に区別しつつ操作者に認識させることができる。
【0152】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0153】
(1)タグIDが属性コードを含む場合
上記実施形態では特に記載しなかったが、主タグラベルTの作成時に主タグID及び従タグIDの設定を行う際(図7中ステップS640及びステップS690参照)、主タグIDであるか従タグIDであるかの属性コードをそれぞれ含むように、タグIDを設定するようにしてもよい。このように、主タグIDか従タグIDかを区別する属性コードを設けることで、タグIDのうちその部分だけを識別するだけで主タグラベルTであるか従タグラベルTであるかを容易に判別することができる。またタグIDのうち、属性コード部分以外は同一基準・態様で付与することが可能となり、タグID管理の簡素化・容易化を図ることもできる。
【0154】
(2)進捗グラフの表示のバリエーション
上記実施形態では、PC300の表示部301で行う進捗一覧表示の進捗グラフにおいて、完了した工程を示す完了手順表示部320を「○」の記号で構成するようにしたが、これに限られない。以下、この表示のバリエーションを示す。
【0155】
図18は、全手順表示部310及び完了手順表示部320から構成される進捗グラフの変形例を表す図である。なお、この図18では簡略化のために各案件の全工程を5工程として図示している。
【0156】
例えば図18(a)に示すように、完了した工程を示す完了手順表示部320を工程数が挿入された略長方形の描画で構成してもよい。なお、ここでは工程ごとに互いに異なる色となるように表示している。また、スキップする工程については前述の図15と同様に矢印「→」で表示している。
【0157】
また例えば、図18(b)に示すように、全工程に亘って延設された略長方形状の全手順表示部310の中を、現在進行中の工程を示す略長方形状の完了手順表示部320がスライドすることにより、進捗状況を表すようにしてもよい。
【0158】
また例えば、図18(c)に示すように、進捗状況を分数で表示するようにしてもよい。この場合、全手順表示部310は分母の数字(スラッシュを含む)であり、完了手順表示部320は分子の数字となる。さらに、図18(d)に示すように、自動車のスピードメータ状の表示としてもよい。この場合、略矢印状の完了手順表示部320は略半円状の全手順表示部310の左端から右端に向かって回転するように移動する。
【0159】
また、上記実施形態では、各工程の期限については特に考慮しなかったが、完了手順表示部320に表示される現在までに完了した作業工程のうち、予め定められた完了期限が既に到来したものを、それ以外の手順と異なる表示態様で表示するようにしてもよい。
【0160】
図19は、本変形例において進捗一覧表示を行う際にPC300の制御回路303によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図14に対応する図である。
【0161】
まずステップS910では、制御回路303は通信回線NWを介してサーバ200の制御回路201から案件情報(進捗情報を含む)を受信したか否かを判定する。なお、この案件情報には各作業工程に対し予め定められた完了期限情報(出願期限等)が含まれている。案件情報を受信するまで本ステップを繰り返し、受信したら判定が満たされて次のステップS920に移る。
【0162】
ステップS920では、制御回路303は受信した案件情報に基づき表示部301に表示信号を出力し、完遂すべき複数の作業工程の全工程に対応した全手順表示部310を表示させる。
【0163】
次のステップS925では、制御回路303は上記ステップS910で受信した特許案件の進捗情報と完了期限情報とを比較し、完了期限を途過した工程が存在するか否かを判定する。期限を途過した工程がない場合には、判定が満たされずにステップS930に移り、制御回路303は受信した案件情報に基づき表示部301に表示信号を出力し、複数の作業工程のうち現在までに完了した作業工程に対応した完了手順表示部320を表示させる。そして、本フローを終了する。
【0164】
一方、上記ステップS925で期限を途過した工程がある場合には、判定が満たされてステップS940に移る。ステップS940では、制御回路303は完了期限を途過した工程がそれ以外の工程と表示態様(色違い、文字違い、線違い、記号付加等)が異なるように、受信した案件情報に基づき表示部301に表示信号を出力し、複数の作業工程のうち現在までに完了した作業工程に対応した完了手順表示部320を表示させる。そして、本フローを終了する。
【0165】
なお、上記ステップS925は、特許請求の範囲各項記載の完了手順表示部に表示される現在までに完了した作業手順のうち、予め定められた完了期限が既に到来したものを、それ以外の手順と異なる表示態様で表示するための表示制御信号を出力する期限管理用表示制御手段を構成する。
【0166】
また、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0167】
図20は上記制御によってPC300の表示部301に表示される進捗一覧表示の一例を表す図である。この例では、知財整理番号「2007−00033」の案件の依頼書発送(工程2)が完了期限を途過しており、このため完了手順表示部320のうち上記案件の工程2に対応する表示部330がそれ以外の工程と異なる表示態様(この例では白黒反転)で表示されている。
【0168】
以上説明した変形例によれば、期限切れとなったものを他と異ならせて表示することにより、知財担当者に対して視覚的に明確に認識させ、確実に注意喚起をすることができる。
【0169】
また、上記実施形態では特に記載しなかったが、PC300の表示部301に表示された特許進捗一覧表示から、操作者の選択指示入力に対応したものを抽出して選択的に表示できるようにしてもよい。
【0170】
図21は、本変形例において進捗一覧表示を行う際にPC300の制御回路303によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図14等に対応する図である。
【0171】
ステップS910〜ステップS930は前述の図14と同等であるので説明を省略する。
【0172】
次のステップS950では、制御回路303は進捗一覧表示を抽出して表示するか否かを判定する。この判定は、制御回路303が、操作者がPC300の操作部302を用いて入力した選択指示入力信号(例えば画面に表示された「抽出表示」ボタンを押すことにより入力される)を受信したか否かによって行われる。選択指示入力信号を受信しない場合には、本フローを終了する。一方、受信した場合には判定が満たされて次のステップS960に移り、操作者がPC300の操作部302を用いて入力した選択指示情報(例えば自分の担当する案件、所定の工程まで進捗した案件等)を入力する。そして、次のステップS970に移る。
【0173】
ステップS970では、制御回路303は上記ステップS960で入力した選択指示情報に基づき表示部301に表示信号を出力し、特許進捗一覧を選択的に表示させる。そして、本フローを終了する。
【0174】
なお、上記ステップS970は、特許請求の範囲各項記載の全手順表示部又は完了手順表示部の表示のうち、操作者の選択指示入力に対応したものを抽出して選択的に表示するための表示制御信号を出力する抽出表示制御手段を構成する。
【0175】
また、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0176】
図22は上記制御によって行われる進捗一覧表示の抽出の一例を表す図である。この図22において、図22(a)は抽出表示を行う前の進捗一覧表示、図22(b)は図22(a)に示す進捗一覧表示の状態から知財整理番号「2007−00005」を選択して抽出した表示の一例(代表発明者やタイトル等他の項目で抽出してもよい)、図22(c)は図22(a)に示す進捗一覧表示の状態から特許事務所打合せ(工程3)を終えた案件を選択して抽出した表示の一例を示している。
【0177】
以上説明した変形例によれば、操作者の意図に応じた案件又は作業工程等を特にピックアップして余分な表示を除去した状態で表示できるので、利便性を向上することができる。
【0178】
(3)その他
上記実施形態では、各案件の進捗が全工程11項目のうちクレーム受領(工程4)及び明細書原稿受領(工程7)に進んだ際に従タグラベルTを作成する場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、各工程ごとに従タグラベルTを作成するようにしてもよい。
【0179】
また、上記実施形態では作業工程を11項目としたが、これに限定するものではなく、適宜項目を置換又は付加等してもよい。例えば、上記では特許事務所よりクレームと明細書原稿を別々に受領するようにしたが、まとめて特許明細書として受領するようにしてもよい。また例えば、上記では作業工程を審査請求までとしているが、拒絶理由通知、意見書又は補正書提出、拒絶査定不服審判請求等のその後の工程を加えてもよい。
【0180】
また、上記では、進捗表示装置としてのPC300を特許案件の進捗管理を行う特許進捗管理システムに適用した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、プロジェクトにおける複数のワークフローの管理や、工事現場における工程管理等、複数の作業手順により完遂される事象の進捗状況を表示するシステムであれば、他のシステムにも適用可能である。
【0181】
また、以上においては、無線タグラベルTの無線タグ回路素子Toとリーダ400のアンテナ401との間で行われる無線通信について特に説明しなかったが、例えばUHF帯を用いた電波通信により情報送受信を行ってもよいし、リーダ400のアンテナ401及び無線タグ回路素子To側のタグ側アンテナ151としてコイル状のループアンテナを用い、HF帯を用いて磁気誘導(電磁誘導、磁気結合、その他電磁界を介して行われる非接触方式を含む)により情報送受信を行うようにしてもよい。
【0182】
また、以上においては、印字及び無線タグ回路素子Toへのアクセス(書き込み)の終了したタグテープ103をカッタ107で切断して無線タグラベルTを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタ107で切断しなくても、タグテープ103が排出口から排出されてきた後にラベル台紙(アクセス済みの無線タグ回路素子Toが備えられかつ対応する印字がなされたもの)のみをテープから剥がして無線タグラベルTを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
【0183】
さらに、以上は、タグテープ103がリール部材の周りに巻回されてタグテープロール104(又はタグテープロール104を備えたカートリッジ)を構成し、このロール104からタグテープ103が繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、無線タグ回路素子Toが少なくとも一つ配置された長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックして(例えばトレイ状のものに平積み積層して)カートリッジ化し、このカートリッジをタグラベル作成装置側のカートリッジホルダに装着して、上記収納部から移送、搬送して印字及び書き込みを行い無線タグラベルTを作成するようにしてもよい。
【0184】
さらには上記ロールを直接タグラベル作成装置側に着脱可能に装着する構成や、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシートをタグラベル作成装置外より1枚ずつ所定のフィーダ機構によって移送しタグラベル作成装置内へ供給する構成も考えられ、さらにはタグテープロール104(又はこれを備えたカートリッジ)のようなタグラベル作成装置本体側に着脱可能なものにも限られず、装置本体側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型としてタグテープロール104を設けることも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
【0185】
また、以上においては、タグテープに直接印字を行う方式(いわゆるノンラミネートタイプ)であったが、これに限られず、無線タグ回路素子Toを備えたタグテープ103とは別のカバーフィルム(被印字媒体)に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式(いわゆるラミネートタイプ)に本発明を適用してもよい。
【0186】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0187】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0188】
【図1】本実施形態のタグラベル作成装置を備えた特許進捗管理システムを表すシステム構成図である。
【図2】特許進捗管理システムのシステム構成を表すシステム構成図である。
【図3】タグラベル作成装置の詳細構成を表す構成図である。
【図4】無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図5】サーバの制御回路によって行われる制御手順を表すフローチャートである。
【図6】ラベル発行処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【図7】主タグラベル発行処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【図8】データベースに格納されたデータ内容を概念的に表す図である。
【図9】従タグラベル発行処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【図10】タグラベル作成装置の制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図11】タグラベル作成装置で作成された主タグラベル及び従タグラベルの外観の一例を表す上面図である。
【図12】進捗更新処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【図13】進捗一覧表示処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【図14】進捗一覧表示を行う際にPCの制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図15】PCの表示部に表示される進捗一覧表示の一例を表す図である。
【図16】リアルサーチ処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【図17】ラベルコピー処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【図18】全手順表示部及び完了手順表示部から構成される進捗グラフの変形例を表す図である。
【図19】完了期限が既に到来したものをそれ以外の手順と異なる表示態様で表示する変形例において、進捗一覧表示を行う際にPCの制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図20】完了期限が既に到来したものをそれ以外の手順と異なる表示態様で表示する変形例において、PCの表示部に表示される進捗一覧表示の一例を表す図である。
【図21】特許進捗一覧表示から操作者の選択指示入力に対応したものを抽出して選択的に表示する変形例において、PCの制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図22】特許進捗一覧表示から操作者の選択指示入力に対応したものを抽出して選択的に表示する変形例において、進捗一覧表示の抽出の一例を表す図である。
【符号の説明】
【0189】
100 タグラベル作成装置
101 高周波回路(タグアクセス手段)
102 制御回路(複製用連携制御手段)
103 タグテープ(タグ媒体)
105 印字ヘッド(印字手段)
106 アンテナ(タグアクセス手段)
109 搬送装置(搬送手段)
150 IC回路部
151 タグ側アンテナ
203 データベース
300 PC(進捗表示装置)
310 全手順表示部
320 完了手順表示部
400 リーダ(無線探索装置、読み取り装置)
D メモリブロック(格納領域、一体格納領域)
d1,d2,d3 メモリブロック(格納領域、個別格納領域)
PS 特許進捗管理システム
T 無線タグラベル
To 無線タグ回路素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、時間的順序に沿った複数の作業手順により完遂される事象の進捗状況を表示する進捗表示装置及びこれを備えた進捗管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えた無線タグ回路素子を有する小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが提唱されており、様々な分野において実用化されつつある。
【0003】
上記RFIDシステムの従来技術として、例えば特許文献1に記載のものがある。この従来技術では、書類に無線タグラベル(RFIDタグ)を取り付けるとともに、その無線タグラベルが有する無線タグ回路素子のタグ識別情報(タグ識別子)と書類情報とを関連付けてデータベースに格納する。さらに、ワークフローの領域近辺に複数のリーダ(センサ)が設けられており、これら各リーダの場所も事前にデータベースに登録されている。これにより、書類に取り付けられた無線タグラベルのタグ識別情報がリーダで読み取られると、そのタグ識別情報と書類情報、及び場所が対応付けられ、書類の場所が把握できるようになっている。このようにして、書類の物理的な動きを追跡可能としている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−152258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に業務の進行においては、複数の作業手順が並行して進捗する。したがって、業務を効果的に管理するには、複数の作業手順の進捗状況を一元管理する必要がある。このとき、上記従来技術のシステムでは、業務の進行に伴って作成される書類の物理的な動きを追跡することは可能であるが、その書類の動きにより作業手順が進捗しても、その進捗状況を段階的に容易に把握することができなかった。
【0006】
本発明の目的は、複数の作業手順の進捗状況を段階的に容易に把握することができる進捗表示装置及び進捗管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、時間的順序に沿った複数の作業手順により完遂される事象の進捗状況を表示する進捗表示装置であって、前記完遂すべき前記複数の作業手順の全手順に対応した全手順表示部を表示させるための表示信号を出力する全手順表示信号出力手段と、前記複数の作業手順のうち現在までに完了した作業手順に対応した完了手順表示部を、前記全手順表示部と対比させて表示するための表示信号を出力する完了手順表示信号出力手段とを有することを特徴とする。
【0008】
本願第1発明においては、時間的順序に沿った複数の作業手順により完遂される事象について、全手順表示信号出力手段からの表示信号に基づき、複数の作業手順の全手順に対応した全手順表示部の表示が実行される。また、完了手順表示信号出力手段からの表示信号に基づき、それら全手順のうち現在までに完了した手順に対応した完了手順表示部の表示が上記全手順表示部と対比させた形で実行される。これにより、それら複数の作業手順の進捗状況を一元管理することができるので、当該事象の進捗状況を段階的に容易に把握することができる。また進捗状況情報を容易に共有することも可能である。
【0009】
第2の発明は、上記第1発明において、前記完了手順表示部に表示される前記現在までに完了した作業手順のうち、予め定められた完了期限が既に到来したものを、それ以外の手順と異なる表示態様で表示するための表示制御信号を出力する期限管理用表示制御手段を有することを特徴とする。
【0010】
期限切れとなったものを他と異ならせて表示することにより、操作者に対して視覚的に明確に認識させ、確実に注意喚起をすることができる。
【0011】
第3の発明は、上記第1発明において、前記完了手順表示部に時間的順序に沿って表示される前記現在までに完了した作業手順のうち、作業者による実行が省略され次の手順へスキップされた手順を、それ以外の手順と異なる表示態様で表示するための表示制御信号を出力するスキップ用表示制御手段を有することを特徴とする。
【0012】
スキップされた手順を他の手順と異ならせて表示することにより、操作者に対してスキップされたことを視覚的に明確に認識させ、確実に注意喚起をすることができる。
【0013】
第4の発明は、上記第2又は第3発明において、前記完了手順表示信号出力手段は、無線タグより無線通信を介し取得された情報に基づき、対応する前記表示信号を出力することを特徴とする。
【0014】
本願第4発明においては、時間的順序に沿った複数の作業手順により完遂される事象について、全手順表示信号出力手段からの表示信号に基づき、複数の作業手順の全手順に対応した全手順表示部の表示が実行される。また、無線タグより無線通信を介し取得された情報に基づく完了手順表示信号出力手段からの表示信号により、それら全手順のうち現在までに完了した手順に対応した完了手順表示部の表示が上記全手順表示部と対比させた形で実行される。これにより、上記複数の作業手順に対応した情報を無線タグに記憶させておくことで、それら複数の作業手順の進捗状況を、無線タグに対する情報読み取りに基づいて表示させることが可能となる。この結果、当該事象の進捗状況を段階的に容易に把握することができ、また進捗状況情報を容易に共有することも可能となる。
【0015】
第5の発明は、上記第4発明において、前記完了手順表示信号出力手段は、前記複数の作業手順それぞれに対応して設けられた複数の前記無線タグとの情報通信結果に基づき、最後に通信を行った前記無線タグより取得された情報に対応した前記表示信号を出力することを特徴とする。
【0016】
複数の作業手順それぞれに対応した複数の無線タグを用意しておくことで、最後にどの無線タグから情報読み取りを行ったかによって、対応する作業手順が現在行われている最も新しい作業となることから、これに基づき進捗状況を表示させることができる。
【0017】
第6の発明は、上記第4又は第5発明において、前記完了手順表示信号出力手段は、複数の前記事象をそれぞれに対応した複数の前記完了手順表示部を一覧表示するための前記表示信号を出力することを特徴とする。
【0018】
これにより、複数の事象それぞれについて、複数の作業手順の進捗状況を一元管理し、各事象ごとの進捗状況を段階的に容易に把握することができる。
【0019】
第7の発明は、上記第6発明において、前記全手順表示信号出力手段又は前記完了手順表示信号出力手段は、前記複数の事象ごと又は前記複数の作業手順毎に、互いに異なる表示態様となるような前記全手順表示部又は前記完了手順表示部を表示するための表示信号を出力することを特徴とする。
【0020】
これにより、複数の事象のそれぞれについて、又は、複数の作業手順それぞれについて、互いに視覚的に明確に区別しつつ操作者に認識させることができる。
【0021】
第8の発明は、上記第4乃至第7発明のいずれかにおいて、前記全手順表示部又は前記完了手順表示部の表示のうち、操作者の選択指示入力に対応したものを抽出して選択的に表示するための表示制御信号を出力する抽出表示制御手段を有することを特徴とする。
【0022】
これにより、操作者の意図に応じた事象又は作業手順等を特にピックアップして余分な表示を除去した状態で表示できるので、利便性を向上することができる。
【0023】
上記目的を達成するために、第9の発明は、時間的順序に沿った複数の作業手順により完遂される特許出願の明細書作成の前記複数の作業手順に対応した無線タグより、無線通信を介し情報読み取りを行う読み取り装置と、前記読み取り装置で前記無線タグより無線通信を介し取得された情報に基づき、完遂すべき前記複数の作業手順の全手順に対応した全手順表示部と、前記複数の作業手順のうち現在までに完了した作業手順に対応した完了手順表示部とを、対比させて表示する進捗表示装置とを有することを特徴とする。
【0024】
本願第9発明においては、時間的順序に沿った複数の作業手順により完遂される特許出願の明細書作成のそれら複数の作業手順に対応して無線タグが用意されており、その無線タグに対し読み取り装置によって情報読み取りが行われる。そして、この読み取り装置で無線タグより無線通信を介し取得された情報に基づき、進捗表示装置において、複数の作業手順の全手順に対応した全手順表示部の表示と、それら全手順のうち現在までに完了した手順に対応した完了手順表示部の表示とが対比して行われる。これにより、明細書作成における複数の作業手順の進捗状況を、無線タグに対する情報読み取りを行うだけで表示させることができる。この結果、当該事象の進捗状況を段階的に容易に把握することができ、また進捗状況情報を容易に共有することも可能となる。
【0025】
第10の発明は、上記第9発明において、前記進捗表示装置は、前記複数の作業手順それぞれに対応して設けられた複数の前記無線タグとの前記読み取り装置による情報読み取り結果に基づき、最後に通信を行った前記無線タグより取得された情報に対応した表示を行うことを特徴とする。
【0026】
複数の作業手順それぞれに対応した複数の無線タグを用意しておくことで、読み取り装置によって最後にどの無線タグから情報読み取りが行われたかによって、対応する作業手順が最新の作業となる。したがって、この最後の無線タグからの読み取り結果に基づき、進捗状況を表示させることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、複数の作業手順の進捗状況を段階的に容易に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0029】
図1は、本実施形態のタグラベル作成装置を備えた特許進捗管理システムを表すシステム構成図である。
【0030】
図1に示すこの特許進捗管理システムPSは、無線タグ情報の送受信を行うためのタグ側アンテナ151及びこれに接続され無線タグ情報を記憶可能なIC回路部150により構成される無線タグ回路素子To(後述の図4参照)を有する無線タグラベルTを作成するタグラベル作成装置100と、このタグラベル作成装置100と有線あるいは無線による通信回線NWを介して接続されたサーバ200及びPC(Personal Computer)300と、このPC300に接続され、作成された上記無線タグラベルTと無線通信を行い無線タグ回路素子ToのIC回路部150から無線タグ情報の読み取りを行うリーダ400とを有している。上記PC300は、液晶ディスプレイ等の表示部301及びキーボードやマウス等の操作部302を有しており、後述する各作業手順を行う際に操作者が表示部301を介して情報を閲覧したり、操作部302を用いて情報の入力を行うことが可能である。なお、ここでは煩雑防止のためPC300を1台のみ図示しているが、実際には複数のPC300が通信回線NWに接続されており、各PC300の操作者がサーバ200及びタグラベル作成装置100を共有可能となっている。
【0031】
図2は、上記特許進捗管理システムPSのシステム構成を表すシステム構成図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0032】
上記サーバ200は、サーバ200全体の制御を行う制御回路201と、この制御回路201と上記タグラベル作成装置100やPC300との間で通信回線NWを介して行われるネットワーク通信を行うためのインターフェース202と、各特許案件の案件情報(発明の名称、代表発明者等)や進捗情報、これらと関連付けられた無線タグ回路素子ToのタグID(タグ識別情報)等の情報が格納されるデータベース203(ハードディスク等で構成される)とを有している。
【0033】
上記PC300(進捗表示装置)は、各種表示を行う上記表示部301と、操作者が各種操作入力を行うための上記操作部302と、上記リーダ400の高周波回路402と情報の入出力を行うと共に、PC300全体の制御を行う制御回路303と、この制御回路303と上記タグラベル作成装置100や上記サーバ200の制御回路201と通信回線NWを介して行われるネットワーク通信を行うためのインターフェース304とを有する。
【0034】
上記リーダ400(無線探索装置、読み取り装置)は、無線タグラベルTに備えられる無線タグ回路素子Toのタグ側アンテナ151との間で無線通信により信号の授受を行うアンテナ401と、このアンテナ401を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150へ無線通信によりアクセスし、その無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理する上記高周波回路402とを有している。このリーダ400は操作者が手に携帯しやすい大きさとなっており、PC300と接続された状態で所定の範囲内において操作者が携帯して移動することが可能なように構成されている。
【0035】
なお、上記PC300とリーダ400とが、特許請求の範囲各項記載の進捗管理システムを構成する。
【0036】
図3は、上記タグラベル作成装置100の詳細構成を表す構成図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0037】
タグラベル作成装置100は、所定間隔で無線タグ回路素子Toが備えられたタグテープ103(タグ媒体)を巻回したタグテープロール104(本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示している)を着脱可能な(又はタグテープロール104を備えたカートリッジを着脱可能な)タグテープロールホルダ部110と、このタグテープロール104から繰り出されたタグテープ103のうち上記無線タグ回路素子Toに対応した領域に所定の印字を行う印字ヘッド105(印字手段)と、無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行うアンテナ106と、高周波回路101及び制御回路102と、上記サーバ200及びPC300との間で通信回線NWを介して行われるネットワーク通信を行うためのインターフェース108と、タグテープ103への印字及び無線タグ回路素子Toへの上記情報書き込みが終了したタグテープ103を所定の長さに切断して無線タグラベルTとするカッタ107と、印字ヘッド105に対向して設けられ、制御回路102により制御されてタグテープ103を搬送する搬送装置109(搬送手段)とを有する。
【0038】
高周波回路101及び制御回路102は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150へのアクセス情報を生成し、アンテナ106を介して無線タグ回路素子Toへ送信し、無線タグ回路素子ToのIC回路部150へ情報書き込みを行う。なお、上記高周波回路101及びアンテナ106が、特許請求の範囲各項記載の無線タグ回路素子に無線通信によるアクセスを行うタグアクセス手段を構成する。
【0039】
なお、上記タグラベル作成装置の制御回路102、サーバ200の制御回路201、及びPC300の制御回路303及びは、特に図示はしないが、いわゆるマイクロコンピュータであり、中央演算処理装置であるCPU、ROM、RAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って所定の処理手順を行うようになっている。
【0040】
図4は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0041】
この図4において、無線タグ回路素子Toは、装置側アンテナ(無線タグラベル作成装置100のアンテナ106やリーダ400のアンテナ401)と無線通信により非接触で信号の送受信を行う上記タグ側アンテナ151と、このタグ側アンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
【0042】
IC回路部150は、タグ側アンテナ151により受信された質問波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部154と、上記タグ側アンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部157と、上記タグ側アンテナ151に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
【0043】
変復調部158は、タグ側アンテナ151により受信された上記装置側アンテナからの通信信号の復調を行い、また、上記制御部155からの返信信号を変調し、タグ側アンテナ151より応答波として送信する。
【0044】
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0045】
クロック抽出部156は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部155にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の周波数に対応したクロックを制御部155に供給する。
【0046】
図5は、上記サーバ200の制御回路201によって行われる制御手順を表すフローチャートである。
【0047】
まずステップS10では、制御回路201は操作者により作業モードの選択入力があるか否かを判定する。ここで作業モードとは、無線タグラベルTを作成させるための「ラベル発行」モード、作業工程(作業手順)を進捗させるための「進捗更新」モード、進捗を表示させるための「進捗一覧表示」モード、所望の案件フォルダ(無線タグラベルT)を探索するための「リアルサーチ」モード、及び所望の無線タグラベルTの複製を作成するための「ラベルコピー」モードのことである。この判定は、制御回路201が、操作者がPC300の操作部302を用いて入力したモード選択信号を通信回線NWを介して受信したか否かによって行われる。制御回路201は作業モードの選択入力があるまで本ステップを繰り返し、選択入力があると判定が満たされて次のステップS20に移る。
【0048】
ステップS20では、制御回路201は上記ステップS10で選択入力された作業モードが「ラベル発行」モードであるか否かを判定する。「ラベル発行」モードが選択されている場合には、判定が満たされてステップS100に移り、無線タグラベルTの作成を行うラベル発行処理を行う(後述の図6参照)。その後、ステップS70に移る。一方、「ラベル発行」モードが選択されていない場合には、判定が満たされずに次のステップS30に移る。
【0049】
ステップS30では、制御回路201は上記ステップS10で選択入力された作業モードが「進捗更新」モードであるか否かを判定する。「進捗更新」モードが選択されている場合には、判定が満たされてステップS200に移り、作業工程を進捗させる進捗更新処理を行う(後述の図12参照)。その後、ステップS70に移る。一方、「進捗更新」モードが選択されていない場合には、判定が満たされずに次のステップS40に移る。
【0050】
ステップS40では、制御回路201は上記ステップS10で選択入力された作業モードが「進捗一覧表示」モードであるか否かを判定する。「進捗一覧表示」モードが選択されている場合には、判定が満たされてステップS300に移り、PC300に進捗一覧表示を行わせるために進捗情報等を送信する進捗一覧表示処理を行う(後述の図13参照)。その後、ステップS70に移る。一方、「進捗一覧表示」モードが選択されていない場合には、判定が満たされずに次のステップS50に移る。
【0051】
ステップS50では、制御回路201は上記ステップS10で選択入力された作業モードが「リアルサーチ」モードであるか否かを判定する。「リアルサーチ」モードが選択されている場合には、判定が満たされてステップS400に移り、PC300に接続されたリーダ400を用いて所望の無線タグラベルTを探索するリアルサーチ処理を行う(後述の図16参照)。その後、ステップS70に移る。一方、「リアルサーチ」モードが選択されていない場合には、判定が満たされずに次のステップS60に移る。
【0052】
ステップS60では、制御回路201は上記ステップS10で選択入力された作業モードが「ラベルコピー」モードであるか否かを判定する。「ラベルコピー」モードが選択されている場合には、判定が満たされてステップS500に移り、タグラベル作成装置100で所望の無線タグラベルTの複製を作成するラベルコピー処理を行う(後述の図17参照)。その後、ステップS70に移る。一方、「ラベルコピー」モードが選択されていない場合には、判定が満たされずに次のステップS70に移る。
【0053】
ステップS70では、制御回路201は作業を終了するか否かを判定する。具体的には、操作者がPC300において上記作業を行うためのソフトウェアを閉じたり、PC300の電源を落としたりした場合に作業終了と判定する。それ以外の場合には、判定が満たされずに先のステップS10に戻る。一方、上記のような作業終了操作がなされた場合には、判定が満たされて本フローを終了する。
【0054】
なお、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0055】
図6は、上記ラベル発行処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【0056】
まずステップS110において、制御回路201は発行する無線タグラベルTが新規案件に対応するものであるか否かを判定する。この判定は、制御回路201が、操作者がPC300の操作部302を用いて入力した新規案件である旨の入力信号(例えば画面に表示された「新規登録」ボタンを押すことにより入力される)を通信回線NWを介して受信したか否かによって行われる。入力信号を受信した場合(新規登録である場合)には、判定が満たされて次のステップS600に移る。
【0057】
ステップS600では、制御回路201は新規案件を登録する際の最初の無線タグラベルT(以下、「主タグラベルT」と記載する)を作成するための主タグラベル発行処理を行う(後述の図7参照)。この主タグラベルTは、各特許案件に対応するフォルダに取り付けて使用される。なお、フォルダは対応する特許案件の各種書類(依頼書やクレーム、明細書原稿等)を格納するものである(例えば包袋)。そして、本ルーチンを終了する。
【0058】
一方、上記ステップS110において入力信号を受信していない場合(新規登録でない場合)には、判定が満たされずにステップS700に移る。このステップS700では、制御回路201は既に主タグラベルTが作成された案件について主タグラベルTの作成後に作成が予定された無線タグラベルT(以下、「従タグラベルT」と記載する)を作成するための従タグラベル発行処理を行う(後述の図9参照)。本実施形態では、従タグラベルTは、各特許案件につき知財担当者が特許事務所からクレーム(特許請求の範囲)を受領した際及び明細書原稿を受領した際に作成され、それぞれクレーム原稿及び明細書原稿に取り付けて使用される。そして、本ルーチンを終了する。
【0059】
なお、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0060】
図7は、上記主タグラベル発行処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【0061】
まずステップS610では、制御回路201は通信回線NWを介してPC300の制御回路303に制御信号を送信し、表示部301に案件情報入力画面を表示させる。案件情報入力画面は知財担当者が新規に特許案件を登録する際に案件情報を入力する画面であり、知財整理番号(出願識別情報)、発明のタイトル、代表発明者、発注する代理人(特許事務所)、登録日等の入力欄を有している。
【0062】
次のステップS620では、制御回路201は、知財担当者が上記案件情報入力画面を参照しつつPC300の操作部302を用いて入力した案件情報を、通信回線NWを介して入力する。
【0063】
次のステップS630では、制御回路201は主タグラベルTの発行を行うか否かを判定する。この判定は、制御回路201が、知財担当者がPC300の操作部302を用いて入力した発行指令信号(例えば画面に表示された「発行」ボタンを押すことにより入力される)を通信回線NWを介して受信したか否かによって行われる。発行指令信号を受信しない場合には判定が満たされずに上記ステップS620に戻る。一方、発行指令信号を受信した場合には判定が満たされて次のステップS640に移る。
【0064】
ステップS640では、制御回路201は作成する主タグラベルTの無線タグ回路素子Toに書き込むタグID(タグ識別情報)を設定する。この設定は、制御回路201が上記データベース203に格納されたタグIDデータベースから適宜のIDを読み出すことにより行う。なお、タグID設定用のデータベースをデータベース203とは別に設けるようにしてもよい。
【0065】
ステップS650では、制御回路201は作成する主タグラベルTに印字する印字情報を作成する。本実施形態では、主タグラベルTにはタグラベルの用途(主タグラベルTの場合には「フォルダ用」)、知財整理番号、代表発明者、代理人、発明のタイトルが印字されるようになっており(後述の図11(a)参照)、上記印字情報はこれらの情報を含むようになっている。
【0066】
次のステップS660では、制御回路201は上記ステップS640で設定したタグID及び上記ステップS650で作成した印字情報を、通信回線NWを介してタグラベル作成装置100の制御回路102に送信する。
【0067】
ステップS670では、制御回路201は、タグラベル作成装置100において主タグラベルTの作成が完了した際に制御回路102から送信される主タグラベル作成完了信号(後述の図10中ステップS840参照)を通信回線NWを介して受信したか否かを判定する。主タグラベル作成完了信号を受信するまで本ステップを繰り返し、受信した場合には判定が満たされて次のステップS680に移る。
【0068】
ステップS680では、制御回路201は上記ステップS640で設定したタグIDとステップS620で入力した案件情報、及びステップS650で作成した印字情報とを関連付けてデータベース203に登録する。
【0069】
次のステップS690では、制御回路201は作成した主タグラベルTの作成後に作成が予定される従タグラベルT、すなわちクレーム用及び明細書原稿用の2つの従タグラベルTのタグIDを上記ステップS640と同様にして設定し、これらの従タグラベルT用のタグID(以下、適宜「従タグID」と記載)を上記ステップS680で登録した主タグラベルT用のタグID(以下、適宜「主タグID」と記載)と関連付けて一体的にデータベース203に登録する。これにより、主タグIDの格納領域に関連付けて従タグIDの格納領域をデータベース203内に生成することができるようになっている。そして、本ルーチンを終了する。
【0070】
なお、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0071】
図8は、上記ステップS680及びステップS690においてデータベース203に格納されたデータ内容(ここではタグID)を概念的に表す図である。
【0072】
図8に示すように、データベース203は所定のメモリブロック番地に所定のデータを格納する形式が取られている。なお、ここでの番地とは、データベース203(例えばハードディスク)のメモリ領域を所定の記憶容量(例えば数Kバイト)ごとのメモリ領域(メモリブロック)に区画した場合における当該メモリブロックの場所を示すものである。
【0073】
図8(a)に示すように、本実施形態では主タグIDと従タグIDとが、データベース203におけるN番地のメモリブロックD(格納領域、一体格納領域)に一体的に関連付けられて登録されている。ここで、図中に示す従1タグIDとはクレーム用の従タグラベルTのタグID、従2タグIDとは明細書原稿用の従タグラベルTのタグIDのことである。
【0074】
なお、上記では主タグIDと従タグIDとを同じメモリブロック番地に一体的に格納するようにしたが、これに限られない。すなわち、図8(b)に示すように、主タグIDと従タグIDとを互いに関連付けられた複数の格納領域に個別にそれぞれ格納するようにしてもよい。ここに示す例では、主タグIDをn番地のメモリブロックd1(格納領域、個別格納領域)、クレーム用の従タグIDを2n番地のメモリブロックd2(格納領域、個別格納領域)、明細書原稿用の従タグIDを3n番地のメモリブロックd3(格納領域、個別格納領域)に格納しており、さらにこれらメモリブロックd1,d2,d3を関連付ける関連付けデータを適宜のメモリブロックに格納するようになっている。
【0075】
このように主タグIDと従タグIDとを個別にそれぞれ格納することにより、上記のように一体的な領域に格納する場合よりも格納場所や格納態様の自由度を広げることができる。
【0076】
図9は、上記従タグラベル発行処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【0077】
まずステップS710では、制御回路201は登録された案件の中から従タグラベルTを作成する案件が選択されたか否かを判定する。この判定は、制御回路201が、知財担当者がPC300の操作部302を用いて入力した案件選択信号(例えば登録された案件一覧を画面に表示し、知財担当者がその一覧の中から特定の案件を選択ことにより入力される)を通信回線NWを介して受信したか否かによって行われる。案件選択信号を受信するまで本ステップを繰り返し、受信したら判定が満たされて次のステップS720に移る。
【0078】
ステップS720では、制御回路201は従タグラベルTの発行を行うか否かを判定する。この判定は、制御回路201が、知財担当者がPC300の操作部302を用いて入力した発行指令信号(例えば画面に表示された「発行」ボタンを押すことにより入力される)を通信回線NWを介して受信したか否かによって行われる。発行指令信号を受信するまで本ステップを繰り返し、受信した場合には判定が満たされて次のステップS730に移る。
【0079】
ステップS730では、制御回路201は上記ステップS710で選択された案件が所定の作業工程まで進捗しているか否かを判定する。具体的には、本実施形態では各案件の作業工程は社内打合せ(工程1)、依頼書発送(工程2)、特許事務所打合せ(工程3)、クレーム受領(工程4)、発明者クレームチェック(工程5)、知財クレームチェック(工程6)、明細書原稿受領(工程7)、発明者原稿チェック(工程8)、知財明細書チェック(工程9)、出願(工程10)、審査請求(工程11)の11工程から構成されており(後述の図15参照)、このうちのクレーム受領(工程4)又は明細書原稿受領(工程7)の工程まで進捗しているか否かを判定する。クレーム受領(工程4)又は明細書原稿受領(工程7)まで進捗していない場合には、判定が満たされずにステップS740に移り、PC300の制御回路303に制御信号を送信して表示部301に所定のエラー表示(例えば「クレームを受領していません」「明細書原稿を受領していません」等)を行わせる。一方、クレーム受領(工程4)又は明細書原稿受領(工程7)まで進捗している場合には、判定が満たされて次のステップS750に移る。
【0080】
ステップS750では、制御回路201は作成する従タグラベルT(作業工程がクレーム受領(工程4)まで進捗している場合にはクレーム用の従タグラベルTであり、作業工程が明細書原稿受領(工程7)まで進捗している場合には明細書原稿用の従タグラベルTである。以下同様)の無線タグ回路素子Toに書き込むタグID(タグ識別情報)を、データベース203から読み出し取得する(前述したように、これら従タグIDは主タグラベルT作成時に予め設定され、データベース203の番地NのメモリブロックDに格納されている。図8(a)参照)。
【0081】
次のステップS760では、制御回路201は作成する従タグラベルTに印字する印字情報を作成する。本実施形態では、従タグラベルTには上述した主タグラベルTと同様に、タグラベルの用途(従タグラベルTの場合には「クレーム用」又は「明細書用」)、知財整理番号、代表発明者、代理人、発明のタイトルが印字されるようになっており(後述の図11(b)(c)参照)、上記印字情報はこれらの情報を含むようになっている。
【0082】
次のステップS770では、制御回路201は上記ステップS750で取得したタグID及び上記ステップS760で作成した印字情報を、通信回線NWを介してタグラベル作成装置100の制御回路102に送信する。
【0083】
ステップS780では、制御回路201は、タグラベル作成装置100において従タグラベルTの作成が完了した際に制御回路102から送信される従タグラベル作成完了信号(後述の図10中ステップS840参照)を通信回線NWを介して受信したか否かを判定する。従タグラベル作成完了信号を受信するまで本ステップを繰り返し、受信した場合には判定が満たされて次のステップS790に移る。
【0084】
ステップS790では、制御回路201は上記ステップS750で取得したタグIDと案件情報、及びステップS760で作成した印字情報とを関連付けてデータベース203に登録する。そして、本ルーチンを終了する。
【0085】
なお、上記ステップS730は、特許請求の範囲各項記載の作成される無線タグラベルが、複数の作業手順の時間的順序に沿ったものとなっているかどうかを判定する判定手段を構成する。
【0086】
また、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0087】
図10はタグラベル作成装置100の制御回路102によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0088】
図10において、まずステップS810において、制御回路102は通信回線NWを介してサーバ200の制御回路201からタグID及び印字情報を受信したか否かを判定する(図7中ステップS660、図9中ステップS770参照)。タグID及び印字情報を受信するまで本ステップを繰り返し、受信したら判定が満たされて次のステップS820に移る。
【0089】
ステップS820では、制御回路102は高周波回路101によりアクセス情報を生成して装置側アンテナ106を介して無線タグ回路素子Toへ送信し、IC回路部150へ上記ステップS810で受信したタグIDの書き込みを行う。また、上記ステップS810で受信した印字情報に基づいた印字ヘッド105による印字を行う。
【0090】
次のステップS830では、制御回路102はカッタ107を駆動させて上記印字及び無線タグ回路素子Toへの情報書き込みが終了したタグテープ103を所定の長さに切断し、1つの無線タグ回路素子Toを備えた無線タグラベルT(主タグラベルT又は従タグラベルT)を作成する。
【0091】
次のステップS840では、制御回路102は無線タグラベルT(主タグラベルT又は従タグラベルT)の作成が完了した旨を表すラベル作成完了信号を、通信回線NWを介してサーバ200の制御回路201に送信する。そして、本フローチャートを終了する。
【0092】
なお、上記ステップS840は、特許請求の範囲各項記載の複数の無線タグラベルのうち1つの無線タグラベルを作成する際、データベース内の1つの無線タグラベルに対応するタグ識別情報の格納領域に関連づけて、複数の無線タグラベルのうち残りの無線タグラベルに対応するタグ識別情報の格納領域をデータベース内に生成するための生成指示信号を出力する領域生成指示手段を構成し、主タグラベルTを作成する際にステップS840でサーバ200に対し送信する主タグラベル作成完了信号が、上記生成指示信号に相当する。
【0093】
また、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0094】
図11は、上記制御によりタグラベル作成装置100で作成された無線タグラベルTの外観の一例を表す上面図である。なお、図11(a)は主タグラベルT、図11(b)及び(c)は従タグラベルTの外観を表している。
【0095】
これら図11(a)(b)及び(c)に示すように、各無線タグラベルTの表側(上面)にはタグラベルの用途(主タグラベルTの場合には「フォルダ用」、従タグラベルTの場合には「クレーム用」又は「明細書用」)、知財整理番号、代表発明者、代理人、発明のタイトルが印字されている。なお、印字項目は必ずしもこれらに限定する必要はなく、例えばタグラベル用途と知財整理番号のみといったように印字項目を減らしてもよいし、さらに他の情報を印字するようにしてもよい。また、文字だけでなく図形や符号、あるいは色塗りや模様等を付加してもよく、何らかの形で案件を認識・識別できるものであればよい。
【0096】
なお、図11では図示を省略しているが、各無線タグラベルTは無線タグ情報の送受信を行うためのタグ側アンテナ151及びこれに接続され無線タグ情報を記憶可能なIC回路部150により構成される無線タグ回路素子Toをそれぞれ内蔵している。
【0097】
図12は、上記進捗更新処理の詳細手順を表すフローチャートである。なお、前述したように各案件の作業工程は社内打合せ(工程1)、依頼書発送(工程2)、特許事務所打合せ(工程3)、クレーム受領(工程4)、発明者クレームチェック(工程5)、知財クレームチェック(工程6)、明細書原稿受領(工程7)、発明者原稿チェック(工程8)、知財明細書チェック(工程9)、出願(工程10)、審査請求(工程11)の11工程から構成されているが、本実施形態では工程1〜4については主タグラベルT、工程5〜6についてはクレーム用の従タグラベルT、工程7については主タグラベルT、工程8〜9については明細書原稿用の従タグラベルT、その後の工程10〜11については主タグラベルTを用いて進捗更新を行うようになっている。以下の図12の説明においては、タグラベルの種類を区別せずに単に無線タグラベルTとして説明する。
【0098】
まずステップS210では、制御回路201は無線タグラベルTからタグIDの読み取りを行ったか否かを判定する。具体的には、制御回路201は通信回線NWを介してPC300の制御回路303に制御信号を送信し、リーダ400の高周波回路402及びアンテナ401を介し、無線タグラベルTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶されたタグIDを読み取るための読み取り信号を送信させる。その後、上記読み取り信号に対応し無線タグ回路素子Toから返信されたリプライ信号がアンテナ401を介し受信され、高周波回路402を介し制御回路303へ取り込まれたかどうかを判定する。タグIDの読み取りを行うまで本ステップを繰り返し、読み取りを行った場合には判定が満たされて次のステップS220に移る。
【0099】
ステップS220では、制御回路201は、上記ステップS210においてPC300の制御回路303が無線タグラベルTから取得したタグIDを、通信回線NWを介して受信し取得する。
【0100】
次のステップS230では、制御回路201は上記ステップS220で取得したタグIDに基づきデータベース203を検索し、当該タグIDに対応する特許案件の案件情報(進捗情報)を読み出す。
【0101】
次のステップS240では、制御回路201は上記ステップS230で読み出した案件の進捗状況に基づき、PC300の制御回路303に制御信号を送信して表示部301に次の作業工程に対応する進捗更新画面の表示を行わせる。例えば、現在の進捗状況が特許事務所打合せ(工程3)まで終了している場合、次のクレーム受領(工程4)に対応する更新画面の表示を行う。
【0102】
次のステップS250では、制御回路201は、知財担当者が上記更新画面を参照しつつPC300の操作部302を用いて入力した更新情報を、通信回線NWを介して入力する。例えば上記の例では、クレーム受領(工程4)に対応する更新画面において知財担当者が入力したクレーム受領日を入力する。
【0103】
次のステップS260では、制御回路201は進捗更新を行うか否かを判定する。この判定は、制御回路201が、知財担当者がPC300の操作部302を用いて入力した更新指令信号(例えば画面に表示された「更新」ボタンを押すことにより入力される)を通信回線NWを介して受信したか否かによって行われる。更新指令信号を受信しない場合(更新を行わない場合)には判定が満たされずに上記ステップS250に戻る。一方、更新指令信号を受信した場合(更新を行う場合)には判定が満たされて次のステップS270に移る。
【0104】
ステップS270では、制御回路201は上記ステップS250で入力した更新情報をデータベース203に登録し、案件情報を更新する。そして、本ルーチンを終了する。
【0105】
以上のような制御により、知財担当者が作業を管理する工程1〜4については知財担当者が主タグラベルTを用いて進捗を更新し、クレーム用の従タグラベルTを発行した後はその従タグラベルTをクレーム原稿に取り付けることにより、発明者はクレームチェック終了時にクレーム原稿に取り付けられた従タグラベルTを用いて進捗を工程5から工程6に更新することができる。同様に、明細書原稿用の従タグラベルTを発行した後はその従タグラベルTを明細書原稿に取り付けることにより、発明者は明細書チェック終了時に明細書原稿に取り付けられた従タグラベルTを用いて進捗を工程8から工程9に更新することができるようになっている。
【0106】
なお、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0107】
図13は、上記進捗一覧表示処理の詳細手順を表すフローチャートである。なお、この進捗一覧表示は案件の進捗に関わりなく主タグラベルT又は従タグラベルTのいずれを用いても表示することが可能となっている。したがって、以下の図13の説明においては、タグラベルの種類を区別せずに単に無線タグラベルTとして説明する。
【0108】
まずステップS310では、制御回路201は進捗状態を案件毎に個別に表示するか、または複数の案件について一覧表示するかを判定する。この判定は、制御回路201が、知財担当者がPC300の操作部302を用いて入力した一覧表示指令信号(例えば画面に表示された「一覧」ボタンを押すことにより入力される)を通信回線NWを介して受信したか否かによって行われる。一覧表示指令信号を受信した場合には判定が満たされずにステップS320に移り、知財担当者がPC300の操作部302を用いて入力した担当者識別情報(例えば担当者ID及びパスワード)を、通信回線NWを介して入力する。そして、次のステップS350に移る。
【0109】
一方、上記ステップS310で一覧表示指令信号を受信しない場合(すなわち個別表示を行う場合)には、判定が満たされて次のステップS330に移る。ステップS330では、制御回路201は無線タグラベルTからタグIDの読み取りを行ったか否かを判定する。タグIDの読み取りを行うまで本ステップを繰り返し、読み取りを行った場合には判定が満たされて次のステップS340に移る。
【0110】
ステップS340では、制御回路201は、上記ステップS330においてPC300の制御回路303が無線タグラベルTから取得したタグIDを、通信回線NWを介して受信し取得する。
【0111】
次のステップS350では、制御回路201は上記ステップS320又はステップS340で取得した複数又は単数のタグIDに基づきデータベース203を検索し、当該タグIDに対応する特許案件の案件情報(進捗情報)を読み出す。
【0112】
次のステップS360では、制御回路201は、上記ステップS350でデータベース203から読み出した案件情報(進捗情報)を通信回線NWを介してPC300の制御回路303に送信する。そして、本ルーチンを終了する。
【0113】
なお、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。例えば、上記では一覧表示をさせる際に知財担当者が担当者識別情報を入力する(ステップS320参照)ようにしたが、これに限られず、例えば最初にPC300において担当者識別情報を入力してログインを行ってから各作業手順を開始するようにしてもよい。この場合、上記ステップS320は不要となる。
【0114】
図14は、上記進捗一覧表示を行う際にPC300の制御回路303によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0115】
まずステップS910では、制御回路303は通信回線NWを介してサーバ200の制御回路201から案件情報(進捗情報を含む)を受信したか否かを判定する。なおこのとき、一覧表示である場合には知財担当者が担当する複数の案件についての案件情報を全て受信し、個別表示である場合にはリーダ400に読み取らせた無線タグラベルTに対応する1件の案件情報を受信する。案件情報を受信するまで本ステップを繰り返し、受信したら判定が満たされて次のステップS920に移る。
【0116】
ステップS920では、制御回路303は受信した案件情報に基づき表示部301に表示信号を出力し、完遂すべき複数の作業工程の全工程(前述した11工程)に対応した全手順表示部310(後述の図15参照)を表示させる。
【0117】
次のステップS930では、制御回路303は受信した案件情報に基づき表示部301に表示信号を出力し、複数の作業工程(前述した11工程)のうち現在までに完了した作業工程に対応した完了手順表示部320(後述の図15参照)を表示させる。なおこのとき、一覧表示である場合には複数の案件についての案件情報を全て受信し、個別表示である場合にはリーダ400で読み取った無線タグラベルT(無線タグ回路素子To)のタグIDに対応する1件の案件情報を受信する。そして、本フローを終了する。
【0118】
なお、上記ステップS920は、特許請求の範囲各項記載の完遂すべき複数の作業手順の全手順に対応した全手順表示部を表示させるための表示信号を出力する全手順表示信号出力手段を構成し、ステップS930は、複数の作業手順のうち現在までに完了した作業手順に対応した完了手順表示部を、全手順表示部と対比させて表示するための表示信号を出力する完了手順表示信号出力手段を構成すると共に、現在までに完了した作業手順のうち、作業者による実行が省略され次の手順へスキップされた手順を、それ以外の手順と異なる表示態様で表示するための表示制御信号を出力するスキップ用表示制御手段をも構成する。また、上記11の工程からなる特許案件の出願が、時間的順序に沿った複数の作業手順により完遂される事象に相当する。
【0119】
また、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。例えば、上記ではステップS920とステップS930とを分けて別個のステップとしたが、これらを一ステップで行うようにしてもよい。
【0120】
図15は上記制御によってPC300の表示部301に表示される進捗一覧表示の一例を表す図である。ここでは、複数の案件を一覧表示した場合を示している。
【0121】
図15において、この例では知財担当者が担当する特許案件は6件あり、各案件について知財整理番号、発明のタイトル、代表発明者、進捗状態、最終工程日、及び上記全手順表示部310及び完了手順表示部320から構成される進捗グラフがそれぞれ表示されている。
【0122】
上記進捗グラフには、特許案件に係る全工程(11工程)を表す1〜11までの数字からなる全手順表示部310と、この全工程のうち完了した工程について「○」の記号を付した完了手順表示部320とが表示されている。すなわち、この図に示す例では、例えば知財整理番号が「2007−00027」である案件の進捗状況は、知財担当者によるクレームチェックまで終了しており、現在特許事務所からの明細書原稿待ちの状態である。なお、完了手順表示部320において矢印「→」が表示された工程は、知財担当者による作業の実行が省略され次の工程にスキップされたことを示す。すなわち、例えば上記整理番号「2007−00027」の案件においては、例えば社内打合せ(工程1)に代理人が参加した等により特許事務所打合せ(工程3)が省略されたことを示している。
【0123】
また、上記進捗グラフにおいては、完了手順表示部320に示すように、複数の作業工程ごとに(本実施形態では工程1〜3、工程4〜6、工程7〜9、工程10〜11のそれぞれにおいて)互いに異なる色で「○」が表示されている(工程10〜11については図示していないが黒丸となる)。これにより、知財担当者は、複数の作業工程それぞれについて互いに視覚的に明確に区別しつつ進捗状況を認識できるようになっている。
【0124】
なお、上記完了手順表示部320における完了工程を示す「○」や工程のスキップを示す「→」の表示は、これに限定するものではなく、その他の表示態様を用いてもよい。例えば完了工程を示す「○」についてはその他の記号や文字、図形等でもよく、またスキップを示す「→」については、色違い、文字違い、線違い、記号付加等、それ以外の工程と異なる表示態様であればよい。
【0125】
また、上記では完了手順表示部320において複数の作業工程ごとに互いに異なる色となるようにしたが、これに限られず、文字違い、線違い、記号付加等、互いに異なる表示態様であればよい。さらには、上記では複数の作業工程ごとに互いに異なる表示態様としたが、これに限られず、案件ごとに表示態様を異ならせてもよい。
【0126】
図16は、上記リアルサーチ処理の詳細手順を表すフローチャートである。このリアルサーチは、知財担当者が所望の特許案件のフォルダを見失った場合などに、知財整理番号を入力してリーダ400を携帯して複数のフォルダにかざすことにより、該当するフォルダを探索するものである。
【0127】
まずステップS410では、制御回路201は通信回線NWを介してPC300の制御回路303に制御信号を送信し、表示部301に整理番号入力画面を表示させる。
【0128】
次のステップS420では、制御回路201は、知財担当者が上記整理番号入力画面を参照しつつPC300の操作部302を用いて入力した整理番号を、通信回線NWを介して受信したか否かを判定する。受信するまで本ステップを繰り返し、受信した場合には判定が満たされて次のステップS430に移る。
【0129】
ステップS430では、制御回路201は上記ステップS420で取得した知財整理番号に基づきデータベース203を検索し、当該整理番号に対応する特許案件のタグIDを読み出す。
【0130】
次のステップS440では、制御回路201は無線タグラベルT(ここでは主タグラベルT。以下同様)からタグIDの読み取りを行ったか否かを判定する。タグIDの読み取りを行うまで本ステップを繰り返し、読み取りを行った場合には判定が満たされて次のステップS450に移る。
【0131】
ステップS450では、制御回路201は、上記ステップS440においてPC300の制御回路303が無線タグラベルTから取得したタグIDを、通信回線NWを介して受信し取得する。
【0132】
次のステップS460では、制御回路201は、上記ステップS430でデータベース203より取得したタグIDと、上記ステップS450で無線タグラベルTから取得したタグIDとが一致するか否かを判定する。一致しない場合には、上記ステップS440に戻り、再びタグIDの読み取りを行ったか否かを判定する。一方、一致した場合には判定が満たされて次のステップS470に移る。
【0133】
ステップS470では、制御回路201はPC300の制御回路303に制御信号を送信して表示部301に該当する無線タグラベルTを発見した旨の表示(例えば「該当する案件を見つけました」等)を行わせる。なおこのとき、図示しないスピーカを用いて音声による報知を行うようにしてもよい。そして、本フローを終了する。
【0134】
なお、上記ではリーダ400を用いて主タグラベルTの探索を行う場合を例にとって説明したが、これに限られず、従タグラベルTの探索を可能としてもよい。これにより、所望の案件のフォルダのみでなく、クレームや明細書原稿を見失った場合でも、知財整理番号を入力してリーダ400を携帯して該当する原稿を探索することが可能となる。
【0135】
また、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0136】
図17は、上記ラベルコピー処理の詳細手順を表すフローチャートである。このラベルコピーは、例えば主タグラベルTの複製を作成してフォルダの複数箇所に分散して取り付けることにより、上記リアルサーチ時のリーダ400による読み取りの容易化を図る場合等に行うものである。なお、このラベルコピーは主タグラベルT又は従タグラベルTのいずれについても行うことが可能である。したがって、以下の図17の説明においては、タグラベルの種類を区別せずに単に無線タグラベルTとして説明する。
【0137】
まずステップS510では、制御回路201は無線タグラベルTからタグIDの読み取りを行ったか否かを判定する。タグIDの読み取りを行うまで本ステップを繰り返し、読み取りを行った場合には判定が満たされて次のステップS520に移る。
【0138】
ステップS520では、制御回路201は、上記ステップS510においてPC300の制御回路303が無線タグラベルTから取得したタグIDを、通信回線NWを介して受信し取得する。
【0139】
次のステップS530では、制御回路201は上記ステップS520で取得したタグIDに基づきデータベース203を検索し、当該タグIDに対応する特許案件の案件情報及び印字情報を読み出す。
【0140】
次のステップS540では、制御回路201は作成する複製の無線タグラベルTの無線タグ回路素子Toに書き込むタグIDを設定する。この設定は、前述と同様に制御回路201が上記データベース203に格納されたタグIDデータベースから適宜のIDを読み出すことにより行う。なお、タグID設定用のデータベースをデータベース203とは別に設けるようにしてもよい。
【0141】
次のステップS550では、制御回路201は上記ステップS540で設定したタグID及び上記ステップS530でデータベース203から読み出した印字情報を、通信回線NWを介してタグラベル作成装置100の制御回路102に送信する。
【0142】
ステップS560では、制御回路201は、タグラベル作成装置100において無線タグラベルTの作成が完了した際に制御回路102から送信されるタグラベル作成完了信号(図10中ステップS840参照)を通信回線NWを介して受信したか否かを判定する。タグラベル作成完了信号を受信するまで本ステップを繰り返し、受信した場合には判定が満たされて次のステップS570に移る。
【0143】
ステップS570では、制御回路201は上記ステップS540で設定したタグIDとデータベース203から読み出した案件情報及び印字情報とを関連付けてデータベース203に登録する。そして、本ルーチンを終了する。
【0144】
なお、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0145】
以上において、タグラベル作成装置100の制御回路102は、特許請求の範囲各項記載の無線探索装置が主タグラベル又は従タグラベルの無線タグ回路素子を探索しアクセスに成功したとき、その無線タグ回路素子の記憶情報と同等の記憶情報を別の無線タグ回路素子に書き込んだ新たな無線タグラベルを作成するように、搬送手段、印字手段、タグアクセス手段を連携して制御する複製用連携制御手段を構成する。
【0146】
以上説明した実施形態においては、時間的順序に沿った複数の作業工程により完遂される特許案件の出願について、PC300の制御回路303からの表示信号に基づき、複数の作業工程の全工程に対応した全手順表示部310の表示が表示部301で実行される。また、同様にPC300の制御回路303からの表示信号に基づき、それら全工程のうち現在までに完了した工程に対応した完了手順表示部320の表示が上記全手順表示部310と対比させた形で表示部301で実行される。これにより、それら複数の作業工程の進捗状況を一元管理することができるので、当該特許出願案件の進捗状況を段階的に容易に把握することができる。また進捗状況情報を容易に共有することもできる。
【0147】
また、本実施形態では特に、完了手順表示部320に時間的順序に沿って表示される現在までに完了した作業工程のうち、作業者による実行が省略され次の工程へスキップされた工程を、それ以外の工程と異なる表示態様(上記実施形態では矢印)で表示する。このように、スキップされた工程を他の工程と異ならせて表示することにより、操作者に対してスキップされたことを視覚的に明確に認識させ、確実に注意喚起をすることができる。
【0148】
また、本実施形態では特に、時間的順序に沿った複数の作業工程により完遂される特許案件の出願について、PC300の制御回路303からの表示信号に基づき、複数の作業工程の全工程に対応した全手順表示部310の表示が表示部301で実行される。また、無線タグラベルTより無線通信を介し取得された進捗情報に基づくPC300の制御回路303からの表示信号により、それら全工程のうち現在までに完了した工程に対応した完了手順表示部320の表示が上記全手順表示部310と対比させた形で表示部301で実行される。これにより、上記複数の作業工程に対応した情報を無線タグラベルTに記憶させておくことで、それら複数の作業工程の進捗状況を、無線タグラベルTに対する情報読み取りに基づいて表示させることができる。この結果、当該特許案件の進捗状況を段階的に容易に把握することができ、また進捗状況情報を容易に共有することもできる。
【0149】
また、本実施形態では特に、PC300の制御回路303は、複数の作業工程に対応して設けられた複数の無線タグラベルT(主タグラベルT及び2つの従タグラベルT)との情報通信結果に基づき、上記進捗更新処理において最後に通信を行った無線タグラベルT(主タグラベルT及び2つの従タグラベルT)より取得された情報に対応して(すなわち最後に主タグラベルT又は従タグラベルTを用いて更新された進捗情報に対応して)、完了手順表示部320の表示を表示部301で行う。このように、複数の作業工程に対応した複数の無線タグラベルTを用意しておくことで、進捗更新処理において最後にどの無線タグラベルTから情報読み取りを行ったかによって、対応する作業工程が現在行われている最も新しい作業となることから、これに基づき最新の進捗状況を表示させることができる。
【0150】
また、本実施形態では特に、PC300の制御回路303は、複数の特許案件についてそれぞれに対応した複数の完了手順表示部320を一覧表示する。これにより、複数の特許案件それぞれについて、複数の作業工程の進捗状況を一元管理し、各事象ごとの進捗状況を段階的に容易に把握することができる。
【0151】
また、本実施形態では特に、PC300の制御回路303は、複数の作業工程毎に、互いに異なる表示態様(本実施形態では色違い)となるように完了手順表示部320を表示部301で表示する。これにより、複数の作業工程のそれぞれについて、互いに視覚的に明確に区別しつつ操作者に認識させることができる。
【0152】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0153】
(1)タグIDが属性コードを含む場合
上記実施形態では特に記載しなかったが、主タグラベルTの作成時に主タグID及び従タグIDの設定を行う際(図7中ステップS640及びステップS690参照)、主タグIDであるか従タグIDであるかの属性コードをそれぞれ含むように、タグIDを設定するようにしてもよい。このように、主タグIDか従タグIDかを区別する属性コードを設けることで、タグIDのうちその部分だけを識別するだけで主タグラベルTであるか従タグラベルTであるかを容易に判別することができる。またタグIDのうち、属性コード部分以外は同一基準・態様で付与することが可能となり、タグID管理の簡素化・容易化を図ることもできる。
【0154】
(2)進捗グラフの表示のバリエーション
上記実施形態では、PC300の表示部301で行う進捗一覧表示の進捗グラフにおいて、完了した工程を示す完了手順表示部320を「○」の記号で構成するようにしたが、これに限られない。以下、この表示のバリエーションを示す。
【0155】
図18は、全手順表示部310及び完了手順表示部320から構成される進捗グラフの変形例を表す図である。なお、この図18では簡略化のために各案件の全工程を5工程として図示している。
【0156】
例えば図18(a)に示すように、完了した工程を示す完了手順表示部320を工程数が挿入された略長方形の描画で構成してもよい。なお、ここでは工程ごとに互いに異なる色となるように表示している。また、スキップする工程については前述の図15と同様に矢印「→」で表示している。
【0157】
また例えば、図18(b)に示すように、全工程に亘って延設された略長方形状の全手順表示部310の中を、現在進行中の工程を示す略長方形状の完了手順表示部320がスライドすることにより、進捗状況を表すようにしてもよい。
【0158】
また例えば、図18(c)に示すように、進捗状況を分数で表示するようにしてもよい。この場合、全手順表示部310は分母の数字(スラッシュを含む)であり、完了手順表示部320は分子の数字となる。さらに、図18(d)に示すように、自動車のスピードメータ状の表示としてもよい。この場合、略矢印状の完了手順表示部320は略半円状の全手順表示部310の左端から右端に向かって回転するように移動する。
【0159】
また、上記実施形態では、各工程の期限については特に考慮しなかったが、完了手順表示部320に表示される現在までに完了した作業工程のうち、予め定められた完了期限が既に到来したものを、それ以外の手順と異なる表示態様で表示するようにしてもよい。
【0160】
図19は、本変形例において進捗一覧表示を行う際にPC300の制御回路303によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図14に対応する図である。
【0161】
まずステップS910では、制御回路303は通信回線NWを介してサーバ200の制御回路201から案件情報(進捗情報を含む)を受信したか否かを判定する。なお、この案件情報には各作業工程に対し予め定められた完了期限情報(出願期限等)が含まれている。案件情報を受信するまで本ステップを繰り返し、受信したら判定が満たされて次のステップS920に移る。
【0162】
ステップS920では、制御回路303は受信した案件情報に基づき表示部301に表示信号を出力し、完遂すべき複数の作業工程の全工程に対応した全手順表示部310を表示させる。
【0163】
次のステップS925では、制御回路303は上記ステップS910で受信した特許案件の進捗情報と完了期限情報とを比較し、完了期限を途過した工程が存在するか否かを判定する。期限を途過した工程がない場合には、判定が満たされずにステップS930に移り、制御回路303は受信した案件情報に基づき表示部301に表示信号を出力し、複数の作業工程のうち現在までに完了した作業工程に対応した完了手順表示部320を表示させる。そして、本フローを終了する。
【0164】
一方、上記ステップS925で期限を途過した工程がある場合には、判定が満たされてステップS940に移る。ステップS940では、制御回路303は完了期限を途過した工程がそれ以外の工程と表示態様(色違い、文字違い、線違い、記号付加等)が異なるように、受信した案件情報に基づき表示部301に表示信号を出力し、複数の作業工程のうち現在までに完了した作業工程に対応した完了手順表示部320を表示させる。そして、本フローを終了する。
【0165】
なお、上記ステップS925は、特許請求の範囲各項記載の完了手順表示部に表示される現在までに完了した作業手順のうち、予め定められた完了期限が既に到来したものを、それ以外の手順と異なる表示態様で表示するための表示制御信号を出力する期限管理用表示制御手段を構成する。
【0166】
また、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0167】
図20は上記制御によってPC300の表示部301に表示される進捗一覧表示の一例を表す図である。この例では、知財整理番号「2007−00033」の案件の依頼書発送(工程2)が完了期限を途過しており、このため完了手順表示部320のうち上記案件の工程2に対応する表示部330がそれ以外の工程と異なる表示態様(この例では白黒反転)で表示されている。
【0168】
以上説明した変形例によれば、期限切れとなったものを他と異ならせて表示することにより、知財担当者に対して視覚的に明確に認識させ、確実に注意喚起をすることができる。
【0169】
また、上記実施形態では特に記載しなかったが、PC300の表示部301に表示された特許進捗一覧表示から、操作者の選択指示入力に対応したものを抽出して選択的に表示できるようにしてもよい。
【0170】
図21は、本変形例において進捗一覧表示を行う際にPC300の制御回路303によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図14等に対応する図である。
【0171】
ステップS910〜ステップS930は前述の図14と同等であるので説明を省略する。
【0172】
次のステップS950では、制御回路303は進捗一覧表示を抽出して表示するか否かを判定する。この判定は、制御回路303が、操作者がPC300の操作部302を用いて入力した選択指示入力信号(例えば画面に表示された「抽出表示」ボタンを押すことにより入力される)を受信したか否かによって行われる。選択指示入力信号を受信しない場合には、本フローを終了する。一方、受信した場合には判定が満たされて次のステップS960に移り、操作者がPC300の操作部302を用いて入力した選択指示情報(例えば自分の担当する案件、所定の工程まで進捗した案件等)を入力する。そして、次のステップS970に移る。
【0173】
ステップS970では、制御回路303は上記ステップS960で入力した選択指示情報に基づき表示部301に表示信号を出力し、特許進捗一覧を選択的に表示させる。そして、本フローを終了する。
【0174】
なお、上記ステップS970は、特許請求の範囲各項記載の全手順表示部又は完了手順表示部の表示のうち、操作者の選択指示入力に対応したものを抽出して選択的に表示するための表示制御信号を出力する抽出表示制御手段を構成する。
【0175】
また、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0176】
図22は上記制御によって行われる進捗一覧表示の抽出の一例を表す図である。この図22において、図22(a)は抽出表示を行う前の進捗一覧表示、図22(b)は図22(a)に示す進捗一覧表示の状態から知財整理番号「2007−00005」を選択して抽出した表示の一例(代表発明者やタイトル等他の項目で抽出してもよい)、図22(c)は図22(a)に示す進捗一覧表示の状態から特許事務所打合せ(工程3)を終えた案件を選択して抽出した表示の一例を示している。
【0177】
以上説明した変形例によれば、操作者の意図に応じた案件又は作業工程等を特にピックアップして余分な表示を除去した状態で表示できるので、利便性を向上することができる。
【0178】
(3)その他
上記実施形態では、各案件の進捗が全工程11項目のうちクレーム受領(工程4)及び明細書原稿受領(工程7)に進んだ際に従タグラベルTを作成する場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、各工程ごとに従タグラベルTを作成するようにしてもよい。
【0179】
また、上記実施形態では作業工程を11項目としたが、これに限定するものではなく、適宜項目を置換又は付加等してもよい。例えば、上記では特許事務所よりクレームと明細書原稿を別々に受領するようにしたが、まとめて特許明細書として受領するようにしてもよい。また例えば、上記では作業工程を審査請求までとしているが、拒絶理由通知、意見書又は補正書提出、拒絶査定不服審判請求等のその後の工程を加えてもよい。
【0180】
また、上記では、進捗表示装置としてのPC300を特許案件の進捗管理を行う特許進捗管理システムに適用した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、プロジェクトにおける複数のワークフローの管理や、工事現場における工程管理等、複数の作業手順により完遂される事象の進捗状況を表示するシステムであれば、他のシステムにも適用可能である。
【0181】
また、以上においては、無線タグラベルTの無線タグ回路素子Toとリーダ400のアンテナ401との間で行われる無線通信について特に説明しなかったが、例えばUHF帯を用いた電波通信により情報送受信を行ってもよいし、リーダ400のアンテナ401及び無線タグ回路素子To側のタグ側アンテナ151としてコイル状のループアンテナを用い、HF帯を用いて磁気誘導(電磁誘導、磁気結合、その他電磁界を介して行われる非接触方式を含む)により情報送受信を行うようにしてもよい。
【0182】
また、以上においては、印字及び無線タグ回路素子Toへのアクセス(書き込み)の終了したタグテープ103をカッタ107で切断して無線タグラベルTを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタ107で切断しなくても、タグテープ103が排出口から排出されてきた後にラベル台紙(アクセス済みの無線タグ回路素子Toが備えられかつ対応する印字がなされたもの)のみをテープから剥がして無線タグラベルTを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
【0183】
さらに、以上は、タグテープ103がリール部材の周りに巻回されてタグテープロール104(又はタグテープロール104を備えたカートリッジ)を構成し、このロール104からタグテープ103が繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、無線タグ回路素子Toが少なくとも一つ配置された長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックして(例えばトレイ状のものに平積み積層して)カートリッジ化し、このカートリッジをタグラベル作成装置側のカートリッジホルダに装着して、上記収納部から移送、搬送して印字及び書き込みを行い無線タグラベルTを作成するようにしてもよい。
【0184】
さらには上記ロールを直接タグラベル作成装置側に着脱可能に装着する構成や、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシートをタグラベル作成装置外より1枚ずつ所定のフィーダ機構によって移送しタグラベル作成装置内へ供給する構成も考えられ、さらにはタグテープロール104(又はこれを備えたカートリッジ)のようなタグラベル作成装置本体側に着脱可能なものにも限られず、装置本体側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型としてタグテープロール104を設けることも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
【0185】
また、以上においては、タグテープに直接印字を行う方式(いわゆるノンラミネートタイプ)であったが、これに限られず、無線タグ回路素子Toを備えたタグテープ103とは別のカバーフィルム(被印字媒体)に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式(いわゆるラミネートタイプ)に本発明を適用してもよい。
【0186】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0187】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0188】
【図1】本実施形態のタグラベル作成装置を備えた特許進捗管理システムを表すシステム構成図である。
【図2】特許進捗管理システムのシステム構成を表すシステム構成図である。
【図3】タグラベル作成装置の詳細構成を表す構成図である。
【図4】無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図5】サーバの制御回路によって行われる制御手順を表すフローチャートである。
【図6】ラベル発行処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【図7】主タグラベル発行処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【図8】データベースに格納されたデータ内容を概念的に表す図である。
【図9】従タグラベル発行処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【図10】タグラベル作成装置の制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図11】タグラベル作成装置で作成された主タグラベル及び従タグラベルの外観の一例を表す上面図である。
【図12】進捗更新処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【図13】進捗一覧表示処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【図14】進捗一覧表示を行う際にPCの制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図15】PCの表示部に表示される進捗一覧表示の一例を表す図である。
【図16】リアルサーチ処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【図17】ラベルコピー処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【図18】全手順表示部及び完了手順表示部から構成される進捗グラフの変形例を表す図である。
【図19】完了期限が既に到来したものをそれ以外の手順と異なる表示態様で表示する変形例において、進捗一覧表示を行う際にPCの制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図20】完了期限が既に到来したものをそれ以外の手順と異なる表示態様で表示する変形例において、PCの表示部に表示される進捗一覧表示の一例を表す図である。
【図21】特許進捗一覧表示から操作者の選択指示入力に対応したものを抽出して選択的に表示する変形例において、PCの制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図22】特許進捗一覧表示から操作者の選択指示入力に対応したものを抽出して選択的に表示する変形例において、進捗一覧表示の抽出の一例を表す図である。
【符号の説明】
【0189】
100 タグラベル作成装置
101 高周波回路(タグアクセス手段)
102 制御回路(複製用連携制御手段)
103 タグテープ(タグ媒体)
105 印字ヘッド(印字手段)
106 アンテナ(タグアクセス手段)
109 搬送装置(搬送手段)
150 IC回路部
151 タグ側アンテナ
203 データベース
300 PC(進捗表示装置)
310 全手順表示部
320 完了手順表示部
400 リーダ(無線探索装置、読み取り装置)
D メモリブロック(格納領域、一体格納領域)
d1,d2,d3 メモリブロック(格納領域、個別格納領域)
PS 特許進捗管理システム
T 無線タグラベル
To 無線タグ回路素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間的順序に沿った複数の作業手順により完遂される事象の進捗状況を表示する進捗表示装置であって、
前記完遂すべき前記複数の作業手順の全手順に対応した全手順表示部を表示させるための表示信号を出力する全手順表示信号出力手段と、
前記複数の作業手順のうち現在までに完了した作業手順に対応した完了手順表示部を、前記全手順表示部と対比させて表示するための表示信号を出力する完了手順表示信号出力手段と
を有することを特徴とする進捗表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の進捗表示装置において、
前記完了手順表示部に表示される前記現在までに完了した作業手順のうち、予め定められた完了期限が既に到来したものを、それ以外の手順と異なる表示態様で表示するための表示制御信号を出力する期限管理用表示制御手段
を有することを特徴とする進捗表示装置。
【請求項3】
請求項1記載の進捗表示装置において、
前記完了手順表示部に時間的順序に沿って表示される前記現在までに完了した作業手順のうち、作業者による実行が省略され次の手順へスキップされた手順を、それ以外の手順と異なる表示態様で表示するための表示制御信号を出力するスキップ用表示制御手段
を有することを特徴とする進捗表示装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3記載の進捗表示装置において、
前記完了手順表示信号出力手段は、
無線タグより無線通信を介し取得された情報に基づき、対応する前記表示信号を出力することを特徴とする進捗表示装置。
【請求項5】
請求項4記載の進捗表示装置において、
前記完了手順表示信号出力手段は、
前記複数の作業手順それぞれに対応して設けられた複数の前記無線タグとの情報通信結果に基づき、最後に通信を行った前記無線タグより取得された情報に対応した前記表示信号を出力することを特徴とする進捗表示装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5記載の進捗表示装置において、
前記完了手順表示信号出力手段は、
複数の前記事象をそれぞれに対応した複数の前記完了手順表示部を一覧表示するための前記表示信号を出力する
ことを特徴とする進捗表示装置。
【請求項7】
請求項6記載の進捗表示装置において、
前記全手順表示信号出力手段又は前記完了手順表示信号出力手段は、前記複数の事象ごと又は前記複数の作業手順毎に、互いに異なる表示態様となるような前記全手順表示部又は前記完了手順表示部を表示するための表示信号を出力する
ことを特徴とする進捗表示装置。
【請求項8】
請求項4乃至請求項7のいずれか1項記載の進捗表示装置において、
前記全手順表示部又は前記完了手順表示部の表示のうち、操作者の選択指示入力に対応したものを抽出して選択的に表示するための表示制御信号を出力する抽出表示制御手段
を有することを特徴とする進捗表示装置。
【請求項9】
時間的順序に沿った複数の作業手順により完遂される特許出願の明細書作成の前記複数の作業手順に対応した無線タグより、無線通信を介し情報読み取りを行う読み取り装置と、
前記読み取り装置で前記無線タグより無線通信を介し取得された情報に基づき、完遂すべき前記複数の作業手順の全手順に対応した全手順表示部と、前記複数の作業手順のうち現在までに完了した作業手順に対応した完了手順表示部とを、対比させて表示する進捗表示装置と
を有することを特徴とする進捗管理システム。
【請求項10】
請求項9記載の進捗管理システムにおいて、
前記進捗表示装置は、
前記複数の作業手順それぞれに対応して設けられた複数の前記無線タグとの前記読み取り装置による情報読み取り結果に基づき、最後に通信を行った前記無線タグより取得された情報に対応した表示を行うことを特徴とする進捗管理システム。
【請求項1】
時間的順序に沿った複数の作業手順により完遂される事象の進捗状況を表示する進捗表示装置であって、
前記完遂すべき前記複数の作業手順の全手順に対応した全手順表示部を表示させるための表示信号を出力する全手順表示信号出力手段と、
前記複数の作業手順のうち現在までに完了した作業手順に対応した完了手順表示部を、前記全手順表示部と対比させて表示するための表示信号を出力する完了手順表示信号出力手段と
を有することを特徴とする進捗表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の進捗表示装置において、
前記完了手順表示部に表示される前記現在までに完了した作業手順のうち、予め定められた完了期限が既に到来したものを、それ以外の手順と異なる表示態様で表示するための表示制御信号を出力する期限管理用表示制御手段
を有することを特徴とする進捗表示装置。
【請求項3】
請求項1記載の進捗表示装置において、
前記完了手順表示部に時間的順序に沿って表示される前記現在までに完了した作業手順のうち、作業者による実行が省略され次の手順へスキップされた手順を、それ以外の手順と異なる表示態様で表示するための表示制御信号を出力するスキップ用表示制御手段
を有することを特徴とする進捗表示装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3記載の進捗表示装置において、
前記完了手順表示信号出力手段は、
無線タグより無線通信を介し取得された情報に基づき、対応する前記表示信号を出力することを特徴とする進捗表示装置。
【請求項5】
請求項4記載の進捗表示装置において、
前記完了手順表示信号出力手段は、
前記複数の作業手順それぞれに対応して設けられた複数の前記無線タグとの情報通信結果に基づき、最後に通信を行った前記無線タグより取得された情報に対応した前記表示信号を出力することを特徴とする進捗表示装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5記載の進捗表示装置において、
前記完了手順表示信号出力手段は、
複数の前記事象をそれぞれに対応した複数の前記完了手順表示部を一覧表示するための前記表示信号を出力する
ことを特徴とする進捗表示装置。
【請求項7】
請求項6記載の進捗表示装置において、
前記全手順表示信号出力手段又は前記完了手順表示信号出力手段は、前記複数の事象ごと又は前記複数の作業手順毎に、互いに異なる表示態様となるような前記全手順表示部又は前記完了手順表示部を表示するための表示信号を出力する
ことを特徴とする進捗表示装置。
【請求項8】
請求項4乃至請求項7のいずれか1項記載の進捗表示装置において、
前記全手順表示部又は前記完了手順表示部の表示のうち、操作者の選択指示入力に対応したものを抽出して選択的に表示するための表示制御信号を出力する抽出表示制御手段
を有することを特徴とする進捗表示装置。
【請求項9】
時間的順序に沿った複数の作業手順により完遂される特許出願の明細書作成の前記複数の作業手順に対応した無線タグより、無線通信を介し情報読み取りを行う読み取り装置と、
前記読み取り装置で前記無線タグより無線通信を介し取得された情報に基づき、完遂すべき前記複数の作業手順の全手順に対応した全手順表示部と、前記複数の作業手順のうち現在までに完了した作業手順に対応した完了手順表示部とを、対比させて表示する進捗表示装置と
を有することを特徴とする進捗管理システム。
【請求項10】
請求項9記載の進捗管理システムにおいて、
前記進捗表示装置は、
前記複数の作業手順それぞれに対応して設けられた複数の前記無線タグとの前記読み取り装置による情報読み取り結果に基づき、最後に通信を行った前記無線タグより取得された情報に対応した表示を行うことを特徴とする進捗管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2009−70049(P2009−70049A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−236508(P2007−236508)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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