説明

遊技システム

【課題】メダルの貸し出し時に遊技者に期待感を持たせる。
【解決手段】メダルの貸出回数が初回でない場合(C5:No)には、ホッパー駆動回路に制御されるホッパーは、メダル貸出口205から50枚のメダルを排出する。これに対して、現時時刻がタイマに設定された時刻に該当する場合(C3:Yes)で、かつ、メダルの貸出回数が初回の場合(C5:Yes)には、ホッパー駆動回路に制御されるホッパーは、メダル貸出口205から100枚のメダルを排出する。これにより、遊技者は、予想もつかない方法で通常の貸し出し量(50枚)より多い量(100枚)のメダルを獲得することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技システムに関し、特に、遊技を行う際に必要な遊技媒体を貸し出す遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
所謂パチスロ機やパチンコ機等においては、遊技を行う際に、メダルや遊技球(パチンコ玉)などの遊技媒体が必要であり、この遊技媒体は、遊技者が相当の有価価値を支払うことにより貸し出される。つまり、パチスロ機やパチンコ機にて遊技を行う際には、まず、相当の有価価値を支払って遊技媒体の貸し出しを受ける必要があり、手元の遊技媒体がなくなり遊技を継続する場合にも、相当の有価価値をさらに支払って遊技媒体の貸し出しを受ける必要がある。
【0003】
一般的に、遊技媒体の貸し出しを行う遊技媒体貸出機は、パチスロ機やパチンコ機に隣接して配置され、相当の有価価値を投入すること当該相当の有価価値に対応する量の遊技媒体が貸し出される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−10497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、遊技を継続して行う遊技者にとっては、遊技媒体の貸し出しの回数が増加する従って次第に単調な遊技媒体の貸し出し作業に飽きてしまい、遊技媒体の貸し出し時に遊技者に期待感を持たせることができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、遊技媒体の貸し出し時に遊技者に期待感を持たせることが可能な遊技システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の遊技システムは、遊技媒体の投入に応じて、単位遊技の開始を指令する遊技開始指令信号を出力する遊技開始指令手段と、遊技開始指令信号の指令により行われる遊技の結果に基づいて、遊技媒体を払い出す遊技媒体払出手段と、遊技を行う際に必要な遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出手段と、遊技媒体貸出手段により遊技媒体が貸し出される際に演出を行う演出手段と、第1の貸し出し量の遊技媒体を貸し出すように遊技媒体貸出手段を制御するとともに、第1の貸し出し量とは異なる第2の貸し出し量の遊技媒体を貸し出すように遊技媒体貸出手段を制御する貸出制御手段とを備えている。
【0008】
上記構成によれば、貸出制御手段によって制御される遊技媒体貸出手段から貸し出される遊技媒体の量を変化させることができる。これにより、例えば、特別な状態で遊技媒体の貸し出し量を通常の貸し出し量より多くするようにすれば、遊技者は予想もつかない方法で通常の貸し出し量(第1の貸し出し量)より多い量(第2の貸し出し量)の遊技媒体を獲得することができる。その結果、遊技における遊技媒体の獲得に対する期待感に加えて、遊技媒体の貸し出し時に遊技者に期待感を持たせることができる。
【0009】
また、遊技媒体が貸し出された際に演出を行う演出手段を設けることによって、遊技媒体の貸し出しを遊技者に報知することができるので、貸し出された遊技媒体の取り忘れなどを防止することができる。さらに、演出手段による音楽や映像の演出により、遊技媒体の貸し出し時に、遊技者を飽きさせることなく遊技者に期待感を持たせることができる。
【0010】
上記遊技システムにおいて、好ましくは、現在時刻が、設定された時刻か否かを判断する時刻判断手段をさらに備えている。そして、貸出制御手段は、時刻判断手段により現在時刻が設定された時刻であると判断された場合には、第1の貸し出し量より多い第2の貸し出し量の遊技媒体を貸し出すように遊技媒体貸出手段を制御し、時刻判断手段により現在時刻が設定された時刻でないと判断された場合には、第1の貸し出し量の遊技媒体を貸し出すように遊技媒体貸出手段を制御する。
【0011】
上記構成によれば、設定された時刻に遊技媒体が貸し出される場合に貸し出される遊技媒体の量と、上記時刻以外に遊技媒体が貸し出される場合に貸し出される遊技媒体の量とを変化させることができる。これにより、設定された時刻に来店して遊技媒体を貸し出す遊技者に対して、予想もつかない方法で、通常の貸し出し量(第1の貸し出し量)より多い量(第2の貸し出し量)の遊技媒体を提供することができる。その結果、遊技における遊技媒体の獲得に対する期待感に加えて、遊技媒体の貸し出し時に遊技者に期待感を持たせることができる。
【0012】
上記遊技システムにおいて、好ましくは、遊技媒体貸出手段によって遊技媒体が貸し出された貸出回数をカウントする貸出回数カウント手段をさらに備えている。そして、貸出制御手段は、貸出回数カウント手段にカウントされる貸出回数が所定回数の場合には、第1の貸し出し量より多い第2の貸し出し量の遊技媒体を貸し出すように遊技媒体貸出手段を制御し、貸出回数カウント手段にカウントされる貸出回数が所定回数以外の場合には、第1の貸し出し量の遊技媒体を貸し出すように遊技媒体貸出手段を制御する。
【0013】
上記構成によれば、貸出回数が所定回数の場合に貸し出される遊技媒体の量と、貸出回数が所定回数以外の場合に貸し出される遊技媒体の量とを変化させることができる。これにより、所定回数目に遊技媒体を貸し出す遊技者に対して、予想もつかない方法で、通常の貸し出し量(第1の貸し出し量)より多い量(第2の貸し出し量)の遊技媒体を提供することができる。その結果、遊技における遊技媒体の獲得に対する期待感に加えて、遊技媒体の貸し出し時に遊技者に期待感を持たせることができる。
【0014】
上記遊技システムにおいて、好ましくは、遊技開始指令手段と、遊技媒体払出手段とを有する遊技機と、遊技機とデータ通信可能に接続され、遊技媒体貸出手段と、貸出制御手段と、演出手段とを有する遊技媒体貸出機とを備えている。
【0015】
上記構成によれば、遊技における遊技媒体の獲得に対する期待感に加えて、遊技媒体の貸し出し時に遊技者に期待感を持たせることが可能で、かつ、遊技媒体の貸し出しを報知することが可能な遊技システムを、遊技機と遊技媒体貸出機とにより構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の一実施形態による遊技システム1を図1ないし図11に基づいて以下に説明する。
【0017】
本実施形態による遊技システム1は、図1に示すように、遊技機100と、当該遊技機100と有線又は無線によりデータ通信可能に接続される遊技媒体貸出機(以下、「サンド」とする)200とから構築されている。
【0018】
この遊技システム1の遊技機100は、所謂『パチスロ機』であり、複数の図柄の変動表示を停止して表示される図柄に基づいて特定の入賞態様が成立するように、遊技者の操作により変動表示を停止可能に構成されている。尚、遊技機は、コインやメダル、遊技球、トークン等の他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技するものであるが、以下の説明においては、メダルを用いるものとして説明する。そして、遊技システム1のサンド200は、上記した遊技機に隣接して配置されており、相当の有価価値が投入されることにより、遊技機にて遊技を行う際に必要な遊技媒体(本実施形態では、メダル)が貸し出される。
【0019】
(遊技機100の機械的構成)
遊技機100は、図1に示すように、遊技機100の全体を形成しているキャビネット2を有している。キャビネット2には、液晶表示装置5が正面側に設けられていると共に、図柄表示手段としての3つの回転リール3L・3C・3Rが液晶表示装置5の裏面側に設けられている。液晶表示装置5は、回転リール3L・3C・3Rの図柄等を前面側から視認するように構成されていると共に、図示しない演出画像等を表示するように構成されている。
【0020】
即ち、液晶表示装置5は、図2に示すように、透過性を有した正面パネル131と、正面パネル131の裏面側に設けられた図示しない透過液晶パネルとを備えている。正面パネル131は、透明な表示窓131aと、絵柄が描かれた絵柄形成領域131bとを有している。表示窓131aは、回転リール3L・3C・3Rの図柄や透過液晶パネルに表示される図示しない演出画像等を透過することにより遊技機100の前面側からこれらを視認可能にしている。これにより、表示窓131aの中央部には、回転リール3L・3C・3Rの図柄が表示される。また、表示窓131aには、透過液晶パネルに表示された図示しない演出画像等が表示されるようになっている。
【0021】
なお、本実施の形態においては、液晶表示装置5が、回転リール3L・3C・3Rの前面に設けられている場合について説明するが、本発明において、液晶表示装置5が設けられる位置は、特に限定されるものではない。
【0022】
図1又は図2において、液晶表示装置5の背面側に設けられた回転リール3L・3C・3Rは、それぞれその外周面に複数の図柄からなる図柄列が記されている。図柄列は、図3に示すように、「00」〜「20」のコードナンバーが付された複数種類の図柄からなっている。具体的には、「赤7(図柄91)」、「青7(図柄92)」、「BAR(図柄93)」、「ベル(図柄94)」、「スイカ(図柄95)」、「チェリー(図柄96)」、「リプレイ(図柄97)」及び「ブランク(図柄98)」の図柄からなっている。各回転リール3L・3C・3Rは、定速回転(例えば80回転/分)で回転する。上記の図柄列中における「赤7」、「青7」は、特定の入賞態様を構成するものとして設定されている。ここで、特定の入賞態様とは、後述のBB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)のボーナスが成立する入賞態様を意味する。また、「ブランク」は、基本的に、役の成立に直接関係のない図柄である。すなわち、「ブランク」がいずれかの有効ラインに沿って並んで表示された場合でも、メダルの払出し、メダルの自動投入、後述の遊技状態の移行などの利益が遊技者に付与されることはない。
【0023】
回転リール3L・3C・3Rの各図柄は、図2に示すように、キャビネット2の正面から液晶表示装置5を介して、回転リール3L・3C・3Rの図柄が縦方向に3つずつ、合計9つの図柄を視認できるようになっている。また、視認可能な9つの図柄の停止位置に対応して、5本の入賞ラインが設定されている。即ち、上下方向に3つ並ぶ図柄を水平に横切るトップライン8b、センターライン8c及びボトムライン8d、斜め方向にクロスダウンライン8a、クロスアップライン8eが設けられている。
【0024】
これらの入賞ラインは、後述の1−BETボタン11、最大BETボタン12を操作すること、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより、1枚賭け時は1本(センターライン8cのみ)、2枚賭け時(1−BETボタン11を2回操作(押圧)又は、メダルを2枚投入)は3本(センターライン8cに加え、トップライン8b、ボトムライン8d)、最大枚数(本実施例では3枚)賭け時は5本(2枚賭け時の3本に加え、クロスダウンライン8a、クロスアップライン8e)が有効化される。入賞ライン8a〜8eは、役の入賞の成否に関わる。具体的には、所定の役に対応する図柄組合せを構成する図柄が何れかの有効化された入賞ラインに対応する所定の位置に並んで停止表示されることにより、所定の役の入賞が成立することとなる。
【0025】
図2において、液晶表示装置5の左側の背面側には、遊技開始表示ランプ25、当り表示ランプ(所謂「WINランプ」)17、メダル投入ランプ24、1−BETランプ9a、2−BETランプ9b及び最大BETランプ9cの各種ランプと、払出枚数表示部18、クレジット表示部19及びボーナス回数表示部20の各種表示部とが設けられている。これらランプも、回転リール3L・3C・3Rと同様に、キャビネット2の正面から液晶表示装置5を介して、視認できるようになっている。
【0026】
1−BETランプ9a、2−BETランプ9b及び最大BETランプ9cは、一の遊技(単位遊技)を行うために賭けられたメダルの数(以下、BET数ともいう)に応じて点灯する。尚、一の遊技は、全ての回転リール3L・3C・3Rが停止したとき、又は、メダルの払い出しが行われる場合には、メダルが払い出されたときに終了する。
【0027】
WINランプ17は、BB又はRBに内部当籤した場合に所定確率で点灯し、また、BB又はRBの入賞が成立した場合にも点灯する。メダル投入ランプ24は、メダルの投入が受け付け可能であるときに点滅する。遊技開始表示ランプ25は、入賞ライン8a〜8eの少なくとも1本が有効化されたときに点灯する。
【0028】
払出枚数表示部18は、入賞成立時のメダルの払出枚数を表示するものであり、クレジット表示部19は、貯留されているメダルの枚数を表示するものであり、ボーナス回数表示部20は、ボーナス中の遊技情報を表示する。これらの表示部は、7セグメント表示器からなるものである。
【0029】
図1に示すように、液晶表示装置5の下方には、水平面を有する台座部10が形成されており、台座部10の右側には、メダル投入口22が設けられ、台座部10の左側には、1−BETボタン11及び最大BETボタン12が設けられている。1−BETボタン11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚を遊技への賭け枚数とし、2回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚を遊技への賭け枚数とする。最大BETボタン12は、1回の遊技に賭けることが可能な最大枚数(3枚)を遊技への賭け枚数とする。これらBETボタン11・12を操作することで、上述の入賞ライン8a〜8eが有効化されるようになっている。
【0030】
台座部10の前面部の左端には、遊技者が獲得したメダルのクレジット/払い出しを押し操作により切り替える貯留メダル精算ボタン14(以下、C/Pボタン14と言う)が設けられている。このC/Pボタン14の切り替えにより「払い出し」が選択された場合には、正面下部のメダル払出口15からメダルが払い出され、払い出されたメダルはメダル受部16に溜められる。一方、「クレジット」が選択された場合には、遊技機100が備えるメモリ(例えば、後述するRAM33等)にメダル数がクレジットとして記憶される。
【0031】
C/Pボタン14の右側には、遊技者の操作により回転リール3L・3C・3Rを回転させるための遊技開始指令手段としてのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。台座部10の前面部中央には、3個の回転リール3L、3R、3Cの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン7L・7C・7Rが設けられている。
【0032】
キャビネット2の上方の左右には、スピーカ21L・21Rが設けられ、その2台のスピーカ21L・21Rの間には、入賞図柄の組み合せ及びメダルの配当枚数等を表示する配当表パネル23が設けられている。また、スピーカ21L・21Rや配当表パネル23の上方にはLEDランプ29が設けられており、遊技状態に応じた演出に伴い、点滅等するようになっている。
【0033】
(液晶表示装置)
ここで、液晶表示装置5の構造について説明する。液晶表示装置5は、図4及び図5に示すように、保護ガラス52と表示板53とからなる正面パネル51、透過液晶パネル54、導光板55、反射フィルム56、所謂白色光源である蛍光ランプ57a・57b、58a・58b、ランプホルダ59a〜59h、及び、透過液晶パネル駆動用のICを搭載したテーブルキャリアパッケージ(TCP)からなり、TCPは、透過液晶パネル54の端子部に接続したフレキシブル基板(図示せず)等により構成される。この液晶表示装置5は、既に述べたように、リール3L・3C・3Rより手前側に設けられている。また、このリール3L・3C・3Rと液晶表示装置5とは、所定の間隔をあけて設けられている。
【0034】
保護ガラス52及び表示板53は、透明な部材で構成されている。表示板53には、上述のBETランプ9a〜9c等に対応する位置に絵柄等が形成されている。すなわち、表示板53の絵柄等が形成されている領域が、正面パネル51における絵柄形成領域51bであり、表示板53の絵柄等が形成されていない領域が、正面パネル51における表示窓51aである(図2参照)。なお、正面パネル51に絵柄形成領域51bを形成せず、正面パネル51の全面を表示窓51aとしてもよい。この場合、表示板53に絵柄を形成しないか、又は、表示板53を省略すればよい。なお、表示板53の裏面側に配置される各種ランプ及び各種表示部を動作させる電気回路等は図示していない。
【0035】
透過液晶パネル54は、薄膜トランジスタ層が形成されたガラス板等の透明な基板と、これに対向する透明な基板との間隙部に液晶が封入されて形成されている。この透過液晶パネル54の表示モードは、ノーマリーホワイトに設定されている。ノーマリーホワイトとは、液晶を駆動していない状態で白表示(表示面側に透過した光が外部より視認可能である)となる構成である。ノーマリーホワイトに構成された透過液晶パネル54を採用することにより、液晶を駆動することができない事態が生じた場合であっても、リール3L・3C・3Rに表示された図柄等の識別情報の可変表示及び停止表示を視認することができ、遊技を継続することができる。すなわち、そのような事態が発生した場合でも、リール3L・3C・3Rに表示された識別情報(例えば、図柄)の変動表示態様及び停止表示
態様を中心とした遊技を行うことができる。
【0036】
導光板55は、蛍光ランプ57a・57bからの光を透過液晶パネル54へ導き出す(透過液晶パネル54を照明する)ためのものであり、透過液晶パネル54の裏側に設けられ、例えば、2cm程度の厚さを有するアクリル系樹脂等の透明部材(導光機能を有する)で構成されている。
【0037】
反射フィルム56は、例えば、白色のポリエステルフィルムやアルミ薄膜に銀蒸着膜を形成したものが用いられ、導光板55に導入された光を導光板55の正面側へ向けて反射させる。この反射フィルム56は、反射領域56A及び非反射領域(透過領域)56Bにより構成されている。
【0038】
蛍光ランプ57a・57bは、導光板55の上端部及び下端部に沿って配置され、両端はランプホルダ59により支持されている。この蛍光ランプ57a・57bから照射される光は、反射フィルム56の反射領域56Aで反射して透過液晶パネル54を照明する。
【0039】
蛍光ランプ58a・58bは、反射フィルム56の裏側の上方位置及び下方位置にリール3L・3C・3Rに向かって配置されている。この蛍光ランプ58a・58bから出てリール3L・3C・3Rの表面で反射して非反射領域56Bへ入射した光は、透過液晶パネル54を照明する。
【0040】
このように、液晶表示装置5においては、蛍光ランプ57a・57bから照射され、反射フィルム56の反射領域56Aで反射した光と、蛍光ランプ58a・58bから照射され、リール3L・3C・3Rの表面で反射して非反射領域56Bへ入射した光とが、透過液晶パネル54を照明する。従って、反射フィルム56の非反射領域56Bに対応する液晶表示装置5の領域は、液晶を駆動しているか否かによって、透明/非透明の状態に切り替わる領域であり、反射フィルム56の反射領域56Aに対応する液晶表示装置の領域は、液晶を駆動しているか否かに拘わらず非透明状態となる。
【0041】
遊技機100では、液晶表示装置5の一部の領域のみが、透明/非透明の状態に切り替わる領域であるが、本発明の遊技機において、液晶表示装置の表示画面は、その全領域が透明/非透明の状態に切り替わる領域であってもよい。この場合、遊技機100において、液晶表示装置5の全領域を透過状態又は非透過状態に切り替わる領域とする場合、反射フィルム56を全て非反射領域56Bとするか、反射フィルム56を省略すればよい。
【0042】
(遊技機100の電気的構成:主制御回路)
上記の遊技機100は、図6に示すように、主基板に設けられた主制御回路71と、副基板に設けられた副制御回路72とで動作が制御されている。主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、主基板側記憶手段であるROM32及びRAM33を有している。
【0043】
上記のCPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生する。サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。そして、CPU31は、これらの乱数発生器36及びサンプリング回路37でサンプリングされた乱数及びROM32内に格納されている確率抽籤テーブルに基づいて、内部当籤役を決定するようになっている。
【0044】
尚、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、即ち、CPU31の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
【0045】
上記のマイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各種ランプ(BETランプ9a・9b・9c、WINランプ17、メダル投入ランプ24、遊技開始表示ランプ25)と、各種表示部(払出枚数表示部18、クレジット表示部19、ボーナス回数表示部20)と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出す上述のホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L・3C・3Rを回転駆動するステッピングモータ49L・49C・49Rとがある。
【0046】
さらに、ステッピングモータ49L・49C・49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路45、及び各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路48、後述するサンド200と情報の送受信を行うためのインターフェース回路50がI/Oポート38を介してCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令等の制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
【0047】
また、主制御回路71は、制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する入力信号発生手段に接続されている。主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1−BETスイッチ11S、最大BETスイッチ12S、C/Pスイッチ14S、リール停止信号回路46、リール位置検出回路47、払出完了信号回路44がある。これらもI/Oポート38を介してCPU31に接続されている。
【0048】
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出する。リール停止信号回路46は、各停止ボタン7L・7C・7Rの操作に応じて停止信号を発生する。リール位置検出回路47は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L・3C・3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路44は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
【0049】
また、主制御回路71のRAM33には、種々の情報が一時的に格納される。例えば、実行中の遊技状態や、投入されたメダルの枚数等が格納される。一方、主制御回路71のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽籤テーブル、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止テーブル群等の各種のデータテーブルや、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。
【0050】
(遊技機100の電気的構成:副制御回路)
上記の主制御回路71は、副制御回路72にコマンドや情報等を一方向に出力可能に接続されている。副制御回路72は、図7に示すように、主制御回路71からの制御指令(コマンド)に基づいて液晶表示装置5の表示制御、及びスピーカ21L・21Rからの音やLEDランプ29からの光の出力制御を行う。この副制御回路72は、主制御回路71を構成する主基板とは別の副基板上に構成され、マイクロコンピュータ(以下『サブマイクロコンピュータ』という)73を主たる構成要素とし、液晶表示装置5の表示制御手段としての画像制御回路81、スピーカ21L・21Rにより出音される音を制御する音源IC78、増幅器としてのパワーアンプ79、LEDランプ29を駆動するLED駆動回路77を備えている。
【0051】
サブマイクロコンピュータ73は、主制御回路71から送信された制御指令に従って制御動作を行うサブCPU74と、副基板側記憶手段としてのプログラムROM75と、ワークRAM76とを含む。尚、副制御回路72は、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、サブCPU74の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。プログラムROM75は、サブCPU74で実行するルーチン等の制御プログラムや、その処理ルーチンで使用されるテーブル等を格納している。また、ワークRAM76は、上記制御プログラムをサブCPU74で実行するときの一時記憶手段として構成され、例えば、ゲーム回数やボーナスフラグ等が格納される。
【0052】
画像制御回路81は、画像制御IC82、画像制御ワークRAM83、画像ROM86、及びビデオRAM87で構成される。画像制御IC82は、サブマイクロコンピュータ73で設定されたパラメータに基づき、画像制御プログラムに従って液晶表示装置5での表示内容を決定する。画像制御ワークRAM83は、画像制御プログラムを画像制御IC82で実行するときの一時記憶手段(バッファ)として構成される。画像ROM86は、画像を形成するためのドットデータを格納する。ビデオRAM87は、画像制御IC82で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。LED駆動回路77は、サブCPU74からの制御指令に基づいて、LEDランプ29を制御する。音源IC78は、パワーアンプ79を制御し、スピーカ21L・21Rの音量を調節することができる。
【0053】
(遊技状態)
以上のように構成された遊技機100は、『一般遊技状態』、『RB遊技状態』及び『BB一般遊技状態』からなる3種類の遊技状態を出現させる。これら「3種類」の各遊技状態は、基本的に、内部当籤する可能性のある役の種類、再遊技に内部当籤する確率及び入賞成立を実現することが可能なボーナスの種別、内部当籤と入賞成立との関係により区別される。
【0054】
『一般遊技状態』は、基本的に、所謂「出球率」(遊技に賭けられた単位有価価値に対して遊技者に付与される有価価値)の期待値が「1」よりも小さい遊技状態であり、他の遊技状態と比べて遊技者にとって最も不利な遊技状態である。
【0055】
『BB一般遊技状態』は、『一般遊技状態』において、BBに内部当籤し、BBに入賞した場合に発生する。BBの入賞は、『一般遊技状態』において「赤7−赤7−赤7」又は「青7−青7−青7」が有効ラインに沿って並ぶことにより成立する。『BB一般遊技状態』は、30回の小役ゲーム又は3回のRB(レギュラーボーナス)を消化すると終了する。なお、『BB一般遊技状態』は、所定枚数のメダルの払い出しが完了すれば終了するようにしてもよい。
【0056】
『RB遊技状態』は、『一般遊技状態』よりも出玉率の期待値が高く、他の遊技状態と比べて遊技者にとって最も有利な遊技状態である。『RB遊技状態』は、『一般遊技状態』又は『BB一般遊技状態』においてRB(レギュラーボーナス)に入賞した場合に発生する。RBの入賞は、一般遊技状態又はBB一般遊技状態において「赤7−赤7−青7」が有効ラインに沿って並ぶことにより成立する。なお、『BB一般遊技状態』においてRBの入賞が成立することを、一般に『JACIN』と称し、その後のゲームを『JACゲーム』と称す。なお、各遊技状態間の移行は、ボーナス図柄の組み合せが入賞ライン上に表示されたとき等により移行する。
【0057】
(サンド200の機械的構成)
サンド200は、図1に示すように、遊技機100に隣接して配置されており、有価価値を有するプリペイドカードなどを投入することにより、所定枚数のメダルを貸し出すことが可能である。このサンド200は、プリペイドカードなどの磁気カードを投入するためのカード投入口201と、当該プリペイドカードなどの残度数が表示される度数表示部202と、メダルを貸し出す貸出ボタン203と、カード投入口201に投入されたプリペイドカードなどを返却する返却ボタン204と、貸し出されたメダルが排出されるメダル貸出口205と、メダルの貸出時に点灯するランプ206とが設けられている。
【0058】
遊技者によって残度数があるプリペイドカードなどが投入された後、貸出ボタン203が押下されることにより、内蔵されるホッパー207により所定枚数のメダルがメダル貸出口205から排出される。そして、所定枚数のメダルが排出されると、これに応じてプリペイドカードなどの残度数が減算され、その残度数が度数表示部202に表示される。そして、遊技者によって返却ボタン204が押下されることにより、カード投入口201に投入されたプリペイドカードが返却される。なお、本実施形態のサンド200では、プリペイドカードなどの磁気カードを投入することによりメダルを貸し出す例について説明したが、本発明はこれに限らず、現金を投入することによりメダルを貸し出す構成としてもよい。
【0059】
(サンド200の電気的構成)
上記のサンド200は、図8に示すように、回路基板に設けられた制御回路210により動作が制御されている。この制御回路210は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU211と、ROM212と、RAM213とを有している。このRAM213には、サンド200の電源投入後からの遊技媒体の貸出回数がカウントされて記憶されている。
【0060】
上記のCPU211からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、上述した度数表示部202、ホッパー207及びランプ206がある。また、CPU211には、I/Oポート214を介して、度数表示部202を駆動制御する表示制御駆動回路215、ホッパー207を駆動制御するホッパー駆動回路216、ランプ206を駆動制御するランプ駆動回路217が接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU211から出力される駆動指令等の制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
【0061】
上記したカード投入口201、貸出ボタン203及び返却ボタン204は、I/Oポート214を介してCPU211に接続されている。遊技者によりプリペイドカードなどがカード投入口201に投入されることに応じて送信される投入検知信号は、I/Oポート214を介してCPU211に出力される。また、貸出ボタン203及び返却ボタン204を押下することに応じて送信される信号も、I/Oポート214を介してCPU211に出力される。
【0062】
また、I/Oポート214には、インターフェース回路218が接続されており、遊技機100との情報の送受信を可能にしている。さらに、I/Oポート214には、タイマ219が接続されており、所定の時刻が設定されている。そして、このタイマ219は、現在時刻が設定された時刻か否かを判断する機能を有している。
【0063】
(主制御回路71の動作)
上記の構成において、図9に示すメインルーチンのフローチャートを参照して、主制御回路71のCPU31の制御動作について説明する。
【0064】
(メインルーチン)
初めに、CPU31は、遊技開始時の初期化を行う(A1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いてゲーム終了時のRAM33の所定の記憶内容を消去する(A2)。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次回のゲームに必要なパラメータの書き込み、次回のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。
【0065】
次に、CPU31は、メダル投入処理を行う(A3)。この処理で、投入メダルセンサ22SやBETスイッチ11S・12Sからの入力があるまで待機状態となる。この後、メダル投入信号を副制御回路72に送信すると共に、スタートレバー6の操作によりスタートスイッチ6Sがオンされたか否かを判定する(A4)。
【0066】
スタートスイッチ6Sがオンされてない場合には(A4:No)、A4を繰り返すことにより入力待ちの状態となり、スタートスイッチ6Sがオンされた場合には(A4:Yes)、遊技開始信号を副制御回路72に送信すると共に、抽籤用の乱数を抽出する(A5)。そして、遊技状態監視処理を実行することによって、今回のゲームにおける遊技状態を確認する(A6)。即ち、今回のゲームの遊技状態をBB一般遊技状態、RB遊技状態及び一般遊技状態の何れかにセットする。
【0067】
そして、確率抽籤処理を行い(A7)、内部当籤役を決定する。続いて、停止テーブル群選択処理が実行される(A8)。具体的には、内部当籤役の種類を用いて特定の停止テーブル群を選択する。かかる停止テーブル群は、後のA10において、リール3L・3C・3Rを停止させる際に使用される。ここで、内部当籤役や、遊技状態、停止テーブル群、内部当籤役に対応する図柄に係る情報を含む遊技情報信号を副制御回路72へ送信する。続いて、リール回転処理が行われる(A9)。具体的には、リール3L・3C・3Rを回転させ、所定速度(例えば、定速回転)に達した際に、リール停止許可信号を副制御回路72に送信する。リール停止許可信号には、所定速度に達した後、リール位置検出回路47が内部当籤役に対応する図柄が有効ライン(具体的には、センターライン8c)に位置したときに検出する検出信号が含まれる。
【0068】
次に、リール回転停止処理が実行される(A10)。即ち、何れかの停止ボタン7L・7C・7Rが操作されたタイミングや自動停止タイマの値が「0」になったタイミングで滑りコマ数を決定するための滑りコマ数決定処理を行う。具体的には、A9において決定(選択)された停止テーブル、停止操作位置及び停止制御位置に基づいて滑りコマ数を決定する。『滑りコマ数』は、停止ボタンが操作された後、リールが停止するまでの間に移動する図柄の数である(リールが停止するまでの間における図柄の移動量(移動距離)を示す)。なお、本実施の形態では『滑りコマ数』は「0」とする。即ち、停止ボタン7L・7C・7Rが操作されると同時にリールが停止する。続いて、滑りコマ数分、停止操作された停止ボタンに対応するリールを回転させてから停止させる。尚、停止ボタン7L・7C・7Rが操作され、対応するリールが停止する毎にリール停止信号(左、中、右)を副制御回路72に送信する。また、全てのリールが停止したときに、全リール停止信号を副制御回路72に送信する。
【0069】
次に、CPU31は入賞判定を行う(A11)。入賞判定とは、透過液晶パネル54を介して視認可能なリールの9つの図柄の停止態様に基づいて入賞役(入賞が成立した役)を識別する。具体的には、センターライン8cに沿って並ぶ図柄のコードナンバー及び入賞判定テーブルに基づいて入賞役を識別する。そして、入賞信号を副制御回路72に送信する。この後、獲得したメダルのクレジット又は払出しを行う(A12)。具体的には、入賞成立によりメダルを獲得する場合は、払出枚数表示部18にメダルの獲得枚数を表示する。そして、遊技者がC/Pボタン14を切り替えることにより、獲得したメダルを遊技機100内にクレジットするか、メダル払出口15からメダルを払い出すかを選択することができる。尚、クレジットしたメダルは、次ゲームでBETボタン11・12を押すことによりメダルを賭けることができる。
【0070】
その後、後述の遊技状態移行処理を実行し、次ゲームの遊技状態のセットを行う(A13)。そして、A2に戻り、上記動作を繰り返す。
【0071】
(遊技状態移行処理ルーチン)
次に、図10を参照して、遊技状態移行処理ルーチンについて説明する。メインルーチンのA12の処理が終了すると、図10に示すように、まず、入賞役が「BB」であるか否かを判定する(B1)。入賞役がBBである場合(B1:Yes)、即ち、有効ラインに「赤7−赤7―赤7」又は「青7―青7―青7」が並んだ場合、次ゲームの遊技状態をBB一般遊技状態にセットし(B2)、BBフラグがオンであれば、BBフラグをオフにする(B3)。そして、本ルーチンを終了し、メインルーチンのA2に戻る。
【0072】
入賞役がBBでない場合(B1:No)、次に、入賞役がRBであるか否かを判定する(B4)。入賞役がRBである場合(B4:Yes)、即ち、有効ラインに「赤7−赤7―青7」が並んだ場合、次ゲームの遊技状態をRB遊技状態にセットし(B5)、RBフラグがオンであれば、RBフラグをオフにする(B6)。そして、本ルーチンを終了し、メインルーチンのA2に戻る。
【0073】
一方、入賞役がRBでない場合(B4:No)、内部当籤役が「BB」又は「RB」であるかを判定する(B7)。内部当籤役が「BB」又は「RB」である場合(B7:Yes)、BBフラグ又はRBフラグをオンにし(B8)、B9に移行する。一方、内部当籤役が「BB」又は「RB」でない場合(B7:No)、B9に移行する。
【0074】
B9において、現在の遊技状態が『BB一般遊技状態』又は『RB遊技状態』であるか否かを判定する(B9)。遊技状態が『BB一般遊技状態』又は『RB遊技状態』でない場合には(B9:No)、本ルーチンを終了し、メインルーチンのA2に戻る。遊技状態が『BB一般遊技状態』又は『RB遊技状態』である場合には(B9:Yes)、ボーナス(BB,RB)の『遊技数チェック処理』を行う(B10)。この『遊技数チェック処理』では、RB遊技状態が発生した回数、BB一般遊技状態のゲーム回数、RB遊技状態における入賞回数、及びRB遊技状態におけるゲーム回数をチェックすると共に、BB一般遊技状態及びRB遊技状態間における遊技状態の移行(セット)を行う。
【0075】
次に、ボーナスの終了時であるか否かを判定する(B11)。具体的には、BBの入賞が成立した後では、3回目のRB遊技状態において入賞回数が8回又はゲーム回数が12回であるか、又はBB一般遊技状態においてゲーム回数が30回であるか否かを判別する。また、「赤7−赤7−青7」が有効ラインに沿って並ぶことによりRBの入賞が成立した後では、RB遊技状態において入賞回数が8回又はゲーム回数が12回であるか否かを判別する。この結果、ボーナスの終了時でないと判定した場合には(B11:No)、本ルーチンを終了し、メインルーチンのA2に戻る。一方、ボーナスの終了時であると判定した場合には(B11:Yes)、ボーナス終了信号を副制御回路72に出力し(B12)、本ルーチンを終了し、メインルーチンのA2に戻る。
【0076】
(サンド200の動作:メダル貸出処理)
次に、図11を参照して、サンド200の制御回路210が実行するメダル貸出処理ルーチンについて説明する。
【0077】
図11において、まず、カード投入口201に投入されるプリペイドカードが有効か否かが判断される(C1)。遊技者により、カード投入口201にプリペイドカードがされたことに応じて、当該プリペイドカードに記憶された磁気データを読み出し、読み出した磁気データに基づいて、そのプリペイドカードが有効か否かを判断する。具体的には、投入されたプリペイドカードに残度数があるのか否かや違法偽造カードか否かを判断する。そして、投入されたプリペイドカードが有効でない場合には(C1:No)、本ルーチンを終了する。これに対して、投入されたプリペイドカードが有効である場合には(C1:Yes)、タイマ219を参照して(C2)、現在時刻がタイマ219に設定される時刻に該当するか否かが判断される(C3)。具体的には、タイマ219に時刻「10:00〜10:30」が設定されている場合に、現在時刻が時刻「10:00〜10:30」に該当するか否かが判断される。
【0078】
そして、現時時刻がタイマ219に設定された時刻に該当する場合には(C3:Yes)、貸出ボタン203が押下されたか否かが判断される(C4)。そして、貸出ボタン203が押下された場合には(C4:Yes)、RAM213を参照して、電源投入後からカウントされている貸出回数が初回か否かが判断される(C5)。なお、貸出ボタン203が押下されない場合には(C4:No)、貸出ボタンの押下待ち状態となる。
【0079】
一方、C3の処理において、現時時刻がタイマ219に設定された時刻に該当しない場合にも(C3:No)、C4の処理と同様に、貸出ボタン203が押下されたか否かが判断される(C6)。そして、貸出ボタン203が押下された場合(C6:Yes)や、C5の処理において貸出回数が初回でない場合(C5:No)には、ホッパー駆動回路216にホッパー駆動信号Aが送信される(C7)。その後、ホッパー駆動信号Aが受信されたか否かが判断されて(C8)、当該ホッパー駆動信号Aが受信された場合には(C8:Yes)、ホッパー駆動回路216はそのホッパー駆動信号Aに基づいて、ホッパー207を駆動して、払出し処理を行う(C9)。具体的には、ホッパー駆動回路216がホッパー駆動信号Aに基づいて、ホッパー207を制御することによって、メダル貸出口205から50枚のメダルが排出される。この際、ランプ206がランプ駆動回路217により駆動されることにより、点灯して(C10)、本ルーチンが終了する。
【0080】
また、C5の処理において、貸出回数が初回の場合(C5:Yes)には、ホッパー駆動回路216にホッパー駆動信号Bが送信される(C11)。その後、ホッパー駆動信号Bが受信されたか否かが判断されて(C12)、当該ホッパー駆動信号Bが受信された場合には(C12:Yes)、ホッパー駆動回路216はそのホッパー駆動信号Bに基づいて、ホッパー207を駆動して、払出し処理を行う(C13)。具体的には、ホッパー駆動回路216がホッパー駆動信号Bに基づいて、ホッパー207を制御することによって、メダル貸出口205から100枚のメダルが排出される。したがって、現在時刻が10:00〜10:30の間であって、かつ、貸出回数が初回である場合には、100枚のメダルが排出される。そして、この際、ランプ206がランプ駆動回路217により駆動されることにより、点灯して(C14)、本ルーチンが終了する。
【0081】
(本実施形態の概要)
以上、説明したように、本実施形態の遊技システム1は、メダルの投入に応じて、単位遊技の開始を指令する遊技開始指令信号を出力する遊技開始指令手段(CPUなど)と、遊技開始指令信号の指令により行われる遊技の結果に基づいて、メダルを払い出すメダル払出手段(ホッパー40、ホッパー駆動回路41など)と、遊技を行う際に必要なメダルを貸し出すメダル貸出手段(ホッパー207)と、メダル貸出手段によりメダルが貸し出された際に演出を行う演出手段(ランプ206、ランプ駆動回路217など)と、現在時刻が10:00〜10:30の間であって、かつ、貸出回数が初回である場合に、通常貸し出されるメダルの枚数(50枚)とは異なる100枚のメダルを貸し出すようにメダル貸出手段を制御する貸出制御手段(CPU211、ホッパー駆動回路216など)とを備えている。
【0082】
上記の構成によれば、現在時刻が10:00〜10:30の間であって、かつ、貸出回数が初回である場合に貸し出されるメダルの枚数が通常より多くなるので、遊技者は予想もつかない方法で通常の貸し出し量(50枚)より多い量(100枚)のメダルを獲得することができる。その結果、遊技におけるメダルの獲得に対する期待感に加えて、メダルの貸し出し時に遊技者に期待感を持たせることができる。
【0083】
また、上記構成によれば、メダルが貸し出された際に演出を行う演出手段(ランプ206)を設けることによって、メダルの貸し出しを遊技者に報知することができるので、貸し出されたメダルの取り忘れなどを防止することができる。さらに、演出手段(ランプ206)による音楽や映像の演出により、メダルの貸し出し時に、遊技者を飽きさせることなく遊技者に期待感を持たせることができる。
【0084】
(本実施の形態の変形例)
以上、本発明の実施例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0085】
例えば、上記実施形態では、メダルが貸し出された際に演出を行う演出手段として、サンドのランプを点灯させる例について説明したが、本発明はこれに限らず、遊技機の液晶表示装置に画像を表示させたり、遊技機のスピーカから音声を出力させたりしてもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、遊技機とサンドとを別体で構成する例を示したが、本発明はこれに限らず、遊技開始指令手段と、遊技媒体払出手段と、遊技媒体貸出手段と、貸出制御手段と、演出手段とを備えた1つの装置として遊技システムを構築してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の一実施形態による遊技システムの全体構成を示した斜視図である。
【図2】遊技機の液晶表示装置の正面図である。
【図3】リール上に配列された図柄を示した図である。
【図4】遊技機の液晶表示装置の概略構成を示す斜視図である。
【図5】液晶表示装置の一部の構成の展開図である。
【図6】遊技機の主制御回路の構成を示すブロック図である。
【図7】遊技機の副制御回路の構成を示すブロック図である。
【図8】サンドの制御回路の構成を示すブロック図である。
【図9】メインルーチンのフローチャートである。
【図10】遊技状態移行処理ルーチンのフローチャートである。
【図11】メダル貸出処理ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
1 遊技システム
31 CPU
40 ホッパー
41 ホッパー駆動回路
100 遊技機
200 サンド
206 ランプ
207 ホッパー
211 CPU
213 RAM
216 ホッパー駆動回路
217 ランプ駆動回路
219 タイマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体の投入に応じて、単位遊技の開始を指令する遊技開始指令信号を出力する遊技開始指令手段と、
前記遊技開始指令信号の指令により行われる遊技の結果に基づいて、前記遊技媒体を払い出す遊技媒体払出手段と、
前記遊技を行う際に必要な遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出手段と、
前記遊技媒体貸出手段により前記遊技媒体が貸し出される際に演出を行う演出手段と、
第1の貸し出し量の遊技媒体を貸し出すように前記遊技媒体貸出手段を制御するとともに、前記第1の貸し出し量とは異なる第2の貸し出し量の遊技媒体を貸し出すように前記遊技媒体貸出手段を制御する貸出制御手段とを備えることを特徴とする、遊技システム。
【請求項2】
現在時刻が、設定された時刻か否かを判断する時刻判断手段をさらに備え、
前記貸出制御手段は、前記時刻判断手段により現在時刻が設定された時刻であると判断された場合には、前記第1の貸し出し量より多い前記第2の貸し出し量の遊技媒体を貸し出すように前記遊技媒体貸出手段を制御し、前記時刻判断手段により現在時刻が設定された時刻でないと判断された場合には、前記第1の貸し出し量の遊技媒体を貸し出すように前記遊技媒体貸出手段を制御することを特徴とする、請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記遊技媒体貸出手段によって遊技媒体が貸し出された貸出回数をカウントする貸出回数カウント手段をさらに備え、
前記貸出制御手段は、前記貸出回数カウント手段にカウントされる貸出回数が所定回数の場合には、前記第1の貸し出し量より多い前記第2の貸し出し量の遊技媒体を貸し出すように前記遊技媒体貸出手段を制御し、前記貸出回数カウント手段にカウントされる貸出回数が前記所定回数以外の場合には、前記第1の貸し出し量の遊技媒体を貸し出すように前記遊技媒体貸出手段を制御することを特徴とする、請求項1又は2に記載の遊技システム。
【請求項4】
前記遊技開始指令手段と、前記遊技媒体払出手段とを有する遊技機と、
前記遊技機とデータ通信可能に接続され、前記遊技媒体貸出手段と、前記貸出制御手段と、前記演出手段とを有する遊技媒体貸出機とを備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の遊技システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−104691(P2008−104691A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−290983(P2006−290983)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】