説明

遊技チップ及び遊技システム

【課題】読み取りが行なわれている領域以外の領域にある遊技チップについては無線ICタグを読み取らないようにしつつも、読み取りが行なわれている領域にある遊技チップについては確実に無線ICタグの読み取りが行なわれるようにする。
【解決手段】遊技チップ71は、平板上の遊技媒体本体101内に無線ICタグ72が内蔵されている。遊技媒体本体101の側縁部102にはシールド材103が形成されている。シールド材103は、無線ICタグ72を磁界からシールドする電磁シールドとなる。遊技媒体本体101の側縁部102には、シールド材103が形成されていない露出部104が存在する。露出部104は、遊技媒体本体101の側縁部102の板厚方向の一端から他端107にかけてシールド材103が形成されていない部分である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技チップ及び遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,2には、無線ICタグを内蔵した遊技チップについて開示されている。カジノなどで遊技の掛け金をベットするベット装置では、有価価値が付与されたこの遊技チップをベットテーブル上のベット領域に積層載置することにより掛け金をベットする。そして、無線ICタグを読み取るアンテナによりベットテーブル下にベット領域ごとに載置されている遊技チップの無線ICタグを読み取ることにより、遊技者がベットしたベット金額を判定するようにしている。
【0003】
遊技チップに内蔵されている無線ICタグを確実に読み取るためには、無線ICタグを読み取るアンテナから送出する電磁波の強度を強くする必要がある。
【0004】
しかし、アンテナから送出する電磁波は同心円状のループを描いて戻ってくるため、この電磁波の強度が強すぎる場合には、当該アンテナが設けられた領域に隣接している他の領域に載置されている遊技チップの無線ICタグも読み取ってしまう恐れがある。
【0005】
このように遊技チップの余計な読み取りを防止するための手段として、遊技チップの側縁部に電磁シールドを施すことが考えられる。すなわち、遊技チップの側縁部に金属材料からなるシールド材を形成すれば、遊技チップに内蔵されている無線ICタグが余計な電磁波の影響を受けにくくなるので、隣接領域にある遊技チップを不必要に読み取ってしまうことを防止することができる。
【特許文献1】特開2001‐148047号公報
【特許文献2】特開2003‐331250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、遊技チップの側縁部に電磁シールドを施すと、電磁波を送出するアンテナが設けられている領域に載置されている遊技チップの無線ICタグの読み取りも不安定になってしまうという不具合がある。
【0007】
本発明の目的は、読み取りが行なわれている領域以外の領域にある遊技チップについては無線ICタグを読み取らないようにしつつも、読み取りが行なわれている領域にある遊技チップについては確実に無線ICタグの読み取りが行なわれるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、平板状の遊技媒体本体と、前記遊技媒体本体に設けられた無線ICタグと、前記遊技媒体本体の側縁部に形成され前記無線ICタグを磁界からシールドするシールド材と、を備え、前記遊技媒体本体の側縁部には、当該遊技媒体本体の板厚方向の一端から他端にかけて前記シールド材が形成されていない箇所が少なくとも1つ以上設けられている、遊技チップである。
【0009】
別の面から見た本発明は、遊技チップと、前記遊技チップが載置される遊技台と、前記遊技台上に形成される載置領域上に載置されている前記遊技チップを電磁気的に読み取る読取手段と、を備え、前記遊技チップは、平板状の遊技媒体本体と、前記遊技媒体本体に設けられた無線ICタグと、前記遊技媒体本体の側縁部に形成され前記無線ICタグを磁界からシールドするシールド材と、を備え、前記遊技媒体本体の側縁部には、当該遊技媒体本体の板厚方向の一端から他端にかけて前記シールド材が形成されていない箇所が少なくとも1つ以上設けられている、遊技システムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、シールド材により読み取りが行なわれている領域以外の領域にある遊技チップについては無線ICタグを読み取らないようにしつつも、遊技媒体本体の側縁部には遊技媒体本体の板厚方向の一端から他端にかけてシールド材が形成されていない箇所が少なくとも1つ以上設けられていることにより、読み取りが行なわれている領域にある遊技チップについては確実に無線ICタグの読み取りが行なわれるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0012】
図1は、ルーレット盤の平面図である。図2は、遊技用ベット装置のベット用ボードの平面図である。図3は、ベット用ボードの一部拡大斜視図である。
【0013】
ルーレット盤51及び遊技用ベット装置1は、例えばカジノホテル内のカジノなどで使用される。すなわち、遊技者は、ルーレット盤51に投入されたルーレット球61の出目位置を予想し、遊技用ベット装置1を使用して当該出目位置に対応するベット部位3に遊技チップ71をベットする各種遊技を行なう。遊技用ベット装置1と遊技チップ71とにより、本発明の一実施の形態である遊技システム201を構成している。
【0014】
遊技用ベット装置1は、その上面にルーレット盤51の出目位置に対応する複数のベット部位3(例えば、0,00,1,2,…,35,36の数字で区分けされた各スポット)が割り当てられた、遊技チップ71をベットするためのベット用ボード4を備えている。ベット用ボード4上の各ベット部位3は、枠5によって区切られたベット用ボード4の上面の各領域である。各遊技チップ71には、当該遊技チップ71に関する情報が記録された無線ICタグ72が設けられている。ルーレット盤51には、当該ルーレット盤51上におけるルーレット球61の出目位置や出目種類を検出する出目検出装置52が設けられている。また、ベット用ボード4には、ベット部位3に遊技チップ71がベットされた際に、無線ICタグ72に記録された遊技チップ71に関する情報を読み取ることによって当該遊技チップ71のベット位置及び掛け金の価値を検出するベット情報検出装置11(後述)を備えている。さらに、図示は省略するが、カジノ内にはルーレット盤51上におけるルーレット球61の位置と遊技チップ71のベット位置及び価値とに基づいて、当該遊技(ルーレットゲーム)の配当金を算出する配当金算出システム(詳細は省略)が用意されている。
【0015】
無線ICタグ72に記録された遊技チップ71に関する情報には、当該遊技チップ71を特定する固有番号(遊技チップ71を識別する番号)、価値(1ドル、5ドル、10ドル等)や色、当該遊技チップ71を使用可能な場所(当該遊技チップ71が使用されるカジノを識別する情報)等の情報が含まれる。また、当該遊技チップ71には固有番号のみを記録し、他の情報はカジノ内の所定のサーバ装置に固有番号と関連付けて記憶しておき、無線ICタグ72から読取った固有番号に基づいて当該情報を検索するようにしても良い。
【0016】
出目検出装置52は、ID読取装置から構成されている(詳細は図示せず)。このID読取装置は、X側スキャンドライバから互いに平行に延出したX側送信アンテナ及びX側受信アンテナと、Y側スキャンドライバから互いに平行に延出したY側送信アンテナ及びY側受信アンテナとを直交配置して構成されている。このID読取装置によれば、X側送信アンテナ及びY側送信アンテナからスキャン電波を発信させると、アンテナ相互のクロスポイント付近に読取用電波が立ち上がる。この読取用電波は、X側受信アンテナ及びY側受信アンテナで受信されるが、クロスポイント付近にルーレット球61あると、ルーレット球61の誘電体化に伴うインピーダンスの変化によって、受信状態に変化が生じる。この変化状態を検出することによって、ルーレット61の有無が判断される。
【0017】
より詳細に説明すると、ルーレット盤51は、円形の回転体構造を成しており、その中心軸53に対して同心円状に合計38個のポケット54(図では一部のみを示す)が形成されている。各ポケット54には、ベット用ボード4に割り当てられた複数のベット部位3に対応した数字(例えば、0,00,1,2,…,35,36)が表示されている。ID読取装置のクロスポイントは、38個のポケット54にそれぞれ配置されており、ポケット54にルーレット球61が入ったとき、そのルーレット球61はいずれかのクロスポイント上に位置付けられる。上述した読取用電波は、遊技中は常時立ち上がった状態にあるため、あるクロスポイント上にルーレット球61が位置付けられると、そのポケット54の受信状態のみが変化する。この結果、ルーレット盤51の何処の位置(何処のポケット54)にルーレット球61が入ったのかを検出することができる。このとき検出されたデータは、カジノホテル内のPTS(プレーヤートラッキングシステム)サーバ(図示せず)に送られ、その履歴が一括管理される。
【0018】
なお、ルーレット球61には、当該ルーレット球61を識別するルーレット球識別情報が記録された無線ICタグ(図示せず)が設けられている。この無線ICタグはルーレット球61に埋め込まれており、ルーレット球識別情報には、当該ルーレット球61の出所や使用可能な場所(当該ルーレット球61が使用可能なカジノ)、球の種類等の情報が含まれている。ルーレット球識別情報記録手段に記録されたルーレット球識別情報は、出目検出装置52のID読取装置によって読み取ることができる。そして、読み取られた情報に基づいて、使用できるルーレット球61と、そうでないものとの判別を行うことができる。このため、偽造されたルーレット球61を持ち込んで使用するといった不正行為や侵害行為などの発生を防止することが可能となる。
【0019】
このような遊技システムにおいて、ルーレット盤51での遊技を希望する者は、証明カードを持ってカジノに入場する。この証明カードは、カジノホテルにチェックインした客に対しホテルフロントのカード発券機によって発行されるカードである。証明カードは、その客を特定するためのカードであり、その発行以降は、お客は当該カジノホテル内において当該証明カードを提示してチェックを受けることにより全ての施設の利用が可能となる。例えば、ホテル内のレストランやバーのレジでは、証明カードがカードリーダで読み取られることによって支払請求金額が当該カジノホテルのホテルサーバに当該客の識別情報と関連付けて蓄積され、客がカジノホテルをチェックアウトする際には全ての支払請求金額がホテルのフロントの端末に表示される。即ち、証明カードは、カジノホテル内でのさまざまな決済に使用するクレジットカードとしての機能を有している。
【0020】
そして、客が証明カードを持ってカジノに入場した際、遊技チップ発行/精算機で所望枚数の遊技チップ71を入手し、ベット用ボード4に設けられた証明カード読み取り用の読取装置(図示せず)に証明カードをセットする。このとき、読取装置が証明カードの内容を読み取って、その客を特定し、遊技の参加者として認識する。読取装置による認識データは、前述のPTSサーバに送られ、現在のゲームにおける参加者として登録される。なお、証明カードの読取方式は、証明カードの記録方式(磁気記録、光記録)に応じて任意に設定(磁気的な読取方式、光学的な読取方式)することが可能である。
【0021】
ルーレットゲームにおいては、まず、ディーラーがルーレット盤51を廻してルーレット球71をルーレット盤51内に投入する。この間、遊技の参加者は、手持ちの遊技チップ71をベット用ボード4の所望のベット部位3にベットする。図2の例では、ある参加者はコーナー(4,5,7,8)にベットし、別の参加者がストレート(9)にベットし、別の参加者がコラム(2to1)にベットしている。このとき、ベット情報検出装置11によって各参加者のベット位置と掛け金の価値(1ドル、5ドル、10ドル等の掛け金の金額)とが検出され、その検出結果がPTSサーバに送られ、その履歴が一括管理される。
【0022】
その後、ルーレット盤51の回転が緩やかになって、ルーレット球61が入ったポケット54の出目が例えば「8」である場合、出目検出装置52によってルーレット球61の出目位置「8」が検出され、その検出結果がPTSサーバに送られ、その履歴が一括管理される。なお、このPTSサーバは、当該ルーレット盤51以外のルーレット盤や、スロットマシンなどの他の遊技機に関して履歴や様々なデータを一括管理するようにしてもよい。
【0023】
カジノホテル内の集計・分析サーバ(図示せず)には、配当金算出システムが構築されており、ルーレット盤51上におけるルーレット球61の位置(前述の例では出目「8」)と遊技チップ71のベット位置及び掛け金の価値とに基づいて、当該遊技(ルーレットゲーム)の配当金が算出される。
【0024】
図4は遊技チップ71の平面図、図5は同側面図、図6は同部分拡大側面図である。
【0025】
遊技チップ71は、強化プラスチック製やセラミック製などの平板上の遊技媒体本体101内に無線ICタグ72が内蔵されている。この平板状の遊技媒体101は、最も面積が大きい2つの主面100と、この各主面100に対して垂直方向に位置する板厚方向105の一端106から他端107にかけて遊技媒体本体101の外周に亘って形成されている側縁部102を有している。そして、この遊技媒体本体101の側縁部102に亘ってシールド材103が形成されている。シールド材103は鉄、銅、アルミニウムなどの金属材料を遊技媒体本体101にメッキし、あるいは蒸着することなどにより形成したもので、無線ICタグ72を磁界からシールドする電磁シールドとなる。
【0026】
このシールド材103は遊技媒体本体101の側縁部102の外周の全体に亘って形成されているわけではなく、遊技媒体本体101の側縁部102にはシールド材103が形成されていない箇所(露出部(露出部分))104が少なくとも1つ以上、図4、図5の例では3個存在する。この露出部104は、図6に示すように、何れも遊技媒体本体101の側縁部102の板厚方向(矢印105方向)の一端106から他端107にかけてシールド材103が形成されていない部分であり、その幅は例えば1mm程度である。
【0027】
次に、遊技システム201を構成する遊技用ベット装置1のベット情報検出装置11について詳細に説明する。
【0028】
図7は、ベット情報検出装置11の読取装置12、制御装置14及び無線ICタグ72の電気的な接続のブロック図である。
【0029】
制御装置14は、読取装置12に対して、磁界を発生させて無線ICタグ72に起電させるように、また、無線ICタグ72の記録している情報を読み取って当該データを送信するように命令する。
【0030】
読取装置12は、複数のアンテナ(ループアンテナ)21と、送受信部22と、切替部23と、制御部24とを備えている。
【0031】
制御部24は、制御装置14からの命令を受け取り、これに応じて送受信部22と切替部23とを駆動する。
【0032】
送受信部22は、アンテナ21に通電して無線ICタグ72において起電させるための磁界(電磁界)を発生させる。すなわち、各アンテナ21を順次切替え、各アンテナ21について順番に磁界を発生させる。この磁界の発生と同時に、切替部23は、負荷変調された電波信号を送受信部22で復調することにより、無線ICタグ72の情報を読取る。
【0033】
無線ICタグ72は、いわゆる磁界型の無線ICタグであり、メモリ73と、制御部74と、送受信部75と、アンテナ76とを備えている。メモリ73は、遊技チップ71を特定する固有番号(遊技チップ71を識別する番号)を記憶している記憶装置である。また、前述のとおり、価値(1ドル、5ドル、10ドル等)や色、当該遊技チップ71を使用可能な場所(当該遊技チップ71が使用されるカジノを識別する情報)等の情報を記憶していてもよい。制御部74は、読取装置12から受信したコマンド、リクエスト、命令などを解釈し、これに応答する動作を実行する。送受信部75は、変調部(図示せず)、復調部(図示せず)を有しており、読取装置12と交信を行うために信号の変調/復調を行う。アンテナ76は読取装置12からの磁界により送受信部75に給電すると共に、送受信部75からの変調された変調波を受け取り、これを読取装置12に受信させるよう、空中に放射する。
【0034】
このように、ベット情報検出装置11は、無線ICタグ72の起電と、無線ICタグ72の情報の読み取りとを読取装置12のアンテナ21で行うようにしているが、これらを別々のアンテナで行なうようにしても良い。
【0035】
次に、充電装置12の切替部23について説明する。
【0036】
図8〜図10は、切替部23の構成を説明する回路図である。
【0037】
切替部23は、X側スキャンドライバ41とY側スキャンドライバ42とを備えている。X側スキャンドライバ41からは互いに平行な複数本のX側送信ライン43が延びている。また、Y側スキャンドライバ42からは互いに平行な複数本のY側送信ライン44が延びている。この複数本のX側送信ライン43と複数本のY側送信ライン44とは一方が縦方向、他方が横方向に延びて各所で交差している。そして、この各クロスポイントにはリレー回路45が設けられている。各リレー回路45は、そのコイル46の一端側がX側送信ライン43、他端側がY側送信ライン44に接続されている。コイル46のX側送信ライン43側にはダイオード48がX側送信ライン43側をカソード側、コイル46側をアノード側として介装されている。通常、各リレー回路45をオフにしておく場合は、各X側送信ライン43をHレベルに維持しておき、各Y側送信ライン44をLレベルに維持しておく。そして、いずれかのリレー回路45のスイッチ47をオンにしたいときは、所望のリレー回路45がそのクロスポイントにおいて接続されているX側送信ライン43をLレベルに切り替え、同様にそのクロスポイントにおいて接続されているY側送信ライン44をHレベルに切り替える。これによりコイル46に通電してスイッチ47が閉じる。
【0038】
このような各リレー回路45は、図10に示すように、各アンテナ21にリレー回路45がそれぞれ1つ設けられている。すなわち、各アンテナ21において、1つのアンテナ21は1つのリレー回路45と直列に接続されていて、あるリレー回路45がオフであれば当該リレー回路45と直列接続されたアンテナ21は駆動せず、リレー回路45がオンになれば当該リレー回路45と直列接続されたアンテナ21が駆動する。このようなリレー回路45は高周波リレーである。
【0039】
次に、各アンテナ21の配置について説明する。
【0040】
図11は、ベット用ボード4における各アンテナ21の配置の一例を示す平面図である。(11)番、(12)番、(13)番、…のように番号が付されているのは各ベット部位3である。この例では、各ベット部位3に1又は複数個のアンテナ21がそれぞれ対応して配置されている。そして、(11)番、(12)番、(13)番、…のベット部位3の順番に全ベット部位3の各アンテナ21を1つずつ順々に駆動させて当該ベット部位3上に配置されている遊技チップ71の無線ICタグ72を順次読み取っていく。
【0041】
図12は、ベット用ボード4における各アンテナ21の配置の他の例を示す平面図である。この例では、(11)番、(12)番、(13)番、…と番号が付されている縦長の領域91と、(51)番、(52)番、(53)番、…と番号が付されている横長の領域92とが存在し、縦長の各領域91と横長の各領域92とは互いに交差していて、その互いに交差している矩形の各領域が各ベット部位3となる。縦長の各領域91に沿って1又は複数個のアンテナ21がそれぞれ対応して配置され、また、横長の各領域92に沿って1又は複数個のアンテナ21がそれぞれ対応して配置されている。よって、ある領域91のアンテナ21を駆動することにより、当該領域91上に配置されている遊技チップ71の無線ICタグ72を読み取ることができ、ある領域92のアンテナ21を駆動することにより、当該領域92上に配置されている遊技チップ71の無線ICタグ72を読み取ることができる。
【0042】
この例では、例えば、最初に(11)番、(12)番、(13)番、…の順に縦長の領域91のアンテナ21を順次駆動し、次に、(51)番、(52)番、(53)番、…の順に横長の各領域92のアンテナ21を順次駆動する。例えば、(11)番の領域91に対応した複数のベット部位3に遊技チップ71が置かれているときは、ベット部位3を区別することなく領域91全体の遊技チップ71の無線ICタグ72を読み取ることになるが、後で(51)番、(52)番、(53)番、…のすべての横長の領域92についても同様の読み取り動作を行うので、縦長の領各域91の読み取り結果と横長の各領域92の読み取り結果との論理積(アンド)をとることにより、個々のベット部位3に置かれた遊技チップ71の無線ICタグ72の読み取り結果を明らかにすることができる。
【0043】
以上説明した遊技システム201によれば、読み取りが行なわれているベット部位3以外のベット部位3に載置されている遊技チップ71については、シールド材103により無線ICタグ72を読み取らないようにすることができる。一方で、遊技媒体本体101の側縁部102には遊技媒体本体101の板厚方向105の一端106から他端107にかけてシールド材103が形成されていない露出部104が設けられていることにより、無線ICタグ72の読み取りが行なわれているベット部位3にある遊技チップ71については確実に無線ICタグ72の読み取りが行なわれるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施の形態である遊技システムのルーレット盤の平面図である。
【図2】本発明の一実施の形態である遊技システムの遊技用ベット装置のベット用ボードの平面図である。
【図3】本発明の一実施の形態である遊技システムのベット用ボードの一部拡大斜視図である。
【図4】本発明の一実施の形態である遊技システムの遊技チップの平面図である。
【図5】本発明の一実施の形態である遊技システムの遊技チップの側面図である。
【図6】本発明の一実施の形態である遊技システムの遊技チップの部分拡大側面図である。
【図7】本発明の一実施の形態である遊技システムのベット情報検出装置の読取装置、制御装置及び無線ICタグの電気的な接続のブロック図である。
【図8】本発明の一実施の形態である遊技システムの切替部の構成を説明する回路図である。
【図9】本発明の一実施の形態である遊技システムの切替部の構成を説明する回路図である。
【図10】本発明の一実施の形態である遊技システムの切替部の構成を説明する回路図である。
【図11】本発明の一実施の形態である遊技システムのベット用ボードにおける各アンテナの配置の一例を示す平面図である。
【図12】本発明の一実施の形態である遊技システムのベット用ボードにおける各アンテナの配置の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0045】
71 遊技チップ
72 無線ICタグ
102 側縁部
103 シールド材
104 露出部(露出部分)
201 遊技システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の遊技媒体本体と、
前記遊技媒体本体に設けられた無線ICタグと、
前記遊技媒体本体の側縁部に形成され前記無線ICタグを磁界からシールドするシールド材と、
を備え、
前記遊技媒体本体の側縁部には、当該遊技媒体本体の板厚方向の一端から他端にかけて前記シールド材が形成されていない箇所が少なくとも1つ以上設けられている、
遊技チップ。
【請求項2】
遊技チップと、
前記遊技チップが載置される遊技台と、
前記遊技台上に形成される載置領域上に載置されている前記遊技チップを電磁気的に読み取る読取手段と、
を備え、
前記遊技チップは、
平板状の遊技媒体本体と、
前記遊技媒体本体に設けられた無線ICタグと、
前記遊技媒体本体の側縁部に形成され前記無線ICタグを磁界からシールドするシールド材と、
を備え、
前記遊技媒体本体の側縁部には、当該遊技媒体本体の板厚方向の一端から他端にかけて前記シールド材が形成されていない箇所が少なくとも1つ以上設けられている、
遊技システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−119551(P2010−119551A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−295158(P2008−295158)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)