説明

遊技場映像システム

【課題】 映像コンテンツを記憶する記憶容量を有効に活用し、遊技場の機種構成や実状に即した実効性のある宣伝広告を行う遊技場映像システムを提供する。
【解決手段】 所定の映像コンテンツを遊技者に提供する遊技場映像システムであって、コンテンツ管理サーバ60は、映像コンテンツを遊技場に設置されている遊技機の一以上の機種と関連付けて管理し、ホールコンピュータ30から送信される遊技場から撤去される撤去機種を示す撤去機種情報に基づいて、撤去機種と関連付けられた映像コンテンツをビデオサーバ40から消去させる構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場において遊技者に映像コンテンツを提供する遊技場映像システムに関し、特に、遊技機の新台入れ替えにリンクして撤去台に関連する映像コンテンツを消去する遊技場映像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場には、映像コンテンツを提供する遊技場映像システムが設置され、液晶表示器やプラズマ表示器などのディスプレイ装置に、新台導入情報やイベント情報などのコンテンツを表示させて、遊技者に宣伝広告を行っている。
このような映像コンテンツは、ビデオサーバに備えるハードディスクなどの記憶手段に記憶され、事前に設定したスケジュールに基づき再生表示されるようになっている。
【0003】
近年、映像コンテンツは趣向を凝らした演出のものが多く、その分映像コンテンツのデータ容量も増加し、映像コンテンツを記憶する記憶手段の記憶容量を圧迫させていた。
そのためには、再生表示されない不要な映像コンテンツを記憶手段から定期的に消去する必要がある。そこで、不要な映像コンテンツを記憶手段から自動的に消去する発明がいくつか提案されている。
【0004】
例えば、映像コンテンツ毎に、有効期限、非再生期間などの消去条件を設定し、この消去条件を満たしたときに、記憶手段から該当する映像コンテンツを消去する発明(特許文献1)や、映像コンテンツの再生時間に応じて保存期間を定め、保存期間に達したときに記憶手段から該当する映像コンテンツを消去する発明(特許文献2)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−85578号公報
【特許文献2】特開2001−43168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これらの発明では、映像コンテンツの消去条件を時間や再生回数に関連させたもので、遊技場が本来遊技者に提供するサービスを構成する遊技機との関連性が希薄であった。そのため、上記のような消去条件を満たさないときには、遊技機の入れ替えにより遊技場から撤去された遊技機に関連する映像コンテンツが再生される場合もあり、映像コンテンツの宣伝効果を必ずしも生かしているものとは言えなかった。
【0007】
本発明は、以上のような問題を解決するために提案されたものであり、所定の記憶手段に記憶された映像コンテンツを遊技場に設置された遊技機とリンクさせて、遊技機の入れ替えにより遊技場から撤去される遊技機に関連する映像コンテンツを消去することで、記憶容量を有効に活用するとともに、遊技場の機種構成や実状に即した映像コンテンツを残して記憶する画期的な遊技場映像システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の遊技場映像システムは、所定の映像コンテンツを遊技者に提供する遊技場映像システムであって、前記映像コンテンツを記憶する記憶手段と、前記映像コンテンツを、遊技場に設置されている遊技機の一以上の機種と関連付けて管理する映像コンテンツ管理手段と、遊技場から撤去される撤去機種を示す撤去機種情報が入力される撤去機種情報入力手段と、を備え、前記映像コンテンツ管理手段は、前記撤去機種と関連付けられた前記映像コンテンツを前記記憶手段から消去させる構成としてある。
【発明の効果】
【0009】
本発明の遊技場映像システムによれば、映像コンテンツを記憶する記憶容量を有効に活用するとともに、遊技場の機種構成や実状に即した映像コンテンツを用いて実効性のある宣伝広告を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技場映像システムの構成を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る遊技場映像システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るコンテンツ管理ファイルの構成を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るコンテンツ管理ファイルと撤去機種履歴ファイルとの関係を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るスケジュール管理ファイルの構成を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る評価基準設定ファイルの構成を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る機種と関連付けられた映像コンテンツの消去処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係る機種と関連付けがないその他の映像コンテンツの消去処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る遊技場映像システムの好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る遊技場映像システムは、図1に示すように、パチンコ機10と、スロットマシン20と、これらの遊技機に併設される遊技媒体を貸出す遊技媒体貸出機(不図示)と、遊技機及び遊技媒体貸出機からの遊技信号を集計するホールコンピュータ30と、複数の映像コンテンツを記憶するビデオサーバ40と、映像コンテンツを表示する液晶表示器やプラズマ表示器などのディスプレイ装置50と、ビデオサーバ40を管理し、指定した映像コンテンツをディスプレイ装置50に表示させるコンテンツ管理サーバ60と、を備え、これらは、ネットワーク回線を介して接続されて、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)を構成している。
【0012】
本実施形態に係る遊技場には、各々機種(正確には、機種名)の異なるパチンコ機10aとパチンコ機10bとパチンコ機10cとが、それぞれ複数台(例えば、12台)ずつ設置され、また、各々機種(機種名)が異なるスロットマシン20aとスロットマシン20bとスロットマシン20cとが、それぞれ複数台(例えば、12台ずつ)ずつ設置されている。
これらの遊技機10,20は、例えば、パチンコ機10aとパチンコ機10cは、同じメーカーで、パチンコ機10bとはメーカーが異なり、また、スロットマシン20aとスロットマシン20cは、同じメーカーで、スロットマシン20bとはメーカーが異なるようになっている。
これらの遊技機10,20と図示しない遊技媒体貸出装置からは、遊技機が遊技中、すなわち稼働状態にあることを示す、遊技媒体の投入数を示すアウト信号、遊技媒体の払出数を示すセーフ信号、会員情報が記録された会員カードの挿入・排出信号が、また、売上げを示す売上信号が出力され、ホールコンピュータ30に入力されている(図2参照)。
【0013】
ホールコンピュータ30は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバ装置など情報処理装置で構成され、キーボード、マウスなどの入力手段と、液晶表示器などの表示モニタ、コンテンツ管理サーバ60とデータ通信を行う通信ボード、ハードディスクなどの記憶手段を備え、この記憶手段に記憶されたアプリケーションプログラムが起動されることで、撤去機種を登録する撤去機種登録手段、また、機種毎の稼働人数と機種毎の売上げを集計する稼働・売上情報集計手段として動作する。
【0014】
ホールコンピュータ30は、遊技場の全ての遊技機及び遊技媒体貸出装置と接続され、上述のセーフ信号、アウト信号、売上げ信号、会員カードの挿入・排出信号に基づいて、所定の遊技データを遊技機毎に集計・管理する。
遊技機10,20は、遊技場における設置位置を示す遊技台番号で管理され、記憶手段に記憶された、どの機種の遊技機がどの遊技台番号に対応して設置されているのかを示す、遊技台番号/機種対応管理ファイル(不図示)によって管理されている。
【0015】
遊技台番号/機種対応管理ファイルは、例えば、遊技場の管理者が、表示モニタ上で、キーボードやマウスを操作しながら、機種と遊技台番号との対応付けを更新することができる。このような更新作業は、新台の導入、導入に伴う旧台の撤去、遊技場内における遊技機の配置替えのときに必ず行う必要があり、一般的に、新たな機種を導入するときには、古い機種を一括して撤去し、その撤去台が配置されていた位置に新台を設置することから、例えば、撤去する予定の遊技台番号に対応づけられた機種名を削除し、代わって新たな機種の機種名を上書きする更新作業を行う。
そこで、ホールコンピュータ30は、遊技場の管理者の操作により、この遊技台番号/機種対応管理ファイルにおいて、撤去する機種に対応する遊技台番号に、新たな機種(機種名)が更新登録されたときには(撤去機種登録手段)、この更新前の機種(機種名)を撤去機種情報として、コンテンツ管理サーバ60に自動的に送信する(図2参照)。
これにより、コンテンツ管理サーバ60は、新台入替えに際して、撤去機種情報を自動的に取得することができる。
なお、コンテンツ管理サーバ60がホールコンピュータ30に定期的にアクセスして、撤去機種情報を取得することもできる。
例えば、コンテンツ管理サーバ60が、遊技台番号/機種対応管理ファイルから映像コンテンツと関連付けされた機種(機種名)を検索し、関連付けられた機種(機種名)が存在しないときに、その機種を撤去機種とすることもできる(撤去機種情報入力手段)。
【0016】
また、ホールコンピュータ30は、機種毎の稼働人数と機種毎の売上げを集計する。
具体的には、ホールコンピュータ30は、会員カードの排出タイミング、アウト信号の入力間隔、売上信号の入力タイミングを監視して、遊技機毎の遊技者の入替わりを判定し、これに基づいて機種毎の稼働人数を集計する。
会員カードが投入された後に排出されたとき、アウト信号が継続して入力された後に一定時間以上入力されないとき、手持ちの遊技媒体(払出数−投入数>ゼロ)があるにもかかわらずに新たな売上信号が入力されたときは、遊技者の入替わりと判定できるため、この入替わりの人数を遊技機毎、さらには、機種毎に集計することで、機種毎の稼働人数を集計する。
【0017】
機種毎の売上げは、遊技機毎の売上信号の入力数を累計し、さらには、機種毎に累計することで、機種毎の売上げ(入力数×1売上信号当りの単価)を集計する。
このように集計された機種毎の稼働人数と機種毎の売上げは、コンテンツ管理サーバ60からの要求信号に基づいて、稼働・売上情報としてコンテンツ管理サーバ60に送信される(図2参照)。
これにより、コンテンツ管理サーバ60は、映像コンテンツと関連付けられた機種の稼働と売上げを考慮して、この映像コンテンツの消去の成否を判定することができる。
【0018】
コンテンツ管理サーバ60は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバ装置など情報処理装置で構成され、キーボード、マウスなどの入力手段と、液晶表示器などの表示モニタ、ホールコンピュータ30とデータ通信を行う通信ボード、ハードディスクなどの記憶手段を備え、記憶手段に記憶されたアプリケーションプログラムが起動されることで、ビデオサーバ40に記憶された映像コンテンツを予め設定したスケジュールに従ってディスプレイ装置50に表示させる。
コンテンツ管理サーバ60は、図2に示すように、コンテンツ管理ファイル61、撤去機種履歴ファイル62、スケジュール管理ファイル63、コンテンツ消去プログラム64、評価基準設定ファイル65を記憶手段に記憶し、これらのファイルやプログラムが、アプリケーションプログラムの管理下で制御されることで、コンテンツ管理サーバ60が、映像コンテンツ管理手段、撤去機種情報入力手段、稼働・売上情報入力手段として動作する。
【0019】
コンテンツ管理ファイル61は、図3に示すように、ビデオサーバ40に記憶された映像コンテンツと遊技機10,20との関連付けの設定と、ホールコンピュータ30から送信される稼働・売上情報に基づく各種評価、撤去機種情報に基づく消去状態を一括して管理するファイルとして構成されている。
具体的には、コンテンツ管理ファイル61は、同図に示すように、営業日毎に、複数の映像コンテンツを複数の項目(61a〜61k)に分けて管理している。
名称61a〜関連機種61cは、遊技場の管理者が、表示モニタ上で、キーボードやマウスを操作しながら自由に設定することができ、再生予定61dは、スケジュール管理ファイル63にリンクして自動的に設定され、稼働61e〜消去61kは、ホールコンピュータ30から送信される稼働・売上情報、撤去機種情報と過去の再生状況に基づいて自動的に設定されるように構成されている。以下、各項目について詳述する。
【0020】
名称61aは、映像コンテンツを特定する固有名称であり、ビデオサーバ40のハードディスク41(記憶手段)に記憶されている映像コンテンツの名称とリンクしている。
カテゴリ61bは、映像コンテンツの演出内容を示すもので、例えば、ある特定の一機種を紹介する映像コンテンツを「機種」、メーカーから提供される映像コンテンツを「メーカー」、高設定祭り(スロットマシン)や甘釘祭り(パチンコ機)などの遊技場のイベントに用いる映像コンテンツを「イベント」としてある。
また、季節に合わせたイベントや、遊技場を宣伝する演出内容の映像コンテンツを「その他」というカテゴリとしてある。
【0021】
関連機種61cは、該当する映像コンテンツと関連性のある遊技機の機種を示すもので、例えば、カテゴリ61bにおける「機種」や「メーカー」に対応する映像コンテンツでは、機種名やその遊技機本体が映像コンテンツに登場し、機種との関わりが強く出ている演出内容となっているため、この登場する機種を映像コンテンツと関連付けてしてある。
この場合には、遊技場の管理者が、映像コンテンツに登場する全ての遊技機との関連付けを自由に設定することができ、例えば、4機種の遊技機が登場する映像コンテンツならば、その登場する4機種全てと関連付けることができる。
また、カテゴリ61bにおける「その他」に対応する映像コンテンツでは、機種との関わりが弱い演出内容となっているため、機種との関連付けを「なし」としてある。
このように映像コンテンツ毎に機種との関連付けを設定することにより、ホールコンピュータ30から送信される撤去機種情報に対応する機種がこの関連付けされた機種である場合に、該当する映像コンテンツをビデオサーバ40から消去することができるようになっている。
【0022】
再生予定61dは、当該営業日における映像コンテンツの再生予定の有無を示すもので、映像コンテンツの再生スケジュールを登録するスケジュール管理ファイル63とリンクしている。
スケジュール管理ファイル63は、遊技場の管理者の操作によって、映像コンテンツの再生スケジュールを設定・登録するファイルであり、例えば、図5に示すように、ある営業日(2009/07/01)において、再生予定となる映像コンテンツ(コンテンツ3〜9,コンテンツ12,13)を、スケジュール管理ファイル63に登録すると、登録された映像コンテンツに対応する再生予定61dに、「あり」が設定され、登録されていない映像コンテンツに対応する再生予定61dに、「なし」が設定される。
このように再生予定の有無を登録しておくことで、消去対象となっている映像コンテンツが再生予定となっているときには、消去を一時的に保留することができる。
【0023】
稼働61e〜総合評価61iは、映像コンテンツを判定・評価するための評価項目を示し、各項目には、稼働・売上情報と過去の再生状況を、評価基準設定ファイル65に設定されている評価基準に基づいて自動的に評価した得点が表されている。
具体的には、図6に示すように、稼働61e〜総合評価61i毎に、評価基準として設定値65aと得点65bが予め割り振られ、この評価基準に基づいて各映像コンテンツを自動評価するようになっている。
【0024】
稼働61eと売上61fは、ホールコンピュータ30から送信される稼働・売上情報(機種毎の稼働人数と売上げ)に基づく評価であって、関連付けされた機種の稼働と売上げの良否を、平均稼働人数及び平均売上げ(例えば、図3において映像コンテンツと関連付けされている全ての機種10a〜10c,20a〜20c)に対する、関連付けされた該当機種の稼働人数及び売上げの比率で表すとともに、この比率を図6における評価基準で得点化したものである。
なお、この平均稼働人数及び平均売上げと、関連付けされた該当機種の稼働人数及び売上げは、コンテンツ管理サーバ60からの要求に応じてホールコンピュータ30から送信される。
【0025】
再生回数61gは、所定の営業期間(例えば、30日)において、該当する映像コンテンツが再生された回数を、図6における評価基準で得点化したものであり、未使用日数61hは、所定の営業期間(例えば、30日)において、該当する映像コンテンツが再生されなかった日数を、図6における評価基準で得点化したものである。
再生回数61gは、映像コンテンツが再生される度に更新され、未使用日数61hは、映像コンテンツが再生されない日数に応じて営業日毎に更新される。
また、総合評価61iは、稼働61e〜未使用日数61hにおける合計得点を、図6における評価基準でランク分けしたものである。
【0026】
このように映像コンテンツを評価するための評価項目を複数設けるとともに、各評価項目に対して得点を付与することで、消去対象となっている映像コンテンツのうち、一定の評価基準を満たす得点が付与されている映像コンテンツを消去対象から除外することができる。
これにより、映像コンテンツ自体の価値を客観的に判定・評価でき、例えば、撤去機種に関連付けられた映像コンテンツであっても、知名度があるため、高稼働や高売上げが期待できる映像コンテンツや、遊技場の営業戦略上、使用頻度の高い映像コンテンツを残しておくことができる。
なお、図6に示した評価基準の設定値65aと得点65bは、ビデオサーバ40におけるハードディスク41の記憶容量に応じて、遊技場の管理者が、自由に設定することができる。すなわち、記憶容量が多ければ、評価基準を低く設定し、多くの映像コンテンツを残すことができ、記憶容量が少なければ、評価基準を高く設定し、残す映像コンテンツを少なくすることができる。
【0027】
撤去情報61jは、該当する映像コンテンツと受信した撤去機種情報との関連性を示すものである。
コンテンツ管理サーバ60は、撤去機種情報を受信すると、この情報に対応する撤去機種と関連付けられた映像コンテンツを、関連機種61cを参照して抽出するとともに(例えば、コンテンツ1,2,7,9,11,13)、対応する撤去機種をマーク(図3に示す下線)する。
そして、関連付けられた機種が全てマークされた映像コンテンツが消去対象となり(例えば、コンテンツ1,2,11)、コンテンツ管理サーバ60は、この消去対象となった映像コンテンツをビデオサーバ40から消去させる。
【0028】
消去61kは、該当する映像コンテンツの消去状態を示し、「未」は、ビデオサーバ40に存在すること、「済み」は、ビデオサーバ40から消去されていること、「再生後」は、再生予定61dが「あり」のため、再生後の自動消去を示すものである。
これにより、映像コンテンツが消去されても、消去履歴が残るため、遊技場の管理者が映像コンテンツの消去状態を容易に確認することができる。
【0029】
このように、ビデオサーバ40に記憶された映像コンテンツは、コンテンツ管理ファイル61によって一括管理され、コンテンツ管理サーバ60は、ホールコンピュータ30から撤去機種情報が送信されると、この管理内容に従って、撤去機種と関連付けられた映像コンテンツをビデオサーバ40から消去させるようになっている。
以下、コンテンツ管理サーバ60が映像コンテンツを消去する動作について、図3と図4を参照しつつ、具体例を挙げて説明する。
各図に示す具体例では、コンテンツ管理サーバ60が、ホールコンピュータ30から撤去機種情報T1と撤去機種情報T2を受信した場合を示している。
【0030】
コンテンツ管理サーバ60は、図4に示すように、撤去機種情報T1,T2を受信する毎に、撤去機種情報に対応する撤去機種(パチンコ10b,パチンコ10a)を撤去機種履歴ファイル62に順次蓄積して記録する。
コンテンツ管理サーバ60は、最初に撤去機種情報T1(パチンコ10b)を受信すると、関連機種61cを参照して、この撤去機種と関連付けされた映像コンテンツを抽出するとともに(コンテンツ2,コンテンツ9,コンテンツ11)、抽出した映像コンテンツの関連機種61c(パチンコ10b)にマークを施す。
その結果、関連機種61cがこの撤去機種(パチンコ10b)のみからなるコンテンツ2とコンテンツ9は、消去対象となる。
【0031】
ところが、コンテンツ9は、再生予定61dが「あり」となっているため、一時的に消去対象から除外し、消去61kに示すように「再生後」に消去対象とする。
コンテンツ管理サーバ60は、消去対象となった映像コンテンツ(コンテンツ2,コンテンツ9)を特定可能、かつ、その映像コンテンツ(コンテンツ2,コンテンツ9)の消去を指示する制御信号(消去信号)を、ビデオサーバ40に送信する。ただし、一時的に消去対象から除外したコンテンツ9に関する制御信号(消去信号)は、コンテンツ9を再生後に送信する。
これにより、これらの制御信号(消去信号)を受信したビデオサーバ40は、この制御信号で特定される映像コンテンツ(コンテンツ2,コンテンツ9)をハードディスク41から消去する。
【0032】
なお、コンテンツ11は、撤去機種(パチンコ10b)以外にも関連機種61c(パチンコ10a)があるため、撤去機種情報T1(パチンコ10b)を受信した時点では、パチンコ10bがマークされるだけで、消去されることはない。
また、このマークにより、遊技場の管理者は、コンテンツ11に撤去機種が含まれることを識別できるため、撤去機種(パチンコ10b)が登場するこの映像コンテンツを再生予定から除外することもできる。
【0033】
次に、コンテンツ管理サーバ60は、撤去機種情報T2(パチンコ10a)を受信すると、関連機種61cを参照して、この撤去機種を関連機種とする映像コンテンツを抽出するとともに(コンテンツ1,コンテンツ7,コンテンツ11,コンテンツ13)、抽出した映像コンテンツの関連機種61c(パチンコ10a)にマークを施す。
その結果、関連機種61cがこの撤去機種(パチンコ10a)のみからなるコンテンツ1は、消去対象となり、コンテンツ管理サーバ60は、消去対象となる映像コンテンツ(コンテンツ1)を特定可能、かつ、その映像コンテンツ(コンテンツ1)の消去を指示する制御信号(消去信号)を、ビデオサーバ40に送信する。
同時に、コンテンツ11は、先に受信した撤去機種情報T1(パチンコ10b)と今回の撤去機種情報T2(パチンコ10a)により、関連機種61cが全て撤去機種となるため、消去対象となり、コンテンツ管理サーバ60は、映像コンテンツ(コンテンツ11)を特定可能、かつ、その映像コンテンツ(コンテンツ11)の消去を指示する制御信号(消去信号)を、ビデオサーバ40に送信する。
これにより、これらの制御信号(消去信号)を受信したビデオサーバ40は、この制御信号で特定される映像コンテンツ(コンテンツ1,コンテンツ11)をハードディスク41から消去する。
【0034】
なお、コンテンツ7とコンテンツ13は、撤去機種(パチンコ10a)以外にも関連機種61c(パチンコ10c,スロットマシン20a)があるため、撤去機種情報T2(パチンコ10a)を受信した時点では、パチンコ10aがマークされるだけで、消去されることはない。
また、このマークにより、遊技場の管理者は、コンテンツ7とコンテンツ13に撤去機種が含まれることを識別できるため、撤去機種が登場するこの映像コンテンツを再生予定から除外することもできる。
【0035】
このように、コンテンツ管理サーバ60は、関連付けされた機種が撤去機種となったときにその映像コンテンツを消去させるので、遊技場が提供するサービスを構成する機種の遊技機がないにもかかわらず、この機種が登場する映像コンテンツが再生される事態を回避できるとともに、ビデオサーバ40の記憶容量を有効に活用することができる。
また、二以上の機種と関連付けられた映像コンテンツは、この映像コンテンツと関連付けられた全ての機種が撤去機種とならない限り消去させないようになっている。複数の遊技機が登場する複合タイプの映像コンテンツは、登場する遊技機が全て撤去機種となることではじめて消去されるべきものなので、映像コンテンツを有効に利用することができる。
なお、上記の具体例において、コンテンツ管理サーバ60は、消去対象となった映像コンテンツに、稼働61e〜総合評価61iの各評価項目を適用して、一定の評価基準(設定値)を満たす得点やランクが付与されている映像コンテンツを消去対象から除外することもできる。
また、このような映像コンテンツを消去する動作によって、遊技場の機種構成と遊技場の実状に即した映像コンテンツだけが残ることになり、このような映像コンテンツを用い行う宣伝広告の実効性が向上する。
【0036】
次に、コンテンツ消去処理について、図7と図8のフローチャートを用いて説明する。
コンテンツ管理サーバ60に記憶されたコンテンツ消去プログラム64は、これらのフローチャートに基づいて作成され、このコンテンツ消去プログラム64を実行することで、コンテンツ管理サーバ60が映像コンテンツ管理手段として動作する。
図7は、「機種」、「メーカー」、「イベント」などのカテゴリのように機種との関わりが強く、機種と関連付けされた映像コンテンツを消去する場合の処理を示し、図8は、「その他」のカテゴリのように機種との関わりが弱く、機種と関連付けされていない映像コンテンツを消去する場合の処理を示すフローチャートである。
【0037】
最初に、図7に示す機種関連コンテンツ消去処理について説明する。
コンテンツ管理サーバ60は、通信ボード(撤去機種情報入力手段)を介して、ホールコンピュータ30から撤去機種情報を受信する(S10)。
コンテンツ管理サーバ60は、この撤去機種情報に対応する撤去機種と関連付けられた映像コンテンツを、コンテンツ管理ファイル61の関連機種61cを参照して抽出し、関連付けられた映像コンテンツがないときには、処理を終了する(S11−No)。
関連付けられた映像コンテンツが抽出されたときには(S11−Yes)、関連機種61cが複数機種か否かの判定を行い(S12)、関連機種61cが複数でないときは(S12−No)、この映像コンテンツを消去対象としてS15に移行する。
関連機種61cが複数機種のときは、他の関連機種61cに対応する撤去機種情報を受信済みか否か、すなわち、関連機種61cが全てマークされているか否かの判定を行い(S13)、受信済みでないときは(S13−No)、今回受信した撤去機種を撤去機種履歴ファイル60に記録し(S14)、処理を終了する。
関連機種61cを全て受信済み、すなわち、関連機種61cが全てマークされているときは(S13−Yes)、この映像コンテンツを消去対象としてS15に移行する。
【0038】
続いて、コンテンツ管理サーバ60は、消去対象となる映像コンテンツがスケジュール管理ファイル63に登録され、再生予定か否かを判定し、再生予定のときは(S15−Yes)、当該映像コンテンツを消去対象から一時的に除外し、再生後に消去対象とする。
また、再生予定でないときには(S15−No)、各種評価項目61e〜61iに基づいて映像コンテンツを判定・評価し(S16、S17)、所定の評価基準(設定値)を満たすときには、消去対象から除外する。
コンテンツ管理サーバ60は、判定・評価に先立ち、消去対象となる映像コンテンツと関連付けられた機種に関する稼働・売上情報をホールコンピュータ30に要求するとともに、これらの情報を、通信ボード(稼働・売上情報入力手段)を介して、ホールコンピュータ30から受信する。
【0039】
コンテンツ管理サーバ60は、関連付けされた機種の稼働61eが、良好な稼働を示す設定値(例えば、図6における90〜110%、すなわち得点7点)以上のときは(S16−Yes)、稼働に対する寄与度の高い映像コンテンツとして、消去対象から除外し、処理を終了する。
また、当該映像コンテンツの再生回数61gが、使用頻度の高い設定値(例えば、図6における40〜70回、すなわち得点5点)以上のときは(S17−Yes)、人気のある映像コンテンツとして、消去対象から除外し、処理を終了する。
このように、撤去機種と関連付けされた映像コンテンツを即座に消去するのではなく、映像コンテンツそのものを客観的に判定・評価することで、価値のある映像コンテンツを残すことができる。
なお、この場合の評価項目は、稼働61eと再生回数61gに限定されず、これらに代えて、売上61f、未使用日数61h、総合評価61iを用いることもでき、その組合せや判定・評価の順序は、遊技場の実状に応じて任意に選択でき、また、満たすべき評価基準(設定値)も任意に設定することができる。
【0040】
そして、コンテンツ管理サーバ60は、各評価項目において、所定の設定値を満たさないときに(S16、S17−No)、ビデオサーバ40に制御信号(消去信号)を送信して、消去対象となった映像コンテンツをハードディスク41から消去させる(S18)。これにより、遊技場が提供するサービスを構成する機種の遊技機がないにもかかわらず、この機種が登場する映像コンテンツが再生される事態を回避できるとともに、ビデオサーバ40の記憶容量を有効に活用することができる。
【0041】
次に、図8に示す機種と関連しない、その他のコンテンツ消去処理について説明する。
このコンテンツ消去処理は、定期的に実行され、再生予定61dと各種評価項目61e〜61iに基づいて、機種と関連付けされていない映像コンテンツを消去する。
コンテンツ管理サーバ60は、機種と関連しない全ての映像コンテンツの再生回数61gを判定・評価し(S20)、再生回数61gが、使用頻度の高い設定値(例えば、図6における40〜70回、すなわち得点5点)以上の映像コンテンツは(S20−Yes)、人気のある映像コンテンツとして、消去対象から除外する。
コンテンツ管理サーバ60は、再生回数61gが所定の設定値に満たない映像コンテンツに対して(S20−No)、未使用回数61hを判定・評価し(S21)、未使用回数61hが、所定の設定値(例えば、図6における6〜10回、すなわち得点3点)以上のときは(S20−Yes)、利用価値の高い映像コンテンツとして、消去対象から除外する。
コンテンツ管理サーバ60は、未使用回数61hが所定の設定値に満たない映像コンテンツに対して(S21−No)、スケジュール管理ファイル63に登録され、再生予定か否かを判定し(S22)、再生予定のときは(S22−Yes)、当該映像コンテンツを消去対象から一時的に除外し、再生後に消去対象とする。
続いて、コンテンツ管理サーバ60は、ビデオサーバ40に制御信号(消去信号)を送信して、消去対象となった映像コンテンツを(S22−No)、ハードディスク41から消去させる(S23)。
【0042】
このように、機種と関連しないその他の映像コンテンツにおいても、客観的な判定・評価に従って消去するので、価値のある映像コンテンツを残しつつ、ビデオサーバ40の記憶容量を有効に活用することができる。
なお、この場合においても、評価項目は、再生回数61gと未使用回数61hに限定されず、これらに代えて、稼働61e、売上61f、総合評価61iを用いることもでき、その組合せや判定・評価の順序は、遊技場の実状に応じて任意に選択でき、また、満たすべき評価基準(設定値)も任意に設定することができる。
【0043】
以上説明したように、本実施形態に係る遊技場映像システムによれば、映像コンテンツを記憶する記憶容量を有効に活用するとともに、遊技場の実状や機種構成に即した映像コンテンツを用いて実効性のある宣伝広告を行うことができる。
【0044】
以上、本発明の遊技場映像システムについて、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る遊技場映像システムは、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0045】
例えば、本実施形態では、コンテンツ管理サーバ60が、撤去機種情報に基づいて、この情報に対応する機種と関連付けられた映像コンテンツを抽出し、自動的に消去したが、コンテンツ管理サーバ60は消去対象となる映像コンテンツの抽出(マーク)のみを行い、遊技場の管理者の操作によって、消去させることもできる。これにより、最終的な消去の判断を遊技場の管理者に委ねることができ、さらに、図3に示した評価項目を考慮することで、慎重な判断を行うことができる。
また、撤去機種情報と稼働・売上情報を、通信によってコンテンツ管理サーバ60に入力したが、キーボードやマウスなどの入力手段を用いて入力することもできる。
また、稼働・売上情報における稼働を示す指標として稼働人数を用いたが、アウト信号の入力回数から求められる投入数(アウト数)を指標としてもよい。
また、コンテンツ管理サーバ60を、本発明の映像コンテンツ管理手段として動作させたが、ホールコンピュータ30にビデオサーバ40を接続し、ホールコンピュータ30を映像コンテンツ管理手段として動作させることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、大容量の映像コンテンツを提供する遊技場映像システムに広く利用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 遊技場映像システム
10(10a〜10c) パチンコ機
20(20a〜20c) スロットマシン
30 ホールコンピュータ
40 ビデオサーバ
50 ディスプレイ装置
60 コンテンツ管理サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の映像コンテンツを遊技者に提供する遊技場映像システムであって、
前記映像コンテンツを記憶する記憶手段と、
前記映像コンテンツを、遊技場に設置されている遊技機の一以上の機種と関連付けて管理する映像コンテンツ管理手段と、
遊技場から撤去される撤去機種を示す撤去機種情報が入力される撤去機種情報入力手段と、を備え、
前記映像コンテンツ管理手段は、前記撤去機種と関連付けられた前記映像コンテンツを前記記憶手段から消去させることを特徴とする遊技場映像システム。
【請求項2】
前記映像コンテンツ管理手段は、
二以上の機種と関連付けられた映像コンテンツを前記記憶手段から消去させる場合において、この映像コンテンツと関連付けられたすべての機種が前記撤去機種でない限り消去させない請求項1記載の遊技場映像システム。
【請求項3】
前記映像コンテンツ管理手段は、
前記撤去機種を蓄積して記憶し、
二以上の機種と関連付けられた映像コンテンツを前記記憶手段から消去させる場合において、この映像コンテンツと関連付けられたすべての機種が蓄積した撤去機種に含まれるときに消去させる請求項1又は2記載の遊技場映像システム。
【請求項4】
前記映像コンテンツ管理手段は、
前記撤去機種と関連付けられた映像コンテンツが所定の再生スケジュールに登録され、再生予定となっている場合において、この映像コンテンツを消去させない請求項1〜3のいずれか一項に記載の遊技場映像システム。
【請求項5】
前記映像コンテンツ管理手段は、前記映像コンテンツを所定の評価項目に分けて管理するとともに、評価項目毎に予め設定された設定値に基づいて、前記撤去機種と関連付けられた前記映像コンテンツを前記記憶手段から消去させるか否かの判定を行う請求項1〜4のいずれか一項に記載の遊技場映像システム。
【請求項6】
前記撤去機種に関する稼働及び/又は売上げを示す稼働・売上情報が入力される稼働・売上情報入力手段を備え、
前記評価項目には、稼働及び/又は売上げがあり、
前記映像コンテンツ管理手段は、
前記稼働及び/又は売上げが所定の設定値以上の場合において、この撤去機種と関連付けされた映像コンテンツを消去させない請求項5記載の遊技場映像システム。
【請求項7】
遊技場に設置されている遊技機と接続され、前記稼働・売上情報を集計する稼働・売上情報集計手段を備え、
前記稼働・売上情報集計手段は、前記稼働・売上情報入力手段に前記稼働・売上情報を入力する請求項6記載の遊技場映像システム。
【請求項8】
撤去機種を登録する撤去機種登録手段を備え、
前記撤去機種登録手段は、前記撤去機種情報入力手段に前記撤去機種情報を入力する請求項1〜7のいずれか一項に記載の遊技場映像システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−45519(P2011−45519A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196382(P2009−196382)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】