説明

遊技場用システム

【課題】一般店舗の宣伝を遊技場にて実行する場合に、宣伝効果を十分に発揮することができる遊技場用システムを提供する。
【解決手段】外部サーバは、遊技者が遊技場へ来場した際の来場手段に応じて(A1、A3)遊技場から見て所定の距離以内に含まれる宣伝対象店舗の宣伝を実行するように宣伝対象店舗を決定する(A2、A4、A5)。これにより、遊技者が来店することができるものとすることが可能となり、宣伝効果をより効率よく得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の遊技機が設置された遊技場にて、当該遊技場とは異なる一般店舗又は商品である宣伝対象物件の宣伝を実行するための遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やパチスロ機といった遊技機が設置されるパチンコ店等の遊技場には、遊技機毎にそれまでの遊技履歴等の遊技情報を表示する情報表示装置が設けられている。また、特許文献1には、情報表示装置にて遊技場とは異なる一般店舗の宣伝を実行することが記載されている。これにより、宣伝効果を得ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−190578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、宣伝を実行しているとしても、宣伝対象となる一般店舗への遊技者の関心が薄いことがある。この場合、宣伝を実行しているとしても宣伝効果を十分に得ることができない。尚、この問題は、一般店舗の宣伝に限られるものではなく、遊技場において何らか宣伝を行えば該当する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、一般店舗の宣伝を遊技場にて実行する場合に、宣伝効果を十分に発揮することができる遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、複数の遊技機が設置された遊技機にて、当該遊技場とは異なる一般店舗又は商品である宣伝対象物件の宣伝を実行するための遊技場用システムであって、
前記宣伝を実行するための宣伝情報を複数の前記宣伝対象物件に対応してそれぞれ記憶する宣伝情報記憶手段と、前記複数の宣伝対象物件のうち、何れの宣伝対象物件の宣伝を実行するかを決定する宣伝対象物件決定手段と、前記遊技場に設けられ、前記宣伝対象物件決定手段が決定した前記宣伝対象物件の宣伝を実行する宣伝実行手段と、を備えたものである(請求項1)。
【0006】
請求項1記載の遊技場用システムにおいて、
前記宣伝対象物件は、遊技場とは異なる一般店舗であり、前記宣伝情報記憶手段は、前記宣伝情報に対応付けて、前記一般店舗の住所又は遊技場からの距離を特定可能な位置情報を前記一般店舗毎に記憶しているものであり、前記宣伝対象物件決定手段は、複数の遊技場に対して何れの前記一般店舗に関する宣伝を実行するかをそれぞれ決定するものであり、かつ、前記複数の一般店舗のうち遊技場から所定の距離以内に含まれる一般店舗の宣伝を実行するように、前記宣伝対象物件を決定するようにしてもよい(請求項2)。
【0007】
請求項1記載の遊技場用システムにおいて、
遊技者が所持している遊技価値の大きさである、又は、遊技者が遊技にて使用した遊技価値の大きさと遊技機が遊技者に付与した遊技価値の大きさとの差である所持遊技価値の大きさを特定する遊技価値特定手段を備え、前記宣伝情報記憶手段は、前記宣伝情報に対応づけて、前記宣伝対象物件の単価の情報を記憶しているものであり、前記宣伝対象物件決定手段は、前記所持遊技価値の大きさが所定値以上の遊技者に対して、当該所定値未満の遊技者に対する宣伝よりも、単価の高い前記宣伝対象物件の宣伝を実行するように、前記宣伝対象物件を決定するようにしてもよい(請求項3)。
【0008】
請求項1ないし3の何れかに記載の遊技場用システムにおいて、
前記宣伝情報記憶手段及び前記宣伝対象物件決定手段は、遊技場外に設置され当該遊技場と接続可能な遊技場外サーバ装置に設けられているものであり、前記宣伝実行手段は、前記宣伝対象物件決定手段が決定した前記宣伝対象物件に関する宣伝情報を前記遊技場外サーバ装置から受信する、又は、前記遊技場外サーバ装置に接続することで前記宣伝対象物件の宣伝を実行するようにしてもよい(請求項4)。
【0009】
請求項1ないし4の何れかに記載の遊技場用システムにおいて、
前記宣伝対象物件は、遊技場とは異なる一般店舗であり、遊技場に来場するための遊技者の来場手段を特定する来場手段特定手段を備え、前記宣伝対象物件決定手段は、遊技者の来場手段に応じて何れの一般店舗の宣伝を実行するかを決定するようにしてもよい(請求項5)。
請求項5記載の遊技場用システムにおいて、
前記来場手段特定手段は、遊技者が車を利用して遊技場に来場したか否かを特定するようにしてもよい(請求項6)。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、何れの宣伝対象物件の宣伝を実行するかを状況に応じて変化させることができる。これにより、宣伝効果の高い宣伝対象物件をその都度選択して実行することが可能となる。
請求項2の発明によれば、遊技場から所定範囲に含まれる一般店舗の宣伝を実行する。ここで、遊技場からあまりにも離れた一般店舗の宣伝を実行したとしても、十分な宣伝効果が得られない虞がある。請求項2の発明によれば、宣伝を実行する店舗を、遊技者が来店することができるものとすることが可能となり、宣伝効果をより効率よく得ることができる。
【0011】
請求項3の発明によれば、遊技者の収支に応じて何れの宣伝対象物件の宣伝を実行するかを変化させることができる。例えば、遊技者が大きく勝っている場合、衝動的に高いものを購入する可能性が高く、単価の高い宣伝対象物件の宣伝を実行したとしても宣伝効果を見込むことができる。逆に遊技者が負けている場合、高いものを購入する可能性が低く、単価の高い宣伝対象物件の宣伝を実行したとしても宣伝効果が見込めず、単価の安い宣伝対象物件の宣伝を実行した方が宣伝効果を見込むことができる。遊技者の勝敗の度合に応じて宣伝対象物件を変化させることで、宣伝効果をより効率よく得ることができる。
【0012】
請求項4の発明によれば、遊技場から宣伝情報を受信して宣伝を実行する。これにより、宣伝対象物件の候補が増加した場合に、その管理を遊技場毎に行う必要がなくなる。
請求項5の発明によれば、遊技者の来場手段に応じて何れの一般店舗の宣伝を実行するかを変化させることができる。例えば、車にて来場した遊技者に対して居酒屋等のアルコールを主に販売する飲食店の宣伝を実行したとしても、その遊技者にしてみればアルコール類を飲むことができず、その店舗に対してさほど興味を抱かない虞がある。この場合、その他の店舗の宣伝を実行した方が宣伝効果をより得やすくすることができる。
【0013】
また、請求項5の構成を請求項3の構成に対して適用すれば、遊技者の来場手段に応じて宣伝を実行する一般店舗を決定するための範囲を変化させることができる。例えば、電車にて来場した遊技者には駅周辺の一般店舗を宣伝対象とすることが可能となる。また、請求項6の構成のように車で来場したか否かを特定すれば、例えば、車で来場した遊技者に対しては、徒歩で来場した遊技者よりも、広い範囲の一般店舗を宣伝対象とすることができる。
以上のように、請求項5や請求項6の発明によれば、遊技者の来場手段に応じてより宣伝効果を得やすい一般店舗の宣伝を実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態における遊技場用システムの全体構成を示す概略図
【図2】情報表示装置の正面図
【図3】宣伝チャンネルで放送される宣伝の一例を示す図
【図4】外部サーバの構成を示すブロック図
【図5】店舗情報の一例を示す図
【図6】外部サーバによる宣伝対象店舗決定処理を示すフローチャート
【図7】本発明に第2実施形態における外部サーバによる宣伝対象店舗決定処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1ないし図6を参照して説明する。
図1は遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場には遊技機1に対応して貸出機2が設置され、管理室には管理装置3が設置されている。中継装置4は、2台の遊技機1、2台の貸出機2及び管理装置3とLAN5を介して接続されている。管理装置3は、遊技機側(遊技機1、貸出機2等)から送信される遊技信号を中継装置4を介して受信することにより遊技機1の遊技情報を管理すると共に、ディスプレイ3aに各種データを表示可能となっている。遊技場外には第3者機関が設置した第3者管理外部サーバ100(以下「外部サーバ」という。遊技場外サーバ装置に相当)が設置されている。第3者機関とは、本システムを統括する上位機関であり、遊技場に対して後述する一般店舗の宣伝映像(宣伝情報に相当)を提供するものである。尚、図1では省略したが、実際には数百台の遊技機1が管理装置3の管理対象となる。
【0016】
遊技機1は、始動口6への入賞に応じて大当たり抽選を行い、抽選結果に基づき所謂特別図柄(特図)による図柄変動を液晶表示部7にて実行し、その結果に応じて大当たりを発生させる。尚、所謂保留玉の上限は各4個ずつで、保留中に始動入賞した場合は上限まで保留し、図柄変動終了後に順次保留した図柄変動を実行する。
大当たり抽選の当選確率(大当たり確率)は1/300で、大当たりの内、大当たり後に確変状態(確変)となる大当たりの割合は66.6%(2/3)であり、大当たりが発生すると対応するラウンド数(R)に応じた分だけ大入賞口8を開放する。尚、1Rの上限入賞数(上限数)は8個で、上限開放時間は30秒であり、上限数又は上限開放時間の何れかが満たされた場合(終了条件が満たされた場合)に1Rを終了する。
確変中は大当たり確率が1/30に向上すると共に、始動口6への入賞率が向上する時短状態(時短)になる。尚、確変は次回大当たりまで継続するため、大当たり後に通常状態(通常)となる大当たり(通常大当たり)が発生するまで継続し、通常大当たりが発生した場合は通常状態へと戻る。
【0017】
遊技機1からは次の各遊技信号が出力される。
・アウト信号=使用玉を回収するアウトBOXから出力される使用媒体数(アウト)を特定可能な信号。回収(使用、打込)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から出力される信号でもよい。
・セーフ信号=遊技機1から出力される払出媒体数(セーフ)を特定可能な信号。払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としてもよい。
・スタート入賞信号=遊技機1から出力される始動口6への入賞数を特定可能な信号。始動口6への入賞1回につき1パルスが出力されるので、「スタート入賞信号数×1」をスタート入賞個数として特定する。
・大当たり信号=遊技機1から出力される大当たり期間を特定可能な信号。大当たり中にレベル出力される状態信号なので大当たり信号受信中を大当たり中として特定する。
・確変信号=遊技機1から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号。大当たり確率が向上する確変中等の大当たりを通常状態よりも発生させ易い状態である特別状態中にレベル出力される状態信号(確変信号)なので、特別状態信号受信中を特別状態中として特定する。また、大当たり信号と確変信号のいずれも受信していない期間を通常状態として特定する。
・図柄変動信号=図柄が変動したことを特定可能な信号。図柄の変動開始時、或いは変動終了時に1パルス出力されるので、「図柄変動信号数×1」をスタート回数として特定する。
【0018】
貸出機2は、硬貨投入口9に硬貨が投入された状態で、特定された有価価値に基づき貸玉を払出口10から遊技機1の受皿11に払い出し、その払い出しに伴って売上信号を中継装置4に送信する。貸出機2のタッチパネル式の情報表示装置12では貸出情報や対応する遊技機1に関する各種の遊技情報等も表示可能である。
【0019】
図2は情報表示装置12の正面を示している。情報表示装置12は、図示しないCPU、ROM、RAMを備えていると共に、前面には、表示部13(宣伝実行手段に相当)、複数の操作ボタン14、呼出ボタン15が設けられている。尚、図2はメインメニューを表示した状態を示している。尚、情報表示装置12は遊技機毎に設けられている。つまり、遊技機1に対応して表示部13が設けられている。
【0020】
情報表示装置12には宣伝チャンネルが設定されており、宣伝チャンネルでは遊技場と契約した一般店舗(以下「宣伝対象店舗」という)の宣伝が一日中放送されている。この宣伝チャンネルは、遊技者が操作ボタン14を操作することで放送されると共に、操作しなくともメインメニュー等の表示状態が10分継続すれば自動的に宣伝チャンネルに切換わることによりスクリーンセーバーとして機能するようになっている。このスクリーンセーバーでは、遊技場のイベント情報と宣伝対象店舗の宣伝とを交互(例えば10分毎)に放送する。尚、情報表示装置12は液晶表示器であることから、ブラウン管のような本来のスクリーンセーバーとしての保護機能は必要ではないが、スクリーンセーバーと同様な動作を行うことから、スクリーンセーバーとして記載する。尚、宣伝チャンネル(スクリーンセーバー)に切り換わったタイミングでは、宣伝の実行途中のこともある。また、宣伝の実行途中で遊技者の操作により宣伝の実行が途中で終了してしまうこともある。
【0021】
図3は宣伝チャンネルで放送される宣伝の一例を示している。情報表示装置12には、宣伝対象店舗独自の宣伝として「CMを見たといえば ドリンク1杯サービス!」というメッセージが表示されている。従って、遊技者は、表示されている宣伝対象店舗に行って「CMを見た」と言えば、1杯のドリンクのサービスを受けられることを認知するようになる。
【0022】
管理装置3は、会員登録された会員情報を記憶しており、会員情報として遊技者の来場手段も記憶している。この来場手段とは、遊技者が遊技場に来場した手段を示すもので、会員登録する際のアンケートに対する遊技者の回答に応じて会員に対応づけて記憶しておく。つまり、遊技者毎に遊技場への来場手段は固定されているものとする。尚、遊技場への来場手段が変更された場合は、遊技者からその旨を申告してもらうことにより来場手段を変更する。
【0023】
管理装置3は、会員登録により会員情報を追加した場合は、来場手段の情報を含む会員情報を外部サーバ100に送信する。
図4は外部サーバ100の構成を示すブロック図である。外部サーバ100は、CPU100a(宣伝対象物件決定手段、来場手段特定手段に相当)、ROM100b、RAM100c、HDD(Hard Disk Drive)100d(宣伝情報記憶手段に相当)を備え、ディスプレイ101、キーボード102と接続されて構成されている。HDD100dには管理装置3から送信された会員情報に加えて遊技場に対応した宣伝対象店舗の宣伝を実行するために所要時間が10分となるように編集された宣伝映像が記憶されており、遊技者が貸出機2に会員カードを挿入した際にその宣伝映像が外部サーバ100から情報表示装置12にダウンロードされて記憶される。従って、遊技者は、情報表示装置12により宣伝チャンネル、或いはスクリーンセーバーとして放送された宣伝を見るようになるので、最新の宣伝対象店舗を認知するようになる。
【0024】
HDD100dには店舗情報が記憶されている。
図5はHDD100dに記憶されている店舗情報の一例を示している。店舗情報としては、店舗名、客単価、住所や距離(それぞれ位置情報に相当)が設定されている。居酒屋の店舗名に関しては、居酒屋であることが識別可能となっている。客単価は1人当たりの平均売上額である。距離は、遊技場の住所と店舗の住所との間を最短で接続する道路距離から算出している。駅の周辺(例えば500m)に位置する店舗に関しては、距離に代えて最寄駅からの駅数が登録されている。
【0025】
貸出機2は、会員カードが挿入された場合は、そのことを示す信号を外部サーバ100に送信する。外部サーバ100は、貸出機2から会員カードが挿入されたことを示す信号を受信したときは、宣伝対象店舗決定処理を実行する。この宣伝対象店舗決定処理は、遊技者が遊技場に来場した手段に応じて宣伝を実行する宣伝対象店舗を決定するもので、宣伝の実行が終了するタイミングで次に実行する宣伝対象店舗を決定するようになっている。
【0026】
図6は外部サーバ100による宣伝対象店舗決定処理を示すフローチャートである。外部サーバ100は、会員情報に基づいて来場手段を判定する。即ち、車で来場した遊技者か(A1)、電車で来場した遊技者か(A3)、それ以外かを判定する。車で来場した遊技者の場合は(A1:YES)、10km以内に位置する居酒屋を除いた店舗から決定する(A2)。電車で来場した遊技者の場合は(A3:YES)、遊技場の最寄駅周辺の店舗から決定し(A4)、それ以外(A3:NO)の手段で来場した遊技者の場合は、2km以内に位置する店舗から決定する(A5)。この場合、対象の宣伝対象店舗が多すぎる場合は、遊技者の収支に応じた客単価の店舗から選択する。つまり、収支がプラスの場合は高単価の店舗から決定し、収支がマイナスの場合は低単価の店舗から決定する。尚、車でもなく電車以外で来場した遊技者とは、徒歩(自転車も含む)で来場していると回答した遊技者、会員だが来場手段の回答をしていない遊技者、或いは会員登録していない遊技者である。そして、このように決定した店舗を宣伝対象店舗に設定して宣伝対象店舗の映像を編集する(A6)。
尚、編集された宣伝映像は、遊技者が次に会員カードを貸出機2に挿入された際に外部サーバ100から貸出機2に再度ダウンロードされることになる。
以上のように、情報表示装置2は、外部サーバ100に接続することで宣伝映像を表示している。
【0027】
このような実施形態によれば、次の効果を奏することができる。
外部サーバ100は、遊技者が遊技場へ来場した際の来場手段に応じて遊技場から見て所定の距離以内に含まれる宣伝対象店舗の宣伝を実行するように宣伝映像を編集するので、遊技者が来場手段に応じて宣伝対象店舗へ来店することができるものとすることが可能となり、宣伝効果をより効率よく得ることができる。
遊技者が車を利用して遊技場に来場したか否かを特定するようにしたので、車で来場した遊技者に対しては、徒歩で来場した遊技者よりも、広い範囲の宣伝対象店舗を宣伝対象とすることができる。
【0028】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図7を参照して説明する。この第2実施形態は、遊技者の収支に応じて宣伝対象店舗を決定することを特徴とする。
図7は外部サーバ100による宣伝対象店舗決定処理を示すフローチャートである。外部サーバ100は、遊技者の収支(「遊技者が遊技にて使用した遊技価値の大きさ(アウト)と遊技機が遊技者に付与した遊技価値の大きさ(セーフ)である所持遊技価値」に相当)を読込んでから(B1)、勝越遊技者(5000発以上プラス)か(B2)、負越遊技者(5000発以上マイナス)か(B4)を判定する。勝越遊技者の場合は(B2:YES)、高単価の店舗から決定し(B3)、負越遊技者の場合は(B4:YES)、低単価の店舗から決定し(B5)、それ以外(B4:NO)、つまり収支が大きく変わらない場合は、いずれかの店舗を決定する(B6)。尚、アウト及びセーフは遊技機側から出力される遊技信号により求めることができる。また、いずれかの店舗を決定する(B6)方法として、宣伝対象店舗をランダムで決定する方法や、初期設定された順番にて宣伝対象店舗を決定する方法を採用するとよい。
そして、以上のようにして決定した店舗を宣伝対象店舗に設定して宣伝映像を編集する。
このような実施形態によれば、外部サーバ100は、遊技者の収支に応じて何れの宣伝対象物件の宣伝を実行するかを変化させるので、遊技者の勝敗の度合に応じて宣伝対象物件を変化させることで、宣伝効果をより効率よく得ることができる。
【0029】
(その他の実施形態)
第2実施形態では、勝越遊技者と負越遊技者を収支に基づいて決定したが、遊技者の持玉(「遊技者が所持している遊技価値の大きさ(獲得遊技媒体)」に相当)に基づいて決定するようにしてもよい。
宣伝実行手段としては、情報表示装置12に限らず、呼出ランプの表示部、遊技機の液晶表示部を用いるようにしてもよいし、遊技場に設けられた大型スクリーンを用いるようにしてもよい。大型スクリーンを用いる場合、大型スクリーンにて遊技者の来場手段や遊技者の勝敗を特定可能とし、その特定結果を反映した宣伝を実行するようにしてもよい。
【0030】
宣伝実行手段としては、遊技情報を表示可能なものに限定されず、専用の機器を設けるようにしてもよい。
宣伝対象としては、一般店舗ではなく商品を対象としてもよい。この場合、商品は、物だけでなくサービス(例えば、マッサージや散髪等)の提供も含まれる概念である。
宣伝を実行するためのデータを外部サーバ100に記憶するのに代えて、情報表示装置12や、管理装置3に記憶していてもよい。
外部サーバ100に代えて、情報表示装置12や、管理装置3が各処理を実行してもよい。
【0031】
上記実施形態では、車で来場した遊技者に対しては、10km以内に位置する居酒屋を除いた店舗から決定したが、10km以内に限定されるものではなく、20km、30km……以内に限定するようにしてもよい。尚、距離の設定を任意に変更してもよいことはいうまでもない。
遊技場から店舗までの距離としては、遊技場の住所と店舗の住所との間を接続する最短距離の道路距離に代えて、直線距離としてもよい。
宣伝対象店舗を距離ではなく、住所のみから宣伝を実行する店舗を決定してもよい。この場合、遊技場に対応付けて、選択対象とする住所を予め設定しておく。例えば、A遊技場では、B市かC市にある店舗の宣伝を実行するようにする。
【0032】
距離に代えて、宣伝対象店舗の緯度及び経度を記憶するようにしてもよい。
遊技場から距離、及び、来場手段のうち、一方に基づいて宣伝する店舗を決定するようにしてもよい。
駐車場のカメラと店内カメラとをそれぞれ利用し、顔認証により遊技者の来場手段を特定するようにしてもよい。この場合、会員カードに基づいて遊技者の来場手段を特定する必要がなくなる。
【符号の説明】
【0033】
図面中、1は遊技機、12は情報表示装置(宣伝実行手段)、100は外部サーバ(遊技場外サーバ装置、宣伝対象物件決定手段、宣伝情報記憶手段、来場手段特定手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機が設置された遊技場にて、当該遊技場とは異なる一般店舗又は商品である宣伝対象物件の宣伝を実行するための遊技場用システムであって、
前記宣伝を実行するための宣伝情報を複数の前記宣伝対象物件に対応してそれぞれ記憶する宣伝情報記憶手段と、
前記複数の宣伝対象物件のうち、何れの宣伝対象物件の宣伝を実行するかを決定する宣伝対象物件決定手段と、
前記遊技場に設けられ、前記宣伝対象物件決定手段が決定した前記宣伝対象物件の宣伝を実行する宣伝実行手段と、
を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記宣伝対象物件は、遊技場とは異なる一般店舗であり、
前記宣伝情報記憶手段は、前記宣伝情報に対応付けて、前記一般店舗の住所又は遊技場からの距離を特定可能な位置情報を前記一般店舗毎に記憶しているものであり、
前記宣伝対象物件決定手段は、複数の遊技場に対して何れの前記一般店舗に関する宣伝を実行するかをそれぞれ決定するものであり、かつ、前記複数の一般店舗のうち遊技場から所定の距離以内に含まれる一般店舗の宣伝を実行するように、前記宣伝対象物件を決定することを特徴とする請求項1記載の遊技場用システム。
【請求項3】
遊技者が所持している遊技価値の大きさである、又は、遊技者が遊技にて使用した遊技価値の大きさと遊技機が遊技者に付与した遊技価値の大きさとの差である所持遊技価値の大きさを特定する遊技価値特定手段を備え、
前記宣伝情報記憶手段は、前記宣伝情報に対応づけて、前記宣伝対象物件の単価の情報を記憶しているものであり、
前記宣伝対象物件決定手段は、前記所持遊技価値の大きさが所定値以上の遊技者に対して、当該所定値未満の遊技者に対する宣伝よりも、単価の高い前記宣伝対象物件の宣伝を実行するように、前記宣伝対象物件を決定することを特徴とする請求項1記載の遊技場用システム。
【請求項4】
前記宣伝情報記憶手段及び前記宣伝対象物件決定手段は、遊技場外に設置され当該遊技場と接続可能な遊技場外サーバ装置に設けられているものであり、
前記宣伝実行手段は、前記宣伝対象物件決定手段が決定した前記宣伝対象物件に関する宣伝情報を前記遊技場外サーバ装置から受信する、又は、前記遊技場外サーバ装置に接続することで前記宣伝対象物件の宣伝を実行することを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記宣伝対象物件は、遊技場とは異なる一般店舗であり、
遊技場に来場するための遊技者の来場手段を特定する来場手段特定手段を備え、
前記宣伝対象物件決定手段は、遊技者の来場手段に応じて何れの一般店舗の宣伝を実行するかを決定することを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の遊技場用システム。
【請求項6】
前記来場手段特定手段は、遊技者が車を利用して遊技場に来場したか否かを特定することを特徴とする請求項5記載の遊技場用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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