説明

遊技場用表示装置

【課題】どの遊技釘を、いつ、どのように調整したかの釘調整に係る情報を表示し、釘調整の内容を一目で把握することができ、作業者が各遊技機の釘調整を迅速に行う。
【解決手段】遊技釘が植設された遊技盤を有する遊技機の釘調整に関する情報を表示する遊技場用表示装置であって、遊技釘313a〜313eが配置された盤面レイアウト311を表示するとともに、釘調整に係る遊技釘313a〜313eの調整方向を示す記号と、釘調整に係る遊技釘313a〜313eと釘調整時の基準となる他の遊技釘313a〜313e又は構造物との距離を示す寸法と、を盤面レイアウト311上に所定の態様で表示する構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用表示装置に関し、特に、遊技機が備える遊技盤に植設された遊技釘の調整作業を支援する表示を行う遊技場用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機が設置された遊技場においては、遊技場経営における営業戦略として、各遊技機に対して各種設定を行うことで遊技場の収支に関わる調整を行っている。
特に、パチンコ機に対しては、遊技機の遊技盤に多数植設された遊技釘を様々な方向に調整することで、遊技球の軌道を変化させ、入賞により遊技球が払い出される入賞口などの入賞率の設定を変更している。そして、入賞率は出玉率に影響を与えるため、入賞率を左右する遊技釘は、頻繁に調整を行う必要がある。
また、遊技釘の調整作業は、専門家(いわゆる釘師)や遊技場の従業員等の作業者が、釘調整状態や遊技機毎の出玉等の遊技情報を考慮して、釘調整を必要とする遊技機を判定し、釘調整作業を行っている。このような作業では、作業者の十分な経験が必要となるとともに、作業が煩雑で労力を要する。
【0003】
このような遊技機の釘調整作業を支援するための技術として、各遊技機における釘調整に関するデータを、予め定められた調整コード(「レ1」,「メ1」等)を用いて表示する携帯表示装置が提案されている(特許文献1)。
これにより、作業者が釘帳と呼ばれる台紙に代ってこの携帯表示装置を持ち歩くことで、各遊技機の設置場所で釘調整に関するデータを確認しつつ、釘調整作業を行うことができる。
【0004】
また、他の技術として、パチンコ機に対してタッチパネル付き表示部を備えた釘調整端末装置を配設し、この表示部に表示された各パチンコ機の盤面レイアウト上から釘表示位置を触れることによって、釘調整値をホールコンピュータへ入力する技術が提案されている(特許文献2)。
このような技術によって、作業者は簡単な操作で釘調整作業を行うことができ、作業の効率化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−245266号公報
【特許文献2】特許第3084001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の技術では、調整対象の釘を把握し、釘調整を行うことはできるが、どの遊技釘を、いつ、どのように(方向,寸法)調整したかを示す釘調整作業に有用な情報が把握し難かったため、作業者が、釘調整を迅速に行うための情報としては十分なものではなかった。
【0007】
本発明は、上記のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、釘調整に係る遊技釘の調整方向を示す記号と、釘調整に係る遊技釘と釘調整時の基準となる他の遊技釘又は構造物との距離を示す寸法とを、遊技機の遊技盤を示した盤面レイアウト上に、直接所定の態様で表示することにより、調整対象と調整内容を一目で把握することができる遊技場用表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の遊技場用表示装置は、遊技釘が植設された遊技盤を有する遊技機の釘調整に関する情報を表示する遊技場用表示装置であって、遊技釘の配置を示す盤面レイアウトを表示するとともに、釘調整に係る遊技釘の調整方向を示す記号と、釘調整に係る遊技釘と釘調整時の基準となる他の遊技釘又は構造物との距離を示す寸法と、を盤面レイアウト上に所定の態様で表示する構成としてある。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、どの遊技釘を、いつ、どのように調整したかの釘調整に係る情報が盤面レイアウト上に表示されることで、調整対象となる遊技釘とその調整内容を視覚的に一目で把握することができるとともに、作業者が各遊技機の釘調整を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る遊技場用表示装置であるデータ表示機を含むシステム構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るデータ表示機の概略正面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るデータ表示機に表示される釘調整入力画面の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る釘調整を示す記号一覧を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る拡大表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る遊技場用表示装置の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
まず、図1を参照して、本発明の遊技場用表示装置であるデータ表示機を備える遊技場全体のシステム構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る遊技場用表示装置であるデータ表示機を備えるシステム構成図である。
図1に示すように、遊技場には、遊技機10と、遊技媒体貸出機20と、これらに接続されるデータ表示機30と、遊技場管理装置40とで構成され、これらの各装置が所定のネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク)を介して接続されている。
【0012】
遊技機10は、遊技釘が植設された遊技盤を有するパチンコ機であって、この遊技機10からは、遊技球の投入数を示すアウト信号、遊技球の払出数を示すセーフ信号、一ゲーム毎に出力されるスタート信号、大当り時に出力される大当り信号等の各種遊技信号が出力される。
また、遊技機10は、遊技盤中央付近に、例えば、液晶ディスプレイからなる可変表示器を備える。この可変表示器は、複数種類の図柄などを可変表示する。
【0013】
遊技媒体貸出機20は、遊技媒体を貸し出す装置であり、遊技機10に一対一に対応して設けられている。遊技媒体貸出機20は、現金やカードが投入されることによって、投入金額に応じた遊技媒体の貸出数を示す貸出信号を出力するとともに、対応する遊技機10へ貸出数分の遊技媒体を貸し出すように構成されている。このような遊技媒体貸出機20の前面には、図示しない、現金投入口,カード挿入口,台間表示器等が備えられている。
【0014】
データ表示機30は、遊技機10と一対一で対応して遊技機10の上方位置に設けられており、遊技者から視認可能に配置されている。
データ表示機30は、対応する遊技機10から遊技信号を受信し、大当り回数,スタート回数,スランプグラフ等の遊技情報を表示するとともに、遊技機10の遊技状態又は操作に応じて所定のランプの点灯又は点滅を行う。さらに、遊技機10から受信した各種遊技信号を、通信回線を介して遊技場管理装置40へ送信するようになっている。
また、本実施形態におけるデータ表示機30は、営業中は対応する遊技機10の遊技情報を表示し、釘調整に関する信号を受信した場合には、対応する遊技機10に応じた遊技釘の配置を示す盤面レイアウトを表示する。この盤面レイアウトは、遊技機10の遊技盤に対座する遊技者側から見た状態の画像であり、遊技盤上の遊技釘と構造物の配置を示すものである。
これにより、データ表示機30を視認しながら、実際の遊技盤上の遊技釘を視認して釘調整作業を行うことができる。また、釘調整作業は遊技機10の前扉を開放した状態で行われる。そのため、前扉の開放方向側にデータ表示機30を設けると、前扉が表示の邪魔となってしまうが、本実施形態のように遊技機10の上方にデータ表示機30を設けることで、表示が前扉に妨害されず、作業を迅速に行うことができる。
なお、データ表示機30における具体的な構成及び表示態様については後述する。
【0015】
遊技場管理装置40は、プログラム制御により動作するコンピュータであって、この遊技場管理装置40により、遊技場に設けられた全ての遊技機10に関する遊技情報が記憶・管理・分析されるようになっており、遊技情報の他に、遊技場において必要な営業管理情報なども管理する。具体的には、遊技場管理装置40は、データ表示機30から通信回線を介して送信される各種遊技信号(アウト信号、セーフ信号、スタート信号、大当り信号,貸出信号等)に基づき各種情報を集計する。
また、本実施形態における遊技場管理装置40は、遊技機10毎に集計された釘調整履歴情報を管理する。この釘調整履歴情報は、各遊技機10で行われた釘調整に関する情報であって、例えば、作業日,台番号,調整内容(釘番号,調整値)等からなっている。そして、この釘調整履歴情報によって、各遊技機10の釘調整状態を把握することができ、どの遊技機10の、どの遊技釘を、いつ調整作業を行ったかを判別することができる。
そして、これらの遊技情報や釘調整履歴情報は、遊技場管理装置40が、データ表示機30から呼出信号を受信すると、呼出信号に応じた遊技機10に対応する情報を抽出し、データ表示機30へ送信する。
【0016】
次に、本実施形態における遊技場用表示装置の詳細な構成について、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態におけるデータ表示機30の概略正面図である。
図2に示すように、データ表示機30は、タッチパネル式の液晶パネルで構成されるデータ表示部31、このデータ表示部31の表示内容を切替えるための表示切替ボタン32、複数色に点灯可能な光源を有するランプ33、従業員を呼び出すための呼出ボタン34等を備えている。
【0017】
データ表示部31には、例えば、 前回の大当りから現在時点までのスタート回数、本日,前日及び前々日の累計大当り回数,累計確変回数、大当り間のスタート回数が目盛を用いて示されたスランプグラフ等が表示される。
そして、本実施形態におけるデータ表示機30のデータ表示部31には、各遊技機10に応じた複数の遊技釘を配置する盤面レイアウトが画像として表示される。
これは、各遊技機10における釘調整作業を支援するために表示するものであって、この盤面レイアウトは、例えば、遊技機メーカなどのホームページなどからダウンロードして入手可能であり、あるいは、自社で作成した盤面レイアウトを用いてもよい。
そして、盤面レイアウトは、例えば、営業終了時に自動的にデータ表示機30に表示される。または、表示切替ボタン32を操作して、遊技モード(図2参照)から釘調整モード(図3参照)へ表示を切替えることによって遊技機10に対応した盤面レイアウトの表示がされる。
なお、盤面レイアウト311が表示される釘調整の対象となる遊技機は、予め遊技場の管理者などからの指示によって決定してもよく、または、遊技場管理装置40の図示しない制御手段によって抽出された遊技機を対象としてもよい。
【0018】
次に、データ表示機30における表示例について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態のデータ表示機30に表示される釘調整入力画面の一例を示した図である。
図3に示すように、釘調整入力画面は、各遊技機10に対応した盤面レイアウト311を表示する領域と、各遊技機10の遊技情報を含む表示をする領域とで構成されている。なお、盤面レイアウト311には、複数の遊技釘が配置されているが、一部のみを図示して以下説明する。
【0019】
盤面レイアウト311の中央部上方には、遊技機10が備える液晶画面に対応した表示領域である液晶画面対応領域312が備えられている。そして、液晶画面対応領域312の直下に始動用入賞口314と、その下方には大入賞口315が表示されている。また、液晶画面対応領域312の側方には打ち込まれた打球を振り分ける風車316が表示されている。
そして、始動用入賞口314の真上には、二つの遊技釘313a,313bが表示されている。また、大入賞口315の左上方には、遊技釘313c,313d,313eが表示されている。これらの遊技釘313a〜313eは、始動用入賞口314や大入賞口315への入賞率を大きく左右する命釘となるものであり、この遊技釘313a〜313eの釘調整は遊技場の営業方針の変更により頻繁に行われることになる。
【0020】
そして、本実施形態においては、盤面レイアウト311上に釘調整に係る遊技釘の調整方向を示す「記号」と、釘調整に係る遊技釘と釘調整時の基準となる他の遊技釘又は構造物との距離を示す「寸法」とを所定の態様で表示する。
この記号及び寸法は、調整の対象となる遊技釘の近傍に表示されるとともに、遊技場の営業日毎に並べて所定日分それぞれ表示するようになっている。例えば、対応する遊技釘に対して、営業当日、営業前日、営業前々日の順に記号及び寸法が表示され、釘調整の過程が一目で視認できる。
【0021】
ここで、記号及び寸法の所定の態様(表示態様)について、図4を参照して具体的に説明する。図4は、釘調整を示す記号の一覧を示す図である。
まず、「記号」の表示態様について、図4を用いて説明する。
例えば、二つの遊技釘間の寸法を調整する場合、各遊技釘を入賞口に遊技球が入賞しやすくなる「開け調整」を行った場合には、双方向矢印の記号が遊技釘の調整方向(開け方向)に向けて表示される(図4:パターン1〜6)。
一方、各遊技釘を入賞口に遊技球が入賞しにくくなる「閉め調整」を行った場合には、双方向矢印の記号が遊技釘の調整方向(閉め方向)に向けて表示される(図4:パターン7〜12)。
なお、釘調整を行わなかった「同一調整」の場合には、記号が横線で表示される(図4:パターン13)。
また、釘調整を行った遊技釘側(左,右,左右)には、釘調整を行ったマーク「●」を付加した記号が表示され、一方、マークが付加されない場合は、釘調整を行わなかった遊技釘として表される(図4:パターン2〜6,8〜12)。
さらに、各遊技釘を「上方に調整」を行った場合には、片方向矢印の先端を示す白抜き三角の記号「△」が遊技釘の調整方向(上方向)に向けて表示される(図4:パターン5,11)。一方、各遊技釘を「下方に調整」を行った場合には、片方向矢印の先端を示す白抜き三角の記号「▽」が遊技釘の調整方向(下方向)に向けて表示される(図4:パターン6,12)。このように、上下方向の調整内容を示す白抜き三角の記号は、本実施形態において矢印の一態様を示す。
なお、この白抜き三角の記号は、図4に示すパターンに限らず、例えば、左釘を上方に調整「△」,右釘を下方に調整「▽」または、左釘を下方に調整「▽」,右釘を上方に調整「△」する場合のそれぞれのパターンも有することができる。
具体的に、図3に示す遊技釘313a,313bを例に挙げて説明すると、二つの遊技釘313a,313b間においては、営業前々日は、「左右釘を上方に開け調整」を行っており(図4:パターン5)、営業前日は、「右釘を閉め調整」を行っており(図4:パターン8)、営業当日は、「左釘を開け調整」を行っていることを示している(図4:パターン3)。
このように、盤面レイアウト311上の遊技釘の近傍に、図4に示す表示態様で各記号が表示される。その結果、作業者は、どの遊技釘を、どの方向に調整したかの釘調整の履歴を容易に把握することができる。
なお、上述した記号は、これらの表示態様に限らず、釘調整の履歴を容易に把握できる表示であれば良い。
【0022】
次に、「寸法」の表示態様について説明する。
寸法は、釘調整に係る遊技釘と釘調整時の基準となる他の遊技釘又は構造物との距離を数値で表したものであって、例えば、遊技釘間や遊技釘と盤面レイアウト311上に配置された風車316,各入賞口を形成する構造物(役物)等との距離を示す。
具体的には、図3に示す遊技釘313a,313bを例に挙げて説明すると、二つの遊技釘313a,313b間の寸法を、営業前々日は「12.20」mmの寸法に調整しており、営業前日は「11.75」mmの寸法に調整しており、営業当日は「12.10」mmの寸法に調整していることを示している。
このように、盤面レイアウト311上の遊技釘の近傍に遊技釘と所定の部位間との距離を示す寸法を表示する。その結果、作業者は、どの遊技釘を、どの程度調整したかを容易に把握することができる。
また、この記号及び寸法の表示は、表示を行う対象の遊技釘を予め設定しておいてもよく、又は、所定の操作部から遊技釘が指定されることで表示してもよい。
【0023】
また、本実施形態における記号及び寸法は、上述したように遊技釘の近傍に遊技場の営業日毎に並べて表示されるとともに、この営業日毎に色分けされて表示される。
例えば、当日分の表示は青色、前日分の表示は緑色、前々日分の表示は赤色のように、異なる色で各日を区別可能に表示する。これによって、視覚的に見易く表示されるため、釘調整作業を迅速且つ容易に行うことができる。
【0024】
また、図3に示すように、釘調整入力画面には遊技機10に関する稼働情報が表示される。この稼働情報は、各遊技機10の出玉に関する情報であって、遊技場管理装置40において遊技機10毎に記憶されている遊技情報から営業日毎に集計される。
例えば、稼働情報は、1日あたりの遊技機10に投入される遊技球数を示すアウト,1分間あたりに始動用入賞口314に遊技球が入賞し図柄変動がされた平均回数を示すスタート,1回の大当りにおける平均出玉数を示す平均T1Y,通常遊技中における単位時間あたりのアウト玉に対するセーフ玉の平均比率を示す通常ベース,確変中又は時短中における1分間あたりの遊技球の払い出し数を示す確変ベース等からなり、釘調整履歴情報とともに釘調整入力画面上に表示される。
【0025】
このように、釘調整入力画面では、釘調整履歴情報と稼働情報とが同画面に表示されるため、釘調整を行う作業者は、遊技機10の出玉に関する情報を認識でき、この出玉に関する情報に基づいて遊技釘の調整内容を決定することができる。
例えば、「スタート」の値が、予め設定した基準値を超えている場合には、翌日営業日は、始動用入賞口314付近の遊技釘313a,313bについて閉め調整を行うなどを容易に判断することができる。
【0026】
また、図3に示すように、釘調整入力画面には、画面右下方に釘調整値を入力可能な釘調整入力部が配置されており、例えば、調整対象となる遊技釘の位置を示す調整場所,調整値(釘幅)等からなっている。そして、釘調整作業者は、例えば、盤面レイアウト311上に表示されている記号及び寸法と、稼働情報とを参照して、釘調整を行う遊技釘を決定するとともに、釘調整した遊技釘の調整値を釘調整値入力部の調整値(釘幅)に入力する。また、調整値が入力された遊技釘は、例えば、色表示されることとしてもよい。
そして、遊技機10に対する釘調整が終了し、次台の釘調整を行うときは、釘調整入力画面上部に表示されている「次台」ボタンをタッチ操作することで、次の遊技機10の盤面レイアウト311を含んだ釘調整入力画面が表示される。
また、各遊技機10において釘調整作業が終了する毎に釘調整に関する情報が遊技場管理装置40に送信され、釘調整履歴情報に記憶される。
【0027】
次に、液晶画面対応領域312に表示される拡大表示画面について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態の拡大表示画面の一例を示した図である。
拡大表示画面は、遊技機10が備える液晶画面に対応して盤面レイアウト311上に配置された液晶画面対応領域312に釘調整に係る情報が拡大表示される。
例えば、図5に示すように、盤面レイアウト311上に表示される遊技釘がタッチ操作によって選択された場合、この選択された遊技釘の近傍箇所が液晶画面対応領域312に拡大表示される(この例では遊技釘313a又は313bを選択した場合を示す)。
このように、選択された遊技釘の近傍箇所が拡大表示されることで、記号及び寸法を容易に視認可能となる。また、釘調整値を入力する際の誤入力も防ぐことができる。さらに、液晶画面対応領域を利用して釘調整に係る情報(記号及び寸法)を表示することで、画面スペースを有効利用することができる。
【0028】
このように、釘調整を行う作業者は、釘調整入力画面の盤面レイアウト上に表示された記号及び寸法を所定の態様で視認できるとともに、釘調整入力画面に同時に表示された稼動情報を参照することで、調整が必要な遊技釘を容易に判断することができる。
【0029】
以上説明したように、本実施形態の遊技場用表示装置によれば、釘調整に係る遊技釘の調整方向を示す記号と、釘調整に係る遊技釘と釘調整時の基準となる他の遊技釘又は構造物との距離を示す寸法とを所定の態様により盤面レイアウト上に表示することで、どの遊技釘を、いつ、どのように調整したかを視覚的に把握することができる。そのため、作業者が各遊技機の釘調整を迅速に行うことができる。
【0030】
以上、本発明の遊技場用表示装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技場用表示装置は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、データ表示機30において釘調整入力画面が表示されることとして説明したが、これに限るものではなく、例えば、遊技場管理装置40の表示部において同様の表示機能を備えてもよく、さらには、携行可能な携帯表示装置(携帯電話の表示器など)に同様の表示機能を備えてもよい。
また、盤面レイアウト311に表示される調整対象の遊技釘や調整内容を示す記号及び寸法は、遊技場の管理者などからの指示によって表示されてもよく、または、予め設定された所定の条件に応じて抽出されて表示されることとしてもよい。
また、入賞口付近に設けられた遊技釘を釘調整に関する情報の表示対象として例示したが、間接的に遊技球の入賞率又は出玉率に影響を与える例えば、通過ゲート付近の遊技釘を表示対象とすることもできる。
また、釘調整を示す記号を、調整方向を示す矢印として表示するとして説明したが、この矢印の長さによって遊技釘間などの寸法を表すことで、記号の表示によって寸法を含む表示態様としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、遊技機の遊技盤に植設された遊技釘の調整作業を行う場合に有用であり、特に、遊技釘の近傍に調整内容を視覚的に示す装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0032】
10 遊技機
30 データ表示機
311 盤面レイアウト
40 遊技場管理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技釘が植設された遊技盤を有する遊技機の釘調整に関する情報を表示する遊技場用表示装置であって、
前記遊技釘の配置を示す盤面レイアウトを表示するとともに、
釘調整に係る遊技釘の調整方向を示す記号と、当該釘調整に係る遊技釘と釘調整時の基準となる他の遊技釘又は構造物との距離を示す寸法と、を前記盤面レイアウト上に所定の態様で表示することを特徴とする遊技場用表示装置。
【請求項2】
前記記号及び前記寸法を、釘調整に係る前記遊技釘の近傍に表示する請求項1記載の遊技場用表示装置。
【請求項3】
前記記号及び前記寸法を、遊技場の営業日毎に並べてそれぞれ表示する請求項1又は2記載の遊技場用表示装置。
【請求項4】
前記記号及び前記寸法を、前記営業日毎に色分けして表示する請求項3記載の遊技場用表示装置。
【請求項5】
前記記号を、調整方向を示す矢印として表示する請求項1〜4のいずれか一項に記載の遊技場用表示装置。
【請求項6】
前記記号は、釘調整を行ったか否かを示すマークを付加して表示する請求項1〜5のいずれか一項に記載の遊技場用表示装置。
【請求項7】
前記遊技機が、所定の可変表示器を備える場合において、
前記記号及び前記寸法を、前記可変表示器に対応した表示領域内に表示する請求項1〜6のいずれか一項に記載の遊技場用表示装置。
【請求項8】
前記盤面レイアウトが表示されている表示領域と異なる領域に、釘調整の対象となる前記遊技機に関する所定の遊技情報を表示する請求項1〜7のいずれか一項に記載の遊技場用表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−92409(P2011−92409A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249199(P2009−249199)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】