説明

遊技媒体貸出機

【課題】 受付けた貨幣等が遊技媒体貸出機により返却された場合でも、特別役に当選した可能性があるという期待感を遊技者に生じさせることで、遊技継続の意思も損なわれることもなく、さらに、貨幣等の返却に対して遊技性のある内容を含ませることにより、遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることができる遊技媒体貸出機を提供することにある。
【解決手段】 スロットマシンからの信号を受信可能な遊技媒体貸出機であって、スロットマシンにおいて特別役を含む役の中から特別役に当選したときに、スロットマシンから遊技媒体貸出機に信号として送信された演出信号を受信したときに、受付けた貨幣又はカードを返却する制御を行う遊技媒体貸出制御手段を有する遊技媒体貸出機を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨幣やカードを受付け、遊技媒体を貸し出す制御を行う遊技媒体貸出機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場に設置されているスロットマシンには、遊技者が席を離れずに遊技媒体の貸出を受けることができるように、スロットマシンに隣接して遊技媒体貸出機が設置されている。遊技媒体貸出機は、投入された貨幣に応じた枚数の遊技媒体を、遊技者に貸し出すものであるが、近年、有価価値が記録された記録媒体を受付け、所定枚数の遊技媒体を、遊技者に貸し出すものもある。
【0003】
スロットマシンに隣接した遊技媒体貸出機の中には、スロットマシンと遊技媒体貸出機とを電気的に接続し、貨幣等を受付けると貨幣価値に相当する遊技媒体が貸し出され、スロットマシンに貯蓄された遊技媒体の枚数に加算される遊技媒体貸出機も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−225351号公報
【0004】
特許文献1で提案された遊技媒体貸出機は、スロットマシンとの間で、遊技媒体の貸出要求に関する信号の送受信を行うものである。その結果、遊技者がスロットマシンの遊技を終了した際、煩雑な遊技媒体の清算スイッチ、又は、貨幣並びにカードの返却スイッチの操作を回避するため、遊技者が行う遊技の終了操作を簡略化し、カード等の返却を忘れることを防止することができるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1で提案された遊技媒体貸出機は、電気的に接続されたスロットマシンとの間で、遊技媒体の貸出要求に関する信号の送受信を行うものであるが、単に、遊技媒体を貸し出すための信号の送受信を行うのみであり、遊技者に遊技を続ける意思を長く継続させるような遊技性をもたらすものではなかった。
さらに、遊技者が遊技媒体貸出機に投入し受付けられた貨幣又はカードの読み込み不良等により、受付けた貨幣等を返却する場合がある。このような場合、遊技者は、遊技継続のため貨幣等を投入したにも関わらず返却されると、気分がいらつき、遊技継続の意思も損なわれるという問題も生じる。
【0006】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、スロットマシンからの信号を受信可能な遊技媒体貸出機であって、スロットマシンから、特別役を含む役の中から特別役に当選したときに信号として演出信号を遊技媒体貸出機に送信し、演出信号を受信したときに受付けた貨幣を返却する制御を行うことを可能にする遊技媒体貸出機を提供することにある。その結果、受付けた貨幣等が遊技媒体貸出機により返却された場合、今までは気分がいらつかせられるだけであったが、特別役に当選した可能性があるという期待感を遊技者に生じさせることで、遊技継続の意思も損なわれることもなくなる。さらに、遊技性のある内容を含ませることにより、遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上のような目的を達成するため、本発明に係る遊技媒体貸出機においては、
スロットマシンにおいて特別役に当選したときに送信される演出信号を受信したときに、受付けた貨幣を返却する制御を行う遊技媒体貸出制御手段を有する。
【0008】
具体的には、本発明に係る遊技媒体貸出機は、
スロットマシンからの信号を受信可能な遊技媒体貸出機であって、
受付けた貨幣に対応した枚数の遊技媒体を貸し出す制御を行う遊技媒体貸出制御手段を含み、
前記スロットマシンは、特別役を含む役の中から特別役に当選したときに前記信号として演出信号を前記遊技媒体貸出制御手段に送信し、
前記遊技媒体貸出制御手段は、前記演出信号を受信したときに、受付けた貨幣を返却する制御を行う、ことを特徴とする。
【0009】
上述した発明によれば、スロットマシンが、特別役を含む役の中から特別役に当選したときに信号として演出信号を遊技媒体貸出制御手段に送信することから、遊技媒体貸出制御手段を有する遊技媒体貸出機は当選した役である特別役に応じた演出を行うことが可能となる。
【0010】
そして、受付けた貨幣に対応した枚数の遊技媒体を貸し出す制御を行うだけでなく、演出信号を受信したときに、受付けた貨幣を返却する制御を行う遊技媒体貸出制御手段を有することから、受付けた貨幣が遊技媒体貸出機により返却された場合、今までは気分がいらつかせられるだけであったが、特別役に当選した可能性があるという期待感を遊技者に生じさせることで、遊技継続の意思も損なわれることもなくなる。さらに、遊技媒体貸出機による受付けた貨幣の返却に、特別役に当選した可能性がある期待感という遊技性を含ませることにより、遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることができる。
【0011】
ここで、「遊技媒体」とは、遊技を行うためにスロットマシンに投入する媒体であり、例えば、コイン、メダル、チップのようなものが考えられる。
【0012】
また、「貨幣」とは、紙幣又は硬貨をいい、「貨幣を受付ける」とは、遊技者が遊技媒体貸出機に設けられた貨幣投入口等から貨幣を投入し、遊技媒体貸出機の貨幣処理手段により投入された貨幣を受付けることに限られず、投入された貨幣が正規なものであるのか否かを認識処理できるように所定の位置に貨幣を配置することも含む。
【0013】
スロットマシンにおける、「役」には、入賞すると所定枚数の遊技媒体の払い出しを行う「一般役」と、遊技を遊技者にとって有利に進行させる「特別遊技」に移行させることが可能な「特別役」と、遊技媒体を投入しないで遊技を再実施できる「再遊技」とが含まれる。
【0014】
「特別遊技」とは、役抽選手段により特別役に当選し、かつ、リール制御手段により特別役に対応する所定の図柄が停止し入賞したときに、遊技を遊技者にとって有利に進行させる遊技をいう。
【0015】
「特別役」には、抽選で所定役が高確率で当選する遊技を一定条件下で所定回数行う「第1の特別遊技」に移行させることが可能な「第1の特別役」と、一般遊技と第1の特別遊技に相当する遊技の少なくとも一方の遊技を行える「第2の特別遊技」に移行させることが可能な「第2の特別役」とが含まれる。
【0016】
ここで、第1の特別役は、特別遊技の1つである第1の特別遊技に移行させる役であり、レギュラーボーナス役(以下、RB役と称する。)と呼ばれる役を含むものである。第1の特別遊技は、所定役が高確率で当選する遊技を、一定条件下で所定回数行うことができる。また、第2の特別役は、特別遊技の1つである第2の特別遊技に移行させる役であり、ビッグボーナス役(以下、BB役と称する。)と呼ばれる役も含むものである。第2の特別遊技は、前記一般遊技と前記第1の特別遊技に相当する遊技の少なくとも一方の遊技を、所定の遊技媒体払出枚数に達するまで行える遊技である。
【0017】
本発明に係る遊技媒体貸出機として、遊技媒体貸出制御手段が、演出信号を受信したときに、抽選により、受付けた貨幣を返却する制御を行うか否かを決定する、ことが好ましい。
【0018】
上述した発明によれば、遊技媒体貸出機の遊技媒体貸出制御手段が、演出信号を受信した上で、抽選により、受付けた貨幣を返却する制御を行うか否かを決定することから、受付けた貨幣が遊技媒体貸出機により返却された場合、今までは気分がいらつかせられるだけであったが、遊技者に生じた特別役に当選した可能性があるという期待感をより大きくさせることで、遊技継続の意思も損なわれることもなくなる。この結果、遊技者の遊技に対する関心や新鮮味をより長く継続させることができる。
【0019】
本発明に係る遊技媒体貸出機として、遊技媒体貸出制御手段が、演出信号を受信し受付けた貨幣を返却した後から当選した特別役に入賞するまでの期間に、貨幣を受付けたときには、貨幣に対応した枚数の遊技媒体を貸し出す制御を行う、ことが望ましい。
【0020】
上述した発明によれば、遊技媒体貸出機の遊技媒体貸出制御手段が演出信号を受信し受付けた貨幣を返却した後は、当選した特別役に入賞するまで、受付けた貨幣を返却する制御を行うことなく、遊技媒体を貸し出す制御を行うことが可能となる。この結果、受付けた貨幣が遊技媒体貸出機により一度返却されることにより、特別役に当選した可能性があるという期待感を遊技者に生じさせるだけでなく、返却後から当選した特別役に入賞するまでは、貨幣を受付け、かつ、遊技媒体を貸し出すことから、遊技者は期待感を持続したまま、遊技に対する関心や新鮮味をより長く継続させ、遊技をすることが可能となる。
【0021】
さらに、本発明に係る遊技媒体貸出機は、スロットマシンからの信号を受信可能な遊技媒体貸出機であって、
カードを受付けたときに、所定枚数の遊技媒体を貸し出し、前記カードに記録された遊技媒体枚数から所定枚数を減じた枚数をカードに記録する制御を行う遊技媒体貸出制御手段を含み、
前記スロットマシンは、特別役を含む役の中から特別役に当選したときに前記信号として演出信号を前記遊技媒体貸出制御手段に送信し、
前記遊技媒体貸出制御手段は、前記演出信号を受信したときに、受付けたカードを返却する制御を行う、ことを特徴とする。
【0022】
上述した発明によれば、カードを受付けたときに、所定枚数の遊技媒体を貸し出し、前記カードに記録された遊技媒体枚数から所定枚数を減じた枚数をカードに記録する制御を行うだけでなく、演出信号を受信したときに、受付けたカードを返却する制御を行う遊技媒体貸出制御手段を有することから、受付けたカードが遊技媒体貸出機により返却された場合、今までは気分がいらつかせられるだけであったが、特別役に当選した可能性があるという期待感を遊技者に生じさることで、遊技継続の意思も損なわれることもなくなる。さらに、遊技媒体貸出機による受付けたカードの返却に、特別役に当選した可能性がある期待感という遊技性を含ませることにより、遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることができる。
【0023】
ここで、「カード」とは、プリペイドカード等のカードに限らず、ICチップが内蔵されたICコインも含む。
【0024】
また、本発明に係る遊技媒体貸出機として、遊技媒体貸出制御手段が、演出信号を受信したときに、抽選により、受付けたカードを返却する制御を行うか否かを決定する、ことが好ましい。
【0025】
さらに、本発明に係る遊技媒体貸出機として、遊技媒体貸出制御手段が、演出信号を受信し受付けたカードを返却した後から当選した特別役に入賞するまでの期間に、カードを受付けたときには、所定枚数の遊技媒体を貸し出し、カードに記録された遊技媒体枚数から所定枚数を減じた枚数をカードに記録する制御を行う、ことが望ましい。
【発明の効果】
【0026】
上述した発明によれば、スロットマシンが、特別役を含む役の中から特別役に当選したときに信号として演出信号を遊技媒体貸出制御手段に送信することから、遊技媒体貸出制御手段を有する遊技媒体貸出機は当選した役である特別役に応じた演出を行うことが可能となる。
【0027】
そして、所定枚数の遊技媒体を貸し出す制御を行うだけでなく、演出信号を受信したときに、受付けた貨幣やカードを返却する制御を行う遊技媒体貸出制御手段を有することから、受付けた貨幣等が遊技媒体貸出機により返却された場合、今までは気分がいらつかせられるだけであったが、特別役に当選した可能性があるという期待感を遊技者に生じさせることで、遊技継続の意思も損なわれることもなくなる。さらに、遊技媒体貸出機による受付けた貨幣等の返却に、特別役に当選した可能性がある期待感という遊技性を含ませることにより、遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0029】
<<構成>>
<スロットマシン10の構成>
図1は、本発明の実施の形態によるスロットマシン10及び遊技媒体貸出機90の外観を示す図である。スロットマシン10と遊技媒体貸出機90とは互いに隣接して配備され、スロットマシン10と遊技媒体貸出機90との間は、接続ケーブルにより電気的に接続されている。
【0030】
図1に示す通り、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けられている。このフロントパネル20の中には、垂直方向に縦長の矩形の3つの表示窓22L、22C及び22Rが形成されている。
【0031】
これらの3つの表示窓22L、22C及び22Rの前面には、5本の入賞ラインが定められている。この5本の入賞ラインは、水平の3本(中央L1、上下L2A、L2B)の入賞ラインと、斜めの2本(斜め右下がりL3A,斜め右上がりL3B)の入賞ラインとがあり、投入された遊技媒体(本実施形態ではメダルを用いている。)の枚数により有効となった入賞ライン(以下、有効ラインと称する)が表示される。
【0032】
上述した表示窓22L、22C及び22Rの下方には、概略水平の操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の左側には、1−ベットスイッチ32、2−ベットスイッチ34及び最大ベットスイッチ36が設けられている。また、操作パネル部30の右側には、遊技媒体を投入することができる遊技媒体投入口38が設けられている。
【0033】
遊技媒体投入口38から遊技媒体が投入されると、遊技媒体カウンタ(図示せず)により遊技媒体の枚数が計数され、規定枚数以上の遊技媒体が投入された場合には、規定以上の枚数はクレジット数として後述するRAM110に記憶される。
【0034】
1−ベットスイッチ32は、クレジット数のうちの1枚だけを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。2−ベットスイッチ34は、クレジット数のうちの2枚だけを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。最大ベットスイッチ36は、クレジット数のうちの3枚のメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。
【0035】
以下においては、賭けの対象となる遊技媒体の数を「ベット数」と称し、上述した1−ベットスイッチ32、2−ベットスイッチ34又は最大ベットスイッチ36の操作により遊技者によって賭けの対象として設定されたメダルの数を「設定ベット数」と称する。
【0036】
1−ベットスイッチ32を遊技者が操作したときには、5本の入賞ラインのうちの1本、例えば入賞ラインL1を有効化する。また、2−ベットスイッチ34を操作したときには、5本の入賞ラインのうちの3本、例えば入賞ラインL1、L2A及びL2Bを有効化する。更に、最大ベットスイッチ36を操作したときには、5本の入賞ラインの全て、即ちL1、L2A、L2B、L3A及びL3Bを有効化する。
【0037】
また、スロットマシン10の筐体の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される表示装置70が設けられている。なお、表示装置70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限られず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる画像表示装置を用いることが可能である。この表示装置70においては、遊技履歴を表示したり、特別遊技における演出画像、役の抽選に応じた演出画像、遊技の進行状況に応じた演出画像等を表示したりすることができる。
【0038】
スロットマシン10の筐体の内部には、3個のリール40L,40C及び40Rが回転自在に設けられている。リール40L,40C及び40Rは、リング状の形状であり、このリール40L,40C及び40Rの外周面には、図柄が印刷されたリールテープが貼り付けられている。リール40L,40C及び40Rの各々には、例えば、21個の図柄が等間隔で配置されている。これらの図柄の配列は、リール40L,40C及び40Rの各々で異なる。これらのリール40L,40C及び40Rの各々は、上述した表示窓22L、22C及び22Rを介して視認可能に設けられている。リールが停止しているときには、1つの表示窓において、1本のリールの連続した3つの図柄が視認可能となる。このため、3つの表示窓22L、22C及び22Rの全てからは、合計9個の図柄が視認可能となる。
【0039】
後述するように、リール40L,40C及び40Rの各々は、モータ(図示せず)により回転駆動され、表示窓22L、22C及び22Rにおいては、リール40L,40C及び40Rの外周面に描かれた図柄が上から下に向かって移動する。
【0040】
操作パネル部30の前面の左側には、スタートスイッチ50が傾動可能に設けられている。操作パネル部30の前面の中央部には、3つのストップスイッチ52L,52C及び52Rが設けられている。ストップスイッチ52Lは左リール40Lに対応し、ストップスイッチ52Cは中リール40Cに対応し、ストップスイッチ52Rは右リール40Rに対応している。
【0041】
上述したスタートスイッチ50を遊技者が傾動操作すると、上述した3つの40L,40C及び40Rは、一斉に回転を始める。3つのリール40L,40C及び40Rが回転したときには、リール40L,40C及び40Rの各々の外周面に描かれている図柄は、表示窓22L、22C及び22Rの各々において上から下へと移動表示される。
【0042】
上述した3つのリール40L,40C及び40Rの回転速度が一定速度に達したときには、遊技者によるストップスイッチ52L,52C及び52Rの操作が有効となる。
【0043】
ストップスイッチ52Lを遊技者が押動操作したときには、左リール40Lが停止する。ストップスイッチ52Cを遊技者が押動操作したときには、中リール40Cが停止する。ストップスイッチ52Rを遊技者が押動操作したときには、右リール40Rが停止する。
【0044】
リール40L、40C又は40Rが停止するときには、リールの各々の外周面に描かれている図柄が、上述した入賞ラインL1、L2A、L2B、L3A及びL3B上に位置付けられるように、3つのリール40L、40C又は40Rの各々は、停止制御される。
【0045】
スロットマシン10の筐体の下方の右側には、筐体の内部に収納されたスピーカ(図示せず。尚、後述する図2に示すスピーカ64に対応する。)から発せられた音を筐体の外部へ出すための透音穴60が設けられている。スロットマシン10の筐体の下方の中央部には、遊技媒体払出口62が設けられている。リール40L、40C又は40Rが停止して、有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが、所定の組合せ、即ち役を構成する図柄の組合せとなり、役に入賞したときには、その組合せに応じて予め定められた枚数の遊技媒体が遊技媒体払出口62から払い出される。
【0046】
上述したように、スロットマシン10における遊技は、停止させられた複数のリール40L、40C又は40Rの停止位置により定まる図柄の組合せによって遊技結果が定まる遊技である。また、この遊技は、スタートスイッチ50を遊技者が傾動操作する度に行われ、複数のリール40L、40C又は40Rの回転開始から回転停止までの行程を1回の遊技として、繰り返され得る遊技である。
【0047】
上述した役の種類には、例えば、一般役、特別役、再遊技役等の種類がある。「一般役」とは、所定枚数の遊技媒体の払い出しを行う役である。「特別役」とは、抽選で所定役が高確率で当選する遊技を一定条件下で所定回数行う「第1の特別遊技」に移行させることが可能な「第1の特別役」と、一般遊技と第1の特別遊技に相当する遊技の少なくとも一方の遊技を行える「第2の特別遊技」に移行させることが可能な「第2の特別役」である。尚、「第2の特別遊技」は、前記一般遊技と前記第1の特別遊技に相当する遊技の少なくとも一方の遊技を、所定の遊技媒体払出枚数に達するまで行える。また、「再遊技役」は、抽選で再遊技役に当選し、再遊技役に応じた図柄が揃って入賞したときに、遊技媒体を新たに投入することなく、現在行われた遊技でのベット数を維持した再遊技(リプレイとも称する。)が行えるようにした役である。
【0048】
<遊技媒体貸出機90の構成>
遊技媒体貸出機90には、所定の紙幣(例えば、千円札)を受付けるための紙幣挿入口92と、カードを受付け搬出入するカード挿入口94とが設けられている。そして、遊技媒体貸出機90の内部には、紙幣挿入口92に対応する位置に紙幣処理ユニット(図示せず)が、そして、カード挿入口94に対応する位置にカード処理ユニット(図示せず)が設けられている。
【0049】
遊技媒体貸出機90の前面下部には、貸し出す遊技媒体の遊技媒体取出口96が設けられている。紙幣処理ユニットは、紙幣挿入口92から挿入された紙幣を受付け、受付けた紙幣が正規な認識可能な所定の紙幣であることを認識した場合、所定枚数の遊技媒体を遊技媒体取出口96から払い出す。同様に、カード処理ユニットは、カード挿入口94から挿入されたカードを受付け、受付けたカードが正規な認識可能な所定のカードであることを認識した場合、所定枚数の遊技媒体を遊技媒体取出口96から払い出し、さらに、カードに記録された遊技媒体枚数から所定枚数を減じた枚数をカードに記録する。
【0050】
<<機能ブロック図の説明>>
図2は、スロットマシン10と遊技媒体貸出機90の制御に関する機能ブロック図を示す。
【0051】
制御回路として、主制御手段100と副制御回路200とが電気的に接続され、主制御回路100には、操作手段300が電気的に接続され、また、リール40L、40C及び40Rの各々に設けられたモータ80L、80C及び80Rが電気的に接続されている。副制御基板200には、表示装置70と、有効ライン表示ランプ124と、スピーカ64とを含む報知手段610と、遊技媒体貸出機90とが電気的に接続されている。
【0052】
3つのストップスイッチ52L,52C及び52Rから停止操作手段310が構成され、この停止操作手段310と、スタートスイッチ50と、ベットスイッチ32、34及び36とから操作手段300が構成される。この操作手段300は、スイッチに限られず、遊技者の四肢を用いた操作に基づいて操作信号を発生させるものであれば、あらゆる手段が適用できる。
【0053】
<主制御回路100の説明>
主制御回路100は、役抽選手段410と、リール制御手段420と、遊技制御手段430とを含む。
【0054】
役抽選手段410は、役抽選処理によって、役(特別役である第1の特別役と第2の特別役、一般役、再遊技役)の抽選を行うものである。役抽選手段410は、例えば、役抽選用の乱数発生器412(ハード乱数等)と、この乱数発生器412が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段414と、乱数抽出手段414が抽出した乱数値に基づいて役の当選の有無及び当選役を判定する乱数判定手段416とを備えている。この役抽選手段410による制御処理は、役抽選処理サブルーチン(図6参照)に示される。
【0055】
リール制御手段420は、スタートスイッチ50から発信されたリール回転開始信号を受信することによって、モータ80L、80C、80Rの制御を行って、リール40L、40C、40Rを回転させ、そして、ストップスイッチ52L、52C、52Rから発信されたリール停止信号の受信または所定時間の経過によって、リール40L、40C、40Rを停止させるリール作動に関する制御を行う。停止の制御においては、当選した役に対応して、停止図柄が揃うようにするための図柄組合せ制御を行う。このリール制御手段420による制御処理は、リール変動・停止サブルーチン(図7参照)に示される。
【0056】
遊技制御手段430は、役抽選処理で特別役、一般役、再遊技役に当選し、停止した図柄に関する入賞図柄判定により、各々の役に対応した図柄が揃ったと判別したときに、入賞した役に対応した処理を進める。遊技制御手段は、所定枚数の遊技媒体の払い出しを行う以外に、特別遊技制御手段432を含む。
【0057】
特別遊技制御手段432は、遊技が遊技者にとって有利に進行する特別遊技や所定枚数の遊技媒体の払い出しを行う。
【0058】
<副制御回路200の説明>
副制御回路200には、画像制御手段512と、ランプ制御手段514と、音声制御手段516とを含む報知制御手段510と、演出信号送信手段520とが設けられている。
【0059】
画像制御手段512は、主制御回路100から受信した信号に基づいて、ROM208に記憶した画像データを読み出し、表示駆動装置220を制御して、報知手段610の画像表示装置70に所定の画像を表示することができる。また、ランプ制御手段514は、主制御回路100から受信した信号に基づいて、ROM208に記憶したランプ点灯データを読み出し、ランプ駆動回路218を制御して、報知手段610中の所定の有効ライン表示ランプ124を点灯することができる。また、音声制御手段516は、主制御回路100から受信した信号に基づいて、ROM208に記憶した音声データを読み出して、スピーカ駆動回路222を制御して、報知手段610のスピーカ64から所定の音声を発することができる。
【0060】
演出信号送信手段520は、主制御回路100から受信した信号に基づいて、遊技媒体貸出機90に演出信号を送信することができる。
【0061】
<遊技媒体貸出機90の説明>
遊技媒体貸出機90には、遊技媒体貸出制御手段620と、紙幣処理手段632を含む貨幣処理手段630と、カード処理手段640とが設けられている。
【0062】
遊技媒体貸出制御手段620は、副制御回路200の演出信号送信手段520から送信された演出信号を受信可能な信号受信部(図示せず)と、貨幣処理手段630及びカード処理手段640の制御や、信号受信部において受信した信号に対する処理等を実施するCPU(図示せず)と、各種レジスタやメモリとして使用されるRAM(図示せず)と、CPUが実行する制御プログラム等が記憶されたROM(図示せず)と、特定の時刻からの経過時間を計測できるタイマー(図示せず)とを含む。
【0063】
貨幣処理手段630に含まれる紙幣処理手段632は、紙幣挿入口92を介して、紙幣の挿入を受付け、受付けた紙幣が正規なものであるか否か識別処理を行うように、遊技媒体貸出制御手段620により制御される。識別処理により、受付けた紙幣が正規な紙幣、例えば千円券の紙幣であると識別した場合、識別結果を遊技媒体貸出制御手段620に出力するとともに、識別した紙幣を遊技媒体貸出機内部の紙幣搬送路に送り出す。そして、遊技媒体貸出制御手段620は、紙幣に対応した所定枚数の遊技媒体を遊技媒体取出口96から払い出す制御を行う。一方、受付けた紙幣が正規な紙幣ではないと識別した場合、受付けた紙幣を、紙幣挿入口92を介して返却する。
【0064】
尚、本実施の形態においては、貨幣処理手段630は紙幣処理手段632を含むものであるが、さらに、硬貨処理手段を設けることも可能である。
【0065】
カード処理手段640は、カード挿入口94を介して、挿入されたカードを遊技媒体貸出機90内部に設けられたカード搬送機構によりカードに記録された遊技媒体枚数等のデータを読み込み可能な位置に移動させて受付け、受付けたカードが正規なものであるか否か識別処理を行うように、遊技媒体貸出制御手段620により制御される。識別処理により、受付けたカードが正規なカードであると識別した場合、識別結果を遊技媒体貸出制御手段620に出力するとともに、カードに記録された遊技媒体枚数を読み出す。そして、遊技媒体貸出制御手段620は、所定枚数の遊技媒体を遊技媒体取出口96から払い出し、カード処理手段640に対して、カードに記録された遊技媒体枚数から所定枚数を減じた枚数をカードに記録する制御を行わせる。一方、受付けたカードが正規なカードではないと識別した場合、受付けたカードを、カード挿入口94を介して返却する。
【0066】
<<スロットマシン10の制御手段の説明>>
スロットマシン10を制御する制御手段は、主制御回路100と副制御回路200から構成される。ここで、図3は、主制御回路100のブロック図を示し、図4は、主制御回路100に電気的に接続されている副制御回路200のブロック図を示す。
【0067】
<主制御回路100>
上述したスタートスイッチ50は、主制御回路100のインターフェイス回路102に接続され、インターフェイス回路102は、入出力バス104に接続されている。スタートスイッチ50から発せられたリール回転開始信号は、インターフェイス回路102において所望の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。入出力バス104は、中央処理回路(以下、CPUと称する)106にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。上述したリール回転開始信号は、「操作信号」の1つを構成する。
【0068】
また、上述したインターフェイス回路102には、ストップスイッチ52L,52C及び52R、並びに1−ベットスイッチ32、2−ベットスイッチ34及び最大ベットスイッチ36も接続されている。これらのボタンやスイッチから発せられる信号もインターフェイス回路102に供給され、所望の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。上述したストップスイッチ52L,52C又は52Rから発せられる信号も、操作信号を構成する。
【0069】
上述した入出力バス104には、ROM(リード・オンリー・メモリ)108及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)110も接続されている。ROM108は、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶する。例えば、後述する図5に示すメインルーチン、図6から図9に示すサブルーチン、及びこれらのプログラムで使用するための初期データを記憶する。
【0070】
また、RAM110は、上述した制御プログラムで使用するフラグや変数の値を一時的に記憶することができる。
【0071】
入出力バス104には、乱数を発生させるための乱数発生器112も接続されている。乱数発生器112は、一定の範囲の数値、例えば0〜65535(2の16乗)に含まれる乱数を発生させる。尚、CPU106の演算処理により乱数を発させるように構成してもよい。
【0072】
入出力バス104には、モータ駆動回路114が接続されている。モータ駆動回路114には、上述した3つのリール40L、40C及び40Rの各々を回転駆動するステッピングモータ80L、80C及び80Rが接続されている。ステッピングモータ80L、80C及び80Rの各々は、3つのリール40L、40C及び40Rの内部に設けられ、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転シャフトがリール40L、40C及び40Rの回転中心となるように、ステッピングモータ80L、80C及び80Rに取り付けられている。
【0073】
CPU106から発せられる駆動制御命令は、モータ駆動回路114により駆動信号に変換され、駆動信号はステッピングモータ80L、80C及び80Rに供給される。なお、駆動制御命令には、回転速度の命令も含まれており、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転制御及び停止制御を行うとともに、回転速度の制御も行う。
【0074】
CPU106が、上述したように、ステッピングモータ80L、80C及び80Rに対する制御をすることにより、リール40L、40C及び40Rの回転制御及び停止制御を行うとともに、回転速度の制御を行うことができる。
【0075】
リール40L、40C及び40Rの各々には、各リールの回転角度位置を検出するための回転角度位置センサ(図示せず)が設けられており、回転角度位置センサは、リール回転角度位置検出回路116に接続されている。リール40L、40C及び40Rの各々の回転角度位置を示す信号が回転角度位置センサから発せられたときには、リール回転角度位置検出回路116に供給され、所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。
【0076】
CPU106は、供給された回転角度位置から図柄の番号を算出し、表示窓22L、22C及び22Rの各々に表示される図柄を特定する。
【0077】
更に、インターフェイス回路102には、接続線118も接続されている。この接続線118によって、主制御回路100は副制御回路200に電気的に接続される。
【0078】
<副制御回路200>
上述した接続線118は、副制御回路200のインターフェイス回路202に接続され、インターフェイス回路202は、入出力バス204に接続されている。主制御回路100から副制御回路200に送信された信号は、インターフェイス回路202において所望の信号に変換された後、入出力バス204に供給される。入出力バス204は、中央処理回路(以下、CPUと称する)206にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。
【0079】
上述した入出力バス204には、ROM(リード・オンリー・メモリ)208及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)210も接続されている。ROM208は、後述するランプ駆動回路218や、表示駆動装置220や、スピーカ駆動回路222や、演出信号送信手段224を制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶する。例えば、後述する図10に示す貸出機演出信号処理サブルーチンや、表示装置70に表示するための種々の画像データや、スピーカ64から発するための演奏音データも記憶する。
【0080】
入出力バス204には、有効ライン表示ランプ124を駆動するためのランプ駆動回路218も接続されている。CPU206は、主制御回路100から供給される制御情報に応じて駆動指令をランプ駆動回路218に発し、駆動指令に応じて有効ライン表示ランプ124を点灯駆動する。
【0081】
そして、入出力バス204には、表示装置70を駆動する表示駆動装置220も接続されている。CPU206は、主制御回路100から供給される制御情報に応じてROM208に記憶されている画像データや文字データ等を読み出し、そのデータを表示駆動装置220に供給する。このようにすることにより、表示装置70には、画像データが演出画面として表示され、文字データがメッセージとして表示される。
【0082】
また、入出力バス204には、スピーカ64を駆動するためのスピーカ駆動回路222も接続されている。CPU206は、主制御回路100から供給される制御情報に応じてROM208に記憶されている音声データを読み出し、そのデータをスピーカ駆動回路222に供給する。このようにすることにより、スピーカ64から所定の音声が発せられる。
【0083】
更に、入出力バス204には、遊技媒体貸出機90に対して演出信号を送信し、演出制御を行う演出信号送信手段224も接続されている。CPU206は、主制御回路100から供給される演出信号に応じて返却演出信号を遊技媒体貸出機90に供給する。このようにすることにより、一定条件の下、遊技媒体貸出機90において受付けた貨幣等の返却を行わせることが可能となる。
【0084】
<<制御処理の説明>>
<スロットマシン10の制御処理の説明>
以下に、上述したスロットマシン10の制御手段において行なわれる各種の制御について、フローチャートを用いながら詳細に説明する。
【0085】
図5は、スロットマシン10の主制御回路100で行なわれる制御処理のメインルーチンを示す。図6から図9は、メインルーチンで行なわれる制御処理である各サブルーチンを示す。
【0086】
図6は、役抽選手段410により行なわれる役抽選と、役抽選に引き続き行なわれるフラグオン処理を行う役抽選処理サブルーチンを示す。図7は、リール制御手段420により、リールの回転、停止のための制御を行うリール変動・停止サブルーチンを示す。図8は、リール変動・停止サブルーチンにより図柄が停止した後の制御処理であるフラグオフ処理サブルーチンを示す。図9は、フラグオフ処理サブルーチンの制御処理の一部である役当選時処理サブルーチンを示す。
【0087】
以下に説明する制御処理においては、スロットマシン10及び遊技媒体貸出機90は予め起動されており、上述したスロットマシン10の主制御回路100や副制御回路200において用いられる変数は所定の値に初期化され、定常動作しているものとする。
【0088】
<メインルーチンの説明>
図5は、スロットマシン10の主制御回路100で行なわれる制御処理のメインルーチンを示す。図5のフローチャートを用いて、メインルーチンの制御処理を説明する。メインルーチンは、複数の図柄が表示された複数のリールを回転させ停止させた結果に基づく処理までの単位遊技を、1回行うときの制御処理を示す。
【0089】
まず、再遊技状態に設定されており、再遊技を行う状態であるか否かを判断する(ステップS10)。尚、再遊技状態に設定する処理は、後述するように、例えば、図9に示す役当選時処理サブルーチンのステップS70において行なわれる。
【0090】
再遊技状態に設定されていない(NO)と判別したときには、上述した1−ベットスイッチ32、2−ベットスイッチ34又は最大ベットスイッチ36を遊技者が操作することによって発せられた信号に基づいて、設定ベット数を決定する(ステップS11)。この設定ベット数は、1回の遊技をするための賭けの対象とされた遊技媒体の枚数を示す。さらに、設定ベット数は、上述したクレジット数として一時的に蓄積されてから賭けの対象とされた遊技媒体の数に限られず、遊技媒体投入口38から投入されて直接賭けの対象とされた遊技媒体の数も含む。
【0091】
尚、遊技媒体が投入されたときは、遊技媒体投入口38の下部に設置された遊技媒体カウンタでカウントした投入枚数を、ベット数として検出する。ただし、規定枚数(本実施形態では3枚)を越える枚数の遊技媒体が投入されたときには、規定枚数を越える分の遊技媒体は、クレジット枚数としてRAM110に記憶する。一方、遊技媒体が投入されていないと判断したときは、クレジットされた遊技媒体の有無を判断し、クレジットされた遊技媒体がない場合には、ステップS11において設定ベット数が決定できない。また、クレジットされた遊技媒体が有る場合には、遊技者がベットスイッチ32、34又は36の何れか1のスイッチを操作したときに発信されるベット操作信号を受信の有無を判断し、ベット操作信号を受信していない場合は、ステップS11において設定ベット数が設定できず、一方、ベット操作信号を受信した場合は、受信したベット操作信号からベット数を検出し、遊技媒体の投入またはクレジットされた遊技媒体の使用の何れの場合においても検出したベット数を新たなベット数としてRAM110に記憶し、クレジットされた遊技媒体を使用する場合には、同時に、遊技媒体のクレジット数から、検出したベット数分の枚数だけ減じる処理を行う。
【0092】
ステップS10において、再遊技状態に設定されている(YES)と判別したときは、再遊技状態の設定を解除して(ステップS12)、遊技媒体を新たに投入したり、クレジットした遊技媒体を消費することなく、再び遊技を行うことができる。また、再遊技におけるベット数は、RAM110に記憶されているベット数が用いられるので、直前に行なわれた遊技におけるベット数によって再遊技役が当選したときの遊技のベット数が用いられる。
【0093】
次に、スタートスイッチ50が遊技者によってオンされたか否かを判断する(ステップS13)。スタートスイッチ50がオンされていない(NO)と判断した場合、ステップS13の処理を繰り返す。一方、スタートスイッチ50がオンされた(YES)と判断した場合、役抽選処理サブルーチン(ステップS14)へ進む。
【0094】
ステップS14の役抽選処理サブルーチンでは、役抽選手段410による役抽選処理が行なわれ、当選した役に応じて、RBフラグ、BBフラグ、再遊技フラグ、対応する一般役フラグをオンにするフラグオン処理が行なわれる。このサブルーチンの詳細については、図6のフローチャートを用いて後述する。
【0095】
役抽選処理サブルーチン(ステップS14)に引き続き、役抽選結果に基づいて、リール40L、40C、40Rを回転させてから停止させるリールの動きに関する制御処理を行うリール変動・停止サブルーチン(ステップS15)が行なわれる。このリール変動・停止サブルーチンは、リール制御手段420によって行なわれ、このサブルーチンの詳細については、図7のフローチャートを用いて後述する。
【0096】
次に、リール変動・停止サブルーチンによりリールが停止した後、入賞図柄判定を行い、その判定結果に基づいて、フラグオフの処理を行うフラグオフ処理サブルーチン(ステップS16)が行われる。このサブルーチンの詳細については、図8及び図9のフローチャートを用いて後述する。
【0097】
そして、役抽選、入賞図柄判定の結果に基づいて、入賞した役に対応した所定枚数の遊技媒体を払い出す払い出し処理(ステップS17)が行なわれる。この払い出し処理は、実際に遊技媒体を遊技媒体払出口62から払い出すことも可能であるが、払い出す代わりに、所定枚数の遊技媒体をクレジットすることも可能である。以上の制御処理によって単位遊技が終了する。そして、このメインルーチンに示される制御処理を繰り返すことによって、遊技者は複数回数の単位遊技を行うことができる。
【0098】
<役抽選処理サブルーチン>
図6は、役抽選手段410により行なわれる役抽選と、役抽選に引き続き行なわれるフラグオン処理を行う役抽選処理サブルーチンを示す。図6の役抽選処理サブルーチンを用いて、役抽選処理とフラグオン処理とについて詳細に説明する。
【0099】
まず、遊技の態様が、RB遊技中であるか否かを判断する(ステップS21)。遊技の態様がRB遊技中である(YES)と判断したときは、ROM108に記憶されたRB用抽選表を読み出す(ステップS22)。ここで、RB用抽選表の実施例を図14に示す。
【0100】
RB用抽選表では、図柄番号1〜3の一般役と、図柄番号4のはずれとが設定されており、例えば一般役2が当選した場合には、3つのリール全てにベルの図柄が揃うと入賞するように設定されている。後述するステップS26で行う役抽選において、一般役2が当選する確率は1/1.03であり、非常に高く設定されている。従って、RB遊技中においては、一般役2に当選する可能性が非常に高くなっている。逆に、はずれの確率は、約1/212.49であり非常に低く設定されている。
【0101】
ステップS21の判断において、遊技の態様がRB遊技中ではない(NO)と判別したときには、次に、遊技の態様が、BB遊技中であるか否かを判断する(ステップS23)。遊技の態様がBB遊技中である(YES)と判断したときは、ROM108に記憶されたBB作動時抽選表を読み出す(ステップS24)。ここで、BB作動時抽選表の実施例を図15に示す。
【0102】
BB作動時抽選表は、遊技の態様が、BB遊技中であって、かつRB遊技中ではない状態である場合に用いる抽選表である。BB作動時抽選表では、図柄番号1のRB役と、図柄番号2〜4の一般役と、図柄番号5のはずれとが設定されている。ここで、BB未作動時一般抽選表(図16参照、詳細は後述する。)と比較すると、BB作動時抽選表では、BB役及び再遊技役がない設定になっている。
【0103】
図柄番号1のRB役は、役抽選における当選確率が1/4.0であって、3つのリール共にBARの図柄が揃う場合に入賞するように設定されている。通常の遊技状態で用いるBB未作動時一般抽選表では、役抽選におけるRB役の当選確率は1/312であり、BB遊技中においては、通常時と比較してRB役に当選する確率が非常に高く設定されている。
【0104】
また、図柄番号2の一般役1は、役抽選における当選確率が1/81.9あって、3つのリール全てにスイカの図柄が揃う場合に入賞するように設定されている。図柄番号3の一般役2は、役抽選における当選確率が1/20であって、3つのリール全てにベルの図柄が揃う場合に入賞するように設定されている。図柄番号4の一般役3は、役抽選における当選確率が1/81.9であって、第1のリールの図柄がチェリーであれば、残りのリールの図柄については、何れの図柄であっても入賞するように設定されている。
【0105】
ステップS23の判断において、BB遊技の遊技中でもない(NO)と判別したときには、ROM108に記憶されたBB未作動時一般抽選表を読み出す(ステップS25)。BB未作動時一般抽選表の実施例は図16に示されている。
【0106】
BB未作動時一般抽選表は、特別遊技(RB遊技、BB遊技)ではない通常の遊技状態において用いられる抽選表であり、図柄番号1のBB役、図柄番号2のRB役そして図柄番号3〜5の一般役、図柄番号6の再遊技役と、図柄番号7のはずれとが設定されている。
【0107】
図16のBB未作動時一般抽選表では、図柄番号1のBB役について、役抽選における当選確率と図柄組合せの設定がされ、さらに、終了条件として、451枚の最大獲得枚数が設定されている。また、はずれの役抽選における確率は約1/1.28に設定されている。
【0108】
以上のように、遊技の状態に応じた抽選表を読み出した後、乱数を取得して抽選判定を行う役抽選を実施する(ステップS26)。
【0109】
そして、判定結果として、RB役に当選したか否かを判断する(ステップS27)。RB役に当選した(YES)と判別したときには、RBフラグをオンに設定し(ステップS28)、ステップS29へ進み、当選した図柄番号、図柄データをRAM110に記憶する(ステップS29)。
【0110】
ステップS27の判断でRB役に当選していない(NO)と判別したときには、次に、BB役に当選したか否かを判断する(ステップS30)。役抽選によってBB役に当選した(YES)と判別したときには、BBフラグをオンに設定する(ステップS31)。そして、BB役に当選したときに、遊技媒体貸出機90が受付けた貨幣又はカードを返却させる制御を行わせるために、第1貸出機演出信号を主制御回路100から副制御回路200に送信する(ステップS32)。ここで、第1貸出機演出信号とは、BB役に当選したときに、主制御回路100から副制御回路200に送信される信号であって、受付けた貨幣又はカードを返却する制御を遊技媒体貸出機90に行わせる信号である。第1貸出機演出信号を受信した副制御回路200の演出信号送信手段520により、受付けた貨幣又はカードを返却する制御を行わせる信号を、電気的に接続されている遊技媒体貸出機90に送信することが可能となる。この結果、BB役に当選したときに、受付けた貨幣又はカードを返却する制御を遊技媒体貸出機90に行わせることが可能となる。
【0111】
そして、ステップS29へ進み、当選した図柄番号、図柄データをRAM110に記憶する(ステップS29)。
【0112】
尚、本実施態様においては、BB役に当選したときにのみ、受付けた貨幣又はカードを返却させる制御を遊技媒体貸出機90に行わせているが、RB役に当選したときに受付けた貨幣又はカードを返却させる制御を行わせることも可能である。この場合、RB役に当選した(YES)と判別し、ステップS28においてRBフラグをオンに設定した後、第1貸出機演出信号を主制御回路100から副制御回路200に送信することにより、副制御回路200の演出信号送信手段520において第1貸出機演出信号を受信され、上述のステップS32の処理により、RB役に当選したときに受付けた貨幣又はカードを返却させる制御をも行わせることが可能となる。
【0113】
ステップS30の判断でBB役にも当選していない(NO)と判別したときには、一般役1、一般役2、一般役3のうちいずれかの一般役に当選したか否かを判断する(ステップS33)。一般役1等のうちいずれかの一般役に当選した(YES)と判別したときは、対応する一般役フラグをオンに設定して(ステップS34)、ステップS29へ進み、RAM110に記憶する。
【0114】
次に、ステップS33の判断で、いずれの一般役にも当選していない(NO)と判別したときは再遊技役に当選したか否かを判断する(ステップS35)。もし、役抽選によって再遊技役に当選した(YES)と判別したときには、再遊技フラグをオンにして(ステップS36)、ステップS29へ進み、RAM110に記憶する。
【0115】
さらに、ステップS35の判断で、再遊技役にも当選していない(NO)と判別したときは、RB遊技中の一般役1、一般役2、一般役3のうちいずれかの一般役に当選したか否かを判断する(ステップS37)。RB遊技中のいずれかの一般役に当選した(YES)と判別したときには、対応するRB遊技中一般役フラグをオンにして(ステップS38)、ステップS29へ進み、RAM110に記憶する。
【0116】
ここで、ステップS37の判断で対応するRB遊技中の一般役1、一般役2、一般役3のうちいずれか一般役にも当選していない(NO)と判別したときには、フラグオン処理は行わずに、そのままステップS29へ進む。
【0117】
以上の通り、フラグオンに関する一連の処理を行った後、ステップS29において、役抽選で当選した役に対応した図柄番号、制御図柄データをROM108から読み出して、後述するリール変動・停止サブルーチンに用いるため、このデータをRAM110に記憶する。以上によって、役抽選処理サブルーチンを終了する。
【0118】
<リール変動・停止サブルーチンの説明>
次に、図5のメインルーチンにおいて、役抽選処理サブルーチン(ステップS14)が終了すると、次に、リール変動・停止サブルーチン(ステップS15)を行う。図7は、リール制御手段420により、リールの回転、停止のための制御を行うリール変動・停止サブルーチンを示す。図7のリール変動・停止サブルーチンを用いて、リールの回転、停止制御について説明する。
【0119】
まず、図6のステップS29で記憶した図柄番号と制御図柄データを読み出す(ステップS41)。そして、予め定められた最短時間を経過したか否かの判断を行う(ステップS42)。最短時間が経過していない(NO)と判別したときには、このステップS42の判断処理を繰り返し実行する。この結果、最短時間が経過するまで次の工程であるリールの回転は開始できないようになっている。この制御によって、一定時間に行なわれる遊技回数を、所定回数以内に抑える制御を行っている。
【0120】
最短時間が経過した(YES)と判別したときには、リール回転開始信号を発信する(ステップS43)。この信号に基づいて、モータ駆動回路114が作動して、モータ80L、80C、80Rの回転を開始し、リール40L、40C、40Rが回転を始める。
【0121】
次に、回転を始めたリールが定速回転になっているか否かを判断する(ステップS44)。リールの回転がまだ定速回転になっていない(NO)と判別したときには、このステップS44の判断処理を繰り返す。この結果、リールの回転が定速回転に達するまで、次の工程であるリール停止制御が行うことができないようになっている。
【0122】
リールの回転が定速回転になっている(YES)と判断したときには、次に、リール停止信号を受信したか否かを判断する(ステップS45〜ステップS47)。
【0123】
リール停止信号は、ストップスイッチ52L、52C、52Rのうち、遊技者が何れか1つのスイッチを押動操作したときに発信される。例えば、第1リール用のストップスイッチ52Lが押動操作された場合には、第1リール停止信号が発信され、第1リール40Lを回転させるモータ40Lの停止制御が行なわれる。同様に、第2リール用のストップスイッチ52Cが押動操作された場合には、第2リール停止信号が発信され、第2リール40Cを回転させるモータ40Cの停止制御が行われ、第3リール用のストップスイッチ52Rが押動操作された場合には、第3リール停止信号が発信され、第3リール40Rを回転させるモータ40Rの停止制御が行われる。
【0124】
第1リール停止信号、第2リール停止信号又は第3リール停止信号のいずれも受信しないと判別したときは、停止に関する制御を行わないが、第1リール停止信号、第2リール停止信号又は第3リール停止信号のいずれか1つを受信したと判別したときには、次のステップS48へ進む。
【0125】
ステップS48では、当選した役があるか否かを判別し、当選した役があると判別した場合、リール停止可能範囲内に当選した役に対応する図柄があるときには、その図柄を有効ラインに停止させる。
【0126】
そして、ステップS49に進み、全リールが停止したか否かを判別し、全リールが停止していない(NO)と判別したときには、ステップS45に戻り、全リールが停止するまで繰り返す。一方、全リールが停止している(YES)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0127】
<フラグオフ処理サブルーチンの説明>
図5のメインルーチンにおいて、上述のリール変動・停止サブルーチン(ステップS15)が終了すると、次に、フラグオフ処理サブルーチン(ステップS16)を行う。図8は、リール変動・停止サブルーチンにより図柄が停止した後の制御処理であるフラグオフ処理サブルーチンを示す。図8のフラグオフ処理サブルーチンを用いて、フラグオフ処理について説明する。
【0128】
はじめに、遊技状態がRB遊技中であるか否かの判断を行う(ステップS51)。RB遊技中である(YES)と判別したときは、RB遊技処理(ステップS52)を行い、その後、フラグオフ処理サブルーチンを終了する。ここで、RB遊技処理とは、RB遊技中の入賞回数又はRB遊技回数が所定の回数に達するまで、RB用抽選表(図14)を用いた遊技に対する処理である。本実施態様においては、一般役2の当選する確率が1/1.03と非常に高く設定されていることから、RB遊技中、一般役2に当選する可能性が非常に高く、遊技者は有利な遊技を行うことができる。
【0129】
次に、ステップS51の判断で、遊技状態がRB遊技中ではない(NO)と判別したときは、遊技状態がBB遊技中であるか否かの判断を行う(ステップS53)。BB遊技中である(YES)と判別したときは、BB遊技処理(ステップS54)を行い、その後、フラグオフ処理サブルーチンを終了する。ここで、BB遊技処理とは、BB遊技の終了条件(最大獲得遊技媒体枚数)に達するまで、BB用抽選表(図15)を用いた遊技に対する処理である。本実施態様においては、RB役の当選する確率が1/4と非常に高く設定されていることから、RB遊技に移行できるRB役に当選する可能性が非常に高く、RB役に当選し入賞することにより、遊技者は有利な遊技を行うことができる。
【0130】
さらに、ステップS53の判断で、遊技状態がBB遊技中ではない(NO)と判別したときは、当選役があるか否かを判断する(ステップS55)。当選役がある(YES)と判別したときには、後述する役当選時処理サブルーチン(ステップS56)を行い、その後、フラグオフ処理サブルーチンを終了する。
【0131】
一方、ステップS55の判断で、当選役がない(NO)と判別したときは、そのまま、フラグオフ処理サブルーチンを終了する。
【0132】
<役当選時処理サブルーチンの説明>
図9は、フラグオフ処理サブルーチンの制御処理の一部である役当選時処理サブルーチンを示す。図9の役当選時処理サブルーチンを用いて、役当選時処理について説明する。尚、役当選時処理サブルーチンは、図8に示す通り、RB遊技中でもなく、かつBB遊技中でもない場合のみ実行される。
【0133】
はじめに、上述のリール変動・停止サブルーチンによって停止したリール図柄が入賞しているか入賞図柄判定を行う(ステップS61)。次に、この入賞図柄判定の結果、RB役に入賞しているか否かを判断する(ステップS62)。
【0134】
RB役に入賞している(YES)と判別したときは、RBフラグをオフに設定してRB遊技状態に設定し(ステップS63)、本サブルーチンを終了する。RB遊技状態に設定することにより、次回の遊技からRB遊技が開始され、RB遊技中と判別される。
【0135】
ステップS62において、RB役に入賞していない(NO)と判別したときは、BB役に入賞しているか否かを判断する(ステップS64)。BB役に入賞している場合(YES)、BB役フラグをオフに設定しBB遊技状態に設定する(ステップS65)。BB遊技状態に設定することにより、次回の遊技はBB遊技と判別される。
【0136】
そして、遊技媒体貸出機90が受付けた貨幣又はカードを返却する制御を行っている場合、BB役に入賞したことにより、遊技媒体貸出機90に対して受付けた貨幣又はカードを返却させる制御を終了させるために、第2貸出機演出信号を主制御回路100から副制御回路200に送信し(ステップS66)、本サブルーチンを終了する。ここで、第2貸出機演出信号とは、当選したBB役に入賞したときに、主制御回路100から副制御回路200に送信される信号であって、遊技媒体貸出機90が受付けた貨幣又はカードを返却する制御を終了させる信号である。第2貸出機演出信号を受信した副制御回路200の演出信号送信手段520により、受付けた貨幣又はカードを返却する制御を終了させる信号を、電気的に接続されている遊技媒体貸出機90に送信することが可能となる。この結果、当選したBB役に入賞したとき、遊技媒体貸出機90に対して、受付けた貨幣又はカードを返却する制御を終了させることが可能となる。
【0137】
ステップS64において、BB役にも入賞していない(NO)と判別したときは、一般役1、一般役2又は一般役3に入賞しているか否かを判断する(ステップS67)。一般役1等のいずれかの一般役に入賞している場合(YES)、対応する一般役フラグをオフに設定し(ステップS68)、役当選時処理サブルーチンを終了する。
【0138】
ステップS67において、一般役1等のいずれの一般役にも入賞していない(NO)と判別したときは、再遊技役に入賞しているか否かを判断する(ステップS69)。再遊技役に入賞している(YES)と判別したとき、再遊技フラグをオフに設定し、再遊技状態に設定する(ステップS70)。そして、本サブルーチンを終了する。再遊技状態に設定することにより、次回の遊技は再遊技と判別される。
【0139】
ステップS69において、いずれの再遊技役にも入賞していない(NO)と判別したときは、そのまま役当選時処理サブルーチンを終了する。
【0140】
<メインルーチンの説明(続き)>
以上のようにして、図8に示すフラグオフ処理サブルーチンが終了する。ここで、図5のメインルーチンに戻り、ステップS16のフラグオフ処理サブルーチンを終了し、ステップS17の払い出し処理を終了して、本メインルーチンを終了する。これにより、図柄が変動してから停止するまでの1工程を1回とする遊技を行うための制御処理が終了する。
【0141】
<<貨幣等の返却制御処理の説明>>
以下に、スロットマシン10においてBB役に当選したときに、遊技媒体貸出機90が、受付けた貨幣又はカードを返却する制御について、図10から図13を用いながら説明する。
【0142】
<貸出機演出信号処理サブルーチン>
図10は、副制御回路200の演出信号送信手段520で行われる貸出機演出信号処理サブルーチンを示す。図10の貸出機演出信号処理サブルーチンを用いて、貸出機演出信号処理について説明する。
【0143】
はじめに、第1貸出機演出信号を受信したか否かを判断する(ステップS71)。ここで、第1貸出機演出信号とは、BB役に当選したときに、受付けた貨幣又はカードを返却する制御を遊技媒体貸出機90に行わせるため、主制御回路100から副制御回路200に送信される信号である。
【0144】
ステップS71において、第1貸出機演出信号を受信した(YES)と判別したときは、演出信号送信手段520から遊技媒体貸出機90に第1返却信号を送信し(ステップS72)、本サブルーチンを終了する。ここで、第1返却演出信号とは、受付けた貨幣又はカードを返却する制御を遊技媒体貸出機90に行わせるため、副制御回路200の演出信号送信手段520から遊技媒体貸出機90に送信される信号である。従って、第1返却演出信号を受信した遊技媒体貸出機90の遊技媒体貸出制御手段620により、受付けた貨幣又はカードを返却する制御を行うことが可能となる。この結果、遊技媒体貸出機90は、BB役に当選したときに、受付けた貨幣又はカードを返却する制御を行うことが可能となる。
【0145】
ステップS71において、第1貸出機演出信号を受信していない(NO)と判別したときは、第2貸出機演出信号を受信しているか否かを判断する(ステップS73)。ここで、第2貸出機演出信号とは、当選したBB役に入賞したときに、受付けた貨幣又はカードを返却する制御を遊技媒体貸出機90に終了させるため、主制御回路100から副制御回路200に送信される信号である。
【0146】
ステップS73において、第2貸出機演出信号を受信した(YES)と判別したときは、演出信号送信手段520から遊技媒体貸出機90に第2返却信号を送信し(ステップS74)、本サブルーチンを終了する。ここで、第2返却演出信号とは、受付けた貨幣又はカードを返却する制御を遊技媒体貸出機90に終了させるため、副制御回路200の演出信号送信手段520から遊技媒体貸出機90に送信される信号である。従って、第2返却演出信号を受信した遊技媒体貸出機90の遊技媒体貸出制御手段620により、受付けた貨幣又はカードを返却する制御を終了することが可能となる。この結果、遊技媒体貸出機90は、当選したBB役に入賞したときに、受付けた貨幣又はカードを返却する制御を終了することが可能となる。
【0147】
ステップS73において、第2貸出機演出信号を受信していない(NO)と判別したときは、そのまま貸出機演出信号処理サブルーチンを終了する。
【0148】
<返却演出信号処理サブルーチン>
図11は、遊技媒体貸出機90の遊技媒体貸出制御手段620で行われる返却演出信号処理サブルーチンを示す。図11の返却演出信号処理サブルーチンを用いて、返却演出信号処理について説明する。
【0149】
はじめに、副制御回路200の演出信号送信手段520から送信される第1返却演出信号を受信したか否かを判断する(ステップS81)。
【0150】
ステップS81において、第1返却演出信号を受信した(YES)と判別したときは、遊技媒体貸出制御手段620において、遊技媒体貸出機90が受付けた貨幣又はカードを返却させるか否かを抽選により決定する(ステップS82)。従って、BB役に当選しても、抽選処理により受付けた貨幣又はカードを返却させる制御を行わない場合も生じることから、後述する通り、受付けた貨幣が遊技媒体貸出機により返却された場合、特別役に当選した可能性があるという遊技者の期待感をより大きくさせる。さらに、従来、貨幣やカードの読み込み不良による返却処理は、遊技者の気分をいらつかせ不快感を与えるだけであったが、気分がいらつくこともなくなり、遊技継続の意思も損なわれることもなく、遊技者の遊技に対する関心や新鮮味をより長く継続させることができる。
【0151】
そして、抽選処理により受付けた貨幣又はカードを返却させる制御を行うか否かを判断する(ステップS83)。ステップS83において、貨幣又はカードを返却させる制御を行う(YES)と判別したときには、返却フラグをオンに設定する(ステップS84)。ここで、返却フラグとは、受付けた貨幣又はカードを返却させる制御を行うか否かを判別するフラグであって、オンの場合は返却する制御を行い、オフの場合は返却する制御を行わないことを示す。
【0152】
ステップS84において、後述する通り、返却フラグをオンに設定した後、返却処理を開始してから紙幣挿入口92を介して貨幣が挿入され、又はカード挿入口94を介してカードが挿入されるまでの受付可能時間は返却処理を行わせないようにするため、返却実施フラグをオフに設定し、返却後経過時間T1をリセットし、タイマーを停止し(ステップS85)、本サブルーチンを終了する。
【0153】
ここで、返却実施フラグは、返却処理を実施している状態か否かを表すフラグであり、オンの場合は返却フラグがオンに設定された後に返却処理を実施した状態を、オフの場合は返却フラグがオンに設定された後に返却処理を実施していない状態を表す。また、返却後経過時間T1は、貨幣等を返却した後の貨幣等が挿入されるまでの時間をいい、具体的には、遊技媒体貸出機90の遊技媒体貸出制御手段620のタイマーを利用し、時間設定される。
【0154】
ステップS83において、貨幣又はカードを返却させる制御を行わない(NO)と判別したときには、返却フラグをオフに設定し(ステップS87)、本サブルーチンを終了する。返却フラグをオフに設定した結果、遊技媒体貸出機90は、受付けた貨幣又はカードを返却する制御を行わない。
【0155】
ステップS81において、第1返却演出信号を受信していない(NO)と判別したときは、第2返却演出信号を受信しているか否かを判断する(ステップS86)。ステップS86において、第2返却演出信号を受信している(YES)と判別したときには、受付けた貨幣又はカードを返却させる制御を終了させるため、返却フラグをオフに設定し(ステップS87)、本サブルーチンを終了する。
【0156】
ステップS86において、第2返却演出信号を受信していない(NO)と判別したときは、そのまま返却演出信号処理サブルーチンを終了する。
【0157】
<紙幣処理サブルーチン>
図12は、遊技媒体貸出機90の貨幣処理手段630の紙幣処理手段632で行われる紙幣処理サブルーチンを示す。図12の紙幣処理サブルーチンを用いて、紙幣処理について説明する。尚、本実施の形態では、第1返却演出信号を受信し、受付けた紙幣を返却した後から所定の受付可能時間の期間に、紙幣を受付けたときには、紙幣に対応した遊技媒体を貸し出す制御を行う。
【0158】
はじめに、紙幣挿入口92から紙幣の挿入を検知する挿入センサ(図示せず)により、紙幣挿入口92を介して紙幣が挿入されたことを検知する(ステップS91)。そして、後述するステップS102において、遊技媒体貸出制御手段620のタイマーが起動された後の経過時間を返却後経過時間T1に設定する(ステップS92)。返却後経過時間T1は、後述のステップS100における判断処理に用いられ、返却処理を開始してから紙幣挿入口92を介して再度紙幣が挿入されるまでの期間が所定の受付可能時間内である場合、返却処理を行わせないようにする。
【0159】
そして、搬送ローラ等からなる搬送機構(図示せず)等により、挿入された紙幣が正規なものであるか否かの識別処理を行う所定の位置に紙幣を搬送し受付ける(ステップS93)。
【0160】
紙幣を所定の位置に受付けた後、返却フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS94)。ステップS94において、返却フラグがオンに設定されていない(NO)、すなわちオフに設定されていると判別したときには、挿入された紙幣が正規品であり、かつ、遊技媒体貸出機90が受付可能な金額の紙幣であるか否かを認識し判断する(ステップS95、S96)。挿入された紙幣が正規品であり、かつ、遊技媒体貸出機90が受付可能な金額の紙幣である(YES)と判別したときには、遊技媒体貸出機90内部の搬送路(図示せず)に紙幣を送り出し、紙幣を貯蓄する(ステップS97)。そして、遊技媒体取出口96を介して、挿入された紙幣に対応した枚数の遊技媒体を遊技者に貸し出し(ステップS98)、本サブルーチンを終了する。
【0161】
ステップS96において、挿入された紙幣が正規品ではない、又は、遊技媒体貸出機90が受付可能な金額の紙幣ではない(NO)と判別したときには、受付けた紙幣を、紙幣挿入口92を介して、遊技者に返却して(ステップS101)、本サブルーチンを終了する。
【0162】
また、ステップS94において、返却フラグがオンに設定されている(YES)と判別したときには、返却実施フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS99)。返却実施フラグがオフに設定されている場合、すなわち、NOの場合、返却フラグがオンに設定されているときでも、受付けた紙幣を返却していない。従って、返却実施フラグにより、受付けた紙幣を返却した時刻から所定の受付可能時間の期間に紙幣を受付けたか否かを判断することができる。この結果、所定の受付可能時間の期間に紙幣を受付けた場合、紙幣に対応した遊技媒体を貸し出す制御を行うことができる。
【0163】
ステップS99において、返却実施フラグがオンである(YES)と判別したときには、返却後経過時間T1が受付可能時間より大きいか否かを判断する(ステップS100)。返却後経過時間T1が受付可能時間よりも大きくない(NO)、すなわち返却後経過時間T1が受付可能時間よりも小さいと判別したときには、挿入された紙幣が正規品であり、かつ、遊技媒体貸出機90が受付可能な金額の紙幣であるか否かを認識し判断する(ステップS95、S96)。挿入された紙幣が正規品であり、かつ、遊技媒体貸出機90が受付可能な金額の紙幣である(YES)と判別したときには、紙幣を貯蓄し(ステップS97)、そして、受付けた紙幣を返却することなく、遊技媒体取出口96を介して、挿入された紙幣に対応した枚数の遊技媒体を遊技者に貸し出し(ステップS98)、本サブルーチンを終了する。ステップS96において、挿入された紙幣が正規品ではない、又は、遊技媒体貸出機90が受付可能な金額の紙幣ではない(NO)と判別したときには、受付けた紙幣を、紙幣挿入口92を介して、遊技者に返却して(ステップS101)、本サブルーチンを終了する。
【0164】
また、ステップS100において、返却後経過時間T1が受付可能時間よりも大きい(YES)と判別したときには、受付けた紙幣を、紙幣挿入口92を介して、遊技者に返却して(ステップS101)、本サブルーチンを終了する。
ステップS99において、返却実施フラグがオフである(NO)と判別したときには、返却実施フラグをオンに設定し、かつ、遊技媒体貸出制御手段620のタイマーを起動する(ステップS102)。そして、受付けた紙幣を、紙幣挿入口92を介して、遊技者に返却して(ステップS101)、本サブルーチンを終了する。
【0165】
以上により、スロットマシン10においてBB役に当選したことにより、第1返却演出信号を受信した遊技媒体貸出機90は、受付けた貨幣を返却する制御を行うことが可能となる。従って、受付けた貨幣が返却されることにより、今までは気分がいらつかせられるだけであったが、BB役に当選した可能性があるという期待感を遊技者に生じさせることで、遊技継続の意思も損なわれることもなくなる。
【0166】
さらに、受付けた紙幣を返却した後から所定の受付可能時間の期間に、紙幣を受付けたときには、受付けた紙幣を返却することなく、紙幣に対応した遊技媒体を貸し出す制御を行うことが可能となる。従って、受付けた貨幣が遊技媒体貸出機により一度返却されることにより、特別役に当選した可能性があるという期待感を遊技者に生じさせるだけでなく、返却後から当選した特別役に入賞するまでは、貨幣を受付け、かつ、遊技媒体を貸し出すことから、遊技者は期待感を持続したまま、遊技に対する関心や新鮮味をより長く継続させ、遊技をすることが可能となる。
【0167】
また、所定の受付可能時間は、BB役に当選した後から当選したBB役に入賞するまでの期間内であれば、所定の時間を定めることも可能である。
【0168】
尚、本実施の形態においては、第1返却演出信号を受信し、受付けた紙幣を返却した後から所定の受付可能時間の期間に、紙幣を受付けたときには、受付けた紙幣を返却することなく、紙幣に対応した遊技媒体を貸し出す制御を行ったが、当選したBB役に入賞するか否かに関わらず、受付けた紙幣を返却した後、一回に限り、受付けた紙幣を返却する制御を行うことも可能である。
【0169】
<カード処理サブルーチン>
図13は、遊技媒体貸出機90のカード処理手段640で行われるカード処理サブルーチンを示す。図13のカード処理サブルーチンを用いて、カード処理について説明する。尚、本実施の形態においては、カードに遊技媒体枚数が記憶された場合において、第1返却演出信号を受信し、受付けたカードを返却した後から所定の受付可能時間の期間に、カードを受付けたときには、所定枚数の遊技媒体を貸し出し、カードに記録された遊技媒体枚数から所定の枚数を減じた枚数をカードに記憶する制御を行う。
【0170】
はじめに、カード挿入口94からカードの挿入を検知する挿入センサ(図示せず)により、カード挿入口94を介してカードが挿入されたことを検知する(ステップS111)。そして、カードが挿入されたか否かを判断する(ステップS112)。ここで、カードは、上述の貨幣の場合とは異なり、カード挿入口94を介して挿入され受付けたカードに記録された遊技媒体枚数が0枚になるまで、貸出ボタン(図示しない)を操作することによって、遊技媒体を遊技者に貸し出すことができる。尚、ステップS112において、「カードが挿入された」場合とは、今までカードが挿入されていない状態であって、新たにカードが挿入された状態を、「カードが挿入されていない場合」とは、それ以外の状態、例えば、今までカードが挿入されていない状態であって、カードが挿入されたときを、又は、今までもカードが挿入されている状態であって、カードが挿入された状態を継続している状態をいう。
【0171】
ステップS112において、「カードが挿入された」と判別した(YES)ときには、
後述するステップS123において、遊技媒体貸出制御手段620のタイマーが起動された後の経過時間を返却後経過時間T1に設定する(ステップS113)。返却後経過時間T1は、後述のステップS122における判断処理に用いられ、返却処理を開始してからカード挿入口94を介して再度カードが挿入されるまでの期間が所定の受付可能時間内である場合、返却処理を行わせないようにする。
【0172】
そして、搬送ローラ等からなる搬送機構(図示せず)等により、挿入されたカードが正規なものであるか否かの識別処理を行い、かつ、カードに記録されているデータを読み込み並びに書き込みができる所定の位置にカードを搬送し受付ける(ステップS114)。
【0173】
紙幣を所定の位置に受付けた後、返却フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS115)。ステップS115において、返却フラグがオンに設定されていない(NO)、すなわちオフに設定されていると判別したときには、挿入されたカードに記録されている遊技媒体枚数を認識し、かつ、カードが正規品であるか否かを認識する(ステップS116)。そして、カードが正規品であるか否かを判断する(ステップS117)。
【0174】
ステップS117において、挿入されたカードが正規品である(YES)と判別したときには、カードに記録された遊技媒体枚数Nが所定の貸出遊技媒体枚数M以上であるか否かを判断する(ステップS118)。カードに記録された遊技媒体枚数Nが所定の貸出遊技媒体枚数M以上である(YES)と判別したときには、遊技媒体取出口96を介して、所定枚数の遊技媒体を遊技者に貸し出し(ステップS119)、さらに、カードに記録された遊技媒体枚数から所定の貸出遊技媒体枚数を減じた遊技媒体枚数(N−M)をカードに記録し(ステップS120)、本サブルーチンの終了する。
【0175】
ステップS118において、カードに記録された遊技媒体枚数Nが所定の貸出遊技媒体枚数M未満である(NO)と判別したときには、遊技媒体枚数を貸し出すことができないため、カード挿入口94を介して、受付けたカードを返却して(ステップS124)、本サブルーチンを終了する。
【0176】
同様に、ステップS117において、挿入されたカードが正規品ではない(NO)と判別したときには、カード挿入口94を介して、受付けたカードを返却して(ステップS124)、本サブルーチンを終了する。
【0177】
また、ステップS115において、返却フラグがオンに設定されている(YES)と判別したときには、返却実施フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS121)。返却実施フラグがオフに設定されている場合、すなわち、NOの場合、返却フラグがオンに設定されているときでも、受付けたカードを返却していない。従って、返却実施フラグにより、受付けたカードを返却した時刻から所定の受付可能時間の期間にカードを受付けたか否かを判断することができる。この結果、所定の受付可能時間の期間にカードを受付けた場合、所定枚数の遊技媒体を貸し出し、カードに記録された遊技媒体枚数から所定枚数を減じた枚数をカードに記録する制御を行うことができる。
【0178】
ステップS121において、返却実施フラグがオンである(YES)と判別したときには、返却後経過時間T1が受付可能時間より大きいか否かを判断する(ステップS122)。返却後経過時間T1が受付可能時間よりも大きくない(NO)、すなわち返却後経過時間T1が受付可能時間よりも小さいと判別したときには、挿入されたカードに記録されている遊技媒体枚数を認識し、かつ、カードが正規品であるか否かを認識する(ステップS116)。そして、カードが正規品であるかを判断する(ステップS117)。
【0179】
ステップS117において、挿入されたカードが正規品である(YES)と判別したときには、カードに記録された遊技媒体枚数Nが所定の貸出遊技媒体枚数M以上であるか否かを判断する(ステップS118)。カードに記録された遊技媒体枚数Nが所定の貸出遊技媒体枚数M以上である(YES)と判別したときには、遊技媒体取出口96を介して、所定枚数の遊技媒体を遊技者に貸し出し(ステップS119)、さらに、カードに記録された遊技媒体枚数から所定の貸出遊技媒体枚数を減じた遊技媒体枚数(N−M)をカードに記録し(ステップS120)、本サブルーチンの終了する。ステップS118において、カードに記録された遊技媒体枚数Nが所定の貸出遊技媒体枚数M未満である(NO)と判別したときには、遊技媒体枚数を貸し出すことができないため、カード挿入口94を介して、受付けたカードを返却して(ステップS124)、本サブルーチンを終了する。
【0180】
同様に、ステップS117において、挿入されたカードが正規品ではない(NO)と判別したときには、カード挿入口94を介して、受付けたカードを返却して(ステップS124)、本サブルーチンを終了する。
【0181】
ステップS122において、返却後経過時間T1が受付可能時間よりも大きい(YES)と判別したときには、カード挿入口94を介して、受付けたカードを返却して(ステップS124)、本サブルーチンを終了する。
【0182】
さらに、ステップS121において、返却実施フラグがオフである(NO)と判別したときには、返却実施フラグをオンに設定し、かつ、遊技媒体貸出制御手段620のタイマーを起動する(ステップS123)。そして、受付けたカードを、カード挿入口94を介して、遊技者に返却して(ステップS124)、本サブルーチンを終了する。
【0183】
以上により、スロットマシン10においてBB役に当選したことにより、第1返却演出信号を受信した遊技媒体貸出機90は、受付けたカードを返却する制御を行うことが可能となる。従って、受付けたカードが返却されることにより、今までは気分がいらつかせられるだけであったが、BB役に当選した可能性があるという期待感を遊技者に生じさせることで、遊技継続の意思も損なわれることもなくなる。
【0184】
さらに、受付けたカードを返却した後から所定の受付可能時間の期間に、カードを受付けたときには、受付けたカードを返却することなく、所定枚数の遊技媒体を貸し出し、カードに記録された遊技媒体枚数Nから所定枚数Mの遊技媒体を減じた枚数をカードに記録する制御を行うことが可能となる。従って、受付けたカードが遊技媒体貸出機により一度返却されることにより、特別役に当選した可能性があるという期待感を遊技者に生じさせるだけでなく、返却後から当選した特別役に入賞するまでは、カードを受付け、かつ、遊技媒体を貸し出すことから、遊技者は期待感を持続したまま、遊技に対する関心や新鮮味をより長く継続させ、遊技をすることが可能となる。
【0185】
また、所定の受付可能時間は、BB役に当選した後から当選したBB役に入賞するまでの期間内であれば、所定の時間を定めることも可能である。
【0186】
尚、本実施の形態においては、第1返却演出信号を受信し、受付けたカードを返却した後から所定の受付可能時間の期間に、カードを受付けたときには、受付けたカードを返却することなく、所定枚数の遊技媒体を貸し出し、カードに記録された遊技媒体枚数Nから所定枚数Mの遊技媒体を減じた枚数をカードに記録する制御を行ったが、当選したBB役に入賞するか否かに関わらず、受付けたカードを返却した後、一回に限り、受付けたカードを返却する制御を行うことも可能である。
【0187】
また、受付けたカードの記録遊技媒体枚数Nが所定の貸出遊技媒体枚数M以上の場合においても、遊技媒体貸出機90が受付けたカードを返却できるようにするため、返却スイッチを設けることも可能である。
【0188】
さらに、本実施の形態においては、遊技媒体枚数がカードに記憶された場合に対するカード処理について説明したが、金額情報がカードに記憶された場合においても適用できる。この場合、第1返却演出信号を受信し、受付けたカードを返却した後から所定の受付可能時間の期間に、正規品であるカードを受付けたときに、ステップS118において、記録された金額情報が貸し出される所定枚数の遊技媒体に対応する金額以上であるか否かを判断した後、遊技媒体を貸し出し、カードに記録された金額情報から貸し出される所定枚数の遊技媒体に対応する金額を減じた金額情報をカードに記憶する制御を行う。例えば、記憶された金額情報が1万円であり、貸し出される所定枚数の遊技媒体に対応する金額が1千円である場合、所定枚数の遊技媒体を貸し出し、記録された金額情報から貸し出される所定枚数の遊技媒体に対応する金額を減じた9千円を、カードに記憶する。
【0189】
更に、本発明に係るスロットマシンは、上述の実施形態には限られず、その他様々な実施形態が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0190】
【図1】本発明に係るスロットマシン及び遊技媒体貸出機90の外観を示す正面図である。
【図2】本発明に係るスロットマシンの制御の機能を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明に係るスロットマシンを制御する主制御回路を示すブロック図である。
【図4】本発明に係るスロットマシンを制御する副制御回路を示すブロック図である。
【図5】主制御回路100において実行される遊技の進行を制御するメインルーチンを示すフローチャートである。
【図6】役抽選処理と、引き続いて行なわれるフラグオン処理の役抽選処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】リールの回転、停止のための制御を行うリール変動・停止サブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】図7のサブルーチンにより図柄が停止した後の制御処理を示すフラグオフ処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】フラグオフ処理サブルーチンの制御処理の一部である役当選時処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】副制御回路200の演出信号送信手段520で行われる貸出機演出信号処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】遊技媒体貸出機90の遊技媒体貸出制御手段620で行われる返却演出信号処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】遊技媒体貸出機90の貨幣処理手段630の紙幣処理手段632で行われる紙幣処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】遊技媒体貸出機90のカード処理手段640で行われるカード処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】RB用抽選表の実施例を示す図である。
【図15】BB作動時抽選表の実施例を示す図である。
【図16】BB未作動時一般抽選表の実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0191】
10 スロットマシン
38 遊技媒体投入口
32、34、36 ベットスイッチ
40L、40C、40R リール
50 スタートスイッチ(操作手段)
52L、52C、52R ストップスイッチ(操作手段)
70 表示装置
80L、80C、80R ステッピングモータ
90 遊技媒体貸出機
92 紙幣挿入口
94 カード挿入口
96 遊技媒体取出口
100 主制御回路
106 CPU
108 ROM
110 RAM
112 乱数発生器
114 モータ駆動回路
200 副制御回路
300 操作手段
310 停止操作手段
410 役抽選手段
412 乱数発生器
414 乱数抽出手段
416 乱数判定手段
420 リール制御手段
430 遊技制御手段
432 特別遊技制御手段
510 報知制御手段
512 画像制御手段
514 ランプ制御手段
516 音声制御手段
520 演出信号送信手段
610 報知手段
620 遊技媒体貸出制御手段
630 貨幣処理手段
632 紙幣処理手段
640 カード処理手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロットマシンからの信号を受信可能な遊技媒体貸出機であって、
受付けた貨幣に対応した枚数の遊技媒体を貸し出す制御を行う遊技媒体貸出制御手段を含み、
前記スロットマシンは、特別役を含む役の中から特別役に当選したときに前記信号として演出信号を前記遊技媒体貸出制御手段に送信し、
前記遊技媒体貸出制御手段は、前記演出信号を受信したときに、受付けた貨幣を返却する制御を行う、
ことを特徴とする遊技媒体貸出機。
【請求項2】
前記遊技媒体貸出制御手段は、前記演出信号を受信したときに、抽選により、受付けた貨幣を返却する制御を行うか否かを決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体貸出機。
【請求項3】
前記遊技媒体貸出制御手段は、前記演出信号を受信し受付けた貨幣を返却した後から当選した特別役に入賞するまでの期間に、貨幣を受付けたときには、貨幣に対応した枚数の遊技媒体を貸し出す制御を行う、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技媒体貸出機。
【請求項4】
スロットマシンからの信号を受信可能な遊技媒体貸出機であって、
カードを受付けたときに、所定枚数の遊技媒体を貸し出し、前記カードに記録された遊技媒体枚数から所定枚数を減じた枚数をカードに記録する制御を行う遊技媒体貸出制御手段を含み、
前記スロットマシンは、特別役を含む役の中から特別役に当選したときに前記信号として演出信号を前記遊技媒体貸出制御手段に送信し、
前記遊技媒体貸出制御手段は、前記演出信号を受信したときに、受付けたカードを返却する制御を行う、
ことを特徴とする遊技媒体貸出機。
【請求項5】
前記遊技媒体貸出制御手段は、前記演出信号を受信したときに、抽選により、受付けたカードを返却する制御を行うか否かを決定する、
ことを特徴とする請求項4に記載の遊技媒体貸出機。
【請求項6】
前記遊技媒体貸出制御手段は、前記演出信号を受信し受付けたカードを返却した後から当選した特別役に入賞するまでの期間に、カードを受付けたときには、所定枚数の遊技媒体を貸し出し、前記カードに記録された遊技媒体枚数から所定枚数を減じた枚数をカードに記録する制御を行う、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の遊技媒体貸出機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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