説明

遊技媒体貸出装置及びその制御方法

【課題】アンテナの数を増やすことなく、複数種類の処理を行うことが可能な遊技媒体貸出装置遊技媒体貸出装置を提供する。
【解決手段】遊技媒体貸出装置は、有価価値情報を記録した有価価値記録媒体を係止する第1検知部11と、第1検知部11の有価価値記録媒体の有無を検知するセンサ20と、貯留された有価価値記録媒体を係止する第2検知部17と、第1又は第2検知部に係止された有価価値記録媒体と通信するアンテナ19と、第2検知部17に係止された有価価値記録媒体とアンテナ19との通信を阻害する遮蔽位置及びそれ以外の退避位置との間を移動可能に設置される遮蔽部23と、センサ20による検知結果に基づいて遮蔽部23を遮蔽位置又は退避位置へ移動して、第1又は第2検知部の何れかに係止された有価価値記録媒体の有価価値情報を所定の貸出量に応じて更新し、且つ所定の貸出量の遊技媒体を貸し出す命令を遊技機に送信する制御部6を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の遊技媒体の貸出を行う遊技媒体貸出装置及びその制御方法に関し、特に、貸出す遊技媒体の数に応じて有価価値記録媒体に記録された有価価値情報を更新する遊技媒体貸出装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パチンコ機などの遊技機で使用する玉の貸出に、有価価値を記録した有価価値記録媒体を用いたシステムが開発されている。そのシステムでは、有価価値記録媒体に記録された有価価値の残高を読み取り、その残高の範囲で所定数量の玉を貸し出す遊技媒体貸出装置が使用されている。このような遊技媒体貸出装置では、不正防止のために、残高のなくなった有価価値記録媒体を回収し、残高が残っている有価価値記録媒体を遊技者に返却することが望ましい。そこで、有価価値記録媒体であるコインに記録された有価価値情報にアクセスするための第1及び第2の検知部を、それぞれコインが通行する通路の分岐部に設け、コインに記録された有価価値の残高に応じてコインの配送先を切り替える遊技システムが開発されている(特許文献1参照)。
【0003】
係る遊技システムは、投入されたコインに対し、まず、第1の検知部において、貸出す玉の数量に応じてコインに記録された有価価値の残高を更新する。そして、その残高が残っている場合には、そのコインをコイン返却口に直結する通路へ誘導し、遊技者に返却する。一方、残高がなくなった場合には、そのコインを第2の検知部へと通じる通路へ誘導する。そして、第2の検知部に置かれたコインに対して、残高が追加されると、そのコインをコイン返却口に通じる通路へ誘導し、遊技者に返却する。また、第2の検知部に置かれたコインに対して、そのコインに記録されたIDコードが無効であると判断すると、そのコインを回収する。
【0004】
【特許文献1】特開2001−293242号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、遊技媒体貸出装置は、通常、遊技機と遊技機の間に設置されるものであり、その設置スペースは限られている。一方、上記のシステムでは、検知部ごとに別個に設けられたアンテナ、その付属回路及びアンテナと付属回路を接続する導線などを、その限られたスペースに配置するため、回路などから発生する熱を逃がすための放熱スペースも限られている。しかし、故障の発生を防止することを考慮すると、放熱スペースをできるだけ広く確保することが望ましい。
【0006】
上記の課題に鑑み、本発明は、アンテナの数を増やすことなく、有価価値記録媒体の残高更新及び回収など、複数の処理を行うことが可能な遊技媒体貸出装置及び遊技媒体貸出装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の形態によれば、遊技媒体貸出装置が提供される。係る遊技媒体貸出装置は、有価価値の残高を表す有価価値情報が記録された有価価値記録媒体を係止する第1検知部と、第1検知部に係止された有価価値記録媒体の有無を検知するセンサと、第1検知部と接続され、第1検知部から流下した有価価値記録媒体を貯留する第1の通路と、第1の通路に設けられ、貯留された有価価値記録媒体を係止する第2検知部と、第1検知部及び第2検知部に近接して配置され、第1検知部または第2検知部に係止された有価価値記録媒体から、有価価値情報を読み出し、あるいは有価価値情報をその有価価値記録媒体に書き込むアンテナと、アンテナによる第2検知部に係止された有価価値記録媒体の有価価値情報の読み取り及び書き込みを防止する遮蔽位置と、アンテナによる第2検知部に係止された有価価値記録媒体の有価価値情報の読み取り及び書き込みを可能にする退避位置との間を移動可能に設置される遮蔽部と、センサが第1検知部に係止されている有価価値記録媒体を検知した場合、遮蔽部を遮蔽位置へ移動させて第1検知部に係止されている有価価値記録媒体を処理対象記録媒体とし、センサが第1検知部に係止されている有価価値記録媒体を検知しない場合、遮蔽部を退避位置へ移動させて第2検知部に係止されている有価価値記録媒体を処理対象記録媒体とし、処理対象記録媒体から読み出した有価価値情報から所定の貸出量に相当する有価価値を減算して有価価値情報を更新し、処理対象記録媒体に更新された有価価値情報を書き込み、且つ所定の貸出量に相当する量の遊技媒体を遊技者に貸し出す命令を遊技機に送信する制御部と、を有する。
【0008】
また、本発明の第1の形態に係る遊技媒体貸出装置は、制御部と接続され、制御部に有価価値残高の追加情報を送信する残高追加部と、第1検知部へ有価価値記録媒体を投入する投入口を開閉するシャッタとををさらに有し、制御部は、残高追加部から上記の追加情報を受信すると、シャッタを閉じて第1検知部への有価価値記録媒体の投入を防止し、かつ、遮蔽部を退避位置へ移動して、第2検知部に係止された有価価値記録媒体に、追加情報に基づいて更新された有価価値情報を書き込むことが好ましい。
【0009】
また、本発明の第2の形態によれば、投入された有価価値記録媒体を係止する第1検知部と、第1検知部に係止された有価価値記録媒体の有無を検知するセンサと、第1検知部と接続され、第1検知部から流下した有価価値記録媒体を貯留する第1の通路と、第1の通路に設けられ、貯留された有価価値記録媒体を係止する第2検知部と、第1検知部または第2検知部に係止された有価価値記録媒体に記録された、有価価値の残高を表す有価価値情報の読み出しまたは書き込みを行うアンテナと、アンテナによる第2検知部に係止された有価価値記録媒体の有価価値情報の読み取り及び書き込みを防止する遮蔽位置と、アンテナによる第2検知部に係止された有価価値記録媒体の有価価値情報の読み取り及び書き込みを可能にする退避位置との間を移動可能に設置される遮蔽部とを有する遊技媒体貸出装置の制御方法が提供される。係る遊技媒体貸出装置の制御方法は、センサにより、第1検知部に有価価値記録媒体が係止されているか否かを検出するステップと、第1検知部に有価価値記録媒体が係止されていることを検出した場合、遮蔽部を遮蔽位置へ移動して第1検知部に係止された有価価値記録媒体を処理対象記録媒体とし、第1検知部に有価価値記録媒体が係止されていないことを検出した場合、遮蔽部を退避位置へ移動して第2検知部に係止された有価価値記録媒体を処理対象記録媒体とするステップと、処理対象記録媒体から有価価値情報を取得するステップと、有価価値情報から所定の貸出量に相当する有価価値を減算して有価価値情報を更新するステップと、処理対象記録媒体に更新された有価価値情報を書き込むステップと、所定の貸出量に相当する量の遊技媒体を遊技者に貸し出す命令を遊技機に送信するステップとを有する。
【0010】
さらに、本発明の第3の形態によれば、遊技媒体貸出装置が提供される。係る遊技媒体貸出装置は、記録媒体を係止する第1検知部と、第1検知部に係止された記録媒体の有無を検知するセンサと、第1検知部と接続され、第1検知部から流下した記録媒体を貯留する第1の通路と、第1の通路に設けられ、貯留された記録媒体を係止する第2検知部と、第1検知部及び第2検知部に近接して配置され、第1検知部または第2検知部に係止された記録媒体から、その記録媒体を他の記録媒体と識別するための識別情報を読み出すアンテナと、アンテナが第2検知部に係止された記録媒体から識別情報を読み取ることを防止する遮蔽位置と、アンテナが第2検知部に係止された記録媒体から識別情報を読み取ることを可能にする退避位置との間を移動可能に設置される遮蔽部と、識別情報に関連付けて有価価値の残高を記憶する記憶部と、センサが第1検知部に係止されている記録媒体を検知した場合、遮蔽部を遮蔽位置へ移動させて第1検知部に係止されている記録媒体を処理対象記録媒体とし、センサが第1検知部に係止されている記録媒体を検知しない場合、遮蔽部を退避位置へ移動させて第2検知部に係止されている記録媒体を処理対象記録媒体とし、その処理対象記録媒体から読み出した識別情報に基づいて、記憶部から識別情報に対応する有価価値の残高を読み出し、その残高から所定の貸出量に相当する有価価値を減算して有価価値の残高を更新し、更新された有価価値の残高を記憶部に書き込み、且つその所定の貸出量に相当する量の遊技媒体を遊技者に貸し出す命令を遊技機に送信する制御部とを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、アンテナの数を増やすことなく、複数種類の処理を行うことが可能な遊技媒体貸出装置及び遊技媒体貸出装置の制御方法を提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ本発明を適用した遊技媒体貸出装置について詳細に説明する。本発明を適用した遊技媒体貸出装置は、有価価値記録媒体であるコインに記録された有価価値情報を読み取り、その有価価値情報に示された有価価値の残高の範囲で、所定の貸出量の遊技媒体(例えば、パチンコ玉)を貸し出す命令を、パチンコ機などの遊技機に対して送信するものである。また遊技媒体貸出装置は、二つのコイン検知部の何れかに係止されたコインとの情報の交換が可能な一つのアンテナを有し、両方のコイン検知部ともにコインが係止されている場合には、優先度の低い方のコイン検知部をアンテナから遮蔽することにより、何れか一方を選択して情報の更新を行う構成としたものである。
【0013】
図1は、本発明を適用した遊技媒体貸出装置1の概略斜視図を示す。図1に示すように、遊技媒体貸出装置1は、コイン処理部2と、紙幣識別部3と、ユーザインターフェース部4と、貯留ボタン5と、制御部6とを有する。また図2に、遊技媒体貸出装置1を設置した状態を示す。図2に示すように、遊技媒体貸出装置1は、遊技機110と遊技機120の間に設置される。そして、遊技媒体貸出装置1に投入されたコインの残高に従って、所定数の玉を遊技機110に貸し出すよう構成されている。また、遊技機110に設けられた返却ボタン111または玉貸ボタン112を遊技者が操作することにより、遊技媒体貸出装置1に投入されたコインの返却、遊技機110への玉の貸し出しなどの処理が行われる。
図3に、遊技媒体貸出装置1の機能ブロック図を示す。遊技媒体貸出装置1は、通信回線を介して、遊技機110及び発行済みのコインを管理する有価価値記録媒体管理装置130と通信可能に接続されている。
以下、遊技媒体貸出装置1の各部について説明する。
【0014】
コイン処理部2は、遊技媒体貸出装置1の最下部に配置され、投入されたコインから、そのコインに記録された有価価値情報及び識別情報を読み取り、制御部6に送信する。またコイン処理部2は、制御部6から受信した有価価値情報を投入されたコインに書き込んで、そのコインに記録された情報を更新する。あるいは、コイン処理部2は、制御部6から受信した有価価値情報を、コイン処理部2内に貯留された、残高の無いコインに書き込む。
【0015】
ここで、本実施形態に係る遊技媒体貸出装置1で使用される、有価価値記録媒体であるコインについて説明する。図4は、このコイン7の概略構成図である。コイン7は、遊技媒体貸出装置1との間で無線通信により情報の交換が可能なICタグ8を内蔵している。そのICタグには、有価価値の残高を表す有価価値情報と、そのコインを他のコインと識別するための識別情報が記録される。
【0016】
以下、図5を参照しつつ、コイン処理部2の構成を詳細に説明する。図5は、コイン処理部2の概略側面透過図である。
図5に示すように、コイン処理部2の上端近傍の正面側には、コイン投入口10が設けられている。投入口10には、制御部6からの制御信号に基づいて、投入口10を開閉するシャッタ22が設けられている。また、コイン投入口10に近接して、投入されたコインとの間で情報の読み書きを行うための第1検知部11が配置される。第1検知部11の下方には、投入されたコインを直接遊技者に返却するための返却通路12が設けられる。一方、第1検知部11の側方には、返却通路12と分岐して、投入されたコインを一時的に貯留するためのリサイクル通路13が設けられる。返却通路12及びリサイクル通路13は、コインがその通路内を自重によって転動可能なように、略垂直となるか、下流側ほどその底面が下方へ向かって傾斜するよう形成されている。そして、返却通路12の入口及びリサイクル通路13の入口には、それぞれ返却通路用フラッパ14及びリサイクル通路用フラッパ15が設けられ、通路切替部として機能する。返却通路用フラッパ14は、一端が返却通路12の側面に固定され、その一端を回転軸として回動可能となっている。その回転軸は、図示しないソレノイドに連結されている。そして、返却通路用フラッパ14は、制御部6からの制御信号に基づいて、ソレノイドが所定角だけ回転することにより、第1検知部11から返却通路12へ通じる入口を開閉する。同様に、リサイクル通路用フラッパ15は、一端がリサイクル通路13の側面に固定され、その一端を回転軸として回動可能となっている。その回転軸も、別個に設けられたソレノイド(図示せず)に連結されている。そして、リサイクル通路用フラッパ15は、制御部6からの制御信号に基づいて、そのソレノイドが所定角だけ回転することにより、第1検知部11からリサイクル通路13へ通じる入口を開閉する。返却通路用フラッパ14とリサイクル通路用フラッパ15の両方が閉じている場合、コイン処理部2に投入されたコインは、第1検知部11に係止される。
【0017】
リサイクル通路13と返却通路12は、コイン処理部2の下部で合流し、コイン返却口16へと通じている。また、リサイクル通路13には、返却通路12と合流する直前において、リサイクル通路13に貯留されたコインとの間で情報の読み書きを行うための第2検知部17が設けられている。さらに第2検知部17には、ストッパ18が設けられる。ストッパ18は、制御部6からの制御信号に基づいて、リサイクル通路13内に一時的に貯留されたコインを、第2検知部17または第2検知部17の手前で係止させる。
【0018】
図6(a)及び(b)を参照しつつ、ストッパ18の構成及び動作を説明する。図6(a)及び図6(b)は、ストッパ18を上面から見た概略構成図である。ストッパ18は、第2検知部17の左側に配置された第2検知部ストッパピン18aと、第2検知部17の右側に配置されたリサイクル通路ストッパピン18bを有する。ストッパピン18a及び18bは、それぞれ、一端が筐体18eに回動可能に固定された支持部材18c、18dによって支持されている。そして、筐体18eは、制御部6からの制御信号により、左右に動くように構成されている。そして、図6(a)に示すように、筐体18eが左側へ移動すると、リサイクル通路ストッパピン18bがリサイクル通路13の側壁内へ退避して、第2検知部17への手前で係止されていたコインC1を第2検知部17へ転動させる。同時に、第2検知部ストッパピン18aが、リサイクル通路13の側壁から通路内に突出して、第2検知部17からコイン返却口16への通路を閉じ、コインC1を第2検知部17に係止させる。一方、図6(b)に示すように、筐体18eが右側へ移動すると、リサイクル通路ストッパピン18bがリサイクル通路13の側壁から通路内に突出して、リサイクル通路13を閉じ、リサイクル通路13に貯留されているコインC2を第2検知部17の手前で係止させる。同時に、第2検知部ストッパピン18aがリサイクル通路13の側壁内へ退避して、第2検知部17に存在したコインC1の転動を可能にする。このように、ストッパ18は、何れか一方のストッパピンをリサイクル通路13内に突出させるので、2枚以上のコインが同時にコイン返却口へ転動してしまうことを防止できる。
【0019】
コイン処理部2の側面には、第1検知部11または第2検知部17に係止されたコインから情報を読み取り、あるいはそのコインに記録された情報を更新するためのアンテナ19が設置されている。そしてアンテナ19は、制御部6と電気的に接続されており、コインから読み取った情報及びコインに書き込む情報を制御部6との間で通信する。このアンテナ19は、無線認証システム(RF−ID)などで利用されるアンテナなどで構成され、第1検知部11または第2検知部17に保持されたコインに埋め込まれたICタグとの間で非接触でデータの送受信を行うことができる。また図5に示すように、アンテナ19は、その設置面積をできるだけ小さくするために、第1検知部11と第2検知部17の間では、アンテナ線の間隔が狭くなるように形成される。
【0020】
さらに、第1検知部11には、コインがその検知部11に存在するか否かを検知するための投入センサ20が設置される。同様に、第2検知部17には、コインがその検知部17に存在するか否かを検知するためのコイン有無センサ21が設置される。これらセンサも、制御部6と電気的に接続され、コインを検知した場合ON、コインを検知しなかった場合OFFとなる信号を制御部6に送信する。投入センサ20及びコイン有無センサ21は、例えば、コイン処理部2の一方の側壁に設置された発光部と他方の側壁に設置された検出器からなるフォトセンサで構成される。そしてそれらのセンサは、コインが第1検知部11または第2検知部17に係止されていると、発光部からの光がそのコインに遮られて検出器に届かなくなることで、コインが第1検知部11または第2検知部17に係止されていることを検知する。なお、投入センサ20またはコイン有無センサ21として、近接センサなど、他のセンサを用いてもよい。
【0021】
さらに、第2検知部17に近接して、銅などの金属で形成された遮蔽板23が配置される。
図7及び図8を参照しつつ、遮蔽板23及びソレノイド24の構造及び動作について詳細に説明する。図7(a)〜(c)は、それぞれ、遮蔽板23及びソレノイド24の概略斜視図、概略底面図、及びリサイクル通路13側から見た概略側面図である。また、図8(a)及び(b)は、それぞれ、アンテナ19側から見た、遮蔽板23が遮蔽位置に位置する場合及び退避位置に位置する場合の遮蔽板23及びソレノイド24の概略側面透過図である。
【0022】
遮蔽板23は、ソレノイド24によって駆動されて、第2検知部17に係止されたコインとアンテナ19との間に位置する遮蔽位置、またはアンテナ19と第2検知部17に係止されたコインを遮蔽しない退避位置の間を移動可能なように、コイン処理部2の側壁に取り付けられる。遮蔽板23は、遮蔽位置に位置する場合、アンテナ19と第2検知部17に係止されたコインCとの通信を阻害する。そのため、第2検知部17に係止されたコインCから情報を読み取ったり、そのコインCに情報を書き込むことができなくなる。一方、遮蔽板23が退避位置に位置する場合、アンテナ19と第2検知部17に係止されたコインC間の通信は阻害されないので、第2検知部17に係止されたコインCから情報を読み取ったり、そのコインCに情報を書き込むことができる。
【0023】
図7(a)〜(c)及び図8(a)、(b)に示すように、遮蔽板23は、遮蔽板保持部23aによって保持されている。また遮蔽板保持部23aは、その下端で支点23bに接続されている。この支点23bには、突起部が形成されている。そして、その突起部がコイン処理部2の側壁に設けられた取り付け穴に嵌合される。そして、遮蔽板保持部23aは、支点23bを軸として回動可能となっている。さらに、遮蔽板保持部23aは、支点23bと遮蔽板23との間で、ソレノイド24のシャフト24aと係合されている。そのため、シャフト24aが送出されると、遮蔽板保持部23aは、シャフト24aに押されるので、アンテナ19側から見て、支点23bを軸として反時計回りに回動し、退避位置へ移動する。逆に、シャフト24aがソレノイド24内に引き戻されると、それに伴って遮蔽板保持部23aもソレノイド側24側に引かれるため、遮蔽板保持部23aは、アンテナ19側から見て、支点23bを軸として時計回りに回動し、遮蔽位置へ移動する。
【0024】
さらに、遮蔽板23の下部のソレノイド24に近い側は切欠き状に形成されている。これにより、遮蔽板23が退避位置に位置する場合に、遮蔽板23の一部が第2検知部17に係止されたコインCとアンテナ19を遮蔽することを防止している。また、遮蔽板23が遮蔽位置に位置する場合でも、コイン有無センサ21の発光部から照射された光がそのセンサ21のフォトセンサに到達できるように、遮蔽板23及び遮蔽板保持部23aの上部にコインセンサ穴23cが設けられている。さらに、遮蔽板保持部23aの下部には、側方に向かって突出するように位置センサ爪23dが形成されている。この位置センサ爪23dは、遮蔽板23が退避位置まで移動した場合、第1の遮蔽板検知センサ(図示せず)により検知される(すなわち、遮蔽板23が退避位置にいることが検知される)。同様に、位置センサ爪23dは、遮蔽板23が遮蔽位置まで移動した場合、第2の遮蔽板検知センサ(図示せず)により検知される(すなわち、遮蔽板23が遮蔽位置にいることが検知される)。このように、遮蔽板23から離れた位置にある位置センサ爪23dで遮蔽板23の位置を検出するように構成することにより、第1及び第2の遮蔽板検知センサをリサイクル通路13と干渉しない位置に設置できる。なお、第1及び第2の遮蔽板検知センサは、例えば、赤外線近接センサで構成され、その検知結果は、制御部6へ送信される。
【0025】
紙幣識別部3は、コインに記録された有価価値の残高を追加するための残高追加部として機能するものであり、遊技媒体貸出装置1の最上部に配置され、投入された紙幣を識別し、その額を算出して制御部6に送信する。なお紙幣識別部3は、紙幣を識別するための公知の様々な装置で構成できるため、ここでは詳細な構成の説明を省略する。
【0026】
ユーザインターフェース部4は、遊技媒体貸出装置1の略中央、かつ遊技媒体貸出装置1の前面に配置される。そしてユーザインターフェース部4は、液晶ディスプレイなどの表示装置で構成される。またユーザインターフェース部4は、テンキーなどの入力装置を備えてもよく、あるいは、タッチパネルディスプレイなどのように、入力装置と表示装置が一体として構成されるものでもよい。そしてユーザインターフェース部4は、制御部6から受信した情報に基づき、コイン処理部2に投入されたコインから読み取った有価価値の残高、紙幣識別部3に投入された紙幣の額、貸し出される遊技媒体の量などを表示する。またユーザインターフェース部4は、表示装置を通じて暗証番号の入力を遊技者に求め、入力装置を通じて入力された暗証番号を制御部6に送信するように構成してもよい。
【0027】
貯留ボタン5は、コイン処理部2のリサイクル通路13内に残高の無いコインを投入するために使用される。貯留ボタン5が押下されると、そのことを示す信号が制御部6に送信され、制御部6は、コイン処理部2のシャッタ22を開口させるなどして、リサイクル通路13内へのコインの投入を可能とする。また、貯留ボタン5は、公知の様々なボタンスイッチにて構成することができる。
【0028】
制御部6は、遊技媒体貸出装置1の内部に配置され、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを有する電子回路で構成される。そして制御部6は、遊技媒体貸出装置1の各部を制御する。具体的には、遊技媒体貸出装置1は、コイン処理部2から受信した有価価値情報に示された有価価値の残高の範囲で、遊技媒体を貸し出す命令を遊技機110に送信する。また、紙幣識別部3から受信した有価価値に基づいて、コイン処理部2に投入されたコインなどの残高を更新する。さらに、有価価値の残高を書き換えたコインについて、その識別情報と有価価値の残高などを有価価値記録媒体管理装置130へ送信し、履歴情報として記憶させる。
【0029】
以下、遊技媒体貸出装置1の動作を説明する。なお、以下に説明する動作は、制御部6によって制御される。
図9に、有価価値の残高のあるコインが投入された場合の遊技媒体貸出装置1の動作フローチャートを示す。
初期状態として、遊技媒体貸出装置1は待機状態となっている。この場合、返却通路用フラッパ14及びリサイクル通路用フラッパ15はともに閉じている。また、第1検知部11には、コインが存在しない。リサイクル通路13には、残高の無いコインが1枚以上貯留されており、そのうちの最も下流に位置するコインが第2検知部17に係止されている。
【0030】
制御部6は、まず、投入センサ20がONとなったか否かを調べる(ステップS01)。投入センサがOFFである場合には、遊技媒体貸出装置1は、ステップS01を繰り返し実行する。一方、ステップS01において、投入センサ20がONとなった場合、制御部6は、シャッタ22を閉じ、コインが追加投入されることを防止する(ステップS02)。
【0031】
次に制御部6は、ソレノイド24を駆動して、遮蔽板23を遮蔽位置に移動させる(ステップS03)。その後、遮蔽板23が遮蔽位置に移動したことが確認されると、制御部6は、遊技機110の返却ボタン111が押下されたか否かを判定する(ステップS04)。返却ボタン111が押下されたことを、遊技機110から制御部6が受信すると、制御部6は、返却通路用フラッパ14を開放し、第1検知部11に有るコインを返却口16へ排出する(ステップS12)。返却通路用フラッパ14が開放されてから、一定期間(例えば、3秒間)経過後、制御部6は、返却通路用フラッパ14を閉じ、遮蔽板23を退避位置へ移動させる(ステップ13)。そして、待機状態へと戻る。
【0032】
一方、ステップS04において、返却ボタンが押下されていない場合、制御部6は、遊技機110の玉貸ボタン112が押下されたか否かを判定する(ステップS05)。そして、返却ボタン111も玉貸ボタン112も押下されていない場合には、制御部6は、返却ボタン111または玉貸ボタン112が押下されるまでステップS04〜S05を繰り返す。
【0033】
一方、ステップS05において、玉貸ボタン112が押下されたことを、遊技機110から制御部6が受信すると、制御部6は、アンテナ19を通じて、第1検知部に係止されているコインから、そのコインの識別情報及び有価価値情報を読み出す(ステップS06)。そして、制御部6は、遊技機110に対して、1回当たりの貸出量に相当する遊技媒体を貸し出す命令を送信する。また制御部6は、有価価値情報に記された有価価値の残高から所定価値を差し引いた残りの残高をコイン処理部2へ送信し、アンテナ19を通じて第1検知部11に係止されたコインに書き込む(ステップS07)。ここで、遮蔽板23が遮蔽位置に配置されているので、アンテナ19は、第2検知部17に係止されているコインと通信することができない。そのため、アンテナ19は、第1検知部11に係止されているコインのみと通信することができる。
また制御部6は、その残りの残高をユーザインターフェース部4に表示させる。さらに制御部6は、ステップS06でコインから読み取った識別情報とともに、更新された有価価値の残高を、有価価値記録媒体管理装置130に送信する。有価価値記録媒体管理装置130では、受信した識別情報で特定されるコインの履歴情報に、受信した有価価値の残高を書き込み、その履歴情報を更新する。
【0034】
その後、制御部6は、そのコインの残高が、残っているか否かを調べる(ステップS08)。残高が残っている場合、制御部6は、遊技媒体貸出装置1の制御をステップS04へ戻す。一方、ステップS08において、第1検知部11に存在するコインの残高が残っていない場合、制御部6は、リサイクル通路用フラッパ15を開放し、第1検知部11に係止されたコインをリサイクル通路13に回収する(ステップS09)。それに伴い、投入センサ20はOFFとなる。
リサイクル通路用フラッパ15が開放されてから、一定期間(例えば、300ミリ秒間)経過後、制御部6は、ソレノイド24を駆動して、遮蔽板23を退避位置へ移動させる(ステップS10)。また、制御部6は、リサイクル通路用フラッパ15を閉じ、シャッタ22を開放する(ステップS11)。そして待機状態へと戻る。
【0035】
次に、有価価値の残高のあるコインを投入する代わりに、紙幣識別装置3に紙幣が投入された場合の遊技媒体貸出装置1の動作を、図10に示したフローチャートを参照しつつ説明する。
初期状態として、遊技媒体貸出装置1は待機状態となっている。この場合、返却通路用フラッパ14及びリサイクル通路用フラッパ15はともに閉じている。また、第1検知部11には、コインが存在しない。リサイクル通路13には、残高の無いコインが1枚以上貯留されており、そのうち最下流に位置するコインが、第2検知部17に係止されている。
【0036】
制御部6は、紙幣識別部3に紙幣が投入されると、コインが追加投入されないように、シャッタ22を閉じる(ステップS21)。次に制御部6は、遮蔽板23が退避位置にいるか遮蔽位置にいるか判定する(ステップS22)。この判定は、上記のように、位置検出センサからのセンサ信号を参照することにより判定することができる。そして、遮蔽板23が遮蔽位置に配置されていると判定した場合、制御部6は、遮蔽板23を退避位置へ移動させる(ステップS23)。その後、制御部6は、第2検知部17に係止されたコインの有価価値の残高を、紙幣識別部3から受信した投入額に相当する値に更新し、アンテナ19を通じてそのコインに更新された有価価値の残高を書き込む(ステップS24)。なお、この場合、第1検知部11にはコインが存在しないので、アンテナ19は、第2検知部17に係止されたコインとのみ通信を行う。さらに制御部6は、その新たな残高をユーザインターフェース部4に表示させる。さらに制御部6は、アンテナ19を通じて第2検知部17に係止されたコインから識別情報を読み取り、更新された有価価値の残高とともに有価価値記録媒体管理装置130に送信する。有価価値記録媒体管理装置130では、受信した識別情報で特定されるコインの履歴情報に、受信した有価価値の残高を書き込み、その履歴情報を更新する。
【0037】
その後、制御部6は、遊技機110の返却ボタン111が押下されたか否かを判定する(ステップS25)。返却ボタン111が押下されたことを、遊技機110から制御部6が受信すると、制御部6は、ストッパ18のストッパピン18aをリサイクル通路13の外へ退避し、ストッパピン18bをリサイクル通路13内に突出させる。そして、第2検知部17に有るコインを返却口16へ排出する(ステップS30)。その後、制御部6は、ストッパ18のストッパピン18bをリサイクル通路13の外へ退避し、ストッパピン18aをリサイクル通路13内に突出させ、リサイクル通路13内に貯留されているコインを第2検知部17へ誘導する(ステップS31)。また制御部6は、シャッタ22を開放する。その後、待機状態へと戻る。
【0038】
一方、ステップS25において、返却ボタン111が押下されていない場合、遊技機110の玉貸ボタン112が押下されたか否かを判定する(ステップS26)。玉貸ボタン112も押下されていない場合には、制御部6は、返却ボタン111または玉貸ボタン112が押下されるまでステップS25〜S26を繰り返す。
【0039】
ステップS26において、玉貸ボタン112が押下されたことを、遊技機110から制御部6が受信すると、制御部6は、遊技機110に対して、1回当たりの貸出量に相当する遊技媒体を貸し出す命令を送信する。また制御部6は、有価価値の残高から1回当たりの貸出量に相当する所定価値を差し引いた残りの残高をコイン処理部2へ送信し、アンテナ19を通じて第2検知部17に係止されたコインに書き込む(ステップS27)。また制御部6は、そのコイン識別情報とともに、更新された有価価値の残高を有価価値記録媒体管理装置130に送信する。有価価値記録媒体管理装置130では、受信した識別情報で特定されるコインの履歴情報に、受信した有価価値の残高を書き込み、その履歴情報を更新する。
【0040】
その後、制御部6は、そのコインの残高が残っているか否かを調べる(ステップS28)。残高が残っている場合、制御部6は、遊技媒体貸出装置1の制御をステップS24へ戻す。一方、ステップS28において、第2検知部17に係止されたコインの残高が残っていない場合、制御部6は、シャッタ22を開放し(ステップS29)、遊技媒体貸出装置1を待機状態に戻す。
【0041】
以上説明してきたように、本発明を適用した遊技媒体貸出装置は、一つのアンテナを用いて、第1検知部11と第2検知部17の二つの検知部の何れかに係止されたコインと情報の読み書きを行うことができる。特に、両検知部にコインが係止された場合には、遮蔽板23で第2検知部17に係止されたコインとアンテナ19との通信を阻害することにより、第1検知部11に係止されたコインのみを対象として、有価価値情報の更新などを行うことができる。そのため、係る遊技媒体貸出装置1は、コインが有価価値情報しか持たない場合であっても、記録された情報を更新するコインを特定して、残高の減額または増額、残高のなくなったコインの回収などの複数の処理を行うことができる。
【0042】
なお、上述してきた実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。例えば、遮蔽板をソレノイドで駆動する代わりに、ステッピングモータを用いて駆動するようにしてもよい。また、遮蔽板の構造も、上記の実施例に限られない。遮蔽板は、第1検知部にコインが存在する場合に、アンテナと第2検知部に係止されたコインの間に配置され、第1検知部にコインが存在しない場合には、アンテナと第2検知部に係止されたコインの間を遮らない場所に配置されるように構成されるのであれば、如何なる構造を有してもよい。
【0043】
さらに、上記の実施形態では、各コイン自体に、有価価値の残高が記録されていたが、有価価値の残高を、各コインの識別情報と関連付けて、有価価値記録媒体管理装置が備える記録装置に記憶するようにしてもよい。この場合、遊技媒体貸出装置は、第1または第2検知部に係止されたコインから、有価価値情報を読み出す代わりに、そのコインの識別情報のみを読み出す。そして、遊技媒体貸出装置は、有価価値記録媒体管理装置に読み込んだコインの識別情報を送信する。有価価値記録媒体管理装置では、受け取った識別情報を参照して、そのコインに対応する有価価値の残高を記録装置から読み出し、遊技媒体貸出装置へ送信する。遊技媒体貸出装置は、玉貸ボタンの押下または紙幣の投入により、有価価値の残高を更新すると、その更新された残高を、コインに書き込む代わりに、対応するコインの識別情報とともに有価価値記録媒体管理装置へ送信する。そして、有価価値記録媒体管理装置は、受信した識別情報に関連付けて記憶された有価価値の残高を、受信した残高に更新する。なお、第1または第2検知部の何れに係止されたコインから識別情報を読み出すかについては、上記の実施形態と同様に決定することができる。すなわち、有価価値の残高のあるコインが第1検知部に投入された場合は、遮蔽板を遮蔽位置へ移動して第2検知部に係止されたコインとアンテナの通信を阻害し、第1検知部に係止されたコインから識別情報を読み出す。また、紙幣識別部に紙幣が投入されると、シャッタを閉じてコインの追加投入を防止するとともに、遮蔽板を退避位置へ移動して、第2検知部に係止されたコインから識別情報を読み出す。
このように、本発明の範囲内で、様々な修正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明を適用した遊技媒体貸出装置の概略斜視図である。
【図2】本発明を適用した遊技媒体貸出装置の設置状態を表す概略図である。
【図3】本発明を適用した遊技媒体貸出装置の機能ブロック図である。
【図4】本発明を適用した遊技媒体貸出装置で使用されるコインの概略構成図である。
【図5】コイン処理部の概略側面透過図である。
【図6】(a)及び(b)は、ストッパを上面から見た概略構成図である。
【図7】(a)〜(c)は、それぞれ、遮蔽板及びソレノイドの概略斜視図、概略底面図、及びリサイクル通路側から見た概略側面図である。
【図8】(a)及び(b)は、それぞれ、アンテナ側から見た、遮蔽板が遮蔽位置に位置する場合及び退避位置に位置する場合の遮蔽板及びソレノイドの概略側面図である。
【図9】有価価値の残高のあるコインが投入された場合における、遊技媒体貸出装置の動作フローチャートである。
【図10】紙幣が投入された場合における、遊技媒体貸出装置の動作フローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
1 遊技媒体貸出装置
2 コイン処理部
3 紙幣識別部
4 ユーザインタフェース部
5 貯留ボタン
6 制御部
7 コイン
8 ICタグ
10 コイン投入口
11 第1検知部
12 返却通路
13 リサイクル通路
14 返却通路用フラッパ
15 リサイクル通路用フラッパ
16 コイン返却口
17 第2検知部
18 ストッパ
18a、18b ストッパピン
18c、18d 支持部材
18e ストッパ筐体
19 アンテナ
20 投入センサ
21 コイン有無センサ
22 シャッタ
23 遮蔽板
23a 遮蔽板保持部
23b 支点
23c コインセンサ穴
23d 位置センサ爪
24 ソレノイド
24a シャフト
110、120 遊技機
111 返却ボタン
112 玉貸ボタン
130 有価価値記録媒体管理装置
C、C1、C2 コイン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体貸出装置であって、
有価価値の残高を表す有価価値情報を記録した有価価値記録媒体を係止する第1検知部と、
前記第1検知部に係止された有価価値記録媒体の有無を検知するセンサと、
前記第1検知部と接続され、前記第1検知部から流下した有価価値記録媒体を貯留する第1の通路と、
前記第1の通路に設けられ、貯留された有価価値記録媒体を係止する第2検知部と、
前記第1検知部及び前記第2検知部に近接して配置され、前記第1検知部または前記第2検知部に係止された有価価値記録媒体から、前記有価価値情報を読み出し、あるいは前記有価価値情報を該有価価値記録媒体に書き込むアンテナと、
前記アンテナによる前記第2検知部に係止された有価価値記録媒体の前記有価価値情報の読み取り及び書き込みを防止する遮蔽位置と、前記アンテナによる前記第2検知部に係止された有価価値記録媒体の前記有価価値情報の読み取り及び書き込みを可能にする退避位置との間を移動可能に設置される遮蔽部と、
前記センサが前記第1検知部に係止されている有価価値記録媒体を検知した場合、前記遮蔽部を前記遮蔽位置へ移動させて前記第1検知部に係止されている有価価値記録媒体を処理対象記録媒体とし、前記センサが前記第1検知部に係止されている有価価値記録媒体を検知しない場合、前記遮蔽部を前記退避位置へ移動させて前記第2検知部に係止されている有価価値記録媒体を該処理対象記録媒体とし、該処理対象記録媒体から読み出した有価価値情報から所定の貸出量に相当する有価価値を減算して該有価価値情報を更新し、更新された有価価値情報を該処理対象記録媒体に書き込み、且つ該所定の貸出量に相当する量の遊技媒体を遊技者に貸し出す命令を遊技機に送信する制御部と、
を有することを特徴とする遊技媒体貸出装置。
【請求項2】
前記制御部と接続され、前記制御部に有価価値残高の追加情報を送信する残高追加部と、
前記第1検知部へ有価価値記録媒体を投入する投入口を開閉するシャッタとををさらに有し、
前記制御部は、前記残高追加部から前記追加情報を受信すると、前記シャッタを閉じて前記第1検知部への有価価値記録媒体の投入を防止し、かつ、前記遮蔽部を前記退避位置へ移動して、前記第2検知部に係止された有価価値記録媒体に、前記追加情報に基づいて更新された有価価値情報を書き込む、請求項1に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項3】
投入された有価価値記録媒体を係止する第1検知部と、前記第1検知部に係止された有価価値記録媒体の有無を検知するセンサと、前記第1検知部と接続され、前記第1検知部から流下した有価価値記録媒体を貯留する第1の通路と、前記第1の通路に設けられ、貯留された有価価値記録媒体を係止する第2検知部と、前記第1検知部または前記第2検知部に係止された有価価値記録媒体に記録された、有価価値の残高を表す有価価値情報の読み出しまたは書き込みを行うアンテナと、前記アンテナによる前記第2検知部に係止された有価価値記録媒体の前記有価価値情報の読み取り及び書き込みを防止する遮蔽位置と、前記アンテナによる前記第2検知部に係止された有価価値記録媒体の前記有価価値情報の読み取り及び書き込みを可能にする退避位置との間を移動可能に設置される遮蔽部と、を有する遊技媒体貸出装置の制御方法であって、
前記センサにより、前記第1検知部に有価価値記録媒体が係止されているか否かを検出するステップと、
前記第1検知部に有価価値記録媒体が係止されていることを検出した場合、前記遮蔽部を前記遮蔽位置へ移動して前記第1検知部に係止された有価価値記録媒体を処理対象記録媒体とし、前記第1検知部に有価価値記録媒体が係止されていないことを検出した場合、前記遮蔽部を前記退避位置へ移動して前記第2検知部に係止された有価価値記録媒体を処理対象記録媒体とするステップと、
前記処理対象記録媒体から前記有価価値情報を取得するステップと、
前記有価価値情報から所定の貸出量に相当する有価価値を減算して該有価価値情報を更新するステップと、
前記処理対象記録媒体に更新された有価価値情報を書き込むステップと、
前記所定の貸出量に相当する量の遊技媒体を遊技者に貸し出す命令を遊技機に送信するステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項4】
遊技媒体貸出装置であって、
記録媒体を係止する第1検知部と、
前記第1検知部に係止された記録媒体の有無を検知するセンサと、
前記第1検知部と接続され、前記第1検知部から流下した記録媒体を貯留する第1の通路と、
前記第1の通路に設けられ、貯留された記録媒体を係止する第2検知部と、
前記第1検知部及び前記第2検知部に近接して配置され、前記第1検知部または前記第2検知部に係止された記録媒体から、該記録媒体を他の記録媒体と識別するための識別情報を読み出すアンテナと、
前記アンテナが前記第2検知部に係止された記録媒体から前記識別情報を読み取ることを防止する遮蔽位置と、前記アンテナが前記第2検知部に係止された記録媒体から前記識別情報を読み取ることを可能にする退避位置との間を移動可能に設置される遮蔽部と、
前記識別情報に関連付けて有価価値の残高を記憶する記憶部と、
前記センサが前記第1検知部に係止されている記録媒体を検知した場合、前記遮蔽部を前記遮蔽位置へ移動させて前記第1検知部に係止されている記録媒体を処理対象記録媒体とし、前記センサが前記第1検知部に係止されている記録媒体を検知しない場合、前記遮蔽部を前記退避位置へ移動させて前記第2検知部に係止されている記録媒体を該処理対象記録媒体とし、該処理対象記録媒体から読み出した前記識別情報に基づいて、前記記憶部から該識別情報に対応する有価価値の残高を読み出し、該残高から所定の貸出量に相当する有価価値を減算して該有価価値の残高を更新し、更新された有価価値の残高を前記記憶部に書き込み、且つ該所定の貸出量に相当する量の遊技媒体を遊技者に貸し出す命令を遊技機に送信する制御部と、
を有することを特徴とする遊技媒体貸出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−50397(P2009−50397A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−218837(P2007−218837)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】