説明

遊技島台の構造

【目的】 下側部分を空洞化した島台本体において、島台本体の補修や修繕における作業効率を低下させることなく、島台本体の剛性を高めることができる遊技島台の構造を提供する。
【解決手段】 一対の本柱3aからなる木製の複数の本柱ユニット14と、一対の浮き柱3bからなる木製の浮き柱ユニット15と、によって島台本体1を構成し、各ユニット14,15の柱3a,3bの外側面に取り付けられた支持板27によってカウンター板6の下面側を支持すると共に、カウンター板6の上面と該カウンター板6の上面側における浮き柱3bの外側面とを取付金具23で連結する。これにより、下側部分を空洞化した島台本体1において、島台本体1の補修や修繕における作業効率を低下させることなく、島台本体1の剛性を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長手方向側面に複数の遊技機が列設される島台本体が遊技場の床面上に設けられる土台に固定されると共に、前記島台本体の下側部分が空洞化された遊技島台の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に、複数の遊技機が列設される遊技島台の島台本体は、垂直状に立設される木製の複数の支柱と該複数の支柱間を水平状に架け渡される木製の複数の桟木とが直方体状に枠組みして構成される。このような島台本体には、特許文献1に開示されているように、遊技機下側となるカウンター板の下方に配置される腰板と遊技場の床面との間に遊技者の足先を入れ込むのに充分な隙間を設けて空洞化したものや、特許文献2に開示されているように、島台本体の支柱として金属製のものを用いることで一般的な木製の支柱に比べて剛性を高め、これによって腰板を設けることなくカウンター板の下方空間を広く空洞化したものが提案されている。なお、このように島台本体の下側部分を空洞化した構成では、遊技島台を含んだ遊技場全体での空気循環を良くすることができるという効果がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭51−13880号公報(図1、図2)
【特許文献2】特開2009−291384号公報(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した下側部分を空洞化した島台本体において、特許文献1の構成では、木製の支柱を用いることで補修や修繕を行うような場合でもその軽量な材質から比較的容易に作業を行うことができる。しかしその反面、金属材料に比べて大幅に強度が落ちることで、島台本体の剛性が低下するという問題が生じる。具体的には、カウンター板上に載置される玉箱の過重はもとより、遊技機の前面枠を開放した際に遊技島台の外側にかかる過重や、遊技島台を点検する際に作業者がカウンター板に足をかけたときの過重等、多様な過重が島台本体にかかると、空洞化された部分で木製材料がしなってしまい、カウンター板の垂れ下がりに起因して島台本体に歪みや変形が生じるという問題が生じる。一方、特許文献2の構成は、その逆であり、島台本体の剛性を高めることができる反面、材質が重くなってしまうことで、支柱の搬入作業等を含めて補修や修繕における作業効率が低下するという問題が生じる。
本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、下側部分を空洞化した島台本体において、島台本体の補修や修繕における作業効率を低下させることなく、島台本体の剛性を高めることができる遊技島台の構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した目的を達成するために、請求項1の発明においては、長手方向側面に複数の遊技機が列設される島台本体が遊技場の床面上に設けられる土台に固定されると共に、前記島台本体の下側部分が空洞化された遊技島台の構造であって、前記土台は、アンカーボルトによって前記床面上に固定される金属製の複数のアンカーベースを備え、前記島台本体は、前記複数のアンカーベースの各々に対して、直接的に又は前記アンカーベースに取り付けられる金属柱を介して間接的に前記床面上に対し垂直状に取り付けられ且つ短手方向に所定間隔を有した一対の本柱からなる木製の複数の本柱ユニットと、前記島台本体の長手方向において隣り合う2つの前記本柱ユニットの間に配置され且つ列設される遊技機の横幅寸法とほぼ同等の寸法の間隔を有して配置されてその下端が前記床面から所定間隔あけて前記床面上に対し垂直状に配置され且つ短手方向に所定間隔を有した一対の浮き柱からなる木製の浮き柱ユニットと、前記複数の本柱ユニット及び前記浮き柱ユニットと直交した状態で当該各ユニットの柱を連結するように架け渡されて前記各ユニットの柱の外側面に取り付けられる木製の桟木と、前記複数の本柱ユニット及び前記浮き柱ユニットと直交した状態で当該各ユニットの柱を連結するように架け渡されて前記各ユニットの柱の外側面に取り付けられ、前記遊技機及び該遊技機から払い出されるパチンコ玉を収容するための玉箱、又は前記遊技機としてのスロット機の筐体を載置する長板形状のカウンター板と、前記本柱及び前記浮き柱とほぼ同一の厚み寸法に形成されると共に、当該各柱の外側面に取り付けられて前記カウンター板をその下面側から支持する支持板と、前記カウンター板の上面を前記浮き柱の外側面とを連結する連結具と、前記カウンター板の高さ位置から前記浮き柱の下端位置までの高さ寸法を有すると共に前記各ユニットの柱を連結するように架け渡されて当該各ユニットの柱の内側面に取り付けられる一対の側壁板と、該一対の側壁板の下端を連結する底壁板と、を有して、前記遊技機から排出されるパチンコ玉やコインを回収する回収手段の収納空間を形成する収納空間形成部材と、を備え、前記収納空間の下端位置から下方の部分が空洞化して形成されることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2の発明においては、請求項1記載の遊技島台の構造において、前記島台本体は、さらに、前記カウンター板の下面と前記支持板の上端面との間に介在されて前記各ユニットの柱を連結するように架け渡される金属製の補強材を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明においては、土台を構成する複数のアンカーベースの各々に対して、直接的に又はアンカーベースに取り付けられる金属柱を介して間接的に床面上に対し垂直状に取り付けられ且つ短手方向に所定間隔を有した一対の本柱からなる木製の複数の本柱ユニットと、島台本体の長手方向において隣り合う2つの本柱ユニットの間に配置され且つ列設される遊技機の横幅寸法とほぼ同等の寸法の間隔を有して配置されてその下端が床面から所定間隔あけて床面上に対し垂直状に配置され且つ短手方向に所定間隔を有した一対の浮き柱からなる木製の浮き柱ユニットと、によって島台本体を構成し、複数の本柱ユニット及び浮き柱ユニットと直交した状態で当該各ユニットの柱を木製の桟木及びカウンター板で連結する。そして、一対の側壁板及び底壁板からなる収納空間形成部材によってカウンター板の高さ位置から浮き柱の下端位置までの高さ寸法で回収手段の収納空間を形成して、該収納空間の下端位置から下方の部分を空洞化する。このため、下側部分を空洞化した島台本体の支柱を木製材料で構成することにより、島台本体の補修や修繕における作業効率の低下を抑制することができる。また、このような島台本体の下側部分を空洞化した構成において、各ユニットの柱の外側面に取り付けられた支持板によってカウンター板の下面側を支持すると共に、カウンター板の上面と該カウンター板の上面側における浮き柱の外側面とを連結具で連結する。これにより、金属材料に比べて大幅に強度が落ちる木製材料で島台本体の支柱を構成したにも拘わらず、島台本体の剛性を高めることができ、結果として、島台本体に歪みや変形が生じることを回避することができる。
【0008】
また、請求項2の発明においては、カウンター板の下面と支持板の上端面との間で各ユニットの柱を連結するように金属製の補強材を介在して設ける。これにより、島台本体を構成する各ユニットの柱間に掛け渡されて各ユニット間を連結するようにして取り付けられるカウンター板の強度を高めることができ、結果として、下側部分を空洞化した島台本体の剛性をより一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】遊技島台の島台本体の内部構造を示す斜視図である。
【図2】遊技島台の島台本体の内部構造を示す一部分解斜視図である。
【図3】島台本体を構成する島台ユニットを示す斜視図である。
【図4】島台ユニットを構成する本柱ユニットを示す側面図である。
【図5】島台ユニットを構成する浮き柱ユニットを示す側面図である。
【図6】島台ユニットを示す側面斜視図である。
【図7】島台ユニットを示す一部分解斜視図である。
【図8】島台ユニットを示す部分拡大斜視図である。
【図9】島台ユニットを示す部分拡大斜視図である。
【図10】島台ユニットを示す部分拡大斜視図である。
【図11】本柱ユニット及び土台を示す一方斜視図である。
【図12】本柱ユニット及び土台を示す他方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1乃至図12を参照して、本実施形態に係る遊技島台Aの島台本体1の構成について説明する。図1は、島台本体1の内部構造を示す斜視図である。図2は、島台本体1の内部構造を示す一部分解斜視図である。図3は、島台本体1を構成する島台ユニット1aを示す斜視図である。図4は、島台ユニット1aを構成する本柱ユニット14を示す側面図である。図5は、島台ユニット1aを構成する浮き柱ユニット15を示す側面図である。図6は、島台ユニット1aを示す側面斜視図である。図7は、島台ユニット1aを示す一部分解斜視図である。図8乃至図10は、それぞれ島台ユニット1aを示す部分拡大斜視図である。図11は、本柱ユニット14及び土台2を示す一方斜視図である。図12は、本柱ユニット14及び土台2を示す他方斜視図である。
【0011】
図1及び図2に示すように、遊技島台Aは、周知のように、遊技場の床面上に垂直状に立設される木製の複数の支柱3と、該複数の支柱3間を水平状に架け渡されるカウンター板6及び木製の複数の桟木4,5等とを直方体状に枠組み構成して長手方向側面に複数の遊技機(図示しない)が列設される島台本体1が、該島台本体1の長手方向に沿って所定間隔をあけて遊技場の床面上に並設される複数のアンカーベース45(図1及び図2中には、3つのアンカーベース45を図示)を備えてなる土台2に固定される。遊技場の床面は、概ね完全なる水平面ではなく若干なりとも波打った状態である。このため、土台2を構成する複数のアンカーベース45は、その上面位置が水平となるように個々に高さ寸法が設定されて床面上に並設され、これによって島台本体1が床面上に垂直に設置されるようになっている。そして、複数のアンカーベース45をそれぞれアンカーボルト44で固定することにより直方体状に枠組み形成された島台本体1が遊技場の床面に固定される。なお、このような土台2の構成について後で詳述する。
【0012】
島台本体1は、2つの島台ユニット1aが相互に連結して構成されている。島台ユニット1aは、図3乃至図6に示すように、所定間隔をおいて上部連結板11、中央連結板12、及び下部連結板13で2本の支柱3が連結されてなる左右側端の本柱ユニット14(図4参照)と、所定間隔をおいて上部連結板11及び中央連結板12で2本の支柱3が連結されてなる中央の浮き柱ユニット15(図5参照)と、を備えており、浮き柱ユニット15を構成する一対の支柱3は、下部連結板13で連結されない分(支柱3の下側部分)だけ本柱ユニット14を構成する一対の支柱3に比べて高さ寸法が短く設定されている。なお、以下の説明では、本柱ユニット14を構成する支柱3を本柱3aともいい、浮き柱ユニット15を構成する支柱3を浮き柱3bともいう。
【0013】
また、本柱ユニット14は、一対の本柱3a及び中央連結板12の外形に沿ったH形状をなす金属柱41がビス止めされ、一対の本柱3aが床面上に対し垂直状になるように金属柱41を介して土台2(アンカーベース45)に取り付けられる。但し、島台本体1は、2つの島台ユニット1aの連結によって構成されることで、後述するような相互に連結される2つの本柱ユニット14に対しては、1つの金属柱41のみが取り付けられる(図1参照)。また、金属柱41には、該金属柱41を本柱3aにビス止めするためのビス止め穴42が複数穿設されており、金属柱41の下端部分には、アンカーボルト44を介して金属柱41をアンカーベース45に固定するための取付穴43が複数穿設されている。取付穴43は、土台2(床面)に対する島台ユニット1aの高さ位置が調整可能なように上下方向に伸びた長穴形状に形成されている。
【0014】
上記した左右の本柱ユニット14及び中央の浮き柱ユニット15の外側面には、それぞれ複数の遊技機を取り付けるための上側桟木5と、カウンター板6と、が遊技機の高さ寸法とほぼ同一の間隔をあけて島台本体1(島台ユニット1a)の長手方向に沿って掛け渡されている。また、各柱ユニット14,15の下側部分には、浮き柱ユニット15を構成する浮き柱3bの下端外側面と本柱ユニット14を構成する下部連結板13の上端位置に対応する本柱3aの外側面とを繋ぐようにして桟木としての角棒形状の下側桟木4が設けられている。なお、浮き柱ユニット15を構成する一対の浮き柱3bは、本柱ユニット14が土台2に取り付けられた状態で、島台本体1の長手方向において隣り合う2つの本柱ユニット14の間に配置され且つ列設される遊技機の横幅寸法とほぼ同等の寸法の間隔を有してその下端が床面から所定間隔あけて床面上に対し垂直状に配置される。
【0015】
上側桟木5は、本柱ユニット14及び浮き柱ユニット15を構成する支柱3の上端外側面に連結板16を介して取り付けられている。連結板16の取付位置となる上側桟木5の上面部分には、所定の高さ寸法を有した立壁板17が立設され、該立壁板17の上端部分を繋ぐように掛け渡されて天板18が取り付けられている。そして、このようにして支柱3の上端に設けられる上側桟木5及び天板18は、遊技機の上方に配置される図示しない補給樋等を覆い隠すための幕板(図示しない)を取り付けるための固定枠として機能するようになっている。
【0016】
一方、カウンター板6は、本柱ユニット14を構成する中央連結板12と下部連結板13とのほぼ真ん中の高さ位置で各柱ユニット14,15の支柱3の外側面に取り付けられている。カウンター板6は、図7乃至図9に示すように、支柱3との取付側となるその上面部分に、上下二層の補強板21,22が一体的に取り付けられている。下側の補強板22は、カウンター板6における支柱3との取付側となる一端(後端)から他端(前端)側に向けてカウンター板6の短手方向の幅寸法の1/3程度の幅寸法に設定されている。上側の補強板21は、補強板22の前端位置から後端側(支柱3との取付側)に向けて補強板22の1/2程度の幅寸法に設定されている。このため、上下二層の補強板21,22は、支柱3との取付側に向けて下り段差状に形成されている。
【0017】
そして、補強板21,22が一体的に取り付けられたカウンター板6は、上下二層の補強板21,22における下段差面となる補強板22の上面部分であり且つ各柱ユニット14,15の支柱3と対応する部分に、連結具としてのL字状の取付金具23の下辺23aがビス止めされ、この状態で取付金具23の側辺23bが支柱3の外側面にビス止めされることで、各柱ユニット14,15の支柱3の外側面に取り付けられる。なお、補強板21,22の前端位置から前方に延びるカウンター板6の上面部分は、遊技機から払い出されるパチンコ玉を収容する玉箱を載置するために水平状に突設されており、その外周部分には装飾用の枠体24が嵌装されている。また、補強板21,22の上面には、遊技機が設置される。
【0018】
また、カウンター板6の後端側の下面には、図10に示すように、各柱ユニット14,15の支柱3を繋ぐようにして角棒形状の連結補強部材25と、金属製の補強材としての断面L字形状の補強金属棒26と、が設けられている。連結補強部材25は、その下面部分に補強金属棒26の下辺26aが当接されると共に側面部分に補強金属棒26の側辺26bが当接され、この状態で補強金属棒26が取付穴26c(図7参照)を介してビス止めされることで、補強金属棒26と一体的に構成されている。そして、このように補強金属棒26が一体的となった連結補強部材25は、その上面部分がカウンター板6の後端側の下面に接着剤で接着されることで、各柱ユニット14,15を連結するカウンター板6の長手方向における強度を向上するようになっている。
【0019】
なお、このような連結補強部材25及び補強金属棒26の取付方法としては、先ず、各柱ユニット14,15の支柱3及び後述の支持板27と対応する位置に穿設された取付穴27cを介して補強金属棒26を支柱3及び支持板27にビス止めし、支柱3及び支持板27との取り付け以外となる下辺26a及び側辺26bの取付穴27cを介して補強金属棒26に連結補強部材25をビス止めするようにしてもよい。さらに、この場合では、補強金属棒26の下辺26aに対して連結補強部材25を取り付けるためのビスとして長めのものを用いることで、補強金属棒26と連結補強部材25とカウンター板6とを一体的にビス止めするようにしてもよい。
【0020】
また、カウンター板6の下方に位置する支柱3の外側部分には、島台本体1(島台ユニット1a)に列設される遊技機の横幅寸法とほぼ同等の寸法の下方空間を仕切るようにして支持板27が取り付けられている。支持板27は、その厚み寸法が各柱ユニット14,15の支柱3とほぼ同一に形成されており、該支持板27の上端部分が、上記したカウンター板6の後端側の下面に取り付けられる補強金属棒26の下辺26aと当接した状態で、各柱ユニット14,15の支柱3の外側面に支持板27が取り付けられる。これにより、支持板27は、カウンター板6をその下面側から支持するようになっている。また、支持板27の取付先となる本柱ユニット14又は浮き柱ユニット15に応じて、支持板27の高さ寸法が異なって設定されている。本柱ユニット14に取り付けられる支持板27(支持板27a)は、その下端部分が前記下側桟木4と当接する高さ寸法に設定されている。一方、浮き柱ユニット15に取り付けられる支持板27(支持板27b)は、その下端部分が補強金属棒26と下側桟木4とのほぼ真ん中に位置する高さ寸法に設定されている。また、補強金属棒26が一体的に取り付けられた連結補強部材25の前面から前方に突出する支持板27の部分とカウンター板6の下面との間には、その隙間を埋めるようにして連結補強板28が設けられており、該連結補強板28による支持板27とカウンター板6と連結補強部材25との連結によって、本柱ユニット14及び浮き柱ユニット15に対するカウンター板6の取付強度を向上するようになっている。
【0021】
また、島台ユニット1aの下側部分(カウンター板6より下側の部分)には、その内部に直方体状の空間ができているが、その空間の内側両面には、各柱ユニット14,15の支柱3を連結するように架け渡されて収納空間形成部材としての左右一対の側壁板29が取り付けられ、また、その下端部分(下側桟木4と同一の高さ位置)に、左右一対の側壁板29の下端を連結するように収納空間形成部材としての底壁板30が取り付けられることにより、収容空間31が形成される(図3乃至図6参照)。なお、収容空間31を形成する側壁板29は、カウンター板6の高さ位置から浮き柱3bの下端位置、言い換えれば下側桟木4の高さ位置までの高さ寸法に形成されており、これによって、左右一対の側壁板29及び底壁板30から形成される収容空間31の下端位置から下方の部分は、空洞化して形成されている。そして、収納空間31には、遊技機から排出されるパチンコ玉を回収するための図示しない回収樋(回収手段)が傾斜状に敷設して収納される。また、収納空間31の外周には、回収樋や島台本体1で循環使用されるパチンコ玉を貯留するための図示しない貯留タンク等を覆い隠すための横長方形状に形成された複数の腰板(図示しない)が取り付けられる。
【0022】
しかして、以上説明した下側桟木4、上側桟木5、カウンター板6等によって枠組みされる本柱ユニット14及び浮き柱ユニット15からなる島台ユニット1aは、複数(図示の場合には、2つ)が相互に連結されて島台本体1を構成するようになっている。具体的に、一方の島台ユニット1aの長手方向における一側端面、即ち、島台ユニット1aの右端の外側面となる本柱ユニット14を構成する本柱3a及び各連結板11〜13、本柱ユニット14の上端に取り付けられる上側桟木5、連結板16、立壁板17、及び天板18、本柱ユニット14の下側に取り付けられる下側桟木4、カウンター板6、及び支持板27aの各外側面が、他方の島台ユニット1aの長手方向における他側端面(一方の島台ユニット1aの一側端面と対向する側の面)、即ち、島台ユニット1aの左端の外側面となる本柱ユニット14を構成する本柱3a及び各連結板11〜13、本柱ユニット14の上端に取り付けられる上側桟木5、連結板16、立壁板17、及び天板18、本柱ユニット14の下側に取り付けられる下側桟木4、カウンター板6、及び支持板27aの各外側面と接着剤によって接着されることで、島台本体1が構成される。
【0023】
そして、上記した島台本体1は、該島台本体1を構成する本柱ユニット14の金属柱41が土台2に取り付けられることで、遊技場の床面上に設置されるようになっている。ここで、島台本体1を床面上に固定する土台2について、図2、図11、及び図12を参照して説明する。図において、土台2は、アンカーボルト44によって床面上に固定される金属製の3つのアンカーベース45と、該アンカーベース45上に載置されて島台本体1の高さ位置を調整する高さ調整板46と、から構成されている。
【0024】
アンカーベース45は、床面に当接する水平部分からほぼ直角に立設される立部47を有し、水平部分の両端部には、アンカーボルト44を差し込むためのアンカーボルト取付穴(図示しない)が穿設されている。また、立部47の両端部には、ボルト取付穴48が形成され、該ボルト取付穴48と金属柱41の取付穴43とが固定ボルト49及び固定ナット50によって一体的に固定されるようになっている。
【0025】
高さ調整板46は、長方立方体形状の板材から構成され、その高さ寸法が島台本体1を床面上に固定するための3つのアンカーベース45毎で個々に異なった値に設定されている。これは、前述したように若干なりとも波打った状態にある床面に対して、島台本体1を垂直に設置するためのものであり、床面に固定されるアンカーベース45上の高さ調整板46の上面位置を3つのアンカーベース45でほぼ同一にして島台本体1の3箇所の載置位置が水平となるようにする。
【0026】
しかして、土台2は、アンカーベース45の水平部分を左右2本のアンカーボルト44によって床面上に固定し、該2本のアンカーボルト44間となるアンカーベース45の水平部分の上面に高さ調整板46を載置することで構成される。そして、このような土台2を構成する高さ調整板46の上面に本柱ユニット14の金属柱41の下端を載置し、この状態で金属柱41の取付穴43とアンカーベース45の立部47に穿設されたボルト取付穴48とを貫通するように固定ボルト49を取り付け、該固定ボルト49に固定ナット50を螺合することで、水平な状態で床面上に島台本体1が設置される。
【0027】
以上のように、本実施形態の構成によれば、土台2を構成する複数のアンカーベース45の各々に対して、金属柱41を介して床面上に対し垂直状に取り付けられ且つ短手方向に所定間隔を有した一対の本柱3aからなる木製の複数の本柱ユニット14と、島台本体1の長手方向において隣り合う2つの本柱ユニット14の間に配置され且つ列設される遊技機の横幅寸法とほぼ同等の寸法の間隔を有して配置されてその下端が床面から所定間隔あけて床面上に対し垂直状に配置され且つ短手方向に所定間隔を有した一対の浮き柱3bからなる木製の浮き柱ユニット15と、によって島台本体1を構成し、複数の本柱ユニット14及び浮き柱ユニット15と直交した状態で当該各ユニット14,15の柱3a,3bを木製の下側桟木4とカウンター板6で連結する。そして、一対の側壁板29及び底壁板30からなる収納空間形成部材によってカウンター板6の高さ位置から浮き柱3bの下端位置までの高さ寸法で回収樋の収納空間31を形成して、該収納空間31の下端位置から下方の部分を空洞化する。このため、下側部分を空洞化した島台本体1の支柱3を木製材料で構成することにより、島台本体1の補修や修繕における作業効率の低下を抑制することができる。また、このような島台本体1の下側部分を空洞化した構成において、各ユニット14,15の柱3a,3bの外側面に取り付けられた支持板27によってカウンター板6の下面側を支持すると共に、カウンター板6の上面と該カウンター板6の上面側における浮き柱3bの外側面とを取付金具23で連結する。これにより、金属材料に比べて大幅に強度が落ちる木製材料で島台本体1の支柱3を構成したにも拘わらず、島台本体1の剛性を高めることができ、結果として、島台本体1に歪みや変形が生じることを回避することができる。なお、実施形態中では、土台2を構成する複数のアンカーベース45の各々に対して、金属柱41を介して間接的に本柱ユニット14を構成する本柱3aを取り付けているが、これに限らず、土台2を構成する複数のアンカーベース45の各々に対して、直接的に本柱ユニット14を構成する本柱3aを取り付けるようにしてもよい。
【0028】
また、カウンター板6の下面と支持板27の上端面との間で各ユニット14,15の柱3a,3bを連結するように補強金属棒26を介在して設ける。これにより、島台本体1を構成する各ユニット14,15の柱3a,3b間に掛け渡されて各ユニット14,15間を連結するようにして取り付けられるカウンター板6の強度を高めることができ、結果として、下側部分を空洞化した島台本体1の剛性をより一層高めることができる。
【0029】
なお、上記した実施形態においては、1つの島台ユニット1aにおいて、隣り合う本柱ユニット14の間に1つの浮き柱ユニット15が設置されるものを示したが、隣り合う本柱ユニット14の間に列設される遊技機の横幅寸法とほぼ同等の寸法の間隔を有する複数の浮き柱ユニット15を設けて島台ユニット1aを構成したものでも良い。
【0030】
また、本発明における請求項1に記載の「遊技機の横幅寸法とほぼ同等の寸法の間隔」とは、遊技機のみの横幅寸法だけに限定したものではなく、遊技機横幅寸法とその側方に配置される玉貸用ユニットと、隣の遊技機との間隔を埋める間仕切り幅を含んだ間隔であっても良い。また、本実施形態では、カウンター板6についてパチンコ機を載置する場合で説明したが、パチンコ機に代えて遊技機としてのスロット機を載置するカウンター板を採用しても良い。この場合、図示しないスロット用のカウンター板は、補強板21,22が無くフラットな状態でスロット機の筐体を載置出来るようになっている。また、本実施形態では、収納空間に収納される回収手段を、パチンコ機から排出されるパチンコ玉を回収するための回収樋としているが、スロット機を本発明に係る遊技機とした場合には、当該スロット機から排出されるコインを回収するためのコンベア装置が回収手段に相当するものとなり、本発明に係る収納空間には、回収手段としてのコンベア装置が収納される。
【符号の説明】
【0031】
A 遊技島台
1 島台本体
1a 島台ユニット
2 土台
3 支柱
3a 本柱
3b 浮き柱
4 下側桟木(桟木)
5 上側桟木
6 カウンター板
11 上部連結板
12 中央連結板
13 下部連結板
14 本柱ユニット
15 浮き柱ユニット
21,22 補強板
23 取付金具(連結具)
25 連結補給部材
26 補強金属棒(補強材)
27 支持板
28 連結補強板
29 側壁板
30 底壁板
31 収納空間
41 金属柱
43 取付穴
44 アンカーボルト
45 アンカーベース
46 高さ調整板
49 固定ボルト
50 固定ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向側面に複数の遊技機が列設される島台本体が遊技場の床面上に設けられる土台に固定されると共に、前記島台本体の下側部分が空洞化された遊技島台の構造であって、
前記土台は、
アンカーボルトによって前記床面上に固定される金属製の複数のアンカーベースを備え、
前記島台本体は、
前記複数のアンカーベースの各々に対して、直接的に又は前記アンカーベースに取り付けられる金属柱を介して間接的に前記床面上に対し垂直状に取り付けられ且つ短手方向に所定間隔を有した一対の本柱からなる木製の複数の本柱ユニットと、
前記島台本体の長手方向において隣り合う2つの前記本柱ユニットの間に配置され且つ列設される遊技機の横幅寸法とほぼ同等の寸法の間隔を有して配置されてその下端が前記床面から所定間隔あけて前記床面上に対し垂直状に配置され且つ短手方向に所定間隔を有した一対の浮き柱からなる木製の浮き柱ユニットと、
前記複数の本柱ユニット及び前記浮き柱ユニットと直交した状態で当該各ユニットの柱を連結するように架け渡されて前記各ユニットの柱の外側面に取り付けられる木製の桟木と、
前記複数の本柱ユニット及び前記浮き柱ユニットと直交した状態で当該各ユニットの柱を連結するように架け渡されて前記各ユニットの柱の外側面に取り付けられ、前記遊技機及び該遊技機から払い出されるパチンコ玉を収容するための玉箱、又は前記遊技機としてのスロット機の筐体を載置する長板形状のカウンター板と、
前記本柱及び前記浮き柱とほぼ同一の厚み寸法に形成されると共に、当該各柱の外側面に取り付けられて前記カウンター板をその下面側から支持する支持板と、
前記カウンター板の上面を前記浮き柱の外側面とを連結する連結具と、
前記カウンター板の高さ位置から前記浮き柱の下端位置までの高さ寸法を有すると共に前記各ユニットの柱を連結するように架け渡されて当該各ユニットの柱の内側面に取り付けられる一対の側壁板と、該一対の側壁板の下端を連結する底壁板と、を有して、前記遊技機から排出されるパチンコ玉やコインを回収する回収手段の収納空間を形成する収納空間形成部材と、を備え、
前記収納空間の下端位置から下方の部分が空洞化して形成されることを特徴とする遊技島台の構造。
【請求項2】
前記島台本体は、さらに、前記カウンター板の下面と前記支持板の上端面との間に介在されて前記各ユニットの柱を連結するように架け渡される金属製の補強材を備えることを特徴とする請求項1記載の遊技島台の構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−85598(P2013−85598A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226552(P2011−226552)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000150051)株式会社竹屋 (389)
【Fターム(参考)】