説明

遊技島

【課題】遊技者を遊技機の前から離席させずに計数機や揚送装置の復旧作業を行うことができる遊技島を提供する。
【解決手段】遊技島1の長手方向の一端には計数機9を配置し、該計数機9よりも遊技島1の長手方向の他端側の位置には揚送装置12を計数機9に隣り合わせて配置し、揚送装置12よりも遊技島1の長手方向の他端側の位置には遊技機設置領域3を設け、揚送装置12には、計数排出誘導路71または遊技排出誘導路72から遊技球を導入可能な球導入部49を備え、計数機9が計数してから排出した遊技球を計数球として計数排出誘導路71に通して球導入部49へ誘導可能とし、計数機9と計数排出誘導路71との間には、計数球を計数排出誘導路71へ流入させる前に一時貯留するバッファタンク80を計数機9よりも低い位置に配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の遊技機が列設される遊技機設置領域と、遊技機に遊技球を供給する遊技球供給装置と、遊技球を遊技球供給装置へ揚送する揚送装置と、遊技者が投入した遊技球を計数する計数機と、を設けた遊技島に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技店において、遊技機、例えば遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ遊技機は、店内に備えられた横長な箱状の遊技島(遊技機設置用島設備)の側面に複数台並べて設置されている。また、遊技島の上部には、パチンコ遊技機へ遊技球を供給する球補給樋などの遊技球供給装置を備え、遊技島の長手方向の中央部分には、遊技球を揚送する揚送装置を備え、遊技島の長手方向の一端には、遊技者が遊技により獲得した遊技球を計数する計数機(所謂ジェットカウンター)を備えている。そして、パチンコ遊技機から裏側へ排出された遊技球や、計数機で計数された遊技球を揚送装置へ誘導し、該揚送装置により遊技球供給装置へ揚送するように構成されている。
【0003】
さらに、計数機から排出された遊技球を一時貯留させる計数機用貯留タンク(バッファタンク)を設け、計数機が一度に大量の遊技球を計数処理した場合でも、揚送装置へ誘導する誘導路で球詰まりを生じてしまう不都合がないように構成する旨が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−329089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献に記載の遊技島では、揚送装置の左右両側にパチンコ遊技機をそれぞれ配置しており、このため、遊技者が左右両側のパチンコ遊技機で遊技を実行している最中に揚送装置に不具合が発生した場合には、遊技者をパチンコ遊技機の前から離席させて揚送装置の復旧作業の作業空間を確保することが必要になる。したがって、遊技者は、実行中の遊技を中断しなければならず、遊技の興趣を減衰させてしまう虞がある。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技者を遊技機の前から離席させずに計数機や揚送装置の復旧作業を行うことができる遊技島を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、複数の遊技機が列設される遊技機設置領域と、前記遊技機に遊技球を前記遊技機設置領域の上方から供給する遊技球供給装置と、遊技球を前記遊技球供給装置へ揚送する揚送装置と、遊技者が投入した遊技球を計数する計数機と、を設けた遊技島において、
当該遊技島の長手方向の一端には前記計数機を配置し、該計数機よりも前記遊技島の長手方向の他端側の位置には前記揚送装置を前記計数機に隣り合わせて配置し、前記揚送装置よりも前記遊技島の長手方向の他端側の位置には前記遊技機設置領域を設け、
前記揚送装置には、球誘導路から遊技球を導入可能な球導入部を備え、
前記球誘導路の一つを計数排出誘導路とし、前記計数機が計数してから排出した遊技球を計数球として前記計数排出誘導路に通して前記球導入部へ誘導可能とし、
前記計数機と前記計数排出誘導路との間には、前記計数球を前記計数排出誘導路へ流入させる前に一時貯留するバッファタンクを前記計数機よりも低い位置に配置したことを特徴とする遊技島である。
【0008】
請求項2に記載のものは、前記球誘導路の一つを遊技排出誘導路とし、前記遊技機から排出された遊技球を前記遊技排出誘導路へ通して前記球導入部に誘導可能としたことを特徴とする請求項1に記載の遊技島である。
【0009】
請求項3に記載のものは、前記揚送装置に隣接し、且つ前記遊技機設置領域から外れた位置には、遊技球を貯留する貯留球タンクを設け、
該貯留球タンクには、当該貯留球タンク内の遊技球を排出する貯留排出路を備え、該貯留排出路の下流端を前記計数排出誘導路の途中に連通したことを特徴とする請求項2に記載の遊技島である。
【0010】
請求項4に記載のものは、前記バッファタンクは、予め設定された設定貯留量の前記計数球が一時貯留されていることを検出可能なバッファ球量検出スイッチを備え、
前記貯留排出路には、当該貯留排出路内の遊技球の流下を制御可能な流下制御手段を備え、
該流下制御手段の遊技球流下許容時に前記バッファ球量検出スイッチが前記設定貯留量の前記計数球の貯留を検出すると、前記流下制御手段を動作させて遊技球の流下を阻止することを特徴とする請求項3に記載の遊技島である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、遊技島の長手方向の一端には計数機を配置し、該計数機よりも遊技島の長手方向の他端側の位置には揚送装置を計数機に隣り合わせて配置し、揚送装置よりも遊技島の長手方向の他端側の位置には遊技機設置領域を設け、揚送装置には、球誘導路から遊技球を導入可能な球導入部を備え、球誘導路の一つを計数排出誘導路とし、計数機が計数してから排出した遊技球を計数球として計数排出誘導路に通して球導入部へ誘導可能とし、計数機と計数排出誘導路との間には、計数球を計数排出誘導路へ流入させる前に一時貯留するバッファタンクを計数機よりも低い位置に配置したので、計数機や揚送装置に不具合が発生した場合には、遊技者を遊技機の前から離席させずに計数機や揚送装置の復旧作業を行うことができ、遊技機で進行中の遊技を中断させてしまう虞がない。また、バッファタンクを遊技機設置領域から遠ざけて配置することができ、遊技機設置領域の近傍に遊技球の貯留用の空間を確保する必要がない。これにより、遊技機設置領域の近傍のスペースを遊技球の貯留空間とは異なる用途で有効に活用することができる。例えば、遊技機設置領域の下方を広く開ければ、遊技者が足を伸ばした姿勢で遊技を行えるようになり、遊技者が長時間に亘って遊技を実行したとしても疲れを感じ難くすることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、球誘導路の一つを遊技排出誘導路とし、遊技機から排出された遊技球を遊技排出誘導路へ通して球導入部に誘導可能としたので、遊技機から排出された遊技球を計数機から排出された計数球とは別個に球導入部へ誘導することができる。したがって、遊技排出誘導路に計数球が大量に流入して球詰まりが発生する虞がなく、遊技機が遊技球を外方へ排出できなくなって遊技進行が中断してしまう不都合を抑制することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、揚送装置に隣接し、且つ遊技機設置領域から外れた位置には、遊技球を貯留する貯留球タンクを設け、該貯留球タンクには、当該貯留球タンク内の遊技球を排出する貯留排出路を備え、該貯留排出路の下流端を計数排出誘導路の途中に連通したので、計数機から排出される遊技球の通過ルートの一部を貯留球タンクから排出される遊技球の通過ルートの一部としても使用することができ、限られた遊技島内の空間を有効に活用することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、バッファタンクは、予め設定された設定貯留量の計数球が一時貯留されていることを検出可能なバッファ球量検出スイッチを備え、貯留排出路には、当該貯留排出路内の遊技球の流下を制御可能な流下制御手段を備え、該流下制御手段の遊技球流下許容時にバッファ球量検出スイッチが設定貯留量の計数球の貯留を検出すると、流下制御手段を動作させて遊技球の流下を阻止するので、遊技球が計数機と貯留球タンクとの両方から排出される場合には、計数機から排出される遊技球を優先して流下させて球導入部へ誘導することができる。したがって、バッファタンクが満杯になってしまう不都合、ひいては計数機において計数球の排出ができず計数動作に支障を来たす不都合を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】遊技島の概略図である。
【図2】遊技島のうち計数機が設けられた一端部の斜視図である。
【図3】(a)は補給球搬送装置の概略図、(b)は回収球搬送装置の概略図である。
【図4】揚送装置の概略図である。
【図5】貯留排出路を外した貯留球タンクの説明図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図6】貯留球タンクに接続された貯留排出路の説明図である。
【図7】球誘導路内の遊技球の流れを示す説明図である。
【図8】揚送装置を外した状態で示された球誘導路の斜視図である。
【図9】球誘導路と球導入部との位置関係を示す説明図である。
【図10】遊技排出誘導路の説明図であり、(a)は球導入部との接続状態を示す斜視図、(b)は遊技排出誘導路の内部構造を示す斜視図である。
【図11】バッファタンクの説明図である。
【図12】貯留排出路の説明図である。
【図13】流下制御手段の分解斜視図である。
【図14】流下制御手段を閉じた状態の説明図であり、(a)はシャッター部材により遊技球の流下が阻止された状態を示す説明図、(b)はシャッター部材の状態を示す説明図である。
【図15】流下制御手段を開いた状態の説明図であり、(a)はシャッター部材により遊技球の流下が許容された状態を示す説明図、(b)はシャッター部材の状態を示す説明図である。
【図16】遊技島の制御系統を示すブロック図である。
【図17】流下制御手段開閉処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
遊技島(遊技機設置用島設備)1は、図1に示すように、複数のフレーム部材2aを縦横に連結したり表面に化粧板2b(図2参照)を装着したりして横長な箱状に形成された島本体2を備え、該島本体2の長手方向の一側面および他側面(島本体2の長手方向に沿って延在する2つの側面)には遊技機設置領域3を区画形成し、該遊技機設置領域3には、遊技球を使用して遊技を実行可能なパチンコ遊技機4(本発明における遊技機に相当)と、該パチンコ遊技機4に対となる状態で設けられる台間球貸機5とを遊技島1の長手方向に沿って複数組列設可能としている。なお、遊技店においては、複数の遊技島1を略平行に並べて設置されており、隣り合う遊技島1の間を遊技者や遊技店の店員が通過可能な通路とし、該通路と遊技機設置領域3との間には遊技者が着席する遊技席をパチンコ遊技機4に対応して複数設置している(いずれも図示せず)。
【0017】
また、遊技島1の上部、詳しくは遊技機設置領域3(パチンコ遊技機4)よりも上方の位置には、遊技球を各パチンコ遊技機4へ供給する遊技球供給装置7を備え、遊技機設置領域3よりも下方の位置には、各パチンコ遊技機4の裏側から排出された遊技球を回収する遊技球回収装置8を遊技店の床面Fから上方へ離した状態で備え、該遊技球回収装置8の下方の側面部分を開放することにより、遊技者が遊技球回収装置8の下方に足を伸ばして遊技席に座れるように構成されている。さらに、遊技島1の長手方向の一端(図1中、左端)には、遊技者が投入した遊技球(例えば、遊技実行の結果獲得した賞球)を計数する計数機(所謂ジェットカウンター)9を計数載置台10上に載置して備え、該計数機9よりも遊技島1の長手方向の他端側(図1中、計数機9よりも右側)の位置には、遊技球を遊技球供給装置7へ揚送する揚送装置12を、島本体2の一部である島端化粧板13を間に挟んで計数機9に隣り合わせて配置し、揚送装置12よりも遊技島1の長手方向の他端側(図1中、揚送装置12よりも右側)に遊技機設置領域3が位置するように構成されている。言い換えると、計数機9と遊技機設置領域3との間に揚送装置12を配置している。なお、島端化粧板13の側縁には、店員の呼び出しやエラー発生等を報知する報知ランプ14を備えている。また、揚送装置12には遊技球を研磨する機能を備えてもよい。
【0018】
そして、図2に示すように、遊技島1内のうち揚送装置12に隣接し、且つ遊技機設置領域3から外れた位置、具体的には揚送装置12と遊技島1の厚さ方向(長手方向とは直交する方向)の中央側から重なる位置には、遊技球を貯留する縦長な貯留球タンク16を設け、店内通路側となるパチンコ遊技機4の前側(遊技領域4aが露出する側)から見て揚送装置12が貯留球タンク16の前側に位置し、且つパチンコ遊技機4と横に並んで位置するように構成されており、揚送装置12および貯留球タンク16を店内通路側から化粧板2bで被覆している。また、貯留球タンク16の上方には、揚送装置12により揚送された遊技球が一時的に貯留される上部タンク17を設け、該上部タンク17から遊技球を遊技島1の長手方向の他端側へ排出して遊技球供給装置7へ送出したり、当該上部タンク17の下方へ排出して貯留球タンク16へ流下させたりするように構成されている。さらに、上部タンク17の側面のうち揚送装置12の上端部の接続箇所(揚送装置12により揚送された遊技球の受入口17a)よりも遊技球供給装置7寄りの位置には、開閉シャッターにより開閉可能な島間接続口18を開設し、遊技店内の通路や遊技席を挟んで配置される隣の遊技島1における島間接続口18との間を島間樋(図示せず)で連通して、隣の遊技島1から遊技球を受け入れたり、隣の遊技島1へ遊技球を流下させたりすることを可能としている。
【0019】
遊技島1の上部に設けられた遊技球供給装置7は、図1に示すように、遊技島1の長手方向に沿って延在する2つの球補給樋20(第1補給樋20a,第2補給樋20b)を備え、第1補給樋20aを遊技島1の長手方向の一端寄り(揚送装置12寄り)に配置し、第2補給樋20bを他端寄りに配置し、第1補給樋20aと第2補給樋20bとの間には、遊技球を上昇させて搬送可能な補給球搬送装置21を備えている。そして、各補給樋20a,20bをそれぞれ遊技島1の長手方向の一端側から他端側へ向けて下り傾斜させ、第2補給樋20bの傾斜上端を第1補給樋20aの傾斜下端よりも上方に配置し、第1補給樋20aにおいては、傾斜上端を上部タンク17の球供給排出口17bへ接続するとともに、傾斜下端を補給球搬送装置21の下部に設けられた球入口21aへ接続し、第2補給樋20bにおいては、傾斜上端を補給球搬送装置21の上部に設けられた球出口21bへ接続するとともに、傾斜下端を遊技島1の長手方向の他端部に配置している。また、第2補給樋20bの上流側(傾斜上端部)には、第2補給樋20bが遊技球で満杯になったことを検知する補給側オーバーフローセンサ22を備えている(図16参照)。さらに、球補給樋20のうち各パチンコ遊技機4の上方に位置する箇所からは、球補給樋20内を転動する遊技球を各パチンコ遊技機4へ案内する補給シュート29(図3(a)参照)を下方の遊技機設置領域3へ向けて延設し、第2補給樋20bの傾斜下端からは、何れの補給シュート29にも流入せずに球補給樋20の下流端(第2補給樋20bの傾斜下端)まで到達した遊技球を抜き出す補給球抜流路23の上端を接続し、該補給球抜流路23の下端を遊技球回収装置8へ連通し(図1参照)、補給球抜流路23の途中には開閉弁(図示せず)を設け、該開閉弁を開放して球補給樋20内の球抜きを行うように構成されている。
【0020】
遊技球供給装置7の一部を構成する補給球搬送装置21は、図3(a)に示すように、当該補給球搬送装置21のうち第1補給樋20a側の下部に球入口21aを開設し、第2補給樋20b側の上部には球出口21bを開設し、球入口21aと球出口21bとの間には、遊技島1の厚さ方向に延設された回転軸を中心に回転する球搬送回転体25を備え、該球搬送回転体25を搬送モータ26により搬送回転方向(図3(a)中に矢印R1で示す時計方向)へ回動すると、球搬送回転体25の外周部のうち第1補給樋20a側に位置する部分が球出口21b側から球入口21a側へ向けて上昇するように構成されている。また、球搬送回転体25の外周部には、遊技球を磁力により吸着可能な永久磁石等の磁性体27を配置し、球出口21bには、球搬送回転体25の上部に位置する外周面へ向けて上り傾斜した平板状のガイド板28を備えている。
【0021】
このような構成の補給球搬送装置21を備えた遊技球供給装置7においては、遊技球が第1補給樋20aの傾斜下端から球入口21aに流入すると、球搬送回転体25の下部に位置する磁性体27が磁力によりこの遊技球を球搬送回転体25の外周部上に吸着し、この状態で球搬送回転体25を搬送回転方向R1に回転して遊技球を球出口21bへ向けて上昇させる。そして、吸着状態の遊技球が球搬送回転体25とともに回動してガイド板28の傾斜上端に到達すると、この遊技球をガイド板28の傾斜上端によりすくい取って球搬送回転体25の外周部から脱離させてガイド板28上を流下させ、球出口21bへ通して第2補給樋20bへ放出する。このようにして、遊技球供給装置7は、第1補給樋20aの傾斜下端に位置する遊技球を補給球搬送装置21により第2補給樋20bの傾斜上端まで揚送できるように構成されている。
【0022】
遊技島1の下部に設けられた遊技球回収装置8は、図1に示すように、遊技島1の長手方向に沿って延在する2つの球回収樋30(第1回収樋30a,第2回収樋30b)を備え、第1回収樋30aを遊技島1の長手方向の他端寄り(補給球抜流路23寄り)に配置し、第2回収樋30bを一端寄り(揚送装置12寄り)に配置し、第1回収樋30aと第2回収樋30bとの間には、遊技球を上昇させて搬送可能な回収球搬送装置31を備えている。そして、各回収樋30a,30bをそれぞれ遊技島1の長手方向の他端側から一端側へ向けて下り傾斜させ、第2回収樋30bの傾斜上端を第1回収樋30aの傾斜下端よりも上方に配置し、第1回収樋30aにおいては、傾斜上端を補給球抜流路23の下端の下方に配置するとともに、傾斜下端を回収球搬送装置31の下部に設けられた球入口31aへ接続し、第2回収樋30bにおいては、傾斜上端を回収球搬送装置31の上部に設けられた球出口31bへ接続するとともに、傾斜下端を揚送装置12の下部の側方(図1中、右側方)に配置している。さらに、球回収樋30の上方で各パチンコ遊技機4の裏側下部には、各パチンコ遊技機4の裏側から排出された遊技球を計数し球回収樋30へ案内するアウトタンク(図示せず)を配置している。なお、回収樋30bが遊技球で充満したことを検知する回収側オーバーフローセンサを設けてもよい。
【0023】
そして、球回収樋30の途中に設けられた回収球搬送装置31は、基本的には遊技球供給装置7の補給球搬送装置21と同じ構造であるが、遊技球を遊技島1の他端側から受け入れて一端側に放出する点で異なる。具体的には、図3(b)に示すように、回収球搬送装置31のうち第1回収樋30a側の下部に球入口31aを開設し、第2回収樋30b側の上部には球出口31bを開設し、球入口31aと球出口31bとの間には、遊技島1の厚さ方向に延設された回転軸を中心に回転する球搬送回転体35を備え、該球搬送回転体35を搬送モータ36により搬送回転方向(図3(b)中に矢印R2で示す反時計方向)へ回動すると、球搬送回転体35の外周部のうち第1回収樋30a側に位置する部分が球入口31a側から球出口31b側へ向けて上昇するように構成されている。また、球搬送回転体35の外周部には、遊技球を磁力により吸着可能な永久磁石等の磁性体37を配置し、球出口31bには、球搬送回転体35の上部に位置する外周面へ向けて上り傾斜した平板状のガイド板38を備えている。
【0024】
このような構成の回収球搬送装置31を備えた遊技球回収装置8においては、遊技球が第1回収樋30aの傾斜下端から球入口31aに流入すると、球搬送回転体35の下部に位置する磁性体37が磁力によりこの遊技球を球搬送回転体35の外周部上に吸着し、この状態で球搬送回転体35を搬送回転方向R2に回転して遊技球を球出口31bへ向けて上昇させる。そして、吸着状態の遊技球が球搬送回転体35とともに回動してガイド板38の傾斜上端に到達すると、この遊技球をガイド板38の傾斜上端によりすくい取って球搬送回転体35の外周部から脱離させてガイド板38上を流下させ、球出口31bへ通して第2回収樋30bへ放出する。このようにして、遊技球回収装置8は、第1回収樋30aの傾斜下端に位置する遊技球を回収球搬送装置31により第2回収樋30bの傾斜上端まで揚送できるように構成されている。
【0025】
遊技球を遊技島1の下部から上部へ揚送する揚送装置12は、図4に示すように、縦長な揚送筐体41の下部に下端ローラ(主動ローラ)42を回動軸が揚送筐体41の長手方向(上下方向)とは直交する横向き状態で配置し、揚送筐体41の上部には上端ローラ(従動ローラ)43を回動軸が下端ローラ42の回動軸に平行となる横向き状態で配置し、下端ローラ42の回動軸には揚送モータ44(図2参照)を接続している。また、下端ローラ42と上端ローラ43との間には、無端ベルト45を掛け渡し、無端ベルト45のうち遊技球が移送される球移送方向(図4中、矢印Uで示す上方向)、具体的には下端ローラ42側から上端ローラ43側へ向かう上方向に沿って移動する上昇部45aを揚送筐体41内に収容するとともに、遊技球から離れて上昇部45aの移動方向とは反対方向(図4中、矢印Dで示す下方向)、具体的には上端ローラ43側から下端ローラ42側へ向かう下方向に沿って移動する下降部45bを揚送筐体41の外部に配置している。さらに、揚送筐体41の下部のうち下端ローラ42よりも上方の位置には、無端ベルト45の下降部45bの下側(下端ローラ42側)に当接する張力付与機構47を設けて無端ベルト45に張力を付与している。また、揚送筐体41の下部のうち張力付与機構47の下方には球揚送取入口48を開口し、該球揚送取入口48には、ガイドスリット49aにより遊技球を複数条に整列させて揚送装置12内へ導入する球導入部49を下端ローラ42の下方へ向けて下り傾斜する状態で設けている(図9参照)。そして、揚送筐体41の上端には、揚送した遊技球を排出する球揚送排出口50を開口して上部タンク17の受入口17aへ連通している。
【0026】
また、無端ベルト45の上昇部45aの外方には、遊技球を無端ベルト45の外面との間に挟持するための構成を備えている。具体的に説明すると、下端ローラ42に巻回されている無端ベルト45の上昇部45aの外方には、下端ローラ42の円筒面に沿って湾曲した下端側挟持カバー(ロアアール)52を備え、下端ローラ42と上端ローラ43との間に位置する無端ベルト45の上昇部45aの外方、言い換えると上昇部45aの外面から外方へ離隔した位置には、上昇部45aの移動方向に沿って延在する縦長な上昇側挟持部材53(本実施形態では、上下に並べられた2つの上昇側挟持部材53)を備え、上端ローラ43に巻回されている無端ベルト45の上昇部45aの外方には、上端ローラ43の円筒面に沿って湾曲した上端側カバー(アッパーアール)54を備えている(図2参照)。そして、上昇側挟持部材53のうち無端ベルト45に対向する対向面には、遊技球が嵌合可能な複数条の球案内溝(図示せず)を球移送方向(無端ベルト45の移動方向となる上下方向)に沿って延設し、研磨布(図示せず)を張設して球案内溝を覆っている。そして、上昇側挟持部材53と無端ベルト45との間に遊技球を挟持すると、遊技球が球案内溝との間に研磨布を挟んだ状態で球案内溝内に嵌合するように構成されている。
【0027】
このような構成を備えた揚送装置12においては、遊技球を球導入部49で整列させた後、揚送モータ44により下端ローラ42を駆動して無端ベルト45を回動(移動)すると、遊技球は、無端ベルト45により下端側挟持カバー52と無端ベルト45との間に引き入れられる。そして、下端側挟持カバー52と無端ベルト45の上昇部45aの外面との間に挟持され、この状態で下端側挟持カバー52に沿って上方へ転がり、上昇側挟持部材53へ向けて移送(揚送)される。引き続き無端ベルト45を回動し続けると、下端側挟持カバー52と無端ベルト45との間に挟持されていた遊技球は、上昇側挟持部材53と無端ベルト45との間(詳しくは研磨布と無端ベルト45の上昇部45aの外面との間)に引き入れられる。そして、上昇側挟持部材53と無端ベルト45の上昇部45aの外面との間に研磨布と共に挟持され、この状態で球案内溝に沿って上方へ転がり、上端側カバー54へ向けて移送(揚送)される。本実施形態では、揚送装置12に研磨機能を持たせているため、このときの転がり動作により遊技球の表面が研磨布に拭かれて表面の汚れが除去される。さらに無端ベルト45を回動し続けると、上昇側挟持部材53と無端ベルト45との間に挟持されていた遊技球は、上端側カバー54と無端ベルト45との間に引き入れられる。そして、遊技球が揚送された勢いにより、または、後から揚送される遊技球に押されることにより、球揚送排出口50へ排出される。
【0028】
貯留球タンク16は、図5に示すように、遊技島1の下部に設置される架台60の上に設けられた縦長な箱状のタンクであり、当該貯留球タンク16の上部を開放して上部タンク17から流下してくる遊技球を受け入れ可能としている。また、貯留球タンク16内の底面を外縁側から中央側へ向けて下り傾斜させ、この傾斜下端の位置には、貯留球タンク16内の遊技球を下方へ流下させる縦長筒状のタンク流下路61を設け、該タンク流下路61の下端には、貯留球タンク16内の遊技球を排出する貯留排出路62を接続している(図6参照)。なお、貯留排出路62については、後で詳細に説明する。さらに、貯留球タンク16の側部には複数(本実施形態では8個)の貯留量検出スイッチ(貯留レベルセンサ)63を上下方向に並べて備えている。そして、遊技球が貯留量検出スイッチ63のうち貯留球タンク16内に臨ませた検出操作片(図示せず)を押圧していない常態では、貯留量検出スイッチ63がOFF状態に設定されて検出信号を出力せず、遊技球が貯留量検出スイッチ63の検出操作片を押圧すると、貯留量検出スイッチ63がON状態に変換して検出信号を出力して、検出信号を出力している貯留量検出スイッチ63の取付位置まで遊技球が貯留されていることを把握できるように構成されている。
【0029】
計数機9は、図2に示すように、島端化粧板13を挟んで揚送装置12とは反対側を向いた正面の下部に、遊技球が投入される球投入口65を開設し、上部には、遊技球の計数結果を表示する計数表示部66や、計数結果の情報をカードやレシート等の記録媒体に記録して出力する出力部67を備えている。また、図7に示すように、計数機9の下面には、計数された遊技球(計数球)を当該計数機9の下方へ放出(排出)する放出口を開設し、計数載置台10の天板を貫通して形成された計数球放出路68の上端入口に前記放出口を連通させ、計数球放出路68の下端出口を計数載置台10内に臨ませている。なお、計数載置台10の内部の構成については、後で詳細に説明する。
【0030】
そして、遊技島1は、揚送装置12の球導入部49に球誘導路(計数排出誘導路71,遊技排出誘導路72)を連通し、各球誘導路71,72から誘導されてきた遊技球を球導入部49へ導入して揚送装置12により揚送するように構成されている。具体的に説明すると、図7から図9に示すように、球導入部49と計数載置台10(計数機9)との間には計数排出誘導路71を計数載置台10側から球導入部49側へ向けて下り傾斜する短尺な樋で構成して備え、該計数排出誘導路71の傾斜上端を計数載置台10の内部を介して計数機9の計数球放出路68の下端出口へ連通するとともに、計数排出誘導路71の傾斜下端を球導入部49の一側(計数載置台10側)へ連通して(図7および図9参照)、計数機9が計数してから排出した遊技球(計数球)を計数排出誘導路71に通して球導入部49へ誘導可能としている。さらに、球導入部49と遊技球回収装置8との間には遊技排出誘導路72を遊技球回収装置8側から球導入部49側へ向けて下り傾斜する長尺な樋で構成して備え、該遊技排出誘導路72の傾斜上端を球回収樋30の傾斜下端(第2回収樋30bの傾斜下端)へ連通するとともに、遊技排出誘導路72の傾斜下端を球導入部49の他側(遊技球回収装置8側)へ連通して(図7および図9参照)、パチンコ遊技機4から排出されて球回収樋30内を流下した遊技球を遊技排出誘導路72に通して球導入部49へ誘導可能としている。そして、図10(a)に示すように、球導入部49の上方を導入カバー73で被覆し、該導入カバー73の両側縁部を計数排出誘導路71側および遊技排出誘導路72側へそれぞれ延出し、球導入部49と計数排出誘導路71との連通部を通過する遊技球、球導入部49と遊技排出誘導路72との連通部を通過する遊技球、および球導入部49に導入された遊技球が上方へ跳ねて球導入部49の外方に散乱する不都合を導入カバー73により阻止可能としている。なお、計数排出誘導路71と遊技排出誘導路72とを合流させてから球導入部49へ連通してもよい。
【0031】
また、図10(a)および(b)に示すように、遊技排出誘導路72の内部には、2つのゴミ取り用のスノコ部材75を遊技排出誘導路72の下流寄りに遊技排出誘導路72の延在方向(傾斜方向)に沿う直列状態で並べて備えている。そして、スノコ部材75には、遊技排出誘導路72の傾斜方向に沿って延在する複数枚の仕切り板76を平行状態で立設するとともに、各仕切り板76の上下幅(遊技排出誘導路72の底面からの高さ)を遊技排出誘導路72の上流側から下流側に向かって次第に長く設定し、プリペイドカード等が仕切り板76の上部に乗っかるように構成されている。さらに、スノコ部材75の底面の一部には開口部を開設し、遊技球の幅よりも狭いゴミが開口部から落下するように構成されている。また、遊技排出誘導路72の傾斜上端に開設された誘導入口72aの上部、および傾斜下端に開設された誘導出口72bの上部には、遊技球の積み重なり状態を解消する誘導球均し部材77をそれぞれ設けている。そして、遊技排出誘導路72の延在方向の中央部には櫛歯状の球止め片78aが複数備えられた球流下ストッパー78を装着可能とし、メンテナンス時などにおいては遊技排出誘導路72に球流下ストッパー78を取り付けて球止め片78aを仕切り板76の間に挿入して、遊技排出誘導路72内の遊技球の流下を阻止できるように構成されている。
【0032】
さらに、計数機9と計数排出誘導路71との間には、計数球を計数排出誘導路71へ流下させる前に一時貯留するバッファタンク80を計数機9よりも低い位置(具体的には、計数載置台10の内部)に配置し、計数排出誘導路71の長手方向の途中部分には貯留排出路62の下流端を連通して、計数排出誘導路71と貯留排出路62とを合流している。
【0033】
バッファタンク80は、図11に示すように、計数球放出路68および計数排出誘導路71よりも十分に大きな内部空間(球貯留空間)を有するとともに上部が開放された有底箱状に形成されており、上部開放口には計数球放出路68の下端出口を連通して、計数機9から排出される計数球を受け入れ可能としている。また、バッファタンク80のうち揚送装置12側に位置する側壁(揚送側側壁)80aと、該揚送側側壁80aと対向する側壁(島端側側壁)80bとの間には、計数球の流下勢を減衰させる複数の流下勢調整板(第1流下勢調整板81,第2流下勢調整板82,第3流下勢調整板83)を備えている。詳しくは、バッファタンク80の内側の上部のうち計数球放出路68の下端出口の下方に位置する箇所には、第1流下勢調整板81を揚送側側壁80aから突設するとともに島端側側壁80b側へ向けて下り傾斜させ、第1流下勢調整板81の傾斜下端と島端側側壁80bとの間を離間させて第1球落下口84を形成し、第1球落下口84の下方には第2流下勢調整板82を島端側側壁80bから突設するとともに揚送側側壁80a側へ向けて下り傾斜させ、第2流下勢調整板82の傾斜下端と揚送側側壁80aとの間を離間させて第2球落下口85を形成している。さらに、第2流下勢調整板82および第2球落下口85の下方には、第3流下勢調整板83を揚送側側壁80aと島端側側壁80bとの間に架設するとともに島端側側壁80b側へ向けて下り傾斜させ、第3流下勢調整板83とバッファタンク80のうち遊技島1の長手方向に沿って延在する延在側壁80cとの間を離間して第3球落下口86を形成している。
【0034】
また、第3流下勢調整板83の下方に位置する内側底面80dを揚送側側壁80aへ向けて下り傾斜させ、揚送側側壁80aのうち内側底面80dの傾斜下端に位置する箇所にはバッファ球排出口88を開設し、該バッファ球排出口88の開口縁から筒状の排出連通樋89を突設して計数排出誘導路71の上流端へ連通し、バッファタンク80内に貯留された遊技球をバッファ球排出口88および排出連通樋89へ通して計数排出誘導路71へ流下させるように構成されている。さらに、島端側側壁80bのうち第3流下勢調整板83と内側底面80dとの間にはバッファ球量検出スイッチ90を備えている。そして、バッファタンク80内の遊技球がバッファ球量検出スイッチ90のうちバッファタンク80内に臨ませた検出操作片90aを押圧していない常態では、バッファ球量検出スイッチ90がOFF状態に設定されて検出信号を出力せず、遊技球がバッファ球量検出スイッチ90の検出操作片90aを押圧すると、バッファ球量検出スイッチ90がON状態に変換して検出信号を出力して、バッファタンク80内に予め設定された設定貯留量の遊技球(計数球)が一時貯留されていること、言い換えるとバッファ球量検出スイッチ90の取付位置まで遊技球が一時貯留されていることを把握できるように構成されている。
【0035】
貯留球タンク16の下部に備えられた貯留排出路62は、図12に示すように、遊技機設置領域3側から計数機9側へ向けて下り傾斜した樋状の球流路であり、当該貯留排出路62の内側底面を遊技球が転動可能な排出転動面93としている。また、貯留排出路62の傾斜上端には上端接続口94を上方へ向けて開放してタンク流下路61の下端を連通し、貯留球タンク16から排出された遊技球を貯留排出路62内へ流入可能とし(図6参照)、貯留排出路62の傾斜下端部を揚送装置12側へ屈曲して下り傾斜させ、この傾斜下端には下端接続口95を下方へ向けて開設して計数排出誘導路71へ連通し、貯留排出路62内を流下した遊技球を計数排出誘導路71へ放出可能としている(図8参照)。
【0036】
さらに、排出転動面93のうち屈曲部よりも上流側に位置する箇所には、排出転動面93の下流側を上流側よりも1段低く設定する段差部96を形成している。また、排出転動面93のうち段差部96よりも上流側には、遊技球よりも狭い幅に設定された複数条の溝97を貯留排出路62の傾斜方向(遊技島1の長手方向)に沿って設け、溝97に遊技球の底部を嵌合して遊技球を溝97に沿って整列させ、さらには、遊技球の幅よりも狭いごみ等の異物を溝97から貯留排出路62の下方へ落下させて取り除けるように構成されている。そして、貯留排出路62のうち後述する流下制御手段101の上流側には、平板状の貯留球流下ストッパー98を挿入可能とし、流下制御手段101のメンテナンス時などにおいては貯留排出路62内に貯留球流下ストッパー98を挿入して貯留排出路62内の遊技球の流下を阻止可能としている。
【0037】
また、貯留排出路62には、段差部96の直上に位置する箇所を開閉して当該貯留排出路62内の遊技球の流下を許容または阻止可能に制御する流下制御手段101を備えている。流下制御手段101は、図12および図13に示すように、貯留排出路62内で上下方向に移動可能なシャッター部材102と、該シャッター部材102を上下方向に移動して開閉動作させる開閉機構103とを備え、開閉機構103を貯留排出路62のうち段差部96の上方に位置する箇所に止着し、開閉機構103からシャッター部材102を下方の段差部96へ向けて延設して構成されている。なお、流下制御手段101の構成はシャッター構造であることに限定されず、例えば、内蔵したスクリューロータ等の回転により遊技球の流下を制御する構造であってもよい。
【0038】
シャッター部材102は、段差部96に沿って延在(言い換えると貯留排出路62の長手方向とは直交する幅方向に沿って延在)する金属板を屈曲する等して形成された部材であり、当該シャッター部材102の上部には、開閉機構103へ接続するシャッター接続部105を形成し、該シャッター接続部105の左右両端からアーム部106を下方へ向けて延設している。そして、両アーム部106の間には、段差部96に貯留排出路62の下流側から重合可能である横長なシャッター板107を設け、該シャッター板107の上下幅を段差部96の上下幅よりも狭く設定している。また、シャッター板107とシャッター接続部105とを上下方向に離間して貯留排出路62内の遊技球が通過可能な球通過開口108を開設し、シャッター板107の上縁部を丸めて横長な円筒面を形成し、球通過開口108内に位置する複数の遊技球の間にシャッター板107の上縁部が挿入し易く、且つ遊技球が衝突しても損傷し難いように構成されている。
【0039】
開閉機構103は、図13に示すように、貯留排出路62のうち段差部96の上方に止着される箱状の開閉筐体111を備え、該開閉筐体111内に2本の縦長なスライドロッド112を貯留排出路62の流路幅方向に離間した状態で止着し、スライドロッド112にはシャッター接続部105が止着されるスライドベース113を上下に摺動自在な状態で係合し、スライドベース113の中央部にはカム溝114をスライドベース113の移動方向(上下方向)とは直交する横方向に延在する状態で開設している。また、開閉筐体111の外側には開閉駆動モータ115を止着して出力軸115aを開閉筐体111内に突出し、開閉筐体111内で出力軸115aと共回りする円板状の駆動回転板116のうち回転中心から外れた位置からカムフォロワ117を突設してカム溝114内に係合している。さらに、駆動回転板116の外周部のうち出力軸115aを中心にしてカムフォロワ117から180度位相をずらした位置には切欠部116aを形成し、開閉筐体111内のうち出力軸115aの上方には、切欠部116aが上死点に位置することを検出するシャッター開放検出センサ118を備え、開閉筐体111内のうち出力軸115aの下方には、切欠部116aが下死点に位置することを検出するシャッター閉成検出センサ119を備えている。
【0040】
なお、開閉筐体111のうち開閉駆動モータ115の下方に位置する箇所にはゴム板製の球移動勢減衰部材(バッフル板)120を下方へ向けて延在する状態、且つ下端と排出転動面93との離間距離を遊技球が通過可能な程度の間隔に設定した状態で備えている。そして、段差部96を通過した遊技球が段差部96よりも下流側に位置する排出転動面93上で弾んだとしても、この遊技球を球移動勢減衰部材120に衝突させて移動勢を減衰させて、遊技球が貯留排出路62内で弾み続けることを抑えることができるように構成されている。
【0041】
このような構成を備えた流下制御手段101においては、開閉駆動モータ115を駆動して駆動回転板116とともにカムフォロワ117を回動させる。このとき、カムフォロワ117が回動して上昇すると、カムフォロワ117がカム溝114を上方へ押圧し、この上向きの押圧力によりスライドベース113およびシャッター部材102が上昇する。そして、カムフォロワ117が上死点へ到達すると、図14に示すように、シャッター部材102が最も上昇して閉状態に変換し、シャッター板107の上縁が段差部96の上縁よりも上方に位置して遊技球が段差部96から貯留排出路62の下流側へ流下することを阻止する。さらに、駆動回転板116の切欠部116aが下死点に位置してシャッター閉成検出センサ119に検出され、この検出により流下制御手段101が貯留排出路62を閉成したことを検知可能となる。
【0042】
一方、カムフォロワ117が回動して下降すると、カムフォロワ117がカム溝114を下方へ押圧し、この下向きの押圧力とスライドベース113およびシャッター部材102の自重とにより、スライドベース113およびシャッター部材102が下降する。そして、カムフォロワ117が下死点へ到達すると、図15に示すように、シャッター部材102が最も下降して開状態に変換し、シャッター板107の上縁が段差部96の上縁よりも下方に位置して遊技球が球通過開口108を通って貯留排出路62の下流側へ流下することを許容する。さらに、駆動回転板116の切欠部116aが上死点に位置してシャッター開放検出センサ118に検出され、この検出により流下制御手段101が貯留排出路62を開放したことを検知可能となる。
【0043】
次に、遊技島1の動作の制御を行う島制御装置121、および島制御装置121を中心とする制御系統について説明する。
島制御装置121は、図16に示すように、遊技島1の動作制御を司るCPU、前記動作制御のための制御プログラム等を記憶しているROM、前記動作制御時にワークエリアとして利用されるRAM、I/Oインターフェース(入出力インターフェース)、遊技店の店員やメーカーの作業員等が操作する操作部(操作スイッチ、設定スイッチ、アドレススイッチ、電源スイッチ)等を備えて構成されている。また、他の遊技島1に備えられた島制御装置121′、計数機9、揚送装置12の揚送モータ44に電源を供給する電源供給装置123、補給球搬送装置21の搬送モータ26に電源を供給する電源供給装置124、回収球搬送装置31の搬送モータ36に電源を供給する電源供給装置125との間においては信号を送受信可能な状態(双方向通信可能状態)で接続されている。そして、各種検出装置(リミットスイッチ127、上部タンク球量スイッチ128、島間接続口18の開閉シャッターの開閉状態を検出するセンサ129、貯留量検出スイッチ63、バッファ球量検出スイッチ90、シャッター開放検出センサ118、シャッター閉成検出センサ119、補給側オーバーフローセンサ22、回収側オーバーフローセンサ32)や、前記双方向通信可能状態で接続された各機器からの検出信号や情報信号などの各種信号を受けて、遊技島1の制御に必要な種々の処理を実行する。さらに、島制御装置121に設けられた表示モニタ130、島間接続口18の開閉シャッターを開閉させるシャッターモータ131、流下制御手段101の開閉駆動モータ115、報知ランプ14、前記双方向通信可能状態で接続された各機器等に指令信号や情報信号などの各種信号を送信して遊技島1の動作を統括的に制御する。
【0044】
次に、遊技島1の作用、特に、遊技球を計数機9から揚送装置12へ誘導する際の作用について説明する。
遊技者が遊技により獲得した遊技球を計数機9に投入すると、計数機9は、遊技球を計数して計数結果を計数表示部66に表示したり、記録媒体に記録して出力したりする。そして、計数された遊技球(計数球)を計数球放出路68から計数載置台10内のバッファタンク80へ放出する。計数球を受け入れたバッファタンク80は、計数球を流下勢調整板81,82,83へ衝突させて流下勢を減衰させながら内側底面80dへ向けて流下させ、内側底面80dに到達した計数球から順にバッファ球排出口88、排出連通樋89へ通して計数排出誘導路71に排出する。そして、計数機9から放出される計数球の単位時間当たりの放出数量が、計数排出誘導路71へ排出される計数球の単位時間当たりの排出数量よりも多い場合には、バッファタンク80内に計数球を一時貯留する。したがって、計数機9と揚送装置12とを隣り合わせて計数排出誘導路71を短尺に設定したとしても、この計数排出誘導路71に大量の計数球が短期間で流入して球詰まりが発生する不都合、ひいては計数排出誘導路71での球詰まりにより計数機9が計数球を排出できずに計数動作に支障を来たす不都合を抑制することができる。
【0045】
バッファタンク80内から計数排出誘導路71へ流下した遊技球(計数球)は、球導入部49へ誘導されて揚送装置12により揚送される。このとき、流下制御手段101が開状態に変換していれば、貯留球タンク16内の遊技球が貯留排出路62を流下して計数排出誘導路71の途中から計数球の流れに合流し、計数球とともに球導入部49へ誘導される。このことから、計数球の通過ルートの一部を貯留球タンク16から排出される遊技球の通過ルートの一部としても使用することができ、限られた遊技島1内の空間を有効に活用することができる。
【0046】
また、貯留球タンク16内から遊技球を排出して球導入部49へ流下させている最中に計数球がバッファタンク80内にある程度貯留された場合、言い換えると、流下制御手段101の開放時にバッファ球量検出スイッチ90が設定貯留量の計数球の貯留を検出した場合には、島制御装置121は、流下制御手段101を閉成して貯留球タンク16内の遊技球を球導入部49へ誘導することを停止する。
【0047】
詳しくは、図17に示す流下制御手段101開閉処理を実行し、バッファ球量検出スイッチ90がON状態であるか否かを判定し(S1)、OFF状態であった場合には流下制御手段101開閉処理を終了する。一方、ON状態であった場合には計数機9の計数表示器や報知ランプ14で注意報知を実行する制御を行い(S2)、遊技店の店員に対してバッファタンク80内が計数球で満杯になる虞がある旨の注意を喚起する。さらに、流下制御手段101を開放しているか否か(言い換えると、シャッター開放検出センサ118が流下制御手段101の開放を検出しているか否か)を判定し(S3)、流下制御手段101を閉成している場合には流下制御手段101開閉処理を直ちに終了し、流下制御手段101を開放している場合には流下制御手段101を閉成する制御を実行し(S4)、流下制御手段101開閉処理を終了する。このような制御を実行することにより、遊技球が計数機9と貯留球タンク16との両方から排出される場合には、計数機9から排出される遊技球を優先して流下させて球導入部49へ誘導することができる。したがって、バッファタンク80が満杯になってしまう不都合、ひいては計数機9において計数球の排出ができず計数動作に支障を来たす不都合を一層抑制することができる。
【0048】
なお、球導入部49の一側には計数排出誘導路71を連通し、他側には遊技排出誘導路72を連通していることから、パチンコ遊技機4から排出された遊技球は、計数機9から排出された計数球や貯留球タンク16から排出された遊技球とは別個に球導入部49へ誘導される。したがって、遊技排出誘導路72に計数球が大量に流入して球詰まりが発生する虞がなく、アウトタンクから遊技球を外方へ排出できなくなってパチンコ遊技機4から排出された遊技球を計数できなくなる不都合を抑制することができる。
【0049】
また、遊技島1の長手方向の一端には計数機9を配置し、該計数機9よりも遊技島1の長手方向の他端側の位置には揚送装置12を計数機9に隣り合わせて配置し、揚送装置12よりも遊技島1の長手方向の他端側の位置には遊技機設置領域3を設けたので、計数機9や揚送装置12に不具合が発生した場合には、遊技者をパチンコ遊技機4の前から離席させずに計数機9や揚送装置12の復旧作業を行うことができ、パチンコ遊技機4で進行中の遊技を中断させてしまう虞がない。さらに、遊技店の店員が視線を大きく逸らさずに計数機9と揚送装置12とを目視して点検や監視をすることができ、遊技島1の点検作業および監視作業の負担を軽減することができる。そして、従来の遊技島のように遊技機設置領域3の間に揚送装置12を配置する必要がなく、したがって、遊技島1の端部側からパチンコ遊技機4を目視したときの見通しが揚送装置12に邪魔されずに良好となる。したがって、不正行為者がパチンコ遊技機4に対する不正行為を行い難い。
【0050】
さらに、計数機と計数排出誘導路との間にはバッファタンクを計数機よりも低い位置に配置し、揚送装置に隣接し且つ遊技機設置領域から外れた位置には貯留球タンクを配置したので、また、バッファタンク80や貯留球タンク16を遊技機設置領域3から遠ざけて配置することができ、遊技機設置領域3の近傍に遊技球の貯留用の空間を確保する必要がない。これにより、遊技機設置領域3の近傍のスペースを遊技球の貯留空間とは異なる用途で有効に活用することができる。例えば、遊技機設置領域3の下方を広く開ければ、遊技者が足を伸ばした姿勢で遊技を行えるようになり、遊技者が長時間に亘って遊技を実行したとしても疲れを感じ難くすることができる。さらに、遊技機設置領域3の下方を遊技島1の幅方向へ貫通すれば、遊技店内の空気を循環させる循環路としても活用することができ、遊技を行う環境の改善を図ることができる。
【0051】
ところで、上記実施形態では、計数機9を計数載置台10の上に載置し、計数載置台10内にバッファタンク80を収納したが、本発明はこれに限定されない。要は、計数機と計数排出誘導路との間にはバッファタンクを計数機よりも低い位置に配置すれば、どのような構成の遊技島であってもよい。例えば、島端化粧板に計数機を壁掛け状態で装着し、バッファタンクを計数機よりも低い位置に配置してもよいし、或いは、遊技島の長手方向の一端にバッファタンクを配置し、このバッファタンク上に計数機を載置してもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、遊技球を2つの球誘導路(計数排出誘導路71、遊技排出誘導路72)から揚送装置12の球導入部49に導入可能としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、計数排出誘導路、遊技排出誘導路とは別個の球誘導路を設けて、遊技球を3つ以上の球誘導路から球導入部49に導入するようにしてもよい。さらに、上記実施形態では、バッファ球量検出スイッチ90が設定貯留量の計数球の貯留を検出すると、島制御装置121が流下制御手段101を閉成する制御を実行したが、本発明はこれに限定されない。例えば、計数機9の球投入口65にシャッターを設けて球投入口65を開閉可能とし、バッファ球量検出スイッチ90が設定貯留量の計数球の貯留を検出した場合(バッファタンク80に遊技球が一時貯留された場合)には、球投入口65をシャッターにより閉成して、バッファタンク80内の遊技球が排出されるまで計数処理の受付を一時中断するようにしてもよい。
【0053】
そして、上記実施形態では、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を長手方向の両側面に背中合わせ状態で収容可能な遊技島を例にして説明したが、本発明はこれに限らず、複数の遊技機が列設される遊技機設置領域と、前記遊技機に遊技球を前記遊技機設置領域の上方から供給する遊技球供給装置と、遊技球を前記遊技球供給装置へ揚送する揚送装置と、遊技者が投入した遊技球を計数する計数機と、を設けた遊技島であれば、どのような遊技島でもよい。例えば、長手方向の一側面にのみ遊技機設置領域を設けた遊技島に適用してもよい。また、遊技機設置領域に設置される遊技機は、遊技島内で循環される遊技球を利用して遊技を行う遊技機であれば、パチンコ遊技機に限らずどのような遊技機でもよい。
【0054】
なお、前記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。
【符号の説明】
【0055】
1 遊技島
2 島本体
3 遊技機設置領域
4 パチンコ遊技機
5 台間球貸機
7 遊技球供給装置
8 遊技球回収装置
9 計数機
10 計数載置台
12 揚送装置
14 報知ランプ
16 貯留球タンク
17 上部タンク
20 球補給樋
21 補給球搬送装置
22 補給側オーバーフローセンサ
23 補給球抜流路
25 球搬送回転体
26 搬送モータ
27 磁性体
30 球回収樋
31 回収球搬送装置
32 回収側オーバーフローセンサ
35 球搬送回転体
36 搬送モータ
37 磁性体
44 揚送モータ
45 無端ベルト
61 タンク流下路
62 貯留排出路
63 貯留量検出スイッチ
71 計数排出誘導路
72 遊技排出誘導路
80 バッファタンク
90 バッファ球量検出スイッチ
93 排出転動面
101 流下制御手段
102 シャッター部材
103 開閉機構
107 シャッター板
121 島制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機が列設される遊技機設置領域と、前記遊技機に遊技球を前記遊技機設置領域の上方から供給する遊技球供給装置と、遊技球を前記遊技球供給装置へ揚送する揚送装置と、遊技者が投入した遊技球を計数する計数機と、を設けた遊技島において、
当該遊技島の長手方向の一端には前記計数機を配置し、該計数機よりも前記遊技島の長手方向の他端側の位置には前記揚送装置を前記計数機に隣り合わせて配置し、前記揚送装置よりも前記遊技島の長手方向の他端側の位置には前記遊技機設置領域を設け、
前記揚送装置には、球誘導路から遊技球を導入可能な球導入部を備え、
前記球誘導路の一つを計数排出誘導路とし、前記計数機が計数してから排出した遊技球を計数球として前記計数排出誘導路に通して前記球導入部へ誘導可能とし、
前記計数機と前記計数排出誘導路との間には、前記計数球を前記計数排出誘導路へ流入させる前に一時貯留するバッファタンクを前記計数機よりも低い位置に配置したことを特徴とする遊技島。
【請求項2】
前記球誘導路の一つを遊技排出誘導路とし、前記遊技機から排出された遊技球を前記遊技排出誘導路へ通して前記球導入部に誘導可能としたことを特徴とする請求項1に記載の遊技島。
【請求項3】
前記揚送装置に隣接し、且つ前記遊技機設置領域から外れた位置には、遊技球を貯留する貯留球タンクを設け、
該貯留球タンクには、当該貯留球タンク内の遊技球を排出する貯留排出路を備え、該貯留排出路の下流端を前記計数排出誘導路の途中に連通したことを特徴とする請求項2に記載の遊技島。
【請求項4】
前記バッファタンクは、予め設定された設定貯留量の前記計数球が一時貯留されていることを検出可能なバッファ球量検出スイッチを備え、
前記貯留排出路には、当該貯留排出路内の遊技球の流下を制御可能な流下制御手段を備え、
該流下制御手段の遊技球流下許容時に前記バッファ球量検出スイッチが前記設定貯留量の前記計数球の貯留を検出すると、前記流下制御手段を動作させて遊技球の流下を阻止することを特徴とする請求項3に記載の遊技島。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−110561(P2012−110561A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−263507(P2010−263507)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(507157919)株式会社エビスワーク (34)
【出願人】(390025601)株式会社西陣 (107)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】