遊技情報管理システム
【課題】異なる製造元の遊技情報管理装置の遊技情報を管理対象とした場合であっても、適切に遊技情報を一元管理し得る遊技情報管理システムを提供する。
【解決手段】サーバは、複数の遊技場(A〜C)において異なる製造元の管理装置(a1、b1、c2)により遊技情報が管理されている場合、管理装置毎に異なる遊技情報項目をそれぞれ対応付けて出力する。このとき、主管理装置(a1)を設定し、他の管理装置(b1、c2)では集計対象となっていない遊技情報項目(T1Y、BY、BA等)がある場合には、それらの項目を補正により演算するとともに、集計対象となっていない遊技情報があること、及び演算したデータが補正により求められたものであり正確性に欠けることを識別可能にして出力する。
【解決手段】サーバは、複数の遊技場(A〜C)において異なる製造元の管理装置(a1、b1、c2)により遊技情報が管理されている場合、管理装置毎に異なる遊技情報項目をそれぞれ対応付けて出力する。このとき、主管理装置(a1)を設定し、他の管理装置(b1、c2)では集計対象となっていない遊技情報項目(T1Y、BY、BA等)がある場合には、それらの項目を補正により演算するとともに、集計対象となっていない遊技情報があること、及び演算したデータが補正により求められたものであり正確性に欠けることを識別可能にして出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる製造元の管理装置が混在する状態で遊技情報を一元管理するための遊技情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場にはパチンコ遊技機等の遊技機の出玉率等を調整するため、遊技情報を集計管理する遊技情報管理装置が設置されている。そして、チェーン店等にて複数の遊技場における遊技情報を一元管理する場合には、チェーン店本部にサーバを設け、各遊技場の遊技情報管理装置から遊技情報を受信して一元管理するような遊技情報管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−355429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように遊技情報を一元管理する場合、同一のチェーン店に属する遊技場であっても、導入当初の諸事情により、異なる製造元の遊技情報管理装置が設置される場合がある。また、遊技情報には統一された定義付けがなく、その多くは製造元が独自に定義しているという事情がある。そのため、特許文献1のように遊技情報を一元管理しようとした場合、チェーン店内に異なる製造元の遊技情報管理装置が導入されていると、製造元毎に遊技情報の定義付けが異なることにより、その間での遊技情報の対応付けがサーバ側で出来ないため、製造元単位でしか遊技情報を一元管理することが出来ないという問題があった。
【0005】
また、チェーン店内にて同一の製造元の遊技情報管理装置のみが導入されている場合には、上記事情により、異なる製造元の遊技情報管理装置を新たな遊技場に導入することについても障害が生じる。更には、製造元によって管理対象となる遊技情報自体の有無が異なることから、チェーン店本部にて遊技場毎に管理できない遊技情報が生じる等、導入される遊技情報管理装置の製造元が異なると、様々な理由により遊技情報を一元管理することに支障が生じるという問題もあった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、異なる製造元の遊技情報管理装置の遊技情報を管理対象とした場合であっても、適切に遊技情報を一元管理し得る遊技情報管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載した発明は、遊技情報項目毎に対応する定義付けが行われ、遊技場に設置される遊技機側から出力される遊技情報信号により特定される遊技情報を、前記定義付けにより特定した上で管理する遊技情報管理装置から遊技情報を受信して複数の遊技場に設置される遊技機の遊技情報を管理する遊技情報管理システムであって、各遊技場に設置される前記遊技情報管理装置が管理する遊技情報項目を特定可能に、相互に対応付けする設定である対応付設定を行う設定手段と、前記遊技情報管理装置から送信される、当該遊技情報管理装置により定義付けされる遊技情報項目に対応した遊技情報を受信する受信手段と、前記設定手段により設定される前記対応付設定に基づいて、前記受信手段により受信される遊技情報に対応する遊技情報項目であって、当該遊技情報の送信元となる前記遊技情報管理装置における遊技情報項目である送信元項目を、当該送信元項目とは異なる遊技情報項目である補正項目へと補正する項目補正手段と、前記項目補正手段が補正した補正項目に対応する遊技情報を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載した発明は、前記対応付設定に基づいて前記補正項目に対応する遊技情報である対応情報を特定する対応情報特定手段と、前記対応情報特定手段により特定される対応情報に基づいて前記補正項目に対応する遊技情報を演算する演算手段とを備え、前記設定手段は、前記対応付設定として、前記補正項目に対応付けて複数種類の遊技情報項目を組み合わせるための演算式である補正演算式を設定し、前記対応情報特定手段は、前記演算手段の演算対象となる前記補正項目に対応する複数種類の遊技情報項目に対応する遊技情報を前記対応情報として特定し、前記演算手段は、前記対応情報特定手段により特定される対応情報を前記補正演算式に基づき組み合わせて演算することで、前記補正項目に対応する遊技情報を演算することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載した発明は、前記設定手段は、前記対応付設定として、前記補正項目に対応付けて比較対象となる遊技情報項目である比較項目を設定し、前記対応情報特定手段は、前記演算手段による演算対象となる遊技情報に対応する前記遊技情報管理装置が前記送信元となる遊技情報であって、前記演算対象となる補正項目に対応する前記比較項目に対応する遊技情報である送信元比較情報、前記送信元とは異なる遊技情報管理装置である異送信元管理装置が送信元となる遊技情報であって、前記比較項目に対応する遊技情報である異送信元比較情報、及び前記異送信元管理装置が送信元となる遊技情報であって、前記演算対象となる補正項目に対応する遊技情報である異送信元補正情報、を前記対応情報として特定し、前記演算手段は、前記対応情報特定手段により特定される前記異送信元比較情報と、前記異送信元補正情報との対応関係が、前記送信元比較情報と、演算対象となる補正項目に対応する遊技情報との対応関係とにおいても成立すると仮定して、演算対象となる補正項目に対応する遊技情報である推定情報を演算し、前記出力手段は、前記演算手段により演算される推定情報を出力することで、前記補正項目に対応する遊技情報を出力することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載した発明は、前記設定手段による設定対象となる前記遊技情報管理装置の内、前記出力手段による出力対象となる遊技情報項目が定義付けされた遊技情報管理装置を出力対象管理装置として指定する指定手段を備え、前記設定手段は、前記設定手段による設定対象となる前記遊技情報管理装置の内、所定の遊技情報管理装置を主管理装置として特定可能に前記対応付設定を設定し、前記項目補正手段は、前記指定手段により指定された出力対象管理装置における遊技情報項目が、前記対応付設定により特定可能な場合は、その遊技情報項目を前記補正項目として前記送信元項目を補正する一方、特定できない場合は前記主管理装置における遊技情報項目を前記補正項目として前記送信元項目を補正することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載した発明は、前記演算手段は、複数の遊技場における遊技情報の合計、或いは遊技機毎、遊技場毎、所定期間毎の平均の遊技情報を演算可能に構成されるが、その演算対象から前記推定情報として演算した遊技情報を除外することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、遊技場毎に管理対象となる遊技情報項目の定義付けが異なる遊技情報管理装置により遊技情報が管理されるにしても、対応付設定により遊技情報項目を紐付け(対応付け)できるので、各遊技場の遊技情報項目を一元管理出来る。
【0013】
請求項2の発明によれば、遊技情報管理装置が素データとして集計し得る遊技情報を管理していない場合であっても、補正演算式により他の遊技情報を利用して補正できるので、正確な遊技情報を集計し得る。
【0014】
請求項3の発明によれば、比較項目を設定し、比較項目に対応する遊技情報に基づき大凡の遊技情報である推定情報を特定するので、遊技場に設置される管理装置において集計対象となる遊技情報が不足している場合であっても、他の遊技場と同等の遊技情報を把握可能になる。
【0015】
請求項4の発明によれば、指定手段により指定された遊技情報管理装置における遊技情報項目を補正項目として補正するので、例えば、自身の遊技場の遊技情報管理装置における遊技情報項目に慣れた遊技場管理者が、他の遊技場における遊技情報を確認したい場合に、その遊技情報の意味合いを把握し易い。更に、出力対象となる遊技情報管理装置にて管理していない遊技情報項目については主管理装置として設定される遊技情報管理装置における遊技情報項目を出力するので、例えば、売込対象としたい遊技情報管理装置を主管理装置としておけば、遊技情報を確認する遊技場管理者が見慣れぬ遊技情報項目が出力されていることで関心を抱き、その売込対象の遊技情報管理装置へと買い替える必要があると考えることから、購入動機に繋がることが期待出来る。
【0016】
請求項5の発明によれば、推定情報については、合計、平均の遊技情報を算出する際の演算対象から除外するので、対応する遊技情報管理装置では管理し得ない遊技情報を遊技場毎に推定情報として大凡の遊技情報を把握させつつも、正確性に欠ける推定情報により全体の遊技情報の正確性を損なう虞を回避出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態による遊技情報管理システムの構成を概略的に示す図
【図2】管理装置のスペック情報記憶領域を示す図
【図3】管理装置の素データ記憶領域を示す図
【図4】管理装置が集計する遊技情報集計を示す図
【図5】管理装置が集計する補正遊技情報集計1を示す図
【図6】管理装置が集計する補正遊技情報集計2を示す図
【図7】サーバが管理する項目設定を示す図
【図8】サーバが管理する遊技場設定を示す図
【図9】サーバが受信する受信遊技情報を示す図
【図10】サーバが実行する補正項目の演算順序を模式的に示す図
【図11】サーバが集計する補正演算後の遊技情報集計を示す図
【図12】サーバ及び管理装置が出力する遊技情報集計を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態による遊技情報管理システムについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、遊技情報管理システムの全体構成を概略的に示している。遊技場A内には、複数台のパチンコ遊技機(本発明でいう遊技機)2が設置されており、各遊技機2に対応して貸出装置3が設置されている。これら遊技機2及び貸出装置3は、中継装置4に接続されている。遊技情報管理装置(以下、単に管理装置という)5は、遊技場A内の例えば事務所などに設置され、LAN6を介して各中継装置4と接続されており、遊技機2及び貸出装置3などと通信可能に構成されている。また、遊技場Aに設置された各遊技機2、各貸出装置3、管理装置5等と同様の構成が別の遊技場(図1では遊技場B)にも設置されており、各遊技場A、Bに設置されている各管理装置5は、インターネットやVPN接続等の公衆回線7を介してサーバ8と接続され、各種のデータを送受信可能に構成されている。尚、各遊技場A、B内には、図示しないスロットマシンや計数装置等も設置されている。また、図示しないが各遊技場A、Bには数100台の遊技機2が設置され、管理対象となっている。
【0019】
遊技機2は、所謂デジパチとして周知の構成のものであり、遊技者が玉(遊技媒体)を盤面に発射するためのハンドル2a、玉を入賞させる普図入賞口2b、第1始動口2c及び第2始動口2d、玉の入賞に応じて表示図柄が変動する表示部2e、大当たり時に開放する大入賞口2fなどが設けられている。遊技機2は、第1始動口2c或いは第2始動口2dへの玉の入賞(始動入賞)に応じて大当たり抽選を行い、この抽選結果に基づき所謂特別図柄(特図)による図柄変動を表示部2eにて実行し、表示部2eに停止表示された図柄が大当たり図柄の場合に大当たりを発生させる。尚、所謂保留玉の上限は各4個ずつで、保留中に始動入賞した場合は上限まで保留し、図柄変動終了後に順次保留した図柄変動を実行する。
【0020】
遊技機2の場合、大当たり抽選の当選確率(大当たり確率)は1/310、大当たりのうち大当たり後に確変状態(確変)となる大当たりの割合は66.6%(2/3)、確変状態における平均継続回数は1÷(1−2/3)=3回に設定されている。大当たりが発生すると、対応するラウンド(R)に応じた分だけ(例えば15R分)大入賞口2fが開放される。尚、1R中の上限入賞数は10個で、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数或いは上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。また、確変中は、大当たり確率が1/31に向上するとともに、第2始動口2dへの入賞率が向上する時短状態(時短)になる。尚、確変は次回大当たりまで継続するため、大当たり後に通常状態(通常)となる大当たり(通常大当たり)が発生するまで継続する。
貸出装置3は、遊技情報などを表示するタッチパネル式の表示部3a、玉が払出される玉払出口3bなどから構成されている。遊技者が貨幣投入口(図示せず)に貨幣を投入すると、投入した貨幣に応じた数の玉が玉払出口3bから払出されて遊技機2に供給される。
【0021】
これら遊技機側の装置(遊技機2、貸出装置3等)からは、遊技者による遊技の進行に伴って、以下に示すような遊技信号(本発明でいう遊技情報信号)が出力され、中継装置4を介して管理装置5に送信される。
アウト信号=使用玉を回収するアウトBOX(図示せず)から出力。回収玉(使用玉、打込玉)10玉に対して1パルス出力されるため、アウト信号数×10を使用媒体数(アウト)として特定する。尚、遊技機2から直接出力しても良い(使用媒体信号)。
セーフ信号=遊技機2から出力。払出玉数10玉に対して1パルス出力されるため、セーフ信号×10を払出媒体数(セーフ)として特定する。尚、補給装置(図示せず)からの補給信号をセーフ信号としても良い(払出媒体信号)。
始動信号=遊技機2から出力。第1始動口2c或いは第2始動口2dへの入賞により変動(動作)する表示器(役物)における図柄変動(役物作動、スタート処理。以下「有効S」、「S」或いは「スタート」と称する)1回につき1パルス出力されるため、始動信号×1をスタート(S)として特定する。尚、第1始動口2c及び第2始動口2dへの入賞に応じて出力される信号を始動信号としても良い。
【0022】
大当たり信号=遊技機2から出力。大当たり中にレベル出力される状態信号であるため、大当たり信号受信中を大当たり中として特定する。
確変信号=遊技機2から出力。確変中にレベル出力される状態信号(特別状態信号)であるため、確変信号受信中を特別状態期間(特別期間)として特定する。尚、単独時短中と成り得る遊技機2から出力される時短信号を特別状態信号としてもよい。また、大当たり中に確変信号を出力する遊技機2もあるので、大当たり信号と重複して受信した場合は大当たりを優先して状態判定する。
売上信号=貸出装置3から出力。遊技者に対する貸出玉25玉毎に1パルス出力されるため、売上信号×25を貸出玉として特定すし、後述する貸単価を乗じた値を売上(額)として特定する。
【0023】
管理装置5は、図示しないCPU、ROM、RAMなどからなるコンピュータで構成されており、例えばROMに記憶されている制御プログラムに従って作動する。管理装置5は、遊技機側から出力される各種の遊技信号に基づいて、管理対象となる各種の遊技情報を集計する。管理装置5には、例えばモニタ9やプリンタ(図示せず)などの出力部が接続されている。
【0024】
図2は、管理装置5のスペック情報記憶領域を示す図である。管理装置5には、直接的或いは間接的な操作入力により以下に示すスペック情報が設定可能である。
理論TS=理論上、大当たりを発生させるために必要な大当たり抽選回数(始動数=図柄変動数)の期待値。対応する遊技機2の通常遊技状態である期間(通常期間)における大当たり当選確率の逆数。
理論TSA=特別状態における理論TS。特別状態が確変だけであれば確変時の大当たり当選確率の逆数で、時短が特別状態に含まれれば、時短も考慮した特別状態において理論上大当たりを発生させるために必要な抽選回数の期待値。
スタート賞球=各始動口2c、2dへ入賞した場合の賞球数(遊技者に払出される玉の数)。
【0025】
理論継続数=大当たりが発生し、通常期間に復帰するまでに発生する大当たり回数の期待値。特別状態が確変大当たりの発生に応じて発生し、通常大当たりの発生に応じて終了する場合に、全ての大当たり(確変大当たりと通常大当たり)に対する確変大当たりの確率を確変率とすれば、1÷(1−確変率)として示される。尚、通常大当たり後に時短が発生すれば、時短も考慮する必要がある。図2では、確変率が2/3の場合を想定している。また、遊技場には多数の遊技機種が設置対象となるため、これらスペック情報は必要に応じて対応する情報を遊技機2の機種毎に設定する。
貸単価=貸出玉1玉当たりの貸出額単価。
交換単価=景品玉1玉当たりの交換相当単価。
【0026】
図3は、管理装置5の素データ記憶領域を示す図である。管理装置5は、遊技機側から送信される各種の遊技信号に基づいて、以下の項目を集計する。尚、大当たり信号の受信中は大当たり中、確変信号の受信中は甘モード中であると判定した上で、アウト信号等の遊技信号の受信により、遊技機2の遊技状態に応じて遊技情報を区分けして集計する。
アウト関連情報=遊技に使用された玉(遊技媒体)数(使用媒体数)を表すアウトの遊技状態に応じた遊技情報で、アウトは全遊技状態におけるアウトを示し、Bアウトは遊技機2が通常遊技状態である期間(通常期間)のアウト(通常使用媒体数)を示し、Tアウトは遊技機2が特別状態及び大当たり状態である期間(特殊期間)のアウト(特殊使用媒体数)を示し、甘アウトは遊技機2が特別状態である期間(特別期間)のアウト(特別使用媒体数)を示し、T1アウトは遊技機2が大当たり状態である期間(大当たり中)のアウト(大当たり使用媒体数)を示す。
【0027】
セーフ関連情報=遊技により払い出された玉(遊技媒体)数(払出媒体数)を表すセーフの遊技状態に応じた遊技情報で、セーフは全遊技状態におけるセーフを示し、Bセーフは通常期間のセーフを示し、Tセーフは特殊期間のセーフを示し、甘セーフは特別期間のセーフを示し、T1セーフは大当たり中のセーフを示す。
スタート関連情報=図柄変動数を表すスタートの遊技状態に応じた遊技情報で、Sは通常期間の図柄変動数(通常始動数)を示し、SAは特別期間の図柄変動数(特別始動数)を示す。
大当たり関連情報=遊技状態に応じた大当たりの発生回数を表す遊技情報で、Tは通常期間に発生した大当たり回数(通常大当たり回数)を示し、T1は全ての期間において発生した大当たり回数(全大当たり回数)を示し、TAは特別期間に発生した大当たり回数(特別大当たり回数)を示す。
売上=売上が発生した貸出玉(遊技媒体)の対価。即ち、売上信号により特定される貸出玉に貸単価を乗じた値。
【0028】
図4は、管理装置5が集計する遊技情報集計を示す図である。管理装置5は、図3に示す素データ(遊技情報)に基づいて、以下の項目を平均値データとして算出する。
ベース=通常期間中の出玉率で、Bセーフ÷Bアウトにより求める。
平均S=単位アウト(単位使用媒体数=1000)に対する平均スタート(平均通常始動数)で、スタート÷Bアウト×単位アウトにより求める。
BY=スタートによる払出を除いた通常期間中の出玉率で、ベース−平均S÷単位アウト×スタート賞球=(Bセーフ−スタート×スタート賞球)÷Bアウトにより求める。
Bサ=通常期間中の差玉で、Bアウト−Bセーフにより求める。
BA=特別期間中の出玉率で、甘セーフ÷甘アウトにより求める。
平均SA=特別期間中の平均S(平均特別始動数)で、甘スタート÷甘アウト×単位アウトにより求める。
【0029】
T1O=大当たり中の平均アウト(平均大当たり使用媒体数)で、T1アウト÷全大当たり回数により求める。
T1Y=大当たり中の平均出玉で、(T1セーフ−T1アウト)÷全大当たり回数により求める。
継続数(理論継続数に対応)=通常大当たりが発生してから通常期間に戻るまでに発生した平均大当たり回数で、全大当たり回数÷通常大当たり回数により求める。
出玉率=セーフ÷アウト。
売上玉=貸出玉数。
客滞率=売上玉に対するBサの割合で、Bサ÷売上玉により求める。
粗利=遊技による遊技場側の利益で、売上−(売上玉+セーフ−アウト)×交換単価により求める。
【0030】
図5及び図6は、管理装置5が集計する補正遊技情報集計を示す図である。管理装置5は、図3に示す素データ及び図4に示す平均データに基づいて、理論上の大当たり確率通りに大当たりが発生した場合を想定した理論上の遊技情報である補正遊技情報集計1及び2を以下のように集計する。
【0031】
<補正遊技情報集計1(図5)>
補正Bアウト=理論上の大当たり確率通りに大当たりが発生した場合に、通常期間において大当たりを発生させるために必要なアウトで、理論TS÷平均S×単位アウト=理論TS÷スタート×Bアウトにより求める。
補正甘アウト=通常大当たり発生後に理論継続数分の大当たりを発生させるために必要な特別期間中のアウトで、理論TSA÷SA×単位アウト×(理論継続数−1)=理論TSA÷甘スタート×甘アウト×(理論継続数−1)により求める。但し、理論継続数からは起点となる通常大当たりを除外している。
補正T中アウト=理論継続数分の大当たり中のアウトで、T1O×理論継続数=T1アウト÷全大当たり回数×理論継続数により求める。
補正アウト=理論上、通常期間中に大当たりを発生させ、再び通常期間となるまでに必要なアウトで、補正Bアウト+補正甘アウト+補正T中アウトにより求める。
【0032】
補正Bセーフ=補正Bアウトに対応するBセーフで、補正Bアウト×ベース=理論TS÷スタート×Bセーフにより求める。
補正甘セーフ=補正甘アウトに対応する甘セーフで、補正甘アウト×BA×(理論継続数−1)=理論TSA÷甘スタート×甘セーフ×(理論継続数−1)により求める。
補正T中セーフ=理論継続数分の大当たり中のセーフで、(T1Y+T1O)×理論継続数=T1セーフ÷全大当たり回数×理論継続数により求める。
補正セーフ=補正アウトに対応するセーフで、補正Bセーフ+補正甘セーフ+補正T中セーフにより求める。
【0033】
<補正遊技情報集計2(図6)>
補正Bサ=補正Bアウトに対応するBサで、補正Bアウト×(1−ベース)=補正Bアウト−補正Bセーフにより求める。
補正出玉率=補正アウトに対応する出玉率で、補正セーフ÷補正アウトにより求める。
補正売上玉=補正アウトに対応する売上玉数で、補正Bサ÷客滞率により求める。
補正割数=補正アウトに対応する割数(売上玉(売上額)に対する景品玉(貸単価基準の景品額)の割合)で、(補正売上玉−(補正アウト−補正セーフ))÷補正売上玉により求める。
補正玉単価=補正アウトに対応する玉単価(アウトに対する売上額の割合)で、補正売上玉×貸単価÷補正アウトにより求める。
補正玉粗利=補正アウトに対応する玉粗利(アウトに対する粗利の割合)で、(補正売上玉×貸単価−(補正売上玉−(補正アウト−補正セーフ))×交換単価)÷補正アウトにより求める。尚、実際のアウトを乗じて実際のアウトに対応する理論上の粗利額を算出し、出力しても良い。また、補正玉単価も同様に算出しても良い。
【0034】
管理装置5は、図3〜図6に示す各種のデータを営業日(単位期間)毎、遊技機2毎に集計する。また、遊技機の機種毎或いは遊技島毎等、所定のグループ単位にて集計することも可能である。
管理装置5は、図1に示すようにVPN接続等による公衆回線7を通してサーバ8と接続されており、別途設定される送信時刻になった場合、或いは送信操作を受付した場合等の送信条件が満たされた場合に、サーバ8へ図3に示す遊技情報を送信する。尚、遊技場Aだけでなく遊技場Bなど他の遊技場に設置されている管理装置5も、同様の遊技情報の集計を行い、サーバ8へと遊技情報を送信する。
【0035】
サーバ8は、CPUからなる制御部(本発明でいう設定手段、項目補正手段、対応情報特定手段、演算手段、指定手段)、ROM、RAM、HDDなどの記憶部(記憶手段)、信号を送受信するためのインターフェースからなる送受信部(本発明でいう受信手段、出力手段)などを備え、記憶部に記憶されている制御プログラムに従って動作する。また、サーバ8には、モニタ9やプリンタ(図示せず)などの出力部が接続されている。サーバ8は、例えばチェーン店の本部などに設置されている。尚、以下の説明において、遊技場について一般的な説明をする場合には、符号を付さず単に遊技場という。
【0036】
サーバ8は、各遊技場に設置されている管理装置5から送信された遊技情報を集計し、遊技場毎に集計データを管理している。このとき、各遊技場で導入されている管理装置5が同一製造元の管理装置5である場合には、サーバ8が集計する遊技情報項目(アウト、セーフなど)も同一であるので、従来と同様にデータを管理すればよい。
これに対して、遊技場毎に諸事情により製造元の異なる管理装置5が導入されている場合(又は同一製造元でも機種が異なる場合)には、集計対象となる遊技情報項目が異なる場合があることから、管理上の不都合が生じる虞がある。
【0037】
そこで、本実施形態の遊技情報管理システム1では、遊技場毎に導入されている管理装置5と、その管理装置5が管理する遊技情報とを相互に対応付け、遊技情報を共通の遊技情報項目で管理することが可能に構成されている。
【0038】
図7は、サーバ8が管理する項目設定を示す図である。項目設定には、製造元毎及び機種毎に、集計対象となる遊技情報項目が対応付けられ(対応付設定)、素データ集計と集計データとに分けて設定されている。管理装置5が集計する遊技情報項目の多くは製造元が独自に決定した名称であるため、例えば製造元aでは「アウト」で表される遊技情報が製造元bでは「打込数」、製造元cでは「打玉」と表されるなど、同一の遊技情報項目であっても別の名称が設定されることがある。そのため、機種a1と同じ設定項目を管理しているサーバ8は、例えば機種c2から受信した「打玉」という項目(送信元項目)を、機種a1の項目である「アウト」という項目(補正項目)へと補正する。また、製造元によっては集計対象としていない遊技情報項目(例えば、機種a1では「Tセーフ」を集計対象としているが、機種c2では対応する遊技情報項目が集計対象になっていない)を演算するために、補正演算式、比較データ及び優先順位が設定され、サーバ8は必要に応じて遊技情報を演算している。尚、補正演算式、比較データ、優先順位、及び演算処理の詳細については、後述する。
【0039】
図8は、サーバ8が管理する遊技場設定を示す図である。サーバ8には、遊技場毎(遊技場名の項)に、どの製造元のどの機種が導入されているか(管理装置名の項)が設定可能であり、図8の例では、遊技場Aには製造元aの機種a1、遊技場Bには製造元bの機種b1、遊技場Cには製造元cの機種c2が管理装置5として導入されていることが設定されている。また、サーバ8には、各遊技場A〜Cに対応付けて、図2に示した遊技機2毎のスペック情報も設定可能である。上記した各設定は、サーバ8への直接的な操作入力、各遊技場A〜Cの管理装置5からの遠隔的な操作入力、或いは図3の設定情報を受信することなどにより設定することが可能である。尚、遊技場の数や管理装置5の種類などは上記の例に限定されない。
【0040】
サーバ8には、各管理装置5の内、何れかの管理装置5の設定項目をサーバ8の設定項目として設定可能であり、本実施形態では、製造元aの機種a1の設定項目がサーバ8の設定項目として設定されている。換言すると、遊技場Aの管理装置5は、主管理装置として設定されている(図7にカッコ書きで示すサーバ)。
【0041】
さて、サーバ8は、各遊技場A〜Cの管理装置5から送信される遊技情報(図7参照)を受信すると、それらの遊技情報を遊技場毎に図9に示すように特定して集計する。このとき、サーバ8の設定項目(=遊技場Aの機種a1と同一)において遊技情報が不足している場合には、図7に示す補正演算式、比較データ、優先順位に基づいて、各遊技情報を組み合わせて不足分の遊技情報項目を補正項目として演算する。尚、遊技場名の括弧内は、導入されている管理装置5の機種を示している。
【0042】
図10は、補正項目を演算する順序を示す図であり、遊技場Cの管理装置5(機種c2)の遊技情報を演算する例を示している。遊技場Cでは、機種c2の管理装置5により遊技情報を集計しているため、サーバ8は、図10(A)に示す遊技情報を受信する。この図10(A)では、図7に示す優先順位1の遊技情報のうちTアウト及びTセーフが特定されていないため、Tアウト及びTセーフに対応する対応情報(打玉、通常打玉)を特定し、これら対応情報の組み合わせである補正演算式(Tアウト=アウト−Bアウト、Tセーフ=セーフ−Bセーフ)を設定し、Tアウト及びTセーフを演算する。この場合、「アウト」は「打玉」に、「Bアウト」は「通常打玉」に対応付けられていることから、Tアウト及びTセーフが図10(B)のように特定される。
【0043】
次に、サーバ8は、優先順位2の遊技情報のうち特定されていない遊技情報(甘アウト、甘セーフ等)を同様に特定する。このとき、まず補正演算式で特定できるかを判断するが、補正演算式(Tアウト−T1アウト、Tセーフ−T1セーフ)では何れの遊技情報(甘アウト、甘セーフ)も特定出来ないため、比較対象となる比較データ(本発明でいう比較項目)として用いる遊技情報を予め設定し、その比較データが特定されているかを判断する。比較データ(遊技場CのTアウト。本発明でいう送信元比較情報)は、図10(B)にて特定済みであるため、他の遊技場において特定されている比較データ(遊技場A、BのTアウト。本発明でいう異送信元比較情報)に対する特定対象となるデータ(遊技場A及びBの甘アウト。本発明でいう異送信元補正情報)を対応情報として特定し、その割合を比較データに乗じて、特定対象となるデータ(遊技場Cの甘アウト。本発明でいう推定情報)を演算する。具体的には、図9に示すように、遊技場A、Bの甘アウトはそれぞれ3790、3350であり、Tアウトはそれぞれ10590、8450である。即ち、その割合は、(3790+3350)÷(10590+8450)=37.5%である。この割合(異送信元情報と異送信元補正情報との関係)が遊技場Cの遊技情報にも適用出来ると仮定し、図10(B)において遊技場CのTアウトは9450と特定されていることから、遊技場Cの甘アウトとして、Tアウト×割合=9450×37.5%=3544を特定する。このように、送信元管理装置(遊技場Cの管理装置5)から送信された遊技情報(送信元比較情報)が補正演算式で特定出来ない場合には、異送信元管理装置(遊技場A、Bの管理装置5)から送信された遊技情報(異送信元比較情報)に基づいて、補正項目に対応する遊技情報である推定情報を演算する。
【0044】
続いて、他の遊技情報についても、補正演算式が特定出来れば補正演算式にて特定する。例えば、甘アウトが特定されているため、補正演算式によりT1アウトを求めることが可能になるので、補正演算式(Tアウト−甘アウト)より、9450−3544=5906をT1アウトとして特定する。尚、甘セーフ、T1セーフ等も同様にして演算し、図10(C)のように遊技情報を特定する。また、優先順位3の遊技情報についても同様に演算を行い、図10(D)のように遊技情報を最終的に特定する。
【0045】
このように、サーバ8は、各遊技場の管理装置5から受信した遊技情報に基づいて、不足している遊技情報があれば上記のように補正を行った後、図11に示すように遊技情報を集計する。尚、図10及び図11では、補正により演算した遊技情報(推定情報)については、素データから算出した遊技情報と識別可能なように示している。
【0046】
上記のように集計された遊技情報は、サーバ8がデータを出力する対象として指定した各遊技場A〜Cの管理装置5(本発明でいう出力対象管理装置)において、モニタ9への表示出力或いはプリンタへの印字出力などが可能である。図12は、各遊技場A〜Cで出力される遊技情報の例を示しており、同図(A)は遊技場Aの管理装置5による表示出力、同図(B)は遊技場Bの管理装置5による表示出力、同図(C)は、遊技場Cの管理装置5による表示出力である。各遊技場A〜Cの管理装置5は、これらの遊技情報を出力する際に、図7の遊技場設定に基づいて表示する遊技項目名を設定する。例えば、図12(A)では、遊技場Cの管理装置5の遊技情報項目である「打玉」を、遊技場Aの管理装置5の遊技情報項目である「アウト」に補正して出力する。また、同図(C)に示す遊技場Cの管理装置5は製造元cの機種c2であるので、対応する他の管理装置5が管理する遊技情報項目(送信元項目)に対応付けられている項目、例えば遊技場Bの管理装置5から送信された「入賞率A」を「S%」として出力する。但し、機種c2の場合、サーバ8が管理する遊技情報項目の全てを管理対象(集計対象)としているわけではないので、管理対象となっていない遊技情報項目がある場合(例えば、遊技場Cでは「BY」に対応する項目を管理していない)には、主管理装置(=遊技場Aの管理装置5)の項目名(「BY」)を補正項目として、識別可能に(例えば色分け)して出力する。
【0047】
サーバ8及び各管理装置5は、図11に示す遊技情報集計をそのまま出力することにより、遊技場毎の集計を出力することが可能である。このとき、図12の場合と同様に、対応する遊技場の管理装置5の項目名を採用し、該当項目が無い場合はサーバ8の項目名を識別可能に出力する。
【0048】
また、図11及び図12の遊技情報集計を出力する場合、図7に示す比較データに基づく特定を行った遊技情報(推定情報)については、数値を識別可能に表示する。また、推定情報は、図12における全ての遊技場の平均値を示す「平均」の演算対象から除外される。つまり、演算により求められた不正確な遊技情報については、平均を算出するときに除外され、これにより、遊技情報集計が不正確になる虞が低減される。尚、図11及び図12には遊技機単位の集計を示したが、サーバ8側の集計も営業日毎、遊技機、或いは遊技機種毎に集計を行い、所定期間(例えば1年程度)記憶する。この場合、勿論図4〜図6に示す他の遊技情報等も集計対象としても良い。
【0049】
以上に説明したように、本実施形態の遊技情報管理システム1によれば次のような効果を奏する。
遊技情報管理システム1では、製造元の異なる管理装置5間の遊技情報項目を関連付けるとともに(図7の項目設定)、遊技場毎に導入されている管理装置5を特定している(図8の遊技場設定)ので、各遊技場における管理対象となる遊技情報項目を相互に対応付け出来、各遊技場に設置される管理装置5の製造元が異なる等の理由により、遊技場毎に管理対象となる遊技情報項目の定義付けが異なっていても、複数の遊技場の遊技情報を一元管理することが出来る。
【0050】
管理装置5によって、素データとして集計し得る遊技情報を管理していない場合(例えば、図11に示す遊技場Bなど)であっても、補正演算式により他の素データにより補正し得る場合には補正するので、サーバ8における集計の元データとなる素データを管理していない管理装置5から遊技情報を受信した場合であっても、精度の高い遊技情報を集計することが出来る。
補正演算式により精度の高い遊技情報を特定出来ない場合(例えば、図11に示す遊技場C)であっても、対応し得る遊技情報である比較データを設定し、比較データに基づき大凡の遊技情報である推定情報を特定するので、遊技場に設置される管理装置5における集計対象となる遊技情報が不足している場合であっても、他の遊技場と同等の遊技情報を把握することが可能となる。
【0051】
サーバ8が管理する遊技情報項目を各遊技場における項目に変換して出力(表示、印字など)するので、自身の遊技場に設けられる管理装置5の遊技情報項目のみに慣れた各遊技場の管理者であっても、サーバ8で集計される遊技情報を容易に把握することが出来る。
サーバ8に遊技情報項目を設定し、各遊技場の管理装置5に対応する項目を出力する際に該当する項目が無い場合はサーバ8の項目を出力するので、各遊技場管理者が見たことの無い項目があることで、自身の遊技場の管理装置5にて管理出来ない項目を直感的に把握出来る。また、その項目に興味を抱き、その遊技情報を管理し得る管理装置5に関心を抱くことで、その管理装置5の購入動機に繋がり得る。
【0052】
推定情報を識別可能に出力するので、正確な数値でないことが直感的に把握出来る。また、推定情報が大凡の遊技情報であることを把握させることで、正確な遊技情報を把握したいと考える遊技場管理者に対して、推定情報しか管理出来ない管理装置5から正確に管理し得る管理装置5への買い替え動機付けを行うことも可能になる。
推定情報については、遊技場の合計、平均情報の集計対象から除外するので、遊技場毎に大凡の遊技情報を把握可能にさせるために推定情報を算出したとしても、遊技場の合計、平均情報の正確さを損なう虞が無い。
【0053】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形又は拡張できる。
遊技場設定(図7)及び項目設定(図8)による設定を例示したが、各遊技場の管理装置5の遊技情報項目を特定可能で、更に相互に対応付可能であれば、遊技場毎に遊技情報項目を対応付けする設定態様等としても良い。
遊技情報集計(図12)において各遊技場における遊技機毎の「平均」値を出力対象としたが、所定期間の平均値や、遊技場単位の合計平均値や、全遊技場の合計値等の合計情報を出力対象としても良い。この場合も推定情報は算出対象から除外される。
【0054】
該当項目名が無い場合にサーバの項目名を出力したが、項目名の定義付けは管理装置の製造元毎に行われるので、「同一製造元の管理装置の項目名→サーバの項目名」の優先順位にて項目名を出力しても良い。この場合、サーバの項目名が出力されれば、その製造元の管理装置は管理し得ない遊技情報があるとして、管理し得る製造元の管理装置の購入動機に繋がる。
スペック情報記憶領域(図2)を操作入力以外に例えば管理装置の製造元が運営するサーバからのダウンロードによる入力や、遊技機の製造元から配布されるスペック情報が記憶されるDVD等の記憶媒体から入力する構成が想定出来る。
【0055】
集計単位期間を営業日としたが、集計単位期間としては所定時間毎、所定日数毎等、用途に応じて適宜定めれば良い。
サーバの出力端末として各遊技場の管理装置を例示したが、例えば、通常のパソコンに必要ソフトをインストールする等、管理装置以外の出力端末にて出力しても良い。この場合、出力する際に管理装置や遊技場等を特定出来る認証を条件とし、その認証に応じて出力項目等を特定することが望ましい。また、サーバにて情報出力する場合等に、任意の管理装置を指定して出力項目を特定しても良い。
【0056】
図10に例示した遊技情報の補正は、遊技情報の受信時、出力時、或いは所定時刻になった場合等、その補正時期はどのような時期であっても良い。
比較データと対応情報との割合により推定情報を特定する場合、その割合の特定対象を推定情報と同時期のデータとしたが、時期は異なっていても良い。また、他の遊技場の特定は、データを特定出来た全ての遊技場としても、特定の条件を満たす遊技場(例えば、遊技場が同地区、アウトが一定値以上の遊技場、遊技場を指定する等)としても良い。尚、上記時期や特定の条件についてはサーバにて設定すればよい。
【0057】
管理装置からの受信対象となる遊技情報として受信遊技情報(図9)を例示したが、集計済みの遊技情報(図4〜図6)や、スペック情報(図2)を受信対象としても良い。
特別状態や大当たり状態の判定を状態信号にて行ったが、所定期間の出玉率や、大当たり終了後の図柄変動数等と予め設定した設定値とを照合することで判定しても良い。
特別状態として確変、時短を例示したが、通常状態よりも大当たりを発生させ易い遊技状態であればどのような特別状態を対象としても良い。
システムの導入対象としてチェーン店を例示したが、チェーン店に限らず、遊技場名を伏せて遊技情報を集計し、その遊技情報を公開するような遊技情報集計システム等に採用しても良い。
管理装置の情報処理の一部、或いは全部を中継装置等にて行う構成としても良い。また、サーバにおける処理を管理装置にて行う構成としても良い。
【符号の説明】
【0058】
図面中、1は遊技情報管理システム、2は遊技機、5は管理装置(遊技情報管理装置)、8はサーバ(設定手段、項目補正手段、対応情報特定手段、演算手段、指定手段、受信手段、出力手段)、9はモニタ(出力手段)を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる製造元の管理装置が混在する状態で遊技情報を一元管理するための遊技情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場にはパチンコ遊技機等の遊技機の出玉率等を調整するため、遊技情報を集計管理する遊技情報管理装置が設置されている。そして、チェーン店等にて複数の遊技場における遊技情報を一元管理する場合には、チェーン店本部にサーバを設け、各遊技場の遊技情報管理装置から遊技情報を受信して一元管理するような遊技情報管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−355429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように遊技情報を一元管理する場合、同一のチェーン店に属する遊技場であっても、導入当初の諸事情により、異なる製造元の遊技情報管理装置が設置される場合がある。また、遊技情報には統一された定義付けがなく、その多くは製造元が独自に定義しているという事情がある。そのため、特許文献1のように遊技情報を一元管理しようとした場合、チェーン店内に異なる製造元の遊技情報管理装置が導入されていると、製造元毎に遊技情報の定義付けが異なることにより、その間での遊技情報の対応付けがサーバ側で出来ないため、製造元単位でしか遊技情報を一元管理することが出来ないという問題があった。
【0005】
また、チェーン店内にて同一の製造元の遊技情報管理装置のみが導入されている場合には、上記事情により、異なる製造元の遊技情報管理装置を新たな遊技場に導入することについても障害が生じる。更には、製造元によって管理対象となる遊技情報自体の有無が異なることから、チェーン店本部にて遊技場毎に管理できない遊技情報が生じる等、導入される遊技情報管理装置の製造元が異なると、様々な理由により遊技情報を一元管理することに支障が生じるという問題もあった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、異なる製造元の遊技情報管理装置の遊技情報を管理対象とした場合であっても、適切に遊技情報を一元管理し得る遊技情報管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載した発明は、遊技情報項目毎に対応する定義付けが行われ、遊技場に設置される遊技機側から出力される遊技情報信号により特定される遊技情報を、前記定義付けにより特定した上で管理する遊技情報管理装置から遊技情報を受信して複数の遊技場に設置される遊技機の遊技情報を管理する遊技情報管理システムであって、各遊技場に設置される前記遊技情報管理装置が管理する遊技情報項目を特定可能に、相互に対応付けする設定である対応付設定を行う設定手段と、前記遊技情報管理装置から送信される、当該遊技情報管理装置により定義付けされる遊技情報項目に対応した遊技情報を受信する受信手段と、前記設定手段により設定される前記対応付設定に基づいて、前記受信手段により受信される遊技情報に対応する遊技情報項目であって、当該遊技情報の送信元となる前記遊技情報管理装置における遊技情報項目である送信元項目を、当該送信元項目とは異なる遊技情報項目である補正項目へと補正する項目補正手段と、前記項目補正手段が補正した補正項目に対応する遊技情報を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載した発明は、前記対応付設定に基づいて前記補正項目に対応する遊技情報である対応情報を特定する対応情報特定手段と、前記対応情報特定手段により特定される対応情報に基づいて前記補正項目に対応する遊技情報を演算する演算手段とを備え、前記設定手段は、前記対応付設定として、前記補正項目に対応付けて複数種類の遊技情報項目を組み合わせるための演算式である補正演算式を設定し、前記対応情報特定手段は、前記演算手段の演算対象となる前記補正項目に対応する複数種類の遊技情報項目に対応する遊技情報を前記対応情報として特定し、前記演算手段は、前記対応情報特定手段により特定される対応情報を前記補正演算式に基づき組み合わせて演算することで、前記補正項目に対応する遊技情報を演算することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載した発明は、前記設定手段は、前記対応付設定として、前記補正項目に対応付けて比較対象となる遊技情報項目である比較項目を設定し、前記対応情報特定手段は、前記演算手段による演算対象となる遊技情報に対応する前記遊技情報管理装置が前記送信元となる遊技情報であって、前記演算対象となる補正項目に対応する前記比較項目に対応する遊技情報である送信元比較情報、前記送信元とは異なる遊技情報管理装置である異送信元管理装置が送信元となる遊技情報であって、前記比較項目に対応する遊技情報である異送信元比較情報、及び前記異送信元管理装置が送信元となる遊技情報であって、前記演算対象となる補正項目に対応する遊技情報である異送信元補正情報、を前記対応情報として特定し、前記演算手段は、前記対応情報特定手段により特定される前記異送信元比較情報と、前記異送信元補正情報との対応関係が、前記送信元比較情報と、演算対象となる補正項目に対応する遊技情報との対応関係とにおいても成立すると仮定して、演算対象となる補正項目に対応する遊技情報である推定情報を演算し、前記出力手段は、前記演算手段により演算される推定情報を出力することで、前記補正項目に対応する遊技情報を出力することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載した発明は、前記設定手段による設定対象となる前記遊技情報管理装置の内、前記出力手段による出力対象となる遊技情報項目が定義付けされた遊技情報管理装置を出力対象管理装置として指定する指定手段を備え、前記設定手段は、前記設定手段による設定対象となる前記遊技情報管理装置の内、所定の遊技情報管理装置を主管理装置として特定可能に前記対応付設定を設定し、前記項目補正手段は、前記指定手段により指定された出力対象管理装置における遊技情報項目が、前記対応付設定により特定可能な場合は、その遊技情報項目を前記補正項目として前記送信元項目を補正する一方、特定できない場合は前記主管理装置における遊技情報項目を前記補正項目として前記送信元項目を補正することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載した発明は、前記演算手段は、複数の遊技場における遊技情報の合計、或いは遊技機毎、遊技場毎、所定期間毎の平均の遊技情報を演算可能に構成されるが、その演算対象から前記推定情報として演算した遊技情報を除外することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、遊技場毎に管理対象となる遊技情報項目の定義付けが異なる遊技情報管理装置により遊技情報が管理されるにしても、対応付設定により遊技情報項目を紐付け(対応付け)できるので、各遊技場の遊技情報項目を一元管理出来る。
【0013】
請求項2の発明によれば、遊技情報管理装置が素データとして集計し得る遊技情報を管理していない場合であっても、補正演算式により他の遊技情報を利用して補正できるので、正確な遊技情報を集計し得る。
【0014】
請求項3の発明によれば、比較項目を設定し、比較項目に対応する遊技情報に基づき大凡の遊技情報である推定情報を特定するので、遊技場に設置される管理装置において集計対象となる遊技情報が不足している場合であっても、他の遊技場と同等の遊技情報を把握可能になる。
【0015】
請求項4の発明によれば、指定手段により指定された遊技情報管理装置における遊技情報項目を補正項目として補正するので、例えば、自身の遊技場の遊技情報管理装置における遊技情報項目に慣れた遊技場管理者が、他の遊技場における遊技情報を確認したい場合に、その遊技情報の意味合いを把握し易い。更に、出力対象となる遊技情報管理装置にて管理していない遊技情報項目については主管理装置として設定される遊技情報管理装置における遊技情報項目を出力するので、例えば、売込対象としたい遊技情報管理装置を主管理装置としておけば、遊技情報を確認する遊技場管理者が見慣れぬ遊技情報項目が出力されていることで関心を抱き、その売込対象の遊技情報管理装置へと買い替える必要があると考えることから、購入動機に繋がることが期待出来る。
【0016】
請求項5の発明によれば、推定情報については、合計、平均の遊技情報を算出する際の演算対象から除外するので、対応する遊技情報管理装置では管理し得ない遊技情報を遊技場毎に推定情報として大凡の遊技情報を把握させつつも、正確性に欠ける推定情報により全体の遊技情報の正確性を損なう虞を回避出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態による遊技情報管理システムの構成を概略的に示す図
【図2】管理装置のスペック情報記憶領域を示す図
【図3】管理装置の素データ記憶領域を示す図
【図4】管理装置が集計する遊技情報集計を示す図
【図5】管理装置が集計する補正遊技情報集計1を示す図
【図6】管理装置が集計する補正遊技情報集計2を示す図
【図7】サーバが管理する項目設定を示す図
【図8】サーバが管理する遊技場設定を示す図
【図9】サーバが受信する受信遊技情報を示す図
【図10】サーバが実行する補正項目の演算順序を模式的に示す図
【図11】サーバが集計する補正演算後の遊技情報集計を示す図
【図12】サーバ及び管理装置が出力する遊技情報集計を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態による遊技情報管理システムについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、遊技情報管理システムの全体構成を概略的に示している。遊技場A内には、複数台のパチンコ遊技機(本発明でいう遊技機)2が設置されており、各遊技機2に対応して貸出装置3が設置されている。これら遊技機2及び貸出装置3は、中継装置4に接続されている。遊技情報管理装置(以下、単に管理装置という)5は、遊技場A内の例えば事務所などに設置され、LAN6を介して各中継装置4と接続されており、遊技機2及び貸出装置3などと通信可能に構成されている。また、遊技場Aに設置された各遊技機2、各貸出装置3、管理装置5等と同様の構成が別の遊技場(図1では遊技場B)にも設置されており、各遊技場A、Bに設置されている各管理装置5は、インターネットやVPN接続等の公衆回線7を介してサーバ8と接続され、各種のデータを送受信可能に構成されている。尚、各遊技場A、B内には、図示しないスロットマシンや計数装置等も設置されている。また、図示しないが各遊技場A、Bには数100台の遊技機2が設置され、管理対象となっている。
【0019】
遊技機2は、所謂デジパチとして周知の構成のものであり、遊技者が玉(遊技媒体)を盤面に発射するためのハンドル2a、玉を入賞させる普図入賞口2b、第1始動口2c及び第2始動口2d、玉の入賞に応じて表示図柄が変動する表示部2e、大当たり時に開放する大入賞口2fなどが設けられている。遊技機2は、第1始動口2c或いは第2始動口2dへの玉の入賞(始動入賞)に応じて大当たり抽選を行い、この抽選結果に基づき所謂特別図柄(特図)による図柄変動を表示部2eにて実行し、表示部2eに停止表示された図柄が大当たり図柄の場合に大当たりを発生させる。尚、所謂保留玉の上限は各4個ずつで、保留中に始動入賞した場合は上限まで保留し、図柄変動終了後に順次保留した図柄変動を実行する。
【0020】
遊技機2の場合、大当たり抽選の当選確率(大当たり確率)は1/310、大当たりのうち大当たり後に確変状態(確変)となる大当たりの割合は66.6%(2/3)、確変状態における平均継続回数は1÷(1−2/3)=3回に設定されている。大当たりが発生すると、対応するラウンド(R)に応じた分だけ(例えば15R分)大入賞口2fが開放される。尚、1R中の上限入賞数は10個で、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数或いは上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。また、確変中は、大当たり確率が1/31に向上するとともに、第2始動口2dへの入賞率が向上する時短状態(時短)になる。尚、確変は次回大当たりまで継続するため、大当たり後に通常状態(通常)となる大当たり(通常大当たり)が発生するまで継続する。
貸出装置3は、遊技情報などを表示するタッチパネル式の表示部3a、玉が払出される玉払出口3bなどから構成されている。遊技者が貨幣投入口(図示せず)に貨幣を投入すると、投入した貨幣に応じた数の玉が玉払出口3bから払出されて遊技機2に供給される。
【0021】
これら遊技機側の装置(遊技機2、貸出装置3等)からは、遊技者による遊技の進行に伴って、以下に示すような遊技信号(本発明でいう遊技情報信号)が出力され、中継装置4を介して管理装置5に送信される。
アウト信号=使用玉を回収するアウトBOX(図示せず)から出力。回収玉(使用玉、打込玉)10玉に対して1パルス出力されるため、アウト信号数×10を使用媒体数(アウト)として特定する。尚、遊技機2から直接出力しても良い(使用媒体信号)。
セーフ信号=遊技機2から出力。払出玉数10玉に対して1パルス出力されるため、セーフ信号×10を払出媒体数(セーフ)として特定する。尚、補給装置(図示せず)からの補給信号をセーフ信号としても良い(払出媒体信号)。
始動信号=遊技機2から出力。第1始動口2c或いは第2始動口2dへの入賞により変動(動作)する表示器(役物)における図柄変動(役物作動、スタート処理。以下「有効S」、「S」或いは「スタート」と称する)1回につき1パルス出力されるため、始動信号×1をスタート(S)として特定する。尚、第1始動口2c及び第2始動口2dへの入賞に応じて出力される信号を始動信号としても良い。
【0022】
大当たり信号=遊技機2から出力。大当たり中にレベル出力される状態信号であるため、大当たり信号受信中を大当たり中として特定する。
確変信号=遊技機2から出力。確変中にレベル出力される状態信号(特別状態信号)であるため、確変信号受信中を特別状態期間(特別期間)として特定する。尚、単独時短中と成り得る遊技機2から出力される時短信号を特別状態信号としてもよい。また、大当たり中に確変信号を出力する遊技機2もあるので、大当たり信号と重複して受信した場合は大当たりを優先して状態判定する。
売上信号=貸出装置3から出力。遊技者に対する貸出玉25玉毎に1パルス出力されるため、売上信号×25を貸出玉として特定すし、後述する貸単価を乗じた値を売上(額)として特定する。
【0023】
管理装置5は、図示しないCPU、ROM、RAMなどからなるコンピュータで構成されており、例えばROMに記憶されている制御プログラムに従って作動する。管理装置5は、遊技機側から出力される各種の遊技信号に基づいて、管理対象となる各種の遊技情報を集計する。管理装置5には、例えばモニタ9やプリンタ(図示せず)などの出力部が接続されている。
【0024】
図2は、管理装置5のスペック情報記憶領域を示す図である。管理装置5には、直接的或いは間接的な操作入力により以下に示すスペック情報が設定可能である。
理論TS=理論上、大当たりを発生させるために必要な大当たり抽選回数(始動数=図柄変動数)の期待値。対応する遊技機2の通常遊技状態である期間(通常期間)における大当たり当選確率の逆数。
理論TSA=特別状態における理論TS。特別状態が確変だけであれば確変時の大当たり当選確率の逆数で、時短が特別状態に含まれれば、時短も考慮した特別状態において理論上大当たりを発生させるために必要な抽選回数の期待値。
スタート賞球=各始動口2c、2dへ入賞した場合の賞球数(遊技者に払出される玉の数)。
【0025】
理論継続数=大当たりが発生し、通常期間に復帰するまでに発生する大当たり回数の期待値。特別状態が確変大当たりの発生に応じて発生し、通常大当たりの発生に応じて終了する場合に、全ての大当たり(確変大当たりと通常大当たり)に対する確変大当たりの確率を確変率とすれば、1÷(1−確変率)として示される。尚、通常大当たり後に時短が発生すれば、時短も考慮する必要がある。図2では、確変率が2/3の場合を想定している。また、遊技場には多数の遊技機種が設置対象となるため、これらスペック情報は必要に応じて対応する情報を遊技機2の機種毎に設定する。
貸単価=貸出玉1玉当たりの貸出額単価。
交換単価=景品玉1玉当たりの交換相当単価。
【0026】
図3は、管理装置5の素データ記憶領域を示す図である。管理装置5は、遊技機側から送信される各種の遊技信号に基づいて、以下の項目を集計する。尚、大当たり信号の受信中は大当たり中、確変信号の受信中は甘モード中であると判定した上で、アウト信号等の遊技信号の受信により、遊技機2の遊技状態に応じて遊技情報を区分けして集計する。
アウト関連情報=遊技に使用された玉(遊技媒体)数(使用媒体数)を表すアウトの遊技状態に応じた遊技情報で、アウトは全遊技状態におけるアウトを示し、Bアウトは遊技機2が通常遊技状態である期間(通常期間)のアウト(通常使用媒体数)を示し、Tアウトは遊技機2が特別状態及び大当たり状態である期間(特殊期間)のアウト(特殊使用媒体数)を示し、甘アウトは遊技機2が特別状態である期間(特別期間)のアウト(特別使用媒体数)を示し、T1アウトは遊技機2が大当たり状態である期間(大当たり中)のアウト(大当たり使用媒体数)を示す。
【0027】
セーフ関連情報=遊技により払い出された玉(遊技媒体)数(払出媒体数)を表すセーフの遊技状態に応じた遊技情報で、セーフは全遊技状態におけるセーフを示し、Bセーフは通常期間のセーフを示し、Tセーフは特殊期間のセーフを示し、甘セーフは特別期間のセーフを示し、T1セーフは大当たり中のセーフを示す。
スタート関連情報=図柄変動数を表すスタートの遊技状態に応じた遊技情報で、Sは通常期間の図柄変動数(通常始動数)を示し、SAは特別期間の図柄変動数(特別始動数)を示す。
大当たり関連情報=遊技状態に応じた大当たりの発生回数を表す遊技情報で、Tは通常期間に発生した大当たり回数(通常大当たり回数)を示し、T1は全ての期間において発生した大当たり回数(全大当たり回数)を示し、TAは特別期間に発生した大当たり回数(特別大当たり回数)を示す。
売上=売上が発生した貸出玉(遊技媒体)の対価。即ち、売上信号により特定される貸出玉に貸単価を乗じた値。
【0028】
図4は、管理装置5が集計する遊技情報集計を示す図である。管理装置5は、図3に示す素データ(遊技情報)に基づいて、以下の項目を平均値データとして算出する。
ベース=通常期間中の出玉率で、Bセーフ÷Bアウトにより求める。
平均S=単位アウト(単位使用媒体数=1000)に対する平均スタート(平均通常始動数)で、スタート÷Bアウト×単位アウトにより求める。
BY=スタートによる払出を除いた通常期間中の出玉率で、ベース−平均S÷単位アウト×スタート賞球=(Bセーフ−スタート×スタート賞球)÷Bアウトにより求める。
Bサ=通常期間中の差玉で、Bアウト−Bセーフにより求める。
BA=特別期間中の出玉率で、甘セーフ÷甘アウトにより求める。
平均SA=特別期間中の平均S(平均特別始動数)で、甘スタート÷甘アウト×単位アウトにより求める。
【0029】
T1O=大当たり中の平均アウト(平均大当たり使用媒体数)で、T1アウト÷全大当たり回数により求める。
T1Y=大当たり中の平均出玉で、(T1セーフ−T1アウト)÷全大当たり回数により求める。
継続数(理論継続数に対応)=通常大当たりが発生してから通常期間に戻るまでに発生した平均大当たり回数で、全大当たり回数÷通常大当たり回数により求める。
出玉率=セーフ÷アウト。
売上玉=貸出玉数。
客滞率=売上玉に対するBサの割合で、Bサ÷売上玉により求める。
粗利=遊技による遊技場側の利益で、売上−(売上玉+セーフ−アウト)×交換単価により求める。
【0030】
図5及び図6は、管理装置5が集計する補正遊技情報集計を示す図である。管理装置5は、図3に示す素データ及び図4に示す平均データに基づいて、理論上の大当たり確率通りに大当たりが発生した場合を想定した理論上の遊技情報である補正遊技情報集計1及び2を以下のように集計する。
【0031】
<補正遊技情報集計1(図5)>
補正Bアウト=理論上の大当たり確率通りに大当たりが発生した場合に、通常期間において大当たりを発生させるために必要なアウトで、理論TS÷平均S×単位アウト=理論TS÷スタート×Bアウトにより求める。
補正甘アウト=通常大当たり発生後に理論継続数分の大当たりを発生させるために必要な特別期間中のアウトで、理論TSA÷SA×単位アウト×(理論継続数−1)=理論TSA÷甘スタート×甘アウト×(理論継続数−1)により求める。但し、理論継続数からは起点となる通常大当たりを除外している。
補正T中アウト=理論継続数分の大当たり中のアウトで、T1O×理論継続数=T1アウト÷全大当たり回数×理論継続数により求める。
補正アウト=理論上、通常期間中に大当たりを発生させ、再び通常期間となるまでに必要なアウトで、補正Bアウト+補正甘アウト+補正T中アウトにより求める。
【0032】
補正Bセーフ=補正Bアウトに対応するBセーフで、補正Bアウト×ベース=理論TS÷スタート×Bセーフにより求める。
補正甘セーフ=補正甘アウトに対応する甘セーフで、補正甘アウト×BA×(理論継続数−1)=理論TSA÷甘スタート×甘セーフ×(理論継続数−1)により求める。
補正T中セーフ=理論継続数分の大当たり中のセーフで、(T1Y+T1O)×理論継続数=T1セーフ÷全大当たり回数×理論継続数により求める。
補正セーフ=補正アウトに対応するセーフで、補正Bセーフ+補正甘セーフ+補正T中セーフにより求める。
【0033】
<補正遊技情報集計2(図6)>
補正Bサ=補正Bアウトに対応するBサで、補正Bアウト×(1−ベース)=補正Bアウト−補正Bセーフにより求める。
補正出玉率=補正アウトに対応する出玉率で、補正セーフ÷補正アウトにより求める。
補正売上玉=補正アウトに対応する売上玉数で、補正Bサ÷客滞率により求める。
補正割数=補正アウトに対応する割数(売上玉(売上額)に対する景品玉(貸単価基準の景品額)の割合)で、(補正売上玉−(補正アウト−補正セーフ))÷補正売上玉により求める。
補正玉単価=補正アウトに対応する玉単価(アウトに対する売上額の割合)で、補正売上玉×貸単価÷補正アウトにより求める。
補正玉粗利=補正アウトに対応する玉粗利(アウトに対する粗利の割合)で、(補正売上玉×貸単価−(補正売上玉−(補正アウト−補正セーフ))×交換単価)÷補正アウトにより求める。尚、実際のアウトを乗じて実際のアウトに対応する理論上の粗利額を算出し、出力しても良い。また、補正玉単価も同様に算出しても良い。
【0034】
管理装置5は、図3〜図6に示す各種のデータを営業日(単位期間)毎、遊技機2毎に集計する。また、遊技機の機種毎或いは遊技島毎等、所定のグループ単位にて集計することも可能である。
管理装置5は、図1に示すようにVPN接続等による公衆回線7を通してサーバ8と接続されており、別途設定される送信時刻になった場合、或いは送信操作を受付した場合等の送信条件が満たされた場合に、サーバ8へ図3に示す遊技情報を送信する。尚、遊技場Aだけでなく遊技場Bなど他の遊技場に設置されている管理装置5も、同様の遊技情報の集計を行い、サーバ8へと遊技情報を送信する。
【0035】
サーバ8は、CPUからなる制御部(本発明でいう設定手段、項目補正手段、対応情報特定手段、演算手段、指定手段)、ROM、RAM、HDDなどの記憶部(記憶手段)、信号を送受信するためのインターフェースからなる送受信部(本発明でいう受信手段、出力手段)などを備え、記憶部に記憶されている制御プログラムに従って動作する。また、サーバ8には、モニタ9やプリンタ(図示せず)などの出力部が接続されている。サーバ8は、例えばチェーン店の本部などに設置されている。尚、以下の説明において、遊技場について一般的な説明をする場合には、符号を付さず単に遊技場という。
【0036】
サーバ8は、各遊技場に設置されている管理装置5から送信された遊技情報を集計し、遊技場毎に集計データを管理している。このとき、各遊技場で導入されている管理装置5が同一製造元の管理装置5である場合には、サーバ8が集計する遊技情報項目(アウト、セーフなど)も同一であるので、従来と同様にデータを管理すればよい。
これに対して、遊技場毎に諸事情により製造元の異なる管理装置5が導入されている場合(又は同一製造元でも機種が異なる場合)には、集計対象となる遊技情報項目が異なる場合があることから、管理上の不都合が生じる虞がある。
【0037】
そこで、本実施形態の遊技情報管理システム1では、遊技場毎に導入されている管理装置5と、その管理装置5が管理する遊技情報とを相互に対応付け、遊技情報を共通の遊技情報項目で管理することが可能に構成されている。
【0038】
図7は、サーバ8が管理する項目設定を示す図である。項目設定には、製造元毎及び機種毎に、集計対象となる遊技情報項目が対応付けられ(対応付設定)、素データ集計と集計データとに分けて設定されている。管理装置5が集計する遊技情報項目の多くは製造元が独自に決定した名称であるため、例えば製造元aでは「アウト」で表される遊技情報が製造元bでは「打込数」、製造元cでは「打玉」と表されるなど、同一の遊技情報項目であっても別の名称が設定されることがある。そのため、機種a1と同じ設定項目を管理しているサーバ8は、例えば機種c2から受信した「打玉」という項目(送信元項目)を、機種a1の項目である「アウト」という項目(補正項目)へと補正する。また、製造元によっては集計対象としていない遊技情報項目(例えば、機種a1では「Tセーフ」を集計対象としているが、機種c2では対応する遊技情報項目が集計対象になっていない)を演算するために、補正演算式、比較データ及び優先順位が設定され、サーバ8は必要に応じて遊技情報を演算している。尚、補正演算式、比較データ、優先順位、及び演算処理の詳細については、後述する。
【0039】
図8は、サーバ8が管理する遊技場設定を示す図である。サーバ8には、遊技場毎(遊技場名の項)に、どの製造元のどの機種が導入されているか(管理装置名の項)が設定可能であり、図8の例では、遊技場Aには製造元aの機種a1、遊技場Bには製造元bの機種b1、遊技場Cには製造元cの機種c2が管理装置5として導入されていることが設定されている。また、サーバ8には、各遊技場A〜Cに対応付けて、図2に示した遊技機2毎のスペック情報も設定可能である。上記した各設定は、サーバ8への直接的な操作入力、各遊技場A〜Cの管理装置5からの遠隔的な操作入力、或いは図3の設定情報を受信することなどにより設定することが可能である。尚、遊技場の数や管理装置5の種類などは上記の例に限定されない。
【0040】
サーバ8には、各管理装置5の内、何れかの管理装置5の設定項目をサーバ8の設定項目として設定可能であり、本実施形態では、製造元aの機種a1の設定項目がサーバ8の設定項目として設定されている。換言すると、遊技場Aの管理装置5は、主管理装置として設定されている(図7にカッコ書きで示すサーバ)。
【0041】
さて、サーバ8は、各遊技場A〜Cの管理装置5から送信される遊技情報(図7参照)を受信すると、それらの遊技情報を遊技場毎に図9に示すように特定して集計する。このとき、サーバ8の設定項目(=遊技場Aの機種a1と同一)において遊技情報が不足している場合には、図7に示す補正演算式、比較データ、優先順位に基づいて、各遊技情報を組み合わせて不足分の遊技情報項目を補正項目として演算する。尚、遊技場名の括弧内は、導入されている管理装置5の機種を示している。
【0042】
図10は、補正項目を演算する順序を示す図であり、遊技場Cの管理装置5(機種c2)の遊技情報を演算する例を示している。遊技場Cでは、機種c2の管理装置5により遊技情報を集計しているため、サーバ8は、図10(A)に示す遊技情報を受信する。この図10(A)では、図7に示す優先順位1の遊技情報のうちTアウト及びTセーフが特定されていないため、Tアウト及びTセーフに対応する対応情報(打玉、通常打玉)を特定し、これら対応情報の組み合わせである補正演算式(Tアウト=アウト−Bアウト、Tセーフ=セーフ−Bセーフ)を設定し、Tアウト及びTセーフを演算する。この場合、「アウト」は「打玉」に、「Bアウト」は「通常打玉」に対応付けられていることから、Tアウト及びTセーフが図10(B)のように特定される。
【0043】
次に、サーバ8は、優先順位2の遊技情報のうち特定されていない遊技情報(甘アウト、甘セーフ等)を同様に特定する。このとき、まず補正演算式で特定できるかを判断するが、補正演算式(Tアウト−T1アウト、Tセーフ−T1セーフ)では何れの遊技情報(甘アウト、甘セーフ)も特定出来ないため、比較対象となる比較データ(本発明でいう比較項目)として用いる遊技情報を予め設定し、その比較データが特定されているかを判断する。比較データ(遊技場CのTアウト。本発明でいう送信元比較情報)は、図10(B)にて特定済みであるため、他の遊技場において特定されている比較データ(遊技場A、BのTアウト。本発明でいう異送信元比較情報)に対する特定対象となるデータ(遊技場A及びBの甘アウト。本発明でいう異送信元補正情報)を対応情報として特定し、その割合を比較データに乗じて、特定対象となるデータ(遊技場Cの甘アウト。本発明でいう推定情報)を演算する。具体的には、図9に示すように、遊技場A、Bの甘アウトはそれぞれ3790、3350であり、Tアウトはそれぞれ10590、8450である。即ち、その割合は、(3790+3350)÷(10590+8450)=37.5%である。この割合(異送信元情報と異送信元補正情報との関係)が遊技場Cの遊技情報にも適用出来ると仮定し、図10(B)において遊技場CのTアウトは9450と特定されていることから、遊技場Cの甘アウトとして、Tアウト×割合=9450×37.5%=3544を特定する。このように、送信元管理装置(遊技場Cの管理装置5)から送信された遊技情報(送信元比較情報)が補正演算式で特定出来ない場合には、異送信元管理装置(遊技場A、Bの管理装置5)から送信された遊技情報(異送信元比較情報)に基づいて、補正項目に対応する遊技情報である推定情報を演算する。
【0044】
続いて、他の遊技情報についても、補正演算式が特定出来れば補正演算式にて特定する。例えば、甘アウトが特定されているため、補正演算式によりT1アウトを求めることが可能になるので、補正演算式(Tアウト−甘アウト)より、9450−3544=5906をT1アウトとして特定する。尚、甘セーフ、T1セーフ等も同様にして演算し、図10(C)のように遊技情報を特定する。また、優先順位3の遊技情報についても同様に演算を行い、図10(D)のように遊技情報を最終的に特定する。
【0045】
このように、サーバ8は、各遊技場の管理装置5から受信した遊技情報に基づいて、不足している遊技情報があれば上記のように補正を行った後、図11に示すように遊技情報を集計する。尚、図10及び図11では、補正により演算した遊技情報(推定情報)については、素データから算出した遊技情報と識別可能なように示している。
【0046】
上記のように集計された遊技情報は、サーバ8がデータを出力する対象として指定した各遊技場A〜Cの管理装置5(本発明でいう出力対象管理装置)において、モニタ9への表示出力或いはプリンタへの印字出力などが可能である。図12は、各遊技場A〜Cで出力される遊技情報の例を示しており、同図(A)は遊技場Aの管理装置5による表示出力、同図(B)は遊技場Bの管理装置5による表示出力、同図(C)は、遊技場Cの管理装置5による表示出力である。各遊技場A〜Cの管理装置5は、これらの遊技情報を出力する際に、図7の遊技場設定に基づいて表示する遊技項目名を設定する。例えば、図12(A)では、遊技場Cの管理装置5の遊技情報項目である「打玉」を、遊技場Aの管理装置5の遊技情報項目である「アウト」に補正して出力する。また、同図(C)に示す遊技場Cの管理装置5は製造元cの機種c2であるので、対応する他の管理装置5が管理する遊技情報項目(送信元項目)に対応付けられている項目、例えば遊技場Bの管理装置5から送信された「入賞率A」を「S%」として出力する。但し、機種c2の場合、サーバ8が管理する遊技情報項目の全てを管理対象(集計対象)としているわけではないので、管理対象となっていない遊技情報項目がある場合(例えば、遊技場Cでは「BY」に対応する項目を管理していない)には、主管理装置(=遊技場Aの管理装置5)の項目名(「BY」)を補正項目として、識別可能に(例えば色分け)して出力する。
【0047】
サーバ8及び各管理装置5は、図11に示す遊技情報集計をそのまま出力することにより、遊技場毎の集計を出力することが可能である。このとき、図12の場合と同様に、対応する遊技場の管理装置5の項目名を採用し、該当項目が無い場合はサーバ8の項目名を識別可能に出力する。
【0048】
また、図11及び図12の遊技情報集計を出力する場合、図7に示す比較データに基づく特定を行った遊技情報(推定情報)については、数値を識別可能に表示する。また、推定情報は、図12における全ての遊技場の平均値を示す「平均」の演算対象から除外される。つまり、演算により求められた不正確な遊技情報については、平均を算出するときに除外され、これにより、遊技情報集計が不正確になる虞が低減される。尚、図11及び図12には遊技機単位の集計を示したが、サーバ8側の集計も営業日毎、遊技機、或いは遊技機種毎に集計を行い、所定期間(例えば1年程度)記憶する。この場合、勿論図4〜図6に示す他の遊技情報等も集計対象としても良い。
【0049】
以上に説明したように、本実施形態の遊技情報管理システム1によれば次のような効果を奏する。
遊技情報管理システム1では、製造元の異なる管理装置5間の遊技情報項目を関連付けるとともに(図7の項目設定)、遊技場毎に導入されている管理装置5を特定している(図8の遊技場設定)ので、各遊技場における管理対象となる遊技情報項目を相互に対応付け出来、各遊技場に設置される管理装置5の製造元が異なる等の理由により、遊技場毎に管理対象となる遊技情報項目の定義付けが異なっていても、複数の遊技場の遊技情報を一元管理することが出来る。
【0050】
管理装置5によって、素データとして集計し得る遊技情報を管理していない場合(例えば、図11に示す遊技場Bなど)であっても、補正演算式により他の素データにより補正し得る場合には補正するので、サーバ8における集計の元データとなる素データを管理していない管理装置5から遊技情報を受信した場合であっても、精度の高い遊技情報を集計することが出来る。
補正演算式により精度の高い遊技情報を特定出来ない場合(例えば、図11に示す遊技場C)であっても、対応し得る遊技情報である比較データを設定し、比較データに基づき大凡の遊技情報である推定情報を特定するので、遊技場に設置される管理装置5における集計対象となる遊技情報が不足している場合であっても、他の遊技場と同等の遊技情報を把握することが可能となる。
【0051】
サーバ8が管理する遊技情報項目を各遊技場における項目に変換して出力(表示、印字など)するので、自身の遊技場に設けられる管理装置5の遊技情報項目のみに慣れた各遊技場の管理者であっても、サーバ8で集計される遊技情報を容易に把握することが出来る。
サーバ8に遊技情報項目を設定し、各遊技場の管理装置5に対応する項目を出力する際に該当する項目が無い場合はサーバ8の項目を出力するので、各遊技場管理者が見たことの無い項目があることで、自身の遊技場の管理装置5にて管理出来ない項目を直感的に把握出来る。また、その項目に興味を抱き、その遊技情報を管理し得る管理装置5に関心を抱くことで、その管理装置5の購入動機に繋がり得る。
【0052】
推定情報を識別可能に出力するので、正確な数値でないことが直感的に把握出来る。また、推定情報が大凡の遊技情報であることを把握させることで、正確な遊技情報を把握したいと考える遊技場管理者に対して、推定情報しか管理出来ない管理装置5から正確に管理し得る管理装置5への買い替え動機付けを行うことも可能になる。
推定情報については、遊技場の合計、平均情報の集計対象から除外するので、遊技場毎に大凡の遊技情報を把握可能にさせるために推定情報を算出したとしても、遊技場の合計、平均情報の正確さを損なう虞が無い。
【0053】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形又は拡張できる。
遊技場設定(図7)及び項目設定(図8)による設定を例示したが、各遊技場の管理装置5の遊技情報項目を特定可能で、更に相互に対応付可能であれば、遊技場毎に遊技情報項目を対応付けする設定態様等としても良い。
遊技情報集計(図12)において各遊技場における遊技機毎の「平均」値を出力対象としたが、所定期間の平均値や、遊技場単位の合計平均値や、全遊技場の合計値等の合計情報を出力対象としても良い。この場合も推定情報は算出対象から除外される。
【0054】
該当項目名が無い場合にサーバの項目名を出力したが、項目名の定義付けは管理装置の製造元毎に行われるので、「同一製造元の管理装置の項目名→サーバの項目名」の優先順位にて項目名を出力しても良い。この場合、サーバの項目名が出力されれば、その製造元の管理装置は管理し得ない遊技情報があるとして、管理し得る製造元の管理装置の購入動機に繋がる。
スペック情報記憶領域(図2)を操作入力以外に例えば管理装置の製造元が運営するサーバからのダウンロードによる入力や、遊技機の製造元から配布されるスペック情報が記憶されるDVD等の記憶媒体から入力する構成が想定出来る。
【0055】
集計単位期間を営業日としたが、集計単位期間としては所定時間毎、所定日数毎等、用途に応じて適宜定めれば良い。
サーバの出力端末として各遊技場の管理装置を例示したが、例えば、通常のパソコンに必要ソフトをインストールする等、管理装置以外の出力端末にて出力しても良い。この場合、出力する際に管理装置や遊技場等を特定出来る認証を条件とし、その認証に応じて出力項目等を特定することが望ましい。また、サーバにて情報出力する場合等に、任意の管理装置を指定して出力項目を特定しても良い。
【0056】
図10に例示した遊技情報の補正は、遊技情報の受信時、出力時、或いは所定時刻になった場合等、その補正時期はどのような時期であっても良い。
比較データと対応情報との割合により推定情報を特定する場合、その割合の特定対象を推定情報と同時期のデータとしたが、時期は異なっていても良い。また、他の遊技場の特定は、データを特定出来た全ての遊技場としても、特定の条件を満たす遊技場(例えば、遊技場が同地区、アウトが一定値以上の遊技場、遊技場を指定する等)としても良い。尚、上記時期や特定の条件についてはサーバにて設定すればよい。
【0057】
管理装置からの受信対象となる遊技情報として受信遊技情報(図9)を例示したが、集計済みの遊技情報(図4〜図6)や、スペック情報(図2)を受信対象としても良い。
特別状態や大当たり状態の判定を状態信号にて行ったが、所定期間の出玉率や、大当たり終了後の図柄変動数等と予め設定した設定値とを照合することで判定しても良い。
特別状態として確変、時短を例示したが、通常状態よりも大当たりを発生させ易い遊技状態であればどのような特別状態を対象としても良い。
システムの導入対象としてチェーン店を例示したが、チェーン店に限らず、遊技場名を伏せて遊技情報を集計し、その遊技情報を公開するような遊技情報集計システム等に採用しても良い。
管理装置の情報処理の一部、或いは全部を中継装置等にて行う構成としても良い。また、サーバにおける処理を管理装置にて行う構成としても良い。
【符号の説明】
【0058】
図面中、1は遊技情報管理システム、2は遊技機、5は管理装置(遊技情報管理装置)、8はサーバ(設定手段、項目補正手段、対応情報特定手段、演算手段、指定手段、受信手段、出力手段)、9はモニタ(出力手段)を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技情報項目毎に対応する定義付けが行われ、遊技場に設置される遊技機側から出力される遊技情報信号により特定される遊技情報を、前記定義付けにより特定した上で管理する遊技情報管理装置から遊技情報を受信して複数の遊技場に設置される遊技機の遊技情報を管理する遊技情報管理システムであって、
各遊技場に設置される前記遊技情報管理装置が管理する遊技情報項目を特定可能に、相互に対応付けする設定である対応付設定を行う設定手段と、
前記遊技情報管理装置から送信される、当該遊技情報管理装置により定義付けされる遊技情報項目に対応した遊技情報を受信する受信手段と、
前記設定手段により設定される前記対応付設定に基づいて、前記受信手段により受信される遊技情報に対応する遊技情報項目であって、当該遊技情報の送信元となる前記遊技情報管理装置における遊技情報項目である送信元項目を、当該送信元項目とは異なる遊技情報項目である補正項目へと補正する項目補正手段と、
前記項目補正手段が補正した補正項目に対応する遊技情報を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする遊技情報管理システム。
【請求項2】
前記対応付設定に基づいて前記補正項目に対応する遊技情報である対応情報を特定する対応情報特定手段と、
前記対応情報特定手段により特定される対応情報に基づいて前記補正項目に対応する遊技情報を演算する演算手段とを備え、
前記設定手段は、前記対応付設定として、前記補正項目に対応付けて複数種類の遊技情報項目を組み合わせるための演算式である補正演算式を設定し、
前記対応情報特定手段は、前記演算手段の演算対象となる前記補正項目に対応する複数種類の遊技情報項目に対応する遊技情報を前記対応情報として特定し、
前記演算手段は、前記対応情報特定手段により特定される対応情報を前記補正演算式に基づき組み合わせて演算することで、前記補正項目に対応する遊技情報を演算することを特徴とする請求項1記載の遊技情報管理システム。
【請求項3】
前記設定手段は、前記対応付設定として、前記補正項目に対応付けて比較対象となる遊技情報項目である比較項目を設定し、
前記対応情報特定手段は、
前記演算手段による演算対象となる遊技情報に対応する前記遊技情報管理装置が前記送信元となる遊技情報であって、前記演算対象となる補正項目に対応する前記比較項目に対応する遊技情報である送信元比較情報、
前記送信元とは異なる遊技情報管理装置である異送信元管理装置が送信元となる遊技情報であって、前記比較項目に対応する遊技情報である異送信元比較情報、
及び前記異送信元管理装置が送信元となる遊技情報であって、前記演算対象となる補正項目に対応する遊技情報である異送信元補正情報、を前記対応情報として特定し、
前記演算手段は、前記対応情報特定手段により特定される前記異送信元比較情報と、前記異送信元補正情報との対応関係が、前記送信元比較情報と、演算対象となる補正項目に対応する遊技情報との対応関係とにおいても成立すると仮定して、演算対象となる補正項目に対応する遊技情報である推定情報を演算し、
前記出力手段は、前記演算手段により演算される推定情報を出力することで、前記補正項目に対応する遊技情報を出力することを特徴とする請求項2記載の遊技情報管理システム。
【請求項4】
前記設定手段による設定対象となる前記遊技情報管理装置の内、前記出力手段による出力対象となる遊技情報項目が定義付けされた遊技情報管理装置を出力対象管理装置として指定する指定手段を備え、
前記設定手段は、前記設定手段による設定対象となる前記遊技情報管理装置の内、所定の遊技情報管理装置を主管理装置として特定可能に前記対応付設定を設定し、
前記項目補正手段は、前記指定手段により指定された出力対象管理装置における遊技情報項目が、前記対応付設定により特定可能な場合は、その遊技情報項目を前記補正項目として前記送信元項目を補正する一方、特定できない場合は前記主管理装置における遊技情報項目を前記補正項目として前記送信元項目を補正することを特徴とする請求項1から3の何れか一項記載の遊技情報管理システム。
【請求項5】
前記演算手段は、複数の遊技場における遊技情報の合計、或いは遊技機毎、遊技場毎、所定期間毎の平均の遊技情報を演算可能に構成されるが、その演算対象から前記推定情報として演算した遊技情報を除外することを特徴とする請求項2から4の何れか一項記載の遊技情報管理システム。
【請求項1】
遊技情報項目毎に対応する定義付けが行われ、遊技場に設置される遊技機側から出力される遊技情報信号により特定される遊技情報を、前記定義付けにより特定した上で管理する遊技情報管理装置から遊技情報を受信して複数の遊技場に設置される遊技機の遊技情報を管理する遊技情報管理システムであって、
各遊技場に設置される前記遊技情報管理装置が管理する遊技情報項目を特定可能に、相互に対応付けする設定である対応付設定を行う設定手段と、
前記遊技情報管理装置から送信される、当該遊技情報管理装置により定義付けされる遊技情報項目に対応した遊技情報を受信する受信手段と、
前記設定手段により設定される前記対応付設定に基づいて、前記受信手段により受信される遊技情報に対応する遊技情報項目であって、当該遊技情報の送信元となる前記遊技情報管理装置における遊技情報項目である送信元項目を、当該送信元項目とは異なる遊技情報項目である補正項目へと補正する項目補正手段と、
前記項目補正手段が補正した補正項目に対応する遊技情報を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする遊技情報管理システム。
【請求項2】
前記対応付設定に基づいて前記補正項目に対応する遊技情報である対応情報を特定する対応情報特定手段と、
前記対応情報特定手段により特定される対応情報に基づいて前記補正項目に対応する遊技情報を演算する演算手段とを備え、
前記設定手段は、前記対応付設定として、前記補正項目に対応付けて複数種類の遊技情報項目を組み合わせるための演算式である補正演算式を設定し、
前記対応情報特定手段は、前記演算手段の演算対象となる前記補正項目に対応する複数種類の遊技情報項目に対応する遊技情報を前記対応情報として特定し、
前記演算手段は、前記対応情報特定手段により特定される対応情報を前記補正演算式に基づき組み合わせて演算することで、前記補正項目に対応する遊技情報を演算することを特徴とする請求項1記載の遊技情報管理システム。
【請求項3】
前記設定手段は、前記対応付設定として、前記補正項目に対応付けて比較対象となる遊技情報項目である比較項目を設定し、
前記対応情報特定手段は、
前記演算手段による演算対象となる遊技情報に対応する前記遊技情報管理装置が前記送信元となる遊技情報であって、前記演算対象となる補正項目に対応する前記比較項目に対応する遊技情報である送信元比較情報、
前記送信元とは異なる遊技情報管理装置である異送信元管理装置が送信元となる遊技情報であって、前記比較項目に対応する遊技情報である異送信元比較情報、
及び前記異送信元管理装置が送信元となる遊技情報であって、前記演算対象となる補正項目に対応する遊技情報である異送信元補正情報、を前記対応情報として特定し、
前記演算手段は、前記対応情報特定手段により特定される前記異送信元比較情報と、前記異送信元補正情報との対応関係が、前記送信元比較情報と、演算対象となる補正項目に対応する遊技情報との対応関係とにおいても成立すると仮定して、演算対象となる補正項目に対応する遊技情報である推定情報を演算し、
前記出力手段は、前記演算手段により演算される推定情報を出力することで、前記補正項目に対応する遊技情報を出力することを特徴とする請求項2記載の遊技情報管理システム。
【請求項4】
前記設定手段による設定対象となる前記遊技情報管理装置の内、前記出力手段による出力対象となる遊技情報項目が定義付けされた遊技情報管理装置を出力対象管理装置として指定する指定手段を備え、
前記設定手段は、前記設定手段による設定対象となる前記遊技情報管理装置の内、所定の遊技情報管理装置を主管理装置として特定可能に前記対応付設定を設定し、
前記項目補正手段は、前記指定手段により指定された出力対象管理装置における遊技情報項目が、前記対応付設定により特定可能な場合は、その遊技情報項目を前記補正項目として前記送信元項目を補正する一方、特定できない場合は前記主管理装置における遊技情報項目を前記補正項目として前記送信元項目を補正することを特徴とする請求項1から3の何れか一項記載の遊技情報管理システム。
【請求項5】
前記演算手段は、複数の遊技場における遊技情報の合計、或いは遊技機毎、遊技場毎、所定期間毎の平均の遊技情報を演算可能に構成されるが、その演算対象から前記推定情報として演算した遊技情報を除外することを特徴とする請求項2から4の何れか一項記載の遊技情報管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【公開番号】特開2010−194158(P2010−194158A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43954(P2009−43954)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(507321945)DIXEO株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(507321945)DIXEO株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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