説明

遊技機の制御装置

【課題】遊技者の関心を長期に亘って惹きつけることが可能な効果的に報知できる新規な遊技機の制御装置を提供すること。
【解決手段】遊技機の電源を投入する(ステップS402)と、RAMクリアの操作がなされたか否かが判断され、RAMクリアの操作がなされたと判断したとき(Yes)は、先ずその演出図柄表示器30の画面上には、チャンスモード画面P500が表示され、所定回数抽選が行われるまで(所定回数経過)デモ画面P200と図柄変動画面P300間を移行し、所定回数経過後は図柄停止画面P100に移行する。一方、RAMクリアの操作がなされなかったと判断したとき(No)は、先ずその演出図柄表示器30の画面上には、そのRAMに記憶された遊技状態に応じた図柄停止画面P100が表示され、デモ画面P200と図柄変動画面P300間を移行することになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機やパチスロ機などの遊技機の制御装置に係り、特に、電源投入直後や遊技が行われていないときに所定のデモンストレーションを報知する機能を備えた遊技機の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のパチンコ機やパチスロ機などの遊技機の殆どには、電源投入直後あるいは遊技が行われていない時間が一定時間に達したときに遊技者の関心を惹きつけるためのデモンストレーションを報知する機能が備わっている。
このデモンストレーションは、例えばその遊技機に備わっている液晶表示器や音声発生装置(スピーカ)などを利用してデモンストレーション専用の画像(動画)をその液晶表示器に表示すると同時に、注意を惹くような音声や音楽などの効果音をスピーカから発生するといった報知パターンが一般的である。
【0003】
しかしながら、このデモンストレーションで用いられる報知パターン、すなわちデモンストレーション用の画像(動画)と効果音との組み合わせは、原則として1つのパターンしかない上にその表示開始時間も一定であるため、時間の経過と共に新鮮味がなくなってしまい、その効果が徐々に低下してしまう傾向がある。
そのため、このデモンストレーションによる効果を十分に発揮するための対策がいくつか提案されている。
【0004】
例えば、以下の特許文献1では、そのデモンストレーションの報知開始時間が一定であると、例えば開店後(電源投入後)から一度も遊技が行われていない全ての遊技機が、同じタイミングで同じデモンストレーションが一斉に報知されてしまうことから、このデモンストレーションの報知開始時間をデモ表示開始テーブルに基づいて調整する機能を付与することで係る不都合を回避するようにしている。
また、以下の特許文献2のように、複数種類の画像(背景画や変動図柄)をデモンストレーション用の画像として用意し、これら複数の画像を適宜切り替えて表示する方法も考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−181232号公報
【特許文献2】特開2002−28309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の遊技機には、前日(電源切断前)の遊技状態を記憶して次の日の電源投入時にその遊技状態を継続できる、いわゆるバックアップデータ機能を有するものが多い。従って、このバックアップデータ機能を利用すれば、前日に中断した遊技者にとって有利な遊技状態、例えば高確率状態(確変)や抽選時間短縮機能発動状態(時短)を次の日の朝一番から継続するといったサービスを行うことが可能となっている。
【0007】
しかしながら、前述したように電源投入時に発動するデモンストレーション報知は、ワンパターンであるため、このようなサービスを行っているにもかかわらず、そのサービスが効果的に遊技者に伝わらないといった問題がある。
また、このようなサービスを行っていない場合でも、遊技者の関心を惹きつけるようなより効果的なデモンストレーション報知が望まれている。
【0008】
一方、前記特許文献1や2のように、デモンストレーションの報知開始時間を変化させたり、電源投入時に複数のデモンストレーション用の画像を適宜切り替えて表示したりする方法では、最初のうちは目新しくとも次第に慣れてきてしまい、効果の持続が難しい。
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その主な目的は、遊技者の関心を長期に亘って惹きつけることが可能な効果的なデモンストレーションを報知できる新規な遊技機の制御装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために請求項1の発明は、複数の図柄を変動表示するとともに遊技に関連した演出表示を行うための画像表示部を有する表示手段を備え、前記画像表示部で所定の遊技画面を用いた報知を所定のタイミングで行う一方、電源を投入する以前の遊技状態を記憶可能であり、かつ、その記憶された遊技状態の消去が可能である遊技機の制御装置において、前記電源を投入する以前の遊技状態が消去された後に電源が投入された場合と、前記電源を投入する以前の遊技状態が記憶されたまま電源が投入された場合とで、前記報知において用いる前記所定の遊技画面を異ならせることを特徴とする遊技機の制御装置である。
【0010】
このような構成によれば、少なくとも2種類以上の報知における遊技画面のうち、ホールの営業形態などに応じて任意に選択して報知できるため、的確な遊技サービスを提供することができる。
また、RAMクリア(遊技状態記憶の消去)の操作のみで所望の遊技画面を選択して報知することができる。
【0011】
ここで、この所定の遊技画面を用いた報知としては、遊技機の分野における「デモンストレーション」が考えられる。なお、遊技機における「デモンストレーション」とは、その遊技機に備わっている画像表示部や効果音発生部などを用いて行う演出の1つであり、電源投入直後にその画像表示部に表示されている初期画像(静止画像)、および電源投入後に遊技が行われていない時間が一定時間に達したときに、遊技客の注意を惹きつけることを主な目的としてその画像表示部に表示されている初期画像に代わって所定の動画や静止画像を所定の効果音と共に、あるいは所定の動画や静止画像のみを表示する機能をいう(以下、同じである)。
また、「遊技されていないとき(遊技が行われていないとき)」とは、後述する実施の形態で示すように、主制御基板のタイマによって図柄停止画面に移行した状態が所定時間(例えば30秒)経過したと判断されたときなどをいう。
【0012】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の遊技機の制御装置において、前記遊技機は、前記画像表示部に停止表示される図柄の組合せが所定の組合せである場合には、遊技者に有利な特別遊技を行い、前記画像表示部に停止表示される図柄の組合せが前記所定の組合せとは異なる特定の組合せの場合には、前記画像表示部に特定画像の表示を行い、前記所定の組合せ及び前記特定の組合せのいずれでもない場合でありかつ所定条件が成立した場合には、前記報知を行うようになっており、前記電源を投入する以前の遊技状態が消去された後に電源が投入されたときは、前記画像表示部で表示される複数の遊技画面のなかの前記特定画像を用いた報知を行い、前記電源を投入する以前の遊技状態が記憶されたまま電源が投入されたときは、前記画像表示部で表示される複数の遊技画面のうち前記記憶されている遊技状態に対応する遊技画面を用いた報知を行うことを特徴とする遊技機の制御装置である。
【0013】
ここで、「図柄の組合せが、所定の組合せである」とは、図10に示すように画像表示画面P100に表示される3つの演出図柄31,32,33が順番にまたは同時に停止表示された結果、例えば「7」「7」「7」というように同じ数字で揃う場合、あるいは特定の並び目からなる組合せ(「1」「2」「3」)となる場合などをいう。
また、「条件が成立する」とは、「遊技が行われていない」と判断された場合をいい、「遊技されていないとき(遊技が行われていないとき)」とは、後述する実施の形態で示すように、主制御基板のタイマによって図柄停止画面に移行した状態が所定時間(例えば30秒)経過したと判断されたときなどをいう。
【0014】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の遊技機の制御装置において、前記遊技機には、前記特別遊技よりも遊技者に対する有利の程度が小さい所定の遊技を行う小当りが複数種類設定されており、前記小当りに当選した場合には、いずれの小当りに移行するときにも、前記画像表示部に前記特定画像の表示を行うようになっていることを特徴とする遊技機の制御装置である。
【発明の効果】
【0015】
以上要するに本発明によれば、ホールの営業形態や稼働状況、遊技機の遊技状態などに応じて遊技画面を的確に選択して報知できるため、長期に亘って効果的な報知を実施できるといった優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】遊技機の外観斜視図である。
【図2】遊技機の遊技盤を示す正面図である。
【図3】遊技機の制御系のブロック構成図である。
【図4】遊技機の複合サブ制御基板を中心とした制御系のブロック構成図である。
【図5】キャラクターROMメモリマップ、パレットデータの説明図である。
【図6】制御コマンドの構成例を示す図である。
【図7】制御コマンドの送信タイムチャートの一例を示す図である。
【図8】主制御基板による遊技機の遊技制御動作を説明するためのフローチャート図である。
【図9】当りの種類およびこの当りを契機として移行する遊技状態の種類ならびに各種画面モードとの関係などを示したグラフ図である。
【図10】通常モード時に選択される画像の一例を示す図である。
【図11】チャンスモード時に選択される画像の一例を示す図である。
【図12】主制御基板による遊技機の当り抽選処理の流れを示すフローチャート図である。
【図13】デモンストレーションの報知パターンとして第1報知パターンを選択したときの演出図柄表示器に表示される画面の移行状態を示す説明図である。
【図14】演出図柄表示器に表示されるデモ画面の一例を示す説明図である。
【図15】デモンストレーションの報知パターンとして第2報知パターンを選択したときの演出図柄表示器に表示される画面の移行状態を示す説明図である。
【図16】デモンストレーションの報知パターンとして第3報知パターンを選択したときの演出図柄表示器に表示される画面の移行状態を示す説明図である。
【図17】切替操作部の他の実施の形態を示す説明図である。
【図18】デモンストレーションの報知パターンとしてRAMクリアによる演出図柄表示器に表示される画面の移行状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照しながら詳述する。
図1は、遊技機100の実施の一形態を示した外観斜視図である。
図示するようにこの遊技機100は、いわゆるデジパチなどと称されるパチンコ機であり、縦長矩形状をした外枠10とヒンジ機構12により蝶着された内枠14の正面上部には、開閉自在なガラス枠ユニット16で覆われた遊技盤18が設けられている。
【0018】
この遊技盤18とガラス枠ユニット16の間には、図2に示すように案内レール20によって区画された円形状の空間である遊技領域22が形成されており、発射装置(発射ハンドル)24から案内レール20を介して遊技領域22内上部に打ち込まれた遊技球がその自重によってその遊技領域22内を落下し、その一部が遊技盤18底部に設けられたアウト口26から遊技領域22外(遊技盤18後方)へ排出されると共に、他の遊技球の一部がその遊技盤18に形成された各種入賞口に入賞するようになっている。そして、この各種入賞口に遊技球が入賞すると、その入賞球数に応じた数の賞球(1個〜15個)がその遊技領域22の下部に設けられた受皿ユニット28側へ次々と払い出されるようになっている。
【0019】
また、図2に示すようにこの遊技盤18の中央部には、液晶ディスプレイ(LCDパネル)からなる大型の演出図柄表示器30が設けられており、その下部に設けられた入賞装置34へ遊技球が入賞したときに行われる大当り(特賞)の抽選結果に対応する所定の演出図柄や、後述するデモンストレーション報知用の画像(動画)などを適宜変動表示(可変表示)するようになっている。
また、この入賞装置34は、固定式の第1始動口34aと、その下部に位置する可動式の第2始動口34bとから構成されている。
【0020】
すなわち、この入賞装置34は、遊技盤18上にネジなどによって固定される固定板35の中央上部に第1始動口34aが設けられていると共に、その直下に第2始動口34bが設けられた構造となっており、その近傍を落下する遊技球の一部がその近傍に打ち込まれた釘や役物(図示せず)などに誘導されてそれぞれ適宜入賞可能となっている。
この第1始動口34aは、図示するようにいわゆるヘソなどと称される常時上向きに開口した遊技球入口であり、その直上に位置する釘同士の間隔や角度などを適宜調節することによって予めその入球(入賞)確率が調整可能となっている。
【0021】
一方、第2始動口34bは、いわゆる電チュー(電動チューリップ)などと称される入賞確率可変な電動役物(可動部材)から構成されており、前記案内レール20近傍に設けられた普通図柄始動ゲート32を遊技球が通過する際に行われる普通図柄の抽選結果に応じて開閉動作してこの第2始動口34b(入賞装置34)への遊技球の入賞確率をコントロールできるようになっている。なお、この第2始動口34bが非作動状態のときは、その電動役物(可動部材)が停止した(閉じた)状態となっており、その第2始動口34bへ遊技球が入賞できないようになっている。
また、この入賞装置34の下部には、矩形板状の開閉蓋36で塞がれた大入賞口38が形成されており、この入賞装置34への遊技球の入賞を契機に行われた大当りの抽選で当選したときに、その開閉蓋36を所定時間、所定回数、開閉動作を繰り返すことでその遊技領域22内を落下する遊技球を捕捉して入賞させるようになっている。
【0022】
なお、図2中、符号48は遊技球の一部が入賞可能な一般入賞口、50は前記普通図柄始動ゲート32を遊技球が通過する際に行われる普通図柄の抽選結果を示す普通図柄表示部、52は入賞装置34への遊技球の入賞を契機として行われる大当りの抽選結果を数値やアルファベットなど用いて表示すべく7セグメントLEDなどからなる特別図柄表示部、54は入賞装置34への始動入賞保留球数(最大で8個)を示す保留ランプ、56はこの遊技盤18を内枠14側に対して脱着するための取付部である。また、図示していないが、この遊技盤18上には、これを落下する遊技球の流れを制御するための釘が多数打ち込まれている。
【0023】
一方、図1に示すようにこの遊技盤18を覆うガラス枠ユニット16の周囲には、電球やLEDなどからなる様々な色彩の表示ランプ(表示灯)40が設けられており、遊技中の演出や機器の状態(例えば、機器のエラーやガラス枠ユニット16などの開閉状態)などとリンクして点灯または点滅するようになっている。
さらに、このガラス枠ユニット16の左右上角部や受皿ユニット28の下部中央には、それぞれフルレンジスピーカーユニット42、42やサブウーファーユニット43が設けられており、遊技中の効果音やエラー音などの他、後述するデモンストレーションの際の効果音などを迫力のある重低音および高音質で発するようになっている。
【0024】
また、この遊技盤18の下方には遊技者側に突出した受皿ユニット28が設けられており、図示しない貸玉装置から供給された遊技球や払い出された賞球を一時的に保留すると共に、保留した遊技球を発射装置24に順次供給するようになっている。
なお、図1中符号44は、図示しない貸玉装置から遊技球を供給するための操作ボタン(玉貸ボタンおよびカード返却ボタン)、46は、遊技中に遊技者が押下操作(プッシュ)することで、効果音や演出図柄表示器30で表示される演出などに参加可能なプッシュボタンである。
【0025】
次に、このような構成をした本発明の遊技機100の制御系の構成を説明する。
図3は本発明の遊技機100の制御系の構成を示すブロック図である。
図示するように、この遊技機100の制御系は、遊技球の入賞検出や大当り抽選などといった遊技に関する制御を主に行う主制御基板200と、この主制御基板200からの指令(制御コマンド)を受けて主に各種演出などに関する制御を実施する複合サブ制御基板300と、同じく主制御基板200からの指令(制御コマンド)を受けて賞球の払出しや遊技球の貸出しなどに関する制御を実施する賞球払出制御基板400と、前述した遊技盤18上の特別図柄表示器52や普通図柄表示器50などの表示デバイスおよび前記大入賞口38を開閉する大入賞口ソレノイド500や入賞装置34の電動役物(電動チューリップ)を駆動する電動ソレノイド70などの各種デバイスと、これら各基板やデバイスなどに電源を供給する電源基板800などから主に構成されている。
【0026】
先ず、この主制御基板200は、CPU(中央演算処理装置)210、RAM(主記憶装置)220、ROM(読出用記憶装置)230、タイマ240、入力ポート250、出力ポート260などをバス270で接続してなるマイクロコンピュータから構成されている。そして、CPU210がROM220に書き込まれた主制御用プログラムと入力ポート250から入力される各種情報に基づいて所定の処理を実施し、その処理結果に応じた制御信号を同じくROM220に書き込まれた制御コマンドを介して出力ポート260から複合サブ制御基板300や賞球払出制御基板400などの各種基板に出力したり、大入賞口ソレノイド500や電動ソレノイド70、特別図柄表示器52、普通図柄表示器50などの各種デバイスを直接制御するようになっている。
【0027】
入力ポート250には、入賞装置34の第1始動口34aや第2始動口34bへの遊技球の入賞を検出する第1入賞検出器60および第2入賞検出器62や、前述した大入賞口38への遊技球の入賞を検出する大入賞口入賞検出器251、一般入賞口48や普通図柄始動ゲート32などへの入賞を検出する各種入賞口検出器252、発射装置24の操作や賞球の不足状態や満タン状態などを検出したりするための各種検出器253などが接続されており、これら各検出器62,76,251,252,253などで検出された信号がこの入力ポート250を介して主制御基板200側に適宜入力されるようになっている。
【0028】
次に、複合サブ制御基板300は、前記主制御基板200と同様に図示しないCPU、RAM、ROM、入力ポート、出力ポートなどのマイクロコンピュータシステムから構成されており、そのCPUがROMに書き込まれた専用の複合サブ制御用プログラムと各種データおよび主制御基板200側から逐一送信される制御コマンドに基づいて電飾制御基板310や演出図柄制御基板320、スピーカーユニット42、43などに対してそれぞれの制御コマンドや音声信号などを送信して、主に遊技中の演出やデモンストレーションに関する制御を複合的に制御するようになっている。
【0029】
図4は、この複合サブ制御基板300およびこの複合サブ制御基板300で制御される電飾制御基板310、演出図柄制御基板320、スピーカーユニット42、43の詳細な構成を示したものである。
この複合サブ制御基板300は、前述したようなマイクロコンピュータシステムからなる複合制御部301に加え、音声合成LSI302と、切替操作部340と、音量調節操作部350とをさらに備えた構成となっている。
【0030】
音声合成LSI302は、主に遊技中の演出用の効果音やデモンストレーション用の効果音などの音声データを保持すると共に、複合制御部301からのコマンドに応じて所定の音声データを合成してスピーカー42,43から発生するようになっている。
切替操作部340は、後述するようにデモンストレーションを報知する際に、ホールスタッフなどが手動によって複数の報知パターンのうちの任意の報知パターンに切り替えるものであり、具体的にはスライド式のスイッチなどの電子部品から構成されている。なお、図の例では、スライド式の摘み部341を左右方向にスライド操作して目盛り「0」、「1」、「2」、「3」いずれかに合わせることで4つの報知パターンのうちのいずれかを任意に切り替えることができるようになっている。
【0031】
音量調節操作部350は、ボリュームスイッチなどと称される電子部品(可変抵抗器)から構成されており、ホールスタッフなどがその摘み部分351を手動で回転させることでスピーカー42,43から発生する効果音の音量を微調節できるようになっている。なお、図の例では「0」から「7」の8段階での効果音の調整が可能となっており、目盛り「0」の位置では効果音が全く発生されず、その目盛りの数値が上がるごとに段階的に効果音が大きくなり、目盛り「7」で最大の効果音が発生するようになっている。
【0032】
演出図柄制御基板320は、複合サブ制御基板300からのストローブ信号やコマンドを受信するためのデータ受信回路321(データレベルを変換する電圧変換回路を含む)と、この電圧変換回路等に電源供給を行う電源回路322と、受信したコマンドに基づいて表示制御を行うために必要な制御データを生成して画像処理用LSI(VDP)323に出力するCPU324と、このCPU324の動作手順を記述したプログラムを内蔵するプログラムROM325と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM326と、画像展開処理を行う画像処理用LSI(VDP)323と、画像処理用LSI(VDP)323が展開した画像データを一時的に記憶するビデオRAM327と、画像処理用LSI(VDP)323が画像展開するために必要なデータを格納したキャラクターROM328と、ビデオRAM327に一時的に記憶された画像データを受け取って送出するLCDパネル用インターフェイス回路329とから主に構成されており、このLCDパネル用インターフェイス回路329から送出された画像データがLCDパネル30に出力されて所定の演出用画像およびデモンストレーション用の画像が表示されるようになっている。
【0033】
すなわち、図5(a)に示すように、キャラクターROM328は、ROMタイトル領域、ROM管理情報領域、実際のキャラクターデータを格納したキャラクターイメージデータ領域、キャラクターの色彩データを格納したパレットデータ領域、および、キャラクターの動きを定義した情報を格納したシナリオデータ領域を有している。また、キャラクターデータは特定圧縮方法で圧縮処理された状態でキャラクターイメージデータ領域に格納されており、さらに、図5(b)に示すように、パレットデータ領域は色番号とカラーコードとが対となったものが複数種類格納されている。
【0034】
そして、この演出図柄制御基板320のCPU324は、データ受信回路321が受信したコマンドに応じて生成した制御データを画像処理用LSI(VDP)323に与えると、画像処理用LSI(VDP)323は、キャラクターイメージデータ領域から獲得したキャラクターデータを解凍してパレットデータ領域から獲得した色彩データで色付けして、シナリオデータ領域から獲得した情報で指定されたビデオRAM327上の位置に画像展開したデータを一時的に格納し、一時的に格納したデータをLCDパネル用インターフェイス回路329に送ることによって、LCDパネル30上に所定の演出用画像およびデモンストレーション用の画像が表示されるようになっている。
【0035】
図6および図7は、この複合サブ制御基板300から演出図柄制御基板320などに送信される制御コマンドの一例を示したものである。
この制御コマンドは、図6に示すように通常コマンドの分類(機能)を識別するための識別子である1バイト長のデジタルデータであるモード(MODE)と、実行される制御コマンドの内容を示す1バイト長のデジタルデータであるイベント(EVENT)とから構成されており、例えば、あるコマンドが演出図柄の変動パターンに関するコマンドである「9FH03H」であれば、全段の「9FH」が演出図柄の制御コマンドの分類を識別するための識別子であり、後段の「03H」が実行される制御コマンドの内容であることを示している。
【0036】
また、このような制御コマンド「9FH03H」を演出図柄制御基板320に対して送信するにあたり、この複合サブ制御基板300では、図7に示すように、コマンド変化時に自身が生成するストローブ信号(DUSTB)の1つ目の立ち上がりを契機として最初にモードデータが出力され、次いでストローブ信号(DUSTB)の2つ目の立ち上がりを契機として次のイベントデータが出力されることになる。そして、このような制御コマンドを受信した演出図柄制御基板320などでは、そのストローブ信号(DUSTB)の入力に応じて割り込みを発生させ、その割り込み処理によってその制御コマンドに対応する処理が逐一実行されるようになっている。
【0037】
一方、同じくこの複合サブ制御基板300によって制御される電飾制御基板310は、前述したような複合サブ制御基板300からの制御コマンドを受けて電飾用ランプ40の点灯または点滅、消灯などの表示灯に関する電飾制御を実施するようになっている。すなわち、この電飾制御基板310も前述した演出図柄制御基板320と同様に、図示しないCPUやRAM、ROM、タイマ、入出力用ポートなどからなるマイクロコンピュータとそのROMなどに書き込まれた各専用の制御プログラムと各種データとからなっており、複合サブ制御基板300から送信される各種制御コマンドに応じてそれぞれの電飾に関する演出制御を行うようになっている。
【0038】
また、図3に示すようにこの主制御基板200の出力ポート260には、ホールコンピュータ700のラインが接続されており、この遊技機100の出玉情報や異常信号などを適宜ホールコンピュータ700に出力してこの遊技機100の遊技状態などが常時遠隔監視できるようになっている。
また、賞球払出制御基板400は、遊技球の発射や遊技球の貸出し、賞球の払出しなどに関する制御を行うようになっており、前述した発射装置24を制御する他、遊技中に入賞があったときは、その入賞口の種類に応じた賞球(例えば、入賞装置34の第1始動口34aや第2始動口34bであれば1個or5個、一般入賞口48であれば10個、大入賞口38であれば15個など)を払出すための払出装置410や、遊技用プリペイドカードの残量などに応じて遊技球を供給する貸玉装置(CR:図示せず)などを複合的に制御するようになっている。
【0039】
また、大入賞口ソレノイド500は、主制御基板200によって直接制御されるようになっており、前述した入賞装置34への遊技球の入賞を契機として行われる当りの抽選の結果、「通常大当り」や「確変大当り」あるいは「確変突入当り」に当選したときに、その大入賞口38を、例えば「29秒×15回(「通常大当り」および「確変大当り」の場合)あるいは「0.5秒×2回(「確変突入当り」の場合)」のパターンで開閉動するようになっている。
【0040】
また、入賞装置34の第2始動口34aを構成する電動役物を動作するための電動ソレノイド70も主制御基板200によって直接制御されるようになっており、前述したように普通図柄始動ゲート32を遊技球が通過する際に行われる普通図柄の抽選に当選したときや、いわゆる時短機能が発動したときに、例えば、「0.5秒〜5秒」程度の間、作動してその第2始動口34aへの遊技球の入賞確率を高めることができるようになっている。
【0041】
そして、これら主制御基板200や複合サブ制御基板300、電飾制御基板310、演出図柄制御基板320、賞球払出制御基板400、大入賞口ソレノイド500、電動ソレノイド70、およびこれらによって制御される各種デバイス、すなわち電飾用ランプ40、スピーカーユニット42,43、発射装置24、払出装置410、演出図柄表示器30、普通図柄表示器50、特別図柄表示器52などは、電源基板800から供給される直流電源によって動作するようになっている。
【0042】
すなわち、この電源基板800には、100Vの商用電源を24Vに変圧する変圧器や前記各基板などに供給する電気を制御するための電源回路などの他に電源スイッチ(メインスイッチ)810が備えられており、ホールスタッフなどの手動によってこの電源スイッチ810を操作することで個々の遊技機100ごとにその電源投入および電源断を行うことができるようになっている。
【0043】
また、前記主制御基板200の入力ポート250には、RAMクリアスイッチ201が接続されており、この電源スイッチ810によって電源基板800に電源投入する際に、その主制御基板200のRAM220に保存された電源切断前の遊技状態を継続するか否か(RAMクリア)をホールスタッフなどの手動によって任意に制御できるようになっている。
【0044】
次に、主制御基板200が行う主たる制御動作を図8(遊技動作制御のゼネラルフローチャート)を参照して説明し、その後、複合サブ制御基板300が行う本発明の特徴であるデモンストレーションの報知の切り替え処理などについて説明して本発明の理解の容易化に努める。
なお、図8に示す一連の処理は、主制御基板200がROM230に格納されている図示しない遊技制御プログラムを実行することによって行われる。より具体的には、タイマ240から所定時間(例えば4msec)ごとに供給されるリセット信号をトリガとして先頭のステップから実行され、この一連の処理が繰り返し実行されるようになっている。
【0045】
先ず、図3に示す電源基板800に設けられた電源スイッチ810によって電源回路に電源が投入されるとこれを介して主制御基板200などに電源が供給されて遊技機100全体が起動する。そして、主制御基板200は、最初のステップS100において、が、この電源投入が行われてから初めての処理が実行されたか否かを判定し、電源投入後、初めての処理の場合には(Yes)ステップS200に移行し、これ以外の場合には(No)ステップS120に移行する。
ステップS200では、RAMクリアスイッチ201が操作されたか否かが判断され、操作されないと判断したとき(No)は、ステップS206までジャンプすることになるが、操作されたと判断したとき(Yes)は、次のステップS202に移行する。
【0046】
すなわち、RAM220の記憶エリアに記憶された電源投入前(前日)の遊技状態(バックアップデータ)を電源投入後(当日)も継続する場合は、ステップS206までジャンプすることになるが、電源投入前(前日)の遊技状態(バックアップデータ)を継続しない場合は、次のステップS202に移行する。なお、このRAM220は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(StaticRandom Access Memory)などで構成されており、DRAMの場合は、図示しない蓄電池や待機電流などを電源とするリフレッシュ動作によってそのバックアップデータを記録エリアに保持できるようになっている。
【0047】
ステップS202では、RAM220の初期化処理として記憶エリアのクリア処理を実行し、次いで、ステップS204では、初期制御処理を行うためのデータをRAM220の所定の領域にセットする。
一方、ステップS101では、RAM220内に形成される図示しない、大当り判定用、小当り判定用等の各種の乱数生成用ループカウンタのカウント値をインクリメントし、次いで、ステップS102では、遊技機制御に用いる各種のタイマのタイマ値を更新する。
【0048】
次に、ステップS104では、第1入賞検出器60,第2入賞検出器62,大入賞口入賞検出器251、各種入賞口入賞検出器252などが出力した検出信号を入力ポート250を介して図示しない自身内のレジスタに読み込み格納する入力ポート処理を実行し、次いで、ステップS106に移行してポート入力処理で読み込み格納したデータを把握するためのスイッチチェック処理を実行する。
次に、ステップS108では、これら各検出器60,62,251、252などの断線や短絡の有無のチェックを行い、次のステップS110においてこれらの障害が発生していると判断したとき(Yes)は、ステップS206に移行する一方、これ以外の場合(No)には、ステップS112に移行する。
【0049】
そして、ステップS112において、各種演出に必要なデータおよび必要なコマンドをRAM220の所定領域に格納すると共に、次のステップS114にて前記各種のタイマのタイマ値を減じる処理を行う。なお、このステップS112において、主制御基板200は、遊技動作制御に応じて必要なモード、イベントのコマンドをROM230のコマンドデータテーブル領域を参照して決定し、決定したモード、イベントを示すデジタル情報をRAM220の所定エリアに格納する。
【0050】
次に、ステップS116において、大入賞口38と、入賞装置34の第2始動口(電動役物)34bとを所定パターンで開閉制御するために、電動ソレノイド70と大入賞口ソレノイド500とを駆動制御し、次いで、ステップS206において、賞球払出装置410に払出し動作を行わせるための制御コマンドを出力するための賞球セット処理を実行する。さらに、次のステップS208では、ホールコンピュータ700などに各種の遊技データを出力する外部情報処理を実行してステップS210に移行する。
【0051】
ステップS210では、各処理でRAM220に格納したデータを複合サブ制御基板300に出力し(ポート出力処理)、これを後に説明するようにして受け取った複合サブ制御基板300は、これに基づいた演出制御を行う。
ステップS212では、図示しないリセット回路からリセット信号が入力されるまで図柄、制御乱数更新処理を実行すると共に、リセット信号が入力された場合には最初のステップS100に戻って遊技動作制御を継続する。なお、この図柄、制御乱数更新処理としては、先に述べた各種の乱数生成用のカウンタの更新などが挙げられる。
【0052】
次に、このような構成した本発明の遊技機100の遊技形態(遊技方法)を添付図面を参照しながら説明する。なお、以下に記述していない機能や動作などについては、従来のデジタル式のパチンコ機と同様である。
先ず、図1および図2に示すように発射装置24によって遊技領域22に弾かれた遊技球の一部が入賞装置34の第1始動口34aに入球し、その入球が第1入賞検出器60によって検出(入賞)されて主制御基板200にその入賞信号が入力されると、主制御基板200(のCPU210)では、その入賞に対して例えば2〜4msecごとに更新される乱数を付与し、その乱数値に基づいて、図9に示すような5種類の「当り」の抽選を行う。
【0053】
図9は、この入賞装置34への遊技球の入賞を契機として行われる抽選による「当り」の種類、およびこれら各「当り」を契機として移行する遊技状態の種類、ならびにこれら各遊技状態に対応して演出図柄表示器30に表示される演出図柄の各種画面モードとの関係を示したものである。
先ず、同図の第1欄(最上欄)に示すように、この「当り」の種類としては、大入賞口38の開閉動作パターン別に「大当り」と、「小当り」との2種類に大別される。なお、この「大当り」の当選確率は例えば「1/400」であるのに対し、「小当り」の当選確率は例えば「1/230」であり、「大当り」に比べてやや高い当選確率となっている。
【0054】
この「大当り」の大入賞口38の開閉動作パターンとしては、いわゆる15R(ラウンド)の開閉パターンであり、例えば、大入賞口38が「15回×各29秒間」のパターンで開閉動するものである。また、「小当り」の大入賞口38の開閉動作パターンとしては、いわゆる2R(ラウンド)の開閉パターンであり、例えば、大入賞口38が「2回×各2秒間」のパターンで開閉動するものである。
【0055】
そして、この「大当り」は、さらに「(A)確変大当り」と、「(B)通常(非確変)大当り」との2種類からなっている。
先ず「(A)確変大当り」の場合は、大入賞口38の開閉動作(15R)終了後の遊技状態が「確変状態」に移行し、「(B)通常(非確変)大当り」の場合は、大入賞口38の開閉動作(15R)終了後の遊技状態が「通常状態」に移行するようになっている。
【0056】
ここで、この「確変状態」とは、入賞装置34への遊技球の入賞を契機として行われる抽選による「大当り」の当選確率が、「通常状態」のときの抽選確率に比べて大幅に高くなっている遊技状態をいう。例えば、「通常状態」の「当り」の当選確率が約「1/400」に対して、「確変状態」の「当り」の当選確率は約「1/40」であり、「通常状態」よりも10倍程度高い当選確率となっている。
【0057】
さらに、同図に示すようにこの「大当り」に当選した場合、その大入賞口38の開閉動作(15R)終了後は、いずれの場合も所定回数の「時短機能」が発動するようになっている。すなわち、「(A)確変大当り」の場合は、時短回数が「10000回」の「時短機能」が発動であり、「(B)通常(非確変)大当り」の場合は、時短回数が「100回」の「時短機能」が発動するようになっている。
【0058】
ここで、この「時短機能」とは、既に多くの実機に搭載されているように演出図柄表示器30に表示される演出図柄の変動パターンの変動時間、つまり演出図柄の確定表示時間が通常よりも短く、かつ前記普通図柄始動ゲート32への遊技球の通過を契機として行われる普通図柄の当選確率が飛躍的に向上することで入賞装置34の第2始動口34bを構成する電動役物が頻繁に作動するようになる状態をいう。従って、この「時短機能」が発動している間は、原則として遊技球(持ち玉)が殆ど減少せずに短時間で数多くの抽選処理が行われるようになるため、短時間で次の「当り」に当選する可能性が高くなり、遊技者にとって極めて有利な状態を提供する機能である。
【0059】
一方、「小当り」の場合は、さらに「(C)確変小当り(時短あり)」と、「(D)確変小当り(時短なし)」と、「(E)通常(非確変)小当り(時短なし)」といった3種類の「小当り」が存在している。
そして、このうち、「(C)確変小当り(時短あり)」および「(D)確変小当り(時短なし)」の場合は、大入賞口38の開閉動作(2R)終了後の遊技状態が「高確率状態」に移行(いわゆる「突確」)するのに対し、「(E)通常(非確変)小当り(時短なし)」の場合は、その状態移行が行われないようになっている。
【0060】
また、「(C)確変小当り(時短あり)」の場合は、大入賞口38の開閉動作(2R)終了後に「10000回」の「時短機能」が発動するようになっているが、「(D)確変小当り(時短なし)」と「(E)通常(非確変)小当り(時短なし)」の場合は、「時短機能」が発動しないようになっている(0回)。
そして、これら各当り(A)〜(E)当選後は、演出図柄表示器(LCDパネル)30に表示される遊技画面(画像)の画面モードがその遊技状態に応じて変化するようになっており、これによって遊技者は、現在の遊技状態をその遊技画面の画面モードの違いによって把握することができようになっている。
【0061】
すなわち、同図の右欄に示すように、「(A)確変大当り」および「(C)確変小当り」の当選後に「高確率状態」に移行した場合は、その状態に対応する画面モードである「確変モード」で演出図柄の変動表示が行われ、また、「(B)通常(非確変)大当り」の当選後に「通常状態」に移行した場合は、その状態に対応する画面モードである「通常モード」で演出図柄の変動表示が行われるようになっており、その演出図柄表示器30を目視した遊技者は、その遊技画面の画面モードの違いによって現在の遊技状態が「高確率状態」であるか「通常状態」であるかを容易に把握することができるようになっている。
【0062】
例えば、「通常モード」が青を主体とする演出図柄を用いて比較的地味な変動パターンで表示される画像からなるのに対し、「確変モード」が赤を主体とする演出図柄を用いて派手な変動パターンで表示される画像とすることによって、その遊技状態の区別が容易にできる。
また、「時短機能」が発動している場合には、その画面モードは「時短モード」となり、その演出図柄表示器30を目視した遊技者は、現在「時短機能」が発動していることをその演出図柄表示器30からも容易に把握することができるようになっている。
【0063】
図10は、これら3つの画面モードのうち、通常状態時に選択される画面モード(通常モード)の一例を示したものであり、1回の抽選ごとに一定の背景上を3つの演出図柄がそれぞれ上下方向に変動し、所定の変動パターンによって演出図柄が順に停止することでその抽選結果が「当り」か「ハズレ」であることを表示するようになっている。
なお、このように画面モードが変化した場合は、その画面モードの種類に合わせてBGMなどの効果音や表示ランプの点滅パターンなども変化するようになっており、遊技者は、視覚のみならず聴覚などを通じてその状態が把握できるようになっている。
【0064】
一方、「(D)確変小当り(時短機能なし)」および「(E)通常(非確変)小当り(時短機能なし)」のいずれかに当選した場合は、前述したようにその「小当り」の種類によってその後の遊技状態が大きく異なるにも拘わらず、いずれの場合もその画面モードは「チャンスモード」と称される第4の画面モードに移行するようになっている。
この「チャンスモード」なる画面モードは、例えば図11に示すように、前記図10に示した「通常状態」の画面モードや「高確率状態」の画面モードなどとは、明らかに異なるデザインやキャラクターからなる演出図柄が採用されており、原則として遊技者は、その画面モードからでは、その「小当り」が、遊技者にとって有利な「(D)確変小当り」に当選したことにより移行したものなのか、あるいは「(E)通常(非確変)小当り」に当選したことにより移行したものなのかの判別がし難い画像(演出図柄)から構成されている。
【0065】
すなわち、この「チャンスモード」なる画面モードは、その「小当り」が「(D)確変小当り」の場合は、この遊技画面(画像)を見た遊技者に対して「当り」に対する期待感を与えることができ、また、その「当り」が「(E)通常(非確変)小当り」の場合であっても同じような期待感を与えることで、次回の当選までの退屈感を解消することができるという心理的な効果を発揮することができるようになっている。
【0066】
また、この「チャンスモード」なる画面モードは、所定抽選回数(例えば30回)経過した後は、その遊技状態を内部的に継続しつつ「通常モード」に移行するようになっている。従って、その「チャンスモード」が、「(D)確変小当り」を契機として移行したものである場合は、その画面モードが「通常モード」に移行した後であっても、その遊技状態はその画面モードなどからは容易に判別できないが、依然「高確率状態」を継続したままとなっており、いわゆる「高確率潜伏状態」となる。
【0067】
このため、例えばその遊技状態が「高確率状態」であるにも拘わらず、画面モードが「通常モード」に移行してしまったため、その時点で遊技を終了してしまう遊技者が存在する反面、その直後にその遊技機で遊技をしようすると別の遊技者は、いきなり「高確率状態」で遊技を開始する結果となり、遊技のパターンが従来に増してより多様化するといった効果を発揮できる。
【0068】
次に、同図の第2欄に示すように、「高確率状態」(遊技画面は「確変モード」)から当選する「当り」の種類も同様に(A)〜(E)の5種類であり、その「当り」後に移行する遊技状態も原則として同じであるが、「(E)通常(非確変)小当り」に当選した場合は、状態移行せずそのまま「高確率状態」が継続する。また、「時短機能」が発動している間に、この「(E)通常(非確変)小当り」や「(D)確変小当り」に当選した場合は、その「時短機能」に影響を与えることなく、そのまま残りの時短回数を継続することになる。
【0069】
また、同図の第3欄に示すように、「高確率潜伏状態」(画面モードは「チャンスモード」)から当選する「当り」の種類も「高確率状態」から当選する「当り」の種類と同様に(A)〜(E)の5種類であり、その「当り」後の遊技状態も同じである。
そして、同図の第4欄に示すように、その「高確率潜伏状態」を継続したまま画面モードが「通常モード」に切り替わった後に当選する「当り」の種類も「高確率状態」から当選する「当り」の種類と同様に(A)〜(E)の5種類であり、その「当り」後の遊技状態も同じである。
【0070】
一方、同図の第5欄に示すように、画面モードが「チャンスモード」となっている「通常状態」から当選する「当り」の種類も同様に(A)〜(E)の5種類であり、その「当り」後の遊技状態も画面モードが「通常モード」となっている「通常状態」と同じとなっている。
そして、図12のフローは、このように入賞装置34への遊技球の入賞を契機として主制御基板200によって行われる5種類の「当り」抽選の処理の流れを示したものである。
【0071】
先ず、主制御基板200(のCPU210)は、入賞装置34への遊技球の入賞またはその入賞保留があるか否かを判断し、ないと判断したとき(No)は入賞装置34への遊技球の入賞があるまでそのまま待機することになるが、あると判断したとき(Yes)は現在の遊技状態が「高確率状態」であるか否かを判断し、高確率状態であると判断したとき(Yes)は、ステップS304側に移行して前述したような高確率(例えば「1/40」)で「大当り」または「小当り」(確率変動なし)の抽選を行ってからステップS308に移行する。
【0072】
一方、「高確率状態」でないと判断したとき(No)は、ステップS306側に移行して前述したような通常の確率(例えば「1/400」)で「大当り」または「小当り」(確率変動なし)の抽選を行ってからステップS308に移行する。
ステップS308では、これらステップS304またはS306における抽選の結果、「大当り(15R)」に当選したか否かを判断し、当選したと判断したとき(Yes)は、ステップS309に移行するが、当選してないと判断したとき(No)は、ステップS310に移行する。
【0073】
ステップS309では、その「大当り(15R)」が前述した「(A)確変大当り」であるか否かを判断し、その結果、「(A)確変大当り」であると判断したとき(Yes)は、ステップS320に移行して「確変大当りコマンド」をサブ制御基板300に送信すると共に、その「大当り(15R)」に対応する動作を実施すべく大入賞口ソレノイド500や賞球払出制御基板400などの各デバイスを制御して最初のステップS300に戻る。これに対し、「(A)確変大当り」でないと判断したとき(No)は、ステップS322に移行して「(B)通常(非確変)大当りコマンド」をサブ制御基板300に送信すると共に、同じくその「大当り(15R)」に対応する動作を実施すべく大入賞口ソレノイド500や賞球払出制御基板400などの各デバイスを制御したりして最初のステップS300に戻る。
【0074】
次に、ステップS310では、これらステップS304またはS306における抽選の結果、「小当り(2R)」に当選したか否かを判断し、当選してないと判断したとき(No)は、ステップS324に移行するが、当選したと判断したとき(Yes)は、ステップS312に移行する。
ステップS324では、ステップS304またはS306における抽選の結果がいずらの「当り」にも当選しない「ハズレ」であると判断して、「ハズレコマンド」をサブ制御基板300に送信するなどして最初のステップS300に戻る。
【0075】
次に、ステップS312では、その「小当り」が前述した「確変小当り」か否か、すなわち前述した「(C)確変小当り(時短あり)または(D)確変小当り(時短なし)」か、あるいは「(E)通常小当り」かを判断し、「確変小当り」でないと判断したとき(No)は、ステップS306に移行して前記の「(E)通常小当り」に対応する「通常小当りコマンド」をサブ制御基板300に送信するなどして最初のステップS300に戻る。
【0076】
一方、その「小当り」が前述した「確変小当り」であると判断したとき(Yes)は、次のステップS314に移行してその「確変小当り」が「時短機能」を伴うものであるか否か、すなわち前述した「(C)確変小当り(時短あり)」または「(D)確変小当り(時短なし)」かを判断する。
そして、「時短機能」を伴うものでないと判断したとき(No)はステップS308に移行して前記の「(D)確変小当り(時短なし)」に対応する「確変小当り(時短機能なしコマンド)」をサブ制御基板300に送信するなどして最初のステップS300に戻る。
【0077】
これに対し、「時短機能」を伴うものであると判断したとき(Yes)はステップS310に移行して前記の「(C)確変小当り(時短あり)」に対応する「確変小当り(時短機能ありコマンド)」をサブ制御基板300に送信するなどして最初のステップS300に戻る。
この主制御基板200は、以後同様なステップを繰り返すことで「当り」の抽選およびそれに対応するコマンドの送信制御や当り動作制御などを繰り返し実行することになる。
【0078】
なお、本実施の形態では、「当り」の種類を「大当り」と「小当り」に分類して別々に抽選したが、これに限定されるものでなく、例えば以下に示すようにしても良い。
(1)「大当り」、「小当り」という分類をせず、「当り」の種類として、(A)15R確変当り、(B)15R通常当り、(C)2R時短あり確変当り、(D)2R時短なし確変当り、(E)2R時短なし通常当り、があるとしてこれらを所定の当選確率の下、一度の抽選で行う。
【0079】
(2)(A)〜(E)を予め定められた順に所定の当選確率の下、それぞれ抽選を行い、すべて非当選だった場合に「ハズレ」とする。所定の確率とは、例えば(A)が「1/400」、(B)が「1/300」、(C)が「1/200」、(D)が「1/100」、(E)が「1/50」である。
(3)(A)〜(D)までを所定の当選確率の下、一度の抽選で当否判定を行い、非当選の場合に(E)を抽選する。
以上のように、一度に抽選する「当り」の種類のグループ分けをどのようにするか、また、何回抽選を行うかは、適宜変更可能である。
【0080】
次に、以上のような構成および仕様をした本発明の遊技機100によるデモンストレーションの報知について説明する。
図13は、前記のような主制御基板200からの制御コマンドを受けたサブ制御基板300によって制御されるデモンストレーションの報知に関する実施の形態を示したものであり、電源投入時における操作の流れ、および電源投入後に演出図柄表示器30に表示される画面の移行状態を示したものである。
【0081】
先ず、ホールスタッフなどが図3に示すような切替操作部340を操作して4種類ある報知パターンのうち、第1の報知パターンに切り替えて(ステップS400)から電源基板800の電源スイッチ810を操作してメイン電源を投入する(ステップS402)。
この第1の報知パターンを選択した場合は、メイン電源の電源投入と同時にRAMクリアスイッチ201から主制御基板200にRAMクリア信号に入力されるようになっており、これによって、前記図8のフローに示したようにRAM220の所定の記憶エリアに記憶されたバックアップデータが消去されて(RAMクリア)初期データが新たにセットされることになる。
【0082】
また、この切替操作部340による報知パターンに切り替え操作としては、例えば図4のようなスライド式の切替スイッチからなる場合は、その摘み部341を目盛りの「1」に合わせることで簡単にこの「第1報知パターン」に切り替えることができる。なお、この切替操作部340の摘み部341を目盛りの「0」に合わせた場合には、遊技していない時間が長時間経過してもデモンストレーションは一切発生しない。
【0083】
このような操作を経て電源が供給されたサブ制御基板300は、主制御基板200と同様に入出力チェックやメモリチェックなどの一連の初期動作を経た後、演出図柄制御基板320を制御してその演出図柄表示器30に、図10に示したような3つの演出図柄が停止した状態の図柄停止画面P100を表示する。なお、このときの遊技状態は、ステップS402のRAMクリア操作により常に通常状態となっていることから、図柄停止画面P100の画面モードは通常モードでの図柄停止画面となっている。
【0084】
そして、このような状態から遊技が全く行われずに所定時間経過、例えば3分程度経過したならば、デモ画面P200に移行してその演出図柄表示器30を用いて第1報知パターンのデモンストレーションの報知を行うことになる。
この第1報知パターンのデモンストレーションとしては、例えば図14に示すように、その演出図柄表示器30の画面上に、その遊技機100の名称や演出図柄で表示されるキャラクターなどを用いて遊技客の注意を惹きつけるような画像(動画)などからなるデモ画面P200と、このデモ画面P200の画像に対応した効果音をスピーカー42,43から発生するような報知パターンのデモンストレーションになっている。
【0085】
図14に示す例示では、演出図柄表示器30の画面全体に「CR」、「戦国」、「乙女」、「CR戦国乙女」なる文字や図10などで演出図柄の一部として用いられるキャラクターなどが一定の間隔ごとに現れるパターンのデモ画面1が表示されると同時に、そのキャラクターが発するセリフや音声などが効果音として同時にスピーカー42,43から発生するような報知パターンとなっている。
【0086】
そして、図13に示すように実際に遊技が行われるまでこのような第1報知パターンのデモンストレーションの報知(デモ画面P200)と、図柄停止画面P100との切り替えが所定時間経過ごとに交互に繰り返される。
その後、このような状態から実際に遊技が開始され、その入賞装置34に遊技球が入賞(始動口入賞)すると、これら図柄停止画面P100またはデモ画面P200のいずれの状態であっても瞬時に図柄変動画面P300に切り替わってその入賞を契機として行われる「当り」の抽選結果が所定の演出図柄を用いて変動表示される。
【0087】
この抽選結果が前述したような「当り」であれば、その「当り」に対応した当り演出画面P400に移行することになるが、「ハズレ」であれば、その演出図柄が停止した状態で図柄停止画面P100に移行する。
そして、この図柄停止画面P100に移行した状態で次の始動口入賞があれば、再び図柄変動画面P300に移行してその始動口入賞を契機として行われる「当り」の抽選結果が変動表示され、その抽選結果に対応した当り演出画面P400または図柄停止画面P100に移行することになるが、遊技を中止または中断するなどして、この図柄停止画面P100に移行した状態が所定時間経過したならば、再びデモ画面P200に移行して第1報知パターンによるデモンストレーションが報知される。
【0088】
これにより、遊技が行われていない遊技機100によるデモンストレーションの報知が行われるようになるため、遊技をしていない遊技客や遊技機を選択している遊技客などの注意を効果的に惹きつけることができる。
次に、図15は、切替操作部340を第2の報知パターンに切り替える場合の電源投入時における操作の流れ、および電源投入後に演出図柄表示器30に表示される画面の移行状態を示したものである。
【0089】
すなわち、この第2の報知パターンを選択した場合は、メイン電源の電源投入と同時にRAMクリアスイッチ201から主制御基板200にRAMクリア信号が入力されないようになっており、これによって、前記図8のフローに示したようにRAM220の所定の記憶エリアに記憶されたバックアップデータがそのまま継続して電源切断前の遊技状態で遊技が再開されるようになっている。
【0090】
なお、この報知パターンの切り替えは、前述したように図4のような切替操作部340のスライド式切替スイッチの摘み部341を目盛りの「2」に合わせることで簡単にこの「第2報知パターン」を選択して切り替えることができる。
そして、図15に示すようにこの第2の報知パターンを選択した場合は、電源投入後に演出図柄表示器30に表示される初期画面は、その電源切断前の遊技状態に応じた画面モードの図柄停止画面となることから、図9の例でいえば、前日の終了時の遊技状態が高確率状態である場合は、その初期画面モードは「確変モード」、前日の終了時の遊技状態が通常状態である場合は、その初期画面モードは「通常モード」、前日の終了時の遊技状態が高確率潜伏状態(通常状態も含む)である場合は、その初期画面モードは「チャンスモード」でのそれぞれの図柄停止画面P100となる。
【0091】
そして、この図柄停止画面P100を基準として前述したような遊技状態に応じてデモ画面P200と、図柄変動画面P300(当り演出画面P400)との間で次々と画面が移行することになる。
これにより、開店直後に来店した遊技者は、初期の図柄停止画面P100またはデモ画面P200から移行した図柄停止画面P100のデモンストレーションに接することによって高確率状態や高確率潜伏状態といった遊技者に有利な遊技状態を容易に把握することができるため、有利な条件で遊技を開始することができる。また、ホール側にとっては、開店直後の入店率や稼働率の向上を図ることができる。
【0092】
次に、図16は、さらに第3の報知パターンに切り替えた際の電源投入時における操作の流れ、および電源投入後に演出図柄表示器30に表示される画面モードの移行状態を示したものである。なお、この報知パターンの切り替えも前述したように図4のような切替操作部340のスライド式切替スイッチの摘み部341を目盛りの「3」に合わせることで簡単にこの「第3報知パターン」を選択して切り替えることができる。
【0093】
この第3の報知パターンの場合は、図示するように切替操作部340によって第3の報知パターンに切り替え(ステップS400)てから電源を投入する(ステップS402)と、先ず最初にその演出図柄表示器30の画面上には、チャンスモード画面P500が表示される。
このチャンスモード画面P500は、図9で説明した「チャンスモード」時に採用される画面モードと全く同じであり、電源投入後から実際に遊技が開始されるまでの間は、このチャンスモード画面P500と前述したデモ画面P200とが所定の時間ごとに交互に移行するようになっている。
【0094】
そして、このチャンスモード画面P500またはデモ画面P200が表示されている状態で遊技が開始されてその入賞装置34に遊技球が入賞して「当り」の抽選が行われると、その「チャンスモード」の画面モードを維持したまま図柄変動画面P300に移行する。
そして、この「チャンスモード」の画面モードになっている間に「当り」に当選することなく、所定回数の抽選が終了したならば、前述したような「通常モード」に移行してその後は、図13と同様に「通常モード」の図柄停止画面P100とデモ画面P200とが所定の時間ごとに交互に移行することになる。
【0095】
これによって、電源投入直後(開店直後)、最初に遊技を行おうとする遊技者に対して、その演出図柄表示器30に表示されている「チャンスモード画面」が「高確率潜伏状態」に対応しているとの期待感を抱かせることができるため、開店直後の遊技客の入店率やその遊技機の稼働率を向上させることができる。
すなわち、図15に示したように第2報知パターンを選択した場合は、前述の遊技状態がそのまま継続されるため、前日に「チャンスモード」や「高確率潜伏状態」の遊技状態で終了した場合には、当日も最初からその遊技状態で遊技を開始することができる。
【0096】
従って、その演出図柄表示器30に表示されている「チャンスモード画面」がこの第3報知パターンによるデモンストレーションなのか、あるいは第2報知パターンによるものなのかの判別が困難なため、開店直後の遊技客に対して「高確率潜伏状態」の期待感を与えることができ、開店直後の入店率や稼働率の向上を図ることができる。
なお、この第3報知パターンは、電源投入直後、所定回数の間だけチャンスモード画面P500が表示されるものであるが、その後に所定時間遊技が行われていないときなどにもこのチャンスモード画面P500に移行するようにしても良い。
【0097】
次に、図17および図18は、第2の実施の形態を示したものであり、切替操作部340によって切り替えられるデモンストレーションの報知パターンを原則として第1の報知パターン(第1設定)と第2の報知パターン(第2設定)との2種類に設定し、第2の報知パターン(第2設定)に切り替えられたときには、RAMクリアスイッチ201によるRAMクリア操作によって報知パターンを切り替えるようにしたものである。
【0098】
すなわち、図17および図18に示すように切替操作部340のスライド式切替スイッチの摘み部341を目盛りの「2」に合わせて「第2報知パターン」(第2設定)に切り替え(ステップS400)てから電源を投入する(ステップS402)と、RAMクリアの操作がなされたか否かが判断される。
そして、RAMクリアの操作がなされたと判断したとき(Yes)は、先ず最初にその演出図柄表示器30の画面上には、前述したようなチャンスモード画面P500が表示され、所定回数抽選が行われるまで(所定回数経過)デモ画面P200と図柄変動画面P300間を移行し、所定回数経過後は図柄停止画面P100に移行する。
【0099】
一方、RAMクリアの操作がなされなかったと判断したとき(No)は、先ず最初にその演出図柄表示器30の画面上には、そのRAMに記憶された遊技状態に応じた図柄停止画面P100が表示され、デモ画面P200と図柄変動画面P300間を移行することになる。
これによって、切替操作部340のスライド式切替スイッチの摘み部341を目盛りの「2」に合わせておけば、RAMクリアの操作のみで所望のデモンストレーションを選択して報知することができる。
【0100】
なお、切替操作部340のスライド式切替スイッチの摘み部341を目盛りの「1」(第1設定)に合わせた場合は、図13で示したような「第1の報知パターン」が選択され、目盛りの「0」に合わせた場合は、デモンストレーション報知はなされないことになる。
このように本発明の遊技機100は、デモンストレーションの報知パターンを複数用意し、複合サブ制御基板300などに備えられた切替操作部340によってこれら複数の報知パターンを任意に切り替えるようにしたため、ホールの営業時間や稼働状況、営業形態、遊技状態などに応じた最適なデモンストレーションを任意に選択して報知することができる。これによって、デモンストレーションによる作業効率の悪影響などを防止して的確な営業が実施できる共に、遊技者に対する的確な遊技サービスを提供することができる。
【0101】
また、このように複数の報知パターンを切り替えて報知することにより、デモンストレーションの報知パターンのバリエーションが増えて遊技者の関心を惹き付ける効果を長く持続することができる上に、報知パターンが複数であってもデモンストレーション専用の画像をいたずらに増やす必要がないため、そのための開発費の削減や画像データの記憶容量、制御負担などの軽減も可能となる。
また、本発明の遊技機100にあっては、図3および図4に示すようにさらに効果音の音量を調節するための音量調節操作部350を備えたため、デモンストレーション報知に際して単に効果音を「出す」あるいは「出さない」といった制御は勿論、ホールの営業時間帯や混み具合などに応じて効果音の音量も的確に調節することができる。
【0102】
これにより、遊技機100の設置場所や混雑具合、営業時間などに応じた最適なデモンストレーションを報知することができる。例えば、空いている遊技機の近くで遊技している遊技者にとっては、その遊技機から大音量の効果音を伴うデモンストレーションが繰り返し発生すると不快感を与えてしまい、また、ホールスタッフが開店前や閉店直後に作業などを行っているときに、いきなり大音量の効果音を伴うデモンストレーションが報知されて作業能率が低下するなどといった不都合が発生するが、このような音量調節操作部350を備えれば、効果音を最適な音量に微調節することができるため、遊技者やホールスタッフなどの不快感や負担を軽減しつつより効果的なデモンストレーションの報知を実施できる。
【0103】
なお、本実施の形態では、発明に係る遊技機の制御装置の適用対象である遊技機100の1例としてパチンコ遊技機を用いて説明したが、発明はこれに限るものでなくパチスロ機やパロット機あるいはゲームセンターなどに設置されるビデオゲーム機や家庭用のテレビゲーム機などの各種遊技機の制御装置も含むものである。
また、本発明に係る遊技機の制御装置を適用した遊技機100が具備するデモンストレーションを報知する手段としては、主制御基板200のコマンドによって制御される複合サブ制御基板300と、この複合サブ制御基板300によって直接制御される演出図柄制御基板320およびスピーカーユニット42,43と、この演出図柄制御基板320によって制御される演出図柄表示器30と、複合サブ制御基板300に直接接続された切替操作部340および音量調節操作部350などによって実現される。
【0104】
また、遊技機100が具備する遊技状態を記憶する機能を、主制御基板200を構成するRAM220によって実現しているが、その他の半導体記憶素子や磁気記憶装置などの各種記憶装置によって実現できる。
また、遊技機100が具備する「画像表示部」は、具体的には前述したように演出図柄制御基板320と、この演出図柄制御基板320によって制御される演出図柄表示器30によって実現される。
【符号の説明】
【0105】
100…遊技機
200…主制御基板
220…RAM
300…複合サブ制御基板
320…演出図柄制御基板
340…切替操作部
350…音量調節操作部
810…電源スイッチ
30…演出図柄表示器
42,43…スピーカーユニット
P100…図柄停止画面
P200…デモ画面
P300…図柄変動画面
P400…当り演出画面
P500…チャンスモード画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄を変動表示するとともに遊技に関連した演出表示を行うための画像表示部を有する表示手段を備え、前記画像表示部で所定の遊技画面を用いた報知を所定のタイミングで行う一方、電源を投入する以前の遊技状態を記憶可能であり、かつ、その記憶された遊技状態の消去が可能である遊技機の制御装置において、
前記電源を投入する以前の遊技状態が消去された後に電源が投入された場合と、前記電源を投入する以前の遊技状態が記憶されたまま電源が投入された場合とで、前記報知において用いる前記所定の遊技画面を異ならせることを特徴とする遊技機の制御装置。
【請求項2】
前記遊技機は、前記画像表示部に停止表示される図柄の組合せが所定の組合せである場合には、遊技者に有利な特別遊技を行い、前記画像表示部に停止表示される図柄の組合せが前記所定の組合せとは異なる特定の組合せの場合には、前記画像表示部に特定画像の表示を行い、前記所定の組合せ及び前記特定の組合せのいずれでもない場合でありかつ所定条件が成立した場合には、前記報知を行うようになっており、
前記電源を投入する以前の遊技状態が消去された後に電源が投入されたときは、前記画像表示部で表示される複数の遊技画面のなかの前記特定画像を用いた報知を行い、
前記電源を投入する以前の遊技状態が記憶されたまま電源が投入されたときは、前記画像表示部で表示される複数の遊技画面のうち前記記憶されている遊技状態に対応する遊技画面を用いた報知を行うことを特徴とする請求項1に記載の遊技機の制御装置。
【請求項3】
前記遊技機には、前記特別遊技よりも遊技者に対する有利の程度が小さい所定の遊技を行う小当りが複数種類設定されており、
前記小当りに当選した場合には、いずれの小当りに移行するときにも、前記画像表示部に前記特定画像の表示を行うようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−13788(P2013−13788A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−233179(P2012−233179)
【出願日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【分割の表示】特願2008−26062(P2008−26062)の分割
【原出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】