説明

遊技機の役物装置

【課題】第1演出役物の前側位置を第2演出役物が移動するようにして多彩な遊技演出を可能にするとともに、第2演出役物が第1演出役物の前側に位置するとき、第1演出役物のうち第2演出役物で影になる部分を明るく照らすことができ、第1演出役物の見栄えが悪くなることを防止できる、遊技機の役物装置を提供する。
【解決手段】役物装置16は、第1演出役物40,45と、第1演出役物40,45の前側位置に移動可能な可動の第2演出役物41と、第1演出役物40,45から第2演出役物41に向けて発光する電飾ランプ42と、第2演出役物が第1演出役物の前側に位置するとき、電飾ランプ42から照射されて第2演出役物41から反射された光を前方へ反射する鏡面部を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機の役物装置に関し、特に、第1演出役物と第1演出役物の前側位置を移動可能な可動の第2演出役物とを備え、第2演出役物が第1演出役物の前側に位置するとき、第1演出役物のうち第2演出役物で影になる部分を明るく照らすようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機には、遊技興趣を高めるために、遊技演出を行う為の役物装置が設けられている。近年のパチンコ遊技機の役物装置は、一般に、多彩な遊技演出を可能にするために、可動の役物を備えており、役物装置の構成や動作も複雑になりつつある。例えば、特許文献1に記載の遊技機の役物装置では、可動の第1役物、第1役物の前側を開閉する可動の第2役物を備え、第2役物が左右に開閉動作し、第2役物が第1役物の前側を開けた状態で、第1役物が前後に出没動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−29255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、第1役物の前側を第2役物が開閉する遊技機の役物装置では、第1,第2役物は、この役物装置外の光源(例えば、遊技機を設置する遊技ホールの照明等)で前側から明るく照らされるが、第2役物が第1役物の前側を閉じた状態では、第1役物には第2役物で影になる部分ができるので、この第1役物の影部分が暗く見えて、第1役物の見栄えが悪くなるという課題がある。この種の役物装置において、遊技中の大半を第2役物が第1役物の前側を閉じた状態になるようにすると、一般に、そうなるように構成することが多いが、この場合、上記課題が顕著になる。
【0005】
本発明の目的は、第1演出役物の前側位置を第2演出役物が移動するようにして多彩な遊技演出を可能にするとともに、第2演出役物が第1演出役物の前側に位置するとき、第1演出役物のうち第2演出役物で影になる部分を明るく照らすことができ、第1演出役物の見栄えが悪くなることを防止できる、遊技機の役物装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は以下の構成を有するものである。尚、参照符号は、本願発明の理解促進の為に図面に図示した構成要素との対応関係の一例を示したものであり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。
第1の発明(遊技機の役物装置)は、第1演出役物(40,45)と、前記第1演出役物(40,45)の前側位置に移動可能な可動の第2演出役物(41)と、前記第2演出役物(41)が前記第1演出役物(40,45)の前側に位置するとき、前記第1演出役物(40,45)から前記第2演出役物(41)に向けて発光する電飾ランプ(42)と、前記第1演出役物(40,45)の前面に設けられ、前記電飾ランプ(42)から照射されて前記第2演出役物(41)から反射された光を前方へ反射する鏡面部を設けたことを特徴としている。
【0007】
第2の発明(遊技機の役物装置)は、第1演出役物(40,45)と、前記第1演出役物(40,45)の前側位置に移動可能な可動の第2演出役物(41)と、前記第2演出役物(41)が前記第1演出役物(40,45)の前側に位置するとき、前記第1演出役物(40,45)から前記第2演出役物(41)に向けて発光する電飾ランプ(42)とを備え、前記第2演出役物(41)の裏面部が前記電飾ランプ(42)の光を第1演出役物側に反射可能に構成され、前記第1演出役物(40,45)の前面に設けられ、前記電飾ランプ(42)から照射されて前記裏面部により反射された光を前方へ反射する鏡面部を設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第1,第2演出役物と電飾ランプにより多彩な遊技演出を可能にするとともに、第2演出役物が第1演出役物の前側に位置するとき、電飾ランプから照射されて第2演出役物から反射された光により第1演出役物を明るく照らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】パチンコ遊技機の正面図である。
【図2】遊技盤の第2役物が閉塞状態の正面図である。
【図3】パチンコ遊技機の制御系のブロック図である。
【図4】遊技盤の第2役物が開放状態で第1役物が下降途中状態の正面図である。
【図5】遊技盤の第2役物が開放状態で第1役物が下降状態の正面図である。
【図6】役物装置の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0011】
図1、図2に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技ホールに取付けられる外枠に開閉枠2が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉枠2には遊技盤4が装着され、その遊技盤4の前面側に遊技領域5が形成されている。開閉扉3には窓3aが形成され、その窓3aに透明板3bが装着され、その透明板3bにより遊技領域5の前側が覆われている。
【0012】
開閉扉3の窓3aの下側に、遊技球を貯留する貯留皿6と、遊技者が操作する発射ハンドル7が装着されている。発射ハンドル7が回動操作されると、貯留皿6から発射位置に導入された遊技球が発射され、ここで、貯留皿6に複数の遊技球が存在する場合には、例えば、複数の遊技球が約0.6秒間隔で連続発射される。発射された遊技球は、ガイドレール8で案内されて遊技領域5の上部に投入される。
【0013】
図2、図3に示すように、遊技盤4には、遊技領域5に、多数の障害釘10、始動入賞口装置11、ゲート12、大入賞口装置13、普通入賞口14、画像表示器15、役物装置16、センタ役物17が装着され、遊技領域5外に遊技表示盤18が装着され、遊技盤4の裏面側に制御装置20が装着されている。
【0014】
始動入賞口装置11は、センタ役物17の下側に配置され、所謂電チューを含む構成で、上始動入賞口11a、下始動入賞口11b、下始動入賞口11bを開閉する開閉部材11c、始動入賞口11a,11bに入賞した遊技球を検出する始動口SW11d、開閉部材11cを開閉駆動する電チューソレノイド11eを有する。開閉部材11cは、左右対称の2つの短い羽根部材が盤面直角方向の軸回りに動作するように構成され、閉塞位置で下始動入賞口11bへの遊技球の入賞を不可能にし、開放位置で下始動入賞口11bへの遊技球の入賞を可能にする。図2の開閉部材11cは閉塞位置にある。
【0015】
ゲート12はセンタ役物17の左側に配置され、このゲート12を通過した遊技球を検出するゲートSW12aが付設されている。ゲート12を遊技球が通過することを契機に行われる当り抽選で当選した場合に、補助遊技が発生し、始動入賞口装置11が作動して、通常は閉塞の下始動入賞口11bが開閉するように開閉部材11cを動作させる。
【0016】
大入賞口装置13は、始動入賞口装置11の下側に配置され、大入賞口13a、大入賞口13aを開閉する開閉部材13b、大入賞口13aに入賞した遊技球を検出する大入賞口SW13c、開閉部材13bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド13dを有する。開閉部材13bは、盤面平行方向の軸回りに動作するように構成され、閉塞位置で大入賞口13aへの遊技球の入賞を不可能にし、開放位置で大入賞口13aへの遊技球の入賞を可能にする。図2の開閉部材13bは開放位置にある。
【0017】
始動入賞口11a,11bへの遊技球の入賞を契機に行われる大当り抽選で当選した場合に、大当り遊技が発生し、大入賞口装置13が作動して、通常は閉塞の大入賞口13aが開閉するように開閉部材13bを動作させる。普通入賞口14は複数設けられ、この普通入賞口14に入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW14aが付設されている。
【0018】
画像表示器15は、液晶ディスプレイからなり、センタ役物17の大部分に設けられている。この画像表示器15には、始動入賞口11a,11bへの遊技球の入賞を契機に大当り抽選演出が表示され、その大当り抽選演出では、例えば、演出図柄を用いて図柄変動や大当り抽選の結果が表示され、また、大当り遊技中には大当り演出が表示される。役物装置16はセンタ役物17の上部に設けられている。この役物装置16については後で詳しく説明する。尚、センタ役物17には、画像表示器15と役物装置16の他に種々の電飾も設けられている。
【0019】
遊技表示盤18は、遊技領域5の下部右側に前方へ向けて配置され、7セグメントの特別図柄表示器18a、○×で表示する普通図柄表示器18b、4つの特別図柄保留ランプ18c、4つの普通図柄保留ランプ18dを備え、これら表示器18a〜18dはLEDを発光源としている。特別図柄表示器18aでは、始動入賞口11a,11bへの遊技球の入賞を契機に行われる大当り抽選の結果が変動表示後に表示され、普通図柄表示器18bでは、ゲート12を遊技球が通過することを契機に行われる抽選の結果が変動表示後に表示される。
【0020】
特別図柄表示器18aの変動表示中に、始動入賞口11a,11bに入賞した遊技球の数であって、特別図柄表示器18aの変動に供しない(後で大当り抽選の結果が得られる)特別図柄の保留数が最大で4つまで保留され、特別図柄保留ランプ18cには、その特別図柄の保留数が表示される。同様に、普通図柄表示器18bの変動表示中に、ゲート12を通過した遊技球の数であって、普通図柄表示器18bの変動に供しない(後で当り抽選の結果が得られる)普通図柄の保留数が最大で4つまで保留され、普通図柄保留ランプ18dには、その普通図柄の保留数が表示される。
【0021】
発射ハンドル7を回動操作することで、発射され遊技領域5の上部に投入された遊技球は、複数の障害釘10に当たって方向を変えながら落下して、入賞口11a,11b,13a,14の何れかに入賞した場合、そこから遊技領域5外へ排出され、入賞口11a,11b,13a,14の何れにも入賞しなかった場合には、最終的に、遊技領域5の下端部に形成されたアウト口19から遊技領域5外へ排出される。
【0022】
図3に示すように、制御装置20は、メイン制御装置21とサブ制御装置25とで構成されている。メイン制御装置21は、メイン制御基板22にCPUとROMとRAMを備えて構成され、サブ制御装置25は、払出制御基板26、演出制御基板27、画像制御基板28、ランプ制御基板29を備え、この複数の制御基板26〜29は夫々CPUとROMとRAMを備えて構成されている。
【0023】
メイン制御基板22が、始動口SW11d、ゲートSW12a、大入賞口SW13c、普通入賞口SW14aから検出信号を受けて、また、払出制御基板26から制御情報を受けて、電チューソレノイド11e、大入賞口ソレノイド13d、特別図柄表示器18a、普通図柄表示器18b、特別図柄保留ランプ18c、普通図柄保留ランプ18dを制御する。
【0024】
メイン制御装置21は、始動入賞口11a,11bへの遊技球の入賞を契機に大当り抽選を行い、この大当り抽選で当選した場合に大当り遊技として大入賞口13aを所定の開閉パターンで開閉させるように大入賞口装置13を制御し、また、大当り抽選で当選した場合に確変抽選を行い、大当り抽選の当選確率を確変抽選で落選した場合に所定の低確率(例えば、約1/300)に設定し且つ確変抽選で当選した場合に低確率よりも高い高確率(例えば、約1/30)に設定するように構成されている。
【0025】
払出制御基板26は、メイン制御基板22から制御情報を受けて、払出駆動モータ30を制御し、入賞口11a,11b,13a,14への遊技球の入賞1個について、入賞口11a,11b,13a,14毎に設定された数の遊技球を貯留皿6に払い出す。演出制御基板27は、メイン制御基板22から制御情報を受けて、また、演出ボタン31から入力信号を受けて、画像制御基板28とランプ制御基板29に夫々制御情報を出力する。
【0026】
画像制御基板28は、演出制御基板27から制御情報を受けて、画像表示器15とスピーカ32を制御する。ランプ制御基板29は、演出制御基板27から制御情報を受けて、主に画像制御基板28による制御に同期させて、枠ランプ33と盤ランプ34と役物装置16を制御する。例えば、スピーカ32と枠ランプ33は開閉扉3に設けられ、盤ランプ34は遊技盤4に設けられている。
【0027】
次に、役物装置16について詳しく説明する。
図2、図4〜図6に示すように、役物装置16は、可動の第1役物40、第1役物40の前側を開閉する可動の第2役物41、第1役物40の周辺近傍部から第1役物40よりも前側に向けて発光する電飾ランプ42、第2役物41の裏面部に一体的に設けられ、第2役物41が第1役物40の前側を閉じた状態で、電飾ランプ42の光を第1役物40のうち第2役物41で影になる部分に向けて反射させるリフレクタ43を備えている。
【0028】
第1役物40は、固定役物部材40aと2つの可動役物部材40b,40cからなり、例えば、この3つの役物部材40a〜40cは、夫々、キャラクターの頭部と胴部と脚部を形成し、固定役物部材40aの前側が第2役物41で開閉されるように構成されている。第1役物40の後側に背面板45が位置し、この背面板45が遊技盤4に固定的に設けられ、背面板45の下側に画像表示器15の画面が位置している。尚、第1役物40と背面板45とにより第1演出役物が構成される。
【0029】
固定役物部材40aは、背面板45の前面中央部分に固定的に取付けられ、可動役物部材40b,40cは、一体的に、固定役物部材40aに対して上下に図2に示す退入位置と図5に示す突出位置とに亙って昇降するように構成されている。尚、図4の可動役物部材40b,40cは退入位置と突出位置の間に位置している。可動役物部材40b,40cにおいて、固定役物部材40aとラップする部分が固定役物部材40aの後側に隠れ、固定役物部材40aよりも下側の部分が露出して、画像表示器15の前側に位置する。
【0030】
また、可動役物部材40b,40cは一体的に固定役物部材40aに対して前後に振動するように、更に、可動役物部材40cは可動役物部材40bに対して揺動するように構成されている。可動役物部材40b,40cの前記昇降、振動、揺動は、1又は複数のアクチュエータを含む駆動機構(図示略)により行われ、この1又は複数のアクチュエータがサブ制御装置25により制御される。
【0031】
第2役物41は、左右1対の可動役物部材41a,41bからなり、この1対の可動役物部材41a,41bで所謂タイトルギミック(第2演出役物)を構成し、この1対の可動役物部材41a,41bの裏面部に1対のリフレクタ43が夫々一体的に設けられている。第2役物41(可動役物部材41a,41b)は、第1役物40の前方と側方とに亙って、つまり、第2役物41の前側を閉塞する図2に示す閉塞位置と第2役物41の前側を開放する図4、図5に示す開放位置とに亙って、平面視円弧状の軌跡で動作するように構成され、この可動役物部材41a,41bの動作は、アクチュエータを含む駆動機構(図示略)により行われ、このアクチュエータがサブ制御装置25により制御される。
【0032】
可動役物部材41a,41bは、夫々、前記円弧状の軌跡に沿う平面視円弧状に形成され、両可動役物部材41a,41bの表面部に、このパチンコ遊技機1のタイトル文字(例えば、「おぼっちゃまくん」)を表示した半透明の透過部を有するタイトル表示部41cが形成され、第2役物41が第1役物40の前側を閉じた状態で、このタイトル表示部41cの全部が出現して一連のタイトル文字が表示される。
【0033】
各可動役物部材41a,41bは、適当な上下幅(例えば、第1役物40の固定役物部材40aの上下幅の2/3程度の上下幅)を有するとともに、その動作方向と直交する水平方向に所定の肉厚を有するように形成され、裏面側を開口した円弧箱状の本体部材41dと、この本体部材41dの開口を覆うように本体部材41dに取付けられた円弧板状の基板裏カバー41eとを有する。
【0034】
各可動役物部材41a,41bの内部には、LED基板(図示略)が基板裏カバー41eに取付けられた状態で配設されるとともに、複数のLED(図示略)がそのLED基板に実装された状態で配設され、この複数のLEDが点灯することで、タイトル表示部41cがその透過部から発光する。尚、この複数のLEDはサブ制御装置25で制御される。
【0035】
電飾ランプ42は、第2役物41が第1役物40の前側を開けた状態で、遊技演出を行う為の複数のLED42aからなり、第1役物40の後側に位置する背面板45に取付けられている。例えば、背面板45の裏面にLED基板(図示略)が取付けられ、複数のLED42aはそのLED基板に実装され、背面板45に形成された複数の孔からその前方へ臨むように取付けられている。
【0036】
複数のLED42aは、背面板45に適当に分散した状態で配置されているが、この複数のLED42aのうち、主に、第1役物40の前側を閉じた状態の第2役物41の後側に位置し、且つ、第1役物40の左右両側に位置する少なくとも2つのLED42aが、第1役物40のうち第2役物41で影になる部分を明るく照らすのに寄与する。
【0037】
1対のリフレクタ43は、第2役物41の1対の可動役物部材41aに夫々設けられた1対の合成樹脂製の基板裏カバー41eにメッキ加工を施して形成されている。前記のように、基板裏カバー41eは円弧板状に形成され、その基板裏カバー41eの裏面にメッキ加工を施して形成されたリフレクタ43が、第1役物40に対して円弧状凹面となる反射面43aを有する。
【0038】
以上説明した役物装置16によれば次の作用・効果を奏する。
第1役物40、第1役物40の前側を左右に開閉する可動の第2役物41、第1役物40の周辺近傍部から第1役物40よりも前側に向けて発光する電飾ランプ42を備えたので、更に、第1役物40も可動で前記昇降、振動、揺動が可能であるため、多彩な遊技演出が可能になる。但し、第2役物41が第1役物40の前側を閉じた状態では、第1役物40には第2役物41で影になる部分ができ、このままでは、第1役物40の影部分が暗く見えて、第1役物40の見栄えが悪くなる。
【0039】
そこで、第2役物41を利用し、その第2役物41の裏面部にリフレクタ43を一体的に設け、図6に示すように、第2役物41が第1役物40の前側を閉じた状態で、このリフレクタ43により電飾ランプ42の光を第1役物40(固定役物部材40a)のうち第2役物41で影になる部分に向けて反射させるので、この第1役物40の影部分を明るく照らすことができ、第1役物40の見栄えが悪くなることを防止できる。
【0040】
電飾ランプ42は、第2役物41が第1役物40の前側を開けた状態で、遊技演出を行う為の複数のLED42aからなるので、このLED42aにより第1役物40を電飾することができ、そして、このLED42aを利用して、第2役物41が第1役物40の前側を閉じた状態では、第1役物40の影部分を明るく照らすことができる。
【0041】
LED42aは第1役物40の後側に位置する背面板45に取付けられたので、第2役物41が第1役物40の前側を開けた状態で、第1役物40及び背面板45を電飾することができ、第2役物41が第1役物40の前側を閉じた状態で、第1役物40の影部分を確実に照らすことができる位置にLED41aを設置することができる。
【0042】
リフレクタ43は第2役物41に設けられた合成樹脂製の基板裏カバー41eにメッキ加工を施して形成されたので、第2役物41にLED基板を設けて、そのLED基板を基板裏カバー41eでカバーするとともに、このLED基板に複数のLEDを実装して、第2役物41を電飾することができ、そして、その基板裏カバー41eにメッキ加工を施してリフレクタ43を簡単に確実に形成することができる。
【0043】
第2役物41は第1役物41の前方と側方とに亙って平面視円弧状の軌跡で動作するように構成され、リフレクタ43が第1役物40に対して円弧状凹面となる反射面43aを有するので、第2役物41が平面視円弧状の軌跡で動作することを利用して、第2役物41の形状も平面視円弧状に形成して、第2役物41の裏面部に、第1役物40に対して円弧状凹面となる反射面43aを有するリフレクタ43を容易に設けて、第2役物41が第1役物40の前側を閉じた状態で、第1役物40の影部分を確実に照らすことができる。
【0044】
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
(1)電飾ランプ42として、前記実施例では、複数のLED42aを設けているが、1つのLED42aを設け、第2役物41が第1役物40の前側を開けた状態で、その1つのLED42aの光をリフレクタ43により第1役物40のうち第2役物41で影になる部分に向けて反射させるようにしてもよい。
(2)前記実施例では、LED42aは、第2役物41が第1役物40の前側を開けた状態で、遊技演出を行う為にも使用されるが、第2役物41で影部分を明るく照らすものだけに使用するLED42aを設けてもよい。
【0045】
(3)第1役物40から第1役物40よりも前側に向けて発光するLEDを、第1役物40(例えば、固定役物部材40a)に取付けて設け、このLEDの光をリフレクタ43で反射させて第2役物41で影部分を明るく照らすようにしてもよい。
(4)第2役物41が第1役物40の前側を閉じた状態で、基本的には、LEDの光で第1役物40の影部分を明るく照らすようにするが、遊技の何らかの告知を行うために、LEDの発光を停止する、或いは、点滅させる等の遊技演出処理を行ってもよい。
【0046】
(5)背面板45(第1演出役物)の前面を鏡面状(鏡面部)に形成することが好ましい。即ち、電飾ランプ42の光がリフレクタ43に発射して背面板45の前面に達すると、更に、その光を背面板45でリフレクタ43の方へ反射させ、リフレクタ43によって第1役物40の方へ反射させることができる。つまり、第1役物40のうち第2役物41で影になる部分を確実にしかも一層明るく照らすことが可能になる。
【0047】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前記開示事項以外の種々の変更を付加して実施可能である。また、本発明は、第1役物(固定の第1役物でも可動の第1役物でもよい)と、第1役物の前側を開閉する可動の第2役物を備えた種々の役物装置に、また、この種の役物装置を備えた種々のパチンコ遊技機に、或いは、パチンコ遊技機以外のスロットマシン等、種々の遊技機に適用できる。
【符号の説明】
【0048】
1 パチンコ遊技機
16 役物装置
40 第1役物
41 第2役物
41e 基板裏カバー
42 電飾ランプ
42a LED
43 リフレクタ
43a 反射面
45 背面板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1演出役物と、
前記第1演出役物の前側位置に移動可能な可動の第2演出役物と、
前記第2演出役物が前記第1演出役物の前側に位置するとき、前記第1演出役物から前記第2演出役物に向けて発光する電飾ランプと、
前記第1演出役物の前面に設けられ、前記電飾ランプから照射されて前記第2演出役物から反射された光を前方へ反射する鏡面部を設けたことを特徴とする遊技機の役物装置。
【請求項2】
第1演出役物と、
前記第1演出役物の前側位置に移動可能な可動の第2演出役物と、
前記第2演出役物が前記第1演出役物の前側に位置するとき、前記第1演出役物から前記第2演出役物に向けて発光する電飾ランプとを備え、
前記第2演出役物の裏面部が前記電飾ランプの光を第1演出役物側に反射可能に構成され、
前記第1演出役物の前面に設けられ、前記電飾ランプから照射されて前記裏面部により反射された光を前方へ反射する鏡面部を設けたことを特徴とする遊技機の役物装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−107012(P2013−107012A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−51155(P2013−51155)
【出願日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【分割の表示】特願2008−271879(P2008−271879)の分割
【原出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】