説明

遊技機の振動検知装置

【課題】遊技進行の妨げとなるような弊害を伴うことなく、高い演出効果を有する遊技機の操作ハンドルを提供する。
【解決手段】遊技盤内への遊技球の打ち出しを制御する遊技機の操作ハンドルであり、遊技者の少なくとも1本の指を受け入れる凹部を有し、遊技盤の下方に設けられた操作部と、該凹部に対向して配置されて該凹部に接近離間可能な可動体と、該可動体を遊技状態に応じて位置決めする位置決め機構とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパチンコ機等の弾球遊技機に関し、特に遊技球の発射強度を調節し得る遊技機の操作ハンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機に代表される弾球遊技機は、その前面側に遊技盤を備え、遊技盤には遊技球の通過経路となる入賞口、遊技球の流下経路に変化を与える複数の障害釘および風車、遊技図柄を表示する図柄可変表示装置等の遊技部品が設けられている。
【0003】
遊技盤の右下方には、遊技球を遊技盤上に送り出す発射装置を制御するための操作ハンドルが設けられており、操作ハンドルには所定の角度範囲内で回動する操作部が設けられている。操作部は発射装置を駆動せしめる操作スイッチとなっており、遊技者は操作ハンドルに手を添えてこれを時計回り方向に回動せしめることによって、発射装置は回動量に応じた強度で遊技球を発射するように構成されている。
【0004】
上記図柄可変表示装置においては、いわゆる大当たりの抽選結果を文字や図柄を用いて表示するのみならず、大当たりの出現を推測せしめる演出表示を行うものが知られている。演出表示とは、例えば大当たり抽選中の変動図柄とは別の図柄(キャラクタ図柄等)を表示することにより遊技者に大当りの出現を期待させる等の演出を行うものである。
【0005】
近年の遊技機においては、遊技演出が遊技機開発の重要なポイントの1つとなってきており、従来の図柄可変表示装置等による遊技者の視覚を通じた演出だけでなく、遊技者の触覚を通じた演出を行う遊技機が提案されている。その代表例としては操作ハンドルに遊技演出を行う手段を搭載したものが知られている。
【0006】
特許文献1は、操作ハンドル機構内部に通電方向よって表面温度が変化するペルチェ素子を内蔵し、遊技状態に応じて操作ハンドルの表面温度を変化させ、かかる温度変化を遊技者に体感させるように構成された遊技機の操作ハンドルについて開示している。
特許文献2は、操作ハンドル機構内部に振動モータを設け、遊技演出に関連して振動モータを駆動することにより、操作ハンドルを介して遊技者に振動を体感させるように構成された遊技機の操作ハンドルについて開示している。
【特許文献1】特開2005−168824号公報
【特許文献2】特開2002−336439号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に示される如き操作ハンドルの表面温度変化を遊技者に体感させるようにしたものは、遊技者の手が接する部分(温度体感部)に比較的熱伝導率の高い材料を使用した場合でも、温度体感部がある一定の熱容量を有しているため急激な温度変化を生ぜしめるのは困難であり、また安全上の理由からも好ましくない。従って、遊技者がその温度変化を明確に知覚できない恐れがあり、また知覚できたとしても温度変化が緩慢であるが故、その演出効果は限定的なものであった。また上記特許文献2に示される如き操作ハンドルの振動を遊技者に体感させるようにしたものは、操作ハンドルが振動することによって遊技者によるハンドル操作が狂い、遊技進行の妨げとなる恐れがあった。
【0008】
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、遊技進行の妨げとなるような弊害を伴うことなく、高い演出効果を有する遊技機の操作ハンドルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による遊技機の操作ハンドルは、遊技盤内への遊技球の打ち出しを制御する遊技機の操作ハンドルであって、遊技者の少なくとも1本の指を受け入れる凹部を有して前記遊技盤の下方に設けられた操作部と、前記凹部に対向して配置されて前記凹部に接近離間可能な可動体と、前記可動体を遊技状態に応じて位置決めする位置決め機構と、を有することを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について添付図面を参照しつつ説明する。尚、以下に示す図において、実質的に同一又は等価な構成要素、部分には同一の参照符を付している。
【0011】
図1は本発明に係る操作ハンドルを適用したパチンコ機1の概略正面図である。パチンコ機1は、本体基部となる本体枠2と、本体枠2の内部に配設された遊技盤3と、遊技盤3の前面に設けられていて本体枠2に対して開閉自在に設けられた前面枠4と、を有する。遊技盤3の遊技球が打ち出される遊技領域3aの略中央には、所定の入賞ロ(図示せず)を遊技球が通過するなどの所定入賞条件に基づいて様々な図柄を変動表示する図柄可変表示装置40が配置されている。また、図柄可変表示装置40の周囲には、釘、風車、始動入賞口、通常入賞口、アタッカ、アウト口等(いずれも図示せず)が設けられている。なお各入賞口(図示せず)内には、遊技球が通過したことを検知する入賞球検知センサ(図示せず)が設けられている。
【0012】
前面枠4の下方には下扉枠5が設けられている。下扉枠5には、遊技球供給用の供給皿5aと、遊技球の発射強度を制御するための操作ハンドル10が設けられている。操作ハンドル10は、所定の角度範囲内で回動する操作部11と、操作部11の外周を囲むように設けられ、操作部11と連動して回動するハンドル外周部20とからなる。
【0013】
遊技者、すなわちパチンコ機1の操作者が供給皿5aに遊技球を投入することによって、遊技球は供給皿5a内に設けられた誘導路(図示せず)を介してパチンコ機1の裏面側に設けられた遊技球発射装置(図示せず)に導かれる。遊技者が操作ハンドル10の操作部11を所定量回動して遊技球発射装置を駆動せしめると、遊技球は遊技領域3aの上方に向けて打ち出される。打ち出された遊技球は遊技領域3aの上方から流下する途中で入賞口を通過するか、あるいはアウト口に回収されるようになっている。
【0014】
なお、パチンコ機1の背面側には、図柄可変表示装置40、スピーカ50等の各種装置を作動させるための制御を行う主制御装置(図示せず)および球払出装置(図示せず)等がそれぞれ組み付けられている。
【0015】
図2(a)は、操作ハンドル10の正面図であり、図2(b)は図2(a)における2b−2b線断面図である。操作ハンドル10は、下扉枠5に固定されたハンドルベース30と、ハンドルベース30に対して回動可能に設けられた操作部11と、この操作部11に連結部24を介して連結され、操作部11と連動して回動するハンドル外周部20とを含む。ハンドルベース30は、操作部11の回動を遊技球発射装置(図示せず)に伝える回動伝達部(図示せず)を受容している。回動伝達部は遊技球の発射打力を調整する調整ボリューム(図示せず)および調整ギア等(図示せず)からなり、操作部11の回動量に応じた回動量信号を発射制御回路(図示せず)に供給する。発射制御回路は、回動量信号に基づいて駆動信号を生成し、これを遊技球発射装置に供給する。遊技球発射装置は、駆動信号に対応した打ち出し強さで球発射機構の打撃部(図示せず)を駆動せしめる。かかる機構によって、遊技球は、操作部11の回動量に応じた打ち出し強さで遊技盤3に向けて発射されるのである。
【0016】
ハンドルベース30にはコイル状に巻回されたバネ(図示せず)の一端が取り付けられ、他端が操作部11に取り付けられている。操作部11はこのバネによって反時計回りの方向に付勢力が付与された状態で基準位置に配置されている。操作部11がこの基準位置にあるときは、遊技球発射装置は駆動されず遊技球が発射されないようになっている。また、操作部11の表面には、タッチセンサ13が設けられている。タッチセンサ13は、操作部11に遊技者の手が接触しているか否かを電気的に検出し、検知信号を上記発射制御回路供給する。発射制御回路は、この検知信号を受信している期間のみ遊技球発射装置に対して駆動信号を供給するようになっている。すなわち、操作部11に遊技者の手が接触していないときには、駆動信号は生成されず、遊技球は発射されないようになっている。
【0017】
操作部11は、略半球形状をしておりその表面には例えば5つの溝部12がその外周に沿って離間配置されている。この溝部12は、遊技者が操作部11に手を添えてハンドル操作をする際に遊技者の右手の指の各々をあてがうべき位置を指定するためのものであり、遊技者の右手の各指の少なくとも一部が収容できる程度の深さの樋状の溝が形成されたものである。
【0018】
ハンドル外周部20は、操作部11の外周を囲むように連結部24を介して操作部11と一体的に形成されている。ハンドル外周部20には、操作部11に設けられた溝部12の各々と対向して設けられた5つの凹部空間21を有する。凹部空間21の各々の内部には、膨張収縮体22および可動体23が設けられている。尚、この凹部空間21の内部は、遊技者からは視認されないようになっている。
【0019】
膨張収縮体22は、凹部空間21内の上部に設けられ、例えばゴム等の伸縮自在な材料からなる袋体であり、その内部に空気等の気体が注入されることによって体積が膨張し、その注入された空気が外部に排気されることによって収縮するようになっている。可動体23は、膨張収縮体22の下方に設けられ、凹部空間21の手前側の内壁から奥側の内壁まで伸張する長手形状であり、その略中間部分でくの字状に屈曲している。可動体23は、軸部23aを軸として回動自在に軸支されている。軸部23にはコイル状に巻回されたバネ(図示せず)が組み付けられており、可動体23は、このバネによって上方に付勢力が付与され、膨張収縮体22が収縮状態にあるときは図2(b)に示す如く、凹部空間21の内部に格納された状態となる。
【0020】
一方、図3は後述する空気供給手段によって膨張収縮体22内部に空気が供給され、膨張収縮体22が膨張状態となったときの操作ハンドル10の断面図を示している。膨張収縮体22は、その内部に空気が注入されて体積が増加すると、可動体23を下方に押し下げ、可動体23の先端部分は凹部空間21下方から露出した突出位置に移動する。この場合、可動体23は軸部23aを中心として下方に向けて回動し、その先端部が操作部11に設けられた溝部12に近接し得る。すなわち、膨張収縮体22が膨張状態となったときには、可動体23は、溝部12に収容された遊技者の指に接触し得る位置まで溝部12に近接するのである。従って、遊技中に膨張収縮体22を膨張させることにより、可動体23の先端部が遊技者の指に接触することとなり、しかも膨張収縮体22や可動体23の動作は遊技者からは視認されないようになっているので、遊技者に大きな驚きと緊張感を与えることが可能となる。従って、可動体23を遊技状態に応じて動作させることにより、これまでにない斬新かつインパクトのある体感演出を行うことが可能となる。尚、可動体23の動作範囲は、溝部12の深さや、可動体23が遊技者の指に接触した際の押圧等を考慮して、適宜設定することができる。
【0021】
可動体23の材質としてはあらゆるものを使用することが可能であるが、例えば、遊技者の指と接する部分が熱伝導率の高い金属やセラミックス等を使用することによって可動体23が遊技者の指に接触した際に遊技者に冷たいと体感させることができるので、より大きな驚きを遊技者に与えることができる。また、可動体23の材質としてゴムやその他の樹脂等の弾性を有するものを使用することにより、可動体23の機械的な破壊耐性を向上させることが可能となる。
【0022】
一方、膨張収縮体22が膨張状態から収縮状態となると、可動体23を下方に押し下げる力が働かなくなるので、可動体23は軸部23aに組み込まれたバネによる付勢力によって凹部空間21内部に格納される。すなわち、膨張収縮体22は、その体積が変動することによって可動体23を凹部空間21内部に収容し、もしくは、溝部23に近接せしめる位置決め機構として機能する。
【0023】
図4は、膨張収縮体22の全体構成および、膨張収縮体22への空気の供給および排気を行う空気給排気手段のブロック図である。各凹部空間21内に設けられた膨張収縮体22の各々は、分配管25を介して給排気管24に接続されている。給排気管24は、湾曲自在なゴムやその他の樹脂等からなり、ハンドル外周部20の内部に配設され、膨張収縮体22への空気の供給および排気のための空気の通過経路を形成する。給排気管24の一端はハンドル外周部20の外部に設けられた空気供給通路63に連結され、空気供給通路63は、加圧ポンプ60に連結される。加圧ポンプ60は、ポンプ駆動部61から供給されるポンプ駆動信号に応じて駆動され、加圧された空気を空気供給通路63、給排気管24、分配管25を介して膨張収縮体22に供給する。ポンプ駆動部61は、主制御装置100から発せられる空気供給指令に従ってポンプ駆動信号を生成する。加圧ポンプ60から供給された空気はポンプ給排気管24から各分配管25を通じて膨張収縮体22の各々に供給される。ハンドル外周部20に設けられた5つの膨張収縮体22の各々は、空気が供給されることによって膨張し、可動体23の先端部を溝部12に近接した突出位置に移動せしめる。一方、給排気管24の他端部はハンドル外周部20の外部に設けられた空気排気通路64に連結され、空気排気通路64は、排気弁62に連結される。排気弁62は、例えば電気信号で開閉駆動される電磁弁等を備え、弁駆動部65から供給される弁駆動信号に従って電磁弁の開閉動作を行う。弁駆動部65は、主制御装置100から発せられる開弁指令もしくは閉弁指令に基づいて弁駆動信号を生成する。すなわち、弁駆動部65は、主制御装置100からの指令に従って、膨張収縮体22を膨張状態にすべきときには排気弁62を閉弁状態とすべき駆動信号を生成し、膨張収縮体22を収縮状態にすべきときには開弁状態とすべき弁駆動信号を生成する。排気弁62が開弁駆動されると、膨張収縮体22に供給された空気は、給排気管24、空気排気通路64を経由して排気弁62から外部に排気される。
【0024】
主制御装置100は、パチンコ機1の主たる制御を司る部分であり、高速演算処理を行うCPU、CPUの処理事項および演算結果を一時的に記憶するRAM、CPUが実行する処理プログラムを格納したROM等によって構成される。主制御装置100は例えば、始動入賞口(図示せず)への遊技球の入球を契機として、大当たり抽選プログラムを実行し、その抽選結果を図柄可変表示装置40に表示するべく指令を発したり、図柄可変表示装置40に演出画面を表示するべく指令を発する。膨張収縮体22への空気の給排気に関する指令もこの主制御装置100によってなされる。
【0025】
以下において、主制御装置100がなす空気給排気制御の一例について、図5に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、主制御装置100は、所定の空気圧制御始動条件が成立したか否かの判断を行う(ステップS1)。所定の始動条件とは例えば始動入賞口(図示せず)への入球とすることができる。始動入賞口への入球は、入賞口内部に設けられた入球センサ(図示せず)によって検知され、主制御装置100に伝達される。始動入賞口への入球が検知されると主制御装置100は大当たり抽選を行う。そして、この抽選結果に応じて、可動体23による体感演出を行うか否かの判断を行う(ステップS2)。主制御装置100は、体感演出を実行しないと判断した場合には本ルーチンを終了させる。一方、主制御装置100は、体感演出を実行すると判断した場合には、排気弁62を閉弁状態とすべき閉弁指令を弁駆動部65に供給する(ステップS3)。弁駆動部65は、かかる指令を受信すると排気弁65を閉弁駆動すべき弁駆動信号を生成し、排気弁62を閉弁状態に駆動する。続いて主制御装置100は、空気供給指令をポンプ駆動部61に供給する(ステップS4)。ポンプ駆動部61は、かかる指令を受信するとポンプ駆動信号を生成し、これを加圧ポンプ60に供給する。駆動信号が供給された加圧ポンプ60は、空気の供給を開始する。これにより、空気供給通路63、給排気管24、分配管25を介して膨張収縮体22に空気が注入される。そして膨張収縮体22は、その体積が増加することにより可動体23を押し下げ、突出位置に移動せしめる。主制御装置100は、空気供給指令を発してから所定期間経過後に空気供給停止指令をポンプ駆動部61に供給する(ステップS5)。ポンプ駆動部61は、かかる指令を受信するとポンプ駆動信号の供給を停止させ、これに伴い加圧ポンプ60は空気の供給を停止させる。続いて、主制御装置100は体感演出を終了するか否かの判断を行い(ステップS6)、体感演出を終了すると判断した場合には、排気弁62を開弁状態にすべき開弁指令を弁駆動部65に供給する(ステップS7)。弁駆動部65はかかる指令を受信すると、排気弁62を開弁駆動すべき弁駆動信号を生成し、排気弁62を開弁状態に駆動する。排気弁62が開弁状態となると、膨張収縮体22に注入された空気は排気通路64を経由して排気弁62より排気される。これにより、可動体23は上方に移動し、凹部空間21内部に収容され、体感演出が終了する。
【0026】
尚、主制御装置100は、上記したように演出画面の実行制御も行うため、図柄可変表示装置40に表示される画像と体感演出とを連動させることもでき、これにより演出効果をさらに高めることが可能となる。
【0027】
次に図6は、上記した図4に示す空気給排気手段の構成に加え、空気供給通路63内に圧力センサ70が配設された第2の空気給排気手段を示す。圧力センサ70は、空気供給通路63の空気圧を検知し、検知した空気圧に応じた空気圧検知信号を主制御装置100に供給するように構成されている。すなわち、圧力センサ70によって膨張収縮体22内の空気圧をモニタするのである。これにより、主制御装置100は、体感演出を実行する際に圧力センサ70からの空気圧検知信号に基づいて膨張収縮体22内の圧力をコントロールすることが可能となる。以下この圧力センサ70の空気圧検知信号に基づいて、主制御装置100がなす、空気給排気制御について、図7に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0028】
まず、主制御装置100は、所定の空気圧制御始動条件が成立したか否かの判断を行う(ステップS11)。所定の始動条件とは例えば始動入賞口(図示せず)への入球とすることができる。始動入賞口への入球は、入賞口内部に設けられた入球センサ(図示せず)によって検知され、主制御装置100に伝達される。始動入賞口への入球が検知されると主制御装置100は大当たり抽選を行う。そして、この抽選結果に応じて、可動体23による体感演出を行うか否かの判断を行う(ステップS12)。主制御装置100は、体感演出を実行しないと判断した場合には本ルーチンを終了させる。一方、体感演出を実行すると判断した場合には排気弁62を閉弁状態とすべき閉弁指令を弁駆動部65に供給する(ステップS13)。弁駆動部65は、かかる指令を受信すると排気弁65を閉弁駆動すべき弁駆動信号を生成し、排気弁62を閉弁状態に駆動する。続いて主制御装置100は、空気供給指令をポンプ駆動部61に供給する(ステップS14)。ポンプ駆動部61は、かかる指令を受信するとポンプ駆動信号を生成し、これを加圧ポンプ60に供給する。駆動信号が供給された加圧ポンプ60は、空気の供給を開始する。次に主制御装置100は、圧力センサ70から供給される空気圧検知信号によって示される膨張収縮体22内の空気圧が、目標値に達したか否かの判断を行う(ステップS15)。膨張収縮体22内の空気圧が目標値に達していないと判断された場合には、空気供給指令を継続して発する。一方、膨張収縮体22内の空気圧が目標値に達したと判断した場合には、空気供給停止指令をポンプ駆動部61に供給する(ステップS16)。ポンプ駆動部61は、かかる指令を受信するとポンプ駆動信号の供給を停止させ、これに伴い加圧ポンプ60は空気の供給を停止させる。続いて、主制御装置100は体感演出を終了するか否かの判断を行い(ステップS17)、体感演出を終了すると判断した場合には、排気弁62を開弁状態にすべき開弁指令を弁駆動部65に供給する(ステップS18)。弁駆動部65はかかる指令を受信すると、排気弁62を開弁駆動すべき弁駆動信号を生成し、排気弁62を開弁状態に駆動する。排気弁62が開弁状態となると、膨張収縮体22に注入された空気は排気通路64を経由して排気弁62より排気される。これにより、可動体23は上方に移動し、凹部空間21内部に収容され、体感演出が終了する。
【0029】
このように、空気供給経路63内に圧力センサ70を設け、膨張収縮体22内の空気圧をモニタし、体感演出を実行する際に空気圧検出信号に基づいて空気給排気制御を行うようにすることで、膨張収縮体22内の圧力が目標圧力に一致するべく制御される。これにより、例えば遊技者の手の大きさや指の太さが異なる場合であっても、可動体23が遊技者の指と接触する際の押圧は略一定とすることができる。
【0030】
さらに主制御装置100は、膨張収縮体22内の圧力が異常に高いと判断すると、緊急排気動作を行う。以下において主制御装置100がなす緊急排気制御について図8に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0031】
主制御装置100は、圧力センサ70から供給される空気圧検知信号によって示される膨張収縮体22内の空気圧が所定のしきい値を超えたか否かを判断する(ステップS21)。主制御装置100は、膨張収縮体22内の圧力がしきい値を越えたと判断した場合には、緊急排気動作を実行する。緊急排気動作が実行されると、主制御装置100は、空気供給停止指令をポンプ駆動部61に供給する(ステップS22)。ポンプ駆動部61は、かかる指令を受信するとポンプ駆動信号の供給を停止させ、これに伴い加圧ポンプ60は空気の供給を停止させる。次に主制御装置100は、弁駆動部65に開弁指令を供給する(ステップS23)。弁駆動部65はかかる指令を受信すると、排気弁62を開弁すべき弁駆動信号を生成し、これを排気弁62に供給する。かかる駆動信号を受信した排気弁62は開弁状態となり、膨張収縮体22に注入された空気は排気通路64を経由して排気弁より排気される。かかる緊急排気制御によって、異常に高まった膨張収縮体22内の空気圧は速やかに低下することとなる。
【0032】
このように、主制御装置100は、膨張収縮体22内の空気圧が異常に高いことを検出した場合には、空気の供給を停止させるとともに、膨張収縮体22内の空気を排気するように制御を行うので、例えば加圧ポンプ60が制御不能となり暴走した場合でも、可動体23の押圧は一定レベルに制限され、その後速やかに排気されるので遊技者の安全を確保することができる。また、例えば遊技者側から可動体23や膨張収縮体22に対して力を加え、破壊を試みるような行為があった場合でも、膨張収縮体22内の空気圧の変化としてこれを検知することができるので、かかる場合であっても、緊急排気動作が実行されて、装置の破壊を回避することが可能となる。
【0033】
また、遊技者による破壊行為の対策としては、図9に示す如く、ゴム等の伸縮自在な材料からなる隔壁80を凹部空間21と溝部12との間に設け、凹部空間21内部に遊技者の手や異物が進入できないように構成することとしてもよい。
【0034】
以上の説明から明らかなように、本発明の遊技機の操作ハンドルによれば、遊技者からは視認されないように設けられた可動体が遊技状態に応じて遊技者の指に接触し、遊技者はこれを体感できるので、遊技者に大きな驚きと緊張感を与えることができ、もって遊技の興趣を増すことが可能となる。また、可動体の位置決め機構として空気圧によって体積変動する膨張収縮体を利用しているので、機械的に位置決めする機構に比べ、可動体の押圧制御が容易であり、また膨張収縮体が可動体の押圧を吸収するので危険性が低い。
【0035】
尚、上記した実施例においては、溝部12、可動体23および膨張収縮体22をそれぞれ5つ備えた操作ハンドルの構成を例に説明したが、操作ハンドルには、これらが少なくとも1つ装備されていればよい。また、上記した実施例においては、5つの可動体23を同時に可動せしめる構成としたが、空気給排気手段を膨張収縮体22毎に設け、複数の可動体23を個別に位置決め制御することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施例である操作ハンドルを適用したパチンコ機の概略正面図である。
【図2】(a)は本発明の実施例である操作ハンドルの正面図、(b)は図2(a)における2b−2b線断面図である。
【図3】本発明の実施例である膨張収縮体膨張時の操作ハンドルの断面図である。
【図4】本発明の実施例である膨張収縮体および空気給排気手段のブロック図である。
【図5】本発明の他の実施例である空気給排気制御のフローチャートである。
【図6】本発明の他の実施例である膨張収縮体および空気給排気手段のブロック図である。
【図7】本発明の他の実施例である空気給排気制御のフローチャートである。
【図8】本発明の実施例である緊急排気制御のフローチャートである
【図9】本発明の実施例である隔壁をさらに備えた操作ハンドルの断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 パチンコ機
3 遊技盤
10 操作ハンドル
11 操作部
12 溝部
20 ハンドル外周部
22 膨張収縮体
23 可動体
24 給排気管
60 加圧ポンプ
61 ポンプ駆動部
62 排気弁
63 空気供給通路
64 空気排気通路
65 弁駆動部
70 圧力センサ
90 隔壁
100 主制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤内への遊技球の打ち出しを制御する遊技機の操作ハンドルであって、
遊技者の少なくとも1本の指を受け入れる凹部を有して前記遊技盤の下方に設けられた操作部と、
前記凹部に対向して配置されて前記凹部に接近離間可能な可動体と、
前記可動体を遊技状態に応じて位置決めする位置決め機構と、を有することを特徴とする遊技機の操作ハンドル。
【請求項2】
前記位置決め機構は、前記可動体に当接し得る膨張収縮体と、
前記遊技状態に応じて前記膨張収縮体内に空気圧を選択的に供給する空気圧供給手段と、
前記膨張収縮体内の空気圧を検出してこれに応じた検知信号を生成する圧力センサと、を有し、
前記空気圧供給手段は、前記圧力センサの検知信号に応じて前記膨張収縮体内の空気圧を調整する、ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機の操作ハンドル。
【請求項3】
前記可動体は、弾性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機の操作ハンドル。
【請求項4】
前記可動体の少なくとも一部が低い熱伝導率を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の遊技機の操作ハンドル。
【請求項5】
前記圧力センサの検知信号が所定値を超えたときに、前記膨張収縮体内の空気を排気する排気手段をさらに有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1に記載の遊技機の操作ハンドル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−212395(P2008−212395A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−54009(P2007−54009)
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】