説明

遊技機及び遊技機用リール停止制御方法

【課題】制御負担を増やすことなく、停止図柄配列による抽選結果の報知演出等の多彩なバリエーション確立する。
【解決手段】所定の抽選結果(例えば、不当選)の時に、特別な停止操作(第1停止リール及び第2停止リールの停止制御において、どちらの結合停止制御テーブルが選択されていても、停止、図柄が同一となる停止操作)があった場合、通常は第2回目と第3回目の停止制御用としてセットとなっている結合停止制御テーブル(ビットデータテーブル208(x))の2回目停止と3回目停止との間でビッデータテーブル208(x)を変更することで、第2停止リールが停止した時点では、遊技者は不当選であるか大役に当選しているのかの判別を困難にして期待感を持続させながらも第3停止リールが停止した時点では抽選結果が判別できる大役内部当選の非入賞時のみ表示される最終停止図柄を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダル、コイン、遊技球等を遊技媒体として使用するスロットマシン等の遊技機、並びにこの遊技機に用いられるリールの停止制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機、特にパチスロ機では、所定枚数のメダルを投入し、始動レバーを操作することで、抽選を実行し、周面に複数の図柄が表示された複数列(通常3列)の図柄変動リール(図柄列表示手段)を回転させるようにしている。
【0003】
始動レバーによって回転を開始した図柄変動リールは、それぞれに対応して設けられた停止ボタンを操作することで、基本的に、ほぼ遊技者の意図する時期に停止させることができる。
【0004】
前記始動レバーの操作時に、内部抽選が実行され当たり/外れが決められており、遊技者が停止ボタンにより各図柄変動リールの停止操作を行い、当該内部抽選に当選している場合に、当該当選に対応する図柄が揃った時点で権利行使がなされる。
【0005】
当たりには小役と大役とがあり、小役当選の権利行使は、予め設定された遊技媒体の配当が実行される。また、小役には再遊技(リプレイ)を含んでおり、リプレイの際には、当該遊技のために投入した遊技媒体と同等の配当がなされたものとみなして、新たに遊技媒体を投入することなく、再遊技の権利が与えられる。
【0006】
一方、大役当選の権利行使は、当該役に対して予め設定された遊技媒体の配当が実行された後、上記通常遊技状態から所謂ボーナスゲーム(レギュラーボーナスとビッグボーナスとがある)と称される、所定回数の特別遊技状態に移行する。
【0007】
なお、前記遊技者の停止ボタンによる停止操作の際、内部抽選の結果に応じて、所定コマ数の滑り制御を実行するようになっている。
【0008】
すなわち、内部抽選が外れのとき、当りの場合のみ停止する図柄の停止タイミングで停止ボタンが操作された場合、その停止操作タイミングに対して、意図的にこの図柄での停止を回避するため、停止位置をずらし(蹴飛ばし)、外れ図柄配列で停止するように制御する。
【0009】
内部抽選が当りのとき、遊技者が操作した停止操作タイミングでは当り図柄が停止しない場合にでも、所定図柄数内(現状では、最大4コマすべり)であれば、意図的にこの当たり図柄が揃って停止するように停止位置をずらす(引き込み)制御を行う。
【0010】
上記蹴飛ばし、引き込みを行うことで、抽選の結果との統一性を持たせることができると共に、若干停止操作タイミングがずれても当り図柄を揃えることが可能となることで、遊技者の取りこぼしを可能な範囲で防いでいる。
【0011】
この滑り制御は、前述の如く、内部抽選の結果により、その滑りコマ数が異なるため、それぞれの状況に応じた複数種類のテーブル(停止制御テーブル)を予め記憶している。
【0012】
例えば、第1停止リール(最初に停止指示があるリールであり、通常は左リール)においては、テーブルは、滑り数をそのまま登録した滑りコマ数テーブルが適用される。また、第2停止リール及び第3停止リールにおいては、滑りコマ数をビット(二進法)で表現したビットテーブルが適用される(一例として、特許文献1参照)。このビットテーブルは、1コマ滑りを「0」で表現し、停止コマを「1」で表現している。
【0013】
ここで、各リールには、前述のように複数の図柄(通常は21図柄)が設けられ、第2停止リール以降は、前記抽選結果と第1停止リールの停止図柄とに基づいて停止制御テーブル(ビットテーブル)が選択されるようになっている。
【0014】
なお、通常のパチスロ機の図柄表示窓は、各リールの連続する3図柄毎に表示されるため、例えば、上段に停止する図柄をテーブル検索用の停止図柄として設定する。
【0015】
また、停止位置の偏りを防止するために、複数の停止テーブル(滑りコマ数テーブル)から抽選で何れかを選択することが提案されている(特許文献2参照)。
【0016】
この特許文献1及び特許文献2を組み合わせると、複数のビットテーブルの中から何れかを用いてリールの停止制御をする回胴式遊技機を構成することができる。
【特許文献1】特開平11−178987号公報
【特許文献2】特開2003−79811公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、通常は抽選結果と第1停止リール(ここでは、左リール)の停止位置に基づいて、複数のビットテーブルの中から何れかを選択して第2停止リール(ここでは、中リール)を停止制御するわけだが、その際に第3停止リール(ここでは、右リール)のビットテーブルも一緒に選択されているのが一般的である(例えば、「中、右リール用テーブルA」、「中、右リール用テーブルB」、・・・)。なお、以下では、2種類のテーブルA、Bとして説明する。
【0018】
このため、第2リール押下時にテーブルAが選択されれば第3停止リールもテーブルAで停止制御されることになる。
【0019】
それぞれのビットテーブルは停止を意味するビットを立てる箇所を変化させることで停止位置に変化を加えているが、リールの配列上、何れのテーブルであっても止めたくない箇所(逆に、どちらのテーブルであっても停止させたい箇所)があるので、全ての押下位置に対してビットを立てる箇所を変化させることが考え難く、何れのテーブルが選択されていても同じ位置に停止するような押下位置が数カ所あることが普通である。
【0020】
その場合、例えば、外れのときに第2停止リールにおいてテーブルA、B共に同じ位置で停止する押下位置があったときは、両者のビットを合わせた位置が第3停止リールにおいて停止表示される可能性があることになり、その結果、第3停止時(最終出目)にボーナスの期待が高い出目(外れのときに停止しない出目)の組み合わせが少なくなってしまい、最終出目からボーナス当選の有無を推察することができないという問題があった。
【0021】
これを解消するためには、記憶容量を増やしたり、制御プログラムを複雑にすれば対応可能であるが、制御負担が増長されることになり、例えば、限られた記憶容量、制御処理速度での解決手段として適正ではない。
【0022】
本発明は上記事実を考慮し、制御負担を増やすことなく、停止図柄配列による抽選結果の報知演出等の多彩なバリエーション確立することができる遊技機及び遊技機用リール停止制御方法を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0023】
請求項1に記載の発明は、始動指示操作により複数の図柄が設けられた3列のリールをそれぞれ独立して周回駆動し、その後の停止指示操作の時期、並びに予め設定した停止制御テーブルに基づいて、当該リールのそれぞれを独立して停止させるリール駆動装置を備え、前記全てのリールが停止したときに表示される停止図柄配列に基づいて、前記始動指示操作に応じて実行される抽選結果を含む遊技の優劣を決定する遊技機であって、前記リールを停止指示操作によって停止させるときに、前記抽選結果に基づいて選択される複数の停止制御テーブルを、第1回目に対し停止指示を受ける第1停止リール用の単独停止制御テーブルと、第2回目と第3回目とに停止指示を受ける第2停止リール用の停止制御テーブルと第3停止リール用の停止制御テーブルとを結合した結合停止制御テーブルと、に分類して記憶する停止制御テーブル記憶手段と、前記単独停止制御テーブルに基づく前記第1停止リールの停止図柄が確定した時点で、前記第2停止リール及び第3停止リールの各図柄に対して複数の前記結合停止制御テーブルを選別する結合停止制御テーブル選別手段と、前記第2の停止リールの停止制御実行前までの間の所定条件により、前記選別された複数の結合停止制御テーブルの中から1つの結合停止制御テーブルを特定する結合停止制御テーブル特定手段と、前記第1停止リール及び前記第2停止リールの停止制御において、所定の抽選結果の時に前記選別された複数の結合停止制御テーブルが何れであっても同じ停止図柄配列となる場合に、第3停止リールの停止制御時に、前記特定した結合停止制御テーブルを別の結合停止制御テーブルに変更する変更手段と、を有している。
【0024】
請求項1記載の発明によれば、始動指示操作があると、複数のリールが独立して周回駆動を開始する。このとき、始動指示操作に応じて抽選が実行される。
【0025】
停止指示操作があると、これに対応するリールが独立して停止されるが、この全てのリールが停止したときに表示される図柄配列が、前記抽選結果を含む遊技の優劣を決定する。
【0026】
リールの停止は、前記抽選結果、停止指示操作時期、並びに停止制御テーブル記憶手段に記憶された停止制御テーブルに基づいて実行される。
【0027】
すなわち、抽選結果に基づいて停止制御テーブルが読み出され、停止指示操作時期に基づいて停止制御テーブルから停止制御情報(例えば、図柄を滑らせるコマ数、或いは図柄を1コマずらすか否かのビット情報等)が取り込まれ、停止制御が実行される。
【0028】
第1停止リールに関しては、独立した停止制御テーブル(単独停止制御テーブル)を持っており、他のリールに関与することなく、停止操作に応じた滑り制御機能を十分に発揮でき得る体制となっている。
【0029】
一方、第2停止リール及び第3停止リールにおいては、抽選結果と第1停止リールの停止図柄配列によって、ほぼ体制が決まることもあるため、第2停止リールと第3停止リールとの停止制御テーブルを予め結合した結合停止制御テーブルを適用する。これにより、テーブル選択等の制御負担を軽減することができる。
【0030】
ところが、上記第2停止テーブルと第3停止テーブルに対応する結合停止制御テーブルを複数用いた場合、遊技の進行そのものに支障はないが、所定の抽選結果(例えば外れ)の最終的な停止図柄配列(全リールの停止)のバリエーションが増えてしまうことで、上記した所定の抽選結果(例えば外れ)以外の異なる抽選結果(例えば、ボーナス)とを最終的な停止図柄配列で区別して表現できない場合がある(異なる抽選結果であても最終的な停止図柄配列が同一になってしまう場合がある)。
【0031】
そこで、このような区別して表現する必要があるとき、変更手段では、第1停止リール及び第2停止リールの停止制御において、所定の抽選結果の時に選別された複数の結合停止制御テーブルが何れであっても同じ停止図柄配列となる場合に、第3停止リールの停止制御時に、既に特定手段で特定していた結合停止制御テーブルを別の種類の結合停止制御テーブルに変更する。これにより、第2停止リールの停止までは異なる抽選結果(不当選と大役)で同一の停止図柄配列になることがあっても最終的な停止図柄配列では区別して表現することができる。また、このとき、全ての状況に関して第2停止リールと第3停止リールとを独立した停止制御テーブルにしているわけではないので、制御負担が増大することはない。
【0032】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記所定の抽選結果が、不当選時であることを特徴としている。
【0033】
請求項2に記載の発明によれば、不当選時の最終的な停止図柄配列を絞り込んで表現することができるので、結果的に不当選以外(例えば大役)の時にしか出現しない停止図柄配列を表現することができる。
【0034】
請求項3に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記結合停止制御テーブル選別手段では、前記結合停止制御テーブルが2種類選別され、前記変更手段では、前記結合停止制御テーブル特定手段で、前記2種類の結合停止制御テーブルの何れが特定されていても、第1停止リール及び第2停止リールが停止したときの停止図柄配列が同一の停止図柄配列である場合に、第3停止リールの停止制御時に前記特定された一方の結合停止制御テーブルを他方に変更することを特徴としている。
【0035】
請求項3に記載の発明によれば、制御負担をなるべく増やさずに、演出のバリエーションを持たせるべく、第2停止リール、第3停止リール用の結合停止テーブルを、第1停止リールの停止可能図柄に対応させて、2種類選別しておき、例えば、予め設定してある第2停止リールの停止操作時の図柄番号の奇数か偶数かによって一方に特定する。
【0036】
その後、第1停止リール及び第2停止リールが停止した時の停止図柄配列が、同一の停止図柄配列である場合に、一方の結合停止制御テーブルから他方の結合停止制御テーブルに変更する。これにより、必要最小限のデータメモリ量の増加ですみ、制御負担も大きく増えることがない。
【0037】
請求項4に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記所定の抽選結果が、不当選時であり、前記結合停止制御テーブル選別手段では、前記結合停止制御テーブルが2種類選別され、前記変更手段は、前記結合停止制御テーブル特定手段で、前記2種類の結合停止制御テーブルの何れが特定されていても、第1停止リール及び第2停止リールが停止したときの停止図柄配列が同一の停止図柄配列である場合に、第3停止リールの停止制御時に不当選として前記特定されている一方の結合停止制御テーブルを他方に変更することを特徴としている。
【0038】
請求項4に記載の発明によれば、不当選時の最終的な停止図柄配列を絞り込んで表現することができるので、結果的に不当選以外(例えば大役)の時にしか出現しない停止図柄配列を表現することができる。
【0039】
制御負担をなるべく増やさずに、演出のバリエーションを持たせるべく、第2停止リール、第3停止リール用の結合停止テーブルを、第1停止リールの停止可能図柄に対応させて、2種類選別しておき、例えば、予め設定してある第2停止リールの停止操作時の図柄番号の奇数か偶数かによって一方に特定する。
【0040】
その後、第1停止リール及び第2停止リールが停止した時の停止図柄配列が、同一の停止図柄配列である場合に、一方の結合停止制御テーブルから他方の結合停止制御テーブルに変更する。これにより、必要最小限のデータメモリ量の増加ですみ、制御負担も大きく増えることがない。
【0041】
請求項5に記載の発明は、始動指示操作により複数の図柄が設けられた3列のリールをそれぞれ独立して周回駆動し、その後の停止指示操作の時期、並びに予め設定した停止制御テーブルに基づいて、当該リールのそれぞれを独立して停止させるリール駆動装置を備え、前記全てのリールが停止したときに表示される停止図柄配列に基づいて、前記始動指示操作に応じて実行される抽選結果を含む遊技の優劣を決定する遊技機に用いられるリール停止制御方法であって、前記リールを停止指示操作によって停止させるときに、前記抽選結果に基づいて選択される複数の停止制御テーブルを、第1回目に対し停止指示を受ける第1停止リール用の単独停止制御テーブルと、第2回目と第3回目とに停止指示を受ける第2停止リール用の停止制御テーブルと第3停止リール用の停止制御テーブルとを結合した結合停止制御テーブルと、に分類して記憶しておき、前記単独停止制御テーブルに基づく前記第1停止リールの停止図柄が確定した時点で、前記第2停止リール及び第3停止リールの各図柄に対して2種類の前記結合停止制御テーブルを選別し、前記第2停止リールの停止制御実行前までの間の所定条件により、前記選択かつ設定した内から一方の結合停止制御テーブルを特定し、前記抽選結果が大役内部当選時に選択される前記第1停止リール用の単独停止制御テーブルと、不当選時に選択される前記第1停止リール用の単独停止制御テーブルの少なくとも一部又は全部を同じに設定することで大役内部当選時と不当選時とで当該第1リールが同一の停止図柄配列となることを可能とし、かつ、第2停止リールの制御において、大役内部当選時に選別される前記2種類の結合停止制御テーブルの1つと、不当選時に選別される前記2種類の結合停止制御テーブルの1つの一部を同じに設定することで第2停止リールが同一の停止図柄配列となることを可能とすることで、第1、第2停止リールが前記した同一の停止図柄配列となった場合に、不当選として特定されている結合停止制御テーブルを他方に変更、或いは大役内部当選として特定されている結合停止制御テーブルを他方に変更することを特徴としている。
【0042】
請求項5に記載の発明によれば、始動指示操作があると、複数のリールが独立して周回駆動を開始する。このとき、始動指示操作に応じて抽選が実行される。
【0043】
停止指示操作があると、これに対応するリールが独立して停止されるが、この全てのリールが停止したときに表示される図柄配列が、前記抽選結果を含む遊技の優劣を決定する。
【0044】
リールの停止は、前記抽選結果、停止指示操作時期、並びに停止制御テーブル記憶手段に記憶された停止制御テーブルに基づいて実行される。
【0045】
すなわち、抽選結果に基づいて停止制御テーブルが読み出され、停止指示操作時期に基づいて停止制御テーブルから停止制御情報(例えば、図柄を滑らせるコマ数、或いは図柄を1コマずらすか否かのビット情報等)が取り込まれ、停止制御が実行される。
【0046】
第1停止リールに関しては、独立した停止制御テーブル(単独停止制御テーブル)を持っており、他のリールに関与することなく、停止操作に応じた滑り制御機能を十分に発揮でき得る体制となっている。
【0047】
一方、第2停止リール及び第3停止リールにおいては、抽選結果と第1停止リールの停止図柄配列によって、ほぼ体制が決まることもあるため、第2停止リールと第3停止リールとの停止制御テーブルを予め結合した結合停止制御テーブルを適用する。これにより、テーブル選択等の制御負担を軽減することができる。
【0048】
ところが、上記第2停止テーブルと第3停止テーブルに対応する結合停止制御テーブルを複数用いた場合、遊技の進行そのものに支障はないが、所定の抽選結果(例えば外れ)の最終的な停止図柄配列(全リールの停止)のバリエーションが増えてしまうことで、上記した所定の抽選結果(例えば外れ)以外の異なる抽選結果(例えば、ボーナス)とを最終的な停止図柄配列で区別して表現できない場合がある(異なる抽選結果であても最終的な停止図柄配列が同一になってしまう場合がある)。
【0049】
そこで、このような区別して表現する必要があるとき、変更手段では、第1停止リール及び第2停止リールの停止制御において、所定の抽選結果の時に選別された複数の結合停止制御テーブルが何れであっても同じ停止図柄配列となる場合に、第3停止リールの停止制御時に、既に特定手段で特定していた結合停止制御テーブルを別の種類の結合停止制御テーブルに変更する。これにより、第2停止リールの停止までは異なる抽選結果(不当選と大役)で同一の停止図柄配列になることがあっても最終的な停止図柄配列では区別して表現することができる。また、このとき、全ての状況に関して第2停止リールと第3停止リールとを独立した停止制御テーブルにしているわけではないので、制御負担が増大することはない。
【0050】
ところで、演出のバリエーションを増やしたい状況として大役の内部当選時と不当選時とが挙げられる。
【0051】
大役の内部当選は、周知の遊技ルールにおいて、1回の遊技を例えば、始動操作から全リール停止まで(時間にして最短4.1秒)とすると、大役に入賞(図柄が揃う)まで、複数遊技にまたがって持ち越すことができる。言い換えれば、大役内部当選であっても停止図柄配列は外れになることもある。
【0052】
このとき、第1停止リール、第2停止リールが停止したときの停止図柄配列が、双方(不当選と大役)で同一となると、第3停止リールも同一の図柄配列で停止する場合がある。
【0053】
そこで、大役内部当選時の外れの停止図柄配列と、不当選時の外れの停止図柄配列と、を変更するべく、既に特定していた結合停止制御テーブルを変更することで、最終的な全リールの停止図柄配列を異ならせることができる。
【0054】
このとき、制御負担をなるべく増やさずに、演出のバリエーションを持たせるべく、第2停止リール、第3停止リール用の結合停止テーブルを、第1停止リールの停止可能図柄に対応させて、2種類選別しておき、例えば、予め設定してある第2停止リールの停止操作時の図柄番号の奇数か偶数かによって一方に特定する。
【0055】
その後、第1停止リール及び第2停止リールが停止した時の停止図柄配列が同一の停止図柄配列である場合に、一方の結合停止制御テーブルから他方の結合停止制御テーブルに変更する。これにより、必要最小限のデータメモリ量の増加ですみ、制御負担も大きく増えることがない。
【発明の効果】
【0056】
以上説明した如く本発明では、制御負担を増やすことなく、停止図柄配列による抽選結果の報知演出等の多彩なバリエーション確立することができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
[パチスロ機の概略構成]
図1に示される如く、パチスロ機300は、本体302と、本体302の正面に設けられた開閉カバーとしての操作兼装飾部303とを備えて構成されている。
【0058】
操作兼装飾部303は、上から装飾部304、操作部306、払出部310とに分類することができる。
【0059】
(装飾部304)
装飾部304は、内部でバックライト部(図示省略)が点灯することで、印刷された絵や文字が透過照明される表示パネル部312が取り付けられている。また、装飾部304の一部として、前記装飾部304の上部には、立体的な装飾ランプ304Aも左右方向の全域に亘り設けられている。また、装飾ランプ304近傍には、演出用の音声等を再生するためのスピーカ305R、305Lが設けられている。なお、スピーカ305R、305のコーン表面(振動することで音が出力される膜の表側の面)は下向きになっている。
【0060】
装飾部304の表示パネル部312は、演出用の動画像を表示するための液晶表示装置(LCD)313と、回胴表示図柄を表示するための表示窓314とを備えている。表示窓314は、前記表示パネル部312と一体成型される透明領域で構成されている。
【0061】
この表示窓314の内部には、3個の回胴リール350A、350B、350Cを主要部として構成された図柄変動部316が配設されている。
【0062】
また、表示窓314の下部には、このパチスロ機300の遊技媒体であるメダルの払出枚数を表示する表示部315A、通常の遊技モードではジャックゲーム残回数表示を行う表示部315B、クレジット枚数を表示する7セグメント表示部315Cがそれぞれ設けられている。なお、例えば、表示部315Bは、店側による切替操作で起動する設定モードにおいては、遊技状態の設定(6段階)表示等を行なう場合もある。また、それぞれの表示部315A乃至315Cは、7セグメントLED表示器が主流であるが、ドットマトリクスパターン表示器であってもよく、LCDを用いてもよい。
【0063】
(操作部306)
操作部306は、その上部が手前(対面して着座する遊技者側)に突き出ており、この突き出し部分の上面の右端部にはメダル投入部320が設けられている。また、この操作部306の上面左端部からは、順にクレジットの払い戻しをする際に押下操作される精算ボタン103、1枚ベット(投入)ボタン352A、MAXベット(最大投入)ボタン352Bが設けられている。また、突き出し部分の前面左端部からは、順に始動レバー354、停止ボタン356A、356B、356C等が設けられている。
【0064】
(払出部310)
払出部310は、メダル排出口326と、このメダル排出口326から排出されるメダルを受取る受け皿328とを備えている。一般的には、遊技の進行によって獲得したメダルは、内部のメダル記憶クレジットの上限に達するまでは、物理的にメダルを排出することはない。言い換えれば、遊技の度にいちいちメダルを投入することなく、内部の演算処理によってクレジット数を増減することで、操作性がよく、遊技の進行を円滑に行うことが可能となる。
【0065】
一方、この上限数(例えば、50枚分)を超えるメダルの払出しが必要な場合に、メダル排出口326からメダルが排出されるようになっている。
【0066】
なお、クレジットの上限数を増やせばメダル排出をなくすことも理論的に可能ではあるが、メダル排出という物理的な現象が、視覚的、聴覚的にも優越感を持つことができ、遊技の趣向性をかきたてる演出の1つとして利用するためにも、所定量を超えた時点で実際にメダルを払い出すことが望ましい。
【0067】
(図柄変動)
3個のリール350A、350B、350Cは、回転することで図柄が順次前記表示窓314から見えるようになっている。回転方向は、表示窓314では、図1の上から下に移動するように見える。
【0068】
ここで、回転を停止した場合に表示窓314から見える図柄のうち、中行に並んだ図柄の中心を結ぶライン、上行に並んだ図柄の中心を結ぶライン、下行に並んだ図柄の中心を結ぶラインと、2本の対角線上に並んだ図柄の中心をそれぞれ結ぶ2本のラインと、の5本の有効ライン上に停止した図柄の組み合わせが遊技の結果を示す。
【0069】
なお、5本のラインのうち、どのラインが有効ラインとされるかはメダルの投資数によって決まり、1枚のメダルがベットされた場合は中行に並んだ図柄の中心を結ぶラインが有効ラインとされ、3枚のメダルがベットされた場合は全てのラインが有効ラインとされる。
【0070】
前記停止ボタン356A、356B、356Cは、図柄変動部316下部に設けられており、各リール350A、350B、350Cに対応している。すなわち、対応するそれぞれのリール350A、350B、350Cの回転を遊技者による停止ボタン356A、356B、356Cの操作で停止させることができる。
【0071】
また、この停止ボタン356A、356B、356Cの左側に設けられた始動レバー354を操作(傾倒)することで、各リール350A、350B、350Cが回転を開始するようになっている。なお、この回転は、通常は3個のリール350A、350B、350Cが同時に回転を開始するようになっている。
【0072】
さらに、この始動レバー354による操作タイミング(操作時期)は、後述する内部抽選のタイミング(内部抽選時期)となっており、当該始動レバー354の操作によって、当たり(役当選)/外れが決定するようになっている。
【0073】
また、前記ラインの内、上行(上段)に横一直線に並ぶラインを、後述する停止制御(滑り制御を含む)の基準ラインとしている。すなわち、この基準ラインと、当該基準ライン上に位置する図柄の中心線との位置関係で、停止制御を行っている。
【0074】
なお、停止制御においては、図柄と図柄の間でリール350A、350B、350Cが停止することはなく、必ず図柄ピッチで停止制御されるようになっている(図柄ピッチ単位停止制御)。
【0075】
さらに、詳しくは、現在、基準ライン上にある第1の図柄の中心線が基準ラインを超えた時点で停止操作があった場合は、リール350A、350B、350Cを逆転させることはできないので、超えた直後から次の図柄の中心線が基準ラインと一致するまでの間は、当該次の図柄を停止させる制御(最大図柄ピッチ未満)が所謂ビタ止めの基準となる。
【0076】
[制御系]
図2には、上記パチスロ機300の動作を制御するための制御ブロック図が概略的に示されている。
【0077】
パチスロ機300の制御系は、主制御部100を中心に構成されており、この主制御部100には、メダル投入部320(図1参照)から投入されたメダルを識別し、メダルの投入数や種類(不正又は純正)等を出力するメダルセレクタ102が接続されている。
【0078】
また、始動レバー354、上述したリール350A、350B、350Cのそれぞれに対応する停止ボタン356A、356B、356Cの操作状態を検出する不図示のセンサ等を介して接続されている。
【0079】
さらに、MAXベットボタン352B、1枚ベットボタン352A並びに遊技を中止する際に遊技機内部に貯留(クレジット)したメダルを戻すための精算ボタン103が、それぞれ操作状態を検出する不図示のセンサ等を介して接続されている。
【0080】
前記主制御部100は、CPUを含んで構成される主制御回路110を備えており、主制御回路110には、主として遊技の進行状況等を一時的に記憶するRAM128と、各種プログラム等が記憶されたROM130と、が接続されると共に、主制御回路110の動作の基準となるクロックパルスを生成するクロックパルス発生回路124が分周器126を介して接続されている。
【0081】
また、主制御回路110には、乱数発生器120及び乱数サンプリング回路122が接続されている。主制御回路110は、分周器126を介して入力されたクロックパルスに同期して乱数発生器120を制御して順次乱数を発生させ、乱数サンプリング回路122では、当該乱数発生器120により発生された乱数を取得してサンプリングする。
【0082】
(内部抽選制御)
本実施の形態に係るパチスロ機300では、図1に示す始動レバー354による操作タイミング(操作時期)で大役、小役等の当落を決定する内部抽選が主制御部100により行われるようになっており、主制御回路110では、始動レバー354が操作されると上記乱数サンプリング回路122に対して、乱数の取得、サンプリング及び出力を指示し、これにより乱数サンプリング回路122から入力された乱数に応じて内部抽選の抽選結果を導出する。
【0083】
前記内部抽選が当たり(役当選)の場合は、その後の停止ボタン356A、356B、356Cによる停止操作により当たり図柄が揃うと、遊技者は各図柄に応じた数のメダルを獲得できるほか、揃った図柄に応じて遊技者に有利な遊技状態となる。
【0084】
ここで、役には小役と大役とがある。このうち、大役には、ビッグボーナス(以下、適宜「BB」という)及びレギュラーボーナス(以下、適宜「RB」という)があり、それぞれに対応する遊技においては遊技者に対する有利さの度合いが異なる。RBに対応する遊技(以下、適宜「RBゲーム」という)は複数回の小役ゲームにより構成されており、BBに対応する遊技(以下、適宜「BBゲーム」という)は、その遊技中に、獲得したメダル数が上限値を超えない範囲で複数回入賞可能なRBゲームを含んで構成されている。このため、当然、小役ゲームよりもRBゲームの方が、RBゲームよりもBBゲームの方が、遊技者にとってより有利な遊技状態となる。
【0085】
また、主制御部100には、モータ駆動回路132が接続されており、当該モータ駆動回路132には、左(L)、中(C)、右(R)用の各リールモータ106A、106B、106Cが接続され、それぞれ左、中、右の各リール350A、350B、350Cの駆動を制御している。
【0086】
さらに、主制御部100には、3個のリール350A、350B、350Cの回転位置を検出するためのリール位置検出回路134が接続されており、主制御部100では、各リール350A、350B、350Cの位置を常時把握することができるようになっている。なお、リール位置検出回路134は、各リール350A、350B、350Cに設けられたセンサを含む。このセンサは、回転によって繰り返される凹凸形状や白黒模様を検出し、この検出に基づいてパルス信号を出力する(図3に示す位置検出センサ198A、198B、198C参照)。
【0087】
また、パチスロ機300では、上記始動レバー354による操作タイミングで図柄変動部316による図柄変動を開始するようになっており、主制御部100は、始動レバー354が操作されると、モータ駆動回路132を介したリールモータ106A、106B、106Cの駆動をそれぞれ開始し、3個のリール350A、350B、350Cをそれぞれ回転させると共に、その後の停止ボタン356A、356B、356Cによる操作に基づいて、3個のリール350A、350B、350Cの回転を停止させる。
【0088】
また、主制御部100には、パチスロ機300内部に設けられたホッパー138を作動させるためのホッパー駆動回路136が接続されている。ホッパー138にはメダルが貯留されており、主制御部100では、リール位置検出回路134からの出力により特定された停止図柄に応じて、ホッパー駆動回路136を介したホッパー138からのメダルの払い出しが実行される。
【0089】
さらに、ホッパー138近傍には、ホッパー138から払出されるメダルを検出するメダル検出センサ140が配設されており、払出完了信号回路142を介して主制御部100に接続されている。払出完了信号回路142では、メダル検出センサ140からの検出信号に基づいて払出が完了したか否かが判定され、払出が完了したと判定された時点で払出完了信号が生成されて主制御部100に入力される。
【0090】
主制御部100では、払出完了信号回路142から払出完了信号が入力されるとホッパー駆動回路136を介してホッパー138によるメダルの払出しを終了する。
【0091】
さらに、主制御部100には、表示ランプ駆動回路144が接続されており、当該表示ランプ駆動回路144を介して前述した7セグメント表示部315A、表示部315B、7セグメント表示部315C及び有効化ライン等の表示ランプ146の点灯及び消灯を制御する。
【0092】
一方、主制御部100には、副制御部150が接続されており、主制御部100は副制御部150に対して、随時制御状態を示すコマンド信号を入力する。なお、本実施の形態では、主制御部100と副制御部150との間の通信としては、主制御部100から副制御部150に対する一方的な通信だけが実行され、副制御部150から主制御部100に対する通信は一切行うことができない構成となっている。
【0093】
副制御部150には、液晶制御回路152が接続されており、液晶制御回路152では、演出のために設けられた液晶表示装置(LCD)313の表示状態を制御する。
【0094】
また、副制御部150には、ランプ駆動回路156が接続されており、当該ランプ駆動回路156を介して装飾ランプ304Aに内蔵されているランプ112や、リール350A、350B、350Cの内部に設けられ、表示窓314に表示されるリール350A、350B、350C周面の図柄に対向する位置に向けて発光するバックライト158等の発光を制御する。
【0095】
さらに、副制御部150には、スピーカ駆動回路154が接続され、スピーカ305L、305Rからの音声(効果音)出力を制御する。
【0096】
副制御部150では、主制御部100のパチスロ機300の制御状態に応じて、LCD313、スピーカ305L、305R及びバックライト158や装飾ランプ304Aに内蔵されたランプ112等による報知演出を実行する。
【0097】
特に、LCD313では、始動レバー354が操作されときに実行される役抽選の結果に応じて、当該遊技に関わる予告演出を実行する場合があり、遊技者はこの予告演出を見ることで、当該遊技の役抽選における当選への期待感を持つことができる。
【0098】
(滑り制御)
ここで、主制御部100では、上記停止ボタン356A、356B、356Cによる停止操作に基づいてリール350A、350B、350Cの回転を停止させる際、内部抽選の結果に応じて、所定コマ数の滑り制御を実行するようになっている。
【0099】
すなわち、内部抽選が外れのとき、当りの場合のみ停止する図柄が有効ライン上に停止する停止タイミングで停止ボタン356A、356B、356Cが操作された場合、意図的にこの図柄での停止を回避するため、停止位置をずらし(蹴飛ばし)、外れ図柄配列で停止するように制御する。
【0100】
また、内部抽選が当りのとき、遊技者が操作した停止タイミングでは当り図柄が停止しない場合でも、所定図柄数内であれば、意図的にこの当たり図柄が有効ライン上に揃って停止するように停止位置をずらす(引き込み)制御を行う。
【0101】
上記蹴飛ばし、引き込みを行うことで、内部抽選の結果と遊技の結果との統一性を持たせることができると共に、若干停止操作タイミングがずれても当り図柄を揃えることが可能となることで、遊技者の取りこぼしを可能な範囲で防いでいる。
【0102】
ここで、上記のような蹴飛ばし、引き込みを含む滑り制御は、内部抽選の結果により、滑り量(滑りコマ数)が異なることになる。
【0103】
また、既に停止しているリール(本実施の形態では、左リール→中リール→右リールの順序が通常の停止順序であり、中リール350Bを停止するときは左リール350Aは停止状態であり、右リール350Cを停止するときは左リール350A、中リール350Bは停止状態である。)の図柄の配列(上段、中段、下段)の状態によっても、滑り量が異なる。
【0104】
従って、主制御回路では、それぞれの内部抽選の結果、並びに確定している図柄列毎に、停止ボタン356A、356B、356Cによる停止操作タイミング(前述の基準ラインにビタ止めする図柄の特定)と滑りコマ数とを対応付けた、停止制御用情報である滑り制御テーブル(本実施の形態では、1回目の停止制御においては滑りコマ数自体を記憶した滑りコマ数テーブル、2回目以降の停止制御においてビットデータテーブルを適用)を格納し、当該内部抽選の結果、並びに確定図柄列に基づいて該当する滑り制御テーブルを読み出し、滑り制御を実行するようにしている。
【0105】
図3は、本実施の形態に係る主制御部100における遊技制御のための制御系を機能的に示したブロック図である。
【0106】
主制御部100は、抽選部180を含んで構成されており、当該抽選部180には、始動レバー354が操作されたことを示す操作信号が入力されるようになっている。抽選部180は、所定数のメダルの投入(ベット)がなされた後の始動レバー354の操作をトリガとして、内部抽選を実行するようになっている。
【0107】
抽選部180では、始動レバー354の操作に同期して乱数値を取得し、当該乱数値をテーブル選択部182を経由して当選役・図柄決定部184へ送出する。
【0108】
テーブル選択部182には、抽選部180により取得され得る数値に対応する役・図柄を示す情報がパチスロ機300の遊技状態毎に記憶された役・図柄テーブル(図4参照)が格納されている。なお、パチスロ機300の遊技状態としては、例えば、通常遊技、BB内部当選中、RB内部当選中、BB作動時の通常遊技、BB作動時のRB内部当選中、RB遊技等があげられる。
【0109】
テーブル選択部182では、遊技状態制御部186から現在の遊技状態(通常遊技、BB内部当選中、RB内部当選中、BB作動時の通常遊技、BB作動時のRB内部当選中、RB遊技等)を示す情報を得て、上記遊技状態毎に設けられた役・図柄テーブルから役・図柄を決定すべき役・図柄テーブルを選択する。
【0110】
このテーブル選択部182で選択された役・図柄テーブルに基づいて、当選役・図柄決定部184は、当選役(小役(リプレイを含む)、大役(RB、BB))及び当選図柄を決定し、決定した当選役及び当選図柄を遊技状態制御部186に入力する。
【0111】
遊技状態制御部186には、パチスロ機300の遊技状態に応じた各種プログラムを示すデータが記憶された遊技プログラムメモリ188が接続されている。遊技状態制御部186は、主として遊技実行制御部186Aにより遊技プログラムメモリ188から遊技状態に応じた遊技プログラムデータを適宜読み出して実行することにより、遊技状態を制御するようになっている。
【0112】
なお、遊技プログラムメモリ188には、通常遊技プログラムを示すデータ及び大役遊技プログラムを示すデータがそれぞれ記憶されており、例えば、通常遊技状態の場合は、遊技プログラムメモリ188から通常遊技プログラムデータが読み出され、大役遊技状態の場合はBB、RBの内部当選状態、BB、RBの各遊技状態に応じて、大役遊技プログラムデータが読み出され、それぞれのプログラムデータに基づいて処理が実行される。
【0113】
一方、主制御部100は、リール駆動制御部194を含んで構成されており、始動レバー354の始動操作に基づき、前回の遊技の開始後、4.1秒を経過した後、モータ駆動部132を介してリールモータ106A、106B、106Cを駆動させてリール350A、350B、350Cの回転を開始する。
【0114】
また、リール駆動制御部194は、停止ボタン356A、356B、356Cの操作に基づいてリール350A、350B、350Cの回転を停止させる停止制御を行う。
【0115】
また、リール350A、350B、350Cには、それぞれ位置検出センサ198A、198B、198Cが取り付けられており、リール位置検出回路134を介してリール駆動制御部194に接続されている。リール駆動制御部194では、リール350A、350B、350Cのそれぞれの回転位置を認識し、前記滑り制御を加味した状態でリール350A、350B、350Cを停止させると共に、停止したリール350A、350B、350Cの図柄配列を遊技状態制御部186へ送出する。
【0116】
この停止したリール350A、350B、350Cの図柄配列により、遊技状態制御部186では、何らかの役に入賞したか否かが確認され、小役の入賞であれば所定の配当が行われると共に、入賞した役がリプレイであればリプレイ制御が実行され、大役であれば遊技実行制御部186Aにより大役遊技プログラムが遊技プログラムメモリ188から読み出されて実行される。
【0117】
また、大役プログラムには、レギュラーボーナスゲームプログラム及びビッグボーナスゲームプログラムが、それぞれ別個に記憶されており、当選した大役に基づいて選択的に読み出されるようになっている。
【0118】
レギュラーボーナスプログラムでは、権利行使として小役の抽選確率が通常遊技中の抽選確率よりも高い状態で最高12回の遊技(最大遊技回数)を実行可能である。この12回の遊技の間で何らかの小役に最高8回入賞(最大入賞回数)すると、レギュラーボーナスゲームは終了する。
【0119】
一方、ビッグボーナスプログラムでは、権利行使としてレギュラーボーナスゲームが高確率に実行可能であり、ビッグボーナスゲームにおける獲得枚数が予め設定された上限枚数に到達すれば、レギュラーボーナスゲームの実行中であってもビッグボーナスゲームは終了する。なお、本実施の形態では、ビッグボーナスゲーム中における小役の当選確率は、通常遊技とほぼ同じとなっている。
【0120】
また、遊技状態制御部186には、フラグ管理制御部190を介してフラグメモリ192が接続されており、上述した内部抽選の当選結果に応じた役の内部当選状態をフラグの状態によって管理している。
【0121】
各フラグは、内部抽選により当選することにより成立し、一般に、小役のフラグの状態は1回の遊技で消滅(成立した直後の遊技で入賞しないとフラグ不成立)するが(当選の無効)、大役のフラグの状態はその後各リール350A、350B、350Cが停止して表示窓314に大役図柄が所定の配列で表示されることにより大役に入賞するまで維持される(当選の持ち越し)。
【0122】
なお、フラグメモリ192は、上述したリール駆動制御部194に接続されており、当該フラグメモリ192に記憶されたフラグの状態は、リール駆動制御部194による停止ボタン356A、356B、356Cの操作に基づく停止制御の際の引き込みまたは蹴飛ばしの滑り制御のパラメータとして適用される。
【0123】
図5には、リール駆動制御部194における、滑り制御を加味したリール350A、350B、350Cの停止制御を実行するための機能ブロック図が示されている。
【0124】
停止ボタン356A、356B、356Cは、基準ライン上図柄判定部200に接続されている。この基準ライン上図柄判定部200では、停止ボタン356A、356B、356C(のそれぞれ)が操作された時点の図柄位置をリール位置検出回路134からの信号で認識し、所謂ビタ止めするときの図柄を特定する。なお、基準ラインは上行とする。
【0125】
特定されたビタ止め図柄の情報は、滑り制御量選択部202に送出されるようになっている。
【0126】
一方、フラグメモリ192は、フラグ判定部204に接続されている。フラグ判定部204では、現時点(現遊技)でのフラグの状態を判定し、当該判定結果の情報をテーブル読出部206へ送出する。
【0127】
テーブル読出部206には、滑り制御テーブルメモリ208が接続されている。この滑り制御テーブルメモリ208には、遊技状態(内部抽選結果)毎に設定された複数のビットデータテーブル208(x)(x=1、2、・・・a-1、a)と、複数の滑りコマ数テーブル208(y)(y=1、2、・・・b-1、b)が記憶されている(a、bは正の整数)。
【0128】
すなわち、滑り制御テーブルメモリ208には、1回目のリール停止制御として、滑りコマ数が格納された滑りコマ数テーブル208(y)と、2回目以降のリール停止制御用(本実施の形態では、2回目と3回目に該当するリールの停止制御用)として、各コマにビットデータを付与したビットデータテーブル208(x)とが混在して記憶されている。
【0129】
前記テーブル読出部206では、前記フラグ判定部204からの判定結果に基づいて、該当するビットデータテーブル208(x)及びの滑りコマ数テーブル208(y)を選択して、読み出し、前記滑り制御量選択部202へ送出する。
【0130】
表1は、本実施の形態における各リール350A、350B、350Cの図柄配列パターンを文字情報で示したものである。なお、数列は、図柄帯を展開したときの上から順番に付した図柄番号(No.0〜No.20)である。
【0131】
【表1】

【0132】
この表1において、通常では左リール350Aが最初に停止指示がなされ、そのときの抽選結果に基づいて、滑りコマ数テーブル208(y)が読み出されるようになっている(図5を参照)。以下の説明においては、特別な注釈がない限り、第1回目の停止リールを左リール350Aとする。
【0133】
例えば、抽選の結果がボーナス当選(青7)と不当選(外れ)の場合、表2に示される如く、各図柄に対応して停止可否位置と、滑りコマ数が設定された滑りコマ数テーブル208(y)が読み出される。この表2は、第1停止リール(左リール350A)専用の停止制御テーブルであり、「単独停止制御テーブル」ということができる。
【0134】
仮に、この第1停止リール(左リール350A)において、「青7」を揃えるべく、ベル(上段)−リプレイ(中段)−青7(下段)とするためには、表2によれば、図柄番号No.13が上段のときのみの停止操作によって実現可能である(表3参照)。また、不当選の時も同様である。
【0135】
なお、表2では、「停止可否」の欄を設け、上段で停止する図柄を明確にしたが、滑りコマ数テーブル208(y)としては、「停止可否」の欄は不要である。滑りコマ数によって自動的に停止許可(○印)位置に停止するからである。
【0136】
【表2】

【0137】
【表3】

【0138】
上記のような、左リール350Aの停止制御が実行されるとき、次の停止制御(すなわち、通常であれば中リール350Bの停止制御)が実行されるまでに、中リール及び右リールの停止制御のためのビットデータテーブルの候補が選択されるようになっている。
【0139】
候補とは、左リール350Aの停止図柄が確定していないため、表2で示した停止許可の位置の何れかが上段となって停止する可能性がある。すなわち、例えば前記表3に示した停止図柄である。
【0140】
そこで、まず、左リール350Aの停止図柄番号(No.0、4、9、13、14、16、17)に対応するビットデータテーブルの候補を選択する。
【0141】
表4に、前記表3のように図柄番号No.13が上段のときに停止操作したときに選択されるビットデータテーブルの一例を示す。この表4に示すビットデータテーブルは、第2停止リール(中リール350B)と第3停止リール(右リール350C)との停止制御テーブルが結合された「結合停止制御テーブル」となっている。
【0142】
この表4において、不当選時の結合停止制御テーブルA1及びB1、並びに大役(青7)当選時の結合停止制御テーブルA2及びB2を示しており、結合停止制御テーブルA1(A2)か結合停止制御テーブルB1(B2)かは、第2停止リール(中リール350B)の停止操作状態によって決められる。ここでは、第2停止リールの図柄番号が偶数(0,2,4,6,8,10,12,14,16,18,20)のとき結合停止制御テーブルA1(A2)に特定され、図柄番号が奇数(1,3,5,7,9,11,13,15,17,19)のとき結合停止制御テーブルB1(B2)に特定される。
【0143】
上記が基本設定であり、後述する特別な状態を除いては、選択された結合停止制御テーブルA又はBに基づいて、第2停止リールと第3停止リールの停止制御が実行される。
【0144】
しかしながら、表4における「*」印が付された図柄番号4と図柄番号10では、結合停制御テーブルAであっても結合停止制御テーブルBであって同一の停止図柄配列となる。
【0145】
【表4】

【0146】
(第1例)
例えば、抽選結果が不当選であった場合で図柄番号No.5が上段のときに第2の停止リールが操作されると結合停止制御テーブルB1が選択され、或いは、抽選結果が青7の大役内部当選であった場合図柄番号No.4が上段のときに第2の停止リールが操作されると結合停止制御テーブルA2が選択され、第2停止リールはチェリー・リプレイ・ベルとなる(表5参照)。
【0147】
次に、第3停止リール(右リール350C)を対象として、図柄番号No.13が上段のときに停止操作があると、結合停止制御テーブルのB1とA2とを比較すると、いずれも第3停止リールの図柄番号No.13での停止操作では、リプレイ・チェリー・赤7になってしまう(表6参照)。
【0148】
ここで、表4からも分かるように抽選結果が不当選であった場合で図柄No.4が上段の時に第2停止リールを停止操作した場合にも、結合停止制御テーブルA1が選択されて表5と同様に第2停止リールは「チェリー・リプレイ・ベル」が停止する。すなわち、不当選時にどちらの結合停止制御テーブル(A1、B1)が選択されていても同じ停止図柄配列になる場合がある。
【0149】
そこで、この表6の停止図柄配列を所謂リーチ目とするべく、第2停止リールの停止時に、不当選で特定されていた結合停止制御テーブルB1を第3停止リールの停止制御の前までに結合停止制御テーブルA1に変更する。これにより、不当選時に第3停止リールを図柄番号No.13で停止操作しても、結合停止制御テーブルA1で停止制御されるので、青チェリー・ベル・リプレイとなり(表7参照)、前記リーチ目(表6参照)と区別することができるようになる。
【0150】
【表5】

【0151】
【表6】

【0152】
【表7】

【0153】
(第2例)
例えば、抽選結果が不当選であった場合で図柄番号No.11が上段のときに第2の停止リールが操作されると結合停止制御テーブルB1が選択され、或いは、抽選結果が青7の大役内部当選であった場合図柄番号No.10が上段のときに第2の停止リールが操作されると結合停止制御テーブルA2が選択され、第2停止リールはベル・青7・スイカとなる(表8参照)。
【0154】
次に、第3停止リール(右リール350C)を対象として、図柄番号No.3が上段のときに停止操作があると、結合停止制御テーブルのB1とA2とを比較すると、いずれも第3停止リールの図柄番号No.3での停止操作では、赤7・リプレイ・青7になってしまう(表9参照)。
【0155】
ここで、表4からも分かるように抽選結果が不当選であった場合で図柄No.10が上段の時に第2停止リールを停止操作した場合にも、結合停止制御テーブルA1が選択されて表8と同様に第2停止リールは「ベル・青7・スイカ」が停止する。すなわち、不当選時にどちらの結合停止制御テーブル(A1、B1)が選択されていても同じ停止図柄配列になる場合がある。
【0156】
そこで、この表9の停止図柄配列を所謂リーチ目とするべく、第2停止リールの停止時に、不当選で特定されていた結合停止制御テーブルB1を第3停止リールの停止制御の前までに結合停止制御テーブルA1に変更する。これにより、不当選時に第3停止リールを図柄番号No.3で停止操作しても、結合停止制御テーブルA1で停止制御されるので、スイカ・赤7・リプレイとなり(表10参照)、前記リーチ目(表9参照)と区別することができるようになる。
【0157】
【表8】

【0158】
【表9】

【0159】
【表10】

【0160】
図6には、第1回目の停止制御のための滑りコマ数テーブル、並びに当該第1回目の停止図柄に対応する第2回目と第3回目の停止制御のためのビットデータテーブルの候補(奇数図柄番号用、偶数図柄番号用)を滑り制御テーブルメモリ208から読み出し、滑り制御量選択部202へ送出するテーブル読出部206での機能ブロック図が示されている。
【0161】
前記フラグ判定部204(図5参照)は、テーブル読出部206の滑りコマ数テーブル読出部250に接続されている。滑りコマ数テーブル読出部250は、抽選結果に応じたフラグの状態に基づいて、第1回目の停止制御用テーブル(一般的には、左リール350A用の滑りコマ数テーブル208(y)を読み出し、読み出した滑りコマ数テーブル208(y)のデータを1回目停止制御用データ格納部252へ送出する。
【0162】
なお、この1回目停止制御用データ格納部252に格納される滑りコマ数テーブル208(y)のデータは、そのまま変更することなく、スルーして滑り制御量選択部202(図5参照)での滑り制御量選択に適用される。この結果、前述したように滑り制御量選択部202以降の処理では、滑りコマ数テーブル208(y)に基づいて、1回目の停止制御が実行される。
【0163】
前記1回目停止制御用データ格納部252には、停止可能図柄番号抽出部254が接続されている。すなわち、フラグの状態(抽選結果の状態)に基づいて、前記表2で「○印」が付された停止可能図柄を抽出する。
【0164】
停止可能図柄番号抽出部254は、ビットデータテーブル種特定部256に接続され、前記抽出した停止可能図柄の情報を送出する。
【0165】
ビットデータテーブル種特定部256には、停止図柄−ビットデータテーブル種マップメモリ258が接続されている。
【0166】
このため、入力した停止可能図柄の情報に基づいて、それぞれ対応するビットデータテーブル種を選択することができる。
【0167】
ビットデータテーブル種特定部256は、ビットデータテーブル読出部266に接続され、前記特定結果をビットデータテーブル読出部266へ送出する。これにより、ビットデータテーブル読出部266では、ビットデータテーブル種特定部256での特定結果に基づいて、ビットデータテーブル208(x)を読み出す。なお、このとき、第1回目の停止図柄が決定していないため、停止可能図柄(表2の○印)に対応する全てのビットデータテーブルが読み出される。
【0168】
さらに、ビットデータテーブル読出部266は、2,3回目停止制御用データ格納部(奇数用、偶数用)264に接続されている。
【0169】
ここでは、基準ライン上図柄判定部200からの左リール350Aにおいて停止操作があったときに上段に位置する図柄番号の情報に基づいて、1回目の停止図柄が確定した時点で、第2停止リール(中リール350B)での奇数図柄番号での停止制御用のビットデータテーブル(表4のB1やB2等)と偶数図柄番号での停止制御用のビットデータテーブル(表4のA1やA2等)の2種類のビットデータテーブルが、2,3回目停止制御用データ格納部(奇数用、偶数用)264に格納される。
【0170】
2,3回目停止制御用データ格納部(奇数用、偶数用)264には、ビットデータテーブル入替処理部268が接続されている。このビットデータテーブル入替処理部268は、基準ライン上図柄判定部200に接続されている。
【0171】
この結果、基準ライン上図柄判定部200から送出されるリール停止操作図柄番号情報(中リール350Bにおいて停止操作があったときに上段に位置する図柄番号の情報)に基づいて、候補として挙げられている複数(奇数用又は偶数用)のビットデータテーブル208(x)の中から1つが選択される。
【0172】
2,3回目停止制御用データ格納部(奇数用、偶数用)264の機能を、より詳細に説明すると、2,3回目停止制御用データ格納部(奇数用、偶数用)264は、ビットデータテーブル(奇数用と偶数用)をビットデータテーブル読出部266から読み出して格納する格納部264Aと、何れかを選択して登録するデータレジスタ部264Bとを備えている。
【0173】
通常は、データレジスタ部264Bに登録されたビットデータテーブル(奇数用又は偶数用)に基づいて、2回目及び3回目の停止制御がなされる。
【0174】
一方、特別な状態、例えば、上記「例1」及び「例2」等で説明したように、大役内部当選時のみ表示される停止図柄配列状態を形成したい場合(以下、「特殊な条件成立」という)、予め、不当選時にどちらのビットデータテーブルが選択されていても同じ位置で停止する。そのときの第1停止リールの停止図柄番号と、第2停止リールの停止図柄番号とを設定しておき、これに該当する停止操作があった場合に、データレジスタ264Bに登録したビットデータテーブルの後半(すなわち、第3停止リールである右リール350Cの停止制御用ビットデータテーブル)を入れ替える。
【0175】
この入れ替えにより、「特殊な条件成立」時に限り、見掛け上4種類のビットデータテーブルを自由に組み合わせることが可能となる(表11参照)。
【0176】
【表11】

【0177】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0178】
まず、通常遊技の流れについて、図7のフローチャートに従い説明する。
【0179】
メダルがクレジットされている状態(或いは、メダル投入部320からメダルを投入した状態)で、1枚ベットボタン352A、またはMAXベットボタン352Bの操作によりメダルのベットが完了するか、或いは、メダル投入部320からメダルを投入することによりベットが完了すると、始動レバー354の操作が可能となる。なお、通常の遊技では、MAXベット(メダル3枚)で遊技を進行させる。
【0180】
始動レバー354が操作されると(ステップ10の肯定判定)、この操作と同時に抽選部180により役の内部抽選がなされると共に(ステップ12)、リール駆動制御部194の制御により、リール350A、350B、350Cが回転を開始する(ステップ14)。
【0181】
上記内部抽選の結果は、当選役・図柄決定部184から遊技状態制御部186に伝えられる。遊技状態制御部186は、フラグ管理制御部190を介してフラグメモリ192のフラグの状態を内部抽選の結果に応じて更新記憶させる。
【0182】
その後、ステップ16においてリール停止制御が実行される。
【0183】
すなわち、遊技者が、停止ボタン356A、356B、356Cを操作(定常時操作順は、停止ボタン356A→356B→356Cとする)すると、この停止操作によってリール350A、350B、350Cの回転を停止させるが、フラグメモリ192に記憶されているフラグに従って、滑り制御を加味して該当する図柄を所定位置に引き込むように、或いは所定位置から蹴飛ばすようにリール350A、350B、350Cの停止制御が実行される。すなわち、リール駆動制御部194は、フラグメモリ192に記憶されたフラグの状態及び遊技状態制御部186による遊技状態に応じて停止制御テーブル(滑りコマ数テーブル208(y)又はビットデータテーブル208(x))を選択するようにしており、前記フラグが成立している場合には、的確な目押しタイミングによって当たり図柄を停止させることができる。また、多少の停止操作タイミングのずれは滑り制御によって矯正される。逆に、フラグが成立していない場合には、目押しを行っても、リール350A、350B、350Cの回転に滑りを生じさせ、当り図柄では停止しないようにする。
【0184】
次に、全てのリール350A、350B、350Cが停止すると、停止図柄に基づいて入賞したか否かの入賞判定が行われる(ステップ18)。なお、入賞した場合には入賞した役の判定も行う。
【0185】
この判定により、大役に入賞したと判定された場合には、その停止図柄に従って、ビッグボーナス(BB)又はレギュラーボーナス(RB)のボーナスゲーム制御(ステップ20で肯定判定の後、ステップ22)を実行し(権利行使)、小役と判定された場合には、当該小役に予め設定されている所定の払出し制御(ステップ20で否定判定の後ステップ24)を実行する。
【0186】
ここで、上記ステップ16におけるリール停止制御では、通常は、第1回目の停止リールは単独停止制御テーブルである滑りコマ数テーブル208(y)に基づいて停止制御が実行され、第2回目及び第3回目の停止リールは結合停止制御テーブルであるビットデータテーブル208(x)に基づいて停止制御が実行される。
【0187】
しかし、特別な状態が成立した場合に限り、第2回目の停止制御と第3回目の停止制御との間で、ビットデータテーブル208(x)を変更することができるようにした。
【0188】
以下、上記の「第1例」に基づいて説明する。
【0189】
遊技の進行の下、左リール350Aの停止制御は、滑りコマ数テーブル208(y)に基づいて実行され、次の停止制御(すなわち、通常であれば中リール350Bの停止制御)が実行されるまでに、中リール及び右リールの停止制御のためのビットデータテーブル208(x)が選択される。
【0190】
このとき、左リール350Aの停止可能性がある図柄のそれぞれの候補が選択される(表2及び表3参照)。
【0191】
表4は、左リールが表3に示した停止図柄で停止したときの、不当選時の結合停止制御テーブルA1及びB1、並びに大役(青7)当選時の結合停止制御テーブルA2及びB2を示しており、結合停止制御テーブルA1(A2)か結合停止制御テーブルB1(B2)かは、第2停止リール(中リール350B)の停止操作状態(偶数の場合A1(A2)、奇数の場合B1(B2))によって決められる。
【0192】
通常は、上記選択された結合停止制御テーブルA1(A2)又はB1(B2)に基づいて、第2停止リールと第3停止リールの停止制御が実行される。
【0193】
しかしながら、表4における「*」印が付された中リール350Bの図柄番号4と図柄番号10では、結合停制御テーブルA1(A2)であっても結合停止制御テーブルB1(B2)であって同一の停止図柄配列となる押下位置がある。
【0194】
このとき、例えば、抽選結果が不当選であった場合、図柄番号No.5が上段のときに第2の停止リールが操作されると結合停止制御テーブルB1が選択される。
【0195】
或いは、抽選結果が青7の大役内部当選であった場合、図柄番号No.4が上段のときに第2の停止リールが操作されると結合停止制御テーブルA2が選択される。
【0196】
この結果、第2停止リールはチェリー・リプレイ・ベルとなる(表5参照)。この時点では、遊技者は抽選の結果が、不当選であるのか青7に当選しているかを判別できない。
【0197】
次に、第3停止リール(右リール350C)を対象として、図柄番号No.13が上段のときに停止操作があると、結合停止制御テーブルのB1とA2とを比較すると、いずれも第3停止リールの図柄番号No.13での停止操作では、リプレイ・チェリー・赤7になり、最終停止図柄配列が、不当選と、青7当選とで同一になってしまう(表6参照)。
【0198】
ここで、表4からも分かるように抽選結果が不当選であった場合で図柄No.4が上段の時に第2停止リールを停止操作した場合にも、結合停止制御テーブルA1が選択されて表5と同様に第2停止リールは「チェリー・リプレイ・ベル」が停止する。すなわち、不当選時にどちらの結合停止制御テーブル(A1、B1)が選択されていても同じ停止図柄配列になる場合がある。
【0199】
そこで、この表6の停止図柄配列を所謂リーチ目とするべく、第2停止リールの停止時に、不当選で特定されていた結合停止制御テーブルB1を第3停止リールの停止制御の前までに結合停止制御テーブルA1に変更する。これにより、不当選時に第3停止リールを図柄番号No.13で停止操作しても、青チェリー・ベル・リプレイとなり(表7参照)、前記リーチ目(表6参照)と区別することができるようになる。
【0200】
一方、上記「第2例」でも同様に、抽選結果が不当選であった場合、図柄番号No.11が上段のときに第2の停止リールが操作されると結合停止制御テーブルB1が選択される。
【0201】
或いは、抽選結果が青7の大役内部当選であった場合、図柄番号No.10が上段のときに第2の停止リールが操作されると結合停止制御テーブルA2が選択される。
【0202】
この結果、いずれであっても、第2停止リールはベル・青7・スイカとなる(表8参照)。なお、第1停止リールも同一(表3参照)。この時点では、遊技者は抽選の結果が、不当選であるのか青7に当選しているかを判別できない。
【0203】
さらに、第3停止リール(右リール350C)を対象として、図柄番号No.3が上段のときに停止操作があると、いずれも赤7・リプレイ・青7になり、結果として、最終停止図柄配列が、不当選、青7当選の双方で同一となってしまう(表9参照)。
【0204】
ここで、表4からも分かるように抽選結果が不当選であった場合で図柄No.10が上段の時に第2停止リールを停止操作した場合にも、結合停止制御テーブルA1が選択されて表8と同様に第2停止リールは「ベル・青7・スイカ」が停止する。すなわち、不当選時にどちらの結合停止制御テーブル(A1、B1)が選択されていても同じ停止図柄配列になる場合がある。
【0205】
そこで、この表9の停止図柄配列を所謂リーチ目とするべく、第2停止リールの停止時に、不当選で特定されていた結合停止制御テーブルB1を第3停止リールの停止制御の前までに結合停止制御テーブルA1に変更する。これにより、不当選時に第3停止リールを図柄番号No.3で停止操作しても、スイカ・赤7・リプレイとなり(表10参照)、前記リーチ目(表9参照)と区別することができるようになる。
【0206】
上記のビットテーブル208(x)の変更(「第1例」、「第2例」)を含む、図7のステップ16のリール停止制御の詳細を示したのが、図8のフローチャートである。
【0207】
図8に示される如く、ステップ50では、抽選結果に基づき、第1回目の停止制御用の単独停止テーフ゛ルを読出し、次いでステップ52へ移行して、第1回目の停止リールでの各停止可能図柄に対応して、結合停止制御テーフ゛ル(偶数用、奇数用)を読出す。
【0208】
次のステップ54では、第1停止リールの停止操作が有ったか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ56へ移行して、単独停止制御テーフ゛ルに基づいて、第1停止リールの停止制御が実行される。
【0209】
次のステップ58では、第1停止リールの停止図柄に基づき、結合停止制御テーフ゛ル(奇数用、偶数用)を抽出し、ステップ60へ移行する。
【0210】
ステップ60では、第2停止リールの停止操作が有ったか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ62へ移行して、結合停止制御テーフ゛ルに基づいて、第2停止リールの停止制御が実行される。
【0211】
次のステップ64では、第1停止リールと第2停止リールの停止図柄が特別な状態か否かが判断される。例えば、上記「第1例」や「第2例」のような場合を言う。
【0212】
ステップ64で肯定判定された場合は、ステップ66へ移行して結合停止制御テーブルを変更(偶数用→奇数用、奇数用→偶数用)し、ステップ68へ移行する。また、ステップ64で否定判定された場合は結合停止制御テーブルを変更することなくステップ68へ移行する。
【0213】
ステップ68では、第3停止リールの停止操作が有ったか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ70へ移行して、結合停止制御テーブルに基づいて、第3停止リールの停止制御が実行され、このルーチンは終了する。
【0214】
以上説明したように本実施の形態では、所定の抽選結果(例えば、不当選)の時に、特別な停止操作(第1停止リール及び第2停止リールの停止制御において、どちらの結合停止制御テーブルが選択されていても、停止、図柄が同一となる停止操作)があった場合、通常は第2回目と第3回目の停止制御用としてセットとなっている結合停止制御テーブル(ビットデータテーブル208(x))の2回目停止と3回目停止との間でビッデータテーブル208(x)を変更することで、第2停止リールが停止した時点では、遊技者は不当選であるか大役に当選しているのかの判別を困難にして期待感を持続させながらも第3停止リールが停止した時点では抽選結果が判別できる大役内部当選の非入賞時のみ表示される最終停止図柄を形成することができる。この場合、通常は、上記のようにセット(結合停止制御テーブル)であるため、制御負担が大幅に増えることがない。また、既存のビットデータテーブルを利用するため、メモリ容量も増えることがない。
【0215】
なお、本実施の形態では、異なる抽選結果として、不当選と大役内部当選としたが、小役内部当選と大役内部当選、不当選と小役内部当選、小役内部当選同士等、他の組み合わせに用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0216】
【図1】本実施の形態に係るパチスロ機の斜視図である。
【図2】パチスロ機の制御系の概略図である。
【図3】主制御部における通常遊技制御のための制御系を機能的に示したブロック図である。
【図4】選択テーブルにおける一般遊技中に選択される当選判別テーブルを示す図表である。
【図5】リール駆動制御部における、滑り制御を加味したリールの停止制御を実行するための機能ブロック図である。
【図6】図5のテーブル読出部におけるビットデータテーブル選択に関する制御に特化した機能ブロック図である。
【図7】遊技進行メインルーチンを示す制御フローチャートである。
【図8】図7のステップ16であるリール停止制御の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0217】
100 主制御部
150 副制御部
152 液晶制御回路
182 テーブル選択部
186 遊技状態制御部
186A 遊技実行制御部
192 フラグメモリ
194 リール駆動制御部
200 基準ライン上図柄判定部
202 滑り制御量選択部
204 フラグ判定部
206 テーブル読出部
208 滑り制御テーブルメモリ(停止制御テーブル記憶手段)
208(x) ビットデータテーブル
208(y) 滑りコマ数テーブル
250 滑りコマ数テーブル読出部
252 1回目停止制御用データ格納部
254 停止可能図柄番号抽出部
256 ビットデータテーブル種特定部(結合停止制御テーブル選別手段)
258 停止図柄−ビットデータテーブル種マップメモリ
264 2,3回目停止制御用データ格納部(結合停止制御テーブル特定手段)
264A 格納部
264B データレジスタ部
266 ビットデータテーブル読出部(結合停止制御テーブル特定手段)
268 ビットデータテーブル入替処理部(変更手段)
300 パチスロ機(遊技機)
313 LCD
314 表示窓
352B MAXベットボタン
354 始動レバー
350A、350B、350C リール
356A、356B、356C 停止ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動指示操作により複数の図柄が設けられた3列のリールをそれぞれ独立して周回駆動し、その後の停止指示操作の時期、並びに予め設定した停止制御テーブルに基づいて、当該リールのそれぞれを独立して停止させるリール駆動装置を備え、前記全てのリールが停止したときに表示される停止図柄配列に基づいて、前記始動指示操作に応じて実行される抽選結果を含む遊技の優劣を決定する遊技機であって、
前記リールを停止指示操作によって停止させるときに、前記抽選結果に基づいて選択される複数の停止制御テーブルを、第1回目に対し停止指示を受ける第1停止リール用の単独停止制御テーブルと、第2回目と第3回目とに停止指示を受ける第2停止リール用の停止制御テーブルと第3停止リール用の停止制御テーブルとを結合した結合停止制御テーブルと、に分類して記憶する停止制御テーブル記憶手段と、
前記単独停止制御テーブルに基づく前記第1停止リールの停止図柄が確定した時点で、前記第2停止リール及び第3停止リールの各図柄に対して複数の前記結合停止制御テーブルを選別する結合停止制御テーブル選別手段と、
前記第2の停止リールの停止制御実行前までの間の所定条件により、前記選別された複数の結合停止制御テーブルの中から1つの結合停止制御テーブルを特定する結合停止制御テーブル特定手段と、
前記第1停止リール及び前記第2停止リールの停止制御において、所定の抽選結果の時に前記選別された複数の結合停止制御テーブルが何れであっても同じ停止図柄配列となる場合に、第3停止リールの停止制御時に、前記特定した結合停止制御テーブルを別の結合停止制御テーブルに変更する変更手段と、
を有する遊技機。
【請求項2】
前記所定の抽選結果が、不当選時であることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記結合停止制御テーブル選別手段では、前記結合停止制御テーブルがそれぞれ2種類選別され、前記変更手段では、前記結合停止制御テーブル特定手段で、前記2種類の結合停止制御テーブルの何れが特定されていても、第1停止リール及び第2停止リールが停止したときの停止図柄配列が同一の停止図柄配列である場合に、第3停止リールの停止制御時に前記特定された一方の結合停止制御テーブルを他方に変更することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項4】
前記所定の抽選結果が、不当選時であり、
前記結合停止制御テーブル選別手段では、前記結合停止制御テーブルが2種類選別され、前記変更手段は、前記結合停止制御テーブル特定手段で、前記2種類の結合停止制御テーブルの何れが特定されていても、第1停止リール及び第2停止リールが停止したときの停止図柄配列が同一の停止図柄配列である場合に、第3停止リールの停止制御時に不当選として前記特定されている一方の結合停止制御テーブルを他方に変更することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項5】
始動指示操作により複数の図柄が設けられた3列のリールをそれぞれ独立して周回駆動し、その後の停止指示操作の時期、並びに予め設定した停止制御テーブルに基づいて、当該リールのそれぞれを独立して停止させるリール駆動装置を備え、前記全てのリールが停止したときに表示される停止図柄配列に基づいて、前記始動指示操作に応じて実行される抽選結果を含む遊技の優劣を決定する遊技機に用いられるリール停止制御方法であって、
前記リールを停止指示操作によって停止させるときに、前記抽選結果に基づいて選択される複数の停止制御テーブルを、第1回目に対し停止指示を受ける第1停止リール用の単独停止制御テーブルと、第2回目と第3回目とに停止指示を受ける第2停止リール用の停止制御テーブルと第3停止リール用の停止制御テーブルとを結合した結合停止制御テーブルと、に分類して記憶しておき、
前記単独停止制御テーブルに基づく前記第1停止リールの停止図柄が確定した時点で、前記第2停止リール及び第3停止リールの各図柄に対して2種類の前記結合停止制御テーブルを選別し、
前記第2停止リールの停止制御実行前までの間の所定条件により、前記選択かつ設定した内から一方の結合停止制御テーブルを特定し、
前記抽選結果が大役内部当選時に選択される前記第1停止リール用の単独停止制御テーブルと、不当選時に選択される前記第1停止リール用の単独停止制御テーブルの少なくとも一部又は全部を同じに設定することで大役内部当選時と不当選時とで当該第1リールが同一の停止図柄配列となることを可能とし、かつ、第2停止リールの制御において、大役内部当選時に選別される前記2種類の結合停止制御テーブルの1つと、不当選時に選別される前記2種類の結合停止制御テーブルの1つの一部を同じに設定することで第2停止リールが同一の停止図柄配列となることを可能とすることで、第1、第2停止リールが前記した同一の停止図柄配列となった場合に、
不当選として特定されている結合停止制御テーブルを他方に変更、或いは大役内部当選として特定されている結合停止制御テーブルを他方に変更することを特徴とする遊技機用リール停止制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−220408(P2008−220408A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−58789(P2007−58789)
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】