説明

遊技機用基板ボックス封印ユニット

【課題】遊技機用基板ボックスを確実に封印して遊技内容を変更する不正行為を防止し、一方、かかる不正行為が行われた場合には、その不正行為を早期に発見することができる遊技機用基板ボックス封印ユニットを提供すること。
【解決手段】 ボックス本体41およびボックス蓋体42にユニット部材20,30を取り付け、ボックス本体41にボックス蓋体42を被せる。そして、封印金具11が挿入穴21b内に押し込まれると、係止爪11cが係止孔21c内に係止され、頭部11bが係合穴31a内に係合される。このように封印金具11が封印部材21内にて抜き取り不可能な状態で保持されると、ボックス本体41とボックス蓋体42とが開封不可能に連結され、基板ボックス40が封印される。また、この基板ボックス40は、連結部材33及び「2」の番号表示Kが付された連結部材34を切断するか、又は、連結部材23及び連結部材24を切断することにより開封される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機等の制御回路基板を収納する遊技機用基板ボックスの封印具である遊技機用基板ボックス封印ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パチンコ機およびスロットマシーン等の遊技機は、遊技盤に設けられる入賞装置および表示装置等を制御して遊技の興趣を盛り上げるものが主流となっている。この入賞装置および表示装置の制御はIC,LSI等の多数の電子部品を配設したロジック制御回路基板またはマイクロコンピュータを有する制御回路基板等により行われる。これらの制御回路基板は、遊技盤の裏面に配設される入賞球集合カバーまたは機構板に取り付けられる遊技機用基板ボックス内に収納されて遊技機に付設されている。この遊技機用基板ボックスは制御回路基板を被包して収納するためのボックスベースとボックスカバーとを備えている。
【0003】
ところで、かかる遊技用基板ボックス内に収納された制御回路基板から遊技内容に関する制御情報が記憶されたROMを取り外し交換して、遊技機の遊技内容を変更する不正行為が近年問題になっている。このような不正行為の防止対策として、遊技機用基板ボックス内からROMを取り外すことができないように遊技機用基板ボックスのボックスベースとボックスカバーとを封印ねじ等の特殊ねじを用いて接合し、遊技機用基板ボックスを封印する方法が用いられている。
【0004】
例えば、この封印ねじは、スクリュードライバ等のねじ回し工具が締め付け方向(ねじ込み方向)にのみ係合される十字溝をねじ頭部に形成したものであり、ねじを緩める方向にねじ回し工具を回転させると、ねじ回し工具が空回りすることにより外すことができない特殊ねじである。よって、この封印ねじを用いて遊技機用基板ボックスのボックスベースおよびボックスカバーを接合した場合、遊技機用基板ボックスを容易に開封することができないので、遊技機用基板ボックス内の制御回路基板から遊技内容に関する制御情報の記憶されたROMを取り外して交換するという不正行為が防止される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、かかる封印ねじは、そのねじ頭部に形成された十字溝にスクリュードライバ等のねじ回し工具を強く押しつけて、当該封印ねじの緩み方向(反ねじ込み方向)に回転させることにより、取り外すことが可能な場合がある。また、かかる封印ねじをねじ込み方向に強くねじ込むと、遊技機用基板ボックスに穿設されたねじ穴のねじ山が破壊され、封印ねじが取り外し可能となる。よって、上記封印ねじを用いた方式では、遊技機用基板ボックス内に制御回路基板を確実に封印することができないという問題点があった。このため、遊技機用基板ボックス内に収納された制御回路基板からROMを取り外して交換し遊技内容を変更する不正行為を防止することができないという問題点があった。
【0006】
また、遊技機用基板ボックスを開封して、上述したROMを交換した後、ねじ穴に接着剤等を注入し、かかる封印ねじを用いてボックスベースおよびボックスカバーを再度接合すると、ROMを交換した痕跡を残すことなく不正行為を行うことができる。よって、上記封印ねじを用いた方式では、かかる不正行為を早期に発見することもできないという問題点があった。
【0007】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、遊技機用基板ボックスを確実に封印して遊技内容を変更する不正行為を防止し、一方、かかる不正行為が行われた場合には、その不正行為を早期に発見することができる遊技機用基板ボックス封印ユニットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機用基板ボックス封印ユニットは、ボックスベースとボックスカバーとを備えた遊技機用基板ボックス内に回路基板を被包して封印するため、前記ボックスベースまたはボックスカバーの一方に配設される複数の第1封印部材と、前記ボックスベースまたはボックスカバーの他方に配設される複数の第2封印部材と、前記第1封印部材および第2封印部材を連結する連結封印部材とを備え、その連結封印部材により、前記第1封印部材および第2封印部材を連結し前記遊技機用基板ボックスを封印するものであって、前記複数の第1封印部材のうちの隣接するもの同士をそれぞれ連結する第1連結部材と、前記複数の第2封印部材のうちの隣接するもの同士をそれぞれ連結する第2連結部材とを備えている。
【0009】
請求項1記載の遊技機用基板ボックス封印ユニットによれば、回路基板をボックスベースまたはボックスカバー内に収納し、ボックスベースまたはボックスカバーの一方に配設された複数の第1封印部材と、ボックスベースまたはボックスカバーの他方に配設された複数の第2封印部材とを対向させて合致させることにより、回路基板が遊技機用基板ボックス内に被包される。そして、回路基板を被包した後、連結封印部材により、第1封印部材および第2封印部材が連結され、遊技機用基板ボックス内に被包された回路基板が確実に封印される。
このように封印された遊技機用基板ボックスを開封する場合、例えば、その封印に用いられた第1封印部材がボックスベースまたはボックスカバーのいずれかから切断されるとともに、その第1封印部材とそれに隣接する別の第1封印部材とを連結する第1連結部材が切断されると、遊技機用基板ボックスが開封される。また、同様に、封印に用いられた第2封印部材がボックスベースまたはボックスカバーのいずれかから切断されるとともに、その第2封印部材とそれに隣接する別の第2封印部材とを連結する第2連結部材が切断されると、遊技機用基板ボックスが開封される。即ち、遊技機用基板ボックスは、遊技機用基板ボックス封印ユニットの複数箇所が切断されて開封される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の遊技機用基板ボックス封印ユニットによれば、連結封印部材により、第1封印部材および第2封印部材が連結され、遊技機用基板ボックス内に被包された回路基板が確実に封印される。よって、遊技内容に関する制御情報が記憶されたROMを制御回路基板からを取り外し交換して、遊技内容を変更する不正行為を防止することができるという効果がある。
また、遊技機用基板ボックスを開封する場合には、例えば、その封印に用いられた第1封印部材をボックスベースまたはボックスカバーのいずれかから切断するとともに、その第1封印部材とそれに隣接する別の第1封印部材とを連結する第1連結部材を切断するか、又は、封印に用いられた第2封印部材をボックスベースまたはボックスカバーのいずれかから切断するとともに、その第2封印部材とそれに隣接する別の第2封印部材とを連結する第2連結部材を切断しなければならない。よって、不正行為を行った者が、不正行為を隠蔽する場合には、各切断部分のそれぞれに接着剤等を塗布し、かかる複数の切断部分をそれぞれ再接合する必要がある。更に、複数の切断部分を再接合して、切断の痕跡を隠蔽することは容易ではない。従って、不正行為の隠蔽を確実に行うことができないので、不正行為が早期に発見されるとともに、かかる不正行為を抑制することができるという効果がある。
更に、隣り合う各第1封印部材は、第1連結部材により互いに連結されるとともに、隣り合う各第2封印部材は、第2連結部材により互いに連結されている。よって、遊技機用基板ボックス封印ユニットの剛性を強化することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の遊技機用基板ボックス封印ユニットの一実施例である封印ユニット1を有する基板ボックス40の配設されたパチンコ機50の裏面図である。図2は、封印ユニット1の配設された基板ボックス40が開封された状態を示す斜視図であり、図3は、封印ユニット1を構成する各部材の分解斜視図であり、図4は、封印部材21,31により形成された保持部Hに封印金具11が保持されている状態を示した封印ユニット1の部分断面図であり、図5は、基板ボックス40を封印した状態における封印ユニット1の部分断面図であり、図6は、基板ボックス40の分解斜視図であり、図7は、基板ボックス40に貼付する基板管理番号シール61の平面図である。
【0012】
図1および図2を参照して、封印ユニット1が配設される基板ボックス40について説明する。まず、図1に示すように、基板ボックス40は、例えば遊技機の一種であるパチンコ機50の裏側に設けられた入賞球集合カバー51に取り付けられている。基板ボックス40は、パチンコ機50の遊技内容に関する制御情報を記憶した制御用ROM等の電子部品により構成された制御回路基板(図示せず)を被包するためのものであり、ボックス本体41と、そのボックス本体41に覆設されるボックス蓋体42とを備えている(図2参照)。
【0013】
図2に示すように、ボックス本体41は、金属材料から構成され中空状の箱状体に形成されており、その上方はボックス本体41内に制御回路基板を配設するために開放されている。また、ボックス本体41の側壁41aには、後述する封印ユニット1のユニット部材20が取り付けられている。更に、ボックス本体41の内側壁には薄板状のガイド板43が設けられており、ボックス本体41にボックス蓋体42を被せる場合、ボックス蓋体42の位置ズレを防止して、容易に被せることができる。
【0014】
ボックス蓋体42は、ボックス本体41と同様に、金属製の中空箱状体に形成されており、その側壁42aには後述する封印ユニット1のユニット部材30が取り付けられている。ボックス蓋体42の上部壁面には、透明な合成樹脂から構成された覗き窓42dが設けられており、基板ボックス40内の制御回路基板上に設けられた制御用ROMの型番号を容易に確認することができる。このため、制御用ROMを交換してパチンコ機50の遊技内容を変更する不正行為が行われた場合、これを容易に発見することができる。
【0015】
また、ボックス蓋体42の上面には、基板ボックス40内に配設された制御回路基板を管理するための基板管理番号シール61が貼付される。図7に示すように、未使用の基板管理番号シール61は、台紙62に計4枚貼付されている。この基板管理番号シール61をボックス蓋体42に貼付する場合には、台紙62から基板管理番号シール61を1枚ずつ剥がして貼り付ければ良い。この基板番号管理シール61は、特殊シールで構成されており、その表面には、基板管理番号61aと、製造業者コード61bと、枠部61cと、検査履歴61dとが表示されている。基板管理番号61aは、基板ボックス40に被包される制御回路基板のシリアル番号である。また、制御回路基板の製造業者は、枠部61cの色彩と製造業者コード61bとにより特定される。更に、この基板管理番号シール61は、制御回路基板の検査履歴書でもあり、検査履歴61dには、検査毎に「1」から「3」の欄に検査年月日(開封年月日)、検査者名(開封者名)および検査印等が記録される。
【0016】
尚、基板管理番号シール61を構成する特殊シールは、剥がされると破損してしまう性質を有するものであるので、基板管理番号シール61が不正に剥がされた場合には、かかる不正行為を容易に発見することができる。
【0017】
次に、図3および図4を参照して、封印ユニット1を構成する各部材について説明する。図3に示すように、封印ユニット1は、基板ボックス40を封印するための封印金具11と、その封印金具11が係止されるユニット部材20と、そのユニット部材20に対向してボックス蓋体42に配設され封印金具11が係合されるユニット部材30とを備えている。
【0018】
尚、図1に示すように、封印ユニット1は基板ボックス40の2箇所にそれぞれ配設されている。
【0019】
図3に示すように、封印金具11は、ユニット部材20,30における各封印部材21,31を連結するためのものであり、ステンレス鋼材等の金属材料で構成されており、正面視略T字形の略板状体に形成されている。この封印金具11は、封印部材21に挿設される板部11aと、その板部11aに一体形成されるとともに後述する封印部材31に係合される頭部11bとを備えている。
【0020】
図4に示すように、板部11aの左側面の略中央部分には、略く字形に形成された係止爪11cが設けられている。この係止爪11cは、板部11aの左側面から上方向へと傾斜しつつ延出された傾斜部分Tを有している。また、係止爪11cの先端部分は板部11aと平行となるように折り曲げられている。この係止爪11cは、封印金具11の板部11aが封印部材31の挿入穴31bへ挿入され押し込まれた場合、傾斜部分Tを介して板部11a側へと徐々に弾性変形するとともに、封印金具11の先端部が封印部材21の挿入穴21b内へ挿入される。封印金具11を更に挿し込み続けると、係止爪11cは、弾性的に復元して封印部材31の嵌合穴31c内に係止され、封印部材21の嵌合部21aと封印部材31の嵌合穴31cとにより形成された保持部Hに収納される(図4参照)。一方、封印金具11の頭部11bは、封印部材31の係合穴31aの側壁面に当接するとともに、係合穴31a内に保持されている。その結果、封印金具11を封印部材31内に取り外し不可能な状態で保持することができる。
【0021】
更に、保持部Hに係止爪11cが保持された封印金具11を押し込むと、係止爪11cは、板部11a側へ徐々に弾性変形し、封印部材21の挿入穴21b内へ挿入され、その後、弾性的に復元して封印部材21の係止孔21c内に係止される。よって、封印部材21,31は封印金具11により取り外し不可能な状態で連結される(図5参照)。
【0022】
板部11aの先端には、略半球状の凸部11dが設けられている。その結果、封印金具11の先端部分の曲げ剛性が強化されるとともに、封印金具11の先端部が凸部11dにより案内され、封印金具11の板部11aの先端部分を後述する封印部材21,31の挿入穴21b,31bに容易に挿入することができる。また、封印金具11の頭部11bは、封印部材31の係合穴31aの側壁面に当接するとともに、係合穴31a内に保持されている。その結果、封印金具11を封印部材31内に取り外し不可能な状態で保持することができる。
【0023】
図3に示すように、封印金具11の上端部には、その剛性を強化するために頭部11bが形成されている。この頭部11bは、中空状の略円柱体に形成されており、封印金具11を封印部材21,31の挿入穴21b,31bに挿入する場合、かかる頭部11bを押下することにより容易に封印金具11を挿入することができる。図5に示すように、頭部11bの外径は、封印部材31の係合穴31aの幅と比較して略等しく形成されており、係合穴31aに係合可能となっている。よって、封印金具11の係止爪11cが係止孔21c内に係止され、その頭部11bが封印部材31の係合穴31aに係合された場合、封印部材21,31は封印金具11により取り外し不可能な状態で連結される。その結果、基板ボックス40は開封不可能な状態にて封印される。
【0024】
ユニット部材20は、基板ボックス40のボックス本体41に配設され基板ボックス40を封印するためのものであり、ポリカーボネート樹脂等の耐衝撃性を有する合成樹脂材料で形成されている。このユニット部材20は、封印金具11が挿設される複数の封印部材21と、ユニット部材20をボックス本体41に取り付けるための取付部材22と、各封印部材21と取付部材22とを互いに連結するための連結部材23と、各封印部材21のそれぞれを互いに連結する複数の連結部材24とを備えている。尚、各封印部材21はそれぞれ略同一に構成されているので、以下、同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略する。
【0025】
図4に示すように、封印部材21は略円柱状に形成されており、その一部には連結部材23が固着され取付部材22に連結されている。この封印部材21は、略等間隔で取付部材22に計4個連結されており、各封印部材21の上端部分には、嵌合部21aが設けられている。嵌合部21aは、略円柱状に形成されており、その上側部分の外径は下側部分の外径と比較して小さくなるようにテーパが施されている。よって、嵌合部21aを後述する封印部材31の嵌合穴31cに容易に挿入して嵌合させることができる。嵌合部21aの上面には、長穴状の挿入穴21bが凹設されており、封印金具11の板部11aが挿入可能に形成されている。この挿入穴21bの開口部分には面取り部Cが形成されており、この面取り部Cにより封印金具11の板部11aおよび係止爪11cが容易に挿入される。
【0026】
嵌合部21aの側壁面には、略矩形状の係止孔21cが設けられており(図3参照)、この係止孔21cは挿入穴21bと連通している(図4参照)。よって、挿入穴21bから封印金具11を挿入すると、封印金具11の係止爪11cが封印部材21の係止孔21cにより係止され、封印金具11の抜き取り行為が防止される。また、嵌合部21aの外周には、嵌合溝21dが凹設されており、封印部材31のスカート部31dが嵌合可能となっている。この嵌合溝21dの開口部分の断面積は底部分の断面積と比較して大きくなるようにテーパが施されており、スカート部31dを容易に嵌合させることができる。また、嵌合溝21dにスカート部31dを嵌合させることにより、封印部材21,31の位置ズレが防止され、封印部材21と封印部材31とを確実に合致させることができる。
【0027】
取付部材22は、封印ユニット1のユニット部材20をボックス本体41に取り付けるためのものであり、対向して配設された一対の板状体22a,22bと、その一対の板状体22a,22bを互いに連結する複数の連結部材22cと、板状体22bに配設された補強部材22dとを備えている。各板状体22a,22bは複数の連結部材22cにより連結されており、この複数の連結部材22cは計4箇所に配設されている。この各連結部材22cは、板状体22aの長手方向に略等間隔で配設された後述する複数の連結部材23に対応して配設されている。
【0028】
よって、取付部材22のうち、連結部材23が固着されている部分の厚みは大きく形成され、その強度は強化されている。従って、連結部材23を切断して封印部材21を除去する場合、取付部材22の板状体22a,22bに損傷を与えることなく連結部材23を切断することができる。また、取付部材22における一対の板状体22a,22bの間には所定幅の間隙W1が形成されており、この一対の板状体22a,22bの間に形成された間隙W1は、ボックス本体41の側壁41aの板厚より大きく形成されている。
【0029】
図6に示すように、ボックス本体41の側壁41aには、取付部材22の各連結部材22cに対応した略矩形状の係合溝41bが略等間隔で計4箇所に形成されている。この各係合溝41bには、各連結部材22cをそれぞれ係合させることができる。かかる係合により、ボックス本体41の側壁41aはユニット部材20の取付部材22における板状体22a,22bの間に挟み込まれ、図2に示すように、ユニット部材20がボックス本体41に取り付けられる。その結果、板状体22a,22bの間に挟み込まれた側壁41a部分の剛性を向上させることができるとともに、ボックス本体41の側壁41aに取り付けられたユニット部材20を外れ難くすることができる。
【0030】
また、取付部材22の長手方向の両端部分には一対の取付孔22eが板状体22a,22bのそれぞれを貫通して穿設ている(図3および図4参照)。ボックス本体41の側壁41aには、この取付部材22の一対の取付孔22eに対応して、一対の係合穴41cが穿設されている(図6参照)。よって、ユニット部材20の板状体22a,22bの間にボックス本体41の側壁41aを挟み込みつつ、ユニット部材20の取付部材22をボックス本体41の側壁41aに「かしめ」またはネジ止めにより固定することができる(図2および図3参照)。
【0031】
図4に示すように、取付部材22の板状体22bには、略矩形状の係止穴22fが穿設されている。この係止穴22fには、ボックス本体41の側壁41a内側面に突設された係止爪41eが係止されており、ユニット部材20をボックス本体41の側壁41aに「仮止め」することができる。よって、ユニット部材20はボックス本体41に「仮止め」されているので、「かしめ」またはネジ止めによるユニット部材20の固定作業を容易に行うことができる。
【0032】
補強部材22dは、封印ユニット1が配設された基板ボックス40の強度を補強するためのものであり、取付部材22の板状体22bにおける上部側面に一体に形成されている(図4中右側)。この補強部材22dは、後述するユニット部材30に形成された嵌合穴32dに嵌合可能な板状体で構成されており(図3参照)、かかる嵌合穴32dに嵌合することにより、ユニット部材20,30を互いに位置決めしつつ、封印ユニット1の配設された基板ボックス40の強度を補強することができる。
【0033】
図3に示すように、連結部材23は、各封印部材21と取付部材22とをそれぞれ連結するためのものである。この連結部材23は、取付部材22の板状体22aの一側面に略等間隔で計4個配設されており、各連結部材23には封印部材21がそれぞれ固着されている。よって、計4個の各封印部材21が略等間隔で隣接して取付部材22と連結され、ユニット部材20が一体に形成されている。また、これらの隣接する各封印部材21は、連結部材24により互いに連結されて、一体に形成されている。また、封印部材21および取付部材22は連結部材23により連結されるので、封印部材21と取付部材22との間には、ニッパ等の工具の刃先が入り込むための間隔が形成される。よって、封印部材21を切断して除去する場合、ニッパ等の工具を用いて連結部材23を容易に切断することができる。
【0034】
連結部材24は、隣り合う各封印部材21を連結して、ユニット部材20の強度を補強するためのものであり、略薄板状に形成されている。各連結部材24は、各封印部材21の外周面のうち連結部材23の固着側の反対部分に固着されており、各封印部材21のそれぞれを互いに連結してユニット部材20の強度を補強している。この各連結部材24の右端部分には、切り欠き24aが設けられており、かかる部分の剛性を低下させてある。よって、ニッパ等の工具を用いて連結部材24を切断する場合、切り欠き24aが設けられた部分を切断することにより、容易に連結部材24を切断することができる。また、切り欠き24aは、連結部材24のうち、先に使用される封印部材21側の端部分に設けられているので、連結部材24を切断する場合、未使用の封印部材21の損傷を防止することができる。
【0035】
ユニット部材30は、封印金具11とユニット部材20とを介して、基板ボックス40を封印するためのものである。ユニット部材30は、ポリカーボネート樹脂等の耐衝撃性を有する合成樹脂材料で形成されており、基板ボックス40のボックス蓋体42の側壁42aに取り付けられている。このユニット部材30は、封印金具11が係合される封印部材31と、ユニット部材30をボックス蓋体42に取り付けるための取付部材32と、各封印部材31と取付部材32とを互いに連結するための連結部材33と、各封印部材31のそれぞれを互いに連結する複数の連結部材34とを備えている。尚、各封印部材31はそれぞれ略同一に構成されているので、以下、同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略する。
【0036】
図3に示すように、封印部材31は、略円柱状に形成されており、その一部には連結部材33が固着され取付部材32に連結されている。この封印部材31は、略等間隔で取付部材32に計4個連結されており、各封印部材31はユニット部材20の各封印部材21のそれぞれと対向する位置に取付部材32と一体に形成されている(図2参照)。また、各封印部材31は、封印金具11の頭部11bと係合される係合穴31aと、その係合穴31aに連通して穿設された挿入穴31bと、その挿入穴31bに連通して穿設された嵌合穴31cと、その嵌合穴31cの下方に設けられたスカート部31dとを備えている。
【0037】
封印部材31の上面には、長穴状の係合穴31aが形成されており、封印金具11の頭部11bが嵌合可能になっている。また、図4に示すように、係合穴31aの下方には挿入穴31bが設けられている。この挿入穴31bの幅は封印金具11の頭部11bの外径と比較して小さく形成されているので、封印金具11の頭部11bは、挿入穴31bを通り抜けることができない。よって、封印金具11の頭部11bは、係合穴31a内に確実に係合される。
【0038】
嵌合穴31cは、挿入穴31bの下方に連通して設けられており、封印部材20の嵌合部21aが嵌合可能になっている。この嵌合穴31cにはテーパが施されており、封印部材21の嵌合部21aを容易に挿入して嵌合することができる。また、嵌合穴31cの上壁面と封印部材21の嵌合部21aの上端面との間には、所定高さを有する保持部Hが形成されており、封印金具11の係止爪11cが嵌合部21aの上端面により支持され保持されている。また、封印金具11の係止爪11cが保持部Hに保持されると、封印金具11の頭部11bは、係合穴31a内に埋め込まれ、封印部材31の上面から突出することがない。よって、頭部11bを掴んで封印金具11を抜き取る不正行為や頭部11bが何かに引っ掛かり封印金具11が抜け落ちてしまうことを防止することができる。その結果、予備用(未使用)の封印金具11は、封印部材21と封印部材31とを連結することなく、封印部材31内に抜き取り不可能な状態で保持することができる。
【0039】
スカート部31dは、封印部材31の下端面であって、嵌合穴31cの縁部分に周設されている。このスカート部31dは、封印部材21の嵌合溝21dに嵌合可能に形成されており、その外周壁にはテーパが施されている。よって、スカート部31dを嵌合溝21dへ容易に嵌合させることができる。
【0040】
取付部材32は、封印ユニット1のユニット部材30をボックス蓋体42に取り付けるためのものであり、対向して配設された一対の板状体32a,32bと、その一対の板状体32a,32bを互いに連結する複数の連結部材32cと、板状体32bに配設された嵌合穴32dとを備えている。各板状体32a,32bは複数の連結部材32cにより連結されており、この複数の連結部材32cは計4箇所に配設されている。この各連結部材32cは、板状体32aの長手方向に略等間隔で配設された後述する複数の連結部材33に対応して配設されている。
【0041】
よって、取付部材32のうち、連結部材33が固着されている部分の厚みは大きく形成され、その強度が強化されている。従って、連結部材33を切断して封印部材31を除去する場合、取付部材32の板状体32aに損傷を与えることがない。また、取付部材32における一対の板状体32a,32bの間には所定幅の間隙W2が形成されており、この一対の板状体32a,32bの間に形成された間隙W2は、ボックス蓋体42の側壁42aの板厚より大きく形成されている。
【0042】
図6に示すように、ボックス蓋体42の側壁42aには、取付部材32の各連結部材32cに対応した略矩形状の係合溝42bが略等間隔で計4箇所に形成されており、この各係合溝42bは、ボックス本体41に形成された各係合溝41bに対向して側壁42aに形成されている。この係合溝42bには、取付部材32の各連結部材32cをそれぞれ係合させることができる。各係合溝42bに各連結部材32cを係合すると、ボックス蓋体42の側壁42aは、ユニット部材30の取付部材32における板状体32a,32bの間に挟み込まれ、図2に示すように、ユニット部材30がボックス蓋体42に取り付けられる。その結果、板状体32a,32bの間に挟み込まれた側壁42a部分の剛性を向上させることができるとともに、ボックス蓋体42の側壁42aに取り付けられたユニット部材30を外れ難くすることができる。
【0043】
また、取付部材32の長手方向の両端部分には、一対の取付孔32eが板状体32a,32bのそれぞれを貫通して穿設ている(図3および図4参照)。ボックス蓋体42の側壁42aには、この取付部材32の一対の取付孔32eに対応して、一対の係合穴42cが穿設されている(図6参照)。よって、ユニット部材30の板状体32a,32bの間にボックス蓋体42の側壁42aを挟み込みつつ、取付部材32をボックス蓋体42の側壁42aに「かしめ」またはネジ止めにより固定することができる(図2および図3参照)。
【0044】
図4に示すように、取付部材32の板状体32bには、略矩形状の係止穴32fが穿設されている。この係止穴32fには、ボックス蓋体42の側壁42a内側面に突設された係止爪42eが係止されており、ユニット部材30をボックス蓋体42の側壁42aに「仮止め」することができる。よって、ユニット部材30はボックス蓋体42に「仮止め」されているので、「かしめ」またはネジ止めによるユニット部材30の固定作業を容易に行うことができる。
【0045】
尚、ボックス本体41とユニット20およびボックス蓋体42とユニット30は、それぞれ合成樹脂材料を使用して一体成形しても良い。
【0046】
嵌合穴32dは、ユニット部材20の補強部材22dを嵌合しつつ、封印ユニット1が配設された基板ボックス40の強度を補強するためのものである。この嵌合穴32dは、ユニット部材20の補強部材22dが嵌合可能に穿設された上面視略矩形状の貫通穴であり(図3参照)、取付部材32の板状体32bにおける上部側面に突設されている(図4中右側)。この嵌合穴32dに補強部材22dを嵌合することにより、封印ユニット1、及び、その封印ユニット1が配設された基板ボックス40の剛性を大きくすることができる。
【0047】
図3に示すように、連結部材33は、各封印部材31と取付部材32とをそれぞれ連結するためのものである。この連結部材33は、取付部材32の板状体32aの一側面に略等間隔で計4個配設されており、各連結部材33には封印部材31がそれぞれ固着されている。よって、計4個の各封印部材31が略等間隔で隣接して取付部材32に連結され、ユニット部材30が一体に形成されている。また、封印部材31および取付部材32は連結部材33により連結されるので、封印部材31と取付部材32との間には、ニッパ等の工具の刃先が入り込むための間隔が形成される。よって、封印部材31を切断して除去する場合、ニッパ等の工具を用いて連結部材33を容易に切断することができる。
【0048】
連結部材34は、隣り合う各封印部材31を連結して、ユニット部材30の強度を補強するためのものであり、略薄板状に形成されている。各連結部材34は、各封印部材31の外周面のうち連結部材33の固着側の反対部分に固着されており、各封印部材31のそれぞれを互いに連結してユニット部材30の強度を補強している。この各連結部材34の右端部分には、切り欠き34aが設けられており、かかる部分の剛性を低下させてある。よって、ニッパ等の工具を用いて連結部材34を切断する場合、切り欠き34aが設けられた部分を切断することにより、容易に連結部材34を切断することができる。また、切り欠き34aは、連結部材34のうち、先に使用される封印部材31側の端部分に設けられているので、連結部材34を切断する場合、未使用の封印部材31の損傷を防止することができる。
【0049】
この各連結部材34の上面には、「1」から「4」までの番号表示Kがそれぞれ表示されている。この各番号表示Kは、ユニット部材30の成形と同時に型枠を用いて形成されており、各一対の封印部材21,31が封印される順番を表している。よって、各封印部材21とそれに対向する各封印部材31とを「1」から「4」の各番号表示Kの順に封印金具11を用いて封印するとともに、「1」から「4」の番号表示Kの順に封印された一対の封印部材21,31をニッパ等の工具を用いて切断して除去することができる。
【0050】
尚、この各番号表示Kを付す方法としては、「1」から「4」の数字を印刷した合成樹脂等のシート等を各封印部材21に貼付等したりしても良い。
【0051】
次に、上述した基板ボックス40に取り付けられた封印ユニット1の使用方法について説明する。まず、ユニット部材20の各連結部材22cをボックス本体41の各係合溝41bに対応させて係合し、取付部材22の一対の板状体22a,22bの間にボックス本体41の側壁41aを挟み込むようにして、取付部材22を側壁41aに填め込む。その後、取付部材22の板状体22bに設けられた係止穴22fがボックス本体41の係止爪41eにより係止されるまで填め込み、ユニット部材20をボックス本体41に「仮止め」して、取付孔22eおよび係合穴41cを「かしめ」またはネジ止めにより固定する。
【0052】
また、同様に、ボックス蓋体42の各係合溝42bにユニット部材30の各連結部材32cを対応させて係合し、取付部材32の一対の板状体32a,32bの間にボックス蓋体42の側壁42aを挟み込むようにして、取付部材32を側壁42aに填め込む。その後、取付部材32の板状体32bに設けられた係止穴32fがボックス蓋体42の係止爪42eにより係止されるまで填め込み、ユニット部材30をボックス蓋体42に「仮止め」して、取付孔32eおよび係合穴42cを「かしめ」またはネジ止めにより固定する。
【0053】
このようにして、ユニット部材20,30をそれぞれ2個ずつボックス本体41およびボックス蓋体42に固定する(図1参照)。
【0054】
その後、ボックス本体41内に制御回路基板を配設して固定した後、ユニット部材20,30の各封印部材21,31を対向させて、ボックス本体41にボックス蓋体42を被せ、各封印部材21の嵌合部21aを各封印部材31の嵌合穴31cに嵌合するとともに、各封印部材31のスカート部31dを各封印部材21の嵌合溝21dに嵌合する。そして、計4個の各封印部材31の係合穴31aおよび挿入穴31b内に封印金具11をそれぞれ挿入して、その頭部11bを押下し封印金具11を封印部材31内に押し込む。
【0055】
封印金具11が押し込まれると、封印金具11の係止爪11cは、傾斜部分Tを介して板部11a側へ徐々に弾性変形する。更に、封印金具11を挿入し続けると、係止爪11cが弾性的に復元し、その係止爪11cは、嵌合穴31c内に係止されるとともに保持部Hに保持される。よって、各封印金具11を封印部材31内に抜き取り不可能な状態で保持することができるとともに、封印金具11の紛失を防止することができる(図4参照)。
【0056】
各封印部材31内に各封印金具11を保持した後、各封印ユニット1の封印部材31うち、「1」の番号表示Kの付された連結部材24の左端部が固着されているもの(図2中右側)に挿入された封印金具11の頭部11bを押下して、その封印金具11を更に押し込む。封印金具11が押し込まれると、封印金具11の係止爪11cは、傾斜部分Tおよび挿入穴21bの面取り部Cを介して板部11a側へ徐々に弾性変形する。封印金具11を挿入し続けると、係止爪11cが弾性的に復元して、係止爪11cが封印部材21の係止孔21c内に係止され、封印金具11が封印部材21内にて抜き取り不可能な状態で保持される。一方、封印金具11の頭部11bは、封印部材31の係合穴31a内に係合される。
【0057】
その結果、封印金具11は、封印部材21内から抜き取り不可能となり、更に、封印金具11の頭部11bは、封印部材31の係合穴31aに係合されているので、基板ボックス40のボックス本体41とボックス蓋体42とが開封不可能に連結され、基板ボックス40を確実に封印することができる(図5参照)。よって、基板ボックス40に被包された制御回路基板上の制御用ROM等を不適法に取り外して、パチンコ機50の遊技内容を変更する不正行為を防止することができる。また、封印部材21,31を破壊、切断等すれば基板ボックス40を開封することができるが、その場合には、基板ボックス40が開封された痕跡を確実に残すことができる。即ち、不正行為が行われたか否かを即座に発見することができる。
【0058】
基板ボックス40を開封する場合には、少なくとも、連結部材33および「2」の番号表示Kが付された連結部材34をニッパ等により切断するか、又は、連結部材23および連結部材24をニッパ等により切断する必要がある。即ち、少なくとも連結部材23,24または連結部材33,34をそれぞれ切断しなければ、基板ボックス40を開封するができない。よって、不正行為を行った者が、基板ボックス40を開封して制御回路基板に不正改造等の不正行為を行った後、その不正行為を隠蔽する場合には、連結部材23,24または連結部材33,34の各切断部分のそれぞれに接着剤等を塗布し、かかる複数の切断部分をそれぞれ再接合する必要がある。また、複数の切断部分を再接合して、切断の痕跡を隠蔽することは容易ではない。従って、不正行為の隠蔽を確実に行うことができないので、不正行為が早期に発見されるとともに、かかる不正行為を抑制することができる。
【0059】
次に、この封印状態にある基板ボックス40から制御回路基板上の制御用ROMを取り外して検査する方法について説明する。封印金具11の頭部11bは封印部材31の係合穴31aに係合され、封印金具11の係止爪11cは封印部材21の係止孔21c内に抜き取り不可能な状態で保持されているので、基板ボックス40内の制御回路基板を適法に検査する場合、ボックス本体41からボックス蓋体42を外して、基板ボックス40を開封することができない。かかる場合、封印金具11により封印されている封印部材21,31と取付部材22,32とを連結している連結部材23,33をニッパ等の工具を用いて切断するとともに、封印されている封印部材21,31と他の封印部材21,31とを連結する連結部材24,34の切り欠き24a,34aの部分を切断する。
【0060】
このようにして、連結部材23,24,33,34を切断することにより、基板ボックス40の封印が解除され、ボックス本体41からボックス蓋体42を外すことができる。そして、制御用ROM等の検査終了後、基板管理番号シール61の検査履歴61dに所定の事項を記載して、ボックス本体41にボックス蓋体42を被せて、未使用の一対の封印部材21,31に保持されている封印金具11を押し込むことにより、かかる封印部材21,31を連結して、基板ボックス40を再度封印する。
【0061】
尚、本実施例では、各封印ユニット1に、封印部材21,31が各4個ずつ計4組設けられているので、最大3回まで基板ボックス40の封印を解除して開封することができる。また、止むを得ず全ての封印部材21,31を切断して排除した場合には、ユニット部材20,30をボックス本体41およびボックス蓋体42に固定する「かしめ」またはねじ止めを取り付り外し、新たなに封印ユニット1のユニット部材20,30をボックス本体41およびボックス蓋体42に取り付ければよい。
【0062】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0063】
例えば、本実施例では、封印部材21,31を連結し基板ボックス40を封印するための部材として、封印金具11を使用した。しかし、かかる部材は、これに限られるものではなく、封印ねじ等を使用しても良い。
【0064】
ボックスベースとボックスカバーとを備えた遊技機用基板ボックス内に回路基板を被包して封印するための遊技機用基板ボックス封印ユニットにおいて、前記ボックスベースまたはボックスカバーの一方に配設される複数の第1封印部材と、前記ボックスベースまたはボックスカバーの他方に配設される複数の第2封印部材と、前記複数の第1封印部材にそれぞれ設けられるストッパ部材と、そのストッパ部材に係止される係止部及び前記第2封印部材に係合される係合部を有する連結封印部材とを備え、その連結封印部材の係合部を前記第2封印部材に係合させるとともに、前記第1封印部材内に設けられたストッパ部材によって前記連結封印部材の係止部を係止して、前記第1封印部材および第2封印部材を連結し前記遊技機用基板ボックスを封印するものであって、前記複数の第1封印部材のうちの隣接するもの同士をそれぞれ連結する第1連結部材と、前記複数の第2封印部材のうちの隣接するもの同士をそれぞれ連結する第2連結部材とを備えている遊技機用基板ボックス封印ユニット。
【0065】
この遊技機用基板ボックス封印ユニットによれば、回路基板をボックスベースまたはボックスカバー内に収納し、ボックスベースまたはボックスカバーの一方に配設された複数の第1封印部材と、ボックスベースまたはボックスカバーの他方に配設された複数の第2封印部材とを対向させて合致させることにより、回路基板が遊技機用基板ボックス内に被包される。そして、回路基板を被包した後、第2封印部材のいずれかに連結封印部材の係合部を係合させるとともに、その第2封印部材に対向する第1封印部材内のストッパ部材に連結封印部材の係止部を係止することにより、第1封印部材および第2封印部材が連結される。よって、回路基板を遊技機用基板ボックス内に被包しつつ、遊技機用基板ボックスを確実に封印することができる。
【0066】
このように封印された遊技機用基板ボックスを開封する場合、例えば、その封印に用いられた第1封印部材がボックスベースまたはボックスカバーのいずれかから切断されるとともに、その第1封印部材とそれに隣接する別の第1封印部材とを連結する第1連結部材が切断されると、遊技機用基板ボックスが開封される。また、同様に、封印に用いられた第2封印部材がボックスベースまたはボックスカバーのいずれかから切断されるとともに、その第2封印部材とそれに隣接する別の第2封印部材とを連結する第2連結部材が切断されると、遊技機用基板ボックスが開封される。即ち、遊技機用基板ボックスは、遊技機用基板ボックス封印ユニットの複数箇所が切断されて開封される。
【0067】
前記第1連結部材または第2連結部材の少なくとも一方の一部分の剛性は、その他部分の剛性と比較して小さくされている遊技機用基板ボックス封印ユニット。よって、その剛性の小さい部分をニッパ等を用いて切断することにより、第1連結部材および第2連結部材を容易に切断することができる。
【0068】
前記第1連結部材または第2連結部材の少なくとも一方の一部分には、切り欠きが設けられている遊技機用基板ボックス封印ユニット。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施例である封印ユニットを有する基板ボックスの配設されたパチンコ機の裏面図である。
【図2】封印ユニットが配設された基板ボックスが開封された状態を示す斜視図である
【図3】封印ユニットを構成する各部材の分解斜視図である。
【図4】保持部に封印金具が保持されている状態における封印ユニットの部分断面図である。
【図5】基板ボックスを封印した状態における封印ユニットの部分断面図である。
【図6】基板ボックスの分解斜視図である。
【図7】基板管理番号シールの平面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 封印ユニット(遊技機用基板ボックス封印ユニット)
11 封印金具(連結封印部材)
11b 頭部(係合部)
11c 係止爪(係止部)
20,30 ユニット部材
21,31 封印部材(第1封印部材、第2封印部材)21c 係止孔(ストッパ部材)
22,32 取付部材
22f,32f 係止穴
23,33 連結部材
24,34 連結部材(第1連結部材、第2連結部材)24a,24b 切り欠き
31a 係合穴
40 基板ボックス(遊技機用基板ボックス)
41 ボックス本体(ボックスベース)
41e,42e 係止爪
42 ボックス蓋体(ボックスカバー)
H 保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボックスベースとボックスカバーとを備えた遊技機用基板ボックス内に回路基板を被包して封印するための遊技機用基板ボックス封印ユニットにおいて、
前記ボックスベースまたはボックスカバーの一方に配設される複数の第1封印部材と、
前記ボックスベースまたはボックスカバーの他方に配設される複数の第2封印部材と、
前記第1封印部材および第2封印部材を連結する連結封印部材とを備え、
その連結封印部材により、前記第1封印部材および第2封印部材を連結し前記遊技機用基板ボックスを封印するものであって、
前記複数の第1封印部材のうちの隣接するもの同士をそれぞれ連結する第1連結部材と、
前記複数の第2封印部材のうちの隣接するもの同士をそれぞれ連結する第2連結部材とを備えたことを特徴とする遊技機用基板ボックス封印ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−75627(P2006−75627A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−347212(P2005−347212)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【分割の表示】特願平9−153750の分割
【原出願日】平成9年6月11日(1997.6.11)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】