説明

遊技機用携帯端末装置

【課題】遊技者に遊技の仕方やコツ等を十分に把握させることで遊技を支援する遊技機用携帯端末装置を提供すること。
【解決手段】遊技機用携帯端末装置1は、遊技機の可動役物を撮像して役物画像を取得する撮像手段11と、役物画像中の可動役物を認識する役物認識手段213と、可動役物の動作態様を表す画像情報を記憶する記憶手段231と、可動役物が認識されたとき、記憶手段231が記憶している画像情報の中から対応する画像情報を読み出す画像情報読出手段215と、画像情報を表示する画像表示手段151と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の遊技を支援する遊技機用携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の遊技性が複雑化しているパチンコ遊技機では、初めて遊技する際、どのように遊技すれば良いのか、どのような状態になれば良いのか等を把握することが難しくなってきている。このように遊技の仕方やコツを事前に把握できないことから、遊技したことがない機種を敬遠する遊技者も少なくない。
【0003】
そこで、上記のような問題を解消するため、遊技盤の前面に遊技説明を表示することにより、遊技者が遊技方法を把握できるようにしたパチンコ遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。表示された遊技方法の説明を読めば、その機種を初めて遊技する遊技者であっても予め遊技の仕方やコツ等をある程度、把握することが可能である。
【0004】
しかしながら、前記従来の遊技機では、次のような問題がある。すなわち、遊技方法の説明を読むことを煩わしく感じる遊技者も少なくないうえ、説明を読むだけでは可動役物の動作をイメージするのが難しく、遊技者が遊技の仕方やコツ等を十分に把握できないおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−313384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、遊技の仕方やコツ等を十分に把握できるように遊技者を支援する遊技機用携帯端末装置を提供する発明である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、所定の動作条件が成立したときに動作する可動役物を備えた遊技機に関する遊技情報を表示可能な遊技機用携帯端末装置において、
前記可動役物を撮像して役物画像を取得する撮像手段と、
この撮像手段により取得された役物画像中の可動役物を認識する役物認識手段と、
前記可動役物の動作態様を表す画像情報を記憶する記憶手段と、
前記役物認識手段により可動役物が認識されたとき、前記記憶手段が記憶している画像情報の中から当該可動役物に対応する画像情報を読み出す画像情報読出手段と、
この画像情報読出手段が読み出した画像情報を表示する画像表示手段と、を備えたことを特徴とする遊技機用携帯端末装置にある。
【0008】
本発明の遊技機用携帯端末装置を用いて前記遊技機の可動役物を撮像すれば、その可動役物の動作態様を表す前記画像情報を表示させることができる。初めて遊技する機種であっても前記可動役物の動作態様を事前に把握できるようになり、遊技者が遊技に先立って遊技の仕方やコツ等を把握できるようになる。
【0009】
このように本発明の遊技機用携帯端末装置は、遊技者に遊技方法を十分に把握させることで遊技を支援する有用な装置である。
【0010】
本発明の遊技機用携帯端末装置を利用可能な遊技機としては、スロットマシンやパチンコ遊技機等がある。スロットマシンとしては、メダルやコイン等の遊技媒体を遊技価値として使用するスロットマシンでも良いが、遊技媒体を使用しない、いわゆる完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。さらに、スロットマシンの場合であれば、パチンコ玉を遊技媒体として使用するパロット(R)であっても良い。パチンコ遊技機としては、遊技媒体であるパチンコ玉の払出を伴うパチンコ遊技機であっても良いが、パチンコ玉の払い出しを伴わない、いわゆる封入式のパチンコ遊技機であっても良い。
【0011】
パチンコ遊技機の可動役物としては、入賞口を開放する役物、遊技球の流下方向を変化させる役物、大当たり抽選の結果を表示する役物などがある。一方、スロットマシンの可動役物としては、内部抽選の結果を示唆するための役物、リールの停止順を報知するための役物などがある。
【0012】
本発明の遊技機用携帯端末装置が表示する画像情報としては、前記可動役物が動作した状態を示す静止画像であっても良く、前記可動役物が動作する様子を表す動画像であっても良い。前記可動役物の動作態様を表す画像情報であれば、どのような画像を採用しても良い。
【0013】
本発明の好適な一態様の遊技機用携帯端末装置における画像表示手段は、前記役物画像を表示すると共に、前記画像情報読出手段により読み出された画像情報を前記役物画像に重ねて表示することが好ましい。
この場合には、前記可動役物の動作態様を表す画像情報が実際の画像(役物画像)に対して重ねて表示されるため、前記可動役物が動作する様子を一層わかり易く表示できる。なお、前記画像情報を前記役物画像に重ねて表示することの意味は、前記役物画像が透けて目視されるような状態で前記画像情報を表示することや、前記画像情報により前記役物画像が遮蔽されるように表示すること等にある。
【0014】
本発明の好適な一態様の遊技機用携帯端末装置は、遊技媒体である遊技球が打ち込まれる遊技盤面上に配置された可動役物を有しているほか、この可動役物の動作に応じて遊技球の入賞難易度が変化する入賞口を有する遊技機に利用可能であることが好ましい。
この場合には、動作に応じて入賞確率が大きく変動する可動役物に対しては、遊技者の関心度合いが高くなる。そのため、前記可動役物の動作態様を表示できるという本発明の遊技機用携帯端末装置が一層有用になる。
【0015】
本発明の好適な一態様の遊技機用携帯端末装置における画像表示手段は、前記画像読出手段により読み出された画像情報を表示するに当たって、前記入賞口へ向かって流下する遊技球を重ねて表示することが好ましい。
この場合には、入賞をイメージさせることにより期待感を煽り、遊技者の気持ちを高揚できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例における、パチンコ遊技機を示す正面図。
【図2】実施例における、表示装置による演出画面を示す正面図。
【図3】実施例における、パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【図4】実施例における、遊技機用携帯端末装置を示す正面図。
【図5】実施例における、遊技機用携帯端末装置を示す背面図。
【図6】実施例における、遊技機用携帯端末装置の電気的構成を示すブロック図。
【図7】実施例における、役物画像の表示画面を示す正面図。
【図8】実施例における、可動役物の動作態様を表す画像情報の表示画面を示す正面図。
【図9】実施例における、可動役物の動作態様を表す画像情報の表示画面の別例を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例)
本例は、パチンコ遊技機(遊技機)4を遊技する際に有用な携帯端末(遊技機用携帯端末装置)1に関する例である。この内容について、図1〜図9を用いて説明する。
【0018】
本例の携帯端末1(図4〜図6)によりパチンコ遊技機4(図1)の可動役物421を撮像すれば、その動作態様を表す画像情報を表示させることができる。このように携帯端末1を利用すれば、可動役物421の動作態様を遊技に先立って事前に把握でき、初めて遊技する機種であっても安心して遊技に取り組むことが可能になる。以下の説明では、まず、本例の携帯端末1を利用可能なパチンコ遊技機4について説明し、続いて本例の携帯端末1について説明する。
【0019】
本例のパチンコ遊技機4は、図1のような外観的な構成を備えている。パチンコ遊技機4は、図示しない台枠に取り付けられた開閉扉43と、開閉扉43の内側の遊技盤面に形成された略円形状の遊技領域430と、遊技領域430の下部両側に配置された一対のスピーカ431と、遊技領域430の下側に設けられた上皿435及び下皿437と、上皿435の右下に配置された操作ハンドル45と、を備えている。
【0020】
開閉扉43は、パチンコ遊技機4に対面して左側のヒンジ433を介して回動可能な状態で台枠に固定されている。開閉扉43には、遊技領域430に対応する略円形状の透明窓439と、透明窓439の上部両側に配置された装飾ランプ類436と、が設けられている。
【0021】
上皿435は、入賞に応じて払い出された賞球や、貸玉等を受け入れるための受け皿である。上皿435は、遊技者側に向けて張り出すように形成されている。上皿435の玉は、図示しない供給通路を経由して発射装置641に供給されるようになっている。
下皿437は、上皿435の玉が一杯になったときに賞球を払い出したり、遊技者の操作に応じて上皿435の玉を回収するための受け皿である。
【0022】
遊技領域430は、遊技媒体であるパチンコ玉が流下する領域である。遊技領域430には、液晶表示部490を含む表示装置49を中心として、始動口42、通過ゲート441、大入賞装置46等が配置されている。遊技領域430の最下部には、入賞することなく流下した玉を回収するためのアウト孔438が開口している。遊技領域430の左縁部分には、LEDよりなる特図表示部481及び普図表示部482が配置されている。
【0023】
通過ゲート441は、通過玉を検知するゲートである。玉を通過させるのみの通過ゲート441には、賞球の払い出しが設定されていない。通過ゲート441が通過玉を検知すると、普通図柄の当否判定(以下、普図判定という。)用の抽選用乱数が抽出され、普図判定が実行される。
【0024】
始動口42は、大当たりの当否判定(特別図柄の当否判定。以下、大当たり判定という。)の契機となる入賞口である。始動口42に玉が入賞すると、大当たり判定用の抽選用乱数が抽出される。
【0025】
本例の始動口42は、可動役物である電動チューリップ421が開口部420に取り付けられた入賞口である。電動チューリップ421を構成する一対の可動羽根は、通常状態では、隙間を空けて相互に対面するように起立する状態(図1中、実線で示す状態。)にある。この状態では、上方に向けて開口する玉1個分の隙間を介してのみ、玉が入賞可能である。一対の可動羽根が開いて電動チューリップ421が図1中、点線で示すように動作すると、可動羽根が開口部420への玉の流入をガイドする受け皿のように作用する。この状態では、始動口42への入賞確率が劇的に高くなる。
【0026】
特図表示部481は、大当たり判定の当否を表示する抽選結果表示手段である。特図表示部481は、いわゆる7セグメントと呼ばれる数字の表示器を含み、この表示器に表示された内部制御コードによって大当たり判定の当否を表示する。特図表示部481に表示される内部制御コードは、後述する表示装置49による表示とは異なり、一般の遊技者にとっては理解が難しい記号的なデータとなっている。
普図表示部482は、普図判定の当否の表示部である。普図表示部482は、LEDを点灯させることにより当選を表示し、消灯に応じてハズレを表示する。
【0027】
大入賞装置46は、大入賞口460を開口する、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置である。この大入賞装置46は、始動口42の下側に配置されている。大入賞装置46は、横長略矩形状を呈する大入賞口460と、該大入賞口460の下辺を中心として手前に回動する蓋部材461と、を有している。大入賞装置46では、遊技領域430をなす盤面と略面一をなすように蓋部材461が位置したときに大入賞口460が閉鎖状態となる。一方、蓋部材461が手前に回動したときに大入賞口460が開放状態となる。
【0028】
表示装置49は、図1及び図2に示すごとく、略中央に液晶表示部490が配置された表示装置である。この液晶表示部490は、大当たり判定の当否を遊技者に分かり易く演出を加えて報知する演出手段としての機能を備えている。液晶表示部490は、横方向に延設された変動領域493において3つの数字を変動表示させる演出動作を実行した後、3桁のアラビア数字を確定的に表示することで大当たり判定の当否を報知する。
【0029】
液晶表示部490の表示画面491の下部には、特図保留表示部495が配置されている。特図保留表示部495は、略等間隔で水平方向に配置された4個の○印により形成されている。特図保留表示部495は、大当たり判定用の抽選用乱数の保留数(上限保留数4個)を明るい○印(図2では、ハッチングの○印として表示。)の個数により表示する。
【0030】
次に、パチンコ遊技機4の電気的な構成について、図3を用いて説明する。パチンコ遊技機4は、主回路50を中心として構成されている。主回路50に対しては、玉の払出を制御する払出制御回路63、玉の打込を制御する発射制御回路64、遊技演出を制御する演出制御部65、液晶表示部490を制御する表示制御回路66、入賞玉あるいは通過玉の検出器612〜614、始動口42を開放する電チューソレノイド622、大入賞装置46を開放させる大入賞ソレノイド624、特図表示部481や普図表示部482等を構成する各種のLED626、及び電力供給のための電源回路628等が電気的に接続されている。
【0031】
入賞玉あるいは通過玉の検出器としては、図1及び図3に示すごとく、通過ゲート441の通過玉を検出するゲート通過検出器612、始動口42への入賞玉を検出する始動入賞検出器613、及び大入賞装置46への入賞玉を検出する大入賞検出器614がある。
【0032】
払出制御回路63は、主回路50からの指示を受けて払出装置631を制御し、所定数の玉の払出を実行させる制御回路である。
発射制御回路64は、操作ハンドル45の操作量に応じて発射装置641を制御することで、玉の打ち出し強さをコントロールする制御回路である。
演出制御部65には、駆動アンプを含むスピーカ装置431、装飾ランプなどの装飾ランプ類436、及び液晶表示部490の表示等を制御する表示制御回路66が電気的に接続されている。
【0033】
主回路50は、図3に示すごとく、CPU(Central Processing Unit)51、記憶素子であるROM(Read Only Memory)52・RAM(Random Access Memory)54、所定範囲の乱数を発生する乱数発生部57、抽選用乱数を抽出する乱数抽出部56、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)55等を備えている。
【0034】
ROM52は、CPU51に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、図示しない大当たり判定用の抽選テーブル及び普図判定用の抽選テーブルを記憶している。大当たり判定用の抽選テーブルでは、通常状態における大当たりの当選乱数(当選確率1/300)、及び確変状態における大当たりの当選乱数(当選確率1/30)が規定されている。
【0035】
本例では、大当たりの当選乱数のうちの1/2が確変大当たりに対応する確変当選乱数となっており、大当たりのうちの確変大当たりの割合が約50%となっている。一方、普図判定用の抽選テーブルでは、99/100の乱数が当選乱数となっている。
【0036】
RAM54は、CPU51のワークエリアや一時書き込みに利用される読み書き可能な記憶素子である。RAM54の記憶エリアには、各4データ分の特図保留エリア541・普図保留エリア542、及び各1データ分の特図読出エリア545・普図読出エリア546が割り当てられている。
【0037】
特図保留エリア541は、大当たり判定の当否を表す保留乱数の記憶領域である。普図保留エリア542は、普図判定の保留乱数の記憶領域である。特図読出エリア545は、特図保留エリア541から読み出された保留乱数の格納領域である。普図読出エリア546は、普図保留エリア542から読み出された保留乱数の格納領域である。
【0038】
本例の主回路50は、ROM52から読み出したプログラムをCPU51に実行させることにより、乱数抽出部56が抽出する抽選用乱数を取得することで抽選を実行する抽選手段511、大当たり判定用及び普図判定用の抽選用乱数を保留する保留手段512、大当たり判定用の抽選用乱数を読み出す読出手段513、特別状態を発生させる特別状態発生手段515、確変大当たりの当選に応じて確変状態を発生させる確変状態発生手段516としての各機能を実現する。
【0039】
以上のように構成された本例のパチンコ遊技機4は、操作ハンドル45が右回転方向に操作されたとき、その操作量に応じた強度で玉を発射する。発射された玉は、通過ゲート441などが配置された遊技領域430を流下する。入賞しなかった玉は、遊技領域430の最下部に設けられたアウト孔438から回収される。
【0040】
玉が流下する間に通過ゲート441を通過した場合には、乱数発生部57が発生する乱数の中から普図判定用の抽選用乱数を抽出する抽選が実行される。抽選用乱数は、普図判定用の抽選テーブルと照合され、普図判定の当否が決定される。普図判定に当選した場合には、普図表示部482を構成するLEDが点滅する期間の後、点灯状態になる。ハズレの場合には、同様の期間の後、消灯状態になる。普図判定に当選した場合には、電動チューリップ421が開いて始動口42が開放される。
【0041】
なお、普図の変動時間は、通常状態で30秒、確変状態及び時短状態において5秒となっている。また、普図判定の当選に応じた始動口42の開放時間は、通常状態において0.3秒、確変状態及び時短状態では3秒となっている。
【0042】
始動口42への入賞が発生した場合には、大当たり判定(特図判定)用の抽選用乱数を抽出することで大当たり抽選が実行される。この大当たり判定用の抽選用乱数は、特図保留エリア541に随時、格納(保留)される。ただし、特図保留エリア541の保留数が4個である場合には、特図保留エリア541に格納されることなく消去される。特図保留エリア541の保留乱数(特図保留)は、図柄変動が停止中であって、かつ、大当たり状態の発生中ではないとき、記憶されたタイミングが古いものから順番に1つずつ読み出され、特図読出エリア545に格納される。
【0043】
読み出された大当たり判定用の抽選用乱数については、大当たり判定用の抽選テーブルとの照合により大当たり判定の当否を判断できる。大当たり判定の当否は、特図表示部481に表示されるほか、表示装置49に停止表示された図柄の組合せに応じて報知される。大当たりの場合、表示装置49にゾロ目の3桁のアラビア数字が表示される。
【0044】
なお、大当たりとしては、確変状態が後続する確変大当たり状態の契機となる確変大当たりと、終了に応じて直ちに通常状態に復帰する通常大当たり状態の契機となる通常大当たりと、がある。通常大当たりに当選したときには表示装置49に偶数のゾロ目が表示され、確変状態を伴う確変大当たりに当選したときには奇数のゾロ目が停止表示される。
【0045】
確変状態は、大当たりの当選確率が高い遊技者側に有利な状態である。この確変状態は、特図表示部481及び普図表示部482による図柄変動時間が短縮されると共に始動口42の入賞率が高まる時短状態を伴って発生し、新たな大当たり状態が発生するまで継続する。
【0046】
次に、携帯端末(遊技機用携帯端末装置)1について説明する。携帯端末1は、図4及び図5のごとく、厚さ1cm程度の平板状の端末である。その正面(図4参照。)側には、液晶表示部151の表示画面150が配置され、その左右両側には、ボタン群12が配置された操作面120とスピーカ131とが配置されている。携帯端末1の背面(図5参照。)側には、撮像手段を構成するカメラ基板11(図6参照。)に固定されたレンズの開口部111が設けられている。
【0047】
液晶表示部151は、パチンコ遊技機4の電動チューリップ421を撮像した役物画像や、その役物画像に対応する画像情報等を表示する画像表示手段としての機能を備えている。また、この液晶表示部151の表示画面150には、シート状のタッチパネル153(図6参照。)が積層されている。
操作面120には、電源ボタン121、カメラのズームボタン123・124、撮像を開始する撮像開始ボタン125等のボタン群12が配置されている。
【0048】
携帯端末1の内部には、図6のごとく、制御部20をなす電気回路が形成された制御基板が収容されている。この制御基板に対しては、CCD素子やレンズ等が実装されたカメラ基板11、オーディオ用ICが実装されたアンプ基板133のほか、操作面120に配置されたボタン群12、タッチパネル153、液晶表示部151等が電気的に接続されている。
【0049】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)21、記憶素子であるROM(Read Only Memory)22・RAM(Random Access Memory)23、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)24等を備えている。
【0050】
ROM22は、CPU21に実行させる各種の処理プログラムを記憶している。
RAM23は、CPU21のワークエリアや一時書き込みにも利用される読み書き可能な記憶素子である。本例のRAM23は、様々な遊技機の可動役物の動作態様を表す画像情報等を記憶する記憶手段231としての機能を備えている。記憶手段231は、本例の電動チューリップ421をはじめとする様々な可動役物について、それぞれ、パターンマッチング処理に利用する画像パターン(テンプレートパターン)、及び動作態様を表す画像情報を含む役物データを記憶している。本例では、画像パターンとして通常状態の可動役物の静止画像を用意し、画像情報として動作状態の可動役物の静止画像を用意している。
【0051】
なお、記憶手段231に記憶させる役物データを取得する方法としては、例えば、インターネット回線等の公衆回線を介してサーバ装置(図示略)からダウンロードする方法や、遊技場に設置されたサーバ装置(図示略)から無線通信によりダウンロードする方法や、パチンコ遊技機4との直接通信によって受信する方法等がある。
【0052】
制御部20は、ROM22から読み出したプログラムをCPU21に実行させることにより、液晶表示部151の表示を制御する表示制御手段211、役物画像中の可動役物を認識する役物認識手段213、認識された可動役物に対応する画像情報を読み出す画像情報読出手段215としての機能を実現する。
【0053】
この携帯端末1は、例えば、パチンコ遊技機4の機種を初めて遊技する際に特に有用である。携帯端末1を利用すれば、そのパチンコ遊技機4が備える電動チューリップ421の動作態様を把握でき、遊技に先立って遊技の仕方やコツ等を把握できるからである。
【0054】
可動役物である電動チューリップ421の動作態様を把握するためには、まず、パチンコ遊技機4の正面側で携帯端末1を構えて撮像開始ボタン125を操作し、電動チューリップ421を撮像する。このとき、電動チューリップ421の映り加減は、図7に示すごとく、携帯端末1の表示画面150に表示される役物画像によって確認できる。
【0055】
この役物画像については、携帯端末1の内部処理により所定の画像認識処理が施される。この画像認識処理では、まず、役物画像の中から電動チューリップ421に対応する領域が切り出しされ、その電動チューリップ421を認識する処理が実行される。具体的には、記憶手段231が記憶する役物データに含まれる画像パターンを利用したパターンマッチング手法により、役物画像中の電動チューリップ421の種類が認識される。
【0056】
電動チューリップ421の種類が認識されると、記憶手段231が記憶する役物データの中から認識された電動チューリップ421に対応する画像情報が抽出されて読み出される。ここで、上記のごとく本例では、動作状態の静止画像が画像情報として用意されている。したがって、役物画像中の実際の電動チューリップ421に対して読み出された画像情報の電動チューリップ421が合致するように、画像情報の位置や大きさをソフトウェア的に調整したうえで役物画像に重ねて表示すれば、図8のような表示が可能になる。
【0057】
図8のような表示画面を提示すれば、初めて遊技する機種であっても可動役物(本例では、電動チューリップ421。)の動作の様子をイメージできるようになる。可動役物の動作がイメージできれば、遊技に先立って事前に玉の打ち方などを検討できる。これにより、初めての機種を敬遠する遊技者が少なくなると期待でき、遊技場の稼動の向上を見込むことができる。
【0058】
以上のように、本例の携帯端末1を活用すれば、パチンコ遊技機4が備える可動役物の動作態様を把握できるので、遊技に先立って遊技の仕方やコツを事前に把握できて非常に便利である。
【0059】
なお、本例に代えて、図9のごとく、動画像の画像情報を表示することも良い。動画像を表示すれば、同図(a)のごとく閉じた状態から同図(c)のごとく開いた状態に移行する電動チューリップ421の動作を非常にわかり易く伝えることができる。この場合には、役物画像を遮蔽して画像情報のみを表示しても良い。さらに、同図(d)のごとく、電動チューリップ421が開いた後、パチンコ玉(遊技球)が入賞するようすを動画的に表示することも良い。入賞する様子を表示すれば、電動チューリップ421の実際の動作に対する遊技者の期待感を高揚できる。
【0060】
なお、本例では、通常状態の役物画像に対して動作状態を示す画像情報を重ねて表示する際、それぞれの表示強度を同程度に設定することで、閉じた電動チューリップ421と開いた電動チューリップ422とが2重に目視されるようにしている(図8参照。)。これに代えて、役物画像と画像情報との表示強度を時間的に変更し、動画的な効果を実現することも良い。例えば、最初は、役物画像の表示強度を10、画像情報の表示強度をゼロとし、次第に画像情報の表示強度の比率を高めていき、最終的には役物画像がゼロ、画像情報が10となるような時間的な変化を与えれば、電動チューリップ421が閉じた状態から開いた状態に移行するような表示効果を実現できる。
【0061】
なお、対象となる可動役物は、本例の電動チューリップ421には限定されない。いわゆるゼロ戦タイプの羽根物と呼ばれる可動役物等、様々なタイプの可動役物を認識対象として設定可能である。可動役物としては、入賞口を開閉するための役物、入賞口へ遊技球を導くための役物、大当たり抽選の結果を示唆するための役物など、様々な動作目的の役物が含まれる。動作態様や入賞態様が意外性のある可動役物ほど、本例の携帯端末1が有用になる。
【0062】
なお、本例では、様々な可動役物に関する役物データを記憶させている。一方、遊技しようとするパチンコ遊技機4との直接通信によって役物データを取得する場合や、機種を特定して役物データをダウンロードする場合であれば、遊技対象の機種の役物データのみを記憶手段231に記憶させることも良い。
【0063】
なお、可動役物の入賞率や、打ち方のコツ等の遊技支援情報を役物データに含めることも良い。この場合には、図8のような表示画面の隅に上記のような遊技支援情報をワンポイントアドバイスのように表示できる。
さらに、可動役物が取り付けられた機種の遊技情報を役物データに含めることも良い。この場合には、可動役物の撮像に応じて、その可動役物が取り付けられた機種の遊技データや遊技のコツ等の遊技情報を表示できるようになる。可動役物の動作態様に加えて、その機種の遊技情報を表示すれば、遊技に対する期待感を一層、高揚できるようになる。
【0064】
なお、本例では、遊技機としてパチンコ遊技機4を設定しているが、遊技機はスロットマシンであっても良い。スロットマシンの場合であれば、図柄の変動リールとは別に設けられた機械的装置の動作態様を表示させることが可能である。
また、携帯端末としては、本例において説明したような機能を実現した専用機であっても良いが、ゲーム機やスマートフォン等、所定のソフトウェアをインストールすることで上記の機能を実現できる汎用機が好適である。
【0065】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
【符号の説明】
【0066】
1…遊技機用携帯端末装置、11…カメラ基板(撮像手段)、150…表示画面、151…液晶表示部(画像表示手段)、20…制御部、21…CPU、211…表示制御手段、213…役物認識手段、215…画像情報読出手段、22…ROM、23…RAM、231…記憶手段、24…I/O、4…パチンコ遊技機、42…始動口(入賞口)、421…電動チューリップ(可動役物)、430…遊技領域、45…操作ハンドル、46…大入賞装置、481…特図表示部、49…表示装置、490…液晶表示部、491…表示画面、493…変動領域、50…主回路、51…CPU、511…抽選手段、515…特別状態発生手段、516…確変状態発生手段、613…始動入賞検出器、63…払出制御回路、641…発射装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の動作条件が成立したときに動作する可動役物を備えた遊技機に関する遊技情報を表示可能な遊技機用携帯端末装置において、
前記可動役物を撮像して役物画像を取得する撮像手段と、
この撮像手段により取得された役物画像中の可動役物を認識する役物認識手段と、
前記可動役物の動作態様を表す画像情報を記憶する記憶手段と、
前記役物認識手段により可動役物が認識されたとき、前記記憶手段が記憶している画像情報の中から当該可動役物に対応する画像情報を読み出す画像情報読出手段と、
この画像情報読出手段が読み出した画像情報を表示する画像表示手段と、を備えたことを特徴とする遊技機用携帯端末装置。
【請求項2】
前記画像表示手段は、前記役物画像を表示すると共に、前記画像情報読出手段により読み出された画像情報を前記役物画像に重ねて表示することを特徴とする請求項1に記載の遊技機用携帯端末装置。
【請求項3】
遊技媒体である遊技球が打ち込まれる遊技盤面上に配置された可動役物を有しているほか、この可動役物の動作に応じて遊技球の入賞難易度が変化する入賞口を有する遊技機に利用可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機用携帯端末装置。
【請求項4】
前記画像表示手段は、前記画像読出手段により読み出された画像情報を表示するに当たって、前記入賞口へ向かって流下する遊技球を重ねて表示することを特徴とする請求項3に記載の遊技機用携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−56109(P2013−56109A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197420(P2011−197420)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】