説明

遊技機

【課題】体感器を使用して意図的に大当たりを生起させる不正行為を効果的に防止することが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機1aは、遊技領域2に遊技球が通過可能な左ゲート14が設けられている。また、左ゲート14の側板10,11の内部には、それぞれ、ICタグ4とアンテナ5とが設置されており、所定の距離を隔てて対峙した状態になっている。そして、左ゲート14内を遊技球が通過すると、ICタグ4とアンテナ5とによって、その通過を検知し、制御基板の内部で「抽選」を実行するループカウンタを初期値にリセットするようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、スロットマシーン等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種であるパチンコ機として、いわゆる図柄合わせタイプのパチンコ機が知られている(特許文献1)。かかる図柄合わせタイプのパチンコ機は、図柄始動口に遊技球が入賞した場合に、内部の制御装置において、所定の数値間をループカウントするループカウンタ(乱数カウンタ)が一つの数値を選択することにより「抽選」を実行するとともに、図柄表示装置の液晶画面上に表示された図柄を所定時間だけ変動させ、「抽選」の結果、ループカウンタが予め定められた所定の数値を選択した場合には、「大当たり」となり、予め設定された「大当たり図柄」(たとえば、「7,7,7」)を図柄表示装置に表示するとともに、「大当たり状態」を生起させて、所定の入賞口を所定回数だけ断続的に開成させるようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開平9−700号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の図柄合わせタイプのパチンコ機は、「抽選」を実行するループカウンタが常に同じ周期で所定の数値間をループカウントするものであるため、任意の周期で信号を送信する体感器を用いて特定のタイミングでのみ遊技球を発射することにより、少ない遊技球の消費で意図的に大当たりを生起させる不正行為が行われてしまうこともある。
【0005】
本発明の目的は、上記図柄合わせタイプのパチンコ機が有する課題を解消し、体感器を使用した不正行為を効果的に防止することができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる本発明の構成のうち、請求項1に記載された発明の構成は、遊技領域に打ち出された遊技球が図柄始動口に入賞した場合に、図柄表示装置に表示された図柄を変動させるともに、所定の数値の間を規則的にカウントするループカウンタが一つの数値を取得することによって抽選を実行し、その抽選の結果、前記ループカウンタが予め設定された所定の数値を選択した場合には、前記図柄の変動終了後に、予め設定された所定の大当たり図柄を前記図柄表示装置に表示するとともに、所定の入賞装置を所定の態様で開成させる特別遊技状態を生起させる遊技機であって、前記遊技領域内に、遊技球を通過させる遊技球通路が設けられているとともに、その遊技球通路に通過検知手段が設けられており、その通過検知手段が遊技球の通過を検知したことを契機として、前記ループカウンタのカウント値を不規則に変化させることにある。なお、入賞とは、遊技球が所定の部材や装置の内部に入り込んだり、所定の領域を通過したりすることをいう。
【0007】
請求項2に記載された発明の構成は、請求項1に記載された発明において、通過検知手段が遊技球の通過を検知したことを契機として、ループカウンタを初期値にリセットすることにある。
【0008】
請求項3に記載された発明の構成は、請求項1、または請求項2に記載された発明において、通過検知手段が、周期的な信号の送受信を行うICタグとアンテナとからなるものであることにある。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載された遊技機は、遊技領域に打ち出された遊技球が遊技球通路を通過すると、ICタグとアンテナ間の周期的な信号の送受信が遮断されることによって遊技球の通過が検知され、抽選を実行するループカウンタのカウント値がランダムなタイミングで不規則に変化するため、体感器を使用して意図的に大当たりを生起させる不正行為を効果的に防止することができる。
【0010】
請求項2に記載された遊技機は、通過検知手段が遊技球の通過を検知したことを契機として、ループカウンタを初期値にリセットするものであるため、制御プログラムがシンプルであり、作動エラーを起こしにくい。
【0011】
請求項3に記載された遊技機は、通過検知手段がICタグおよびアンテナによって構成されているため、当該通過検知手段が不正行為者の意のままに作動する別のものとすり替えられてしまう心配がない。加えて、ループカウンタのカウント値が不規則に変化した時刻や回数等のデータを容易に収集することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の遊技機の一実施形態であるパチンコ機について、図面に基づき、次の目次の順序にしたがって、詳細に説明する。
(1)実施例1のパチンコ機の構造
(2)実施例1のパチンコ機の制御機構
(3)実施例1のパチンコ機の作動内容
(4)実施例1のパチンコ機の特徴部分の説明
(5)実施例1のパチンコ機の効果
(6)実施例2のパチンコ機の説明
(7)実施例2のパチンコ機の効果
(8)本発明の変更例の説明
【実施例1】
【0013】
(1)実施例1のパチンコ機の構造
図1は、実施例1のパチンコ機の正面を示したものである。パチンコ機1aの前面の上側には、遊技盤7が嵌め込み設置されており、その遊技盤7の中央には、略円形の遊技領域2が設けられている。また、遊技領域2の下方には、払い出された遊技球を貯留可能な供給皿3が、前方へ突出するように設置されており、その供給皿3の右下には、供給皿3内の遊技球を遊技領域2へ発射するための発射ハンドル6が突設されている。さらに、遊技領域2の中央上部には、液晶画面を有する図柄表示装置8が設けられており、各種の動画や文字メッセージ等を表示することができるようになっている。
【0014】
また、図柄表示装置8の下方には、図柄始動口である普通電動役物13が設けられており、その普通電動役物13の内部には、遊技球の入賞を検出する入賞検出装置29設けられている。さらに、普通電動役物13の両サイドには、それぞれ、遊技球が通過可能な遊技球通路である左ゲート14および右ゲート15が設けられている。加えて、普通電動役物13の下側には、大入賞口16が設置されており、内蔵された作動装置30によって扉部材が下端縁を中心として前方へ片開きするようになっている。なお、図1に示されるように、遊技領域2には、上記部材の他に、サイドランプ、電飾ランプ、種々の入賞口、風車、および多数の障害釘等が設けられている。
【0015】
図2は、左ゲート14の水平断面を示したものであり、左ゲート14は、略コの字状に形成されており、内部を遊技球が通過可能になっている。そして、左右の側板10,11の内部には、それぞれ、平板状のICタグ4と平板状のアンテナ5とが設置されており、所定の距離を隔てて対峙した状態になっている。それらのICタグ4およびアンテナ5は、後述する方法によって遊技球が左ゲート14を通過したことを検知する通過検知手段9として機能するものである。
【0016】
図3(a),(b)は、ICタグ4の外観および制御機構を示したものであり、図3(c)は、アンテナ5の外観を示したものである。ICタグ4は、ガラスコンポジット基板55上に、RF回路58およびEEPROM等の記憶手段59等を内蔵したICチップ56、送受信回路57を設けたものであり、記憶手段59の上書消去禁止区域には、ICタグ4を他のICタグと識別するための固有の識別情報が記憶されている。
【0017】
一方、アンテナ5は、薄い板状の基板61の表面に送受信回路62を渦巻き状にパターン形成したものである。そして、送受信回路62の両端の端子63,63に接続されたケーブル64を介して信号の送受信をすることができるようになっている。
【0018】
上記したICタグ4は、アンテナ5との間で、所定の周波数(たとえば、13.56MHz)を利用して、RF(Radio Frequency)送受信を行うことが可能であり、呼出波を受信すると、予め記憶されている識別情報を含む反射波を、所定の通信範囲(約15mm)内に出力(返信)するように設定されている。
【0019】
(2)実施例1のパチンコ機の制御機構
図4は、パチンコ機1aの制御機構を示したものであり、パチンコ機1aには、作動内容を制御するための制御基板21が設けられている。制御基板21は、CPU26、ROM27やRAM31等の記憶手段、タイマ41等を有しており、CPU26が、インターフェイス28を介して、普通電動役物13に内蔵された入賞検出装置29、大入賞口16の作動装置30、賞品球や貸出球として遊技球を払い出すための遊技球払出装置65等と接続された状態になっている。
【0020】
また、制御基板21には、「大当たり」の生起を決定するためのループカウンタ(乱数発生手段)が設けられており、電源投入時から所定の規則に従って0〜349(350通り)の間を、ごく短時間(1割込2.000ms)のうちに1ずつ加算しながらループカウントする(最大値の次には最小値に戻る)ようになっている(以下、かかるループカウンタを大当たり決定用カウンタ23という)。
【0021】
(3)実施例1のパチンコ機の作動内容
パチンコ機1aは、発射ハンドル6の回動操作によって遊技領域2に打ち出された遊技球が、普通電動役物13に入賞することを契機として、制御基板21内で、上記したループカウンタを用いて「抽選」を実行し、遊技者にとって有利な特別遊技状態である「大当たり状態」を生起させるか否かを決定するようになっている。
【0022】
すなわち、普通電動役物13に遊技球が入賞した場合には、その入賞が普通電動役物13に内蔵された入賞検出装置29によって検出され、制御基板21に入賞検出信号が送信される。制御基板21に入賞検出信号が送信されると、上記した大当たり決定用カウンタ23が、入賞検出信号が送信された瞬間にカウントしている1つの数値を取得する(以下、かかる数値の取得を「抽選」という)。そして、その「抽選」において、大当たり決定用カウンタ23が所定の「大当たり数値」(たとえば、“7”)を取得したと判断された場合には、「大当たり」となり、「大当たり数値」以外の数値を取得したと判断された場合には、「はずれ」となる(したがって、1回の「抽選」における「大当たり」の生起確率は、1/350である)。
【0023】
「抽選」において「大当たり」となった場合には、図柄表示装置8の液晶画面に、予め設定された「大当たり図柄」(たとえば、「7,7,7」)を表示することによって、遊技者に「大当たり状態」が生起したことを報知する。一方、「抽選」において「はずれ」となった場合には、図柄表示装置8の液晶画面に、「大当たり図柄」以外の図柄(たとえば、「1,2,3」の如き「はずれ図柄」)を表示することによって、遊技者に「はずれ」となったことを報知する。
【0024】
そして、図柄表示装置8の液晶画面に「大当たり図柄」が表示された場合には、「大当たり状態」が生起し、大入賞口16が、所定時間(たとえば、約25秒)あるいは所定個数(たとえば、9個)の遊技球の入賞を検出するまでの開成を、所定回数だけ断続的に繰り返す。また、遊技球が大入賞口16に入賞した場合には、遊技球払出装置65によって、所定個数の遊技球が賞品球として払い出される。したがって、「大当たり状態」が生起した場合には、遊技者は非常に多くの遊技球を獲得することができる。
【0025】
(4)実施例1のパチンコ機の特徴部分の説明
パチンコ機1aは、通常時においては、上記の如く、大当たり決定用カウンタ23がループカウントしている一定の数値の中から一つの数値を取得することによって「抽選」を実行するが、以下の方法によって、遊技球が左ゲート14を通過することを契機として、大当たり決定用カウンタ23の数値を“0”にリセットする。
【0026】
通常時においては、制御基板21のCPU26は、ICタグ4とアンテナ5との信号の送受信によって、遊技球が左ゲート14を通過したか否かを検知している。すなわち、CPU26が、RF回路32の機能によりアンテナ5を介してICタグ4へ呼出波を送信すると、ICタグ4は、直ちに、記憶された固有の「識別情報」を含めた反射波を返信する(すなわち、アンテナ5から所定の距離の範囲内に磁界が形成され、その磁界によりICタグ4が励起されて反射波を送信する)。アンテナ5は、ICタグ4が返信した反射波を受信すると、その反射波を電気信号に変換してCPU26へ送信する。さらに、CPU26は、その電気信号に変換された反射波を受信すると、直ちに、再度、アンテナ5を介して、ICタグ4へ呼出波を送信する。CPU26は、かかるアンテナ5を利用したICタグ4との信号の送受信を、非常に短時間(約数十ms)の周期で繰り返し実行する。
【0027】
左ゲート14内を遊技球が通過していない場合には、上記の如きICタグ4とアンテナ5との信号の周期的な送受信が可能である。しかしながら、遊技球が左ゲート14を通過すると、ICタグ4とアンテナ5との間に介在した金属製の遊技球により、アンテナ5の周囲の磁界が乱される。そうすると、ICタグ4が励起されず、反射波を送信しなくなることによって、ICタグ4とアンテナ5との間の信号の送受信が遮断されてしまう。制御基板21のCPU26は、そのようにICタグ4とアンテナ5との間の信号の送受信が遮断された場合、すなわち、呼出波を送信してから所定時間(たとえば、50ms)内に反射波を受信しなかった場合には、遊技球が左ゲート14内を通過したと判断し、一定の数値の間をループカウントしている大当たり決定用カウンタ23の数値を“0”にリセットする。すなわち、CPU26が呼出波を送信してから所定時間内に反射波を受信しなかった時点で大当たり決定用カウンタ23の数値が1〜349の内のいずれの数値であった場合には、大当たり決定用カウンタ23の数値を“0”に戻してループカウントを再開し、2ms後のループカウンタの数値を“1”とする。
【0028】
(5)実施例1のパチンコ機の効果
パチンコ機1aは、上記の如く、遊技領域2内に設けられた遊技球通路である左ゲート14に通過検知手段9が設けられており、その通過検知手段9が遊技球の通過を検知したことを契機として、「抽選」を実行する大当たり決定用カウンタ23のカウント値を不規則に変化させるため、大当たり決定用カウンタ23が同じ周期でループしないので、体感器を使用して意図的に「大当たり」を生起させる不正行為を効果的に防止することができる。
【0029】
また、パチンコ機1aは、通過検知手段が遊技球の通過を検知したことを契機として、大当たり決定用カウンタ23を初期値にリセットするものであるため、制御プログラムがシンプルであり、作動エラーを起こしにくい。
【0030】
さらに、パチンコ機1aは、固有の識別情報を含む信号の送受信を行うICタグ4とアンテナ5とによって通過検知手段9が構成されているため、通過検知手段9が不正行為者の意のままに作動する別のものとすり替えられてしまう心配がない。加えて、大当たり決定用カウンタ23のカウント値が不規則に変化した時刻や回数等のデータを容易に収集することができる。
【実施例2】
【0031】
(6)実施例2のパチンコ機の説明
実施例2のパチンコ機の構成は、実施例1のパチンコ機1aと略同様であるが、制御機構がパチンコ機1aのものと若干異なっている。すなわち、実施例2のパチンコ機1bの制御基板21には、図5の如く、大当たり決定用カウンタ23の他に、大当たり決定用カウンタ23が移行する数値(以下、「移行値」という)を決定するためのループカウンタ(乱数発生手段)である移行値決定用カウンタ24が設けられており、電源投入時から所定の規則に従って0〜6(7通り)の間を、ごく短時間(1割込2.000ms)のうちに1ずつ加算しながらループカウントする(最大値の次には最小値に戻る)ようになっている。また、パチンコ機1bのCPU26のROM27内には、図6の如く、大当たり決定用カウンタ23の「移行値」が移行値決定用カウンタ24の数値と対応付けられた状態で記憶されている。
【0032】
かかるパチンコ機1bにおいても、パチンコ機1aと同様に、遊技球が左ゲート14を通過すると、金属製の遊技球によりアンテナ5の周囲の磁界が乱されることによって、ICタグ4とアンテナ5との間の信号の送受信が遮断される。
【0033】
ICタグ4とアンテナ5との間の信号の送受信が遮断された場合には、パチンコ機1bの制御基板21のCPU26は、遊技球が左ゲート14内を通過したと判断し、遮断された瞬間に移行値決定用カウンタ24がカウントしている1つの数値を取得する。移行値決定用カウンタ24が1つの数値を取得すると、その数値に対応した大当たり決定用カウンタ23の「移行値」が制御基板21のROM27から呼び出される(図6参照)。そして、0〜349の間をループカウントしている大当たり決定用カウンタ23の数値を、ROM27から呼び出された「移行値」に移行させる(たとえば、CPU26が呼出波を送信してから所定時間内に反射波を受信しなかった時点で移行値決定用カウンタ24が“1”の数値を取得した場合には、大当たり決定用カウンタ23の数値が0〜349の内のいずれの数値であった場合でも、その大当たり決定用カウンタ23の数値を“50”にセットする)。そのように大当たり決定用カウンタ23の数値が「移行値」にセットされた後には、大当たり決定用カウンタ23は、「移行値」を最初の数値としてループカウントを再開し、2ms後のループカウンタの数値を“「移行値」+1”とする。
【0034】
(7)実施例2のパチンコ機の効果
パチンコ機1bも、パチンコ機1aと同様に、通過検知手段9が遊技球の通過を検知したことを契機として、「抽選」を実行する大当たり決定用カウンタ23のカウント値を不規則に変化させるため、大当たり決定用カウンタ23が同じ周期でループしないので、体感器を使用して意図的に「大当たり」を生起させる不正行為を効果的に防止することができる。
【0035】
また、パチンコ機1bは、通過検知手段9が遊技球の通過を検知した場合に、移行値決定用カウンタ24を利用して、大当たり決定用カウンタ23の数値を不規則に移行させるものであるため、大当たり決定用カウンタ23の周期がきわめて不均一なものとなるので、体感器を使用した不正行為の防止効果の精度が非常に高い。
【0036】
(8)本発明の変更例の説明
本発明の遊技機の構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、図柄始動口、図柄表示装置、制御基板、遊技球通路、通過検知手段、ループカウンタ等の形状・構造等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更できる。
【0037】
たとえば、通過検知手段の設置位置は、上記実施形態の如きゲートに限定されず、図柄表示装置の周囲のワープゾーンや、遊技領域に設ける各種の入賞口の内部等でも良い。また、通過検知手段は、固有の識別情報を含む信号の周期的な送受信を行うICタグとアンテナとからなるものに限定されず、電磁誘導を利用した非接触式の近接センサや、可動接点を有する接触式の検知センサ等に変更することも可能である。
【0038】
加えて、本発明の遊技機は、遊技球が遊技球通路を通過すると同時に、「抽選」用のループカウンタをリセットしたりループカウンタの数値を移行させたりするものに限定されず、遊技球が遊技球通路を通過してから所定時間が経過した後にループカウンタをリセットしたりループカウンタの数値を移行させたりするもの、遊技球が遊技球通路を通過した後に別の条件を満たした後に(たとえば、遊技球が所定の入賞口に入賞した後に)ループカウンタをリセットしたりループカウンタの数値を移行させたりするものや、所定個数の遊技球が遊技球通路を通過した場合にループカウンタをリセットしたりループカウンタの数値を移行させたりするもの等に変更することも可能である。かかる構成を採用することによって、ループカウンタのリセット回数やループカウンタの数値の移行回数を調整することが可能となる。
【0039】
加えて、本発明の遊技機は、上記実施形態の如く、ICタグとアンテナとからなる通過検知手段を「抽選」を実行する主たる制御基板に接続したものに限定されず、メイン制御基板の作動を補助する別の制御基板に接続したものでも良い。
【0040】
なお、本発明の遊技機は、上記実施形態の如き第一種のパチンコ機ばかりでなく、第三種のパチンコ機やスロットマシーン等の他の遊技機として応用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の遊技機は、パチンコ機、スロットマシーン等の遊技機として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】パチンコ機の正面図である。
【図2】左ゲートの水平断面を示す説明図である。
【図3】ICタグおよびアンテナを示す説明図である(なお、(a)はICタグの外観図であり、(b)はICタグの制御機構を示すブロック図であり、(c)はアンテナの外観図である)。
【図4】パチンコ機の制御機構を示すブロック図である。
【図5】パチンコ機の制御機構を示すブロック図である。
【図6】移行値決定用カウンタの数値と対応した大当たり決定用カウンタの「移行値」を示す説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1・・パチンコ機、2・・遊技領域、4・・ICタグ、5・・アンテナ、8・・図柄表示装置、9・・通過検知手段、13・・普通電動役物(図柄始動口)、14・・左ゲート(遊技球通路)、16・・大入賞口(入賞装置)、21・・制御基板、23・・大当たり決定用カウンタ(ループカウンタ)、24・・移行値決定用カウンタ(ループカウンタ)、26・・CPU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に打ち出された遊技球が図柄始動口に入賞した場合に、図柄表示装置に表示された図柄を変動させるともに、所定の数値の間を規則的にカウントするループカウンタが一つの数値を取得することによって抽選を実行し、その抽選の結果、前記ループカウンタが予め設定された所定の数値を選択した場合には、前記図柄の変動終了後に、予め設定された所定の大当たり図柄を前記図柄表示装置に表示するとともに、所定の入賞装置を所定の態様で開成させる特別遊技状態を生起させる遊技機であって、
前記遊技領域内に、遊技球を通過させる遊技球通路が設けられているとともに、その遊技球通路に通過検知手段が設けられており、
その通過検知手段が遊技球の通過を検知したことを契機として、前記ループカウンタのカウント値を不規則に変化させることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
通過検知手段が遊技球の通過を検知したことを契機として、ループカウンタを初期値にリセットすることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
通過検知手段が、周期的な信号の送受信を行うICタグとアンテナとからなるものであることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−102238(P2006−102238A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−294118(P2004−294118)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【出願人】(000241234)豊丸産業株式会社 (428)
【Fターム(参考)】