遊技機
【課題】 ロジック回路からなる発射制御回路を用い、発射モータの原点検出に基づいて遊技球の発射動作を行う遊技機において、原点検出ができない場合に遊技球の発射を停止できるようにする。
【解決手段】 遊技球を所定の遊技領域に発射することが可能な槌と、回転することで槌を作動させることが可能な発射モータと、予め設定された発射モータの原点角度を検出することが可能な原点検出手段と、ロジック回路から構成され、発射モータの動作を制御する発射制御手段とを設ける。発射制御手段は、原点検出手段による発射モータの原点角度検出に基づいて作動開始するタイマ回路を有し、タイマ回路にて所定時間経過が検出された場合に、発射モータの作動を停止させるように構成される。
【解決手段】 遊技球を所定の遊技領域に発射することが可能な槌と、回転することで槌を作動させることが可能な発射モータと、予め設定された発射モータの原点角度を検出することが可能な原点検出手段と、ロジック回路から構成され、発射モータの動作を制御する発射制御手段とを設ける。発射制御手段は、原点検出手段による発射モータの原点角度検出に基づいて作動開始するタイマ回路を有し、タイマ回路にて所定時間経過が検出された場合に、発射モータの作動を停止させるように構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に関し、特にいわゆるパチンコ遊技機又はアレンジボール遊技機等の弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機には、遊技球を発射モータにより往復移動して遊技球を打撃する槌が設けられており、遊技者が発射ハンドルの回転量を調整することで、槌による遊技球の打撃力(発射力)を調整することができるように構成されている。
【0003】
そして、発射モータの回転軸が所定の原点位置(原点角度)にあるかどうかを検知する原点センサを設け、原点センサによる原点検出に基づいて一連の発射シーケンスを行うことで、正確な発射を行う遊技機が提案されている(特許文献1参照)。この原点検出に基づく発射シーケンスでは、原点検出時に発射ハンドルの操作が検出された場合には発射モータを作動させ、原点検出時に発射ハンドルの操作が検出されなかった場合には発射モータを停止させるように構成されている。
【特許文献1】特開2005−442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、断線やコネクタの不良等により原点センサでの原点検出ができなくなる場合がある。このような場合、遊技球の発射制御をCPUを用いた発射制御回路で行う構成では、原点センサで原点検出ができない場合にソフト処理によってエラーとし、遊技球の発射を停止することができる。しかしながら、遊技球の発射制御をロジック回路を用いた発射制御回路で行う場合には、原点センサにより原点が検出されない場合、発射終了処理を行うことができず、遊技球の発射が終了しないという問題がある。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、ロジック回路からなる発射制御回路を用い、発射モータの原点検出に基づいて遊技球の発射動作を行う遊技機において、原点検出ができない場合に遊技球の発射を停止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、遊技球を所定の遊技領域に発射することが可能な槌と、回転することで槌を作動させることが可能な発射モータと、予め設定された発射モータの原点角度を検出することが可能な原点検出手段と、ロジック回路から構成され、発射モータの動作を制御する発射制御手段とを備え、発射制御手段は、原点検出手段による発射モータの原点角度検出に基づいて作動開始するタイマ回路を有し、タイマ回路にて所定時間経過が検出された場合に、発射モータの作動を停止させるように構成されていることを特徴としている。
【0007】
これにより、ロジック回路を用いた発射制御手段を用い、発射モータの原点検出に基づいて遊技球の発射動作を行う構成において、発射モータの原点が検出できない場合に、確実に遊技球の発射を停止することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明のように、所定時間を発射モータが一回転するのに要する時間より長い時間に設定することで、原点検出手段で原点が検出できないことを確実に把握することができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明では、槌の動きに連動して作動し、槌が遊技球を発射することとなる遊技球発射位置に遊技球を供給する球送り装置を備えることを特徴としている。このような槌の動作に連動して遊技球を発射位置に球送りする機械式の球送り装置を用いる場合には、原点が検出できないと球送りが停止せず、発射モータが停止しない限り遊技球を発射し続けてしまう。このため、発射モータの原点角度検出に基づいて作動開始するタイマ回路で所定時間経過が検出された場合に発射モータの作動を停止させることが特に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(第1実施例)
以下、本発明の実施形態を示す第1実施例について図面を用いて説明する。本発明の第1実施例の遊技機1を図1〜図16に示す。
【0011】
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、本体枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
【0012】
本体枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものであり、遊技機1の外枠を構成している。中枠3はプラスチック製であり、本体枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。
【0013】
下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する遊技球発射装置を構成する発射装置ユニット10(図3参照)、遊技球を発射装置ユニット10に供給する球送り装置12(図7参照)が設けられている。さらに下板部には、図示を省略しているが、発射装置ユニット10に供給される遊技球を検知する球送りカウントスイッチ、発射装置ユニット10から発射される遊技球を検知する発射球カウントスイッチ、発射装置ユニット10から発射された遊技球のうち遊技盤20面に到達しなかった遊技球を検知するファール球検出スイッチが設けられている。さらに、下板部には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるスピーカ266(図示略)が設けられている。なお、本実施例のスピーカ266は、中高音用スピーカ(ツィータ)及び低音用スピーカ(ウーファ)とを含んで構成されている。
【0014】
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。
【0015】
前面枠4には、遊技効果等のためのランプ類として、左LED表示部4b、右LED表示部4c、左上LED表示部4d、右上LED表示部4e、上LED表示部4fが設けられている。左LED表示部4bと右LED表示部4cは、開口部4aの周囲の右側と左側にそれぞれ円弧状に設けられている。左上LED表示部4dは左LED表示部4aの左上方に設けられ、右上LED表示部4eは右LED表示部4cの右上方に設けられている。上LED表示部4fは円形状に形成され、左LED表示部4bの上端部と右LED表示部4cの上端部との間に2個設けられている。これらのLED表示部4b〜4fは、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
【0016】
また、2個の上LED表示部4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。賞球表示LED表示部4gの上方には、扇形のエラーLED表示部4hが設けられている。本実施例のエラーLED表示部4hは、後述のように複数段階のエラー表示が可能に構成されている。エラーLED表示部4hは、重度のエラー発生の場合は赤色に、軽度のエラー発生の場合はオレンジ色に点灯あるいは点滅する。なお、本実施例では、例えば復旧のために前面枠4を開放して作業を行う必要があったり、あるいは部品を交換したりする必要があるような場合を重度のエラーとし、それ以外の場合を軽度のエラーとしている。
【0017】
前面枠4には、図示しないドアスイッチが設けられている。ドアスイッチにて前面枠4が所定時間(本例では1秒)以上開放していることが検知された場合には、後述する払出制御部230は前面枠開放エラーが発生したと判断し、エラーLED表示部4hをオレンジ色に点灯させ、発射装置ユニット10による発射停止を行う。前面枠開放エラーは、ドアスイッチにて前面枠4が所定時間(本例では1秒)以上閉鎖していることが検知された場合に解除される。なお、前面枠4開放に関するエラー信号は、払出制御部230から後述の主制御部200に送信されない。
【0018】
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、球抜きボタンや遊技球の貸球ボタン、返却ボタン等が配設された皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bとを備えている。さらに、上皿部5の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第1音声出力部5cが形成されている。第1音声出力部5cは、スピーカ266のうち中高音用スピーカ(ツィータ)とダクトを介して接続されており、中高音用スピーカからの音声がダクトを介して出力される。上皿部5の裏面には音量スイッチ基板267(図19参照)が設けられている。
【0019】
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の底面には図示しない球抜き穴が設けられている。球抜き穴は通常時には閉鎖しており、下皿部6に貯留された遊技球を排出する際に開放する。
【0020】
下皿部6の略中央手前側には、球抜き穴を開閉させる排出ノブ6bが設けられている。排出ノブ6bは、下皿部6の周縁部の一部を構成している。排出ノブ6bは、通常時は直立状態であり、上端を回転軸として下端を奥側に倒すように回動可能となっている。球抜き穴は排出ノブ6bに連動しており、排出ノブ6bが直立状態のときには球抜き穴は閉鎖しており、排出ノブ6bを奥側に押すことで球抜き穴は開放する。
【0021】
下皿部6における排出ノブ6bの右側および左側には、第2音声出力部6cが設けられている。第2音声出力部6cは、スピーカ266のうち低音用スピーカ(ウーファ)とダクトを介して接続されており、低音用スピーカからの音声が下方に向かって出力される。
【0022】
下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット10(図3参照)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
【0023】
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。また、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)が装着されている。
【0024】
次に、遊技機1における遊技球の発射について図2〜図6に基づいて説明する。図2は、遊技機1の前面枠4を取り外し、上皿部5を開放した状態を示す正面図、図3は発射装置ユニット10の正面図、図4は発射装置ユニット10の背面図、図5は発射装置ユニット10の平面図である。なお、図2では遊技盤20は取り付けられていない。
【0025】
図2に示すように、中枠3には外側レール22が設けられている。外側レール22は、遊技盤20の内側レール(図示略)とともに、発射装置ユニット10から発射された遊技球を遊技盤20の遊技領域(図示略)に導くものである。発射装置ユニット10から発射された後、遊技領域に到達しない遊技球は、外側レール22上に沿って落下し、外側レール22の途中に設けられたファール口14に入球し、ファール球として回収される。ファール口14に入球した遊技球は、ファール球通路15を介して下皿部6に誘導される。ファール球通路15には、ファール球検出スイッチ222が設けられている。なお、ファール口14およびファール球通路15は、本発明のファール球誘導部の一態様を構成している。
【0026】
図3〜図5に示すように、発射装置ユニット10には、回転軸を中心にして往復移動して遊技球を打撃する槌10a、槌10aの回転を規制するストッパ部10b、10c、槌10aに打撃力を付与するバネ部10d、カム10eが回転軸に固定され、槌10aに連続的に打撃力を発生させる発射モータを内蔵したモータ部10fが設けられている。なお、発射装置ユニット10が本発明の遊技球発射手段に相当している。
【0027】
図4に示すように、発射装置ユニット10には、ハンドル8の回転運動を直線運動に変換してバネ部10dに伝えるピニオン10hとラック10iが設けられている。遊技者による発射ハンドル8の操作量は、ラック10iによりバネ部10dに伝えられる。
【0028】
本実施例の発射装置ユニット10は、弾性体の弾性力により遊技球の発射力を得るように構成されている。バネ部10dには弾性体としてのゼンマイバネが内蔵されている。ゼンマイバネの一端は槌10aの回転軸に接続され、他端はラック10iに接続されている。ラック10iは、直線運動によりゼンマイバネ(渦巻きバネ)のバネ力(反発力)を調整するバネスライダ部を構成している。ゼンマイバネのバネ力は、槌10aの先端を発射位置方向に移動させる方向に働く。槌10aは、遊技球の発射を行っていない定常時には、ゼンマイバネのバネ力によりストッパ部10b、10cに押しつけられている。このとき、槌10aの先端は遊技球直前の発射位置に位置する。槌10aの先端は、図3に示すように発射球カウントスイッチ221の手前に位置している。なお、ストッパ部10b、10cにおける槌10aとの接触部は、弾性部材から構成されている。
【0029】
本実施例では、モータ部10fの発射モータとしてマイクロステップ駆動のステッピングモータを用いている。このようなマイクロステップ駆動のステッピングモータを採用することにより、低振動化を図ることができる。発射モータは、所定周波数の駆動パルス信号により駆動される。
【0030】
また、槌10aの回転軸には、カム10eと接触する係合部(図示せず)が設けられている。発射モータが回転することで、カム10eが槌10aの係合部を押圧し、槌10aがゼンマイバネを圧縮しながら発射位置から離れる方向に引っ張られる。カム10eが所定の発射角度まで回転すると、カム10eと槌10aの係合部との係合が外れ、ゼンマイバネのバネ力により槌10aが振り出される。槌10aは、ストッパ部10b、10cに接触するまで回転する。この結果、槌10aの先端は発射位置にある遊技球を打撃(発射)することができる。
【0031】
このように、発射モータが1回転する毎に遊技球が1球発射される。発射モータが連続して回転することで上記動作を繰り返し、遊技球を連続的に発射することができる。
【0032】
本実施例では、バネ部10dにおけるゼンマイバネは、発射ハンドル8が操作されていない場合のバネ力(バネ力の最低値)が、槌10aで遊技球を打撃したときに、遊技球がファール口14には到達し、かつ、遊技盤の遊技領域に到達しない強度に設定されている。これを発射装置ユニット10の最低発射強度とする。したがって、発射ハンドル8が操作されていない状態で、発射モータが作動した場合には、遊技球は発射装置ユニット10の最低発射強度で発射され、ファール口14に入球する。
【0033】
モータ部10fには、発射モータ回転軸が原点位置(原点角度)にあることを検出するための原点センサ(図示せず)が設けられている。原点センサは、例えば磁気センサを用いることができる。本実施例では、槌10aが振り出される所定の発射角度から所定角度(例えば15〜20°)だけ回転した位置を原点と定めている。
【0034】
また、遊技者が発射ハンドル8の回転量を調整することで、槌10aによる遊技球の打撃力(発射力)を調整することができる。すなわち、遊技者が発射ハンドル8を回転させると、ハンドル軸10gとハンドル軸10gに連結されたピニオン10hを介して、ラック10iが直線運動する。ラック10iはバネ部10dのゼンマイバネに接続されているので、ラック10iの移動量に応じてゼンマイバネのバネ力を変化させることができ、槌10aによる遊技球の発射力を変化させることができる。
【0035】
図6は発射ハンドル8の内部構成を示す説明図であり、(a)は発射ハンドル8が回動していない状態、(b)は発射ハンドル8が回動している状態を示している。
【0036】
図6(a)(b)に示すように、発射ハンドル8の内部にはハンドルスイッチ8cが設けられている。遊技球の発射は、ハンドルスイッチ8cがオン出力の場合に行われる。
【0037】
図6(a)に示す発射ハンドル8が回動していない状態では、発射ハンドル8内に設けられたリブ8dにより発射停止スイッチ8bが押され、発射停止スイッチ8bがハンドルスイッチ8cを押している。これにより、発射ハンドル8が回動していない状態では、ハンドルスイッチ8cはオフ出力となり、遊技球の発射は行われない。
【0038】
図6(b)に示す発射ハンドル8が回動している状態では、発射停止スイッチ8bがリブ8dから解除され、ハンドルスイッチ8cがオン出力となり、遊技球の発射を行うことが可能となる。そして、発射ハンドル8が回動している状態で発射停止スイッチ8bを押すと、ハンドルスイッチ8cがオフ出力となり、遊技球の発射が停止する。
【0039】
次に、発射装置ユニット10への球送りについて説明する。本実施例では、上皿部5に貯留された遊技球を1個ずつ発射装置ユニット10の発射位置に送り込むための球送り装置12として、発射装置ユニット10の槌10aの動きに連動して作動する機械式球送り装置が採用されている。図7は球送り装置12の作動を説明するための図である。
【0040】
上皿部5には、上皿部5の遊技球を球送り装置12に誘導するための発射球誘導レール51が設けられている。発射球誘導レール51における球送り装置12の手前側には、上皿部5の遊技球を下皿部6に誘導(球抜き)するための球抜き通路52が接続されている。発射球誘導レール51と球抜き通路52との接続点には、図示しない球抜き部材が設けられている。球抜き部材は外部から操作可能となっており、球抜き部材を操作することで、上皿部5の遊技球を下皿部6に球抜きすることができる。
【0041】
球送り装置12は、リンク部材12aと球送り部材12bとからなる。リンク部材12aは略L字形状となっており、屈曲部分を中心として所定角度だけ回転可能となっている。槌10aには、リンク部材12aの一辺に接触して槌10aの動きをリンク部材12aに伝える伝達片が設けられている。球送り部材12bは、直線状となっており、中央付近を中心に所定角度だけ回転可能となっている。
球送り部材12bは、一端がリンク部材12aに接触し、他端には上方に向かって延びた円弧形状部が設けられている。
【0042】
槌10aが往復運動することで、リンク部材12aを介して槌10aの動きが球送り部材12bに伝えられ、球送り部材12bの円弧形状部が上下方向に移動する。すなわち、図7(a)に示すように、槌10aの先端が遊技球の発射位置にある場合には、球送り部材12bの円弧形状部が上方向に移動する。このとき、球送り部材12bの円弧形状部は上皿部5から供給された球技球の流れを阻害し、遊技球が所定の待機位置12cで保持される。
【0043】
そして、図7(a)に示すように、槌10aの先端が遊技球が球送り装置12の球送り位置から離れた位置に移動すると、これに連動して球送り部材12bの円弧形状部が下方向に移動し、待機位置12cで保持されていた遊技球が発射装置ユニット10の発射位置に球送りされる。
【0044】
なお、球送り装置12は、図7において発射装置ユニット10より紙面手前側に配置されており、球送り装置12にて球送りされる遊技球は、紙面奥側に位置する発射装置ユニット10の発射位置に送られる。
【0045】
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図8に基づいて説明する。図8は遊技機1の裏機構盤102の正面図である。
【0046】
図8に示すように、裏機構盤102は中枠3における遊技盤20の反対面に設けられており、一対のヒンジ103により中枠3に開閉可能に取り付けられている。裏機構盤102の左上方部には、タンク球切れ検知スイッチ104を底部に備えた賞球タンク105が設けられている。タンク球切れ検知スイッチ104は、賞球タンク105内に遊技球が存在する場合にはオン状態となり、賞球タンク105内に遊技球が存在しない場合にはオフ状態となる。賞球タンク105には、外部の補給装置から供給される払い出し用の遊技球が貯留されている。賞球タンク105の下方には、賞球タンク105と接続したタンクレール106が設けられている。タンクレール106は、賞球タンク105の底部から遊技球払出装置109の上方まで傾斜して形成されている。
【0047】
タンク球切れ検知スイッチ104のオフ状態が所定時間以上検知された場合には、後述する払出制御部230はタンク球切れエラーが発生したと判断し、エラーLED表示部4hをオレンジ色に点灯させ、遊技球払出装置109による賞球停止と貸球停止とを行う。タンク球切れエラーは、タンク球切れ検知スイッチ104のオン状態が所定時間(本例では1秒)以上検知された場合に解除される。なお、タンク球切れに関するエラー信号は、払出制御部230から後述の主制御部200に送信される。
【0048】
タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられている。球抜きレバー107の下流側には、遊技球払出装置109が設けられている。また、タンクレール106の下流側であって、遊技球払出装置109の上方には、タンクレール106を流下してきた遊技球の進行方向を変えて遊技球払出装置109に誘導するためのケースレール(遊技球誘導通路)108が設けられている。ケースレール108内には、タンクレール106の各樋106a、106bに対応して2本の樋(遊技球通路)が平行して形成されている。
【0049】
タンクレール106の下方には、前面側に図柄表示装置31が取り付けられ、背面側にランプインタフェース基板112、図柄制御基板ケース113、音ランプ制御基板ケース114がそれぞれ取り付けられた裏ケース111が設けられている。裏ケース111の下方には主制御基板ケース115が設けられ、主制御基板ケース115の下方には電源基板ケース116が設けられている。これらの基板ケースには、後述の各種制御基板が格納されている。
【0050】
裏機構盤102の右上方部には、大当たり、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、貸球用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた枠用外部端子基板122が設けられている。
【0051】
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図9に基づいて説明する。図9は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【0052】
図9に示すように、電子制御装置は、主制御部(遊技制御部)200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260及び280とを含んで構成されている。副制御部は、賞球制御部(払出制御部)230、音ランプ制御部260及び図柄制御部280から構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺制御基板として払出制御基板230a、音ランプ制御基板260a及び図柄制御基板280aをそれぞれ備えている。また、払出制御部230には、発射制御部250が接続されており、発射制御部250は発射制御基板250aを備えている。
【0053】
主制御部200は、各副制御部230、260及び280に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260及び280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
【0054】
例えば、主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。
【0055】
また、主制御部200から音ランプ制御部260には、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御部200から図柄制御部280には、音ランプ制御部260を介して、本図柄の表示を指示する誘導図柄表示制御コマンド、1〜16の入賞図柄の表示を指示する入賞図柄表示コマンド、すべての図柄表示の消灯を指示する入賞図柄消灯コマンド等の各種図柄制御コマンドが送信される。なお、疑似図柄の表示を指示する表示制御コマンドは、音ランプ制御部260から図柄制御部280に送信される。
【0056】
各制御部200、230、260及び280には、主電源129と接続された電源受電基板128から電源基板127と電源中継基板121とを介して電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が電源基板127および電源中継基板121を介して各制御部200、230、260及び280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
【0057】
図10は、主制御部200の主制御基板200aに設けられたCPU400の構成を示すブロック図である。図10に示すように、CPU400は、CPUコア401、内蔵RAM402(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM403(以下、単にROMともいう)、メモリ制御回路404、クロック発生器405、アドレスデコーダ406、ウォッチドッグタイマ407、カウンタ/タイマ408、パラレル入出力ポート409、リセット/割り込みコントローラ410、外部バスインターフェース411及び出力制御回路412を備えている。
【0058】
CPU400は、ROM403に格納された制御プログラムにより、RAM402をワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU400が主体となって、ROM403に格納された当否判定プログラムにより当否判定を行う当否判定手段を構成している。なお、本実施例の主制御部200の制御周期は4msに設定されている。
【0059】
また、RAM402には、遊技機1で用いられる各種乱数の乱数カウンタが設定されている。本実施例で用いられる乱数には、当否判定用乱数、図柄表示用乱数等がある。当否判定用乱数は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した際に、役物誘導装置を作動させるか否かの判定(当否判定)に用いられる。予め当否判定用の当たり値が設定されており、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したタイミングで取得された当否判定用乱数が、当たり値と一致する場合に当たりと判定される。図柄表示用乱数は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した際に、図柄表示装置31で停止表示される誘導図柄を決定するために用いられる。
【0060】
さらに、RAM402には、発射装置ユニット10に送られた遊技球をカウントするための球送りカウンタと、発射装置ユニット10で発射された遊技球をカウントするための発射カウンタと、入球口に入球した遊技球をカウントするための入球カウンタと、第1役物作動口32に入球し、誘導増加装置作動領域39aまたは排出口40から排出されていない遊技球をカウントする排出球未確認カウンタ、第1役物作動口32に入球した遊技球をカウントする入球数カウンタ、誘導増加装置作動領域39aあるいは排出口40から排出された遊技球をカウントする排出球カウンタ等が設定されている。
【0061】
図9に戻り、主制御部200には、盤用外部端子基板201、16連スイッチ中継基板202、誘導図柄作動ゲートスイッチ204、盤面中継基板210及び遊技枠中継基板220が接続されている。盤用外部端子基板201には、図示しない外部の試験装置を接続するための試験信号端子が複数設けられている。
【0062】
次に、払出制御部230について説明する。図9に示すように、払出制御部230には、枠用外部端子基板122、スイッチ中継端子基板231、CR接続基板234、発射制御部250等が接続されている。スイッチ中継端子基板231には、タンク球切れスイッチ232、下皿満タンスイッチ233が接続されている。タンク球切れスイッチ232は、枠用外部端子基板122にも接続されている。
【0063】
タンク球切れスイッチ232は、賞球タンク105内の遊技球が球切れとなったことを検知するものである。タンク球切れスイッチ232の球切れ信号は、枠用外部端子基板122を介して外部の補給装置に送信され、補給装置から賞球タンク105に遊技球が補給される。下受け皿満タンスイッチ233は、下皿部6の下受け皿が満タン状態になったことを検知するものである。なお、払出制御部230の払出制御基板230aは、上記図10で示した主制御基板200aのCPU400と同様の構成を有するCPUを備えている。本実施例の払出制御部230の制御周期は、主制御部200より短い1msに設定されている。
【0064】
払出制御部230を図11に基づいてさらに説明する。図11は、払出制御部230に対する信号の入出力を示すブロック図である。図11に示すように、払出制御部230には、CR接続基板234を介してプリペイドカードユニット13及びCR表示基板235が接続されている。CR表示基板235には、貸球ボタン236と返却ボタン237が接続されている。CR表示基板235は、CRユニット13との間で貸球やカード残り数等の信号を入出力するための基板である。
【0065】
また、払出制御部230には、払出ユニット中継端子板239を介して払出モータ109f及び払出センサ109j、109kが接続され、状態表示LED中継端子板240を介して賞球表示LED基板241及びエラー表示LED基板242が接続されている。払出センサ109j、109kは、遊技球払出装置109で払い出された遊技球数を計数するものである。遊技球払出装置109で払い出される遊技球には、入賞に対して払い出す賞球と、遊技者に貸し出す貸球とが含まれている。なお、払出センサ109j、109kが本発明の払出数計数手段に相当し、払出制御部230が払出数記憶手段および残り払出数算出手段に相当している。
【0066】
賞球表示LED基板241及びエラー表示LED基板242は、それぞれ賞球表示LED表示部4g及びエラーLED表示部4h(図1参照)に対応している。賞球表示LED基板241のLEDは賞球獲得の際に点灯あるいは点滅し、エラーLED基板242のLEDはエラー発生の際に点灯あるいは点滅する。エラー表示LED基板242は複数種類のLEDを備えており、エラーLED表示部4hは複数種類のエラー報知を行うことができる。本実施例では、エラーLED表示部4hは、エラー報知として赤色とオレンジ色に点灯・点滅可能に構成されている。
【0067】
次に、発射制御部250を図12に基づいて説明する。図12は、発射制御部250に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。図12に示すように、発射制御部250には、発射ハンドル8、原点センサ251、発射モータ252、球送り中継端子板253等が接続されている。発射ハンドル8から発射制御部250には、遊技者が発射ハンドル8を所定量以上回動させたかどうかを示す発射スタートスイッチからの発射スタート信号、遊技者が発射ハンドル8に触れているかどうかを示すタッチスイッチ8aからのタッチ信号等が入力する。
【0068】
原点センサ251は、発射モータ252の回転軸が所定の原点位置(原点角度)にあるかどうかを検知するものである。発射モータ252は、発射位置に送り込まれた遊技球を遊技領域21に打ち込むための槌10aを稼働させるものであり、遊技者が発射ハンドル8を操作することにより作動する。本実施例では、発射モータ252の駆動パルス信号の周波数を固定値とし、発射モータ252の回転周期、すなわち1回転に要する時間を固定値(本例では600ms)としている。なお、原点センサ251が本発明の原点検出手段に相当している。
【0069】
ロジック回路から構成された発射制御手段は、原点センサ251にて原点が検出された場合に、上記球送り許可信号を所定期間(本例では60ms)だけ許可状態(L出力)にするように構成されている。
【0070】
図13は、発射制御部250の回路構成を示している。図13に示すように、本実施例の発射制御部250はロジック回路から構成されており、ウォッチドッグタイマ250b、AND回路250c、クロック250d、分周回路250e、モータ駆動回路250fを備えている。また、発射制御部250には、払出制御部230から発射許可信号が入力し、原点センサ251から原点信号が入力し、発射ハンドル8からタッチ信号が入力する。なお、発射制御部250が本発明の発射制御手段に相当し、ウォッチドッグタイマ250bが本発明のタイマ回路に相当している。
【0071】
ウォッチドッグタイマ250bは、原点信号とタッチ信号を入力とし、AND回路250cに信号を出力する。ウォッチドッグタイマ250bは、原点信号により原点が検出され、かつ、タッチ信号により遊技者のハンドル操作が検出されたときにタイマを作動開始させる。そして、次回原点検出時にタイマがリセットされ再び作動開始する。
【0072】
ウォッチドッグタイマ250bの出力信号は、通常時(タイマ作動中)はHigh出力(オン)であり、タイマで所定時間の経過が検知された場合にLow出力(オフ)となる。ここで、「所定時間」は、原点センサ251による原点検出に何らかの不具合が発生したことを検出するために必要な時間として設定される。原点検出に不具合が発生したことを確実に検出するために、「所定時間」を発射モータ252が一回転に要する時間(本例では600ms)より長く設定することが望ましく、例えば800ms〜2sの間で設定することができる。
【0073】
AND回路250cは、発射許可信号とウォッチドッグタイマ250bからの信号を入力とし、発射モータ252を駆動するモータ駆動回路250fに信号を出力する。クロック回路250dは所定周波数のクロック周波数を出力する。発射許可信号が発射許可を示すLow出力(オン)であり、ウォッチドッグタイマ250bからの信号がHigh出力(オン)である場合には、AND回路250cの出力信号はHigh出力(オン)となる。
【0074】
分周回路250eは、クロック回路250dにて発生した所定のクロック周波数を分周して所望のパルス幅の基準クロック信号を生成し、この基準クロック信号をモータ駆動回路250fに出力する。分周回路250eには、原点信号とタッチ信号とが入力し、原点信号によりリセットされるとともに、タッチ信号により遊技者のハンドル操作が検出されたときにクロック周波数の分周を行う。
【0075】
モータ駆動回路250fは、AND回路250cからの信号がHigh出力(オン)で、かつ、分周回路250eからの基準クロック信号が立ち上がったとき(High出力となったとき)に、発射モータ252に所定周波数のパルス信号を出力する。
【0076】
ここで、上記構成の発射制御部250の作動について図14のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0077】
まず、遊技者が発射ハンドル8を操作することで、タッチセンサ信号がLow出力となる。これにより、発射許可信号が発射許可を示すLow出力となる。そして、原点センサ251にて原点が検出されることで、ウォッチドッグタイマ回路250bの出力信号がHigh出力(オン)となり、タイマが作動開始し、AND回路250cの出力信号がHigh出力となる。
【0078】
そして、モータ駆動回路250fでは、分周回路250eからの基準クロック信号にしたがって所定周波数のパルス信号を発射モータ252に出力する。これにより、発射許可信号がLow出力のときは、発射モータ252が600ms周期で作動する。原点センサ251の原点信号の立ち下がり時に、タッチセンサ信号がHigh出力であれば、発射許可信号が発射禁止を示すHigh出力となり、AND回路250cの出力信号がLow出力となって発射モータ252が停止する。
【0079】
ここで、何らかの原因により原点センサ251による原点検出ができなくなった場合には、ウォッチドッグタイマ回路250bのタイマが所定時間を経過し、ウォッチドッグタイマ回路250bの信号がLow出力(オフ)となる。これにより、AND回路250cの出力がLow出力(オフ)となり、モータ駆動回路250fが停止し、発射モータ252が作動を停止する。このように発射モータ252の原点検出時から作動開始するウォッチドッグタイマ回路250bを設けることで、原点センサ251による原点検出ができなくなった場合にも、発射モータ252を停止するタイミングを得ることができ、遊技者が発射ハンドル8から手を離しても自動的に遊技球の発射を継続することを防止できる。
【0080】
次に、音ランプ制御部260を図15に基づいて説明する。図15は、音ランプ制御部260に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。音ランプ制御部260に設けられた音ランプ制御基板260aには、CPU、ROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素(図示略)とサウンドジェネレータ(図示略)が設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。
【0081】
図15に示すように、音ランプ制御部260には、ランプインタフェース基板261を介して、各種盤面LED基板263、各種遊技枠部LED基板264等が接続されている。ランプインターフェース基板261は、各種ランプ類の駆動回路が設けられており、音ランプ制御基板260aから独立した別基板として構成されている。
【0082】
盤面LED基板263および遊技枠LED基板264には、遊技効果LED基板等が接続されている。これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。
【0083】
さらに、音ランプ制御部260にはアンプ基板265が接続されている。アンプ基板265にはスピーカ266および音量スイッチ基板267が接続されている。スピーカ266からは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。音量スイッチ基板267は、図示しない音量スイッチの操作に従ってスピーカ266の出力音量の設定を行うものである。また、音ランプ制御基板260には、モード切替スイッチ268が設けられている。モード切替スイッチ268はディップスイッチとして構成されており、電源投入時に遊技場従業員が操作する。モード切替スイッチ268により、図柄表示装置31における背景や出現するキャラクタの変更等を行うことができる。
【0084】
次に、図柄制御部280を図16に基づいて説明する。図16は、図柄制御部280に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。図柄制御部280に設けられた図柄制御基板280aには、CPU、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。なお、図柄制御部280は、本発明の図柄制御手段の一具体例を示すものである。
【0085】
図16に示すように、図柄制御部280には、図柄表示装置31を作動させる図柄表示装置基板281とが接続されている。図柄制御部280は、CPUがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして図柄表示装置31の表示制御を行う。また、図柄制御部280には、図示しない外部の試験装置を接続するための図示しない試験信号端子が複数設けられている。これらの試験信号端子は、誘導図柄用として使用されるものであり、図柄変動中信号などの信号を試験装置に送出することができる。
【0086】
以上のように、ロジック回路からなる発射制御部250を用い、原点センサ251による原点検出に基づいて遊技球の発射動作を行う構成において、原点検出により作動開始するウォッチドッグタイマ250bで所定時間経過が検出された場合に発射モータ252の駆動を停止させることで、原点検出ができない場合に発射モータ252の作動を停止させることができる。これにより、本実施例のように槌10a(発射モータ252)の動作に連動する機械式球送り装置12を用いた構成においても、断線やコネクタの不良等の原因で原点検出ができなくなった場合に、遊技球の発射を停止させることができる。
【0087】
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例について説明する。本第2実施例は、上記第1実施例と比較して、球送り装置がソレノイドにより作動するように構成されている点が異なっている。以下、上記第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。
【0088】
本第2実施例の球送り装置12について図17に基づいて説明する。図17(a)〜(c)は球送り装置12の正面図およびA−A断面図を示している。球送り装置12は、上皿部5に貯留された遊技球を発射レール11の発射位置に供給するものである。図17(a)〜(c)に示すように、球送り装置12は球送りソレノイド12aと球送りカム12bとを備えている。球送りカム12bは、球送りソレノイド12aに連動して作動し、上皿部5の遊技球を1個ずつ発射レール11の発射位置に供給するものである。
【0089】
図17(a)は、球送りソレノイド12aがオフとなり、球送りカム12bが上皿部5の遊技球を受け入れ不可能な状態となった場合を示している。この場合、球送りソレノイド12aが消磁することに連動して球送りカム12bが下側(図17(a)中の時計方向)に回動し、上皿部5にある遊技球を受け入れ不能な状態にしている。
【0090】
図17(b)は、球送りソレノイド12aがオンとなり、球送りカム12bが上皿部5の遊技球を受け入れ可能な状態となった場合を示している。この場合、球送りソレノイド12aが励磁することに連動して球送りカム12bが上側(図17(b)中の反時計方向)に回動し、上皿部5にある遊技球を受け入れ可能な状態にしている。遊技球は球送りカム12bの凹部にて一旦停止する。
【0091】
図17(c)は、球送りソレノイド12aが再びオフとなり、球送りカム12bが上皿部5の遊技球を受け入れ不可能な状態となった場合であって、発射レール11に遊技球を供給可能となった場合を示している。この場合、球送りソレノイド12aが消磁することに連動して球送りカム12bが下側(図17(c)中の時計方向)に回動し、上皿部5にある遊技球を受け入れ不能な状態にするとともに、球送りカム12bの凹部に受け入れていた遊技球を発射レール11に供給する。
【0092】
図18は、本第2実施例の発射制御部250に接続された各種遊技装置を示すブロック図であり、上記第1実施例の図12に対応している。図18に示すように、球送りソレノイド12aは、球送り中継端子板253に接続されている。
【0093】
発射制御部250には、球送りソレノイド12aを駆動する球送りソレノイド駆動回路(図示略)が設けられている。球送りソレノイド駆動回路には、主制御部200から球送り許可信号と原点センサ251からの原点信号が入力するようになっている。球送りソレノイド駆動回路は、球送り許可信号が球送り許可状態となっており、かつ、原点が検出されたときに、球送りソレノイド12aを駆動する。
【0094】
ここで、本第2実施例の発射制御部250の作動について図19のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0095】
まず、遊技者が発射ハンドル8を操作することで、タッチセンサ信号がLow出力となる。これにより、発射許可信号が発射許可を示すLow出力となる。そして、原点センサ251にて原点が検出されることで、ウォッチドッグタイマ回路250bの出力信号がHigh出力(オン)となり、タイマが作動開始し、AND回路250cの出力信号がHigh出力となる。
【0096】
そして、モータ駆動回路250fでは、分周回路250eからの基準クロック信号にしたがって所定周波数のパルス信号を発射モータ252に出力する。これにより、発射許可信号がLow出力のときは、発射モータ252が600ms周期で作動する。
【0097】
原点センサ251の原点信号の立ち上がり時に、タッチセンサ信号がLow出力であれば、球送り許可信号が球送り許可を示すLow出力となる。これにより球送りソレノイド12aにより球送りが行われる。球送り許可信号は60msでHigh出力に復帰する。
【0098】
原点センサ251の原点信号の立ち下がり時に、タッチセンサ信号がHigh出力であれば、発射許可信号が発射禁止を示すHigh出力となり、AND回路250cの出力信号がLow出力となって発射モータ252が停止する。
【0099】
本実施例のソレノイド式球送り装置12を用いる構成では、原点センサ251による原点検出ができない場合には、球送りソレノイド12aが作動しないので、遊技球の球送りがされず、遊技球は発射されない。しかしながら、ロジック回路により発射制御部250を構成する場合には、原点検出ができないと発射モータ252が作動し続けることが考えられる。この場合には、遊技者は遊技球がなぜ発射されないかを知ることはできない。
【0100】
これに対し、本実施例のように、ウォッチドッグタイマ250bにより所定時間経過が検出された場合に発射モータ252の駆動を停止させることで、原点検出ができない場合に発射モータ252を停止させることができる。これにより、遊技者は発射モータ252が停止したことを知ることができ、何らかの不具合が発生したことを知ることができる。
【0101】
(他の実施形態)
なお、本発明は、パチンコ遊技機、組合せ式遊技機等はもちろんのこと、発射制御部250がロジック回路で構成され、原点センサ251による発射モータ252の原点検出に基づいて遊技球の発射制御を行う遊技機であれば適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】上記各実施例による遊技機を示す正面図である。
【図2】上記実施例の遊技機の前面枠を取り外し、上皿部を開放した状態を示す正面図である。
【図3】上記実施例の発射装置ユニットの正面図である。
【図4】上記実施例の発射装置ユニットの背面図である。
【図5】上記実施例の発射装置ユニットの平面図である。
【図6】上記実施例の発射ハンドルの内部構成を示す説明図であり、(a)は発射ハンドルが回動していない状態、(b)は発射ハンドルが回動している状態である。
【図7】球送り装置の作動を説明するための説明図である。
【図8】上記各実施例の組合せ式遊技機を示す背面図である。
【図9】上記各実施例の電子制御装置の構成を示すブロック図である。
【図10】上記各実施例の主制御部のCPUの構成を示すブロック図である。
【図11】上記各実施例の払出制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図12】上記第1実施例の発射制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図13】上記第1実施例の発射制御部の回路構成を示す回路図である。
【図14】上記第1実施例の遊技球の発射動作を示すタイミングチャートである。
【図15】上記各実施例の音ランプ制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図16】上記各実施例の図柄制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図17】上記第2実施例の球送り装置の正面図およびA−A断面図である。
【図18】上記第2実施例の発射制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図19】上記第2実施例の遊技球の発射動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0103】
1…遊技機、10…発射装置ユニット、10a…槌、20…遊技盤、200…主制御部、230…払出制御部、250…発射制御部、250b…ウォッチドッグタイマ、252…発射モータ、260…音ランプ制御部、280…図柄制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に関し、特にいわゆるパチンコ遊技機又はアレンジボール遊技機等の弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機には、遊技球を発射モータにより往復移動して遊技球を打撃する槌が設けられており、遊技者が発射ハンドルの回転量を調整することで、槌による遊技球の打撃力(発射力)を調整することができるように構成されている。
【0003】
そして、発射モータの回転軸が所定の原点位置(原点角度)にあるかどうかを検知する原点センサを設け、原点センサによる原点検出に基づいて一連の発射シーケンスを行うことで、正確な発射を行う遊技機が提案されている(特許文献1参照)。この原点検出に基づく発射シーケンスでは、原点検出時に発射ハンドルの操作が検出された場合には発射モータを作動させ、原点検出時に発射ハンドルの操作が検出されなかった場合には発射モータを停止させるように構成されている。
【特許文献1】特開2005−442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、断線やコネクタの不良等により原点センサでの原点検出ができなくなる場合がある。このような場合、遊技球の発射制御をCPUを用いた発射制御回路で行う構成では、原点センサで原点検出ができない場合にソフト処理によってエラーとし、遊技球の発射を停止することができる。しかしながら、遊技球の発射制御をロジック回路を用いた発射制御回路で行う場合には、原点センサにより原点が検出されない場合、発射終了処理を行うことができず、遊技球の発射が終了しないという問題がある。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、ロジック回路からなる発射制御回路を用い、発射モータの原点検出に基づいて遊技球の発射動作を行う遊技機において、原点検出ができない場合に遊技球の発射を停止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、遊技球を所定の遊技領域に発射することが可能な槌と、回転することで槌を作動させることが可能な発射モータと、予め設定された発射モータの原点角度を検出することが可能な原点検出手段と、ロジック回路から構成され、発射モータの動作を制御する発射制御手段とを備え、発射制御手段は、原点検出手段による発射モータの原点角度検出に基づいて作動開始するタイマ回路を有し、タイマ回路にて所定時間経過が検出された場合に、発射モータの作動を停止させるように構成されていることを特徴としている。
【0007】
これにより、ロジック回路を用いた発射制御手段を用い、発射モータの原点検出に基づいて遊技球の発射動作を行う構成において、発射モータの原点が検出できない場合に、確実に遊技球の発射を停止することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明のように、所定時間を発射モータが一回転するのに要する時間より長い時間に設定することで、原点検出手段で原点が検出できないことを確実に把握することができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明では、槌の動きに連動して作動し、槌が遊技球を発射することとなる遊技球発射位置に遊技球を供給する球送り装置を備えることを特徴としている。このような槌の動作に連動して遊技球を発射位置に球送りする機械式の球送り装置を用いる場合には、原点が検出できないと球送りが停止せず、発射モータが停止しない限り遊技球を発射し続けてしまう。このため、発射モータの原点角度検出に基づいて作動開始するタイマ回路で所定時間経過が検出された場合に発射モータの作動を停止させることが特に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(第1実施例)
以下、本発明の実施形態を示す第1実施例について図面を用いて説明する。本発明の第1実施例の遊技機1を図1〜図16に示す。
【0011】
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、本体枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
【0012】
本体枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものであり、遊技機1の外枠を構成している。中枠3はプラスチック製であり、本体枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。
【0013】
下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する遊技球発射装置を構成する発射装置ユニット10(図3参照)、遊技球を発射装置ユニット10に供給する球送り装置12(図7参照)が設けられている。さらに下板部には、図示を省略しているが、発射装置ユニット10に供給される遊技球を検知する球送りカウントスイッチ、発射装置ユニット10から発射される遊技球を検知する発射球カウントスイッチ、発射装置ユニット10から発射された遊技球のうち遊技盤20面に到達しなかった遊技球を検知するファール球検出スイッチが設けられている。さらに、下板部には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるスピーカ266(図示略)が設けられている。なお、本実施例のスピーカ266は、中高音用スピーカ(ツィータ)及び低音用スピーカ(ウーファ)とを含んで構成されている。
【0014】
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。
【0015】
前面枠4には、遊技効果等のためのランプ類として、左LED表示部4b、右LED表示部4c、左上LED表示部4d、右上LED表示部4e、上LED表示部4fが設けられている。左LED表示部4bと右LED表示部4cは、開口部4aの周囲の右側と左側にそれぞれ円弧状に設けられている。左上LED表示部4dは左LED表示部4aの左上方に設けられ、右上LED表示部4eは右LED表示部4cの右上方に設けられている。上LED表示部4fは円形状に形成され、左LED表示部4bの上端部と右LED表示部4cの上端部との間に2個設けられている。これらのLED表示部4b〜4fは、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
【0016】
また、2個の上LED表示部4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。賞球表示LED表示部4gの上方には、扇形のエラーLED表示部4hが設けられている。本実施例のエラーLED表示部4hは、後述のように複数段階のエラー表示が可能に構成されている。エラーLED表示部4hは、重度のエラー発生の場合は赤色に、軽度のエラー発生の場合はオレンジ色に点灯あるいは点滅する。なお、本実施例では、例えば復旧のために前面枠4を開放して作業を行う必要があったり、あるいは部品を交換したりする必要があるような場合を重度のエラーとし、それ以外の場合を軽度のエラーとしている。
【0017】
前面枠4には、図示しないドアスイッチが設けられている。ドアスイッチにて前面枠4が所定時間(本例では1秒)以上開放していることが検知された場合には、後述する払出制御部230は前面枠開放エラーが発生したと判断し、エラーLED表示部4hをオレンジ色に点灯させ、発射装置ユニット10による発射停止を行う。前面枠開放エラーは、ドアスイッチにて前面枠4が所定時間(本例では1秒)以上閉鎖していることが検知された場合に解除される。なお、前面枠4開放に関するエラー信号は、払出制御部230から後述の主制御部200に送信されない。
【0018】
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、球抜きボタンや遊技球の貸球ボタン、返却ボタン等が配設された皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bとを備えている。さらに、上皿部5の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第1音声出力部5cが形成されている。第1音声出力部5cは、スピーカ266のうち中高音用スピーカ(ツィータ)とダクトを介して接続されており、中高音用スピーカからの音声がダクトを介して出力される。上皿部5の裏面には音量スイッチ基板267(図19参照)が設けられている。
【0019】
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の底面には図示しない球抜き穴が設けられている。球抜き穴は通常時には閉鎖しており、下皿部6に貯留された遊技球を排出する際に開放する。
【0020】
下皿部6の略中央手前側には、球抜き穴を開閉させる排出ノブ6bが設けられている。排出ノブ6bは、下皿部6の周縁部の一部を構成している。排出ノブ6bは、通常時は直立状態であり、上端を回転軸として下端を奥側に倒すように回動可能となっている。球抜き穴は排出ノブ6bに連動しており、排出ノブ6bが直立状態のときには球抜き穴は閉鎖しており、排出ノブ6bを奥側に押すことで球抜き穴は開放する。
【0021】
下皿部6における排出ノブ6bの右側および左側には、第2音声出力部6cが設けられている。第2音声出力部6cは、スピーカ266のうち低音用スピーカ(ウーファ)とダクトを介して接続されており、低音用スピーカからの音声が下方に向かって出力される。
【0022】
下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット10(図3参照)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
【0023】
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。また、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)が装着されている。
【0024】
次に、遊技機1における遊技球の発射について図2〜図6に基づいて説明する。図2は、遊技機1の前面枠4を取り外し、上皿部5を開放した状態を示す正面図、図3は発射装置ユニット10の正面図、図4は発射装置ユニット10の背面図、図5は発射装置ユニット10の平面図である。なお、図2では遊技盤20は取り付けられていない。
【0025】
図2に示すように、中枠3には外側レール22が設けられている。外側レール22は、遊技盤20の内側レール(図示略)とともに、発射装置ユニット10から発射された遊技球を遊技盤20の遊技領域(図示略)に導くものである。発射装置ユニット10から発射された後、遊技領域に到達しない遊技球は、外側レール22上に沿って落下し、外側レール22の途中に設けられたファール口14に入球し、ファール球として回収される。ファール口14に入球した遊技球は、ファール球通路15を介して下皿部6に誘導される。ファール球通路15には、ファール球検出スイッチ222が設けられている。なお、ファール口14およびファール球通路15は、本発明のファール球誘導部の一態様を構成している。
【0026】
図3〜図5に示すように、発射装置ユニット10には、回転軸を中心にして往復移動して遊技球を打撃する槌10a、槌10aの回転を規制するストッパ部10b、10c、槌10aに打撃力を付与するバネ部10d、カム10eが回転軸に固定され、槌10aに連続的に打撃力を発生させる発射モータを内蔵したモータ部10fが設けられている。なお、発射装置ユニット10が本発明の遊技球発射手段に相当している。
【0027】
図4に示すように、発射装置ユニット10には、ハンドル8の回転運動を直線運動に変換してバネ部10dに伝えるピニオン10hとラック10iが設けられている。遊技者による発射ハンドル8の操作量は、ラック10iによりバネ部10dに伝えられる。
【0028】
本実施例の発射装置ユニット10は、弾性体の弾性力により遊技球の発射力を得るように構成されている。バネ部10dには弾性体としてのゼンマイバネが内蔵されている。ゼンマイバネの一端は槌10aの回転軸に接続され、他端はラック10iに接続されている。ラック10iは、直線運動によりゼンマイバネ(渦巻きバネ)のバネ力(反発力)を調整するバネスライダ部を構成している。ゼンマイバネのバネ力は、槌10aの先端を発射位置方向に移動させる方向に働く。槌10aは、遊技球の発射を行っていない定常時には、ゼンマイバネのバネ力によりストッパ部10b、10cに押しつけられている。このとき、槌10aの先端は遊技球直前の発射位置に位置する。槌10aの先端は、図3に示すように発射球カウントスイッチ221の手前に位置している。なお、ストッパ部10b、10cにおける槌10aとの接触部は、弾性部材から構成されている。
【0029】
本実施例では、モータ部10fの発射モータとしてマイクロステップ駆動のステッピングモータを用いている。このようなマイクロステップ駆動のステッピングモータを採用することにより、低振動化を図ることができる。発射モータは、所定周波数の駆動パルス信号により駆動される。
【0030】
また、槌10aの回転軸には、カム10eと接触する係合部(図示せず)が設けられている。発射モータが回転することで、カム10eが槌10aの係合部を押圧し、槌10aがゼンマイバネを圧縮しながら発射位置から離れる方向に引っ張られる。カム10eが所定の発射角度まで回転すると、カム10eと槌10aの係合部との係合が外れ、ゼンマイバネのバネ力により槌10aが振り出される。槌10aは、ストッパ部10b、10cに接触するまで回転する。この結果、槌10aの先端は発射位置にある遊技球を打撃(発射)することができる。
【0031】
このように、発射モータが1回転する毎に遊技球が1球発射される。発射モータが連続して回転することで上記動作を繰り返し、遊技球を連続的に発射することができる。
【0032】
本実施例では、バネ部10dにおけるゼンマイバネは、発射ハンドル8が操作されていない場合のバネ力(バネ力の最低値)が、槌10aで遊技球を打撃したときに、遊技球がファール口14には到達し、かつ、遊技盤の遊技領域に到達しない強度に設定されている。これを発射装置ユニット10の最低発射強度とする。したがって、発射ハンドル8が操作されていない状態で、発射モータが作動した場合には、遊技球は発射装置ユニット10の最低発射強度で発射され、ファール口14に入球する。
【0033】
モータ部10fには、発射モータ回転軸が原点位置(原点角度)にあることを検出するための原点センサ(図示せず)が設けられている。原点センサは、例えば磁気センサを用いることができる。本実施例では、槌10aが振り出される所定の発射角度から所定角度(例えば15〜20°)だけ回転した位置を原点と定めている。
【0034】
また、遊技者が発射ハンドル8の回転量を調整することで、槌10aによる遊技球の打撃力(発射力)を調整することができる。すなわち、遊技者が発射ハンドル8を回転させると、ハンドル軸10gとハンドル軸10gに連結されたピニオン10hを介して、ラック10iが直線運動する。ラック10iはバネ部10dのゼンマイバネに接続されているので、ラック10iの移動量に応じてゼンマイバネのバネ力を変化させることができ、槌10aによる遊技球の発射力を変化させることができる。
【0035】
図6は発射ハンドル8の内部構成を示す説明図であり、(a)は発射ハンドル8が回動していない状態、(b)は発射ハンドル8が回動している状態を示している。
【0036】
図6(a)(b)に示すように、発射ハンドル8の内部にはハンドルスイッチ8cが設けられている。遊技球の発射は、ハンドルスイッチ8cがオン出力の場合に行われる。
【0037】
図6(a)に示す発射ハンドル8が回動していない状態では、発射ハンドル8内に設けられたリブ8dにより発射停止スイッチ8bが押され、発射停止スイッチ8bがハンドルスイッチ8cを押している。これにより、発射ハンドル8が回動していない状態では、ハンドルスイッチ8cはオフ出力となり、遊技球の発射は行われない。
【0038】
図6(b)に示す発射ハンドル8が回動している状態では、発射停止スイッチ8bがリブ8dから解除され、ハンドルスイッチ8cがオン出力となり、遊技球の発射を行うことが可能となる。そして、発射ハンドル8が回動している状態で発射停止スイッチ8bを押すと、ハンドルスイッチ8cがオフ出力となり、遊技球の発射が停止する。
【0039】
次に、発射装置ユニット10への球送りについて説明する。本実施例では、上皿部5に貯留された遊技球を1個ずつ発射装置ユニット10の発射位置に送り込むための球送り装置12として、発射装置ユニット10の槌10aの動きに連動して作動する機械式球送り装置が採用されている。図7は球送り装置12の作動を説明するための図である。
【0040】
上皿部5には、上皿部5の遊技球を球送り装置12に誘導するための発射球誘導レール51が設けられている。発射球誘導レール51における球送り装置12の手前側には、上皿部5の遊技球を下皿部6に誘導(球抜き)するための球抜き通路52が接続されている。発射球誘導レール51と球抜き通路52との接続点には、図示しない球抜き部材が設けられている。球抜き部材は外部から操作可能となっており、球抜き部材を操作することで、上皿部5の遊技球を下皿部6に球抜きすることができる。
【0041】
球送り装置12は、リンク部材12aと球送り部材12bとからなる。リンク部材12aは略L字形状となっており、屈曲部分を中心として所定角度だけ回転可能となっている。槌10aには、リンク部材12aの一辺に接触して槌10aの動きをリンク部材12aに伝える伝達片が設けられている。球送り部材12bは、直線状となっており、中央付近を中心に所定角度だけ回転可能となっている。
球送り部材12bは、一端がリンク部材12aに接触し、他端には上方に向かって延びた円弧形状部が設けられている。
【0042】
槌10aが往復運動することで、リンク部材12aを介して槌10aの動きが球送り部材12bに伝えられ、球送り部材12bの円弧形状部が上下方向に移動する。すなわち、図7(a)に示すように、槌10aの先端が遊技球の発射位置にある場合には、球送り部材12bの円弧形状部が上方向に移動する。このとき、球送り部材12bの円弧形状部は上皿部5から供給された球技球の流れを阻害し、遊技球が所定の待機位置12cで保持される。
【0043】
そして、図7(a)に示すように、槌10aの先端が遊技球が球送り装置12の球送り位置から離れた位置に移動すると、これに連動して球送り部材12bの円弧形状部が下方向に移動し、待機位置12cで保持されていた遊技球が発射装置ユニット10の発射位置に球送りされる。
【0044】
なお、球送り装置12は、図7において発射装置ユニット10より紙面手前側に配置されており、球送り装置12にて球送りされる遊技球は、紙面奥側に位置する発射装置ユニット10の発射位置に送られる。
【0045】
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図8に基づいて説明する。図8は遊技機1の裏機構盤102の正面図である。
【0046】
図8に示すように、裏機構盤102は中枠3における遊技盤20の反対面に設けられており、一対のヒンジ103により中枠3に開閉可能に取り付けられている。裏機構盤102の左上方部には、タンク球切れ検知スイッチ104を底部に備えた賞球タンク105が設けられている。タンク球切れ検知スイッチ104は、賞球タンク105内に遊技球が存在する場合にはオン状態となり、賞球タンク105内に遊技球が存在しない場合にはオフ状態となる。賞球タンク105には、外部の補給装置から供給される払い出し用の遊技球が貯留されている。賞球タンク105の下方には、賞球タンク105と接続したタンクレール106が設けられている。タンクレール106は、賞球タンク105の底部から遊技球払出装置109の上方まで傾斜して形成されている。
【0047】
タンク球切れ検知スイッチ104のオフ状態が所定時間以上検知された場合には、後述する払出制御部230はタンク球切れエラーが発生したと判断し、エラーLED表示部4hをオレンジ色に点灯させ、遊技球払出装置109による賞球停止と貸球停止とを行う。タンク球切れエラーは、タンク球切れ検知スイッチ104のオン状態が所定時間(本例では1秒)以上検知された場合に解除される。なお、タンク球切れに関するエラー信号は、払出制御部230から後述の主制御部200に送信される。
【0048】
タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられている。球抜きレバー107の下流側には、遊技球払出装置109が設けられている。また、タンクレール106の下流側であって、遊技球払出装置109の上方には、タンクレール106を流下してきた遊技球の進行方向を変えて遊技球払出装置109に誘導するためのケースレール(遊技球誘導通路)108が設けられている。ケースレール108内には、タンクレール106の各樋106a、106bに対応して2本の樋(遊技球通路)が平行して形成されている。
【0049】
タンクレール106の下方には、前面側に図柄表示装置31が取り付けられ、背面側にランプインタフェース基板112、図柄制御基板ケース113、音ランプ制御基板ケース114がそれぞれ取り付けられた裏ケース111が設けられている。裏ケース111の下方には主制御基板ケース115が設けられ、主制御基板ケース115の下方には電源基板ケース116が設けられている。これらの基板ケースには、後述の各種制御基板が格納されている。
【0050】
裏機構盤102の右上方部には、大当たり、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、貸球用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた枠用外部端子基板122が設けられている。
【0051】
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図9に基づいて説明する。図9は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【0052】
図9に示すように、電子制御装置は、主制御部(遊技制御部)200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260及び280とを含んで構成されている。副制御部は、賞球制御部(払出制御部)230、音ランプ制御部260及び図柄制御部280から構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺制御基板として払出制御基板230a、音ランプ制御基板260a及び図柄制御基板280aをそれぞれ備えている。また、払出制御部230には、発射制御部250が接続されており、発射制御部250は発射制御基板250aを備えている。
【0053】
主制御部200は、各副制御部230、260及び280に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260及び280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
【0054】
例えば、主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。
【0055】
また、主制御部200から音ランプ制御部260には、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御部200から図柄制御部280には、音ランプ制御部260を介して、本図柄の表示を指示する誘導図柄表示制御コマンド、1〜16の入賞図柄の表示を指示する入賞図柄表示コマンド、すべての図柄表示の消灯を指示する入賞図柄消灯コマンド等の各種図柄制御コマンドが送信される。なお、疑似図柄の表示を指示する表示制御コマンドは、音ランプ制御部260から図柄制御部280に送信される。
【0056】
各制御部200、230、260及び280には、主電源129と接続された電源受電基板128から電源基板127と電源中継基板121とを介して電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が電源基板127および電源中継基板121を介して各制御部200、230、260及び280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
【0057】
図10は、主制御部200の主制御基板200aに設けられたCPU400の構成を示すブロック図である。図10に示すように、CPU400は、CPUコア401、内蔵RAM402(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM403(以下、単にROMともいう)、メモリ制御回路404、クロック発生器405、アドレスデコーダ406、ウォッチドッグタイマ407、カウンタ/タイマ408、パラレル入出力ポート409、リセット/割り込みコントローラ410、外部バスインターフェース411及び出力制御回路412を備えている。
【0058】
CPU400は、ROM403に格納された制御プログラムにより、RAM402をワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU400が主体となって、ROM403に格納された当否判定プログラムにより当否判定を行う当否判定手段を構成している。なお、本実施例の主制御部200の制御周期は4msに設定されている。
【0059】
また、RAM402には、遊技機1で用いられる各種乱数の乱数カウンタが設定されている。本実施例で用いられる乱数には、当否判定用乱数、図柄表示用乱数等がある。当否判定用乱数は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した際に、役物誘導装置を作動させるか否かの判定(当否判定)に用いられる。予め当否判定用の当たり値が設定されており、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したタイミングで取得された当否判定用乱数が、当たり値と一致する場合に当たりと判定される。図柄表示用乱数は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した際に、図柄表示装置31で停止表示される誘導図柄を決定するために用いられる。
【0060】
さらに、RAM402には、発射装置ユニット10に送られた遊技球をカウントするための球送りカウンタと、発射装置ユニット10で発射された遊技球をカウントするための発射カウンタと、入球口に入球した遊技球をカウントするための入球カウンタと、第1役物作動口32に入球し、誘導増加装置作動領域39aまたは排出口40から排出されていない遊技球をカウントする排出球未確認カウンタ、第1役物作動口32に入球した遊技球をカウントする入球数カウンタ、誘導増加装置作動領域39aあるいは排出口40から排出された遊技球をカウントする排出球カウンタ等が設定されている。
【0061】
図9に戻り、主制御部200には、盤用外部端子基板201、16連スイッチ中継基板202、誘導図柄作動ゲートスイッチ204、盤面中継基板210及び遊技枠中継基板220が接続されている。盤用外部端子基板201には、図示しない外部の試験装置を接続するための試験信号端子が複数設けられている。
【0062】
次に、払出制御部230について説明する。図9に示すように、払出制御部230には、枠用外部端子基板122、スイッチ中継端子基板231、CR接続基板234、発射制御部250等が接続されている。スイッチ中継端子基板231には、タンク球切れスイッチ232、下皿満タンスイッチ233が接続されている。タンク球切れスイッチ232は、枠用外部端子基板122にも接続されている。
【0063】
タンク球切れスイッチ232は、賞球タンク105内の遊技球が球切れとなったことを検知するものである。タンク球切れスイッチ232の球切れ信号は、枠用外部端子基板122を介して外部の補給装置に送信され、補給装置から賞球タンク105に遊技球が補給される。下受け皿満タンスイッチ233は、下皿部6の下受け皿が満タン状態になったことを検知するものである。なお、払出制御部230の払出制御基板230aは、上記図10で示した主制御基板200aのCPU400と同様の構成を有するCPUを備えている。本実施例の払出制御部230の制御周期は、主制御部200より短い1msに設定されている。
【0064】
払出制御部230を図11に基づいてさらに説明する。図11は、払出制御部230に対する信号の入出力を示すブロック図である。図11に示すように、払出制御部230には、CR接続基板234を介してプリペイドカードユニット13及びCR表示基板235が接続されている。CR表示基板235には、貸球ボタン236と返却ボタン237が接続されている。CR表示基板235は、CRユニット13との間で貸球やカード残り数等の信号を入出力するための基板である。
【0065】
また、払出制御部230には、払出ユニット中継端子板239を介して払出モータ109f及び払出センサ109j、109kが接続され、状態表示LED中継端子板240を介して賞球表示LED基板241及びエラー表示LED基板242が接続されている。払出センサ109j、109kは、遊技球払出装置109で払い出された遊技球数を計数するものである。遊技球払出装置109で払い出される遊技球には、入賞に対して払い出す賞球と、遊技者に貸し出す貸球とが含まれている。なお、払出センサ109j、109kが本発明の払出数計数手段に相当し、払出制御部230が払出数記憶手段および残り払出数算出手段に相当している。
【0066】
賞球表示LED基板241及びエラー表示LED基板242は、それぞれ賞球表示LED表示部4g及びエラーLED表示部4h(図1参照)に対応している。賞球表示LED基板241のLEDは賞球獲得の際に点灯あるいは点滅し、エラーLED基板242のLEDはエラー発生の際に点灯あるいは点滅する。エラー表示LED基板242は複数種類のLEDを備えており、エラーLED表示部4hは複数種類のエラー報知を行うことができる。本実施例では、エラーLED表示部4hは、エラー報知として赤色とオレンジ色に点灯・点滅可能に構成されている。
【0067】
次に、発射制御部250を図12に基づいて説明する。図12は、発射制御部250に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。図12に示すように、発射制御部250には、発射ハンドル8、原点センサ251、発射モータ252、球送り中継端子板253等が接続されている。発射ハンドル8から発射制御部250には、遊技者が発射ハンドル8を所定量以上回動させたかどうかを示す発射スタートスイッチからの発射スタート信号、遊技者が発射ハンドル8に触れているかどうかを示すタッチスイッチ8aからのタッチ信号等が入力する。
【0068】
原点センサ251は、発射モータ252の回転軸が所定の原点位置(原点角度)にあるかどうかを検知するものである。発射モータ252は、発射位置に送り込まれた遊技球を遊技領域21に打ち込むための槌10aを稼働させるものであり、遊技者が発射ハンドル8を操作することにより作動する。本実施例では、発射モータ252の駆動パルス信号の周波数を固定値とし、発射モータ252の回転周期、すなわち1回転に要する時間を固定値(本例では600ms)としている。なお、原点センサ251が本発明の原点検出手段に相当している。
【0069】
ロジック回路から構成された発射制御手段は、原点センサ251にて原点が検出された場合に、上記球送り許可信号を所定期間(本例では60ms)だけ許可状態(L出力)にするように構成されている。
【0070】
図13は、発射制御部250の回路構成を示している。図13に示すように、本実施例の発射制御部250はロジック回路から構成されており、ウォッチドッグタイマ250b、AND回路250c、クロック250d、分周回路250e、モータ駆動回路250fを備えている。また、発射制御部250には、払出制御部230から発射許可信号が入力し、原点センサ251から原点信号が入力し、発射ハンドル8からタッチ信号が入力する。なお、発射制御部250が本発明の発射制御手段に相当し、ウォッチドッグタイマ250bが本発明のタイマ回路に相当している。
【0071】
ウォッチドッグタイマ250bは、原点信号とタッチ信号を入力とし、AND回路250cに信号を出力する。ウォッチドッグタイマ250bは、原点信号により原点が検出され、かつ、タッチ信号により遊技者のハンドル操作が検出されたときにタイマを作動開始させる。そして、次回原点検出時にタイマがリセットされ再び作動開始する。
【0072】
ウォッチドッグタイマ250bの出力信号は、通常時(タイマ作動中)はHigh出力(オン)であり、タイマで所定時間の経過が検知された場合にLow出力(オフ)となる。ここで、「所定時間」は、原点センサ251による原点検出に何らかの不具合が発生したことを検出するために必要な時間として設定される。原点検出に不具合が発生したことを確実に検出するために、「所定時間」を発射モータ252が一回転に要する時間(本例では600ms)より長く設定することが望ましく、例えば800ms〜2sの間で設定することができる。
【0073】
AND回路250cは、発射許可信号とウォッチドッグタイマ250bからの信号を入力とし、発射モータ252を駆動するモータ駆動回路250fに信号を出力する。クロック回路250dは所定周波数のクロック周波数を出力する。発射許可信号が発射許可を示すLow出力(オン)であり、ウォッチドッグタイマ250bからの信号がHigh出力(オン)である場合には、AND回路250cの出力信号はHigh出力(オン)となる。
【0074】
分周回路250eは、クロック回路250dにて発生した所定のクロック周波数を分周して所望のパルス幅の基準クロック信号を生成し、この基準クロック信号をモータ駆動回路250fに出力する。分周回路250eには、原点信号とタッチ信号とが入力し、原点信号によりリセットされるとともに、タッチ信号により遊技者のハンドル操作が検出されたときにクロック周波数の分周を行う。
【0075】
モータ駆動回路250fは、AND回路250cからの信号がHigh出力(オン)で、かつ、分周回路250eからの基準クロック信号が立ち上がったとき(High出力となったとき)に、発射モータ252に所定周波数のパルス信号を出力する。
【0076】
ここで、上記構成の発射制御部250の作動について図14のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0077】
まず、遊技者が発射ハンドル8を操作することで、タッチセンサ信号がLow出力となる。これにより、発射許可信号が発射許可を示すLow出力となる。そして、原点センサ251にて原点が検出されることで、ウォッチドッグタイマ回路250bの出力信号がHigh出力(オン)となり、タイマが作動開始し、AND回路250cの出力信号がHigh出力となる。
【0078】
そして、モータ駆動回路250fでは、分周回路250eからの基準クロック信号にしたがって所定周波数のパルス信号を発射モータ252に出力する。これにより、発射許可信号がLow出力のときは、発射モータ252が600ms周期で作動する。原点センサ251の原点信号の立ち下がり時に、タッチセンサ信号がHigh出力であれば、発射許可信号が発射禁止を示すHigh出力となり、AND回路250cの出力信号がLow出力となって発射モータ252が停止する。
【0079】
ここで、何らかの原因により原点センサ251による原点検出ができなくなった場合には、ウォッチドッグタイマ回路250bのタイマが所定時間を経過し、ウォッチドッグタイマ回路250bの信号がLow出力(オフ)となる。これにより、AND回路250cの出力がLow出力(オフ)となり、モータ駆動回路250fが停止し、発射モータ252が作動を停止する。このように発射モータ252の原点検出時から作動開始するウォッチドッグタイマ回路250bを設けることで、原点センサ251による原点検出ができなくなった場合にも、発射モータ252を停止するタイミングを得ることができ、遊技者が発射ハンドル8から手を離しても自動的に遊技球の発射を継続することを防止できる。
【0080】
次に、音ランプ制御部260を図15に基づいて説明する。図15は、音ランプ制御部260に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。音ランプ制御部260に設けられた音ランプ制御基板260aには、CPU、ROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素(図示略)とサウンドジェネレータ(図示略)が設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。
【0081】
図15に示すように、音ランプ制御部260には、ランプインタフェース基板261を介して、各種盤面LED基板263、各種遊技枠部LED基板264等が接続されている。ランプインターフェース基板261は、各種ランプ類の駆動回路が設けられており、音ランプ制御基板260aから独立した別基板として構成されている。
【0082】
盤面LED基板263および遊技枠LED基板264には、遊技効果LED基板等が接続されている。これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。
【0083】
さらに、音ランプ制御部260にはアンプ基板265が接続されている。アンプ基板265にはスピーカ266および音量スイッチ基板267が接続されている。スピーカ266からは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。音量スイッチ基板267は、図示しない音量スイッチの操作に従ってスピーカ266の出力音量の設定を行うものである。また、音ランプ制御基板260には、モード切替スイッチ268が設けられている。モード切替スイッチ268はディップスイッチとして構成されており、電源投入時に遊技場従業員が操作する。モード切替スイッチ268により、図柄表示装置31における背景や出現するキャラクタの変更等を行うことができる。
【0084】
次に、図柄制御部280を図16に基づいて説明する。図16は、図柄制御部280に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。図柄制御部280に設けられた図柄制御基板280aには、CPU、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。なお、図柄制御部280は、本発明の図柄制御手段の一具体例を示すものである。
【0085】
図16に示すように、図柄制御部280には、図柄表示装置31を作動させる図柄表示装置基板281とが接続されている。図柄制御部280は、CPUがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして図柄表示装置31の表示制御を行う。また、図柄制御部280には、図示しない外部の試験装置を接続するための図示しない試験信号端子が複数設けられている。これらの試験信号端子は、誘導図柄用として使用されるものであり、図柄変動中信号などの信号を試験装置に送出することができる。
【0086】
以上のように、ロジック回路からなる発射制御部250を用い、原点センサ251による原点検出に基づいて遊技球の発射動作を行う構成において、原点検出により作動開始するウォッチドッグタイマ250bで所定時間経過が検出された場合に発射モータ252の駆動を停止させることで、原点検出ができない場合に発射モータ252の作動を停止させることができる。これにより、本実施例のように槌10a(発射モータ252)の動作に連動する機械式球送り装置12を用いた構成においても、断線やコネクタの不良等の原因で原点検出ができなくなった場合に、遊技球の発射を停止させることができる。
【0087】
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例について説明する。本第2実施例は、上記第1実施例と比較して、球送り装置がソレノイドにより作動するように構成されている点が異なっている。以下、上記第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。
【0088】
本第2実施例の球送り装置12について図17に基づいて説明する。図17(a)〜(c)は球送り装置12の正面図およびA−A断面図を示している。球送り装置12は、上皿部5に貯留された遊技球を発射レール11の発射位置に供給するものである。図17(a)〜(c)に示すように、球送り装置12は球送りソレノイド12aと球送りカム12bとを備えている。球送りカム12bは、球送りソレノイド12aに連動して作動し、上皿部5の遊技球を1個ずつ発射レール11の発射位置に供給するものである。
【0089】
図17(a)は、球送りソレノイド12aがオフとなり、球送りカム12bが上皿部5の遊技球を受け入れ不可能な状態となった場合を示している。この場合、球送りソレノイド12aが消磁することに連動して球送りカム12bが下側(図17(a)中の時計方向)に回動し、上皿部5にある遊技球を受け入れ不能な状態にしている。
【0090】
図17(b)は、球送りソレノイド12aがオンとなり、球送りカム12bが上皿部5の遊技球を受け入れ可能な状態となった場合を示している。この場合、球送りソレノイド12aが励磁することに連動して球送りカム12bが上側(図17(b)中の反時計方向)に回動し、上皿部5にある遊技球を受け入れ可能な状態にしている。遊技球は球送りカム12bの凹部にて一旦停止する。
【0091】
図17(c)は、球送りソレノイド12aが再びオフとなり、球送りカム12bが上皿部5の遊技球を受け入れ不可能な状態となった場合であって、発射レール11に遊技球を供給可能となった場合を示している。この場合、球送りソレノイド12aが消磁することに連動して球送りカム12bが下側(図17(c)中の時計方向)に回動し、上皿部5にある遊技球を受け入れ不能な状態にするとともに、球送りカム12bの凹部に受け入れていた遊技球を発射レール11に供給する。
【0092】
図18は、本第2実施例の発射制御部250に接続された各種遊技装置を示すブロック図であり、上記第1実施例の図12に対応している。図18に示すように、球送りソレノイド12aは、球送り中継端子板253に接続されている。
【0093】
発射制御部250には、球送りソレノイド12aを駆動する球送りソレノイド駆動回路(図示略)が設けられている。球送りソレノイド駆動回路には、主制御部200から球送り許可信号と原点センサ251からの原点信号が入力するようになっている。球送りソレノイド駆動回路は、球送り許可信号が球送り許可状態となっており、かつ、原点が検出されたときに、球送りソレノイド12aを駆動する。
【0094】
ここで、本第2実施例の発射制御部250の作動について図19のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0095】
まず、遊技者が発射ハンドル8を操作することで、タッチセンサ信号がLow出力となる。これにより、発射許可信号が発射許可を示すLow出力となる。そして、原点センサ251にて原点が検出されることで、ウォッチドッグタイマ回路250bの出力信号がHigh出力(オン)となり、タイマが作動開始し、AND回路250cの出力信号がHigh出力となる。
【0096】
そして、モータ駆動回路250fでは、分周回路250eからの基準クロック信号にしたがって所定周波数のパルス信号を発射モータ252に出力する。これにより、発射許可信号がLow出力のときは、発射モータ252が600ms周期で作動する。
【0097】
原点センサ251の原点信号の立ち上がり時に、タッチセンサ信号がLow出力であれば、球送り許可信号が球送り許可を示すLow出力となる。これにより球送りソレノイド12aにより球送りが行われる。球送り許可信号は60msでHigh出力に復帰する。
【0098】
原点センサ251の原点信号の立ち下がり時に、タッチセンサ信号がHigh出力であれば、発射許可信号が発射禁止を示すHigh出力となり、AND回路250cの出力信号がLow出力となって発射モータ252が停止する。
【0099】
本実施例のソレノイド式球送り装置12を用いる構成では、原点センサ251による原点検出ができない場合には、球送りソレノイド12aが作動しないので、遊技球の球送りがされず、遊技球は発射されない。しかしながら、ロジック回路により発射制御部250を構成する場合には、原点検出ができないと発射モータ252が作動し続けることが考えられる。この場合には、遊技者は遊技球がなぜ発射されないかを知ることはできない。
【0100】
これに対し、本実施例のように、ウォッチドッグタイマ250bにより所定時間経過が検出された場合に発射モータ252の駆動を停止させることで、原点検出ができない場合に発射モータ252を停止させることができる。これにより、遊技者は発射モータ252が停止したことを知ることができ、何らかの不具合が発生したことを知ることができる。
【0101】
(他の実施形態)
なお、本発明は、パチンコ遊技機、組合せ式遊技機等はもちろんのこと、発射制御部250がロジック回路で構成され、原点センサ251による発射モータ252の原点検出に基づいて遊技球の発射制御を行う遊技機であれば適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】上記各実施例による遊技機を示す正面図である。
【図2】上記実施例の遊技機の前面枠を取り外し、上皿部を開放した状態を示す正面図である。
【図3】上記実施例の発射装置ユニットの正面図である。
【図4】上記実施例の発射装置ユニットの背面図である。
【図5】上記実施例の発射装置ユニットの平面図である。
【図6】上記実施例の発射ハンドルの内部構成を示す説明図であり、(a)は発射ハンドルが回動していない状態、(b)は発射ハンドルが回動している状態である。
【図7】球送り装置の作動を説明するための説明図である。
【図8】上記各実施例の組合せ式遊技機を示す背面図である。
【図9】上記各実施例の電子制御装置の構成を示すブロック図である。
【図10】上記各実施例の主制御部のCPUの構成を示すブロック図である。
【図11】上記各実施例の払出制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図12】上記第1実施例の発射制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図13】上記第1実施例の発射制御部の回路構成を示す回路図である。
【図14】上記第1実施例の遊技球の発射動作を示すタイミングチャートである。
【図15】上記各実施例の音ランプ制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図16】上記各実施例の図柄制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図17】上記第2実施例の球送り装置の正面図およびA−A断面図である。
【図18】上記第2実施例の発射制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図19】上記第2実施例の遊技球の発射動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0103】
1…遊技機、10…発射装置ユニット、10a…槌、20…遊技盤、200…主制御部、230…払出制御部、250…発射制御部、250b…ウォッチドッグタイマ、252…発射モータ、260…音ランプ制御部、280…図柄制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を所定の遊技領域に発射することが可能な槌と、
回転することで前記槌を作動させることが可能な発射モータと、
予め設定された前記発射モータの原点角度を検出することが可能な原点検出手段と、
ロジック回路から構成され、前記発射モータの動作を制御する発射制御手段とを備え、
前記発射制御手段は、前記原点検出手段による前記発射モータの原点角度検出に基づいて作動開始するタイマ回路を有し、前記タイマ回路にて前記原点角度検出時から所定時間経過した場合に、前記発射モータの作動を停止させるように構成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記所定時間は、前記発射モータが一回転するのに要する時間より長い時間に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記槌の動きに連動して作動し、前記槌が遊技球を発射することとなる遊技球発射位置に遊技球を供給する球送り装置を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項1】
遊技球を所定の遊技領域に発射することが可能な槌と、
回転することで前記槌を作動させることが可能な発射モータと、
予め設定された前記発射モータの原点角度を検出することが可能な原点検出手段と、
ロジック回路から構成され、前記発射モータの動作を制御する発射制御手段とを備え、
前記発射制御手段は、前記原点検出手段による前記発射モータの原点角度検出に基づいて作動開始するタイマ回路を有し、前記タイマ回路にて前記原点角度検出時から所定時間経過した場合に、前記発射モータの作動を停止させるように構成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記所定時間は、前記発射モータが一回転するのに要する時間より長い時間に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記槌の動きに連動して作動し、前記槌が遊技球を発射することとなる遊技球発射位置に遊技球を供給する球送り装置を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2006−230901(P2006−230901A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−53365(P2005−53365)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】
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