説明

遊技機

【課題】複数種類の制御手段に対して指令情報を出力する遊技制御手段の制御負担を軽減する。
【解決手段】遊技制御手段は、複数種類の制御手段(スピーカを制御する音声制御手段とランプを制御するランプ制御手段と可変表示装置を制御する可変表示装制御手段)の各々に1つの制御内容を指令する場合には、前記複数種類の制御手段の各々が読取可能な態様で前記指令情報(コマンド)を4ms間だけ出力する制御を1回のみ行なう。前記複数種類の制御手段は、その4msにおいて500μs間隔で3回、指令情報を読出してすべてが同一である場合に、その指令情報に応じた制御を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばパチンコ遊技機やコイン遊技機などで代表される遊技機に関し、詳しくは、遊技の演出効果を高めるために用いられる複数種類の遊技部品が設けられ、該複数種類の遊技部品のうちの一つである可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機の一例となるパチンコ遊技機には、遊技状態を制御する遊技制御手段や、遊技制御手段から出力される指令情報に基づいて複数種類の遊技部品を制御するための複数種類の制御手段が設けられている。たとえば、複数種類の遊技部品として、「可変表示装置」の他、「ランプ・LED(発光体)」、「スピーカ(音発生装置)」を例に挙げることができ、それらの複数種類の遊技部品を制御するための複数種類の制御手段として、可変表示装置の表示結果を導出表示させる制御を行なう「可変表示制御手段」、スピーカ(音発生装置)から音を発生させる制御を行なう「音制御手段」、ランプ・LED(発光体)を点灯させる制御を行なう「発光体制御手段」を例に挙げることができる。
【0003】
たとえば、可変表示装置には可変表示制御手段の制御によって表示結果を定めるための図柄が変動表示されるが、その変動時間や表示結果については、遊技制御手段が可変表示制御手段に対して出力する指令情報によって指定される。同様に、スピーカ(音発生装置)の効果音による演出パターンや、ランプ・LED(発光体)の点滅による演出パターンについても、遊技制御手段が音制御手段あるいは発光体制御手段に対して出力する指令情報によって指定される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、遊技制御手段が制御手段に対して所定の演出期間にわたって遊技部品を所定の態様で動作させる制御を行なわせる場合には、それを指令する指令情報をその演出期間にわたって繰返し出力していた。
【0005】
たとえば、遊技制御手段と可変表示制御手段との場合を例に挙げると、可変表示装置で図柄を所定の変動速度で所定期間変動させる場合には、遊技制御手段から可変表示制御手段に対してその所定期間にわたって、その変動速度を指示するコマンドが繰返し出力されていた。
【0006】
このため、遊技制御手段の指令情報の出力処理に関する制御負担が大きかった。特に、遊技制御手段は、可変表示制御手段のみならず、前述したような複数種類の制御手段に対して指令情報を出力することから、その負担は非常に大きなものになる。
【0007】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、複数種類の制御手段に対して指令情報を出力する遊技制御手段の制御負担を軽減可能な遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の本発明は、遊技の演出効果を高めるために用いられる複数種類の遊技部品が設けられ、該複数種類の遊技部品のうちの一つである可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となる遊技機であって、
遊技状態を制御する遊技制御手段と、
該遊技制御手段から出力される指令情報に基づいて前記複数種類の遊技部品を制御するための複数種類の制御手段とを含み、
該複数種類の制御手段には、
前記可変表示装置の表示結果を導出表示させる制御を行なう可変表示制御手段と、
前記複数種類の遊技部品の一つである音発生装置から音を発生させる制御を行なう音制御手段と、
前記複数種類の遊技部品の一つである発光体を点灯させる制御を行なう発光体制御手段とが含まれ、
前記遊技制御手段は、前記複数種類の制御手段の各々に1つの制御内容を指令する場合には、前記複数種類の制御手段の各々が読取可能な態様で前記指令情報を出力する制御を1回のみ行ない、
前記複数種類の制御手段は、前記指令情報に基づき、所定の演出期間にわたって前記複数種類の遊技部品を所定の態様で動作させる制御を開始可能であることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記指令情報は、前記演出期間を特定可能な情報を含むことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の発明の構成に加えて、前記可変表示制御手段は、複数種類の演出パターンのうちのいずれかで前記可変表示装置の表示結果を導出表示させる制御を行なうことが可能であり、
前記指令情報は、前記可変表示制御手段が前記演出パターンを特定可能な情報を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の本発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記音制御手段は、複数種類の演出パターンのうちのいずれかで前記音発生装置から音を発生させる制御を行なうことが可能であり、
前記指令情報は、前記音制御手段が前記演出パターンを特定可能な情報を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の本発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記発光体制御手段は、複数種類の演出パターンのうちのいずれかで前記発光体を点灯させる制御を行なうことが可能であり、
前記指令情報は、前記発光体制御手段が前記演出パターンを特定可能な情報を含むことを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の発明の構成に加えて、前記演出期間にわたって前記複数種類の遊技部品を所定の態様で動作させるために前記遊技制御手段から出力される指令情報は、前記複数種類の制御手段の各々が前記遊技部品を制御する際に用いる演出パターンを特定可能な情報を含み、
前記遊技制御手段は、前記演出期間において前記複数種類の制御手段の各々が用いる演出パターン同士が互いに関連した内容となる指令情報を出力することを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の本発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記遊技制御手段は、前記演出期間が終了する時期に前記演出期間の終了を通知する指令情報を前記複数種類の制御手段に出力することを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の本発明は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記遊技制御手段は、前記可変表示装置の表示結果を特定可能な指令情報を前記可変表示制御手段に出力することを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の本発明は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記演出期間にわたって前記複数種類の遊技部品を所定の態様で動作させるために、前記複数種類の制御手段の各々に対して出力される指令情報は、同一形態であることを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の本発明は、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記複数種類の制御手段は、前記遊技制御手段が搭載された遊技制御基板とは別の基板に搭載されることを特徴とする。
【0018】
請求項11に記載の本発明は、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記遊技制御手段から前記複数種類の制御手段への情報の出力を許容するが前記複数種類の制御手段から前記遊技制御手段への情報の入力を禁止する不可逆性入力手段をさらに含むことを特徴とする。
【0019】
[作用]
請求項1に記載の本発明によれば、遊技制御手段の働きにより、遊技状態が制御される。複数種類の制御手段の働きにより、遊技制御手段から出力される指令情報に基づいて前記複数種類の遊技部品が制御される。可変表示制御手段の働きにより、前記可変表示装置の表示結果を導出表示させる制御が行なわれる。音制御手段の働きにより、前記複数種類の遊技部品の一つである音発生装置から音を発生させる制御が行なわれる。発光体制御手段の働きにより、前記複数種類の遊技部品の一つである発光体を点灯させる制御が行なわれる。前記遊技制御手段によって前記複数種類の制御手段の各々に1つの制御内容が指令される場合には、前記複数種類の制御手段の各々が読取可能な態様で前記指令情報を出力する制御が1回のみ行なわれる。そして、前記指令情報に基づき、前記複数種類の制御手段の働きにより、所定の演出期間にわたって前記複数種類の遊技部品を所定の態様で動作させる制御が開始される。
【0020】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、前記指令情報によって前記演出期間を特定可能とされる。
【0021】
請求項3に記載の本発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の作用に加えて、前記指令情報によって前記可変表示制御手段が演出パターンを特定可能とされる。
【0022】
請求項4に記載の本発明によれば、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明の作用に加えて、前記指令情報によって前記音制御手段が演出パターンを特定可能とされる。
【0023】
請求項5に記載の本発明によれば、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明の作用に加えて、前記指令情報によって前記発光体制御手段が演出パターンを特定可能とされる。
【0024】
請求項6に記載の本発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の作用に加えて、前記演出期間において前記複数種類の制御手段によって制御される複数種類の遊技部品の演出パターンの各々が関連した内容となる。
【0025】
請求項7に記載の本発明によれば、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の発明の作用に加えて、遊技制御手段の働きにより、前記演出期間が終了する時期に前記演出期間の終了を通知する指令情報が前記複数種類の制御手段に出力される。
【0026】
請求項8に記載の本発明によれば、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の発明の作用に加えて、前記遊技制御手段の働きにより、前記可変表示装置の表示結果を特定可能な指令情報が前記可変表示制御手段に出力される。
【0027】
請求項9に記載の本発明によれば、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の発明の作用に加えて、前記演出期間にわたって前記複数種類の遊技部品を所定の態様で動作させる場合には、前記複数種類の制御手段の各々に対して同一形態の指令情報が出力される。
【0028】
請求項10に記載の本発明によれば、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の発明の作用に加えて、前記遊技制御手段が搭載された遊技制御基板には前記複数種類の制御手段は搭載されないことから、遊技制御基板に前記複数種類の制御手段を搭載するスペースを設ける必要がなくなる。
【0029】
請求項11に記載の本発明によれば、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の発明の作用に加えて、不可逆性入力手段の働きにより、前記遊技制御手段から前記複数種類の制御手段への情報の出力は許容されるが前記複数種類の制御手段から前記遊技制御手段への情報の入力は禁止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機などであってもよく、遊技の演出効果を高めるために用いられる複数種類の遊技部品が設けられ、該複数種類の遊技部品のうちの一つである可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となる遊技機であれば、すべてに適用することが可能である。
【0031】
図1は、本発明に係る遊技機の一例におけるパチンコ遊技機1の正面図である。図1を参照して、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。このガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱自在に取付けられている。また、ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3から溢れた玉を貯留する余剰玉受皿4と、遊技者が打球操作するための操作ノブ5とが設けられている。操作ノブ5を遊技者が操作することにより、打球供給皿3内に貯留されているパチンコ玉を1個ずつ発射することができる。遊技領域7の中央には、識別情報の一例となる特別図柄を可変開始させる可変表示装置8が設けられている。この可変表示装置8には、打玉の通過ゲート11の通過に伴って普通図柄が可変表示される普通図柄用の可変表示器10と、4つのLEDからなる始動記憶表示器18とが設けられている。さらに、可変表示装置8の下方には、始動口14が構成された始動用電動役物15と、開閉板20の傾動により打玉の入賞可能な開放状態となる可変入賞球装置19とが設けられている。始動用電動役物15には、羽根部材150が左右に設けられている。また、一般入賞口として、可変表示装置8の上部や、可変入賞球装置19の左右に入賞口24がそれぞれ設けられている。また、26は、打込まれた打玉がいずれの入賞口や可変入賞球装置にも入賞しなかった場合にアウト玉として回収するアウト口であり、25は装飾ランプである。
【0032】
遊技領域7の外周には枠ランプとしての遊技効果LED28aおよび遊技効果ランプ28b,28cと、賞球の払出し時に点灯する賞球ランプ51と、玉切れ中に点灯するランプ玉切れランプ52と、賞球の未払出時に点灯する未払出賞球有ランプ29とが設けられており、遊技領域7の上部の左右にはステレオ音の音声などの効果音を発生するためのスピーカ27,27が設けられている。
【0033】
可変表示装置8は、中央の可変表示部9に複数種類の特別図柄や遊技の演出効果を高めるためのキャラクタ、所定のメッセージなどを画像表示可能に構成されている。たとえば、可変表示部9は、その表示状態が切り替わることによって、図示のように、左中右の特別図柄を可変表示可能な3つの可変表示領域100a,100b,100cが画像表示され得る。各可変表示領域100a,100b,100cでは、始動入賞が発生したことを条件として、複数種類の特別図柄が上から下に向かってスクロール表示される。その後、所定時間が経過して図柄のスクロールが停止して可変表示が終了した結果、大当り図柄のゾロ目(たとえば777)が表示されれば大当りとなる。大当りとなれば、可変入賞球装置19の開閉板20が傾動して大入賞口が開口する。これにより、打玉を大入賞口に入賞させることが可能な遊技者にとって有利な第1の状態に制御され、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り状態)となる。
【0034】
可変入賞球装置19の大入賞口内部には可変入賞球装置19に入賞した玉を検出するカウントスイッチ23が設けられている。また、大入賞口内は、特定入賞領域と通常入賞領域とに区分されており、特定入賞領域には、V入賞を検出するVカウントスイッチ22が設けられている。特定入賞領域に入賞した入賞玉はVカウントスイッチ22により検出された後、カウントスイッチ23により検出される。一方、通常入賞領域に入賞した通常入賞玉は大入賞口内においてはカウントスイッチ23のみにより検出される。可変入賞球装置19に入賞した入賞玉がカウントスイッチ23により検出される毎に15個の賞球が払出される。
【0035】
可変入賞球装置19の第1の状態は、大入賞口に進入した打玉の数が所定個数(たとえば9個)に達した場合、または所定期間(たとえば30秒間)経過した場合のうちのいずれか早い方の条件が成立した場合に一旦終了して開閉板20が閉成する。これにより、可変入賞球装置19は打玉を入賞させることが不可能な遊技者にとって不利な第2の状態に制御される。そして、可変入賞球装置19が第1の状態となっている期間中に進入した打玉が特定入賞領域に特定入賞し、Vカウントスイッチ22により検出されたことを条件として、再度、可変入賞球装置19を第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。この繰返し継続制御の実行上限回数はたとえば16回と定められている。繰返し継続制御において、可変入賞球装置19が第1の状態にされている状態がラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御の実行上限回数が16回の場合には、第1ラウンドから第16ラウンドまでの16ラウンド分、可変入賞球装置19が第1の状態にされ得る。なお、カウントスイッチ23による検出個数と、ラウンド回数とは、7セグメント表示器よりなる個数表示器80aにより表示される。
【0036】
可変表示装置8の下方には始動用電動役物15が設けられている。この始動用電動役物15の中央には羽根部材150が設けられた始動口14が構成され、その両サイドには通過ゲート11が構成されている。左右2つの通過ゲート11のうちの一方にはゲートスイッチ12(図6参照)が設けられており、打玉がそのゲートスイッチ12により検出されることを条件として、普通図柄用表示器10が可変開始される。なお、普通図柄用表示器10が可変表示している最中にさらに打玉がゲートスイッチ12で検出された場合には、「4」を記憶数の上限として通過球が記憶されてその記憶数が普通図柄用の始動記憶表示器(図示省略)においてLEDの点灯数により表示される。
【0037】
普通図柄用表示器10は7セグメントLEDで構成されている。普通図柄用表示器10の表示結果が7になれば「当り」となり、それ以外となれば「ハズレ」となる。普通図柄用表示器10に「当り」の表示結果が導出されると、始動用電動役物15に設けられた左右1対の羽根部材150が1回開成する。これにより始動用電動役物15が開放状態となって打玉がより始動入賞しやすくなる。始動用電動役物15が開放状態にある際に打玉が1つ始動入賞すれば、羽根部材150が元の位置まで閉成して打玉が始動入賞しにくい状態に戻る。また、始動用電動役物15が開放状態となってから所定の開放期間が経過すれば、始動入賞が発生しなくとも羽根部材150が元の位置まで閉成して開放状態は終了する。なお、後述する確率変動状態においては、始動用電動役物15は2回開成し、かつ、1回の開成期間が延長される。
【0038】
始動口14に入賞した始動入賞玉は遊技盤6に設けられた始動口スイッチ17(図10参照)により検出される。始動入賞玉が始動口スイッチ17で検出されると所定数の賞球が払出されるとともに、その検出出力に基づいて可変表示装置8が可変開始される。可変表示装置8が可変表示中に始動口スイッチ17により検出された始動入賞は、「4」を記憶数の上限として記憶されてその記憶数が始動記憶表示器18においてLEDの点灯数により表示される。
【0039】
可変表示装置8に表示された大当りの結果が特定の確変図柄(たとえば数字図柄の「7」)により構成されるものである場合には、その大当りに基づく特定遊技状態の終了後に、通常時(通常遊技状態)に比べて大当りが発生する確率が高く変動した確率変動状態となる。以下、確変図柄による大当りを確変大当りという。通常遊技状態中に一旦、確変大当りが発生すると、少なくとも予め定められた確変継続回数(たとえば、1回、あるいは2回)大当りが発生するまで確率変動状態に継続制御される。また、確率変動状態中に確変大当りが発生すれば、その確変大当り以降、改めて確変継続回数が計数され、その後、少なくとも確変継続回数だけ大当りが発生するまで確率変動状態が継続する。そして、確変継続回数に達した大当りが確変図柄以外の非確変図柄によるものであった場合には、確率変動の生じていない通常遊技状態に戻る。
【0040】
したがって、確率変動状態の継続制御に制限を設けない場合には、少なくとも確変継続回数に達した大当りが確変大当りである限り、無制限に確率変動状態が継続する。このパチンコ遊技機1の場合には、ある程度、確率変動状態が継続すれば、一旦、確率変動状態への継続制御を終了させるべく、確率変動状態中に確変大当りが連続的に発生する回数について、上限回数が設定されている。そして、この上限回数に基づいて大当りの表示態様が非確変大当りとされた場合には、その時点で確率変動状態の継続制御が強制的に終了する。なお、確変図柄での大当りを禁止する制限が行なわれることは、リミッタの作動と呼ばれる。
【0041】
確率変動状態においては、普通図柄の当り確率が高くなるとともに、普通図柄の可変表示が開始してからその表示結果が導出表示されるまでの可変表示期間(変動時間)が短縮される。さらに、確率変動状態においては、普通図柄の当りによって始動用電動役物15が開成する回数が1回から2回に増加するともに、1回の開成期間が0.2秒から1.4秒に延長される。
【0042】
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を用いて説明する。可変表示装置8の背面では、図2に示すように、機構板36の上部に景品玉タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から景品玉が景品玉タンク38に供給される。景品玉タンク38内の景品玉は、誘導樋39を通って玉払出装置に至る。
【0043】
機構板36には、中継基板30を介して可変表示部9を制御する可変表示制御ユニット129、基板ケース32に覆われ遊技制御用マイクロコンピュータなどが搭載された遊技制御基板(主基板)31、可変表示制御ユニット129と遊技制御基板31との間の信号を中継するための中継基板33、電源基板910(図16参照)を収容する電源ユニットボックス319、および景品玉の払出制御を行なう賞球制御用マイクロコンピュータなどが搭載された賞球制御基板37が設置されている。さらに、機構板36の下部には、モータの回転力を利用して打球を遊技領域7に発射する打球発射装置34と、ランプ制御基板35とが設置されている。
【0044】
図3はパチンコ遊技機1の機構板36を背面から見た背面図である。機構板36の右上方には、電源ユニットボックス319が設けられている。この電源ユニットボックス319内に収容された電源基板910(図16参照)は、電圧の異なる複数の電源を生成する。
【0045】
誘導樋39を通った玉は、図3に示されるように、玉切れ検出スイッチ187(187a,187b)を通過して玉供給樋186(186a,186b)を経て玉払出装置97に至る。なお、誘導樋39には玉切れを玉切れスイッチ187よりも上流側で検出する玉切れ検出スイッチ167が設けられている。
【0046】
玉払出装置97から払出された玉は、連絡口45を通ってパチンコ遊技機1の前面に設けられている打球操供給皿3に供給される。連絡口45の側方には、パチンコ遊技機1の前面に設けられている余剰玉受皿4に連通する余剰玉通路46が形成されている。入賞に基づく玉が多数払出されて打球供給皿3が満杯になり、ついには玉が連絡口45に到達した後さらに玉が払出されると玉は、余剰玉通路46を経て余剰玉受皿4に導かれる。さらに玉が払出されると、感知レバー47が満タンスイッチ48を押圧して満タンスイッチ48がオンする。その状態では、玉払出装置97内の払出モータ289(図5参照)の回転が停止して玉払出装置97の動作が停止するとともに、必要に応じて打球発射装置34の駆動も停止する。賞球の払出制御のために、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22およびカウントスイッチ23、および、各種入賞口に入賞した入賞玉を遊技盤裏面側の集合樋で一括して検出する入賞球検出スイッチ99(図10参照)からの信号が、遊技制御基板31に送られる。遊技制御基板31にそれらのスイッチのオン信号が送られると、遊技制御基板31から賞球制御基板37に対して各入賞口に対応して定められた賞球数を指定する賞球個数コマンドが送られる。
【0047】
次に、図4を参照して、パチンコ遊技機1の背面側の中間ベースユニットの構成について説明する。中間ベースユニットには、玉供給樋186a,186bや玉払出装置97が設置される。図4に示すように、中間ベースユニットの上下には連結凹突部182が形成されている。連結凹突部182は、中間ベースユニットと機構板(図示省略)の上部ベースユニットおよび下部ベースユニットを連結固定するものである。
【0048】
中間ベースユニットの上部には通路体184が固定されている。そして、通路体184の下部に玉払出装置97が固定されている。通路体184は、カーブ樋174(図3参照)によって流下方向を左右方向に変換された2列の玉を流下させる玉通路186a,186bを有する。玉通路186a,186bの上流側には、玉切れスイッチ187a,187bが設置されている。玉切れスイッチ187a,187bは、玉通路186a,186b内の玉の有無を検出するものであって、玉切れスイッチ187a,187bが玉を検出しなくなると玉払出装置97における払出モータ(図4において図示せず)の回転を停止して玉払出が不能動化される。
【0049】
なお、玉切れスイッチ187a,187bは、玉通路186a,186bに27〜28個の玉が存在することを検出できるような位置に係止片188によって係止されている。
【0050】
通路体184の中央部は、内部を流下する玉の玉圧を弱めるように、左右に湾曲する形状に形成されている。そして、玉通路186a,186bの間に止め孔189が形成されている。止め孔189の裏面には中間ベースユニットに設けられている取付ボスが嵌め込まれる。その状態で止めねじがねじ止めされて、通路体184は中間ベースユニットに固定される。なお、ねじ止めされる前に、中間ベースユニットに設けられている係止突片185によって通路体184の位置合わせを行なえるようになっている。
【0051】
通路体184の下方には、玉払出装置97に玉を供給するとともに故障時などには玉払出装置97への玉の供給を停止する玉止め装置190が設けられている。玉止め装置190の下方に設置される玉払出装置97は、直方体状のケース198の内部に収納されている。ケース198の左右4ヵ所には突部が設けられている。各突部が中間ベースユニットに設けられている位置決め突片にかかった状態で、中間ベースユニットの下部に設けられている弾性係合片にケース198の下端が嵌め込まれる。
【0052】
図5は、玉払出装置97の分解斜視図である。玉払出装置97の構成および作用を図5を参照して説明する。この実施形態における玉払出装置97は、ステッピングモータ(払出モータ)289がスクリュー288を回転させることによりパチンコ玉を1個ずつ払出す。なお、玉払出装置97は、入賞に基づく賞球だけでなく、貸玉も払出す。
【0053】
図5に示すように、玉払出装置97は、2つのケース198a,198bを有する。それぞれのケース198a,198bの左右2ヵ所に、玉払出装置97の設置位置上部に設けられた位置決め突片に当接される係合突部280が設けられている。また、それぞれのケース198a,198bには、玉供給路281a,281bが形成されている。玉供給路281a,281bは湾曲面282a,282bを有し、湾曲面282a,282bの終端の下方には、玉送り水平路284a,284bが形成されている。さらに、玉送り水平路284a,284bの終端に玉排出路283a,283bが形成されている。
【0054】
玉供給路281a,281b、玉送り水平路284a,284b、玉排出路283a,283bは、ケース198a,198bをそれぞれ前後に区画する区画壁295a,295bの前方に形成されている。また、区画壁295a,295bの前方において、玉圧緩衝部材285がケース198a,198b間に挟み込まれる。玉圧緩衝部材285は、玉払出装置97に供給される玉を左右側方に振分けて玉供給路281a,281bに誘導する。
【0055】
また、玉圧緩衝部材285の下部には、発光素子LED286と受光素子(図示せず)とによる払出モータ位置センサが設けられている。発光素子286と受光素子とは、所定の間隔を空けて設けられている。そして、この間隔内に、スクリュー288の先端が挿入されるようになっている。なお、玉圧緩衝部材285は、ケース198a,198bが貼り合わされたときに、完全にその内部に収納固定される。
【0056】
玉送り水平路284a,284bには、払出モータ289によって回転させられるスクリュー288が配置されている。払出モータ289はモータ固定板290に固定され、モータ固定板290は、区画壁295a,295bの後方に固定される固定溝291a,291bに嵌め込まれる。その状態で払出モータ289のモータ軸が区画壁295a,295bの前方に突出するので、その突出の前方にスクリュー288が固定される。スクリュー288の外周には、払出モータ289の回転によって玉送り水平路284a,284bに載置された玉を前方に移動させるための螺旋突起288aが設けられている。
【0057】
そして、スクリュー288の先端には、発光素子286を収納するように凹部が形成され、その凹部の外周には、2つの切欠き部292が互いに180°離れて形成されている。したがって、スクリュー288が1回転する間に、発光素子286からの光は、切欠き部292を介して受光素子で2回検出される。
【0058】
つまり、発光素子286と受光素子とによる払出モータ位置センサは、スクリュー288を定位置で停止するためのものであり、かつ、払出動作が行なわれた旨を検出するものである。なお、発光素子286、受光素子および払出モータ289からの配線は、まとめられてケース198a,198bの後部下方に形成された引き出し孔から外部に引き出されコネクタに結線される。
【0059】
玉が玉送り水平路284a,284bに載置された状態において、払出モータ289が回転すると、スクリュー288の螺旋突起288aによって、玉は、玉送り水平路284a,284b上を前方に向かって移動する。そして、遂には、玉送り水平路284a,284bの終端から玉排出路283a,283bに落下する。このとき、左右の玉送り水平路284a,284bからの落下は交互に行なわれる。すなわち、スクリュー288が半回転する毎に一方から1個の玉が落下する。したがって、1個の玉が落下する毎に、発光素子286からの光が受光素子によって1回検出される。
【0060】
先に説明した図4に示すように、玉払出装置97の下方には、玉振分部材311が設けられており、さらに玉振分部材311の下方には、近接スイッチによる賞球カウントスイッチ301Aおよび玉貸しカウントスイッチ301Bが設けられている。
【0061】
玉振分部材311は、振分用ソレノイド310によって駆動される。ソレノイド310が励磁されていない定常時には、玉振分部材311は図示実線に示すように左側に倒れており、流下玉が賞球カウントスイッチ301A側に振分けられる。一方、ソレノイド310が励磁されると、玉振分部材311は図示破線に示すように右側に倒れ、流下玉が玉貸しカウントスイッチ301B側に振分けられる。
【0062】
ソレノイド310は、玉貸時に励磁され、それ以外では励磁されない。このため、入賞に基づく賞球時には、玉振分部材311は右側に倒れており、玉排出路283a,283bからの玉はともに賞球カウントスイッチ301Aを通過する。一方、玉貸時には、ソレノイド310が励磁されることで玉排出路283a,283bからの玉はともに玉貸しカウントスイッチ301Bを通過する。
【0063】
このように、玉振分部材311を設けることによって、2条の玉流路を流下してきた玉は、賞球カウントスイッチ301Aと玉貸しカウントスイッチ301Bとのうちのいずれか一方しか通過しない。したがって、賞球であるのか玉貸であるのかの判断をすることなく、賞球カウントスイッチ301Aと玉貸しカウントスイッチ301Bの検出出力から、直ちに賞球数または玉貸数を把握することができる。
【0064】
このように、玉払出装置97を玉貸のためのみならず、賞球の払出しのためにも兼用して動作させることができるために、コストダウンを図ることができる。しかも、玉振分部材311の切換制御によって簡単に賞球と、貸玉とをそれぞれ個別に計数することができる。
【0065】
また、貸玉の払出しを必要としていない時には玉が賞球カウントスイッチ301A側に案内されるように玉振分部材311の状態が保持されているために、一般的には貸玉を払出す頻度よりも賞球を払出す頻度が高いことから、玉振分部材311を切換制御する回数を少なくすることができる。このため、切換が繰返し行なわれることに伴う玉振分部材311およびそれに関連する制御部品の故障を減らすことができ、それらの部品の寿命を長くすることができる。
【0066】
図6は、始動用電動役物15の分解斜視図である。また、図7は普通電動役物の斜視図であり、図8は普通電動役物の平面図であり、図9は普通電動役物の正面図である。
【0067】
始動電動役物15は、ベース板301を取付基板として遊技盤面に取付けられる。ベース板301の左右には通過ゲート11が形成される。左右2つの通過ゲート11のうち、一方の通過ゲート11には、打玉の通過を検出するゲートスイッチ12が取付けられる。左右2つの通過ゲート11は、ベース板301の正面側に取付けられる装飾板300によって正面側が覆われる。
【0068】
装飾板300は透明性を有する部材で構成されている。装飾板300には羽根部材150に設けられた挿通孔150aに挿通される挿通部材300aが形成されている。一方、ベース板301には羽根部材150に挿通された挿通部材300aを係合する2つの係合孔301aが形成されている。さらに、ベース板301の中央付近には開口301bが形成されている。また、ベース板301の裏面側にはソレノイドアーム302を回動可能に支持するための支持片301cが形成されている。この支持片301cには、ソレノイドアーム302に挿通されたアームピン307の左右両端部を挿通するための挿通孔301dが形成されている。
【0069】
ソレノイドアーム302には、羽根部材150の端部に形成された当接部150bと当接する羽根開閉用突起302bが形成されている。ソレノイドアーム302はアームピン307によってベース板301に軸支された状態でその羽根開閉用突起302bがベース板301の開口301bからベース板301の正面側に突出し、羽根部材150の当接部150bの下側と当接する。
【0070】
ソレノイドアーム302には、さらに一組の狭持片302aが形成されている。この一組の狭持片302aの間には、ソレノイドアーム305に形成された2つの突起305a,305bのうちの突起305bが狭持される。
【0071】
ソレノイドアーム305には、さらに、係合孔305cが形成されている。ソレノイドアーム305は、この係合孔305cに対してソレノイドベース板303の係合突起303aが係合することにより、ソレノイドベース板303に対して回動可能に軸支される。
【0072】
ソレノイドベース板303には羽根部材150を駆動するためのソレノイド306が取付けられる。このソレノイド306の駆動部にはソレノイドアーム304が取付けられる。ソレノイドアーム304には、ソレノイドアーム305に形成された突起305aの側面と当接する当接部304aが形成されている。
【0073】
ソレノイド306が励磁されると、ソレノイド306に取付けられたソレノイドアーム304がソレノイドアーム305の突起305aを押圧する。これにより、ソレノイドアーム305がソレノイドベース板303の係合突起303aを軸として回動する。ソレノイドアーム305が回動すると、ソレノイドアーム305のもう1つの突起305bが下方に回動され、これにより、突起305bを狭持片302aによって狭持するソレノイドアーム302が所定角度だけ回動する。このとき、ソレノイドアーム302に形成された羽根開閉用突起302bは羽根部材150の下方の当接部150bを押上げる。これにより、羽根部材150が回動し、始動電動役物15のチューリップが開成する。一方、ソレノイド306が励磁されなくなると、ソレノイドアーム302が元の状態に復帰するためにチューリップは閉成する。
【0074】
始動用電動役物15の正面側に設けられる装飾板300には、始動口14、および、その左右の通過ゲート11のそれぞれに対応する位置に図示しないシールが貼付される。特に、ゲートスイッチ12が設けられる一方の通過ゲート11側には「チャンス」と記されたシールが貼付され、他方の通過ゲート11側には意匠的なデザインが施されたシールが貼付され、中央の始動口14に対応する位置には「スタート」と記されたシールが貼付される。
【0075】
図10は、パチンコ遊技機1の制御回路を説明するためのブロック図である。図10には、制御基板として、遊技制御基板(主基板)31と、ランプ制御基板35と、賞球制御基板37と、音声制御基板70と、表示制御基板80と、発射制御基板91とが示されている。
【0076】
遊技制御基板31、賞球制御基板37、ランプ制御基板35、音声制御基板70、発射制御基板91および表示制御基板80には、マイクロコンピュータ等が搭載されている。各制御基板31,37,35,70,80では、パチンコ遊技機1の電源の投入時に、制御基板に設けられたRAM内のデータを初期化する等の初期化処理が行なわれ、賞球制御基板37、ランプ制御基板35、音声制御基板70、表示制御基板80は、初期化処理が終了した時点で、遊技制御基板31からのコマンドを有効に受付け可能となる。
【0077】
遊技制御基板31は、パチンコ遊技機1の遊技制御を司る遊技制御用マイクロコンピュータ(以下、遊技制御用マイコンと略す)53が搭載された基板であり、他の制御基板35,37,70,80は遊技制御基板31から各々に出力される制御コマンド(ランプ制御コマンド、賞球制御コマンド、音声制御コマンド、表示制御コマンド)に基づいた制御動作を実行する。これらの制御コマンドのうち、ランプ制御コマンドと音声制御コマンドと表示制御コマンドについては共通化された共通コマンドがあり、この共通コマンドについては、遊技制御基板31から各制御基板35,70,80に対して同一時期に出力される。
【0078】
遊技制御基板31から制御コマンドが出力される場合には、それに伴って、コマンドの有効期間を示すINT信号(ストローブ信号)が出力される。INT信号は、無効状態では信号がハイレベル(オフ状態)となり、有効状態では信号がロウレベル(オン状態)となる。
【0079】
遊技制御基板31には、遊技制御用マイコン53の他、各スイッチからの信号を遊技制御用マイコン53に与えるスイッチ回路58と、ソレノイド16,21を遊技制御用マイコン53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と、電源投入時に遊技制御用マイコン53をリセットするための初期リセット回路63と、遊技制御用マイコン53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート部(図示省略)のうちのいずれかの1/Oポートを選択するための信号を出力するアドレスデコード回路67と、遊技制御用マイコン53から与えられるデータに従って大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置8の始動回数を示す始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報をホール管理コンピュータなどのホストコンピュータに対して出力する情報出力回路64を含む。なお、さらに、遊技制御基板31には、図15を用いて後述するように、電源電圧を監視する電源監視手段が設けられている。
【0080】
遊技制御用マイコン53は、遊技制御用のプログラムなどを記憶するROM54と、ワークメモリとして使用されるRAM55と、遊技制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU56とを含む。これらのうち、RAM55については、電源基板910からのバックアップ用電源によってバックアップされており、不意に停電が発生しても所定時間はそのRAMデータが保持される。
【0081】
スイッチ回路58には、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23、Vカウントスイッチ22、入賞球検出スイッチ99などが接続されており、これらの各スイッチからの検出信号がスイッチ回路58を介して遊技制御用マイコン53に入力される。
【0082】
賞球制御基板37には玉払出装置97やカードユニット50が接続されている。賞球制御基板37は遊技制御基板31から出力される賞球制御コマンドに基づいて玉払出装置97を駆動し賞球を払出す制御を行なう。さらに賞球制御基板37は、カードユニット50から出力される制御信号に基づいて貸玉を払出す制御を行なう。
【0083】
音声制御基板72にはスピーカ27が接続されている。音声制御基板70は遊技制御基板31から出力される音声制御コマンドに基づき、スピーカ27から種々の効果音を出力させる制御を行なう。
【0084】
ランプ制御基板35には、遊技効果LED28aや遊技効果ランプ28b,28c、賞球ランプ51、玉切れランプ52、普通図柄用の可変表示器10、特別図柄用の始動記憶表示器18、普通図柄用の始動記憶表示器、装飾ランプ25、未払出賞球有りランプ29といった多数のランプ・LEDが接続される。ただし、図10ではこれらの接続状況の図示は省略している。ランプ制御基板35は遊技制御基板31から出力されるランプ制御コマンドに基づいてこれらのランプ・LEDを制御する。
【0085】
表示制御基板80には、特別図柄用の可変表示装置8が接続される(図示省略)。表示制御基板80は、遊技制御基板31から出力される表示制御コマンドに従い可変表示装置8の可変表示部9に所定の画像を表示させる。
【0086】
発射制御基板91には駆動モータ94と操作ノブ(打球操作ハンドル)5とが接続されている。発射制御基板91は操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が打球発射装置(図示省略)から発射されるように、駆動モータ94を駆動制御する。
【0087】
図11は、表示制御基板80内の回路構成を、可変表示装置8で画像表示するためのCRT82および遊技制御基板31の出力ポート(ポートA,B)571,572および出力バッファ回路63とともに示すブロック図である。出力ポート571からは表示制御コマンドとして8ビット×2のデータが出力され、出力ポート572からは1ビットのINT信号(ストローブ信号)が出力される。
【0088】
表示制御用CPU101は、制御データROM102に格納されたプログラムに従って動作し、遊技制御基板31からノイズフィルタ107および入力バッファ回路105を介してINT信号が入力されると、入力バッファ回路105を介して表示制御コマンドを受信する。入力バッファ回路105として、たとえば、汎用ICである74HC244を使用することができる。なお、表示制御用CPU101がI/Oポートを内蔵していない場合は、入力バッファ回路105と表示制御用CPU101との間に、I/Oポートが設けられる。
【0089】
表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドに従って、CRT82に表示される画面の表示制御を行なう。具体的には、表示制御コマンドに応じた指令をVDP103に与える。VDP103は、キャラクタROM86から必要なデータを読出す。VDP103は、入力したデータに従ってCRT82に表示するための画像データを生成し、その画像データをVRAM87に格納する。そして、VRAM87内の画像データは、R,G,B信号に変換され、D−A変換回路104でアナログ信号に変換されてCRT82に出力される。
【0090】
なお、図11には、VDP103をリセットするためのリセット回路83、VDP103に動作クロックを与えるための発振回路85、および使用頻度の高い画像データ(人物、動物、または文字、図形もしくは記号などからなる画像)を格納するキャラクタROM86も示されている。
【0091】
さらに、図11に示された構成では、表示制御基板80において、リセットスイッチ110の出力が入力ポートに導入されている。表示制御用CPU101は、エラー発生後にリセットスイッチ110が押圧されたことを検出すると、制御をエラー発生前の状態に戻す。
【0092】
エラーとして、たとえば、遊技制御基板31から受信した表示制御コマンドが異常であった(未定義コマンドなど)場合などがある。表示制御用CPU101がエラー発生後でも表示制御コマンドを受信して記憶するように構成されていれば、リセットスイッチ110の押圧に基づいて、記憶している受信コマンドに基づく表示制御を行なうようにすることによって、エラー発生が遊技演出に及ぼす影響を小さくすることができる。
【0093】
入力バッファ回路105は、遊技制御基板31から表示制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、表示制御基板80側から遊技制御基板31側に信号が伝わる余地はない。表示制御基板80内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が遊技制御基板31側に伝わることはない。なお、出力ポート571,572の出力をそのまま表示制御基板80に出力してもよいが、単方向にのみ信号伝達可能な出力バッファ回路63を設けることによって、遊技制御基板31が表示制御基板80への一方向性の信号伝達をより確実にすることができる。また、高周波信号を遮断するノイズフィルタ107として、たとえば3端子コンデンサやフェライトビーズが使用されるが、ノイズフィルタ107の存在によって、表示制御コマンドに基板間でノイズが乗ったとしても、その影響は除去される。
【0094】
また、図示のように、表示制御手段(可変表示制御手段)としての表示制御用CPU101は、遊技制御手段としてのCPU56が搭載された遊技制御基板31とは別の基板に搭載されている。これにより、遊技制御基板31のコンパクト化が図られている。
【0095】
図12は、遊技制御基板31における音声制御コマンドの信号送信部分および音声制御基板70の構成例を示すブロック図である。音声制御基板70には制御用CPU701、ROM711、RAM712等が設けられている。図示のように、音制御手段としての制御用CPU701は、遊技制御手段としてのCPU56が搭載された遊技制御基板31とは別の基板に搭載されている。これにより、遊技制御基板31のコンパクト化が図られている。
【0096】
この実施の形態では、遊技進行に応じて、遊技領域7の外側に設けられたスピーカ27の音声出力を指示するための音声制御コマンドが遊技制御基板31から音声制御基板70に出力される。図12に示すように、音声制御コマンドは、遊技制御用マイコン53における出力ポート(出力ポートC,D)573,574から出力される。出力ポート573からは制御コマンドデータとして8ビット×2のデータが出力され、出力ポート574からは1ビットのINT信号(ストローブ信号)が出力される。音声制御基板70において、遊技制御基板31からの各信号は、入力バッファ回路705を介して音声制御用CPU701に入力される。なお、音声制御用CPU701がI/Oポートを内蔵していない場合には、入力バッファ回路705と音声制御用CPU701との間に、I/Oポートが設けられる。
【0097】
たとえば、デジタルシグナルプロセッサによる音声合成回路702は、音声制御用CPU701の指示に応じた音声や効果音を発生し、音量切換回路703に出力する。音量切換回路703と、音声制御用CPU701の出力レベルを、設定されている音量に応じたレベルにして音量増幅回路704に出力する。音量増幅回路704は、増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
【0098】
入力バッファ回路705として、たとえば、汎用のCMOS−ICである74HC244が用いられる。74HC244のイネーブル端子には、常にローレベル(GNDレベル)が与えられている。よって、各バッファの出力レベルは、入力レベルすなわち遊技制御基板31からの信号レベルに確定している。よって、音声制御基板70側から遊技制御基板31側に信号が伝わる余地はない。したがって、音声制御基板70内の回路に不正改造が加えられたとしても、不正改造によって出力される信号が遊技制御基板31側に伝わることはない。なお、入力バッファ回路705の入力側にノイズフィルタを設けてもよい。
【0099】
また、遊技制御基板31側において、出力ポート574,575の外側にはバッファ回路67が設けられている。バッファ回路67として、たとえば、汎用のCMOS−ICである74HC244が用いられる。イネーブル端子には常にローレベル(GNDレベル)が与えられている。このような構成によれば、外部から遊技制御基板31の内部に入力される信号が阻止されるので、音声制御基板70から遊技制御基板31に信号が与えられる可能性がある信号ラインをさらに確実になくすことができる。
【0100】
さらに、図12に示された構成では、音声制御基板70において、リセットスイッチ710の出力が入力ポートに導入されている。音声制御用CPU701は、エラー発生後にリセットスイッチ710が押圧されたことを検出すると、制御をエラー発生前の状態に戻す。
【0101】
エラーとして、たとえば遊技制御基板31から受信した音声制御コマンドが異常であった場合(未定義コマンドなど)などがある。音声制御用CPU701がエラー発生後でも音声制御コマンドを受信して記憶するように構成されていれば、リセットスイッチ710の押圧に基づいて、記憶している受信コマンドに基づく音声制御を行なうようにすることによって、エラー発生が遊技演出に及ぼす影響を小さくすることができる。
【0102】
音声制御基板70のROM(図示省略)には、各種音声制御用のコマンドデータに応じた音声を音声合成回路(音声合成用LSI:たとえば、デジタルシグナルプロセッサ)702に発生させるための制御データが格納されている。音声制御用CPU701は、受信した各種音声制御コマンドデータに対応した制御データをROMから読出す。
【0103】
この実施の形態では、音声合成回路702は、転送リクエスト信号(SIRQ)、シリアルクロック信号(SICK)、シリアルデータ信号(SI)および転送終了信号(SRDY)によって制御される。音声合成回路702は、SIRQがローレベルになると、SICKに同期してSIを1ビットずつ取込み、SRDYがローレベルになるとそれまでに受信した各SIからなるデータを1つの音声再生用データと解釈する。なお、音声合成回路702は、SIによって制御データを受信すると、受信した制御データに応じた音声を発生する。
【0104】
図13は、遊技制御基板31およびランプ制御基板35における信号送受信部分を示すブロック図である。この実施の形態では、遊技効果LED28a、遊技効果ランプ28b,28c、賞球ランプ51、玉切れランプ52、可変表示器10、始動記憶表示器18、装飾ランプ25、未払出賞球有りランプ29等の点灯/消灯を指示するランプ制御コマンドが遊技制御基板31から出力される。
【0105】
ランプ制御基板35には、制御用CPU351、ROM352、RAM353等が設けられている。図示のように、ランプ制御手段としての制御用CPU351は、遊技制御手段としてのCPU56が搭載された遊技制御基板31とは別の基板に搭載されている。これにより、遊技制御基板31のコンパクト化が図られている。
【0106】
ランプ制御コマンドは、遊技制御用マイコン53におけるI/Oポート部57の出力ポート(出力ポートE,F)575,576から出力される。出力ポート575は制御コマンドデータとしての8ビット×2ビットのデータを出力し、出力ポート576は1ビットのINT信号(ストローブ信号)を出力する。ランプ制御基板35において、遊技制御基板31から出力されるランプ制御コマンドが、入力バッファ回路355を介してランプ制御用CPU351に入力される。なお、ランプ制御用CPU351がI/Oポートを内蔵していない場合には、入力バッファ回路355とランプ制御用CPU351との間に、I/Oポートが設けられる。
【0107】
ランプ制御用CPU351は、各ランプ制御コマンドに応じて定義されているランプの点灯/消灯パターンに従い、各ランプ・LEDに対して点灯/消灯信号を出力する。なお、点灯/消灯パターンは、ROM352に記憶されている。
【0108】
入力バッファ回路355として、たとえば、汎用のCMOS−ICである74HC244が用いられる。74HC244のイネーブル端子には、常にローレベル(GNDレベル)が与えられている。よって、各バッファの出力レベルは、入力レベルすなわち遊技制御基板31からの信号レベルに確定している。したがって、ランプ制御基板35側から遊技制御基板31側に信号が伝わる余地はない。たとえ、ランプ制御基板35内の回路に不正改造が加えられたとしても、不正改造によって出力される信号が遊技制御基板31側に伝わることはない。たとえば、ランプ制御基板35において、遊技制御基板31の遊技制御用マイコン53に大当りを生じさせるための不正信号を与えるような改造を行なったとしても、不正信号を遊技制御基板31側に伝えることはできない。なお、入力バッファ回路355の入力側にノイズフィルタを設けてもよい。
【0109】
さらに、遊技制御基板31において、出力ポート575,576の外側にバッファ回路62が設けられている。バッファ回路62として、たとえば、汎用のCMOS−ICである74HC244が用いられる。イネーブル端子には常にローレベル(GNDレベル)が与えられている。このような構成によれば、外部から遊技制御基板31の内部に入力される信号が阻止されるので、ランプ制御基板35から遊技制御基板31に信号が与えられる可能性がある信号ラインをより確実になくすことができる。
【0110】
さらに、図13に示された構成では、ランプ制御基板35において、リセットスイッチ360の出力が入力ポートに導入されている。ランプ制御用CPU351は、エラー発生後にリセットスイッチ360が押圧されたことを検出すると、制御をエラー発生前の状態に戻す。
【0111】
エラーとして、たとえば遊技制御基板31から受信したランプ制御コマンドが異常であった(未定義コマンドなど)場合がある。ランプ制御用CPU351がエラー発生後でもランプ制御コマンドを受信して記憶するように構成されていれば、リセットスイッチ360の押圧に基づいて、記憶している受信コマンドに基づく表示制御を行なうことによって、エラー発生が遊技演出に及ぼす影響を小さくすることができる。
【0112】
なお、図13では図示を省略しているが、実際には、ランプ制御用CPU351の内蔵出力ポートと各ランプ・LEDとの間にはドライバ回路が挿入されている。
【0113】
図14は、賞球制御基板37および玉払出装置97の構成要素などの賞球に関連する構成要素を示すブロック図である。賞球制御基板37には、制御用CPU371と、ROM380と、RAM381と、I/Oポート372(372a〜372g)と、入力バッファ回路373と、エラー表示用LED374と、リセットスイッチ(リセットSW)379とが設けられている。このように、賞球制御手段(価値付与制御手段、または払出制御手段)としての制御用CPU371は、遊技制御手段としてのCPU56が搭載された遊技制御基板31とは別の基板に搭載されている。これにより、遊技制御基板31のコンパクト化が図られている。
【0114】
図14に示すように、各種入賞口に入賞した入賞玉を遊技盤裏面側の集合樋で一括して検出する入賞球検出スイッチ99と、満タンスイッチ48の検出信号は、中継基板71を介して遊技制御基板31のI/Oポート57に入力される。また、入賞球排出ソレノイド127は、遊技盤裏面の入賞球流下路の途中に設けられている玉止め部材を駆動するものであって、玉止め部材に入賞球が停止している状態で入賞球検出スイッチ99によって入賞球が検出される。なお、満タンスイッチ48は、特に、余剰玉受皿4の満タンを検出するスイッチである。
【0115】
玉切れ検出スイッチ167および玉切れスイッチ187(187a,187b)からの検出信号は、中継基板72および中継基板71を介して遊技制御基板31のI/Oポート57に入力される。玉切れ検出スイッチ167は景品玉タンク38内の補給玉の不足を検出するスイッチであり、玉切れスイッチ187は、景品玉通路内の景品玉の有無を検出するスイッチである。
【0116】
遊技制御基板31のCPU56は、玉切れ検出スイッチ167または玉切れスイッチ187からの検出信号が玉切れ状態を示しているか、または、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、玉貸し禁止を指示する賞球制御コマンドを賞球制御基板37に対して送出する。賞球制御基板37の賞球制御用CPU371は、玉貸し禁止を指示する賞球制御コマンドを受信すると、玉貸し処理を停止する。
【0117】
さらに、賞球カウントスイッチ301Aからの検出信号も、中継基板72および中継基板71を介して遊技制御基板31のI/Oポート57に入力される。また、遊技制御基板31のI/Oポート57から入賞球排出ソレノイド127への駆動信号は、中継基板71を介して入賞球排出ソレノイド127に供給される。なお、賞球カウントスイッチ301Aは、玉払出装置97の賞球機構部分に設けられ、実際に払出された賞球を検出する。
【0118】
入賞があると、賞球制御基板37には、遊技制御基板31の出力ポート(ポートG,H)577,578から賞球個数を示す賞球制御コマンド(賞球個数コマンド)が出力される。出力ポート577は8ビット×2の制御コマンドデータを出力し、出力ポート578は1ビットのINT信号(ストローブ信号)を出力する。賞球個数を示す賞球制御コマンドは、入力バッファ回路373を介してI/Oポート372aに入力される。入力バッファ回路373における各バッファは、遊技制御基板31から賞球制御基板37へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、賞球制御基板37側から遊技制御基板31側に信号が伝わる余地はない。賞球制御基板37内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が遊技制御基板31側に伝わることはない。なお、入力バッファ回路373の入力側にノイズフィルタを設けてもよい。
【0119】
また、遊技制御基板31側において、賞球制御コマンドを出力する出力ポート577,578の外側にバッファ回路68が設けられている。このような構成によれば、外部から遊技制御基板31の内部に入力される信号が阻止されるので、賞球制御基板37から遊技制御基板31に信号が与えられる可能性がある信号ラインをより確実になくすことができる。
【0120】
また、賞球制御用CPU371は、出力ポート372gを介して、貸し玉数を示す玉貸し個数信号をターミナル基板160に出力し、ブザー駆動信号をブザー基板75に出力する。ブザー基板75には図示しないブザーが搭載されている。さらに、出力ポート372eを介して、エラー表示用LED374にエラー信号を出力する。
【0121】
さらに、賞球制御基板37の入力ポート372bには、中継基板72を介して、賞球カウントスイッチ301Aの検出信号および玉貸しカウントスイッチ301Bの検出信号が入力される。玉貸しカウントスイッチ301Bは、実際に貸出された遊技球を検出する。賞球制御基板37からの払出モータ289への駆動信号は、出力ポート372cおよび中継基板72を介して玉払出装置97の賞球機構部分における払出モータ289に伝えられる。また、振分け用ソレノイド310を駆動するための信号が、出力ポート372dおよび中継基板72を介して振分け用ソレノイド310に伝えられる。
【0122】
また、図14に示された構成では、リセットスイッチ379の出力が入力ポート372bに導入されている。賞球制御用CPU371は、エラー発生後にリセットスイッチ379が押圧されたことを検出すると、制御をエラー前の状態に戻す。
【0123】
賞球制御用CPU371がエラー発生後でも賞球制御コマンドを受信して記憶するように構成されていれば、リセットスイッチ379の押圧に基づいて、記憶している受信コマンドに基づく賞球制御を行なうことによって、遊技者に与えられる不利益をなくすことができる。
【0124】
カードユニット50には、カードユニット制御用マイクロコンピュータ(図示省略)が搭載されている。残高表示基板74には、打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LEDや玉貸しスイッチ、返却スイッチが接続される。
【0125】
残高表示基板74からカードユニット50には、遊技者に操作に応じて、玉貸しスイッチ信号および返却スイッチ信号が賞球制御基板37を介して与えられる。
【0126】
賞球制御基板37のCPU371は、賞球カウントスイッチ301Aの検出信号をカウントすることによって、払出した賞球数を計数するとともに、玉貸しカウントスイッチ301Bの検出信号をカウントすることによって、払出した貸玉数を計数する。
【0127】
さらに、CPU371は、賞球カウントスイッチ301Aおよび玉貸しカウントスイッチ301Bの検出信号に基づいて玉を計数する動作と並行して、払出モータ位置センサ286からの検出信号を利用して、払出した賞球数および貸玉数を計数する。すなわち、玉払出装置97では、玉繰出し用のスクリュー288が180度だけ回転して払出モータ位置センサ286が1回ON/OFFするごとに玉が1つ払出されるように構成されているために、この払出モータ位置センサ286の出力信号の変化に基づいて払出した玉を間接的に検出し、玉数を計数するのである。
【0128】
なお、払出モータ位置センサ286に代えて、ステッピングモータである払出モータ289のステップパルス数を検出することで、スクリュー288の払出動作量(回転量)を検出し、これにより間接的に玉の払出しを検出するようにしてもよい。ただし、スクリュー288の回転を直接検出する払出モータ位置センサ286を用いる方が、精度の高い検出結果を得ることができるという利点がある。ステッピングモータのステップパルス数に基づいてスクリュー288の払出動作量(回転量)を検出する場合には1ステップ当りの制御量が何らかの要因で変化すると、検出される動作量に誤差が生じてしまうためである。
【0129】
ところで、払出モータ位置センサ286の出力信号に基づいて玉数を計数すると、スクリュー288からの玉の落下を待って検出信号が出力されるカウントスイッチ301A,301Bの出力信号に基づいて玉を計数するよりも迅速に計数動作を進めることができるが、スクリュー288内に整列された玉と玉との間に無用な隙間が空いていて、スクリュー288が半回転したときに玉が払出されなかった場合であっても玉が1つ払出されたものとみなされるという欠点がある。あるいは、球噛みその他の原因によって実際には玉が払出されなかった場合であっても玉が1つ払出されたものとみなされてしまう。
【0130】
このため、CPU371は、この払出モータ位置センサ286の出力信号に基づいて計数された玉数が払出予定数に達した後、一旦、スクリュー288の回転を止め、カウントスイッチ301A,Bの検出信号に基づいた計数結果を参照して、間違いなく予定通りの玉の払出しがあったか否かを確認し、払出数が不足する場合には、再度、スクリュー288を回転させて不足分の玉を払出す制御を行なう。
【0131】
このような2段階の制御をすることによって、払出モータ位置センサ286の検出出力に基づいて計数される玉(賞球または貸玉)の数が払出予定数に至るまでは、スクリュー288を高速回転させて連続的に玉を払出すことで、玉の払出しを迅速にすることができ、また、それにより払出しが不足するような場合でも、後にその不足分の払出しを行なうことよって払出しを正確にすることができる。
【0132】
賞球制御基板37から発射制御基板91には、打玉の発射状態を制御するための発射制御信号が与えられる。発射制御基板91においては、発射制御信号がLOWレベルである場合に、打玉の発射が禁止され、打玉の発射が不可能な状態に制御される。一方、発射制御信号がHIGHレベルである場合には、打玉の発射が許容され、打玉の発射が可能な状態に制御される。
【0133】
また、カードユニット50から残高表示基板74には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および玉貸し可表示信号が賞球制御基板37を介して与えられる。カードユニット50と賞球制御基板37との間では、ユニット操作信号(BRDY信号)、玉貸し要求信号(BRQ信号)、玉貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)がI/Oポート372fを介してやり取りされる。
【0134】
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、賞球制御基板37の賞球制御用CPU371は、カードユニット50にPRDY信号を出力する。カードユニット50においてカードが受け付けられ、玉貸しスイッチが操作され玉貸しスイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、賞球制御基板37にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、賞球制御基板37にBRQ信号を出力する。そして、賞球制御基板37の賞球制御用CPU371は、払出モータ289を駆動し、所定個数の貸玉を遊技者に払出す制御を行なう。このとき、賞球制御用CPU371は、振分け用ソレノイド310を制御し、玉振分け部材311を玉貸し側に向ける。その後払出が完了すれば、賞球制御用CPU371は、カードユニット50にEXS信号を出力する。
【0135】
以上のように、カードユニット50からの信号はすべて賞球制御基板37に入力される構成となっている。したがって、玉貸し制御に関して、カードユニット50から遊技制御基板31に信号が入力されることはなく、遊技制御基板31の遊技制御用マイコン53にカードユニット50側から不正に信号が入力される余地はない。なお、遊技制御基板31および賞球制御基板37には、ソレノイドやモータ、ランプを駆動するためのドライバ回路が搭載されているが、図14では、それらの回路は省略されている。
【0136】
この実施の形態では、遊技制御基板31のRAM55(図10参照)の他、少なくとも賞球制御基板37のRAM381は、電源基板910のバックアップ用電源でバックアップされている。このため、遊技機に対する電力供給が停止しても、バックアップ電源によって一定時間RAM55,381は記憶内容を保持することができる。
【0137】
図15は、遊技制御基板31における電源監視手段を説明するためのブロック図である。図示するように、遊技制御基板31には電源を監視するための電源監視用IC902が設けられている。この電源監視用IC902には、監視対象となる直流の+30V電圧か導入されている。この監視対象の電圧は、遊技機外部から供給される交流電圧を所定の大きさの直流電圧に変換し各制御回路へ電源を供給する電源基板910から供給されている。電源監視用IC902は、この+30V電圧を監視することによって、電源断の発生を検出する。具体的には、+30V電圧が所定値(たとえば+30Vの80%)以下になったら、電源断が生ずる可能性があるとして、入力ポート570に対して信号を与える。遊技制御用マイコン53は、入力ポート570に入力されたこの信号に基づいて電源断が発生することを予期し、それに備えるための処理(図33参照)を実行する。
【0138】
電源監視用IC902が電源断を検知するための所定値は、通常時の電圧よりも低いが、遊技制御用マイコン53のCPU56が、VDD端子に電力供給を受けてしばらくの間動作し得る程度の電圧である。また、電源監視用IC902が、CPU56が必要とする電圧(この例では+5V)よりも高く、かつ、電源基板910において交流から直流に変換された直後の電圧を監視するように構成されているので、遊技制御用マイコン53が必要とする電圧に対して監視範囲を広げることができる。したがって、より精密な監視を行なうことができる。さらに、監視電圧として+30Vを用いる場合には、遊技機の各種スイッチに供給される電圧がたとえば+12Vであることから、電源瞬断時のスイッチオン誤検出の防止も期待できる。すなわち、+30V電源の電圧を監視すると、+30V作成以降に作られる+12Vが落ち始める以前の段階でそれの低下を検出できる。よって、+12V電源の電圧が低下するとスイッチ出力がオン状態を呈するようになるが、+12Vより早く低下する+30V電源電圧を感知して電源断を認識すれば、スイッチ出力がオン状態を呈する前に電源復旧待ちの状態に入ってスイッチ出力を検出しない状態となることができる。
【0139】
電源断により電力が供給されていない間、遊技制御基板31のRAM55は、電源基板910からVBB端子に供給されるバックアップ電源によってバックアップされ、遊技機に対する電源が断しても内容は一定時間保存される。そして、+5V電源が復旧すると、CPU56は、通常の動作状態に復帰する。そのとき、必要なデータがバックアップされているので、電源復旧時には停電発生時の遊技状態に復帰することができる。
【0140】
図16は、電源基板910の構成例を示すブロック図である。電源基板910は、遊技制御基板31、表示制御基板80、音声制御基板70、ランプ制御基板35および賞球制御基板37などの制御基板と独立して設けられ、遊技機内の各制御基板および機構部品が使用する電圧を生成する。たとえば、この例では、AC24V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを生成する。また、遊技制御基板31内のRAM55と賞球制御基板37内のRAM381のバックアップ電源となるコンデンサ916は、DC5V、すなわち各基板上のICなどを駆動する電源のラインから充電される。
【0141】
さらに、電源基板910は、電源監視用IC902(図15参照)の監視用電圧であるDC30Vを生成する。
【0142】
トランス911は、交流電源からの交流電圧を24Vに変換する。AC24V電圧は、コネクタ915と整流回路912に出力される。整流回路912は、AC24Vから+30Vの直流電圧を生成し、DC−DCコンバータ913およびコネクタ915に出力する。コネクタ915は、この+30Vを電源監視用として遊技制御基板31へ出力する。DC−DCコンバータ913は+21V、+12Vおよび+5Vを生成してコネクタ915に出力する。コネクタ915は、たとえば図示しない中継基板に接続され、中継基板から各制御基板および機構部品に必要な電圧の電力が供給される。
【0143】
DC−DCコンバータ913からの+5Vラインは分岐してバックアップ+5Vラインを形成する。バックアップ+5Vラインとグランドレベルとの間には大容量のコンデンサ916が接続されている。コンデンサ916は、前述したように、遊技機に対する電力供給が遮断されたときのバックアップ電源となる。また、+5Vラインとバックアップ+5Vラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入されている。
【0144】
なお、バックアップ電源として、+5V電源から充電可能な電池を用いてもよい。電池を用いる場合には、+5V電源から電力供給されない状態が所定時間継続すると容量がなくなるような充電池が用いられる。
【0145】
制御コマンドのフォーマットおよび制御コマンドの受信態様
図17は、遊技制御基板31から各制御基板35,37,70,80に対して出力される制御コマンド(表示制御コマンド、音声制御コマンド、ランプ制御コマンド、賞球制御コマンド)の構成例を示す図である。
【0146】
制御コマンドは、16ビット(8ビット×2)のコマンドデータと、1ビットのINT信号(ストローブ信号)とから構成されている。特に、16ビットのコマンドデータは、8ビットのMODEデータ(D7〜0)と、8ビット(D7〜0)のEXTデータとからなる。MODEデータはコマンド種別を示すデータであり、EXTデータはそのコマンド種別における制御内容を具体的に指定するデータである。
【0147】
図18は、各制御基板35,37,70,80の制御用CPUが遊技制御基板31から制御コマンドを受信する態様を説明するためのタイミングチャートである。遊技制御基板31から出力されるINT信号は信号状態がローレベルにある場合が有効状態であり、ハイレベルにある状態が無効状態である。遊技制御基板31のCPU56は、新たな制御コマンドを伝送する際にINT信号を4msの間、ハイレベルからローレベルに切換え、コマンド伝送対象の制御基板へ必要な制御コマンドを4msの間継続して1回のみ出力する。
【0148】
図中の「1」に示すように、各制御基板の制御用CPUは、INT信号が無効状態から有効状態となった時点で制御コマンドを抽出し、これを所定の格納領域に格納する。その後、500μsecが経過した時点で、図中の「2」に示すように、再度、制御コマンドを抽出する。そして、新たに抽出した制御コマンドが「1」のタイミングで抽出した制御コマンドと一致することを確認する。その後、さらに500μsecが経過した時点で、図中の「3」に示すように、再度コマンドデータを抽出し、コマンドデータが変化していないことを条件としてそのコマンドデータに応じた制御を実行する。すなわち、INT信号が有効状態となっている間にコマンドデータを3回連続して抽出し、抽出結果がすべて一致する場合に、そのコマンドデータを正規のデータとみなす。
【0149】
また、前述したような3回のコマンドデータの抽出により、抽出結果がすべて一致しない場合には、INT信号が有効状態となっている期間中において、再度3回の抽出をやり直す。そして、再抽出により抽出結果がすべて一致した場合には、そのコマンドデータを正規のコマンドデータとみなす。
【0150】
このように、遊技制御基板31から出力されたコマンドデータを所定期間(INT信号が有効状態となっている期間中)にわたって監視し、コマンドデータの内容が変化していない場合(3回抽出したデータが連続的に一致する場合)に、コマンドデータが正規のデータであるとみなし、コマンドデータに対応した制御を行なうために、ノイズなどの影響によって瞬間的に正規のコマンドデータが本来のものとは異なるデータに変化した場合であっても、そのデータに基づいて誤った制御が行なわれてしまう不都合を防止できる。その結果、精度が高い制御を行なうことができる。
【0151】
また、遊技制御基板31のCPU56は、各制御基板に対して制御内容を指定する場合には、制御コマンドを各制御基板の制御用CPUが読取可能な態様で予め定められた出力継続期間(4ms)にわたって1回のみ出力するのであり、その出力継続期間が終了すれば、新たな制御内容を指令するときまで制御コマンドの出力を停止する。このため、たとえば、制御コマンドに基づく処理が完了するまで同一の制御コマンドの出力/停止を繰返し行なう場合と比較して、制御コマンドの出力に関する処理回数を低減することが可能になり、CPU56の処理負担を軽減できる。
【0152】
また、制御内容が異なる複数の制御コマンドを連続して出力する必要がある場合には、インターバル期間としてコマンド間に最低4msのコマンド非出力期間が設けられる。したがって、制御内容が異なる複数の制御コマンドを連続して出力する必要がある場合には、INT信号が4msの間、ローレベルになるとともに制御コマンドが4msの間継続して出力された後、最低4msの間INT信号がハイレベルになるとともに制御コマンドの出力は停止され、その後、さらに、INT信号が4msの間ローレベルになるとともに制御コマンドが4msの間継続して出力される。
【0153】
各制御基板35,37,70,80は、INT信号がローレベルとなっている際に入力される制御コマンドデータに基づいて各種の制御を実行する。また、各制御基板35,37,70,80は、一旦、コマンドデータに基づく制御を開始した場合には、新たなコマンドデータが入力されるまでその制御を継続する。
【0154】
共通コマンドの説明
次に、制御コマンドの種類を具体的に説明する。前述したように、制御コマンドは、表示制御コマンドとランプ制御コマンドと音声制御コマンドと賞球制御コマンドとに分類することができる。これらの制御コマンドのうち、表示制御コマンドと音声制御コマンドとランプ制御コマンドとについてはそのコマンドデータが全く同一である共通コマンドがある。
【0155】
この共通コマンドは、予め定められたタイミングで各制御基板35,70,80に対して一斉に出力され、画像表示と効果音とランプの点滅とを関連づけて、ある遊技状態を効果的に演出するために用いられるとともに、停電が発生しそうになった場合にその旨を迅速に各制御基板35,70,80に対して通知するために用いられる。この種の共通コマンドには、変動開始コマンドや、変動停止コマンド、停電予告コマンド等がある。
【0156】
図19に変動開始コマンド、図20に変動停止コマンド、図24に停止時表示コマンドを、それぞれ示す。
【0157】
変動開始コマンド(図19参照)は、特別図柄の変動(可変表示)を開始させる時期に出力される共通コマンドである。変動開始コマンドのMODEデータは「80H」である。また、EXTデータは「00H」〜「04H」の5種類がある。
【0158】
表示制御基板80に対しては、このEXTデータによって、特別図柄の変動パターンが図示のように指定される。なお、特別図柄の変動パターンとは、特別図柄の変動を開始させてから左中右の各図柄を停止させていくパターンであり、この変動パターンにはリーチ演出のパターンも含まれる。さらに、その変動パターンの指定によって、特別図柄の変動を開始させてから変動を終了させて最終的な表示結果を導出表示させるまでの表示時間(可変表示期間)が、併せて指定される。図示する変動パターン1〜5に従って特別図柄を変動させるための制御データは、表示制御基板80側の制御データROM102に記憶されており、表示制御基板80の表示制御用CPU101は、遊技制御基板31からの変動開始コマンドに応じた変動パターンで特別図柄を変動させる。
【0159】
また、音声制御基板70に対しては、このEXTデータによって指定された変動パターンに対応する効果音(スピーカ27から出力)の音パターンが図示のように指定される。図示する変動パターン1〜5に対応した効果音を発生させるための制御データは、音声制御基板70側のROM(図示省略)に記憶されており、音声制御基板70の制御用CPU701は、遊技制御基板31からの変動開始コマンドに応じた演出パターンでスピーカ27から効果音を発生させる。
【0160】
さらに、ランプ制御基板35に対しては、このEXTデータによって指定された変動パターンに対応するランプ(遊技効果ランプ・LED28a〜28c)の発光パターンが図示のように指定される。図示する変動パターン1〜5に対応して発光体(遊技効果ランプ・LED28a〜28c)を点滅させるための制御データは、ランプ制御基板35側のROM(図示省略)に記憶されており、ランプ制御基板35の制御用CPU351は、遊技制御基板31からの変動開始コマンドに応じた演出パターンで発光体(遊技効果ランプ・LED28a〜28c)を点滅させる。
【0161】
以上のように、特別図柄の変動を開始させる時期になれば、各制御基板35,70,80に対して同一形態の変動開始コマンドが一斉に出力される。たとえば、表示制御基板80に対して変動開始コマンド「80H 00H」が出力される場合には、音声制御基板70とランプ制御基板35にも同一の変動開始コマンド「80H 00H」が出力される。これにより、画像表示と効果音とランプの点滅とをリンクさせた演出効果の高い態様で特別図柄の可変表示演出がなされる。
【0162】
変動停止コマンド(図20参照)は特別図柄の変動(可変表示)を停止させる時期に表示制御基板80とランプ制御基板35と音声制御基板70とに一斉に出力されるコマンドである。変動停止コマンドのMODEデータは「A0H」であり、EXTデータは「00H」である。このコマンドが出力される時期になれば、表示制御基板80は、特別図柄の変動を停止させて表示結果を導出表示させる。また、音声制御基板70は、特別図柄の停止にあわせて、効果音を出力し、表示結果が導出表示された後はそれまでスピーカ27から発生されていた効果音の出力を停止させる。さらに、ランプ制御基板35は、特別図柄の停止に対応した発光パターンでランプを制御し、表示結果が導出表示された後は演出用のランプを消灯させる。
【0163】
停電予告コマンド(図24参照)は、停電の発生が予期された時に表示制御基板80とランプ制御基板35と音声制御基板70とに一斉に出力される共通コマンドである。停電予告コマンドのMODEデータは「A1H」であり、EXTデータは「00H」である。表示制御基板80は、この停電予告コマンドを受けると、現在実行中の表示制御を中断して停電前表示画面に切換える。その停電時表示画面の例を図25に示す。
【0164】
図25を参照して、電源電圧の低下が遊技制御基板31側で検出されることに基づき停電予告コマンドが出力されると、表示制御基板80は特別図柄の変動などの表示制御を中断し、代わりに電源の再投入を促すメッセージを可変表示部9に表示する。これにより、遊技者あるいは遊技場の店員等は、停電に備えた処理が遊技機でなされたことを認識でき、まもなく停電が発生することを把握できるとともに、遊技の進行を再開させるために必要な操作方法を知ることができる。
【0165】
その後、しばらくして停電が発生することで表示制御基板80への電力供給が断たれて可変表示装置8には何も画像が表示されない状態となるが、もし、停電が発生しなかった場合には、図25の画面表示が継続される。この場合には、その画面表示に従って遊技機の電源スイッチをOFF/ONすると、中断されていた表示制御が再開され、遊技を途中から再開可能となる。
【0166】
一方、ランプ制御基板35は、停電予告コマンドを受けると、現在実行中のランプ制御を中断して始動記憶表示用のランプを含めてすべてのランプを消灯させる。同様に、音声制御基板70は、この停電予告コマンドを受けると、現在実行中の音制御を中断してスピーカ27を消音させる。このため、各制御基板35,70,80に対して停電予告コマンドが出力されることによって、図25に示すメッセージが表示されるのと同時に、それまで行なわれていたランプ・LEDや効果音による遊技演出が中断され、スピーカ27は無音となり、各種遊技効果ランプ・LEDはすべて消灯される。その後、停電が復旧した場合には、ランプ制御基板35および音声制御基板70は、遊技制御基板31から再度出力される制御コマンドに従い、中断していた演出制御を再開させる。
【0167】
以上、説明したように、本実施の形態では、共通コマンドが採用されており、特別図柄の変動開始から変動終了までの可変表示期間にわたって可変表示装置8、スピーカ27、ランプ・LEDを所定の態様で動作させるためのコマンドや、停電予告コマンドは、同一形態であることから、コマンドの形態を少なくすることができ、コマンドデータの記憶領域として遊技制御用マイコン53のROM54に必要とされる記憶容量を低減できる。
【0168】
なお、この実施の形態では、遊技制御基板31において各制御基板35,70,80別に出力ポートを用意しているが、遊技制御基板31側の出力ポートを1つとし、それを途中から分岐させて共通コマンドデータを各制御基板35,70,80へ出力するように構成してもよい。
【0169】
共通コマンド以外の表示制御コマンドの説明
次に、図21を参照して、上記共通コマンド以外の表示制御コマンドについて説明する。図21には、確定図柄指定コマンドが示されている。確定図柄指定コマンドは、表示制御基板80に対して確定図柄(予定停止図柄)を指定するコマンドである。この確定図柄指定コマンドにより、確定図柄が左中右図柄別に指定される。具体的には、MODEデータ「90H」により左図柄が指定され、MODEデータ「91H」により中図柄が指定され、MODEデータ「92H」により右図柄が指定される。各MODEデータに対応するEXTデータとしては、「00H」〜「0BH」の12種類用意されており、それぞれのEXTデータが特定の一の図柄を指定する。たとえば、MODEデータとEXTデータの組合せ「90H 00H」によって、左確定図柄をEXTデータ「00H」に対応する図柄とすることが指定される。表示制御基板80側には各EXTデータ「00H」〜「0BH」に対応する図柄のデータがその配列順で記憶されており、受信されたEXTデータに従う配列位置にある図柄が確定図柄として選択される。
【0170】
EXTデータ「00H」〜「0BH」によって指定される各々の図柄は、予め図示のように非確変図柄または確変図柄として定義されている。たとえば、「01H、03H、05H、07H、09H、0BH」によって指定される各々の図柄が確変図柄であり、「00H、02H、04H、06H、08H、0AH」によって指定される各々の図柄が非確変図柄である。
【0171】
図22には、表示制御基板80側の表示制御用CPU101が表示制御に用いる図柄テーブルが示されている。この図柄テーブルのデータは、制御データROM102内に記憶されている。図柄テーブルには、遊技制御基板31から出力される確定図柄指定コマンド「00H」〜「0BH」に対応させた特別図柄のデータが配列されている。
【0172】
可変表示期間に出力される制御コマンドのタイミングチャート
図23は、特別図柄の変動から停止までの間に遊技制御基板31から各制御基板35,70,80に対して出力される制御コマンドの出力タイミングを示すタイミングチャートである。
【0173】
特別図柄の変動を開始させる際には、最初に、変動開始コマンド「80H ××H」が表示制御コマンド、音声制御コマンド、ランプ制御コマンドとして、遊技制御基板31から各制御基板35,70,80に対して一斉に出力される。なお、「80H ××H」は、図19に示した「80H 00H」〜「80H 04H」のうちのいずれかのコマンドである。この変動開始コマンドが表示制御基板80側で取込まれたタイミングで、特別図柄の一斉変動が開始される。なお、変動開始コマンドの種類によりリーチの有無および可変表示期間が指定されている。表示制御基板80はその指令に基づいてリーチの演出内容等の変動パターンを決定する。また、音声制御基板70およびランプ制御基板35では、その変動パターンに対応する演出パターンが選択されて遊技演出が開始される。
【0174】
その後、変動開始コマンドに続いて、左中右図柄に対応する3つの確定図柄指定コマンドが順に表示制御コマンドとして出力される。図には、左図柄用の確定図柄指定コマンド1「90H ××H」、中図柄用の確定図柄指定コマンド2「91H ××H」、および右図柄用の確定図柄指定コマンド3「92H ××H」がその順で出力されることが示されている。なお、「××H」は、図21に示した「00H」〜「0BH」のうちのいずれかである。表示制御基板80側ではこの確定図柄指定コマンド基づいて最終的に表示結果として導出表示する確定図柄の種類が決定される。
【0175】
図柄の一斉変動が開始されてから、変動開始コマンド(変動コマンド)により指定される可変表示時間Tnが経過した時点で、図柄確定コマンドが遊技制御基板31から各制御基板35,70,80に対して出力される。これにより、確定図柄が停止表示され、ランプおよび効果音による遊技演出が停止される。
【0176】
その他のランプ制御コマンドの説明
次に、図26〜図28を参照して、その他のランプ制御コマンドについて説明する。上述した共通コマンド以外のその他のランプ制御コマンドには、特別図柄の始動記憶表示器18(図1参照)のLEDを制御するためのコマンド、普通図柄の始動記憶表示器(図示省略)を制御するためのコマンド、未払出賞球有りランプ29(図1参照)を制御するためのコマンド、普通図柄の可変表示器10(図1参照)を表示制御するためのコマンドなどがある。
【0177】
図26を参照して、特別図柄の始動記憶表示器18を制御するためのコマンドのMODEデータは「10H」であり、EXTデータは「00H」〜「04H」のうちのいずれかである。これらのEXTデータのうち、「00H」により4つの始動記憶表示用ランプ(LED)をすべて消灯させることが指定され(始動記憶数=0)、「01H」により始動記憶数=1に対応して左端のLEDを1つだけ点灯させることが指定され、「02H」により始動記憶数=2に対応して左側2つのLEDを点灯させ右側2つのLEDを消灯させることが指定され、「03H」により始動記憶数=3に対応して右端のLED以外の3つのLEDを点灯させることが指定され、「04H」により4つのLEDすべてを点灯させることが指定される。普通図柄用の始動記憶表示器のMODEデータは「11H」であり、EXTデータは特別図柄用のランプ制御コマンドと同一である。
【0178】
さらに、図26を参照して、未払出賞球有りランプ29を制御するコマンドのMODEデータは「04H」であり、EXTデータは「04H」または「05H」である。EXTデータ「04H」により未払出賞球有りランプ29を点灯させることが指定され、EXTデータ「05H」により未払出賞球有りランプ29を消灯させることが指定される。なお、始動記憶表示器(特別図柄用/普通図柄用)を制御するためのランプ制御コマンドについては、4つの各LEDに対応した制御コマンドを設けて、各LED別ののランプ制御コマンドによって各LEDの点灯/消灯を指定するようにしてもよい。
【0179】
図27を参照して、普通図柄用の可変表示器10を表示制御するためのランプ制御コマンドのMODEデータは「85H」であり、EXTデータは「00H」〜「02H」のうちのいずれかである。これらのEXTデータのうち、変動開始コマンド「00H」により普通図柄の変動開始が指定され、変動停止コマンド「01H」により普通図柄の変動を停止させて結果を当りとすることが指定され、変動停止コマンド「02H」により普通図柄の変動を停止させて結果を外れとすることが指定される。なお、当りに対応する図柄の種類、および外れに対応する図柄の種類についてはランプ制御基板35側に記憶されており、ランプ制御基板35は遊技制御基板31からのこれらの制御コマンドを受けて自ら記憶している当り図柄または外れ図柄を表示させる。しかしながら、これに代えて、遊技制御基板31が普通図柄の種類までを特定できるように、変動停止に対応する制御コマンドの種類を増やしてもよい。また、表示制御基板80へのコマンドのように、変動開始コマンド、確定図柄指定コマンド、変動停止コマンドの3種類のコマンドを送ってもよい。
【0180】
図28は、普通図柄の変動コマンドと変動停止コマンドの出力タイミングを説明するためのタイミングチャートである。特別図柄の変動パターンと同様、普通図柄についても、その変動を開始させるタイミングで変動開始コマンド「85H 00H」が遊技制御基板31から出力される。ランプ制御基板35は、この変動開始コマンドを受けて普通図柄の変動を開始させる。その後、所定時間が経過すると、遊技制御基板31から変動停止コマンド「85H XXH」が出力される。これを受けて、ランプ制御基板35は、普通図柄の変動を停止させ、当りまたは外れの結果を導出表示させる。
【0181】
なお、ここでは、普通図柄はランプ制御基板によって制御されるように構成したが、表示制御基板80により制御されるように構成してもよい。この場合には、表示制御コマンドとして普通図柄の変動開始コマンドおよび変動停止コマンドが表示制御基板80から出力されることになる。
【0182】
賞球制御コマンドの説明
次に、図29を参照して、賞球制御基板37に対して出力される賞球制御コマンドについて説明する。図示するように賞球制御コマンドには、未使用データを含めて合計9種類ある。このうち、MODEデータ「C1H」により示される賞球制御コマンドは、通常払出指定、すなわち、賞球の払出を指定する賞球個数コマンドである。この賞球個数コマンドのEXTデータは、払出すべき賞球数を指定するためのデータエリアとして定義づけられている。
【0183】
その他、MODEデータが「C2H」であるコマンドデータは玉貸しの禁止を指定するコマンドであり、MODEデータが「C3H」であるコマンドは玉貸し可能を指定するコマンドであり、MODEデータ「C4H」であるコマンドは発射禁止指定コマンドであり、MODEデータが「C5H」であるコマンドは発射可能指定コマンドであり、MODEデータが「C6H」であるコマンドは賞球禁止指定コマンドであり、MODEデータが「C7H」であるコマンドは賞球可能指定コマンドである。さらに、MODEデータが「C8H」であるコマンドは、停電が発生する際に出力される停電予告コマンドデータであり、賞球制御基板37は、このコマンドデータを受けて停電に備えた所定の処理を実行する。
【0184】
これらの賞球制御コマンドのうち、通常払出指定コマンド以外については、EXTデータがすべて「01H」に統一されている。
【0185】
遊技制御基板31側の処理内容の説明
次に、図30〜図45を参照して、遊技制御基板31側の処理内容につきフローチャートに基づいて説明する。
【0186】
図30(a)は遊技制御メイン処理を説明するためのフローチャートであり、図30(b)はタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。
【0187】
以下に説明するように、遊技制御基板31のCPU56は、2msごとに2つの処理を主に行なう。1つは通常の遊技制御処理であり、もう1つは電源電圧が異常に低下していないかどうかをチェックする処理である。CPU56は、これらの2つの処理を終えると、次回、その2つの処理を開始できる時間になるまで待機状態となる。その待機状態は、図30(b)に示すタイマ割込処理においてタイマ割込みフラグがセットされることで終了され、再び、CPU56は、前記2つの処理を実行する。
【0188】
図30を参照して、まず、パチンコ遊技機1に電源が供給されると、停電が復旧したのか否かが判断される(S1)。後述するように、CPU56は、電源電圧が異常に低下して停電が発生することが予期される際には電源断フラグをセットする(S23参照)。この電源断フラグは、遊技制御基板31の遊技制御用マイコン53内のRAM55に格納され、電源断が生じた後もしばらくの間は電源基板910からのバックアップ電源によって保持される。このため、停電が発生した後、バックアップ時間内でそれが復旧すれば、この電源断フラグがオン状態に維持されており、S1において停電後に復旧したものと判断される。一方、たとえば、閉店時に遊技機の電源を落とし、翌朝、開店前に電源を上げた際には、バックアップ時間が経過することに伴って電源断フラグが消去される。したがって、この場合には、S1において停電後に復旧したものではないと判断される。
【0189】
S1において停電後に復旧したものではないと判断された場合、すなわち、たとえば、閉店後、翌朝に電源を立ち上げた場合には、通常の初期化処理が実行される(S2)。通常の初期化処理とは、RAM55内のすべてのデータを初期化させる処理である。
【0190】
一方、S1において停電後に復旧したと判断された場合(電源断フラグが設定されている場合)には、バックアップされていたRAMデータに基づいて遊技状態を停電前の状態に復帰させる処理である。詳細については、図34を用いて後述する。
【0191】
次に、初期化システムタイマがセットされる(S2a)。この初期化システムタイマは、所定の割込時間(たとえば2ms)が経過した後に割込を発生させてタイマ割込処理(図30(b))を起動させるためのタイマである。これにより、その後、所定の割込時間が経過すれば、図30(b)のタイマ割込処理が起動される。
【0192】
図30(b)を参照して、タイマ割込処理が起動されることにより、タイマ割込フラグがセットされ(S9)、再度、初期化システムタイマがセットされ直されて割込時間の計時が開始される(S10)。
【0193】
再び、図30(a)を参照して、初期化システムタイマがセットされた後(S2a)、タイマ割込フラグが1にセットされているか否かが判断される(S4)。たとえば、初期化処理が実行された直後においては、タイマ割込フラグにおいても初期化(=0)されており、このS4ではNOの判断がなされる。その後、S2aでセットされた初期化システムが2msを計時した時点でタイマ割込処理(図30(b))が実行され、タイマ割込フラグが1にセットされると、S4でYESの判断がなされる。これにより、S4で構成される繰返しのループを抜け、タイマ割込フラグがクリア(=0)される(S5)。
【0194】
次に、電源電圧に異常がないか否かが判断される(S6)。この判断は、前述したように、入力ポート570(図15参照)に入力される電源監視用IC902からの入力信号に基づいて行なわれる。
【0195】
S6で電源電圧に異常がなく、停電の発生の可能性がないと判断された場合には通常の遊技制御処理が実行される(S7)。この遊技制御処理の詳細については図31を用いて後述する。一連の遊技制御処理が実行されると、再度、S4で構成されるループに突入し、待機状態となる。そして、S10でセットされた初期化システムタイマが2msを計時した時点でタイマ割込フラグが0から1に変更されることでループを抜け、再度、S5以降の処理が繰返し実行される。
【0196】
一方、S6で電源電圧に異常があると判断された場合には、停電発生処理が実行される(S8)。停電発生処理は、各制御基板35,37,70,80へ停電が発生する旨を通知する停電予告コマンドを出力するとともに、前述した電源断フラグをセットし、それ以降、割込による遊技制御処理を実行しないようにする処理である。この停電発生処理の詳細については、図33を用いて後述する。
【0197】
このように、この遊技制御メイン処理においては、2msごとに遊技制御処理が実行されるとともに、2msごとに定期的に電源電圧がチェックされる。
【0198】
特に、S6の電圧監視処理がS7の遊技制御処理よりも先に実行されるように構成されているために、両処理の順番を入換えて処理する場合と比較して、電圧監視処理の実行時間間隔を一様に2msとすることができる。すなわち、遊技制御処理の後に電圧監視処理を実行するように構成すると、遊技制御処理が終了する時期によって電圧監視処理を開始できる時期にずれが生じる。図31を用いて後述する遊技制御処理は、遊技状態によってそのすべてのステップが終了するのに要する時間が異なるためである。このように、電圧監視処理を開始できる時期にずれが生じると、2msに1回、電圧監視処理が実行されはするものの、前回、電圧監視処理が実行開始されてから、今回、電圧監視処理が実行開始されるまでの処理時間間隔がまちまちになる。
【0199】
そこで、本実施の形態のように、S6の電圧監視処理がS7の遊技制御処理よりも先に実行されるように構成することで、2ms毎に定期的に電圧監視処理を実行することが可能になる。これにより、停電を予期できる信頼度を遊技機の稼働期間において一様にすることができる。
【0200】
図31は遊技制御処理を説明するためのフローチャートである。この遊技制御処理は図30のS7で実行されるサブルーチンである。
【0201】
遊技制御処理においては、まず、データ出力処理が実行される(S10)。これにより、大当り情報等の遊技情報がホールコンピュータへ出力される。次に、エラー処理が実行される(S11)。このエラー処理においては、エラー状態が発生した場合にエラー状態を設定してその旨の報知を行なう処理と、所定条件下でエラー状態を解除する処理とが行なわれる。次に、判定用乱数更新処理が実行される(S12)。この判定用乱数更新処理においては、大当たり判定用乱数等を更新する処理が行なわれる。
【0202】
次に、特別図柄プロセス処理が実行される(S13)。この特別図柄プロセス処理においては、複数のプロセスに分けられた特別図柄を表示するためのプロセスを、プロセスを選択するフラグに応じて分岐実行させるための処理が行なわれる。特別図柄プロセス処理については、図36を用いて後述する。また、特別図柄プロセス処理の概略については、別途、図44を用いて説明する。
【0203】
次に、普通図柄プロセス処理が実行される(S14)。この普通図柄プロセス処理においては、複数のプロセスに分けられた普通図柄を表示するためのプロセスを、プロセスを選択するフラグに応じて分岐実行させるための処理が行なわれる。普通図柄プロセス処理の概略については、図45を用いて説明する。
【0204】
次に、表示用乱数更新処理が実行される(S15)。この表示用乱数更新処理においては、確定図柄の決定のために用いる各種乱数を更新する処理がなされる。
【0205】
次に、入賞球信号処理が実行される(S16)。この入賞球信号処理においては、入賞球の検出に応じた処理が行なわれる。処理の詳細については、図32を用いて後述する。
【0206】
次に、賞球コマンド(賞球制御コマンド)出力処理が実行される(S17)。賞球コマンド出力処理では、たとえば、入賞球信号処理においてセットされた賞球の払出指定数に対応する賞球個数コマンドや、停電予告コマンド、その他の賞球制御コマンドを賞球制御基板35へ出力する処理が実行される。
【0207】
図32は入賞球信号処理を説明するためのフローチャートである。この入賞球信号処理は図31のS16で実行されるサブルーチンである。
【0208】
入賞球信号処理においては、まず、入賞検知機構(入賞スイッチ)がチェックされる(SS1)。入賞検知機構のチェックとは、具体的には、各種入賞スイッチからの検出信号の入力状況をチェックすることである。次に、入賞検知機構をチェックした結果に基づき、いずれかの入賞口で入賞が発生した否かが判断される(SS2)。ある入賞口で入賞が発生していないと判断された場合には、すべての入賞検知機構(入賞スイッチ)につきチェック済であるか否かが判断され(SS4)、まだチェックしていない入賞検知機構(入賞スイッチ)がある場合には再度処理がSS1に移行する。
【0209】
SS2において、ある入賞検知機構(入賞スイッチ)で入賞が検出されていると判断された場合には、賞球カウンタに1が加算される(SS3)。ここで、賞球カウンタは、入賞数を計数するカウンタであり、このように入賞が検出されることに基づいて加算更新され、検出された入賞に対応する賞球個数コマンドが出力されるごとに賞球コマンド出力処理(図31のS17)において減算更新される。このフローチャートでは、たとえば、1入賞に対して払出すべき賞球数の種類が2種類である場合を想定しており、賞球カウンタとしては、それぞれの種類に対応した賞球カウンタ1と賞球カウンタ2とが使用されている。したがって、このSS3では、賞球カウンタ1または賞球カウンタ2に1が加算されることになる。
【0210】
SS4で全入賞検知機構(入賞スイッチ)につきチェック済であると判断された場合には、賞球カウンタ1のカウンタ値が0であるか否かが判断される(SS5)。そして、賞球カウンタ1のカウンタ値が0である場合には後述するSS7に移行するが、賞球カウンタ1のカウンタ値が0ではない場合、すなわち、賞球カウンタ1に対する入賞がある場合にはその入賞に対応して指定されている賞球の払出数がセットされるとともに、未払出賞球数カウンタにその払出予定の賞球数が加算される(SS6)。ここでセットされた賞球の払出数については、後述するSS8でセットされる賞球の払出数と加算される。そして、その加算結果に対応する賞球個数コマンドが、賞球コマンド出力処理(図31のS17)で出力される。なお、未払出賞球数カウンタとは、賞球予定数のうちまだ払出されていない賞球数を計数するカウンタである。この未払出賞球数カウンタのカウンタ値は、賞球カウントスイッチの検出出力が得られるごとにSS10において減算更新される。
【0211】
次に、賞球カウンタ2の値が0か否かが判断される(SS7)。賞球カウンタ2の値が0である場合には後述するSS9に移行するが、0ではない場合にはSS6と同様にして賞球の払出数がセットされ、未払出賞球数にその払出予定の賞球数が加算される(SS8)。
【0212】
次に、賞球カウントスイッチの検出出力が得られたか否か判断され(SS9)、賞球カウントスイッチの検出出力が得られていない場合には後述するSS11に移行するが、検出出力が得られた場合には未払出賞球数カウンタのカウンタ値が1減算される(SS10)。そして、未払出賞球数カウンタの値が0であるか否かが判断され(SS11)、未払出賞球数カウンタの値が0の場合、すなわち、払出すべき賞球がすべて払出されている場合には未払出賞球有りランプ29を消灯することが指定され(SS13)、カウンタ値が0でない場合には未払出賞球有りランプ29を点灯させることが指定される(SS12)。なお、このSS12、SS13で指定されたデータは、図36の制御データ出力処理(SC8)においてランプ制御コマンドとして出力される。
【0213】
図33は、停電発生処理を説明するためのフローチャートである。この停電発生処理は図30(a)のS8で実行されるサブルーチンである。
【0214】
この停電発生処理においては、まず、割込が禁止される(S20)。これにより、図30(b)に示したタイマ割込処理が経過時間によらず実行されなくなって、割込みフラグが1にセットされなくなる。
【0215】
次に、賞球制御基板37へ停電予告コマンド(「C8H 01H」図29参照)が出力され(S21)、続いて、ランプ制御基板35と音声制御基板70と表示制御基板80とに同一形態の停電予告コマンド(「A1H 00H」図24参照)が出力される(S22)。表示制御基板80は、停電予告コマンドを受けて、前述したように、その時点まで行なっていた表示制御を中断して電源の再投入を促すメッセージを表示画面に表示させる。また、ランプ制御基板35は、停電予告コマンドを受けて、前述したように、すべてのランプ・LEDを消灯させる。同様に、音声制御基板70は、停電予告コマンドを受けて、前述したように、スピーカ27を無音状態とする。
【0216】
なお、停電予告コマンドを受けた賞球制御基板37は、賞球の払出制御などの一切の制御を中断する。その詳細な説明は図52を用いて後述する。
【0217】
次に、電源断フラグがセットされる(S23)。この電源断フラグは、停電後においてもバックアップ電源によってしばらくの間保持され、停電が復旧した際に前述したS1において、セットされているか否かが判断される。
【0218】
次に、現時点でRAM55に記憶されている各種データが参照され、各種データを構成するビット列のうちの特定ビット(たとえば先頭ビット)を用いてチェックサムが算出される。そして、その算出されたチェックサムがRAM55の所定領域に格納される(S24)。なお、ここで格納されたチェックサムは、停電復旧時に図34のS30においてチェックされる。
【0219】
次に、RAM55へのアクセスを禁止することが設定され(S25)、これに基づき、電源断が発生するまで何らの処理もなされない状態となる(S26)。なお、ここで電源断が発生した後、再度、電源が供給されるようになった場合には、図30(a)の遊技制御メイン処理に移行する。
【0220】
図33の停電発生前処理によると、停電発生直前にはRAM55へのアクセスが禁止されて遊技の進行が停止されるために、CPU56がRAM55へアクセスしている最中に停電が発生してRAMデータに狂いが生じてしまうことを防止できる。しかも、遊技の進行が停止される場合には、S22によって、停止予告コマンドが各制御基板35,70,80へ出力されて可変表示装置8やランプ・LED、スピーカ27による遊技演出も中断されるために、それらの遊技部品を遊技進行停止状態と整合性がとれた状態にすることができる。
【0221】
図34は停電復旧処理を説明するためのフローチャートである。この停電復旧処理は図30のS3で実行されるサブルーチンである。
【0222】
停電復旧処理においては、まず、RAM55に格納されているチェックサムがチェックされ、その値に異常がないか否かが判断される(S30)。チェックサムのチェックの結果、異常があると判断された場合には、RAM55に格納されているデータが化けている可能性があるために、その記憶されているデータを用いて制御を再開させることをせずに図30のS2に示したのと同様に初期化処理が実行される(S32)。これにより、RAM55内のすべてのデータが初期化される。一方、S30でチェックサムに異常がないと判断された場合には、電源断フラグがクリアされた後(S31)、RAM55に記憶されているデータに基づいて遊技状態を復旧させるための遊技状態復旧処理が実行される(S33)。遊技状態復旧処理についての詳細は、次に図35を用いて説明する。
【0223】
図35は、遊技状態復旧処理を説明するためのフローチャートである。この遊技状態復旧処理は、図34のS33で実行されるサブルーチンであり、停電復旧後に、遊技制御基板31側のRAMデータに基づいて可変表示装置8とランプ・LEDとスピーカ27とを復旧させる処理である。
【0224】
遊技状態復旧処理においては、まず、始動記憶復旧処理が実行される(SA1)。始動記憶復旧処理は、RAM55に格納されているデータに基づき、特別図柄の始動記憶表示器18と普通図柄の始動記憶表示器の表示状態を停電前の状態に復旧させる処理である。具体的には、遊技制御基板31からランプ制御基板35に対して、始動記憶表示器18と普通図柄の始動記憶表示器のランプの点灯パターンを指定するランプ制御コマンドが出力される。この点灯パターンは、停電が発生する前に遊技制御基板31のRAM55に記憶されていた始動記憶数に基づいて、遊技制御基板31のCPU56によって選択される。RAM55はバックアップ電源によってバックアップされているために、停電前の始動記憶数は停電が復旧した後においても、依然、RAM55に記憶されている。
【0225】
ランプ制御基板35の制御用CPU351は、出力されたランプ制御コマンドを受け、特別図柄の始動記憶表示器18と普通図柄の始動記憶表示器の表示状態を停電前の状態に復旧させる。
【0226】
このように、停電復旧後は、可変表示装置8とランプ・LEDとスピーカ27とのうち、特に、特別図柄の始動記憶表示器18と普通図柄の始動記憶表示器の表示状態が最初に復帰する。このため、停電復旧後にまだ始動記憶数が表示されていないにも拘らず特別図柄の可変表示制御が開始されるような見た目に妙な遊技制御がなされてしまうことがない。また、停電復旧後に、可変表示装置8の画像を始動記憶表示器の表示よりも優先して復帰させると、可変表示装置8の画像が復帰してから始動記憶表示器の表示が復帰するまでの間、遊技者に対して停電前に残っていた始動記憶が停電によってリセットされてしまったかのような印象を与えてしまい、遊技者に不安感を与えてしまうが、始動記憶の表示が優先的に復帰するためにそのようなことがない。以上により、停電が復旧した場合にスムーズに遊技状態を復帰させることが可能となる。
【0227】
次に、表示復旧処理が実行される(SA2)。表示復旧処理は、可変表示装置8の表示状態を停電前の状態に復旧させる処理である。具体的には、遊技制御基板31から表示制御基板80に対して、特別図柄の変動パターン等の表示制御パターンを指定する表示制御コマンドが出力される。この表示制御パターンは、停電が発生する前に遊技制御基板31のRAM55に記憶されていた制御データに基づいて、遊技制御基板31のCPU56によって選択される。RAM55はバックアップ電源によってバックアップされているために、停電前の表示制御データは停電が復旧した後においても、依然、RAM55に記憶されている。なお、停電発生時に特別図柄が既に変動を開始していた場合には、この表示復旧処理において、改めて遊技制御基板31から、その変動に対応した変動開始コマンド等が出力される。このため、特別図柄の変動中に停電があった場合には、停電の復旧後に改めて特別図柄が変動を開始する。
【0228】
次に、音声復旧処理が実行される(SA3)。音声復旧処理は、スピーカ27からの効果音を停電発生前の状態に復旧させる処理である。この音声復旧処理では、表示復旧処理(SA2)によって復旧された可変表示装置8の表示状態に対応する音声制御パターンを指定する音声制御コマンドが遊技制御基板31から音声制御基板70に対して出力される。この音声制御パターンは、停電が発生する前に遊技制御基板31のRAM55に記憶されていた制御データに基づいて、遊技制御基板31のCPU56によって選択される。RAM55はバックアップ電源によってバックアップされているために、停電前の音声制御データは停電が復旧した後においても、依然、RAM55に記憶されている。
【0229】
次に、ランプ復旧処理が実行される(SA4)。このランプ復旧処理は、特別図柄用の始動記憶表示器18および普通図柄用の始動記憶表示器以外の各種のランプ・LEDを停電前の点灯状態に復旧させる処理である。具体的には、SA2の表示復旧処理により復旧された可変表示装置8の表示状態に対応するランプ制御コマンドや、未払出賞球有りランプ29を制御するランプ制御コマンドなどが、バックアップ用電源によってバックアップされていたRAM55の制御データに基づいてCPU56によって選択され、その選択されたランプ制御コマンドがランプ制御基板35に対して出力される。RAM55はバックアップ電源によってバックアップされているために、停電前のランプ制御データは停電が復旧した後においても、依然、RAM55に記憶されている。
【0230】
図36は特別図柄プロセス処理を説明するためのフローチャートである。この特別図柄プロセス処理は、図31のS13で実行されるサブルーチンである。なお、この特別図柄プロセス処理の概要は、図44を用いて後述する。
【0231】
遊技制御用マイコン53のCPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう際に、特別図柄プロセスフラグの値に応じて、図36に示すステップSC1〜SC6のうちのいずれかの処理を行ない、さらに、SC1〜SC6のいずれか、または、その他の処理において制御コマンドの出力要求が発生すれば、SC7でその出力要求に応じた制御コマンドのデータを設定し、その設定した制御コマンドをSC8で出力する。以下に、特別図柄プロセス処理の各ステップについて説明する。
【0232】
特別図柄変動待ち処理(SC1):始動入賞口14に始動入賞して始動口スイッチ17がオンするのを待つ間に実行される処理である。始動口スイッチ17がオンした場合には、始動入賞記憶数が上限値に達していなければ、始動入賞記憶数が+1されるとともに大当り判定用乱数が抽出される。ここで実行される処理については、図37を用いて後述する。
【0233】
大当り判定処理(SC2):抽出されている大当り判定用乱数の値に応じて大当りとするかはずれとするかを決定する処理である。
【0234】
特別図柄停止図柄設定処理(SC3):左右中図柄の最終停止図柄(確定図柄)を決定するとともに、変動パターンを決定する処理である。
【0235】
全図柄変動中処理(SC4):特別図柄の変動を開始させる処理である。具体的には、変動開始コマンドの出力要求がセットされる。
【0236】
全図柄停止処理(SC5):SC3で設定された変動パターンに基づく可変表示期間が経過した段階で、図柄停止コマンドの出力要求をセットする処理である。
【0237】
大当り中処理(SC6):確定図柄が大当り図柄の組合せである場合、大当り制御の表示制御コマンドの出力要求をセットする処理である。表示制御基板80の表示制御用CPU101は、ここでセットされるコマンドデータに基づき、可変表示部9に大当り表示を行なうなどの表示制御を行なう。
【0238】
制御データ設定処理(SC7):SC1〜SC6、その他の処理においてセットされた制御コマンドの出力要求に応じ、対応するコマンドデータを設定する処理である。
【0239】
制御データ出力処理(SC8):SC7で設定されたコマンドデータを対応する制御基板35,70,80へ制御コマンドとして出力する処理である。具体的には、対応する制御コマンドデータを制御基板に対応して設けられた出力ポートに出力するとともに、INT信号(ストローブ信号)を出力ポートに出力する。
【0240】
図37は、特別図柄プロセス処理のうちの特別図柄変動待ち処理(SC1)を示すフローチャートである。この特別図柄変動待ち処理においては、まず、始動入賞口14への入賞があったか否かが判断され(S41)、ない場合には処理が終了するが始動入賞がある場合には始動記憶数が上限値(=4)にすでに達しているか否かが判断される(S42)。始動記憶数が上限値に達している場合にはその始動入賞は記憶されないが、そうでない場合には始動記憶数を計数する始動記憶数カウンタの値が+1される(S43)。なお、この始動記憶数カウンタは、RAM55の記憶エリアに構成されている。
【0241】
次に、大当り判定に用いられる大当り判定用乱数が抽出され、その抽出値が始動記憶数カウンタの値に応じたRAM55の乱数値格納エリアに格納され(S44)、処理が終了する。
【0242】
図38は、特別図柄プロセス処理において用いられるプロセスデータのデータ構成の一例を示す説明図である。プロセスデータは、遊技制御用マイコン53のROM54に格納されている。特別図柄プロセス処理のうち、SC1〜SC6は、プロセスデータに応じて行なわれる。
【0243】
プロセスデータは、図示するように4バイト単位(プロセスタイマデータ×2、MODEデータ×1、EXTデータ×1)で構成されるデータが1つまたは2つ以上集まったものであり、その最後には、プロセスの終了を示す終了コードが付加されている。以下、このようなデータの集合(4Nバイト+2バイト)をプロセスデータグループという。このような、プロセスデータグループは、複数存在し、遊技制御用マイコン53のCPU56は、あるプロセスデータグループの実行を終えると、予め定められた次のプロセスデータグループの先頭アドレスを指定し、そのプロセスデータグループの実行を開始する。
【0244】
プロセスデータグループにおいて、1バイト目および2バイト目のプロセスタイマ値は、3バイト目と4バイト目の制御データを実行する際に用いるタイマであり、このタイマがタイムアップした場合に、そのプロセスデータグループにさらに制御データ(7バイト目と8バイト目に設定)が付加されている場合には、その付加されている制御データが実行される。その際には、5バイト目と6バイト目に設定されているプロセスタイマが用いられる。一方、プロセスタイマがタイムアップした際に、次のデータが終了コードの場合には、予め定められた次のプロセスデータグループの先頭アドレスが指定され、そのプロセスデータグループが実行される。
【0245】
プロセスデータグループに設定されている制御データは、制御コマンドデータである。図38に示すように、たとえば、3バイト目には共通コマンドデータのうちのMODEデータが設定され、4バイト目にはEXTデータが設定されている。
【0246】
図39は、特別図柄プロセス処理の各ステップのうち、SC1〜SC6のステップ内で実行されるプロセスデータ/タイマ処理を示すサブルーチンである。このプロセスデータ/タイマ処理においては、まず、特別図柄プロセスタイマ設定処理が実行される(S401)。特別図柄プロセスタイマ設定処理では、プロセスデータグループの切換があった場合に、複数種類のプロセスデータグループのうち、各ステップSC1〜SC6で実行するプロセスデータグループの先頭アドレスが設定され、さらに、そのアドレスに対応するプロセスデータのプロセスタイマが設定される。この特別図柄プロセスタイマ設定処理については図40を用いて後述する。
【0247】
次に、プロセスタイマの値が1減算される(S403)。次に、プロセスタイマの値が0であるか否かが判断され(S404)、その値が0でなければこのプロセスは継続中であるとして(S408)、処理が終了する。
【0248】
一方、プロセスタイマの値が0である場合には、データポインタがプロセスデータグループ中の次のデータ(4バイト)を指すように設定される(S405)。次に、データポインタが指すデータグループにおける1,2バイト目の値がプロセスタイマとして設定され(S406)、その新たに設定された値が終了コートであるか否かが判断される(S407)。そして、終了コードではない場合には、その新たに設定されたプロセスタイマに基づいた処理を実行するべく、プロセス継続中が設定される(S408)。一方、終了コードであった場合には、そのプロセスデータグループの処理が終了したために、プロセスの終了が設定され(S409)、処理が終了する。
【0249】
図40は、特別図柄プロセスタイマ設定処理を説明するためのフローチャートである。この特別図柄プロセスタイマ設定処理は、図39のS401で実行されるサブルーチンである。
【0250】
特別図柄プロセスタイマ設定処理においては、まず、プロセスデータグループのアドレスが変更されたか(プロセスデータグループの切換えが指定されているか)否かが判断される(S421)。そして、アドレスの変更がない場合、すなわち、そのプロセスデータグループのプロセスが継続中である場合には、現在設定されているプロセスデータアドレスを変更する必要がないために、現在設定されているプロセスデータアドレスが再度設定された後(S425)、処理が終了する。
【0251】
一方、アドレスの変更があった場合、すなわちプロセスデータグループの切換があった場合にはS421でYESの判断がなされ、変更後のプロセスデータグループの先頭アドレスが設定される(S422)。そして、新たなプロセスデータグループ中の1,2バイト目の値(タイマ値)が新たにプロセスタイマとして設定され(S423)、プロセスタイマの値が保存される(S424)。次に、変更後のデータアドレスの値がプロセスデータアドレスとして設定され(S425)、処理が終了する。
【0252】
図41は、制御データ設定処理を説明するためのフローチャートである。この制御データ設定処理は、図36の特別図柄プロセス処理のSC7で実行されるサブルーチンである。
【0253】
制御データ設定処理においては、まず、制御データ(表示制御コマンドデータ、音声制御コマンドデータ、ランプ制御コマンドデータ)に変更がないか否かが判断される(S81)。制御データの変更は、図38に示したプロセスデータグループ中のプロセスタイマがタイムアップして実行される制御データが切換わったときに生じる。たとえば、変動開始コマンドを出力してからその変動開始コマンドに対応した可変表示期間(変動時間)が経過してプロセスタイマがタイムアップした場合に生じる。
【0254】
このようにして制御データに変更があった場合には、変更後のプロセスデータグループ中の制御コマンドデータが読出される(S82)。そして、読出された制御コマンドデータがランプ制御基板35、音声制御基板70、表示制御基板80の各々に対応する出力ポートX(Xは、表示制御基板80:出力ポートA 571、音声制御基板70:出力ポートC 573、ランプ制御基板35:出力ポートE 575)のデータ格納領域に一旦設定される(S84)。次に、各制御基板に対応するポートXの出力要求がセットされる(S85)。なお、ここでセットされた出力要求は、図42のS581でチェックされる。一方、S81で制御データに変更がないと判断された場合には、そのまま処理が終了する。
【0255】
図42は、制御データ出力処理を説明するためのフローチャートである。この制御データ出力処理は、図36の特別図柄プロセス処理のSC8で実行されるサブルーチンである。
【0256】
制御データ出力処理においては、まず、各制御基板35,70,80の各々に対応するポートXの出力要求がセットされているか否かが判断される(S581)。なお、前述のように、この出力要求は図41のS85でセットされ得る。ポートXの出力要求がセットされている場合には、まず、ポートXの出力要求をリセットする処理がなされた後(S582)、ポートX格納領域の内容が各制御基板35,70,80に対応する出力ポートXに出力される(S583)。
【0257】
次に、ポートX出力カウンタの値が+1されるとともに(S584)、INT信号(ストローブ信号)を出力するためのポートY(Yは、表示制御基板80:出力ポートB 572、音声制御基板70:出力ポートD 574、ランプ制御基板35:出力ポートF 576)のビット7が0に設定される(S585)。ここで、ポートYのビット7が0に設定されることにより、各制御基板35,70,80に対応するINT信号が無効状態から有効状態に変化する。その後、一旦処理が終了される。
【0258】
その後、2msが経過すると、再度この制御データ出力処理が実行される。それは、この制御データ出力処理を含む遊技制御処理(図30のS7)が2msごとに実行されるためである。そして、2ms後にこの制御データ出力処理が実行された場合には、S581においてポートXの出力要求はないと判断される。前回、S582においてポートXの出力要求がリセットされているためである。この場合、ポートXの出力カウンタが0であるか否かが判断される(S586)。ここで、ポートXの出力カウンタは、前回、S584で+1されているために、このS586ではNOの判断がなされる。この場合、続いて、ポートXの出力カウンタが2であるか否かが判断される(S587)。そして、まだ、ポートXの出力カウンタの値が1である場合にはそのカウント値がさらに+1された後(S588)、一旦、処理が終了する。その後、S585でINT信号が無効状態から有効状態とされてから4msが経過した後、再度、この制御データ出力処理が実行された場合には、S587でポートX出力カウンタの値が2であると判断されてポートX出力カウンタがクリアされ(S589)、続いて、ポートYのビット7が0から1に変更され(S590)、処理が終了する。これより、INT信号の状態が有効状態から無効状態とされる。
【0259】
以上説明したように制御データ出力処理が実行されることにより、ポートXから制御コマンドデータが出力される場合には、4msの間、INT信号がローレベル、すなわち、有効状態になる。なお、図43には、その信号の状態が図示されている。
【0260】
図44は、図36に示した特別図柄プロセス処理に関し、処理の流れの概要を説明するための概略図である。
【0261】
まず、前回の特別図柄の可変表示が終了して改めて特別図柄の可変表示を開始できる状態になると(S20:スタートSW ON)、始動入賞が発生した際に抽出した大当り判定用乱数が読出され、大当り判定値であるか否かが判定される(S21)。そして、大当り判定値である場合には可変表示結果を大当りとすることが事前決定され、それ以外の値である場合にははずれとすることが事前決定される。なお、後述する確変フラグが設定されており、遊技状態が確率変動状態にある場合には、大当り判定値が増加し、大当り確率が向上される。
【0262】
可変表示結果をはずれとすることが決定された場合(S21でNO)には、はずれ出目決定用の乱数値に基づいて左中右のはずれ図柄が設定される(S26)。より詳細には、表示制御基板80に対して出力すべき確定図柄指定コマンドの種類が決定される。その後、後述するS28aへ移行する。
【0263】
S21で大当りとすることが決定された場合には、大当りフラグが設定される(S22)。次に、リミッタが作動しているか否かが判断される(S23)。前述したように、このパチンコ遊技機1では、確変が連続して継続した回数が所定の制限値に達しているとリミッタが作動(リミッタフラグON)する。リミッタが作動していないと判断された場合には、確変判定用乱数の抽出値に基づいて、高確率当り(確変大当り)とするか否かが決定される(S24)。高確率当り(確変大当り)とすることが決定された場合には、確変図柄の中から大当り図柄が決定される(S25)。より詳しくは、確変図柄を指定するための確定図柄指定コマンドの種類が決定される。次に、確変当りフラグがセットされる(S28)。確変当りフラグは、確変大当りとすることが決定されていることを示すフラグである。
【0264】
S24において確変大当りとしないことが決定された場合、もしくはS23においてリミッタが作動していると判断された場合には、非確変図柄の中から大当り図柄が選択される(S27)。より正確には、非確変図柄を指定する確定図柄指定コマンドの種類が決定される。
【0265】
S25〜S27のいずれかで確定図柄指定コマンドの種類が決定された後、変動開始コマンドの種類が決定され(S28a)、続いて、その決定された変動開始コマンドがランプ制御基板35と音声制御基板70と表示制御基板80とに送出される(S29)。なお、この変動開始コマンドが表示制御基板80側で受信されることにより、可変表示装置8では特別図柄の可変表示が開始される。また、この変動開始コマンドがランプ制御基板35と音声制御基板70とで受信されることにより、変動パターンに応じた遊技演出(ランプ制御、音声制御)がなされる。
【0266】
次に、S25〜S27で設定された確定図柄指定コマンドが送出される(S30)。表示制御基板80側では、この確定図柄指定コマンドに基づいて特別図柄の可変表示結果が判定される。
【0267】
次に、変動開始コマンドにより指定される可変表示期間が終了する時期になれば、変動停止コマンドがランプ制御基板35と音声制御基板70と表示制御基板80とに送出され(S31)、特別図柄の変動が終了する。次に、大当りフラグがセットされているか否かが判断される(S32)。大当りフラグがセットされていない場合には、可変表示装置8の表示結果がはずれとなっているために、スタート待ち(始動待ち)の状態となる(S33)。一方、大当りフラグがセットされていると判断された場合には、確変フラグがクリアされ(S34)、続いて大当りコマンドがランプ制御基板35と音声制御基板70と表示制御基板80とに送出される(S35)。表示制御基板80側ではこの大当りコマンドを受信することによって大当りの表示結果が示されている画面を大当り開始画面に切換える制御が行なわれる。また、ランプ制御基板35と音声制御基板70とでは、大当り演出(ランプ制御、音声制御)がなされる。
【0268】
次に、大当り制御が終了した後、確定図柄は確変図柄であったか否かが判断され(S36)、確変図柄であった場合には確変フラグがセットされる(S37)。これにより、確率変動状態に制御される。一方、確定図柄が確変図柄ではなかった場合には、確変フラグがセットされることなく、スタート待ち(始動待ち)の状態となる(S38)。
【0269】
図45は、普通図柄プロセス処理に関し、その処理の概略を説明するための概略図である。以下に、図45を参照して普通図柄プロセス処理の概略について説明する。
【0270】
普通図柄プロセス処理においては、まず、普通図柄の始動記憶の上限値(=4)を超過することにならないゲートスイッチ12の検出出力があれば(S200)、普通図柄の当りはずれ判定用乱数が抽出されて普通図柄の可変表示結果を当りとするかはずれとするかが判定される(S201)。そして、当り判定がなされた場合には、普通図柄当りフラグが設定され(S202)、続いて当り図柄が決定される(S203)。具体的には、普通図柄停止図柄指定コマンドを「85H 01H」とすることが決定される。一方、はずれ判定がなされた場合には、はずれ図柄が決定される(S204)。具体的には、普通図柄停止図柄指定コマンドを「85H 02H」とすることが決定される。
【0271】
その後、普通図柄の始動記憶に基づいた変動を開始させることが可能になれば、その時点で普通図柄変動開始コマンドが送出される(S205)。次に、予め定められた変動時間が経過した時点で、普通図柄停止図柄指定コマンドが送出される(S206)。これにより、普通図柄の変動が停止される。次に、普通図柄当りフラグが設定されているか否かが判断される(S207)。普通図柄当りフラグが設定されていない場合には、表示結果がはずれとなっているために、スタート待ちとなる(S209)。具体的には、普通図柄の始動記憶があれば、再度処理が前記S200に移行する。一方、当りフラグが設定されていると判断された場合には、普通電役ソレノイドONが設定される(S208)。これにより、始動口14の羽根部材150を開成させるためのソレノイド306が励磁される。次に、予め定められた励磁時間が経過すれば作動終了と判定され(S210でYES)、ソレノイド306を非励磁状態とするための普通電役ソレノイドOFF設定がなされる(S211)。その後、スタート待ちとなる(S212)。
【0272】
ランプ制御基板/音声制御基板/表示制御基板側の処理内容の説明
次に、図46〜図48を参照して、ランプ制御基板35の制御用CPU351と、音声制御基板70の制御用CPU701と、表示制御基板80の制御用CPU101の処理の内容をフローチャートに基づいて説明する。
【0273】
図46(a)は各制御基板35,70,80の制御用CPUが実行するメイン処理を説明するためのフローチャートであり、(b)はタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。
【0274】
図46(a)を参照して、メイン処理においては、まず、パチンコ遊技機1の電源の投入の伴って初期化処理(S101)が実行され、RAMデータが初期化される。次に、所定の割込時間(たとえば、500μs)が経過した後に割込みを発生させてタイマ割込処理を起動させるための初期化システムタイマがセットされる(S102)。これにより、所定の割込時間(たとえば、500μs)が経過した後に、図46(b)のタイマ割込処理が起動される。
【0275】
図46(b)を参照して、タイマ割込処理が起動されることにより、割込フラグがセットされ(S108)、再度、初期化システムタイマがセットされ直されて割込時間の計時が開始される。
【0276】
再び、図46(a)を参照して、S102の後、割込みフラグがセットされるまで待機状態となり(S103)、割込みフラグがセットされた時点でS103でYESの判断がなされて、後述するS104〜S106の処理が実行され、再度、割込フラグのセット待ちとなる。そして、先にS109でセットされた初期化システムタイマが割込み時間を計時し終えると、タイマ割込処理が起動されてS108で割込フラグがセットされ、これによって、再度、S104〜S106の処理が実行される。以降、タイマ割込処理が割込時間毎に起動される度に、S104〜S106の処理が実行される。
【0277】
以下、S104〜S106の処理を説明する。
制御コマンド読込処理(S104)は、遊技制御基板31側から送信される制御コマンドを読込む処理である。これにより、ランプ制御基板35の制御用CPUはランプ制御コマンドを、音声制御基板70の制御用CPUは音声制御コマンドを、表示制御基板80の制御用CPUは表示制御コマンドを、それぞれ読込む。その処理の詳細については、図47を用いて後述する。
【0278】
制御コマンド実行処理(S105)は、新たに取込まれた制御コマンドに従う演出パターンデータが格納されたROMアドレスをセットし、そのROMアドレスに対応する演出パターンデータによる制御(ランプ制御、音声制御、画像表示制御)を実行するための制御信号を出力ポートから出力する処理である。この制御コマンド実行処理の詳細については、図48を用いて後述する。
【0279】
ウオッチドッグタイマリセット処理は(S106)、各制御基板35,70,80に設けられたウオッチドッグタイマ回路(図示省略)のウオッチドッグタイマをリセットして再度初期値からウオッチドッグタイマを計時させる処理である。なお、このウオッチドッグタイマ回路は、各制御基板35,70,80の制御用CPUが暴走して所定時間(たとえば、500μs)毎に割込起動しなくなった場合に、制御用CPUに対して外部からリセットパルスを与えて暴走を停止させる役割を果たす回路である。
【0280】
図47は制御コマンド読込処理を説明するためのフローチャートである。この制御コマンド読込処理は、図46(a)のS104で実行されるサブルーチンである。この制御コマンド読込処理は、所定時間(たとえば、500μs)毎に実行される。
【0281】
制御コマンド読込処理においては、まず、INT信号がONしているか否か、すなわち、INT信号が有効状態となっているか否かが判断され(S501)、INT信号がONしていない場合には通信カウンタがクリアされた後(S501)、処理が終了する。なお、通信カウンタは、同一の制御コマンドを連続して受信した回数を計数するために用いられるカウンタである。この通信カウンタが3になった場合に、受信された制御コマンドが初めて正規のコマンドであると判断される。
【0282】
S501において、INT信号がONしていると判断された場合には、遊技制御基板31から送られてきた制御コマンドを読込む処理がなされる(S502)。次に、INT信号が立ち上がって初回のコマンドであるか、または、今回の処理で読込んだ制御コマンドが前回の処理で読込んだ制御コマンドと同じコマンドであるか否かが判断される(S503)。
【0283】
今回の処理で読込んだ制御コマンドがINT信号が立ち上がって初回のコマンドであるか、または、前回の処理で読込んだ制御コマンドと同じコマンドであると判断された場合は、通信カウンタのカウンタ値が予め定められた最大値(MAX)となっているか否かが判断される(S504)。前述したように、通信カウンタは、INT信号が有効状態となっている期間中において抽出した制御コマンドが前回に抽出した制御コマンドと一致したことが続いた回数を計数するためのカウンタであり、その最大値は、「3」に設定されている。
【0284】
通信カウンタのカウンタ値が最大値になっていないと判断された場合は、通信カウンタのカウンタ値を「1」だけ加算更新し(S505)、S507に進む。一方、通信カウンタのカウンタ値が最大値となっていると判断された場合は、通信カウンタのカウンタ値を加算更新せずにそのままS507に進む。
【0285】
また、S503により今回の処理で読込んだ制御コマンドが前回の処理で読込んだ制御コマンドと同じコマンドではないと判断された場合は、通信カウンタのカウンタ値をクリアする処理がなされた(S506)後、S507に進む。このように、通信カウンタは、INT信号が無効状態になった場合と、今回の処理で読込んだ制御コマンドが前回の処理で読込んだ制御コマンドと同じコマンドではない場合とにおいて、クリアされる。したがって、連続して制御コマンドが一致しなければ、通信カウンタのカウンタ値は「0」になる。
【0286】
S507では、通信カウンタのカウンタ値が「3」であるか否かが判断される。通信カウンタのカウンタ値が「3」ではないと判断された場合は、今回受信した制御コマンドがRAMのワークエリアにセット(記憶)され(S510)、この制御コマンド読込処理が終了する。一方、通信カウンタのカウンタ値が「3」であると判断された場合は、3回連続して一致した制御コマンドを受信コマンド格納エリアにセット(記憶)する処理がなされる(S509)。この受信コマンド格納エリアは、正規のコマンドデータとみなされたコマンドデータがセットされるエリアである。この受信コマンド格納エリアに格納された制御コマンドに基づいた制御が制御用CPUにより実行される。その後、前記S510が実行された後、処理が終了する。
【0287】
図48は、制御コマンド実行処理を説明するためのフローチャートである。制御コマンド実行処理は、図46(a)に示したメイン処理のS105で、ランプ制御基板35、音声制御基板70、または、表示制御基板80の制御用CPUが実行するサブルーチンである。
【0288】
制御コマンド実行処理においては、まず、制御コマンドを受信済であるか否かが判断され(S181)、制御コマンドを受信済でない場合には処理が終了する。一方、制御コマンドを受信済である場合には、受信コマンド格納エリアから受信コマンドが読出され、そのコマンドが停電予告コマンドであるか否かが判断される(S182)。停電予告コマンドである場合には、停電発生処理が実行される(S183)。
【0289】
停電発生処理の内容は、制御基板によって異なる。ランプ制御基板35の制御用CPUの場合には、始動記憶用のランプを含めてすべてのランプ・LEDを消灯させる処理を実行する。音声制御基板70の制御用CPUは、スピーカ27を効果音が出力されない無音状態に制御する。表示制御基板80の制御用CPUは、それまでの表示制御を中断して、可変表示装置8の表示画面に図25に示したメッセージを表示させる。このように、停電予告コマンドを受けた場合には、停電発生処理(S183)によって可変表示装置8やランプ・LED、スピーカ27による遊技演出も中断されるために、それらの遊技部品を遊技進行停止状態と整合性がとれた状態にすることができる。なお、この停電発生処理が実行された後、しばらくして電源断が発生すると、それによって各制御基板35,70,80のRAMデータは消滅する。
【0290】
S182で停電予告コマンドではないと判断された場合には、制御コマンドに応じた演出パターンデータがROMから読出されて(S184)、その演出パターンデータに応じた制御が実行される(S185)。具体的には、出力ポートから演出パターンデータに応じた制御信号が出力される。これにより、制御コマンドに対応した演出パターンで画像表示制御やランプ制御、音声制御がなされる。
【0291】
賞球制御基板側の処理内容の説明
次に、賞球制御基板37の賞球制御用CPUの処理の内容について図49〜図52を参照して説明する。
【0292】
図49(a)は賞球制御メイン処理を説明するためのフローチャートであり、図49(b)はタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。
【0293】
賞球制御メイン処理においては、電源が供給され始めると、まず、停電発生フラグが設定されているか否かが判断される(SM1)。ここで、停電発生フラグは、遊技制御基板31より停電予告コマンドが送信されていた場合に賞球制御基板37の賞球制御用CPUが、後述の図52のSM51でセットするフラグである。この停電発生フラグは、賞球制御基板37のRAM381に格納され、停電が発生した後もしばらくの間は電源基板910からのバックアップ電源によって保持される。このため、停電が発生した後、バックアップ時間内でそれが復旧すれば、この停電発生フラグがオン状態に維持されており、SM1において停電後に復旧したものと判断される。一方、たとえば、閉店時に遊技機の電源を落とし、翌朝、開店前に電源を上げた際には、バックアップ時間が経過することに伴って停電発生フラグが消去される。したがって、この場合には、SM1において停電後に復旧したものではないと判断される。
【0294】
SM1において停電後に復旧したものではないと判断された場合、すなわち、たとえば、閉店後、翌朝に電源を立ち上げた場合には、通常の初期化処理が実行される(SM2)。通常の初期化処理とは、RAM381内のすべてのデータを初期化させる処理である。次に、初期化システムタイマがセットされる(SMSa)。この初期化システムタイマは、所定の割込時間(たとえば500μs)が経過した後に割込を発生させてタイマ割込処理(図49(b))を起動させるためのタイマである。これにより、その後、所定の割込時間が経過すれば、図49(b)のタイマ割込処理が起動される。
【0295】
図49(b)を参照して、タイマ割込処理が起動されることにより、タイマ割込フラグがセットされ(SM11)、再度、初期化システムタイマがセットされ直されて割込時間の計時が開始される(SM12)。
【0296】
再び、図49(a)を参照して、SM1で停電発生フラグが設定されていると判断された場合には、停電復旧処理が実行された後(SM3)、停電発生フラグがリセットされる(SM3a)。
【0297】
ここで、停電復旧処理は、残賞球数カウンタの値が格納されているRAMエリア以外のRAMエリアを初期化する処理である。残賞球数カウンタは、払出すべき賞球数(未払出の賞球数)を記憶するカウンタであり、停電発生時にはバックアップ電源によってこのカウンタ値は保持される。この残賞球数カウンタは、2つある。1つは、賞球カウントスイッチ301Aの検出出力に基づいて減算更新される残賞球数カウンタ1であり、もう1つは払出モータ位置センサ286からの検出出力に基づいて減算更新される残賞球数カウンタ2である。いずれのカウンタも、遊技制御基板31側からの通常払出指定のコマンド(賞球個数コマンド)に従い、並行して加算更新される。
【0298】
この停電復旧処理がSM2の初期化処理と異なる点は、停電前にRAMに記憶されていた賞球の払出予定数についてのデータ(残賞球数カウンタの値)を初期化しない点のみである。SM3の後、停電発生フラグがリセットされ(SM3a)、続いて、SM2aにおいて初期化システムタイマがセットされる。
【0299】
SM2aの後、払出制御指定処理が実行される(SM4)。払出制御指定処理の詳細については、図51を用いて後述する。なお、この払出制御指定処理には、停電予告コマンドが受信された時に実行される停電発生処理が含まれている。
【0300】
次に、貸玉払出制御処理が実行される(SM5)。この貸玉払出制御処理が実行されることにより、カードユニット50から玉貸し要求が発生した場合には、貸玉が払出される。次に、残賞球数カウンタの値が0であるか否かが判断される。そして、その値が0ではない場合、すなわち、払出すべき賞球が存在する場合には、賞球を払出すための賞球払出制御処理が実行される(SM7)。その後、タイマ割込フラグが1であるか否かが判断される(SM8)。そして、タイマ割込フラグが1ではない場合(500μsが経過していない場合)には、再度、前記SM4に移行する。一方、タイマ割込フラグが1である場合には、タイマ割込フラグがクリア(=0)され(SM9)、続いて、賞球制御コマンド読込処理が行なわれる(SM10)。その後、SM4に移行する。なお、賞球制御コマンド読込処理の詳細については、図50を用いて次に説明する。
【0301】
図50は、賞球制御コマンド読込処理を説明するためのフローチャートである。この賞球制御コマンド読込処理は、図49のSM10で実行されるサブルーチンである。この賞球制御コマンド読込処理は、所定時間(たとえば、500μs)毎に実行される。
【0302】
この賞球制御コマンド読込処理は、図47を用いてすでに説明した他の制御基板35,70,80側で実行される制御コマンド読込み処理とほぼ同様である。その点は、図18を用いて説明した通りである。他の制御基板35,70,80側で実行される制御コマンド読込み処理と異なる点は、連続して3回、同一の制御コマンドを受信できたためにその制御コマンドが正規のコマンドであると判断できた際に、その制御コマンドが通常払出指定のコマンド(賞球個数コマンド)である場合には、そのコマンドによって指定される賞球数を残賞球数カウンタ1、残賞球数カウンタ2の各々に加算する処理(SM30)をも行なう点である。
【0303】
その他の点は、図47を用いてすでに説明した他の制御基板35,70,80側で実行される制御コマンド読込み処理と同様であるために、これ以上の説明を省略する。
【0304】
図51は、払出制御指定処理を説明するためのフローチャートである。この払出制御指定処理は、図49のSM4で実行されるサブルーチンである。
【0305】
払出制御指定処理においては、まず、停電発生処理を指定する制御コマンド、すなわち、停電予告コマンドが受信されているか否かが判断される(SN0a)。停電予告コマンドが受信されていない場合にはSN1に移行するが、停電発生処理指定の制御コマンドが受信されている場合には、停電発生処理が実行される(SN0b)。停電発生処理の内容については、図52を用いて後述する。
【0306】
SN0aで停電予告コマンドが受信されていないと判断された場合には、玉貸禁止コマンドが受信されているか否かが判断される(SN1)。玉貸禁止コマンドが受信されていると判断された場合は、玉貸禁止フラグをセットする処理がなされる(SN3)。これにより、玉貸禁止が指令されている旨が示される。その後、この払出制御指定処理が終了する。
【0307】
一方、玉貸禁止コマンドが受信されていないと判断された場合は、賞球禁止コマンドが受信されているか否かが判断される(SN2)。賞球禁止コマンドが受信されていると判断された場合は、賞球禁止フラグをセットする処理がなされる(SN5)。これにより、賞球禁止が指令されている旨が示される。その後、この払出制御指定処理が終了する。
【0308】
一方、賞球禁止コマンドが受信されていないと判断された場合は、発射禁止コマンドが受信されているか否かが判断される(SN4)。発射禁止コマンドが受信されていると判断された場合は、発射禁止フラグがセットされ(SN7)、発射制御信号がLOWレベルにされる(SN8)。これにより、発射禁止が指令されている旨が示されるとともに、打玉の発射が不可能な状態に制御される。その後、払出制御指定処理が終了する。
【0309】
一方、発射禁止コマンドが受信されていないと判断された場合は、玉貸禁止解除コマンドが受信されているか否かが判断される(SN6)。玉貸禁止解除コマンドが受信されていると判断された場合は、玉貸禁止フラグをリセットする処理がなされる(SN10)。これにより、玉貸禁止が指令されている旨が示されなくなる。その後、この払出制御指定処理が終了する。
【0310】
一方、玉貸禁止解除コマンドが受信されていないと判断された場合は、賞球禁止解除コマンドが受信されているか否かが判断される(SN9)。賞球禁止解除コマンドが受信されていると判断された場合は、賞球禁止フラグをリセットする処理がなされる(SN12)。これにより、賞球禁止が指令されている旨が示されなくなる。その後、この払出制御指定処理が終了する。
【0311】
一方、賞球禁止解除コマンドが受信されていないと判断された場合は、発射禁止解除コマンドが受信されているか否かが判断される(SN10)。発射禁止解除コマンドが受信されていると判断された場合は、発射禁止フラグがリセットされ(SN13)、続いて、発射禁止フラグがリセットされる(SN14)。
一方、SN10で発射禁止解除コマンドも受信されていないと判断された場合は、まだ、賞球制御コマンドは受信されていないために、この払出制御指定処理が終了する。
【0312】
このように、払出制御指定処理によれば、賞球制御コマンドを解読し、賞球制御コマンドにより指定された制御内容に応じて、各種フラグの制御および制御信号の制御が行なわれる。
【0313】
図52は、停電発生処理を説明するためのフローチャートである。この停電発生処理は、図51のSN0bで実行されるサブルーチンである。
【0314】
停電発生処理では、賞球制御基板37のRAM381へのアクセスを禁止する設定がなされ(SM50)、続いて、停電発生フラグがセットされる(SM51)。この停電発生フラグは、図49のSM1において確認されるフラグである。次に、SM50の設定に基づき、電源断となるまで無限ループに突入する(SM52)。これにより、実質的に、賞球制御基板37の制御用CPU371が処理を実行できない状態となり、RAM381へのアクセスが禁止される。
【0315】
以上、説明したように、賞球制御基板37側の制御用CPU371は、遊技制御基板31側からの停電予告コマンドを受信したタイミングで、停電に備えた停電発生処理を実行してRAM381へのアクセスを禁止する。これにより、制御用CPU371がRAM381にアクセスしている最中に不意に停電が発生してまうことを極力防止できる。このため、制御用CPU371がRAM381にアクセスしている最中に発生した停電によってRAMデータに狂いが生じてしまい、停電復旧後にバックアップしていたRAMデータに基づいて制御を再開することができなくなることを回避できる。
【0316】
又、特に、賞球制御基板37側の制御用CPU371は、独自に停電を予期して停電発生処理を進めるのではなく、遊技制御基板31側からの停電予告コマンドを受信したタイミングで停電発生処理を開始する。このため、賞球制御基板37側の制御用CPU371が停電発生処理を先に開始したために、その後に遊技制御基板31から送信された賞球制御コマンド(たとえば、賞球個数コマンド等)が賞球制御基板37側の制御用CPU371によって無視されてしまうことがない。これにより、たとえば、遊技制御基板31側で認識している賞球の払出予定数と、賞球制御基板37で認識している賞球の払出予定数とが食い違ってしまうことがない。
【0317】
別実施の形態
次に、図53〜図56を参照して、ランプ制御基板35の制御に関する別実施の形態を説明する。
【0318】
上述した実施の形態では、音声制御基板70および表示制御基板80と同様、ランプ制御基板35のRAM353(図13参照)にはバックアップ電源が供給されていないために、停電予告コマンドを受けて全ランプを消灯させた後(図48のS183)、停電が発生すれば、ランプ制御基板35のRAM353のデータは消滅する。このため、停電が復旧した際には、図35に示した遊技状態復旧処理において、停電前のランプ状態に復帰させるための制御コマンドが遊技制御基板31から出力される(SA1、SA4)。
【0319】
一方、この別実施の形態では、少なくともランプ制御基板35のRAM353に対して電源基板910からバックアップ電源が供給される。ランプ制御基板35の制御用CPU351は、停電予告コマンドを受けて全ランプを消灯させた後、上述した実施の形態における賞球制御基板37の制御用CPU371と同様にしてRAM353へのアクセスを禁止する等の停電発生処理を実行した後、電源断を待つ。そして、停電が復旧すれば、遊技制御基板31側から“復帰コマンド”を受けたタイミングで、バックアップされているRAMデータに基づいて始動記憶のランプ状態を復帰させ、続いてその他の演出用のランプの状態を復帰させる。なお、“復帰コマンド”は、ランプ制御データの種類を何ら指定するものではなく、復帰時期をランプ制御基板35に伝達する機能のみを有する。
【0320】
以下、図面に基づいて説明する。
図53は、遊技制御基板31の制御用CPU56によって実行される遊技状態復旧処理を説明するためのフローチャートである。この図53に示す処理は、図35に示した遊技状態復旧処理に代えて実行されるものである。
【0321】
この別実施の形態においては、遊技制御基板31の制御用CPU56は、図30〜図45(図35を除く)を用いて説明した各処理を実行する。
【0322】
遊技状態復旧処理においては、まず、ランプ復旧処理が実行され(SB1)、続いて、表示復旧処理(SB2)、音声復旧処理(SB3)が実行される。これらの処理のうち、表示復旧処理と音声復旧処理については、図35に示したそれぞれの処理と同一である。これに対し、SB1のランプ復旧処理においては、遊技制御基板31からはランプ・LEDの復帰を促す特別の“復帰コマンド”が出力される。この“復帰コマンド”はランプ・LEDの復帰を指示するのみであり、普通図柄および特別図柄の始動記憶表示器やその他の演出用のランプをいかなる態様に如何なる順序で復帰させるのかを指定するものではない。
【0323】
ランプ復旧処理と表示復旧処理と音声復旧処理とのうち、最初にランプ復旧処理が実行されることによって、ランプの表示状態と可変表示装置の表示状態とスピーカ27からの効果音とのうち、最初にランプの表示状態が停電前の状態に復帰する。その復帰手順については図55を用いて後述する。
【0324】
図54は、ランプ制御基板35の制御用CPU351が実行するメイン処理を説明するためのフローチャートである。このメイン処理は、図46(a)のメイン処理に代えて実行される。なお、図46(b)のタイマ割込処理は、この別実施の形態においても実行される。
【0325】
メイン処理では、まず、停電が復旧したか否かが判断される(S1010)。具体的には、停電発生フラグがセットされているか否かが判断される。停電発生フラグは、停電予告コマンドが受信された際に、図56のSM502においてセットされる。
【0326】
停電発生フラグがセットされていない場合には通常の初期化処理が実行される(S1011)。一方、停電発生フラグがセットされている場合には、バックアップ用電源によってバックアップされているランプ制御基板35のRAMエリアのうち、特別図柄と普通図柄の始動記憶表示器のランプパターンを格納するエリアと、演出パターンを格納するエリアとを除く、他のエリアのデータが初期化される(S1012)。
【0327】
その後、図46を用いて説明したメイン処理と同様の順序でS1014〜S1018の各処理が実行される。これらの各処理のうち、S1017の制御コマンド実行処理は、図48に示すものと異なる。S1017の制御コマンド実行処理を、次に図55を用いて説明する。
【0328】
図55は、制御コマンド実行処理を説明するためのフローチャートである。この制御コマンド実行処理は、図54のS1017で実行されるサブルーチンである。
【0329】
制御コマンド実行処理においては、まず、制御コマンドを受信済であるか否かが判断され(S1810)、制御コマンドを受信済でない場合には処理が終了する。一方、制御コマンドを受信済である場合には、受信されているコマンドの内容が識別され、そのコマンドが停電予告コマンドであるか否かが判断される(S1811)。停電予告コマンドである場合には、停電発生処理が実行される(S1812)。
【0330】
ランプ制御基板35における停電発生処理の内容は、図48のS183とは異なる。図48のS183の場合には、始動記憶用のランプを含めてすべてのランプ・LEDを消灯させる処理のみが実行された。しかしながら、この別実施の形態においては、RAM353へのアクセスを禁止する処理等もなされる。詳細については、図56を用いて後述する。
【0331】
S1811で停電予告コマンドではないと判断された場合には、復帰コマンドであるか否かが判断される(S1813)。復帰コマンドは、前述したように、この別実施の形態特有のコマンドであり、停電が復旧した際に遊技制御基板31から出力されるコマンドである。復帰コマンドであると判断された場合には、バックアップされていたRAMデータのうち、特別図柄と普通図柄の始動記憶表示器の表示状態を指定するデータが読出され(S1814)、その読出されたデータに基づいて特別図柄と普通図柄の始動記憶表示器の表示状態が制御され、これにより、特別図柄と普通図柄の始動記憶表示器の表示状態が停電前の状態に復帰する(S1815)。続いて、演出用のその他のランプの表示状態を指定するデータがバックアップされていたRAMデータから読出され(S1816)、その読出されたデータに基づいてその他のランプの表示状態が制御され、これにより、その他のランプの表示状態が停電前の状態に復帰する(S1817)。次に、停電発生フラグがリセットされる(S1018)。
【0332】
このように、停電が復旧した場合には、最初に、特別図柄と普通図柄の始動記憶表示器の表示状態が復帰し、次に、演出用のその他のランプの表示状態が復帰する。
【0333】
S1813において復帰コマンドではないと判断された場合には、その制御コマンドに応じた制御データがROMから読出されて(S1818)、その制御データに応じた制御が実行される(S1819)。
【0334】
図56は、図55のS186で実行される停電発生処理を説明するためのフローチャートである。この停電発生処理においては、まず、すべてのランプ・LEDを消灯させる制御がなされる(SM500)。次に、ランプ制御基板35のRAM353へのアクセスが禁止される(SM501)。次に、停電発生フラグがセットされる(SM502)。次に、電源断待ちの状態となり(SM503)、これにより、電源断が発生するまで、ランプ制御基板35の制御用CPU351は何ら処理ができない状態となる。
次に、以上説明した発明の実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
【0335】
(1) 別実施の形態においては、ランプ制御基板35のRAMをバックアップ用電源によってバックアップするように構成したが、さらに表示制御基板80のRAMや音声制御基板70のRAMもバックアップ用電源によってバックアップするように構成してもよい。そして、遊技制御基板31から各制御基板35,70,80に対して、復帰コマンドが出力されることにより、各制御基板35,70,80でバックアップされていたRAMデータに基づいて遊技状態が復帰されるように構成してもよい。
【0336】
(2) 別実施の形態において、ランプ制御基板35の制御用CPU351は、停電復旧後に遊技制御基板31から制御コマンド(復帰コマンド)を受けてランプ・LEDを復帰させるように構成した。しかしながら、停電が復旧すれば、ランプ制御基板35の制御用CPU351は、遊技制御基板31から制御コマンドを受けなくてもランプ・LEDをRAMのバックアップデータに基づいて復帰させるように構成してもよい。たとえば、ランプ制御基板35に電力が供給されるようになって制御用CPU351が動作可能となり次第、バックアップデータ以外のデータを初期化した後、バックアップデータに基づいて、ランプ・LEDを復帰させるように構成する。この時、可変表示装置8やスピーカ27が復帰するよりも先に始動記憶表示器のLEDを復帰させるようにするために、停電復旧後に表示制御基板80および音声制御基板70側の制御用CPUが処理を開始可能となる時間を遅延させる遅延回路を表示制御基板80および音声制御基板70側に設けてもよい。
【0337】
(3) 図48のS183においては、遊技制御基板31から出力された停電予告コマンドに基づき、表示制御基板80の表示制御用CPU101のみが、停電に備えた準備処理を実行したことを特定可能な停電準備情報の一例となるメッセージを可変表示装置8に表示制御するようにした。しかしながら、音声制御基板70の制御用CPU701も同様の内容の停電準備情報をスピーカ27を用いて報知するように構成してもよい。この場合には、制御用CPU701は、停電予告コマンドに基づいてスピーカ27を消音させる代わりに、停電予告コマンドに基づいて演出用の効果音を停止させて停電準備情報をスピーカ27から出力させる。同様に、ランプ制御基板35の制御用CPU351についても、停電予告コマンドに基づいて全ランプを消灯させることに代えて、停電予告コマンドに基づいてランプを通常の遊技中には見られない特定の態様で点滅あるいは点灯させて(たとえば、特別図柄の始動記憶表示器18の中2つのLEDのみを点灯させて両端のLEDを消灯させる)、停電準備情報を報知するように構成してもよい。
【0338】
(4) 停電予告コマンドの形態は、図24および図29に示したように、表示制御基板80用、ランプ制御基板35用、音声制御基板70用の各々で同一形態であり、賞球制御基板37用の停電予告コマンドのみが他の制御基板に対するものとは異なる。しかしながら、これに代えて、賞球制御基板37用の停電予告コマンドについても、他の制御基板(表示制御基板80、ランプ制御基板35、音声制御基板70)と同一としてもよい。
【0339】
(5) 各制御基板35,70,80に対して出力されるコマンドには、共通コマンドのように共通形態のコマンドが含まれるように構成したが、必ずしも共通形態とする必要はなく、各制御基板35,70,80でそれぞれコマンドの形態が異なるように構成してもよい。
【0340】
(6) 図23において、確定図柄指定コマンドは、音声制御基板70とランプ制御基板35とには不要なコマンドであるために、遊技制御基板31からは、この確定図柄指定コマンドは表示制御基板80に対してのみ出力される。すなわち、遊技制御基板31側で確定図柄指定コマンドの出力先が選択されて送出される。しかしながら、これに代えて、確定図柄指定コマンドも各制御基板35,70,80に対して一斉に出力されるようにし、各制御基板35,70,80側で受信が必要なコマンドか否かを判断するようにしてもよい。
【0341】
(7) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【課題を解決するための手段の具体例】
【0342】
(1) パチンコ遊技機1により、遊技の演出効果を高めるために用いられる複数種類の遊技部品が設けられ、該複数種類の遊技部品のうちの一つである可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となる遊技機が構成されている。遊技効果LED28aおよび遊技効果ランプ28b,28c、スピーカ27、可変表示装置8等により、前記複数種類の遊技部品が構成されている。大当り図柄のぞろめ(たとえば、777)により、前記特定の表示態様が構成されている。大当り状態(特定遊技状態)により、前記遊技者にとって有利な遊技状態が構成されている。
【0343】
遊技制御基板31のCPU56により、遊技状態を制御する遊技制御手段が構成されている。表示制御基板80の表示制御用CPU101、音声制御基板70の制御用CPU701、ランプ制御基板35の制御用CPU351により、該遊技制御手段から出力される指令情報に基づいて前記複数種類の遊技部品を制御するための複数種類の制御手段が構成されている。制御コマンド(表示制御コマンド、音声制御コマンド、ランプ制御コマンド)により、前記指令情報が構成されている。
【0344】
表示制御基板80の表示制御用CPU101により、前記可変表示装置の表示結果を導出表示させる制御を行なう可変表示制御手段が構成されている。
【0345】
音声制御基板70の制御用CPU701により、前記複数種類の遊技部品の一つである音発生装置から音を発生させる制御を行なう音制御手段が構成されている。スピーカ27により、前記音発生装置が構成されている。
【0346】
ランプ制御基板35の制御用CPU351により、前記複数種類の遊技部品の一つである発光体を点灯させる制御を行なう発光体制御手段が構成されている。遊技効果LED28aおよび遊技効果ランプ28b,28cにより前記発光体が構成されている。
【0347】
図18のタイミングチャート、図23のタイミングチャート、図42のフローチャート、図47のフローチャートにより、前記遊技制御手段は、前記複数種類の制御手段の各々に1つの制御内容を指令する場合には、前記複数種類の制御手段の各々が読取可能な態様で前記指令情報を出力する制御を1回のみ行ない、前記複数種類の制御手段は、前記指令情報に基づき、所定の演出期間にわたって前記複数種類の遊技部品を所定の態様で動作させる制御を開始可能であることが開示されている。たとえば、図23に示した可変表示期間(Tn)により、前記所定の演出期間が構成されており、変動開始コマンドにより、前記指令情報が構成されている。
【0348】
(2) 前述したように、図19を用いて説明した変動開始コマンドは可変表示期間(表示時間)を特定可能な情報をEXTデータに含む。これにより、前記指令情報は、前記演出期間を特定可能な情報を含むことが開示されている。
【0349】
(3) 図19を用いて説明したように、前記可変表示制御手段は、複数種類の演出パターン(変動パターン1〜5)のうちのいずれかで前記可変表示装置の表示結果を導出表示させる制御を行なうことが可能であり、前記指令情報は、前記可変表示制御手段が前記演出パターンを特定可能な情報(EXTデータ)を含む。
【0350】
(4) 図19を用いて説明したように、前記音制御手段は、複数種類の演出パターン(変動パターン1〜5の各々に対応するパターン)のうちのいずれかで前記音発生装置から音を発生させる制御を行なうことが可能であり、前記指令情報は、前記音制御手段が前記演出パターンを特定可能な情報(EXTデータ)を含む。
【0351】
(5) 図19を用いて説明したように、前記発光体制御手段は、複数種類の演出パターン(変動パターン1〜5の各々に対応するパターン)のうちのいずれかで前記発光体を点灯させる制御を行なうことが可能であり、前記指令情報は、前記発光体制御手段が前記演出パターンを特定可能な情報(EXTデータ)を含む。
【0352】
(6) 図19を用いて説明したように、前記演出期間(可変表示期間)にわたって前記複数種類の遊技部品を所定の態様で動作させるために前記遊技制御手段から出力される指令情報は、前記複数種類の制御手段の各々が前記遊技部品を制御する際に用いる演出パターンを特定可能な情報(EXTデータ)を含む。そして、前記遊技制御手段は、前記演出期間において前記複数種類の制御手段の各々が用いる演出パターン同士が互いに関連した内容となる指令情報を出力する。すなわち、変動開始コマンドは、各制御基板35,70,80に対して同一形態のものが出力されるが、その変動開始コマンドによって指定されるパターンは、図19を用いて説明したように、互いに関連づけられており、画像表示と効果音とランプの点滅とを関連させた演出効果の高い態様で特別図柄の可変表示演出がなされる。
【0353】
(7) 図20または図23を用いて説明したように、前記遊技制御手段は、前記演出期間が終了する時期に前記演出期間の終了を通知する指令情報を前記複数種類の制御手段に出力する。図20に示した変動停止コマンドにより、前記演出期間の終了を通知する指令情報が構成されている。
【0354】
(8) 図21または図23を用いて説明したように、前記遊技制御手段は、前記可変表示装置の表示結果を特定可能な指令情報を前記可変表示制御手段に出力する。図21に示した確定図柄指定コマンドにより、前記可変表示装置の表示結果を特定可能な指令情報が構成されている。
【0355】
(9) 共通コマンドにより、前記演出期間にわたって前記複数種類の遊技部品を所定の態様で動作させるために、前記複数種類の制御手段の各々に対して出力される指令情報は、同一形態であることが開示されている。たとえば、共通コマンドとして、変動開始コマンド、変動停止コマンド、停電予告コマンドを例示した。
【0356】
(10) 図10〜図14に示したように、前記複数種類の制御手段は、前記遊技制御手段が搭載された遊技制御基板(遊技制御基板31)とは別の基板(表示制御基板80、ランプ制御基板35、音声制御基板70)に搭載される。
【0357】
(11) バッファ回路62,63,67,68、入力バッファ回路105,705,355,373により、前記遊技制御手段から前記複数種類の制御手段への情報の出力を許容するが前記複数種類の制御手段から前記遊技制御手段への情報の入力を禁止する不可逆性入力手段が構成されている。
【課題を解決するための手段の具体例の効果】
【0358】
請求項1に関しては、遊技制御手段が複数種類の制御手段の各々に指令情報を出力する制御を1回のみ行なうことで、所定の演出期間にわたって前記複数種類の遊技部品を所定の態様で動作させる制御が開始されることから、複数種類の制御手段に対して指令情報を出力する遊技制御手段の制御負担を軽減可能となる。
【0359】
請求項2に関しては、請求項1に関する効果に加えて、指令情報は演出期間を特定可能な情報を含むことから、適当な演出期間を遊技制御手段が指定できる。
【0360】
請求項3に関しては、請求項1または請求項2に関する効果に加えて、指令情報は可変表示制御手段が演出パターンを特定可能な情報を含むことから、可変表示制御に関する適当な演出パターンを遊技制御手段が指定できる。
【0361】
請求項4に関しては、請求項1〜請求項3のいずれかに関する効果に加えて、指令情報は音制御手段が演出パターンを特定可能な情報を含むことから、音制御に関する適当な演出パターンを遊技制御手段が指定できる。
【0362】
請求項5に関しては、請求項1〜請求項4のいずれかに関する効果に加えて、指令情報は発光体制御手段が演出パターンを特定可能な情報を含むことから、発光体の制御に関する適当な演出パターンを遊技制御手段が指定できる。
【0363】
請求項6に関しては、請求項1または請求項2に関する効果に加えて、演出期間において複数種類の制御手段の各々が用いる演出パターン同士が互いに関連した内容となる指令情報が出力されるために、その演出期間においては、整合性のとれた遊技演出を行なうことが可能になる。
【0364】
請求項7に関しては、請求項1〜請求項6のいずれかに関する効果に加えて、演出期間が終了する時期に演出期間の終了を通知する指令情報が複数種類の制御手段に出力されるために、演出期間の終了時期を複数種類の制御手段側で確認できる。
【0365】
請求項8に関しては、請求項1〜請求項7のいずれかに関する効果に加えて、可変表示装置の表示結果を特定可能な指令情報が可変表示制御手段に出力されるために、可変表示装置の表示結果を遊技制御手段が指定できる。
【0366】
請求項9に関しては、請求項1〜請求項8のいずれかに関する効果に加えて、前記演出期間にわたって前記複数種類の遊技部品を所定の態様で動作させるために、前記複数種類の制御手段の各々に対して出力される指令情報は、同一形態であることから、指令情報の形態を少なくすることができ、指令情報の記憶容量を低減できる。
【0367】
請求項10に関しては、請求項1〜請求項9のいずれかに関する効果に加えて、複数種類の制御手段は、遊技制御手段が搭載された遊技制御基板とは別の基板に搭載されることから、遊技制御基板をコンパクトにすることができる。
【0368】
請求項11に関しては、請求項1〜請求項10のいずれかに関する効果に加えて、複数種類の制御手段から遊技制御手段への情報の入力が禁止されるために、複数種類の制御手段から遊技制御手段へ不正情報を入力して遊技制御手段を動作させる不正行為を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0369】
【図1】パチンコ遊技機の正面図である。
【図2】パチンコ遊技機の背面図である。
【図3】機構盤周辺の構成を示す遊技機の背面図である。
【図4】パチンコ遊技機の背面側の中間ベースユニットの構成を示す図である。
【図5】玉払出装置の分解斜視図である。
【図6】始動用電動役物の分解斜視図である。
【図7】始動用電動役物の斜視図である。
【図8】始動用電動役物の平面図である。
【図9】始動用電動役物の正面図である。
【図10】遊技制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【図11】遊技制御基板における表示制御コマンドの信号送信部分および表示制御基板内の回路構成を示すブロック図である。
【図12】遊技制御基板における音声制御コマンドの信号送信部分および音声制御基板の構成例を示すブロック図である。
【図13】遊技制御基板およびランプ制御基板における信号送受信部分を示すブロック図である。
【図14】賞球制御基板に関連する構成要素を示すブロック図である。
【図15】遊技制御基板における電源監視手段を説明するためのブロック図である。
【図16】電源基板のブロック図である。
【図17】制御コマンドの構成を説明するための図である。
【図18】制御コマンドの受信態様を説明するためのタイミングチャートである。
【図19】変動開始コマンドを説明するための図である。
【図20】変動停止コマンドを説明するための図である。
【図21】確定図柄指定コマンドを説明するための図である。
【図22】図柄テーブルを説明するための図である。
【図23】各制御コマンドの出力タイミングを説明するためのタイミングチャートである。
【図24】停電予告コマンドを説明するための図である。
【図25】可変表示装置8の画面図である。
【図26】ランプ制御コマンドを説明するための図である。
【図27】ランプ制御コマンドを説明するための図である。
【図28】普通図柄の変動コマンドと変動停止コマンドの出力タイミングを説明するためのタイミングチャートである。
【図29】賞球制御コマンドを説明するための図である。
【図30】遊技制御メイン処理とタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。
【図31】遊技制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図32】入賞球信号処理を説明するためのフローチャートである。
【図33】停電発生処理を説明するためのフローチャートである。
【図34】停電復旧処理を説明するためのフローチャートである。
【図35】遊技状態復旧処理を説明するためのフローチャートである。
【図36】特別図柄プロセス処理を説明するためのフローチャートである。
【図37】特別図柄変動待ち処理の一部を説明するためのフローチャートである。
【図38】プロセスデータを説明するための図である。
【図39】プロセスデータ/タイマ処理を説明するためのフローチャートである。
【図40】特別図柄プロセスタイマ設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図41】制御データ設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図42】制御データ出力処理を説明するためのフローチャートである。
【図43】制御コマンドデータの受信態様を説明するためのタイミングチャートである。
【図44】特別図柄プロセス処理の概要を説明するための図である。
【図45】普通図柄プロセス処理の概要を説明するための図である。
【図46】表示制御基板とランプ制御基板と音声制御基板のメイン処理、およびタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。
【図47】制御コマンド読込処理を説明するためのフローチャートである。
【図48】制御コマンド実行処理を説明するためのフローチャートである。
【図49】賞球制御メイン処理およびタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。
【図50】賞球制御コマンド読込処理を説明するためのフローチャートである。
【図51】払出制御指定処理を説明するためのフローチャートである。
【図52】停電発生処理を説明するためのフローチャートである。
【図53】遊技状態復旧処理を説明するためのフローチャートである。
【図54】ランプ制御メイン処理を説明するためのフローチャートである。
【図55】制御コマンド実行処理を説明するためのフローチャートである。
【図56】停電発生処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0370】
1 パチンコ遊技機、8 可変表示装置、14 始動口、15 始動用電動役物、27 スピーカ、28a〜28c 遊技効果ランプおよび遊技効果LED、18 始動記憶表示器、31 遊技制御基板、37 賞球制御基板、53 遊技制御用マイクロコンピュータ、55 遊技制御基板のRAM、56 遊技制御基板のCPU、62,63,67,68 バッファ回路、70 音声制御基板、80 表示制御基板、97 玉払出装置、101 表示制御基板のCPU、105,705,355,373 入力バッファ回路、371 賞球制御基板のCPU、351 ランプ制御基板のCPU、352 ランプ制御基板のROM、353 ランプ制御基板のRAM、381 賞球制御基板のRAM、701 音声制御基板のCPU、711 音声制御基板のROM、712 音声制御基板のRAM、902 電源監視用IC、910 電源基板、916 バックアップ電源の蓄電用のコンデンサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の演出効果を高めるために用いられる複数種類の遊技部品が設けられ、該複数種類の遊技部品のうちの一つである可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となる遊技機であって、
遊技状態を制御する遊技制御手段と、
該遊技制御手段から出力される指令情報に基づいて前記複数種類の遊技部品を制御するための複数種類の制御手段とを含み、
該複数種類の制御手段には、
前記可変表示装置の表示結果を導出表示させる制御を行なう可変表示制御手段と、
前記複数種類の遊技部品の一つである音発生装置から音を発生させる制御を行なう音制御手段と、
前記複数種類の遊技部品の一つである発光体を点灯させる制御を行なう発光体制御手段とが含まれ、
前記遊技制御手段は、前記複数種類の制御手段の各々に1つの制御内容を指令する場合には、前記複数種類の制御手段の各々が読取可能な態様で前記指令情報を出力する制御を1回のみ行ない、
前記複数種類の制御手段は、前記指令情報に基づき、所定の演出期間にわたって前記複数種類の遊技部品を所定の態様で動作させる制御を開始可能であることを特徴とする、遊技機。
【請求項2】
前記指令情報は、前記演出期間を特定可能な情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記可変表示制御手段は、複数種類の演出パターンのうちのいずれかで前記可変表示装置の表示結果を導出表示させる制御を行なうことが可能であり、
前記指令情報は、前記可変表示制御手段が前記演出パターンを特定可能な情報を含むことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記音制御手段は、複数種類の演出パターンのうちのいずれかで前記音発生装置から音を発生させる制御を行なうことが可能であり、
前記指令情報は、前記音制御手段が前記演出パターンを特定可能な情報を含むことを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の遊技機。
【請求項5】
前記発光体制御手段は、複数種類の演出パターンのうちのいずれかで前記発光体を点灯させる制御を行なうことが可能であり、
前記指令情報は、前記発光体制御手段が前記演出パターンを特定可能な情報を含むことを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の遊技機。
【請求項6】
前記演出期間にわたって前記複数種類の遊技部品を所定の態様で動作させるために前記遊技制御手段から出力される指令情報は、前記複数種類の制御手段の各々が前記遊技部品を制御する際に用いる演出パターンを特定可能な情報を含み、
前記遊技制御手段は、前記演出期間において前記複数種類の制御手段の各々が用いる演出パターン同士が互いに関連した内容となる指令情報を出力することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項7】
前記遊技制御手段は、前記演出期間が終了する時期に前記演出期間の終了を通知する指令情報を前記複数種類の制御手段に出力することを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の遊技機。
【請求項8】
前記遊技制御手段は、前記可変表示装置の表示結果を特定可能な指令情報を前記可変表示制御手段に出力することを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の遊技機。
【請求項9】
前記演出期間にわたって前記複数種類の遊技部品を所定の態様で動作させるために、前記複数種類の制御手段の各々に対して出力される指令情報は、同一形態であることを特徴とする、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の遊技機。
【請求項10】
前記複数種類の制御手段は、前記遊技制御手段が搭載された遊技制御基板とは別の基板に搭載されることを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の遊技機。
【請求項11】
前記遊技制御手段から前記複数種類の制御手段への情報の出力を許容するが前記複数種類の制御手段から前記遊技制御手段への情報の入力を禁止する不可逆性入力手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【公開番号】特開2007−38025(P2007−38025A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−309499(P2006−309499)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【分割の表示】特願平11−274864の分割
【原出願日】平成11年9月28日(1999.9.28)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】