説明

遊技機

【課題】パチンコ遊技機の搬送時、搬入・設置時等において、操作部材21が邪魔にならないようするだけではなく、設置後も操作部材21が邪魔にならないようにする。
【解決手段】操作部材21には、遊技機本体に取り付けられる取付部22と、取付部22の先端部に設けられるとともに操作ハンドル6を有する操作部23とが備えられている。操作パネル3aには、操作部材21の配置位置に対応して操作ハンドル6を収容する収容凹部51が形成されている。操作部23の操作ハンドル6が収容凹部51内に収容される収容位置と、操作部23の操作ハンドル6が収容凹部51の外に突出して操作ハンドル6が遊技者に操作される配置となる操作位置との間で操作部23が移動自在とされている。
操作部23の操作位置と収容位置とに駆動する駆動源を有する。駆動源を制御して遊技者が遊技していない遊技機において、操作部材21を収容位置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ店などの遊技場に設置して使用される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ遊技機や、それに類似する各種弾球遊技機においては、遊技球(遊技媒体)を遊技領域に発射する発射装置における遊技球の発射勢を調整する際に操作される操作ハンドルを有する操作部材が設けられており、この操作ハンドルにより遊技球の発射開始および発射終了と、遊技球の発射勢の強弱の調整が可能となっている。
そして、このような操作部材は、基本的には右手用で、全体が概略矩形状の遊技機の下部の右側縁部から前方に突出して形成されている。また、操作ハンドルは、遊技者の操作を容易とするために、パチンコ遊技機の端側の位置で、遊技盤18のガラス枠の前面よりもかなり前方に突出した状態となっている。
【0003】
そのため、パチンコ遊技機を遊技店に搬入するために、パチンコ遊技機をトラック等に積んだり降ろしたりする際や、遊技店内に搬入する際や、遊技店の島設備に設置する際に操作部材が邪魔になる場合がある。特に、操作部材が、遊技機の前面の右下の端側に配置されていることや、キノコ状に基端部(遊技機本体に取り付けられる取付部)より先端部(操作ハンドルを有する操作部)の方が大きくなっていることのために、何かに引っ掛けやすい状態となっており、パチンコ遊技機では、操作部材の近傍で上皿等もガラス枠の前面よりもかなり突出した状態となっているが、操作部材が最も作業の邪魔になっていた。
また、パチンコ遊技機の設置時に、操作部材の操作ハンドルを有する操作部を何かにぶつけてしまい、操作部を傷付けてしまう可能性があった。
【0004】
そこで、操作部材の操作部の最も先端となる半球状の手載せ部材をパチンコ遊技機から分離可能な分離部材とするとともに、この分離部材を収納する収納部をパチンコ遊技機に設け、搬送時には、前記分離部材を取り外して収納部に収納しておくことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
なお、手載せ部材の奥に隣接して操作ハンドルが設けられており、手載せ部材に上側から掌もしくは指の付け根部分を乗せた状態で指が丁度操作ハンドルに掛かるようになっている。
【0005】
これにより、搬送時や、搬入・設置時や、撤去・搬出時には、操作部材の先端部を取り外すことで、操作部材の突出量を減少させて、操作部材が作業の邪魔になるのを防止し、取り外した操作部材の一部をパチンコ遊技機に収納可能とすることで、取り外した状態の操作部材の紛失を防止し、さらに、操作部材が傷つくのを防止することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2005−152446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述のように操作部材の一部を取り外して収納する構成では、パチンコ遊技機の設置時に収納された操作部材の一部の取り出し作業と、取り出した操作部材の一部の取り付け作業とに手間がかかり、多数台を搬入・設置するような場合に作業時間が長くなってしまうという問題があった。
【0008】
また、操作部材が邪魔になるのは、上述の遊技機の設置や撤去に係わる作業だけではなく、例えば、営業終了後もしくは営業開始前の清掃作業などでも、遊技機前面から突出する操作部材が邪魔になることがある。
また、遊技者が遊技機の前に座る際や、座った状態から立つ際に、腰やカバン等の手荷物が操作部材に当たったり、コートが引っ掛かったりして、遊技店における遊技者の遊技機間の移動の邪魔になる場合がある。
このように遊技機を遊技店に設置した状態において操作部材が邪魔になることに対して、上記特許文献1では対応できない。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、搬送時、搬入・設置時、撤去・搬出時に操作部材が邪魔にならないようにし、かつ、設置後も操作部材が邪魔になるのを防止できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、遊技媒体を遊技領域に発射する際の発射強度の強弱を調整操作するための操作部材を有する遊技機において、
前記操作部材は、遊技機本体から前方に延出して遊技者による操作を可能とした操作位置と、前記操作位置より後退して遊技者による操作を不能とした収容位置との間で移動自在に遊技機本体に設けられ、
前記操作部材を前進および後退させる駆動手段と、
前記駆動手段を制御して前記操作部材を前記操作位置と前記収容位置との間で移動させる制御手段とを備え、
前記制御手段は、少なくとも電源がオフとなっているオフ状態において前記操作部材を前記収容位置に配置するように前記駆動手段を制御することを特徴とする。
【0011】
請求項1記載の発明によれば、操作部材を後退させて収容位置とすることで、操作部材の延出量を短くして、操作部材が邪魔になるのを防止できる。従って、遊技機の搬送、搬入、設置、撤去、搬出等の作業時に操作部材が長く延出して作業の邪魔になるのを防止し、作業性を向上できる。また、受皿の影になって作業者に見にくい位置にある操作部材を作業中にぶつけてしまう可能性を低減できる。これにより、遊技者に目立つ位置にある操作部材に傷を付けてしまうのを防止することができる。
【0012】
また、制御手段の制御のもとに、駆動手段により操作部材を操作位置と収容位置との間で移動できるので、遊技機を遊技店に設置した後にも、操作部材が邪魔になる状態となった場合に操作部材を操作位置から収容位置に移動することができる。
特に、電源オフ時に操作部材が収容位置に配置されるように制御されるので、営業終了から営業開始までの期間の間に、清掃作業を行うような場合に、電源をオフとして操作部材を収容位置に配置することで、例えば、遊技機が設置された島設備の遊技機の前に設けられた台状の部分の清掃や、遊技機と椅子との間の床の清掃等において、作業者の体や手または清掃道具が操作部材に当たるのを防止することで、清掃作業を行い易くして作業効率の向上、清掃作業の時間短縮を図ることができる。
【0013】
なお、電源オフ時に操作部材を収容位置にするには、電源スイッチをオフに切り換えた際に、操作部材が収容位置に無い場合に、操作部材を収容位置に移動するように制御すればよい。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、
前記制御手段は、
電源がオンとなっているオン状態において、遊技者が前記操作部材を操作している操作状態か遊技者が前記操作部材を操作していない非操作状態かを判定する操作状態判定手段を備え、
前記操作状態判定手段が前記非操作状態と判定した場合に、前記収容位置に前記操作部材を配置するように前記駆動手段を制御し、
前記操作部材が収容位置にある場合に、予め設定された所定条件の成立に基づいて、前記収容位置から前記操作位置に前記操作部材を移動させるように前記駆動手段を制御することを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、遊技者が遊技機を操作していない非操作状態では、操作部材が収容位置に配置されるので、営業中に遊技者がいない状態の遊技機やその周囲を清掃する場合に、操作部材が邪魔になるのを防止することができる。
また、遊技者が遊技機の前の席に座ったり、立ったりする際に、体の一部や衣服の一部やカバン等の手荷物の一部が操作部材に接触して、邪魔になるのを防止することができる。
【0016】
なお、操作状態は、遊技者が操作部材を操作していること、すなわち、タッチセンサで遊技者の手が検知されて遊技球を発射する発射装置が作動していること、また、操作ハンドルが遊技者が操作していないときの初期位置より回転移動していること、実際に遊技球が発射していることなどで判定することが可能であり、上述のような複数の条件が同時に成立した場合に操作状態と判定することが好ましい。
【0017】
また、非操作状態は、上述の操作状態と判定されない場合となるが、遊技者が一時的に操作ハンドルから手を離したような場合にまで、操作部材を収容位置に移動してしまうと、再び操作部材を操作位置に移動するまで遊技ができなくなってしまうので、例えば、上述の操作状態となる条件が不成立となってから所定時間経過した後に非操作状態と判定することが好ましい。また、遊技者が操作部材に手を載せているのにも拘わらず、操作部材が収容位置に移動してしまうと、構造によっては、遊技者が手を挟まれる可能性があるので、タッチセンサが手を検知していないことが最も重要な条件となる。
【0018】
しかし、タッチセンサの故障等も考慮して、タッチセンサが手を検知していないことを含む複数の条件が成立したことに基づいて、操作部材を収容位置に移動することが好ましい。また、遊技者が収容位置に移動中の操作部材に手を出すことを考慮して、駆動手段の駆動力を極めて小さいものとしたり、負荷がかかった場合に駆動手段と操作部材との間に配置された伝動機構の一部で滑りが発生して、伝動できない状態(操作部材にかかるトルクが制限された状態)としたりすることで、万一操作部材に手を挟まれるようなことがあっても、手に大きな力が作用しないようにするとともに、直ぐに手を離せるようにすることが好ましい。
【0019】
また、車の自動開閉する窓と同様の周知の自動開閉部材用の安全装置を設け、操作部材の移動時に駆動源側の負荷が変化したような場合に、駆動源を停止したり逆転したりするようにしてもよい。
また、所定条件の成立とは、例えば、遊技者が操作可能なボタンを押したり、操作部材のタッチセンサに触ったりし、遊技者が遊技機の前に座ったりした際に、これらが検知されることである。
【0020】
なお、操作状態から非操作状態への変化を検知して操作部材を収容位置に移動することは可能であるが、操作部材の操作を行うために操作部材を操作する場合に、その時点では非操作状態であり、操作部材を操作位置に移動した後に遊技者が操作部材を操作することで操作状態となるので、非操作状態から操作状態への変換を検知したことに基づいて操作部材を操作位置に自動的に移動することはできない。
従って、遊技者が遊技機で遊技を開始することを示す行為を検知することで、操作部材を収容位置から操作位置に移動することになる。なお、上記ボタンは、操作部材を操作位置に移動させるための専用ボタンであってもよいし、演出用に設けられたボタンであってもよい。
【0021】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機において、
前記制御手段は、前記操作状態判定手段が、操作状態と連続して判定している時間を計測する計時手段を備え、
前記計時手段に計測された時間の増加に応じて、前記操作部材を前に移動するように前記駆動手段を制御することを特徴とする。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、長い間操作部材を操作することで、手が疲れたような遊技者に対して、遊技者側に操作部材を近づけるように操作部材を前進させることで、遊技者の手や腕への負担を軽減することができる。
通常、操作部材を遊技者側に近づけることで、遊技者の操作部材を操作する手や腕への負担を軽減できるが、固定的に操作部材を前方に大きく延出してしまうと、上述のように遊技者の遊技機前での立ったり座ったりの移動の邪魔になったり、店員の作業の邪魔になったり、遊技機の搬送、搬入、設置の邪魔になったりする。
【0023】
したがって、遊技者に対する操作部材の操作性をある程度確保した状態で、かつ、邪魔にならない程度に操作部材の延出量が決定されることになる。しかし、この例では、操作部材が邪魔になる場合に、操作部材を後退させることができるので、逆に遊技者が操作している場合に、操作部材の延出量を大きくとれる。
【0024】
ここで、単純に最初から操作部材の延出量を大きくとると、遊技者がその操作部材の延出量に慣れてしまい、長時間遊技をしていると疲れたと感じることになるが、例えば、操作部材の操作時間に応じて操作部材の延出量を大きくするよう制御することで、疲れてくると操作部材が近づいて腕が楽になったように感じることになり、長時間の操作部材の操作が苦にならないように感じる可能性が高い。
【0025】
なお、上述のように、操作状態判定手段が一時的に遊技者が操作手段から手を離した場合でも非操作状態と判定しない構成となっていれば、たまに操作部材から手を離したような場合でも、完全に連続して遊技者が操作部材を操作した場合と同様の経過時間に対応して操作部材が前進することになる。
【0026】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の遊技機において、
前記制御手段は、
通常遊技状態及び前記通常遊技状態より遊技者に有利な条件を付与する特別遊技状態を含む複数の遊技状態間を遷移するように制御し、
前記遊技状態の遷移もしくは継続に基づいて前記駆動手段を制御し、操作位置にある前記操作部材を前後に移動させることを特徴とする。
【0027】
請求項4に記載の発明によれば、例えば、遊技者に有利な遊技状態に遷移する可能性がある場合や、遷移する場合であることを操作部材を前後に移動することで、遊技者に報知することができる。通常、移動することがない操作部材が前後に移動することで、今までにない斬新な演出とすることができ、遊技者の遊技に対する期待感を向上することができる。
また、特別遊技状態が発生した後で特別遊技状態中(継続中)に、特別遊技状態中であることを示すように、操作部材を前後動させてもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明の遊技機のよれば、遊技機の搬送、搬入、設置、撤去、搬出の作業時に、操作部材を後退させて、操作ハンドルが作業の邪魔になるのを防止するだけではなく、遊技店に遊技機を設置した後も操作部材が邪魔になる場合に操作部材を後退させることができ、遊技者の遊技機間の移動や、店員の清掃作業等を楽にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を参照して、遊技機設置営業店等の場所に設置され、遊技媒体(例えば、遊技球やメダル等)の供給に基づいて遊技者に遊技を行わせる遊技機(例えば、弾球遊技機としてのパチンコ遊技機)の構成及び動作について説明する。
【0030】
図1に示すパチンコ遊技機1は、後述の操作ハンドル6を有する操作部材21の取付部分を除く全体としては例えば、デジパチと呼ばれるパチンコ機としての一般的な基本構成を有するもので、矩形枠状で島設備に取り付けられる機枠1a(図2,3に図示)と、機枠1aに扉状に開閉自在に取り付けられ、後述の遊技盤18が収容される収容部を備えた前面枠(図示略)と、前面枠の前側に扉状に開閉自在に取り付けられたガラス枠2と、前面枠の下部に着脱自在に取り付けれ、ガラス枠2の下側の前面を構成する下部前面パネル3とを備えている。
【0031】
ガラス枠2には、遊技盤18の遊技球が流下する遊技領域を視認可能とするように開閉自在に透明板(二重ガラス)4が嵌め込まれている。また、前面枠のガラス枠2より下側の下部前面パネル3には、その中央の上部に遊技球を貯留するとともに前記遊技領域に遊技球を発射する発射装置に遊技球を供給する受皿5が備えられ、向かって右端側に回転式の操作ハンドル6を有する操作部材21が備えられ、向かって左端側に灰皿7が備えられている。
また、受皿5上部の遊技者側となる前部には、貸球の払い出し等の操作を行うための操作部8が設けられている。
【0032】
前記受皿5より左側の灰皿7が設けられる部分は、下部前面パネル3に対して上部が下側に倒れるように回動して開放可能なサイドパネル9が設けられている。
サイドパネル9には、灰皿7とともに遊技の演出で用いられ、遊技者が操作する演出ボタン10や、受皿5内の遊技球を排出させるための排出スイッチ11等が設けられている。
また、演出ボタン10には、演出ボタン10の押下中だけオンとなり、それ以外はオフとなる演出ボタンスイッチ101が取り付けられている。
【0033】
そして、操作部材21は、下部前面パネル3の右端部となる操作パネル3aに取り付けられる。すなわち、この例のパチンコ遊技機1は、遊技媒体を遊技領域に発射する際の発射強度の強弱を調整操作するための操作部材21と、遊技機本体の前面の一部を構成するとともに操作部材21が配置される操作パネル3aとを有する遊技機となる。
【0034】
操作部材21は、図2〜図4に示すように、遊技機本体に取り付けられる略四角筒状の取付部22と、取付部22の先端側で取付部22より大きな傾を有する操作部23とから全体がキノコ状に形成されている。すなわち、操作部材21には、遊技機本体に取り付けられる取付部22と、取付部22の先端部に設けられるとともに遊技者の手により操作されて発射強度の強弱を調整するために移動する操作ハンドル6を有する操作部23とが備えられている。
【0035】
取付部22は、図4に示すように四角筒状の構成を有するもので、その左右側面にラックアンドピニオンを構成するためのラックギア24,24が取付部22の軸方向に沿って設けられている。
また、取付部22の上面には、後述のロックレバー46が挿入される複数のレバー挿入孔25,25が軸方向に沿って一列に並んで複数形成されている。
なお、レバー挿入孔25,25は、取付部22の上面ではなく、側面や下面に形成してもよい。なお、取付部22の一部が遊技者側に露出する可能性があるが、取付部22の上面が遊技者側に露出する場合は、レバー挿入孔25,25を下面に形成することが好ましい。
【0036】
このレバー挿入孔25,25は、遊技者が操作部材21を強く引いたり押したりした際に、操作部材21が前後に移動してしまうのをロックレバー41を挿入することで防止するためのものである。
そして、後述のように前後動する操作部材21には、操作部材21が最も後退した収容位置(図2に図示)と、操作部材21が前進した複数の操作位置(図3に最も前進した状態の操作位置を図示)とがある。なお、操作位置は、後述のように遊技時間に応じて遊技時間が長くなると、遊技者側に段階的に操作部材21を移動可能とするように、複数、例えば、3箇所設定されている。これら、1つの収容位置と、複数の操作位置に対応して、複数のレバー挿入孔25,25が取付部22に形成されている。
【0037】
前記操作部23は、前記取付部22と一体に形成され、前記取付部22より径が大きく、前面がほぼ半球状に形成された手載せ部27と、手載せ部27の後端部の外周部に取付部22の軸周りに回転自在に取り付けられた操作ハンドル6とを有するものである。
手載せ部27は、その外周面が略球面状で、その上に掌を乗せた状態で指を操作ハンドル6にかけることにより、操作ハンドル6を長時間操作する際の腕の負担を軽減するものである。
【0038】
そして、手載せ部27の後、すなわち、操作部23の後部の外周に操作ハンドル6が所定角度範囲内で回転自在に取り付けられている。また、操作ハンドル6には、図1に示すように、指を掛けるための複数の指掛け部28,…が外周側に突出して設けられている。
なお、操作ハンドル6は、遊技球の発射装置に対してのその回転角度を伝達可能となっており、操作ハンドル6の回転角度により、遊技球の発射勢が決まるようになっている。
例えば、操作ハンドル6の回転角度を、回転型の可変抵抗器や、バリアブルコンデンサ等により電気的に伝達するものしてもよい。
また、操作ハンドル6は、例えば、その表面が金属メッキされるとともにさらに樹脂がコーティングされ、静電容量式のタッチセンサ19とされている。
【0039】
そして、発射制御装置が、タッチセンサ19からの遊技者の手を検知したことを示す信号に基づき発射装置を作動させ、上述の操作ハンドル6の回転角度を示す信号に基づき遊技球の遊技領域への発射勢を制御するようになっている。
すなわち、パチンコ遊技機1は、遊技媒体を遊技領域72に発射する際の発射強度の強弱を調整操作するための操作部材21を有する。
【0040】
そして、操作部材21が取り付けられる操作パネル3aは、遊技機本体の前面、例えば、ガラス枠2の透明板4の前面に対して向かって斜め右に傾斜して配置され、前記操作部材21の軸方向は、この斜めの操作パネル3aと直交するようには位置されることで、遊技機本体の前面に対して斜め右向きとなっている。
【0041】
操作パネル3aの裏面には、図2,3に示すように、固定部材40がビス止めされて固定されている。固定部材40は、操作パネル3aの裏面に取り付けられる矩形板状のベース板43と、ベース板43に軸方向を直交させて接合された支持筒部41とを有する。
【0042】
前記ベース板43は、たとえは、金属製の板体であり、その四隅にビス孔を有し、ビスにより、操作パネル3aに形成されたボスに固定される。
また、ベース板43の中央部には、操作部材21の取付部22を挿通させる挿通孔が形成され、取付部22が貫通した状態に配置される。
【0043】
前記支持筒部41は、その先端部が前記ベース板43に接合された金属製の四角い筒であり、前記支持筒部41の内部の貫通した孔(内部空間)と、前記ベース板43の挿通孔とが一致して連通するようにベース板43に接合されている。そして、操作部材21の取付部22がベース板43の挿通孔を貫通するとともに、支持筒部41内の孔に挿入された状態となり、四角筒状の支持筒部41が操作部材21の四角筒状の取付部22を前後動自在に支持するようになっている。
これにより、取付部22が支持筒部41の軸方向に沿った長さに渡って囲われた状態となり、取付部22と支持筒部41との間のクリアランスを小さくすることで、操作位置にある操作部材21が遊技者に手荒に扱われても操作部材21が使用位置に対して斜めとなるような事態を防止できる。
【0044】
また、支持筒部41は、左右の側面に、前記支持筒部の左右側面に形成されたラックギア24,24を露出させるように内部の取付部22のラックギア24,24に内外に重なる位置にスリット45が形成されており、スリット45を介して後述の駆動ピニオンギア61および従動ピニオンギア62が左右のラックギア24,24に噛み合っている。
【0045】
そして、支持筒部41の左右の側面のうちの一方の側面には、前記駆動ピニオンギア61を有する駆動モータ63が取り付けられ、他方の側面には、前記従動ピニオンギア62を有する従動ギア支持部(図示略)が設けられている。
そして、駆動ピニオンギア61が一方のラックギア24に噛み合い、従動ピニオンギア62が他方のラックギア24に噛み合っている。
【0046】
駆動モータ63は、回転量の制御が可能なパルスモータもしくはサーボモータとされ、操作部材21を上述の収容位置もしくは複数の操作位置のうちの1つに配置されるように回転する。
これにより、駆動ピニオンギア61が回転して、ラックギア24とともに操作部材21を移動させることになる。すなわち、駆動モータ63は、駆動手段として操作部材21を前進および後退させる。
なお、従動ピニオンギア62は、駆動ピニオンギア61の逆側のラックギア24の移動に基づいて回転するとともに、取付部22の側面を押えた状態で、支持筒部41内の取付部22のクリアランスに基づくがたつきを防止している。
【0047】
また、支持筒部41の上面には、上述のレバー挿入孔25の上となる位置に1つのレバー挿通孔48が形成されている。すなわち、取付部22を支持筒部41内で前後に移動した場合に、レバー挿通孔48の真下をレバー挿入孔25が通過するようになっている。
【0048】
上述のように、操作部材21を収容位置もしくは複数の操作位置の1つに移動した場合に、これら位置にそれぞれ対応するレバー挿入孔25のうちの1つがレバー挿通孔48の真下に配置され、レバー挿通孔48と連通した状態となる。
また、支持筒部41の上面には、前記レバー挿通孔48の真上となる位置にロックソレノイド49が取付金具50を介して取り付けられており、ロックソレノイド49の前進、後退するロッドがロックレバー46となっている。
【0049】
そして、ロックソレノイド49は、電源オフの場合に、内蔵された付勢手段としての圧縮コイルバネの付勢力により、ロックレバー46を下方に前進した状態とする。また、ロックソレノイド49は、電源オンの場合に、ロックレバー46を前記付勢力に抗して電磁力により後退させるようになっている。そして、ロックソレノイド49の電源がオフでロックレバー46が前進した状態では、上述のようにレバー挿通孔48とレバー挿入孔25が上下に重なった状態で、ロックレバー46が同時にレバー挿通孔48とレバー挿入孔25に挿入された状態となっている。この際には、支持筒部41に対する取付部22の前後動がロックレバー46にロックされた状態となり、操作部材21の位置が固定された状態となる。
【0050】
一方、ロックソレノイド49の電源をオンにするとロックレバー46が後退し、ロックレバー46が少なくともレバー挿入孔25から完全にでて、それより上の位置となる。これにより、支持筒部41に対して取付部22が前後動可能となる。これにより、上述のように駆動モータ63を作動させて駆動ピニオンギア61を回転させることにより、駆動ピニオンギア61に噛み合ったラックギア24を有する取付部22を前後動させることができる。そして、操作部材21を前後に移動させることができる。
なお、上述のようにレバー挿入孔25を取付部22の下面に設けた場合には、レバー挿通孔48、ロックレバー46を有するロックソレノイド49等を支持筒部41の下面側に設けることになる。
【0051】
なお、ロック機構は、上述の構成に限られるものではなく、例えば、駆動ピニオンギア61、従動ピニオンギア62、ラックギア24,24等のギアのいずれかに噛み込むように接触するようなストッパ(ブレーキパッド)を設け、このストッパをソレノイド等により前記ギアのいずれかに接触させたり、離したりできるようにする。そして、支持筒部41に対する取付部22の移動をロックする場合には、ストッパを何れかのギアに接触させるものとしてもよい。
この場合に、支持筒部41に対する取付部22の位置が所定の収容位置や操作位置ではなく、任意の位置で、支持筒部41に対して取付部22を固定した状態とすることができる。
【0052】
したがって、ロックを解除して駆動モータ63を作動させて、操作部材21を前後動させてる際に、操作部材21が引っ張れたり、押されたりした場合にも、操作部材21が押されたことや引っ張られてことを駆動モータ63における負荷の増減や駆動モータ63の回転速度の変化等を負荷や回転速度のセンサで検知し、操作部材21が引っ張られたり、押されたりしたと判定された場合にストッパをギアに押し付けることにより、操作部材21の位置を固定することができる。
【0053】
なお、操作部材21が収容位置となる直前に操作部材21の移動に負荷が加わった場合には、操作部材21と遊技機の前面との間に遊技者の指等が挟まれた可能性があるので、例えば、駆動モータ63の回転方向が操作部材21の後退方向である場合に、駆動モータ63を予め決められた所定期間だけ、逆転して操作部材21を僅かに前進させてから上述のようにロックするものとしてもよい。
また、言うまでもなく、操作部材21の移動を上述の収容位置や操作位置で止めた場合も前記ストッパをいずれかのギアに押付けてロックし、操作部材21が移動しないようにする。
【0054】
また、この例では、遊技の演出として操作部材21を僅かに前後に動かす場合があり、この場合は、操作位置でロックされた状態からロックを解除した後に操作部材21を移動させるとともに元に戻るように移動させた後に再びロックをかける。この場合に、操作部材21を振動するように複数回に渡って前後に移動させてもよい。
【0055】
操作パネル3aの操作部材21の取り付け位置には、操作部材21の取付部22を挿通する挿通孔が形成され、この挿通孔をほぼ中心として、操作部23の少なくとも操作ハンドル6の部分までを収容可能な、収容凹部51が形成されている。すなわち、操作パネル3aには、操作部材21の配置位置に対応して操作ハンドル6を収容する収容凹部51が形成されている。
【0056】
収容凹部51は、この例では、例えば、複数の指掛け部28を備える操作ハンドル6の形状と同様の形状を有するものとなっているが、必ずしも同様の形状とする必要はなく、指掛け部28も含めて操作ハンドル6のほぼ全体がその周囲を囲まれた状態となるように収容凹部51に収容可能となっていればよい。なお、操作部材21(操作部23)が操作位置にある状態では、遊技者から収容凹部51が視認可能となるが、例えば、収容凹部51の周囲の部分にLEDを内蔵させて発光可能とするなどして、収容凹部51を装飾部材の一部のように見せることが好ましい。
【0057】
なお、収容凹部51は、操作ハンドル6を完全に収容するものでなくてもよく、操作ハンドル6の一部、もしくは略全体を収容するものであればよい。さらに、収容凹部51は、操作部23の操作ハンドル6よりも前側となる手載せ部27の少なくとも一部を収容するものであってもよいし、操作部23全体を収容するものであってもよい。
【0058】
ここで、収容凹部51は、遊技機本体前面(例えば、ガラス枠2の前面)より前方に延出して設けられる操作部材21の延出量を減少させるためのものであるとともに、操作部材21がその基端側となる取付部22の径が細く、先端側となる操作部23の径が取付部22より大きくなっていることで、取付部22を前後動自在とした場合に、取付部22の径に対応した操作パネル3aの挿通孔の前面側開口部の部分で操作部23が止まってしまうことになり、操作部23は露出した状態となる。
【0059】
この場合に、操作部材21の延出量は、短くなるので、パチンコ遊技機1の搬入、搬出、設置、撤去時において、操作部材21が邪魔になるのをある程度防止することができるが、さらに、突出量を減らすことが好ましく、また、操作部23の特に指掛け部28を有して他の部材に引っ掛かり易い操作ハンドル6全体が露出していると、パチンコ遊技機1の搬入、搬出、設置、撤去時に邪魔になる可能性がある。そこで、上述のように、操作パネル3aの取付部22が挿通する挿通孔の周囲に操作部23の少なくとも操作ハンドル6の一部を収容する収容凹部51を設けることで、突出量を減らすとともに、操作ハンドル6の指掛け部28を隠して、より確実にパチンコ遊技機1の搬入、搬出、設置、撤去時において、操作部材21が邪魔になるのを防止できる。
【0060】
一方、パチンコ遊技機1の搬入、搬出、設置、撤去時において、遊技機本体前面から突出する操作部材21の先端部となる操作部23を何かにぶつけてしまうことで、遊技者側に延出して遊技者に視認され易い操作部23に傷をつけてしまう可能性がある。上述の構成では、上述のように操作ハンドル6まで収容凹部51に収容しても、操作部23のさらに先端部となる部分が露出した状態であり、未だ傷を付ける可能性がある。
【0061】
そこで、収容凹部51の周囲から筒状に突出する壁部を形成し、収容凹部51より露出する部分を覆うことで、パチンコ遊技機の特に搬入、設置時に、操作部23に傷がつくのを防止するようにしてもよい。
なお、操作部23に傷が付くのを防止することで、操作部23を傷付けないように注意する必要をなくし、作業者の負担を軽減して、作業性を向上し、作業時間の短縮を図ることができる。
【0062】
次に、図5を参照して遊技領域72を有する遊技盤18について説明する。遊技盤18の前面のガイドレール71等で囲まれた部分に遊技領域72が形成されている。
遊技盤18の盤面の遊技領域72内には、その中央部の僅かに上側に可変表示装置73が設けられている。可変表示装置73は、例えば、液晶表示装置からなるもので、抽選手段として機能する後述の主制御装置90で行われる抽選の当たりはずれの抽選結果を表示するものであるが、抽選結果の表示に際し変動表示ゲームを表示し、この変動表示ゲームの大当たり、または、はずれによって上述の抽選結果を表示するようになっている。
すなわち、可変表示装置73は、装飾図柄による変動表示ゲームを表示するものである。
【0063】
変動表示ゲームは、基本的に周知のもので、例えば、数字等の複数の装飾図柄(特別図柄、識別情報)を複数の表示領域でそれぞれ切り換えるように変動表示し、予め抽選で決定された変動パターンにおける変動表示時間が経過した際に、変動表示を終了して、ぞれぞれの表示領域に一つずつの装飾図柄を停止表示し、停止表示された装飾図柄の組み合わせが特別の組み合わせ(例えば、表示される図柄が全て同じ図柄)となった場合に当たりとして特別遊技状態を発生させるものである。なお、可変表示装置73は液晶表示装置に限られるものではなく、周知の各種表示装置を用いることができる。
【0064】
また、可変表示装置73においては、上述の変動表示ゲームの表示において単に装飾図柄を順次切り換えて表示するだけではなく、様々な演出的な表示が行われ、装飾図柄に関係するキャラクタやその他キャラクタのアニメーション表示等も行われる。
【0065】
また、可変表示装置73は、その周囲を遊技球の流入を防止する周囲壁74で囲まれている。また、周囲壁74の底部となる部分には、遊技球がその下側から跳ねて流入可能で、流入した遊技球の一部を後述の普通変動入賞装置75に誘導するステージ76が形成されている。また、周囲壁74には、例えば、その側部の外側に設けられた遊技球の流入口と、ステージ76に向けて遊技球を流出する流出口と、流入口から流出口につながる流路とを備えた、ワープ装置を備え、周囲壁74の周囲を流下する遊技球の一部をステージ76に誘導するようになっている。
【0066】
可変表示装置73の直下には、普通変動入賞装置75が設けられている。普通変動入賞装置75は、電動役物として所謂電チユーを有するもので、電動役物を構成する左右2つの可動部材77,77の間に特別図柄始動入賞口(特図始動入賞口)としての始動入賞口が供えられている。そして、通常時は、可動部材77,77が遊技球を1個だけ流下可能な間隔をあけて閉じた状態とされ、後述の普通図柄変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の結果が当たりとなった場合に予め設定された時間だけ2つの可動部材77,77が開放するようになっている。
すなわち、普通変動入賞装置75は、遊技球が入賞し難い閉じた閉塞状態と、閉塞状態に比較して遊技球が入賞し易い開いた開閉状態との間で変動するようになっている。
また、始動入賞口は、後述のように変動表示ゲームの当たりはずれを決定する抽選を行う抽選手段として機能する主制御装置90に、遊技球が入賞することに基づいて抽選開始の契機(変動表示ゲーム開始の契機)を付与するものである。
【0067】
すなわち、普通変動入賞装置75に対応して普通変動入賞装置75へ入賞した遊技球を検出する始動入賞球検知センサ80が設けられており、始動入賞球検知センサ80が遊技球を検知したこと、すなわち、普通変動入賞装置75に遊技球が入賞したことに基づいて、上述の装飾図柄による変動表示ゲームを開始する契機が付与される。
【0068】
また、可変表示装置73の左上には、特図保留数表示ランプ78が設けられている。始動入賞球検知センサ80が普通変動入賞装置75に入賞した遊技球を検知した場合に上限となる数値の範囲内で特図始動記憶数に1加算され、この始動入賞に基づいて変動表示ゲームが開始される場合に、特図始動記憶数から1減算される。この特図始動記憶数、すなわち、変動表示ゲームを開始する契機(始動権利)の数が特図保留数表示ランプ78に表示される。
【0069】
また、遊技盤18上の遊技領域72内には、可変表示装置73の下方で、さらに普通変動入賞装置75の下方に、特別変動入賞装置79が設けられている。そして、特別変動入賞装置79は、所謂アタッカと呼ばれる電動役物であり、通常行われる通常遊技時は、遊技球を流入させないように閉じた閉塞状態とし、前記変動表示ゲームの結果が大当たりとなった場合に所定条件に基づいて遊技球が流入し易いように開いた開放状態とするとともに開閉を繰り返すようになっている。すなわち、特別変動入賞装置79は、発射された遊技球が入賞可能な開放状態と、遊技球が入賞できない入賞不可能な閉塞状態とに変動可能なものとなっている。
【0070】
特別変動入賞装置79に対応して特別変動入賞装置79に入賞した遊技球を検知する大入賞球検知センサ81が設けられている。
また、主制御装置90に駆動源を制御される特別変動入賞装置79は、変動表示ゲームが当たりとなったことに対応して開放した際に、所定時間の経過および所定個数の遊技球の入賞という2つの条件のうちのいずれかの条件が達成された段階で閉塞するとともに、再び開放し、上述の条件の成立に基づいて閉塞することを所定回数(所定ラウンド数)繰り返すように制御される。なお、特別変動入賞装置79が開放してから閉塞するまでをラウンドと称する。すなわち変動表示ゲームの表示結果が当たりとなった場合に前記特別変動入賞装置79を所定の条件に基づいて開放状態とする特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段としての主制御装置90は、当たり状態としての特別遊技状態(特別変動入賞装置79を開閉する開閉遊技状態)中に、特別変動入賞装置79を複数の遊技球の連続的な入賞が可能となる開放状態とした後に閉塞状態することを1ラウンドとして、前記ラウンドを所定回数繰り返すように特別変動入賞装置79を制御する。
【0071】
また、遊技盤18には、普図始動口82,82が設けられている。また、普図始動口82,82に対応して、普図始動口82,82内を通過した遊技球を検知する通過球検知センサ83が設けられ、通過球検知センサ83に遊技球が検知されること、すなわち、普図始動口82,82を遊技球が通過(入賞)することに基づいて普通図柄変動表示ゲーム(以下、普図変動表示ゲーム)を後述の普通図柄(普図)表示装置(LED表示装置)84で表示する契機が付与されるようになっている。
【0072】
普図変動表示ゲームを表示する普図表示装置84は、例えば、LEDにより点灯、消灯される丸のマークとバツのマークとが交互に点灯、消灯することで変動表示を行い、当たりの場合に丸のマークが点灯され、はずれの場合にバツのマークが点灯されるものである。なお、普図表示装置84を7セグのLED表示装置からなるものとし、普通図柄としての数値を順次切り換えて変動表示した後に一つの数値を停止表示し、停止表示された数値が7等の予め決められた当たり数値ならば当たりとなるものとしてもよい。なお、当たりはずれの結果は、主制御装置により抽選で決定されるものである。
【0073】
上述の普図表示装置84の下には、普図保留数表示ランプ85が設けられている。普図始動口82,82を遊技球が通過した際(通過球検知センサが遊技球の検出を出力した際)に上限となる数値の範囲で普図始動記憶数に1加算し、普図変動表示ゲームが開始された際に普図始動記憶数から1減算する処理を行うようになっている。この普図始動記憶数が普図保留数表示ランプ85に表示される。
【0074】
そして、上述のように、普図変動表示ゲームが当たりとなった場合に、普通変動入賞装置75が開放し、普通変動入賞装置75への遊技球の入賞率が高まり、変動表示ゲームの開始機会が増加するようになっている。
また、遊技領域72の左側部の下部には、一般入賞口86,…が設けられている。また、一般入賞口86,…に対応して、一般入賞口86,…に入賞した遊技球を検知する一般入賞球検知センサ87がそれぞれ設けられている。
【0075】
また、特別変動入賞装置79の下方の遊技領域72の最下端部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域72外部となる遊技盤18裏面に排出させるアウト口89が設けられている。
また、遊技盤18の前面には、遊技球の流下方向を規制するととも流下方向を転換する遊技釘88(一部だけ図示)や風車(図示略)等の流下規制転換部材が設けられている。
【0076】
次に、この例のパチンコ遊技機の制御系を図6に示されるブロック図を参照して説明する。
パチンコ遊技機の制御系は、大きく分けて主制御部91と、副制御部92と、これら主制御部91および副制御部92に電力を供給する電源供給装置93とから構成されている。
主制御部91には、例えば、遊技機用のワンチップマイコン等で構成される主制御装置90が備えられ、主制御装置90には、プログラムを実行するCPU94、プログラムやプログラムで使用するデータを記憶したROM95や、プログラムに基づいて発生したデータやROM95から読み出した各種データ等を記憶するRAM96や周波数発生回路部97等が備えられている。
【0077】
主制御装置90(CPU94)には、パチンコ遊技機に設けられた各種センサからの信号が入力可能となっており、前述の始動入賞球検知センサ80、大入賞球検知センサ81、通過球検知センサ83、一般入賞球検知センサ87が接続されるとともに、遊技球の入賞に対応して賞球を払出す遊技球払出装置98から払い出された賞球を検知する遊技球払出検知センサ99、パチンコ遊技機におけるエラーを検知するエラー検知センサ100等が接続されている。
また、この例では、主制御装置に操作部材21の操作ハンドル6に設けられたタッチセンサ19が接続されるとともに、演出ボタン10のオンオフを検知する演出ボタンスイッチ101が接続されている。
【0078】
また、主制御装置90は、パチンコ遊技機の各種装置を動作させるため各種信号を出力するようになっている。例えば、主制御装置90には、遊技店において設置された各遊技機のデータを集計管理するための集中管理装置102が主制御装置90からデータを入力可能に接続されている。また、主制御装置90には、サブ制御装置としての払出制御装置103、図柄制御装置104、ランプ制御装置105、音声制御装置106が接続され、これらサブ制御装置に対してコマンド(制御指令)を出力可能に接続されている。
なお、ここで、払出制御装置103は実質的に賞球を払出すためのパチンコ遊技機における遊技の主要な制御を行うことから主制御部91に含まれるものとし、遊技の演出に係わる図柄制御装置104、ランプ制御装置105、音声制御装置106は副制御部92に含まれるものとなっている。
【0079】
また、主制御装置90には、特別変動入賞装置79を開閉駆動する特別変動ソレノイド107、普通変動入賞装置75を開閉駆動する普通変動ソレノイド108がつながれている。
また、上述の操作部材21を前後動させるための駆動モータ63と、操作部材21を収容位置もしくは複数の操作位置の何れかでロックするためのロックソレノイド49とが接続されている。なお、駆動モータ63およびロックソレノイド49の制御を主制御装置90で行うのではなく、副制御部92に操作部材21の前後動を制御する操作部材制御装置を設けるとともに、この操作部材制御装置に駆動モータ63およびロックソレノイド49を接続して、副制御部92で操作部材21の前後動を制御してもよい。
【0080】
また、払出制御装置103には、払出制御装置103により制御されて賞球および貸球を払出す遊技球払出装置98が接続されるとともに、プリペードカード109のデータを読み込で遊技球の貸出制御を行うためのCRユニット110が球貸信号制御装置111を介して接続されている。そして、払出制御装置103は、主制御装置90からコマンドに基づいて賞球を払出すとともに、CRユニット110から球貸信号制御装置111を介して入力される球貸信号に基づいて貸球を払出す制御を行う。
【0081】
また、主制御部91には、主制御装置90と直接接続されていないが、遊技球を遊技領域72に発射する打球発射装置(図示略)の発射駆動装置112を制御する発射制御装置113が設けられ、発射制御装置113には、遊技球の発射を操作するための回転式の操作ハンドル6、発射停止釦114およびタッチセンサ19が接続されている。
タッチセンサ19は、ブロック図において、二箇所に図示されているが、同じものであり、タッチセンサ19は、主制御装置90と、発射制御装置113との両方に接続されている。
【0082】
そして、主制御部91の主制御装置90は、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するもので、始動入賞球検知センサ80、大入賞球検知センサ81、一般入賞球検知センサ87から遊技球の検知信号が入力された場合、すなわち、各入賞口に遊技球が入賞した場合に、払出制御装置103にコマンドを出力して、賞球として遊技球の排出を行わせる。
【0083】
また、主制御装置90は、通過球検知センサ83から遊技球の検知信号が入力した場合に、上述の普図始動記憶数に加算する処理を行うとともに、普図変動表示ゲームの当たり外れを決定する抽選処理で用いられる乱数を取得し、普図変動表示ゲームを開始する際に抽選処理によって、普図変動表示ゲームの当たり外れを決定し、普図変動表示ゲームの表示や結果の報知や演出のために図柄制御装置104やランプ制御装置105や音声制御装置106にコマンドを出力する。
【0084】
また、主制御装置90は、始動入賞球検知センサ80から遊技球の検知信号が入力した場合に、上述の特図始動記憶数に加算する処理を行うとともに、変動表示ゲームの当たり外れを決定する抽選処理で用いられる乱数を取得し、変動表示ゲームを開始する際に抽選処理によって、変動表示ゲームの当たり外れを決定し、変動表示ゲームの表示や結果の報知や演出のために図柄制御装置104やランプ制御装置105や音声制御装置106等にコマンドを出力する。
すなわち、主制御装置90は、当たりはずれの抽選を行う抽選手段として機能する。
【0085】
また、主制御装置90は、変動表示ゲームの当たりはずれの抽選とともに、当たりはずれの抽選結果に対応する変動表示ゲームの抽選結果として表示される停止図柄を決定する。さらに、変動表示ゲームの主に変動表示時間を示す基本変動パターンを当たりはずれの抽選結果と停止図柄の抽選結果に対応して決定する。また、当たりの場合の停止図柄が決定されることにより、当たりに基づいて発生する特別遊技状態後に所謂確変状態を発生するか否かが決定される。
【0086】
なお、確変状態(確率変動状態)とは、周知のように、主制御装置90において上述のように取得された乱数と比較することにより当たりを決定する判定テーブルを通常の低確率用の判定テーブルから高確率用の判定テーブルに変更して当たり判定を行う。
【0087】
また、確率変動中は、基本変動パターンを抽選するための判定テーブルを通常の遊技状態の判定テーブルから通常より短い変動表示時間となる基本変動パターンが選択され易い判定テーブルに変更しての基本変動パターンの抽選処理、普図変動表示ゲームの変動開始から停止までの変動表示時間を短縮した普図変動表示ゲームの表示処理(基本変動パターンにおける抽選処理のようにして変動表示時間を短縮してもよい)、普図変動表示ゲームで当たりとなった場合の普通変動入賞装置75の可動部材77,77の開放時間を延長しての電チューの駆動処理、1回の当たりに対する開放回数の増加を伴う前記電チューの駆動処理、普図変動表示ゲームの当たり確率を高確率に変更(変動表示ゲームの判定テーブルの変更と同様)しての当たりはずれの抽選処理が行われる。なお、これら全ての処理が行われる必要はなく、変動表示ゲームの当たり確率の低確率から高確率への変更を除く一部が行われればよい。
【0088】
また、上述の確率変動中における処理から変動表示ゲームの当たり確率を低確率から高確率に変更する処理を除いたものを所謂時短状態といい本発明においても例えば特別遊技状態終了後に確変状態とならない場合の一部の場合もしくは全ての場合に時短状態を発生するものとしてもよい。また、確変状態がその開始からの所定回数の変動表示ゲームの表示で終了する場合に、確変状態の終了後に時短状態が発生するものとしてもよい。
【0089】
また、主制御装置90は、普図変動表示ゲームが当たりとなった場合には、普通変動入賞装置75の可動部材77,77の駆動源(普通変動ソレノイド108)を制御して普通変動入賞装置75を閉じた第1状態から開いた第2状態とする制御を行う。
また、主制御装置90は、変動表示ゲームが当たりとなった場合には、特別変動入賞装置79の可動扉の駆動源(特別変動ソレノイド107)を制御して所定の条件に基づいて特別変動入賞装置79を閉じた閉塞状態から開放状態に変動させて特別遊技状態を発生させる制御を行う。
【0090】
また、副制御部92の図柄制御装置104は、可変表示装置73と、普図表示装置(LED表示装置)6とを制御するものであり、可変表示装置73はビデオディスプレイプロセッサ117を介して接続されている。なお、可変表示装置73で表示される装飾図柄の変動表示ゲームの当たりはずれの結果は、抽選手段として機能する主制御装置90で行われる抽選処理により決定される。
また、普図表示装置84における普図変動表示ゲームも主制御装置90で行われる抽選処理により当たりはずれの結果が決定され、それに基づいて表示が制御される。
【0091】
また、図柄制御装置104は、主制御装置90で抽選により決定された当たりはずれと停止図柄と基本変動パターンに基づいて予め記憶された変動表示パターンから変動表示パターンを選択することにより表示内容を決定する。なお、変動表示パターンは、各基本変動パターンに対して複数の変動表示パターンが予め記憶されており、図柄制御装置104における抽選により選択されるようになっている。また、リーチ演出のうちの長い変動表示間の基本変動パターンに対応して選択される変動表示パターンには、時間経過に伴って複数に表示内容が枝分かれするものもあり、時間経過に伴ってサブ変動表示パターンをさらに抽選で選択する場合もある。
【0092】
副制御部92のランプ制御装置105は、遊技盤18の盤面に設けられた盤面関係の電飾(LED)114と、パチンコ遊技機の遊技盤18を支持する前面枠に設けられ、遊技盤18の前面を覆うガラス枠等の枠扉関係の電飾115とが接続され、LEDやランプ等による演出を制御する。
また、ランプ制御装置105には、特図保留数表示ランプ78、普図保留数表示ランプ85が接続され、これらはLEDの点灯、消灯の制御により、保留数を表示可能となっている。
【0093】
音声制御装置106には、サウンドプロセッサ、アンプ、スピーカ等からなる音声発生装置116が接続されており、音声制御装置106は、演出用の効果音、音声、音楽等の出力を制御する。
【0094】
そして、本発明においては、主制御装置90により、操作部材21を前後動させる駆動モータ63と、操作部材21を収容位置もしくはいずれかの操作位置でロックするロックソレノイド49が制御される。
まず、ロックソレノイド49と駆動モータ63とは連携して制御されるようになっており、駆動モータ63が作動する際には、その一瞬前にロックソレノイド49の電源がオンとなって、上述のように操作部材21がロック解除されて前後動自在な状態となり、駆動モータ63が停止すると、その後直ぐにロックソレノイド49の電源がオフとされて、操作部材21がロックされて前後動不可となる。
【0095】
ただし、駆動モータ63は、上述のようにパルスモータかサーボモータで、操作部材21の前後動を停止する際に、必ず、レバー挿通孔48の位置と、レバー挿入孔25の位置が前後に重なった状態となるものとする。
以下の説明においては、駆動モータ63の動作を主に説明するが、上述のように駆動モータ63の作動と停止に基づいてロックソレノイド49が動作するように制御しているものとする。
【0096】
また、図示しないが、この例において、駆動モータ63の制御方法を設定する設定スイッチがあるものとし、設定を変更可能で、設定を変更することにより、駆動モータ63の制御が変化するものとする。
【0097】
そして、駆動モータ63の最初の設定(仮に設定1とする)においては、駆動モータ63は、操作部材21を図2に示す収容位置と、図3に示す操作部材21が最も演出した状態の操作位置との2点間を移動するものとする。
そして、制御は、パチンコ遊技機1の電源オフで、主制御装置90は操作部材21を収容位置に移動するように駆動モータ63を制御し、電源オンで操作部材21を最も前進した状態の操作位置に移動するように制御する。
すなわち、制御手段としての主制御装置90は、駆動手段としての駆動モータ63を制御して操作部材21を操作位置と収容位置との間で移動させる。
【0098】
なお、ここで、電源スイッチは、ソフト的に電源をオフするもので、主制御装置90は、電源スイッチがオフとなってから、終了処理を行った後に電源オフとなるものとする。
そして、電源スイッチがオフとなった際の終了処理で主制御装置90は、駆動モータ63を作動させ、操作部材21を収容位置に移動する。
すなわち、制御手段としての主制御装置90は、少なくとも電源がオフとなっているオフ状態において操作部材21を収容位置に配置するように駆動手段としての駆動モータ63を制御することになる。
一方、電源スイッチをオフからオンとした際には、主制御装置90の初期化処理後に操作部材21が前記操作位置に移動するように駆動モータ63が制御される。
【0099】
これにより、遊技店の営業終了から営業開始までの間に清掃を行う際に操作部材21が邪魔になるのを防止し、清掃作業の効率化を図ることができる。また、清掃作業中に操作部材21を傷付けてしまうようなことも防止できる。
【0100】
次に、設定2では、パチンコ遊技機の電源オフで操作部材21が収容位置に移動するが、電源オンとなっても操作部材21が収容位置に移動しないものとし、遊技者が操作部材21を操作する場合に、例えば、遊技者が演出ボタン10を押すことにより、演出ボタンスイッチ101から演出ボタン10の押下を示す信号が入力した場合(これは、予め設定された所定条件の成立となる)に、操作部材21が操作位置のうちの最も延出量の少ない位置に延出する。
すなわち、制御手段としての主制御装置90は、操作部材21が収容位置にある場合に、予め設定された所定条件の成立に基づいて、収容位置から操作位置に操作部材21を移動させるように駆動手段としての駆動モータ63を制御する。
【0101】
なお、この際の所定条件には、上述の演出ボタンスイッチ101からの信号の入力以外に、操作部材21の駆動モータ63の制御において、操作部材21を収容位置としていることと、操作ハンドル6に設けられたタッチセンサ19からの信号が入力していないことと、遊技状態が客待ち状態(デモンストレーション状態)であることである。なお、図示しないが、遊技球の発射を検知する発射検知センサを設け、所定時間以上遊技球が発射されていないことを含めてもよい。これにより、タッチセンサ19が故障した場合でも正確な制御が可能となる。
【0102】
また、操作部材21の位置を検知するセンサを設け、センサで操作部材21の位置が収容位置か否かを判定するものとしてもよい。
なお、基本的に、操作部材21が収容位置あれば、遊技状態は客待ち状態となり、発射検知センサも遊技球の発射を検知することがないので、これら2つの条件を前記所定条件に加えないものとしてもよい。
なお、客待ち状態(デモンストレーション状態)とは、始動入賞口に所定時間以上遊技球が入賞せずに、可変表示装置73で変動表示ゲームが行われない状態が続いた場合に、可変表示装置73に定期的にデモンストレーション用の画像を表示する状態である。
【0103】
また、主制御装置90は、操作部材21が操作位置にある場合に、遊技者が前記操作部材21を操作している操作状態か遊技者が前記操作部材21を操作していない非操作状態かを判定する操作状態判定手段として機能するようになっている。
ここで、非操作状態とは、基本的には、一時的に操作を止めた状態を含まず、遊技を止めたか休憩等で遊技者が席を離れ直ぐに遊技の操作を開始することができない状態を示す。
【0104】
そして、非操作状態でない場合には、便宜的に操作状態と判定するようになっている。
したがって、主制御装置90は、非操作状態か否かを判定する。そして、非操作状態の判定条件は、以下のものである。
タッチセンサ19からのタッチを示す信号が入力していない状態から所定時間(例えば、5分)以上経過していること、遊技状態が客待ち状態であることである。なお、上述の発射検知センサがある場合には、最後に遊技球が発射されてから所定時間(例えば、5分)以上経過していることを条件に含めてもよい。この場合もタッチセンサ19の故障時にも正確な制御が可能となる。
なお、タッチセンサ19を操作部23全体に設けるものとしてもよいし、パチンコ遊技機1に遊技者がいるかいないかを検知する所謂人体検知センサ(体温を検知したり、光や超音波等で遊技機前の椅子に物体があるかないかを検知したり、椅子にかかる荷重を検知したりしてもよい)を設け、人体検知センサが遊技者を検知していない場合に非操作状態と判定するものとしてもよい。また、タッチセンサ19と人体検知センサを併用してもよい。
【0105】
そして、非操作状態と判定された場合には、上述のように駆動モータ63を制御して操作部材21を収容位置に収納する。なお、移動中にタッチセンサ19から手が操作ハンドル6に触れていることを示す信号が入力した場合に、移動中でも操作位置に戻るように駆動モータ63が制御される。
以上のことから、操作状態判定手段としての主制御装置90が非操作状態と判定した場合に、収容位置に操作部材21を配置するように駆動手段としての駆動モータ63を制御することになる。
このようにすることで、例えば、遊技者がいない遊技機においては、操作部材21が収容位置に収納されていることになるので、遊技者が遊技機の前に座る際や、店員があいている遊技機やその周囲を清掃したり、遊技機のメンテナンスをしたりする際に操作部材21が邪魔になることがない。
【0106】
ここで、遊技者にとっては、操作部材21の操作性を向上する上で、操作部材21を遊技者に近づけるように大きく前に延出させることが好ましいが、遊技者の遊技機前での移動や店員によるメンテナンスや清掃作業時に操作部材21が前方に大きく延出していると操作部材21が邪魔になる。そこで、これらのことを考慮して操作部材21の遊技機本体からの延出量が決められるが、この設定では、操作部材21を長い間操作していない状態、すなわち、遊技者が遊技機の前に居ない場合には、操作部材21が収容位置に配置されるので、操作部材21が遊技者の遊技機前での移動や店員によるメンテナンスおよび清掃作業の邪魔になることがない。
したがって、遊技者が操作部材21を操作している場合には、操作部材21が邪魔になることを考慮せずに、操作部材21の遊技機本体からの延出量を大きくとることが可能となり、遊技者が楽に操作部材21を操作することができる。
【0107】
ここで、主制御装置90は、上述のように所定条件が成立して操作部材21を収容位置から操作位置に移動する際に、遊技機本体から延出量が最も少ない1段階目の操作位置とする。そして、主制御装置90は、非操作状態か否かの判定で非操作状態でないと判定されている場合には、上述のように所定条件の成立で操作部材21が操作位置に移動してからの時間経過を操作状態継続時間として測定し、測定された時間が第1の所定時間(例えば、30分)となった場合に、複数の操作位置のうち、例えば、3段階の操作位置のうち、最も遊技機本体前面からの延出量が少ない上述の第1段階の操作位置からそれよりも前記延出量の大きな第2段階の操作位置に移動するように駆動モータ63が制御される。
【0108】
また、第1の所定時間となった場合以降も、操作状態継続時間の測定を続け、継続時間が第2の所定時間(例えば60分)に達した場合に、前記第2段階の操作位置からそれよりも前記延出量の大きな第3段階の(最も延出量が大きい)操作位置に移動するように駆動モータ63が制御される。
すなわち、制御手段としての主制御装置90は、操作状態判定手段として機能している際に、操作状態と連続して判定している時間を計測する計時手段としても機能し、計時手段としての主制御装置90に計測された時間の増加に応じて、主制御装置90は、操作部材21を前に移動するように前記駆動手段としての駆動モータ63を制御する。
【0109】
これにより、遊技者の遊技時間(操作部材21に手を掛けている時間で、かつ、短時間だけ手を離した時間を含む)が長くなった場合に、操作部材21が段階的に遊技者に近づくことになり、遊技者は手が楽になったと感じることになる。なお、本発明では、上述のように、不使用時に操作部材21が邪魔にならないので、操作部材21が操作されている場合は、操作部材21をより遊技者に近づける構成とすることができる。
【0110】
しかし、最初から操作部材21を通常の遊技機より遊技者に近づけて配置してしまうと、遊技者は、時間経過とともに手に疲れを感じてしまうので、遊技時間が長くなった場合に、段階的に操作部材21を遊技者に近づけることで、時間経過に基づく疲れに対応してより楽な姿勢となる。これにより、長時間の遊技時に遊技者の疲れたという感覚を解消することができる。
【0111】
また、この設定では、遊技中に遊技状態に基づいて所定条件が成立した場合に操作部材21が前後に1回もしくは複数回連続して移動するようになっている。
これは、上述の変動表示ゲームの演出の一部もしくは特別遊技状態における演出の一部として行われるものである。特に、変動表示ゲームを行っている遊技状態から特別遊技状態に遊技状態が遷移する場合に行われる。
【0112】
基本的には、上述の変動表示パターンと停止図柄を抽選で決定する場合で、かつ、停止図柄とその停止順が所謂リーチとなる場合のうちの一部の場合に操作部材21を前後動させるように駆動モータ63を制御する処理が行われる。
変動表示ゲームの変動表示パターンがリーチとなるは、装飾図柄(特別図柄)が順次停止して表示される際に、全ての装飾図柄が停止表示される直前まで、大当たりとなる可能性が残されている場合である。
【0113】
例えば、3つの装飾図柄が表示される場合で、かつ、大当たりとなる停止図柄の組合わせが全ての停止図柄が同じ停止図柄となる場合におけるリーチは、大当たりとなる場合、すなわち、3つの停止図柄が全て同じとなる当たりの場合と、最後に停止する停止図柄を除く停止図柄が全て同じで、最後に停止する停止図柄がそれらとは異なるはずれの場合とがある。
【0114】
ここで、主制御装置90は、大当たり、はずれと、変動表示パターンと、停止図柄とを抽選で決定する際に、演出として操作部材21を前後動させるために駆動モータ63を制御するか否かを抽選で決定する。この際に必ずリーチとなる大当たりの場合、すなわち、遊技状態が変動表示ゲームを行っている通常遊技状態から特別遊技状態に遷移することが確定した場合に、所定の確率で抽選により操作部材21を前後動させるか否かを決定する。
【0115】
ここで、リーチとなってもはずれの場合には、操作部材21を前後動させないものとしてもよく、この場合には、操作部材21が前後動することが、特別遊技状態発生が確定となる100%の信頼度の予告となる。
また、はずれでもリーチの場合には、抽選で操作部材21を前後動させるか否かを決定するものとすると、操作部材21を前後動させることが抽選で選択される抽選確率が低い場合に、操作部材21が前後動することが、特別遊技状態発生の信頼度の高い予告となる。
なお、この抽選確率を高くしてしまうと、操作部材21の前後動は、信頼度の低い予告となる。
また、はずれの場合は、遊技状態が通常遊技状態から特別遊技状態に遷移することがないので、はずれの場合にも操作部材21が前後動する可能性がある場合には、遊技状態が遷移せずに継続でも操作部材21を前後動する演出が行われることになる。
【0116】
以上のことから、制御手段としての主制御装置90は、通常遊技状態及び前記通常遊技状態より遊技者に有利な条件を付与する特別遊技状態を含む複数の遊技状態間を遷移するように制御し、遊技状態の遷移もしくは継続に基づいて駆動手段としての駆動モータ63を制御し、操作位置にある操作部材21を前後に移動させることになる。
【0117】
また、操作部材21を前後動させる演出を行うか否かの抽選を、変動表示パターンや停止図柄と関連づけて行うものとしてもよい。
たとえば、停止図柄が数字の場合に、7や3といった特定の数字でリーチとなる場合に操作部材21を前後動するか否かの抽選を行うようにしたり、所謂信頼度が高いリーチとしてのプレミアムリーチが出現した場合に操作部材21を前後動するか否かの抽選を行うようにしたりしてもよい。
なお、信頼度の高いプレミアムリーチとは、はずれでリーチとなる場合に出現確率が極めて低いリーチの変動表示パターンか、はずれの場合に出現しないリーチの変動表示パターンのことである。
【0118】
また、操作部材21を前後動させる演出を特別遊技状態中に行ってもよく、例えば、特別遊技状態中の各ラウンド開始時に操作部材21を前後動するものとしても良いし、特別遊技状態中に特別遊技状態終了後に確率変動状態となることが遊技者に報知される際に、操作部材21を前後動するものとしてもよい。
【0119】
なお、上述のような操作部材21を移動させるための制御は、所謂デジパチ以外の羽根ものや権利ものといった他のパチンコ機でも同様に行うことが可能であり、また、パチンコ機以外の弾球遊技機でも操作部材21があれば適用可能である。
【0120】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の実施の形態に係る操作部材21を有するパチンコ遊技機を示す正面図である。
【図2】操作部材21が収容位置にある図1に示すパチンコ遊技機のA−A矢視断面図である。
【図3】操作部材21が操作位置にある図1に示すパチンコ遊技機のA−A矢視断面図である。
【図4】前記パチンコ遊技機の操作部材21の取付位置を示す要部斜視図である。
【図5】前記パチンコ遊技機の遊技盤18を示す正面図である。
【図6】前記パチンコ遊技機の制御係を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0122】
1 パチンコ遊技機(遊技機)
21 操作部材
63 駆動モータ(駆動手段)
90 主制御部(制御手段、操作状態判定手段、計時手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体を遊技領域に発射する際の発射強度の強弱を調整操作するための操作部材を有する遊技機において、
前記操作部材は、遊技機本体から前方に延出して遊技者による操作を可能とした操作位置と、前記操作位置より後退して遊技者による操作を不能とした収容位置との間で移動自在に遊技機本体に設けられ、
前記操作部材を前進および後退させる駆動手段と、
前記駆動手段を制御して前記操作部材を前記操作位置と前記収容位置との間で移動させる制御手段とを備え、
前記制御手段は、少なくとも電源がオフとなっているオフ状態において前記操作部材を前記収容位置に配置するように前記駆動手段を制御することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記制御手段は、
電源がオンとなっているオン状態において、遊技者が前記操作部材を操作している操作状態か遊技者が前記操作部材を操作していない非操作状態かを判定する操作状態判定手段を備え、
前記操作状態判定手段が前記非操作状態と判定した場合に、前記収容位置に前記操作部材を配置するように前記駆動手段を制御し、
前記操作部材が収容位置にある場合に、予め設定された所定条件の成立に基づいて、前記収容位置から前記操作位置に前記操作部材を移動させるように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記制御手段は、前記操作状態判定手段が、操作状態と連続して判定している時間を計測する計時手段を備え、
前記計時手段に計測された時間の増加に応じて、前記操作部材を前に移動するように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記制御手段は、
通常遊技状態及び前記通常遊技状態より遊技者に有利な条件を付与する特別遊技状態を含む複数の遊技状態間を遷移するように制御し、
前記遊技状態の遷移もしくは継続に基づいて前記駆動手段を制御し、操作位置にある前記操作部材を前後に移動させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−154643(P2008−154643A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−343769(P2006−343769)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】