説明

遊技機

【課題】本発明は、遊技球の発射方向を安定させることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤と、遊技領域に遊技球を発射する発射装置130とを備え、発射装置130は、互いに当接あるいは近接させて配置された一対の回転ローラ132a、132bと、一対の回転ローラ132a、132bの対向部位に遊技球を挿入する挿入装置142と、一対の回転ローラ132a、132bの対向部位から所定長さに亘って設けられ、一対の回転ローラ132a、132bの対向部位を通過して発射された直後の遊技球の進行方向が一定方向になるように規制する一対のガイドレール134a、134bとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機、特にパチンコ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機において、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過したことなど、所定の可変表示開始条件の成立により、可変表示装置の表示領域上に識別情報を変動表示する制御を行い、変動表示が行われている識別情報を導出表示する制御を行う可変表示制御手段が備えられ、導出表示された識別情報が所定の組合せ(特定の表示態様)となった場合に遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行するようにしたものが提供されている。
【0003】
このような、パチンコ遊技機においては、遊技球の発射装置として、衝突部材を遊技球に衝突させることで発射させる方式が多く採用されている。また、衝突部材を駆動させる駆動源としてはソレノイドや偏心カムを回転させるモータなどが用いられている。しかしながら、衝突部材を遊技球に衝突させる方式では、衝突を繰り返すことによって部材が劣化しやすくなり、故障の原因ともなりうる。また、故障まで至らずとも、遊技者が望む強さで安定して遊技球を打ち出すことができなくなるおそれがあり、発射装置による遊技球の発射にムラが生ずるようになれば、そのような遊技機は遊技者から敬遠され、稼働率低下の原因となる。
【0004】
そこで従来では、例えば、特許文献1には、一対のローラ間に球を供給してローラの回転力で球を発射通路に発射するパチンコ遊技機が開示されている。
【特許文献1】特開2006−141818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のパチンコ遊技機においては、一対のローラが安定して回転している場合には、安定した遊技球の発射が見込まれる。しかしながら、一対のローラにおいて回転に差が発生したり、あるいはローラの摩耗や変形によってローラの径に差が発生した場合には、遊技球の発射方向が安定しないおそれがある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、遊技球の発射方向を安定させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
【0008】
請求項1に記載の遊技機は、遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域に遊技球を発射する発射装置とを備え、前記発射装置は、互いに当接あるいは近接させて配置された一対の回転ローラと、前記一対の回転ローラの対向部位に遊技球を挿入する挿入手段と、前記一対の回転ローラの対向部位から所定長さに亘って設けられ、前記一対の回転ローラの対向部位を通過して発射された直後の遊技球の進行方向が一定方向になるように規制する一対の発射レールとを有することを特徴としている。
【0009】
この遊技機によれば、一対の回転ローラの対向部位に遊技球を挿入して遊技球を発射させる、ピッチングマシン方式の発射装置において、発射された直後の遊技球の進行方向が一対の発射レールによって一定方向になるように規制される。このため、発射された直後の遊技球の進行方向に多少のばらつきがあっても発射レールによって矯正されて、遊技領域に送り出されるようになる。このように、遊技球の発射方向を安定させることが可能な遊技機を提供することが可能になる。
【0010】
請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、前記一対の発射レールの間隔を変更する発射レール移動手段と、前記一対の回転ローラの速度に応じて、前記一対の発射レールの間隔を変更させるように前記発射レール移動手段を制御する発射レール移動制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0011】
この遊技機によれば、例えば、一対の回転ローラの速度に敢えて差を付けて遊技球にスピンを掛けて発射するような場合には、発射された直後の遊技球の進行方向が斜めになる可能性がある。ここで、一対の発射レールの間隔を広くすることによって、遊技球を確実に遊技領域に送り出すことが可能になる。このように、遊技球の発射方向を安定させることが可能な遊技機を提供することが可能になる。
【0012】
請求項3に記載の遊技機は、請求項2に記載の遊技機において、前記発射レール移動手段は、前記一対の発射レールにおける前記一対の回転ローラの対向部位側の間隔を変更するように、前記一対の発射レールの少なくとも一方の発射レールの角度を変更することを特徴としている。
【0013】
この遊技機によれば、例えば、回転ローラの速度に敢えて差を付けて遊技球にスピンを掛けて発射するような場合には、発射された直後の遊技球の進行方向が斜めになる可能性がある。ここで、発射レールにおける一対の回転ローラの対向部位側の間隔を広くすることによって、遊技球が一対の発射レールの間に確実に入り込むようになり、しかも、発射レールの間隔が徐々に狭まるため、進行方向を一定方向に安定させることが可能になる。このように、遊技球の発射方向を安定させることが可能な遊技機を提供することが可能になる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、遊技球をより安定して発射することが可能な遊技機を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
【0016】
最初に、本発明に好適な実施形態におけるパチンコ遊技機の機能について図1を用いて説明する。
【0017】
まず、図1に示すように、パチンコゲームは、ユーザの操作に応じて発射される遊技球が、特別図柄の可変表示を行うための始動入賞となった場合には(例えば、始動入賞する確率が約“5/100”〜“6/100”となるように障害釘設定)、その始動入賞に伴って、大当りに関する大当りカウンタから、大当りとなるか否かを判定するための大当り乱数、大当りの場合において停止表示させる特別図柄の種類を決定するための図柄乱数が抽出される。この場合において、通常時であるとき(例えば、約“1/300”)は、確変時であるとき(例えば、約“1/50”〜“1/100”)よりも低い確率で大当りとなると判定される。
【0018】
そして、大当りとなると判定された場合には、リーチとなるが、大当りとならないと判定された場合には、リーチ(リーチ入賞)となるか否かが決定されることとなる(例えば、約“1/10”〜“1/20”の確率でリーチとなる)。
【0019】
また、可変表示動作中において始動入賞した場合には、4個の保留球の分だけ、始動記憶領域に大当り乱数等が記憶されることとなる。
【0020】
そして、上述した大当りとなるか否か、停止表示させる特別図柄の種類、リーチとなるか否か等を示す各種のコマンドが演出表示手段に出力されるとともに、可変表示制御手段が表示器における可変表示を行う。
【0021】
一方、演出表示手段は、受信した各種コマンドに基づいて、可変表示映像、演出映像を選択し、選択結果に対応する演出データを読み出し、表示器に表示映像信号を出力するとともに、音発生器(スピーカ)に音声信号を出力する。これによって、表示器において、各種の映像が表示され、音発生器において、各種の音声が発生されることとなる。また、上述した始動記憶領域において記憶された大当りとなるかはずれとなるかが演出表示手段に出力されることによって、まだ可変表示されていない始動記憶領域における当落が認識可能となり、その当落に基づく演出が行われることもある。
【0022】
また、大当りとなった場合には、通常時よりも高い確率で遊技球の払出制御が行われる。そして、大当りが終了した場合には、通常ゲームよりも遊技者に有利な時短状態や、確変状態(確率変動状態)となることもある。時短状態においては、始動入賞口チャッカーが開閉する等、通常時よりも始動入賞し易くなり、確変状態においては、大当り判定時において大当りとなる確率が通常時より高くなる。また、時短状態は、大当り終了後、50〜100回の可変表示中継続され、確変状態は、次に大当りとなるまで継続される。
【0023】
また、パチンコ遊技機の機能について図2を用いて更に具体的に説明する。
【0024】
まず、図2に示すように、パチンコゲームは、ユーザの操作に応じて遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞することによって、遊技球の払出制御が行われるゲームである。
【0025】
また、このパチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲーム、普通図柄を用いる普通図柄ゲームが含まれている。これら特別図柄ゲームにおいて大当りとなったときや、普通図柄ゲームにおいて当りとなったときには、相対的に、遊技球が入賞する可能性が増大し、遊技球の払出制御が行われ易くなる。
【0026】
また、各種入賞には、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示が行われる一つの条件である特別図柄始動入賞や、普通図柄ゲームにおいて普通図柄の可変表示が行われる一つの条件である普通図柄始動入賞も含まれている。
【0027】
特別図柄始動入賞があった場合には、大当り判定用のカウンタ、図柄決定用のカウンタから乱数値が抽出され、各乱数値が記憶されることとなる。
【0028】
一方、普通図柄始動入賞があった場合には、当り判定用のカウンタから乱数値が抽出され、乱数値が記憶されることとなる。
【0029】
特別図柄ゲームにおいては、最初に、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この場合において、上述した特別図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、特別図柄の可変表示を開始すると判定される。
【0030】
そして、大当り判定用のカウンタから抽出された乱数値が参照され、大当りとするか否かの大当り判定が行われる。次に、図柄決定用のカウンタから抽出された乱数値と、上述した大当り判定結果と、が参照され、停止表示させる特別図柄を決定する停止図柄決定が行われる。
【0031】
次に、変動パターン決定用のカウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定結果と、上述した停止図柄と、が参照され、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定が行われる。次に、演出パターン決定用のカウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定結果と、上述した停止図柄と、上述した変動パターンと、が参照され、特別図柄の可変表示に伴って実行する演出パターン決定が行われる。
【0032】
そして、上述したように決定された大当り判定の結果、停止表示させる特別図柄、特別図柄の変動パターン、特別図柄に伴う演出パターンが参照され、特別図柄の可変表示の表示制御を行う可変表示制御、所定の演出を行う演出制御が実行される。
【0033】
そして、大当り判定結果が大当りとなると判定された場合、可変表示制御、演出表示制御が終了した後に、大当り遊技を行う大当り遊技制御が実行される。この大当り遊技制御においては、上述した各種入賞の可能性が増大することとなる。一方、大当りとならないと判定された場合には、大当り遊技制御が実行されない。
【0034】
そして、大当り遊技制御が終了した場合に、遊技状態を移行させるための遊技状態移行制御が行われる。この遊技状態移行制御においては、大当り遊技状態とは異なる通常時における遊技状態の管理が行われる。例えば、上述した大当り判定において、大当りと判定される確率が増大する確変状態であったり、特別図柄や普通図柄の可変表示において、その可変表示時間を短縮させる時短状態であったり、各種の遊技状態に移行させることがある。そして、再度、特別図柄の可変表示を開始させるか否かが繰り返し判定されることとなる。
【0035】
一方、普通図柄ゲームにおいては、最初に、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この場合において、上述した普通図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、普通図柄の可変表示を開始すると判定される。
【0036】
そして、当り判定用のカウンタから抽出された乱数値が参照され、当りとするか否かの大当り判定が行われる。次に、上述した当り判定結果が参照され、普通図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定が行われる。
【0037】
そして、上述したように決定された当り判定の結果、普通図柄の変動パターンが参照され、普通図柄の可変表示の表示制御を行う可変表示制御、所定の演出を行う演出制御が実行される。
【0038】
そして、可変表示制御、演出表示制御が終了した場合に、当りとなるか否かが判定され、当りとなったと判定された場合には、当り遊技を行う当り遊技制御が実行される。この当り遊技制御においては、上述した各種入賞の可能性、特に、特別図柄ゲームにおける特別図柄始動入賞の可能性が増大することとなる。一方、当りとならないと判定された場合には、当り遊技制御が実行されない。そして、再度、普通図柄の可変表示を開始させるか否かが繰り返し判定されることとなる。
【0039】
このように、パチンコゲームは、ユーザの操作に応じて発射された遊技球が各種入賞すること以外に、特別図柄ゲームにおいて大当りとなるか否か、遊技状態の移行状況、普通図柄ゲームにおいて当りとなるか否かによって、遊技球の払出制御が行われ易くなるゲームである。
【0040】
尚、本実施形態においては、各種の乱数値の抽出は、プログラムを実行することによって乱数値を生成するソフト乱数方式を用いているが、これに限らず、例えば、所定周期で乱数が更新される乱数発生器を備え、その乱数発生器におけるカウンタ(所謂、リングカウンタ)から乱数値を抽出するハード乱数方式を用いてもよい。この場合において、所定周期とは異なるタイミングで、乱数値の初期値を決定することによって、所定周期で同じ乱数値が抽出されることを防止することができる。
【0041】
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態について説明する。
【0042】
[遊技機の構成]
第1実施形態における遊技機の概観について図3から図6を用いて説明する。尚、以下において説明する実施形態においては、本発明に係る遊技機に好適な実施形態として本発明を第1種パチンコ遊技機(「デジパチ」とも称される。)に適用した場合を示す。
【0043】
パチンコ遊技機10は、図3から図6に示すように、ガラスドア11、木枠12、ベースドア13、遊技盤14、皿ユニット21、画像を表示する液晶表示装置32、遊技球を発射する発射装置130、各種の制御基板を含む基板ユニット400、遊技価値としての遊技球を付与する球払出ユニット500等から構成されている。
【0044】
上述したガラスドア11は、ベースドア13に対して開閉自在に軸着されている。また、このガラスドア11の中央には、開口11aが形成されており、その開口11aには、透過性を有する保護ガラス19が配設されている。また、上述した木枠12は、その前方にベースドア13が軸着される。
【0045】
上述した皿ユニット21は、ガラスドア11の下方に位置するように、ベースドア13に配設されている。皿ユニット21には、その上方に上皿20が、その下方に下皿22が設けられている。上皿20及び下皿22には、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口20a、22aが形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、遊技球が排出され、特に、上皿20には、後述する遊技領域15に発射させるための遊技球が貯留される。
ることとなる。
【0046】
上述した発射装置130は、皿ユニット21の側方に位置するように、ベースドア13に配設されている。この発射装置130には、遊技者によって操作可能な発射ハンドル26が配設されており、遊技者によって発射ハンドル26が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。この発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14の遊技領域15に順次発射される。このように、発射装置130は、遊技領域に遊技球を発射する発射装置の一例である。
【0047】
上述した遊技盤14は、保護ガラス19の後方に位置するように、ベースドア13の前方に配設されている。遊技盤14は、その前面に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、ガイドレール30等に囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。このように、発射装置130によって発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて遊技盤14の上部に移動し、その後、遊技領域15に設けられた複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下することとなる。このように、遊技盤14は、遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤の一例である。
【0048】
この遊技盤14の前面中央には、始動口25、シャッタ40等が設けられている。この始動口25に遊技球が入球したことを条件として、特別図柄の可変表示が実行されることとなる。また、詳しくは後述するが、この特別図柄の可変表示の結果に応じて、通常遊技状態よりも遊技者に相対的に有利な大当り遊技状態(所謂、「大当り」)となる。この大当り遊技状態となった場合には、シャッタ40が開放状態に制御され、大入賞口39に遊技球が受け入れ容易な開放状態となることがある。
【0049】
この遊技盤14の後方には、液晶表示装置32の表示領域が視認可能に配設されている。また、ベースドア13の上方には、スピーカ46L、46Rが配設される。
【0050】
また、遊技盤14の中央には、特別図柄表示装置35が配設されている。この特別図柄表示装置35は、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示を行うものである。この特別図柄表示装置35における特別図柄は、一列の図柄列で構成されているが、これに限らず、例えば、複数の図柄列で構成されていてもよい。この特別図柄は、数字や記号等からなる図柄である。
【0051】
「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。また、「可変表示」は、特別図柄ゲームの結果として識別情報が表示される「導出表示」を行うことができる。また、変動表示が開始されてから導出表示されるまでを1回の可変表示と称する。
【0052】
また、この特別図柄表示装置35において、特別図柄の導出表示が行われ、導出表示された特別図柄が特定の表示態様になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することとなる。また、導出表示された特別図柄が非特定の表示態様になった場合には、大当り遊技状態に移行しない。
【0053】
また、導出表示された特別図柄が、特定の表示態様のうちの特別の表示態様になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、確変状態に移行することとなる。
【0054】
一方、導出表示された特別図柄が、特定の表示態様のうち、特別の表示態様ではない非特別の表示態様になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、非確変状態(通常遊技状態)に移行することとなる。上述したような確変状態では、通常遊技状態よりも相対的に大当り遊技状態に移行する確率が向上する。
【0055】
また、これら特別図柄が導出表示される表示態様等によって、大当り遊技状態の終了後に、時短状態に移行することがある。この時短状態とは、通常遊技状態よりも、特別図柄等の可変表示時間が短く、羽根部材48が開放状態となる時間が長くなるように制御されるため、通常遊技状態よりも相対的に大当り遊技状態に移行する可能性が向上する。
【0056】
上述した液晶表示装置32は、遊技に関する画像を表示するための表示領域32aを有している。この液晶表示装置32は、遊技盤14に形成された開口14aの後方(背面側)に配設されることとなる。この液晶表示装置32における表示領域には、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示に伴って可変表示を行う装飾図柄、遊技に係る背景画像、演出画像等、各種の遊技に関する画像が所定の態様で表示されることとなる。
【0057】
また、この液晶表示装置32には、特別図柄表示装置35における特別図柄の可変表示に合わせて、装飾図柄が可変表示される。この装飾図柄の導出表示が行われ、特別図柄表示装置35における特別図柄の可変表示の結果が特定の表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが特定の組合せとなり、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することとなる。
【0058】
尚、第1実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED(Light Emitting Diode)、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであってもよい。
【0059】
上述した遊技盤14の遊技領域15には、各種の役物が設けられている。各種の役物の一例として図5を用いて以下に説明するが、これに限定されるものではない。
【0060】
例えば、遊技盤14の遊技領域15内の中央上方には、特別図柄表示装置35が設けられている。
【0061】
また、特別図柄表示装置35の右側方には、普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置33が設けられている。また、遊技盤14の上方には、特別図柄ゲームにおける保留個数を表示する特別図柄保留表示装置34、普通図柄ゲームにおける保留個数を表示する普通図柄保留表示装置50がそれぞれ設けられている。
【0062】
また、遊技盤14の遊技領域15内の上方には、球通過検出器54が設けられている。この球通過検出器54の近傍を遊技球が通過したことを検出したときには、普通図柄表示装置33における普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示が停止される。
【0063】
この普通図柄が所定の図柄として停止表示されたときには、後述する始動口25の左右の両側に設けられている羽根部材48(所謂、普通電動役物、以降、普通電役と称することがある)が閉鎖状態から開放状態となり、始動口25に遊技球が入り易くなるようになる。また、羽根部材48を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材48を閉鎖状態として、始動口25に遊技球が入り難くなるようにする。
【0064】
また、遊技盤14の遊技領域15内の下方には、遊技球の一般入賞口56が設けられている。
【0065】
また、遊技盤14の遊技領域15の下方には、大入賞口39に対して開閉自在なシャッタ40が設けられている。上述したように、大当り遊技状態に移行された場合には、このシャッタ40が遊技球を受け入れ易い開放状態(第一の状態)となるように駆動される。
【0066】
また、この大入賞口39に遊技球が所定個数通過するか、又は、所定時間が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。つまり、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、大入賞口39を、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態(第二の状態)にする。また、続いて、開放状態から閉鎖状態となったシャッタ40は、上限ラウンド数に至っていないことを条件に、再度開放状態に駆動される。
【0067】
また、シャッタ40の上方には、始動口25が設けられている。この始動口25に遊技球が入賞した場合に、後述する特別図柄ゲームが開始され、特別図柄を変動表示する変動表示状態に移行する。所定の可変表示開始条件としては、第1実施形態においては、始動口25に遊技球が入賞したこと(始動領域を遊技球が通過したこと)を主な条件とする。つまり、所定の可変表示開始条件が成立したときに(始動領域を遊技球が通過したことを条件に)特別図柄の可変表示を行うこととなる。尚、実施形態においては、始動口25に遊技球が入賞したこと等を所定の可変表示開始条件としたが、これに限らず、別の態様であってもよい。
【0068】
また、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示中に遊技球が始動口25へ入賞した場合には、可変表示中の特別図柄が導出表示されるまで、その始動口25への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示の実行(開始)が保留される。つまり、所定の可変表示実行条件が成立したが、所定の可変表示開始条件が成立していない場合(所定の可変表示保留条件が成立した場合)には、所定の可変表示開始条件が成立するまで、特別図柄の可変表示の実行(開始)が保留されることとなる。特別図柄の可変表示の実行が保留されている状態で、特別図柄が導出表示された場合には、保留されている特別図柄の可変表示の実行が開始される。
【0069】
また、特別図柄が導出表示された場合に実行される特別図柄の可変表示の実行は一回分である。また、特別図柄の可変表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回を上限として特別図柄の可変表示が保留される。このように特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示が保留された場合には、特別図柄保留表示装置34は、その保留個数を表示することとなる。
【0070】
また、普通図柄ゲームにおいても同じように、普通図柄の可変表示の実行(開始)が保留されることがあり、その普通図柄の可変表示が保留された場合には、普通図柄保留表示装置50は、その保留個数を表示することとなる。
【0071】
尚、第1実施形態においては、4回を上限として特別図柄の可変表示、普通図柄の可変表示を保留するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、一回又は複数回を上限として、特別図柄の可変表示を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。もちろん、特別図柄の可変表示を保留しないように構成してもよい。
【0072】
また、図6に示すように、上述した球通過検出器54、一般入賞口56、大入賞口39、始動口25の後方には、それぞれ、通過球センサ114、115、一般入賞球センサ106、108、110、112、カウントセンサ104、始動入賞球センサ116が配設され、それぞれの通過又は入球が検知される。また、羽根部材48、シャッタ40の後方には、それぞれ、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120が配設され、それぞれの駆動が行われる。
【0073】
[発射装置の動力源]
第1実施形態における発射装置130の動力源について図7を参照しながら説明する。
【0074】
図7(a)は発射装置130の動力源の構成を示すものであり、回転ローラ132a、132bが互いに対向させて配置されている。回転ローラ132a、132bはゴム部材から構成されており、回転ローラ132aは回転支持体132cの外周に取り付けられ、回転ローラ132bは回転支持体132dの外周に取り付けられている。回転支持体132c及び回転支持体132dは、モータ140a、140bにそれぞれ連結しており、モータ140a、140bの回転が回転支持体132c、回転支持体132dに伝達されることにより、回転支持体132c、回転支持体132dが回転する。回転支持体132c、132dの回転軸の軸方向は平行であり、回転ローラ132aと回転ローラ132bとの対向部位の間隔は、遊技球の直径よりも小さく設定されている。回転支持体132c、回転支持体132dの回転方向は互いに反対方向であり、回転ローラ132aと回転ローラ132bとの対向部位において、回転ローラ132aと回転ローラ132bが同じ方向に回転する。このように、回転ローラ132aと回転ローラ132bは、互いに近接させて配置された一対の回転ローラの一例である。
【0075】
回転ローラ132aと回転ローラ132bとの対向部位に対して、回転方向上流側には、回転ローラ132aと回転ローラ132bとの対向部位に上皿20からの遊技球を1球ずつ挿入する挿入装置142が設けられており、回転方向上流側には、回転ローラ132aと回転ローラ132bとの対向部位を通過した遊技球を、ガイドレール30の下端部にガイドするガイド装置134が設けられている。このように、挿入装置142は、一対の回転ローラの対向部位に遊技球を挿入する挿入手段の一例である。
【0076】
ガイド装置134は、互いに対向させて配置されるガイドレール134a、134b、偏心カム136及び引っ張りばね137を備えている。ガイドレール134a、134bは、回転ローラ132aと回転ローラ132bとの対向部位から、ガイドレール30の下端部までの長さを有する細長い板状部材からなる。ガイドレール134aは遊技球の上部をガイドし、ガイドレール134bは、遊技球の下部をガイドする部材である。ガイドレール134aのガイドレール30側の端部には、軸受部135が形成されており、回転ローラ132a、132b側の端部が軸受部135によって上下方向に揺動可能に軸支されている。ガイドレール134aにおける回転ローラ132a、132b側の端部の外側の面に対向して偏心カム136が配設されている。更に、ガイドレール134aの外側に、ガイドレール134aを開く方向に常時付勢する引っ張りばね137が設けられている。この引っ張りばね137による付勢によって、ガイドレール134aと偏心カム136とが当接した状態が維持される。偏心カム136の回転軸は回転支持体132c、132dの回転軸の軸方向と平行である。また、偏心カム136の回転軸はモータ144に連結しており、偏心カム136が回転することにより、偏心カム136の回転軸から外周までの距離に応じてガイドレール134aが揺動する。このように、ガイドレール134a、134bは、一対の回転ローラ(回転ローラ132a、回転ローラ132b)の対向部位から所定長さに亘って設けられた一対の発射レールの一例である。
【0077】
図7(a)は、偏心カム136によってガイドレール134aを最も閉じた状態を示すものであり、ガイドレール134aとガイドレール134bとは略平行となり、ガイドレール134aとガイドレール134bとの間隔は、一対のガイドレール30の間隔と同じか若干広い程度に設定されている。
【0078】
図7(b)は、偏心カム136によってガイドレール134aを最も開いた状態を示すものであり、ガイドレール134aとガイドレール134bにおける、回転ローラ132aと回転ローラ132b側の端部が開いた状態となる。このため、回転ローラ132aと回転ローラ132bとの対向部位を通過した遊技球の方向に多少ばらつきがあったとしても、遊技球をガイドレール30までガイドすることが可能になる。このように、偏心カム136は、一対の発射レール(ガイドレール134a、134b)の間隔を変更する発射レール移動手段の一例である。また、偏心カム136は、一対の発射レール(ガイドレール134a、134b)における一対の回転ローラ(回転ローラ132a、132b)の対向部位側の間隔を変更するように、一対の発射レールの少なくとも一方の発射レールの角度を変更する発射レール移動手段の一例である。
【0079】
つぎに、発射装置130の駆動源の動作について説明する。まず、回転ローラ132aと回転ローラ132bとを同じ速度で回転させる。このとき、払出・発射制御回路126(図8参照)の制御により発射ハンドル26の回動量に応じて、モータ140a、140bの回転を制御することにより、回転ローラ132aと回転ローラ132bとの対向部位において両ローラの線速が発射ハンドル26の回動量に対応する速度になるように制御される。具体的には、発射ハンドル26の回動量が小さい場合には、回転ローラ132a及び回転ローラ132bの回転速度が低く、発射ハンドル26の回動量が大きい場合には、回転ローラ132a及び回転ローラ132bの回転速度が高く設定される。
【0080】
回転ローラ132a及び回転ローラ132bが回転している状態において、挿入装置142が、回転ローラ132a及び回転ローラ132bの対向部位に、下流側から遊技球を供給する。供給された遊技球は回転ローラ132a及び回転ローラ132bの対向部位を通過する際に、回転ローラ132a及び回転ローラ132から付勢力が付与され、ガイドレール134aとガイドレール134bとの間に発射される。このとき、回転ローラ132a及び回転ローラ132bの回転速度が速いほど、発射される遊技球の初速度が大きくなる。
【0081】
ここで、ガイドレール134a、134bにおける回転ローラ132a、132b側の間隔は、回転ローラ132a及び回転ローラ132bの回転速度に応じて設定される。具体的には、払出・発射制御回路126が、回転ローラ132a及び回転ローラ132bの回転速度を低く設定した場合には、ガイドレール134aとガイドレール134bとの間隔を小さくし、回転ローラ132a及び回転ローラ132bの回転速度を高く設定した場合には、ガイドレール134aとガイドレール134bとの間隔を大きくする。
【0082】
そして回転ローラ132aと回転ローラ132bとの対向部位から発射された遊技球は、ガイドレール134aとガイドレール134bとによって上下方向への移動が規制されながらガイドレール134aとガイドレール134bとの間を移動することによって、ガイドレール30に向かうように遊技球の進行方向が矯正されて、ガイドレール30に送られ、更にガイドレール30を介して、遊技盤14の遊技領域15に送られる。このように、ガイドレール134a、134bは、一対の回転ローラ(回転ローラ132a、回転ローラ132b)の対向部位を通過して発射された直後の遊技球の進行方向が一定方向になるように規制する一対の発射レールの一例である。
【0083】
[遊技機の電気的構成]
第1実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図を図8に示す。
【0084】
図8に示すように、パチンコ遊技機10は、主に、遊技の制御を行う主制御回路60と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路200とから構成される。
【0085】
主制御回路60は、メインCPU66、メインROM68(読み出し専用メモリ)、メインRAM70(読み書き可能メモリ)を備えている。
【0086】
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
【0087】
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
【0088】
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。尚、第1実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
【0089】
また、この主制御回路60は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。
【0090】
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されている。
【0091】
例えば、主制御回路60からの信号に応じる各種の装置としては、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置35、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の保留個数を表示する特別図柄保留表示装置34、普通図柄ゲームにおける識別情報としての普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置33、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示の保留個数を表示する普通図柄保留表示装置50、羽根部材48を開放状態又は閉鎖状態とする普通電動役物ソレノイド118、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とする大入賞口ソレノイド120等が接続されている。
【0092】
また、例えば、大入賞口39における領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給するカウントセンサ104、各一般入賞口56を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する一般入賞球センサ106、108、110、112、球通過検出器54を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する通過球センサ114、115、始動口25を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する始動入賞球センサ116、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ124等が接続されている。
【0093】
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードユニット300が接続されている。また、カードユニット300には、貸し出し用操作部80が接続されており、その操作に応じて、カードユニット300に操作信号が供給される。
【0094】
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット300から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じてモータ140a、140bに電力を供給して回転ローラ132a、132bを回動角度に応じた速度で回転させる。この状態で、挿入装置142を動作させて回転ローラ132aと回転ローラ132bとの間に遊技球を一球ずつ供給することで、遊技球を発射させる制御を行う。その一方で、払出・発射制御回路126は、発射ハンドル26の回動角度に応じた、偏心カム136の初期位置からの回転量となるように、モータ144の回転制御を行う。具体的には、初期位置を、図7(a)に示すように、ガイドレール134aを最も下げた位置とし、発射ハンドル26の回動角度に応じて偏心カム136を回動させ、発射ハンドル26を最も大きく回動させた場合(いわゆる、右打ち)には、図7(b)に示すように、ガイドレール134aを最も上げた位置となるように偏心カム136を回動させる。このように、払出・発射制御回路126は、一対の回転ローラ(回転ローラ132a、132b)の速度に応じて、一対の発射レール(ガイドレール134a、134b)の間隔を変更させるように発射レール移動手段(偏心カム136、モータ144)を制御する発射レール移動制御手段の一例である。
【0095】
尚、回転ローラ132a及び回転ローラ132bの半径を計測する検知センサ(図示せず)を設け、例えば、摩耗によって回転ローラ132aの半径が回転ローラ132bの半径よりも短くなった場合に、モータ140aの回転速度を上げて、回転ローラ132aと回転ローラ132b対向部位における回転ローラ132aと回転ローラ132bとの線速を同じにしたり、あるいは敢えて線速差をつけるように、払出・発射制御回路126に回転制御を行い、スピンをかけた状態の遊技球を発射できるようにしてもよい。
【0096】
更には、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46L、46Rから発生させる音声に関する制御、装飾ランプ等を含むランプの制御等を行う。
【0097】
尚、第1実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
【0098】
副制御回路200は、サブCPU206、プログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46L、46Rから発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプ等を含むランプの制御を行うランプ制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
【0099】
サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。
【0100】
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルが記憶されている。
【0101】
尚、第1実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、メインROM68、プログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM210等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
【0102】
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する。尚、第1実施形態においては、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
【0103】
表示制御回路250は、液晶表示装置32の表示制御を行う回路であり、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等から構成されている。
【0104】
表示制御回路250は、サブCPU206から供給されるデータに応じて、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。表示制御回路250は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等、各種の画像データ等、液晶表示装置32に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。
【0105】
そして、表示制御回路250は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像が表示される。つまり、表示制御回路250は、液晶表示装置32に遊技に関する画像を表示させる制御を行うこととなる。
【0106】
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する。)等から構成されている。
【0107】
この音源ICは、スピーカ46L、46Rから発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ46L、46Rから音声を発生させる。
【0108】
ランプ制御回路240は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROM等から構成されている。
【0109】
このように構成された第1実施形態によれば、回転ローラ132a、132bの回転速度が大きくなるほど、ガイドレール134aが開くように構成されている。このため、回転ローラ132a、132bから発射された遊技球を、ガイドレール134a、134bによって確実にガイドレール30へと案内することが可能になる。具体的には、回転ローラ132a、132bの回転速度においては、モータ140a、モータ140bの性能や、回転ローラ132aの回転ローラ132bの摩耗や変形、更には組立誤差といった要因で微妙に線速差が生じる場合があり、この線速差は回転速度が速くなるほど大きくなることから、回転ローラ132aの回転ローラ132bの回転速度が速くなるほど線速差が大きくなり、遊技球に若干のスピンがかかって発射方向が一定しないようになるおそれがある。それに対して、第1実施形態によれば、回転ローラ132a、132bの回転速度が大きくなるほど、ガイドレール134aが開くより、回転ローラ132a、132bから発射された遊技球の方向が多少乱れても、遊技球をガイドレール30へと案内することが可能になり、遊技領域15へ遊技球を送り出すことが可能になる。しかも、遊技球に衝撃を加えていないために、遊技球にからの反動を受けないことにより、発射装置130の長寿命化が図れる。また、第1実施形態によれば、回転ローラ132aと回転ローラ132bとを所定の間隔を開けて近接配置しているが、回転ローラ132a及び回転ローラ132bが柔軟性を有する部材であれば当接させてもよい。
【0110】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0111】
第1実施形態においては、ガイドレール134aを揺動可能に構成したものであることに対し、第2実施形態においては、ガイド装置134の構成の一部が異なっており、ガイドレール134aとガイドレール134bとの両方を揺動可能に構成したものである。なお、図3〜図8に示す第1実施形態の部材と同一の部材あるいは同一機能の部材については、同一の符号を付して、詳細な説明は省略した。
【0112】
図9は本発明の第2実施形態の要部を示す説明図である。
【0113】
図9に示すように、ガイド装置134は、互いに対向させて配置されるガイドレール134a、134b、偏心カム136a、136b及び引っ張りばね137a、137bを備えている。ガイドレール134a、134bは、回転ローラ132aと回転ローラ132bとの対向部位から、ガイドレール30の下端部までの長さを有する細長い板状部材からなる。ガイドレール134aは遊技球の上部をガイドし、ガイドレール134bは遊技球の下部をガイドする部材である。ガイドレール134aのガイドレール30側の端部には、軸受部135aが形成されており、回転ローラ132a、132b側の端部が軸受部135aによって上下方向に揺動可能に軸支されている。ガイドレール134bのガイドレール30側の端部には、軸受部135bが形成されており、回転ローラ132a、132b側の端部が軸受部135bによって上下方向に揺動可能に軸支されている。
【0114】
ガイドレール134aにおける回転ローラ132a、132b側の端部の外側の面には、偏心カム136aが当接している。また、ガイドレール134bにおける回転ローラ132a、132b側の端部の外側の面に対向して偏心カム136が配設されている。更に、ガイドレール134a及びガイドレール134bの外側に、ガイドレール134a及びガイドレール134bを開く方向に常時付勢する引っ張りばね137a、137bがそれぞれ設けられている。この引っ張りばね137a、137bによる付勢によって、ガイドレール134aと偏心カム136a、及びガイドレール134bと偏心カム136bとが当接した状態で維持される。偏心カム136a、136bの回転軸は回転支持体132c、132dの回転軸の軸方向と平行である。また、偏心カム136a、136bの回転軸は一つのモータ144に連結しており、偏心カム136aと偏心カム136bは、鏡像反転したように回転する。そして、偏心カム136a、136bが回転することにより、偏心カム136a、136bの回転軸から外周までの距離に応じてガイドレール134a及びガイドレール134bが揺動する。
【0115】
第2実施形態においては、偏心カム136aの回転によって、ガイドレール134aは上方に移動し、偏心カム136bの回転によって、ガイドレール134bは下方に移動する。これにより、ガイドレール134a及びガイドレール134bにおける回転ローラ132a、132b側の間隔が、図9(a)に示すように狭くなったり、図9(b)に示すように広くなったりするように開閉する。このように、偏心カム136は、一対の発射レール(ガイドレール134a、134b)の間隔を変更する発射レール移動手段の一例である。また、偏心カム136は、一対の発射レール(ガイドレール134a、134b)における一対の回転ローラ(回転ローラ132a、132b)の対向部位側の間隔を変更するように、一対の発射レールの少なくとも一方の発射レールの角度を変更する発射レール移動手段の一例である。
【0116】
このように構成された第2実施形態によれば、第1実施形態と同様によれば、回転ローラ132a、132bの回転速度が大きくなるほど、ガイドレール134a及びガイドレール134bが開くより、回転ローラ132a、132bから発射された遊技球の方向が多少乱れても、より確実に遊技球をガイドレール30へと案内することが可能になり、遊技領域15へ遊技球を送り出すことが可能になる。また、遊技球にスピンをかけて発射するために、敢えて回転ローラ132aと回転ローラ132bに線速差を与えた状態で発射する機能を設けた場合においても、遊技球をガイドレール30へと案内することが可能になり、遊技領域15へ遊技球を送り出すことが可能になる。
【0117】
以上、説明したように本実施形態によれば、一対の回転ローラ(回転ローラ132a、132b)の対向部位に遊技球を挿入して遊技球を発射させる、ピッチングマシン方式の発射装置において、発射された直後の遊技球の進行方向が一対の発射レール(ガイドレール134a、134b)によって一定方向になるように規制される。このため、発射された直後の遊技球の進行方向に多少のばらつきがあっても発射レールによって矯正されて、遊技領域に送り出されるようになる。このように、遊技球の発射方向を安定させることが可能な遊技機を提供することが可能になる。
【0118】
また本実施形態によれば、例えば、一対の回転ローラ(回転ローラ132a、132b)の速度に敢えて差を付けて遊技球にスピンを掛けて発射するような場合には、発射された直後の遊技球の進行方向が斜めになる可能性がある。ここで、一対の発射レール(ガイドレール134a、134b)の間隔を広くすることによって、遊技球を確実に遊技領域に送り出すことが可能になる。このように、遊技球の発射方向を安定させることが可能な遊技機を提供することが可能になる。
【0119】
また本実施形態によれば、この遊技機によれば、例えば、回転ローラ(回転ローラ132a、132b)の速度に敢えて差を付けて遊技球にスピンを掛けて発射するような場合には、発射された直後の遊技球の進行方向が斜めになる可能性がある。ここで、発射レール(ガイドレール134a、134b)における一対の回転ローラの対向部位側の間隔を広くすることによって、遊技球が一対の発射レールの間に確実に入り込むようになり、しかも、発射レールの間隔が徐々に狭まるため、進行方向を一定方向に安定させることが可能になる。このように、遊技球の発射方向を安定させることが可能な遊技機を提供することが可能になる。
【0120】
尚、本実施形態においては、主制御回路と副制御回路との複数の制御回路を備えるように構成したが、これに限らず、別の構成としてもよく、例えば、副制御回路と主制御回路とをワンボードに構成してもよい。
【0121】
尚、上述した実施形態においては、液晶表示装置付きのパチンコ遊技機を例に挙げたが、これに限らず、羽根モノ、ヒコーキモノと称されるパチンコ遊技機、権利モノと称されるパチンコ遊技機、その他別の態様であってもよい。
【0122】
尚、本実施形態においては、パチンコ遊技機に本発明を採用したが、これに限らず、例えば、パチスロ遊技機やゲーム機等、各種の遊技機に本発明を採用してもよい。もちろん、このようなスロットゲームが実行されるゲーム機でなくとも、ビンゴゲームやクジが実行されるゲーム機に本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機の機能の説明図である。
【図2】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機の機能の説明図である。
【図3】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機における外観を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機における遊技盤の概観を示す正面図である。
【図6】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機における各種センサやソレノイド等の配置を示す正面図である。
【図7】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機における発射装置の動力源の説明図である。
【図8】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機において構成される主制御回路及び副制御回路を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2実施形態のパチンコ遊技機における発射装置の動力源の説明図である。
【符号の説明】
【0124】
10 パチンコ遊技機
14 遊技盤
21 皿ユニット
25 始動口
26 発射ハンドル
32 液晶表示装置
33 普通図柄表示装置
34 特別図柄保留表示装置
35 特別図柄表示装置
39 大入賞口
40 シャッタ
48 羽根部材
50 普通図柄保留表示装置
54 球通過検出器
56 一般入賞口
60 主制御回路
66 メインCPU
68 メインROM
70 メインRAM
104 カウントセンサ
106、108、110、112 一般入賞球センサ
114、115 通過球センサ
116 始動入賞球センサ
118 普通電動役物ソレノイド
120 大入賞口ソレノイド
128 払出装置
130 発射装置
132、132a、132b 回転ローラ
132c、132d 回転支持体
134a、134b ガイドレール
136 偏心カム、136a 偏心カム、136b 偏心カム
137、137a、137b 引っ張りばね
140a、140b モータ
140b 回転ローラ
142 挿入装置
144 モータ
200 副制御回路
206 サブCPU
208 プログラムROM
210 ワークRAM
230 音声制御回路
240 ランプ制御回路
250 表示制御回路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技領域に遊技球を発射する発射装置とを備え、
前記発射装置は、
互いに当接あるいは近接させて配置された一対の回転ローラと、
前記一対の回転ローラの対向部位に遊技球を挿入する挿入手段と、
前記一対の回転ローラの対向部位から所定長さに亘って設けられ、前記一対の回転ローラの対向部位を通過して発射された直後の遊技球の進行方向が一定方向になるように規制する一対の発射レールとを有することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1記載の遊技機において、
前記一対の発射レールの間隔を変更する発射レール移動手段と、
前記一対の回転ローラの速度に応じて、前記一対の発射レールの間隔を変更させるように前記発射レール移動手段を制御する発射レール移動制御手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項2記載の遊技機において、
前記発射レール移動手段は、前記一対の発射レールにおける前記一対の回転ローラの対向部位側の間隔を変更するように、前記一対の発射レールの少なくとも一方の発射レールの角度を変更することを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−12135(P2010−12135A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−176652(P2008−176652)
【出願日】平成20年7月7日(2008.7.7)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【Fターム(参考)】