遊技機
【課題】同軸度が高くかつ動特性の良いソレノイドユニットからなる発射装置を備えた遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機10は遊技球の発射装置を備えている。発射装置は、ボビンとコイルとからなるソレノイドと、ボビンの内孔に配設されるプランジャと、ソレノイドを支持するヨークとを備えている。ヨークは、一対のヨーク本体と、これらに組付けられる一対の補助ヨークとからなる。補助ヨークは、その一端にプランジャの出力軸を支持する軸受部材を保持する軸受保持部を備え、他端にフランジ部を備えている。そして、ボビンのフランジ部と対向するヨーク本体の支持壁部に形成された取付孔に対し補助ヨークの本体部が挿通され、当該補助ヨークのフランジ部が、ヨーク本体の取付孔周囲の環状凹部とボビンのフランジ部に形成された内孔周囲の環状凹部とに嵌り込んだ状態で、ヨーク本体及びボビンのフランジ部により挟持されている。
【解決手段】パチンコ機10は遊技球の発射装置を備えている。発射装置は、ボビンとコイルとからなるソレノイドと、ボビンの内孔に配設されるプランジャと、ソレノイドを支持するヨークとを備えている。ヨークは、一対のヨーク本体と、これらに組付けられる一対の補助ヨークとからなる。補助ヨークは、その一端にプランジャの出力軸を支持する軸受部材を保持する軸受保持部を備え、他端にフランジ部を備えている。そして、ボビンのフランジ部と対向するヨーク本体の支持壁部に形成された取付孔に対し補助ヨークの本体部が挿通され、当該補助ヨークのフランジ部が、ヨーク本体の取付孔周囲の環状凹部とボビンのフランジ部に形成された内孔周囲の環状凹部とに嵌り込んだ状態で、ヨーク本体及びボビンのフランジ部により挟持されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種としてパチンコ機等の弾球遊技機がある。かかる弾球遊技機においては、遊技領域へ遊技球を発射するための発射装置を備えている。発射装置としては、ソレノイドの励磁によってプランジャを直線駆動させ、当該プランジャと一体に設けたロッドの先端部を遊技球に衝突させることにより、当該遊技球を打ち出すソレノイド型のものが知られている。
【0003】
一般的に、発射装置に用いられるソレノイドユニットは、筒状のボビンと当該ボビンに巻回されるコイルとからなるソレノイド、当該ソレノイドを支持するヨーク、ソレノイド(ボビン)の内孔において摺動自在に配設されるプランジャ、当該プランジャと一体に設けられたロッド、当該ロッドを摺動自在に支持する軸受部材、当該軸受部材を保持する軸受保持部材など数多くの部材が組付けられてなる。
【0004】
例えば、上記ヨークはヨーク本体とヨーク蓋体とからなり、これらがソレノイド(ボビン)を挟持した状態で加締め加工により連結固定されることで、当該ヨークとソレノイドとが一体的に連結固定された状態となる。また、ロッドの軸受部材を保持する軸受保持部材は、ヨークの外側にネジ等の固定手段により組付けられる。
【0005】
そのため、各部材の組付誤差などが生じやすく、組付誤差の累積によって、ソレノイド、ヨーク、プランジャ(ロッド)など各部材の同軸度が低下するおそれがある。
【0006】
同軸度が低下すると、ソレノイドユニットの動特性が不安定になる等して、遊技球に対し安定して力が伝達されず、遊技球の飛びにバラツキが生じるなど、発射動作が不安定になる。
【0007】
このため、従来では、各部材の同軸度を高精度に維持しなければならず、高い組付精度が要求され、製造コストの増加要因となっていた。
【0008】
このような不具合を解決するために、例えばボビンの両端部から内孔に沿って筒部を突出させ、当該筒部を軸受保持部材に係合させることで同軸度を高める従来技術や、パイプ内にプランジャを収容し、当該パイプをコイルボビンの内孔に挿通して同軸度を向上させる従来技術などが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−97920号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来技術では、ソレノイド(ボビン)の内孔に連通するようにヨークに形成される挿通孔に対しても、上記ボビンの突出筒部やパイプが挿通されることとなる。これらパイプ等は、強度確保の観点からもある程度の肉厚が必要となる。このため、必然的にパイプ等の内側に配設されるプランジャと、これともに磁気回路を形成するヨークの挿通孔の内周縁部との間の距離、いわゆるエアーギャップが大きくなる。ソレノイドユニットの動特性は、このエアーギャップの大きさの二乗に反比例することから、このエアーギャップが広がるとソレノイドユニットの動特性が悪くなる。結果として、遊技球の発射動作が不安定になるおそれがある。
【0010】
本発明は、上記例示した問題点などを解決するためになされたものであり、その目的は、同軸度が高くかつ動特性の良いソレノイドユニットからなる発射装置を備えた遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明に係る遊技機は、
ソレノイドの励磁によってプランジャを所定の軸線方向に沿って直線駆動させ、当該プランジャと一体に前記軸線方向に沿って設けられた出力軸を遊技球に衝突させることにより、当該遊技球を遊技領域へ向け発射する発射装置を備えた遊技機であって、
筒状のボビンと当該ボビンの周囲に巻回されたコイルとからなる前記ソレノイドと、当該ソレノイドを支持し、前記プランジャとともに磁気回路の一部を形成するヨークとを具備した前記発射装置のソレノイドユニットにおいて、
前記ボビンは、
前記コイルが巻回される筒状の巻回部と、
前記巻回部を前記軸線方向に沿って貫通し、前記プランジャが摺動自在に配置される内孔と、
前記巻回部の前記軸線方向の両端部において径方向外周側に向け突出したフランジ部とを備え、
前記ヨークは、
前記ボビンを前記軸線方向に挟み込むようにして支持する第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体と、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体に対しそれぞれ前記軸線方向に沿って組付けられる第1補助ヨーク及び第2補助ヨークとを備え、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体は、
それぞれ前記軸線方向に直交して配設されかつ前記ボビンのフランジ部と相対向する支持壁部を備え、
前記第1補助ヨーク及び第2補助ヨークは、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の支持壁部に形成された取付孔に対し挿通される筒状の本体部と、
前記本体部の前記軸線方向の一端側に設けられ、前記出力軸を摺動自在に支持する軸受部材を保持する軸受保持部と、
前記本体部の前記軸線方向の他端側に設けられ、径方向外周側に向け突出したフランジ部とを備え、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の各支持壁部と前記ボビンの各フランジ部とが対向するそれぞれの対向面において、前記支持壁部の取付孔及び前記ボビンの内孔の周縁部に沿って環状凹部が形成され、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の各支持壁部の取付孔に対し、前記第1補助ヨーク及び第2補助ヨークの各本体部がそれぞれ挿通された状態で、当該第1補助ヨーク及び第2補助ヨークのフランジ部が、前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の各環状凹部と前記ボビンの各環状凹部とに嵌り込んだ状態で挟持されていることをその要旨としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の遊技機によれば、発射装置を構成するソレノイドユニットの同軸度及び動特性を向上させることができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図である。また、図3は、内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137などを省略して示している。
【0014】
図1乃至図3に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、例えば木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。
【0015】
外枠11の左辺部には、上ヒンジ81及び下ヒンジ82が設けられている。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能に支持される。また、便宜上、図示は省略するが、外枠11の右辺部には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受け金具が取付けられている。さらに、外枠11下部には、樹脂製の幕板飾り85が取着されている。
【0016】
内枠12の開閉軸線は、上述したようにパチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす青色の樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
【0017】
また、内枠12の前面側には、前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
【0018】
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
【0019】
前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
【0020】
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられ、下皿15の左方には、灰皿26が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段(電気抵抗の変化を検出することで操作量を検出できるようになっている)が設けられている。
【0021】
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射ユニット(以下、単に発射ユニットという)70の方へ案内する球受皿である。なお、上皿19から溢れる遊技球は下皿15へ案内されるようになっている。
【0022】
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技場等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
【0023】
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、中央電飾部103の左右側方には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。また、各エラー表示ランプ104に隣接してスピーカSP(図8参照)が設けられるとともに、当該スピーカSPの前側にスピーカカバー24が取着されている。
【0024】
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対を為して別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
【0025】
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4,図5を参照して説明する。図4は、内枠及び遊技盤の構成を示す正面図であり、図5は、内枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。
【0026】
上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側に遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
【0027】
また、内枠12(樹脂ベース38)の下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、後側へ膨出した膨出部40が形成されている。この膨出部40の前面右側には、発射ユニット70が取付けられている。
【0028】
発射ユニット70は、膨出部40に固定される金属製のベース板70a上に、発射装置70bと、発射レール70cと、球送り機構70dとを備えた構成となっている。
【0029】
発射レール70cは、発射装置70bにより発射される遊技球を案内するためのものであって、所定の発射角度となるよう直線的に延びている。そして、当該発射レール70cに沿って斜め上方に打ち出された遊技球は、その後、後述するレール50に沿って遊技領域に案内される。
【0030】
球送り機構70dは、上皿19側から案内されてくる遊技球を1球ずつ、発射装置70bの発射動作に同期して、発射レール70cの基端部に案内するためのものである。
【0031】
本実施形態では、発射装置70bとしてソレノイド式の発射装置を採用している。ここで、発射装置70bについて詳しく説明する。
【0032】
発射装置70bは、ソレノイドユニット800(図8参照)と、当該ソレノイドユニット800を覆うハウジング801とからなる。
【0033】
ハウジング801は、前後に2分割された半割構造をなし、ベース板70b側のベースハウジングと、これに組み付けられるカバーハウジングとからなる。発射装置70bは、複数のビス802によりベース板70bに固定されている。
【0034】
次にソレノイドユニット800について図8〜12を参照して詳しく説明する。以下、便宜上、ソレノイドユニット800については、遊技球の打ち出し側を前側(正面)として、後述するプランジャ807の駆動方向となるソレノイドユニット800の軸線C1を前後方向において説明する。つまり、図8はソレノイドユニット800の上面図(平面図)に相当し、図9は右側面図、図10は正面図、図11は背面図に相当する。また、図12は、図8のK−K線断面図である。
【0035】
ソレノイドユニット800は、筒状のボビン803と当該ボビン803の周囲に巻回されたコイル804とからなるソレノイド805と、当該ソレノイド805を支持するヨーク806と、ソレノイド805の内側に摺動自在に配設されるプランジャ807と、当該プランジャ807と一体に前後方向に沿って設けられた出力軸としてのロッド808とを備えている。プランジャ807は例えば鉄等の磁性体金属からなり、ロッド808は例えばステンレス鋼等の非磁性体からなる。
【0036】
ボビン803は、コイル804が巻回される筒状の巻回部803aと、当該巻回部803aを前後方向に沿って貫通し、プランジャ807が配設される内孔803bと、巻回部803aの前後方向両端部において径方向外周側に向け突出したフランジ部803cとを備えている。ボビン803は、例えば合成樹脂などの非磁性体よりなる。
【0037】
ヨーク806は、ボビン803を前後に挟み込むようにして支持する前ヨーク811及び後ヨーク812と、当該ヨーク811,812に対しそれぞれ前後方向に沿って組付けられる前補助ヨーク813及び後補助ヨーク814とからなる。前ヨーク811が本実施形態の第1ヨーク本体に相当し、後ヨーク812が第2ヨーク本体に相当する。また、前補助ヨーク813が本実施形態の第1補助ヨークに相当し、後補助ヨーク814が第2補助ヨークに相当する。前後のヨーク811,812及び補助ヨーク813,814はそれぞれ磁性体金属(例えば軟鋼板等)からなり、プランジャ807とともに磁気回路G(図18参照)の一部を形成する。
【0038】
後ヨーク812は、ボビン803のフランジ部803cと前後に相対向する後側支持壁部812aと、当該後側支持壁部812aの上下両端縁部から相対向して前方へ延びる上壁部812b及び下壁部812cとを備え、側面視略コ字状をなす。
【0039】
上壁部812b及び下壁部812cの前端部中央にはそれぞれ、さらにそこから前方へ突出した一対の係合片部812dが設けられている。
【0040】
下壁部812cの左右両側辺には、それぞれ取付片部812eが設けられている。各取付片部812eの後端部は、後側支持壁部812aよりもさらに後方へ突出している。各取付片部812eは、発射装置70b(ソレノイドユニット800)をベース板70aに固定するための部位であり、各取付片部812eにはそれぞれ上記複数のビス802を挿通させるための前後一対の孔部812fが形成されている。
【0041】
後側支持壁部812aには、後補助ヨーク814を挿通するための取付孔812gが形成されている。
【0042】
一方、前ヨーク811は、ボビン803のフランジ部803cと前後に相対向する前側支持壁部811aと、当該前側支持壁部811aの上下両端縁部から相対向して前方へ延出した一対の係合片部811dとを備え、側面視略コ字状をなす。また、前側支持壁部811aの上下両端縁部には、それぞれ左右両端部において上方又は下方に向け突出した一対の係合突起811eが形成されている。
【0043】
前側支持壁部811aには、前補助ヨーク813を挿通するための取付孔811gが形成されている。
【0044】
前後両ヨーク811,812は、それぞれの係合片部811d,812dが上下方向に重畳した状態で組付けられている。詳しくは、前ヨーク811の係合片部811dには、雌ネジ部(図示略)が螺設されたネジ孔811hが形成されている。これに対向する後ヨーク812の係合片部812dには、ネジ孔811hに連通する挿通孔812hが形成されている。そして、後ヨーク812の挿通孔812hを介して、前ヨーク811のネジ孔811hに対して螺着手段としてのネジ820が螺着されることにより、前後両ヨーク811,812が連結固定される。
【0045】
前後の補助ヨーク813,814は、全体として筒状をなし、それぞれ前後のヨーク811,812の取付孔811g,812gに対し挿通される本体部813a,814aと、当該本体部813a,814aの前後方向ユニット外方側に設けられ、ロッド808を摺動自在に支持する円環状の軸受部材815を保持する軸受保持部813b,814bと、本体部813a,814aの前後方向ユニット内方側に設けられ、径方向外周側に向け突出したフランジ部813c,814cとを備えている。
【0046】
軸受部材815は、例えば合成樹脂等の非磁性体からなり、軸受保持部813b,814bに嵌め込まれた後、加締め、圧入等の方法により固定されている。
【0047】
軸受保持部813b,814bは、本体部813a,814aに比べやや小径に形成されている。本体部813a,814aと軸受保持部813b,814bとの境界部には、プランジャ807の動きを規制するためのストッパ部813d,814dが形成されている。なお、図示は省略するが、前補助ヨーク813のストッパ部813dと、プランジャ807の前端部との間にはロッド808周りにコイルばねが装着されている。これにより、通常時すなわちソレノイド805の非励磁状態においては、プランジャ807が後方(後補助ヨーク814のストッパ部814d)へ付勢されている。
【0048】
プランジャ807の後端部には硬質ゴム等からなる緩衝部材816が設けられている。また、ロッド808の前端部には、遊技球を打撃するためのゴム等の弾性部材からなる槌先キャップ817が装着されている。
【0049】
さらに、前後両ヨーク811,812の各支持壁部811a,812aの内側面(ボビン803のフランジ部803cと対向する面)には、取付孔811g,812gの周縁部に沿って段差状に環状凹部811j,812jが形成されている。環状凹部811j,812jは、例えば支持壁部811a,812aの内側面から、取付孔811g,812gよりも若干大径な円柱状のダイスを当てて押圧するハーフパンチングの手法により形成されている。
【0050】
前後両ヨーク811,812の各支持壁部811a,812aの内側面と対向するボビン803のフランジ部803cの外側面には、それぞれボビン803の内孔803bの周縁部に沿って段差状に環状凹部803jが形成されている。
【0051】
そして、前後両ヨーク811,812の環状凹部811j,812jと、ボビン803の環状凹部803jに対し、前後の補助ヨーク813,814の各フランジ部813c,814cがそれぞれ嵌り込んだ状態となるとともに、当該フランジ部813c,814cが、前後両ヨーク811,812の各支持壁部811a,812aとボビン803のフランジ部803cとにより挟持された状態となっている。
【0052】
次にソレノイドユニット800の組付け手順について詳しく説明する。先ず図13に示すように、ロッド808を一体に組付けたプランジャ807を、ボビン803の内孔803b内に挿通する。
【0053】
次にプランジャ807の前側に上記コイルばねを取付けた後、前後両方向から、前補助ヨーク813及び後補助ヨーク814を組付ける。つまり、ロッド808の前後端部をそれぞれ補助ヨーク813,814に保持された軸受部材815に挿し込みつつ、図14に示すように、補助ヨーク813,814のフランジ部813c,814cを、それぞれボビン803の環状凹部803jへ嵌め込む。
【0054】
その後、図15に示すように、前後両方向から、前ヨーク811及び後ヨーク812を組付ける。つまり、各補助ヨーク813,814の本体部813a,814aをそれぞれ各ヨーク811,812の支持壁部811a,812aの取付孔811g,812gへ挿し込む。続いて、前ヨーク811の支持壁部811aの上下両端縁部に形成された一対の係合突起811e間に、それぞれ後ヨーク812の係合片部812dを差し込みつつ、図16に示すように、各補助ヨーク813,814のフランジ部813c,814cを、各ヨーク811,812の環状凹部811j,812jへ嵌め込む。
【0055】
その後、前後両ヨーク811,812の係合片部811d,812dが重畳した状態で、後ヨーク812の挿通孔812hを介して、前ヨーク811のネジ孔811hに対してネジ820を螺着する。
【0056】
図17に示すように、挿通孔811hは、前後方向に長い長孔状をなす。挿通孔811hは、その前縁部及び後縁部が半円弧状に形成されるとともに、後縁部の円弧の径が前縁部の円弧の径よりも大きく設定されている。そして、これらを繋ぐ左右の側縁部は、前後方向の少なくとも所定区間Wにおいて、それぞれ前後方向に対し傾斜するように形成されている。これにより、当該区間Wの左右幅は前方向へ向かうにつれ幅狭となっている。
【0057】
一方、この挿通孔811hに挿通されるネジ820は、図16に示すように、ネジ孔811hに螺合される雄ネジ部(図示略)が周囲に形成された棒状の軸部820aと、当該軸部820aの一端部から先太りするようにテーパ状に拡径した頭部820bとを備えた皿ネジである。また、略平坦面状に形成された頭部820bの端面には工具係合部としての十字溝820c(図8参照)が形成されている。
【0058】
上記構成の下、後ヨーク812の挿通孔812hを介して、前ヨーク811のネジ孔811hに対してネジ820を締め込んでいくと、当該ネジ820の頭部820bのテーパ面が挿通孔812hの左右の側縁部に接触して、前後両ヨーク811,812の係合片部811d,812dに対し上下方向へ締め付ける力と、前後方向へ相対変位させる力がかかる。
【0059】
より詳しくは、ネジ820を締め込んでいくにつれ、挿通孔812hに対するネジ820の位置が、挿通孔812hの左右の側縁部との接触により、左右幅のより大きな後方向へ相対変位していく。つまり、当該ネジ820が螺着されるネジ孔811hを有する前ヨーク811が、挿通孔812hを有する後ヨーク812に対し後方へ相対変位していく。従って、ネジ820を締めることにより、前後両ヨーク811,812を連結固定するとともに、前後両ヨーク811,812の各支持壁部811a,812aの間隔を狭め、当該支持壁部811a,812aによりボビン803を挟持する。ひいては各ヨーク811,812の支持壁部811a,812aと、ボビン803の各フランジ部803cとにより、各補助ヨーク813,814のフランジ部813c,814cを挟持する。
【0060】
そして、前ヨーク811の支持壁部811aの係合突起811eが、後ヨーク812の上壁部812b及び下壁部812cの前端部に押付けられた状態となると、前後両ヨーク811,812の連結固定が完了する。
【0061】
その後、ロッド808の前端部に槌先キャップ817を装着し、ソレノイドユニット800をハウジング801に嵌め込むことにより、発射装置70bの組付けが完了する。なお、ハウジング801の組付け後には、ロッド808の前端部近傍及び後端部近傍だけがハウジング801の外側に露出した状態となっている(図4参照)。
【0062】
次に発射装置70bの動作について説明する。発射装置70bでは、ソレノイドユニット800のコイル804が通電されていない状態(ソレノイド805の非励磁状態)では、コイルばねの付勢力によりプランジャ807が後方へ付勢されている。
【0063】
コイル804に通電すると、ソレノイド805が励磁され、磁気が発生する。本実施形態における磁気回路Gは、前後のヨーク811,812、補助ヨーク813,814及びプランジャ805によって図18に示すようなものとなる。この磁気の作用により、プランジャ807がコイルばねの付勢力に抗して、前方へ引き寄せられる。この結果、ロッド808の先端の槌先キャップ817が発射レール70c上に置かれた遊技球に衝突し、当該遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
【0064】
そして、コイル804への通電が停止されると、プランジャ805はコイルばねの復元力により元の位置に戻る。
【0065】
このような発射装置70bの動作は、発射制御装置312により制御される。発射制御装置312は、遊技者によるハンドル18の操作量に応じて、コイル804への印加電圧を可変させる。これにより、ソレノイド805に発生する磁力を調整して、プランジャ807の変位速度を変化させ、遊技球の発射速度ひいては飛翔量を調整する。
【0066】
また、発射制御装置312が、コイル804への印加電圧をパルス状に制御することにより、所定周期でソレノイド805の励磁・非励磁状態が交互に切替えられ、上記発射動作が間欠的に繰り返し行われることとなる。
【0067】
また、膨出部40には、後述する払出機構部352から上記下皿15の排出口16へ繋がる球通路71が設けられている。また、発射ユニット70の発射レール70cと後述するレール50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射ユニット70から発射された遊技球が後述する戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72及び球通路71を介して下皿15に排出される。
【0068】
また、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14及び裏パックユニット203を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14及び裏パックユニット203は内枠12に対し施錠される。
【0069】
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応口(作動口)33、第2契機対応口34、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り前記一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応口33に遊技球が入球(入賞)すると、それぞれに対応して設けられた検出スイッチの出力により、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、入球手段としての各種入賞部(一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応口33)に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0070】
また、第1契機対応口33へ遊技球が入球したことを契機として大当たり抽選が行われ、当該大当たり抽選により当選結果が得られた場合には特別遊技状態としての大当たり状態が発生する。
【0071】
可変表示装置ユニット35には、第2契機対応口34の通過をトリガとして変動表示する普通図柄表示装置41と、第1契機対応口33への入賞をトリガとして変動表示する特別表示装置43と、特別表示装置43による変動表示に合わせて変動表示する可変表示装置としての装飾図柄表示装置42とが設けられている。
【0072】
普通図柄表示装置41は複数の発光手段(LED)を内蔵しており、遊技球が第2契機対応口34を通過する毎に点灯表示態様が切換表示(変動表示)され、その変動表示が特定の点灯態様で数秒間停止した場合に第1契機対応口33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球が第2契機対応口34を通過した場合には、その分の普通図柄の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
【0073】
特別表示装置43は、普通図柄表示装置41の側方に設けられた複数の発光部により構成され、遊技球が第1契機対応口33を通過する毎に点灯する発光部の組合せが切換えられる(変動表示される)。そして、変動表示が停止したときに点灯している発光部の組合わせにより、大当たりか否かが確定的に表示される。この特別表示装置43についても、主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。また、特別表示装置43の変動表示中に新たに遊技球が第1契機対応口33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。また、大当たり状態中に新たに遊技球が第1契機対応口33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
【0074】
装飾図柄表示装置42は、液晶表示装置であって、後述するサブ制御装置560によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、特別表示装置43にて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置560によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして装飾図柄表示装置42に変動表示され、その後、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に停止表示される。また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47内には、各種LED等の発光手段や、当該LED等を駆動するLED制御基板なども配設されている。
【0075】
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞しやすい開状態とされる。具体的には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数(所定ラウンド数)繰り返し開放される。
【0076】
また、遊技盤30には、発射ユニット70から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレール50を通じて、遊技盤面上に形成された遊技領域内に案内される。レール50は内レール構成部51と外レール構成部52とからなる。
【0077】
内レール構成部51の先端部分には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
【0078】
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、内外レール構成部51,52の並行部分を除く。
【0079】
次に、パチンコ機10の背面構成について図5,図6を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されている。さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合において、主制御基板としての主基板だけを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。なお、第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で着脱できるよう構成されており、さらに、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。
【0080】
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。上述したように遊技盤30の中央にはルータ加工によって形成された貫通穴に対して可変表示装置ユニット35が配設されている。
【0081】
可変表示装置ユニット35の後部には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。但し、本実施形態では、センターフレーム47が遊技盤30の前面側に固定され、フレームカバー213が遊技盤30の裏面に固定されることによって、可変表示装置ユニット35として一体化される構成となっている。そして、このフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ね合わされ一体化(ユニット化)された状態で取付けられている。さらに、表示制御装置45の背面側にはサブ制御装置560が取付けられている。
【0082】
サブ制御装置560は、後述するように主制御装置261(主基板)からの指示に従い各種演出制御を司るCPUや、各種プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含むサブ制御基板を具備しており、このサブ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス562に収容されて構成されている。
【0083】
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成形品であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構216を備えている。また、第2制御基板ユニット202には、球回収機構216の下方位置において排出通路部217が形成されており、該排出通路部217には排出球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート218が形成されている(図6参照)。従って、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の球回収機構216を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュート218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュート218を介してパチンコ機10外部に排出される。
【0084】
さらに、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入球検出手段としての検出スイッチなどが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。カウントスイッチ223は可変入賞装置32に入賞した遊技球をカウントするスイッチである。また、第1契機対応口33に対応する位置には第1契機対応口(始動口)スイッチ224が設けられ、第2契機対応口34に対応する位置には第2契機対応口(ゲート)スイッチ225が設けられている。
【0085】
入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223及び第2契機対応口(ゲート)スイッチ225は、ケーブルコネクタを介して第1盤面中継基板226に接続され、さらにこの第1盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置261)にケーブルコネクタを介して接続されている。これに対し、第1契機対応口(始動口)スイッチ224は中継基板を経ることなく直接主基板にケーブルコネクタを介して接続されている。
【0086】
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、第1契機対応口33には、電動役物を開放するための第1契機対応口(始動口)ソレノイドが設けられている。これら大入賞口ソレノイド及び第1契機対応口(始動口)ソレノイドはケーブルコネクタを介して第2盤面中継基板227に接続され、さらにこの第2盤面中継基板227がやはりケーブルコネクタを介して主基板に接続されている。
【0087】
上記検出スイッチにて各々検出された検出結果は、後述する主基板(主制御装置261)に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出しが実施される。本実施形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出しが直ちに行われる。
【0088】
さて、第1制御基板ユニット201に設けられた主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されて構成されている。
【0089】
なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニットによって連結されており、基板ボックス263が開封された場合には、封印ユニットにおいて所定の痕跡が残るよう構成されている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
【0090】
第2制御基板ユニット202は、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314を具備している。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者によるハンドル18の操作に従い発射装置等の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。
【0091】
上記払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313についても、それぞれに対応する基板ボックス315、316、317に収容されて構成されている。但し、発射制御装置312(基板ボックス316)は、電源装置313(基板ボックス317)の裏側に配置されている。また、払出制御装置311が収容される基板ボックス315には、前述した主制御装置261と同様に封印ユニットが設けられ、基板ボックス315の開封した痕跡が残るようになっている。
【0092】
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
【0093】
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技場の営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
【0094】
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
【0095】
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部354を有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖されかつ前面及び下面が開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、主制御装置261の一部も合わせて覆う構成となっている。保護カバー部354により、後述する上部のタンク355等から落下してくる遊技球等から可変表示装置ユニット35が保護される。
【0096】
また、保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。
【0097】
また、払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は上記上皿19等に供給される。
【0098】
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
【0099】
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。
【0100】
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
【0101】
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理(このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される)によって停電の発生等による電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の復電処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
【0102】
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置560、特別表示装置43、普通図柄表示装置41が接続されている。但し、普通図柄表示装置41及び特別表示装置43とは、サブ制御装置560の入出力ポート554を中継手段として接続されている。その他、便宜上、図示は省略するが、上記第1契機対応口スイッチ224等の各種検出スイッチや、第1盤面中継基板226等の各種基板などの各種電気部品が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43および普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置560を介して制御される。
【0103】
サブ制御装置560(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
【0104】
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されている。さらに、入出力ポート554には、表示制御装置45、スピーカSP、各種電飾部及びランプ102〜104等が接続されている。
【0105】
サブ制御装置560のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。さらに、サブ制御装置560は、音声やランプ表示の制御を司る。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する特別表示装置43にて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置560が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43の表示に合わせた表示が行われる。
【0106】
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
【0107】
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
【0108】
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、NMI割込み処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
【0109】
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
【0110】
発射制御装置312は、発射装置70bによる遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置70bは、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、上述したように発射装置70bが駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で1球ずつ遊技球が発射される。
【0111】
表示制御装置45は、サブ制御装置560からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置560の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
【0112】
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置560から送信される表示コマンドを入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行なう。
【0113】
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
【0114】
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
【0115】
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
【0116】
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
【0117】
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
【0118】
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
【0119】
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
【0120】
以上詳述したように、本実施形態では、ロッド808の軸受部材815を保持する部材が、ヨーク806を構成する一部材である補助ヨーク813,814により構成されるとともに、当該補助ヨーク813,814がヨーク本体811,812及びボビン803それぞれに対し位置決めされた状態で組付けられる。結果として、ソレノイド805、ヨーク806、プランジャ807(出力軸808)など各部材の組付誤差の累積を低減し、各部材の同軸度の低下を抑制することができる。ひいては、同軸度を高めるための組付け作業の簡素化を図り、製造コストの増加を抑制することができる。
【0121】
さらに、本実施形態では、同軸度を高めるために、ヨーク本体811,812に挿通される部材が、従来技術のように非磁性体からなるパイプ等ではなく、ヨーク806の一部を構成する磁性体の補助ヨーク813,814である。このため、プランジャ807と、これともに磁気回路を形成するヨーク本体811,812の取付孔811g,812gの内周縁部との間に非磁性体が介在されないため、エアーギャップX(図18参照)を比較的小さくでき、ソレノイドユニット800の動特性の悪化を抑制することができる。
【0122】
結果として、ソレノイドユニット800の動特性を安定させることができ、遊技球の発射動作を安定させることができる。さらには、同軸度が高くかつ動特性の良いソレノイドユニット800を安価に製造することができる。
【0123】
また、本実施形態では、前後両ヨーク811,812の係合片部811d,812dが重畳した状態で、軸線C1方向(プランジャ807の駆動方向)と直交する上下方向に沿って、後ヨーク812の挿通孔812hを介してネジ820を挿し込み、前ヨーク811のネジ孔811hに螺着することにより、前後両ヨーク811,812が連結固定される構成となっている。これにより、ネジ820が比較的緩みにくい構成となる。
【0124】
さらに、挿通孔811hは、前後方向に長い長孔状をなし、その左右幅が前方向へ向かうにつれ幅狭となっている。一方、ネジ820は、テーパ状に拡径した頭部820bを有している。この結果、ネジ820を締めることにより、前後両ヨーク811,812を連結固定するとともに、前後両ヨーク811,812の各支持壁部811a,812aの間隔を狭め、当該支持壁部811a,812aによりボビン803を挟持することができる。ひいては各ヨーク811,812の支持壁部811a,812aと、ボビン803の各フランジ部803cとにより、各補助ヨーク813,814のフランジ部813c,814cを挟持することができる。
【0125】
かかる構成により、ヨーク806の構成部材の連結作業を行うために加締め加工用のプレス装置など特別な装置を必要とせず、作業を簡素化できるため、製造コストの増加抑制を図ることができる。また、不良品が発生した場合にも、ヨーク806の構成部材の連結を解除して、当該ヨーク806の構成部材の再利用を図ることができるため、リサイクル性にも優れる。
【0126】
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0127】
(a)ソレノイドユニット800の各構成部材の形状、材質、大きさ等は上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、補助ヨーク813,814の本体部813a,814aの内孔813f,814fの内径が、ボビン803の内孔803bの内径と略同一に形成されている。これに限らず、例えば補助ヨーク813,814の内孔813f,814fの内径を、ボビン803の内孔803bの内径より小さくして、エアーギャップXの間隔をより小さくした構成としてもよい。
【0128】
(b)上記実施形態では、挿通孔811hの形状に偏りを持たせることによって、ネジ820により前後両ヨーク811,812を連結固定するとともに、前後両ヨーク811,812の各支持壁部811a,812aの間隔を狭めていく構成となっている。しかし、前後両ヨーク811,812を連結固定する構成は、これに限定されるものではない。例えば、後ヨーク812の挿通孔812hを真円とし、単にネジ820の挿し込み方向を、軸線C1方向と直交する上下方向としただけの構成であっても、ネジ820の緩みは発生しにくくなる。
【0129】
(c)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機などとして実施してもよい。
【0130】
以下、特許請求の範囲の請求項に記載されないものであって、上記実施形態から把握できる技術的思想について、その効果とともに記載する。
【0131】
手段1.ソレノイドの励磁によってプランジャを所定の軸線方向に沿って直線駆動させ、当該プランジャと一体に前記軸線方向に沿って設けられた出力軸を遊技球に衝突させることにより、当該遊技球を遊技領域へ向け発射する発射装置を備えた遊技機であって、
筒状のボビンと当該ボビンの周囲に巻回されたコイルとからなる前記ソレノイドと、当該ソレノイドを支持し、前記プランジャとともに磁気回路の一部を形成するヨークとを具備した前記発射装置のソレノイドユニットにおいて、
前記ボビンは、
前記コイルが巻回される筒状の巻回部と、
前記巻回部を前記軸線方向に沿って貫通し、前記プランジャが摺動自在に配置される内孔と、
前記巻回部の前記軸線方向の両端部において径方向外周側に向け突出したフランジ部とを備え、
前記ヨークは、
前記ボビンを前記軸線方向に挟み込むようにして支持する第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体と、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体に対しそれぞれ前記軸線方向に沿って組付けられる第1補助ヨーク及び第2補助ヨークとを備え、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体は、
それぞれ前記軸線方向に直交して配設されかつ前記ボビンのフランジ部と相対向する支持壁部を備え、
前記第1補助ヨーク及び第2補助ヨークは、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の支持壁部に形成された取付孔に対し挿通される筒状の本体部と、
前記本体部の前記軸線方向の一端側に設けられ、前記出力軸を摺動自在に支持する軸受部材を保持する軸受保持部と、
前記本体部の前記軸線方向の他端側に設けられ、径方向外周側に向け突出したフランジ部とを備え、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の各支持壁部と前記ボビンの各フランジ部とが対向するそれぞれの対向面において、前記支持壁部の取付孔及び前記ボビンの内孔の周縁部に沿って環状凹部が形成され、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の各支持壁部の取付孔に対し、前記第1補助ヨーク及び第2補助ヨークの各本体部がそれぞれ挿通された状態で、当該第1補助ヨーク及び第2補助ヨークのフランジ部が、前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の各環状凹部と前記ボビンの各環状凹部とに嵌り込んだ状態で挟持されていることを特徴とする遊技機。
【0132】
上記手段1によれば、出力軸の軸受部材を保持する部材が、ヨークを構成する一部材である補助ヨークにより構成されるとともに、当該補助ヨークがヨーク本体及びボビンそれぞれに対し位置決めされた状態で組付けられる。結果として、ソレノイド、ヨーク、プランジャ(出力軸)など各部材の組付誤差の累積を低減し、各部材の同軸度の低下を抑制することができる。ひいては、同軸度を高めるための組付け作業の簡素化を図り、製造コストの増加を抑制することができる。
【0133】
また、本手段1では、同軸度を高めるために、ヨーク本体に挿通される部材が、従来技術のように非磁性体からなるパイプ等ではなく、ヨークの一部を構成する磁性体の補助ヨークである。このため、プランジャと、これともに磁気回路を形成するヨーク本体の取付孔の内周縁部との間に非磁性体が介在されないため、エアーギャップを比較的小さくでき、ソレノイドユニットの動特性の悪化を抑制することができる。
【0134】
結果として、ソレノイドユニットの動特性を安定させることができ、遊技球の発射動作を安定させることができる。さらには、同軸度が高くかつ動特性の良いソレノイドユニットを安価に製造することができる。
【0135】
手段2、前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体は、前記軸線方向と直交する方向に挿し込まれる所定の螺着手段(ネジ等)により連結固定されることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
【0136】
従来のヨークは、一般的に2つのヨーク構成部材からなり、これらがソレノイド(ボビン)を挟持した状態で加締め加工等されることで、当該ヨークとソレノイドとが一体的に連結固定された状態となる。また、出力軸の軸受部材を保持する軸受保持部材は、その後、ヨークの外側にネジ等の固定手段により組付けられる。
【0137】
しかし、加締め加工では、プレス装置が必要となるとともに、加工後に不良品が発見された場合には、当該製品をリサイクルできなくなるため、製造コストの増加要因の一つとなっていた。これに対し、本手段によれば、ヨーク構成部材の連結作業を行うために特別な装置を必要とせず、作業を簡素化できるため、製造コストの増加抑制を図ることができる。また、不良品が発生した場合にも、ヨーク構成部材の連結を解除して、当該ヨーク構成部材の再利用を図ることができるため、リサイクル性にも優れる。
【0138】
また、プランジャの駆動方向(軸線方向)には、動作時には絶えず振動が加わるため、仮に螺着手段の挿し込み方向がプランジャの駆動方向と平行である場合には、螺着手段が緩みやすくなることが懸念される。これに対し、本手段では、螺着手段の挿し込み方向がプランジャの駆動方向と直交方向にあるため、螺着手段が比較的緩みにくい構成となる。
【0139】
手段3.前記軸線方向と直交する方向に対し、前記第1ヨーク本体と前記第2ヨーク本体とが重畳して配設される箇所において、内方側に位置する前記第1ヨーク本体には、テーパ状に拡径した頭部を有する前記螺着手段としてのネジが螺着されるネジ孔が形成され、外方側に位置する前記第2ヨーク本体には、前記ネジが挿通される挿通孔が形成され、
前記挿通孔は、前記軸線方向に長い長孔状をなし、前記軸線方向の少なくとも所定区間において、前記軸線方向と直交する方向における幅が、前記軸線方向の内方側から外方側に向けて次第に狭くなっていることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
【0140】
上記手段3によれば、第2ヨーク本体の挿通孔を介して第1ヨーク本体のネジ孔に対してネジを螺着し締めていくと、当該ネジの頭部のテーパ面が挿通孔の縁部に接触して、挿通孔に対するネジの位置がより幅広側へ相対変位していく。つまり、ネジを締めることにより、両ヨークを連結固定するとともに、ネジが螺着されるネジ孔を有する第1ヨーク本体と、挿通孔を有する第2ヨーク本体とが、両者の支持壁部が近づく方向へ相対変位して、ボビンひいては補助ヨークのフランジ部が挟持される。このため、組付け作業性が向上するとともに、軸線方向における緩みを抑制し、上記手段2の作用効果をさらに高めることができる。
【0141】
なお、「軸線方向と直交する方向」の内方側及び外方側、並びに「軸線方向」の内方側及び外方側とは、それぞれの方向におけるソレノイドユニットの中央部に近い側及び遠い側を意味する。
【0142】
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
【0143】
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射装置と、当該発射された遊技球が案内される所定の遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
【0144】
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射装置と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
【0145】
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】一実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】パチンコ機の斜視図である。
【図3】内枠及び前面枠セットを開放した状態を示す斜視図である。
【図4】内枠及び遊技盤の構成を示す正面図である。
【図5】内枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。
【図6】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図7】電気的構成を示すブロック図である。
【図8】ソレノイドユニットの上面図である。
【図9】ソレノイドユニットの右側面図である。
【図10】ソレノイドユニットの正面図である。
【図11】ソレノイドユニットの背面図である。
【図12】図8のK−K線断面図である。
【図13】ソレノイドユニットの組付け手順を説明するための図である。
【図14】ソレノイドユニットの組付け手順を説明するための図である。
【図15】ソレノイドユニットの組付け手順を説明するための図である。
【図16】ソレノイドユニットの組付け手順を説明するための図である。
【図17】挿通孔、ネジ孔、ネジ等の関係を説明するための模式図である。
【図18】磁気回路等を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0147】
10…パチンコ機、70b…発射装置、800…ソレノイドユニット、803…ボビン、803a…巻回部、803b…内孔、803c…フランジ部、803j…環状凹部、804…コイル、805…ソレノイド、806…ヨーク、807…プランジャ、808…ロッド、811…前ヨーク、811a…前側支持壁部、811d…係合片部、811g…取付孔、811h…ネジ孔、811j…環状凹部、812…後ヨーク、812a…後側支持壁部、812d…係合片部、812g…取付孔、812h…挿通孔、812j…環状凹部、813…前補助ヨーク、814…後補助ヨーク、813a,814a…本体部、813b,814b…軸受保持部、813c,814c…フランジ部、815…軸受部材、820…ネジ、820b…頭部、C1…軸線、G…磁気回路、X…エアーギャップ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種としてパチンコ機等の弾球遊技機がある。かかる弾球遊技機においては、遊技領域へ遊技球を発射するための発射装置を備えている。発射装置としては、ソレノイドの励磁によってプランジャを直線駆動させ、当該プランジャと一体に設けたロッドの先端部を遊技球に衝突させることにより、当該遊技球を打ち出すソレノイド型のものが知られている。
【0003】
一般的に、発射装置に用いられるソレノイドユニットは、筒状のボビンと当該ボビンに巻回されるコイルとからなるソレノイド、当該ソレノイドを支持するヨーク、ソレノイド(ボビン)の内孔において摺動自在に配設されるプランジャ、当該プランジャと一体に設けられたロッド、当該ロッドを摺動自在に支持する軸受部材、当該軸受部材を保持する軸受保持部材など数多くの部材が組付けられてなる。
【0004】
例えば、上記ヨークはヨーク本体とヨーク蓋体とからなり、これらがソレノイド(ボビン)を挟持した状態で加締め加工により連結固定されることで、当該ヨークとソレノイドとが一体的に連結固定された状態となる。また、ロッドの軸受部材を保持する軸受保持部材は、ヨークの外側にネジ等の固定手段により組付けられる。
【0005】
そのため、各部材の組付誤差などが生じやすく、組付誤差の累積によって、ソレノイド、ヨーク、プランジャ(ロッド)など各部材の同軸度が低下するおそれがある。
【0006】
同軸度が低下すると、ソレノイドユニットの動特性が不安定になる等して、遊技球に対し安定して力が伝達されず、遊技球の飛びにバラツキが生じるなど、発射動作が不安定になる。
【0007】
このため、従来では、各部材の同軸度を高精度に維持しなければならず、高い組付精度が要求され、製造コストの増加要因となっていた。
【0008】
このような不具合を解決するために、例えばボビンの両端部から内孔に沿って筒部を突出させ、当該筒部を軸受保持部材に係合させることで同軸度を高める従来技術や、パイプ内にプランジャを収容し、当該パイプをコイルボビンの内孔に挿通して同軸度を向上させる従来技術などが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−97920号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来技術では、ソレノイド(ボビン)の内孔に連通するようにヨークに形成される挿通孔に対しても、上記ボビンの突出筒部やパイプが挿通されることとなる。これらパイプ等は、強度確保の観点からもある程度の肉厚が必要となる。このため、必然的にパイプ等の内側に配設されるプランジャと、これともに磁気回路を形成するヨークの挿通孔の内周縁部との間の距離、いわゆるエアーギャップが大きくなる。ソレノイドユニットの動特性は、このエアーギャップの大きさの二乗に反比例することから、このエアーギャップが広がるとソレノイドユニットの動特性が悪くなる。結果として、遊技球の発射動作が不安定になるおそれがある。
【0010】
本発明は、上記例示した問題点などを解決するためになされたものであり、その目的は、同軸度が高くかつ動特性の良いソレノイドユニットからなる発射装置を備えた遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明に係る遊技機は、
ソレノイドの励磁によってプランジャを所定の軸線方向に沿って直線駆動させ、当該プランジャと一体に前記軸線方向に沿って設けられた出力軸を遊技球に衝突させることにより、当該遊技球を遊技領域へ向け発射する発射装置を備えた遊技機であって、
筒状のボビンと当該ボビンの周囲に巻回されたコイルとからなる前記ソレノイドと、当該ソレノイドを支持し、前記プランジャとともに磁気回路の一部を形成するヨークとを具備した前記発射装置のソレノイドユニットにおいて、
前記ボビンは、
前記コイルが巻回される筒状の巻回部と、
前記巻回部を前記軸線方向に沿って貫通し、前記プランジャが摺動自在に配置される内孔と、
前記巻回部の前記軸線方向の両端部において径方向外周側に向け突出したフランジ部とを備え、
前記ヨークは、
前記ボビンを前記軸線方向に挟み込むようにして支持する第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体と、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体に対しそれぞれ前記軸線方向に沿って組付けられる第1補助ヨーク及び第2補助ヨークとを備え、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体は、
それぞれ前記軸線方向に直交して配設されかつ前記ボビンのフランジ部と相対向する支持壁部を備え、
前記第1補助ヨーク及び第2補助ヨークは、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の支持壁部に形成された取付孔に対し挿通される筒状の本体部と、
前記本体部の前記軸線方向の一端側に設けられ、前記出力軸を摺動自在に支持する軸受部材を保持する軸受保持部と、
前記本体部の前記軸線方向の他端側に設けられ、径方向外周側に向け突出したフランジ部とを備え、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の各支持壁部と前記ボビンの各フランジ部とが対向するそれぞれの対向面において、前記支持壁部の取付孔及び前記ボビンの内孔の周縁部に沿って環状凹部が形成され、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の各支持壁部の取付孔に対し、前記第1補助ヨーク及び第2補助ヨークの各本体部がそれぞれ挿通された状態で、当該第1補助ヨーク及び第2補助ヨークのフランジ部が、前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の各環状凹部と前記ボビンの各環状凹部とに嵌り込んだ状態で挟持されていることをその要旨としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の遊技機によれば、発射装置を構成するソレノイドユニットの同軸度及び動特性を向上させることができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図である。また、図3は、内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137などを省略して示している。
【0014】
図1乃至図3に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、例えば木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。
【0015】
外枠11の左辺部には、上ヒンジ81及び下ヒンジ82が設けられている。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能に支持される。また、便宜上、図示は省略するが、外枠11の右辺部には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受け金具が取付けられている。さらに、外枠11下部には、樹脂製の幕板飾り85が取着されている。
【0016】
内枠12の開閉軸線は、上述したようにパチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす青色の樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
【0017】
また、内枠12の前面側には、前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
【0018】
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
【0019】
前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
【0020】
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられ、下皿15の左方には、灰皿26が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段(電気抵抗の変化を検出することで操作量を検出できるようになっている)が設けられている。
【0021】
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射ユニット(以下、単に発射ユニットという)70の方へ案内する球受皿である。なお、上皿19から溢れる遊技球は下皿15へ案内されるようになっている。
【0022】
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技場等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
【0023】
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、中央電飾部103の左右側方には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。また、各エラー表示ランプ104に隣接してスピーカSP(図8参照)が設けられるとともに、当該スピーカSPの前側にスピーカカバー24が取着されている。
【0024】
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対を為して別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
【0025】
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4,図5を参照して説明する。図4は、内枠及び遊技盤の構成を示す正面図であり、図5は、内枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。
【0026】
上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側に遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
【0027】
また、内枠12(樹脂ベース38)の下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、後側へ膨出した膨出部40が形成されている。この膨出部40の前面右側には、発射ユニット70が取付けられている。
【0028】
発射ユニット70は、膨出部40に固定される金属製のベース板70a上に、発射装置70bと、発射レール70cと、球送り機構70dとを備えた構成となっている。
【0029】
発射レール70cは、発射装置70bにより発射される遊技球を案内するためのものであって、所定の発射角度となるよう直線的に延びている。そして、当該発射レール70cに沿って斜め上方に打ち出された遊技球は、その後、後述するレール50に沿って遊技領域に案内される。
【0030】
球送り機構70dは、上皿19側から案内されてくる遊技球を1球ずつ、発射装置70bの発射動作に同期して、発射レール70cの基端部に案内するためのものである。
【0031】
本実施形態では、発射装置70bとしてソレノイド式の発射装置を採用している。ここで、発射装置70bについて詳しく説明する。
【0032】
発射装置70bは、ソレノイドユニット800(図8参照)と、当該ソレノイドユニット800を覆うハウジング801とからなる。
【0033】
ハウジング801は、前後に2分割された半割構造をなし、ベース板70b側のベースハウジングと、これに組み付けられるカバーハウジングとからなる。発射装置70bは、複数のビス802によりベース板70bに固定されている。
【0034】
次にソレノイドユニット800について図8〜12を参照して詳しく説明する。以下、便宜上、ソレノイドユニット800については、遊技球の打ち出し側を前側(正面)として、後述するプランジャ807の駆動方向となるソレノイドユニット800の軸線C1を前後方向において説明する。つまり、図8はソレノイドユニット800の上面図(平面図)に相当し、図9は右側面図、図10は正面図、図11は背面図に相当する。また、図12は、図8のK−K線断面図である。
【0035】
ソレノイドユニット800は、筒状のボビン803と当該ボビン803の周囲に巻回されたコイル804とからなるソレノイド805と、当該ソレノイド805を支持するヨーク806と、ソレノイド805の内側に摺動自在に配設されるプランジャ807と、当該プランジャ807と一体に前後方向に沿って設けられた出力軸としてのロッド808とを備えている。プランジャ807は例えば鉄等の磁性体金属からなり、ロッド808は例えばステンレス鋼等の非磁性体からなる。
【0036】
ボビン803は、コイル804が巻回される筒状の巻回部803aと、当該巻回部803aを前後方向に沿って貫通し、プランジャ807が配設される内孔803bと、巻回部803aの前後方向両端部において径方向外周側に向け突出したフランジ部803cとを備えている。ボビン803は、例えば合成樹脂などの非磁性体よりなる。
【0037】
ヨーク806は、ボビン803を前後に挟み込むようにして支持する前ヨーク811及び後ヨーク812と、当該ヨーク811,812に対しそれぞれ前後方向に沿って組付けられる前補助ヨーク813及び後補助ヨーク814とからなる。前ヨーク811が本実施形態の第1ヨーク本体に相当し、後ヨーク812が第2ヨーク本体に相当する。また、前補助ヨーク813が本実施形態の第1補助ヨークに相当し、後補助ヨーク814が第2補助ヨークに相当する。前後のヨーク811,812及び補助ヨーク813,814はそれぞれ磁性体金属(例えば軟鋼板等)からなり、プランジャ807とともに磁気回路G(図18参照)の一部を形成する。
【0038】
後ヨーク812は、ボビン803のフランジ部803cと前後に相対向する後側支持壁部812aと、当該後側支持壁部812aの上下両端縁部から相対向して前方へ延びる上壁部812b及び下壁部812cとを備え、側面視略コ字状をなす。
【0039】
上壁部812b及び下壁部812cの前端部中央にはそれぞれ、さらにそこから前方へ突出した一対の係合片部812dが設けられている。
【0040】
下壁部812cの左右両側辺には、それぞれ取付片部812eが設けられている。各取付片部812eの後端部は、後側支持壁部812aよりもさらに後方へ突出している。各取付片部812eは、発射装置70b(ソレノイドユニット800)をベース板70aに固定するための部位であり、各取付片部812eにはそれぞれ上記複数のビス802を挿通させるための前後一対の孔部812fが形成されている。
【0041】
後側支持壁部812aには、後補助ヨーク814を挿通するための取付孔812gが形成されている。
【0042】
一方、前ヨーク811は、ボビン803のフランジ部803cと前後に相対向する前側支持壁部811aと、当該前側支持壁部811aの上下両端縁部から相対向して前方へ延出した一対の係合片部811dとを備え、側面視略コ字状をなす。また、前側支持壁部811aの上下両端縁部には、それぞれ左右両端部において上方又は下方に向け突出した一対の係合突起811eが形成されている。
【0043】
前側支持壁部811aには、前補助ヨーク813を挿通するための取付孔811gが形成されている。
【0044】
前後両ヨーク811,812は、それぞれの係合片部811d,812dが上下方向に重畳した状態で組付けられている。詳しくは、前ヨーク811の係合片部811dには、雌ネジ部(図示略)が螺設されたネジ孔811hが形成されている。これに対向する後ヨーク812の係合片部812dには、ネジ孔811hに連通する挿通孔812hが形成されている。そして、後ヨーク812の挿通孔812hを介して、前ヨーク811のネジ孔811hに対して螺着手段としてのネジ820が螺着されることにより、前後両ヨーク811,812が連結固定される。
【0045】
前後の補助ヨーク813,814は、全体として筒状をなし、それぞれ前後のヨーク811,812の取付孔811g,812gに対し挿通される本体部813a,814aと、当該本体部813a,814aの前後方向ユニット外方側に設けられ、ロッド808を摺動自在に支持する円環状の軸受部材815を保持する軸受保持部813b,814bと、本体部813a,814aの前後方向ユニット内方側に設けられ、径方向外周側に向け突出したフランジ部813c,814cとを備えている。
【0046】
軸受部材815は、例えば合成樹脂等の非磁性体からなり、軸受保持部813b,814bに嵌め込まれた後、加締め、圧入等の方法により固定されている。
【0047】
軸受保持部813b,814bは、本体部813a,814aに比べやや小径に形成されている。本体部813a,814aと軸受保持部813b,814bとの境界部には、プランジャ807の動きを規制するためのストッパ部813d,814dが形成されている。なお、図示は省略するが、前補助ヨーク813のストッパ部813dと、プランジャ807の前端部との間にはロッド808周りにコイルばねが装着されている。これにより、通常時すなわちソレノイド805の非励磁状態においては、プランジャ807が後方(後補助ヨーク814のストッパ部814d)へ付勢されている。
【0048】
プランジャ807の後端部には硬質ゴム等からなる緩衝部材816が設けられている。また、ロッド808の前端部には、遊技球を打撃するためのゴム等の弾性部材からなる槌先キャップ817が装着されている。
【0049】
さらに、前後両ヨーク811,812の各支持壁部811a,812aの内側面(ボビン803のフランジ部803cと対向する面)には、取付孔811g,812gの周縁部に沿って段差状に環状凹部811j,812jが形成されている。環状凹部811j,812jは、例えば支持壁部811a,812aの内側面から、取付孔811g,812gよりも若干大径な円柱状のダイスを当てて押圧するハーフパンチングの手法により形成されている。
【0050】
前後両ヨーク811,812の各支持壁部811a,812aの内側面と対向するボビン803のフランジ部803cの外側面には、それぞれボビン803の内孔803bの周縁部に沿って段差状に環状凹部803jが形成されている。
【0051】
そして、前後両ヨーク811,812の環状凹部811j,812jと、ボビン803の環状凹部803jに対し、前後の補助ヨーク813,814の各フランジ部813c,814cがそれぞれ嵌り込んだ状態となるとともに、当該フランジ部813c,814cが、前後両ヨーク811,812の各支持壁部811a,812aとボビン803のフランジ部803cとにより挟持された状態となっている。
【0052】
次にソレノイドユニット800の組付け手順について詳しく説明する。先ず図13に示すように、ロッド808を一体に組付けたプランジャ807を、ボビン803の内孔803b内に挿通する。
【0053】
次にプランジャ807の前側に上記コイルばねを取付けた後、前後両方向から、前補助ヨーク813及び後補助ヨーク814を組付ける。つまり、ロッド808の前後端部をそれぞれ補助ヨーク813,814に保持された軸受部材815に挿し込みつつ、図14に示すように、補助ヨーク813,814のフランジ部813c,814cを、それぞれボビン803の環状凹部803jへ嵌め込む。
【0054】
その後、図15に示すように、前後両方向から、前ヨーク811及び後ヨーク812を組付ける。つまり、各補助ヨーク813,814の本体部813a,814aをそれぞれ各ヨーク811,812の支持壁部811a,812aの取付孔811g,812gへ挿し込む。続いて、前ヨーク811の支持壁部811aの上下両端縁部に形成された一対の係合突起811e間に、それぞれ後ヨーク812の係合片部812dを差し込みつつ、図16に示すように、各補助ヨーク813,814のフランジ部813c,814cを、各ヨーク811,812の環状凹部811j,812jへ嵌め込む。
【0055】
その後、前後両ヨーク811,812の係合片部811d,812dが重畳した状態で、後ヨーク812の挿通孔812hを介して、前ヨーク811のネジ孔811hに対してネジ820を螺着する。
【0056】
図17に示すように、挿通孔811hは、前後方向に長い長孔状をなす。挿通孔811hは、その前縁部及び後縁部が半円弧状に形成されるとともに、後縁部の円弧の径が前縁部の円弧の径よりも大きく設定されている。そして、これらを繋ぐ左右の側縁部は、前後方向の少なくとも所定区間Wにおいて、それぞれ前後方向に対し傾斜するように形成されている。これにより、当該区間Wの左右幅は前方向へ向かうにつれ幅狭となっている。
【0057】
一方、この挿通孔811hに挿通されるネジ820は、図16に示すように、ネジ孔811hに螺合される雄ネジ部(図示略)が周囲に形成された棒状の軸部820aと、当該軸部820aの一端部から先太りするようにテーパ状に拡径した頭部820bとを備えた皿ネジである。また、略平坦面状に形成された頭部820bの端面には工具係合部としての十字溝820c(図8参照)が形成されている。
【0058】
上記構成の下、後ヨーク812の挿通孔812hを介して、前ヨーク811のネジ孔811hに対してネジ820を締め込んでいくと、当該ネジ820の頭部820bのテーパ面が挿通孔812hの左右の側縁部に接触して、前後両ヨーク811,812の係合片部811d,812dに対し上下方向へ締め付ける力と、前後方向へ相対変位させる力がかかる。
【0059】
より詳しくは、ネジ820を締め込んでいくにつれ、挿通孔812hに対するネジ820の位置が、挿通孔812hの左右の側縁部との接触により、左右幅のより大きな後方向へ相対変位していく。つまり、当該ネジ820が螺着されるネジ孔811hを有する前ヨーク811が、挿通孔812hを有する後ヨーク812に対し後方へ相対変位していく。従って、ネジ820を締めることにより、前後両ヨーク811,812を連結固定するとともに、前後両ヨーク811,812の各支持壁部811a,812aの間隔を狭め、当該支持壁部811a,812aによりボビン803を挟持する。ひいては各ヨーク811,812の支持壁部811a,812aと、ボビン803の各フランジ部803cとにより、各補助ヨーク813,814のフランジ部813c,814cを挟持する。
【0060】
そして、前ヨーク811の支持壁部811aの係合突起811eが、後ヨーク812の上壁部812b及び下壁部812cの前端部に押付けられた状態となると、前後両ヨーク811,812の連結固定が完了する。
【0061】
その後、ロッド808の前端部に槌先キャップ817を装着し、ソレノイドユニット800をハウジング801に嵌め込むことにより、発射装置70bの組付けが完了する。なお、ハウジング801の組付け後には、ロッド808の前端部近傍及び後端部近傍だけがハウジング801の外側に露出した状態となっている(図4参照)。
【0062】
次に発射装置70bの動作について説明する。発射装置70bでは、ソレノイドユニット800のコイル804が通電されていない状態(ソレノイド805の非励磁状態)では、コイルばねの付勢力によりプランジャ807が後方へ付勢されている。
【0063】
コイル804に通電すると、ソレノイド805が励磁され、磁気が発生する。本実施形態における磁気回路Gは、前後のヨーク811,812、補助ヨーク813,814及びプランジャ805によって図18に示すようなものとなる。この磁気の作用により、プランジャ807がコイルばねの付勢力に抗して、前方へ引き寄せられる。この結果、ロッド808の先端の槌先キャップ817が発射レール70c上に置かれた遊技球に衝突し、当該遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
【0064】
そして、コイル804への通電が停止されると、プランジャ805はコイルばねの復元力により元の位置に戻る。
【0065】
このような発射装置70bの動作は、発射制御装置312により制御される。発射制御装置312は、遊技者によるハンドル18の操作量に応じて、コイル804への印加電圧を可変させる。これにより、ソレノイド805に発生する磁力を調整して、プランジャ807の変位速度を変化させ、遊技球の発射速度ひいては飛翔量を調整する。
【0066】
また、発射制御装置312が、コイル804への印加電圧をパルス状に制御することにより、所定周期でソレノイド805の励磁・非励磁状態が交互に切替えられ、上記発射動作が間欠的に繰り返し行われることとなる。
【0067】
また、膨出部40には、後述する払出機構部352から上記下皿15の排出口16へ繋がる球通路71が設けられている。また、発射ユニット70の発射レール70cと後述するレール50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射ユニット70から発射された遊技球が後述する戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72及び球通路71を介して下皿15に排出される。
【0068】
また、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14及び裏パックユニット203を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14及び裏パックユニット203は内枠12に対し施錠される。
【0069】
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応口(作動口)33、第2契機対応口34、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り前記一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応口33に遊技球が入球(入賞)すると、それぞれに対応して設けられた検出スイッチの出力により、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、入球手段としての各種入賞部(一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応口33)に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0070】
また、第1契機対応口33へ遊技球が入球したことを契機として大当たり抽選が行われ、当該大当たり抽選により当選結果が得られた場合には特別遊技状態としての大当たり状態が発生する。
【0071】
可変表示装置ユニット35には、第2契機対応口34の通過をトリガとして変動表示する普通図柄表示装置41と、第1契機対応口33への入賞をトリガとして変動表示する特別表示装置43と、特別表示装置43による変動表示に合わせて変動表示する可変表示装置としての装飾図柄表示装置42とが設けられている。
【0072】
普通図柄表示装置41は複数の発光手段(LED)を内蔵しており、遊技球が第2契機対応口34を通過する毎に点灯表示態様が切換表示(変動表示)され、その変動表示が特定の点灯態様で数秒間停止した場合に第1契機対応口33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球が第2契機対応口34を通過した場合には、その分の普通図柄の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
【0073】
特別表示装置43は、普通図柄表示装置41の側方に設けられた複数の発光部により構成され、遊技球が第1契機対応口33を通過する毎に点灯する発光部の組合せが切換えられる(変動表示される)。そして、変動表示が停止したときに点灯している発光部の組合わせにより、大当たりか否かが確定的に表示される。この特別表示装置43についても、主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。また、特別表示装置43の変動表示中に新たに遊技球が第1契機対応口33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。また、大当たり状態中に新たに遊技球が第1契機対応口33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
【0074】
装飾図柄表示装置42は、液晶表示装置であって、後述するサブ制御装置560によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、特別表示装置43にて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置560によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして装飾図柄表示装置42に変動表示され、その後、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に停止表示される。また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47内には、各種LED等の発光手段や、当該LED等を駆動するLED制御基板なども配設されている。
【0075】
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞しやすい開状態とされる。具体的には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数(所定ラウンド数)繰り返し開放される。
【0076】
また、遊技盤30には、発射ユニット70から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレール50を通じて、遊技盤面上に形成された遊技領域内に案内される。レール50は内レール構成部51と外レール構成部52とからなる。
【0077】
内レール構成部51の先端部分には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
【0078】
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、内外レール構成部51,52の並行部分を除く。
【0079】
次に、パチンコ機10の背面構成について図5,図6を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されている。さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合において、主制御基板としての主基板だけを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。なお、第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で着脱できるよう構成されており、さらに、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。
【0080】
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。上述したように遊技盤30の中央にはルータ加工によって形成された貫通穴に対して可変表示装置ユニット35が配設されている。
【0081】
可変表示装置ユニット35の後部には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。但し、本実施形態では、センターフレーム47が遊技盤30の前面側に固定され、フレームカバー213が遊技盤30の裏面に固定されることによって、可変表示装置ユニット35として一体化される構成となっている。そして、このフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ね合わされ一体化(ユニット化)された状態で取付けられている。さらに、表示制御装置45の背面側にはサブ制御装置560が取付けられている。
【0082】
サブ制御装置560は、後述するように主制御装置261(主基板)からの指示に従い各種演出制御を司るCPUや、各種プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含むサブ制御基板を具備しており、このサブ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス562に収容されて構成されている。
【0083】
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成形品であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構216を備えている。また、第2制御基板ユニット202には、球回収機構216の下方位置において排出通路部217が形成されており、該排出通路部217には排出球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート218が形成されている(図6参照)。従って、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の球回収機構216を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュート218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュート218を介してパチンコ機10外部に排出される。
【0084】
さらに、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入球検出手段としての検出スイッチなどが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。カウントスイッチ223は可変入賞装置32に入賞した遊技球をカウントするスイッチである。また、第1契機対応口33に対応する位置には第1契機対応口(始動口)スイッチ224が設けられ、第2契機対応口34に対応する位置には第2契機対応口(ゲート)スイッチ225が設けられている。
【0085】
入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223及び第2契機対応口(ゲート)スイッチ225は、ケーブルコネクタを介して第1盤面中継基板226に接続され、さらにこの第1盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置261)にケーブルコネクタを介して接続されている。これに対し、第1契機対応口(始動口)スイッチ224は中継基板を経ることなく直接主基板にケーブルコネクタを介して接続されている。
【0086】
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、第1契機対応口33には、電動役物を開放するための第1契機対応口(始動口)ソレノイドが設けられている。これら大入賞口ソレノイド及び第1契機対応口(始動口)ソレノイドはケーブルコネクタを介して第2盤面中継基板227に接続され、さらにこの第2盤面中継基板227がやはりケーブルコネクタを介して主基板に接続されている。
【0087】
上記検出スイッチにて各々検出された検出結果は、後述する主基板(主制御装置261)に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出しが実施される。本実施形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出しが直ちに行われる。
【0088】
さて、第1制御基板ユニット201に設けられた主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されて構成されている。
【0089】
なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニットによって連結されており、基板ボックス263が開封された場合には、封印ユニットにおいて所定の痕跡が残るよう構成されている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
【0090】
第2制御基板ユニット202は、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314を具備している。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者によるハンドル18の操作に従い発射装置等の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。
【0091】
上記払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313についても、それぞれに対応する基板ボックス315、316、317に収容されて構成されている。但し、発射制御装置312(基板ボックス316)は、電源装置313(基板ボックス317)の裏側に配置されている。また、払出制御装置311が収容される基板ボックス315には、前述した主制御装置261と同様に封印ユニットが設けられ、基板ボックス315の開封した痕跡が残るようになっている。
【0092】
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
【0093】
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技場の営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
【0094】
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
【0095】
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部354を有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖されかつ前面及び下面が開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、主制御装置261の一部も合わせて覆う構成となっている。保護カバー部354により、後述する上部のタンク355等から落下してくる遊技球等から可変表示装置ユニット35が保護される。
【0096】
また、保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。
【0097】
また、払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は上記上皿19等に供給される。
【0098】
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
【0099】
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。
【0100】
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
【0101】
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理(このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される)によって停電の発生等による電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の復電処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
【0102】
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置560、特別表示装置43、普通図柄表示装置41が接続されている。但し、普通図柄表示装置41及び特別表示装置43とは、サブ制御装置560の入出力ポート554を中継手段として接続されている。その他、便宜上、図示は省略するが、上記第1契機対応口スイッチ224等の各種検出スイッチや、第1盤面中継基板226等の各種基板などの各種電気部品が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43および普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置560を介して制御される。
【0103】
サブ制御装置560(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
【0104】
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されている。さらに、入出力ポート554には、表示制御装置45、スピーカSP、各種電飾部及びランプ102〜104等が接続されている。
【0105】
サブ制御装置560のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。さらに、サブ制御装置560は、音声やランプ表示の制御を司る。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する特別表示装置43にて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置560が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43の表示に合わせた表示が行われる。
【0106】
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
【0107】
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
【0108】
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、NMI割込み処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
【0109】
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
【0110】
発射制御装置312は、発射装置70bによる遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置70bは、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、上述したように発射装置70bが駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で1球ずつ遊技球が発射される。
【0111】
表示制御装置45は、サブ制御装置560からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置560の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
【0112】
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置560から送信される表示コマンドを入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行なう。
【0113】
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
【0114】
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
【0115】
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
【0116】
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
【0117】
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
【0118】
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
【0119】
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
【0120】
以上詳述したように、本実施形態では、ロッド808の軸受部材815を保持する部材が、ヨーク806を構成する一部材である補助ヨーク813,814により構成されるとともに、当該補助ヨーク813,814がヨーク本体811,812及びボビン803それぞれに対し位置決めされた状態で組付けられる。結果として、ソレノイド805、ヨーク806、プランジャ807(出力軸808)など各部材の組付誤差の累積を低減し、各部材の同軸度の低下を抑制することができる。ひいては、同軸度を高めるための組付け作業の簡素化を図り、製造コストの増加を抑制することができる。
【0121】
さらに、本実施形態では、同軸度を高めるために、ヨーク本体811,812に挿通される部材が、従来技術のように非磁性体からなるパイプ等ではなく、ヨーク806の一部を構成する磁性体の補助ヨーク813,814である。このため、プランジャ807と、これともに磁気回路を形成するヨーク本体811,812の取付孔811g,812gの内周縁部との間に非磁性体が介在されないため、エアーギャップX(図18参照)を比較的小さくでき、ソレノイドユニット800の動特性の悪化を抑制することができる。
【0122】
結果として、ソレノイドユニット800の動特性を安定させることができ、遊技球の発射動作を安定させることができる。さらには、同軸度が高くかつ動特性の良いソレノイドユニット800を安価に製造することができる。
【0123】
また、本実施形態では、前後両ヨーク811,812の係合片部811d,812dが重畳した状態で、軸線C1方向(プランジャ807の駆動方向)と直交する上下方向に沿って、後ヨーク812の挿通孔812hを介してネジ820を挿し込み、前ヨーク811のネジ孔811hに螺着することにより、前後両ヨーク811,812が連結固定される構成となっている。これにより、ネジ820が比較的緩みにくい構成となる。
【0124】
さらに、挿通孔811hは、前後方向に長い長孔状をなし、その左右幅が前方向へ向かうにつれ幅狭となっている。一方、ネジ820は、テーパ状に拡径した頭部820bを有している。この結果、ネジ820を締めることにより、前後両ヨーク811,812を連結固定するとともに、前後両ヨーク811,812の各支持壁部811a,812aの間隔を狭め、当該支持壁部811a,812aによりボビン803を挟持することができる。ひいては各ヨーク811,812の支持壁部811a,812aと、ボビン803の各フランジ部803cとにより、各補助ヨーク813,814のフランジ部813c,814cを挟持することができる。
【0125】
かかる構成により、ヨーク806の構成部材の連結作業を行うために加締め加工用のプレス装置など特別な装置を必要とせず、作業を簡素化できるため、製造コストの増加抑制を図ることができる。また、不良品が発生した場合にも、ヨーク806の構成部材の連結を解除して、当該ヨーク806の構成部材の再利用を図ることができるため、リサイクル性にも優れる。
【0126】
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0127】
(a)ソレノイドユニット800の各構成部材の形状、材質、大きさ等は上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、補助ヨーク813,814の本体部813a,814aの内孔813f,814fの内径が、ボビン803の内孔803bの内径と略同一に形成されている。これに限らず、例えば補助ヨーク813,814の内孔813f,814fの内径を、ボビン803の内孔803bの内径より小さくして、エアーギャップXの間隔をより小さくした構成としてもよい。
【0128】
(b)上記実施形態では、挿通孔811hの形状に偏りを持たせることによって、ネジ820により前後両ヨーク811,812を連結固定するとともに、前後両ヨーク811,812の各支持壁部811a,812aの間隔を狭めていく構成となっている。しかし、前後両ヨーク811,812を連結固定する構成は、これに限定されるものではない。例えば、後ヨーク812の挿通孔812hを真円とし、単にネジ820の挿し込み方向を、軸線C1方向と直交する上下方向としただけの構成であっても、ネジ820の緩みは発生しにくくなる。
【0129】
(c)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機などとして実施してもよい。
【0130】
以下、特許請求の範囲の請求項に記載されないものであって、上記実施形態から把握できる技術的思想について、その効果とともに記載する。
【0131】
手段1.ソレノイドの励磁によってプランジャを所定の軸線方向に沿って直線駆動させ、当該プランジャと一体に前記軸線方向に沿って設けられた出力軸を遊技球に衝突させることにより、当該遊技球を遊技領域へ向け発射する発射装置を備えた遊技機であって、
筒状のボビンと当該ボビンの周囲に巻回されたコイルとからなる前記ソレノイドと、当該ソレノイドを支持し、前記プランジャとともに磁気回路の一部を形成するヨークとを具備した前記発射装置のソレノイドユニットにおいて、
前記ボビンは、
前記コイルが巻回される筒状の巻回部と、
前記巻回部を前記軸線方向に沿って貫通し、前記プランジャが摺動自在に配置される内孔と、
前記巻回部の前記軸線方向の両端部において径方向外周側に向け突出したフランジ部とを備え、
前記ヨークは、
前記ボビンを前記軸線方向に挟み込むようにして支持する第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体と、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体に対しそれぞれ前記軸線方向に沿って組付けられる第1補助ヨーク及び第2補助ヨークとを備え、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体は、
それぞれ前記軸線方向に直交して配設されかつ前記ボビンのフランジ部と相対向する支持壁部を備え、
前記第1補助ヨーク及び第2補助ヨークは、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の支持壁部に形成された取付孔に対し挿通される筒状の本体部と、
前記本体部の前記軸線方向の一端側に設けられ、前記出力軸を摺動自在に支持する軸受部材を保持する軸受保持部と、
前記本体部の前記軸線方向の他端側に設けられ、径方向外周側に向け突出したフランジ部とを備え、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の各支持壁部と前記ボビンの各フランジ部とが対向するそれぞれの対向面において、前記支持壁部の取付孔及び前記ボビンの内孔の周縁部に沿って環状凹部が形成され、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の各支持壁部の取付孔に対し、前記第1補助ヨーク及び第2補助ヨークの各本体部がそれぞれ挿通された状態で、当該第1補助ヨーク及び第2補助ヨークのフランジ部が、前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の各環状凹部と前記ボビンの各環状凹部とに嵌り込んだ状態で挟持されていることを特徴とする遊技機。
【0132】
上記手段1によれば、出力軸の軸受部材を保持する部材が、ヨークを構成する一部材である補助ヨークにより構成されるとともに、当該補助ヨークがヨーク本体及びボビンそれぞれに対し位置決めされた状態で組付けられる。結果として、ソレノイド、ヨーク、プランジャ(出力軸)など各部材の組付誤差の累積を低減し、各部材の同軸度の低下を抑制することができる。ひいては、同軸度を高めるための組付け作業の簡素化を図り、製造コストの増加を抑制することができる。
【0133】
また、本手段1では、同軸度を高めるために、ヨーク本体に挿通される部材が、従来技術のように非磁性体からなるパイプ等ではなく、ヨークの一部を構成する磁性体の補助ヨークである。このため、プランジャと、これともに磁気回路を形成するヨーク本体の取付孔の内周縁部との間に非磁性体が介在されないため、エアーギャップを比較的小さくでき、ソレノイドユニットの動特性の悪化を抑制することができる。
【0134】
結果として、ソレノイドユニットの動特性を安定させることができ、遊技球の発射動作を安定させることができる。さらには、同軸度が高くかつ動特性の良いソレノイドユニットを安価に製造することができる。
【0135】
手段2、前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体は、前記軸線方向と直交する方向に挿し込まれる所定の螺着手段(ネジ等)により連結固定されることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
【0136】
従来のヨークは、一般的に2つのヨーク構成部材からなり、これらがソレノイド(ボビン)を挟持した状態で加締め加工等されることで、当該ヨークとソレノイドとが一体的に連結固定された状態となる。また、出力軸の軸受部材を保持する軸受保持部材は、その後、ヨークの外側にネジ等の固定手段により組付けられる。
【0137】
しかし、加締め加工では、プレス装置が必要となるとともに、加工後に不良品が発見された場合には、当該製品をリサイクルできなくなるため、製造コストの増加要因の一つとなっていた。これに対し、本手段によれば、ヨーク構成部材の連結作業を行うために特別な装置を必要とせず、作業を簡素化できるため、製造コストの増加抑制を図ることができる。また、不良品が発生した場合にも、ヨーク構成部材の連結を解除して、当該ヨーク構成部材の再利用を図ることができるため、リサイクル性にも優れる。
【0138】
また、プランジャの駆動方向(軸線方向)には、動作時には絶えず振動が加わるため、仮に螺着手段の挿し込み方向がプランジャの駆動方向と平行である場合には、螺着手段が緩みやすくなることが懸念される。これに対し、本手段では、螺着手段の挿し込み方向がプランジャの駆動方向と直交方向にあるため、螺着手段が比較的緩みにくい構成となる。
【0139】
手段3.前記軸線方向と直交する方向に対し、前記第1ヨーク本体と前記第2ヨーク本体とが重畳して配設される箇所において、内方側に位置する前記第1ヨーク本体には、テーパ状に拡径した頭部を有する前記螺着手段としてのネジが螺着されるネジ孔が形成され、外方側に位置する前記第2ヨーク本体には、前記ネジが挿通される挿通孔が形成され、
前記挿通孔は、前記軸線方向に長い長孔状をなし、前記軸線方向の少なくとも所定区間において、前記軸線方向と直交する方向における幅が、前記軸線方向の内方側から外方側に向けて次第に狭くなっていることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
【0140】
上記手段3によれば、第2ヨーク本体の挿通孔を介して第1ヨーク本体のネジ孔に対してネジを螺着し締めていくと、当該ネジの頭部のテーパ面が挿通孔の縁部に接触して、挿通孔に対するネジの位置がより幅広側へ相対変位していく。つまり、ネジを締めることにより、両ヨークを連結固定するとともに、ネジが螺着されるネジ孔を有する第1ヨーク本体と、挿通孔を有する第2ヨーク本体とが、両者の支持壁部が近づく方向へ相対変位して、ボビンひいては補助ヨークのフランジ部が挟持される。このため、組付け作業性が向上するとともに、軸線方向における緩みを抑制し、上記手段2の作用効果をさらに高めることができる。
【0141】
なお、「軸線方向と直交する方向」の内方側及び外方側、並びに「軸線方向」の内方側及び外方側とは、それぞれの方向におけるソレノイドユニットの中央部に近い側及び遠い側を意味する。
【0142】
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
【0143】
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射装置と、当該発射された遊技球が案内される所定の遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
【0144】
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射装置と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
【0145】
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】一実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】パチンコ機の斜視図である。
【図3】内枠及び前面枠セットを開放した状態を示す斜視図である。
【図4】内枠及び遊技盤の構成を示す正面図である。
【図5】内枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。
【図6】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図7】電気的構成を示すブロック図である。
【図8】ソレノイドユニットの上面図である。
【図9】ソレノイドユニットの右側面図である。
【図10】ソレノイドユニットの正面図である。
【図11】ソレノイドユニットの背面図である。
【図12】図8のK−K線断面図である。
【図13】ソレノイドユニットの組付け手順を説明するための図である。
【図14】ソレノイドユニットの組付け手順を説明するための図である。
【図15】ソレノイドユニットの組付け手順を説明するための図である。
【図16】ソレノイドユニットの組付け手順を説明するための図である。
【図17】挿通孔、ネジ孔、ネジ等の関係を説明するための模式図である。
【図18】磁気回路等を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0147】
10…パチンコ機、70b…発射装置、800…ソレノイドユニット、803…ボビン、803a…巻回部、803b…内孔、803c…フランジ部、803j…環状凹部、804…コイル、805…ソレノイド、806…ヨーク、807…プランジャ、808…ロッド、811…前ヨーク、811a…前側支持壁部、811d…係合片部、811g…取付孔、811h…ネジ孔、811j…環状凹部、812…後ヨーク、812a…後側支持壁部、812d…係合片部、812g…取付孔、812h…挿通孔、812j…環状凹部、813…前補助ヨーク、814…後補助ヨーク、813a,814a…本体部、813b,814b…軸受保持部、813c,814c…フランジ部、815…軸受部材、820…ネジ、820b…頭部、C1…軸線、G…磁気回路、X…エアーギャップ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソレノイドの励磁によってプランジャを所定の軸線方向に沿って直線駆動させ、当該プランジャと一体に前記軸線方向に沿って設けられた出力軸を遊技球に衝突させることにより、当該遊技球を遊技領域へ向け発射する発射装置を備えた遊技機であって、
筒状のボビンと当該ボビンの周囲に巻回されたコイルとからなる前記ソレノイドと、当該ソレノイドを支持し、前記プランジャとともに磁気回路の一部を形成するヨークとを具備した前記発射装置のソレノイドユニットにおいて、
前記ボビンは、
前記コイルが巻回される筒状の巻回部と、
前記巻回部を前記軸線方向に沿って貫通し、前記プランジャが摺動自在に配置される内孔と、
前記巻回部の前記軸線方向の両端部において径方向外周側に向け突出したフランジ部とを備え、
前記ヨークは、
前記ボビンを前記軸線方向に挟み込むようにして支持する第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体と、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体に対しそれぞれ前記軸線方向に沿って組付けられる第1補助ヨーク及び第2補助ヨークとを備え、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体は、
それぞれ前記軸線方向に直交して配設されかつ前記ボビンのフランジ部と相対向する支持壁部を備え、
前記第1補助ヨーク及び第2補助ヨークは、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の支持壁部に形成された取付孔に対し挿通される筒状の本体部と、
前記本体部の前記軸線方向の一端側に設けられ、前記出力軸を摺動自在に支持する軸受部材を保持する軸受保持部と、
前記本体部の前記軸線方向の他端側に設けられ、径方向外周側に向け突出したフランジ部とを備え、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の各支持壁部と前記ボビンの各フランジ部とが対向するそれぞれの対向面において、前記支持壁部の取付孔及び前記ボビンの内孔の周縁部に沿って環状凹部が形成され、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の各支持壁部の取付孔に対し、前記第1補助ヨーク及び第2補助ヨークの各本体部がそれぞれ挿通された状態で、当該第1補助ヨーク及び第2補助ヨークのフランジ部が、前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の各環状凹部と前記ボビンの各環状凹部とに嵌り込んだ状態で挟持されていることを特徴とする遊技機。
【請求項1】
ソレノイドの励磁によってプランジャを所定の軸線方向に沿って直線駆動させ、当該プランジャと一体に前記軸線方向に沿って設けられた出力軸を遊技球に衝突させることにより、当該遊技球を遊技領域へ向け発射する発射装置を備えた遊技機であって、
筒状のボビンと当該ボビンの周囲に巻回されたコイルとからなる前記ソレノイドと、当該ソレノイドを支持し、前記プランジャとともに磁気回路の一部を形成するヨークとを具備した前記発射装置のソレノイドユニットにおいて、
前記ボビンは、
前記コイルが巻回される筒状の巻回部と、
前記巻回部を前記軸線方向に沿って貫通し、前記プランジャが摺動自在に配置される内孔と、
前記巻回部の前記軸線方向の両端部において径方向外周側に向け突出したフランジ部とを備え、
前記ヨークは、
前記ボビンを前記軸線方向に挟み込むようにして支持する第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体と、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体に対しそれぞれ前記軸線方向に沿って組付けられる第1補助ヨーク及び第2補助ヨークとを備え、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体は、
それぞれ前記軸線方向に直交して配設されかつ前記ボビンのフランジ部と相対向する支持壁部を備え、
前記第1補助ヨーク及び第2補助ヨークは、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の支持壁部に形成された取付孔に対し挿通される筒状の本体部と、
前記本体部の前記軸線方向の一端側に設けられ、前記出力軸を摺動自在に支持する軸受部材を保持する軸受保持部と、
前記本体部の前記軸線方向の他端側に設けられ、径方向外周側に向け突出したフランジ部とを備え、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の各支持壁部と前記ボビンの各フランジ部とが対向するそれぞれの対向面において、前記支持壁部の取付孔及び前記ボビンの内孔の周縁部に沿って環状凹部が形成され、
前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の各支持壁部の取付孔に対し、前記第1補助ヨーク及び第2補助ヨークの各本体部がそれぞれ挿通された状態で、当該第1補助ヨーク及び第2補助ヨークのフランジ部が、前記第1ヨーク本体及び第2ヨーク本体の各環状凹部と前記ボビンの各環状凹部とに嵌り込んだ状態で挟持されていることを特徴とする遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−131309(P2010−131309A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−312256(P2008−312256)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
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