遊技機
【課題】手打ち式の遊技機において遊技の健全性を高めることができる遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機は、遊技領域が形成された遊技盤と遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射機構110とを備えている。遊技球発射機構110は、予め定められた発射待機位置へ遊技球を供給する球送装置203と、遊技球発射レバーが回動操作された後、付勢力によって初期状態へ復帰した場合に同遊技球発射レバーに連動して上記発射待機位置に待機中の遊技球を発射する発射槌201とを有している。球送装置203は、遊技球の供給を許容する許容状態と阻止する阻止状態とに切替可能に構成された下流側シャッタを有している。下流側シャッタは、電源・発射制御装置に接続されており、遊技球の供給タイミングから特定期間が経過するまで許容状態に切り替らないように駆動制御される。
【解決手段】パチンコ機は、遊技領域が形成された遊技盤と遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射機構110とを備えている。遊技球発射機構110は、予め定められた発射待機位置へ遊技球を供給する球送装置203と、遊技球発射レバーが回動操作された後、付勢力によって初期状態へ復帰した場合に同遊技球発射レバーに連動して上記発射待機位置に待機中の遊技球を発射する発射槌201とを有している。球送装置203は、遊技球の供給を許容する許容状態と阻止する阻止状態とに切替可能に構成された下流側シャッタを有している。下流側シャッタは、電源・発射制御装置に接続されており、遊技球の供給タイミングから特定期間が経過するまで許容状態に切り替らないように駆動制御される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤を枠体に搭載してなる遊技機主部を備えているものがある。遊技機主部には、遊技球発射に際して操作される操作部と、同操作部による発射操作に基づいて遊技球を発射する発射機構とが設けられている。操作部は、初期位置と発射待機位置とに移動可能に設けられているとともに、同初期位置に向けて付勢されている。例えば操作部を指で引っ掛ける等して発射待機位置に移動させた後に同操作部を離すことで、同操作部が初期位置へと移動する。この操作部の動きに連動して発射機構が動作することにより遊技球が遊技領域へ発射される。遊技領域には、入賞口及び入賞装置等の入賞に関する構成や、遊技領域に至った遊技球がそれら入賞口等に適度な確率で入賞するように遊技球の流下経路をばらつかせる釘等の各種構成が配設されている。入賞口等への入賞が発生した場合には予め設定された個数の遊技球が払い出される(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3011197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したタイプの遊技機(いわゆる手打ち式の遊技機)においては、遊技ペースが遊技者の意思や技量等に依存することとなり、例えば遊技球の発射間隔を短くすることで単位時間に取得可能な遊技球の数を増やすといった試みがなされると想定される。仮にこのような発射間隔の短縮による獲得遊技球数の増加が許容されると、遊技者の射幸心を過度に煽ることとなり、健全な遊技ホールの運営に支障を来たすと懸念される。
【0005】
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、手打ち式の遊技機において遊技の健全性を高めることができる遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
【0007】
請求項1記載の発明は、操作部を有し、その操作部が初期状態から発射準備状態となるように操作された後に付勢力によって前記初期状態に復帰する場合に遊技球を発射する発射機構と、単位時間あたりの遊技球の発射数が予め定められた数よりも少なくなるように規制する規制手段とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
手打ち式の遊技機において遊技の健全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。
【図3】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図4】前扉枠の構成を示す背面図である。
【図5】内枠の構成を示す正面図である。
【図6】遊技盤の構成を示す正面図である。
【図7】裏パックユニットの構成を示す正面図である。
【図8】裏パックユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図9】遊技球発射機構及びそれに付随する構成を示す図5の部分拡大図。
【図10】(a)球送装置の内部構造を示す部分破断図、(b)供給通路と発射レールとの位置関係を示す概略図である。
【図11】遊技球発射機構の動作を示す概略図である。
【図12】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図13】発射制御処理を示すフローチャートである。
【図14】遊技球の発射操作に基づく各シャッタの動作タイミングを説明するための説明図である。
【図15】第2の実施の形態における球送装置及びそれに関連する構成を示す概略図である。
【図16】遊技球発射機構の動作を示す概略図である。
【図17】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図18】発射制御処理を示すフローチャートである。
【図19】遊技球の発射操作に基づく可動通路の動作タイミングを説明するための説明図である。
【図20】第3の実施の形態における球送装置及びそれに関連する構成を示す概略図である。
【図21】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図22】発射制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図3はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
【0011】
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
【0012】
外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場の島設備に設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
【0013】
この外枠11によって遊技機主部12が開閉可能な状態で支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
【0014】
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15(図3参照)とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。
【0015】
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
【0016】
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1及び図2を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図3を参照する。図3は、前扉枠14の背面図である。
【0017】
図2に示すように前扉枠14は内枠13における前面側のほぼ全域を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されている。その窓部21には、透明性を有するガラス22が嵌め込まれており、同ガラス22によって遊技領域PEが覆われている。
【0018】
図1に示すように窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、窓部21の左右両側には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、中央のエラー表示ランプ部24に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
【0019】
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導く機能を有している。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。
【0020】
本実施の形態における前扉枠14は内枠13の前面全域を覆っているものではなく、同内枠13の右下部は前扉枠14とは別に形成されたカバー部材40によって覆われている。具体的には、図2に示すように、内枠13における右下の一区画、すなわち下側膨出部32の右方となる部分には、内枠13の回動先端側の下隅部を含んだ一部を覆うようにしてカバー部材40が配されており、これら前扉枠14及びカバー部材40によって内枠13の全域が覆われている。カバー部材40は、内枠13に対して前扉枠14とは独立して固定されており、同前扉枠14が開放された場合であっても、自身の固定位置に留まることとなる。
【0021】
カバー部材40の前面側には、遊技球の発射に際して操作される遊技球発射レバー41が設けられている。遊技球発射レバー41は、カバー部材40に対して回動可能な状態で取り付けられている。遊技球発射レバー41の軸部42は、カバー部材40に形成された貫通孔を通じて同カバー部材40の背面側、すなわち内枠13側に突出している。この突出している部分が後述する遊技球発射機構に連結されており、遊技球発射レバー41が操作された場合に同遊技球発射機構が連動することで遊技球が発射される。
【0022】
前扉枠14の背面には、図2及び図3に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路部51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路部52とが形成されてなる。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路部51と前扉側下皿通路部52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路部51及び前扉側下皿通路部52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路部51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路部52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
【0023】
次に、図4に基づき内枠13について詳細に説明する。図4は内枠13の正面図である。なお、図4においては、図2と同様にパチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
【0024】
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース70を主体に構成されている。樹脂ベース70の前面における回動基端側(図4の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。また、前扉枠14の背面における回動基端側(図3の右側)には、それら支持金具71,72に対応させて突起軸61,62が設けられている。図示は省略するが、支持金具71,72には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61,62が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。つまり、これら支持金具71,72及び突起軸61,62は内枠13に対する組付機構を構成している。
【0025】
内枠13の前面には施錠装置75が設けられている。施錠装置75は、前扉枠14に向けて延びる複数の前扉用鉤部材76を有している。これら前扉用鉤部材76に対応させて、前扉枠14の背面には内枠13側に延びる鉤受け部材63が複数設けられている。前扉用鉤部材76が鉤受け部材63に引っ掛かることにより前扉枠14が閉じた状態で施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
【0026】
樹脂ベース70の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置に一体化されており、その先端部分(鍵穴部分)が上記カバー部材40に設けられた孔部を通じてパチンコ機10の前方に露出している。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すことで内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、同キーを左に回すことで外枠11に対する内枠13の施錠が解除される。
【0027】
樹脂ベース70前面の略中央部分には、遊技盤80を収容する遊技盤収容部73が形成されている。遊技盤収容部73は、パチンコ機10の後方に凹み、遊技盤80を収容する収容空間を区画しており、樹脂ベース70に取り付けられた遊技盤80がその収容空間に嵌まった状態となっている。本実施の形態においては特に、遊技盤80が樹脂ベース70に対して着脱可能に取り付けられており、メンテナンス作業等の容易化が図られている。
【0028】
遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が遊技盤収容部73の開放部分を通じて樹脂ベース70の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。以下、図5に基づき遊技盤80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図5は、遊技盤80の正面図である。
【0029】
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81,可変入賞口82及び入賞役物ユニット83等がそれぞれ取り付けられている。具体的には、遊技領域PEの中央に形成された開口には入賞役物ユニット83が配されており、その入賞役物ユニット83の左右両側に形成された開口には一般入賞口81が配され、それら一般入賞口81及び入賞役物ユニット83よりも下側に形成された開口には可変入賞口82が配されている。一般入賞口81、可変入賞口82及び入賞役物ユニット83に遊技球が入ると、それら遊技球が検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口88が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口88を通って遊技領域PEから排出される。
【0030】
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘89が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘89や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確立で発生するように調整されている。
【0031】
入賞役物ユニット83は、当該入賞役物ユニット83を構成する各種装置等が収容されたケース84を有している。ケース84は、遊技盤80の正面側に開放された箱状をなしており、その内部がパチンコ機10の前方から上記ガラス22を通して視認可能となっている。ケース84は遊技盤80の開口から前方に張り出した状態で同遊技盤80に固定されており、遊技領域PEを流下する遊技球が同ケース84の周壁を乗り越えて当該ケース84の内部に侵入することが回避されている。つまり、ケース84によって遊技領域PEの一部が区画され、その区画された領域、すなわち入賞役物ユニット83内への遊技球の流入が制限されている。
【0032】
ケース84の上部及び左右両側部には遊技球の流入を許容する流入口84aが複数形成されている。それら流入口84aよりも下側には、遊技者に対して付与される特典が相違する複数種の入賞口85,86が設けられている。具体的には、ケース84の下部中央に第1入賞口85が配設されており、同第1入賞口85の左右両側に第2入賞口86が配設されている。
【0033】
流入口84aと入賞口群85,86との間には、それら各入賞口85,86へ遊技球を振り分ける振分部材87が配設されている。振分部材87にはモータが接続されており、同振分部材87はそのモータが駆動することにより予め定められた周期で入賞口85,86の並設方向(左右方向)に揺動可能となっている。各流入口84aから入賞役物ユニット83内へ流入した遊技球は、振分部材87によって第1入賞口85及び第2入賞口86のいずれか一方へ振り分けられることとなる。
【0034】
各入賞口85,86へ入った遊技球は遊技盤80の背面側に設けられた回収通路を通ってパチンコ機10の外部へ排出される。回収通路には、当該回収通路を遊技球が通過した場合に可変入賞口82への遊技球の流入が困難な状態から容易な状態に切り替える切替機構部が設けられている。
【0035】
具体的には、各可変入賞口82には、同可変入賞口82への遊技球の流入を妨げる閉位置と同閉位置に配されている場合よりも遊技球の流入を容易なものとする開位置とに切替可能な可動役物90が設けられている。この可動役物90は、通常は係止部材によって閉位置にて係止された状態となっているとともに、その係止状態を解除する解除操作部にリンク部材を介して繋がっている。解除操作部は回収通路において遊技球が流下する流下領域へ突出しており、入賞役物ユニット83から流入し回収通路を流下する遊技球が当該解除操作部に対して衝突することとなる。このように解除操作部に対して遊技球が衝突することで、可動役物90の係止状態が解除され、可動役物90が開位置へと切り替えられる。
【0036】
また、各可変入賞口82の奥側には、流入した遊技球が衝突することで、可動役物90を閉位置に切り替えるとともに、上記解除状態から係止状態に復帰させる復帰操作部が設けられている。このため、上記第1入賞口85又は第2入賞口86への入賞が発生して可動役物90が開位置へ切り替えられることで遊技球の流入が容易化された状態は、その可変入賞口82へ1の遊技球が流入することで終了する。つまり、可動役物90が閉位置へ復帰し、更なる遊技球の流入が困難になる。
【0037】
なお、各可変入賞口82(詳しくは可動役物90)の切り替えに検知スイッチやアクチュエータ等の電気的構成を適用することも可能である。
【0038】
ここで、入賞役物ユニット83に遊技球が流入した場合の遊技態様に関して簡単に説明する。流入口84aを通じて入賞役物ユニット83内に遊技球が入ると、同遊技球は入賞役物ユニット83内を流下し、振分部材87へ到達する。同遊技球が振分部材87によって第1入賞口85に振り分けられた場合には可動役物90が係止解除状態に切り替えられ、閉じている全ての可変入賞口82(詳しくは可動役物90)が順次開放される。一方、右側の第2入賞口86Rへ遊技球が振り分けられた場合には右寄りに配置された一部の可変入賞口82が開放され、左側の第2入賞口86Lへ遊技球が振り分けられた場合には左寄りに配置された一部の可変入賞口82が開放される。その後、それら開放された可変入賞口82に遊技球が入ると、同遊技球が入った可変入賞口82の可動役物90が閉位置に切り替えられるとともに、所定の遊技球が払い出される。
【0039】
また、遊技盤80には、入賞役物ユニット83等が配された遊技領域PEを区画するようにして内レール101及び外レール102が取り付けられている。それら内レール101及び外レール102は、両者の一部が遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するようにして配置され、両レール101,102によって遊技球を誘導する誘導レール100が構成されている。樹脂ベース70における遊技盤収容部73の下方には、上記遊技球発射レバー41の発射操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。この遊技球発射機構110から発射された遊技球は、両レール101,102により挟まれた領域を通過して遊技領域PEに案内される(図3参照)。なお、遊技球発射機構110及びそれに付随する構成に関しての詳細な説明は後述する。
【0040】
ここで、図3を参照し、内枠13の背面側の構成について簡単に説明する。内枠13(遊技盤80)の背面には、主制御装置ユニット131が搭載されている。
【0041】
主制御装置ユニット131は、合成樹脂製の取付台132を有し、取付台132に主制御装置133が搭載されている。主制御装置133は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)及び電源を監視する機能(停電監視回路)を有する主制御基板と、同主制御基板を収容する基板ボックス134とを具備している。
【0042】
取付台132において遊技盤80の背面と対向している部分には、前記一般入賞口81等の各種入賞口に対応し且つ下流側で1カ所に集合する上記回収通路が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤80の下方に集合する構成となっている。つまり、取付台142には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。また、取付台142には、上記可動役物90用の切替機構部が取り付けられている。
【0043】
遊技盤80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口88についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口88を介して排出通路内に導出される。
【0044】
また、上記回収通路には、各種入賞口に入賞した遊技球を検知する入賞口スイッチが装着されており、それら各種スイッチによって入賞検知機構が構成されている。これら各種スイッチは主制御装置133に対して電気的に接続されており、各スイッチによる検知情報が同主制御装置133に出力される構成となっている。
【0045】
主制御装置ユニット131の上方には、音声ランプ制御装置ユニット141が配されている。音声ランプ制御装置143は、主制御装置ユニット131と同様に、取付台142と音声ランプ制御装置143とを具備する構成となっており、当該取付台142を介して遊技盤80の背面に固定されている。音声ランプ制御装置143は、主制御装置133からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、同音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されてなる。
【0046】
これら音声ランプ制御装置ユニット141と主制御装置ユニット131の一部とは、図3に示すように上記裏パックユニット15によってパチンコ機10の後方から覆われている。以下、図7及び図8に基づき裏パックユニット15について説明する。図7は裏パックユニット15の背面図、図8は裏パックユニット15の分解斜視図である。
【0047】
裏パックユニット15は、図7に示すように、裏パック161を備えており、当該裏パック161に対して、払出機構部162及び制御装置集合ユニット164が取り付けられている。裏パック161は透明性を有する合成樹脂により形成されており、払出機構部162等が取り付けられるベース部171と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部172とを有する。
【0048】
ベース部171には、その右上部に外部端子板173が設けられている。外部端子板173には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技場側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。ベース部171には、保護カバー部172を迂回するようにして払出機構部162が配設されている。具体的には、裏パック161の最上部には上方に開口したタンク181が設けられており、タンク181には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク181の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール182が連結され、タンクレール182の下流側には上下方向に延びるケースレール183が連結されている。ケースレール183の最下流部には払出装置184が設けられている。払出装置184より払い出された遊技球は、当該払出装置184の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿33又は下皿34に案内される。
【0049】
払出機構部162には、裏パック基板187が設置されている。裏パック基板187には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ187aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
【0050】
ベース部74の下端部には、上記制御装置集合ユニット164が取り付けられている。制御装置集合ユニット164は、横長形状をなす取付台191を有し、取付台191に払出制御装置192と電源・発射制御装置193とが搭載されている。これら払出制御装置192及び電源・発射制御装置193は、払出制御装置192がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【0051】
払出制御装置192は、基板ボックス194内に払出装置184を制御する払出制御基板が収容されて構成されている。電源・発射制御装置193は、基板ボックス196内に電源・発射制御基板が収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射レバー41の操作に伴う遊技球の打ち出し(詳しくは球送り)の制御が行われる。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
【0052】
図8に示すようにベース部171を挟んで制御装置集合ユニット164とは反対側となる部分には排出通路盤198が固定されている。排出通路盤198においてベース部171と対向する面には、後方に開放された排出通路199が形成されており、当該排出通路199の開放部がベース部171によって塞がれている。排出通路199は遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した各種入賞口等から排出通路199に導出された遊技球は当該排出通路199を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
【0053】
次に、図5及び図9に基づき上述した遊技球発射機構110及びそれに付随する構成について説明する。図9は遊技球発射機構110及びそれに付随する構成を拡大して示す図5の部分拡大図である。なお、同図9においては、遊技球発射レバー41及びカバー部材40の図示を省略している。
【0054】
図9に示すように、遊技球発射機構110は、所定位置(発射待機位置WP1)に配された遊技球を発射する(打ち出す)発射槌201と、同発射槌201によって発射された遊技球を誘導レール100の入口部分100aへ案内する発射レール202と、上記発射待機位置WP1に遊技球を供給する球送装置203と、それら各種構成が装着されているベースプレート204とを備えている。遊技球発射機構110は、ベースプレート204が樹脂ベース70の前面に対してネジ止めされることにより、遊技機主部12(詳しくは内枠13)に対して一体化されている。
【0055】
発射レール202は、所定の発射角度(打ち出し角度)となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート204に固定されている。具体的には、誘導レール100の入口部分100aが遊技機主部12の回動先端側、詳しくは斜め下方に開放されており、発射レール202は、自身のレール方向の延長線上にその入口部分100aが位置するように、同入口部分100aを向いた状態で固定されている(図5参照)。
【0056】
発射レール202と誘導レール100の入口部分100aとの間には遊技球が通過可能な隙間が形成されており、この隙間よりも下方にはファール球通路が設けられている。仮に発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導レール100内を逆戻りする場合には、それらファール球はファール球通路を介して下皿34に排出される。これにより、ファール球の全てがファール球通路に確実に案内され、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
【0057】
発射レール202の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、上皿33から球送装置203を通じて供給された遊技球を上述した発射待機位置WP1に留める球ストッパ205が配されている。球ストッパ205は、発射レール202に対して遊技球の直径寸法よりも小さな隙間を隔てて対峙しており、上記ベースプレート204に固定されている。発射レール202は上述の如く誘導レール100の入口部分100aに向けて上り傾斜するように傾いた状態で取り付けられており、発射レール202上に供給された遊技球は、同発射レール202に沿って流下し、球ストッパ205に対して発射レール202の傾斜上流側から当接する。これにより、同遊技球が発射待機位置WP1にて保持される。
【0058】
発射レール202の傾斜方向において上記発射待機位置WP1よりも下流側、すなわち発射レール202の下流側への延長上には、上述した発射槌201が配置されている。発射槌201は回動可能な状態でベースプレート204に取り付けられており、その回動中心軸線が発射レール202の延長上から離れるようにして位置に配されている。
【0059】
発射槌201の回動基端部にはベースプレート204に対する取付部211が形成されている。取付部211は樹脂ベース70の前面と対向する平板状をなしており、同取付部211の周縁部には上記発射レール202側に延びるアーム部212が一体成形されている。アーム部212の先端部は、発射レールの延長上、詳しくは発射待機位置WP1の直下流に位置している。
【0060】
アーム部212の先端部分には発射レール202と同一方向に延びる突起213が形成されており、同突起213の先端部が球ストッパ205と発射レール202との隙間を通じて上記発射待機位置WP1に到っている。更に、突起213にはコイルバネ214が挿通されており、同コイルバネ214の先端部分が突起213の先端部から突出している。これにより、発射待機位置WP1に待機している遊技球に対してコイルバネ214が当接可能となっている。
【0061】
また、発射槌201は同発射槌201の回動中心軸線が遊技球発射レバー41の回動中心軸線と同一軸線上となるように配置されており、発射槌201の取付部211には遊技球発射レバー41に形成された凸部に嵌合する嵌合部215が形成されている。それら凸部と嵌合部215とが嵌合することで、発射槌201と遊技球発射レバー41とが一体化されている。特に、発射槌201の嵌合部215と遊技球発射レバー41の凸部とは、上記回動中心軸線の放射方向に延びている。このため、遊技球発射レバー41が回動することで同発射槌201も同一方向に一体となって回動する。
【0062】
ベースプレート204には、当該ベースプレート204の前面から起立し、アーム部212に対して発射レール202側(打出方向の先側)から当接する第1当接部221が形成されている。この第1当接部221に対してアーム部212が当接することにより、発射方向への回動が規制されている。発射槌201の取付部211には、発射槌201を発射方向に向けて付勢する付勢部材としてのコイルバネ216が取り付けられており、同コイルバネ216の付勢力によってアーム部212が第1当接部221に押し付けられた状態となっている。
【0063】
また、ベースプレート204には、アーム部212が上記付勢力に抗して発射方向とは反対側に回動し、その回動量が所定値に達した場合に、同アーム部212と当接する第2当接部222が形成されている。第2当接部222は、第1当接部221と同様に、ベースプレート204の前面から起立しているとともに、アーム部212の回動軌道上に配されている。アーム部212が第2当接部222に当接することによりそれ以上の回動が抑えられる。つまり、発射槌201の回動範囲は、第1当接部221及び第2当接部222によって規定されている。なお、各当接部221,222は、ゴム製のカバー部材によって覆われており、アーム部212が衝突した際に発生する衝撃が抑えられている。
【0064】
発射槌201の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100の順に移動することで遊技領域PEに導かれることとなる。
【0065】
(球送装置203)
ここで、本パチンコ機10においては、球送装置203による発射レール202への遊技球の供給に関して特徴的な構成を備えている。そこで以下、図9及び図10に基づきその特徴的な構成及びそれに関連する構成について説明する。図10(a)は球送装置203の内部構造を示す部分破断図、図10(b)は発射レール202と球送装置203との関係を示す概略図である。
【0066】
図10に示すように、球送装置203は、遊技球の出入口を有する略箱状のケース体251を有している。ケース体251は、合成樹脂からなる複数のケース構成部材が組み合わせられてなり、その内部には遊技球の供給通路252が形成されている。ケース体251の入口251a、すなわち供給通路252の流入口は、前扉枠14側に開口しており、上記上皿33の出口部分に連なっている。
【0067】
供給通路252は、ケース体251の入口251aから下方に延びる第1通路部253と、同第1通路部253の下流側の端部に連なるとともに発射レール202の下流側へ向けて緩やかに下り傾斜する第2通路部254と、同第2通路部254の下流側の端部に連なるとともに下方に延びる第3通路部255とを有している。このように、供給通路252を折り曲げてクランク状とすることにより、供給通路252内に貯留される遊技球群の球圧を低減している。
【0068】
これら各通路部253,254,255は角形の筒状(管状)をなしており、通路幅寸法等が遊技球の直径寸法よりも若干大きく設定されている。これにより、球送装置203内に溜まった遊技球によって、各通路部253,254,255に連なる一条の遊技球列が形成されることとなる。言い換えれば、それら各通路部253,254,255は、同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できないように、すなわち形成される遊技球の列が複数にならないように構成されている。
【0069】
なお、本実施の形態においては、各通路部253,254,255を角形の筒状(管状)としたが、円形の筒状(管状)とすることも可能である。
【0070】
ここで、供給通路252(ケース体251)と発射レール202との位置関係について補足説明する。図10(b)に示すように、供給通路252は、前後にクランクしている。詳しくは、第1通路部253が発射レール202の前方、すなわち前扉枠14寄りに位置しているとともに、第3通路部255が発射レール202の直上に位置しており、これら第1通路部253及び第3通路部255を繋ぐようにして第2通路部254が斜め後方へ延びている。つまり、第2通路部254は発射レール202よりも上側にて同発射レール202から遠ざかるように前方へ傾いており、発射レール202に沿って移動する遊技球の移動経路と供給通路252との干渉が回避されている。
【0071】
第2通路部254の通路長さは、複数の遊技球が待機可能となるように形成されている。第2通路部254の最下流位置には第3通路部255への遊技球の流入を阻止するシャッタ機構270が設けられている。シャッタ機構270は、第2通路部254の上方に配されており、第2通路部254に沿って上流・下流となるように並設された複数のシャッタ280,290を有している。それら各シャッタ280,290は各々の動作態様が相違しているため、以下、下流側のシャッタ280を「下流側シャッタ280」、上流側のシャッタ290を「上流側シャッタ290」として区別して説明する。
【0072】
下流側シャッタ280は、上記電源・発射制御装置193に対して電気的に接続されたソレノイド281を有している。第2通路部254の上方には、下流側シャッタ収容部261が形成されており、ソレノイド281はプランジャ282が第2通路部254側を向いた状態で下流側シャッタ収容部261内に収容されている。プランジャ282は、ソレノイド281内に収容された付勢部材(詳しくはコイルバネ)によって第2通路部254に突出する側へ常時付勢されている。
【0073】
プランジャ282の先端部には、第2通路部254の上側通路壁部257に形成された開口部258を通じて同第2通路部254内に突出可能に形成され、第2通路部254を流下する遊技球に対して下流側から当接する当接部材283が取り付けられている。
【0074】
当接部材283は、プランジャ282が移動することにより、第2通路部254における流下経路と交差し遊技球の流下を阻止する阻止位置と、第2通路部254への突出が抑えられ、遊技球の流下を許容する許容位置とに切替可能となっている。
【0075】
電源・発射制御装置193から電力が供給されてソレノイド281が通電すると、プランジャ282が上記付勢力に抗して上方へ吸引され、当接部材283が許容位置へ移動する。これにより、下流側シャッタ280が、第3通路部255への遊技球の流入を許容する許容状態に切り替えられる。
【0076】
一方、ソレノイド281への電力の供給が行われていない場合には、上記付勢部材の付勢力によってプランジャ282が下がり、下流側シャッタ280が阻止位置にて維持されることとなる。これにより、下流側シャッタ280が第3通路部255への遊技球の流入を阻止する阻止状態に切り替えられる。
【0077】
下流側シャッタ280よりも、遊技球1個分上流側となる位置には上述した上流側シャッタ290が配されている。上流側シャッタ290は第2通路部254内に突出し、遊技同第2通路部を流下する遊技球に対して下流側から当接する当接部材293を有している。当接部材293は、第2通路部254の上方に形成された上流側シャッタ収容部262に収容されることで、そのスライド方向が鉛直方向となるように規定されている。
【0078】
上流側シャッタ290は、発射槌201の円運動を直線運動に変換するリンク機構を介して同発射槌201に連結されている。具体的には、上流側シャッタ290と発射槌201とは、発射槌201に連動して動く連動杆295を介して連なっている。
【0079】
連動杆295は、ベースプレート204の背面側に配置されており、上下に延びている。連動杆295の上端部は上流側シャッタ290に固定されており、同連動杆295と上流側シャッタ290とが一体となって移動する。上流側シャッタ290には、上下に延びる複数の長孔296が形成されており、ベースプレート204に固定されたピン225がそれら長孔296に対してそれぞれ挿通されている。これにより、ベースプレート204と連動杆295とが一体化されているとともに、連動杆295のスライド方向が上流側シャッタ290の動作方向と同一となるように規定されている。
【0080】
連動杆295の下端部は、発射槌201に対して連結されている。具体的には、発射槌201の取付部211には、樹脂ベース70側(後方)に延びる軸部218が形成されており、当該軸部218がベースプレート204に形成された貫通孔を通じて同ベースプレート204の背面側に突出している。軸部218は、当該軸部218の中心軸線から略水平方向に延びるアーム219を有している。アーム219の先端部は、発射槌201の回動中心軸線よりも右側に位置しており、ピン220を介して連動杆295に一体化されている。詳しくは、連動杆295には、水平方向に延びる長孔296が形成されており、その長孔296に対して水平方向への移動が許容された状態でピン220が嵌まっている。
【0081】
発射槌201が初期位置にある場合、当接部材293は許容位置に待機した状態となっている。この状態から発射槌201が発射方向とは反対側(パチンコ機10の正面視において時計回り)に回動すると、連動杆295が下方に引き下げられる。連動杆295が引き下げられると、当接部材293が開口部259を通じて第2通路部254内に突出し、回動量が所定値に達することで(すなわち発射槌201が発射準備位置に達することで)、上流側シャッタ290(詳しくは同当接部材293)が上記阻止位置へと配置されることとなる。
【0082】
このように発射槌201が発射準備位置に移動した状態から初期位置に復帰する場合、同発射槌201が発射方向(パチンコ機10の正面視において反時計回り)に回動すると、連動杆295が上方に押し上げられる。このような連動杆295の移動に追従して、当接部材293が上昇し、第2通路部254への上流側シャッタ290の突出が抑えられることとなる。
【0083】
連動杆295の途中位置、詳しくは発射槌201の回動中心軸線の上方となる位置には、クランク部297が形成されている。クランク部297は、当該連動杆295のスライド方向と交差する方向に延びている。このクランク部297を前後に挟むようにして、検知センサ299が配置されている。検知センサ299は、発光素子と受光素子とを有する光学式のセンサであり、それら一対の素子がクランク部297を挟んで対峙した状態でベースプレート204に固定されている。連動杆295は有色不透明な合成樹脂材料を用いて形成されている。このため、発射槌201が初期位置にある場合には、同クランク部297によって光の授受が遮られた状態となっている。クランク部297の幅寸法は、発射槌201の発射操作がなされた場合に、同発射槌201が上記準備位置に到達するまで(上流側シャッタ290が阻止位置へ到達するまで)検知センサ299の遮蔽が継続されるように設定されている。
【0084】
検知センサ299は電源・発射制御装置193に接続されており、その検知信号(HIレベル信号及びLOWレベル信号)が電源・発射制御装置193に入力される。具体的には、クランク部297によって遮られた状態ではLOWレベル信号が入力され、同クランク部297によって遮られていない状態ではHIレベル信号が入力される。この検知信号に基づいて、下流側シャッタ280の動作が制御される。
【0085】
ここで、図11に基づき、遊技球の発射操作に基づいたシャッタ機構270の動作について説明する。図11はシャッタ機構270の動作説明図であり、(a)→(b)→(c)→(d)の順に動作する。
【0086】
上皿33から球送装置203に案内された遊技球は、ケース体251の入口251aを通過して供給通路252に流入する。供給通路252に流入した遊技球は、第1通路部253から第2通路部254へ移る。この際、図11(a)に示すように下流側シャッタ280が阻止状態となっているため、それら遊技球は、第3通路部255へ流入することなく、下流側シャッタ280に当接している遊技球を先頭とする遊技球列を形成した状態で待機する。
【0087】
図11(b)に示すように遊技球発射レバー41が押し下げられると、遊技球発射レバー41と共に発射槌201が回動し、上流側シャッタ290が阻止状態へと切り替えられる。これにより、第2通路部254にて最下流に位置している遊技球に後続している遊技球、すなわち下流側シャッタ280に当接している遊技球に対して後続している遊技球の流下が上流側シャッタ290によって阻止される。このように上流側シャッタ290が阻止状態に切り替えられた直後に、検知センサ299によって発射槌201の移動が検知され、その検知結果が電源・発射制御装置193にて把握されると、同電源・発射制御装置193から下流側シャッタ280のソレノイド281に駆動信号が出力される。これにより、下流側シャッタ280が許容状態へと切り替えられ、当該下流側シャッタ280と上流側シャッタ290との間に待機していた遊技球(1個)が、第3通路部255を通じて発射レール202上へと落下する。その後、同遊技球は、球ストッパ205に当接することにより発射待機位置WP1にて待機することとなる。
【0088】
なお、図11(b)→図11(c)に示すように、遊技球発射レバー41を押し下げた状態で保持すると、所定期間(本実施の形態においては0.5sec)を経過することにより下流側シャッタ280が許容状態から阻止状態に切り替えられることとなるが、遊技球群は上流側シャッタ290によって止められているため、下流側シャッタ280の動作による影響はない。つまり、供給通路252に待機している遊技球が流出することが回避され、複数の遊技球が発射レール202上に載ることが回避される。
【0089】
図11(b)又は図11(c)に示す状態にて、遊技球発射レバー41から手を離すと、同遊技球発射レバー41及び発射槌201が、コイルバネ216の付勢力によって初期位置に復帰する。この際、先ず検知センサ299が連動杆295によって遮られることで、同検知センサ299からの検知信号がHIレベルからLOWレベルに変化する。検知信号がLOWレベルとなることにより、遊技球が発射される旨が電源・発射制御装置193にて把握される。これにより、電源・発射制御装置193からソレノイド281への駆動信号の出力が回避される。つまり、駆動信号が出力されている場合には同駆動信号の出力が停止され、駆動信号が出力されていない場合にはその状態が維持される。これにより、下流側シャッタ280からの遊技球の流出が阻止される。その後、上流側シャッタ290が許容状態へと切り替わり、同上流側シャッタ290によって流下が阻止されていた遊技球が下流側へ移動する。そして、遊技球1個分下流側へ移動して下流側シャッタ280に当接することで、更なる流下が阻止されることとなる。
【0090】
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図12のブロック図に基づき説明する。図12では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
【0091】
主制御装置133に設けられた主制御基板401には、主制御回路402と停電監視回路403とが内蔵されている。主制御回路402には、MPU411が搭載されている。MPU411には、当該MPU411により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM412と、そのROM412内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM413と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
【0092】
RAM413は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御装置193に設けられた電源・発射制御基板421からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
【0093】
MPU411には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路402の入力側には、主制御基板401に設けられた停電監視回路403、払出制御装置192に設けられた払出制御基板422及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路403には電源・発射制御基板421が接続されており、主制御回路402には停電監視回路403を介して電力が供給される。
【0094】
一方、主制御回路402の出力側には、停電監視回路403、払出制御基板422及び中継端子板423が接続されている。払出制御基板422には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板423を介して主制御回路402から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板424に対して各種コマンドなどが出力される。
【0095】
停電監視回路403は、主制御回路402と電源・発射制御基板421とを中継し、また電源・発射制御基板421から出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
【0096】
払出制御基板422は、払出装置184により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU431は、そのMPU431により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM432と、ワークメモリ等として使用されるRAM433とを備えている。
【0097】
払出制御基板422のRAM433は、主制御回路402のRAM413と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御基板421からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
【0098】
払出制御基板422のMPU431には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板422の入力側には、主制御回路402、電源・発射制御基板421、及び裏パック基板187が接続されている。また、払出制御基板422の出力側には、主制御回路402及び裏パック基板187が接続されている。
【0099】
音声ランプ制御基板424は、各種ランプ部23〜25及びスピーカ部26を制御するものである。演算装置であるMPU461は、そのMPU461により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM462と、ワークメモリ等として使用されるRAM463とを備えている。
【0100】
音声ランプ制御基板424のMPU461にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板464の入力側には中継端子板423に中継されて主制御回路402が接続されており、主制御回路402から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25及びスピーカ部26を制御する。
【0101】
電源・発射制御基板421は、電源部441と発射制御回路442とを備えている。電源部441は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路402や払出制御基板422等に対して各々に必要な動作電力を供給する。発射制御回路442は、遊技球発射レバー41の操作に応じた遊技球発射機構110の発射制御、詳しくは球送装置203の駆動制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に遊技球の発射を許容する。
【0102】
発射制御回路442には、演算装置であるMPU451が搭載されている。MPU451には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。発射制御回路442の入力側には、検知センサ299が接続されている。一方、発射制御回路442の出力側には、下流側シャッタ280のソレノイド281等が接続されている。
【0103】
また、MPU451には、当該MPU451により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM452と、そのROM452内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM453と、タイマ回路やデータ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
【0104】
RAM453は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源部441からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。また、RAM453には、各種カウンタエリア453aが設けられている。各種カウンタエリア453aには、球送装置203のシャッタ機構270を駆動させる際に用いられる開放カウンタと、シャッタ機構270の開放を規制する際に用いられる遅延カウンタとが格納されている。MPU451は遊技球の発射操作に際し、それら開放カウンタ及び遅延カウンタのカウンタ情報を参照して、発射待機位置WP1への遊技球の供給を制御する。
【0105】
これら開放カウンタ及び遅延カウンタは、MPU451から更新命令が下されることに基づいて更新される。より詳しくは、開放カウンタ及び遅延カウンタは、その更新の都度前回値から1減算され、その値が0に達した場合には所定の条件に基づいて最大値に戻るループカウンタとなっている。両カウンタは発射制御処理にて更新される。
【0106】
ここで、電源・発射制御基板421のMPU451により実行される発射制御処理について図13のフローチャートを参照しながら説明する。発射制御処理は、2msec周期で実行される定期処理である。
【0107】
発射制御処理では、先ずステップS101にて各種カウンタエリア453aに格納された開放カウンタが0であるか否かを判定する。開放カウンタが0でない場合には、ステップS101にて否定判定をし、ステップS102にて開放カウンタ更新処理として開放カウンタを1減算する。その後、ステップS103に移り、遅延カウンタ更新処理として遅延カウンタを1減算した後、本処理を終了する。
【0108】
一方、開放カウンタが0である場合には、ステップS101にて肯定判定をし、ステップS104に移る。ステップS104では、下流側シャッタ280(詳しくはソレノイド281)用の駆動信号の出力停止処理を実行する。本停止処理においては、下流側シャッタ用駆動信号が出力中である場合にはその駆動信号の出力を停止し、同駆動信号が出力中でない場合にはその状態が維持される。駆動信号の出力が停止されることで、ソレノイド281が非励磁状態となり、下流側シャッタ280が阻止状態に切り替わる。
【0109】
ステップS104にて下流側シャッタ280よりも下流側への遊技球の流出を不可とした後、球送遅延処理としてのステップS105〜ステップS109を実行する。球送遅延処理においては、先ずステップS105にて遅延カウンタが0である否かを判定する。遅延カウンタが0でない場合にはステップS105にて否定判定をし、ステップS103にて同遅延カウンタを1減算した後、本処理を終了する。これにより、下流側シャッタ280が阻止状態で維持されることとなり、発射待機位置WP1への遊技球の供給が回避される。一方、遅延カウンタが0である場合には、ステップS104にて肯定判定し、ステップS106に移る。
【0110】
ステップS106では、検知センサ299から入力されている信号がHIレベルであるか否かを判定する。検知センサ299からの入力信号がHIレベルでない場合、すなわちLOWレベルである場合にはそのまま本処理を終了し、同入力信号がHIレベルである場合にはステップS107にて下流側シャッタ280用の駆動信号出力処理を実行する。この駆動信号出力処理が実行されることで、下流側シャッタ280のソレノイド281が励磁され、同下流側シャッタ280が許容状態に切り替わる。すなわち、球送装置203からの遊技球の流出が許容され、上記発射待機位置WP1への遊技球が供給される。
【0111】
ステップS107にて駆動信号を出力した後は、ステップS108にて遅延カウンタに「500」をセットする。上述の如く本発射制御処理は2msec毎に実行されるため、1の遊技球を供給した後1secは次の遊技球の供給が不可となる。その後、ステップS109に進み、開放カウンタに「250」をセットし、本発射制御処理を終了する。
【0112】
開放カウンタに「250」がセットされることで、下流側シャッタ280が0.5secは許容状態で維持されることとなる。このカウンタ値は、1の遊技球が下流側シャッタ280を通過するのに要する時間、すなわち遊技球が供給通路252を球1個分下流側に移動するのに要する時間に合わせて設定されており、許容状態への切り替えに伴って1度に複数の遊技球が流出することを回避している。なお、仮に開放カウンタが0になって下流側シャッタ280が阻止状態に切り替わる前のタイミングにて遊技球発射レバー41が初期位置に復帰すると、一瞬の間上流側シャッタ280及び下流側シャッタ290の両者が許容状態となり得る。しかしながらこの場合、上流側シャッタ290によって流下が阻止されていた遊技球が球1個分下流側に移動する頃には、開放カウンタが0となり下流側シャッタ280が阻止状態に切り替えられることとなる。故に、同遊技球は下流側シャッタ280に当接し、球送装置203からの流出が阻止されることとなる。
【0113】
因みに、遊技球供給のタイミングを制御することにより、遊技球の発射間隔が過度に短くならないように規制している点に着目すれば、本発射制御処理を「球送制御処理」と称することも可能である。また、遊技球の供給を遅延させている点に着目すれば、本発射制御処理を「遅延処理」と称することも可能である。
【0114】
ここで、遊技球の発射操作が行われる場合の発射制御の様子について、図14のタイミングチャートを参照しながら説明する。図14(a)は遊技球発射レバー41の状態を示し、図14(b)は検知センサ299からの入力信号を示し、図14(c)は遅延カウンタのカウント数を示し、図14(d)は開放カウンタのカウント数を示し、図14(e)は下流側シャッタ280の開閉状態を示し、図14(f)は上流側シャッタ290の開閉状態を示している。なお、図14(g1)〜(g7)は各タイミングにおける遊技球発射機構110の模式図であり、以下の説明ではこれら各模式図を適宜参照する。
【0115】
先ず、遅延カウンタDCが0になる前のタイミングで遊技球が発射された場合について説明する。遊技球発射レバー41が初期位置から時計回りに回動されると、同遊技球発射レバー41の回動量が所定値(本実施の形態においては約10°)に達することで、発射された遊技球を誘導レール100に到達させることが可能となるように付勢力が蓄えられるとともに、上流側シャッタ290が阻止状態に切り替わる。その直後、図14(b)に示すように、t1のタイミングにて連動杆295と検知センサ299との重なりが解除され、同検知センサ299からの検知信号がHIレベルとなる。検知信号がHIレベルになることで、下流側シャッタ280が許容状態に切り替えられるとともに(図14(e)参照)、遅延カウンタDCに「500」がセットされ、開放カウンタMCに「250」がセットされる(図14(c),(d)参照)。
【0116】
上流側シャッタ290が阻止状態に切り替えられ、下流側シャッタ280が許容状態に切り替えられることで、両シャッタ280,290間に待機していた1の遊技球の流下が許容され、同遊技球が球送装置203から発射レール202へと流出する。
【0117】
その後、0.5secが経過したt2のタイミングにて下流側シャッタ280が阻止状態に切り替えられることで、図14(g1)に示すように、両シャッタ280,290がともに阻止状態に切り替えられた状態となる。
【0118】
遅延カウンタDCが0になる前のt3のタイミングにて遊技球発射レバー41を離すことで、図14(g2)に示すように同遊技球発射レバー41が初期位置に復帰して遊技球が発射される。この遊技球発射レバー41の動きに併せて上流側シャッタ290が許容状態に切り替えられる。
【0119】
その後、t1のタイミングから1secが経過したt4のタイミングにて遅延カウンタDCが0となり、その後は次の発射操作が行われるまで同遅延カウンタDCの値が0のまま維持される(図14(c)参照)。遅延カウンタDCの値が0となった後、t5のタイミングにて遊技球の発射操作が行われると、t1のタイミングと同様に、各シャッタ280,290が許容状態に切り替えられることで、図14(g3)に示すように発射レール202へ遊技球が供給される。
【0120】
次に、遅延カウンタDCが0となった後のタイミングで遊技球が発射された場合について説明する。上述の如くt5のタイミングで各シャッタ280,290が動作して遊技球が供給されることにより、発射準備が整うこととなる。その後、t6のタイミングにて開放カウンタMCが0となり下流側シャッタ280が阻止状態に切り替わる。検知信号がHIレベルとなったt5のタイミングから1secが経過したt7のタイミングでは、図14(a)に示すように遊技球発射レバー41が回動位置にて保持されているため、図14(b)に示すように検知信号もHIレベルのまま維持される。このため、図14(d),(e)に示すように、遅延カウンタDCに「500」、開放カウンタMCに「250」が再度セットされる。
【0121】
なお、t8のタイミングにて開放カウンタMCが0になるが、このt8のタイミングでは図14(f)に示すように上流側シャッタ290が阻止状態にて維持されているため、発射レール202に遊技球が追加供給されることが回避される。
【0122】
遅延カウンタDCが0になる前のt9のタイミングにて、遊技球発射レバー41を離すことで、同遊技球発射レバー41が初期位置に復帰して遊技球が発射される。このt9のタイミングでは、図14(c)に示すように、遅延カウンタDCが0となっていないが、同遅延カウンタDCは遊技球発射後も減算が継続されt10のタイミングにて0になる。t10のタイミングで遅延カウンタDCが0になった後、遊技球発射レバー41が初期位置から時計回りに回動されることで、発射待機位置WP1に遊技球が供給される。
【0123】
次に、遅延カウンタDCが減算されている最中に、遊技球発射レバー41が連続して操作された場合について説明する。t11のタイミングで遊技球が供給された後、遅延カウンタDCが0になる前のt13のタイミングにて遊技球発射レバー41を離すことで遊技球が発射される。この発射動作に併せて、上流側シャッタ290が許容状態に切り替えられ、図14(g5)に示すように、上流側シャッタ290によって流下が阻止されていた遊技球が下流側シャッタ280側へ移動する。そして、その最下流の遊技球は下流側シャッタ280に当接し、再び流下が阻止されることとなる。
【0124】
その後、遅延カウンタDCが0になる前のタイミングにて遊技球発射レバー41を再度操作すると、同遊技球発射レバー41の動作に併せて、上流側シャッタ290が阻止状態に切り替えられ、上流側シャッタ290と下流側シャッタ280との間に1の遊技球が待機した状態となる。但し、このタイミング(t14のタイミング)においては図14(c)に示すように遅延カウンタDCが0でないため、検知信号がHIレベルになっても下流側シャッタ280が許容状態に切り替えられることはない。故に、上記待機中の遊技球の流出は不可となる。遊技球発射レバー41を発射準備位置にて保持した状態にて遅延カウンタDCの値が0になると、同遅延カウンタDCが0になったタイミング(t15のタイミング)にて、下流側シャッタ280が許容状態に切り替えられ、上記遊技球の流出が許容される。これにより、発射待機位置WP1に遊技球が供給され、図14(g7)に示すように、遊技球の発射が可能となる。
【0125】
発射レール202に遊技球が供給され、同遊技球の発射が可能な状態となった後は、任意のタイミング(例えばt16のタイミング)にて遊技球発射レバー41を離すことで、遊技球が発射される。このように、少なくとも遅延カウンタDCが0になるまで、遊技球の供給を不可とすることにより、t13のタイミングからt15のタイミングの間は、遊技球の供給を待つ必要が生じる。
【0126】
以上詳述した第1の実施の形態によれば以下の優れた効果を奏する。
【0127】
遊技球を発射する際には、遊技球発射レバー41を指等で押し下げることにより、遊技球が供給される。その後、遊技球発射レバー41から指を離すことによりコイルバネ216の付勢力によって発射槌201が回動し、遊技球が遊技領域PE(詳しくは誘導レール100)に向けて発射される。このようないわゆる手打ち式のパチンコ機10においては、遊技球の発射間隔が遊技者の意思や技量等に依存することで、例えば遊技球の発射間隔を短縮して単位時間に取得可能な遊技球の数を増やすといった試みがなされると想定される。仮にこのような発射間隔の短縮による獲得遊技球数の増加が許容されると、遊技者の射幸心を過度に煽ることとなり、健全な遊技ホールの運営に支障を来たすと懸念される。この点、本実施の形態によれば、シャッタ機構270及び電源・発射制御装置193によって単位時間あたりの遊技球の発射回数が予め定められた回数よりも少なくなるように規制される。これにより、上記不都合を払拭し、遊技の健全性を高めることができる。
【0128】
例えば、遊技球発射レバー41の操作を不可とロック状態と同操作を許容するロック解除状態とに切り替え可能なロック装置等を設け、遊技球が発射された後は暫くの間、遊技球発射レバー41の回動操作を不可とする構成を採用することにより、上述した遊技の健全性向上に貢献することも可能である。しかしながら、このような構成を採用した場合、例えば遊技球発射レバー41を下方へ押したままロック解除を待つといった操作が行われると想定され、繰り返しの操作対象となる遊技球発射レバー41やロック装置に生じる負荷が大きくなると想定される。これは、遊技球発射レバー41やロック装置の変形や破損等を招来し遊技球の円滑な発射を妨げる要因となり得るだけでなく、発射規制機能の低下を招来する要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴に示すように球送装置203からの遊技球の供給を遅らせることにより遊技球の発射を規制する構成を採用すれば、遊技球発射レバー41やシャッタ機構270を保護し、発射規制機能を好適に担保することが可能となる。
【0129】
遅延カウンタDCを用いて所定期間内の遊技球の供給を不可とし、遊技球の供給を契機として同遅延カウンタDCの減算を開始する構成とした。これにより、単位時間での遊技球の発射回数を規制しつつ、遊技球の発射タイミングの自由度が低下することを抑制している。例えば、遊技球の発射を契機として一定の期間が経過するまで、遊技球の供給を不可とする構成を採用した場合、少なくともその一定期間は遊技球の発射及び供給が規制される。この点、本実施の形態によれば、特定期間が経過するまで次の遊技球の供給が不可となるだけで、供給済み遊技球をどのタイミングで発射するかは任意となる。つまり、供給済みの遊技球の発射を控えて、次の遊技球の供給が許容されるまで待った後、同供給済みの遊技球を発射すれば、次の遊技球は直ちに供給されるため、一時的に発射間隔を縮めることができる(例えば連射することができる)。これにより、発射タイミングの自由度を高めつつ、遊技の健全性確保に貢献することができる。
【0130】
下流側シャッタ280と上流側シャッタ290とを併用することにより、発射待機位置WP1に遊技球が供給されているにもかかわらず後続の遊技球が追加供給されることを好適に抑制できる。特に、複数の遊技球が発射レール202上に溜まると、遊技球を発射したとしても、意図した位置に遊技球が到達しなくなるばかりか、それら遊技球が遊技領域PEに届かなくなると想定される。これは、円滑な遊技の進行を妨げる要因となるため好ましくない。この点、上述の如く、複数の遊技球が発射レール202上に溜まることを抑制することで、それら各種不都合を好適に払拭することができる。
【0131】
特に下流側シャッタ280と上流側シャッタ290とは、遊技球1個分を隔てて配置されている。このため、遊技球発射レバー41が操作され上流側シャッタ290が阻止状態に切り替わっている場合には、下流側シャッタ280が開閉を繰り返したとしても複数の遊技球が流出することはない。これにより、遊技者が遊技球発射レバー41を回動させた位置にて保持している状態での下流側シャッタ280の動作を許容することができる。つまり、必ずしも下流側シャッタ280の動作を制限する必要がない。故に、発射制御処理の簡略化及び電気的構成の簡略化に貢献できる。
【0132】
上流側シャッタ290と発射槌201とを連動杆295によって連結し、遊技球発射レバー41の動作に追従して同上流側シャッタ290が動作する構成とした。下流側シャッタ280と同様にソレノイド等の動力部を設けることで、同様の動きを実現することもできるが、無駄に動力部を増やすことは電気的構成等の複雑化を招くため好ましくない。特に、上流側シャッタ290が遊技球発射レバー41の動きに追従すれば足りる点に着目すれば、必ずしも上記ソレノイド等の構成が必要にはならない。そこで、上述の如く連動杆295を用いることで、遊技球発射レバー41が操作された際の動力を利用して上流側シャッタ290を駆動させることにより、電気的構成の複雑化を抑えつつ遊技進行の円滑化に貢献することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
【0133】
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、遊技球発射機構における遊技球の発射規制に関する構成が上記第1の実施の形態と異なっている。以下、図15に基づきその発射規制に関する構成について説明する。図15は、遊技球発射機構500の概略図である。なお、図15においては球送装置503を一部破断させてその内部構造を視認可能としている。
【0134】
遊技球発射機構500は、上記遊技球発射機構110と類似の構成を備えている。具体的には、発射槌501,発射レール502,球送装置503,ベースプレート504,球ストッパ505を備えている。これら各種構成のうち発射レール502,ベースプレート504,球ストッパ505については、上記発射レール202,ベースプレート204,球ストッパ205と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0135】
上記第1の実施の形態においては、連動杆295を用いて発射槌201と上流側シャッタ290とを連動させたが、本実施の形態においては連動杆295及びそれに付随する構成が省略されている。これら連動杆295等の省略に伴って本実施に形態における発射槌501には以下の変更がなされている。すなわち、取付部511の周縁部分から放射方向に突出する突出部518が設けられており、この突出部518を前後に挟むようにして検知センサ599が配さている。検知センサ599は発光素子と受光素子とを有しており、両素子の一方が突出部518の前側、他方が突出部518の後側となるようにしてベースプレート504に固定されている。検知センサ599は、電源・発射制御装置600に対して電気的に接続されており、発射槌501が初期位置から移動した場合にはHIレベル信号を、移動していない場合にはLOWレベル信号を出力する。この検知信号に基づいて、球送装置503が駆動制御されることにより、発射レール502への遊技球の供給が規制されることとなる。
【0136】
球送装置503のケース体551には、上記第1の実施の形態と同様に、第1通路部553,第2通路部554,第3通路部555からなる供給通路552が形成されている。第2通路部554(詳しくは底板部557)の途中位置には開口部558が設けられており、同底板部557においてその開口部558よりも下流側となる部分(以下便宜上、下流側底板部557aと称する)は、同開口部558よりも上流側となる部分(以下便宜上、上流側底板部557bと称する)よりも上位となるように形成されている。
【0137】
開口部558には、検知センサ599の検知情報に基づいて動作する可動通路570が配されており、当該開口部558からの遊技球の流出が阻止されている。可動通路570は、第2通路部554の一部を形成する通路形成部材571と、同通路形成部材571の下方に配されているとともに当該通路形成部材571を上下に移動させるソレノイド572とを有してなり、同ソレノイド572がケース体551に固定されることで同ケース体551に対して一体化されている。
【0138】
通路形成部材571は上下に延びる略柱状をなしており、開口部558を通過可能に形成されている。通路形成部材571の上面572aは、開口部558よりも下位に位置しており、第2通路部554の通路領域と対向している。この上面572aは、遊技球を載置可能となる大きさを有しているため、開口部558に到達した遊技球は、同開口部558と通路形成部材571とによって形成された窪みに嵌まった状態、詳しくは通路形成部材571の上面に載った状態となる。
【0139】
また、通路形成部材571の上面572aは、第2通路部554(詳しくは底板部557)と同じ方向に傾斜している。このため、上面572aに載った遊技球は、下流側底板部557a側、すなわち第3通路部555側へ向けて付勢された状態となっており、上記下流側底板部557aにおける上流側の端部に当接した状態で待機することとなる。
【0140】
通路形成部材571は、ソレノイド572から上方に突出したプランジャ573の上端部分に固定されている。ソレノイド572は、電源・発射制御装置600に電気的に接続されており、同電源・発射制御装置600から駆動信号が入力されることで励磁され、上記プランジャ573が通路形成部材571等の重みに抗して上昇する。ソレノイド572が励磁された際のプランジャ573の上方への移動量は、通路形成部材571の上面571aが上記下流側底板部557aよりも上位となる位置に達するように設定されている。
【0141】
なお、第2通路部554の天壁部559において通路形成部材571と対向している部分は上方に拡がっており、同通路形成部材571が遊技球を載せた状態で上昇した場合に、同遊技球と天壁部559とが干渉することが抑制されている。
【0142】
ここで、図16に基づき、遊技球発射機構500の動作について簡単に説明する。図16は遊技球発射機構500の動作を示す概略図であり、遊技球発射レバー41が操作されることで図16(a)→図16(b)→図16(c)図16(d)の順に動作する。
【0143】
図16(a)に示すように、上皿33から球送装置503内に流入した遊技球群は、開口部558に嵌まっている遊技球を先頭として一列に並んだ状態で待機し、発射レール502への遊技球の供給が阻止されている。遊技球発射レバー41が初期位置に待機している状態では、発射槌501(詳しくは突出部518)によって検知センサ599の光の授受が遮られている。これにより、可動通路570は阻止位置にて留まるため、上述の如く待機している遊技球が、球送装置503から流出することはない。
【0144】
図16(b)に示すように、遊技球発射レバー41が押し下げられると、同遊技球発射レバー41に追従して発射槌501が発射方向とは反対(パチンコ機10の正面視にて時計回り方向)へ回動する。発射槌501が回動することで、突出部518が検知センサ599から遠ざかり、検知センサ599の遮蔽状態が解除される。これにより、検知センサ599から電源・発射制御装置600にHIレベルの信号が出力され、この検知信号に基づいて同電源・発射制御装置600から可動通路570(詳しくはソレノイド572)に駆動信号が出力される。駆動信号が入力されたソレノイド572は、励磁された状態となり、プランジャ573が押し上げられる。プランジャ573が上昇することで、通路形成部材571の上面572aが下流側底板部557aよりも上位となる位置に移動する。この結果、上面572a上に載っていた遊技球が、同上面572aの傾斜に沿って流下し、第3通路部555側へ移動する。その後、駆動信号が停止することで、ソレノイド572の励磁状態が解除され、プランジャ573及び通路形成部材571が降下する。これに伴って通路形成部材571の上面571aが上流側底板部557bよりも下位となる位置に移動し、図16(c)に示すように後続の遊技球が開口部558へ流入する。これにより、同遊技球が上面572aに載った状態で待機することとなる。
【0145】
なお、図16(a)→図16(b)への移行時には、上流側底板部557b上に載っていた後続の遊技球は、通路形成部材571の側壁面571bに当接することで、下流側への移動が阻止される。また、図16(b)→図16(c)への移行時には、側壁面571bが上流側底板部557bよりも低位となる位置へ移動することで、同側壁面571bに当接していた遊技球が、開口部558を通じて上面572a上へ移動することとなる。つまり、通路形成部材571の側壁面571bには、遊技球の流下を阻止する阻止機能が付与されており、可動通路570が1往復した際に、複数の遊技球が流出することを回避している。
【0146】
図16(c)に示すように遊技球が発射待機位置WP2へ到達することで、遊技球の発射準備が整った状態となる。その後、図16(d)に示すように、遊技球発射レバー41を離すことにより、同遊技球発射レバー41及び発射槌501が初期位置へ復帰し、遊技球が発射レール502に沿って発射されることとなる。
【0147】
本実施の形態では、球送装置の発射制御に関する電気的構成が上記第1の実施の形態と相違している。詳しくは、電源・発射制御装置の構成が相違している。以下、図17に基づきその相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
【0148】
電源・発射制御基板601は、電源部621と発射制御回路622とを備えている。発射制御回路622は、遊技球発射レバー41の操作に応じた遊技球発射機構500の発射制御、詳しくは球送装置503の駆動制御を担うものであり、所定の条件が整っている場合に遊技球の供給を許容する。
【0149】
発射制御回路622には、演算装置であるMPU631が搭載されている。MPU631には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。発射制御回路622の入力側には、検知センサ599が接続されている。一方、発射制御回路622の出力側には、払出制御基板422等の各種基板や、ソレノイド572等が接続されている。
【0150】
また、MPU631には、当該MPU631により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM632と、そのROM632内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM633と、遊技球の発射を検知する発射検知回路634,タイマ回路,データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
【0151】
RAM633には、可動通路570(詳しくはソレノイド572)を駆動する際に用いられる遅延カウンタエリア633aと、発射検知フラグエリア633bとが設けられている。
【0152】
ここで、発射検知フラグエリア633bと発射検知回路634との関係について説明する。発射検知回路634は、検知センサ599からの入力信号に基づいて、遊技球が発射されたか否かを常時監視する機能を有している。具体的には、検知信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がった場合に、遊技球の発射が行われたと認識し、その旨のフラグ(発射検知フラグ)を発射検知フラグエリア633bに格納する。なお、パチンコ機10の電源投入時には、電源投入時立上処理にて発射検知フラグエリア633bに発射検知フラグが格納される。
【0153】
発射検知フラグエリア633bに格納される発射検知フラグと遅延カウンタエリア633aに格納される遅延カウンタの値は、共に遊技球の供給を許容する条件を構成している。遅延カウンタの値は、MPU631から更新命令が下されることに基づいて更新される。より詳しくは、遅延カウンタは、その更新の都度前回値から1減算され、その値が0に達した場合には所定の条件に基づいて最大値に戻るループカウンタとなっており、発射制御処理にて更新される。MPU631は遊技球の発射操作に際し、発射検知フラグエリア633bのフラグの有無及び遅延カウンタのカウンタ値を用いて、発射待機位置WP2への遊技球の供給を制御する。
【0154】
ここで、図18のフローチャートを参照して、第2の実施の形態における発射制御処理について説明する。なお、本発射制御処理は、上記第1の実施の形態における発射制御処理と同様に、2msec周期で実行される定期処理である。
【0155】
発射制御処理では、先ずステップS201にて発射検知フラグエリア633bに発射検知フラグが格納されているか否かを判定する。発射検知フラグが格納されていない場合には、ステップS201にて否定判定をし、ステップS202に進む。ステップS202では、遅延カウンタが0であるか否かを判定する。遅延カウンタが0である場合にはそのまま本処理を終了し、遅延カウンタが0でない場合にはステップS203にて遅延カウンタ更新処理として遅延カウンタを1減算した後、本発射制御処理を終了する。
【0156】
一方、発射検知フラグが格納されている場合には、ステップS201にて肯定判定をし、ステップS204に進む。ステップS204では、検知センサ599から入力されている信号がHIレベルであるか否かを判定する。検知センサ599からの入力信号がHIレベルでない場合、すなわちLOWレベルである場合にはステップS202に進み、遅延カウンタが0であるか否かを判定する。遅延カウンタが0である場合にはそのまま本処理を終了し、遅延カウンタが0でない場合にはステップS203にて遅延カウンタ更新処理として遅延カウンタを1減算した後、本発射制御処理を終了する。
【0157】
検知センサから入力されている信号がHIレベルである場合には、ステップS204にて肯定判定をし、ステップS205に進む。
【0158】
ステップS205では、遅延カウンタが0であるか否かを判定する。遅延カウンタが0でない場合には、ステップS205にて否定判定をしてステップS203に進み、遅延カウンタを1減算した後、本発射制御処理を終了する。
【0159】
遅延カウンタが0でない場合には、ステップS205にて肯定判定をし、ステップS206に進み、可動通路駆動処理を実行する。可動通路駆動処理では、予め定められた期間、ソレノイド572へ駆動信号を出力する。これにより、ソレノイド572が励磁されて通路形成部材571が上昇し、同通路形成部材571の上面572aに載っている遊技球が第3通路部555へ流入する。これにより、発射レール502へ遊技球が供給される。その後、駆動信号の出力が停止することでソレノイドが非励磁状態となり、通路形成部材571が降下する。これにより、次に供給される遊技球が上面572aに載ることとなる。
【0160】
ステップS207にて駆動処理を行った後は、ステップS207に移り、遅延カウンタに「500」をセットする。これにより、遅延カウンタが0になるまでの期間(1sec)は次の遊技球の供給が不可となる。
【0161】
ステップS207にてカウンタを更新した後は、ステップS208に移り、発射検知フラグを消去して本発射制御処理を終了する。
【0162】
ここで、遊技球の発射操作が行われる場合の発射制御の様子について、図19のタイミングチャートを参照しながら説明する。図19(a)は遊技球発射レバー41の状態を示し、図19(b)は検知センサ599からの入力信号を示し、図19(c)は発射検知フラグの有無を示し、図19(d)は遅延カウンタのカウント数を示し、図19(e)は可動通路の位置を示し、図19(f)は発射待機球の有無を示している。
【0163】
先ず、遅延カウンタDCが0になった後のタイミングで遊技球が発射された場合について説明する。
【0164】
遊技球発射レバー41が初期位置から時計回りに回動され、同遊技球発射レバー41の回動量が所定値に達すると、図19(b)に示すようにt1のタイミングにて発射槌501の突出部518による検知センサ599の遮蔽が解除され、同検知センサ599からの検知信号がHIレベルとなる。検知信号がHIレベルとなり、且つ発射検知フラグが格納されていることで、可動通路570に駆動信号が出力される。これにより、可動通路570の通路形成部材571が上昇し、同通路形成部材571上に待機していた遊技球が、第3通路部555へ流入する。これにより、発射レール502に遊技球が供給される。
【0165】
遊技球供給後1secが経過したt21のタイミングにて遅延カウンタDCが0となり、次の遊技球を供給するための2つ条件(検知信号=HI,遅延カウンタDC=0)が満たされる。しかしながら、このt21のタイミングにおいては、未だ発射待機位置WP2に遊技球が待機しており、発射検知フラグが格納されていない。このため、3つの条件が全て満たされているわけではなく、次の遊技球が追加供給されることはない。
【0166】
その後、t22のタイミングにて遊技球発射レバー41を離すことで、同遊技球発射レバー41及び発射槌501が初期位置に復帰し、遊技球が発射される。この際、検知信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がることで、発射検知フラグが上記発射検知フラグエリア633bに格納される。これにより、遊技球を許容するための2つの条件(発射検知フラグ有り,遅延カウンタDC=0)が満たされる。しかしながら、このt22のタイミング、すなわち発射検知フラグが格納されたタイミングでは、検知センサ信号がLOWになるため、3つの条件全てが満たされるわけではない。このため、次の遊技球の供給が回避される。
【0167】
遊技球を発射した後、再び遊技球発射レバー41を操作した場合には、t23のタイミングにて検知信号がHIレベルとなる。この結果、遊技球をの供給するための3つの条件が満たされることとなる。これにより、可動通路570のソレノイド572へ駆動信号が出力され、可動通路570の通路形成部材571が上昇して発射レール502へ遊技球が供給される(図19(d)参照)。また、t23のタイミングにおいては、遅延カウンタDCに再び「500」がセットされ、所定期間内(1sec)での次の遊技球の供給が不可となる。
【0168】
次に、遅延カウンタDCが0になる前のタイミングで遊技球が発射された場合について説明する。
【0169】
t23のタイミングにて、遊技球が供給された後は、遅延カウンタDCが徐々に減少する。遅延カウンタDCの値が0になるよりも前のタイミングにて、遊技球発射レバー41を離すと、遊技球が発射される。この際、検知信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がることで発射検知フラグが発射検知フラグエリアに格納される。この後も、遅延カウンタDCの値が0となるt25のタイミングまでは、次の遊技球の供給が不可となる。
【0170】
その後、再び遊技球発射レバー41を操作することで、t26のタイミングにて、検知信号がHIレベルとなり、遊技球を供給するための3つの条件が全て満たされることとなる。これにより、可動通路570のソレノイド572へ駆動信号が出力され、可動通路570の通路形成部材571が上昇して発射レール502へ遊技球が供給される(図19(d)参照)。また、t26のタイミングにおいては、遅延カウンタDCに再び「500」がセットされ、所定期間内(1sec)での次の遊技球の供給が不可となる。
【0171】
遅延カウンタDCのカウントダウンが継続されている最中に、遊技球発射レバー41が連続して操作された場合について説明する。t26のタイミングで遊技球が供給された後、遅延カウンタDCが0になる前のt27のタイミングにて遊技球発射レバー41を離すことで遊技球が発射される。この発射動作に併せて、検知センサ599が遮蔽された状態となり、検知信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がる。この立ち下がりが、発射検知回路によって検知され、発射検知フラグエリアに発射検知フラグが格納される。これにより、次の遊技球を供給するための3つの条件のうち1の条件が満たされることとなる。
【0172】
次に、遅延カウンタDCが0になる前のタイミングにて、遊技球発射レバー41が再び操作されると、t28のタイミングで検知信号がLOWレベルからHIレベルに変化し、遊技球発射のための2つ目の条件が満たされる。しかしながら、このt28のタイミングでは遅延カウンタDCが0となっていないため、3つの条件が全て満たされるわけではない。このため、遊技球の供給が不可のままとなる。その後、遊技球発射レバー41を回動させたまま保持していると、t29のタイミングにて遅延カウンタDCが0となり、遊技球を供給するための3つの条件が満たされる。これにより、可動通路570のソレノイド572へ駆動信号が出力され、可動通路570の通路形成部材571が上昇して発射レール502へ遊技球が供給される(図19(d)参照)。
【0173】
また、t29のタイミングにおいては、遅延カウンタDCに再び「500」がセットされ、次の遊技球の供給が所定期間(1sec)不可となる。その後、t30のタイミングにて遅延カウンタDCが再び0となり、t31のタイミングにて遊技球発射レバー41を離すことで、遊技球が発射される。このように遊技球を発射した時点で、遊技球を供給するための3つの条件のうち2つが満たされた状態となる。このため、次の遊技球の発射する場合には、遊技球発射レバー41を回動させることで検知信号がHIレベルとなり、遊技球を供給するための3つの条件が直ちに満たされることとなる。故に、遊技球の供給が遅延されるととがなく、続けて遊技球を発射することができる。
【0174】
以上詳述した第2の実施の形態によれば以下の優れた効果を奏する。
【0175】
遊技球発射レバー41の操作タイミングによって遅延期間が間延びすることを抑制することができる。
【0176】
特に、1の遊技球が発射待機位置WP2に供給されている状態にて次の遊技球の供給が許容されるタイミング、すなわち遅延カウンタDCが0になるタイミングを見計らって供給済みの遊技球を発射することで、次の遊技球の発射を直ちに発射することが可能となる。つまり、遊技球を必ず一定の間隔を保って発射する必要がなく、あるタイミングでは遊技球の発射を控え、別のタイミングにて遊技球を連射することが可能となる。これにより、単位時間あたりの遊技球発射回数を規制しつつ、同単位時間内での発射タイミングの自由度を好適に高めることができ、実用上好ましい構成を実現できる。
【0177】
可動通路570よりも下流側となる下流側底板部557aを同可動通路570よりも上流側となる上流側底板部557bよりも上位となるように形成した。これにより、可動通路570の通路形成部材571が上下に移動する際、同通路形成部材571よりも上流側に位置する遊技球が通路形成部材571の上面571aを経由して一気に第3通路部555へ流入することを抑制できる。具体的には、上面571aが上流側底板部557bと同一面上となる位置に到達した場合、上面571aに載っている遊技球が下流側底板部557aに当接した状態のまま維持される。このため後続の遊技球が上面571aに載ることはない。これにより、可動通路570が1度駆動することで、確実に1の遊技球のみを供給することができる。
【0178】
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、遊技球発射機構における遊技球の発射規制に関する構成が上記第1の実施の形態及び上記第2の実施の形態と異なっている。以下、図20に基づきその発射規制に関する構成について説明する。図20は、遊技球発射機構700の概略図である。なお、図20においては球送装置を一部破断させてその内部構造を視認可能としている。
【0179】
遊技球発射機構700は、上記遊技球発射機構500と類似の構成を備えている。具体的には、発射槌701,発射レール702,球送装置703,ベースプレート704,球ストッパ705を備えている。これら各種構成のうち発射レール702,ベースプレート704,球ストッパ705については、上記発射レール202,ベースプレート204,球ストッパ205と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0180】
上記第1の実施の形態においては、連動杆295を用いて発射槌201と上流側シャッタ290とを連動させたが、本実施の形態においては上記第2の実施の形態と同様に連動杆295及びそれに付随する構成が省略されている。これら連動杆295等の省略に伴って本実施に形態における遊技球発射機構700には以下の変更がなされている。ベースプレート704には発射待機位置WP3に待機している遊技球を検知する球検知センサ749が固定されている。球検知センサ749は、発光素子と受光素子とを有しており、両素子の一方が発射待機位置WP3の前側、他方が同発射待機位置WP3の後側となるよう配置されている。球検知センサ749は、電源・発射制御装置800に対して電気的に接続されており、遊技球が発射待機位置に待機している場合にはLOWレベル信号を、待機していない場合にはHIレベル信号を出力する。この検知信号に基づいて、球送装置703が駆動制御されることにより、発射レール702への遊技球の供給が規制されることとなる。
【0181】
球送装置703のケース体751には、上記第1の実施の形態と同様に、第1通路部753,第2通路部754,第3通路部755からなる供給通路752が形成されている。第2通路部754(詳しくは天壁部757)と第3通路部755との境界部位には開口部758が設けられている。
【0182】
開口部758には、第2通路部754から第3通路部755へ流れる遊技球を第2通路部754の出口部分にて一旦停止させるための球止め手段として回転体770が設けられている。回転体770は、略円板状をなし、両板面が通路方向と平行となるようにして配置されているとともに、その一部が供給通路752内に突出している。また、回転体770は、その中心がステッピングモータ775の出力軸に固定された状態でケース体751に一体化されている。ステッピングモータ775の出力軸が所定方向に回転駆動されることで、回転体770は同所定方向に回転することとなる。
【0183】
ステッピングモータ775の出力軸は、1パルスの駆動信号を与えることにより1step進み、360パルスの駆動信号を与えることにより1回転するように設定されている。なお、回転体770及びステッピングモータ775はケース体751内に収容されている。
【0184】
回転体770の外周部771には、180°間隔で2箇所に、凹部771aが形成されている。回転体770が回転していない場合、すなわち遊技球の供給が停止し、球送装置703内に遊技球が待機している状態では、第2通路部754の最下流に位置する遊技球が同回転体770の外周部771、詳しくは凹部771aを除いた部位に当接した状態となり、同遊技球の流下が一旦停止される。また、回転体770が回転している場合には、凹部771a内に入り込んだ遊技球のみが第3通路部755に導出される。
【0185】
ここで、遊技球発射機構700の動作について簡単に説明する。
【0186】
上皿33から球送装置703内に流入した遊技球群は、回転体770の外周部771に当接している遊技球を先頭として一列に並んだ状態で待機し、発射レール702(詳しくは発射待機位置WP3)への遊技球の供給が阻止される。
【0187】
その後、回転体770が反時計回りに回動することで、遊技球が凹部771aに嵌まり、同回転体770の回動に伴って第3通路部755側へ移動する。この際、後続の遊技球は、回転体770の凹部771aに嵌まることなく、同回転体770の外周部771に当接した状態で待機することとなる。
【0188】
第3通路部755を通じて発射レール702に到った遊技球は、発射レール702に沿って流下し、発射槌701に当接した状態、詳しくは球ストッパ705から僅かに離れた状態で待機する。このように遊技球が発射待機位置WP3に待機することで、球検知センサ749の発光素子から射出された光が遮られることとなり、同球検知センサ749からの検知信号がLOWレベルに切り替る。
【0189】
その後、遊技球発射レバー41を発射準備位置へ向けて回動すると、発射槌701が遊技球から離れ、同遊技球が発射槌701に追従して発射レール702の下流側に移動する。そして、同遊技球は球ストッパ705に当接し、それ以上の流下が妨げられた状態となる。
【0190】
遊技球発射レバー41を離すと、発射槌701が初期位置へ向けて回動し、発射待機位置WP3に待機していた遊技球が発射されることとなる。これにより、球検知センサ749は再び光の授受が許容された状態となり、同球検知センサ749からHIレベル信号が出力されることとなる。
【0191】
本実施の形態では、球送装置の発射制御に関する電気的構成が上記第1の実施の形態及び上記第2の実施の形態と相違している。詳しくは、電源・発射制御装置の構成が相違している。以下、図21に基づきその相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
【0192】
電源・発射制御基板801は、電源部821と発射制御回路822とを備えている。発射制御回路822は、遊技球発射レバー41の操作に応じた遊技球発射機構700の発射制御、詳しくは球送装置703の駆動制御を担うものであり、所定の条件が整っている場合に遊技球の供給を許容する。
【0193】
発射制御回路822には、演算装置であるMPU831が搭載されている。MPU831には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。発射制御回路822の入力側には、球検知センサ749が接続されている。一方、発射制御回路822の出力側には、払出制御基板422等の各種基板や、ステッピングモータ775等が接続されている。
【0194】
また、MPU831には、当該MPU831により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM832と、そのROM832内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM833と、タイマ回路,データ入出力回路などの各種回路とが内蔵されている。RAM833には、回転体770(詳しくはステッピングモータ775)を駆動する際に用いられる遅延カウンタエリア833aが設けられている。
【0195】
ここで、図22のフローチャートを参照して、第3の実施の形態における発射制御処理について説明する。なお、本発射制御処理は、上記第1の実施の形態における発射制御処理と同様に、2msec周期で実行される定期処理である。
【0196】
発射制御処理では、先ずステップS301にて遅延カウンタが0であるか否かを判定する。遅延カウンタが0でない場合にはステップS302にて遅延カウンタを1減算した後、本発射制御処理を終了する。一方、遅延カウンタが0である場合にはステップS303に進む。
【0197】
ステップS303では、球検知センサ749から入力されている信号がHIレベルであるか否かを判定する。球検知センサ749からの入力信号がHIレベルでない場合、すなわち発射待機位置WP3に遊技球が待機している場合にはそのまま本発射制御処理を終了する。一方、球検知センサ749から入力されている信号がLOWレベルである場合、すなわち発射待機位置WP3に遊技球が待機していない場合にはステップS304の回転体駆動処理に進む。
【0198】
ステップS304の回転体駆動処理では、ステッピングモータ775にパルス信号を出力し、回転体770を180°回転させる。これにより、1の遊技球が発射待機位置WP3に供給される。その後、ステップS305にて遅延カウンタに「500」をセットする。これにより、遅延カウンタが0になるまでの期間(1sec)は次の遊技球の供給が不可となる。ステップS305にて遅延カウンタを更新した後、本発射制御処理を終了する。
【0199】
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
【0200】
(1)上記各実施の形態では、球送装置203のシャッタ機構270を制御することにより遊技球の発射を規制する構成とした。すなわち、遊技球の供給を制御することにより同遊技球の発射を規制する構成とした。これを以下のように変更することも可能である。すなわち、遊技球の供給を制御することにより発射規制を行うのではなく、発射操作を制御することにより発射規制を行うことも可能である。例えば、遊技球発射レバー41の操作を阻止する阻止状態と阻止解除状態とに切替可能なロック装置を設け、遊技球が発射された後、所定の期間が経過するまでの間は、ロック装置が阻止状態に維持されることにより次の発射操作が不可となる構成を採用するとよい。
【0201】
但し、遊技球発射レバー41は発射操作の対象となっており、発射操作毎に負荷が加わる部分である。このように発射操作による負荷が加わりやすい部分をロックした場合、その負荷によって遊技球発射レバー41の変形や破損が生じやすくなると想定される。これは、操作性の低下や上記発射規制機能の低下を招くと想定されるため好ましくない。故に、好ましくは、遊技球発射レバー41の操作を不可とするのではなく、遊技球の供給を停止することにより発射を規制するとよい。
【0202】
(2)上記各実施の形態では、遊技球の供給を契機として発射規制期間の計測を開始する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、遊技球の発射を契機として発射規制期間の計測を開始する構成としてもよい。但し、このような変更を行った場合、遊技球の発射タイミングの自由度が低下し得る。このような発射タイミングの自由度の低下は、手打ち式の遊技機の面白みを低下させる要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、遊技球の供給を契機として発射規制期間の計測を開始するとよい。
【0203】
(3)上記第1及び第2の実施の形態では、「検知手段」としての検知センサ299によって遊技球発射機構110(詳しくは連動杆295)の動きを検知する構成としたが、検知センサ299による検知対象を遊技球発射レバー41に変更することも可能である。
【0204】
また、検知手段によって発射槌501が初期位置に復帰したことにより、間接的に遊技球が発射されたと判定する構成としたが、検知手段による検知対象を遊技球とし、同遊技球の発射を直接的に判定することも可能である。例えば、発射待機位置WPにて遊技球を検知する構成としてもよい。しかしながら、遊技球を検知する構成においは、検知精度の向上や検知手段の保護が難しくなると想定される。これは、発射規制機能の向上を妨げる要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、検知手段による検知対象を遊技球以外に設定するとよい。
【0205】
(4)上記第1の実施の形態では、両シャッタ280,290の動作タイミングを若干前後させる構成とすることにより、両シャッタ280,290が共に許容状態となることを抑制した。具体的には、上流側シャッタ290を発射槌201の動きに連動させるとともに、連動杆295と検知センサ299との重なり代(連動杆295の動作方向における重なり代)を遮蔽タイミングが発射槌201の動きに対して遅れるように設定した。つまり、連動杆295と検知センサ299との配置を工夫することで、上記タイミングのずれを実現した。これを変更し、上流側シャッタの動作タイミングと、検知信号の出力タイミングとを揃えるとともに、電源・発射制御装置193から出力される駆動信号の出力タイミングを制御にて遅らせる等することも可能である。
【0206】
(5)上記第1の実施の形態では、上流側シャッタ290と発射槌201とを機械的に繋ぐことで、遊技球の発射操作時の動力を上流側シャッタ290の駆動力として活用したが、これに限定されるものではない。例えば、下流側シャッタ280と同様に、上流側シャッタもソレノイド等の動力源を別途有する構成とすることも可能である。
【0207】
但し、このように、複数のシャッタを有する構成においてそれら両シャッタの動力源を別に設けた場合、構成の煩雑化や制御負荷の増大が懸念される。故に、好ましくは、上流側シャッタを機械式とするとよい。
【0208】
(6)上記各実施の形態では、発射レールに1の遊技球が供給されている場合には後続する遊技球の供給を不可とする構成としたが、これを変更し、後続の遊技球の供給を許容する構成としてもよい。しかしながら、後続の遊技球が発射レール202上に溜まると、発射された遊技球の遊技領域PEに到達が妨げられる可能性が生じる。これは、円滑な遊技機の妨げとなり得るため好ましくない。故に、上記変更を行う場合には、併せて以下の変更を行うことが好ましい。
【0209】
例えば、発射待機位置WPに待機中の遊技球に対して後続する遊技球が同待機中の遊技球に当接した場合に同後続の遊技球を回収する回収通路を設けるとよい。例えば、後続する遊技球が、供給通路252の第3通路部255の出口部分に位置する構成とし、その出口部分にパチンコ機10の後方に貫通する貫通孔を形成する。更に、第3通路部255を流下した遊技球が待機中の遊技球に対してパチンコ機10の後斜め上方から当接するように同第3通路部255を変形することで、上記変更を行うとよい。これにより、後続して供給された遊技球は、待機中の遊技球に対して当接することで、貫通孔へ案内され、複数の遊技球が発射レール202上に滞留することを抑制できる。なお、回収通路を通過した遊技球が例えば下皿34に導かれる構成とすればよい。
【0210】
(7)発射待機位置WPに配された遊技球を視認可能とすることも可能である。これにより、どのタイミングにおいて遊技球が発射可能となるかを好適に把握でき、発射待ちの終了を把握することができる。これにより、発射槌201の空振りを抑制でき、遊技の円滑な進行に貢献できる。
【0211】
(8)上記各実施の形態では、電源・発射制御基板421のMPU451における遅延期間等の計測方法としてカウントダウン方式を採用した。これを変更し、遅延期間等の計測方法としてカウントアップ方式を採用することも可能である。
【0212】
(9)上記各実施の形態では、「駆動制御手段」としての機能を電源・発射制御装置193に付与したが、これと同様の機能を主制御装置133に付与することも可能である。つまり、主制御装置133によって遊技球の発射規制を行ってもよい。
【0213】
(10)上記第1及び第2の実施の形態では、「検知手段」としての検知センサ299からの検知信号は、遊技球発射機構110(詳しくは発射槌201)が初期位置から動いていない場合にはLOWレベルの信号を出力し、初期位置から動いた場合にはHIレベルの信号を出力する構成としたが、これを逆にすることも可能である。すなわち初期位置から動いていないが場合にはHIレベル、初期位置から動いている場合にはLOWレベルの信号を出力する構成としてもよい。
【0214】
(11)上記各実施の形態では、「検知手段」として非接触式の検知センサ299を採用したが、これに限定されるものではない。例えば接触式の検知センサを採用することも可能である。また、磁気センサ等の他の非接触式のセンサを採用することも可能である。
【0215】
(12)上記各実施の形態では、「操作部」としての遊技球発射レバー41を回動式としたが、これに限定されるものではない。例えば、「操作部」をスライド式とすることも可能である。
【0216】
また、「発射部」として発射槌201を有する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば「発射部」としてスライド移動可能に設けられた杆状部材を採用することも可能である。
【0217】
(13)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると制御装置により抽選がなされその結果大当たりに当選した場合に電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置に設けられた複数の領域のうち予め定められた特定の領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
【0218】
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0219】
特徴1.操作部(遊技球発射レバー41)を有し、その操作部が初期状態から発射準備状態となるように操作された後に付勢力によって前記初期状態に復帰する場合に遊技球を発射する発射機構(例えば遊技球発射機構110)と、
単位時間あたりの遊技球の発射数が予め定められた数よりも少なくなるように規制する規制手段(例えば下流側シャッタ280や電源・発射制御装置193等)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0220】
特徴1によれば、発射準備状態に切り替えられた操作部が付勢力によって初期状態に復帰することにより、発射機構から遊技球が発射される。このように操作部の切替操作によって遊技球を発射する構成においては、遊技球の発射間隔が遊技者の意思や技量等に依存し得るため、例えば遊技球の発射間隔を短縮して単位時間に取得可能な遊技球の数を増やすといった試みがなされると想定される。仮にこのような発射間隔の短縮による獲得遊技球数の増加が許容されると、遊技者の射幸心を過度に煽ることとなり、健全な遊技ホールの運営に支障を来たすと懸念される。この点、本特徴においては、規制手段によって単位時間あたりの遊技球の発射数が予め定められた数よりも少なくなるように規制される。これにより、上記不都合を払拭し、遊技の健全性を高めることができる。
【0221】
特徴2.前記発射機構は、
遊技球を予め定められた発射待機位置(例えば発射待機位置WP1)に保持する保持部(例えば発射レール202及び球ストッパ205)と、
前記発射待機位置に遊技球を供給する供給装置(例えば球送装置203)と、
前記発射待機位置にて保持されている遊技球を前記操作部に連動することにより発射する発射部(例えば発射槌201)と
を有し、
前記規制手段は、前記供給装置による前記発射待機位置への遊技球の供給を規制するものであることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
【0222】
特徴2によれば、遊技球の供給を規制する構成とすることにより、規制手段の採用に起因して遊技球の発射に関する構成が煩雑になることを抑制できる。これにより、例えばメンテナンス性の低下を抑えつつ、遊技の健全性を高めることができる。
【0223】
特徴3.前記規制手段は、
前記供給装置からの遊技球の供給を許容する許容状態と阻止する阻止状態とに切替可能に設けられた阻止手段(例えばシャッタ機構270)と、
前記操作部の操作に基づいて、前記許容状態又は前記阻止状態となるように前記阻止手段を駆動制御する駆動制御手段(例えば電源・発射制御装置193)と
を有していることを特徴とする特徴2に記載の遊技機。
【0224】
特徴2に示した構成を実現するには、本特徴に示すように阻止手段と駆動制御手段とを設けるとよい。駆動制御手段によって阻止手段の切り替えを行うことで、遊技球の供給を容易に遅らせることができる。
【0225】
特徴4.前記規制手段は、前記供給装置による遊技球の供給タイミングから予め定められた特定期間が経過するまで次の遊技球の供給を規制するものであることを特徴とする特徴2又は特徴3に記載の遊技機。
【0226】
特徴4によれば、単位時間での遊技球の発射数を規制しつつ、同単位時間内での遊技球の発射タイミングの自由度を高めることができる。例えば、遊技球の発射タイミングから一定の期間が経過するまで遊技球の供給を不可とする構成を採用した場合、その一定期間は遊技球の発射及び供給が規制される。この点、本特徴においては、特定期間が経過するまで次の遊技球の供給が不可となるだけで、供給済み遊技球をどのタイミングで発射するかは任意となる。つまり、供給済みの遊技球の発射を控えて、次の遊技球の供給が許容されるまで待った後、同供給済みの遊技球を発射すれば、次の遊技球は直ちに供給されるため、一時的に発射間隔を縮めることができる(例えば連射することができる)。これにより、発射タイミングの選択自由度を高めつつ、遊技の健全性確保に貢献することができる。
【0227】
なお、特徴3(駆動制御手段を有する構成)との組み合わせにおいては、駆動制御手段によって、阻止手段の許容状態への切り替えが少なくとも上記特定期間が経過するまで不可となるように同阻止手段を制御するとよい。
【0228】
特徴5.前記規制手段は、前記供給装置による遊技球の供給タイミングからの経過期間が前記特定期間となったか否かを判定する経過期間判定手段(例えば電源・発射制御装置193のMPU451におけるステップS105の処理を実行する機能や電源・発射制御装置600のMPU631におけるステップS205を実行する機能)を有し、
前記経過期間判定手段により前記特定期間が経過していないと判定された場合には、遊技球の供給が規制されることを特徴とする特徴4に記載の遊技機。
【0229】
特徴4に示したように特定期間が経過するまで遊技球の供給を規制するには、本特徴に示すように経過期間判定手段を設けるとよい。
【0230】
特に、特徴3(駆動制御手段を有する構成)との組み合わせにおいては、経過期間判定手段によって前記特定期間が経過したと判定されていない場合には駆動制御手段による阻止手段の許容状態への切り替えを不可とすればよい。
【0231】
特徴6.前回の遊技球供給タイミングから予め定められた特定期間が経過したか否かの判定を行う期間判定手段(例えば電源・発射制御装置800のMPU831におけるステップS301の処理を実行する機能)と、
前記発射待機位置に待機している遊技球を検知可能に設けられ、同発射待機位置に遊技球が待機しているか否かを判定可能な球検知手段(球検知センサ749及び電源・発射制御装置800のMPU831におけるステップS303の処理を実行する機能)と、
前記期間判定手段によって前記特定期間が経過したと判定され、前記球検知手段によって前記発射待機位置に遊技球が待機していないと判定された場合に、次の遊技球の供給を行う球供給制御手段と
を備えていることを特徴とする特徴2乃至特徴4のいずれか1つに記載の遊技機。
【0232】
特徴6によれば、単位時間での遊技球の発射数を規制しつつ、同単位時間内での遊技球の発射タイミングの自由度を高めることができる。例えば、遊技球の発射タイミングから一定の期間が経過するまで遊技球の供給を不可とする構成を採用した場合、その一定期間は遊技球の発射及び供給が規制される。この点、本特徴においては、特定期間が経過するまで次の遊技球の供給が不可となるだけで、供給済み遊技球をどのタイミングで発射するかは任意となる。つまり、供給済みの遊技球の発射を控えて、次の遊技球の供給が許容されるまで待った後、同供給済みの遊技球を発射すれば、次の遊技球は直ちに供給されるため、一時的に発射間隔を縮めることができる(例えば連射することができる)。これにより、発射タイミングの選択自由度を高めつつ、遊技の健全性確保に貢献することができる。
【0233】
また、手打ち式の遊技機においては、操作部がどのタイミングで発射準備状態に切り替えられ、またどのタイミングで初期状態に切り替えられるか(すなわちどのタイミングで遊技球が発射されるか)が不確定となる。このため、単に遊技球の供給タイミングを遅らせるだけでは、発射待機位置に遊技球が溜まることで同発射部による遊技球の発射が難しくなると懸念される。この点、本特徴によれば、遊技球が発射待機位置に残っている場合には次の遊技球の供給が規制されるとともに、操作部が発射準備状態に切り替えられていない場合には次の遊技球の供給が規制される。これにより、想定以上の遊技球が供給されて遊技球の発射が困難になるといった不都合を生じにくくすることができる。
【0234】
なお、特に特徴3(阻止手段及び駆動制御手段を有する構成)との組み合わせにおいては、本特徴を「前回の遊技球供給タイミングから予め定められた特定期間が経過したか否かの判定を行う期間判定手段と、前記発射待機位置に待機している遊技球を検知可能に設けられ、同発射待機位置に遊技球が待機しているか否かを判定可能な球検知手段とを備え、前記駆動制御手段は、前記期間判定手段によって前記特定期間が経過したと判定され、前記球検知手段によって前記発射待機位置に遊技球が待機していないと判定された場合に、次の遊技球の供給を行うように前記阻止手段を制御することを特徴とする特徴3に記載の遊技機」と置き換えることも可能である。
【0235】
特徴7.前記規制手段は、
遊技球が前記発射待機位置に待機中であるか否かを判定する待機球判定手段(電源・発射制御装置600のMPU631におけるステップS201の処理を実行する機能)と、
前記操作部が前記発射準備状態に切り替えられているか否かを判定する切替状態判定手段(電源・発射制御装置600のMPU631におけるステップS204の処理を実行する機能)と
を有し、
更に、前記規制手段は、前記待機球判定手段により遊技球が待機していないと判定され、前記切替状態判定手段により前記操作部が前記発射準備状態に切り替えられていると判定され、更に前記経過期間判定手段により前記経過期間が前記特定期間となっていると判定された場合に、前記供給装置による前記発射待機位置への遊技球の供給を許容することを特徴とする特徴5に記載の遊技機。
【0236】
手打ち式の遊技機においては、操作部がどのタイミングで発射準備状態に切り替えられ、またどのタイミングで初期状態に切り替えられるか(すなわちどのタイミングで遊技球が発射されるか)が不確定となる。このため、単に遊技球の供給タイミングを遅らせるだけでは、発射待機位置に遊技球が溜まることで同発射部による遊技球の発射が難しくなると懸念される。この点、本特徴によれば、遊技球が発射待機位置に残っている場合には次の遊技球の供給が規制されるとともに、操作部が発射準備状態に切り替えられていない場合には次の遊技球の供給が規制される。これにより、想定以上の遊技球が供給されて遊技球の発射が困難になるといった不都合を生じにくくすることができる。
【0237】
特徴8.前記規制手段は、
前記操作部が前記初期状態及び前記発射準備状態の何れの状態であるかを検知可能な検知手段(検知センサ599)と、
前記発射準備状態から前記初期状態への前記操作部の切り替わりが前記検知手段によって検知された場合に切替情報を記憶する切替情報記憶手段(電源・発射制御装置600のRAM633における発射検知フラグを記憶する機能)と
を備え、
前記切替状態判定手段は、前記検知手段によって前記操作部が前記発射準備状態であることが検知されている場合に、同操作部が同発射準備状態であると判定するものであり、
前記待機球判定手段は、前記切替情報記憶手段に切替情報が記憶されている場合に、前記発射待機位置に遊技球が待機していないと判定するものであることを特徴とする特徴7に記載の遊技機。
【0238】
特徴8によれば、検知手段のからの検知情報を利用して、操作部が発射準備状態であるか否かと、発射待機位置に遊技球が存在するか否かとを判定することができる。これにより、例えば操作部用の検知手段と発射待機位置の遊技球用の検知手段とを採用する場合と比較して、規制手段の構成を簡略化することができる。
【0239】
特徴9.前記供給装置は、前記発射待機位置へ遊技球を案内する案内通路部(供給通路252)を有し、
前記阻止手段は、前記案内通路部における所定位置よりも下流側への遊技球の流下を阻止する第1阻止手段であり、
前記案内通路部において前記第1阻止手段よりも上流側に配されているとともに、同第1阻止手段とは個別に設けられ、同第1阻止手段側への遊技球の流下を阻止する阻止状態と、遊技球の流下を許容する許容状態とに切替可能な第2阻止手段(上流側シャッタ290)を備えていることを特徴とする特徴2乃至特徴5のいずれか1つに記載の遊技機。
【0240】
特徴9によれば、別個独立した第1阻止手段及び第2阻止手段を設けることで、複数の遊技球が発射部に溜まることを抑制することができる。特に、手打ち式の遊技機においては遊技球の発射のタイミングを遊技者が任意に遅らせることができるため、単に遊技球の供給を遅らせる構成とした場合には、順次遊技球が供給されて発射待機位置に遊技球が溜まるといった不都合が生じ得る。この点、第2阻止手段によって後続の遊技球の供給を阻止する構成とすれば、上記不都合を容易に払拭できる。これにより、規制手段を有する構成を採用しつつ、それにより遊技球の円滑な発射が妨げられることを抑制できる。
【0241】
特徴10.前記第1阻止手段は、前記阻止状態となることで、前記案内通路部を流下する遊技球に対して下流側から当接するように形成されており、
前記第2阻止手段は、前記第1阻止手段に当接する遊技球に対して後続する遊技球の流下を阻止するものであり、前記操作部が前記初期状態である場合に前記許容状態で維持され、前記操作部が前記発射準備状態である場合に前記阻止状態に維持されることを特徴とする特徴9に記載の遊技機。
【0242】
特徴10によれば、操作部が初期状態である場合に案内通路部へ遊技球が流入すると、第1阻止手段に当接した遊技球を先頭にして遊技球が溜まることとなる。操作部が発射準備状態に切り替えられると、第2阻止手段によって第1阻止手段に当接している遊技球の流下が妨げられることとなる。これにより、第1阻止手段が許容状態に切り替わって遊技球が供給されたとしても、後続の遊技球は案内通路部内に留まることとなる。これにより、遊技球が供給された後、第1阻止手段が許容状態に切り替わったとしても、後続の遊技球が流出することはなく、遊技球が発射待機位置に溜まって同発射部による遊技球の発射が妨げられることを好適に抑制できる。また、第2阻止手段は、操作部が初期状態に切り替えられることで許容状態に復帰するため、案内通路部における第2阻止手段よりも上流側にて遊技球の流れが滞ることを回避できる。
【0243】
特徴11.前記第2阻止手段と前記操作部との間に設けられ、前記操作部の動きを前記第2阻止手段に伝達するリンク機構(例えば連動杆295)を備えていることを特徴とする特徴10に記載の遊技機。
【0244】
特徴10に示したように第2阻止手段が操作部に連動して動作する構成を採用する場合、第2阻止手段用の駆動装置を別途設けるのではなく、操作部が操作された際の動力を利用して第2阻止手段を駆動させるとよい。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。
【0245】
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
【0246】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射レバー41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘89等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【符号の説明】
【0247】
10…遊技機としてのパチンコ機、110…遊技球発射機構、193…規制手段を構成する電源・発射制御装置、201…発射部としての発射槌、202…保持部を構成する発射レール、203…供給装置としての球送装置、205…球ストッパ、252…案内通路部としての供給通路、270…シャッタ機構、280…規制手段を構成する下流側シャッタ、290…第2阻止手段としての上流側シャッタ、201…発射部としての発射槌、451…MPU、453…RAM、453a…各種カウンタエリア、500…遊技球発射機構、570…規制手段を構成する可動通路、600…規制手段を構成する電源・発射制御装置、631…MPU、633…RAM、201…発射部としての発射槌、633a…遅延カウンタエリア、633b…発射検知フラグエリア、WP1,WP2,WP3…発射待機位置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤を枠体に搭載してなる遊技機主部を備えているものがある。遊技機主部には、遊技球発射に際して操作される操作部と、同操作部による発射操作に基づいて遊技球を発射する発射機構とが設けられている。操作部は、初期位置と発射待機位置とに移動可能に設けられているとともに、同初期位置に向けて付勢されている。例えば操作部を指で引っ掛ける等して発射待機位置に移動させた後に同操作部を離すことで、同操作部が初期位置へと移動する。この操作部の動きに連動して発射機構が動作することにより遊技球が遊技領域へ発射される。遊技領域には、入賞口及び入賞装置等の入賞に関する構成や、遊技領域に至った遊技球がそれら入賞口等に適度な確率で入賞するように遊技球の流下経路をばらつかせる釘等の各種構成が配設されている。入賞口等への入賞が発生した場合には予め設定された個数の遊技球が払い出される(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3011197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したタイプの遊技機(いわゆる手打ち式の遊技機)においては、遊技ペースが遊技者の意思や技量等に依存することとなり、例えば遊技球の発射間隔を短くすることで単位時間に取得可能な遊技球の数を増やすといった試みがなされると想定される。仮にこのような発射間隔の短縮による獲得遊技球数の増加が許容されると、遊技者の射幸心を過度に煽ることとなり、健全な遊技ホールの運営に支障を来たすと懸念される。
【0005】
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、手打ち式の遊技機において遊技の健全性を高めることができる遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
【0007】
請求項1記載の発明は、操作部を有し、その操作部が初期状態から発射準備状態となるように操作された後に付勢力によって前記初期状態に復帰する場合に遊技球を発射する発射機構と、単位時間あたりの遊技球の発射数が予め定められた数よりも少なくなるように規制する規制手段とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
手打ち式の遊技機において遊技の健全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。
【図3】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図4】前扉枠の構成を示す背面図である。
【図5】内枠の構成を示す正面図である。
【図6】遊技盤の構成を示す正面図である。
【図7】裏パックユニットの構成を示す正面図である。
【図8】裏パックユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図9】遊技球発射機構及びそれに付随する構成を示す図5の部分拡大図。
【図10】(a)球送装置の内部構造を示す部分破断図、(b)供給通路と発射レールとの位置関係を示す概略図である。
【図11】遊技球発射機構の動作を示す概略図である。
【図12】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図13】発射制御処理を示すフローチャートである。
【図14】遊技球の発射操作に基づく各シャッタの動作タイミングを説明するための説明図である。
【図15】第2の実施の形態における球送装置及びそれに関連する構成を示す概略図である。
【図16】遊技球発射機構の動作を示す概略図である。
【図17】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図18】発射制御処理を示すフローチャートである。
【図19】遊技球の発射操作に基づく可動通路の動作タイミングを説明するための説明図である。
【図20】第3の実施の形態における球送装置及びそれに関連する構成を示す概略図である。
【図21】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図22】発射制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図3はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
【0011】
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
【0012】
外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場の島設備に設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
【0013】
この外枠11によって遊技機主部12が開閉可能な状態で支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
【0014】
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15(図3参照)とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。
【0015】
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
【0016】
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1及び図2を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図3を参照する。図3は、前扉枠14の背面図である。
【0017】
図2に示すように前扉枠14は内枠13における前面側のほぼ全域を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されている。その窓部21には、透明性を有するガラス22が嵌め込まれており、同ガラス22によって遊技領域PEが覆われている。
【0018】
図1に示すように窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、窓部21の左右両側には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、中央のエラー表示ランプ部24に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
【0019】
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導く機能を有している。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。
【0020】
本実施の形態における前扉枠14は内枠13の前面全域を覆っているものではなく、同内枠13の右下部は前扉枠14とは別に形成されたカバー部材40によって覆われている。具体的には、図2に示すように、内枠13における右下の一区画、すなわち下側膨出部32の右方となる部分には、内枠13の回動先端側の下隅部を含んだ一部を覆うようにしてカバー部材40が配されており、これら前扉枠14及びカバー部材40によって内枠13の全域が覆われている。カバー部材40は、内枠13に対して前扉枠14とは独立して固定されており、同前扉枠14が開放された場合であっても、自身の固定位置に留まることとなる。
【0021】
カバー部材40の前面側には、遊技球の発射に際して操作される遊技球発射レバー41が設けられている。遊技球発射レバー41は、カバー部材40に対して回動可能な状態で取り付けられている。遊技球発射レバー41の軸部42は、カバー部材40に形成された貫通孔を通じて同カバー部材40の背面側、すなわち内枠13側に突出している。この突出している部分が後述する遊技球発射機構に連結されており、遊技球発射レバー41が操作された場合に同遊技球発射機構が連動することで遊技球が発射される。
【0022】
前扉枠14の背面には、図2及び図3に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路部51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路部52とが形成されてなる。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路部51と前扉側下皿通路部52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路部51及び前扉側下皿通路部52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路部51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路部52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
【0023】
次に、図4に基づき内枠13について詳細に説明する。図4は内枠13の正面図である。なお、図4においては、図2と同様にパチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
【0024】
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース70を主体に構成されている。樹脂ベース70の前面における回動基端側(図4の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。また、前扉枠14の背面における回動基端側(図3の右側)には、それら支持金具71,72に対応させて突起軸61,62が設けられている。図示は省略するが、支持金具71,72には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61,62が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。つまり、これら支持金具71,72及び突起軸61,62は内枠13に対する組付機構を構成している。
【0025】
内枠13の前面には施錠装置75が設けられている。施錠装置75は、前扉枠14に向けて延びる複数の前扉用鉤部材76を有している。これら前扉用鉤部材76に対応させて、前扉枠14の背面には内枠13側に延びる鉤受け部材63が複数設けられている。前扉用鉤部材76が鉤受け部材63に引っ掛かることにより前扉枠14が閉じた状態で施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
【0026】
樹脂ベース70の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置に一体化されており、その先端部分(鍵穴部分)が上記カバー部材40に設けられた孔部を通じてパチンコ機10の前方に露出している。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すことで内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、同キーを左に回すことで外枠11に対する内枠13の施錠が解除される。
【0027】
樹脂ベース70前面の略中央部分には、遊技盤80を収容する遊技盤収容部73が形成されている。遊技盤収容部73は、パチンコ機10の後方に凹み、遊技盤80を収容する収容空間を区画しており、樹脂ベース70に取り付けられた遊技盤80がその収容空間に嵌まった状態となっている。本実施の形態においては特に、遊技盤80が樹脂ベース70に対して着脱可能に取り付けられており、メンテナンス作業等の容易化が図られている。
【0028】
遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が遊技盤収容部73の開放部分を通じて樹脂ベース70の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。以下、図5に基づき遊技盤80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図5は、遊技盤80の正面図である。
【0029】
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81,可変入賞口82及び入賞役物ユニット83等がそれぞれ取り付けられている。具体的には、遊技領域PEの中央に形成された開口には入賞役物ユニット83が配されており、その入賞役物ユニット83の左右両側に形成された開口には一般入賞口81が配され、それら一般入賞口81及び入賞役物ユニット83よりも下側に形成された開口には可変入賞口82が配されている。一般入賞口81、可変入賞口82及び入賞役物ユニット83に遊技球が入ると、それら遊技球が検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口88が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口88を通って遊技領域PEから排出される。
【0030】
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘89が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘89や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確立で発生するように調整されている。
【0031】
入賞役物ユニット83は、当該入賞役物ユニット83を構成する各種装置等が収容されたケース84を有している。ケース84は、遊技盤80の正面側に開放された箱状をなしており、その内部がパチンコ機10の前方から上記ガラス22を通して視認可能となっている。ケース84は遊技盤80の開口から前方に張り出した状態で同遊技盤80に固定されており、遊技領域PEを流下する遊技球が同ケース84の周壁を乗り越えて当該ケース84の内部に侵入することが回避されている。つまり、ケース84によって遊技領域PEの一部が区画され、その区画された領域、すなわち入賞役物ユニット83内への遊技球の流入が制限されている。
【0032】
ケース84の上部及び左右両側部には遊技球の流入を許容する流入口84aが複数形成されている。それら流入口84aよりも下側には、遊技者に対して付与される特典が相違する複数種の入賞口85,86が設けられている。具体的には、ケース84の下部中央に第1入賞口85が配設されており、同第1入賞口85の左右両側に第2入賞口86が配設されている。
【0033】
流入口84aと入賞口群85,86との間には、それら各入賞口85,86へ遊技球を振り分ける振分部材87が配設されている。振分部材87にはモータが接続されており、同振分部材87はそのモータが駆動することにより予め定められた周期で入賞口85,86の並設方向(左右方向)に揺動可能となっている。各流入口84aから入賞役物ユニット83内へ流入した遊技球は、振分部材87によって第1入賞口85及び第2入賞口86のいずれか一方へ振り分けられることとなる。
【0034】
各入賞口85,86へ入った遊技球は遊技盤80の背面側に設けられた回収通路を通ってパチンコ機10の外部へ排出される。回収通路には、当該回収通路を遊技球が通過した場合に可変入賞口82への遊技球の流入が困難な状態から容易な状態に切り替える切替機構部が設けられている。
【0035】
具体的には、各可変入賞口82には、同可変入賞口82への遊技球の流入を妨げる閉位置と同閉位置に配されている場合よりも遊技球の流入を容易なものとする開位置とに切替可能な可動役物90が設けられている。この可動役物90は、通常は係止部材によって閉位置にて係止された状態となっているとともに、その係止状態を解除する解除操作部にリンク部材を介して繋がっている。解除操作部は回収通路において遊技球が流下する流下領域へ突出しており、入賞役物ユニット83から流入し回収通路を流下する遊技球が当該解除操作部に対して衝突することとなる。このように解除操作部に対して遊技球が衝突することで、可動役物90の係止状態が解除され、可動役物90が開位置へと切り替えられる。
【0036】
また、各可変入賞口82の奥側には、流入した遊技球が衝突することで、可動役物90を閉位置に切り替えるとともに、上記解除状態から係止状態に復帰させる復帰操作部が設けられている。このため、上記第1入賞口85又は第2入賞口86への入賞が発生して可動役物90が開位置へ切り替えられることで遊技球の流入が容易化された状態は、その可変入賞口82へ1の遊技球が流入することで終了する。つまり、可動役物90が閉位置へ復帰し、更なる遊技球の流入が困難になる。
【0037】
なお、各可変入賞口82(詳しくは可動役物90)の切り替えに検知スイッチやアクチュエータ等の電気的構成を適用することも可能である。
【0038】
ここで、入賞役物ユニット83に遊技球が流入した場合の遊技態様に関して簡単に説明する。流入口84aを通じて入賞役物ユニット83内に遊技球が入ると、同遊技球は入賞役物ユニット83内を流下し、振分部材87へ到達する。同遊技球が振分部材87によって第1入賞口85に振り分けられた場合には可動役物90が係止解除状態に切り替えられ、閉じている全ての可変入賞口82(詳しくは可動役物90)が順次開放される。一方、右側の第2入賞口86Rへ遊技球が振り分けられた場合には右寄りに配置された一部の可変入賞口82が開放され、左側の第2入賞口86Lへ遊技球が振り分けられた場合には左寄りに配置された一部の可変入賞口82が開放される。その後、それら開放された可変入賞口82に遊技球が入ると、同遊技球が入った可変入賞口82の可動役物90が閉位置に切り替えられるとともに、所定の遊技球が払い出される。
【0039】
また、遊技盤80には、入賞役物ユニット83等が配された遊技領域PEを区画するようにして内レール101及び外レール102が取り付けられている。それら内レール101及び外レール102は、両者の一部が遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するようにして配置され、両レール101,102によって遊技球を誘導する誘導レール100が構成されている。樹脂ベース70における遊技盤収容部73の下方には、上記遊技球発射レバー41の発射操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。この遊技球発射機構110から発射された遊技球は、両レール101,102により挟まれた領域を通過して遊技領域PEに案内される(図3参照)。なお、遊技球発射機構110及びそれに付随する構成に関しての詳細な説明は後述する。
【0040】
ここで、図3を参照し、内枠13の背面側の構成について簡単に説明する。内枠13(遊技盤80)の背面には、主制御装置ユニット131が搭載されている。
【0041】
主制御装置ユニット131は、合成樹脂製の取付台132を有し、取付台132に主制御装置133が搭載されている。主制御装置133は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)及び電源を監視する機能(停電監視回路)を有する主制御基板と、同主制御基板を収容する基板ボックス134とを具備している。
【0042】
取付台132において遊技盤80の背面と対向している部分には、前記一般入賞口81等の各種入賞口に対応し且つ下流側で1カ所に集合する上記回収通路が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤80の下方に集合する構成となっている。つまり、取付台142には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。また、取付台142には、上記可動役物90用の切替機構部が取り付けられている。
【0043】
遊技盤80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口88についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口88を介して排出通路内に導出される。
【0044】
また、上記回収通路には、各種入賞口に入賞した遊技球を検知する入賞口スイッチが装着されており、それら各種スイッチによって入賞検知機構が構成されている。これら各種スイッチは主制御装置133に対して電気的に接続されており、各スイッチによる検知情報が同主制御装置133に出力される構成となっている。
【0045】
主制御装置ユニット131の上方には、音声ランプ制御装置ユニット141が配されている。音声ランプ制御装置143は、主制御装置ユニット131と同様に、取付台142と音声ランプ制御装置143とを具備する構成となっており、当該取付台142を介して遊技盤80の背面に固定されている。音声ランプ制御装置143は、主制御装置133からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、同音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されてなる。
【0046】
これら音声ランプ制御装置ユニット141と主制御装置ユニット131の一部とは、図3に示すように上記裏パックユニット15によってパチンコ機10の後方から覆われている。以下、図7及び図8に基づき裏パックユニット15について説明する。図7は裏パックユニット15の背面図、図8は裏パックユニット15の分解斜視図である。
【0047】
裏パックユニット15は、図7に示すように、裏パック161を備えており、当該裏パック161に対して、払出機構部162及び制御装置集合ユニット164が取り付けられている。裏パック161は透明性を有する合成樹脂により形成されており、払出機構部162等が取り付けられるベース部171と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部172とを有する。
【0048】
ベース部171には、その右上部に外部端子板173が設けられている。外部端子板173には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技場側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。ベース部171には、保護カバー部172を迂回するようにして払出機構部162が配設されている。具体的には、裏パック161の最上部には上方に開口したタンク181が設けられており、タンク181には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク181の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール182が連結され、タンクレール182の下流側には上下方向に延びるケースレール183が連結されている。ケースレール183の最下流部には払出装置184が設けられている。払出装置184より払い出された遊技球は、当該払出装置184の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿33又は下皿34に案内される。
【0049】
払出機構部162には、裏パック基板187が設置されている。裏パック基板187には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ187aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
【0050】
ベース部74の下端部には、上記制御装置集合ユニット164が取り付けられている。制御装置集合ユニット164は、横長形状をなす取付台191を有し、取付台191に払出制御装置192と電源・発射制御装置193とが搭載されている。これら払出制御装置192及び電源・発射制御装置193は、払出制御装置192がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【0051】
払出制御装置192は、基板ボックス194内に払出装置184を制御する払出制御基板が収容されて構成されている。電源・発射制御装置193は、基板ボックス196内に電源・発射制御基板が収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射レバー41の操作に伴う遊技球の打ち出し(詳しくは球送り)の制御が行われる。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
【0052】
図8に示すようにベース部171を挟んで制御装置集合ユニット164とは反対側となる部分には排出通路盤198が固定されている。排出通路盤198においてベース部171と対向する面には、後方に開放された排出通路199が形成されており、当該排出通路199の開放部がベース部171によって塞がれている。排出通路199は遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した各種入賞口等から排出通路199に導出された遊技球は当該排出通路199を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
【0053】
次に、図5及び図9に基づき上述した遊技球発射機構110及びそれに付随する構成について説明する。図9は遊技球発射機構110及びそれに付随する構成を拡大して示す図5の部分拡大図である。なお、同図9においては、遊技球発射レバー41及びカバー部材40の図示を省略している。
【0054】
図9に示すように、遊技球発射機構110は、所定位置(発射待機位置WP1)に配された遊技球を発射する(打ち出す)発射槌201と、同発射槌201によって発射された遊技球を誘導レール100の入口部分100aへ案内する発射レール202と、上記発射待機位置WP1に遊技球を供給する球送装置203と、それら各種構成が装着されているベースプレート204とを備えている。遊技球発射機構110は、ベースプレート204が樹脂ベース70の前面に対してネジ止めされることにより、遊技機主部12(詳しくは内枠13)に対して一体化されている。
【0055】
発射レール202は、所定の発射角度(打ち出し角度)となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート204に固定されている。具体的には、誘導レール100の入口部分100aが遊技機主部12の回動先端側、詳しくは斜め下方に開放されており、発射レール202は、自身のレール方向の延長線上にその入口部分100aが位置するように、同入口部分100aを向いた状態で固定されている(図5参照)。
【0056】
発射レール202と誘導レール100の入口部分100aとの間には遊技球が通過可能な隙間が形成されており、この隙間よりも下方にはファール球通路が設けられている。仮に発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導レール100内を逆戻りする場合には、それらファール球はファール球通路を介して下皿34に排出される。これにより、ファール球の全てがファール球通路に確実に案内され、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
【0057】
発射レール202の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、上皿33から球送装置203を通じて供給された遊技球を上述した発射待機位置WP1に留める球ストッパ205が配されている。球ストッパ205は、発射レール202に対して遊技球の直径寸法よりも小さな隙間を隔てて対峙しており、上記ベースプレート204に固定されている。発射レール202は上述の如く誘導レール100の入口部分100aに向けて上り傾斜するように傾いた状態で取り付けられており、発射レール202上に供給された遊技球は、同発射レール202に沿って流下し、球ストッパ205に対して発射レール202の傾斜上流側から当接する。これにより、同遊技球が発射待機位置WP1にて保持される。
【0058】
発射レール202の傾斜方向において上記発射待機位置WP1よりも下流側、すなわち発射レール202の下流側への延長上には、上述した発射槌201が配置されている。発射槌201は回動可能な状態でベースプレート204に取り付けられており、その回動中心軸線が発射レール202の延長上から離れるようにして位置に配されている。
【0059】
発射槌201の回動基端部にはベースプレート204に対する取付部211が形成されている。取付部211は樹脂ベース70の前面と対向する平板状をなしており、同取付部211の周縁部には上記発射レール202側に延びるアーム部212が一体成形されている。アーム部212の先端部は、発射レールの延長上、詳しくは発射待機位置WP1の直下流に位置している。
【0060】
アーム部212の先端部分には発射レール202と同一方向に延びる突起213が形成されており、同突起213の先端部が球ストッパ205と発射レール202との隙間を通じて上記発射待機位置WP1に到っている。更に、突起213にはコイルバネ214が挿通されており、同コイルバネ214の先端部分が突起213の先端部から突出している。これにより、発射待機位置WP1に待機している遊技球に対してコイルバネ214が当接可能となっている。
【0061】
また、発射槌201は同発射槌201の回動中心軸線が遊技球発射レバー41の回動中心軸線と同一軸線上となるように配置されており、発射槌201の取付部211には遊技球発射レバー41に形成された凸部に嵌合する嵌合部215が形成されている。それら凸部と嵌合部215とが嵌合することで、発射槌201と遊技球発射レバー41とが一体化されている。特に、発射槌201の嵌合部215と遊技球発射レバー41の凸部とは、上記回動中心軸線の放射方向に延びている。このため、遊技球発射レバー41が回動することで同発射槌201も同一方向に一体となって回動する。
【0062】
ベースプレート204には、当該ベースプレート204の前面から起立し、アーム部212に対して発射レール202側(打出方向の先側)から当接する第1当接部221が形成されている。この第1当接部221に対してアーム部212が当接することにより、発射方向への回動が規制されている。発射槌201の取付部211には、発射槌201を発射方向に向けて付勢する付勢部材としてのコイルバネ216が取り付けられており、同コイルバネ216の付勢力によってアーム部212が第1当接部221に押し付けられた状態となっている。
【0063】
また、ベースプレート204には、アーム部212が上記付勢力に抗して発射方向とは反対側に回動し、その回動量が所定値に達した場合に、同アーム部212と当接する第2当接部222が形成されている。第2当接部222は、第1当接部221と同様に、ベースプレート204の前面から起立しているとともに、アーム部212の回動軌道上に配されている。アーム部212が第2当接部222に当接することによりそれ以上の回動が抑えられる。つまり、発射槌201の回動範囲は、第1当接部221及び第2当接部222によって規定されている。なお、各当接部221,222は、ゴム製のカバー部材によって覆われており、アーム部212が衝突した際に発生する衝撃が抑えられている。
【0064】
発射槌201の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100の順に移動することで遊技領域PEに導かれることとなる。
【0065】
(球送装置203)
ここで、本パチンコ機10においては、球送装置203による発射レール202への遊技球の供給に関して特徴的な構成を備えている。そこで以下、図9及び図10に基づきその特徴的な構成及びそれに関連する構成について説明する。図10(a)は球送装置203の内部構造を示す部分破断図、図10(b)は発射レール202と球送装置203との関係を示す概略図である。
【0066】
図10に示すように、球送装置203は、遊技球の出入口を有する略箱状のケース体251を有している。ケース体251は、合成樹脂からなる複数のケース構成部材が組み合わせられてなり、その内部には遊技球の供給通路252が形成されている。ケース体251の入口251a、すなわち供給通路252の流入口は、前扉枠14側に開口しており、上記上皿33の出口部分に連なっている。
【0067】
供給通路252は、ケース体251の入口251aから下方に延びる第1通路部253と、同第1通路部253の下流側の端部に連なるとともに発射レール202の下流側へ向けて緩やかに下り傾斜する第2通路部254と、同第2通路部254の下流側の端部に連なるとともに下方に延びる第3通路部255とを有している。このように、供給通路252を折り曲げてクランク状とすることにより、供給通路252内に貯留される遊技球群の球圧を低減している。
【0068】
これら各通路部253,254,255は角形の筒状(管状)をなしており、通路幅寸法等が遊技球の直径寸法よりも若干大きく設定されている。これにより、球送装置203内に溜まった遊技球によって、各通路部253,254,255に連なる一条の遊技球列が形成されることとなる。言い換えれば、それら各通路部253,254,255は、同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できないように、すなわち形成される遊技球の列が複数にならないように構成されている。
【0069】
なお、本実施の形態においては、各通路部253,254,255を角形の筒状(管状)としたが、円形の筒状(管状)とすることも可能である。
【0070】
ここで、供給通路252(ケース体251)と発射レール202との位置関係について補足説明する。図10(b)に示すように、供給通路252は、前後にクランクしている。詳しくは、第1通路部253が発射レール202の前方、すなわち前扉枠14寄りに位置しているとともに、第3通路部255が発射レール202の直上に位置しており、これら第1通路部253及び第3通路部255を繋ぐようにして第2通路部254が斜め後方へ延びている。つまり、第2通路部254は発射レール202よりも上側にて同発射レール202から遠ざかるように前方へ傾いており、発射レール202に沿って移動する遊技球の移動経路と供給通路252との干渉が回避されている。
【0071】
第2通路部254の通路長さは、複数の遊技球が待機可能となるように形成されている。第2通路部254の最下流位置には第3通路部255への遊技球の流入を阻止するシャッタ機構270が設けられている。シャッタ機構270は、第2通路部254の上方に配されており、第2通路部254に沿って上流・下流となるように並設された複数のシャッタ280,290を有している。それら各シャッタ280,290は各々の動作態様が相違しているため、以下、下流側のシャッタ280を「下流側シャッタ280」、上流側のシャッタ290を「上流側シャッタ290」として区別して説明する。
【0072】
下流側シャッタ280は、上記電源・発射制御装置193に対して電気的に接続されたソレノイド281を有している。第2通路部254の上方には、下流側シャッタ収容部261が形成されており、ソレノイド281はプランジャ282が第2通路部254側を向いた状態で下流側シャッタ収容部261内に収容されている。プランジャ282は、ソレノイド281内に収容された付勢部材(詳しくはコイルバネ)によって第2通路部254に突出する側へ常時付勢されている。
【0073】
プランジャ282の先端部には、第2通路部254の上側通路壁部257に形成された開口部258を通じて同第2通路部254内に突出可能に形成され、第2通路部254を流下する遊技球に対して下流側から当接する当接部材283が取り付けられている。
【0074】
当接部材283は、プランジャ282が移動することにより、第2通路部254における流下経路と交差し遊技球の流下を阻止する阻止位置と、第2通路部254への突出が抑えられ、遊技球の流下を許容する許容位置とに切替可能となっている。
【0075】
電源・発射制御装置193から電力が供給されてソレノイド281が通電すると、プランジャ282が上記付勢力に抗して上方へ吸引され、当接部材283が許容位置へ移動する。これにより、下流側シャッタ280が、第3通路部255への遊技球の流入を許容する許容状態に切り替えられる。
【0076】
一方、ソレノイド281への電力の供給が行われていない場合には、上記付勢部材の付勢力によってプランジャ282が下がり、下流側シャッタ280が阻止位置にて維持されることとなる。これにより、下流側シャッタ280が第3通路部255への遊技球の流入を阻止する阻止状態に切り替えられる。
【0077】
下流側シャッタ280よりも、遊技球1個分上流側となる位置には上述した上流側シャッタ290が配されている。上流側シャッタ290は第2通路部254内に突出し、遊技同第2通路部を流下する遊技球に対して下流側から当接する当接部材293を有している。当接部材293は、第2通路部254の上方に形成された上流側シャッタ収容部262に収容されることで、そのスライド方向が鉛直方向となるように規定されている。
【0078】
上流側シャッタ290は、発射槌201の円運動を直線運動に変換するリンク機構を介して同発射槌201に連結されている。具体的には、上流側シャッタ290と発射槌201とは、発射槌201に連動して動く連動杆295を介して連なっている。
【0079】
連動杆295は、ベースプレート204の背面側に配置されており、上下に延びている。連動杆295の上端部は上流側シャッタ290に固定されており、同連動杆295と上流側シャッタ290とが一体となって移動する。上流側シャッタ290には、上下に延びる複数の長孔296が形成されており、ベースプレート204に固定されたピン225がそれら長孔296に対してそれぞれ挿通されている。これにより、ベースプレート204と連動杆295とが一体化されているとともに、連動杆295のスライド方向が上流側シャッタ290の動作方向と同一となるように規定されている。
【0080】
連動杆295の下端部は、発射槌201に対して連結されている。具体的には、発射槌201の取付部211には、樹脂ベース70側(後方)に延びる軸部218が形成されており、当該軸部218がベースプレート204に形成された貫通孔を通じて同ベースプレート204の背面側に突出している。軸部218は、当該軸部218の中心軸線から略水平方向に延びるアーム219を有している。アーム219の先端部は、発射槌201の回動中心軸線よりも右側に位置しており、ピン220を介して連動杆295に一体化されている。詳しくは、連動杆295には、水平方向に延びる長孔296が形成されており、その長孔296に対して水平方向への移動が許容された状態でピン220が嵌まっている。
【0081】
発射槌201が初期位置にある場合、当接部材293は許容位置に待機した状態となっている。この状態から発射槌201が発射方向とは反対側(パチンコ機10の正面視において時計回り)に回動すると、連動杆295が下方に引き下げられる。連動杆295が引き下げられると、当接部材293が開口部259を通じて第2通路部254内に突出し、回動量が所定値に達することで(すなわち発射槌201が発射準備位置に達することで)、上流側シャッタ290(詳しくは同当接部材293)が上記阻止位置へと配置されることとなる。
【0082】
このように発射槌201が発射準備位置に移動した状態から初期位置に復帰する場合、同発射槌201が発射方向(パチンコ機10の正面視において反時計回り)に回動すると、連動杆295が上方に押し上げられる。このような連動杆295の移動に追従して、当接部材293が上昇し、第2通路部254への上流側シャッタ290の突出が抑えられることとなる。
【0083】
連動杆295の途中位置、詳しくは発射槌201の回動中心軸線の上方となる位置には、クランク部297が形成されている。クランク部297は、当該連動杆295のスライド方向と交差する方向に延びている。このクランク部297を前後に挟むようにして、検知センサ299が配置されている。検知センサ299は、発光素子と受光素子とを有する光学式のセンサであり、それら一対の素子がクランク部297を挟んで対峙した状態でベースプレート204に固定されている。連動杆295は有色不透明な合成樹脂材料を用いて形成されている。このため、発射槌201が初期位置にある場合には、同クランク部297によって光の授受が遮られた状態となっている。クランク部297の幅寸法は、発射槌201の発射操作がなされた場合に、同発射槌201が上記準備位置に到達するまで(上流側シャッタ290が阻止位置へ到達するまで)検知センサ299の遮蔽が継続されるように設定されている。
【0084】
検知センサ299は電源・発射制御装置193に接続されており、その検知信号(HIレベル信号及びLOWレベル信号)が電源・発射制御装置193に入力される。具体的には、クランク部297によって遮られた状態ではLOWレベル信号が入力され、同クランク部297によって遮られていない状態ではHIレベル信号が入力される。この検知信号に基づいて、下流側シャッタ280の動作が制御される。
【0085】
ここで、図11に基づき、遊技球の発射操作に基づいたシャッタ機構270の動作について説明する。図11はシャッタ機構270の動作説明図であり、(a)→(b)→(c)→(d)の順に動作する。
【0086】
上皿33から球送装置203に案内された遊技球は、ケース体251の入口251aを通過して供給通路252に流入する。供給通路252に流入した遊技球は、第1通路部253から第2通路部254へ移る。この際、図11(a)に示すように下流側シャッタ280が阻止状態となっているため、それら遊技球は、第3通路部255へ流入することなく、下流側シャッタ280に当接している遊技球を先頭とする遊技球列を形成した状態で待機する。
【0087】
図11(b)に示すように遊技球発射レバー41が押し下げられると、遊技球発射レバー41と共に発射槌201が回動し、上流側シャッタ290が阻止状態へと切り替えられる。これにより、第2通路部254にて最下流に位置している遊技球に後続している遊技球、すなわち下流側シャッタ280に当接している遊技球に対して後続している遊技球の流下が上流側シャッタ290によって阻止される。このように上流側シャッタ290が阻止状態に切り替えられた直後に、検知センサ299によって発射槌201の移動が検知され、その検知結果が電源・発射制御装置193にて把握されると、同電源・発射制御装置193から下流側シャッタ280のソレノイド281に駆動信号が出力される。これにより、下流側シャッタ280が許容状態へと切り替えられ、当該下流側シャッタ280と上流側シャッタ290との間に待機していた遊技球(1個)が、第3通路部255を通じて発射レール202上へと落下する。その後、同遊技球は、球ストッパ205に当接することにより発射待機位置WP1にて待機することとなる。
【0088】
なお、図11(b)→図11(c)に示すように、遊技球発射レバー41を押し下げた状態で保持すると、所定期間(本実施の形態においては0.5sec)を経過することにより下流側シャッタ280が許容状態から阻止状態に切り替えられることとなるが、遊技球群は上流側シャッタ290によって止められているため、下流側シャッタ280の動作による影響はない。つまり、供給通路252に待機している遊技球が流出することが回避され、複数の遊技球が発射レール202上に載ることが回避される。
【0089】
図11(b)又は図11(c)に示す状態にて、遊技球発射レバー41から手を離すと、同遊技球発射レバー41及び発射槌201が、コイルバネ216の付勢力によって初期位置に復帰する。この際、先ず検知センサ299が連動杆295によって遮られることで、同検知センサ299からの検知信号がHIレベルからLOWレベルに変化する。検知信号がLOWレベルとなることにより、遊技球が発射される旨が電源・発射制御装置193にて把握される。これにより、電源・発射制御装置193からソレノイド281への駆動信号の出力が回避される。つまり、駆動信号が出力されている場合には同駆動信号の出力が停止され、駆動信号が出力されていない場合にはその状態が維持される。これにより、下流側シャッタ280からの遊技球の流出が阻止される。その後、上流側シャッタ290が許容状態へと切り替わり、同上流側シャッタ290によって流下が阻止されていた遊技球が下流側へ移動する。そして、遊技球1個分下流側へ移動して下流側シャッタ280に当接することで、更なる流下が阻止されることとなる。
【0090】
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図12のブロック図に基づき説明する。図12では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
【0091】
主制御装置133に設けられた主制御基板401には、主制御回路402と停電監視回路403とが内蔵されている。主制御回路402には、MPU411が搭載されている。MPU411には、当該MPU411により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM412と、そのROM412内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM413と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
【0092】
RAM413は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御装置193に設けられた電源・発射制御基板421からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
【0093】
MPU411には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路402の入力側には、主制御基板401に設けられた停電監視回路403、払出制御装置192に設けられた払出制御基板422及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路403には電源・発射制御基板421が接続されており、主制御回路402には停電監視回路403を介して電力が供給される。
【0094】
一方、主制御回路402の出力側には、停電監視回路403、払出制御基板422及び中継端子板423が接続されている。払出制御基板422には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板423を介して主制御回路402から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板424に対して各種コマンドなどが出力される。
【0095】
停電監視回路403は、主制御回路402と電源・発射制御基板421とを中継し、また電源・発射制御基板421から出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
【0096】
払出制御基板422は、払出装置184により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU431は、そのMPU431により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM432と、ワークメモリ等として使用されるRAM433とを備えている。
【0097】
払出制御基板422のRAM433は、主制御回路402のRAM413と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御基板421からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
【0098】
払出制御基板422のMPU431には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板422の入力側には、主制御回路402、電源・発射制御基板421、及び裏パック基板187が接続されている。また、払出制御基板422の出力側には、主制御回路402及び裏パック基板187が接続されている。
【0099】
音声ランプ制御基板424は、各種ランプ部23〜25及びスピーカ部26を制御するものである。演算装置であるMPU461は、そのMPU461により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM462と、ワークメモリ等として使用されるRAM463とを備えている。
【0100】
音声ランプ制御基板424のMPU461にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板464の入力側には中継端子板423に中継されて主制御回路402が接続されており、主制御回路402から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25及びスピーカ部26を制御する。
【0101】
電源・発射制御基板421は、電源部441と発射制御回路442とを備えている。電源部441は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路402や払出制御基板422等に対して各々に必要な動作電力を供給する。発射制御回路442は、遊技球発射レバー41の操作に応じた遊技球発射機構110の発射制御、詳しくは球送装置203の駆動制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に遊技球の発射を許容する。
【0102】
発射制御回路442には、演算装置であるMPU451が搭載されている。MPU451には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。発射制御回路442の入力側には、検知センサ299が接続されている。一方、発射制御回路442の出力側には、下流側シャッタ280のソレノイド281等が接続されている。
【0103】
また、MPU451には、当該MPU451により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM452と、そのROM452内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM453と、タイマ回路やデータ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
【0104】
RAM453は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源部441からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。また、RAM453には、各種カウンタエリア453aが設けられている。各種カウンタエリア453aには、球送装置203のシャッタ機構270を駆動させる際に用いられる開放カウンタと、シャッタ機構270の開放を規制する際に用いられる遅延カウンタとが格納されている。MPU451は遊技球の発射操作に際し、それら開放カウンタ及び遅延カウンタのカウンタ情報を参照して、発射待機位置WP1への遊技球の供給を制御する。
【0105】
これら開放カウンタ及び遅延カウンタは、MPU451から更新命令が下されることに基づいて更新される。より詳しくは、開放カウンタ及び遅延カウンタは、その更新の都度前回値から1減算され、その値が0に達した場合には所定の条件に基づいて最大値に戻るループカウンタとなっている。両カウンタは発射制御処理にて更新される。
【0106】
ここで、電源・発射制御基板421のMPU451により実行される発射制御処理について図13のフローチャートを参照しながら説明する。発射制御処理は、2msec周期で実行される定期処理である。
【0107】
発射制御処理では、先ずステップS101にて各種カウンタエリア453aに格納された開放カウンタが0であるか否かを判定する。開放カウンタが0でない場合には、ステップS101にて否定判定をし、ステップS102にて開放カウンタ更新処理として開放カウンタを1減算する。その後、ステップS103に移り、遅延カウンタ更新処理として遅延カウンタを1減算した後、本処理を終了する。
【0108】
一方、開放カウンタが0である場合には、ステップS101にて肯定判定をし、ステップS104に移る。ステップS104では、下流側シャッタ280(詳しくはソレノイド281)用の駆動信号の出力停止処理を実行する。本停止処理においては、下流側シャッタ用駆動信号が出力中である場合にはその駆動信号の出力を停止し、同駆動信号が出力中でない場合にはその状態が維持される。駆動信号の出力が停止されることで、ソレノイド281が非励磁状態となり、下流側シャッタ280が阻止状態に切り替わる。
【0109】
ステップS104にて下流側シャッタ280よりも下流側への遊技球の流出を不可とした後、球送遅延処理としてのステップS105〜ステップS109を実行する。球送遅延処理においては、先ずステップS105にて遅延カウンタが0である否かを判定する。遅延カウンタが0でない場合にはステップS105にて否定判定をし、ステップS103にて同遅延カウンタを1減算した後、本処理を終了する。これにより、下流側シャッタ280が阻止状態で維持されることとなり、発射待機位置WP1への遊技球の供給が回避される。一方、遅延カウンタが0である場合には、ステップS104にて肯定判定し、ステップS106に移る。
【0110】
ステップS106では、検知センサ299から入力されている信号がHIレベルであるか否かを判定する。検知センサ299からの入力信号がHIレベルでない場合、すなわちLOWレベルである場合にはそのまま本処理を終了し、同入力信号がHIレベルである場合にはステップS107にて下流側シャッタ280用の駆動信号出力処理を実行する。この駆動信号出力処理が実行されることで、下流側シャッタ280のソレノイド281が励磁され、同下流側シャッタ280が許容状態に切り替わる。すなわち、球送装置203からの遊技球の流出が許容され、上記発射待機位置WP1への遊技球が供給される。
【0111】
ステップS107にて駆動信号を出力した後は、ステップS108にて遅延カウンタに「500」をセットする。上述の如く本発射制御処理は2msec毎に実行されるため、1の遊技球を供給した後1secは次の遊技球の供給が不可となる。その後、ステップS109に進み、開放カウンタに「250」をセットし、本発射制御処理を終了する。
【0112】
開放カウンタに「250」がセットされることで、下流側シャッタ280が0.5secは許容状態で維持されることとなる。このカウンタ値は、1の遊技球が下流側シャッタ280を通過するのに要する時間、すなわち遊技球が供給通路252を球1個分下流側に移動するのに要する時間に合わせて設定されており、許容状態への切り替えに伴って1度に複数の遊技球が流出することを回避している。なお、仮に開放カウンタが0になって下流側シャッタ280が阻止状態に切り替わる前のタイミングにて遊技球発射レバー41が初期位置に復帰すると、一瞬の間上流側シャッタ280及び下流側シャッタ290の両者が許容状態となり得る。しかしながらこの場合、上流側シャッタ290によって流下が阻止されていた遊技球が球1個分下流側に移動する頃には、開放カウンタが0となり下流側シャッタ280が阻止状態に切り替えられることとなる。故に、同遊技球は下流側シャッタ280に当接し、球送装置203からの流出が阻止されることとなる。
【0113】
因みに、遊技球供給のタイミングを制御することにより、遊技球の発射間隔が過度に短くならないように規制している点に着目すれば、本発射制御処理を「球送制御処理」と称することも可能である。また、遊技球の供給を遅延させている点に着目すれば、本発射制御処理を「遅延処理」と称することも可能である。
【0114】
ここで、遊技球の発射操作が行われる場合の発射制御の様子について、図14のタイミングチャートを参照しながら説明する。図14(a)は遊技球発射レバー41の状態を示し、図14(b)は検知センサ299からの入力信号を示し、図14(c)は遅延カウンタのカウント数を示し、図14(d)は開放カウンタのカウント数を示し、図14(e)は下流側シャッタ280の開閉状態を示し、図14(f)は上流側シャッタ290の開閉状態を示している。なお、図14(g1)〜(g7)は各タイミングにおける遊技球発射機構110の模式図であり、以下の説明ではこれら各模式図を適宜参照する。
【0115】
先ず、遅延カウンタDCが0になる前のタイミングで遊技球が発射された場合について説明する。遊技球発射レバー41が初期位置から時計回りに回動されると、同遊技球発射レバー41の回動量が所定値(本実施の形態においては約10°)に達することで、発射された遊技球を誘導レール100に到達させることが可能となるように付勢力が蓄えられるとともに、上流側シャッタ290が阻止状態に切り替わる。その直後、図14(b)に示すように、t1のタイミングにて連動杆295と検知センサ299との重なりが解除され、同検知センサ299からの検知信号がHIレベルとなる。検知信号がHIレベルになることで、下流側シャッタ280が許容状態に切り替えられるとともに(図14(e)参照)、遅延カウンタDCに「500」がセットされ、開放カウンタMCに「250」がセットされる(図14(c),(d)参照)。
【0116】
上流側シャッタ290が阻止状態に切り替えられ、下流側シャッタ280が許容状態に切り替えられることで、両シャッタ280,290間に待機していた1の遊技球の流下が許容され、同遊技球が球送装置203から発射レール202へと流出する。
【0117】
その後、0.5secが経過したt2のタイミングにて下流側シャッタ280が阻止状態に切り替えられることで、図14(g1)に示すように、両シャッタ280,290がともに阻止状態に切り替えられた状態となる。
【0118】
遅延カウンタDCが0になる前のt3のタイミングにて遊技球発射レバー41を離すことで、図14(g2)に示すように同遊技球発射レバー41が初期位置に復帰して遊技球が発射される。この遊技球発射レバー41の動きに併せて上流側シャッタ290が許容状態に切り替えられる。
【0119】
その後、t1のタイミングから1secが経過したt4のタイミングにて遅延カウンタDCが0となり、その後は次の発射操作が行われるまで同遅延カウンタDCの値が0のまま維持される(図14(c)参照)。遅延カウンタDCの値が0となった後、t5のタイミングにて遊技球の発射操作が行われると、t1のタイミングと同様に、各シャッタ280,290が許容状態に切り替えられることで、図14(g3)に示すように発射レール202へ遊技球が供給される。
【0120】
次に、遅延カウンタDCが0となった後のタイミングで遊技球が発射された場合について説明する。上述の如くt5のタイミングで各シャッタ280,290が動作して遊技球が供給されることにより、発射準備が整うこととなる。その後、t6のタイミングにて開放カウンタMCが0となり下流側シャッタ280が阻止状態に切り替わる。検知信号がHIレベルとなったt5のタイミングから1secが経過したt7のタイミングでは、図14(a)に示すように遊技球発射レバー41が回動位置にて保持されているため、図14(b)に示すように検知信号もHIレベルのまま維持される。このため、図14(d),(e)に示すように、遅延カウンタDCに「500」、開放カウンタMCに「250」が再度セットされる。
【0121】
なお、t8のタイミングにて開放カウンタMCが0になるが、このt8のタイミングでは図14(f)に示すように上流側シャッタ290が阻止状態にて維持されているため、発射レール202に遊技球が追加供給されることが回避される。
【0122】
遅延カウンタDCが0になる前のt9のタイミングにて、遊技球発射レバー41を離すことで、同遊技球発射レバー41が初期位置に復帰して遊技球が発射される。このt9のタイミングでは、図14(c)に示すように、遅延カウンタDCが0となっていないが、同遅延カウンタDCは遊技球発射後も減算が継続されt10のタイミングにて0になる。t10のタイミングで遅延カウンタDCが0になった後、遊技球発射レバー41が初期位置から時計回りに回動されることで、発射待機位置WP1に遊技球が供給される。
【0123】
次に、遅延カウンタDCが減算されている最中に、遊技球発射レバー41が連続して操作された場合について説明する。t11のタイミングで遊技球が供給された後、遅延カウンタDCが0になる前のt13のタイミングにて遊技球発射レバー41を離すことで遊技球が発射される。この発射動作に併せて、上流側シャッタ290が許容状態に切り替えられ、図14(g5)に示すように、上流側シャッタ290によって流下が阻止されていた遊技球が下流側シャッタ280側へ移動する。そして、その最下流の遊技球は下流側シャッタ280に当接し、再び流下が阻止されることとなる。
【0124】
その後、遅延カウンタDCが0になる前のタイミングにて遊技球発射レバー41を再度操作すると、同遊技球発射レバー41の動作に併せて、上流側シャッタ290が阻止状態に切り替えられ、上流側シャッタ290と下流側シャッタ280との間に1の遊技球が待機した状態となる。但し、このタイミング(t14のタイミング)においては図14(c)に示すように遅延カウンタDCが0でないため、検知信号がHIレベルになっても下流側シャッタ280が許容状態に切り替えられることはない。故に、上記待機中の遊技球の流出は不可となる。遊技球発射レバー41を発射準備位置にて保持した状態にて遅延カウンタDCの値が0になると、同遅延カウンタDCが0になったタイミング(t15のタイミング)にて、下流側シャッタ280が許容状態に切り替えられ、上記遊技球の流出が許容される。これにより、発射待機位置WP1に遊技球が供給され、図14(g7)に示すように、遊技球の発射が可能となる。
【0125】
発射レール202に遊技球が供給され、同遊技球の発射が可能な状態となった後は、任意のタイミング(例えばt16のタイミング)にて遊技球発射レバー41を離すことで、遊技球が発射される。このように、少なくとも遅延カウンタDCが0になるまで、遊技球の供給を不可とすることにより、t13のタイミングからt15のタイミングの間は、遊技球の供給を待つ必要が生じる。
【0126】
以上詳述した第1の実施の形態によれば以下の優れた効果を奏する。
【0127】
遊技球を発射する際には、遊技球発射レバー41を指等で押し下げることにより、遊技球が供給される。その後、遊技球発射レバー41から指を離すことによりコイルバネ216の付勢力によって発射槌201が回動し、遊技球が遊技領域PE(詳しくは誘導レール100)に向けて発射される。このようないわゆる手打ち式のパチンコ機10においては、遊技球の発射間隔が遊技者の意思や技量等に依存することで、例えば遊技球の発射間隔を短縮して単位時間に取得可能な遊技球の数を増やすといった試みがなされると想定される。仮にこのような発射間隔の短縮による獲得遊技球数の増加が許容されると、遊技者の射幸心を過度に煽ることとなり、健全な遊技ホールの運営に支障を来たすと懸念される。この点、本実施の形態によれば、シャッタ機構270及び電源・発射制御装置193によって単位時間あたりの遊技球の発射回数が予め定められた回数よりも少なくなるように規制される。これにより、上記不都合を払拭し、遊技の健全性を高めることができる。
【0128】
例えば、遊技球発射レバー41の操作を不可とロック状態と同操作を許容するロック解除状態とに切り替え可能なロック装置等を設け、遊技球が発射された後は暫くの間、遊技球発射レバー41の回動操作を不可とする構成を採用することにより、上述した遊技の健全性向上に貢献することも可能である。しかしながら、このような構成を採用した場合、例えば遊技球発射レバー41を下方へ押したままロック解除を待つといった操作が行われると想定され、繰り返しの操作対象となる遊技球発射レバー41やロック装置に生じる負荷が大きくなると想定される。これは、遊技球発射レバー41やロック装置の変形や破損等を招来し遊技球の円滑な発射を妨げる要因となり得るだけでなく、発射規制機能の低下を招来する要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴に示すように球送装置203からの遊技球の供給を遅らせることにより遊技球の発射を規制する構成を採用すれば、遊技球発射レバー41やシャッタ機構270を保護し、発射規制機能を好適に担保することが可能となる。
【0129】
遅延カウンタDCを用いて所定期間内の遊技球の供給を不可とし、遊技球の供給を契機として同遅延カウンタDCの減算を開始する構成とした。これにより、単位時間での遊技球の発射回数を規制しつつ、遊技球の発射タイミングの自由度が低下することを抑制している。例えば、遊技球の発射を契機として一定の期間が経過するまで、遊技球の供給を不可とする構成を採用した場合、少なくともその一定期間は遊技球の発射及び供給が規制される。この点、本実施の形態によれば、特定期間が経過するまで次の遊技球の供給が不可となるだけで、供給済み遊技球をどのタイミングで発射するかは任意となる。つまり、供給済みの遊技球の発射を控えて、次の遊技球の供給が許容されるまで待った後、同供給済みの遊技球を発射すれば、次の遊技球は直ちに供給されるため、一時的に発射間隔を縮めることができる(例えば連射することができる)。これにより、発射タイミングの自由度を高めつつ、遊技の健全性確保に貢献することができる。
【0130】
下流側シャッタ280と上流側シャッタ290とを併用することにより、発射待機位置WP1に遊技球が供給されているにもかかわらず後続の遊技球が追加供給されることを好適に抑制できる。特に、複数の遊技球が発射レール202上に溜まると、遊技球を発射したとしても、意図した位置に遊技球が到達しなくなるばかりか、それら遊技球が遊技領域PEに届かなくなると想定される。これは、円滑な遊技の進行を妨げる要因となるため好ましくない。この点、上述の如く、複数の遊技球が発射レール202上に溜まることを抑制することで、それら各種不都合を好適に払拭することができる。
【0131】
特に下流側シャッタ280と上流側シャッタ290とは、遊技球1個分を隔てて配置されている。このため、遊技球発射レバー41が操作され上流側シャッタ290が阻止状態に切り替わっている場合には、下流側シャッタ280が開閉を繰り返したとしても複数の遊技球が流出することはない。これにより、遊技者が遊技球発射レバー41を回動させた位置にて保持している状態での下流側シャッタ280の動作を許容することができる。つまり、必ずしも下流側シャッタ280の動作を制限する必要がない。故に、発射制御処理の簡略化及び電気的構成の簡略化に貢献できる。
【0132】
上流側シャッタ290と発射槌201とを連動杆295によって連結し、遊技球発射レバー41の動作に追従して同上流側シャッタ290が動作する構成とした。下流側シャッタ280と同様にソレノイド等の動力部を設けることで、同様の動きを実現することもできるが、無駄に動力部を増やすことは電気的構成等の複雑化を招くため好ましくない。特に、上流側シャッタ290が遊技球発射レバー41の動きに追従すれば足りる点に着目すれば、必ずしも上記ソレノイド等の構成が必要にはならない。そこで、上述の如く連動杆295を用いることで、遊技球発射レバー41が操作された際の動力を利用して上流側シャッタ290を駆動させることにより、電気的構成の複雑化を抑えつつ遊技進行の円滑化に貢献することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
【0133】
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、遊技球発射機構における遊技球の発射規制に関する構成が上記第1の実施の形態と異なっている。以下、図15に基づきその発射規制に関する構成について説明する。図15は、遊技球発射機構500の概略図である。なお、図15においては球送装置503を一部破断させてその内部構造を視認可能としている。
【0134】
遊技球発射機構500は、上記遊技球発射機構110と類似の構成を備えている。具体的には、発射槌501,発射レール502,球送装置503,ベースプレート504,球ストッパ505を備えている。これら各種構成のうち発射レール502,ベースプレート504,球ストッパ505については、上記発射レール202,ベースプレート204,球ストッパ205と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0135】
上記第1の実施の形態においては、連動杆295を用いて発射槌201と上流側シャッタ290とを連動させたが、本実施の形態においては連動杆295及びそれに付随する構成が省略されている。これら連動杆295等の省略に伴って本実施に形態における発射槌501には以下の変更がなされている。すなわち、取付部511の周縁部分から放射方向に突出する突出部518が設けられており、この突出部518を前後に挟むようにして検知センサ599が配さている。検知センサ599は発光素子と受光素子とを有しており、両素子の一方が突出部518の前側、他方が突出部518の後側となるようにしてベースプレート504に固定されている。検知センサ599は、電源・発射制御装置600に対して電気的に接続されており、発射槌501が初期位置から移動した場合にはHIレベル信号を、移動していない場合にはLOWレベル信号を出力する。この検知信号に基づいて、球送装置503が駆動制御されることにより、発射レール502への遊技球の供給が規制されることとなる。
【0136】
球送装置503のケース体551には、上記第1の実施の形態と同様に、第1通路部553,第2通路部554,第3通路部555からなる供給通路552が形成されている。第2通路部554(詳しくは底板部557)の途中位置には開口部558が設けられており、同底板部557においてその開口部558よりも下流側となる部分(以下便宜上、下流側底板部557aと称する)は、同開口部558よりも上流側となる部分(以下便宜上、上流側底板部557bと称する)よりも上位となるように形成されている。
【0137】
開口部558には、検知センサ599の検知情報に基づいて動作する可動通路570が配されており、当該開口部558からの遊技球の流出が阻止されている。可動通路570は、第2通路部554の一部を形成する通路形成部材571と、同通路形成部材571の下方に配されているとともに当該通路形成部材571を上下に移動させるソレノイド572とを有してなり、同ソレノイド572がケース体551に固定されることで同ケース体551に対して一体化されている。
【0138】
通路形成部材571は上下に延びる略柱状をなしており、開口部558を通過可能に形成されている。通路形成部材571の上面572aは、開口部558よりも下位に位置しており、第2通路部554の通路領域と対向している。この上面572aは、遊技球を載置可能となる大きさを有しているため、開口部558に到達した遊技球は、同開口部558と通路形成部材571とによって形成された窪みに嵌まった状態、詳しくは通路形成部材571の上面に載った状態となる。
【0139】
また、通路形成部材571の上面572aは、第2通路部554(詳しくは底板部557)と同じ方向に傾斜している。このため、上面572aに載った遊技球は、下流側底板部557a側、すなわち第3通路部555側へ向けて付勢された状態となっており、上記下流側底板部557aにおける上流側の端部に当接した状態で待機することとなる。
【0140】
通路形成部材571は、ソレノイド572から上方に突出したプランジャ573の上端部分に固定されている。ソレノイド572は、電源・発射制御装置600に電気的に接続されており、同電源・発射制御装置600から駆動信号が入力されることで励磁され、上記プランジャ573が通路形成部材571等の重みに抗して上昇する。ソレノイド572が励磁された際のプランジャ573の上方への移動量は、通路形成部材571の上面571aが上記下流側底板部557aよりも上位となる位置に達するように設定されている。
【0141】
なお、第2通路部554の天壁部559において通路形成部材571と対向している部分は上方に拡がっており、同通路形成部材571が遊技球を載せた状態で上昇した場合に、同遊技球と天壁部559とが干渉することが抑制されている。
【0142】
ここで、図16に基づき、遊技球発射機構500の動作について簡単に説明する。図16は遊技球発射機構500の動作を示す概略図であり、遊技球発射レバー41が操作されることで図16(a)→図16(b)→図16(c)図16(d)の順に動作する。
【0143】
図16(a)に示すように、上皿33から球送装置503内に流入した遊技球群は、開口部558に嵌まっている遊技球を先頭として一列に並んだ状態で待機し、発射レール502への遊技球の供給が阻止されている。遊技球発射レバー41が初期位置に待機している状態では、発射槌501(詳しくは突出部518)によって検知センサ599の光の授受が遮られている。これにより、可動通路570は阻止位置にて留まるため、上述の如く待機している遊技球が、球送装置503から流出することはない。
【0144】
図16(b)に示すように、遊技球発射レバー41が押し下げられると、同遊技球発射レバー41に追従して発射槌501が発射方向とは反対(パチンコ機10の正面視にて時計回り方向)へ回動する。発射槌501が回動することで、突出部518が検知センサ599から遠ざかり、検知センサ599の遮蔽状態が解除される。これにより、検知センサ599から電源・発射制御装置600にHIレベルの信号が出力され、この検知信号に基づいて同電源・発射制御装置600から可動通路570(詳しくはソレノイド572)に駆動信号が出力される。駆動信号が入力されたソレノイド572は、励磁された状態となり、プランジャ573が押し上げられる。プランジャ573が上昇することで、通路形成部材571の上面572aが下流側底板部557aよりも上位となる位置に移動する。この結果、上面572a上に載っていた遊技球が、同上面572aの傾斜に沿って流下し、第3通路部555側へ移動する。その後、駆動信号が停止することで、ソレノイド572の励磁状態が解除され、プランジャ573及び通路形成部材571が降下する。これに伴って通路形成部材571の上面571aが上流側底板部557bよりも下位となる位置に移動し、図16(c)に示すように後続の遊技球が開口部558へ流入する。これにより、同遊技球が上面572aに載った状態で待機することとなる。
【0145】
なお、図16(a)→図16(b)への移行時には、上流側底板部557b上に載っていた後続の遊技球は、通路形成部材571の側壁面571bに当接することで、下流側への移動が阻止される。また、図16(b)→図16(c)への移行時には、側壁面571bが上流側底板部557bよりも低位となる位置へ移動することで、同側壁面571bに当接していた遊技球が、開口部558を通じて上面572a上へ移動することとなる。つまり、通路形成部材571の側壁面571bには、遊技球の流下を阻止する阻止機能が付与されており、可動通路570が1往復した際に、複数の遊技球が流出することを回避している。
【0146】
図16(c)に示すように遊技球が発射待機位置WP2へ到達することで、遊技球の発射準備が整った状態となる。その後、図16(d)に示すように、遊技球発射レバー41を離すことにより、同遊技球発射レバー41及び発射槌501が初期位置へ復帰し、遊技球が発射レール502に沿って発射されることとなる。
【0147】
本実施の形態では、球送装置の発射制御に関する電気的構成が上記第1の実施の形態と相違している。詳しくは、電源・発射制御装置の構成が相違している。以下、図17に基づきその相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
【0148】
電源・発射制御基板601は、電源部621と発射制御回路622とを備えている。発射制御回路622は、遊技球発射レバー41の操作に応じた遊技球発射機構500の発射制御、詳しくは球送装置503の駆動制御を担うものであり、所定の条件が整っている場合に遊技球の供給を許容する。
【0149】
発射制御回路622には、演算装置であるMPU631が搭載されている。MPU631には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。発射制御回路622の入力側には、検知センサ599が接続されている。一方、発射制御回路622の出力側には、払出制御基板422等の各種基板や、ソレノイド572等が接続されている。
【0150】
また、MPU631には、当該MPU631により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM632と、そのROM632内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM633と、遊技球の発射を検知する発射検知回路634,タイマ回路,データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
【0151】
RAM633には、可動通路570(詳しくはソレノイド572)を駆動する際に用いられる遅延カウンタエリア633aと、発射検知フラグエリア633bとが設けられている。
【0152】
ここで、発射検知フラグエリア633bと発射検知回路634との関係について説明する。発射検知回路634は、検知センサ599からの入力信号に基づいて、遊技球が発射されたか否かを常時監視する機能を有している。具体的には、検知信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がった場合に、遊技球の発射が行われたと認識し、その旨のフラグ(発射検知フラグ)を発射検知フラグエリア633bに格納する。なお、パチンコ機10の電源投入時には、電源投入時立上処理にて発射検知フラグエリア633bに発射検知フラグが格納される。
【0153】
発射検知フラグエリア633bに格納される発射検知フラグと遅延カウンタエリア633aに格納される遅延カウンタの値は、共に遊技球の供給を許容する条件を構成している。遅延カウンタの値は、MPU631から更新命令が下されることに基づいて更新される。より詳しくは、遅延カウンタは、その更新の都度前回値から1減算され、その値が0に達した場合には所定の条件に基づいて最大値に戻るループカウンタとなっており、発射制御処理にて更新される。MPU631は遊技球の発射操作に際し、発射検知フラグエリア633bのフラグの有無及び遅延カウンタのカウンタ値を用いて、発射待機位置WP2への遊技球の供給を制御する。
【0154】
ここで、図18のフローチャートを参照して、第2の実施の形態における発射制御処理について説明する。なお、本発射制御処理は、上記第1の実施の形態における発射制御処理と同様に、2msec周期で実行される定期処理である。
【0155】
発射制御処理では、先ずステップS201にて発射検知フラグエリア633bに発射検知フラグが格納されているか否かを判定する。発射検知フラグが格納されていない場合には、ステップS201にて否定判定をし、ステップS202に進む。ステップS202では、遅延カウンタが0であるか否かを判定する。遅延カウンタが0である場合にはそのまま本処理を終了し、遅延カウンタが0でない場合にはステップS203にて遅延カウンタ更新処理として遅延カウンタを1減算した後、本発射制御処理を終了する。
【0156】
一方、発射検知フラグが格納されている場合には、ステップS201にて肯定判定をし、ステップS204に進む。ステップS204では、検知センサ599から入力されている信号がHIレベルであるか否かを判定する。検知センサ599からの入力信号がHIレベルでない場合、すなわちLOWレベルである場合にはステップS202に進み、遅延カウンタが0であるか否かを判定する。遅延カウンタが0である場合にはそのまま本処理を終了し、遅延カウンタが0でない場合にはステップS203にて遅延カウンタ更新処理として遅延カウンタを1減算した後、本発射制御処理を終了する。
【0157】
検知センサから入力されている信号がHIレベルである場合には、ステップS204にて肯定判定をし、ステップS205に進む。
【0158】
ステップS205では、遅延カウンタが0であるか否かを判定する。遅延カウンタが0でない場合には、ステップS205にて否定判定をしてステップS203に進み、遅延カウンタを1減算した後、本発射制御処理を終了する。
【0159】
遅延カウンタが0でない場合には、ステップS205にて肯定判定をし、ステップS206に進み、可動通路駆動処理を実行する。可動通路駆動処理では、予め定められた期間、ソレノイド572へ駆動信号を出力する。これにより、ソレノイド572が励磁されて通路形成部材571が上昇し、同通路形成部材571の上面572aに載っている遊技球が第3通路部555へ流入する。これにより、発射レール502へ遊技球が供給される。その後、駆動信号の出力が停止することでソレノイドが非励磁状態となり、通路形成部材571が降下する。これにより、次に供給される遊技球が上面572aに載ることとなる。
【0160】
ステップS207にて駆動処理を行った後は、ステップS207に移り、遅延カウンタに「500」をセットする。これにより、遅延カウンタが0になるまでの期間(1sec)は次の遊技球の供給が不可となる。
【0161】
ステップS207にてカウンタを更新した後は、ステップS208に移り、発射検知フラグを消去して本発射制御処理を終了する。
【0162】
ここで、遊技球の発射操作が行われる場合の発射制御の様子について、図19のタイミングチャートを参照しながら説明する。図19(a)は遊技球発射レバー41の状態を示し、図19(b)は検知センサ599からの入力信号を示し、図19(c)は発射検知フラグの有無を示し、図19(d)は遅延カウンタのカウント数を示し、図19(e)は可動通路の位置を示し、図19(f)は発射待機球の有無を示している。
【0163】
先ず、遅延カウンタDCが0になった後のタイミングで遊技球が発射された場合について説明する。
【0164】
遊技球発射レバー41が初期位置から時計回りに回動され、同遊技球発射レバー41の回動量が所定値に達すると、図19(b)に示すようにt1のタイミングにて発射槌501の突出部518による検知センサ599の遮蔽が解除され、同検知センサ599からの検知信号がHIレベルとなる。検知信号がHIレベルとなり、且つ発射検知フラグが格納されていることで、可動通路570に駆動信号が出力される。これにより、可動通路570の通路形成部材571が上昇し、同通路形成部材571上に待機していた遊技球が、第3通路部555へ流入する。これにより、発射レール502に遊技球が供給される。
【0165】
遊技球供給後1secが経過したt21のタイミングにて遅延カウンタDCが0となり、次の遊技球を供給するための2つ条件(検知信号=HI,遅延カウンタDC=0)が満たされる。しかしながら、このt21のタイミングにおいては、未だ発射待機位置WP2に遊技球が待機しており、発射検知フラグが格納されていない。このため、3つの条件が全て満たされているわけではなく、次の遊技球が追加供給されることはない。
【0166】
その後、t22のタイミングにて遊技球発射レバー41を離すことで、同遊技球発射レバー41及び発射槌501が初期位置に復帰し、遊技球が発射される。この際、検知信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がることで、発射検知フラグが上記発射検知フラグエリア633bに格納される。これにより、遊技球を許容するための2つの条件(発射検知フラグ有り,遅延カウンタDC=0)が満たされる。しかしながら、このt22のタイミング、すなわち発射検知フラグが格納されたタイミングでは、検知センサ信号がLOWになるため、3つの条件全てが満たされるわけではない。このため、次の遊技球の供給が回避される。
【0167】
遊技球を発射した後、再び遊技球発射レバー41を操作した場合には、t23のタイミングにて検知信号がHIレベルとなる。この結果、遊技球をの供給するための3つの条件が満たされることとなる。これにより、可動通路570のソレノイド572へ駆動信号が出力され、可動通路570の通路形成部材571が上昇して発射レール502へ遊技球が供給される(図19(d)参照)。また、t23のタイミングにおいては、遅延カウンタDCに再び「500」がセットされ、所定期間内(1sec)での次の遊技球の供給が不可となる。
【0168】
次に、遅延カウンタDCが0になる前のタイミングで遊技球が発射された場合について説明する。
【0169】
t23のタイミングにて、遊技球が供給された後は、遅延カウンタDCが徐々に減少する。遅延カウンタDCの値が0になるよりも前のタイミングにて、遊技球発射レバー41を離すと、遊技球が発射される。この際、検知信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がることで発射検知フラグが発射検知フラグエリアに格納される。この後も、遅延カウンタDCの値が0となるt25のタイミングまでは、次の遊技球の供給が不可となる。
【0170】
その後、再び遊技球発射レバー41を操作することで、t26のタイミングにて、検知信号がHIレベルとなり、遊技球を供給するための3つの条件が全て満たされることとなる。これにより、可動通路570のソレノイド572へ駆動信号が出力され、可動通路570の通路形成部材571が上昇して発射レール502へ遊技球が供給される(図19(d)参照)。また、t26のタイミングにおいては、遅延カウンタDCに再び「500」がセットされ、所定期間内(1sec)での次の遊技球の供給が不可となる。
【0171】
遅延カウンタDCのカウントダウンが継続されている最中に、遊技球発射レバー41が連続して操作された場合について説明する。t26のタイミングで遊技球が供給された後、遅延カウンタDCが0になる前のt27のタイミングにて遊技球発射レバー41を離すことで遊技球が発射される。この発射動作に併せて、検知センサ599が遮蔽された状態となり、検知信号がHIレベルからLOWレベルに立ち下がる。この立ち下がりが、発射検知回路によって検知され、発射検知フラグエリアに発射検知フラグが格納される。これにより、次の遊技球を供給するための3つの条件のうち1の条件が満たされることとなる。
【0172】
次に、遅延カウンタDCが0になる前のタイミングにて、遊技球発射レバー41が再び操作されると、t28のタイミングで検知信号がLOWレベルからHIレベルに変化し、遊技球発射のための2つ目の条件が満たされる。しかしながら、このt28のタイミングでは遅延カウンタDCが0となっていないため、3つの条件が全て満たされるわけではない。このため、遊技球の供給が不可のままとなる。その後、遊技球発射レバー41を回動させたまま保持していると、t29のタイミングにて遅延カウンタDCが0となり、遊技球を供給するための3つの条件が満たされる。これにより、可動通路570のソレノイド572へ駆動信号が出力され、可動通路570の通路形成部材571が上昇して発射レール502へ遊技球が供給される(図19(d)参照)。
【0173】
また、t29のタイミングにおいては、遅延カウンタDCに再び「500」がセットされ、次の遊技球の供給が所定期間(1sec)不可となる。その後、t30のタイミングにて遅延カウンタDCが再び0となり、t31のタイミングにて遊技球発射レバー41を離すことで、遊技球が発射される。このように遊技球を発射した時点で、遊技球を供給するための3つの条件のうち2つが満たされた状態となる。このため、次の遊技球の発射する場合には、遊技球発射レバー41を回動させることで検知信号がHIレベルとなり、遊技球を供給するための3つの条件が直ちに満たされることとなる。故に、遊技球の供給が遅延されるととがなく、続けて遊技球を発射することができる。
【0174】
以上詳述した第2の実施の形態によれば以下の優れた効果を奏する。
【0175】
遊技球発射レバー41の操作タイミングによって遅延期間が間延びすることを抑制することができる。
【0176】
特に、1の遊技球が発射待機位置WP2に供給されている状態にて次の遊技球の供給が許容されるタイミング、すなわち遅延カウンタDCが0になるタイミングを見計らって供給済みの遊技球を発射することで、次の遊技球の発射を直ちに発射することが可能となる。つまり、遊技球を必ず一定の間隔を保って発射する必要がなく、あるタイミングでは遊技球の発射を控え、別のタイミングにて遊技球を連射することが可能となる。これにより、単位時間あたりの遊技球発射回数を規制しつつ、同単位時間内での発射タイミングの自由度を好適に高めることができ、実用上好ましい構成を実現できる。
【0177】
可動通路570よりも下流側となる下流側底板部557aを同可動通路570よりも上流側となる上流側底板部557bよりも上位となるように形成した。これにより、可動通路570の通路形成部材571が上下に移動する際、同通路形成部材571よりも上流側に位置する遊技球が通路形成部材571の上面571aを経由して一気に第3通路部555へ流入することを抑制できる。具体的には、上面571aが上流側底板部557bと同一面上となる位置に到達した場合、上面571aに載っている遊技球が下流側底板部557aに当接した状態のまま維持される。このため後続の遊技球が上面571aに載ることはない。これにより、可動通路570が1度駆動することで、確実に1の遊技球のみを供給することができる。
【0178】
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、遊技球発射機構における遊技球の発射規制に関する構成が上記第1の実施の形態及び上記第2の実施の形態と異なっている。以下、図20に基づきその発射規制に関する構成について説明する。図20は、遊技球発射機構700の概略図である。なお、図20においては球送装置を一部破断させてその内部構造を視認可能としている。
【0179】
遊技球発射機構700は、上記遊技球発射機構500と類似の構成を備えている。具体的には、発射槌701,発射レール702,球送装置703,ベースプレート704,球ストッパ705を備えている。これら各種構成のうち発射レール702,ベースプレート704,球ストッパ705については、上記発射レール202,ベースプレート204,球ストッパ205と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0180】
上記第1の実施の形態においては、連動杆295を用いて発射槌201と上流側シャッタ290とを連動させたが、本実施の形態においては上記第2の実施の形態と同様に連動杆295及びそれに付随する構成が省略されている。これら連動杆295等の省略に伴って本実施に形態における遊技球発射機構700には以下の変更がなされている。ベースプレート704には発射待機位置WP3に待機している遊技球を検知する球検知センサ749が固定されている。球検知センサ749は、発光素子と受光素子とを有しており、両素子の一方が発射待機位置WP3の前側、他方が同発射待機位置WP3の後側となるよう配置されている。球検知センサ749は、電源・発射制御装置800に対して電気的に接続されており、遊技球が発射待機位置に待機している場合にはLOWレベル信号を、待機していない場合にはHIレベル信号を出力する。この検知信号に基づいて、球送装置703が駆動制御されることにより、発射レール702への遊技球の供給が規制されることとなる。
【0181】
球送装置703のケース体751には、上記第1の実施の形態と同様に、第1通路部753,第2通路部754,第3通路部755からなる供給通路752が形成されている。第2通路部754(詳しくは天壁部757)と第3通路部755との境界部位には開口部758が設けられている。
【0182】
開口部758には、第2通路部754から第3通路部755へ流れる遊技球を第2通路部754の出口部分にて一旦停止させるための球止め手段として回転体770が設けられている。回転体770は、略円板状をなし、両板面が通路方向と平行となるようにして配置されているとともに、その一部が供給通路752内に突出している。また、回転体770は、その中心がステッピングモータ775の出力軸に固定された状態でケース体751に一体化されている。ステッピングモータ775の出力軸が所定方向に回転駆動されることで、回転体770は同所定方向に回転することとなる。
【0183】
ステッピングモータ775の出力軸は、1パルスの駆動信号を与えることにより1step進み、360パルスの駆動信号を与えることにより1回転するように設定されている。なお、回転体770及びステッピングモータ775はケース体751内に収容されている。
【0184】
回転体770の外周部771には、180°間隔で2箇所に、凹部771aが形成されている。回転体770が回転していない場合、すなわち遊技球の供給が停止し、球送装置703内に遊技球が待機している状態では、第2通路部754の最下流に位置する遊技球が同回転体770の外周部771、詳しくは凹部771aを除いた部位に当接した状態となり、同遊技球の流下が一旦停止される。また、回転体770が回転している場合には、凹部771a内に入り込んだ遊技球のみが第3通路部755に導出される。
【0185】
ここで、遊技球発射機構700の動作について簡単に説明する。
【0186】
上皿33から球送装置703内に流入した遊技球群は、回転体770の外周部771に当接している遊技球を先頭として一列に並んだ状態で待機し、発射レール702(詳しくは発射待機位置WP3)への遊技球の供給が阻止される。
【0187】
その後、回転体770が反時計回りに回動することで、遊技球が凹部771aに嵌まり、同回転体770の回動に伴って第3通路部755側へ移動する。この際、後続の遊技球は、回転体770の凹部771aに嵌まることなく、同回転体770の外周部771に当接した状態で待機することとなる。
【0188】
第3通路部755を通じて発射レール702に到った遊技球は、発射レール702に沿って流下し、発射槌701に当接した状態、詳しくは球ストッパ705から僅かに離れた状態で待機する。このように遊技球が発射待機位置WP3に待機することで、球検知センサ749の発光素子から射出された光が遮られることとなり、同球検知センサ749からの検知信号がLOWレベルに切り替る。
【0189】
その後、遊技球発射レバー41を発射準備位置へ向けて回動すると、発射槌701が遊技球から離れ、同遊技球が発射槌701に追従して発射レール702の下流側に移動する。そして、同遊技球は球ストッパ705に当接し、それ以上の流下が妨げられた状態となる。
【0190】
遊技球発射レバー41を離すと、発射槌701が初期位置へ向けて回動し、発射待機位置WP3に待機していた遊技球が発射されることとなる。これにより、球検知センサ749は再び光の授受が許容された状態となり、同球検知センサ749からHIレベル信号が出力されることとなる。
【0191】
本実施の形態では、球送装置の発射制御に関する電気的構成が上記第1の実施の形態及び上記第2の実施の形態と相違している。詳しくは、電源・発射制御装置の構成が相違している。以下、図21に基づきその相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
【0192】
電源・発射制御基板801は、電源部821と発射制御回路822とを備えている。発射制御回路822は、遊技球発射レバー41の操作に応じた遊技球発射機構700の発射制御、詳しくは球送装置703の駆動制御を担うものであり、所定の条件が整っている場合に遊技球の供給を許容する。
【0193】
発射制御回路822には、演算装置であるMPU831が搭載されている。MPU831には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。発射制御回路822の入力側には、球検知センサ749が接続されている。一方、発射制御回路822の出力側には、払出制御基板422等の各種基板や、ステッピングモータ775等が接続されている。
【0194】
また、MPU831には、当該MPU831により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM832と、そのROM832内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM833と、タイマ回路,データ入出力回路などの各種回路とが内蔵されている。RAM833には、回転体770(詳しくはステッピングモータ775)を駆動する際に用いられる遅延カウンタエリア833aが設けられている。
【0195】
ここで、図22のフローチャートを参照して、第3の実施の形態における発射制御処理について説明する。なお、本発射制御処理は、上記第1の実施の形態における発射制御処理と同様に、2msec周期で実行される定期処理である。
【0196】
発射制御処理では、先ずステップS301にて遅延カウンタが0であるか否かを判定する。遅延カウンタが0でない場合にはステップS302にて遅延カウンタを1減算した後、本発射制御処理を終了する。一方、遅延カウンタが0である場合にはステップS303に進む。
【0197】
ステップS303では、球検知センサ749から入力されている信号がHIレベルであるか否かを判定する。球検知センサ749からの入力信号がHIレベルでない場合、すなわち発射待機位置WP3に遊技球が待機している場合にはそのまま本発射制御処理を終了する。一方、球検知センサ749から入力されている信号がLOWレベルである場合、すなわち発射待機位置WP3に遊技球が待機していない場合にはステップS304の回転体駆動処理に進む。
【0198】
ステップS304の回転体駆動処理では、ステッピングモータ775にパルス信号を出力し、回転体770を180°回転させる。これにより、1の遊技球が発射待機位置WP3に供給される。その後、ステップS305にて遅延カウンタに「500」をセットする。これにより、遅延カウンタが0になるまでの期間(1sec)は次の遊技球の供給が不可となる。ステップS305にて遅延カウンタを更新した後、本発射制御処理を終了する。
【0199】
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
【0200】
(1)上記各実施の形態では、球送装置203のシャッタ機構270を制御することにより遊技球の発射を規制する構成とした。すなわち、遊技球の供給を制御することにより同遊技球の発射を規制する構成とした。これを以下のように変更することも可能である。すなわち、遊技球の供給を制御することにより発射規制を行うのではなく、発射操作を制御することにより発射規制を行うことも可能である。例えば、遊技球発射レバー41の操作を阻止する阻止状態と阻止解除状態とに切替可能なロック装置を設け、遊技球が発射された後、所定の期間が経過するまでの間は、ロック装置が阻止状態に維持されることにより次の発射操作が不可となる構成を採用するとよい。
【0201】
但し、遊技球発射レバー41は発射操作の対象となっており、発射操作毎に負荷が加わる部分である。このように発射操作による負荷が加わりやすい部分をロックした場合、その負荷によって遊技球発射レバー41の変形や破損が生じやすくなると想定される。これは、操作性の低下や上記発射規制機能の低下を招くと想定されるため好ましくない。故に、好ましくは、遊技球発射レバー41の操作を不可とするのではなく、遊技球の供給を停止することにより発射を規制するとよい。
【0202】
(2)上記各実施の形態では、遊技球の供給を契機として発射規制期間の計測を開始する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、遊技球の発射を契機として発射規制期間の計測を開始する構成としてもよい。但し、このような変更を行った場合、遊技球の発射タイミングの自由度が低下し得る。このような発射タイミングの自由度の低下は、手打ち式の遊技機の面白みを低下させる要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、遊技球の供給を契機として発射規制期間の計測を開始するとよい。
【0203】
(3)上記第1及び第2の実施の形態では、「検知手段」としての検知センサ299によって遊技球発射機構110(詳しくは連動杆295)の動きを検知する構成としたが、検知センサ299による検知対象を遊技球発射レバー41に変更することも可能である。
【0204】
また、検知手段によって発射槌501が初期位置に復帰したことにより、間接的に遊技球が発射されたと判定する構成としたが、検知手段による検知対象を遊技球とし、同遊技球の発射を直接的に判定することも可能である。例えば、発射待機位置WPにて遊技球を検知する構成としてもよい。しかしながら、遊技球を検知する構成においは、検知精度の向上や検知手段の保護が難しくなると想定される。これは、発射規制機能の向上を妨げる要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、検知手段による検知対象を遊技球以外に設定するとよい。
【0205】
(4)上記第1の実施の形態では、両シャッタ280,290の動作タイミングを若干前後させる構成とすることにより、両シャッタ280,290が共に許容状態となることを抑制した。具体的には、上流側シャッタ290を発射槌201の動きに連動させるとともに、連動杆295と検知センサ299との重なり代(連動杆295の動作方向における重なり代)を遮蔽タイミングが発射槌201の動きに対して遅れるように設定した。つまり、連動杆295と検知センサ299との配置を工夫することで、上記タイミングのずれを実現した。これを変更し、上流側シャッタの動作タイミングと、検知信号の出力タイミングとを揃えるとともに、電源・発射制御装置193から出力される駆動信号の出力タイミングを制御にて遅らせる等することも可能である。
【0206】
(5)上記第1の実施の形態では、上流側シャッタ290と発射槌201とを機械的に繋ぐことで、遊技球の発射操作時の動力を上流側シャッタ290の駆動力として活用したが、これに限定されるものではない。例えば、下流側シャッタ280と同様に、上流側シャッタもソレノイド等の動力源を別途有する構成とすることも可能である。
【0207】
但し、このように、複数のシャッタを有する構成においてそれら両シャッタの動力源を別に設けた場合、構成の煩雑化や制御負荷の増大が懸念される。故に、好ましくは、上流側シャッタを機械式とするとよい。
【0208】
(6)上記各実施の形態では、発射レールに1の遊技球が供給されている場合には後続する遊技球の供給を不可とする構成としたが、これを変更し、後続の遊技球の供給を許容する構成としてもよい。しかしながら、後続の遊技球が発射レール202上に溜まると、発射された遊技球の遊技領域PEに到達が妨げられる可能性が生じる。これは、円滑な遊技機の妨げとなり得るため好ましくない。故に、上記変更を行う場合には、併せて以下の変更を行うことが好ましい。
【0209】
例えば、発射待機位置WPに待機中の遊技球に対して後続する遊技球が同待機中の遊技球に当接した場合に同後続の遊技球を回収する回収通路を設けるとよい。例えば、後続する遊技球が、供給通路252の第3通路部255の出口部分に位置する構成とし、その出口部分にパチンコ機10の後方に貫通する貫通孔を形成する。更に、第3通路部255を流下した遊技球が待機中の遊技球に対してパチンコ機10の後斜め上方から当接するように同第3通路部255を変形することで、上記変更を行うとよい。これにより、後続して供給された遊技球は、待機中の遊技球に対して当接することで、貫通孔へ案内され、複数の遊技球が発射レール202上に滞留することを抑制できる。なお、回収通路を通過した遊技球が例えば下皿34に導かれる構成とすればよい。
【0210】
(7)発射待機位置WPに配された遊技球を視認可能とすることも可能である。これにより、どのタイミングにおいて遊技球が発射可能となるかを好適に把握でき、発射待ちの終了を把握することができる。これにより、発射槌201の空振りを抑制でき、遊技の円滑な進行に貢献できる。
【0211】
(8)上記各実施の形態では、電源・発射制御基板421のMPU451における遅延期間等の計測方法としてカウントダウン方式を採用した。これを変更し、遅延期間等の計測方法としてカウントアップ方式を採用することも可能である。
【0212】
(9)上記各実施の形態では、「駆動制御手段」としての機能を電源・発射制御装置193に付与したが、これと同様の機能を主制御装置133に付与することも可能である。つまり、主制御装置133によって遊技球の発射規制を行ってもよい。
【0213】
(10)上記第1及び第2の実施の形態では、「検知手段」としての検知センサ299からの検知信号は、遊技球発射機構110(詳しくは発射槌201)が初期位置から動いていない場合にはLOWレベルの信号を出力し、初期位置から動いた場合にはHIレベルの信号を出力する構成としたが、これを逆にすることも可能である。すなわち初期位置から動いていないが場合にはHIレベル、初期位置から動いている場合にはLOWレベルの信号を出力する構成としてもよい。
【0214】
(11)上記各実施の形態では、「検知手段」として非接触式の検知センサ299を採用したが、これに限定されるものではない。例えば接触式の検知センサを採用することも可能である。また、磁気センサ等の他の非接触式のセンサを採用することも可能である。
【0215】
(12)上記各実施の形態では、「操作部」としての遊技球発射レバー41を回動式としたが、これに限定されるものではない。例えば、「操作部」をスライド式とすることも可能である。
【0216】
また、「発射部」として発射槌201を有する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば「発射部」としてスライド移動可能に設けられた杆状部材を採用することも可能である。
【0217】
(13)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると制御装置により抽選がなされその結果大当たりに当選した場合に電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置に設けられた複数の領域のうち予め定められた特定の領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
【0218】
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0219】
特徴1.操作部(遊技球発射レバー41)を有し、その操作部が初期状態から発射準備状態となるように操作された後に付勢力によって前記初期状態に復帰する場合に遊技球を発射する発射機構(例えば遊技球発射機構110)と、
単位時間あたりの遊技球の発射数が予め定められた数よりも少なくなるように規制する規制手段(例えば下流側シャッタ280や電源・発射制御装置193等)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0220】
特徴1によれば、発射準備状態に切り替えられた操作部が付勢力によって初期状態に復帰することにより、発射機構から遊技球が発射される。このように操作部の切替操作によって遊技球を発射する構成においては、遊技球の発射間隔が遊技者の意思や技量等に依存し得るため、例えば遊技球の発射間隔を短縮して単位時間に取得可能な遊技球の数を増やすといった試みがなされると想定される。仮にこのような発射間隔の短縮による獲得遊技球数の増加が許容されると、遊技者の射幸心を過度に煽ることとなり、健全な遊技ホールの運営に支障を来たすと懸念される。この点、本特徴においては、規制手段によって単位時間あたりの遊技球の発射数が予め定められた数よりも少なくなるように規制される。これにより、上記不都合を払拭し、遊技の健全性を高めることができる。
【0221】
特徴2.前記発射機構は、
遊技球を予め定められた発射待機位置(例えば発射待機位置WP1)に保持する保持部(例えば発射レール202及び球ストッパ205)と、
前記発射待機位置に遊技球を供給する供給装置(例えば球送装置203)と、
前記発射待機位置にて保持されている遊技球を前記操作部に連動することにより発射する発射部(例えば発射槌201)と
を有し、
前記規制手段は、前記供給装置による前記発射待機位置への遊技球の供給を規制するものであることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
【0222】
特徴2によれば、遊技球の供給を規制する構成とすることにより、規制手段の採用に起因して遊技球の発射に関する構成が煩雑になることを抑制できる。これにより、例えばメンテナンス性の低下を抑えつつ、遊技の健全性を高めることができる。
【0223】
特徴3.前記規制手段は、
前記供給装置からの遊技球の供給を許容する許容状態と阻止する阻止状態とに切替可能に設けられた阻止手段(例えばシャッタ機構270)と、
前記操作部の操作に基づいて、前記許容状態又は前記阻止状態となるように前記阻止手段を駆動制御する駆動制御手段(例えば電源・発射制御装置193)と
を有していることを特徴とする特徴2に記載の遊技機。
【0224】
特徴2に示した構成を実現するには、本特徴に示すように阻止手段と駆動制御手段とを設けるとよい。駆動制御手段によって阻止手段の切り替えを行うことで、遊技球の供給を容易に遅らせることができる。
【0225】
特徴4.前記規制手段は、前記供給装置による遊技球の供給タイミングから予め定められた特定期間が経過するまで次の遊技球の供給を規制するものであることを特徴とする特徴2又は特徴3に記載の遊技機。
【0226】
特徴4によれば、単位時間での遊技球の発射数を規制しつつ、同単位時間内での遊技球の発射タイミングの自由度を高めることができる。例えば、遊技球の発射タイミングから一定の期間が経過するまで遊技球の供給を不可とする構成を採用した場合、その一定期間は遊技球の発射及び供給が規制される。この点、本特徴においては、特定期間が経過するまで次の遊技球の供給が不可となるだけで、供給済み遊技球をどのタイミングで発射するかは任意となる。つまり、供給済みの遊技球の発射を控えて、次の遊技球の供給が許容されるまで待った後、同供給済みの遊技球を発射すれば、次の遊技球は直ちに供給されるため、一時的に発射間隔を縮めることができる(例えば連射することができる)。これにより、発射タイミングの選択自由度を高めつつ、遊技の健全性確保に貢献することができる。
【0227】
なお、特徴3(駆動制御手段を有する構成)との組み合わせにおいては、駆動制御手段によって、阻止手段の許容状態への切り替えが少なくとも上記特定期間が経過するまで不可となるように同阻止手段を制御するとよい。
【0228】
特徴5.前記規制手段は、前記供給装置による遊技球の供給タイミングからの経過期間が前記特定期間となったか否かを判定する経過期間判定手段(例えば電源・発射制御装置193のMPU451におけるステップS105の処理を実行する機能や電源・発射制御装置600のMPU631におけるステップS205を実行する機能)を有し、
前記経過期間判定手段により前記特定期間が経過していないと判定された場合には、遊技球の供給が規制されることを特徴とする特徴4に記載の遊技機。
【0229】
特徴4に示したように特定期間が経過するまで遊技球の供給を規制するには、本特徴に示すように経過期間判定手段を設けるとよい。
【0230】
特に、特徴3(駆動制御手段を有する構成)との組み合わせにおいては、経過期間判定手段によって前記特定期間が経過したと判定されていない場合には駆動制御手段による阻止手段の許容状態への切り替えを不可とすればよい。
【0231】
特徴6.前回の遊技球供給タイミングから予め定められた特定期間が経過したか否かの判定を行う期間判定手段(例えば電源・発射制御装置800のMPU831におけるステップS301の処理を実行する機能)と、
前記発射待機位置に待機している遊技球を検知可能に設けられ、同発射待機位置に遊技球が待機しているか否かを判定可能な球検知手段(球検知センサ749及び電源・発射制御装置800のMPU831におけるステップS303の処理を実行する機能)と、
前記期間判定手段によって前記特定期間が経過したと判定され、前記球検知手段によって前記発射待機位置に遊技球が待機していないと判定された場合に、次の遊技球の供給を行う球供給制御手段と
を備えていることを特徴とする特徴2乃至特徴4のいずれか1つに記載の遊技機。
【0232】
特徴6によれば、単位時間での遊技球の発射数を規制しつつ、同単位時間内での遊技球の発射タイミングの自由度を高めることができる。例えば、遊技球の発射タイミングから一定の期間が経過するまで遊技球の供給を不可とする構成を採用した場合、その一定期間は遊技球の発射及び供給が規制される。この点、本特徴においては、特定期間が経過するまで次の遊技球の供給が不可となるだけで、供給済み遊技球をどのタイミングで発射するかは任意となる。つまり、供給済みの遊技球の発射を控えて、次の遊技球の供給が許容されるまで待った後、同供給済みの遊技球を発射すれば、次の遊技球は直ちに供給されるため、一時的に発射間隔を縮めることができる(例えば連射することができる)。これにより、発射タイミングの選択自由度を高めつつ、遊技の健全性確保に貢献することができる。
【0233】
また、手打ち式の遊技機においては、操作部がどのタイミングで発射準備状態に切り替えられ、またどのタイミングで初期状態に切り替えられるか(すなわちどのタイミングで遊技球が発射されるか)が不確定となる。このため、単に遊技球の供給タイミングを遅らせるだけでは、発射待機位置に遊技球が溜まることで同発射部による遊技球の発射が難しくなると懸念される。この点、本特徴によれば、遊技球が発射待機位置に残っている場合には次の遊技球の供給が規制されるとともに、操作部が発射準備状態に切り替えられていない場合には次の遊技球の供給が規制される。これにより、想定以上の遊技球が供給されて遊技球の発射が困難になるといった不都合を生じにくくすることができる。
【0234】
なお、特に特徴3(阻止手段及び駆動制御手段を有する構成)との組み合わせにおいては、本特徴を「前回の遊技球供給タイミングから予め定められた特定期間が経過したか否かの判定を行う期間判定手段と、前記発射待機位置に待機している遊技球を検知可能に設けられ、同発射待機位置に遊技球が待機しているか否かを判定可能な球検知手段とを備え、前記駆動制御手段は、前記期間判定手段によって前記特定期間が経過したと判定され、前記球検知手段によって前記発射待機位置に遊技球が待機していないと判定された場合に、次の遊技球の供給を行うように前記阻止手段を制御することを特徴とする特徴3に記載の遊技機」と置き換えることも可能である。
【0235】
特徴7.前記規制手段は、
遊技球が前記発射待機位置に待機中であるか否かを判定する待機球判定手段(電源・発射制御装置600のMPU631におけるステップS201の処理を実行する機能)と、
前記操作部が前記発射準備状態に切り替えられているか否かを判定する切替状態判定手段(電源・発射制御装置600のMPU631におけるステップS204の処理を実行する機能)と
を有し、
更に、前記規制手段は、前記待機球判定手段により遊技球が待機していないと判定され、前記切替状態判定手段により前記操作部が前記発射準備状態に切り替えられていると判定され、更に前記経過期間判定手段により前記経過期間が前記特定期間となっていると判定された場合に、前記供給装置による前記発射待機位置への遊技球の供給を許容することを特徴とする特徴5に記載の遊技機。
【0236】
手打ち式の遊技機においては、操作部がどのタイミングで発射準備状態に切り替えられ、またどのタイミングで初期状態に切り替えられるか(すなわちどのタイミングで遊技球が発射されるか)が不確定となる。このため、単に遊技球の供給タイミングを遅らせるだけでは、発射待機位置に遊技球が溜まることで同発射部による遊技球の発射が難しくなると懸念される。この点、本特徴によれば、遊技球が発射待機位置に残っている場合には次の遊技球の供給が規制されるとともに、操作部が発射準備状態に切り替えられていない場合には次の遊技球の供給が規制される。これにより、想定以上の遊技球が供給されて遊技球の発射が困難になるといった不都合を生じにくくすることができる。
【0237】
特徴8.前記規制手段は、
前記操作部が前記初期状態及び前記発射準備状態の何れの状態であるかを検知可能な検知手段(検知センサ599)と、
前記発射準備状態から前記初期状態への前記操作部の切り替わりが前記検知手段によって検知された場合に切替情報を記憶する切替情報記憶手段(電源・発射制御装置600のRAM633における発射検知フラグを記憶する機能)と
を備え、
前記切替状態判定手段は、前記検知手段によって前記操作部が前記発射準備状態であることが検知されている場合に、同操作部が同発射準備状態であると判定するものであり、
前記待機球判定手段は、前記切替情報記憶手段に切替情報が記憶されている場合に、前記発射待機位置に遊技球が待機していないと判定するものであることを特徴とする特徴7に記載の遊技機。
【0238】
特徴8によれば、検知手段のからの検知情報を利用して、操作部が発射準備状態であるか否かと、発射待機位置に遊技球が存在するか否かとを判定することができる。これにより、例えば操作部用の検知手段と発射待機位置の遊技球用の検知手段とを採用する場合と比較して、規制手段の構成を簡略化することができる。
【0239】
特徴9.前記供給装置は、前記発射待機位置へ遊技球を案内する案内通路部(供給通路252)を有し、
前記阻止手段は、前記案内通路部における所定位置よりも下流側への遊技球の流下を阻止する第1阻止手段であり、
前記案内通路部において前記第1阻止手段よりも上流側に配されているとともに、同第1阻止手段とは個別に設けられ、同第1阻止手段側への遊技球の流下を阻止する阻止状態と、遊技球の流下を許容する許容状態とに切替可能な第2阻止手段(上流側シャッタ290)を備えていることを特徴とする特徴2乃至特徴5のいずれか1つに記載の遊技機。
【0240】
特徴9によれば、別個独立した第1阻止手段及び第2阻止手段を設けることで、複数の遊技球が発射部に溜まることを抑制することができる。特に、手打ち式の遊技機においては遊技球の発射のタイミングを遊技者が任意に遅らせることができるため、単に遊技球の供給を遅らせる構成とした場合には、順次遊技球が供給されて発射待機位置に遊技球が溜まるといった不都合が生じ得る。この点、第2阻止手段によって後続の遊技球の供給を阻止する構成とすれば、上記不都合を容易に払拭できる。これにより、規制手段を有する構成を採用しつつ、それにより遊技球の円滑な発射が妨げられることを抑制できる。
【0241】
特徴10.前記第1阻止手段は、前記阻止状態となることで、前記案内通路部を流下する遊技球に対して下流側から当接するように形成されており、
前記第2阻止手段は、前記第1阻止手段に当接する遊技球に対して後続する遊技球の流下を阻止するものであり、前記操作部が前記初期状態である場合に前記許容状態で維持され、前記操作部が前記発射準備状態である場合に前記阻止状態に維持されることを特徴とする特徴9に記載の遊技機。
【0242】
特徴10によれば、操作部が初期状態である場合に案内通路部へ遊技球が流入すると、第1阻止手段に当接した遊技球を先頭にして遊技球が溜まることとなる。操作部が発射準備状態に切り替えられると、第2阻止手段によって第1阻止手段に当接している遊技球の流下が妨げられることとなる。これにより、第1阻止手段が許容状態に切り替わって遊技球が供給されたとしても、後続の遊技球は案内通路部内に留まることとなる。これにより、遊技球が供給された後、第1阻止手段が許容状態に切り替わったとしても、後続の遊技球が流出することはなく、遊技球が発射待機位置に溜まって同発射部による遊技球の発射が妨げられることを好適に抑制できる。また、第2阻止手段は、操作部が初期状態に切り替えられることで許容状態に復帰するため、案内通路部における第2阻止手段よりも上流側にて遊技球の流れが滞ることを回避できる。
【0243】
特徴11.前記第2阻止手段と前記操作部との間に設けられ、前記操作部の動きを前記第2阻止手段に伝達するリンク機構(例えば連動杆295)を備えていることを特徴とする特徴10に記載の遊技機。
【0244】
特徴10に示したように第2阻止手段が操作部に連動して動作する構成を採用する場合、第2阻止手段用の駆動装置を別途設けるのではなく、操作部が操作された際の動力を利用して第2阻止手段を駆動させるとよい。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。
【0245】
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
【0246】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射レバー41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘89等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【符号の説明】
【0247】
10…遊技機としてのパチンコ機、110…遊技球発射機構、193…規制手段を構成する電源・発射制御装置、201…発射部としての発射槌、202…保持部を構成する発射レール、203…供給装置としての球送装置、205…球ストッパ、252…案内通路部としての供給通路、270…シャッタ機構、280…規制手段を構成する下流側シャッタ、290…第2阻止手段としての上流側シャッタ、201…発射部としての発射槌、451…MPU、453…RAM、453a…各種カウンタエリア、500…遊技球発射機構、570…規制手段を構成する可動通路、600…規制手段を構成する電源・発射制御装置、631…MPU、633…RAM、201…発射部としての発射槌、633a…遅延カウンタエリア、633b…発射検知フラグエリア、WP1,WP2,WP3…発射待機位置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部を有し、その操作部が初期状態から発射準備状態となるように操作された後に付勢力によって前記初期状態に復帰する場合に遊技球を発射する発射機構と、
単位時間あたりの遊技球の発射数が予め定められた数よりも少なくなるように規制する規制手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記発射機構は、
遊技球を予め定められた発射待機位置に保持する保持部と、
前記発射待機位置に遊技球を供給する供給装置と、
前記発射待機位置にて保持されている遊技球を前記操作部に連動することにより発射する発射部と
を有し、
前記規制手段は、前記供給装置による前記発射待機位置への遊技球の供給を規制するものであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記規制手段は、
前記供給装置からの遊技球の供給を許容する許容状態と阻止する阻止状態とに切替可能に設けられた阻止手段と、
前記操作部の操作に基づいて、前記許容状態又は前記阻止状態となるように前記阻止手段を駆動制御する駆動制御手段と
を有していることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記規制手段は、前記供給装置による遊技球の供給タイミングから予め定められた特定期間が経過するまで次の遊技球の供給を規制するものであることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の遊技機。
【請求項1】
操作部を有し、その操作部が初期状態から発射準備状態となるように操作された後に付勢力によって前記初期状態に復帰する場合に遊技球を発射する発射機構と、
単位時間あたりの遊技球の発射数が予め定められた数よりも少なくなるように規制する規制手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記発射機構は、
遊技球を予め定められた発射待機位置に保持する保持部と、
前記発射待機位置に遊技球を供給する供給装置と、
前記発射待機位置にて保持されている遊技球を前記操作部に連動することにより発射する発射部と
を有し、
前記規制手段は、前記供給装置による前記発射待機位置への遊技球の供給を規制するものであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記規制手段は、
前記供給装置からの遊技球の供給を許容する許容状態と阻止する阻止状態とに切替可能に設けられた阻止手段と、
前記操作部の操作に基づいて、前記許容状態又は前記阻止状態となるように前記阻止手段を駆動制御する駆動制御手段と
を有していることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記規制手段は、前記供給装置による遊技球の供給タイミングから予め定められた特定期間が経過するまで次の遊技球の供給を規制するものであることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2010−284334(P2010−284334A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−140380(P2009−140380)
【出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
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