説明

遊技機

【課題】握り直しなどをせずに様々な操作を行うことができるような多機能化を実現した発射装置を有する遊技機を提供する。
【解決手段】遊技盤14と、遊技者が発射ハンドル26の手前側半球部26aを操作することによって、手前側半球部26aの操作量に応じた発射強度で遊技球を発射する発射装置130とを備え、手前側半球部26aは、操作中において遊技者の指先が触れる部位に遊技者による操作が可能なタクトスイッチ261、262、263を有し、手前側半球部26aの操作に応じた遊技球の発射状態を維持しながら、タクトスイッチ261、262、263の操作に応じて遊技に関わる所定機能を実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機、特にパチンコ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機において、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過したことなど、所定の可変表示開始条件の成立により、可変表示装置の表示領域上に識別情報を変動表示する制御を行い、変動表示が行われている識別情報を導出表示する制御を行う可変表示制御手段が備えられ、導出表示された識別情報が所定の組合せ(特定の表示態様)となった場合に遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行するようにしたものが提供されている。
【0003】
このような、パチンコ遊技機においては、片方の手で遊技球の発射ハンドルを操作し、もう片方の手で、例えば遊技球の貸し出しボタンや遊技球の発射を停止させる停止ボタン等を操作するものが一般的である。特に、遊技球の発射は発射ハンドルから手を離すことによって停止するが、発射ハンドルの回動量を維持したい場合には停止ボタンが用いられる。
【0004】
さらに、従来において、例えば、特許文献1には、発射ハンドルを押し込み操作して遊技球の発射を一時停止させることにより、発射ハンドルの握り直しなどの煩わしさを解消することが開示されている。
【特許文献1】特開2006−109927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のパチンコ遊技機においては、発射ハンドルを操作している手で発射と停止が行えるという多機能化が実現している。しかしながら、片手で発射と停止が行えることは、大切なとき(例えば、電チューが開放されている数秒間に入球させる場合など)に誤操作によって遊技球の発射を停止させてしまうおそれがある。
【0006】
また、その一方で、近年のパチンコ遊技機においては、演出ボタンや球抜き用のボタンを設けた機種も出現している。この場合、例えば、大当り遊技球において、演出ボタンを用いて確変昇格演出に参加している最中に、球抜きを指示する画像が表示された場合には、同時に対処することが不可能であることから、確変昇格演出の参加を諦める、といった事態も発生し得るようになる。このため、握り直しなどをせずに様々な操作を行うことができるような多機能化の発射ハンドルの出現が望まれる。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、握り直しなどをせずに様々な操作を行うことができるような多機能化を実現した発射装置を有する遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
【0009】
請求項1に記載の遊技機は、遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤と、遊技者が発射操作部を操作することによって、前記発射操作部の操作量に応じた発射強度で前記遊技領域に遊技球を発射する発射装置とを備え、前記発射操作部は、操作中において遊技者の指先が触れる部位に遊技者による操作が可能な操作部を有し、前記発射操作部の操作に応じた遊技球の発射状態を維持しながら、前記操作部の操作に応じて遊技に関わる所定機能を実行させる機能実行制御手段を備えたことを特徴としている。
【0010】
この遊技機によれば、発射操作部(例えば、発射ハンドル)を操作する手の指の操作によって操作部を操作することにより、所定機能を実行させることが可能になる。しかも、発射操作部が操作されている状態であれば遊技球の発射状態を維持されるため、誤操作により遊技球の発射を停止させることが無くなる。このように、握り直しなどをせずに様々な操作を行うことができるような多機能化を実現した発射装置を有する遊技機を提供することが可能になる。
【0011】
請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、前記操作部は前記発射操作部に複数設けられており、前記機能実行制御手段は、複数の前記操作部の操作に応じてそれぞれ異なる機能を実行させることを特徴としている。
【0012】
この遊技機によれば、例えば、発射操作部における人差し指や中指に対応する部位に操作部を設けることにより、人差し指や中指の操作によってそれぞれ異なる機能(例えば、球抜きや演出用など)を実行させることが可能になる。このように、握り直しなどをせずに様々な操作を行うことができるような多機能化を実現した発射装置を有する遊技機を提供することが可能になる。
【0013】
請求項3に記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、前記機能実行制御手段は、一つの前記操作部が操作されている間において、他の前記操作部の操作を無効にすることを特徴としている。
【0014】
この遊技機によれば、一つの操作部が操作されている間において、他の操作部の操作を無効になるため、複数の操作ボタンを操作してしまったことによる誤操作を防止することが可能になる。このため、安定した多機能化が実現される。このように、握り直しなどをせずに様々な操作を行うことができるような多機能化を実現した発射装置を有する遊技機を提供することが可能になる。
【0015】
請求項4に記載の遊技機は、請求項1乃至3に記載の遊技機において、前記操作部は、遊技者が操作する押釦部材を有することを特徴としている。
【0016】
この遊技機によれば、押釦部材を遊技者が操作するため、所定の機能を実行するためにはある程度の力を指に込めて押釦部材を押下する必要があるため、押釦部材に指を載せている程度では押釦部材を押下されなくなる。このため、複数の操作ボタンを操作してしまったことによる誤操作を防止することが可能になり、安定した多機能化が実現される。このように、握り直しなどをせずに様々な操作を行うことができるような多機能化を実現した発射装置を有する遊技機を提供することが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、握り直しなどをせずに様々な操作を行うことができるような多機能化を実現した発射装置を有する遊技機を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
【0019】
[第1実施形態]
最初に、本発明に好適な第1実施形態におけるパチンコ遊技機の機能について図1を用いて説明する。
【0020】
まず、図1に示すように、パチンコゲームは、ユーザの操作に応じて発射される遊技球が、特別図柄の可変表示を行うための始動入賞となった場合には(例えば、始動入賞する確率が約“5/100”〜“6/100”となるように障害釘設定)、その始動入賞に伴って、大当りに関する大当りカウンタから、大当りとなるか否かを判定するための大当り乱数、大当りの場合において停止表示させる特別図柄の種類を決定するための図柄乱数が抽出される。この場合において、通常時であるとき(例えば、約“1/300”)は、確変時であるとき(例えば、約“1/50”〜“1/100”)よりも低い確率で大当りとなると判定される。
【0021】
そして、大当りとなると判定された場合には、リーチとなるが、大当りとならないと判定された場合には、リーチ(リーチ入賞)となるか否かが決定されることとなる(例えば、約“1/10”〜“1/20”の確率でリーチとなる)。
【0022】
また、可変表示動作中において始動入賞した場合には、4個の保留球の分だけ、始動記憶領域に大当り乱数等が記憶されることとなる。
【0023】
そして、上述した大当りとなるか否か、停止表示させる特別図柄の種類、リーチとなるか否か等を示す各種のコマンドが演出表示手段に出力されるとともに、可変表示制御手段が表示器における可変表示を行う。
【0024】
一方、演出表示手段は、受信した各種コマンドに基づいて、可変表示映像、演出映像を選択し、選択結果に対応する演出データを読み出し、表示器に表示映像信号を出力するとともに、音発生器(スピーカ)に音声信号を出力する。これによって、表示器において、各種の映像が表示され、音発生器において、各種の音声が発生されることとなる。また、上述した始動記憶領域において記憶された大当りとなるかはずれとなるかが演出表示手段に出力されることによって、まだ可変表示されていない始動記憶領域における当落が認識可能となり、その当落に基づく演出が行われることもある。
【0025】
また、大当りとなった場合には、通常時よりも高い確率で遊技球の払出制御が行われる。そして、大当りが終了した場合には、通常ゲームよりも遊技者に有利な時短状態や、確変状態(確率変動状態)となることもある。時短状態においては、始動入賞口チャッカーが開閉する等、通常時よりも始動入賞し易くなり、確変状態においては、大当り判定時において大当りとなる確率が通常時より高くなる。また、時短状態は、大当り終了後、50〜100回の可変表示中継続され、確変状態は、次に大当りとなるまで継続される。
【0026】
また、パチンコ遊技機の機能について図2を用いて更に具体的に説明する。
【0027】
まず、図2に示すように、パチンコゲームは、ユーザの操作に応じて遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞することによって、遊技球の払出制御が行われるゲームである。
【0028】
また、このパチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲーム、普通図柄を用いる普通図柄ゲームが含まれている。これら特別図柄ゲームにおいて大当りとなったときや、普通図柄ゲームにおいて当りとなったときには、相対的に、遊技球が入賞する可能性が増大し、遊技球の払出制御が行われ易くなる。
【0029】
また、各種入賞には、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示が行われる一つの条件である特別図柄始動入賞や、普通図柄ゲームにおいて普通図柄の可変表示が行われる一つの条件である普通図柄始動入賞も含まれている。
【0030】
特別図柄始動入賞があった場合には、大当り判定用のカウンタ、図柄決定用のカウンタから乱数値が抽出され、各乱数値が記憶されることとなる。
【0031】
一方、普通図柄始動入賞があった場合には、当り判定用のカウンタから乱数値が抽出され、乱数値が記憶されることとなる。
【0032】
特別図柄ゲームにおいては、最初に、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この場合において、上述した特別図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、特別図柄の可変表示を開始すると判定される。
【0033】
そして、大当り判定用のカウンタから抽出された乱数値が参照され、大当りとするか否かの大当り判定が行われる。次に、図柄決定用のカウンタから抽出された乱数値と、上述した大当り判定結果と、が参照され、停止表示させる特別図柄を決定する停止図柄決定が行われる。
【0034】
次に、変動パターン決定用のカウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定結果と、上述した停止図柄と、が参照され、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定が行われる。次に、演出パターン決定用のカウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定結果と、上述した停止図柄と、上述した変動パターンと、が参照され、特別図柄の可変表示に伴って実行する演出パターン決定が行われる。
【0035】
そして、上述したように決定された大当り判定の結果、停止表示させる特別図柄、特別図柄の変動パターン、特別図柄に伴う演出パターンが参照され、特別図柄の可変表示の表示制御を行う可変表示制御、所定の演出を行う演出制御が実行される。
【0036】
そして、大当り判定結果が大当りとなると判定された場合、可変表示制御、演出表示制御が終了した後に、大当り遊技を行う大当り遊技制御が実行される。この大当り遊技制御においては、上述した各種入賞の可能性が増大することとなる。一方、大当りとならないと判定された場合には、大当り遊技制御が実行されない。
【0037】
そして、大当り遊技制御が終了した場合に、遊技状態を移行させるための遊技状態移行制御が行われる。この遊技状態移行制御においては、大当り遊技状態とは異なる通常時における遊技状態の管理が行われる。例えば、上述した大当り判定において、大当りと判定される確率が増大する確変状態であったり、特別図柄や普通図柄の可変表示において、その可変表示時間を短縮させる時短状態であったり、各種の遊技状態に移行させることがある。そして、再度、特別図柄の可変表示を開始させるか否かが繰り返し判定されることとなる。
【0038】
一方、普通図柄ゲームにおいては、最初に、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この場合において、上述した普通図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、普通図柄の可変表示を開始すると判定される。
【0039】
そして、当り判定用のカウンタから抽出された乱数値が参照され、当りとするか否かの大当り判定が行われる。次に、上述した当り判定結果が参照され、普通図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定が行われる。
【0040】
そして、上述したように決定された当り判定の結果、普通図柄の変動パターンが参照され、普通図柄の可変表示の表示制御を行う可変表示制御、所定の演出を行う演出制御が実行される。
【0041】
そして、可変表示制御、演出表示制御が終了した場合に、当りとなるか否かが判定され、当りとなったと判定された場合には、当り遊技を行う当り遊技制御が実行される。この当り遊技制御においては、上述した各種入賞の可能性、特に、特別図柄ゲームにおける特別図柄始動入賞の可能性が増大することとなる。一方、当りとならないと判定された場合には、当り遊技制御が実行されない。そして、再度、普通図柄の可変表示を開始させるか否かが繰り返し判定されることとなる。
【0042】
このように、パチンコゲームは、ユーザの操作に応じて発射された遊技球が各種入賞すること以外に、特別図柄ゲームにおいて大当りとなるか否か、遊技状態の移行状況、普通図柄ゲームにおいて当りとなるか否かによって、遊技球の払出制御が行われ易くなるゲームである。
【0043】
尚、本実施形態においては、各種の乱数値の抽出は、プログラムを実行することによって乱数値を生成するソフト乱数方式を用いているが、これに限らず、例えば、所定周期で乱数が更新される乱数発生器を備え、その乱数発生器におけるカウンタ(所謂、リングカウンタ)から乱数値を抽出するハード乱数方式を用いてもよい。この場合において、所定周期とは異なるタイミングで、乱数値の初期値を決定することによって、所定周期で同じ乱数値が抽出されることを防止することができる。
【0044】
[遊技機の構成]
第1実施形態における遊技機の概観について図3から図6を用いて説明する。尚、以下において説明する実施形態においては、本発明に係る遊技機に好適な実施形態として本発明を第1種パチンコ遊技機(「デジパチ」とも称される。)に適用した場合を示す。
【0045】
パチンコ遊技機10は、図3から図6に示すように、ガラスドア11、木枠12、ベースドア13、遊技盤14、皿ユニット21、画像を表示する液晶表示装置32、遊技球を発射する発射装置130、各種の制御基板を含む基板ユニット400、遊技価値としての遊技球を付与する球払出ユニット500等から構成されている。
【0046】
上述したガラスドア11は、ベースドア13に対して開閉自在に軸着されている。また、このガラスドア11の中央には、開口11aが形成されており、その開口11aには、透過性を有する保護ガラス19が配設されている。また、上述した木枠12は、その前方にベースドア13が軸着される。
【0047】
上述した皿ユニット21は、ガラスドア11の下方に位置するように、ベースドア13に配設されている。皿ユニット21には、その上方に上皿20が、その下方に下皿22が設けられている。上皿20及び下皿22には、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口20a、22aが形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、遊技球が排出され、特に、上皿20には、後述する遊技領域15に発射させるための遊技球が貯留される。
ることとなる。
【0048】
上述した発射装置130は、皿ユニット21の側方に位置するように、ベースドア13に配設されている。この発射装置130には、遊技者によって操作可能な発射ハンドル26が配設されており、遊技者によって発射ハンドル26が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。この発射ハンドル26は、手前側半球部26aと奥側半球部26bとから構成されており、手前側半球部26aと奥側半球部26bとを組み合わせることによって奥側に平面部を有する略球欠体として構成される。手前側半球部26aは、中心軸に対して回転可能に奥側半球部26bに設置されており、奥側半球部26bはパチンコ遊技機10本体に固定されている。そして、発射ハンドル26の手前側半球部26aが遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14の遊技領域15に順次発射される。このように、発射装置130は、遊技者が発射操作部(手前側半球部26a)を操作することによって、発射操作部の操作量に応じた発射強度で前記遊技領域に遊技球を発射する発射装置の一例である。
【0049】
上述した遊技盤14は、保護ガラス19の後方に位置するように、ベースドア13の前方に配設されている。遊技盤14は、その前面に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、ガイドレール30等に囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。このように、発射装置130によって発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて遊技盤14の上部に移動し、その後、遊技領域15に設けられた複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下することとなる。このように、遊技盤14は、遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤の一例である。
【0050】
この遊技盤14の前面中央には、始動口25、シャッタ40等が設けられている。この始動口25に遊技球が入球したことを条件として、特別図柄の可変表示が実行されることとなる。また、詳しくは後述するが、この特別図柄の可変表示の結果に応じて、通常遊技状態よりも遊技者に相対的に有利な大当り遊技状態(所謂、「大当り」)となる。この大当り遊技状態となった場合には、シャッタ40が開放状態に制御され、大入賞口39に遊技球が受け入れ容易な開放状態となることがある。
【0051】
この遊技盤14の後方には、液晶表示装置32の表示領域が視認可能に配設されている。また、ベースドア13の上方には、スピーカ46L、46Rが配設される。
【0052】
また、遊技盤14の中央には、特別図柄表示装置35が配設されている。この特別図柄表示装置35は、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示を行うものである。この特別図柄表示装置35における特別図柄は、一列の図柄列で構成されているが、これに限らず、例えば、複数の図柄列で構成されていてもよい。この特別図柄は、数字や記号等からなる図柄である。
【0053】
「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。また、「可変表示」は、特別図柄ゲームの結果として識別情報が表示される「導出表示」を行うことができる。また、変動表示が開始されてから導出表示されるまでを1回の可変表示と称する。
【0054】
また、この特別図柄表示装置35において、特別図柄の導出表示が行われ、導出表示された特別図柄が特定の表示態様になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することとなる。また、導出表示された特別図柄が非特定の表示態様になった場合には、大当り遊技状態に移行しない。
【0055】
また、導出表示された特別図柄が、特定の表示態様のうちの特別の表示態様になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、確変状態に移行することとなる。
【0056】
一方、導出表示された特別図柄が、特定の表示態様のうち、特別の表示態様ではない非特別の表示態様になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、非確変状態(通常遊技状態)に移行することとなる。上述したような確変状態では、通常遊技状態よりも相対的に大当り遊技状態に移行する確率が向上する。
【0057】
また、これら特別図柄が導出表示される表示態様等によって、大当り遊技状態の終了後に、時短状態に移行することがある。この時短状態とは、通常遊技状態よりも、特別図柄等の可変表示時間が短く、羽根部材48が開放状態となる時間が長くなるように制御されるため、通常遊技状態よりも相対的に大当り遊技状態に移行する可能性が向上する。
【0058】
上述した液晶表示装置32は、遊技に関する画像を表示するための表示領域32aを有している。この液晶表示装置32は、遊技盤14に形成された開口14aの後方(背面側)に配設されることとなる。この液晶表示装置32における表示領域には、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示に伴って可変表示を行う装飾図柄、遊技に係る背景画像、演出画像等、各種の遊技に関する画像が所定の態様で表示されることとなる。
【0059】
また、この液晶表示装置32には、特別図柄表示装置35における特別図柄の可変表示に合わせて、装飾図柄が可変表示される。この装飾図柄の導出表示が行われ、特別図柄表示装置35における特別図柄の可変表示の結果が特定の表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが特定の組合せとなり、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することとなる。
【0060】
尚、第1実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED(Light Emitting Diode)、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであってもよい。
【0061】
上述した遊技盤14の遊技領域15には、各種の役物が設けられている。各種の役物の一例として図5を用いて以下に説明するが、これに限定されるものではない。
【0062】
例えば、遊技盤14の遊技領域15内の中央上方には、特別図柄表示装置35が設けられている。
【0063】
また、特別図柄表示装置35の右側方には、普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置33が設けられている。また、遊技盤14の上方には、特別図柄ゲームにおける保留個数を表示する特別図柄保留表示装置34、普通図柄ゲームにおける保留個数を表示する普通図柄保留表示装置50がそれぞれ設けられている。
【0064】
また、遊技盤14の遊技領域15内の上方には、球通過検出器54が設けられている。この球通過検出器54の近傍を遊技球が通過したことを検出したときには、普通図柄表示装置33における普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示が停止される。
【0065】
この普通図柄が所定の図柄として停止表示されたときには、後述する始動口25の左右の両側に設けられている羽根部材48(所謂、普通電動役物、以降、普通電役と称することがある)が閉鎖状態から開放状態となり、始動口25に遊技球が入り易くなるようになる。また、羽根部材48を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材48を閉鎖状態として、始動口25に遊技球が入り難くなるようにする。
【0066】
また、遊技盤14の遊技領域15内の下方には、遊技球の一般入賞口56が設けられている。
【0067】
また、遊技盤14の遊技領域15の下方には、大入賞口39に対して開閉自在なシャッタ40が設けられている。上述したように、大当り遊技状態に移行された場合には、このシャッタ40が遊技球を受け入れ易い開放状態(第一の状態)となるように駆動される。
【0068】
また、この大入賞口39に遊技球が所定個数通過するか、又は、所定時間が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。つまり、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、大入賞口39を、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態(第二の状態)にする。また、続いて、開放状態から閉鎖状態となったシャッタ40は、上限ラウンド数に至っていないことを条件に、再度開放状態に駆動される。
【0069】
また、シャッタ40の上方には、始動口25が設けられている。この始動口25に遊技球が入賞した場合に、後述する特別図柄ゲームが開始され、特別図柄を変動表示する変動表示状態に移行する。所定の可変表示開始条件としては、第1実施形態においては、始動口25に遊技球が入賞したこと(始動領域を遊技球が通過したこと)を主な条件とする。つまり、所定の可変表示開始条件が成立したときに(始動領域を遊技球が通過したことを条件に)特別図柄の可変表示を行うこととなる。尚、実施形態においては、始動口25に遊技球が入賞したこと等を所定の可変表示開始条件としたが、これに限らず、別の態様であってもよい。
【0070】
また、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示中に遊技球が始動口25へ入賞した場合には、可変表示中の特別図柄が導出表示されるまで、その始動口25への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示の実行(開始)が保留される。つまり、所定の可変表示実行条件が成立したが、所定の可変表示開始条件が成立していない場合(所定の可変表示保留条件が成立した場合)には、所定の可変表示開始条件が成立するまで、特別図柄の可変表示の実行(開始)が保留されることとなる。特別図柄の可変表示の実行が保留されている状態で、特別図柄が導出表示された場合には、保留されている特別図柄の可変表示の実行が開始される。
【0071】
また、特別図柄が導出表示された場合に実行される特別図柄の可変表示の実行は一回分である。また、特別図柄の可変表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回を上限として特別図柄の可変表示が保留される。このように特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示が保留された場合には、特別図柄保留表示装置34は、その保留個数を表示することとなる。
【0072】
また、普通図柄ゲームにおいても同じように、普通図柄の可変表示の実行(開始)が保留されることがあり、その普通図柄の可変表示が保留された場合には、普通図柄保留表示装置50は、その保留個数を表示することとなる。
【0073】
尚、第1実施形態においては、4回を上限として特別図柄の可変表示、普通図柄の可変表示を保留するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、一回又は複数回を上限として、特別図柄の可変表示を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。もちろん、特別図柄の可変表示を保留しないように構成してもよい。
【0074】
また、図6に示すように、上述した球通過検出器54、一般入賞口56、大入賞口39、始動口25の後方には、それぞれ、通過球センサ114、115、一般入賞球センサ106、108、110、112、カウントセンサ104、始動入賞球センサ116が配設され、それぞれの通過又は入球が検知される。また、羽根部材48、シャッタ40の後方には、それぞれ、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120が配設され、それぞれの駆動が行われる。
【0075】
[発射装置の構成]
第1実施形態における発射装置130の要部構成について図7を参照しながら説明する。
【0076】
図7(a)は発射ハンドル26の正面図、図7(b)は発射ハンドル26の操作状態を示す説明図である。手前側半球部26aは、遊技者が握持した場合に、手前側半球部26aの縁部に指先が係る程度の大きさを有する中空の半球体である。手前側半球部26aの表面において、遊技者が右手で手前側半球部26aを握持した場合に親指、人差し指及び中指が対向する部位には、指の付け根付近を基点として手前側半球部26aの縁部まで延びる溝部26c、26d、26eが形成されている。溝部26c、26d、26eにおける縁部側の端部には、手前側半球部26aの内部に設けたタクトスイッチ261、262、263のキートップが配置されている。また、手前側半球部26aの表面における溝部26c、26d、26e以外の部分にタッチセンサ(図示せず)が設けられている。このように、タクトスイッチ261、262、263は、発射操作部(手前側半球部26a)に設けられ、操作中において遊技者の指先が触れる部位に遊技者による操作が可能な操作部の一例である。タクトスイッチ261、262、263は、発射操作部(手前側半球部26a)に複数設けられた操作部の一例である。
【0077】
奥側半球部26bは中空部分を有する半球体であり、手前側半球部26aと奥側半球部26bとを組み合わせることによって構成された球欠体の内部には、タクトスイッチ261、262、263の他に、手前側半球部26aの回動量を検知するためのボリューム素子(図示せず)や、手前側半球部26aを奥側半球部26bに回動可能に取り付けるための軸受け、さらに回動状態にある手前側半球部26aを手放した場合に、手前側半球部26aを初期位置に復帰させるばね部材(図示せず)等が設けられている。タクトスイッチ261は手前側半球部26aを任意の回動位置で固定するロック機構の駆動させるロックボタンとして機能する。タクトスイッチ262は液晶表示装置32の演出表示を変化させたり演出用のギミックを駆動させたりするなどの演出ボタンとして機能する。タクトスイッチ263は下皿22に貯留された遊技球を外部に送り出すための球抜きボタンとして機能する。
【0078】
図7(c)は発射ハンドル26の操作状態を示す説明図である。遊技者の右手の親指、人差し指及び中指は溝部26c、26d、26e内に置かれており、手前側半球部26aを回動させた状態を維持することによって、遊技球が遊技盤14上に発射される。ここで、例えば、遊技中に演出ボタンの操作を要求する画像が表示された場合には、人差し指を軽く曲げて指先をタクトスイッチ262のキートップに置いて押下操作をすることによって、ボタン操作に応じて演出画面が変化する。このように、タクトスイッチ261、262、263のキートップは、遊技者が操作する押釦部材の一例である。
【0079】
また、親指の操作によってタクトスイッチ261をオンにした場合には、例えば、高い摩擦部材を手前側半球部26aの内面に押し当てるといったロック機構を作動させることによって、仮に、親指以外の指を手前側半球部26aから離したとしても、タクトスイッチ261をオンにしている限り、手前側半球部26aは基に戻らずに、回動した状態で維持される。タクトスイッチ261をオフにした場合には、手前側半球部26aが基に戻る。
【0080】
また、中指の操作によってタクトスイッチ263をオンにした場合には、下皿22の底面に形成されている排出口(図示せず)を開閉するシャッタ部材(図示せず)の駆動機構を作動させて、排出口(図示せず)を開放させ、中指の操作によってタクトスイッチ263をオフにした場合には、排出口(図示せず)が閉鎖して、下皿に遊技球を貯留することが可能な状態となる。
【0081】
図7(d)は、操作前後のキートップの位置を示す断面図である。操作前における各タクトスイッチ261、262、263のキートップの最上部は、溝部26c、26d、26eの内部に位置している。操作後における各タクトスイッチ261、262、263のキートップの最上部は、溝部26c、26d、26eの底面よりも上方に位置している。また、タクトスイッチ261、262、263は、押下した際にクリック感を感じるような機構を備えており、このクリック感によって遊技者はタクトスイッチ261、262、263が押下されたか否かを判断することができるようになる。また、タクトスイッチ261、262、263のキートップは、バネ部材によって上方に常時付勢された状態にあり、指先をキートップに載せている程度では押下されず、遊技者が指先にある程度の力を込めることによって押下される。
【0082】
なお、上述した構成においては、親指の操作によって、ロック機能が作動するが、ロック機能は、例えば、ソレノイドを用いた電気式のものでも、スイッチの押下に連動してロック機能を作動させる機械式のものでもよい。さらには、各タクトスイッチの割り当てられた機能も上述したものに限るものではなく、例えば、演出ボタンの機能を複数のタクトスイッチに割り当てるなど、機種に応じて適宜設定可能である。
【0083】
[遊技機の電気的構成]
第1実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図を図8に示す。
【0084】
図8に示すように、パチンコ遊技機10は、主に、遊技の制御を行う主制御回路60と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路200とから構成される。
【0085】
主制御回路60は、メインCPU66、メインROM68(読み出し専用メモリ)、メインRAM70(読み書き可能メモリ)を備えている。
【0086】
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
【0087】
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
【0088】
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。尚、第1実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
【0089】
また、この主制御回路60は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。
【0090】
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されている。
【0091】
例えば、主制御回路60からの信号に応じる各種の装置としては、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置35、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の保留個数を表示する特別図柄保留表示装置34、普通図柄ゲームにおける識別情報としての普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置33、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示の保留個数を表示する普通図柄保留表示装置50、羽根部材48を開放状態又は閉鎖状態とする普通電動役物ソレノイド118、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とする大入賞口ソレノイド120等が接続されている。
【0092】
また、例えば、大入賞口39における領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給するカウントセンサ104、各一般入賞口56を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する一般入賞球センサ106、108、110、112、球通過検出器54を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する通過球センサ114、115、始動口25を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する始動入賞球センサ116、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ124等が接続されている。
【0093】
また、主制御回路60には、タクトスイッチ261、262、263が接続されており、主制御回路60によってタクトスイッチ261、262、263のオン、オフが検出される。
【0094】
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードユニット290が接続されている。また、カードユニット290には、貸し出し用操作部80が接続されており、その操作に応じて、カードユニット290に操作信号が供給される。
【0095】
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット290から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、回動量に応じた発射強度で遊技球を発射させる制御を行う。更に、払出・発射制御回路126は、タクトスイッチ263が押下されたことによって主制御回路60から出力されるコマンドを受け取った場合には、発射ハンドル26の操作に有無にかかわらず、遊技球の発射を停止させる制御を行う。
【0096】
更には、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46L、46Rから発生させる音声に関する制御、装飾ランプ等を含むランプの制御等を行う。
【0097】
尚、第1実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
【0098】
副制御回路200は、サブCPU206、プログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46L、46Rから発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプ等を含むランプの制御を行うランプ制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
【0099】
サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。
【0100】
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルが記憶されている。
【0101】
尚、第1実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、メインROM68、プログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM210等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
【0102】
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する。尚、第1実施形態においては、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
【0103】
表示制御回路250は、液晶表示装置32の表示制御を行う回路であり、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等から構成されている。
【0104】
表示制御回路250は、サブCPU206から供給されるデータに応じて、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。表示制御回路250は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等、各種の画像データ等、液晶表示装置32に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。
【0105】
そして、表示制御回路250は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像が表示される。つまり、表示制御回路250は、液晶表示装置32に遊技に関する画像を表示させる制御を行うこととなる。
【0106】
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する。)等から構成されている。
【0107】
この音源ICは、スピーカ46L、46Rから発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ46L、46Rから音声を発生させる。
【0108】
ランプ制御回路240は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROM等から構成されている。
[遊技機の動作]
以下に、パチンコ遊技機10で実行される処理を図9、図10に示す。
【0109】
[メイン処理]
最初に、図9に示すように、ステップS9において、メインCPU66は、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS14に処理を移す。
【0110】
ステップS14において、メインCPU66は、特別図柄ゲームの進行、特別図柄表示装置35に表示される特別図柄、装飾図柄に関する特別図柄制御処理を実行する。具体的には、この処理において、メインCPU66は、始動口25への入賞を契機として大当り乱数値を抽出し、この大当り乱数値とあらかじめ設定された大当り判定値とを比較して、一致した場合に大当りと判定して、判定結果を特別図柄表示装置35に表示させるとともに、大入賞口39を開放する特別遊技状態に移行する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS15に処理を移す。
【0111】
ステップS15において、メインCPU66は、普通図柄ゲームの進行、普通図柄表示装置33に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する。具体的には、この処理において、メインCPU66は、球通過検出器54への遊技球通過を契機として当り乱数値を抽出し、この当り乱数値とあらかじめ設定された当り判定値とを比較して、一致した場合に当りと判定して、判定結果を普通図柄表示装置33に表示させるとともに、羽根部材48を開放する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS16に処理を移す。
【0112】
ステップS16において、メインCPU66は、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理の実行の結果に従って、特別図柄、普通図柄などの可変表示の表示制御を行う図柄表示装置制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS14に処理を移す。
【0113】
このように、メイン処理においては、初期設定処理が終了した後、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、図柄表示装置制御処理を繰り返し実行することとなる。
【0114】
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図10を用いて説明する。
【0115】
最初に、図10に示すように、ステップS43において、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を“1”増加するように乱数更新処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS44に処理を移す。
【0116】
ステップS44において、メインCPU66は、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114、115、始動入賞球センサ116、更にタクトスイッチ261、262、263の入力を検知し、これらの入力に応じた処理を行う入力検出処理を実行する。特に、タクトスイッチ261、262、263について、メインCPU66は、タクトスイッチ261、262、263の状態に応じた処理を行う。具体的には、メインCPU66が、タクトスイッチ261がオンであることを検知した場合には、発射ハンドル26における手前側半球部26aが回動しないようにロックするロック機構を作動させる信号を払出・発射制御用CPU170に送信する処理を行う。メインCPU66が、タクトスイッチ262がオンであることを検知した場合には、タクトスイッチ262がオンであることを示す信号を副制御回路200に送信する処理を行う。メインCPU66が、タクトスイッチ263がオンであることを検知した場合には、発射装置130の駆動を強制的に停止させる信号を払出・発射制御用CPU170に送信する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS45に処理を移す。このように、メインCPU66は、発射操作部(手前側半球部26a)の操作に応じた遊技球の発射状態を維持しながら、操作部(タクトスイッチ261、262、263)の操作に応じて遊技に関わる所定機能を実行させる機能実行制御手段の一例である。また、メインCPU66は、複数の操作部の操作に応じてそれぞれ異なる機能を実行させる機能実行制御手段の一例である。
【0117】
ステップS45において、メインCPU66は、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS46に処理を移す。
【0118】
ステップS46において、メインCPU66は、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給する出力処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移す。
【0119】
ステップS47において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給するコマンド出力処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS48に処理を移す。
【0120】
ステップS48において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
【0121】
[副制御回路メイン処理]
一方、副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図11を用いて説明する。尚、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
【0122】
最初に、図11に示すように、ステップS1510において、サブCPU206は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS1520に処理を移す。
【0123】
ステップS1520において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた各種の乱数カウンタの乱数値を更新する乱数更新処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS1530に処理を移す。
【0124】
ステップS1530において、サブCPU206は、受信したコマンドを解析し、その解析したコマンドに応じたコマンド解析処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS1540に処理を移す。
【0125】
ステップS1540において、サブCPU206は、液晶表示装置32における画像の表示制御を行う表示制御処理を実行する。具体的には、コマンド解析処理において主制御回路60から変動パターン指定コマンドを受信したと判定した場合に、変動パターン指定コマンドに対応する演出パターンに基づいて各種演出表示が行われる。また、コマンド解析処理において主制御回路60から導出図柄指定コマンドを受信したと判定した場合に、導出図柄指定コマンドに対応する導出図柄を表示する処理が行われる。本実施形態においては、大当りの場合には、特別図柄表示装置35に「0〜9」の何れかの数字図柄が表示され、液晶表示装置32には、特別図柄表示装置35に表示する数字図柄が3つ揃えて表示される。つまり、特別図柄表示装置35に停止表示する数字図柄が「3」であれば、液晶表示装置32には、「333」が表示される。なお、はずれの場合には、特別図柄表示装置35に「−」の図柄が表示され、液晶表示装置32には、数字図柄が3つ揃っていない態様で表示される。さらに、演出パターンに遊技者が参加可能な演出期間が含まれている場合には、当該演出期間にタクトスイッチ262が押下されることに対応して演出表示を変化させる制御が行われる。この処理が終了した場合には、ステップS1550に処理を移す。
【0126】
ステップS1550において、サブCPU206は、スピーカ46L、46Rから発生させる音の制御を行う音声制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS1560に処理を移す。
【0127】
ステップS1560において、サブCPU206は、演出用の各種のランプ132の発光制御を行うランプ制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、再度、ステップS1520、すなわち乱数更新処理に処理を移す。
【0128】
このように、副制御回路メイン処理においては、初期設定処理が終了した後、乱数更新処理からランプ制御処理を繰り返し実行することとなる。
【0129】
[表示画面の説明]
図12は、大当りラウンド中に実行される確変昇格演出の表示画面を説明するためのものである。液晶表示装置32の表示領域32aには、ラウンド数を報知する文字図柄92、大当り停止表示態様を示す識別図柄94、確変昇格演出の演出表示領域となる表示枠95、遊技者に操作方法を説明する文字図柄97、確変昇格したか否かを示す文字図柄98、99が表示されている。
【0130】
第1実施形態においては、図12(a)に示すように、7ラウンド目に確変昇格演出が実行される。そして、文字図柄97の案内に従って、タクトスイッチ262を押下することにより、表示枠95内にキャラクタ画像が停止表示される。
【0131】
図12(b)は、確変であることが報知される表示画面であり、表示枠95内にVサインをした男の子のキャラクタ画像が停止表示されるとともに、「確変ゲット!」という文字図柄98が表示される。図12(c)は、確変でないことが報知される表示画面であり、表示枠95内に目を回した男の子のキャラクタ画像が停止表示されるとともに、「失敗!」という文字図柄98が表示される。
【0132】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0133】
第1実施形態においては、右手の親指、人差し指及び中指に対応する溝部26c、26d、26e及びタクトスイッチ261、262、263を備えているが、第2実施形態には、図13に示すように、さらに薬指に対応する溝部26f及びタクトスイッチ264を備えたものである。また、第2実施形態は、タクトスイッチ261、262、263、264に対応する機能が第1実施形態とは一部異なり、タクトスイッチ261はロックボタンとしての機能、タクトスイッチ262、263は演出ボタンとしての機能、タクトスイッチ264は球抜きボタンとしての機能が割り当てられている。なお、第2実施形態の説明において、図3〜図12に示す第1実施形態における部材と同一の部材には同一の符号を付すことにより、詳細な説明は省略する。
【0134】
タクトスイッチ261、262、263、264は、第1実施形態と同様に、主制御回路60に接続されており、主制御回路60は、タクトスイッチ261、262、263、264のオン、オフを検知する。ここで、主制御回路60は、タクトスイッチ262とタクトスイッチ263のいずれか一方がオン状態にある場合、他方の入力を無効化する処理、すなわちオンに切り換わったとしてもオフにする処理を行う。この処理について、図14を用いて説明する。
【0135】
図14は、第2実施形態における図10のステップS44の処理を示すものである。
【0136】
ステップS180において、メインCPU66は、タクトスイッチ261の検知処理を行う。メインCPU66は、タクトスイッチ261がオンである場合には、払出・発射制御回路126に、発射ハンドル26内のロック機構を作動させて、手前側半球部26aを固定状態にするように指示する信号を送信する処理を行う。タクトスイッチ261がオフである場合には、払出・発射制御回路126に、発射ハンドル26の手前側半球部26aを非固定状態にするように指示する信号を送信する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS182に処理を移す。
【0137】
ステップS182において、メインCPU66は、タクトスイッチ264の検知処理を行う。メインCPU66は、タクトスイッチ264がオンである場合には、払出・発射制御回路126に、発射ハンドル26の操作にかかわらず遊技球の発射を強制的に停止させるように指示する信号を送信する処理を行う。タクトスイッチ261がオフである場合には、払出・発射制御回路126に、遊技球の発射を許可する信号を送信する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS184に処理を移す。
【0138】
ステップS184において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に記憶されている無効化フラグがオンであるか否かを判定する処理を行い、無効化フラグがオンであると判定した場合には、ステップS188に処理を移し、無効化フラグがオンであると判定しない場合には、ステップS186に処理を移す。
【0139】
ステップS186において、メインCPU66は、タクトスイッチ262の検知処理を行う。メインCPU66は、タクトスイッチ262がオンである場合にのみ、副制御回路200に、タクトスイッチ262がオンである旨の信号を送信する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS190に処理を移す。
【0140】
ステップS188において、メインCPU66は、タクトスイッチ263の検知処理を行う。メインCPU66は、タクトスイッチ263がオンである場合にのみ、副制御回路200に、タクトスイッチ263がオンである旨の信号を送信する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS190に処理を移す。
【0141】
ステップS190において、メインCPU66は、タクトスイッチ263がオンであるか否かを判定する処理を行う。メインCPU66は、タクトスイッチ263がオンである場合には、メインRAM70の所定領域に記憶されている無効化フラグをオンにする値を記憶する処理を行い(ステップS194)、タクトスイッチ263がオフである場合には、メインRAM70の所定領域に記憶されている無効化フラグをオフにする値を記憶する処理を行う(ステップS192)。この処理が終了した場合には、ステップS196に処理を移す。
【0142】
ステップS196において、メインCPU66は、その他のセンサ、スイッチの入力処理を行う。この処理において、メインCPU66は、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114、115、始動入賞球センサ116の入力を検知し、これらの入力に応じた処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0143】
すなわち、無効化フラグがオンである場合には、タクトスイッチ262の出力検知を行わずに、タクトスイッチ263の出力検知を行うようになり、遊技者によるタクトスイッチ263の操作が無効化される。無効化フラグがオフである場合には、タクトスイッチ263の出力検知を行わずに、タクトスイッチ262の出力検知を行うようになり、遊技者によるタクトスイッチ263の操作が無効化される。
【0144】
なお、第2実施形態においては、演出関連のタクトスイッチを2つ用意し、一方が操作されている場合には他方の操作を無効にするようにしているが、それに限るものではなく、3つ以上用意した場合においても一つのタクトスイッチが操作されている場合には他のタクトスイッチの操作を無効にするようにしてもよい。このように、メインCPU66は、一つの操作部が操作されている間において、他の操作部の操作を無効にする機能実行制御手段の一例である。
【0145】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0146】
第1実施形態においては、発射装置130の発射操作部材がハンドル部材であることに対し、第3実施形態においては、発射装置130の発射操作部材がボールによって構成されている。そして、ボールの回転方向によって、遊技球の発射強度の強弱、演出への参加が行えるように構成されている。
【0147】
具体的には、図15(a)に示すように、発射操作ユニット300がパチンコ遊技機10本体の右側下部にケーブルを介して有線接続されている。発射操作ユニット300は、操作ボール310と操作ボール310を支持するケース体312とを備えており、操作ボール310はケース体312の上部に定位置において回転可能に設置されており、操作ボール310の一部がケース体312の上面から露出している。この操作ボール310の露出部分に遊技者が手を乗せ、図15(b)に示すように、手を任意の方向に移動させることによって、操作ボール310が遊技者の操作方向に回転する。
【0148】
また、ケース体312内には操作ボール310の特定部位の位置を検出する位置センサ318が設けられている。さらに、位置センサ318の検知結果に基づいて、基準位置に対する特定部位の上下方向のベクトル量と、左右方向のベクトル量を演算によって求める演算回路320が設けられている。また、ケース体312外には図示しないタッチセンサが設けられている。このタッチセンサは、ケース体312における遊技者の手首が接触しやすい部位や、操作ボール310の周囲に設けられている。なお、タッチセンサ以外でも、例えば、操作ボール310を軽く押圧することによってオンになるタクトスイッチを用いて遊技者の操作を検知してもよい。
【0149】
図16は操作ボール310の側面図であり、操作ボール310の頂上部分には基本位置を示す指標314がマーキングされており、操作ボール310における指標314に対して点対称の部位には緩やかな突起316が形成されている。さらに、ケース体312の上部には操作ボール310を載置するための半球状の凹部312aが形成されており、この凹部312aの底部に、突起316が嵌合する凹部312bが形成されている。そして、操作ボール310の半径よりも若干小さい半径のリング部材315を、操作ボール310に被せるように凹部312aの外縁部に取り付けることにより、操作ボール310がケース体312に装着される。第3実施形態においては、突起316が特定部位として設定されており、操作ボール310が基本位置にある場合には、指標314が、操作ボール310において露出した部分の頂上に位置し、突起316が凹部312bに嵌合することによって仮ロックがかかった状態となる。このロック状態は、遊技者が操作ボール310を回転させることによって容易に解除される。
【0150】
[遊技機の電気的構成]
図17は、第3実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図である。なお、図8に示す第1実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路における部材と同一の部材については同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0151】
図17に示すように、第3実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路は、第1実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路のタクトスイッチ261、262、263の代わりに、発射装置130に含まれる発射操作ユニット300に備えた演算回路320が、副制御回路200及び払出・発射制御回路126に接続されている。
【0152】
遊技者が操作ボール310を回転させると、演算回路320は、払出・発射制御回路126に上下方向のベクトル量データを送信し、副制御回路200には左右方向のベクトル量データを送信する。払出・発射制御回路126の払出・発射制御CPU170は、受信した上下方向のベクトル量データに基づいて遊技球の発射強度を決定し、この発射強度に基づいて発射装置130を制御する。第3実施形態においては、操作ボール310が基本位置を中心とした特定部位の変位方向及び距離がベクトル量データとなる。副制御回路200のサブCPU206は、は受信した左右方向のベクトル量データに基づいて演出表示内容を決定し、例えば、液晶表示装置32の表示領域32aに表示する所定のキャラクタを、左右に移動させる表示制御を行う。このように、サブCPU206及び払出・発射制御CPU170は、発射操作部(手前側半球部26a)の操作に応じた遊技球の発射状態を維持しながら、操作部(タクトスイッチ261、262、263)の操作に応じて遊技に関わる所定機能を実行させる機能実行制御手段の一例である。
【0153】
[表示画面の説明]
図18は、大当りラウンド中の確変昇格演出の表示画面を説明するためのものである。液晶表示装置32の表示領域32aには、ラウンド数を報知する文字図柄92、大当り停止表示態様を示す識別図柄94、確変昇格演出の演出表示領域となる表示枠95a、95b、遊技者に操作方法を説明する文字図柄97、確変昇格したか否かを示す文字図柄98が表示されている。
【0154】
第3実施形態においては、図18(a)に示すように、7ラウンド目に確変昇格演出が実行される。そして、文字図柄97の案内に従って、左側に表示されている表示枠95a、右側に表示されている表示枠95bのいずれかを操作ボール310によって選択させる。選択されている表示枠は外周が目立つように表示される。そして、選択した表示枠95aに確変昇格を報知するキャラクタ画像が表示された場合に、確変昇格となる。本実施形態においては、操作ボール310を上下方向に回転させた状態で左右真横に回転させることによって、遊技球の発射状態を維持しつつ表示枠95a、95bを選択することが可能になる。
【0155】
図18(b)は、確変であることが報知される表示画面であり、表示枠95a内にVサインをした男の子のキャラクタ画像が停止表示されるとともに、表示枠95b内に目を回した男の子のキャラクタ画像が停止表示され、「確変ゲット!」という文字図柄98が表示される。
【0156】
以上説明したように本実施形態によれば、発射操作部(例えば、発射ハンドル)を操作する手の指の操作によって操作部を操作することにより、所定機能を実行させることが可能になる。しかも、発射操作部が操作されている状態であれば遊技球の発射状態を維持されるため、誤操作により遊技球の発射を停止させることが無くなる。このように、握り直しなどをせずに様々な操作を行うことができるような多機能化を実現した発射装置を有する遊技機を提供することが可能になる。
【0157】
また本実施形態によれば、例えば、発射操作部における人差し指や中指に対応する部位に操作部を設けることにより、人差し指や中指の操作によってそれぞれ異なる機能(例えば、球抜きや演出用など)を実行させることが可能になる。このように、握り直しなどをせずに様々な操作を行うことができるような多機能化を実現した発射装置を有する遊技機を提供することが可能になる。
【0158】
また、特に第2実施形態によれば、一つの操作部が操作されている間において、他の操作部の操作を無効になるため、複数の操作ボタンを操作してしまったことによる誤操作を防止することが可能になる。このため、安定した多機能化が実現される。このように、握り直しなどをせずに様々な操作を行うことができるような多機能化を実現した発射装置を有する遊技機を提供することが可能になる。
【0159】
また、特に第1、第2実施形態によれば、押釦部材(タクトスイッチ261〜264のキートップ)を遊技者が操作するため、所定の機能を実行するためにはある程度の力を指に込めて押釦部材を押下する必要があるため、押釦部材に指を載せている程度では押釦部材を押下されなくなる。このため、複数の操作ボタンを操作してしまったことによる誤操作を防止することが可能になり、安定した多機能化が実現される。このように、握り直しなどをせずに様々な操作を行うことができるような多機能化を実現した発射装置を有する遊技機を提供することが可能になる。
【0160】
また、第3実施形態によれば、遊技者の操作により遊技球を発射させる発射手段(発射操作ユニット300)を備えた遊技機であって、発射手段は、全方向への回転操作が可能な構造を有し、回転方向に応じて発射強度を変化させるようにしたことにより、発射ハンドルの握り直しなどをせずに発射操作を行うことができる遊技機を提供することが可能になる。
【0161】
また、第3実施形態によれば、発射手段の操作に応じた表示を行う表示手段(液晶表示装置32)を備えたことにより、握り直しなどをせずに発射操作と演出参加の操作を同時に行うことができるような多機能化を実現した発射装置を有する遊技機を提供することが可能になる。
【0162】
また、第3実施形態によれば、発射手段は、操作部材(操作ボール310)が基本位置に復帰したときに仮ロックがかかる構成としたことにより、操作部材の回転の仮固定場所を認識しやすくなる。
【0163】
また、第3実施形態によれば、操作部材(操作ボール310)の回転方向に応じた機能の操作を行うこと、例えば、前後方向が発射強度、左右方向を演出用にすることなどが可能になる。
【0164】
尚、本実施形態においては、主制御回路と副制御回路との複数の制御回路を備えるように構成したが、これに限らず、別の構成としてもよく、例えば、副制御回路と主制御回路とをワンボードに構成してもよい。
【0165】
尚、上述した実施形態においては、液晶表示装置付きのパチンコ遊技機を例に挙げたが、これに限らず、羽根モノ、ヒコーキモノと称されるパチンコ遊技機、権利モノと称されるパチンコ遊技機、その他別の態様であってもよい。
【0166】
尚、本実施形態においては、パチンコ遊技機に本発明を採用したが、これに限らず、例えば、パチスロ遊技機やゲーム機等、各種の遊技機に本発明を採用してもよい。もちろん、このようなスロットゲームが実行されるゲーム機でなくとも、ビンゴゲームやクジが実行されるゲーム機に本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機の機能の説明図である。
【図2】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機の機能の説明図である。
【図3】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機における外観を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機における遊技盤の概観を示す正面図である。
【図6】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機における各種センサやソレノイド等の配置を示す正面図である。
【図7】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機における発射装置の操作部の説明図である。
【図8】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機において構成される主制御回路及び副制御回路を示すブロック図である。
【図9】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1実施形態のパチンコ遊技機における表示画面を示す説明図である。
【図13】本発明の第2実施形態のパチンコ遊技機における発射装置の操作部の説明図である。
【図14】本発明の第2実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第3実施形態のパチンコ遊技機における発射装置の操作部の説明図である。
【図16】本発明の第3実施形態のパチンコ遊技機における発射装置の操作部の説明図である。
【図17】本発明の第3実施形態のパチンコ遊技機において構成される主制御回路及び副制御回路を示すブロック図である。
【図18】本発明の第3実施形態のパチンコ遊技機における表示画面を示す説明図である。
【符号の説明】
【0168】
10 パチンコ遊技機
14 遊技盤
26 発射ハンドル
26a 手前側半球部
26b 奥側半球部
26c、26d、26e、26f 溝部
32 液晶表示装置
33 普通図柄表示装置
34 特別図柄保留表示装置
35 特別図柄表示装置
60 主制御回路
66 メインCPU
68 メインROM
70 メインRAM
126 払出・発射制御回路
128 払出装置
130 発射装置
200 副制御回路
206 サブCPU
208 プログラムROM
210 ワークRAM
250 表示制御回路
261、262、263、264 タクトスイッチ
300 発射操作ユニット
310 操作ボール
312 ケース体
312a 凹部
312b 凹部
314 指標
315 リング部材
316 突起
320 演算回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤と、
遊技者が発射操作部を操作することによって、前記発射操作部の操作量に応じた発射強度で前記遊技領域に遊技球を発射する発射装置とを備え、
前記発射操作部は、操作中において遊技者の指先が触れる部位に遊技者による操作が可能な操作部を有し、
前記発射操作部の操作に応じた遊技球の発射状態を維持しながら、前記操作部の操作に応じて遊技に関わる所定機能を実行させる機能実行制御手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1記載の遊技機において、
前記操作部は前記発射操作部に複数設けられており、
前記機能実行制御手段は、複数の前記操作部の操作に応じてそれぞれ異なる機能を実行させることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項1又は2記載の遊技機において、
前記機能実行制御手段は、一つの前記操作部が操作されている間において、他の前記操作部の操作を無効にすることを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか記載の遊技機において、
前記操作部は、遊技者が操作する押釦部材を有することを特徴とする遊技機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−46312(P2010−46312A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−213599(P2008−213599)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【Fターム(参考)】