遊技機
【課題】操作手段を特定の操作位置に長時間保持しても手に疲労を生じ難く安楽に遊技を行うことが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】操作ハンドル18(操作手段)のダイヤル602(可動部)が操作位置にあるときにダイヤル602における第1指掛突起602P1(所定の部位)の近傍に位置し、コイルバネ(付勢手段)による付勢力に抗してダイヤル602を操作する力を軽減するために用いることが可能なストッパ610(操作位置固定手段)を備える構成とする。
【解決手段】操作ハンドル18(操作手段)のダイヤル602(可動部)が操作位置にあるときにダイヤル602における第1指掛突起602P1(所定の部位)の近傍に位置し、コイルバネ(付勢手段)による付勢力に抗してダイヤル602を操作する力を軽減するために用いることが可能なストッパ610(操作位置固定手段)を備える構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機のうち、例えば、パチンコ球を使用するパチンコ機の場合には、操作手段として操作ハンドルを備え、遊技者がこの操作ハンドルを操作する操作量に応じて遊技球の発射強度が変化し、これにより遊技内容が変化するように構成されているのが一般的である。
【0003】
上記操作ハンドルは通常、遊技者の手動操作により初期位置から任意の操作位置まで回動する「ダイヤル」とも称される環状の部材を備え、このダイヤルは内部にコイルバネが内蔵されて初期位置側へ付勢されており、操作位置で手を離すとこのダイヤルが初期位置に復帰するように構成されている。遊技者は、遊技を開始するときにはダイヤルを初期位置から操作位置まで回動させ、以降、この操作位置を調節することにより遊技球の発射強度を加減しながら遊技を進めることとなる。
【0004】
このような遊技機としては、例えば、以下の文献に記載のものが挙げられる。
【特許文献1】特開2008−132213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような遊技機においては、遊技者が自身にとって最適な特定の操作位置(以下、最適位置と称す)にダイヤルを合わせると、以降はこの最適位置にダイヤルを保持して遊技を進めるのであるが、ダイヤルは前述の通りコイルバネにより初期位置側へ付勢されているので、ある程度の時間以上にこの付勢力に抗してダイヤルを最適位置に保持しておくと、ダイヤルを保持する手に疲労をきたしやすい。ところが、この疲労のためにダイヤルから手を放して操作を休止すると、遊技を再開する際には操作位置をはじめから調節し直す必要があり、これにともなって無駄球が出てそのぶん遊技者の損失となってしまう。このため、遊技者が硬貨や遊技球等を挟みこんでダイヤルを最適位置に固定することもしばしば行われ、これにより操作ハンドルが破損されやすくなるという問題があった。特に、操作ハンドルによってはコイルバネによる付勢力が強めに設定されているものもあり、この付勢力が強いほど、遊技者の手が疲労しやすくなる。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みて案出されたものであり、操作手段を特定の操作位置に長時間保持しても手に疲労を生じ難く安楽に遊技を行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる遊技機は、上記目的を達成するために、手段1として、
遊技者により操作され、その操作量に応じて遊技内容を変化させるための操作手段を備え、該操作手段は、遊技者の操作により初期位置と操作位置との間を移動し得る可動部と、該可動部を初期位置側へ付勢する付勢手段とを有する遊技機であって、
前記可動部が操作位置にあるときに該可動部における所定の部位の近傍に位置し、前記付勢手段による付勢力に抗して前記可動部を操作する力を軽減するために用いることが可能な操作位置固定手段を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明において、「可動部」には、環状のダイヤルの他、支点を中心に回動するレバーや、さらには、スライド動作するもの等のように、初期位置と操作位置との間を移動し得るものであれば任意のものが含まれる。
【0009】
上記手段1の構成によれば、特定の操作位置にある可動部を、該可動部における所定の部位の近傍に位置する操作位置固定手段で支えながら該操作位置に保持しておくことができる。このとき、可動部には付勢手段により初期位置側へ付勢力が加えられており、可動部を特定の操作位置に保持しておくにはこの付勢力に抗することが必要であるが、操作位置固定手段は付勢手段による付勢力に抗して前記可動部を操作する力を軽減するために用いることが可能となっているため、可動部を操作位置固定手段で支えながら保持することにより、付勢手段による付勢力を操作位置固定手段で緩和することができるので、可動部を手だけで把持するよりも容易かつ確実に最適位置に保持しておくことができ、疲労し難く安楽な体勢で遊技を進めることができる。
【0010】
また、本発明にかかる遊技機は、手段2として、手段1の遊技機において、
前記操作位置固定手段が、前記可動部の移動方向に沿って移動し得るとともに、その移動方向における初期位置側へ向けて前記付勢手段による付勢力と実質的に同等の力を加えられても動かず同位置に留まるものとなっていることを特徴とする。
【0011】
上記手段2の構成によれば、操作位置固定手段を移動させることにより、該操作位置固定手段を可動部の任意の操作位置に対応して可動部における所定の部位の近傍に位置させることができる。
このとき、操作位置固定手段は移動方向における初期位置側へ向けて前記付勢手段による付勢力と実質的に同等の力を加えられても動かないため、可動部を操作位置固定手段で支えながら保持することにより、付勢手段による付勢力を操作位置固定手段で受け止めることができるので、可動部をより容易かつ確実に最適位置に保持しておくことができる。
【0012】
また、本発明にかかる遊技機は、手段3として、手段2の遊技機において、
前記可動部が初期位置から操作位置へ移動する場合に、前記操作位置固定手段が該可動部における所定の部位に追従して移動することを特徴とする。
【0013】
上記手段3の構成によれば、可動部を初期位置から操作位置へ移動させるのとは別の操作によって操作位置固定手段を移動させなくても、可動部を移動させると該操作位置固定手段が自動的に可動部における所定の部位に追従して移動することとなり、したがってそのぶん操作の手間を省略することができるとともに、該操作位置固定手段を可動部における所定の部位の近傍に確実に位置させるようにすることができる。
【0014】
また、本発明にかかる遊技機は、手段4として、手段3の遊技機において、
前記操作手段は、
前記可動部の移動方向を規制する第1規制部と、
前記操作位置固定手段の移動方向を規制する第2規制部と、
前記操作位置固定手段に設けられ、前記移動方向と交差する方向において前記第2規制部と接触する部位を有する基部と、
前記基部から前記交差方向に延出する部位に設けられ、操作位置側に向いた支承面と、
前記可動部に設けられ、前記可動部が初期位置から操作位置へ向けて移動することに応じて前記基部を押圧する押圧面とを有することを特徴とする。
【0015】
上記手段4の構成によれば、可動部を第1規制部に沿って初期位置から操作位置へ移動させると、操作位置固定手段が、基部において第2規制部に接触しながら該第2規制部に沿って可動部に追従して移動するが、このとき、操作位置固定手段は、第2規制部に接触する部位を有する基部(即ち操作位置固定手段が第2規制部に支持される支点が存在する部位)を可動部の押圧面により押圧されることで可動部に追従して移動するので、比較的に小さい力で容易に可動部に追従して移動することができ、したがって可動部の操作を阻害することが少ない。一方、可動部を操作位置に移動させた後は、可動部を操作位置固定手段で支えながら保持することができるが、このとき、操作位置固定手段の基部から前記交差方向に延出する部位に設けられた支承面で可動部を支えることができるので、基部から前記交差方向に離隔した位置(即ち上記支点から前記交差方向に離隔した力点)で可動部を支えることができ、したがって、このとき上記力点で操作位置固定手段に加わる力は、操作位置固定手段を第2規制部に沿って移動させるよりも、むしろ逆に、第2規制部に圧接して該操作位置固定手段を当該位置に留めるように作用する。これにより、簡単な構成によって、可動部をより容易かつ確実に最適位置に保持しておくことが可能な構造とすることができる。
【0016】
また、本発明にかかる遊技機は、手段5として、手段1から手段4のいずれかの遊技機において、
前記可動部が初期位置側に向いた作用面を有し、前記操作位置固定手段が操作位置側に向いた支承面を有することを特徴とする。
【0017】
上記手段5の構成によれば、作用面と支承面との間に指などを挟むようにすることにより、容易に可動部を操作位置固定手段で支えながら保持することができる。
【0018】
また、本発明にかかる遊技機は、手段6として、手段5の遊技機において、
前記作用面と支承面とが外側へ次第に拡開していることを特徴とする。
【0019】
上記手段6の構成によれば、例えば遊技者の指の太さに個人差があったり、あるいは例えば人差し指と親指とのように使用する指の違いがあっても、いずれかの位置(深さ位置)で作用面と支承面との間隔に適合して納まるようになっている。
【0020】
また、本発明にかかる遊技機は、手段7として、手段2から手段6のいずれかの遊技機において、
前記操作位置固定手段が、移動方向に沿って配置されたレールを、交差する2方向の各方向に沿って挟持するようにして該レール上に摺動可能に支持されていることを特徴とする。
【0021】
本発明において、「レールを交差する2方向の各方向に沿って挟持する」という場合の「交差する2方向」とは、例えば帯状に延びるレールの場合、厚さ方向と幅方向との2方向のように、レールの断面において互いに異なる(即ち平行でない)2方向のことである。
【0022】
上記手段7の構成によれば、操作位置固定手段がレールによって交差する2方向の各方向に規制され、ガタつきもなく安定に支持されることが可能となる。
【0023】
また、本発明にかかる遊技機は、手段8として、手段7の遊技機において、
前記操作位置固定手段が弾性部材を備え、前記レールに対し両側から弾性部材が所定の圧力で当接していることを特徴とする。
【0024】
上記手段8の構成によれば、操作位置固定手段が、レールに対し所定の摩擦力をもって摺動可能に支持され、これにより、レール上の特定の位置に確実に支持されるようにすることができる。
【0025】
また、本発明にかかる遊技機は、手段9として、手段8の遊技機において、
前記操作位置固定手段が、内部に弾性部材が収容された構成を有することを特徴とする。
【0026】
上記手段9の構成によれば、劣化等の場合に弾性部材のみを交換することもできる。
【0027】
また、本発明にかかる遊技機は、手段10として、手段7ないし手段9の遊技機において、
前記操作位置固定手段とレールとの間の摩擦力を調節する摩擦力調節機構を備えることを特徴とする。
【0028】
上記手段10の構成によれば、摩擦力を大とすることにより操作位置固定手段の変移した様態(レール上の位置)を確実に維持することができ、一方、摩擦力を小とすることにより操作位置固定手段をより容易に元の位置に戻すことができる。
【0029】
また、本発明にかかる遊技機は、手段11として、手段2から手段10のいずれかの遊技機において、
前記可動部が操作位置から初期位置へ復帰するのに連動して、前期操作位置固定手段が元の位置に復帰することを特徴とする。
【0030】
もし、可動部が操作位置から初期位置へ復帰した後も、最適位置にあったときの可動部における所定の部位の近傍に操作位置固定手段が留まっていると、遊技者が遊技を通じて自分が探り当てた最適位置を示す目安となって残ることとなり、遊技終了後に次の遊技者がこの操作位置固定手段を目安として同じ最適位置を利用することも可能となってしまう。これに対し、上記手段11の構成によれば、可動部が操作位置から初期位置へ復帰すると、これと連動して操作位置固定手段も必ず元の位置に復帰することとなり、したがって、遊技終了後に最適位置を次の遊技者に利用されないようにすることができる。
【0031】
また、本発明にかかる遊技機は、手段12として、手段10または手段11の遊技機において、
前記可動部が、操作位置から初期位置へ復帰する途上で、前記摩擦力調節機構に当接して操作位置固定手段とレールとの間の摩擦力を小とするように操作するとともに操作位置固定手段を元の位置に復帰する方向に押圧して駆動することを特徴とする。
【0032】
上記手段12の構成によれば、可動部の復帰動作によって摩擦力調節機構の操作および操作位置固定手段の駆動が同時になされることとなり、したがって、操作位置固定手段をより効率的かつ容易に元の位置に復帰させることができる。
【0033】
また、本発明にかかる遊技機は、手段13として、手段10から手段12のいずれかの遊技機において、
前記操作位置固定手段を元の位置に復帰させる方向に付勢する付勢手段を備えることを特徴とする。
【0034】
上記手段13の構成によれば、操作位置固定手段をさらに容易に元の位置に戻すことができる。
【0035】
また、本発明にかかる遊技機は、手段14として、手段1から手段13のいずれかの遊技機において、
前記可動部が、操作位置固定手段よりも遊技者寄りの位置に配置されていることを特徴とする。
【0036】
上記手段14の構成によれば、操作位置固定手段に抵触することなく可動部のみを操作することや、可動部を最適位置に合わせた後になってはじめて操作位置固定手段に触れるようにすることがより容易となる。
【0037】
また、本発明にかかる遊技機は、手段15として、手段1から手段14のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機であることを特徴とする。
【0038】
パチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて有価物体の一例である球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カード書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0039】
パチンコ機にあっては、可動部が操作位置にあるときに該可動部における所定の部位の近傍に位置し、付勢手段による付勢力に抗して前記可動部を操作する力を軽減するために用いることが可能な操作位置固定手段を備える構成としたので、操作手段を特定の操作位置に長時間保持しても手に疲労を生じ難く安楽に遊技を行うことができるようにしたパチンコ機が得られる。
【0040】
また、本発明にかかる遊技機は、手段16として、手段1から手段14のいずれかの遊技機において、
遊技機がスロット機であることを特徴とする。
【0041】
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0042】
スロット機にあっては、可動部が操作位置にあるときに該可動部における所定の部位の近傍に位置し、付勢手段による付勢力に抗して前記可動部を操作する力を軽減するために用いることが可能な操作位置固定手段を備える構成としたので、操作手段を特定の操作位置に長時間保持しても手に疲労を生じ難く安楽に遊技を行うことができるようにしたスロット機が得られる。
【0043】
また、本発明にかかる遊技機は、手段17として、手段1から手段14のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機とスロット機を融合させた遊技機であることを特徴とする。
【0044】
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0045】
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機にあっては、可動部が操作位置にあるときに該可動部における所定の部位の近傍に位置し、付勢手段による付勢力に抗して前記可動部を操作する力を軽減するために用いることが可能な操作位置固定手段を備える構成としたので、操作手段を特定の操作位置に長時間保持しても手に疲労を生じ難く安楽に遊技を行うことができるようにした、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機が得られる。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、遊技者により操作され、その操作量に応じて遊技内容を変化させるための操作手段を備え、該操作手段は、遊技者の操作により初期位置と操作位置との間を移動し得る可動部と、該可動部を初期位置側へ付勢する付勢手段とを有する遊技機において、上記可動部が操作位置にあるときに該可動部における所定の部位の近傍に位置し、上記付勢手段による付勢力に抗して前記可動部を操作する力を軽減するために用いることが可能な操作位置固定手段を備える構成としたので、疲労し難く安楽な体勢で遊技を進めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る遊技機の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、便宜上、パチンコ機を挙げて説明するが、本発明は、パチンコ機以外の弾球遊技機(例えばアレンジボール機や雀球遊技機など)、その他、遊技球を用いる種々の形態の遊技機に適用することができる。
【0048】
(パチンコ機の正面構成)
図1は本実施形態のパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の左側面図であり、図3は、その平面図である。図4は、外枠11に対して内枠12と前面枠(セット)14と、セット板400を開放した状態を示す斜視図である。(但し、図4では便宜上、遊技盤30面上の遊技領城内の構成〔釘、センター役物等〕を空白で示しているが、アウト口36は描いてある)。
【0049】
図1乃至図4に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は、軽量化を図るために、樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
前記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて遊技球発射ハンドル18の設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリルーブタジエンースチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
【0050】
下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24(内枠12の左右上端部位置)が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿19が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。球抜きレバ
ー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。
【0051】
そして、遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38(図4参照)によって遊技球が遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、遊技球発射ハンドル18と後述するセットハンドルと発射モーターなどで構成されている。音出力口24は、内枠12の左右上端部位置に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は、図1に示すように、下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように支持されている。
【0052】
なお、下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿15の奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃えにくくなっている。
【0053】
また、前面枠14は、図4に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。しかも前面枠14は内枠12の外側壁(リブ)12B内に嵌まり込むようにして取り付けられている。
つまり、この前面枠14の側面の少なくとも一部が内枠12の外側壁(リブ)12B内に嵌まり込むようにして取り付けられているので、内枠12と前面枠14との隙間から異物(針状あるいは薄板状等のものであって、具体的には針金、ピアノ線、セルロイド板等)を差し入れるなどの不正行為を防止できるようになっている。また、前面枠14は、内枠12と同様に、合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されているので、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
【0054】
一方、前面枠14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19(図1参照)が前面枠14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
【0055】
図4に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓部孔21が形成されている。そして、樹脂ベース20の後側には、図4及び図5に示す遊技盤30が着脱可能に装着されている。図5に示すように、遊技盤30は四角形状の合板よりなり、上部一方のコーナーが肩落ちされており(後に述べる)、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。
【0056】
従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓部孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている(図4では遊技盤30のアウト口36が示され
ている)。そして、ここでは、遊技盤30の前記内枠12の外枠11に対する枢着部(パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にした枢着)に近いコーナー(隅)が、図5に示すように、略三角形状に角落ち(切り欠き)720されている。
【0057】
次に、図5を用いて遊技盤30の構成を説明する。図5は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30の左右やや下方位置には、2組一対の一般入賞口31、31が階段状に配置され、中央下方には、始動口33が配置されている。これら一般入賞口31、31および始動口33は、遊技領域から裏面へ向けて貫通する開口となっており、これらの開口に対応して入賞装置が取り付けられている。即ち、此れらに対応した入球検出センサが、遊技盤30の背面に設けられており、これらのセンサは、図示しない電気配線を通じて後述する主制御基板(主制御装置)に接続されている。
そして、この一般入賞口31、31及び始動口33に遊技球が入球した場合には、上記各検出センサで検出され、この検出センサの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出されると共に、始動口33に遊技球が入球した場合には、後述する抽選が開始されることになる。
【0058】
尚、上記入賞感知センサにて各々検出された検出結果は、後述する主制御基板に取り込まれ、該主制御基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
【0059】
また、遊技盤30の中央には液晶パネルを用いた装飾図柄表示装置42が配置されており、その左右横側部には、スルーゲート34,34が配置されている。これらのスルーゲートは、遊技球の通過によって、後述の始動口33の羽根物を開閉作動させる。その他に、遊技盤30の左右下方位置には、上記一般入賞口31、31を備えた装飾部材35が設けられ、また、遊技盤30の下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って、遊技盤30裏面の図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。さらに、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の誘導釘が植設されているとともに、同様の機能を有する風車が配設されている。
【0060】
また、遊技盤30には、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。
【0061】
なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)か内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。
かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
【0062】
内レール51の先端部分(図5の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図5の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレートが取着されている。
【0063】
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
【0064】
内レール51および外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路に導くための役目をなす。
なお、遊技盤30の右下隅部および左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図5のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図5のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
【0065】
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されている。本実施形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール51および外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。 従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール52によって特定される。
【0066】
前記樹脂ベースにおいて、窓部孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置38より発射された直後に遊技球を案内するための発射レールが取り付けられている。発射レールは、その後方の金属板を介して樹脂ベースに取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レールに沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
【0067】
また、発射レールとレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置38から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路を介して下皿15に排出される。
【0068】
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール52に沿って流れ、外レール52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路に誘導される、これにより、ファール球の全てがファール球通路に確実に案内されるようになり、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
【0069】
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。また、遊技球発射装置38には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。
【0070】
図4中の符号67は、上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。この排出口67には、略水平方向の回転軸を軸心として略水平状態と略垂直状態とに変位する開閉式のシャッタが取り付けられている、前面枠14を内枠12から開放した状能(図4の状態)では、バネ等の付勢力によりシャッタが略水平状態から略垂直状態となり、排出口67から遊技球がこぼれ落ちないようにこの排出口67を閉鎖する。
【0071】
また、前面枠14を閉鎖した状態では、当該前面枠14の裏面に設けられた球通路樋69(図4参照)によりシャッタが押し開けられて略水平状態になり、排出口67の方へ排出された遊技球はもれなく球通路樋69を通って上皿19に排出されるようになる。従って、本パチンコ機10においては、前面枠14の開放に際し払出通路内等の遊技球がパチンコ機10外にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
【0072】
図4に示すように、内枠12の上側には、前面枠14が内枠12に対して開かれたことを検出する前面枠セット開検出スイッチ90が設けられている。前面枠14が開かれると、前面枠セット開検出スイッチ90からホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、前面枠14が閉じられると、前面枠14の金属製の補強板が、内枠12の一対の金具に接触するようになっており、前面枠14のアースが確保されている。
【0073】
ここで、前述した前面枠14について、図1乃至図4を参照しつつより詳細に説明する。
前面枠14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、ベース部材が窓部101を形成する開口を備えており、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲して細化した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。
【0074】
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に、演出装置700の一つとして、各種ランプ等の発光部が設けられている。これら発光部は、大当たり遊技状態時や羽根開放時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光部を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光部を内蔵した中央電飾部103が設けられている。
本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光部を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。
【0075】
その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ810、813(LED:後に言及)とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓部107が設けられている。この小窓部107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓部107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。更に、遊技領域内にも、入賞口用等の電飾ランプ、LEDが存在するが、こうした発光部も演出装置700の一部を構成する。
【0076】
また、図1に示すように、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタンと、返却ボタンと、度数表示部とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタンは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタンは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
【0077】
そして、度数表示部はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
【0078】
(パチンコ機の背面構成)
図6及び図7は、パチンコ機10の背面図と、外枠11から内枠12を開き、内枠12からセット板400を一部開いた斜視図である。先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)等が取り付けられている。
【0079】
本実施形態では、各種制御基板を3つの制御基板にユニット化し、これら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。ここでは便宜上、これらのユニットを「第1制御基板ユニット201」、「第2制御基板ユニット202」および「第3制御基板ユニット203」と称することとする。この場合、第1制御基板ユニット201および第2制御基板ユニット202として、主制御基板と音声ランプ制御基板とがそれぞれ取付台に搭載してユニット化され、第3制御基板ユニット203として、払出制御基板、発射制御基板および電源基板が、セット板400の第2パーツを構成する排出通路盤にユニット化されている。
【0080】
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202および第3制御基板ユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。かかる構成については後に詳述する。これは、各ユニット201、202、203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
【0081】
図5に示す一般入賞口31、始動口33に入賞した遊技球は何れも前記裏枠セットの回収通路を介して集合し、さらに排出通路盤の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図5参照)も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
【0082】
その他、図6に示すように、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構部352より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、または排出通路の何れかに振り分けるための遊技球分配部が設けられている。
【0083】
第1制御基板ユニット201は、遊技盤30の裏面側に配設され、略L字状をなす取付台を有し、この取付台に主制御装置261が搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる遊技の制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主制御基板を具備しており、この主制御基板が透明樹脂材料等よりなる後述の第1基板ケース201Aに収容された構成とされる。
【0084】
第2制御基板ユニット202は、取付台座に音声ランプ制御装置が搭載された構成を有し、装飾図柄表示装置42の裏面側を覆う位置に配置され、遊技盤30に取り付けられている。音声ランプ制御装置は、音声ランプ基板を具備している。
【0085】
第3制御基板ユニット203は、払出制御装置311、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314が含まれる。払出制御装置311、発射制御装置312および電源制御装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311により、賞品球や貸出球の払出が制御される。
【0086】
また、発射制御装置312により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モーターの制御が行われ、電源制御装置313により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)および図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
【0087】
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ケース315(この内側に位置するもう一つの基板ケース),316,318にそれぞれ収容された構成とされ、セット板400の上部から側部にかけて配置された概略逆L字状をなす払出ユニットならびに下部に配置された排出通路盤とともに、第3制御基板ユニット203を構成している。
【0088】
図6に示すように、払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モーター部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モーターが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。また、電源制御装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。
【0089】
そして、図4に示す通り、前記内枠12の外枠11に対する枢着部725に近い前記遊技盤30のコーナーが、図5に示すように、略三角形状(遊技盤の中心側は円弧状)に角落ち720されている。前記枢着部725は、図4に示すように、外枠11に固定のブラケット726(上端部)(下端部は図外)に、内枠12に固定の取り付け金具を枢着することで構成されている。
【0090】
ここで、上述したエラー状態などの状態報知について図1及び図6に基づいて述べる。
[遊技球の払い出しに関するエラー報知]
(タンク球無し)
タンク球無しの報知は、タンクとタンクレールに遊技球が無いことを報知するもので、図1に示す右コーナーLED810が点灯し、モニターLED(図示せず)が消灯し、状態表示(図示せず)が「1」を点滅表示する。
【0091】
(下受け皿満タン)
下受け皿満タンの報知は、図1に示す右コーナーLED813が点灯し、モニターLED(図示せず)が消灯する。そして、状態表示(図示せず)が「2」を点滅表示する。
【0092】
(払出ユニット異常)
払出モーター駆動中にも関わらず払出カウントスイッチに遊技球の通過がない状態を示すもので、右コーナーLED810が点灯し、モニターLED(図示せず)が消灯し、状態表示(図示せず)が、「3」を点滅表示する。
【0093】
[電源に関するエラー報知]
(ヒューズ切れ1及びヒューズ切れ2)
ヒューズ切れ1は、図6に示す第1ヒューズ814に定格以上の電流が流れたとき、ヒューズ切れ2は、第2ヒューズ815に以上の定格以上の電流が流れたときに飛んでしまった状態であるが、このエラー状態報知は、表示されない。
【0094】
[その他のエラー報知]
その他のエラーとしては、「ガラス枠開放」、「内枠開放」、「遊技球等貸出装置未接続」、「遊技球等貸出装置通信異常」、「コマンド異常」、「コネクタ未接続」がある。そのうち、遊技球等貸出装置が未接続の場合は、モニターLED(図示せず)及びモニターLED(図示せず)が消灯する。そして、遊技球等貸出装置通信異常は、前記状態表示(図示せず)が「U」を点滅表示する。
また、コマンド異常は、ハーネスの破損等によるコマンド不良を示すもので、前記状態表示(図示せず)が「C」を点滅表示する(電源投入時にコマンド異常になった場合は点灯表示)。更に、コネクタ未接続は、モニターLED(図示せず)が消灯する(ただし、発射動作中は点滅する)。
尚、図6において、820は、電源スイッチを示す。
【0095】
次に、第1制御基板ユニット201について説明する。第1制御基板ユニット201には、主制御装置261が搭載され、該主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を収容してなるものである。
【0096】
前記第1制御基板ユニット201は、第1制御基板ユニット201A、後述の開閉機構410および連結取付台座部材430を含み、第1制御基板ユニット201Aは、第1制御基板ユニット201の主要部をなす部材であり、図8乃至図16に示すように、外側ケース70および内側ケース85を含む。この実施例では、外側ケース70が主制御装置261の制御基板80を収容する容積のある方であり、内側ケース85がその蓋体に相当する方である。上記外側ケース70および内側ケース85は第1ケースおよび第2ケースに相当するものであるが、外側ケース70および内側ケース85のうちいずれを第1ケースとしいずれを第2ケースとするかは任意である。
この第1制御基板ユニット201Aは、前記外側ケース70側に設けられる外側封印部71と、前記内側ケース85側に設けられる内側封印部86と、その外側封印部71と内側封印部86とを連結する封印部材87とを有し、その封印部材87によって前記外側封印部71と内側封印部86とが連結されている場合に前記制御基板80を取り出すときには第1制御基板ユニット201Aを破壊するか或いは所定の部位を切断することを必要とするものである。
【0097】
前記外側ケース70の外側封印部71と内側ケース85の内側封印部86とは対を成すもので、この実施例では、個別に使用することのできる4個の封印部(封印、開封の再使用不可)から構成されており、それぞれを、封印部材87を用いて封印するよう構成されたものであり、こうした封印構造は、公知に属するものと変わらないものであるから、ここでの詳細説明は省略する。
【0098】
図8は、遊技球が流下する遊技領域を前面側に形成してある遊技盤30の裏面の斜視図である。図9は、第1制御基板ユニット201Aを開閉機構410から取り外した状態を示す。
【0099】
上記開閉機構410は、第3部材としての回動連結のための軸411を備え、一端側、即ち、コの字形に折り曲げられた一枚の支持板(約2mm厚の鋼板)からなる第1部材としての支持体412が、図16に示すようにそのコの字の底板部分で遊技盤30の裏面側にネジで固定され、他端側は、その軸411を基点にして回動するように枢着された第2部材としてのブラケット413で構成されている。前記軸411は、リベット構造であり、その両端部を変形させることよって容易に抜き取り出来ないようにされている。
【0100】
前記第1部材としての支持体412のコの字の底板部分にはネジ孔が設けられ、図16に示すように、遊技盤30の裏面と球集合板460(入賞装置に入球した遊技球を受けて下方へ誘導する排出通路が形成されているもの)との間でネジ固定され、球集合板460の開口部461(又は切り欠き部)を介して遊技機の裏面側に向かう方向に突出する。そして、このブラケット413は、板状体で構成されて第1係合部414(後述の連結取付台座部材430に対する)に構成され、その第1係合部414には、図17に示す切り欠き係合部415が形成されている。この切り欠き係合部415は、切り欠き部分の両側の先端部が互いに対向する方向に鉤状に突出し、全体として概略C字形状となるように形成されている。
【0101】
上記構造とすることにより、球集合板460を遊技盤30に取り付けた後は支持体412が外側から取り外せない状態となるので、例えば後述する第1制御基板ユニット201Aを不正に取り外したりすることがより困難となる。
【0102】
上記球集合板460については、その外周部の複数個所を遊技盤30の裏面に対して固定するが、そのうちの少なくとも一つが固定解除できないように、破断ネジ等でするか、ビス留めしたあと、ビス頭部を覆うキャップを取り付けるようにする等して、球集合板460が遊技盤30から容易に外されるのを防止する構造としてもよい。
【0103】
破断ネジは、螺合させて締結(本締め)するのに必要な程度のトルクで回転させて締結した後、さらに大きい所定の高トルクで回転させると破断する破断部を備えるネジであり、具体的には例えば図15に示す破断ネジKのように、頭部K10および軸部K20で構成され、頭部K10が、外側頭部K11および内側頭部K12が軸方向に並置するように形成された構成を有し、外側頭部K11と内側頭部K12との間に、くびれるようにテーパ状に細径化した形状を有する破断部K13が設けられたものとなっている。使用時には、ドライバを外側頭部K11の溝に嵌合し必要なトルクで回転させて軸部K20を締結対象部材のネジ孔に螺入し本締めした後、外側頭部K11をさらに高トルクで回転させると破断部K13で破断して外側頭部K11が離脱し、以降はドライバにより破断ネジKを回転させることができずその取り外しが不可能となる。
【0104】
上記切り欠き係合部415は、後述の第2係合部433とでもって、第1係合部414の抜け出し防止の規制機構440を構成する。前記ブラケット413(約2mm厚の鋼板)には、図17に示すように、前記支持体412に枢支連結される一枚の支持板からなる支持部413Aが形成されており、その支持部413Aは、ブラケット本体部から直角に折り曲げられて側面視で門型に形成されている。
【0105】
尚、前記第1制御基板ユニット201Aは、既述の通り、外側封印部71を備える外側ケース70と内側封印部86を備える内側ケース85を有し、主に外側ケース70の内部に遊技を制御する制御基板を収容する構成のものである。
【0106】
次に、図9乃至図19に基づいて、連結取付台座部材430について述べる。
この連結取付台座部材430は、前記開閉機構410と前記第1制御基板ユニット201Aとにそれぞれ連結されるものであり、言わば従来から用いられていた基板ケースを取り付けるための取付台座に相当するものであって、合成樹脂で成型されており、ここでは、幅は、前記第1制御基板ユニット201Aの幅と実質的に同じ幅(約150mm)で、長さが約48mm(第1制御基板ユニット201Aの長手方向に向かう長さ)、厚みが13mm、肉厚は、2mmのものであり、第1制御基板ユニット201Aの内側ケース85の側面に接当する側が開放され、リブが多数設けられ、破断ネジ439を収容する収容部431が、ここでは3個形成されており、そこに破断ネジ439がそれぞれ1本づつセットされるようになっているが、周壁、リブの端面は同じレベルに形成され、内側ケース85の側面に密着接当可能にされており、反対側の側面(遊技盤30側)は、平坦に形成されている。
【0107】
前記第1制御基板ユニット201Aのうち、前記連結取付台座部材430と連結封止される部位である第1取付台座封止部450が、その内側ケース85の端部に設けられており、ここでは該第1制御基板ユニット201Aの幅方向に、所定の間隔を隔てて4個突設されている。この第1取付台座封止部450は、外側ケース70の外側封印部71と内側ケース85の内側封印部86との位置と平面視で位相がずれるように変位して配置されており
、従って、第1制御基板ユニット201Aを背面から(遊技機の背面から)見たときに、前記外側封印部71と内側封印部86に重なることなく、視認できる状態にある。 即ち、前記外側封印部71と内側封印部86の位置する側に前記第1取付台座封止部450が配置され、且つ、前記第1制御基板ユニット201Aの背面視(正面)において、前記第1取付台座封止部450が見えるように前記外側および内側封印部71、86と平面位相をずらせて配置されているのである。
【0108】
そして、前記連結取付台座部材430には、前記第1制御基板ユニット201Aの前記第1取付台座封止部450と連結封止される部位である第2取付台座封止部432が、ここでは、4個が、前記4個の第1取付台座封止部450と対応する位置に突設されている。この1個の第2取付台座封止部432の構造は、この連結取付台座部材430の本体に繋がるリブに、有底のネジ止め凹部を有する突起体が一体成型されており、そのリブの底面と有底板分の底面は面一で、且つ、前記収容部431のリブ及び周壁のレベルと面一とされている。
そして、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432は、破断ネジを用いて連結封止される。
【0109】
前記連結取付台座部材430の内部に、前記開閉機構410の前記第1係合部414と係合する部位である第2係合部433が設けられる。この第2係合部433は、この実施例では、後述する第1被覆部材430Aとは別体成型の第2被覆部材430Bに取り付けられる。勿論、別体の第2被覆部材430Bが存在せず、第2係合部433が連結取付台座部材430の樹脂成型時に埋め込まれたり、或いは、それ自体の弾性変形を利用して、連結取付台座部材430に形成された挿入部434の内部に挿入設置されるように構成されてもよいものである。
【0110】
前記第2係合部433は、ここでは、弾性を備えた一枚の薄い板体(鋼板)を折曲成形して構成されている。即ち、概略縦長の長方形の板体の一方長辺に沿って延びる帯状部を直角に折曲し、さらにこの帯状部の両端部を内側方向(板体の他方長辺側方向)へ90度未満の小角度(例えば20〜60度程度)だけ折曲して弾性係合爪を形成した構成となっている。一方、前記第1係合部414は、金属製の平板状体で構成され、そこに切り欠き係合部415が形成され、該切り欠き係合突片部415に前記第2係合部433の係合爪を係合させることによって、抜け出し防止の規制機構440Dが構成されている。そして、前記開閉機構410の前記第1係合部414を挿入して前記連結台座部材430の内部の前記第2係合部433に係合させるために前記連結台座部材430に、挿入部434が形成されている。
【0111】
このように、前記規制機構440Dは、前記第1係合部414と前記第2係合部433との係合において、前記開閉機構410の第1係合部414が前記挿入部434に挿入されて前記第2係合部433と係合されたあとにその挿入方向とは逆の抜き出す方向への移動を規制するものである。
【0112】
なお図10には、図示を明確化するため、第1係合部414を前記挿入部434に挿入した状態で、第2部材すなわちブラケット413ごと第1制御基板ユニット201Aが球集合板460から分離した状態が示されているが、実際のパチンコ機10においては、ブラケット413は第1制御基板ユニット201A側(連結取付台座部材430)よりも先に、球集合板460側(第1部材すなわち支持体412)に取り付けられた構造となっている。
【0113】
ここで、更に、前記連結取付台座部材430について詳述する。前記第2係合部433を被覆するべく前記連結取付台座部材430には、第1被覆部材430Aと第2被覆部材430Bが備えられている。第1被覆部材430Aが前記連結取付台座部材430に一体形成されたもので、第2被覆部材430Bは、前記連結取付台座部材430に組み合わせるよう別体構成とされ、且つ、その少なくとも一方、ここでは第1被覆部材430Aに凹面が形成され、他方、即ち、第2被覆部材430Bに対向するよう組み合わせることで前記第1係合部を挿入するための前記挿入部434を形成している。具体的には、前記挿入部434は、その入口が、入口側から内部に向かって幅狭となるようにテーパ状に形成され、且つ、挿入方向に沿って複数、ここでは4本の案内リブが形成されている。
【0114】
そして、この第2被覆部材430Bに、前記第2係合部433が設けられるが、その第2係合部433の薄板を、第2被覆部材430Bに形成した係止突片430Cに、その入口の側からスライド挿入して係止させ、且つ、ネジ止めされる。
前記第2被覆部材430Bは、前記第1被覆部材430Aよりも小さく構成され、前記連結取付台座部材430と前記第1制御基板ユニット201Aとが連結した状態においては、前記第2被覆部材430Bの取り外し方向側に前記第1制御基板ユニット201Aが位置された状態となり、前記第1制御基板ユニット201Aと前記第1被覆部材430Aとにより被覆された状態となるように構成されているものである。
【0115】
また、前記連結取付台座部材430は、前記第1制御基板ユニット201Aよりも小さく構成され、前記第1制御基板ユニット201Aのうち、基板裏面側で一端側に寄せて連結されるように構成されているものである。
【0116】
更に、上述した通り、前記第1及び第2被覆部材430A、430Bを透明樹脂により成型し、これらに被覆される第2係合部433を金属製の係合部材により構成してある。
前記第1制御基板ユニット201Aの側面に、係止リブ420、420、420が前記連結取付台座部材430の略周部に沿って配置されて突出するように備えられ、該係止リブ420、420、420に所定の方向、即ち、第1制御基板ユニット201Aの裏面に沿って第1、第2取付台座封止部や第1連結部の位置する側から第1制御基板ユニット201Aの中央側に向けてスライド移動させることによって、係合するリブ係合部435が前記連結取付台座部材430の側部に設けられると共にその一つの係止リブ420が、前記連結取付台座部材430の収容部431の周壁の内側に形成されたリブ係合部436に係合するように設けられている。
【0117】
前述の別体構成の前記第2被覆部材430Bの両側部にカム面を備えた係合片430D、430Dが突設され、前記連結取付台座部材430の内部に前記係合片430D、430Dに係合する門型の係合部430E、430Eがそれぞれ設けられ、前記第2被覆部材430Bを前記連結取付台座部材430に対して押し付けることで前記カム面作用により前記係合部430D、430Dの素材の弾性変形を利用して門型の係合部430E、430Eへの係合が行われるように構成されている。
【0118】
本実施形態のパチンコ機10においては、遊技機に取り付けられた第1制御基板ユニット201が遊技盤30の裏面に対して開閉することにより、遊技盤裏面の設置物に対しての検査、メンテナンスが容易に行い得るのである。
そして、封印部により封印されることにより、制御基板に対して不正な改変を行ったり、不正品に交換されることを防止でき、また、第1、第2取付台座封止部450、432により連結封止することによって、第1制御基板ユニット201を不正品に交換されることを防止できる。
【0119】
更に、連結取付台座部材430に対して開閉機構410を簡単な操作により装着できるので、作業性が向上するのであり、そして、第1係合部414と第2係合部433とを一度係合させるとその解除が規制機構440Dによって規制され、係合部分は被覆されているので、連結状態の第1制御基板ユニット201Aおよび開閉機構410、即ち第1制御基板ユニット201ごと不正に持ち去ることを防止できるのである。
【0120】
次に、第1被覆部材430Aが前記連結取付台座部材430に一体形成されるのに対し、第2被覆部材430Bが前記連結取付台座部材430に組み合わせるよう別体構成とされることで、第2係合部433を被覆することを行い得ながら、第2係合部433を第2被覆部材430Bに備えておいて、これを後に組み合わせるという作業で、この、第2係合部433を前記連結取付台座部材430の内部に備えることができる。
【0121】
また、前記連結取付台座部材430と前記第1制御基板ユニット201Aとが連結した状態においては、第2被覆部材430Bが前記第1制御基板ユニット201Aの側に位置して、前記第1被覆部材430Aとで挟まれた状態となって第2係合部433の被覆が行われ、その被覆が容易に外れない。
【0122】
更に、連結取付台座部材430は、前記第1制御基板ユニット201Aよりも小さく構成され、前記第1制御基板ユニット201Aのうち、基板裏面側で一端側に寄せて連結される構成であるので、従来のような基板ケースと同等の大型の取付台座を必要とすることがない状態で、その第1制御基板ユニット201Aの開閉を行い得るのである。
【0123】
更に、前記第1及び第2被覆部材430A、430Bを透明樹脂により成型し、これらに被覆される第2係合部433を金属製の係合部材により構成してあることで、第1係合部414と第2係合部433の係合状態が確実におこなわれているかどうか外部から視認でき、また、強固な係合がされていることが視認されることで、安易な取り外しが行われないようにすることができる。
【0124】
また、前記第2係合部433を板金で構成してその一部を変形させることで第1係合部414に対する係合を行う構成であるので、極めて構造が簡単であり、同時に、係合状態の解除が容易に行われないものである。
【0125】
更に、挿入部434の入口をテーパ状として、且つ、案内リブを設けることで、第1係合部414の挿入を容易にすることができると共に内部への侵入がガイドされてスムースに行い得るのである。
【0126】
また、外側ケース70の前記外側封印部71と内側ケース85の内側封印部86の位置する側に前記第1取付台座封止部450及び第2取付台座封止部432が配置されるものの、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432が見えるように前記外側および内側封印部と平面位相をずらせて配置されていることで、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432が前記第1制御基板ユニット201Aの背面視(正面)において、視認可能となり、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432が不正に解除されているかどうか容易に分かるのである。
【0127】
また、第1制御基板ユニット201Aの側面に、係止リブ420を突出するように設け、前記連結取付台座部材430を係止させて位置決めすることができ、その後の前記第1取付台座封止部450及び第2取付台座封止部432の連結が行い易いのである。
【0128】
更に、前記第2被覆部材430Bを連結取付台座部材430に取り付けるに、第2被覆部材430Bのカム面を備えた係合片430Dと、連結取付台座部材430の前記係合片430Dに係合する係合部430Eの存在によって、第2被覆部材430Bを連結取付台座部材430に向けて押圧するだけで、素材の弾性変形でもって係合が行われることになり、簡単に組み付けができる。
【0129】
また、連結取付台座部材430に、破断ネジ439を収容する収容部431を設けることで、第1制御基板ユニット201Aの定期検査等で封止を解いた後に、そこから破断ネジ439をとり出して、再び新たな第1取付台座封止部450と第2取付台座封止部432との封止を行うことができる。
【0130】
(開閉機構の一部変形例)
上記開閉機構410の他端側である第2部材、第1、第2取付台座封止部450,432を、破断ネジで連結させてもよい。
【0131】
また、第1取付台座封止部450に形成された切断部450A(図9他参照)を切断して、破断ネジは第2取付台座封止部及び第2部材に残すようにすれば連結封止を解除できる。 更に、別の変形例として、第1、第2連結部の両方に切断部を形成し、破断ネジを第2部材に残すようにしてもよい。
【0132】
また、この例では、第1係合部414を構成する金属製の平板状体を方形状に打ち抜いて開口係合部417が形成されており、該開口係合部417に前記第2係合部433の舌片433dの係合爪を係合させることによって、抜け出し防止の規制機構440Dが構成されている。
【0133】
遊技盤30の裏面と第1制御基板ユニット201との間には、カバー部材501が介装されている。図14及び図16に示すように、遊技盤30の裏面には球集合板460が設けられ、第1制御基板ユニット201はこの球集合板460に外側から取り付けられる構成となっているが、該球集合板460と第1制御基板ユニット201との間には、若干の間隙が形成されている。パチンコ機10の機種によっては、遊技盤30の裏面の設計に応じて、当該部位の寸法(奥行)が異なる。このため、この寸法の変動に対応できるように、球集合板460と第1制御基板ユニット201との間には、若干の余裕、すなわち間隙が形成されているのである。前記カバー部材501は、この球集合板460と第1制御基板ユニット201との間の間隙を補填するためのものであり、当該間隙にほぼ対応した寸法を有するものとなっている。
【0134】
上記カバー部材501を設けた主たる目的は、球集合板460の裏面に設けられた種々の電気部品、例えば、遊技盤30の表面に設けられた電飾用の基板等の電気部品、配線などを保護することになる。即ち、この球集合板460の裏面に露出された状態に配置されているものであるから、裏面側からアタック(多の部品の組み付け時、或いは基板ケースの開閉時)に際して、破損、破断が生じる虞がある。
【0135】
この他に、球集合板460の裏面中央には、中継基板470、これにつながるコネクタ、配線が設けられている。ここでは、中継基板470は、表裏2段配置に構成されており、裏面側(外側)では、第1制御基板ユニット201からの入力を、大入賞口作動のための中継とし、また一部の電飾に中継し、また、入球を検知するセンサーの出力を中継している。同様に、内側の中継基板については、電飾等の中継を行う。
また、球集合板460の裏面に露出されている基板としては、大当たりに際して開く大入賞口装置471(図5参照)のための制御(ソレノイド、センサー)を行う中継基板473がある。これらの中継基板470、中継基板473については、この実施例では、前記カバー部材501の被覆対象外となっている。即ち、これらの中継基板470、中継基板473を覆いから外すように、即ち、その中継基板470に対しては、このカバー部材501の一部を凹ませた形状とし、その中継基板473については、中抜き形状(窓)として、そのカバー部材501の形状が採られている。
【0136】
上記カバー部材501は、球集合板460に対向する面が開放された概略横長で中空体(箱形)に形成され、その上端部にはほぼ矩形状の切欠部511が形成されている。この切欠部511は、球集合板460と第1制御基板ユニット201とを電気的に接続するスペースを確保するためのものである。
【0137】
上記カバー部材501の内部には、図14に示すように、複数のリブ512が形成されている。このリブ512は、カバー部材501の補強の機能だけでなく、該カバー部材501の内部に不正基板を設置し得るスペースが形成されないようにするという機能も奏するものである。また、このリブ512は、球集合板460側に設けた電気部品等に接当しないように区画配置されると共にその高さが部分的に変えられている(リブの外縁面が同じレベルではない)。
【0138】
上記カバー部材501は透明樹脂よりなるものであり、これにより、内部での不正行為の有無等が外側から容易に視認することができ、したがって不正をより効果的に防止し得るようになっている。
【0139】
上記カバー部材501の一方端部には、上下1対の板状のブラケット513が突設されている。該ブラケット513の先端部には孔または切欠が形成されており、一方、前記球集合板460における前記開閉機構410形成側端部とは反対側の端部(図14および図16では右側端部)には、上下1対の軸462がそれぞれ上方に突出するように設けられており、この軸462に前記カバー部材501のブラケット513が挿通されている。これにより、上記カバー部材501は一方端部で軸462を中心として水平面上で回動可能に軸支され開閉可能となっている。即ち、該カバー部材501の開閉軸線はパチンコ機10の背面からみて前記開閉機構410形成側端部の反対側(図14および図16の右側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にしてカバー部材501が後方側に十分に開放できるようになっている。
【0140】
前記第1制御基板ユニット201Aは、図13に示すように開閉機構410により該開閉機構410形成側端部(図13では左側端部)で回動させて一方側へ(図13では左方に)開放し得るようになっているが、上記のようなカバー部材501の支持構造とすることにより、該カバー部材501は図14に示すように第1制御基板ユニット201Aとは逆方向に(図14では右方に)開放し得るようになっている。すなわち、該カバー部材501と第1制御基板ユニット201Aとが、左右逆方向に開閉し得る構造、さらに具体的にいえば、左右から折り重ねるようにして閉じ得るとともに、その閉じた状態からそれぞれ左右に開放し得る構造となっている。
【0141】
上記カバー部材501の自由端部側(図9及び図11では左端部側)およびこれに対応する球集合板460上の位置には、カバー部材501と球集合板460とを封止するための封止手段が設けられている。この封止手段は、第1封止部520Aと第2封止部520Bとを有している。この第1封止部520Aおよび第2封止部520Bについて以下順次説明する。
【0142】
図20に示すように、第1封止部520Aは、球集合板460に遊技盤30側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する固定手段であるネジ519と、球集合板460の遊技盤30側に設けられネジ519が挿通される孔を底板に有する凹部465と、カバー部材501に設けられネジ519が挿入され固定される挿入部514と、ネジ519による固定状態を解除するために挿入部514に設けられた切断部514Aとから構成されている。
【0143】
カバー部材501の自由端において球集合板460に当接する上下2箇所のコーナー部からは、それぞれ、上下1組の方形状の延出片が、互いに平行となるように、水平に平伏した状態で、カバー部材501の長さ方向に沿って延出し、上下1組の延出片のうち内側に位置する延出片の先端部が外方に屈曲して外側の延出片に向かって延び、これら上下の延出片の先端部分が、カバー部材501の奥行方向に沿って延びる円筒状部を支持するような形状となるように、カバー部材501のコーナー部が成形されている。上記円筒状部の内部にはネジ溝が形成されてネジ519が螺入し得るようになっており、この円筒状部が挿入部514となっている。また、上記上下1組の方形状の延出片は、ネジ519による固定状態を保持するのに十分な強度を有するとともに、ニッパ等の適宜手段により容易に切断し得る肉厚を有するものとなっており、この延出片が切断部514Aとなっている。
【0144】
一方、球集合板460において上記カバー部材501の上下のコーナー部に対応する位置にはそれぞれ、凹部465が設けられている。下側の凹部465は、球集合板460の取付面(遊技盤30側面)から円形の平面形状をなして陥入し、その底板にはネジ挿通孔が穿設された構成となっている。上側の凹部465は、球集合板460の取付面(遊技盤30側面)から、下側の一隅を部分円状に角落ちさせた概略方形状の平面形状をなして陥入し、その底板にはネジ挿通孔が穿設された構成となっている。上下の凹部465のネジ挿通孔にはそれぞれ、遊技盤30側からネジ519が挿通され、該ネジ519の頭部が凹部465内に収容されるとともに、軸部が前記カバー部材501の挿入部514に螺合し、これによりカバー部材501の自由端部が球集合板460に固定されるようになっている。
【0145】
球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態では、球集合板460の凹部465がネジ519のネジ頭を収容して遊技盤30により閉塞された状態、すなわちネジ519のネジ頭が球集合板460と遊技盤30との間に挟まれた状態となるため、外部からネジ519を取り外すことが不可能であり、これにより、カバー部材501と球集合板460とが封止されるようになっている。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的としてカバー部材501を開放する場合には、前記切断部514Aを切断することにより、カバー部材501と球集合板460との封止状態を外側から(パチンコ機10の背面側から)、痕跡を残しながら解除することができる。
【0146】
なお、固定手段として、ネジにかえてナイラッチ等を用いるようにしてもよい。ナイラッチは、頭部から延出する軸部の先端部が径方向に拡張するように成形されたナイロン製の締結具であり、締結対象の部材に設けた孔部に押し込んで弾性的に係合させることにより当該部材を締結するものである。
【0147】
第2封止部520Bは、カバー部材501に背面側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する破断ネジ522と、カバー部材501に設けられ破断ネジ522が挿通される孔を底板に有する破断ネジ挿通部515、516と、球集合板460に設けられ破断ネジ522が螺入される螺入部463、464と、破断ネジ522による固定状態を解除するために破断ネジ挿通部515、516に設けられた切断部515A、516Aとから構成されている。
【0148】
カバー部材501の自由端は、高さ方向における中段をなす帯域部分が内側に陥入して、正面視概略コ字状の形状を有しており、その陥入部分の底板から、高さ方向に長く延びる概略直方体状の基台部515Bが外側(カバー部材501の自由端側)に突出し、さらに該基台部515Bの外側端面から、破断ネジ挿通部515が外側に突出した形状となっている。基台部515Bの外側端面の上端部および下端部からは、それぞれ、上下1組の方形状の延出片が、互いに平行となるように、水平に平伏した状態で、カバー部材501の長さ方向に沿って延出し、上下の延出片の先端部同士がたがいに近接し合う方向に円弧状に湾曲するように延びて接合し、正面視半円状の周壁部515Cが形成されている。この周壁部515Cを含む上下の延出片は全体として正面視U字状に形成され、その先端部分の内側における奥行方向中央付近には、奥行方向に対し垂直となるように、即ち、例えば遊技盤30の裏面に対し平行となるように、底壁515Dが設けられ、該底壁515Dにはネジ挿通孔(図示せず)が穿設されている。
【0149】
上記周壁部515Cを含む上下の延出片および底壁515Dにより、破断ネジ挿通部515が構成されている。上記上下の延出片は、前記第1封止部520Aの切断部514Aと同様に、十分な強度を有するとともに容易に切断し得る肉厚を有するものとなっており、また、前記底壁515Dは上下の延出片の先端部の間の空間のみを閉塞しこれより内側の脚部(立ち上がり部)の間の空間は閉塞しないように設けられていて、この脚部は奥行方向に貫通する形状となっている。このように構成されることにより、上記上下の延出片の脚部が第2封止部520Bの切断部515Aとなっている。
【0150】
一方、図16に示すように、球集合板460において上記上下の破断ネジ挿通部515に対応する位置にはそれぞれ、螺入部463が設けられている。上下の螺入部463は、球集合板460における前記支持体412挿通用の上下の開口部461の間の位置から、背面側(カバー部材501側)へ延出する円筒状に形成され、その内部にはネジ溝が設けられて破断ネジ522が螺入され得るようになっている。
【0151】
図20に示すように、カバー部材501を閉じて球集合板460に当接させた状態では、破断ネジ挿通部515の周壁部515Cの球集合板460側端縁も球集合板460に当接し、螺入部463の全体が該周壁部515Cにより包囲されるようになっている。この状態で、破断ネジ522が破断ネジ挿通部515に背面側(カバー部材501側)から挿通されて螺入部463に螺入され、これによりカバー部材501が球集合板460に固定される。破断ネジ522は所定の高トルクで回転させることにより外側頭部522Aと内側頭部522Bとの間で破断して外側頭部522Aが分離し、内側頭部522Bが破断ネジ挿通部515の内部に収容された状態で残留する。この状態では、ドライバによって破断ネジ522を回転させることはできず、しかも内側頭部522Bは破断ネジ挿通部515の周壁部515Cで包囲されているため、痕跡を残さずに破断ネジ522を取り除くことは不可能である。これにより、カバー部材501と球集合板460とが封止された状態となる。一方、前記切断部515Aを切断することにより、カバー部材501と球集合板460との封止状態を痕跡を残しながら解除することができる。
【0152】
カバー部材501の自由端は、前記したように中段をなす帯域部分が内側に陥入した正面視概略コ字状の形状を有しているが、その陥入部分を挟む上段および下段の突出部分の先端面には、それぞれ前記第1封止部520Aが設けられている。さらに、下段の突出部分の先端面において、第1封止部520Aの上方の位置に、破断ネジ挿通部516が設けられている。この破断ネジ挿通部516は、前記陥入部分の底板に設けられた破断ネジ挿通部515とほぼ同様の上下の延出片(周壁部を含む)および底壁を有する構成となっている。
【0153】
また、図16に示すように、球集合板460において上記カバー部材501の下段の突出部分に設けられた破断ネジ挿通部516に対応する位置には螺入部464が設けられており、この螺入部464は前記螺入部463と同様に、背面側(カバー部材501側)へ延出する円筒状に形成され、その内部にはネジ溝が設けられて破断ネジ522が螺入され得るようになっている。本実施形態に示す第2封止部520Bは、カバー部材501の陥入部分の底板に設けられた上下の破断ネジ挿通部515および突出部分に設けられた破断ネジ挿通部516と、これら破断ネジ挿通部515、516にそれぞれ対応するように球集合板460に設けられた螺入部463、464と、破断ネジ挿通部515、516のそれぞれに設けられた切断部515A、516Aと、破断ネジ522とで構成され、高さ方向に並ぶ3点でカバー部材501と球集合板460との封止がなされ得るようになっている。
【0154】
上記カバー部材501の陥入部分の底板に設けられた上下の破断ネジ挿通部515は、図9および図11に示すように、前記開閉機構410におけるブラケット413の上下の支持部413Aの間に挟持されるような位置に形成され、これら支持部413Aの間のスペースをほぼ閉塞し、第1制御基板ユニット201Aを枢着する軸411であるリベットの頭部に近接している。
【0155】
図9乃至図11ならびに図22に示すように、上記カバー部材501の外側面(第1制御基板ユニット201A側面)における固定端部(図9、図11及び図22では右側端部)には、先端に係止爪が形成された矩形状の係止片517が後方に(第1制御基板ユニット201A側に)突出するように配設され、一方、第1制御基板ユニット201Aの内側ケース85の自由端部には、矩形状の突起部851が側方に(図22では右方に)突出するように配設されており、図23に示すように該係止片517が突起部851に弾性的に係止し得るようになっている。この係止片517は、カバー部材501に一体成型されている。上記矩形状突起部851には、ID情報を記憶したICチップが内臓されていてこれを外部からスキャナにより読み取るようにして外部との電波の送受信を行うように構成された封印シール(図示せず)が貼付されている。
【0156】
また、上記カバー部材501の外側面における自由端部には、図11に示すように、矩形状凹部518が形成されている。この矩形状凹部518は、前記連結取付台座部材430の長さ(約48mm)および厚み(約13mm)にそれぞれほぼ等しい長さ(カバー部材501の長手方向に沿った長さ)および深さを有し、図9に示すように、内部に連結取付台座部材430をほぼ隙間なく収容することができ、収容状態で該連結取付台座部材430の外側面(開放側面)とカバー部材501の外側面とが面一となるようになっている。これにより、第1制御基板ユニット201Aとの間にできる限り間隙が形成されないようになっている。
【0157】
(カバー部材の一部変形例)
図24に示すように、上記カバー部材501の内部に形成するリブの数を少なくするようにしてもよい。図24に示す例では、リブの形成が前記実施例の場合よりも大幅に少なく、これに応じて区画された室数も少なくなっている。さらには、カバー部材501の内部にリブを形成せず、内部空間を区画しないようにしてもよく、あるいは、カバー部材の内部に適宜な材料を充填して内部空間を実質的になくすようにしてもよい。
【0158】
また、上記図24に示す例では、カバー部材501内の壁面に、第2封止部520B用の破断ネジ522を収容する破断ネジ収容部521が、ここでは3個形成されており、そこに破断ネジ522がそれぞれ1本づつセットされるようになっている。これにより、カバー部材501の封止を解除して開放するごとに、破断ネジを1本ずつ取り出し第2封止部520Bの3箇所の破断ネジ挿通部515、516に挿通・螺合して次の封止を行うようにすることができ、未使用の破断ネジ522は封止した状態のカバー部材501の内部に確実に保持しておくことができる。この破断ネジ収容部521は、例えば、1本の破断ネジのみを収容する構成としてもよく、この場合にも、破断ネジを未使用の段階ではカバー部材の内部に保持しておくことができる。
【0159】
また、上記パチンコ機10においては、カバー部材501の一方端部およびこれに対応する球集合板460の位置に、第1および第2封止部520A、520Bで構成される封止手段を設けた構造としていたが、これと同様のまたは異なる封止手段を他方端部にも設け、これにより、カバー部材501の両端部を封止した状態で固定する構造とするようにしてもよい。この場合、前記カバー部材501の開閉構造(回動可能に軸支した構造)を設けた端部にさらに封止手段を設けるようにしてもよいが、両端部が封止手段により固定されるため、開閉構造は省略することができる。
【0160】
上記パチンコ機10においては、遊技盤30の裏面の球集合板460の裏面を覆うようにカバー部材501が設けられていることにより、球集合板460の裏面に配置された中継基板、配線等の電気部品を保護することができ、他の電気部品の組み付け、或いは外部からの他物の接触による電気部品の破損、断線が防止できるのである。 即ち、パチンコ機10の組立てにおいては、例えば、球集合板460に中継基板、LED基板、スイッチ、配線等の電気部品を取り付け、この球集合板460にカバー部材501を取り付けてこれらをユニットとして構成し、このユニットを遊技盤30に取り付け、この後第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程にすると、作業性が良好となるが、このような場合に、電気部品も少なくとも一部がカバー部材501で覆われるようにすることで、電気部品がカバー部材501によって保護され、取り付け作業時に電気部品が破損されることが防止される。
【0161】
又、遊技盤30の裏面と第1制御基板ユニット201との間の間隙が補填され、これによって、不正行為を行い得るようなスペースが形成されないようになっている。
さらに、このカバー部材501が封止手段520により封止した状態で固定されていることにより、不正に取り外すことが困難となっており、もしこの封止が不正に破られたとしても、痕跡が残るため、封止が破られたことが一目瞭然であり、これにより不正行為が容易に発覚する。
【0162】
さらに、封止手段が第1封止部520Aと第2封止部520Bとを有し、第1封止部520Aが、球集合板460に遊技盤30側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する固定手段であるネジ519と、球集合板460の遊技盤30側に設けられネジ519が挿通される孔を底板に有する凹部465と、カバー部材501に設けられネジ519が挿入され固定される挿入部514と、ネジ519による固定状態を解除するために挿入部514に設けられた切断部514Aとから構成されているため、球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態では外部からネジ519を取り外すことが不可能であり、これにより、カバー部材501が封止した状態で固定され、これを痕跡を残すことなく不正に取り外そうとすると球集合板460を遊技盤30から取り外すことが必要となり、したがって不正行為を行うことが困難となっている。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的としてカバー部材501を開放する場合に、切断部514Aを切断することによって痕跡を残しながらカバー部材501の封止状態を解除することができる。また、球集合板460が遊技盤30に取り付けられていない状態ではカバー部材501を自在に開放し得るため、作業性が良好である。
【0163】
さらに、第2封止部520Bが、カバー部材501に背面側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する破断ネジ522と、カバー部材501に設けられ破断ネジ522が挿通される孔を底板に有する破断ネジ挿通部515、516と、球集合板460に設けられ破断ネジ522が螺入される螺入部463、464と、破断ネジ522による固定状態を解除するために破断ネジ挿通部515、516に設けられた切断部515A、516Aとから構成されているため、カバー部材501を破断ネジ522により球集合板460に外側から固定することができ、これにより、容易にカバー部材501を封止した状態で固定することができる。このとき、前記球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態であっても、カバー部材501を破断ネジ522により球集合板460に外側から封止・固定することができるので、たとえば前記第1封止部520Aによる封止状態を解除した後に、第2封止部520Bによって再度カバー部材501と球集合板460とを封止することができる。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的としてカバー部材501を開放する場合には、切断部515A、516Aを切断することによって痕跡を残しながらカバー部材501の封止状態を解除することができる。
【0164】
さらに、第1制御基板ユニット201の一方端部が軸411により回動可能に枢着され、破断ネジ挿通部515が、第1制御基板ユニット201を枢着する軸411に近接していることにより、第1制御基板ユニット201を枢着部分から不正に取り外そうとしても、破断ネジ挿通部515が障害となって枢着部分を取り外すことが困難となっており、またカバー部材501は封止した状態で固定されているため、破断ネジ挿通部515を取り除こうとしても痕跡を残さずにこれを取り除くことは困難となっている。したがって不正行為がさらに効果的に防止される。
【0165】
さらに、カバー部材501の内部に、第2封止部520B用の破断ネジ522を1本またはそれ以上収容する破断ネジ収容部521が配設されていることにより、破断ネジ収容部521に破断ネジ522を収容しておくようにすれば、カバー部材501の封止を解除して開放するごとに、破断ネジ522を1本ずつ取り出して次の封止を第2封止部520Bで行うようにすることができ、未使用の破断ネジ522がある段階ではこれを封止した状態のカバー部材501の内部に確実に保持しておくことができる。
【0166】
さらに、カバー部材501のコーナー部に第1封止部520Aが設けられ、コーナー部以外に第2封止部520Bが設けられていることにより、第1封止部520Aによってカバー部材501をコーナー部で容易かつ確実に封止することができるとともに、このカバー部材501の封止を第2封止部520Bによってさらに確実に行うことができる。また、複数個所に第1および第2封止部が設けられているので、封止および解除を行う行程の1回につき1箇所ずつで封止および解除を行うようにすれば、封止および解除の行程を複数回行うことができ、その行程ごとに開封履歴を残すことができる。
【0167】
さらに、カバー部材501が中空体に成形され、内部がリブ512により多数の室に区画された構成としたことによって、カバー部材501の内部に不正基板を設置するのに十分なスペースが形成されておらず、したがって不正行為を効果的に防止することができる。
【0168】
さらに、カバー部材501が、球集合板460に対向する面が開放された構成としたことにより、カバー部材501を閉じた状態では上記開放された面も球集合板460に当接して閉塞されるため、カバー部材501の内部に不正基板を設置する等の不正行為は困難となっている。このとき、前記したようにカバー部材501の内部がリブ512により多数の室に区画されていても、カバー部材501の開放部分が外部に露出しておればそこからリブ512を切断して不正行為のためのスペースを確保されるおそれがあるが、上記のようにカバー部材501の開放面を球集合板460に対向させることにより、リブ512を切断することも困難となっている。
【0169】
さらに、カバー部材501と第1制御基板ユニット201とが、たがいに左右逆方向に開閉される開閉構造を有する構成としたことにより、カバー部材501および第1制御基板ユニット201のそれぞれを開放した状態における荷重が左右いずれか一方の端部に集中せず、左右両端部に分散することとなる。よって、たとえば点検などに際してカバー部材501および第1制御基板ユニット201を開放する場合等に、これらカバー部材501および第1制御基板ユニット201の荷重により球集合板460に変形が生じるといった不具合が防止される。球集合板460に変形が生じると、遊技球の排出に不具合をきたすおそれがある。
【0170】
さらに、第1制御基板ユニット201の一方端部が軸411により回動可能に枢着され、カバー部材501に、第1制御基板ユニット201の他方端部(自由端部)に係止する係止片が一体成型された構成としたことにより、第1制御基板ユニット201の自由端部を保持するための部材(例えばナイラッチ等)を別に用意する必要がなく、部品点数を少なくすることができる。また、カバー部材501が不正に取り外されたとした場合、第1制御基板ユニット201の自由端部が保持されずに遊離した状態となるため、不正行為が容易に発覚することとなり、したがって不正を行うことがより困難となる。
【0171】
また、パチンコ機10の組み立てにおいては、例えば、球集合板460に中継基板、LED基板、スイッチ、配線等の電気部品を取り付け、この球集合板460にカバー部材501を取り付けてこれらをユニットとして構成し、このユニットを遊技盤30に取り付け、この後第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程にすると作業性が良好となるが、このような場合に、電気部品の少なくとも一部がカバー部材501で覆われるようにすることで、電気部品がカバー部材501によって保護され、取り付け作業時に電気部品が破損されることが防止される。
なお、図23には、球集合板460にカバー部材501および第1制御基板ユニット201を取り付けた状態が示されており、このように、球集合板460、カバー部材501および第1制御基板ユニット201を一体とした状態で遊技盤30に取り付けるという工程も可能であり、パチンコ機10の組み立て方法は特定のものに限定されないが、前記のように球集合板460およびカバー部材501をユニットとして遊技盤30に取り付けた後に第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程の作業性がとりわけ良好である。
【0172】
(特徴構成)
前述の通り、パチンコ機10は、遊技者による操作の操作量に応じて遊技内容を変化させるための操作手段として、遊技球発射ハンドル(以下、操作ハンドルとも称す)18を備えている。図25ないし図34に示すように、操作ハンドル18は、筒状に延びる基軸部601の一方端部に、環状のダイヤル602が回転可能に取り付けられた構成となっている。
【0173】
基軸部601は、図35ないし図42に示すように、概略縦長の楕円状の断面形状を有する筒状体であって、一方端面部が開放されるとともに、他方端面部が端面壁603(図43参照)によりほぼ閉塞され、該端面壁603辺りの位置で周壁が径方向に外側にやや拡大し、この拡大部の周縁からやや短く周壁が延びて、拡径部604が形成されている。これにより、基軸部601は、ほぼ全体として、一方端部が傘状に拡径した概略きのこ形状(ないしリベット形状)となっている。基軸部601内部には、内周面に沿って複数の螺入部605が形成されており、該螺入部605にネジを螺入するようにして基軸部601の開放側端部が図1に示すようにパチンコ機10における前記下皿ユニット13の前面部に固定されるようになっている。なお、基軸部601はこのように開放側端部がパチンコ機10の前面部に取り付けられるので、該開放側端部が基軸部601の後側端部、その反対側である拡径部604形成側端部が前側端部である。また、基軸部601は例えば図26に示すように概略楕円状の断面形状を縦にするようにして取り付けられ、図示上の上下方向(および左右方向)と取付状態での上下方向(および左右方向)とは一致している。
【0174】
図43および図44に示すように、基軸部601の端面壁603および拡径部604は、上端よりやや右寄りの位置から左端よりやや下寄りの位置にかけて切欠かれて切欠部606が形成されている。また、端面壁603の中央には軸挿通孔607が設けられるとともに、端面壁603における左下端部の1箇所および右上端部の周方向に隣り合う2箇所の計3箇所に、円柱状に延び内部にネジ挿通孔を有するネジ挿通部608がそれぞれ突設されている。上記右上端部の2箇所のネジ挿通部608の間には、これらネジ挿通部608と平行に円柱状に延び、先端にワイヤ状体を挿通して係止固定する開裂部が形成されたバネ挿通部637が突設されている。
【0175】
基軸部601の切欠部606には、ストッパ支持部材609が固定される。該ストッパ支持部材609は、切欠部606にちょうど対応する形状を有し、該切欠部606にストッパ支持部材609を嵌合し固定することで、前述のような基軸部601の概略きのこ形状(ないしリベット形状)の外形が完成するようになっており、換言すれば、ストッパ支持部材609は基軸部601の外形を補填するものともなっている。
【0176】
ストッパ支持部材609には、ストッパ610が支持される。ストッパ610は、図46および図47に示すように、概略箱形状の基台部610Sに、正面視概略山形状に先細りして先端が丸形状の突起部610Pが突出するように一体的に形成された形状を有し、図47に示すように、前側分割体610Fおよび後側分割体610Rの、前後2つの分割体に分割成形され、これらを結合して構成されている。前側分割体610Fおよび後側分割体610Rにおいて、基台部610Sを構成する部分はそれぞれ断面略コ字形のクリップ状をなすように把持部611F、611Rが形成されている。前側分割体610Fにおける把持部611Fの外側片の内面には、直方体状の内部空間を有する収容凹部(図示せず)が形成されており、該収容凹部に、ゴム弾性を有する平板状の弾性部材612Fが収容されており、一方、後側分割体610Rにおける把持部611Rの内側片の内面には、上記前側分割体610Fにおける収容凹部に比して寸法(占有面積)がやや小で同様の形状を有する収容凹部(図示せず)が形成され、該収容凹部に上記と同様にゴム弾性を有する平板状の弾性部材612Rが収容されている。
上記基台部610Sと両弾性部材612F、612Rとにより、ストッパ610の基部が構成されている。
【0177】
ストッパ支持部材609には、図43および図44に示すように、周縁に沿って径方向に鍔状に延出する鍔状レール613および該鍔状レール613の内側(中心寄り)の位置から前後に周壁状に延出する周壁状レール614が形成されており、図47に示すように、鍔状レール613を前側分割体610Fと後側分割体610Rとで前後からほぼ隙間なく挟持するとともに、周壁状レール614を把持部611F、611Rで前後から内包するようにほぼ隙間なく把持した状態で、ネジ穴615にネジ(図示せず)を螺入、締結し前側分割体610Fと後側分割体610Rとを結合することによって、ストッパ610が鍔状レール613および周壁状レール614上に装着した状態で組み立てられている。これにより、ストッパ610が、鍔状レール613によって前後方向に、周壁状レール614によって径方向に規制され、ガタつきもなく安定に支持されている。このとき、両弾性部材612F、612Rが、周壁状レール614に対し径方向に両側から所定の圧力で当接しており、これにより、ストッパ610が、周壁状レール614に対し所定の摩擦力をもって摺動(スライド)可能に支持され、この摩擦力は、例えば後述するコイルバネの付勢力に比して同等または少々上回る程度の力を加えられてもストッパ610が動かずに固定され、これよりもさらに大きい力で強く動かされるとストッパ610が鍔状レール613および周壁状レール614に沿って摺動(スライド)することができる程度となるように設定されている。
【0178】
図43および図44に示すように、ストッパ支持部材609において、上記鍔状レール613および周壁状レール614の左に隣接する位置には、ストップボタン616が配置されている。また、図36にも示すように、基軸部601において軸挿通孔607の下方の位置には可変抵抗器617が配置され、該可変抵抗器617は前記発射制御装置312に接続されている。
【0179】
基軸部601における軸挿通孔607には、軸部材618が軸支されている。軸部材618は、回動軸618Aの中間部に、概略円板状の基体部618Sが一体的に成形され、該基体部618Sの後側面にはギア部(図示せず)が形成されていて、軸部材618の回転が可変抵抗器617のギア617Gに伝達されるようになっている。
【0180】
ダイヤル602は、図45に示すように、基軸部601における拡径部604の外径より僅かに大きい径を有する環状の周壁形状をなすリム部602Rと、該リム部602Rの外径より小さい外径を有し中央に軸挿通孔602Fが穿設された正面視概略円形のボス部602Bとを有し、リム部602Rの外周面における上端よりやや右寄り(図45上では左寄り)、左端よりやや上寄りおよび右端の3箇所にそれぞれ正面視概略三角形状の指掛突起602Pが一体的に形成され、各指掛突起602Pにおける左側面は、正面視概略S字形状をなすように湾曲しながらリム部602Rの外周面からほぼ径方向に立ち上がる形状を有する指掛面602Eとなっている。ボス部602Bは右端の位置および左端よりやや下寄りの位置でそれぞれリム部602Rと一体的に連続する形状となっており、したがって、ボス部602Bとリム部602Rとの間に、左右の連続部分で上下2つに分割されボス部602Bおよびリム部602Rの周方向に沿って延びる円弧状の貫通溝部602Gが形成されている。また、リム部602Rの内周面に沿って、左端よりやや下寄りの位置から反時計回り(図45上では時計回り)に上端よりやや右寄りの位置にかけて、リム部602Rの内周面との間に一定の間隔を保持しながら正面視円弧状に延びるリブ602Mが一体的に形成され、該リブ602Mの左端部は外側に折り返されてリム部602Rに連続しており、この折り返しにより、リブ602Mの周方向に交差する押圧面602Tが形成されている。この押圧面602Tは、後述するようにストッパ610を押圧するように機能する部位である。
【0181】
ダイヤル602のボス部602Bには、軸挿通孔602Fに回動軸618Aを挿通するようにして前記軸部材618が後側から嵌着され、ネジにより固定されるようになっている(この固定状況は図示省略)。この状態で、ダイヤル602の貫通溝部602Gに前記基軸部601のネジ挿通部608を挿通しながら、前記基軸部601の軸挿通孔607に軸部材618の回動軸618Aが挿入される。これにより、ダイヤル602が基軸部601に対し所定の角度範囲内で自在に回転し得るように支持されるようになっている。このとき、ダイヤル602の貫通溝部602Gが両端で基軸部601のネジ挿通部608に当ってダイヤル602の回動が規制されるため、上記所定の角度範囲は、このようにダイヤル602の回動がネジ挿通部608により規制される範囲のことである。またこのとき、ダイヤル602は、基軸部601における拡径部604の周縁にリム部602Rが外側から嵌合した状態で回転し、したがってその移動方向が拡径部604の周方向に規制されるようになっている。
【0182】
ダイヤル602の前側からは、キャップ619が取り付けられる。キャップ619は、図29ないし図32にも示すように、ほぼ半球状(ないし椀状)の形状を有し、前面部(外面部)には装飾が施され、内側には、前記基軸部601の3本のネジ挿通部608に対応する位置に、内部にネジ穴を有する円柱形状の螺入部がそれぞれ形成された構成となっている(図示せず)。基軸部601の拡径部604の後方からネジ挿通部608にネジを挿入してキャップ619の螺入部に螺入することにより、キャップ619が基軸部601に固定され、これによりダイヤル602が脱離不能に保持される。
【0183】
ダイヤル602の前側において、軸挿通孔602Fから前方に突出した回動軸618Aにはコイルバネが外装され、該コイルバネの一方端はダイヤル602におけるボス部602Bの前側面に係止固定され(図示せず)、他方端は前記バネ挿通部637に係止固定されて(図示せず)、これによりダイヤル602が反時計回り方向に付勢されるようになっている。
【0184】
図48ないし図50は、操作ハンドル18の操作方法の一例を示す図である。以下、同図に基づき操作ハンドル18の操作方法について順次説明する。
【0185】
操作前の段階では、図48(a)に示すように、ダイヤル602が反時計回り方向に最大限に回転した位置にあり、前記コイルバネの付勢力によりこの位置に保持されている。すなわち、この位置がダイヤル602の初期位置である。この初期位置では、前記3箇所の指掛突起602Pが上端よりやや右寄り、左端よりやや上寄りおよび右端にそれぞれ位置している。またこのとき、ストッパ610が鍔状レール613および周壁状レール614の左端の位置にセットされている。
【0186】
まず、図48(a)中の矢印A1に示すように、ダイヤル602を指先で把持して初期位置から前記コイルバネの付勢力に抗して時計回り方向に回す。このとき、ダイヤル602は、手に深く持って回そうとすると指先がダイヤル602よりも奥に突出してストッパ610に抵触しやすくなるため、上記のように指先で把持するほうが回しやすい。
【0187】
このようにダイヤル602を回す途上で、図48(b)に示すように、初期位置から数十°程度回転した位置に達すると、前記ダイヤル602の押圧面602Tが、図46にも示すストッパ610における基台部610Sの左側面610Lに当接する。このとき、ダイヤル602の初期位置において左端よりやや上寄りに位置していた指掛突起(以下、第1指掛突起と称す)602P1の指掛面602E1の中央部と、ストッパ610における突起部610Pの時計回り方向側面(以下、指置面とも称す)610Eの中央部との間隔d1は、遊技者の指が僅かに余裕をもって入る程度となっており、さらに、上記指掛面602E1と指置面610Eとは正面視概略V字形状をなすように外側へ次第に拡開しているため、遊技者の指の太さに個人差(あるいは例えば人差し指と親指とのように使用する指の違い)があっても、いずれかの位置(深さ位置)で指掛面602E1と指置面610Eとの間隔に適合しながら容易かつ確実に納まるようになっている。
【0188】
上記のようにダイヤル602の押圧面602Tがストッパ610における基台部610Sの左側面610Lに当接すると、該ストッパ610は前述の通り、コイルバネの付勢力を少々上回る力を加えられても動かない程度の摩擦力をもって周壁状レール614に摺動(スライド)可能に支持されているため、ダイヤル602をこの位置からさらに時計回り方向に回そうとするとストッパ610がある程度の抵抗となるが、ストッパ610は、さらに大きい力で強く動かされると摺動(スライド)することができるので、図48(b)中の矢印A2に示すように、該ストッパ610の抵抗力を上回るトルクをかけながら、ダイヤル602をさらに時計回り方向に回すようにする。これにともない、以降はストッパ610がダイヤル602の押圧面602Tに押圧され、ダイヤル602に引き摺られるようにして時計回り方向に摺動(スライド)する(即ちダイヤル602に連動する)こととなる。このとき、ストッパ610は、前記第1指掛突起602P1との間隔d1を保持しながら、ダイヤル602に連動して時計回り方向に摺動(スライド)する。換言すれば、ストッパ610は、ダイヤル602の第1指掛突起602P1の後を一定の間隔d1を保持しながら追随するように時計回り方向に摺動(スライド)する。
【0189】
ついで、図49(a)に示すように、ダイヤル602が遊技者にとって最適な特定の操作位置(以下、最適位置と称す)に定まったら、遊技者の指(例えば人差し指)F1をダイヤル602からさらに奥へ差し入れ、ストッパ610の指置面610Eにかけるようにする。これにより、遊技者の指F1がダイヤル602における第1指掛突起602P1の指掛面602E1とストッパ610の指置面610Eとの間に挟まれた状態、即ち、ダイヤル602が遊技者の指F1を介してストッパ610に掛止された状態となってダイヤル602が最適位置に保持されることとなる。このとき、ダイヤル602には、コイルバネにより反時計回り方向へ付勢力が加えられており、ダイヤル602を最適位置に保持しておくにはこの付勢力に抗することが必要であるが、ストッパ610は前述の通りコイルバネの付勢力によっては動かないため、上記のようにダイヤル602を指F1を介してストッパ610に掛止することにより、上記コイルバネの付勢力をストッパ610で受け止めることができるので、ストッパ610を利用せずにダイヤル602を手だけで把持するよりも容易かつ確実に最適位置に保持しておくことができ、疲労し難く安楽な体勢で遊技を続行することができる。
【0190】
またこのとき、ダイヤル602が、遊技者の指F1を介在させるようにしてストッパ610に掛止することにより最適位置に保持されているので、指F1をかける位置や角度を適宜ずらすようにしてダイヤル602の操作位置を微調整することも容易である。
【0191】
この後、例えば休憩等のために遊技を中断する場合、ダイヤル602が最適位置にある操作ハンドル18から手を放すと、図49(b)に示すように、該ダイヤル602がコイルバネの付勢力により反時計回り方向に回転して初期位置に復帰するが、このとき、該ダイヤル602の押圧面602Tよりも時計回り方向側には、(上端よりやや右寄りの位置まで)リブ602Mが形成されていないため、ダイヤル602はストッパ610に抵触することなく反時計回り方向に回転することとなり、したがって該ストッパ610は、ダイヤル602が反時計回り方向に回転してもこれに影響を及ぼし合う(関わり合う)ことはなく、該ストッパ610自体は、図49(a)に示すように最適位置にあったときのダイヤル602における所定の部位の近傍(即ち最適位置にあったときのダイヤル602において手指を掛止させて把持するための掛止部である第1指掛突起602P1から反時計回り方向に間隔d1をおいた位置)に留まることとなる。
【0192】
遊技を再開する際には、図50(a)に示すように、指(例えば親指)F2でストップボタン616を押して遊技球の発射を停止した状態としながら、図中の矢印A3に示すように、ダイヤル602を再び初期位置からコイルバネの付勢力に抗して時計回り方向に回す。このとき、ストッパ610が前述の通り最適位置にあったときのダイヤル602における第1指掛突起602P1の近傍に留まっているので、該ストッパ610を目安としてダイヤル602を最適位置の付近まで容易に回すことができる。このようにダイヤル602を回すと、図50(b)に示すように、その途上でダイヤル602の押圧面602Tがストッパ610における基台部610Sの左側面610Lに再び当接するが、この位置までは、ダイヤル602はコイルバネの付勢力を少々上回る程度の力で回すことができるので、遊技者がよほど勢いよく操作したりしない限り、ダイヤル602の押圧面602Tが当接しただけではストッパ610は動くことはなく、したがって、ダイヤル602の時計回り方向の回動がストッパ610により規制されて、再びダイヤル602が最適位置に位置することとなる。
【0193】
この状態で、図50(b)に示すように、前記と同様にして、指(例えば人差し指)F1をダイヤル602からさらに奥へ差し入れ、ストッパ610の指置面610Eにかけてダイヤル602を最適位置に保持するとともに、ストップボタン616から指F2を放すようにする。これにより、ダイヤル602を再び最適位置に正確に合わせた状態で遊技球の発射が開始され、したがって、無駄球を出すことなく最適位置から遊技を再開できるとともに、これ以降、前記と同様に容易かつ確実にダイヤル602を最適位置に保持して、疲労し難く安楽な体勢で遊技を続行することができることとなる。
【0194】
このとき、例えば、ストッパ610に指をかけずにダイヤル602のみを把持するようにしたとしても、前述の通りストッパ610はダイヤル602の時計回り方向の回動を規制することができるので、ダイヤル602を容易かつ確実に最適位置に合わせた状態に保持しておくことができる。
【0195】
この後、遊技の中断および再開を繰り返す場合には前記と同様の操作を繰り返せばよい。一方、遊技を終了する際には、中断する場合と同様に、操作ハンドル18から手を放すと、ダイヤル602がコイルバネの付勢力により反時計回り方向に回転して初期位置に復帰するが、ストッパ610が最適位置にあったときのダイヤル602における第1指掛突起602P1の近傍に留まっているので、該ストッパ610を再び鍔状レール613および周壁状レール614の左端の位置に戻すようにすると、遊技者が遊技を通じて自分が探り当てた最適位置を次の遊技者に利用されないようにすることができる。ストッパ610は、コイルバネの付勢力を上回るやや強い力で押圧することにより、ダイヤル602と連動することなく鍔状レール613および周壁状レール614の上を摺動(スライド)させて元の左端の位置に復帰させることができる。
【0196】
(作用)
上述の通り、パチンコ機10においては、遊技者により操作され、その操作量に応じて遊技内容を変化させるための操作手段として操作ハンドル18を備え、該操作ハンドル18は、遊技者の操作により初期位置と操作位置との間を移動し得る可動部としてダイヤル602と、該ダイヤル602を初期位置側へ付勢する付勢手段としてコイルバネとを有する構成において、上記ダイヤル602が操作位置にあるときに該ダイヤル602における所定の部位(即ち第1指掛突起602P1)の近傍に位置し、上記付勢手段による付勢力に抗して上記ダイヤル602を操作する力を軽減するために用いることが可能な操作位置固定手段としてストッパ610を備える構成としたので、特定の操作位置にあるダイヤル602を、第1指掛突起602P1の近傍に位置するストッパ610で支えながら該操作位置に保持しておくことができる。このとき、ダイヤル602にはコイルバネにより初期位置側へ付勢力が加えられており、ダイヤル602を特定の操作位置に保持しておくにはこの付勢力に抗することが必要であるが、ストッパ610はコイルバネによる付勢力に抗して上記ダイヤル602を操作する力を軽減するために用いることが可能となっているため、ダイヤル602をストッパ610で支えながら保持することにより、コイルバネによる付勢力をストッパ610で緩和することができるので、ダイヤル602を手だけで把持するよりも容易かつ確実に最適位置に保持しておくことができ、疲労し難く安楽な体勢で遊技を進めることができる。
【0197】
また、ストッパ610が、ダイヤル602の移動方向に沿って移動し得るとともに、その移動方向における初期位置側へ向けてコイルバネによる付勢力と実質的に同等の力を加えられても動かず同位置に留まるものとなっているので、ストッパ610を移動させることにより、該ストッパ610をダイヤル602の任意の操作位置に対応してダイヤル602の第1指掛突起602P1の近傍に位置させることができる。
このとき、ストッパ610は移動方向における初期位置側へ向けてコイルバネによる付勢力と実質的に同等の力を加えられても動かないため、ダイヤル602をストッパ610で支えながら保持することにより、コイルバネによる付勢力をストッパ610で受け止めることができるので、ダイヤル602をより容易かつ確実に最適位置に保持しておくことができる。
【0198】
また、ダイヤル602が初期位置から操作位置へ移動する場合に、ストッパ610が該ダイヤル602の第1指掛突起602P1に追従して移動するので、ダイヤル602を初期位置から操作位置へ移動させるのとは別の操作によってストッパ610を移動させなくても、ダイヤル602を移動させると該ストッパ610が自動的にダイヤル602の第1指掛突起602P1に追従して移動するようになっており、したがってそのぶん操作の手間が省略されるようになっているとともに、該ストッパ610がダイヤル602の第1指掛突起602P1の近傍に確実に位置するようになっている。
【0199】
また、操作ハンドル18は、
ダイヤル602の移動方向を規制する第1規制部として基軸部601における拡径部604の周縁と、
ストッパ610の移動方向を規制する第2規制部として周壁状レール614と、
ストッパ610に設けられ、上記移動方向と交差する方向において上記周壁状レール614と接触する部位(即ち両弾性部材612F、612R)と基台部610Sとを有する基部と、
上記基部における基台部610Sから上記交差方向に延出する部位である突起部610Pに設けられ、操作位置側に向いた支承面として指置面610Eと、
上記ダイヤル602に設けられ、上記ダイヤル602が初期位置から操作位置へ向けて移動することに応じて上記基部を押圧する押圧面602Tとを有するので、ダイヤル602を基軸部601における拡径部604に沿って初期位置から操作位置へ移動させると、ストッパ610が、基部において周壁状レール614に接触しながら該周壁状レール614に沿ってダイヤル602に追従して移動するが、このとき、ストッパ610は、周壁状レール614に接触する部位である両弾性部材612F、612Rを有する基部(即ち図48(b)に示す、ストッパ610が周壁状レール614に支持される支点P11が存在する部位)をダイヤル602の押圧面602Tにより押圧されることでダイヤル602に追従して移動するので、比較的に小さい力で容易にダイヤル602に追従して移動することができ、したがってダイヤル602の操作を阻害することが少ない。一方、ダイヤル602を操作位置に移動させた後は、ダイヤル602をストッパ610で支えながら保持することができるが、このとき、ストッパ610の基部(具体的には基台部610S)から上記交差方向に延出する突起部610Pに設けられた指置面610Eでダイヤル602を支えることができるので、基部から上記交差方向に離隔した位置(即ち図49(a)に示す、上記支点P11から上記交差方向に離隔した力点P12)でダイヤル602を支えることができ、したがって、このとき上記力点P12でストッパ610に加わる力は、ストッパ610を周壁状レール614に沿って移動させるよりも、むしろ逆に、周壁状レール614に圧接して該ストッパ610を当該位置に留めるように作用する。これにより、簡単な構成によって、ダイヤル602をより容易かつ確実に最適位置に保持しておくことが可能な構造となっている。
【0200】
また、ダイヤル602が初期位置側に向いた作用面として指掛面602Eを有し、ストッパ610が操作位置側に向いた支承面として指置面610Eを有するので、指掛面602Eと指置面610Eとの間に指などを挟むようにすることにより、容易にダイヤル602をストッパ610で支えながら保持することができる。
【0201】
また、指掛面602Eと指置面610Eとが外側へ次第に拡開しているので、例えば遊技者の指の太さに個人差があったり、あるいは例えば人差し指と親指とのように使用する指の違いがあっても、いずれかの位置(深さ位置)で指掛面602Eと指置面610Eとの間隔に適合して納まるようになっている。
【0202】
また、操作位置固定手段であるストッパ610が、移動方向すなわちダイヤル602の周方向に沿って配置された鍔状レール613および周壁状レール614を、交差する2方向すなわち前後方向および径方向の各方向に沿って挟持するようにして該鍔状レール613および周壁状レール614の上に摺動可能に支持されているので、ストッパ610が鍔状レール613および周壁状レール614によって交差する2方向の各方向に規制されてガタつきもなく安定に支持されている。
【0203】
また、ストッパ610が弾性部材612F、612Rを備え、周壁状レール614に対し両面側から弾性部材612F、612Rが所定の圧力で当接しているので、ストッパ610が、周壁状レール614に対し所定の摩擦力をもって摺動可能に支持され、これにより、周壁状レール614上の特定の位置に確実に支持されるようになっている。
【0204】
また、ストッパ610が、内部に弾性部材612F、612Rが収容された構成を有するので、劣化等の場合に弾性部材612F、612Rのみを交換することもできる。
【0205】
また、ダイヤル602が、ストッパ610よりも遊技者寄りの位置すなわち前側に配置されているので、ストッパ610に抵触することなくダイヤル602のみを操作することや、ダイヤル602を最適位置に合わせた後になってはじめてストッパ610に触れるようにすることがより容易となっている。
【0206】
また、遊技者により操作され、その操作量に応じて遊技内容を変化させるための操作手段として操作ハンドル18を備え、該操作ハンドル18は、遊技者の操作により初期位置と操作位置との間を移動し得る可動部としてダイヤル602と、該ダイヤル602を初期位置側へ付勢する付勢手段としてコイルバネとを有する構成において、上記ダイヤル602が初期位置から操作位置へ移動するのに連動して様態が変移(即ち鍔状レール613および周壁状レール614の上を摺動)し、このあとダイヤル602が初期位置側へ復帰するよう移動しても変移した様態(即ち鍔状レール613および周壁状レール614の上における位置)が維持される操作量標示手段としてストッパ610を備えるものとなっているので、遊技者が特定の操作位置までダイヤル602を移動させると、これに連動してストッパ610の様態(位置)が変移し、この後、遊技者が遊技を中断してダイヤル602が初期位置に復帰しても、ストッパ610が変移した様態(位置)に維持される。したがって、遊技再開時にこのストッパ610の変移した様態(位置)が目安となって、ダイヤル602を再び上記特定の操作位置に容易に合わせることができるので、硬貨等でダイヤル602を特定の操作位置に固定しなくとも、無駄球を極力出さずに遊技を再開することができ、これにより遊技者の損失が生じ難くなっている。
【0207】
またこのとき、ストッパ610の様態(位置)がダイヤル602の動作に連動して変移するため、ダイヤル602を特定の操作位置に合わせるための目安を設定する操作を別に行うことも不要であり、そのぶん操作の手数が増えることもない。
【0208】
また、操作量標示手段であるストッパ610が、鍔状レール613および周壁状レール614の上を摺動することにより様態が変移するものとなっているので、操作量標示手段の様態が連続的に変移するため操作位置が高精度に標示されるようになっており、またその構成も簡潔となっている。
【0209】
また、ストッパ610が、鍔状レール613および周壁状レール614を、交差する2方向すなわち前後方向および径方向の各方向に沿って挟持するようにして該鍔状レール613および周壁状レール614の上に摺動可能に支持されているので、ストッパ610が、鍔状レール613および周壁状レール614によって交差する2方向の各方向に規制され、ガタつきもなく安定に支持されている。
【0210】
また、ストッパ610が弾性部材612F、612Rを備え、周壁状レール614に対し両側から弾性部材612F、612Rが所定の圧力で当接しているので、ストッパ610が、周壁状レール614に対し所定の摩擦力をもって摺動(スライド)可能に支持され、これにより、変移した様態(周壁状レール614上の位置)が確実に維持されるようになっている。
【0211】
また、ストッパ610が、鍔状レール613および周壁状レール614の上の特定位置でダイヤル602の移動(回転)を規制し得るので、遊技再開時にストッパ610でダイヤル602の移動(回転)を規制することにより、該ダイヤル602を再び特定の操作位置に容易に合わせることができる。
【0212】
また、ストッパ610が、内部に弾性部材612F、612Rが収容された構成となっているので、劣化等の場合に弾性部材612F、612Rのみを交換することも可能となっている。
【0213】
また、ストッパ610が、ダイヤル602と連動することなく元の位置に復帰させることができるようになっているので、遊技終了後にストッパ610を元の位置に戻すようにすることにより、遊技者が遊技を通じて自分が探り当てた最適位置を次の遊技者に利用されないようにすることができる。
【0214】
(変更態様)
上記パチンコ機10には、様々な変更を加えることが可能である。
(1)例えば図51ないし図53に示すように、ストッパをより容易に元の位置に戻し得る構成としてもよい。図51はこのようなストッパの一例を示す斜視図、図52はその分解斜視図、図53はその作用を説明する図である。
【0215】
同図に示すストッパ620は、基台部620Sに胴部620Pが一体的に形成された形状を有し、前側分割体620Fおよび後側分割体620Rの、前後2つの分割体に分割成形され、これらを結合して構成されている。
【0216】
後側分割体620Rは、図52に示すように、下端に前方へ延出する固定顎621Jが形成されたやや縦長の矩形状の背面基板621に、可動顎部材622およびレバー部材623が配設された構成となっている。可動顎部材622は、正面視概略山形状で下端に前方へ延出する可動顎622Jが形成され、背面基板621の前面に、上方に付勢された状態で僅かに即ち数ミリ程度の範囲内で上下動可能に取り付けられている(取付構造は説明および図示を省略)。可動顎622Jの下面には、前記実施形態のストッパ610における後側分割体610Rの収容凹部と同様の収容凹部622Rが形成されており、該収容凹部に前記実施形態と同様の弾性部材(図示せず)が収容されるようになっている。また、可動顎622Jの両側にそれぞれ隣接して、背面基板621から前方に腕部621A、621Aが延出している。レバー部材623は、やや長く延びる長方形状の板バネよりなり、2長辺が上辺および下辺となるようにして、背面基板621の前面における可動顎部材622の上端部よりやや左方に隣接する位置に、前方に延出するように固定されている。レバー部材623の上辺における可動顎部材622の上端部に対応する位置には、矩形状の切欠623Cが形成され、該切欠623Cに押圧部材624が嵌着固定されるようになっている。押圧部材624は、レバー部材623の厚さに対応する幅を有する溝部が前後方向に沿って形成された正面視概略逆U字形状の部材となっており、可動顎部材622に対向する右下端部には、下端から右上方へ傾斜するテーパ面624Tが形成されている。
【0217】
前側分割体620Fは、後側分割体620Rの背面基板621にほぼ対応する直方体状であって背面部(後側面部)が開放された前側カバー部625の下端部に把持部625Bが一体的に形成された構成となっている。把持部625Bは、前記実施形態のストッパ610における前側分割体610Fの把持部611Fとほぼ同様の形状となっているが、内部には収容凹部が形成されておらず弾性部材も収容されていない。前側カバー部625の左側面部には、前記レバー部材623を挿通し得る矩形状凹部625Rが形成されている。前側分割体620Fは、図51に示すように、後側分割体620Rにおける可動顎部材622とレバー部材623の大部分とを前側カバー部625で前方から覆うとともに、レバー部材623の先端部を矩形状凹部625Rから前方に突出させるようにして、後側分割体620Rに前方から嵌着固定され、これにより、基台部620Sおよび概略直方体状の胴部620Pが構成されている。
【0218】
図53(a)に示すように、上記ストッパ620が周壁状レール614上の特定位置に支持された状態では、後側分割体620Rの可動顎部材622の上端に、押圧部材624が左方よりテーパ面624Tから乗り上げた体勢となっており、これにより、可動顎622Jが下方に押圧されて固定顎621Jとともに周壁状レール614を上下からクランプ様に挟んで締め付け、これにともない、可動顎622Jの収容凹部622Rに収容された弾性部材626が周壁状レール614上に圧しつけられて摩擦力が生じるようになっている。前記実施形態のストッパ610では周壁状レール614に両面側から弾性部材が圧接する構成となっていたのに対し、本実施例においては周壁状レール614の片面側(外面側)からのみ弾性部材626が圧接する構成となっているが、上記のように可動顎部材622が押圧部材624に押圧されて弾性部材626が周壁状レール614上に圧しつけられる構成とすることで、十分な圧力が加えられて摩擦力も十分となるようになっている。
【0219】
図53(b)に示すように、レバー部材623の先端部を左方に押圧して全体を湾曲させるようにすると、これとともに押圧部材624が可動顎部材622から左方に離脱し、これにより、可動顎622Jが下方への押圧力から解放されて付勢力により周壁状レール614から上方に離脱し、これにともない弾性部材626も周壁状レール614から上方に離脱して、このあとは腕部621A、621Aが周壁状レール614に当接した状態となり、また前述の通り周壁状レール614の反対側面には弾性部材は配設されていないため、摩擦力も大幅に軽減されてストッパ620を小さい力で容易に摺動(スライド)させることが可能な状態となる。
【0220】
上記のように、ストッパ620と周壁状レール614との間の摩擦力を調節する摩擦力調節機構を設けるようにすれば、摩擦力を大とすることによりストッパ620の変移した様態(周壁状レール614上の位置)を確実に維持することができ、一方、摩擦力を小とすることによりストッパ620をより容易に元の位置に戻すことができる。
【0221】
さらにこの場合、例えば図54に示すように、ストッパ620を元の位置に復帰させる方向に付勢する付勢手段を設けるようにしてもよい。同図に示す例では、周壁状レール614に沿ってコイルバネ627が敷設されており、ストッパ620を右側から左方に(即ち反時計回り方向に)付勢している。これにより、ストッパ620をさらに容易に元の位置に戻すことができる。
【0222】
(2)また、操作量標示手段としては、レールの上をスライド移動する前記ストッパ610、620のように所定の構造物が移動することにより様態が変移するもの以外にも、例えば図55および図56に示すように、所定の電気的表示装置による表示内容が変容することにより様態が変移するもの等であってもよい。
【0223】
同図に示す例においては、下皿ユニット13の前面において、操作ハンドル18Bの上方にやや距離をおいた位置に操作量表示部628が設けられている。一方、操作ハンドル18Bのダイヤル18Dの周囲には、操作量を示す目盛629が付されている。同図に示すようにダイヤル18Dが初期位置にある時点で最も左に位置する指掛突起(第1指掛突起)18D1の先端には径方向の短小な線状のマーク630が付され、ダイヤル18Dが初期位置にあるときにこのマーク630がちょうど「0」の位置にくるように目盛629が設定されており、この時点で操作量表示部628には「0」と表示されるようになっている。また、前記発射制御装置312は、可変抵抗器の抵抗値に対応する値を操作量として記憶する記憶手段を備え、この記憶値(操作量)に対応する表示を操作量表示部628で行うように制御する。
【0224】
図56(a)に示すように、上記ダイヤル18Dを時計回り方向に回すと、マーク630が指す目盛629に対応して操作量表示部628の表示内容が変容していく。例えば同図に示す「4」の位置が最適位置で、この最適位置で遊技を中断する場合には、操作ハンドル18Bから手を放すと、図56(b)に示すように、ダイヤル18Dがコイルバネの付勢力により反時計回り方向に回転して初期位置に復帰するが、このとき、操作量表示部628の表示内容はダイヤル18Dの反時計回り方向の回転には連動せず、引き続き最適位置を表す「4」に留まる。
【0225】
遊技を再開する際には、ストップボタン18Sを押しながらダイヤル18Dを再び初期位置から時計回り方向に回す。このとき、操作量表示部628の表示内容が最適位置を表す「4」に留まっているので、これを目安としてダイヤル18Dを目盛629の「4」の位置まで回すようにすれば、ダイヤル18Dを再び最適位置に合わせることができる。この状態で、ストップボタン18Sから指を放すと、再び最適位置で遊技球の発射が開始され、したがって、無駄球を出すことなく最適位置から遊技を再開できることとなる。
【0226】
この後、遊技を終了する際には、操作量表示部628の表示内容が最適位置を表すものに留まっているが、所定時間(例えば60秒、120秒、180秒等の任意の設定時間)経過すると表示内容が「0」に戻るように設定されており、今回の遊技における最適位置がどこであったかがこれ以降は知ることができないようになっている。ここで、もし上記所定時間経過後に、同一の遊技者が遊技を再開しようとした場合でも、遊技を中断するまでは操作量表示部628に最適位置を表す表示内容が数字で(デジタルに)表示されていたため、この表示が上記所定時間の間だけなされていれば、遊技者にとってこの表示内容を記憶しておくのは十分に容易であり、したがって上記所定時間経過後に表示内容が「0」に戻っても、同一の遊技者が遊技を再開する上では殆ど支障はない。一方、本実施形態においては、操作量表示部628の表示内容をリセットするリセットスイッチ(図示せず)が設けられており、上記所定時間内であっても、このリセットスイッチを操作して操作量表示部628の表示内容を「0」に戻しておく(即ちリセットする)ことにより、最適位置が次の遊技者に利用されることをより確実に防止することができるようになっている。
【0227】
本実施形態においては、操作量表示部628および目盛629で操作量が「0」ないし「5」の5段階で表される構成となっているが、もちろん操作量表示部628を、例えば小数点以下まで表示する等のように、より小刻みに表示し得る構成としてもよく、さらには、目盛629もスペースの許す限りより小刻みに付すようにしてもよい。
【0228】
本実施形態の場合、操作量表示部628は電気的表示装置により操作量を表示するものとなっているので、操作位置固定手段としては機能せず、専ら操作量標示手段として有用なものとなっている。
【0229】
(3)また、前記実施形態においては、円環状の部材であるダイヤル602が可動部となっており、該ダイヤル602の前側にはキャップ619が固定されていたが、例えば、前側のキャップを回転可能に軸支して可動部とし、該キャップの後側に配置される円環状の部材を基軸部に固定するか、あるいは円環状の部材は省略してキャップを直接的に基軸部に回転可能に軸支するようにしてもよい(図示せず)。この構成においては、円環状の部材を設ける場合でも、この円環状の部材は固定されるためダイヤルではなく、キャップのほうがダイヤルとなる。
【0230】
(4)また、前記実施形態においては、ストッパ610が左端の位置から上端よりやや右寄りの位置までの間を往復し得る構成となっていたが、例えばこれとは反対側すなわち右端の位置から下端よりやや左寄りの位置までの間を往復し得る構成としてもよく、あるいは、上記両側の位置にそれぞれストッパを往復動可能に配置するようにしてもよい(図示せず)。遊技者によっては、手を持ち上げた状態に維持しながら操作ハンドルの操作を続けると疲れやすいため、例えば操作ハンドルの下方に適宜な支えを置いてこの上に手を載せ、操作ハンドルを下方から把持して操作することもあり、この場合、上記のようにストッパを操作ハンドルの下側に設けることにより、下方からの操作に対応することができる。
また、前記実施形態においては、ストッパ610がダイヤル602の第1指掛突起602P1に対応して配置されていたが、3箇所の指掛突起602Pのうち、任意の1またはそれ以上の指掛突起602Pに対応して配置するようにしてもよい。さらにまた、ダイヤルにおいては、指掛突起が手指を掛止させて把持するための掛止部となっているため、特に操作位置固定手段として機能させる上では、ストッパは指掛突起に対応して配置することが操作性の点で通常は望ましいが、ダイヤルはどの部位で把持することも可能ではあるので、指掛突起以外の任意の部位に対応してストッパが配置されていてもよい。特に、操作量標示手段としての機能に限ってみれば、ストッパはダイヤルのいずれの部位に対応して配置されていても同等に機能することができる。
【0231】
(5)また、前記実施形態においては、ストッパ610がダイヤル602の後側に配置されていたが、ストッパをダイヤルの前側に配置するようにしてもよい。例えば、キャップの周縁部にレールを形成し、このレールにストッパをスライド可能に支持するようにすればよい。ただし、ストッパに抵触することなくダイヤルのみを回すことや、ダイヤルを最適位置に合わせた後になってはじめてストッパに指をかけるようにすることがより容易となるようにする上では、前記実施形態におけるようにストッパ610をダイヤル602の後側に配置するほうが望ましい。
【0232】
(6)また、前記実施形態においては、ダイヤル602が掛止部として周縁部に指掛突起602Pを有する構成となっていたが、例えば、掛止部として周縁部に1または複数の凹部を設けた構成、周縁部にゴム状弾性材等よりなる滑り止めを設けた構成等も可能である。
さらには、可動部として、前記実施形態におけるダイヤル602のように回転可能に構成された環状の部材以外にも、例えば支点を中心に回動するレバーや、スライド動作するもの等であってもよい。
【0233】
(7)また、以上の実施形態においては、操作手段が、遊技球の発射強度を調節することにより遊技内容を変化させる遊技球発射ハンドル18であり、操作量標示手段が、遊技球発射ハンドル18に連動して様態が変移することにより操作量を示すストッパ610、620ないし操作量表示部628となっていたが、これと同様の操作手段および操作量標示手段(ないし操作位置固定手段)の構成は、例えば図57に示すように、遊技領域内に遊技球を流下させることによる遊技以外の所定の遊技における遊技内容を変化させるための操作手段に適用することもできる。同図に示す例は、入賞に基づく遊技者参加型のゲームに上記操作手段および操作量標示手段の構成を適用したものである。この例においては、入賞に基づいてゲームが開始され、表示装置42Bに弓を表す図柄D11が表示されて、操作ハンドル631を回すと、その操作量に応じて、弓D11の弦が引っ張られて矢を表す図柄D12が的を表す図柄D13をめがけて飛んでいき、これによりゲームの当たり外れが決定されるようになっている。操作手段である上記操作ハンドル631は、前記実施形態における遊技球発射ハンドル18と同様の構成を有し、操作量標示手段(ないし操作位置固定手段)として、前記実施形態におけるストッパ610と同様のストッパ632を備えるものとなっている。
なお、上記表示装置42Bは専らこのゲームの図柄を表示するものとなっているが、例えば、このようなゲーム専用の表示装置を設けず、前記装飾図柄表示装置42でこのゲームの図柄を表示するようにしてもよい。
【0234】
(8)また、前記実施形態においては、ストッパ610がダイヤル602の押圧面602Tに押圧され、ダイヤル602に引き摺られるようにして鍔状レール613および周壁状レール614の上を摺動(スライド)することによりダイヤル602に連動する構成となっていたが、例えば、ストッパを電気的制御によりモータ等で駆動してダイヤルに連動させる構成としてもよい。この場合、遊技終了時にダイヤルを初期位置に戻した際に、タッチセンサ等によりダイヤルの非接触状態を検出してから所定時間(例えば60秒、120秒、180秒等の任意の設定時間)経過後にストッパを元の位置に戻すよう駆動したり、ダイヤルの初期位置側への移動を検出してストッパを元の位置に戻すよう駆動したりしてもよい。またこの場合、上記所定時間をより長い時間(例えば5分、10分等の任意の設定時間)に延長するための延長ボタンを設け、遊技を中断する際にこの延長ボタンを押すことにより、例えば数分程度の中断の後でも、最適位置にあったときのダイヤル602における第1指掛突起602P1の近傍にストッパが保持されるようにして操作量標示手段(即ち遊技再開時の目安)として機能することができるようにしてもよい。
換言すれば、ストッパは、操作量標示手段として機能するためには、ダイヤル(可動部)が初期位置に復帰した後も、一定時間の間は、最適位置にあったときのダイヤル602における第1指掛突起602P1の近傍に留まり、変移した様態(当該位置)を維持して目安となっていることが必要であるが、それ以降には、必ず元の位置に戻り、次の遊技者に目安として利用されないように構成されていることが望ましい。
【0235】
(9)また、以上の実施形態においては、操作量標示手段すなわちストッパ610や操作量表示部628が、遊技中断後に最適位置における様態が維持されるように構成されていたが、最適位置における様態だけでなく、これ以外の位置における様態も併せて、複数の位置における様態が維持される構成としてもよい。例えば、最適位置用の第1のストッパないし操作量表示部と、これ以外の位置用の第2のストッパないし操作量表示部とを設けるようにしてもよい。
【0236】
(10)また、例えば図58および図59に示すように、ストッパをさらに容易に元の位置に戻し得る構成としてもよい。図58はこのようなストッパの一例を示す斜視図、図59はその分解斜視図である。
【0237】
同図に示すストッパ633は、レバー部材634の構成を除けば、前記図51ないし図53に示す実施形態のストッパ620と全く同様の構成となっており、このため、前記と同様の部材ないし部位には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0238】
本実施形態のストッパ633におけるレバー部材634は、前記実施形態のストッパ620におけるレバー部材623よりも長く形成され、先端部がダイヤル602の周面上に重なりながら前方に延出して、その先端がダイヤル602の前側端縁の位置まで達するようになっている。なお、該レバー部材634の基部には、前記実施形態のレバー部材623における切欠623Cと同様の切欠634Cが形成されている。
【0239】
本実施形態のストッパ633は、ダイヤル602が初期位置から操作位置へ時計回り方向に回動する際には、前記実施形態の場合と全く同様に、ダイヤル602に引き摺られるようにして摺動(スライド)することによりダイヤル602に連動するが、一方、ダイヤル602が操作位置から初期位置へ復帰するよう反時計回り方向に回動する際には、前記実施形態の場合とは異なって、レバー部材634を別操作により操作しなくても、該レバー部材634がダイヤル602における指掛突起602Pの指掛面602Eに当接して左方に押圧される。これにより、前記実施形態のストッパ620の場合と同様に摩擦力調節機構が機能して摩擦力が大幅に軽減され、ストッパ633が小さい力で容易に摺動(スライド)させることが可能な状態となる。この状態で、レバー部材634がダイヤル602における指掛突起602Pにより引き続き左方に押圧されることにより、ストッパ633がダイヤル602に連動して摺動(スライド)し元の位置へ復帰することとなる。
【0240】
本実施形態のストッパ633によれば、ダイヤル602が、操作位置から初期位置へ復帰する途上で、摩擦力調節機構を構成するレバー部材634に当接してストッパ633と周壁状レール614との間の摩擦力を小とするように操作するとともにストッパ633を元の位置に復帰する方向に押圧して駆動するので、ダイヤル602の復帰動作によって摩擦力調節機構の操作およびストッパ633の駆動が同時になされることとなり、したがって、ストッパ633をより効率的かつ容易に元の位置に復帰させることができる。
【0241】
ただし、本実施形態のストッパ633の場合、ダイヤル602が初期位置へ復帰すると、これに連動してストッパ633が元の位置に復帰する構成となっているので、操作量標示手段としては機能せず、専ら操作位置固定手段として有用なものとなっている。
【0242】
なお、本実施形態のストッパ633においては、前記図51ないし図53に示す実施形態のストッパ620の場合と同様に、例えば図54に示すような、ストッパを元の位置に復帰させる方向に付勢する付勢手段を設けるようにすると、ストッパ633をさらに容易に元の位置に戻すことができる。
【0243】
(11)また、以上の実施形態で例示したストッパ610、620、633はいずれも、ダイヤル602が初期位置から操作位置へ移動するのに連動して該ダイヤル602の第1指掛突起602P1の近傍まで移動する構成となっていたが、ダイヤル(可動部)に連動せず別操作により手動ないしモータ等の駆動手段で駆動して移動するストッパ(操作量標示手段ないし操作位置固定手段)としてもよく、これによれば、ストッパを操作する手間が増えるものの、例えばストッパを必要時(遊技を中断するとき、手に疲労を感じたとき等)にのみダイヤル602の第1指掛突起602P1の近傍まで移動するようにして、不要時には徒に最適位置の目安を残すことができるだけないようにするといった使用方法も可能である。またこれと同様に、例えば前記図55および図56に示すような電気的表示装置による操作量標示手段とする場合にも、ダイヤル(可動部)に連動せず例えばスイッチを押す等の別操作により表示を行う構成としてもよい。
【0244】
(12)また、操作位置固定手段としては、ダイヤル(可動部)の移動範囲に対応する範囲内を移動する前記ストッパ610、620、633のようなもの以外にも、例えば図60に示すように、所定の位置に不動に固定されたものとしてもよい。同図に示す例においては、ダイヤル635の後側に、該ダイヤル635の周縁に沿って複数の指止突起636が並ぶように形成されている。この例においては、ダイヤル635を最適位置に合わせた状態で、該ダイヤル635における第1指掛突起635P1の近傍に位置する指止突起636の間に指を差し入れるようにすることにより、ダイヤル635を指を介して指止突起636に掛止することができる。この場合、指止突起636が固定されていて動かすことができなくても、指のかけ方(位置、角度等)により微調整しながらダイヤル635の操作位置に対応することは容易である。換言すれば、ダイヤル(可動部)を最適位置で把持した状態で、操作位置固定手段が指をかけることが可能な近傍の位置にあれば、操作位置固定手段として所要の機能を果たすことができるともいうことができる。ただし、操作位置固定手段自体を任意の操作位置に対応させ得るようにする上では、前記実施形態におけるストッパ610、620、633のように操作位置固定手段を可動とするほうが有利である。
【0245】
また本実施形態の場合、指止突起636は所定の位置に不動に固定されているので、目盛のようなものとしては機能し得るものの、操作量標示手段としては機能せず、専ら操作位置固定手段として有用なものとなっている。
【0246】
(13)また、例えば、前記実施形態におけるダイヤル602の指掛面(作用面)602Eおよびストッパ610の指置面(支承面)610Eの少なくとも一方にさらに突起等の構造物やゴム弾性材等の滑り止めを設け、これにより指などをさらに安定に支持し得るようにしてもよい。
【0247】
(14)また、前記実施形態においては、パチンコ機10が例示されていたが、遊技機としては、パチンコ機以外にも、スロット機、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機も例示される。
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【産業上の利用可能性】
【0248】
本発明は、操作ハンドル等の操作手段を備える遊技機であれば広汎に実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0249】
【図1】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の正面図である。
【図2】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の右側面図である。
【図3】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の平面図である。
【図4】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の外枠に対して内枠、前面枠、セット板を夫々開いた状態を示す斜視図である。
【図5】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図6】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の背面図である。
【図7】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の外枠から内枠を開き、内枠からセット板を開いた背面の斜視図である。
【図8】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の斜視図である。
【図9】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の第1基板ケースを連結取付台座部材から外した状態の斜視図である。
【図10】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の第1基板ケースを連結取付台座部材ごと外した状態の右側面図である。
【図11】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の第1基板ケースを連結取付台座部材から外し、連結取付台座部材を開放した状態の斜視図である。
【図12】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の第1基板ケースおよび連結取付台座部材をそれぞれ外した状態の斜視図である。
【図13】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の第1基板ケースを開放した状態の斜視図である。
【図14】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の第1基板ケースを外し、カバー部材を開放した状態の斜視図である。
【図15】破断ネジの一例を示す正面図である。
【図16】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の第1基板ケース、連結取付台座部材、カバー部材および球集合板を外して分解した状態の斜視図である。
【図17】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の第1基板ケースおよび連結取付台座部材を外して分解した状態の斜視図である。
【図18】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の第1基板ケースに連結台座部材を取り付けた状態の斜視図である。
【図19】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤から球集合板、開閉機構、連結取付台座部材を取り付けた第1基板ケースを分離した状態の分解斜視図である。
【図20】カバー部材の封止構造を示す拡大図である。
【図21】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の第1基板ケースを連結取付台座部材ごと外し、さらにカバー部材ごと球集合板を外した状態の斜視図である。
【図22】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の第1基板ケースおよびカバー部材を取り付けた球集合板を外した状態の斜視図である。
【図23】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の斜視図である。
【図24】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面に、別の実施態様にかかるカバー部材を設け、第1基板ケースおよび連結取付台座部材をそれぞれ外し、カバー部材を開放した状態の斜視図である。
【図25】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の正面図である。
【図26】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の背面図である。
【図27】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の平面図である。
【図28】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の底面図である。
【図29】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の右側面図である。
【図30】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の左側面図である。
【図31】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の左前側からみた斜視図である。
【図32】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の右前側からみた斜視図である。
【図33】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の右後側からみた斜視図である。
【図34】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の左後側からみた斜視図である。
【図35】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)における基軸部の正面図である。
【図36】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)における基軸部の背面図である。
【図37】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)における基軸部の平面図である。
【図38】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)における基軸部の底面図である。
【図39】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)における基軸部の右側面図である。
【図40】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)における基軸部の左側面図である。
【図41】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)における基軸部の左前側からみた斜視図である。
【図42】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)における基軸部の右前側からみた斜視図である。
【図43】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の左前側からみた分解斜視図である。
【図44】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の左後側からみた分解斜視図である。
【図45】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)におけるダイヤル(可動部)およびキャップの右後側からみた斜視図である。
【図46】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)におけるストッパ(操作量標示手段/操作位置固定手段)の取付状況を示す部分正面図である。
【図47】図46のA−A線部断面図である。
【図48】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の操作方法の一例(遊技開始段階)を示す図である。
【図49】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の操作方法の一例(遊技中および遊技中断段階)を示す図である。
【図50】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の操作方法の一例(遊技再開段階)を示す図である。
【図51】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)におけるストッパ(操作量標示手段/操作位置固定手段)の他の例を示す斜視図である。
【図52】図51のストッパ(操作量標示手段/操作位置固定手段)の分解斜視図である。
【図53】図51のストッパ(操作量標示手段/操作位置固定手段)の作用を説明する模式図である。
【図54】図51のストッパ(操作量標示手段/操作位置固定手段)に付勢手段を設けた例を示す模式図である。
【図55】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)に、他の実施形態にかかる操作量標示手段を設けた状況を示す正面図である。
【図56】図55の操作ハンドル(操作手段)の操作状況を示す正面図である。
【図57】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)を、遊技球発射ハンドル以外の操作手段として適用した例を示す模式図である。
【図58】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)におけるストッパ(操作位置固定手段)の他の例を示す斜視図である。
【図59】図58のストッパ(操作位置固定手段)の分解斜視図である。
【図60】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)に、他の実施形態にかかる操作位置固定手段を設けた状況を示す正面図である。
【符号の説明】
【0250】
18:操作ハンドル(操作手段)
602:ダイヤル(可動部)
602P1:第1指掛突起(所定の部位)
610:ストッパ(操作位置固定手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機のうち、例えば、パチンコ球を使用するパチンコ機の場合には、操作手段として操作ハンドルを備え、遊技者がこの操作ハンドルを操作する操作量に応じて遊技球の発射強度が変化し、これにより遊技内容が変化するように構成されているのが一般的である。
【0003】
上記操作ハンドルは通常、遊技者の手動操作により初期位置から任意の操作位置まで回動する「ダイヤル」とも称される環状の部材を備え、このダイヤルは内部にコイルバネが内蔵されて初期位置側へ付勢されており、操作位置で手を離すとこのダイヤルが初期位置に復帰するように構成されている。遊技者は、遊技を開始するときにはダイヤルを初期位置から操作位置まで回動させ、以降、この操作位置を調節することにより遊技球の発射強度を加減しながら遊技を進めることとなる。
【0004】
このような遊技機としては、例えば、以下の文献に記載のものが挙げられる。
【特許文献1】特開2008−132213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような遊技機においては、遊技者が自身にとって最適な特定の操作位置(以下、最適位置と称す)にダイヤルを合わせると、以降はこの最適位置にダイヤルを保持して遊技を進めるのであるが、ダイヤルは前述の通りコイルバネにより初期位置側へ付勢されているので、ある程度の時間以上にこの付勢力に抗してダイヤルを最適位置に保持しておくと、ダイヤルを保持する手に疲労をきたしやすい。ところが、この疲労のためにダイヤルから手を放して操作を休止すると、遊技を再開する際には操作位置をはじめから調節し直す必要があり、これにともなって無駄球が出てそのぶん遊技者の損失となってしまう。このため、遊技者が硬貨や遊技球等を挟みこんでダイヤルを最適位置に固定することもしばしば行われ、これにより操作ハンドルが破損されやすくなるという問題があった。特に、操作ハンドルによってはコイルバネによる付勢力が強めに設定されているものもあり、この付勢力が強いほど、遊技者の手が疲労しやすくなる。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みて案出されたものであり、操作手段を特定の操作位置に長時間保持しても手に疲労を生じ難く安楽に遊技を行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる遊技機は、上記目的を達成するために、手段1として、
遊技者により操作され、その操作量に応じて遊技内容を変化させるための操作手段を備え、該操作手段は、遊技者の操作により初期位置と操作位置との間を移動し得る可動部と、該可動部を初期位置側へ付勢する付勢手段とを有する遊技機であって、
前記可動部が操作位置にあるときに該可動部における所定の部位の近傍に位置し、前記付勢手段による付勢力に抗して前記可動部を操作する力を軽減するために用いることが可能な操作位置固定手段を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明において、「可動部」には、環状のダイヤルの他、支点を中心に回動するレバーや、さらには、スライド動作するもの等のように、初期位置と操作位置との間を移動し得るものであれば任意のものが含まれる。
【0009】
上記手段1の構成によれば、特定の操作位置にある可動部を、該可動部における所定の部位の近傍に位置する操作位置固定手段で支えながら該操作位置に保持しておくことができる。このとき、可動部には付勢手段により初期位置側へ付勢力が加えられており、可動部を特定の操作位置に保持しておくにはこの付勢力に抗することが必要であるが、操作位置固定手段は付勢手段による付勢力に抗して前記可動部を操作する力を軽減するために用いることが可能となっているため、可動部を操作位置固定手段で支えながら保持することにより、付勢手段による付勢力を操作位置固定手段で緩和することができるので、可動部を手だけで把持するよりも容易かつ確実に最適位置に保持しておくことができ、疲労し難く安楽な体勢で遊技を進めることができる。
【0010】
また、本発明にかかる遊技機は、手段2として、手段1の遊技機において、
前記操作位置固定手段が、前記可動部の移動方向に沿って移動し得るとともに、その移動方向における初期位置側へ向けて前記付勢手段による付勢力と実質的に同等の力を加えられても動かず同位置に留まるものとなっていることを特徴とする。
【0011】
上記手段2の構成によれば、操作位置固定手段を移動させることにより、該操作位置固定手段を可動部の任意の操作位置に対応して可動部における所定の部位の近傍に位置させることができる。
このとき、操作位置固定手段は移動方向における初期位置側へ向けて前記付勢手段による付勢力と実質的に同等の力を加えられても動かないため、可動部を操作位置固定手段で支えながら保持することにより、付勢手段による付勢力を操作位置固定手段で受け止めることができるので、可動部をより容易かつ確実に最適位置に保持しておくことができる。
【0012】
また、本発明にかかる遊技機は、手段3として、手段2の遊技機において、
前記可動部が初期位置から操作位置へ移動する場合に、前記操作位置固定手段が該可動部における所定の部位に追従して移動することを特徴とする。
【0013】
上記手段3の構成によれば、可動部を初期位置から操作位置へ移動させるのとは別の操作によって操作位置固定手段を移動させなくても、可動部を移動させると該操作位置固定手段が自動的に可動部における所定の部位に追従して移動することとなり、したがってそのぶん操作の手間を省略することができるとともに、該操作位置固定手段を可動部における所定の部位の近傍に確実に位置させるようにすることができる。
【0014】
また、本発明にかかる遊技機は、手段4として、手段3の遊技機において、
前記操作手段は、
前記可動部の移動方向を規制する第1規制部と、
前記操作位置固定手段の移動方向を規制する第2規制部と、
前記操作位置固定手段に設けられ、前記移動方向と交差する方向において前記第2規制部と接触する部位を有する基部と、
前記基部から前記交差方向に延出する部位に設けられ、操作位置側に向いた支承面と、
前記可動部に設けられ、前記可動部が初期位置から操作位置へ向けて移動することに応じて前記基部を押圧する押圧面とを有することを特徴とする。
【0015】
上記手段4の構成によれば、可動部を第1規制部に沿って初期位置から操作位置へ移動させると、操作位置固定手段が、基部において第2規制部に接触しながら該第2規制部に沿って可動部に追従して移動するが、このとき、操作位置固定手段は、第2規制部に接触する部位を有する基部(即ち操作位置固定手段が第2規制部に支持される支点が存在する部位)を可動部の押圧面により押圧されることで可動部に追従して移動するので、比較的に小さい力で容易に可動部に追従して移動することができ、したがって可動部の操作を阻害することが少ない。一方、可動部を操作位置に移動させた後は、可動部を操作位置固定手段で支えながら保持することができるが、このとき、操作位置固定手段の基部から前記交差方向に延出する部位に設けられた支承面で可動部を支えることができるので、基部から前記交差方向に離隔した位置(即ち上記支点から前記交差方向に離隔した力点)で可動部を支えることができ、したがって、このとき上記力点で操作位置固定手段に加わる力は、操作位置固定手段を第2規制部に沿って移動させるよりも、むしろ逆に、第2規制部に圧接して該操作位置固定手段を当該位置に留めるように作用する。これにより、簡単な構成によって、可動部をより容易かつ確実に最適位置に保持しておくことが可能な構造とすることができる。
【0016】
また、本発明にかかる遊技機は、手段5として、手段1から手段4のいずれかの遊技機において、
前記可動部が初期位置側に向いた作用面を有し、前記操作位置固定手段が操作位置側に向いた支承面を有することを特徴とする。
【0017】
上記手段5の構成によれば、作用面と支承面との間に指などを挟むようにすることにより、容易に可動部を操作位置固定手段で支えながら保持することができる。
【0018】
また、本発明にかかる遊技機は、手段6として、手段5の遊技機において、
前記作用面と支承面とが外側へ次第に拡開していることを特徴とする。
【0019】
上記手段6の構成によれば、例えば遊技者の指の太さに個人差があったり、あるいは例えば人差し指と親指とのように使用する指の違いがあっても、いずれかの位置(深さ位置)で作用面と支承面との間隔に適合して納まるようになっている。
【0020】
また、本発明にかかる遊技機は、手段7として、手段2から手段6のいずれかの遊技機において、
前記操作位置固定手段が、移動方向に沿って配置されたレールを、交差する2方向の各方向に沿って挟持するようにして該レール上に摺動可能に支持されていることを特徴とする。
【0021】
本発明において、「レールを交差する2方向の各方向に沿って挟持する」という場合の「交差する2方向」とは、例えば帯状に延びるレールの場合、厚さ方向と幅方向との2方向のように、レールの断面において互いに異なる(即ち平行でない)2方向のことである。
【0022】
上記手段7の構成によれば、操作位置固定手段がレールによって交差する2方向の各方向に規制され、ガタつきもなく安定に支持されることが可能となる。
【0023】
また、本発明にかかる遊技機は、手段8として、手段7の遊技機において、
前記操作位置固定手段が弾性部材を備え、前記レールに対し両側から弾性部材が所定の圧力で当接していることを特徴とする。
【0024】
上記手段8の構成によれば、操作位置固定手段が、レールに対し所定の摩擦力をもって摺動可能に支持され、これにより、レール上の特定の位置に確実に支持されるようにすることができる。
【0025】
また、本発明にかかる遊技機は、手段9として、手段8の遊技機において、
前記操作位置固定手段が、内部に弾性部材が収容された構成を有することを特徴とする。
【0026】
上記手段9の構成によれば、劣化等の場合に弾性部材のみを交換することもできる。
【0027】
また、本発明にかかる遊技機は、手段10として、手段7ないし手段9の遊技機において、
前記操作位置固定手段とレールとの間の摩擦力を調節する摩擦力調節機構を備えることを特徴とする。
【0028】
上記手段10の構成によれば、摩擦力を大とすることにより操作位置固定手段の変移した様態(レール上の位置)を確実に維持することができ、一方、摩擦力を小とすることにより操作位置固定手段をより容易に元の位置に戻すことができる。
【0029】
また、本発明にかかる遊技機は、手段11として、手段2から手段10のいずれかの遊技機において、
前記可動部が操作位置から初期位置へ復帰するのに連動して、前期操作位置固定手段が元の位置に復帰することを特徴とする。
【0030】
もし、可動部が操作位置から初期位置へ復帰した後も、最適位置にあったときの可動部における所定の部位の近傍に操作位置固定手段が留まっていると、遊技者が遊技を通じて自分が探り当てた最適位置を示す目安となって残ることとなり、遊技終了後に次の遊技者がこの操作位置固定手段を目安として同じ最適位置を利用することも可能となってしまう。これに対し、上記手段11の構成によれば、可動部が操作位置から初期位置へ復帰すると、これと連動して操作位置固定手段も必ず元の位置に復帰することとなり、したがって、遊技終了後に最適位置を次の遊技者に利用されないようにすることができる。
【0031】
また、本発明にかかる遊技機は、手段12として、手段10または手段11の遊技機において、
前記可動部が、操作位置から初期位置へ復帰する途上で、前記摩擦力調節機構に当接して操作位置固定手段とレールとの間の摩擦力を小とするように操作するとともに操作位置固定手段を元の位置に復帰する方向に押圧して駆動することを特徴とする。
【0032】
上記手段12の構成によれば、可動部の復帰動作によって摩擦力調節機構の操作および操作位置固定手段の駆動が同時になされることとなり、したがって、操作位置固定手段をより効率的かつ容易に元の位置に復帰させることができる。
【0033】
また、本発明にかかる遊技機は、手段13として、手段10から手段12のいずれかの遊技機において、
前記操作位置固定手段を元の位置に復帰させる方向に付勢する付勢手段を備えることを特徴とする。
【0034】
上記手段13の構成によれば、操作位置固定手段をさらに容易に元の位置に戻すことができる。
【0035】
また、本発明にかかる遊技機は、手段14として、手段1から手段13のいずれかの遊技機において、
前記可動部が、操作位置固定手段よりも遊技者寄りの位置に配置されていることを特徴とする。
【0036】
上記手段14の構成によれば、操作位置固定手段に抵触することなく可動部のみを操作することや、可動部を最適位置に合わせた後になってはじめて操作位置固定手段に触れるようにすることがより容易となる。
【0037】
また、本発明にかかる遊技機は、手段15として、手段1から手段14のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機であることを特徴とする。
【0038】
パチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて有価物体の一例である球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カード書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0039】
パチンコ機にあっては、可動部が操作位置にあるときに該可動部における所定の部位の近傍に位置し、付勢手段による付勢力に抗して前記可動部を操作する力を軽減するために用いることが可能な操作位置固定手段を備える構成としたので、操作手段を特定の操作位置に長時間保持しても手に疲労を生じ難く安楽に遊技を行うことができるようにしたパチンコ機が得られる。
【0040】
また、本発明にかかる遊技機は、手段16として、手段1から手段14のいずれかの遊技機において、
遊技機がスロット機であることを特徴とする。
【0041】
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0042】
スロット機にあっては、可動部が操作位置にあるときに該可動部における所定の部位の近傍に位置し、付勢手段による付勢力に抗して前記可動部を操作する力を軽減するために用いることが可能な操作位置固定手段を備える構成としたので、操作手段を特定の操作位置に長時間保持しても手に疲労を生じ難く安楽に遊技を行うことができるようにしたスロット機が得られる。
【0043】
また、本発明にかかる遊技機は、手段17として、手段1から手段14のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機とスロット機を融合させた遊技機であることを特徴とする。
【0044】
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0045】
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機にあっては、可動部が操作位置にあるときに該可動部における所定の部位の近傍に位置し、付勢手段による付勢力に抗して前記可動部を操作する力を軽減するために用いることが可能な操作位置固定手段を備える構成としたので、操作手段を特定の操作位置に長時間保持しても手に疲労を生じ難く安楽に遊技を行うことができるようにした、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機が得られる。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、遊技者により操作され、その操作量に応じて遊技内容を変化させるための操作手段を備え、該操作手段は、遊技者の操作により初期位置と操作位置との間を移動し得る可動部と、該可動部を初期位置側へ付勢する付勢手段とを有する遊技機において、上記可動部が操作位置にあるときに該可動部における所定の部位の近傍に位置し、上記付勢手段による付勢力に抗して前記可動部を操作する力を軽減するために用いることが可能な操作位置固定手段を備える構成としたので、疲労し難く安楽な体勢で遊技を進めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る遊技機の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、便宜上、パチンコ機を挙げて説明するが、本発明は、パチンコ機以外の弾球遊技機(例えばアレンジボール機や雀球遊技機など)、その他、遊技球を用いる種々の形態の遊技機に適用することができる。
【0048】
(パチンコ機の正面構成)
図1は本実施形態のパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の左側面図であり、図3は、その平面図である。図4は、外枠11に対して内枠12と前面枠(セット)14と、セット板400を開放した状態を示す斜視図である。(但し、図4では便宜上、遊技盤30面上の遊技領城内の構成〔釘、センター役物等〕を空白で示しているが、アウト口36は描いてある)。
【0049】
図1乃至図4に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は、軽量化を図るために、樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
前記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて遊技球発射ハンドル18の設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリルーブタジエンースチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
【0050】
下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24(内枠12の左右上端部位置)が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿19が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。球抜きレバ
ー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。
【0051】
そして、遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38(図4参照)によって遊技球が遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、遊技球発射ハンドル18と後述するセットハンドルと発射モーターなどで構成されている。音出力口24は、内枠12の左右上端部位置に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は、図1に示すように、下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように支持されている。
【0052】
なお、下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿15の奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃えにくくなっている。
【0053】
また、前面枠14は、図4に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。しかも前面枠14は内枠12の外側壁(リブ)12B内に嵌まり込むようにして取り付けられている。
つまり、この前面枠14の側面の少なくとも一部が内枠12の外側壁(リブ)12B内に嵌まり込むようにして取り付けられているので、内枠12と前面枠14との隙間から異物(針状あるいは薄板状等のものであって、具体的には針金、ピアノ線、セルロイド板等)を差し入れるなどの不正行為を防止できるようになっている。また、前面枠14は、内枠12と同様に、合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されているので、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
【0054】
一方、前面枠14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19(図1参照)が前面枠14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
【0055】
図4に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓部孔21が形成されている。そして、樹脂ベース20の後側には、図4及び図5に示す遊技盤30が着脱可能に装着されている。図5に示すように、遊技盤30は四角形状の合板よりなり、上部一方のコーナーが肩落ちされており(後に述べる)、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。
【0056】
従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓部孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている(図4では遊技盤30のアウト口36が示され
ている)。そして、ここでは、遊技盤30の前記内枠12の外枠11に対する枢着部(パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にした枢着)に近いコーナー(隅)が、図5に示すように、略三角形状に角落ち(切り欠き)720されている。
【0057】
次に、図5を用いて遊技盤30の構成を説明する。図5は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30の左右やや下方位置には、2組一対の一般入賞口31、31が階段状に配置され、中央下方には、始動口33が配置されている。これら一般入賞口31、31および始動口33は、遊技領域から裏面へ向けて貫通する開口となっており、これらの開口に対応して入賞装置が取り付けられている。即ち、此れらに対応した入球検出センサが、遊技盤30の背面に設けられており、これらのセンサは、図示しない電気配線を通じて後述する主制御基板(主制御装置)に接続されている。
そして、この一般入賞口31、31及び始動口33に遊技球が入球した場合には、上記各検出センサで検出され、この検出センサの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出されると共に、始動口33に遊技球が入球した場合には、後述する抽選が開始されることになる。
【0058】
尚、上記入賞感知センサにて各々検出された検出結果は、後述する主制御基板に取り込まれ、該主制御基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
【0059】
また、遊技盤30の中央には液晶パネルを用いた装飾図柄表示装置42が配置されており、その左右横側部には、スルーゲート34,34が配置されている。これらのスルーゲートは、遊技球の通過によって、後述の始動口33の羽根物を開閉作動させる。その他に、遊技盤30の左右下方位置には、上記一般入賞口31、31を備えた装飾部材35が設けられ、また、遊技盤30の下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って、遊技盤30裏面の図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。さらに、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の誘導釘が植設されているとともに、同様の機能を有する風車が配設されている。
【0060】
また、遊技盤30には、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。
【0061】
なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)か内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。
かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
【0062】
内レール51の先端部分(図5の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図5の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレートが取着されている。
【0063】
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
【0064】
内レール51および外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路に導くための役目をなす。
なお、遊技盤30の右下隅部および左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図5のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図5のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
【0065】
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されている。本実施形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール51および外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。 従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール52によって特定される。
【0066】
前記樹脂ベースにおいて、窓部孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置38より発射された直後に遊技球を案内するための発射レールが取り付けられている。発射レールは、その後方の金属板を介して樹脂ベースに取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レールに沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
【0067】
また、発射レールとレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置38から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路を介して下皿15に排出される。
【0068】
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール52に沿って流れ、外レール52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路に誘導される、これにより、ファール球の全てがファール球通路に確実に案内されるようになり、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
【0069】
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。また、遊技球発射装置38には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。
【0070】
図4中の符号67は、上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。この排出口67には、略水平方向の回転軸を軸心として略水平状態と略垂直状態とに変位する開閉式のシャッタが取り付けられている、前面枠14を内枠12から開放した状能(図4の状態)では、バネ等の付勢力によりシャッタが略水平状態から略垂直状態となり、排出口67から遊技球がこぼれ落ちないようにこの排出口67を閉鎖する。
【0071】
また、前面枠14を閉鎖した状態では、当該前面枠14の裏面に設けられた球通路樋69(図4参照)によりシャッタが押し開けられて略水平状態になり、排出口67の方へ排出された遊技球はもれなく球通路樋69を通って上皿19に排出されるようになる。従って、本パチンコ機10においては、前面枠14の開放に際し払出通路内等の遊技球がパチンコ機10外にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
【0072】
図4に示すように、内枠12の上側には、前面枠14が内枠12に対して開かれたことを検出する前面枠セット開検出スイッチ90が設けられている。前面枠14が開かれると、前面枠セット開検出スイッチ90からホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、前面枠14が閉じられると、前面枠14の金属製の補強板が、内枠12の一対の金具に接触するようになっており、前面枠14のアースが確保されている。
【0073】
ここで、前述した前面枠14について、図1乃至図4を参照しつつより詳細に説明する。
前面枠14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、ベース部材が窓部101を形成する開口を備えており、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲して細化した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。
【0074】
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に、演出装置700の一つとして、各種ランプ等の発光部が設けられている。これら発光部は、大当たり遊技状態時や羽根開放時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光部を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光部を内蔵した中央電飾部103が設けられている。
本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光部を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。
【0075】
その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ810、813(LED:後に言及)とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓部107が設けられている。この小窓部107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓部107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。更に、遊技領域内にも、入賞口用等の電飾ランプ、LEDが存在するが、こうした発光部も演出装置700の一部を構成する。
【0076】
また、図1に示すように、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタンと、返却ボタンと、度数表示部とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタンは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタンは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
【0077】
そして、度数表示部はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
【0078】
(パチンコ機の背面構成)
図6及び図7は、パチンコ機10の背面図と、外枠11から内枠12を開き、内枠12からセット板400を一部開いた斜視図である。先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)等が取り付けられている。
【0079】
本実施形態では、各種制御基板を3つの制御基板にユニット化し、これら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。ここでは便宜上、これらのユニットを「第1制御基板ユニット201」、「第2制御基板ユニット202」および「第3制御基板ユニット203」と称することとする。この場合、第1制御基板ユニット201および第2制御基板ユニット202として、主制御基板と音声ランプ制御基板とがそれぞれ取付台に搭載してユニット化され、第3制御基板ユニット203として、払出制御基板、発射制御基板および電源基板が、セット板400の第2パーツを構成する排出通路盤にユニット化されている。
【0080】
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202および第3制御基板ユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。かかる構成については後に詳述する。これは、各ユニット201、202、203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
【0081】
図5に示す一般入賞口31、始動口33に入賞した遊技球は何れも前記裏枠セットの回収通路を介して集合し、さらに排出通路盤の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図5参照)も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
【0082】
その他、図6に示すように、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構部352より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、または排出通路の何れかに振り分けるための遊技球分配部が設けられている。
【0083】
第1制御基板ユニット201は、遊技盤30の裏面側に配設され、略L字状をなす取付台を有し、この取付台に主制御装置261が搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる遊技の制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主制御基板を具備しており、この主制御基板が透明樹脂材料等よりなる後述の第1基板ケース201Aに収容された構成とされる。
【0084】
第2制御基板ユニット202は、取付台座に音声ランプ制御装置が搭載された構成を有し、装飾図柄表示装置42の裏面側を覆う位置に配置され、遊技盤30に取り付けられている。音声ランプ制御装置は、音声ランプ基板を具備している。
【0085】
第3制御基板ユニット203は、払出制御装置311、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314が含まれる。払出制御装置311、発射制御装置312および電源制御装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311により、賞品球や貸出球の払出が制御される。
【0086】
また、発射制御装置312により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モーターの制御が行われ、電源制御装置313により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)および図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
【0087】
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ケース315(この内側に位置するもう一つの基板ケース),316,318にそれぞれ収容された構成とされ、セット板400の上部から側部にかけて配置された概略逆L字状をなす払出ユニットならびに下部に配置された排出通路盤とともに、第3制御基板ユニット203を構成している。
【0088】
図6に示すように、払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モーター部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モーターが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。また、電源制御装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。
【0089】
そして、図4に示す通り、前記内枠12の外枠11に対する枢着部725に近い前記遊技盤30のコーナーが、図5に示すように、略三角形状(遊技盤の中心側は円弧状)に角落ち720されている。前記枢着部725は、図4に示すように、外枠11に固定のブラケット726(上端部)(下端部は図外)に、内枠12に固定の取り付け金具を枢着することで構成されている。
【0090】
ここで、上述したエラー状態などの状態報知について図1及び図6に基づいて述べる。
[遊技球の払い出しに関するエラー報知]
(タンク球無し)
タンク球無しの報知は、タンクとタンクレールに遊技球が無いことを報知するもので、図1に示す右コーナーLED810が点灯し、モニターLED(図示せず)が消灯し、状態表示(図示せず)が「1」を点滅表示する。
【0091】
(下受け皿満タン)
下受け皿満タンの報知は、図1に示す右コーナーLED813が点灯し、モニターLED(図示せず)が消灯する。そして、状態表示(図示せず)が「2」を点滅表示する。
【0092】
(払出ユニット異常)
払出モーター駆動中にも関わらず払出カウントスイッチに遊技球の通過がない状態を示すもので、右コーナーLED810が点灯し、モニターLED(図示せず)が消灯し、状態表示(図示せず)が、「3」を点滅表示する。
【0093】
[電源に関するエラー報知]
(ヒューズ切れ1及びヒューズ切れ2)
ヒューズ切れ1は、図6に示す第1ヒューズ814に定格以上の電流が流れたとき、ヒューズ切れ2は、第2ヒューズ815に以上の定格以上の電流が流れたときに飛んでしまった状態であるが、このエラー状態報知は、表示されない。
【0094】
[その他のエラー報知]
その他のエラーとしては、「ガラス枠開放」、「内枠開放」、「遊技球等貸出装置未接続」、「遊技球等貸出装置通信異常」、「コマンド異常」、「コネクタ未接続」がある。そのうち、遊技球等貸出装置が未接続の場合は、モニターLED(図示せず)及びモニターLED(図示せず)が消灯する。そして、遊技球等貸出装置通信異常は、前記状態表示(図示せず)が「U」を点滅表示する。
また、コマンド異常は、ハーネスの破損等によるコマンド不良を示すもので、前記状態表示(図示せず)が「C」を点滅表示する(電源投入時にコマンド異常になった場合は点灯表示)。更に、コネクタ未接続は、モニターLED(図示せず)が消灯する(ただし、発射動作中は点滅する)。
尚、図6において、820は、電源スイッチを示す。
【0095】
次に、第1制御基板ユニット201について説明する。第1制御基板ユニット201には、主制御装置261が搭載され、該主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を収容してなるものである。
【0096】
前記第1制御基板ユニット201は、第1制御基板ユニット201A、後述の開閉機構410および連結取付台座部材430を含み、第1制御基板ユニット201Aは、第1制御基板ユニット201の主要部をなす部材であり、図8乃至図16に示すように、外側ケース70および内側ケース85を含む。この実施例では、外側ケース70が主制御装置261の制御基板80を収容する容積のある方であり、内側ケース85がその蓋体に相当する方である。上記外側ケース70および内側ケース85は第1ケースおよび第2ケースに相当するものであるが、外側ケース70および内側ケース85のうちいずれを第1ケースとしいずれを第2ケースとするかは任意である。
この第1制御基板ユニット201Aは、前記外側ケース70側に設けられる外側封印部71と、前記内側ケース85側に設けられる内側封印部86と、その外側封印部71と内側封印部86とを連結する封印部材87とを有し、その封印部材87によって前記外側封印部71と内側封印部86とが連結されている場合に前記制御基板80を取り出すときには第1制御基板ユニット201Aを破壊するか或いは所定の部位を切断することを必要とするものである。
【0097】
前記外側ケース70の外側封印部71と内側ケース85の内側封印部86とは対を成すもので、この実施例では、個別に使用することのできる4個の封印部(封印、開封の再使用不可)から構成されており、それぞれを、封印部材87を用いて封印するよう構成されたものであり、こうした封印構造は、公知に属するものと変わらないものであるから、ここでの詳細説明は省略する。
【0098】
図8は、遊技球が流下する遊技領域を前面側に形成してある遊技盤30の裏面の斜視図である。図9は、第1制御基板ユニット201Aを開閉機構410から取り外した状態を示す。
【0099】
上記開閉機構410は、第3部材としての回動連結のための軸411を備え、一端側、即ち、コの字形に折り曲げられた一枚の支持板(約2mm厚の鋼板)からなる第1部材としての支持体412が、図16に示すようにそのコの字の底板部分で遊技盤30の裏面側にネジで固定され、他端側は、その軸411を基点にして回動するように枢着された第2部材としてのブラケット413で構成されている。前記軸411は、リベット構造であり、その両端部を変形させることよって容易に抜き取り出来ないようにされている。
【0100】
前記第1部材としての支持体412のコの字の底板部分にはネジ孔が設けられ、図16に示すように、遊技盤30の裏面と球集合板460(入賞装置に入球した遊技球を受けて下方へ誘導する排出通路が形成されているもの)との間でネジ固定され、球集合板460の開口部461(又は切り欠き部)を介して遊技機の裏面側に向かう方向に突出する。そして、このブラケット413は、板状体で構成されて第1係合部414(後述の連結取付台座部材430に対する)に構成され、その第1係合部414には、図17に示す切り欠き係合部415が形成されている。この切り欠き係合部415は、切り欠き部分の両側の先端部が互いに対向する方向に鉤状に突出し、全体として概略C字形状となるように形成されている。
【0101】
上記構造とすることにより、球集合板460を遊技盤30に取り付けた後は支持体412が外側から取り外せない状態となるので、例えば後述する第1制御基板ユニット201Aを不正に取り外したりすることがより困難となる。
【0102】
上記球集合板460については、その外周部の複数個所を遊技盤30の裏面に対して固定するが、そのうちの少なくとも一つが固定解除できないように、破断ネジ等でするか、ビス留めしたあと、ビス頭部を覆うキャップを取り付けるようにする等して、球集合板460が遊技盤30から容易に外されるのを防止する構造としてもよい。
【0103】
破断ネジは、螺合させて締結(本締め)するのに必要な程度のトルクで回転させて締結した後、さらに大きい所定の高トルクで回転させると破断する破断部を備えるネジであり、具体的には例えば図15に示す破断ネジKのように、頭部K10および軸部K20で構成され、頭部K10が、外側頭部K11および内側頭部K12が軸方向に並置するように形成された構成を有し、外側頭部K11と内側頭部K12との間に、くびれるようにテーパ状に細径化した形状を有する破断部K13が設けられたものとなっている。使用時には、ドライバを外側頭部K11の溝に嵌合し必要なトルクで回転させて軸部K20を締結対象部材のネジ孔に螺入し本締めした後、外側頭部K11をさらに高トルクで回転させると破断部K13で破断して外側頭部K11が離脱し、以降はドライバにより破断ネジKを回転させることができずその取り外しが不可能となる。
【0104】
上記切り欠き係合部415は、後述の第2係合部433とでもって、第1係合部414の抜け出し防止の規制機構440を構成する。前記ブラケット413(約2mm厚の鋼板)には、図17に示すように、前記支持体412に枢支連結される一枚の支持板からなる支持部413Aが形成されており、その支持部413Aは、ブラケット本体部から直角に折り曲げられて側面視で門型に形成されている。
【0105】
尚、前記第1制御基板ユニット201Aは、既述の通り、外側封印部71を備える外側ケース70と内側封印部86を備える内側ケース85を有し、主に外側ケース70の内部に遊技を制御する制御基板を収容する構成のものである。
【0106】
次に、図9乃至図19に基づいて、連結取付台座部材430について述べる。
この連結取付台座部材430は、前記開閉機構410と前記第1制御基板ユニット201Aとにそれぞれ連結されるものであり、言わば従来から用いられていた基板ケースを取り付けるための取付台座に相当するものであって、合成樹脂で成型されており、ここでは、幅は、前記第1制御基板ユニット201Aの幅と実質的に同じ幅(約150mm)で、長さが約48mm(第1制御基板ユニット201Aの長手方向に向かう長さ)、厚みが13mm、肉厚は、2mmのものであり、第1制御基板ユニット201Aの内側ケース85の側面に接当する側が開放され、リブが多数設けられ、破断ネジ439を収容する収容部431が、ここでは3個形成されており、そこに破断ネジ439がそれぞれ1本づつセットされるようになっているが、周壁、リブの端面は同じレベルに形成され、内側ケース85の側面に密着接当可能にされており、反対側の側面(遊技盤30側)は、平坦に形成されている。
【0107】
前記第1制御基板ユニット201Aのうち、前記連結取付台座部材430と連結封止される部位である第1取付台座封止部450が、その内側ケース85の端部に設けられており、ここでは該第1制御基板ユニット201Aの幅方向に、所定の間隔を隔てて4個突設されている。この第1取付台座封止部450は、外側ケース70の外側封印部71と内側ケース85の内側封印部86との位置と平面視で位相がずれるように変位して配置されており
、従って、第1制御基板ユニット201Aを背面から(遊技機の背面から)見たときに、前記外側封印部71と内側封印部86に重なることなく、視認できる状態にある。 即ち、前記外側封印部71と内側封印部86の位置する側に前記第1取付台座封止部450が配置され、且つ、前記第1制御基板ユニット201Aの背面視(正面)において、前記第1取付台座封止部450が見えるように前記外側および内側封印部71、86と平面位相をずらせて配置されているのである。
【0108】
そして、前記連結取付台座部材430には、前記第1制御基板ユニット201Aの前記第1取付台座封止部450と連結封止される部位である第2取付台座封止部432が、ここでは、4個が、前記4個の第1取付台座封止部450と対応する位置に突設されている。この1個の第2取付台座封止部432の構造は、この連結取付台座部材430の本体に繋がるリブに、有底のネジ止め凹部を有する突起体が一体成型されており、そのリブの底面と有底板分の底面は面一で、且つ、前記収容部431のリブ及び周壁のレベルと面一とされている。
そして、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432は、破断ネジを用いて連結封止される。
【0109】
前記連結取付台座部材430の内部に、前記開閉機構410の前記第1係合部414と係合する部位である第2係合部433が設けられる。この第2係合部433は、この実施例では、後述する第1被覆部材430Aとは別体成型の第2被覆部材430Bに取り付けられる。勿論、別体の第2被覆部材430Bが存在せず、第2係合部433が連結取付台座部材430の樹脂成型時に埋め込まれたり、或いは、それ自体の弾性変形を利用して、連結取付台座部材430に形成された挿入部434の内部に挿入設置されるように構成されてもよいものである。
【0110】
前記第2係合部433は、ここでは、弾性を備えた一枚の薄い板体(鋼板)を折曲成形して構成されている。即ち、概略縦長の長方形の板体の一方長辺に沿って延びる帯状部を直角に折曲し、さらにこの帯状部の両端部を内側方向(板体の他方長辺側方向)へ90度未満の小角度(例えば20〜60度程度)だけ折曲して弾性係合爪を形成した構成となっている。一方、前記第1係合部414は、金属製の平板状体で構成され、そこに切り欠き係合部415が形成され、該切り欠き係合突片部415に前記第2係合部433の係合爪を係合させることによって、抜け出し防止の規制機構440Dが構成されている。そして、前記開閉機構410の前記第1係合部414を挿入して前記連結台座部材430の内部の前記第2係合部433に係合させるために前記連結台座部材430に、挿入部434が形成されている。
【0111】
このように、前記規制機構440Dは、前記第1係合部414と前記第2係合部433との係合において、前記開閉機構410の第1係合部414が前記挿入部434に挿入されて前記第2係合部433と係合されたあとにその挿入方向とは逆の抜き出す方向への移動を規制するものである。
【0112】
なお図10には、図示を明確化するため、第1係合部414を前記挿入部434に挿入した状態で、第2部材すなわちブラケット413ごと第1制御基板ユニット201Aが球集合板460から分離した状態が示されているが、実際のパチンコ機10においては、ブラケット413は第1制御基板ユニット201A側(連結取付台座部材430)よりも先に、球集合板460側(第1部材すなわち支持体412)に取り付けられた構造となっている。
【0113】
ここで、更に、前記連結取付台座部材430について詳述する。前記第2係合部433を被覆するべく前記連結取付台座部材430には、第1被覆部材430Aと第2被覆部材430Bが備えられている。第1被覆部材430Aが前記連結取付台座部材430に一体形成されたもので、第2被覆部材430Bは、前記連結取付台座部材430に組み合わせるよう別体構成とされ、且つ、その少なくとも一方、ここでは第1被覆部材430Aに凹面が形成され、他方、即ち、第2被覆部材430Bに対向するよう組み合わせることで前記第1係合部を挿入するための前記挿入部434を形成している。具体的には、前記挿入部434は、その入口が、入口側から内部に向かって幅狭となるようにテーパ状に形成され、且つ、挿入方向に沿って複数、ここでは4本の案内リブが形成されている。
【0114】
そして、この第2被覆部材430Bに、前記第2係合部433が設けられるが、その第2係合部433の薄板を、第2被覆部材430Bに形成した係止突片430Cに、その入口の側からスライド挿入して係止させ、且つ、ネジ止めされる。
前記第2被覆部材430Bは、前記第1被覆部材430Aよりも小さく構成され、前記連結取付台座部材430と前記第1制御基板ユニット201Aとが連結した状態においては、前記第2被覆部材430Bの取り外し方向側に前記第1制御基板ユニット201Aが位置された状態となり、前記第1制御基板ユニット201Aと前記第1被覆部材430Aとにより被覆された状態となるように構成されているものである。
【0115】
また、前記連結取付台座部材430は、前記第1制御基板ユニット201Aよりも小さく構成され、前記第1制御基板ユニット201Aのうち、基板裏面側で一端側に寄せて連結されるように構成されているものである。
【0116】
更に、上述した通り、前記第1及び第2被覆部材430A、430Bを透明樹脂により成型し、これらに被覆される第2係合部433を金属製の係合部材により構成してある。
前記第1制御基板ユニット201Aの側面に、係止リブ420、420、420が前記連結取付台座部材430の略周部に沿って配置されて突出するように備えられ、該係止リブ420、420、420に所定の方向、即ち、第1制御基板ユニット201Aの裏面に沿って第1、第2取付台座封止部や第1連結部の位置する側から第1制御基板ユニット201Aの中央側に向けてスライド移動させることによって、係合するリブ係合部435が前記連結取付台座部材430の側部に設けられると共にその一つの係止リブ420が、前記連結取付台座部材430の収容部431の周壁の内側に形成されたリブ係合部436に係合するように設けられている。
【0117】
前述の別体構成の前記第2被覆部材430Bの両側部にカム面を備えた係合片430D、430Dが突設され、前記連結取付台座部材430の内部に前記係合片430D、430Dに係合する門型の係合部430E、430Eがそれぞれ設けられ、前記第2被覆部材430Bを前記連結取付台座部材430に対して押し付けることで前記カム面作用により前記係合部430D、430Dの素材の弾性変形を利用して門型の係合部430E、430Eへの係合が行われるように構成されている。
【0118】
本実施形態のパチンコ機10においては、遊技機に取り付けられた第1制御基板ユニット201が遊技盤30の裏面に対して開閉することにより、遊技盤裏面の設置物に対しての検査、メンテナンスが容易に行い得るのである。
そして、封印部により封印されることにより、制御基板に対して不正な改変を行ったり、不正品に交換されることを防止でき、また、第1、第2取付台座封止部450、432により連結封止することによって、第1制御基板ユニット201を不正品に交換されることを防止できる。
【0119】
更に、連結取付台座部材430に対して開閉機構410を簡単な操作により装着できるので、作業性が向上するのであり、そして、第1係合部414と第2係合部433とを一度係合させるとその解除が規制機構440Dによって規制され、係合部分は被覆されているので、連結状態の第1制御基板ユニット201Aおよび開閉機構410、即ち第1制御基板ユニット201ごと不正に持ち去ることを防止できるのである。
【0120】
次に、第1被覆部材430Aが前記連結取付台座部材430に一体形成されるのに対し、第2被覆部材430Bが前記連結取付台座部材430に組み合わせるよう別体構成とされることで、第2係合部433を被覆することを行い得ながら、第2係合部433を第2被覆部材430Bに備えておいて、これを後に組み合わせるという作業で、この、第2係合部433を前記連結取付台座部材430の内部に備えることができる。
【0121】
また、前記連結取付台座部材430と前記第1制御基板ユニット201Aとが連結した状態においては、第2被覆部材430Bが前記第1制御基板ユニット201Aの側に位置して、前記第1被覆部材430Aとで挟まれた状態となって第2係合部433の被覆が行われ、その被覆が容易に外れない。
【0122】
更に、連結取付台座部材430は、前記第1制御基板ユニット201Aよりも小さく構成され、前記第1制御基板ユニット201Aのうち、基板裏面側で一端側に寄せて連結される構成であるので、従来のような基板ケースと同等の大型の取付台座を必要とすることがない状態で、その第1制御基板ユニット201Aの開閉を行い得るのである。
【0123】
更に、前記第1及び第2被覆部材430A、430Bを透明樹脂により成型し、これらに被覆される第2係合部433を金属製の係合部材により構成してあることで、第1係合部414と第2係合部433の係合状態が確実におこなわれているかどうか外部から視認でき、また、強固な係合がされていることが視認されることで、安易な取り外しが行われないようにすることができる。
【0124】
また、前記第2係合部433を板金で構成してその一部を変形させることで第1係合部414に対する係合を行う構成であるので、極めて構造が簡単であり、同時に、係合状態の解除が容易に行われないものである。
【0125】
更に、挿入部434の入口をテーパ状として、且つ、案内リブを設けることで、第1係合部414の挿入を容易にすることができると共に内部への侵入がガイドされてスムースに行い得るのである。
【0126】
また、外側ケース70の前記外側封印部71と内側ケース85の内側封印部86の位置する側に前記第1取付台座封止部450及び第2取付台座封止部432が配置されるものの、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432が見えるように前記外側および内側封印部と平面位相をずらせて配置されていることで、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432が前記第1制御基板ユニット201Aの背面視(正面)において、視認可能となり、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432が不正に解除されているかどうか容易に分かるのである。
【0127】
また、第1制御基板ユニット201Aの側面に、係止リブ420を突出するように設け、前記連結取付台座部材430を係止させて位置決めすることができ、その後の前記第1取付台座封止部450及び第2取付台座封止部432の連結が行い易いのである。
【0128】
更に、前記第2被覆部材430Bを連結取付台座部材430に取り付けるに、第2被覆部材430Bのカム面を備えた係合片430Dと、連結取付台座部材430の前記係合片430Dに係合する係合部430Eの存在によって、第2被覆部材430Bを連結取付台座部材430に向けて押圧するだけで、素材の弾性変形でもって係合が行われることになり、簡単に組み付けができる。
【0129】
また、連結取付台座部材430に、破断ネジ439を収容する収容部431を設けることで、第1制御基板ユニット201Aの定期検査等で封止を解いた後に、そこから破断ネジ439をとり出して、再び新たな第1取付台座封止部450と第2取付台座封止部432との封止を行うことができる。
【0130】
(開閉機構の一部変形例)
上記開閉機構410の他端側である第2部材、第1、第2取付台座封止部450,432を、破断ネジで連結させてもよい。
【0131】
また、第1取付台座封止部450に形成された切断部450A(図9他参照)を切断して、破断ネジは第2取付台座封止部及び第2部材に残すようにすれば連結封止を解除できる。 更に、別の変形例として、第1、第2連結部の両方に切断部を形成し、破断ネジを第2部材に残すようにしてもよい。
【0132】
また、この例では、第1係合部414を構成する金属製の平板状体を方形状に打ち抜いて開口係合部417が形成されており、該開口係合部417に前記第2係合部433の舌片433dの係合爪を係合させることによって、抜け出し防止の規制機構440Dが構成されている。
【0133】
遊技盤30の裏面と第1制御基板ユニット201との間には、カバー部材501が介装されている。図14及び図16に示すように、遊技盤30の裏面には球集合板460が設けられ、第1制御基板ユニット201はこの球集合板460に外側から取り付けられる構成となっているが、該球集合板460と第1制御基板ユニット201との間には、若干の間隙が形成されている。パチンコ機10の機種によっては、遊技盤30の裏面の設計に応じて、当該部位の寸法(奥行)が異なる。このため、この寸法の変動に対応できるように、球集合板460と第1制御基板ユニット201との間には、若干の余裕、すなわち間隙が形成されているのである。前記カバー部材501は、この球集合板460と第1制御基板ユニット201との間の間隙を補填するためのものであり、当該間隙にほぼ対応した寸法を有するものとなっている。
【0134】
上記カバー部材501を設けた主たる目的は、球集合板460の裏面に設けられた種々の電気部品、例えば、遊技盤30の表面に設けられた電飾用の基板等の電気部品、配線などを保護することになる。即ち、この球集合板460の裏面に露出された状態に配置されているものであるから、裏面側からアタック(多の部品の組み付け時、或いは基板ケースの開閉時)に際して、破損、破断が生じる虞がある。
【0135】
この他に、球集合板460の裏面中央には、中継基板470、これにつながるコネクタ、配線が設けられている。ここでは、中継基板470は、表裏2段配置に構成されており、裏面側(外側)では、第1制御基板ユニット201からの入力を、大入賞口作動のための中継とし、また一部の電飾に中継し、また、入球を検知するセンサーの出力を中継している。同様に、内側の中継基板については、電飾等の中継を行う。
また、球集合板460の裏面に露出されている基板としては、大当たりに際して開く大入賞口装置471(図5参照)のための制御(ソレノイド、センサー)を行う中継基板473がある。これらの中継基板470、中継基板473については、この実施例では、前記カバー部材501の被覆対象外となっている。即ち、これらの中継基板470、中継基板473を覆いから外すように、即ち、その中継基板470に対しては、このカバー部材501の一部を凹ませた形状とし、その中継基板473については、中抜き形状(窓)として、そのカバー部材501の形状が採られている。
【0136】
上記カバー部材501は、球集合板460に対向する面が開放された概略横長で中空体(箱形)に形成され、その上端部にはほぼ矩形状の切欠部511が形成されている。この切欠部511は、球集合板460と第1制御基板ユニット201とを電気的に接続するスペースを確保するためのものである。
【0137】
上記カバー部材501の内部には、図14に示すように、複数のリブ512が形成されている。このリブ512は、カバー部材501の補強の機能だけでなく、該カバー部材501の内部に不正基板を設置し得るスペースが形成されないようにするという機能も奏するものである。また、このリブ512は、球集合板460側に設けた電気部品等に接当しないように区画配置されると共にその高さが部分的に変えられている(リブの外縁面が同じレベルではない)。
【0138】
上記カバー部材501は透明樹脂よりなるものであり、これにより、内部での不正行為の有無等が外側から容易に視認することができ、したがって不正をより効果的に防止し得るようになっている。
【0139】
上記カバー部材501の一方端部には、上下1対の板状のブラケット513が突設されている。該ブラケット513の先端部には孔または切欠が形成されており、一方、前記球集合板460における前記開閉機構410形成側端部とは反対側の端部(図14および図16では右側端部)には、上下1対の軸462がそれぞれ上方に突出するように設けられており、この軸462に前記カバー部材501のブラケット513が挿通されている。これにより、上記カバー部材501は一方端部で軸462を中心として水平面上で回動可能に軸支され開閉可能となっている。即ち、該カバー部材501の開閉軸線はパチンコ機10の背面からみて前記開閉機構410形成側端部の反対側(図14および図16の右側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にしてカバー部材501が後方側に十分に開放できるようになっている。
【0140】
前記第1制御基板ユニット201Aは、図13に示すように開閉機構410により該開閉機構410形成側端部(図13では左側端部)で回動させて一方側へ(図13では左方に)開放し得るようになっているが、上記のようなカバー部材501の支持構造とすることにより、該カバー部材501は図14に示すように第1制御基板ユニット201Aとは逆方向に(図14では右方に)開放し得るようになっている。すなわち、該カバー部材501と第1制御基板ユニット201Aとが、左右逆方向に開閉し得る構造、さらに具体的にいえば、左右から折り重ねるようにして閉じ得るとともに、その閉じた状態からそれぞれ左右に開放し得る構造となっている。
【0141】
上記カバー部材501の自由端部側(図9及び図11では左端部側)およびこれに対応する球集合板460上の位置には、カバー部材501と球集合板460とを封止するための封止手段が設けられている。この封止手段は、第1封止部520Aと第2封止部520Bとを有している。この第1封止部520Aおよび第2封止部520Bについて以下順次説明する。
【0142】
図20に示すように、第1封止部520Aは、球集合板460に遊技盤30側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する固定手段であるネジ519と、球集合板460の遊技盤30側に設けられネジ519が挿通される孔を底板に有する凹部465と、カバー部材501に設けられネジ519が挿入され固定される挿入部514と、ネジ519による固定状態を解除するために挿入部514に設けられた切断部514Aとから構成されている。
【0143】
カバー部材501の自由端において球集合板460に当接する上下2箇所のコーナー部からは、それぞれ、上下1組の方形状の延出片が、互いに平行となるように、水平に平伏した状態で、カバー部材501の長さ方向に沿って延出し、上下1組の延出片のうち内側に位置する延出片の先端部が外方に屈曲して外側の延出片に向かって延び、これら上下の延出片の先端部分が、カバー部材501の奥行方向に沿って延びる円筒状部を支持するような形状となるように、カバー部材501のコーナー部が成形されている。上記円筒状部の内部にはネジ溝が形成されてネジ519が螺入し得るようになっており、この円筒状部が挿入部514となっている。また、上記上下1組の方形状の延出片は、ネジ519による固定状態を保持するのに十分な強度を有するとともに、ニッパ等の適宜手段により容易に切断し得る肉厚を有するものとなっており、この延出片が切断部514Aとなっている。
【0144】
一方、球集合板460において上記カバー部材501の上下のコーナー部に対応する位置にはそれぞれ、凹部465が設けられている。下側の凹部465は、球集合板460の取付面(遊技盤30側面)から円形の平面形状をなして陥入し、その底板にはネジ挿通孔が穿設された構成となっている。上側の凹部465は、球集合板460の取付面(遊技盤30側面)から、下側の一隅を部分円状に角落ちさせた概略方形状の平面形状をなして陥入し、その底板にはネジ挿通孔が穿設された構成となっている。上下の凹部465のネジ挿通孔にはそれぞれ、遊技盤30側からネジ519が挿通され、該ネジ519の頭部が凹部465内に収容されるとともに、軸部が前記カバー部材501の挿入部514に螺合し、これによりカバー部材501の自由端部が球集合板460に固定されるようになっている。
【0145】
球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態では、球集合板460の凹部465がネジ519のネジ頭を収容して遊技盤30により閉塞された状態、すなわちネジ519のネジ頭が球集合板460と遊技盤30との間に挟まれた状態となるため、外部からネジ519を取り外すことが不可能であり、これにより、カバー部材501と球集合板460とが封止されるようになっている。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的としてカバー部材501を開放する場合には、前記切断部514Aを切断することにより、カバー部材501と球集合板460との封止状態を外側から(パチンコ機10の背面側から)、痕跡を残しながら解除することができる。
【0146】
なお、固定手段として、ネジにかえてナイラッチ等を用いるようにしてもよい。ナイラッチは、頭部から延出する軸部の先端部が径方向に拡張するように成形されたナイロン製の締結具であり、締結対象の部材に設けた孔部に押し込んで弾性的に係合させることにより当該部材を締結するものである。
【0147】
第2封止部520Bは、カバー部材501に背面側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する破断ネジ522と、カバー部材501に設けられ破断ネジ522が挿通される孔を底板に有する破断ネジ挿通部515、516と、球集合板460に設けられ破断ネジ522が螺入される螺入部463、464と、破断ネジ522による固定状態を解除するために破断ネジ挿通部515、516に設けられた切断部515A、516Aとから構成されている。
【0148】
カバー部材501の自由端は、高さ方向における中段をなす帯域部分が内側に陥入して、正面視概略コ字状の形状を有しており、その陥入部分の底板から、高さ方向に長く延びる概略直方体状の基台部515Bが外側(カバー部材501の自由端側)に突出し、さらに該基台部515Bの外側端面から、破断ネジ挿通部515が外側に突出した形状となっている。基台部515Bの外側端面の上端部および下端部からは、それぞれ、上下1組の方形状の延出片が、互いに平行となるように、水平に平伏した状態で、カバー部材501の長さ方向に沿って延出し、上下の延出片の先端部同士がたがいに近接し合う方向に円弧状に湾曲するように延びて接合し、正面視半円状の周壁部515Cが形成されている。この周壁部515Cを含む上下の延出片は全体として正面視U字状に形成され、その先端部分の内側における奥行方向中央付近には、奥行方向に対し垂直となるように、即ち、例えば遊技盤30の裏面に対し平行となるように、底壁515Dが設けられ、該底壁515Dにはネジ挿通孔(図示せず)が穿設されている。
【0149】
上記周壁部515Cを含む上下の延出片および底壁515Dにより、破断ネジ挿通部515が構成されている。上記上下の延出片は、前記第1封止部520Aの切断部514Aと同様に、十分な強度を有するとともに容易に切断し得る肉厚を有するものとなっており、また、前記底壁515Dは上下の延出片の先端部の間の空間のみを閉塞しこれより内側の脚部(立ち上がり部)の間の空間は閉塞しないように設けられていて、この脚部は奥行方向に貫通する形状となっている。このように構成されることにより、上記上下の延出片の脚部が第2封止部520Bの切断部515Aとなっている。
【0150】
一方、図16に示すように、球集合板460において上記上下の破断ネジ挿通部515に対応する位置にはそれぞれ、螺入部463が設けられている。上下の螺入部463は、球集合板460における前記支持体412挿通用の上下の開口部461の間の位置から、背面側(カバー部材501側)へ延出する円筒状に形成され、その内部にはネジ溝が設けられて破断ネジ522が螺入され得るようになっている。
【0151】
図20に示すように、カバー部材501を閉じて球集合板460に当接させた状態では、破断ネジ挿通部515の周壁部515Cの球集合板460側端縁も球集合板460に当接し、螺入部463の全体が該周壁部515Cにより包囲されるようになっている。この状態で、破断ネジ522が破断ネジ挿通部515に背面側(カバー部材501側)から挿通されて螺入部463に螺入され、これによりカバー部材501が球集合板460に固定される。破断ネジ522は所定の高トルクで回転させることにより外側頭部522Aと内側頭部522Bとの間で破断して外側頭部522Aが分離し、内側頭部522Bが破断ネジ挿通部515の内部に収容された状態で残留する。この状態では、ドライバによって破断ネジ522を回転させることはできず、しかも内側頭部522Bは破断ネジ挿通部515の周壁部515Cで包囲されているため、痕跡を残さずに破断ネジ522を取り除くことは不可能である。これにより、カバー部材501と球集合板460とが封止された状態となる。一方、前記切断部515Aを切断することにより、カバー部材501と球集合板460との封止状態を痕跡を残しながら解除することができる。
【0152】
カバー部材501の自由端は、前記したように中段をなす帯域部分が内側に陥入した正面視概略コ字状の形状を有しているが、その陥入部分を挟む上段および下段の突出部分の先端面には、それぞれ前記第1封止部520Aが設けられている。さらに、下段の突出部分の先端面において、第1封止部520Aの上方の位置に、破断ネジ挿通部516が設けられている。この破断ネジ挿通部516は、前記陥入部分の底板に設けられた破断ネジ挿通部515とほぼ同様の上下の延出片(周壁部を含む)および底壁を有する構成となっている。
【0153】
また、図16に示すように、球集合板460において上記カバー部材501の下段の突出部分に設けられた破断ネジ挿通部516に対応する位置には螺入部464が設けられており、この螺入部464は前記螺入部463と同様に、背面側(カバー部材501側)へ延出する円筒状に形成され、その内部にはネジ溝が設けられて破断ネジ522が螺入され得るようになっている。本実施形態に示す第2封止部520Bは、カバー部材501の陥入部分の底板に設けられた上下の破断ネジ挿通部515および突出部分に設けられた破断ネジ挿通部516と、これら破断ネジ挿通部515、516にそれぞれ対応するように球集合板460に設けられた螺入部463、464と、破断ネジ挿通部515、516のそれぞれに設けられた切断部515A、516Aと、破断ネジ522とで構成され、高さ方向に並ぶ3点でカバー部材501と球集合板460との封止がなされ得るようになっている。
【0154】
上記カバー部材501の陥入部分の底板に設けられた上下の破断ネジ挿通部515は、図9および図11に示すように、前記開閉機構410におけるブラケット413の上下の支持部413Aの間に挟持されるような位置に形成され、これら支持部413Aの間のスペースをほぼ閉塞し、第1制御基板ユニット201Aを枢着する軸411であるリベットの頭部に近接している。
【0155】
図9乃至図11ならびに図22に示すように、上記カバー部材501の外側面(第1制御基板ユニット201A側面)における固定端部(図9、図11及び図22では右側端部)には、先端に係止爪が形成された矩形状の係止片517が後方に(第1制御基板ユニット201A側に)突出するように配設され、一方、第1制御基板ユニット201Aの内側ケース85の自由端部には、矩形状の突起部851が側方に(図22では右方に)突出するように配設されており、図23に示すように該係止片517が突起部851に弾性的に係止し得るようになっている。この係止片517は、カバー部材501に一体成型されている。上記矩形状突起部851には、ID情報を記憶したICチップが内臓されていてこれを外部からスキャナにより読み取るようにして外部との電波の送受信を行うように構成された封印シール(図示せず)が貼付されている。
【0156】
また、上記カバー部材501の外側面における自由端部には、図11に示すように、矩形状凹部518が形成されている。この矩形状凹部518は、前記連結取付台座部材430の長さ(約48mm)および厚み(約13mm)にそれぞれほぼ等しい長さ(カバー部材501の長手方向に沿った長さ)および深さを有し、図9に示すように、内部に連結取付台座部材430をほぼ隙間なく収容することができ、収容状態で該連結取付台座部材430の外側面(開放側面)とカバー部材501の外側面とが面一となるようになっている。これにより、第1制御基板ユニット201Aとの間にできる限り間隙が形成されないようになっている。
【0157】
(カバー部材の一部変形例)
図24に示すように、上記カバー部材501の内部に形成するリブの数を少なくするようにしてもよい。図24に示す例では、リブの形成が前記実施例の場合よりも大幅に少なく、これに応じて区画された室数も少なくなっている。さらには、カバー部材501の内部にリブを形成せず、内部空間を区画しないようにしてもよく、あるいは、カバー部材の内部に適宜な材料を充填して内部空間を実質的になくすようにしてもよい。
【0158】
また、上記図24に示す例では、カバー部材501内の壁面に、第2封止部520B用の破断ネジ522を収容する破断ネジ収容部521が、ここでは3個形成されており、そこに破断ネジ522がそれぞれ1本づつセットされるようになっている。これにより、カバー部材501の封止を解除して開放するごとに、破断ネジを1本ずつ取り出し第2封止部520Bの3箇所の破断ネジ挿通部515、516に挿通・螺合して次の封止を行うようにすることができ、未使用の破断ネジ522は封止した状態のカバー部材501の内部に確実に保持しておくことができる。この破断ネジ収容部521は、例えば、1本の破断ネジのみを収容する構成としてもよく、この場合にも、破断ネジを未使用の段階ではカバー部材の内部に保持しておくことができる。
【0159】
また、上記パチンコ機10においては、カバー部材501の一方端部およびこれに対応する球集合板460の位置に、第1および第2封止部520A、520Bで構成される封止手段を設けた構造としていたが、これと同様のまたは異なる封止手段を他方端部にも設け、これにより、カバー部材501の両端部を封止した状態で固定する構造とするようにしてもよい。この場合、前記カバー部材501の開閉構造(回動可能に軸支した構造)を設けた端部にさらに封止手段を設けるようにしてもよいが、両端部が封止手段により固定されるため、開閉構造は省略することができる。
【0160】
上記パチンコ機10においては、遊技盤30の裏面の球集合板460の裏面を覆うようにカバー部材501が設けられていることにより、球集合板460の裏面に配置された中継基板、配線等の電気部品を保護することができ、他の電気部品の組み付け、或いは外部からの他物の接触による電気部品の破損、断線が防止できるのである。 即ち、パチンコ機10の組立てにおいては、例えば、球集合板460に中継基板、LED基板、スイッチ、配線等の電気部品を取り付け、この球集合板460にカバー部材501を取り付けてこれらをユニットとして構成し、このユニットを遊技盤30に取り付け、この後第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程にすると、作業性が良好となるが、このような場合に、電気部品も少なくとも一部がカバー部材501で覆われるようにすることで、電気部品がカバー部材501によって保護され、取り付け作業時に電気部品が破損されることが防止される。
【0161】
又、遊技盤30の裏面と第1制御基板ユニット201との間の間隙が補填され、これによって、不正行為を行い得るようなスペースが形成されないようになっている。
さらに、このカバー部材501が封止手段520により封止した状態で固定されていることにより、不正に取り外すことが困難となっており、もしこの封止が不正に破られたとしても、痕跡が残るため、封止が破られたことが一目瞭然であり、これにより不正行為が容易に発覚する。
【0162】
さらに、封止手段が第1封止部520Aと第2封止部520Bとを有し、第1封止部520Aが、球集合板460に遊技盤30側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する固定手段であるネジ519と、球集合板460の遊技盤30側に設けられネジ519が挿通される孔を底板に有する凹部465と、カバー部材501に設けられネジ519が挿入され固定される挿入部514と、ネジ519による固定状態を解除するために挿入部514に設けられた切断部514Aとから構成されているため、球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態では外部からネジ519を取り外すことが不可能であり、これにより、カバー部材501が封止した状態で固定され、これを痕跡を残すことなく不正に取り外そうとすると球集合板460を遊技盤30から取り外すことが必要となり、したがって不正行為を行うことが困難となっている。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的としてカバー部材501を開放する場合に、切断部514Aを切断することによって痕跡を残しながらカバー部材501の封止状態を解除することができる。また、球集合板460が遊技盤30に取り付けられていない状態ではカバー部材501を自在に開放し得るため、作業性が良好である。
【0163】
さらに、第2封止部520Bが、カバー部材501に背面側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する破断ネジ522と、カバー部材501に設けられ破断ネジ522が挿通される孔を底板に有する破断ネジ挿通部515、516と、球集合板460に設けられ破断ネジ522が螺入される螺入部463、464と、破断ネジ522による固定状態を解除するために破断ネジ挿通部515、516に設けられた切断部515A、516Aとから構成されているため、カバー部材501を破断ネジ522により球集合板460に外側から固定することができ、これにより、容易にカバー部材501を封止した状態で固定することができる。このとき、前記球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態であっても、カバー部材501を破断ネジ522により球集合板460に外側から封止・固定することができるので、たとえば前記第1封止部520Aによる封止状態を解除した後に、第2封止部520Bによって再度カバー部材501と球集合板460とを封止することができる。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的としてカバー部材501を開放する場合には、切断部515A、516Aを切断することによって痕跡を残しながらカバー部材501の封止状態を解除することができる。
【0164】
さらに、第1制御基板ユニット201の一方端部が軸411により回動可能に枢着され、破断ネジ挿通部515が、第1制御基板ユニット201を枢着する軸411に近接していることにより、第1制御基板ユニット201を枢着部分から不正に取り外そうとしても、破断ネジ挿通部515が障害となって枢着部分を取り外すことが困難となっており、またカバー部材501は封止した状態で固定されているため、破断ネジ挿通部515を取り除こうとしても痕跡を残さずにこれを取り除くことは困難となっている。したがって不正行為がさらに効果的に防止される。
【0165】
さらに、カバー部材501の内部に、第2封止部520B用の破断ネジ522を1本またはそれ以上収容する破断ネジ収容部521が配設されていることにより、破断ネジ収容部521に破断ネジ522を収容しておくようにすれば、カバー部材501の封止を解除して開放するごとに、破断ネジ522を1本ずつ取り出して次の封止を第2封止部520Bで行うようにすることができ、未使用の破断ネジ522がある段階ではこれを封止した状態のカバー部材501の内部に確実に保持しておくことができる。
【0166】
さらに、カバー部材501のコーナー部に第1封止部520Aが設けられ、コーナー部以外に第2封止部520Bが設けられていることにより、第1封止部520Aによってカバー部材501をコーナー部で容易かつ確実に封止することができるとともに、このカバー部材501の封止を第2封止部520Bによってさらに確実に行うことができる。また、複数個所に第1および第2封止部が設けられているので、封止および解除を行う行程の1回につき1箇所ずつで封止および解除を行うようにすれば、封止および解除の行程を複数回行うことができ、その行程ごとに開封履歴を残すことができる。
【0167】
さらに、カバー部材501が中空体に成形され、内部がリブ512により多数の室に区画された構成としたことによって、カバー部材501の内部に不正基板を設置するのに十分なスペースが形成されておらず、したがって不正行為を効果的に防止することができる。
【0168】
さらに、カバー部材501が、球集合板460に対向する面が開放された構成としたことにより、カバー部材501を閉じた状態では上記開放された面も球集合板460に当接して閉塞されるため、カバー部材501の内部に不正基板を設置する等の不正行為は困難となっている。このとき、前記したようにカバー部材501の内部がリブ512により多数の室に区画されていても、カバー部材501の開放部分が外部に露出しておればそこからリブ512を切断して不正行為のためのスペースを確保されるおそれがあるが、上記のようにカバー部材501の開放面を球集合板460に対向させることにより、リブ512を切断することも困難となっている。
【0169】
さらに、カバー部材501と第1制御基板ユニット201とが、たがいに左右逆方向に開閉される開閉構造を有する構成としたことにより、カバー部材501および第1制御基板ユニット201のそれぞれを開放した状態における荷重が左右いずれか一方の端部に集中せず、左右両端部に分散することとなる。よって、たとえば点検などに際してカバー部材501および第1制御基板ユニット201を開放する場合等に、これらカバー部材501および第1制御基板ユニット201の荷重により球集合板460に変形が生じるといった不具合が防止される。球集合板460に変形が生じると、遊技球の排出に不具合をきたすおそれがある。
【0170】
さらに、第1制御基板ユニット201の一方端部が軸411により回動可能に枢着され、カバー部材501に、第1制御基板ユニット201の他方端部(自由端部)に係止する係止片が一体成型された構成としたことにより、第1制御基板ユニット201の自由端部を保持するための部材(例えばナイラッチ等)を別に用意する必要がなく、部品点数を少なくすることができる。また、カバー部材501が不正に取り外されたとした場合、第1制御基板ユニット201の自由端部が保持されずに遊離した状態となるため、不正行為が容易に発覚することとなり、したがって不正を行うことがより困難となる。
【0171】
また、パチンコ機10の組み立てにおいては、例えば、球集合板460に中継基板、LED基板、スイッチ、配線等の電気部品を取り付け、この球集合板460にカバー部材501を取り付けてこれらをユニットとして構成し、このユニットを遊技盤30に取り付け、この後第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程にすると作業性が良好となるが、このような場合に、電気部品の少なくとも一部がカバー部材501で覆われるようにすることで、電気部品がカバー部材501によって保護され、取り付け作業時に電気部品が破損されることが防止される。
なお、図23には、球集合板460にカバー部材501および第1制御基板ユニット201を取り付けた状態が示されており、このように、球集合板460、カバー部材501および第1制御基板ユニット201を一体とした状態で遊技盤30に取り付けるという工程も可能であり、パチンコ機10の組み立て方法は特定のものに限定されないが、前記のように球集合板460およびカバー部材501をユニットとして遊技盤30に取り付けた後に第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程の作業性がとりわけ良好である。
【0172】
(特徴構成)
前述の通り、パチンコ機10は、遊技者による操作の操作量に応じて遊技内容を変化させるための操作手段として、遊技球発射ハンドル(以下、操作ハンドルとも称す)18を備えている。図25ないし図34に示すように、操作ハンドル18は、筒状に延びる基軸部601の一方端部に、環状のダイヤル602が回転可能に取り付けられた構成となっている。
【0173】
基軸部601は、図35ないし図42に示すように、概略縦長の楕円状の断面形状を有する筒状体であって、一方端面部が開放されるとともに、他方端面部が端面壁603(図43参照)によりほぼ閉塞され、該端面壁603辺りの位置で周壁が径方向に外側にやや拡大し、この拡大部の周縁からやや短く周壁が延びて、拡径部604が形成されている。これにより、基軸部601は、ほぼ全体として、一方端部が傘状に拡径した概略きのこ形状(ないしリベット形状)となっている。基軸部601内部には、内周面に沿って複数の螺入部605が形成されており、該螺入部605にネジを螺入するようにして基軸部601の開放側端部が図1に示すようにパチンコ機10における前記下皿ユニット13の前面部に固定されるようになっている。なお、基軸部601はこのように開放側端部がパチンコ機10の前面部に取り付けられるので、該開放側端部が基軸部601の後側端部、その反対側である拡径部604形成側端部が前側端部である。また、基軸部601は例えば図26に示すように概略楕円状の断面形状を縦にするようにして取り付けられ、図示上の上下方向(および左右方向)と取付状態での上下方向(および左右方向)とは一致している。
【0174】
図43および図44に示すように、基軸部601の端面壁603および拡径部604は、上端よりやや右寄りの位置から左端よりやや下寄りの位置にかけて切欠かれて切欠部606が形成されている。また、端面壁603の中央には軸挿通孔607が設けられるとともに、端面壁603における左下端部の1箇所および右上端部の周方向に隣り合う2箇所の計3箇所に、円柱状に延び内部にネジ挿通孔を有するネジ挿通部608がそれぞれ突設されている。上記右上端部の2箇所のネジ挿通部608の間には、これらネジ挿通部608と平行に円柱状に延び、先端にワイヤ状体を挿通して係止固定する開裂部が形成されたバネ挿通部637が突設されている。
【0175】
基軸部601の切欠部606には、ストッパ支持部材609が固定される。該ストッパ支持部材609は、切欠部606にちょうど対応する形状を有し、該切欠部606にストッパ支持部材609を嵌合し固定することで、前述のような基軸部601の概略きのこ形状(ないしリベット形状)の外形が完成するようになっており、換言すれば、ストッパ支持部材609は基軸部601の外形を補填するものともなっている。
【0176】
ストッパ支持部材609には、ストッパ610が支持される。ストッパ610は、図46および図47に示すように、概略箱形状の基台部610Sに、正面視概略山形状に先細りして先端が丸形状の突起部610Pが突出するように一体的に形成された形状を有し、図47に示すように、前側分割体610Fおよび後側分割体610Rの、前後2つの分割体に分割成形され、これらを結合して構成されている。前側分割体610Fおよび後側分割体610Rにおいて、基台部610Sを構成する部分はそれぞれ断面略コ字形のクリップ状をなすように把持部611F、611Rが形成されている。前側分割体610Fにおける把持部611Fの外側片の内面には、直方体状の内部空間を有する収容凹部(図示せず)が形成されており、該収容凹部に、ゴム弾性を有する平板状の弾性部材612Fが収容されており、一方、後側分割体610Rにおける把持部611Rの内側片の内面には、上記前側分割体610Fにおける収容凹部に比して寸法(占有面積)がやや小で同様の形状を有する収容凹部(図示せず)が形成され、該収容凹部に上記と同様にゴム弾性を有する平板状の弾性部材612Rが収容されている。
上記基台部610Sと両弾性部材612F、612Rとにより、ストッパ610の基部が構成されている。
【0177】
ストッパ支持部材609には、図43および図44に示すように、周縁に沿って径方向に鍔状に延出する鍔状レール613および該鍔状レール613の内側(中心寄り)の位置から前後に周壁状に延出する周壁状レール614が形成されており、図47に示すように、鍔状レール613を前側分割体610Fと後側分割体610Rとで前後からほぼ隙間なく挟持するとともに、周壁状レール614を把持部611F、611Rで前後から内包するようにほぼ隙間なく把持した状態で、ネジ穴615にネジ(図示せず)を螺入、締結し前側分割体610Fと後側分割体610Rとを結合することによって、ストッパ610が鍔状レール613および周壁状レール614上に装着した状態で組み立てられている。これにより、ストッパ610が、鍔状レール613によって前後方向に、周壁状レール614によって径方向に規制され、ガタつきもなく安定に支持されている。このとき、両弾性部材612F、612Rが、周壁状レール614に対し径方向に両側から所定の圧力で当接しており、これにより、ストッパ610が、周壁状レール614に対し所定の摩擦力をもって摺動(スライド)可能に支持され、この摩擦力は、例えば後述するコイルバネの付勢力に比して同等または少々上回る程度の力を加えられてもストッパ610が動かずに固定され、これよりもさらに大きい力で強く動かされるとストッパ610が鍔状レール613および周壁状レール614に沿って摺動(スライド)することができる程度となるように設定されている。
【0178】
図43および図44に示すように、ストッパ支持部材609において、上記鍔状レール613および周壁状レール614の左に隣接する位置には、ストップボタン616が配置されている。また、図36にも示すように、基軸部601において軸挿通孔607の下方の位置には可変抵抗器617が配置され、該可変抵抗器617は前記発射制御装置312に接続されている。
【0179】
基軸部601における軸挿通孔607には、軸部材618が軸支されている。軸部材618は、回動軸618Aの中間部に、概略円板状の基体部618Sが一体的に成形され、該基体部618Sの後側面にはギア部(図示せず)が形成されていて、軸部材618の回転が可変抵抗器617のギア617Gに伝達されるようになっている。
【0180】
ダイヤル602は、図45に示すように、基軸部601における拡径部604の外径より僅かに大きい径を有する環状の周壁形状をなすリム部602Rと、該リム部602Rの外径より小さい外径を有し中央に軸挿通孔602Fが穿設された正面視概略円形のボス部602Bとを有し、リム部602Rの外周面における上端よりやや右寄り(図45上では左寄り)、左端よりやや上寄りおよび右端の3箇所にそれぞれ正面視概略三角形状の指掛突起602Pが一体的に形成され、各指掛突起602Pにおける左側面は、正面視概略S字形状をなすように湾曲しながらリム部602Rの外周面からほぼ径方向に立ち上がる形状を有する指掛面602Eとなっている。ボス部602Bは右端の位置および左端よりやや下寄りの位置でそれぞれリム部602Rと一体的に連続する形状となっており、したがって、ボス部602Bとリム部602Rとの間に、左右の連続部分で上下2つに分割されボス部602Bおよびリム部602Rの周方向に沿って延びる円弧状の貫通溝部602Gが形成されている。また、リム部602Rの内周面に沿って、左端よりやや下寄りの位置から反時計回り(図45上では時計回り)に上端よりやや右寄りの位置にかけて、リム部602Rの内周面との間に一定の間隔を保持しながら正面視円弧状に延びるリブ602Mが一体的に形成され、該リブ602Mの左端部は外側に折り返されてリム部602Rに連続しており、この折り返しにより、リブ602Mの周方向に交差する押圧面602Tが形成されている。この押圧面602Tは、後述するようにストッパ610を押圧するように機能する部位である。
【0181】
ダイヤル602のボス部602Bには、軸挿通孔602Fに回動軸618Aを挿通するようにして前記軸部材618が後側から嵌着され、ネジにより固定されるようになっている(この固定状況は図示省略)。この状態で、ダイヤル602の貫通溝部602Gに前記基軸部601のネジ挿通部608を挿通しながら、前記基軸部601の軸挿通孔607に軸部材618の回動軸618Aが挿入される。これにより、ダイヤル602が基軸部601に対し所定の角度範囲内で自在に回転し得るように支持されるようになっている。このとき、ダイヤル602の貫通溝部602Gが両端で基軸部601のネジ挿通部608に当ってダイヤル602の回動が規制されるため、上記所定の角度範囲は、このようにダイヤル602の回動がネジ挿通部608により規制される範囲のことである。またこのとき、ダイヤル602は、基軸部601における拡径部604の周縁にリム部602Rが外側から嵌合した状態で回転し、したがってその移動方向が拡径部604の周方向に規制されるようになっている。
【0182】
ダイヤル602の前側からは、キャップ619が取り付けられる。キャップ619は、図29ないし図32にも示すように、ほぼ半球状(ないし椀状)の形状を有し、前面部(外面部)には装飾が施され、内側には、前記基軸部601の3本のネジ挿通部608に対応する位置に、内部にネジ穴を有する円柱形状の螺入部がそれぞれ形成された構成となっている(図示せず)。基軸部601の拡径部604の後方からネジ挿通部608にネジを挿入してキャップ619の螺入部に螺入することにより、キャップ619が基軸部601に固定され、これによりダイヤル602が脱離不能に保持される。
【0183】
ダイヤル602の前側において、軸挿通孔602Fから前方に突出した回動軸618Aにはコイルバネが外装され、該コイルバネの一方端はダイヤル602におけるボス部602Bの前側面に係止固定され(図示せず)、他方端は前記バネ挿通部637に係止固定されて(図示せず)、これによりダイヤル602が反時計回り方向に付勢されるようになっている。
【0184】
図48ないし図50は、操作ハンドル18の操作方法の一例を示す図である。以下、同図に基づき操作ハンドル18の操作方法について順次説明する。
【0185】
操作前の段階では、図48(a)に示すように、ダイヤル602が反時計回り方向に最大限に回転した位置にあり、前記コイルバネの付勢力によりこの位置に保持されている。すなわち、この位置がダイヤル602の初期位置である。この初期位置では、前記3箇所の指掛突起602Pが上端よりやや右寄り、左端よりやや上寄りおよび右端にそれぞれ位置している。またこのとき、ストッパ610が鍔状レール613および周壁状レール614の左端の位置にセットされている。
【0186】
まず、図48(a)中の矢印A1に示すように、ダイヤル602を指先で把持して初期位置から前記コイルバネの付勢力に抗して時計回り方向に回す。このとき、ダイヤル602は、手に深く持って回そうとすると指先がダイヤル602よりも奥に突出してストッパ610に抵触しやすくなるため、上記のように指先で把持するほうが回しやすい。
【0187】
このようにダイヤル602を回す途上で、図48(b)に示すように、初期位置から数十°程度回転した位置に達すると、前記ダイヤル602の押圧面602Tが、図46にも示すストッパ610における基台部610Sの左側面610Lに当接する。このとき、ダイヤル602の初期位置において左端よりやや上寄りに位置していた指掛突起(以下、第1指掛突起と称す)602P1の指掛面602E1の中央部と、ストッパ610における突起部610Pの時計回り方向側面(以下、指置面とも称す)610Eの中央部との間隔d1は、遊技者の指が僅かに余裕をもって入る程度となっており、さらに、上記指掛面602E1と指置面610Eとは正面視概略V字形状をなすように外側へ次第に拡開しているため、遊技者の指の太さに個人差(あるいは例えば人差し指と親指とのように使用する指の違い)があっても、いずれかの位置(深さ位置)で指掛面602E1と指置面610Eとの間隔に適合しながら容易かつ確実に納まるようになっている。
【0188】
上記のようにダイヤル602の押圧面602Tがストッパ610における基台部610Sの左側面610Lに当接すると、該ストッパ610は前述の通り、コイルバネの付勢力を少々上回る力を加えられても動かない程度の摩擦力をもって周壁状レール614に摺動(スライド)可能に支持されているため、ダイヤル602をこの位置からさらに時計回り方向に回そうとするとストッパ610がある程度の抵抗となるが、ストッパ610は、さらに大きい力で強く動かされると摺動(スライド)することができるので、図48(b)中の矢印A2に示すように、該ストッパ610の抵抗力を上回るトルクをかけながら、ダイヤル602をさらに時計回り方向に回すようにする。これにともない、以降はストッパ610がダイヤル602の押圧面602Tに押圧され、ダイヤル602に引き摺られるようにして時計回り方向に摺動(スライド)する(即ちダイヤル602に連動する)こととなる。このとき、ストッパ610は、前記第1指掛突起602P1との間隔d1を保持しながら、ダイヤル602に連動して時計回り方向に摺動(スライド)する。換言すれば、ストッパ610は、ダイヤル602の第1指掛突起602P1の後を一定の間隔d1を保持しながら追随するように時計回り方向に摺動(スライド)する。
【0189】
ついで、図49(a)に示すように、ダイヤル602が遊技者にとって最適な特定の操作位置(以下、最適位置と称す)に定まったら、遊技者の指(例えば人差し指)F1をダイヤル602からさらに奥へ差し入れ、ストッパ610の指置面610Eにかけるようにする。これにより、遊技者の指F1がダイヤル602における第1指掛突起602P1の指掛面602E1とストッパ610の指置面610Eとの間に挟まれた状態、即ち、ダイヤル602が遊技者の指F1を介してストッパ610に掛止された状態となってダイヤル602が最適位置に保持されることとなる。このとき、ダイヤル602には、コイルバネにより反時計回り方向へ付勢力が加えられており、ダイヤル602を最適位置に保持しておくにはこの付勢力に抗することが必要であるが、ストッパ610は前述の通りコイルバネの付勢力によっては動かないため、上記のようにダイヤル602を指F1を介してストッパ610に掛止することにより、上記コイルバネの付勢力をストッパ610で受け止めることができるので、ストッパ610を利用せずにダイヤル602を手だけで把持するよりも容易かつ確実に最適位置に保持しておくことができ、疲労し難く安楽な体勢で遊技を続行することができる。
【0190】
またこのとき、ダイヤル602が、遊技者の指F1を介在させるようにしてストッパ610に掛止することにより最適位置に保持されているので、指F1をかける位置や角度を適宜ずらすようにしてダイヤル602の操作位置を微調整することも容易である。
【0191】
この後、例えば休憩等のために遊技を中断する場合、ダイヤル602が最適位置にある操作ハンドル18から手を放すと、図49(b)に示すように、該ダイヤル602がコイルバネの付勢力により反時計回り方向に回転して初期位置に復帰するが、このとき、該ダイヤル602の押圧面602Tよりも時計回り方向側には、(上端よりやや右寄りの位置まで)リブ602Mが形成されていないため、ダイヤル602はストッパ610に抵触することなく反時計回り方向に回転することとなり、したがって該ストッパ610は、ダイヤル602が反時計回り方向に回転してもこれに影響を及ぼし合う(関わり合う)ことはなく、該ストッパ610自体は、図49(a)に示すように最適位置にあったときのダイヤル602における所定の部位の近傍(即ち最適位置にあったときのダイヤル602において手指を掛止させて把持するための掛止部である第1指掛突起602P1から反時計回り方向に間隔d1をおいた位置)に留まることとなる。
【0192】
遊技を再開する際には、図50(a)に示すように、指(例えば親指)F2でストップボタン616を押して遊技球の発射を停止した状態としながら、図中の矢印A3に示すように、ダイヤル602を再び初期位置からコイルバネの付勢力に抗して時計回り方向に回す。このとき、ストッパ610が前述の通り最適位置にあったときのダイヤル602における第1指掛突起602P1の近傍に留まっているので、該ストッパ610を目安としてダイヤル602を最適位置の付近まで容易に回すことができる。このようにダイヤル602を回すと、図50(b)に示すように、その途上でダイヤル602の押圧面602Tがストッパ610における基台部610Sの左側面610Lに再び当接するが、この位置までは、ダイヤル602はコイルバネの付勢力を少々上回る程度の力で回すことができるので、遊技者がよほど勢いよく操作したりしない限り、ダイヤル602の押圧面602Tが当接しただけではストッパ610は動くことはなく、したがって、ダイヤル602の時計回り方向の回動がストッパ610により規制されて、再びダイヤル602が最適位置に位置することとなる。
【0193】
この状態で、図50(b)に示すように、前記と同様にして、指(例えば人差し指)F1をダイヤル602からさらに奥へ差し入れ、ストッパ610の指置面610Eにかけてダイヤル602を最適位置に保持するとともに、ストップボタン616から指F2を放すようにする。これにより、ダイヤル602を再び最適位置に正確に合わせた状態で遊技球の発射が開始され、したがって、無駄球を出すことなく最適位置から遊技を再開できるとともに、これ以降、前記と同様に容易かつ確実にダイヤル602を最適位置に保持して、疲労し難く安楽な体勢で遊技を続行することができることとなる。
【0194】
このとき、例えば、ストッパ610に指をかけずにダイヤル602のみを把持するようにしたとしても、前述の通りストッパ610はダイヤル602の時計回り方向の回動を規制することができるので、ダイヤル602を容易かつ確実に最適位置に合わせた状態に保持しておくことができる。
【0195】
この後、遊技の中断および再開を繰り返す場合には前記と同様の操作を繰り返せばよい。一方、遊技を終了する際には、中断する場合と同様に、操作ハンドル18から手を放すと、ダイヤル602がコイルバネの付勢力により反時計回り方向に回転して初期位置に復帰するが、ストッパ610が最適位置にあったときのダイヤル602における第1指掛突起602P1の近傍に留まっているので、該ストッパ610を再び鍔状レール613および周壁状レール614の左端の位置に戻すようにすると、遊技者が遊技を通じて自分が探り当てた最適位置を次の遊技者に利用されないようにすることができる。ストッパ610は、コイルバネの付勢力を上回るやや強い力で押圧することにより、ダイヤル602と連動することなく鍔状レール613および周壁状レール614の上を摺動(スライド)させて元の左端の位置に復帰させることができる。
【0196】
(作用)
上述の通り、パチンコ機10においては、遊技者により操作され、その操作量に応じて遊技内容を変化させるための操作手段として操作ハンドル18を備え、該操作ハンドル18は、遊技者の操作により初期位置と操作位置との間を移動し得る可動部としてダイヤル602と、該ダイヤル602を初期位置側へ付勢する付勢手段としてコイルバネとを有する構成において、上記ダイヤル602が操作位置にあるときに該ダイヤル602における所定の部位(即ち第1指掛突起602P1)の近傍に位置し、上記付勢手段による付勢力に抗して上記ダイヤル602を操作する力を軽減するために用いることが可能な操作位置固定手段としてストッパ610を備える構成としたので、特定の操作位置にあるダイヤル602を、第1指掛突起602P1の近傍に位置するストッパ610で支えながら該操作位置に保持しておくことができる。このとき、ダイヤル602にはコイルバネにより初期位置側へ付勢力が加えられており、ダイヤル602を特定の操作位置に保持しておくにはこの付勢力に抗することが必要であるが、ストッパ610はコイルバネによる付勢力に抗して上記ダイヤル602を操作する力を軽減するために用いることが可能となっているため、ダイヤル602をストッパ610で支えながら保持することにより、コイルバネによる付勢力をストッパ610で緩和することができるので、ダイヤル602を手だけで把持するよりも容易かつ確実に最適位置に保持しておくことができ、疲労し難く安楽な体勢で遊技を進めることができる。
【0197】
また、ストッパ610が、ダイヤル602の移動方向に沿って移動し得るとともに、その移動方向における初期位置側へ向けてコイルバネによる付勢力と実質的に同等の力を加えられても動かず同位置に留まるものとなっているので、ストッパ610を移動させることにより、該ストッパ610をダイヤル602の任意の操作位置に対応してダイヤル602の第1指掛突起602P1の近傍に位置させることができる。
このとき、ストッパ610は移動方向における初期位置側へ向けてコイルバネによる付勢力と実質的に同等の力を加えられても動かないため、ダイヤル602をストッパ610で支えながら保持することにより、コイルバネによる付勢力をストッパ610で受け止めることができるので、ダイヤル602をより容易かつ確実に最適位置に保持しておくことができる。
【0198】
また、ダイヤル602が初期位置から操作位置へ移動する場合に、ストッパ610が該ダイヤル602の第1指掛突起602P1に追従して移動するので、ダイヤル602を初期位置から操作位置へ移動させるのとは別の操作によってストッパ610を移動させなくても、ダイヤル602を移動させると該ストッパ610が自動的にダイヤル602の第1指掛突起602P1に追従して移動するようになっており、したがってそのぶん操作の手間が省略されるようになっているとともに、該ストッパ610がダイヤル602の第1指掛突起602P1の近傍に確実に位置するようになっている。
【0199】
また、操作ハンドル18は、
ダイヤル602の移動方向を規制する第1規制部として基軸部601における拡径部604の周縁と、
ストッパ610の移動方向を規制する第2規制部として周壁状レール614と、
ストッパ610に設けられ、上記移動方向と交差する方向において上記周壁状レール614と接触する部位(即ち両弾性部材612F、612R)と基台部610Sとを有する基部と、
上記基部における基台部610Sから上記交差方向に延出する部位である突起部610Pに設けられ、操作位置側に向いた支承面として指置面610Eと、
上記ダイヤル602に設けられ、上記ダイヤル602が初期位置から操作位置へ向けて移動することに応じて上記基部を押圧する押圧面602Tとを有するので、ダイヤル602を基軸部601における拡径部604に沿って初期位置から操作位置へ移動させると、ストッパ610が、基部において周壁状レール614に接触しながら該周壁状レール614に沿ってダイヤル602に追従して移動するが、このとき、ストッパ610は、周壁状レール614に接触する部位である両弾性部材612F、612Rを有する基部(即ち図48(b)に示す、ストッパ610が周壁状レール614に支持される支点P11が存在する部位)をダイヤル602の押圧面602Tにより押圧されることでダイヤル602に追従して移動するので、比較的に小さい力で容易にダイヤル602に追従して移動することができ、したがってダイヤル602の操作を阻害することが少ない。一方、ダイヤル602を操作位置に移動させた後は、ダイヤル602をストッパ610で支えながら保持することができるが、このとき、ストッパ610の基部(具体的には基台部610S)から上記交差方向に延出する突起部610Pに設けられた指置面610Eでダイヤル602を支えることができるので、基部から上記交差方向に離隔した位置(即ち図49(a)に示す、上記支点P11から上記交差方向に離隔した力点P12)でダイヤル602を支えることができ、したがって、このとき上記力点P12でストッパ610に加わる力は、ストッパ610を周壁状レール614に沿って移動させるよりも、むしろ逆に、周壁状レール614に圧接して該ストッパ610を当該位置に留めるように作用する。これにより、簡単な構成によって、ダイヤル602をより容易かつ確実に最適位置に保持しておくことが可能な構造となっている。
【0200】
また、ダイヤル602が初期位置側に向いた作用面として指掛面602Eを有し、ストッパ610が操作位置側に向いた支承面として指置面610Eを有するので、指掛面602Eと指置面610Eとの間に指などを挟むようにすることにより、容易にダイヤル602をストッパ610で支えながら保持することができる。
【0201】
また、指掛面602Eと指置面610Eとが外側へ次第に拡開しているので、例えば遊技者の指の太さに個人差があったり、あるいは例えば人差し指と親指とのように使用する指の違いがあっても、いずれかの位置(深さ位置)で指掛面602Eと指置面610Eとの間隔に適合して納まるようになっている。
【0202】
また、操作位置固定手段であるストッパ610が、移動方向すなわちダイヤル602の周方向に沿って配置された鍔状レール613および周壁状レール614を、交差する2方向すなわち前後方向および径方向の各方向に沿って挟持するようにして該鍔状レール613および周壁状レール614の上に摺動可能に支持されているので、ストッパ610が鍔状レール613および周壁状レール614によって交差する2方向の各方向に規制されてガタつきもなく安定に支持されている。
【0203】
また、ストッパ610が弾性部材612F、612Rを備え、周壁状レール614に対し両面側から弾性部材612F、612Rが所定の圧力で当接しているので、ストッパ610が、周壁状レール614に対し所定の摩擦力をもって摺動可能に支持され、これにより、周壁状レール614上の特定の位置に確実に支持されるようになっている。
【0204】
また、ストッパ610が、内部に弾性部材612F、612Rが収容された構成を有するので、劣化等の場合に弾性部材612F、612Rのみを交換することもできる。
【0205】
また、ダイヤル602が、ストッパ610よりも遊技者寄りの位置すなわち前側に配置されているので、ストッパ610に抵触することなくダイヤル602のみを操作することや、ダイヤル602を最適位置に合わせた後になってはじめてストッパ610に触れるようにすることがより容易となっている。
【0206】
また、遊技者により操作され、その操作量に応じて遊技内容を変化させるための操作手段として操作ハンドル18を備え、該操作ハンドル18は、遊技者の操作により初期位置と操作位置との間を移動し得る可動部としてダイヤル602と、該ダイヤル602を初期位置側へ付勢する付勢手段としてコイルバネとを有する構成において、上記ダイヤル602が初期位置から操作位置へ移動するのに連動して様態が変移(即ち鍔状レール613および周壁状レール614の上を摺動)し、このあとダイヤル602が初期位置側へ復帰するよう移動しても変移した様態(即ち鍔状レール613および周壁状レール614の上における位置)が維持される操作量標示手段としてストッパ610を備えるものとなっているので、遊技者が特定の操作位置までダイヤル602を移動させると、これに連動してストッパ610の様態(位置)が変移し、この後、遊技者が遊技を中断してダイヤル602が初期位置に復帰しても、ストッパ610が変移した様態(位置)に維持される。したがって、遊技再開時にこのストッパ610の変移した様態(位置)が目安となって、ダイヤル602を再び上記特定の操作位置に容易に合わせることができるので、硬貨等でダイヤル602を特定の操作位置に固定しなくとも、無駄球を極力出さずに遊技を再開することができ、これにより遊技者の損失が生じ難くなっている。
【0207】
またこのとき、ストッパ610の様態(位置)がダイヤル602の動作に連動して変移するため、ダイヤル602を特定の操作位置に合わせるための目安を設定する操作を別に行うことも不要であり、そのぶん操作の手数が増えることもない。
【0208】
また、操作量標示手段であるストッパ610が、鍔状レール613および周壁状レール614の上を摺動することにより様態が変移するものとなっているので、操作量標示手段の様態が連続的に変移するため操作位置が高精度に標示されるようになっており、またその構成も簡潔となっている。
【0209】
また、ストッパ610が、鍔状レール613および周壁状レール614を、交差する2方向すなわち前後方向および径方向の各方向に沿って挟持するようにして該鍔状レール613および周壁状レール614の上に摺動可能に支持されているので、ストッパ610が、鍔状レール613および周壁状レール614によって交差する2方向の各方向に規制され、ガタつきもなく安定に支持されている。
【0210】
また、ストッパ610が弾性部材612F、612Rを備え、周壁状レール614に対し両側から弾性部材612F、612Rが所定の圧力で当接しているので、ストッパ610が、周壁状レール614に対し所定の摩擦力をもって摺動(スライド)可能に支持され、これにより、変移した様態(周壁状レール614上の位置)が確実に維持されるようになっている。
【0211】
また、ストッパ610が、鍔状レール613および周壁状レール614の上の特定位置でダイヤル602の移動(回転)を規制し得るので、遊技再開時にストッパ610でダイヤル602の移動(回転)を規制することにより、該ダイヤル602を再び特定の操作位置に容易に合わせることができる。
【0212】
また、ストッパ610が、内部に弾性部材612F、612Rが収容された構成となっているので、劣化等の場合に弾性部材612F、612Rのみを交換することも可能となっている。
【0213】
また、ストッパ610が、ダイヤル602と連動することなく元の位置に復帰させることができるようになっているので、遊技終了後にストッパ610を元の位置に戻すようにすることにより、遊技者が遊技を通じて自分が探り当てた最適位置を次の遊技者に利用されないようにすることができる。
【0214】
(変更態様)
上記パチンコ機10には、様々な変更を加えることが可能である。
(1)例えば図51ないし図53に示すように、ストッパをより容易に元の位置に戻し得る構成としてもよい。図51はこのようなストッパの一例を示す斜視図、図52はその分解斜視図、図53はその作用を説明する図である。
【0215】
同図に示すストッパ620は、基台部620Sに胴部620Pが一体的に形成された形状を有し、前側分割体620Fおよび後側分割体620Rの、前後2つの分割体に分割成形され、これらを結合して構成されている。
【0216】
後側分割体620Rは、図52に示すように、下端に前方へ延出する固定顎621Jが形成されたやや縦長の矩形状の背面基板621に、可動顎部材622およびレバー部材623が配設された構成となっている。可動顎部材622は、正面視概略山形状で下端に前方へ延出する可動顎622Jが形成され、背面基板621の前面に、上方に付勢された状態で僅かに即ち数ミリ程度の範囲内で上下動可能に取り付けられている(取付構造は説明および図示を省略)。可動顎622Jの下面には、前記実施形態のストッパ610における後側分割体610Rの収容凹部と同様の収容凹部622Rが形成されており、該収容凹部に前記実施形態と同様の弾性部材(図示せず)が収容されるようになっている。また、可動顎622Jの両側にそれぞれ隣接して、背面基板621から前方に腕部621A、621Aが延出している。レバー部材623は、やや長く延びる長方形状の板バネよりなり、2長辺が上辺および下辺となるようにして、背面基板621の前面における可動顎部材622の上端部よりやや左方に隣接する位置に、前方に延出するように固定されている。レバー部材623の上辺における可動顎部材622の上端部に対応する位置には、矩形状の切欠623Cが形成され、該切欠623Cに押圧部材624が嵌着固定されるようになっている。押圧部材624は、レバー部材623の厚さに対応する幅を有する溝部が前後方向に沿って形成された正面視概略逆U字形状の部材となっており、可動顎部材622に対向する右下端部には、下端から右上方へ傾斜するテーパ面624Tが形成されている。
【0217】
前側分割体620Fは、後側分割体620Rの背面基板621にほぼ対応する直方体状であって背面部(後側面部)が開放された前側カバー部625の下端部に把持部625Bが一体的に形成された構成となっている。把持部625Bは、前記実施形態のストッパ610における前側分割体610Fの把持部611Fとほぼ同様の形状となっているが、内部には収容凹部が形成されておらず弾性部材も収容されていない。前側カバー部625の左側面部には、前記レバー部材623を挿通し得る矩形状凹部625Rが形成されている。前側分割体620Fは、図51に示すように、後側分割体620Rにおける可動顎部材622とレバー部材623の大部分とを前側カバー部625で前方から覆うとともに、レバー部材623の先端部を矩形状凹部625Rから前方に突出させるようにして、後側分割体620Rに前方から嵌着固定され、これにより、基台部620Sおよび概略直方体状の胴部620Pが構成されている。
【0218】
図53(a)に示すように、上記ストッパ620が周壁状レール614上の特定位置に支持された状態では、後側分割体620Rの可動顎部材622の上端に、押圧部材624が左方よりテーパ面624Tから乗り上げた体勢となっており、これにより、可動顎622Jが下方に押圧されて固定顎621Jとともに周壁状レール614を上下からクランプ様に挟んで締め付け、これにともない、可動顎622Jの収容凹部622Rに収容された弾性部材626が周壁状レール614上に圧しつけられて摩擦力が生じるようになっている。前記実施形態のストッパ610では周壁状レール614に両面側から弾性部材が圧接する構成となっていたのに対し、本実施例においては周壁状レール614の片面側(外面側)からのみ弾性部材626が圧接する構成となっているが、上記のように可動顎部材622が押圧部材624に押圧されて弾性部材626が周壁状レール614上に圧しつけられる構成とすることで、十分な圧力が加えられて摩擦力も十分となるようになっている。
【0219】
図53(b)に示すように、レバー部材623の先端部を左方に押圧して全体を湾曲させるようにすると、これとともに押圧部材624が可動顎部材622から左方に離脱し、これにより、可動顎622Jが下方への押圧力から解放されて付勢力により周壁状レール614から上方に離脱し、これにともない弾性部材626も周壁状レール614から上方に離脱して、このあとは腕部621A、621Aが周壁状レール614に当接した状態となり、また前述の通り周壁状レール614の反対側面には弾性部材は配設されていないため、摩擦力も大幅に軽減されてストッパ620を小さい力で容易に摺動(スライド)させることが可能な状態となる。
【0220】
上記のように、ストッパ620と周壁状レール614との間の摩擦力を調節する摩擦力調節機構を設けるようにすれば、摩擦力を大とすることによりストッパ620の変移した様態(周壁状レール614上の位置)を確実に維持することができ、一方、摩擦力を小とすることによりストッパ620をより容易に元の位置に戻すことができる。
【0221】
さらにこの場合、例えば図54に示すように、ストッパ620を元の位置に復帰させる方向に付勢する付勢手段を設けるようにしてもよい。同図に示す例では、周壁状レール614に沿ってコイルバネ627が敷設されており、ストッパ620を右側から左方に(即ち反時計回り方向に)付勢している。これにより、ストッパ620をさらに容易に元の位置に戻すことができる。
【0222】
(2)また、操作量標示手段としては、レールの上をスライド移動する前記ストッパ610、620のように所定の構造物が移動することにより様態が変移するもの以外にも、例えば図55および図56に示すように、所定の電気的表示装置による表示内容が変容することにより様態が変移するもの等であってもよい。
【0223】
同図に示す例においては、下皿ユニット13の前面において、操作ハンドル18Bの上方にやや距離をおいた位置に操作量表示部628が設けられている。一方、操作ハンドル18Bのダイヤル18Dの周囲には、操作量を示す目盛629が付されている。同図に示すようにダイヤル18Dが初期位置にある時点で最も左に位置する指掛突起(第1指掛突起)18D1の先端には径方向の短小な線状のマーク630が付され、ダイヤル18Dが初期位置にあるときにこのマーク630がちょうど「0」の位置にくるように目盛629が設定されており、この時点で操作量表示部628には「0」と表示されるようになっている。また、前記発射制御装置312は、可変抵抗器の抵抗値に対応する値を操作量として記憶する記憶手段を備え、この記憶値(操作量)に対応する表示を操作量表示部628で行うように制御する。
【0224】
図56(a)に示すように、上記ダイヤル18Dを時計回り方向に回すと、マーク630が指す目盛629に対応して操作量表示部628の表示内容が変容していく。例えば同図に示す「4」の位置が最適位置で、この最適位置で遊技を中断する場合には、操作ハンドル18Bから手を放すと、図56(b)に示すように、ダイヤル18Dがコイルバネの付勢力により反時計回り方向に回転して初期位置に復帰するが、このとき、操作量表示部628の表示内容はダイヤル18Dの反時計回り方向の回転には連動せず、引き続き最適位置を表す「4」に留まる。
【0225】
遊技を再開する際には、ストップボタン18Sを押しながらダイヤル18Dを再び初期位置から時計回り方向に回す。このとき、操作量表示部628の表示内容が最適位置を表す「4」に留まっているので、これを目安としてダイヤル18Dを目盛629の「4」の位置まで回すようにすれば、ダイヤル18Dを再び最適位置に合わせることができる。この状態で、ストップボタン18Sから指を放すと、再び最適位置で遊技球の発射が開始され、したがって、無駄球を出すことなく最適位置から遊技を再開できることとなる。
【0226】
この後、遊技を終了する際には、操作量表示部628の表示内容が最適位置を表すものに留まっているが、所定時間(例えば60秒、120秒、180秒等の任意の設定時間)経過すると表示内容が「0」に戻るように設定されており、今回の遊技における最適位置がどこであったかがこれ以降は知ることができないようになっている。ここで、もし上記所定時間経過後に、同一の遊技者が遊技を再開しようとした場合でも、遊技を中断するまでは操作量表示部628に最適位置を表す表示内容が数字で(デジタルに)表示されていたため、この表示が上記所定時間の間だけなされていれば、遊技者にとってこの表示内容を記憶しておくのは十分に容易であり、したがって上記所定時間経過後に表示内容が「0」に戻っても、同一の遊技者が遊技を再開する上では殆ど支障はない。一方、本実施形態においては、操作量表示部628の表示内容をリセットするリセットスイッチ(図示せず)が設けられており、上記所定時間内であっても、このリセットスイッチを操作して操作量表示部628の表示内容を「0」に戻しておく(即ちリセットする)ことにより、最適位置が次の遊技者に利用されることをより確実に防止することができるようになっている。
【0227】
本実施形態においては、操作量表示部628および目盛629で操作量が「0」ないし「5」の5段階で表される構成となっているが、もちろん操作量表示部628を、例えば小数点以下まで表示する等のように、より小刻みに表示し得る構成としてもよく、さらには、目盛629もスペースの許す限りより小刻みに付すようにしてもよい。
【0228】
本実施形態の場合、操作量表示部628は電気的表示装置により操作量を表示するものとなっているので、操作位置固定手段としては機能せず、専ら操作量標示手段として有用なものとなっている。
【0229】
(3)また、前記実施形態においては、円環状の部材であるダイヤル602が可動部となっており、該ダイヤル602の前側にはキャップ619が固定されていたが、例えば、前側のキャップを回転可能に軸支して可動部とし、該キャップの後側に配置される円環状の部材を基軸部に固定するか、あるいは円環状の部材は省略してキャップを直接的に基軸部に回転可能に軸支するようにしてもよい(図示せず)。この構成においては、円環状の部材を設ける場合でも、この円環状の部材は固定されるためダイヤルではなく、キャップのほうがダイヤルとなる。
【0230】
(4)また、前記実施形態においては、ストッパ610が左端の位置から上端よりやや右寄りの位置までの間を往復し得る構成となっていたが、例えばこれとは反対側すなわち右端の位置から下端よりやや左寄りの位置までの間を往復し得る構成としてもよく、あるいは、上記両側の位置にそれぞれストッパを往復動可能に配置するようにしてもよい(図示せず)。遊技者によっては、手を持ち上げた状態に維持しながら操作ハンドルの操作を続けると疲れやすいため、例えば操作ハンドルの下方に適宜な支えを置いてこの上に手を載せ、操作ハンドルを下方から把持して操作することもあり、この場合、上記のようにストッパを操作ハンドルの下側に設けることにより、下方からの操作に対応することができる。
また、前記実施形態においては、ストッパ610がダイヤル602の第1指掛突起602P1に対応して配置されていたが、3箇所の指掛突起602Pのうち、任意の1またはそれ以上の指掛突起602Pに対応して配置するようにしてもよい。さらにまた、ダイヤルにおいては、指掛突起が手指を掛止させて把持するための掛止部となっているため、特に操作位置固定手段として機能させる上では、ストッパは指掛突起に対応して配置することが操作性の点で通常は望ましいが、ダイヤルはどの部位で把持することも可能ではあるので、指掛突起以外の任意の部位に対応してストッパが配置されていてもよい。特に、操作量標示手段としての機能に限ってみれば、ストッパはダイヤルのいずれの部位に対応して配置されていても同等に機能することができる。
【0231】
(5)また、前記実施形態においては、ストッパ610がダイヤル602の後側に配置されていたが、ストッパをダイヤルの前側に配置するようにしてもよい。例えば、キャップの周縁部にレールを形成し、このレールにストッパをスライド可能に支持するようにすればよい。ただし、ストッパに抵触することなくダイヤルのみを回すことや、ダイヤルを最適位置に合わせた後になってはじめてストッパに指をかけるようにすることがより容易となるようにする上では、前記実施形態におけるようにストッパ610をダイヤル602の後側に配置するほうが望ましい。
【0232】
(6)また、前記実施形態においては、ダイヤル602が掛止部として周縁部に指掛突起602Pを有する構成となっていたが、例えば、掛止部として周縁部に1または複数の凹部を設けた構成、周縁部にゴム状弾性材等よりなる滑り止めを設けた構成等も可能である。
さらには、可動部として、前記実施形態におけるダイヤル602のように回転可能に構成された環状の部材以外にも、例えば支点を中心に回動するレバーや、スライド動作するもの等であってもよい。
【0233】
(7)また、以上の実施形態においては、操作手段が、遊技球の発射強度を調節することにより遊技内容を変化させる遊技球発射ハンドル18であり、操作量標示手段が、遊技球発射ハンドル18に連動して様態が変移することにより操作量を示すストッパ610、620ないし操作量表示部628となっていたが、これと同様の操作手段および操作量標示手段(ないし操作位置固定手段)の構成は、例えば図57に示すように、遊技領域内に遊技球を流下させることによる遊技以外の所定の遊技における遊技内容を変化させるための操作手段に適用することもできる。同図に示す例は、入賞に基づく遊技者参加型のゲームに上記操作手段および操作量標示手段の構成を適用したものである。この例においては、入賞に基づいてゲームが開始され、表示装置42Bに弓を表す図柄D11が表示されて、操作ハンドル631を回すと、その操作量に応じて、弓D11の弦が引っ張られて矢を表す図柄D12が的を表す図柄D13をめがけて飛んでいき、これによりゲームの当たり外れが決定されるようになっている。操作手段である上記操作ハンドル631は、前記実施形態における遊技球発射ハンドル18と同様の構成を有し、操作量標示手段(ないし操作位置固定手段)として、前記実施形態におけるストッパ610と同様のストッパ632を備えるものとなっている。
なお、上記表示装置42Bは専らこのゲームの図柄を表示するものとなっているが、例えば、このようなゲーム専用の表示装置を設けず、前記装飾図柄表示装置42でこのゲームの図柄を表示するようにしてもよい。
【0234】
(8)また、前記実施形態においては、ストッパ610がダイヤル602の押圧面602Tに押圧され、ダイヤル602に引き摺られるようにして鍔状レール613および周壁状レール614の上を摺動(スライド)することによりダイヤル602に連動する構成となっていたが、例えば、ストッパを電気的制御によりモータ等で駆動してダイヤルに連動させる構成としてもよい。この場合、遊技終了時にダイヤルを初期位置に戻した際に、タッチセンサ等によりダイヤルの非接触状態を検出してから所定時間(例えば60秒、120秒、180秒等の任意の設定時間)経過後にストッパを元の位置に戻すよう駆動したり、ダイヤルの初期位置側への移動を検出してストッパを元の位置に戻すよう駆動したりしてもよい。またこの場合、上記所定時間をより長い時間(例えば5分、10分等の任意の設定時間)に延長するための延長ボタンを設け、遊技を中断する際にこの延長ボタンを押すことにより、例えば数分程度の中断の後でも、最適位置にあったときのダイヤル602における第1指掛突起602P1の近傍にストッパが保持されるようにして操作量標示手段(即ち遊技再開時の目安)として機能することができるようにしてもよい。
換言すれば、ストッパは、操作量標示手段として機能するためには、ダイヤル(可動部)が初期位置に復帰した後も、一定時間の間は、最適位置にあったときのダイヤル602における第1指掛突起602P1の近傍に留まり、変移した様態(当該位置)を維持して目安となっていることが必要であるが、それ以降には、必ず元の位置に戻り、次の遊技者に目安として利用されないように構成されていることが望ましい。
【0235】
(9)また、以上の実施形態においては、操作量標示手段すなわちストッパ610や操作量表示部628が、遊技中断後に最適位置における様態が維持されるように構成されていたが、最適位置における様態だけでなく、これ以外の位置における様態も併せて、複数の位置における様態が維持される構成としてもよい。例えば、最適位置用の第1のストッパないし操作量表示部と、これ以外の位置用の第2のストッパないし操作量表示部とを設けるようにしてもよい。
【0236】
(10)また、例えば図58および図59に示すように、ストッパをさらに容易に元の位置に戻し得る構成としてもよい。図58はこのようなストッパの一例を示す斜視図、図59はその分解斜視図である。
【0237】
同図に示すストッパ633は、レバー部材634の構成を除けば、前記図51ないし図53に示す実施形態のストッパ620と全く同様の構成となっており、このため、前記と同様の部材ないし部位には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0238】
本実施形態のストッパ633におけるレバー部材634は、前記実施形態のストッパ620におけるレバー部材623よりも長く形成され、先端部がダイヤル602の周面上に重なりながら前方に延出して、その先端がダイヤル602の前側端縁の位置まで達するようになっている。なお、該レバー部材634の基部には、前記実施形態のレバー部材623における切欠623Cと同様の切欠634Cが形成されている。
【0239】
本実施形態のストッパ633は、ダイヤル602が初期位置から操作位置へ時計回り方向に回動する際には、前記実施形態の場合と全く同様に、ダイヤル602に引き摺られるようにして摺動(スライド)することによりダイヤル602に連動するが、一方、ダイヤル602が操作位置から初期位置へ復帰するよう反時計回り方向に回動する際には、前記実施形態の場合とは異なって、レバー部材634を別操作により操作しなくても、該レバー部材634がダイヤル602における指掛突起602Pの指掛面602Eに当接して左方に押圧される。これにより、前記実施形態のストッパ620の場合と同様に摩擦力調節機構が機能して摩擦力が大幅に軽減され、ストッパ633が小さい力で容易に摺動(スライド)させることが可能な状態となる。この状態で、レバー部材634がダイヤル602における指掛突起602Pにより引き続き左方に押圧されることにより、ストッパ633がダイヤル602に連動して摺動(スライド)し元の位置へ復帰することとなる。
【0240】
本実施形態のストッパ633によれば、ダイヤル602が、操作位置から初期位置へ復帰する途上で、摩擦力調節機構を構成するレバー部材634に当接してストッパ633と周壁状レール614との間の摩擦力を小とするように操作するとともにストッパ633を元の位置に復帰する方向に押圧して駆動するので、ダイヤル602の復帰動作によって摩擦力調節機構の操作およびストッパ633の駆動が同時になされることとなり、したがって、ストッパ633をより効率的かつ容易に元の位置に復帰させることができる。
【0241】
ただし、本実施形態のストッパ633の場合、ダイヤル602が初期位置へ復帰すると、これに連動してストッパ633が元の位置に復帰する構成となっているので、操作量標示手段としては機能せず、専ら操作位置固定手段として有用なものとなっている。
【0242】
なお、本実施形態のストッパ633においては、前記図51ないし図53に示す実施形態のストッパ620の場合と同様に、例えば図54に示すような、ストッパを元の位置に復帰させる方向に付勢する付勢手段を設けるようにすると、ストッパ633をさらに容易に元の位置に戻すことができる。
【0243】
(11)また、以上の実施形態で例示したストッパ610、620、633はいずれも、ダイヤル602が初期位置から操作位置へ移動するのに連動して該ダイヤル602の第1指掛突起602P1の近傍まで移動する構成となっていたが、ダイヤル(可動部)に連動せず別操作により手動ないしモータ等の駆動手段で駆動して移動するストッパ(操作量標示手段ないし操作位置固定手段)としてもよく、これによれば、ストッパを操作する手間が増えるものの、例えばストッパを必要時(遊技を中断するとき、手に疲労を感じたとき等)にのみダイヤル602の第1指掛突起602P1の近傍まで移動するようにして、不要時には徒に最適位置の目安を残すことができるだけないようにするといった使用方法も可能である。またこれと同様に、例えば前記図55および図56に示すような電気的表示装置による操作量標示手段とする場合にも、ダイヤル(可動部)に連動せず例えばスイッチを押す等の別操作により表示を行う構成としてもよい。
【0244】
(12)また、操作位置固定手段としては、ダイヤル(可動部)の移動範囲に対応する範囲内を移動する前記ストッパ610、620、633のようなもの以外にも、例えば図60に示すように、所定の位置に不動に固定されたものとしてもよい。同図に示す例においては、ダイヤル635の後側に、該ダイヤル635の周縁に沿って複数の指止突起636が並ぶように形成されている。この例においては、ダイヤル635を最適位置に合わせた状態で、該ダイヤル635における第1指掛突起635P1の近傍に位置する指止突起636の間に指を差し入れるようにすることにより、ダイヤル635を指を介して指止突起636に掛止することができる。この場合、指止突起636が固定されていて動かすことができなくても、指のかけ方(位置、角度等)により微調整しながらダイヤル635の操作位置に対応することは容易である。換言すれば、ダイヤル(可動部)を最適位置で把持した状態で、操作位置固定手段が指をかけることが可能な近傍の位置にあれば、操作位置固定手段として所要の機能を果たすことができるともいうことができる。ただし、操作位置固定手段自体を任意の操作位置に対応させ得るようにする上では、前記実施形態におけるストッパ610、620、633のように操作位置固定手段を可動とするほうが有利である。
【0245】
また本実施形態の場合、指止突起636は所定の位置に不動に固定されているので、目盛のようなものとしては機能し得るものの、操作量標示手段としては機能せず、専ら操作位置固定手段として有用なものとなっている。
【0246】
(13)また、例えば、前記実施形態におけるダイヤル602の指掛面(作用面)602Eおよびストッパ610の指置面(支承面)610Eの少なくとも一方にさらに突起等の構造物やゴム弾性材等の滑り止めを設け、これにより指などをさらに安定に支持し得るようにしてもよい。
【0247】
(14)また、前記実施形態においては、パチンコ機10が例示されていたが、遊技機としては、パチンコ機以外にも、スロット機、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機も例示される。
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【産業上の利用可能性】
【0248】
本発明は、操作ハンドル等の操作手段を備える遊技機であれば広汎に実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0249】
【図1】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の正面図である。
【図2】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の右側面図である。
【図3】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の平面図である。
【図4】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の外枠に対して内枠、前面枠、セット板を夫々開いた状態を示す斜視図である。
【図5】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図6】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の背面図である。
【図7】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の外枠から内枠を開き、内枠からセット板を開いた背面の斜視図である。
【図8】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の斜視図である。
【図9】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の第1基板ケースを連結取付台座部材から外した状態の斜視図である。
【図10】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の第1基板ケースを連結取付台座部材ごと外した状態の右側面図である。
【図11】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の第1基板ケースを連結取付台座部材から外し、連結取付台座部材を開放した状態の斜視図である。
【図12】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の第1基板ケースおよび連結取付台座部材をそれぞれ外した状態の斜視図である。
【図13】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の第1基板ケースを開放した状態の斜視図である。
【図14】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の第1基板ケースを外し、カバー部材を開放した状態の斜視図である。
【図15】破断ネジの一例を示す正面図である。
【図16】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の第1基板ケース、連結取付台座部材、カバー部材および球集合板を外して分解した状態の斜視図である。
【図17】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の第1基板ケースおよび連結取付台座部材を外して分解した状態の斜視図である。
【図18】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の第1基板ケースに連結台座部材を取り付けた状態の斜視図である。
【図19】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤から球集合板、開閉機構、連結取付台座部材を取り付けた第1基板ケースを分離した状態の分解斜視図である。
【図20】カバー部材の封止構造を示す拡大図である。
【図21】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の第1基板ケースを連結取付台座部材ごと外し、さらにカバー部材ごと球集合板を外した状態の斜視図である。
【図22】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の第1基板ケースおよびカバー部材を取り付けた球集合板を外した状態の斜視図である。
【図23】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面の斜視図である。
【図24】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の遊技盤の裏面に、別の実施態様にかかるカバー部材を設け、第1基板ケースおよび連結取付台座部材をそれぞれ外し、カバー部材を開放した状態の斜視図である。
【図25】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の正面図である。
【図26】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の背面図である。
【図27】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の平面図である。
【図28】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の底面図である。
【図29】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の右側面図である。
【図30】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の左側面図である。
【図31】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の左前側からみた斜視図である。
【図32】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の右前側からみた斜視図である。
【図33】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の右後側からみた斜視図である。
【図34】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の左後側からみた斜視図である。
【図35】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)における基軸部の正面図である。
【図36】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)における基軸部の背面図である。
【図37】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)における基軸部の平面図である。
【図38】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)における基軸部の底面図である。
【図39】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)における基軸部の右側面図である。
【図40】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)における基軸部の左側面図である。
【図41】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)における基軸部の左前側からみた斜視図である。
【図42】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)における基軸部の右前側からみた斜視図である。
【図43】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の左前側からみた分解斜視図である。
【図44】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の左後側からみた分解斜視図である。
【図45】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)におけるダイヤル(可動部)およびキャップの右後側からみた斜視図である。
【図46】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)におけるストッパ(操作量標示手段/操作位置固定手段)の取付状況を示す部分正面図である。
【図47】図46のA−A線部断面図である。
【図48】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の操作方法の一例(遊技開始段階)を示す図である。
【図49】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の操作方法の一例(遊技中および遊技中断段階)を示す図である。
【図50】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)の操作方法の一例(遊技再開段階)を示す図である。
【図51】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)におけるストッパ(操作量標示手段/操作位置固定手段)の他の例を示す斜視図である。
【図52】図51のストッパ(操作量標示手段/操作位置固定手段)の分解斜視図である。
【図53】図51のストッパ(操作量標示手段/操作位置固定手段)の作用を説明する模式図である。
【図54】図51のストッパ(操作量標示手段/操作位置固定手段)に付勢手段を設けた例を示す模式図である。
【図55】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)に、他の実施形態にかかる操作量標示手段を設けた状況を示す正面図である。
【図56】図55の操作ハンドル(操作手段)の操作状況を示す正面図である。
【図57】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)を、遊技球発射ハンドル以外の操作手段として適用した例を示す模式図である。
【図58】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)におけるストッパ(操作位置固定手段)の他の例を示す斜視図である。
【図59】図58のストッパ(操作位置固定手段)の分解斜視図である。
【図60】本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ機の操作ハンドル(操作手段)に、他の実施形態にかかる操作位置固定手段を設けた状況を示す正面図である。
【符号の説明】
【0250】
18:操作ハンドル(操作手段)
602:ダイヤル(可動部)
602P1:第1指掛突起(所定の部位)
610:ストッパ(操作位置固定手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者により操作され、その操作量に応じて遊技内容を変化させるための操作手段を備え、該操作手段は、遊技者の操作により初期位置と操作位置との間を移動し得る可動部と、該可動部を初期位置側へ付勢する付勢手段とを有する遊技機であって、
前記可動部が操作位置にあるときに該可動部における所定の部位の近傍に位置し、前記付勢手段による付勢力に抗して前記可動部を操作する力を軽減するために用いることが可能な操作位置固定手段を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記操作位置固定手段が、前記可動部の移動方向に沿って移動し得るとともに、その移動方向における初期位置側へ向けて前記付勢手段による付勢力と実質的に同等の力を加えられても動かず同位置に留まるものとなっていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記可動部が初期位置から操作位置へ移動する場合に、前記操作位置固定手段が該可動部における所定の部位に追従して移動することを特徴とする請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記操作手段は、
前記可動部の移動方向を規制する第1規制部と、
前記操作位置固定手段の移動方向を規制する第2規制部と、
前記操作位置固定手段に設けられ、前記移動方向と交差する方向において前記第2規制部と接触する部位を有する基部と、
前記基部から前記交差方向に延出する部位に設けられ、操作位置側に向いた支承面と、
前記可動部に設けられ、前記可動部が初期位置から操作位置へ向けて移動することに応じて前記基部を押圧する押圧面とを有することを特徴とする請求項3記載の遊技機。
【請求項1】
遊技者により操作され、その操作量に応じて遊技内容を変化させるための操作手段を備え、該操作手段は、遊技者の操作により初期位置と操作位置との間を移動し得る可動部と、該可動部を初期位置側へ付勢する付勢手段とを有する遊技機であって、
前記可動部が操作位置にあるときに該可動部における所定の部位の近傍に位置し、前記付勢手段による付勢力に抗して前記可動部を操作する力を軽減するために用いることが可能な操作位置固定手段を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記操作位置固定手段が、前記可動部の移動方向に沿って移動し得るとともに、その移動方向における初期位置側へ向けて前記付勢手段による付勢力と実質的に同等の力を加えられても動かず同位置に留まるものとなっていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記可動部が初期位置から操作位置へ移動する場合に、前記操作位置固定手段が該可動部における所定の部位に追従して移動することを特徴とする請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記操作手段は、
前記可動部の移動方向を規制する第1規制部と、
前記操作位置固定手段の移動方向を規制する第2規制部と、
前記操作位置固定手段に設けられ、前記移動方向と交差する方向において前記第2規制部と接触する部位を有する基部と、
前記基部から前記交差方向に延出する部位に設けられ、操作位置側に向いた支承面と、
前記可動部に設けられ、前記可動部が初期位置から操作位置へ向けて移動することに応じて前記基部を押圧する押圧面とを有することを特徴とする請求項3記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【公開番号】特開2010−99302(P2010−99302A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−274006(P2008−274006)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
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