説明

遊技機

【課題】待ち状態遊技の趣向性を高め、演出図柄の変動表示時間が短縮されても、遊技者が得る興趣の低下を防止する。
【解決手段】賞球制御装置31のマイコンによる第2デモ指示処理は、カード挿入口72にカードを挿入したことに基づいて、第1デモ表示とは相違する第2デモ表示を行う処理であり、第1デモ表示は、遊技機のモチーフを示すデータとなっているキャラクタを表示するように構成してあるが、第2デモ表示は、遊技に関する注意事項データを表示し、賞球制御装置31から受信するBRQ信号がHレベルからLレベルに立ち下げたか否かを検出し(S200)、肯定判定の後、第2デモ用タイマをゼロに設定し(S210)、第2デモ用タイマの計時を開始し(S220)、一方、賞球制御装置31から受信するBRQ信号がLレベルからHレベルに立ち上げたか否かを検出し(S240)、第2デモ表示信号を演出図柄制御装置32に送信する(S250)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤に遊技球を発射して遊技が行われる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、客待ち状態の遊技機に客待ちデモンストレーション演出(以下、デモ演出と略する。)を行わせるのが一般的である(特許文献1参照)。
この客待ちデモ演出は、特別図柄始動口への入賞が一定期間ないこと、遊技球の発射が一定期間ないこと、遊技機の前に遊技者が座ったこと、などにより開始し、客待ちデモ演出の内容としては、モチーフとなっているキャラクタを使用した演出表示、遊技方法の説明、遊技機に設けられたランプ類の発光やスピーカからの音出力などを行うように構成する。
【0003】
また、大半の遊技機にはプリペイドカードユニット(以下、CRユニットという)を接続し、有効残高のあるカードを挿入した後に貸出操作をすることで、遊戯施設から遊技球を借り、その遊技球を用いて遊技を行うように構成している。
【0004】
また、遊技機の座席に設ける着座センサや前に遊技機の前に遊技者が居るか否かを検出する赤外線センサ等を設けるなどして遊技者の有無を検出し、遊技の説明などをデモ表示行う遊技機の発明もある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特願平06−339526
【特許文献2】特願2002−182822
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、赤外線センサを用いた場合、着座している人の体格に差があること(上下の差)や姿勢が一定でないこと(左右の差)、弾球遊技機から座席までの距離が遊技施設によって差があること(焦点距離の差)等により、正確な検出ができないという問題があった。
また、仮に正確な検出ができたとしても、遊技機の前に遊技者が居るか居ないかの検出しかできず、遊技者が遊技をする意思があるか、単に座っているだけなのかに関する判断はできない。
【0007】
上記点に鑑み、本発明は、複数のデモ演出を備えるように構成し、CRユニットへのカード挿入に起因して通常のデモ演出とは異なる第2デモ演出を表示可能とし、好適な表示をすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の遊技機は、遊技を司る主制御装置と、該主制御装置及びカードユニットと双方向に通信可能な賞球制御装置と、表示装置を制御するサブ制御装置と、を備えた遊技機において、前記主制御装置は、遊技盤面上に設けられた特定の検出スイッチによって、遊技球の入球が所定時間検出されないことに基づいて、客待ち演出を示す第1デモンストレーション表示を指示する第1表示指示データを発生する第1デモ制御手段を有し、前記賞球制御装置は、前記カードユニットへのカードの挿入に基づいて、前記第1デモンストレーション表示とは画面構成が相違する第2デモンストレーション表示を指示する第2表示指示データを発生する第2デモ制御手段を有し、前記第1デモ制御手段により発生した第1表示指示データは、前記主制御装置から前記サブ制御装置へと送信する構成とし、前記第2デモ制御手段により発生した第2表示指示データは、前記賞球制御装置から前記サブ制御装置へと送信する構成としたことを特徴とする。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記第2デモ制御手段により発生した第2表示指示データは、前記賞球制御装置から前記主制御装置を介して前記サブ制御装置へと送信することを特徴とする。
【0009】
請求項3の遊技機は、請求項1又は2記載の遊技機において、前記第1デモンストレーション表示は、メインキャラクタデータを表示するように構成し、前記第2デモンストレーション表示は、遊技に関する注意事項データを表示するよう構成することを特徴とする。ここでメインキャラクタデータは遊技機の主題となるキャラクタを示す画像データである。例えば、機種名が「CR桃太郎」の場合で、メインキャラクタとして、画面上に桃太郎の図柄を表示する。機種名が「キックの鬼」の場合、メインキャラクタとして、キックボクサーの図柄を画面上に表示する。注意事項データは、例えば「18歳未満の方の遊技は法令により禁止されておりますのでご遠慮ください。」、「不正行為にあたる遊技者の行動」、「遊技中の演出には激しい点滅等が含まれており、体調を崩す恐れがあります。」などの表示データである。
【0010】
請求項4の遊技機は、請求項3記載の遊技機において、前記注意事項データを表示する際に、遊技を行うことを承諾するか否かを選択する選択データを前記表示装置上に表示し、該選択データの承認データに球貸しを要求するための球貸しスイッチを対応させ、前記球貸しスイッチが押下されることに基づいて、遊技者が遊技を行うことを承諾したと判断する第1判定データを発生することを特徴とする。
請求項5の遊技機は、請求項4記載の遊技機において、前記注意事項データの表示中には、前記球貸しスイッチが押下されることによる球貸しを実行しないことを特徴とする。
請求項6の遊技機は、請求項3乃至5記載の遊技機において、前記注意事項データを表示する際に、遊技を行うことを承諾するか否かを選択する選択データを前記表示装置上に表示し、該選択データの非承認データに前記カードの排出を要求するための精算スイッチを対応させ、前記精算スイッチが押下されることに基づいて、遊技者が遊技を行うことを承諾しないと判断する第2判定データを発生することを特徴とする。
判定データの例として承諾フラグがあり、承諾されれば1、承諾されなければ0とすることが挙げられる。
【0011】
請求項7の遊技機は、請求項4乃至6記載の遊技機において、前記第1判定データが発生する場合、通常画面の表示を指示する第3表示指示データを発生することを特徴とする。
【0012】
請求項8の遊技機は、請求項6又は7記載の遊技機において、前記第2判定データが発生する場合、前記第1表示指示データを発生することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、CRユニットへのカード挿入とデモ演出と関連させ、通常のデモ演出とは異なるデモ演出を表示することで、好適な表示を行う。即ち、CRユニットへのカード挿入を遊技者が遊技を行う意思と捉え、客待ちデモ演出として行っている第1デモ表示とは異なる第2デモ表示を行うように構成することができる。遊技を行おうとする遊技者に対して伝えるべきこと(遊技方法の説明や注意事項)を第2デモ表示として画面上で遊技者に示すことで、製造者責任を果たすことが可能となる。また、CRユニットへのカード挿入がない場合には遊技する意思がないと判断されるため、第2デモ表示ではなく、第1デモ表示又は通常画面を表示しているので、遊技者の興味を損なわない。また、第2表示指示データは、賞球制御装置から主制御装置を介してサブ制御装置へと送信する構成としても、賞球制御装置からサブ制御装置に直接送信する構成としても問題ない。
請求項2の発明によれば、賞球制御装置からの第2表示指示データは、主制御装置を介してサブ制御装置に送信される構成としたので、主制御装置でも第2デモ表示の有無を判断することが可能となる。
【0014】
請求項3の発明によれば、遊技に関する注意事項データは、法律又は法令に触れる行為の説明や体調を崩す恐れがあることの説明を画面上に表示することで、製造者責任を果たすことが可能となる。
【0015】
請求項4及び6の発明によれば、第2デモ表示で表示された内容を承諾した上で遊技をするか否かを遊技者に選択させるように構成したことで、遊技者の自己責任の範囲を明確にし、問題となる行動を抑制することができる。また、承諾する際に遊技者が行う操作を貸出ボタンとすることで、即座に遊技球を貸し出すことが可能であり、遊技をスムーズに行うことができる。また、承諾しない際に遊技者が行う操作を精算ボタンとすることで、CRユニットからプリぺイドカードが返却され、即座に退席することを可能とする。
請求項5の発明によれば、注意事項データの表示中には、球貸しスイッチが承諾の意思を示すために利用されるため、球貸しスイッチの操作は承諾するか否かを判断することのみに用いられる。
【0016】
請求項7の発明によれば、承諾する意思を示す操作をした際に通常画面を表示することで、遊技が可能となったことを遊技者に報知することが違和感なく行える。また、承諾する意思を示す操作をした際に、即座に通常画面を表示する構成とせず、所定時間第2デモ表示を行うように構成し、第2デモ表示中に遊技が可能となったことを遊技社に報知するように構成しても何ら差し支えない。
【0017】
請求項8の発明によれば、承諾しない意思を示す操作をした際に第1デモ表示を行うことで、第1デモ表示の客待ち効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明実施形態のパチンコ機1の正面図である。
【図2】同実施形態のパチンコ機1の背面図である。
【図3】同パチンコ機1の回路構成を示すブロック図である。
【図4】主制御装置30が行う第1デモ指示処理を示すフローチャートである。
【図5】主制御装置30が行う第2デモ指示処理を示すフローチャートである。
【図6】賞球制御装置31が行う承諾確認処理を示すフローチャートである。
【図7】同サブ統合制御装置34が行うデモ表示処理を示すフローチャートである。
【図8】同サブ統合制御装置34が行うデモ表示中処理を示すフローチャートである。
【図9】同CRユニット7が行う電源投入処理を示すフローチャートである。
【図10】同CRユニット7が行うカード処理を示すフローチャートである。
【図11】(a)は同CRユニット7が行う挿入信号送信処理を示すフローチャート、(b)は同CRユニット7が行う排出信号送信処理を示すフローチャートである。
【図12】(a)は同CRユニット7が行う変形例の挿入信号送信処理を示すフローチャート、(b)は同CRユニット7が行う変形例の排出信号送信処理を示すフローチャートである。
【図13】同演出図柄表示装置13の通常画面の表示と第1デモ表示の例示を示す説明図である。
【図14】同演出図柄表示装置13が行う第2デモ表示の例示を示す説明図である。
【図15】同CRユニット7が行う正常な貸し出し処理を示すタイミングチャートである。
【図16】同CRユニット7が行う、第2デモ表示での承諾確認処理及び正常な貸出処理を示すタイミングチャートである。
【図17】同CRユニット7が行うカード挿入時の正常な処理を示すタイミングチャートである。
【図18】同CRユニット7が行うカード排出時の正常な処理を示すタイミングチャートである。
【図19】同CRユニット7が行う変形例のカード挿入時の正常な処理を示すタイミングチャートである。
【図20】同CRユニット7が行う変形例のカード排出時の正常な処理を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。
≪パチンコ機の機械構成≫
図1に示す通り、パチンコ機1は、大きくは長方形の外枠2と前面枠3とからなり、外枠2の左隣にCRユニット(プリペイドカードユニット)7を設ける。前面枠3は、左端上下のヒンジにより外枠2に対し回動可能に取り付ける。前面枠3の下方には球貯留部を備えた上皿4を設け、賞球或いは貸球のための図示しない排出口と球抜き釦とを備える。上皿4と下皿5とは連結し、上皿4が遊技球で満杯状態になれば下皿5に遊技球を誘導するよう構成する。
【0020】
下皿5の右側には発射ハンドル6を取り付ける。この発射ハンドル6は、回動リング6aと発射停止スイッチ56(図3参照)を備える。外枠2の左側に、カードが挿入状態であると点灯し、カードが非挿入状態であると消灯するカード挿入ランプ70と、カードの利用可否を表示するカード利用可ランプ71と、カードを挿脱するカード挿入口72と、を有するCRユニット7を備える。前面枠3の適宜な位置に、遊技に関し押し下げ操作を行う遊技ボタン8を備える。
【0021】
図1を用いて遊技盤9について説明する。遊技盤9の外形はほぼ矩形で、その前面には外レール(図示略)と内レール11とによって囲まれた略円形の遊技領域12を形成する。回動リング6aに手が触れることを条件に、回動リング6aを時計方向に回動すると、遊技球を遊技盤9上に発射する。なお、図示されていない遊技釘を遊技領域12の各所に植設する。
【0022】
遊技盤9には、遊技領域12の中央部に、液晶表示部としてのLCDパネルユニット29を有する演出図柄表示装置13、1桁の特別図柄を表示するLEDから構成する特別図柄表示装置14、普通図柄を表示するLEDを備える普通図柄表示装置15、複数のLEDを備える特別図柄保留表示器16、複数のLEDを備えた普通図柄保留表示器17、装飾部18等を有する中央役物20を配置する。普通図柄始動ゲート19を中央役物20の左右に設ける。普通図柄始動ゲート19への遊技球の通過により普通図柄表示装置15が変動停止する。中央役物20の下部には普通電動役物から構成する図柄始動口21を設ける。特別図柄表示装置14は1桁の特別図柄を変動停止表示する。演出図柄表示装置13は、遊技者に大当たり遊技状態に移行するかを報知する為の「0」〜「9」の3桁の演出用の演出図柄が変動停止表示する。図柄始動口21に1個の遊技球が入賞することにより、遊技者に4個の遊技球を付与する。
【0023】
図柄始動口21の下方に大入賞口22を設ける。大入賞口22の内部に特定領域23を設ける。大入賞口22は蓋部材24によって開閉し、蓋部材24が閉じた状態では、大入賞口22の前面を遊技球が通過する。一方、蓋部材24が開いた状態(図1に示す状態)では、蓋部材24は大入賞口22の下端にて遊技盤9面上から突出し、遊技球が蓋部材24によって大入賞口22内に取り込まれる。本実施形態では、大入賞口22に遊技球が1個入球すると、遊技者に15個の賞球を排出する構成とする。
【0024】
特別図柄表示装置14には、図柄始動口21の入球に基づいて、「0」〜「9」又は7セグメントLEDで表示可能な記号(大文字又は小文字のアルファベット等の文字も含む)の1桁の特別図柄が変動表示し、特別図柄の変動表示に同期して演出用の演出図柄も変動表示する。また、特別図柄の表示結果(大当たりとなるか否か、又はその種類)に対応して演出用の演出図柄が演出図柄表示装置13に確定表示する。例えば、特別図柄表示装置14上にて特別図柄が大当たりの表示態様で確定表示されると、演出図柄表示装置13にて演出用の演出図柄を大当たりの表示態様で確定表示する。遊技者は、主に演出図柄表示装置13にて表示される演出図柄の表示態様を視認することで、大当たり遊技状態に移行するか否かを認識する。遊技領域12のうち内レール11に沿い一般入賞口25を配し、内レール11の最下部に対応する部分には、アウト穴26を開口させる。
【0025】
図1に示す通り、上皿4に、貸し球の貸与を求めるための球貸ボタン27と、遊技を精算する精算ボタン28と、CRの貸し出し状況を表示するCR精算表示器52を備える。
【0026】
≪電気回路の構成≫
パチンコ機1の電気回路を図3のブロック図を用いて説明する。パチンコ機1の電気回路は、図示する通り、主制御装置30、賞球制御装置31、演出図柄制御装置32、発射制御装置33、サブ統合制御装置34等から構成する。
【0027】
主制御装置30は、遊技制御プログラムを記憶したROM、演算等を行うCPU、演算等の作業領域として働くRAM等を内蔵した8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成し、この他、各基板又は各種スイッチ類及び各種アクチュエータ類との入出力を行うための外部入出力回路も設ける。主制御装置30の入力側に、特別図柄始動スイッチ35、普通図柄始動スイッチ36、一般入賞口スイッチ37、カウントスイッチ38、Vスイッチ39等を接続する。主制御装置30の出力側には、大入賞口ソレノイド40、普通電役ソレノイド41、特別図柄表示装置14、普通図柄表示装置15、特別図柄保留表示器16、普通図柄保留表示器17、外部接続端子装置42等を接続する。
【0028】
図2に示す通り、パチンコ機1の裏面上部に主制御装置30、演出図柄制御装置32、サブ統合制御装置34が近接配置され、裏面下部に賞球制御装置31、発射制御装置33、電源基板63を配置する。電源基板63は電源中継基板64に接続する。電源中継基板64に電源コード65、CRユニット7に電源コード66が接続する。
【0029】
特別図柄始動スイッチ35は図柄始動口21内、普通図柄始動スイッチ36は普通図柄始動ゲート19内、一般入賞口スイッチ37は一般入賞口25内、カウントスイッチ38は大入賞口22内、Vスイッチ39は特定領域23内、各々取り付ける。
【0030】
特別図柄始動スイッチ35は図柄始動口21に遊技球が入球したことを、普通図柄始動スイッチ36は普通図柄始動ゲート19を遊技球が通過したことを、一般入賞口スイッチ37は一般入賞口25内に遊技球が入球したことを、カウントスイッチ38は大入賞口22内に入賞する全ての遊技球を、Vスイッチ39は特定領域23を遊技球が通過したことを、各々検出する。
【0031】
主制御装置30の出力側に接続された大入賞口ソレノイド40は大入賞口22内に取り付け、蓋部材24を開閉する。普通電役ソレノイド41は、図柄始動口21内に取り付け、図柄始動口21の羽部部材を開閉する。特別図柄表示装置14は大当たりの当否を示す特別図柄を表示し、普通図柄表示装置15は普通図柄を表示し、普通図柄保留表示器17及び特別図柄保留表示器18はそれぞれ普通図柄の保留数、特別図柄の保留数を表示する。外部接続端子装置42は、主制御装置30から外部にデータを出力する。
【0032】
賞球制御装置31は、出力側に上皿43及び賞球モータ50を接続し、入力側に賞球払い出しスイッチ51を接続する。主制御装置30と賞球制御装置31とは双方向通信可能に接続する。賞球制御装置31とCRユニット7とは双方向通信可能に接続する。CRユニット7とCR精算表示器52は双方向通信可能に接続する。CRユニット7は、球貸ボタン27、精算ボタン28と接続し検出信号を入力する。
【0033】
賞球制御装置31は、主制御装置30からのコマンドに従って賞球モータ50を駆動制御して入賞があった場合に遊技者に賞球としての遊技球を払い出し、CRユニット7を制御する。マイクロコンピュータを用いた論理演算回路として構成しても良いし、ディスクリートな回路として構成しても良い。
【0034】
賞球制御装置31は主制御装置30からのコマンドに従って遊技球を払い出すが、入賞に対応した遊技球が払い出しするか否かの検知は主制御装置30で行う。この遊技球が払い出しするか否かの検知は、主制御装置30及び賞球制御装置31の双方で行っても良い。
【0035】
発射制御装置33は、遊技者が操作する発射ハンドル6の回動量に応じて発射モータ55を駆動制御し、その他、遊技者が発射停止スイッチ56を押下したとき発射を停止させ、発射ハンドル6に内蔵されたタッチスイッチ(図示略)がオン状態のときタッチランプ57を点灯させる。
【0036】
中央役物20は、表示部としての演出図柄表示装置13と、演出図柄表示装置13を駆動制御する演出図柄制御装置32とから構成する。演出図柄表示装置13は、TFT基板、CF基板、画像信号に応じた所定の電圧を印加するコントローラ等からなる液晶パネル、及びバックライト等から構成するLCDパネルユニット29を備える。演出図柄制御装置32は、32ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成する。
【0037】
サブ統合制御装置34は、主制御装置30からのコマンドを受信し、演出図柄制御装置32に詳細コマンドを送り、その詳細コマンドに基づいて演出図柄制御装置32が演出図柄表示装置13を制御する。また、サブ統合制御装置34は賞球及び貸球の払出表示、当たり表示、球不足表示及びエラー表示等を行う各種ランプ60、各種LED61等を点灯報知させ、更に、スピーカ62を駆動制御するものである。遊技ボタン8の検出信号を入力し、演出図柄制御装置32に信号を送信する。
【0038】
発射制御装置33及びサブ統合制御装置34へのコマンドの送信は、主制御装置30からのみ送信する一方向通信の回路で構成する。双方向の通信としても構成できる。
【0039】
≪フローチャートの説明≫
以上説明した回路構成を有するパチンコ機1の主制御装置30、賞球制御装置31、サブ統合制御装置34、CRユニット7内のマイクロコンピュータ(以下、単に「マイコン」と呼ぶ。)が実行する処理を図面に示すフローチャートに従って説明することにする。なお、「ステップ」をSと略記する。
【0040】
図4に示すフローチャートは、主制御装置30のマイコンにより実行される第1デモ指示処理を示す。この第1デモ指示処理は、複数の検出スイッチのうち、所定の検出スイッチ(特別図柄始動スイッチ35、一般入賞口スイッチ37、カウントスイッチ38)によって遊技球の入球が所定時間検出されないことに基づいて、演出図柄制御装置32の通常画面を終了した後に第1デモ表示を行う処理である(図13参照)。
【0041】
処理が開始すると、特別図柄始動スイッチ35がオンとなっているか否か検出する(S100)。S100で否定判定なら一般入賞口スイッチ37がオンとなっているか否か検出する(S110)。S110で否定判定ならカウントスイッチ38がオンとなっているか否か検出する(S120)。S100、S110、又はS120で肯定判定なら第1デモ用タイマをゼロに設定する(S130)。続いて第1デモ用タイマ計時を開始する(S140)。S140又はS120で否定判定の後、第1デモ用タイマが所定値か否かを判定する(S150)。S150の肯定判定の後、第1デモ表示信号を演出図柄制御装置32に送信し(S160)、第1デモ用タイマを初期化し(S170)、処理はリターンに抜ける。S150で否定判定の場合もリターンに抜ける。
【0042】
S160の第1デモ表示信号の送信は主制御装置30からサブ統合制御装置34に直接送信される構成としているが、主制御装置30とサブ統合制御装置34の間に中継基板を配置する方が好適である。特別図柄始動スイッチ35、一般入賞口スイッチ37又はカウントスイッチ38のいずれかの検出によって第1デモ用タイマを初期化するが、他のスイッチ(普通図柄始動スイッチ36など)を加えても良い。カウントスイッチ38は大当たり中にのみ入球が許される位置に配置するため、大当たり開始と同時に第1デモ用タイマを初期化し、大当たり中は計時しないように構成することで、S120の処理を省くこともできる。また、最小限の処理とする場合、特別図柄始動スイッチ35がオンとなっているか否か検出するだけでも良く、S110及びS120の処理を省くこともできる。
【0043】
図5に示すフローチャートは、賞球制御装置31のマイコンにより実行される第2デモ指示処理を示す。この第2デモ指示処理は、カード挿入口72にカードを挿入したことに基づいて、第1デモ表示とは相違する第2デモ表示を行う処理である(図14参照)。第1デモ表示は、遊技機のモチーフを示すデータとなっているキャラクタを演出図柄表示装置13の画面上に表示するように構成し、第2デモ表示は、遊技に関する注意事項データを演出図柄表示装置13の画面上に表示する。
【0044】
ここで、CRユニット7に関する信号を説明しておくと、BRDY信号(処理待ち信号)、BRQ信号(貸球要求信号)は、CRユニット7から賞球制御装置31へと送信する信号、PRDY信号(処理許可信号)、EXS信号(貸出完了信号)は、賞球制御装置31からCRユニット7へと送信する信号である。
【0045】
処理が開始すると、賞球制御装置31から受信するBRQ信号がHレベルからLレベルに立ち下がったか否かを検出する(S200)。S200で肯定判定の後、第2デモ用タイマをゼロに設定し(S210)、第2デモ用タイマの計時を開始する(S220)。S200で否判定又はS220の後、第2デモ用タイマが所定値か否かを判定する(S230)。S230で肯定判定なら賞球制御装置31から受信するBRQ信号がLレベルからHレベルに立ち上がったか否かを検出する(S240)。S240で肯定判定の後、第2デモ表示信号を主制御装置30に送信し(S250)、第2デモ中フラグを1に設定し(S260)、第2デモ用タイマを初期化し(S270)、タイマ計時を開始する(S280)、処理はリターンに抜ける。S230又はS240で否定判定の場合、処理はリターンに抜ける。
【0046】
S250の処理では、賞球制御装置31から主制御装置30に第2デモ表示信号を送信する構成としている。賞球制御装置31からの第2デモ表示信号は、主制御装置30を介してサブ統合制御装置34に送信される構成としたので、主制御装置30が第2デモ表示信号を受信した際に、主制御装置30の処理にサブ統合制御装置34にデータを送信する処理を設ける必要がある。この構成により、主制御装置30でも第2デモ表示の有無を判断することが可能となる。第2デモ処理において、第2デモ表示信号の送信は主制御装置30を介してサブ統合装置サブ統合制御装置34に送信される構成であるが、これに代えて、賞球制御装置31からサブ統合制御装置34に直接送信する構成としても問題ない。
【0047】
図6に示すフローチャートは、賞球制御装置31のマイコンにより実行される承諾確認処理を示す。承諾確認処理は、演出図柄表示装置13上に第2デモ表示(図14参照)で行われる遊技に関する注意事項データを表示する際、遊技を行うことを承諾するか否かを選択する表示を行い、球貸ボタン27が押し下げられると(図14参照)、遊技を行うことを承諾したと判断する承諾フラグを1に設定し、第2デモ表示を終了した後に通常画面の表示を行う通常画面表示信号を発生する。一方、カードの排出を要求するための精算ボタン28が押し下げられると、承諾フラグをゼロに設定し、第2デモ表示を終了した後に第1デモ表示信号を発生する。
【0048】
処理が開始すると、第2デモ中フラグが1か否かを判定する(S300)。S300で肯定判定なら正常な貸し出し要求であるか否かを検出する(S310)。肯定判定なら承諾フラグを1に設定し(S320)、通常画面表示信号を主制御装置30に送信する(S330)。S310で否定判定の場合、又はS330の後、精算ボタン28の押し下げに伴うカードの排出信号を受信したか否かを検出する(S340)。S340の肯定判定の後、承諾フラグをゼロに設定し(S350)、第1デモ表示信号を主制御装置30に送信し(S340)、処理はリターンに抜ける。S340で否定判定のときもリターンに抜ける。
【0049】
ここでも、S330の処理で通常画面表示信号を主制御装置30に、S340の処理で第1デモ表示信号を主制御装置30に、各々送信する構成としている。賞球制御装置31からの通常画面表示信号及び第1デモ表示信号は、主制御装置30を介してサブ統合制御装置34に送信される構成としたので、主制御装置30が通常画面表示信号及び第1デモ表示信号を受信した際に、主制御装置30の処理にサブ統合制御装置34にデータを送信する処理を設ける必要がある。賞球制御装置31が、第2デモ中に球貸ボタン27が操作されたことを示す正常なBRQ信号を受信した場合、賞球制御装置31は受信していながらもこれを無視し(図16参照)、通常画面を表示するための通常画面表示信号を主制御装置30に送信し、主制御装置30がサブ統合制御装置34に送信する。賞球制御装置31は、精算ボタン28が操作されたことを示す排出信号を受信すると、第1デモ表示を行うための第1デモ表示信号を主制御装置30に送信し、主制御装置30がサブ統合制御装置34に送信する。ここでは、球貸ボタン27の押下を単に承諾した意思の確認として利用し、遊技球の貸出を行わないように構成しているが、承諾する意思の確認と同時に遊技球の貸出を行うように構成しても何ら差し支えない。また、精算ボタン28の押下については、単に承諾しない意思の確認として利用し、プリペイドカードの排出を行わないように構成しても良いが、プリペイドカードの挿入が第2デモ表示の契機となっていることを考慮すると、承諾しない意思の確認と同時にプリペイドカードの排出を行うように構成することが好ましい。その場合、精算ボタン28の操作することによりCRユニット7はカードを排出するので、再度、カードをカード挿入口72に挿入した場合にも第2デモ表示を行うことができる。
【0050】
図7に示すフローチャートは、サブ統合制御装置34のマイコンにより実行されるデモ表示処理を示す。デモ表示処理は、第1デモ表示信号及び第2デモ表示信号を主制御装置30から受信し、演出図柄表示装置13に第1デモ表示と第2デモ表示をそれぞれ表示させる。ここでは、第1デモ表示信号及び第2デモ表示信号を主制御装置30から受信しているが、賞球制御装置31から受信するように構成しても良い。その際、第1デモ表示及び第2デモ表示の系統を一元化するためにも、主制御装置30から賞球制御装置31へ各種スイッチでの検出状態を送信する必要性がある。なお、表示起因と関係するスイッチが賞球の払い出されるスイッチだけであれば、賞球の払い出しを指示する信号を代用することも可能となる。
【0051】
処理が開始すると、第1デモ表示信号を受信したか否かを検出する(S400)。S400で肯定判定なら第1デモ表示を行い(S410)、リターンに抜ける。S400で否定判定なら第2デモ表示信号を受信したか否かを検出する(S420)。S420で肯定判定なら第2デモ表示を行い(S430)、リターンに抜ける。S420で否定判定ならリターンに抜ける。
ここでいう「第1デモ表示を行う」や「第2デモ表示を行う」は、サブ統合制御装置34から演出図柄制御装置32に対して各々対応したデモ表示を行う指示コマンドを送信することである。
【0052】
図8に示すフローチャートは、サブ統合制御装置34のマイコンにより実行されるデモ表示中処理を示す。デモ表示中処理は、第1デモ表示及び第2デモ表示が表示に遊技ボタン8を操作することで各デモ表示に割り振られた静止画像又は動画像を変更する表示処理である(図13及び図14参照)。
【0053】
処理が開始すると、デモ表示中か否かを判定し(S500)。S500で肯定判定なら遊技ボタン8が操作したか否かを検出し(S510)、次の画面を表示し(S520)、リターンに抜ける。S500又はS510で否定判定ならリターンに抜ける。
【0054】
図9に示すフローチャートは、CRユニット7のマイコンにより実行される電源投入時処理を示す。電源投入時処理は、CRユニット7の電源が投入されるとき行う処理である。
【0055】
処理が開始すると、電源が投入されたか否かを判定し(S600)、肯定判定なら、BRDY信号をHレベルに設定し(S610)、BRQ信号をHレベルに設定し(S620)、カード挿入口72を点灯し(S630)、リターンに抜ける。S600で否定判定の場合はリターンに抜ける。電源を投入し、遊技者がカード挿入口72にカードを挿入しCRユニット7がカードを受け付けると、遊技者が球貸ボタン27を操作し、球貸しスイッチ信号が発生すると、CRユニット7はBRDY信号をLレベルに立ち下げる。この時点から所定遅延時間後、CRユニット7は賞球制御装置31にBRQ信号を送信する。賞球制御装置31はEXS信号をLレベルに立ち上げ、CRユニット7からBRQ信号の立ち下がりを検出すると、賞球モータ50を駆動し、所定個数の貸し球を遊技者に払い出す。貸し球の払い出しが完了すると、賞球制御装置31はCRユニット7に対するEXS信号をLレベルに立ち下げる。BRDY信号がHレベルのとき、球貸ボタン27、精算ボタン28の操作を禁止する。遊技中に球貸ボタン27を押下した一般的な動作例を図15に、第2デモ表示中に球貸ボタン27を押下した動作例を図16に示す。
【0056】
図10に示すフローチャートは、CRユニット7のマイコンにより実行されるカード処理を示す。カード処理は、カードをカード挿入口72に挿脱する場合の処理である。
【0057】
処理が開始すると、BRDY信号がHレベルか否かを判定し(S700)、肯定判定ならBRQ信号がHレベルか否かを判定し(S710)、S710で肯定判定ならカードがカード挿入口72に挿入されたか否かを検出する(S720)。S700〜S710で否定判定ならリターンに抜ける。S720で肯定判定なら、モータ(図示略)を駆動しカードを取り込み(S730)、カード挿入ランプ70を点灯し(S740)、挿入信号送信処理(S750)を行った後、カードが正常か否かを判定し(S760)、肯定判定ならリターンに抜ける。S720で否定判定なら精算ボタン28が押下されたかを判定し(S770)、否定判定ならリターンに抜ける。S760で否定判定又はS770で肯定判定であればカード挿入ランプ70を消灯し(S780)、モータ(図示略)を駆動しカードを排出し(S790)、排出信号送信処理(S795)を行った後、リターンに抜ける。
【0058】
図11(a)に示すフローチャートは、CRユニット7のマイコンにより実行される挿入信号送信処理、図11(b)に示すフローチャートは、CRユニット7のマイコンにより実行される排出信号送信処理である。
【0059】
図11(a)の処理が開始すると、BRQ信号をHレベルからLレベルに立ち下げ(S800)、タイマをゼロに設定し(S810)、タイマ計時を開始し(S820)、タイマ計時から100ms経過したか否かを判定し(S830)、否定判定ならS830のループ処理を繰り返し、肯定判定ならBRQ信号をLレベルからHレベルに立ち上げ(S840)、球貸ボタン27、精算ボタン28の操作を可能とし、リターンに抜ける。動作例を図17に示す。
【0060】
図11(b)の処理が開始すると、BRDY信号をHレベルからLレベルに立ち下げ(S900)、タイマをゼロに設定し(S910)、タイマ計時を開始し(S920)、タイマ計時から100ms経過したか否かを判定し(S930)、否定判定ならS930のループ処理を繰り返し、肯定判定ならBRDY信号をLレベルからHレベルに立ち上げ(S940)、球貸ボタン27、精算ボタン28の操作を禁止し、リターンに抜ける。動作例を図18に示す。
【0061】
図11(a)(b)において、BRDY信号又はBRQ信号をHレベルからLレベルに立ち下げ、Lレベルを維持している時間を変化させることで、異なる意味合いを持つ信号としている。現状のCRユニット7は、球貸しの処理やエラー時の処理も含め、BRQ信号がLレベルになる場合には、BRQ信号がLレベルになる所定時間前にBRDY信号がLレベルになるように構成されている。よって、BRQ信号だけがHレベルからLレベルに立ち下がることはなく、賞球制御装置31では球貸し等の処理とは別の処理であると認識することが可能であり、CRユニット7はカードが挿入されたと判断する。
【0062】
図12(a)(b)は図11(a)(b)の変形例である。図12(a)は、図11(a)にBRDY信号の計時処理(50ms及び75ms)を追加する点が相違するのみである。図12(b)は、図11(b)にBRQ信号及びBRDY信号の計時処理(50ms及び75ms)を追加する点が相違するのみである。共通説明は図11(a)(b)を援用する。BRDY信号又はBRQ信号の変化だけでなく、2つの信号の変化を組み合わせ、球貸しの処理やエラー時の処理に行う変化(Hレベル又はLレベルへの変更順序)と異なるようにすれば、好適である。また、Hレベル又はLレベルへの変更順序は同一であっても、Hレベル又はLレベルの状態を維持する時間の範囲を球貸しの処理やエラー時の処理と異ならせることで、挿入信号又は排出信号であることを判断することもできる。動作例を図19及び図20に示す。
【0063】
≪実施形態の動作≫
図面を参照して本実施形態の動作を説明する。図13に通常画面と第1デモ表示画面を示す。図13の上部には通常画面に表示される演出図柄の表示例を示す。3桁の図柄が変動を開始し、変動時間経過後に、確定表示を行う。図13の下部に第1デモ表示を示し、機種名CR桃太郎の登場キャラクタを表示し、次にCR桃太郎の大当たり確率が1/350、確率変動時の大当たり確率が1/35、確変継続率が60%、確変図柄が1.3.5.7.9、通常図柄が0.2.4.6.8であることを示す表示例である。ここでは、通常画面として演出図柄のみが表示されているが、演出図柄のうしろに背景画像等のキャラクタが表示されても何ら差し支えない。また、第1デモ表示では遊技ボタン8を操作することで上段の画像から下段の画像に変化するが、それ以外にも変化する画像を備えていても良い。また、画像として静止画像を例示しているが、動画像を用いても何ら差し支えない。
【0064】
図14に第2デモ表示画面を示す。注意事項データを演出図柄制御装置32が記憶し、サブ統合制御装置34からのコマンドに応答して、これを読み出して演出図柄表示装置13に表示する。正確には、賞球制御装置31からコマンドが送信され、主制御装置30及び/又はサブ統合制御装置34を介して演出図柄制御装置32が受信することとなる。また、主制御装置30及び/又はサブ統合制御装置34を介した際に、コマンドに手を加えるように構成しても、そのままのコマンドを次の制御装置へ送信する構成としても問題ない。遊技ボタン8の押し下げに応答して、注意事項のスクロール表示をし、全てのルール説明(体調不良への注意の呼びかけ、18歳未満は遊技ができないことの表示)が終了した末尾に、遊技を承諾するか(○ YES)又は承諾しないか(× NO)のいずれかを選択するために、どのような操作をすれば良いかが演出図柄表示装置13上に表示される。注意事項を承諾する場合、遊技者は球貸ボタン27を押し下げし、注意事項を承諾しない場合、遊技者は精算ボタン28を押し下げする。CRユニット7は検出信号を賞球制御装置31を介して主制御装置30に送信する。また遊技ボタン8をスキップ等に利用してもよい。例えば、最後の画面で遊技ボタン8を押し下げすると、最初の画面へ戻る。ここでは、遊技ボタン8を操作することで注意事項のスクロール表示を行うように構成しているが、タイマ手段を設けて所定時間経過した時にスクロール表示をするように構成しても何ら差し支えない。
【0065】
正常な貸出処理について図15を参照し説明する。正常な貸出処理は、100円分に対して25球の割合で行う。ここでは1回の球貸ボタン27の操作によって300円分の遊技球を貸し出すように設定された場合を例示する。(1)の時点(CRユニットの電源は既にONの状態)で遊技機の電源を投入すると、PRDY信号がHレベルからLレベルに立ち下がる。BRDY信号,BRQ信号、EXS信号はHレベルを維持し、球貸ボタン27及び精算ボタン28は受付禁止状態である。(1)は電源投入、(2)は貸出動作開始(球貸ボタン27の押下)、(3)は貸出要求、(4)は要求了解、(5)は貸出指示、(6)は貸出完了、(7)は貸出動作終了である。(1)と(2)間(球貸ボタン27及び精算ボタン28が受付可能状態となるタイミング)で、CRユニット7へのカードの挿入が行われている。(2)の時点で球貸ボタン27の操作によりBRDY信号がHレベルからLレベルに立ち下がり、それと同時に球貸ボタン27及び精算ボタン28が受付禁止状態に変化する。BRDY信号がHレベルからLレベルへ変化してから30〜50msecの間にBRQ信号がHレベルからLレベルに立ち下がることによって、貸出要求信号としての役割を果たす。この貸出要求信号を賞球制御装置31が受信してから10msec〜10secの間にEXS信号をHレベルからLレベルに立ち下げることで、CRユニット7に貸出要求信号を受信したことを示す要求了解信号としての役割を果たす。この要求了解信号をCRユニット7が受信してから30〜50msecの間にBRQ信号をLレベルからHレベルに立ち上げることで、賞球制御装置31に球貸しを100円分(25球)の貸し出しを指示する貸出指示信号としての役割を果たす。この貸出指示信号を賞球制御装置31が受信し、賞球モータ50を駆動させて100円分(25球)の貸し出しが終了すると、EXS信号をLレベルからHレベルに立ち上げることで貸出の完了を示す貸出完了信号としても役割を果たす。この貸出完了信号をCRユニット7が受信してから250ms以内にBRQ信号をHレベルからLレベルに立ち下げることで、CRユニット7に貸出要求信号を受信したことを示す要求了解信号としての役割を果たす。この(3)〜(6)の一連の流れを1回の球貸ボタン27の操作によって設定された回数だけ繰り返す。当然、設定された回数だけ繰り返すように制御されるが、プリペイドカードの残高がゼロとなれば、その段階でBRDY信号をLレベルからHレベルに立ち上げて貸出処理を終了する。図示されていないが、プリペイドカードの残高の減算は(6)を受信した際に行われる。設定された回数だけ一連の処理を繰り返したときの貸出完了信号をCRユニット7が受信してから250ms以内にBRDY信号をLレベルからHレベルに立ち上げることで、貸出動作終了信号としての役割を果たす。また、上記した処理に規定された時間的な範囲で規定信号の変化が確認されなければ、どのような状態を示す信号か判断できないため、エラーとする処理が行われる。
【0066】
第2デモ表示での承諾確認処理及び正常な貸し出し処理について図16を参照し説明する。図15は既に承諾しており、遊技中に通常画面から球貸ボタン27を操作した場合に行われるのに対して、図16は第2デモ表示での承諾確認処理が含まれる点であり、相違する処理としては、図15の(1)と(2)の間に(2),(3),(8),(9)の処理盛り込まれることである。よって図16の後半部分の処理は第15図と概ね同様のタイミングチャートであるので、共通する点の説明は図15を援用する。図16において、(1)の時点(CRユニットの電源は既にONの状態)で遊技機の電源を投入すると、PRDY信号がHレベルからLレベルに立ち下がる。BRDY信号,BRQ信号、EXS信号はHレベルを維持し、球貸ボタン27及び精算ボタン28は受付禁止状態である。(1)と(2)間(球貸ボタン27及び精算ボタン28が受付可能状態となるタイミング)で、CRユニット7へのカードの挿入が行われている。BRDY信号がHレベルからLレベルへ変化してから30〜50msecの間にBRQ信号がHレベルからLレベルに立ち下がることによって、通常であれば貸出要求信号としての役割を果たすが、図16では球貸しボタン27の操作はエラーになる。第2デモ表示中(第2デモフラグが1であるとき)であり、球貸ボタン27が承諾の意思を示すために利用されるため、カード挿入後の球貸ボタン27の操作は承諾するか否かを判断することのみに用いられる。そのため、通常であれば賞球制御装置31が貸出要求信号を受信してから10msec〜10secの間にEXS信号をHレベルからLレベルに立ち下げることで、CRユニット7に貸出要求信号を受信したことを示すが、CRユニット7にエラーとして処理させるため、賞球制御装置31が、その立ち下げ処理を行わない。賞球制御装置31がEXS信号をHレベルからLレベルに立ち下げないことでタイムオーバーをさせ、CRユニット7にエラーを発生(8)させた後、エラー復帰(正常な状態への復帰(9))をさせるように構成している。ここでは、あえて特別な処理をすることなくエラーを発生させているが、EXS信号をHレベルからLレベルに立ち下げるタイミングなどを要求了解信号とは異ならせることで、貸出要求信号とは異なる信号とし、エラーを発生させることがないようにCRユニット7と賞球制御装置31とを構成しても良い。
【0067】
カード挿入時の正常な処理(図11(a)で説明した挿入信号送信処理)についてのタイミングチャートである図17を参照し説明する。A時点で、カードをカード挿入口72に挿入すると、BRQ信号がHレベルからLレベルに立ち下げたことを検出し、カードの挿入を賞球制御装置31に送信する。B時点で、カード挿入が完了し、BRQ信号がLレベルからHレベルに立ち上げたことを検出し、球貸ボタン27及び精算ボタン28が受付禁止状態から受付可能状態に変化する。PRDY信号はLレベルを維持し、EXS信号はHレベルを維持する。AB間の設定時間は、90〜110msecである。当然、AB間の設定時間内にBRQ信号がLレベルからHレベルに立ち上がらない場合には、エラーとなる。
【0068】
カード排出時の正常な処理(図11(b)で説明した排出信号送信処理)についてのタイミングチャートである図18を参照し説明する。C時点で、カードをカード挿入口72から排出すると、BRDY信号がHレベルからLレベルに立ち下げたことを検出し、カードの排出を賞球制御装置31に送信し、球貸ボタン27及び精算ボタン28が受付可能状態から受付禁止状態に変化する。D時点で、カード排出が完了するが、球貸ボタン27及び精算ボタン28は変化しない。BRQ信号及びEXS信号はHレベルを維持し、PRDY信号はLレベルを維持する。CD間の設定時間は、90〜110msecである。当然、CD間の設定時間内にBRDY信号がLレベルからHレベルに立ち上がらない場合には、エラーとなる。
【0069】
図17及び図18において、他の処理で行われるBRDY信号及びBRQ信号の変化ではないため、差別化が可能である。BRQ信号がH→L、BRDY信号がL→H、BRDY信号がL→H、BRQ信号がL→Hという流れが同一の別処理があったとしても、その別処理とAB間、BC間、CD間の時間を異ならせることで差別化が可能である。ここでは、賞球制御装置31が無反応としているが、PRDY信号又は/及びEXS信号を変化させてもよい。
【0070】
図19は図17と概ね同様であるので共通する点の説明は援用する。相違する点はB’の時点でBRDY信号がHレベルからLレベルに立ち下り、C’の時点でLレベルからHレベルに立ち上がることである。A’、B’及びC’はカード挿入連絡、D’はカード挿入完了を示す。A’B’間の設定時間は、90〜110msec、B’C’間は40〜60msec、C’D’間は65〜85msecである。当然、各設定時間内にBRDY信号又はBRQ信号が変化しない場合、エラーとなる。
【0071】
図19の処理において、他の処理で行われるBRDY信号及びBRQ信号の変化ではないため、差別化が可能である。BRQ信号がH→L、BRDY信号がL→H、BRDY信号がL→H、BRQ信号がL→Hという流れと同一の別処理があったとしても、その別処理とA’B’間、B’C’間、C’D’間の時間を異ならせることで差別化が可能である。賞球制御装置31が無反応としているが、PRDY信号又は/及びEXS信号を変化させてもよい。
【0072】
図20は図18と概ね同様であるので共通する点の説明は援用する。相違する点はF’の時点でBRQ信号がHレベルからLレベルに立ち下り、H’の時点でLレベルからHレベルに立ち上がることである。E’、F’及びG’はカード排出連絡、H’はカード排出完了を示す。E’F’間の設定時間は90〜110msec、F’G’間は40〜60msec、G’H’間は65〜85msecである。当然、各設定時間内にBRDY信号又はBRQ信号が変化しない場合、エラーとなる。
【0073】
図20の処理において、他の処理で行われるBRDY信号及びBRQ信号の変化ではないため、差別化が可能である。BRDY信号がL→H、BRQ信号がH→L、BRQ信号がL→H、BRDY信号がL→Hという流れと同一の別処理があったとしても、その別処理とE’F’間、F’G’間、G’H’間の時間を異ならせることで差別化が可能である。賞球制御装置31が無反応としているが、PRDY信号又は/及びEXS信号を変化させてもよい。
【0074】
≪実施形態の効果≫
以上説明した本実施形態によれば、CRユニット7へのカードのカード挿入口72への挿入と、演出図柄制御装置32上でのデモ演出と関連させ、通常のデモ演出とは異なるデモ演出を表示することで、好適な表示を行う。CRユニット7へのカード挿入を遊技者が遊技を行う意思と捉え、客待ちデモ演出として行っている第1デモ表示とは異なる画面構成の第2デモ表示を行うように構成することで、遊技を行おうとする遊技者に伝えるべきこと(遊技方法の説明や注意事項)について、製造者責任を果たすことが可能となる。また、遊技する意思があると判断しないときには、第1デモ表示又は通常画面を表示しているので、遊技者の興味を損なわない。
【0075】
遊技に関する注意事項データは、例えば「18歳未満の方の遊技は法令により禁止されておりますのでご遠慮ください。」、「不正行為にあたる遊技者の行動」、「遊技中の演出には激しい点滅等が含まれており、体調を崩す恐れがあります。」など、法律に触れる行為の説明や、健康面での説明を行うことで、製造者責任を果たすことが可能となる。
【0076】
第2デモ表示で表示された内容を承諾した上で遊技をするか否かを遊技者に選択させるように構成したことで、遊技者の自己責任の範囲を明確にし、問題となる行動を抑制することができる。また、承諾する際に遊技者が行う操作を球貸ボタン27とすることで、即座に遊技球を貸し出すことが可能であり、遊技をスムーズに行うことができる。
【0077】
球貸ボタン27の押し下げ(承諾する意思を示す操作)をした際に通常画面を表示することで、遊技が可能となったことを遊技者に報知することが違和感なく行える。
【0078】
精算ボタン28の押し下げ(承諾しない意思を示す操作)をした際に第1デモ表示を行うことで、第1デモ表示の客待ち効果を高めることができる。
【0079】
以上の実施形態は、本発明の態様を実施するに当たって、本発明者により採用された技術の代表例である。これら技術は本発明の実施のための好ましい実施形態の例示であること、また、本技術分野に属する者は、本発明の開示に鑑みて、本発明の精神及び意図された要旨から離れることなく多数の改変・追加等が可能である。
【符号の説明】
【0080】
1・・・パチンコ機 2・・・外枠 3・・・前面枠 4・・・上皿
5・・・下皿 6・・・発射ハンドル 6a・・・回動リング
7・・・CRユニット(プリペイドカードユニット) 8・・・遊技ボタン
9・・・遊技盤 13・・・演出図柄表示装置 14・・・特別図柄表示装置
15・・・普通図柄表示装置 19・・・普通図柄始動ゲート
20・・・中央役物 21・・・図柄始動口
22・・・大入賞口 23・・・特定領域 25・・・一般入賞口
27・・・球貸スイッチ 28・・・精算スイッチ
29・・・LCDパネルユニット 30・・・主制御装置
31・・・賞球制御装置 32・・・演出図柄制御装置
34・・・サブ統合制御装置 35・・・特別図柄始動スイッチ
36・・・普通図柄始動スイッチ 37・・・一般入賞口スイッチ
38・・・カウントスイッチ 39・・・Vスイッチ
52・・・CR精算表示器 70・・・カード挿入ランプ
71・・・カード利用可ランプ 72・・・カード挿入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を司る主制御装置と、
該主制御装置及びカードユニットと双方向に通信可能な賞球制御装置と、
表示装置を制御するサブ制御装置と、
を備えた遊技機において、
前記主制御装置は、遊技盤面上に設けられた特定の検出スイッチによって、遊技球の入球が所定時間検出されないことに基づいて、客待ち演出を示す第1デモンストレーション表示を指示する第1表示指示データを発生する第1デモ制御手段を有し、
前記賞球制御装置は、前記カードユニットへのカードの挿入に基づいて、前記第1デモンストレーション表示とは画面構成が相違する第2デモンストレーション表示を指示する第2表示指示データを発生する第2デモ制御手段を有し、
前記第1デモ制御手段により発生した第1表示指示データは、前記主制御装置から前記サブ制御装置へと送信する構成とし、
前記第2デモ制御手段により発生した第2表示指示データは、前記賞球制御装置から前記サブ制御装置へと送信する構成としたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第2デモ制御手段により発生した第2表示指示データは、前記賞球制御装置から前記主制御装置を介して前記サブ制御装置へと送信することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1デモンストレーション表示は、メインキャラクタデータを表示するように構成し、前記第2デモンストレーション表示は、遊技に関する注意事項データを表示するように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
【請求項4】
前記注意事項データを表示する際に、遊技を行うことを承諾するか否かを選択する選択データを前記表示装置上に表示し、
該選択データの承認データに球貸しを要求するための球貸しスイッチを対応させ、前記球貸しスイッチが押下されることに基づいて、遊技者が遊技を行うことを承諾したと判断する第1判定データを発生することを特徴とする請求項3記載の遊技機。
【請求項5】
前記注意事項データの表示中には、前記球貸しスイッチが押下されることによる球貸しを実行しないことを特徴とする請求項4記載の遊技機。
【請求項6】
前記注意事項データを表示する際に、遊技を行うことを承諾するか否かを選択する選択データを前記表示装置上に表示し、
該選択データの非承認データに前記カードの排出を要求するための精算スイッチを対応させ、前記精算スイッチが押下されることに基づいて、遊技者が遊技を行うことを承諾しないと判断する第2判定データを発生することを特徴とする請求項3乃至5記載の遊技機。
【請求項7】
前記第1判定データが発生する場合、通常画面の表示を指示する第3表示指示データを発生することを特徴とする請求項4乃至6に記載の遊技機。
【請求項8】
前記第2判定データが発生する場合、前記第1表示指示データを発生することを特徴とする請求項6又は7に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−229973(P2011−229973A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159529(P2011−159529)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【分割の表示】特願2006−24253(P2006−24253)の分割
【原出願日】平成18年2月1日(2006.2.1)
【出願人】(395018239)株式会社高尾 (550)
【Fターム(参考)】