説明

遊技機

【課題】変動表示装置における表示部を大型化して、狭小な遊技領域に対して表示部が占める領域が大きくなっても、装飾演出を効果的に行える遊技機を提供する。
【解決手段】遊技盤本体1aの一側に、流下する遊技球の流下方向に変化を与える遊技釘や風車を分散配置するに必要十分な領域面積を有する側方流下領域3aを形成し、その後方に装飾部材収容室形成壁部14″を一体化した裏面構成部材13″を設けて装飾部材収容室20が形成されるようにし、この装飾部材収容室20内に配置される可動装飾部材24は、レンズ部材の内空部に発光手段を内蔵した構成とし、可動装飾部材24が遊技者に直接見える斜め方向の視線Aよりも正面側に遊技者の視点があるため、遊技者が可動装飾部材24を直接視認できないときでも、可動装飾部材24の点灯あるいは消灯によって遊技者の注意を喚起でき、効果的な装飾演出を行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前面側に略円形状の遊技領域が形成される遊技盤を構成する厚肉板状の遊技盤本体と、前記遊技盤本体の遊技領域側方周縁に沿って設けられ、発射された遊技球を前記遊技領域に案内する案内誘導路と、前記遊技盤本体を前後に貫通するように形成された開口部を介して、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示部が裏面側から臨むように配設される変動表示装置と、前記遊技盤本体の開口部に前面側から取り付けられ、前記変動表示装置の表示部が臨む前面開口を備える前面構成部材と、を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技媒体として遊技球を用いた弾球遊技が行える遊技機として、従来より、図柄等を変動表示する変動表示装置が遊技盤の遊技領域ほぼ中央に設けられ、変動表示装置により行う変動表示ゲームの結果態様によって遊技状態を変化させるものが知られている。この種の遊技機においては、変動表示装置の表示領域(LCDの表示面など)が臨む窓部が形成された前面構成部材を設けることで、遊技中に遊技者が注視する表示領域の周囲を多様に装飾演出し、変動表示ゲームによる興趣を高めるべく配慮されている。前面構成部材には、電気的発光源による発光演出を行う装飾レンズ部材や、人形などのキャラクタ造形物よりなる立体装飾部材を可動させる装飾ユニット等が適宜設けられている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−57656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている遊技機の如く、変動表示装置の表示領域が小さければ、凝った装飾演出を行える前面構成部材を比較的大型の構成とすることも可能であったが、近年は、変動表示装置による視覚的インパクトの強い遊技機の要望が高いため、遊技機メーカーは競って表示領域を大型化しており、大型の表示領域の周囲を装飾するためには前面構成部材を一層大型化せざるを得ず、遊技盤の遊技領域に対して表示領域および前面構成部材が占める割合が高くなると、相対的に遊技球の流下可能な領域が減少してしまい、予測困難な遊技球の流下態様により遊技が進行するという弾球遊技本来の遊技機能を発揮できなくなってしまう。
【0005】
特に、遊技領域の一側周縁に沿って形成された発射球案内路のある側には、遊技球の流下が可能な領域が十分に残るよう、遊技領域周縁側部から適宜離隔させて変動表示装置の表示領域の一側を配置し、発射球案内路の形成されていない側の遊技領域周縁側部には表示領域の他側を近接させて配置するように変動表示装置の表示領域を大型化した場合、表示領域の周囲には殆ど余裕がないため、装飾演出のための前面構成部材を大型化することは事実上不可能で、凝った装飾演出機能を前面構成部材に設けることができない。
【0006】
なお、発射球案内路側の遊技領域周縁側部と変動表示装置との間に残っている遊技領域は、弾球遊技における球流下の多様性を保持する上で最低限の広さを確保し、遊技釘や風車等を適切に配置する必要があるため、この僅かな領域にまで前面構成部材を拡張して装飾演出機能を設けることはできない。
【0007】
そこで、本発明は、変動表示装置における表示領域を大型化して、比較的狭小な遊技領域に対して表示領域が占める領域が大きくなっても、装飾演出を効果的に行える装飾演出機能を設けることができる遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、前面側に遊技領域が形成される遊技盤を構成する遊技盤本体と、前記遊技盤本体を前後に貫通するように形成された開口部を介して、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示部が裏面側から臨むように配設される変動表示装置と、前記遊技盤本体の開口部に前面側から取り付けられ、前記変動表示装置の表示部が臨む前面開口を備える前面構成部材と、を備えた遊技機において、前記遊技盤本体における開口部の周りに、遊技球の流下方向に変化を与える流下方向変化付与部材を分散配置する流下領域を形成し、前記流下領域に対応する遊技盤本体裏面の後方適所に設けられ、動作可能な装飾部材と、を備え、前記装飾部材は、発光手段とレンズ部材を備え、前記発光手段の発光によってレンズ部材の前面側に光が透過するようにし、前記前面構成部材の前面開口を見る視点を、前記流下領域とは反対側へずらすことで、前記装飾部材の少なくとも一部を直接視認できるようにしたことを特徴とする。遊技機。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る遊技機によれば、遊技盤本体における開口部の周りに、遊技球の流下方向に変化を与える流下方向変化付与部材を分散配置する流下領域を形成することで、この流下領域の周りに開設する開口部を大きく設定しても、弾球遊技における球流下の多様性を保持することが可能となる。しかも、前記前面構成部材の前面開口を見る視点を、前記流下領域とは反対側へずらすことで、前記装飾部材の少なくとも一部を直接視認できるようにしたので、装飾演出を効果的に行える装飾演出機能を設けることが可能となる。さらに、前記装飾部材は、発光手段の発光によってレンズ部材の前面側に光が透過するので、動作および表示状態により装飾演出の幅を一層広げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る遊技機が備える遊技盤の正面図である。
【図2】第1実施形態における遊技盤の主要構成のみ示した分解側斜視図である。
【図3】第1構成例の装飾部材を備える装飾部材収納凹室とその周辺部である腰部を横断状態とした概略斜視図である。
【図4】第2構成例の装飾部材を備える第1実施形態の遊技機における遊技盤腰部の横断平面図である。
【図5】第3構成例の装飾部材を備える第2実施形態の遊技機における遊技盤腰部の横断平面図である。
【図6】(a)は第3実施形態の遊技機が備える第4構成例の装飾部材を装飾状態とした遊技盤腰部の横断平面図である。(b)は第3実施形態の遊技機が備える第4構成例の装飾部材を第1反射状態とした遊技盤腰部の横断平面図である。
【図7】(a)は第3実施形態の遊技機が備える第4構成例の装飾部材が第2反射状態である遊技盤腰部の横断平面図である。(b)は第3実施形態の遊技機が備える第4構成例の装飾部材が第3反射状態である遊技盤腰部の横断平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明に係る遊技機の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。図1に示すのは、パチンコ遊技を行える遊技機が備える遊技盤1の正面図で、透明なガラス面を介して前面に臨む部分である。
【0012】
遊技盤1は、略四角形のベニア材等からなる厚肉板状の遊技盤本体1aの前面(合成樹脂製の化粧シートを付設した面)側に、図示を省略した打球発射機構により発射された遊技球をガイドするガイドレール2を設け、このガイドレール2により形成された案内誘導路2aを通って遊技球が略円形状の遊技領域3に到達する。この遊技領域3の中央右よりに、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示部4aを備える変動表示装置4を配置し、該変動表示装置4の表示部4aが臨む変動表示用開口部5aが形成された前面構成部材たるセンターケース5が遊技盤本体1aの前面側より取り付けられる。
【0013】
なお、本実施形態で示す変動表示装置4は、遊技領域3の中央部から右側方部にかけて多くの面積を占める大型のものであり、これに対応させるべく、センターケース5の裏面側開口である変動表示用開口部5aおよび前面側開口である前面側開口部5bの開口面積も大きく設定してあるが、センターケース5の前面側は装飾演出用の装飾部材等を配置しない比較的簡素な形状(後に詳述する)である。
【0014】
また、遊技領域3には、各種の入賞具や入賞装置など、例えば、遊技球の通過を非接触で検出する普図始動センサを設けた普図始動ゲート6、該普図始動ゲート6への球通過により複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲーム(普通図柄変動表示ゲーム)を行う普通図柄変動表示器7を一体に備える始動入賞装置8、該始動入賞装置8への球入賞に基づいて変動表示装置4により行われる変動表示ゲーム(特別図柄変動表示ゲーム)の停止結果が特別態様であった場合に開始される特別遊技で用いる特別変動入賞装置9等を適宜に配設してある。さらに、流下する遊技球の流下方向に変化を与える流下方向変化付与部材である遊技釘10や風車11を遊技領域3に分散配置し、普図始動ゲート6,始動入賞装置8,特別変動入賞装置9等への入賞が適宜な確率で生ずるように調整してある。なお、何れの入賞領域にも入賞しなかった遊技球は、遊技領域3の最下部に設けたアウト口12から回収される。
【0015】
ここで、本実施形態に示す遊技機における遊技の流れを説明する。打球発射機構により発射された遊技球が案内誘導路2aを経て遊技部3に到達すると、その発射勢に応じて、センターケース5の左側に形成した側方流下領域3a(案内誘導路2aの内側方からセンターケース5にかけて形成され、流下する遊技球の流下方向に変化を与える遊技釘10や風車11を分散配置するに必要十分な領域面積を有する領域)を流下してゆくか、センターケース5の右側を流下して行く。
【0016】
遊技領域3の上部に到達した遊技球が側方流下領域3aを流下し、普図始動ゲート6を通過すると、この球通過を普図始動センサが検出することに伴って、普通図柄変動表示器7による普通図柄変動表示ゲームが開始され、予め定めた当り図柄(例えば、3,7)が停止表示されると、始動入賞装置8に設けた左右一対の可動部材8a,8aが起立して始動入賞口8bへの入賞が困難な第1状態から、可動部材8a,8aの上端が相反する方向へ傾動して始動入賞口8bへの入賞が容易となる第2状態へ変換される。なお、普通図柄変動表示器7による普通図柄変動表示ゲームが行われている間に普図始動センサが通過球を検出した場合、これを普図始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な構成とし、普通図柄変動表示ゲームが可能となったときには普図始動記憶を用いて普通図柄変動表示ゲームを行う。また、普図始動記憶の記憶数を遊技者が確認できるように、普図始動記憶表示器を適所に設けても良いし、表示部4aの一部に普図始動記憶を表示させても良い。
【0017】
始動入賞装置8の始動入賞口8bへの入賞球を、図示を省略した始動センサが検出することを条件として、変動表示装置4による特別図柄変動表示ゲーム(横並びの2桁の表示列の夫々において、複数の図柄を変換表示させた後に停止表示させ、各桁に停止表示された図柄の配列が特別態様に該当する場合に当たりとなるゲーム)を開始する。なお、特別図柄変動表示ゲームの実行中に始動入賞口8bへの入賞球を始動センサが検出した場合、これらの始動入賞を所定数(例えば、4個)まで特図始動記憶として記憶保持し、特別図柄変動表示ゲームが可能となったときには特図始動記憶を用いて特別図柄変動表示ゲームを行う。また、特図始動記憶の記憶数を遊技者が視認できるように、特図始動記憶表示器を適所に設けても良いし、表示部4aの一部に特図始動記憶を表示させても良い。
【0018】
前記始動入賞装置8の適宜下方に配設した特別変動入賞装置9は、複数の遊技球を同時に入賞させ得る横長の大入賞口を開閉扉9aにより開閉可能とした入賞装置である。この特別変動入賞装置9は、開閉扉9aが大入賞口を遮蔽することで遊技球の入賞を不可能とした第1状態(遊技者に不利な状態)から、下縁部に設けた回動軸により開閉扉9aが前傾回動して、流下してくる遊技球を受け止めて大入賞口へ導くことで短時間に多くの入賞球を発生可能な第2状態(遊技者にとって有利な状態)に変換可能なものである。
【0019】
前記変動入賞装置9は、変動表示装置4により行った特別図柄変動表示ゲームの結果態様(停止表示させた停止図柄)が予め定めた特別態様(例えば、3桁の図柄が「333」「777」等のように揃った態様)となることを発生条件とする特別遊技状態において用いるものである。特別遊技状態における遊技は、例えば、大入賞口への入賞球が所定数(例えば、10個)に達する第1条件か、大入賞口の第2状態変換時間が所定時間(例えば、30秒)に達する第2条件か、何れか最先の条件が達成されるまでを1サイクルとし、これを所定サイクル回数(例えば、16回)まで継続させる遊技である。なお、大入賞口の内部に継続入賞領域を形成し、サイクル中に継続入賞領域へ継続入賞した遊技球を継続入賞センサが検出することを条件として、サイクル遊技を継続更新させ、サイクル中に継続入賞センサの検出がなければ、その回のサイクルを以て特別遊技状態を終了させるような遊技進行としても良い。
【0020】
次に、遊技盤1の遊技領域3において大きな領域を占めるセンターケース5と、該センターケース5の裏面側に変動表示装置4を配置するための構造について、図2及び図3を参照して説明する。
【0021】
上記センターケース5は、遊技盤本体1aに開設した開口部3bへ内挿される周壁部51の裏面側が表示用開口窓部5aであり、周壁部51の前面側が前面開口5bであり、前面開口5bから表示用開口窓部5aに至る変動表示視認凹室5cが周壁部51の内空部として形成される。また、周壁部51の前面側適所には、外側方に延出する鍔状の取付部52を形成してあり、遊技盤本体1aの前面側より開口部3bへ周壁部51を挿入すると、前記取付部52が遊技盤本体1aの前面側に当接して位置決めされ、これをビス等で遊技盤本体1aに固定する。
【0022】
また、前記周壁部51は遊技盤本体1aの板厚よりも十分に長い奥行を有するもので、取付部52を介してセンターケース5を遊技盤本体1aの前面側から取り付けると、遊技盤本体1aの裏面よりも適宜後方に表示用開口窓部5aが位置することとなり、この表示用開口窓部5aに変動表示装置4の表示部4aが臨むように配置されるため、変動表示装置4と遊技盤本体1aの裏面との間には適宜な空隙が生ずる。このように、変動表示装置4と遊技盤本体1aの裏面との間に空隙を生ぜしめた状態で変動表示装置4を固定するため、変動表示装置4を筺状の裏面構成部材13に固定し、この裏面構成部材13を遊技盤本体1aの裏面側に固定する。
【0023】
更に、周壁部51における底壁の上面はほぼ平坦なステージ部51aとし、変動表示視認凹室5cへ入ってきた遊技球がステージ部51a上を転動し、ステージ部51aの前面側から再び流下することとなるが、ステージ部51aの適所には、浅い窪み状の始動入賞誘導路51bを前後方向に設けてあり、この始動入賞誘導路51bに沿って流下した遊技球は、始動入賞装置8の始動入賞口8bの直上方へ誘導されるため、可動部材8a,8aが起立した第1状態であっても高い確率で始動入賞口8bへ入賞する。
【0024】
加えて、周壁部51における左側壁(側方流下領域3a側の側壁)には、後方部位を切り欠いた装飾部材視認窓部53を形成し、遊技盤1の前面から遊技者が変動表示装置4の表示部4aを見たときには、装飾部材視認窓部53を介して遊技盤本体1aの後方空間(少なくとも、側方流下領域3aに対応する部位の裏面側後方空間)を視認できるようにしてある。
【0025】
しかして、前記装飾部材視認窓部53を介して遊技者が視認できる部位には、裏面構成部材13と一体的に形成した装飾部材収容室形成壁部14の内部空間である装飾部材収容室20を位置させ、この装飾部材収容室20内に収容された装飾部材21が遊技者から見えるようにする。すなわち、側方流下領域3aに対応する遊技盤本体1a裏面の後方適所に装飾部材収容室20を形成し、この装飾部材収容室20内に装飾演出用の装飾部材21を配置することで、センターケース5の前面側に装飾演出用の装飾部材21を配置せずに装飾演出を行うことが可能となる。
【0026】
よって、側方流下領域3aの右側方に開設する開口部3b(センターケース5の周壁部51を収容するための開口)が遊技領域3の右側縁部(案内誘導路2aに隣接していない他側の周縁部)に近接するほど大きく設定しても、弾球遊技における球流下の多様性を保持することが可能となり、大きな開口部3bに対応する変動表示視認凹室5cを備えたセンターケース5における表示用開口部5aの裏面側から変動表示装置4の大型の表示部4aを臨ませることで、変動表示装置4による強い視覚的インパクトを与えることができ、時流に沿った大型の表示部4aを備えつつ、装飾部材21による装飾演出も効果的に行える遊技機となる。
【0027】
なお、装飾部材収容室20の内部に収容配置する装飾部材21の形状や構造は特に限定されるものではなく、例えば、遊技機の機種に応じた装飾性を付加する立体造形物(人形を模した板状片)を装飾部材21とし、装飾部材収容室20内の視認可能な部位に配置するだけでも良いし、種々の駆動ギミックによる可動構造の造形物を装飾部材として用いても良い。
【0028】
また、装飾部材収容室20の形成方法も特に限定されるものではなく、例えば、裏面構成部材13とは別体に構成した装飾部材収容室形成部材等を遊技盤本体1aの裏面側に取り付けるようにしても良いが、本実施形態においては、変動表示装置4の表示部4aを視認可能にする裏面開口13aの左側方(案内誘導路2aが形成されている側)に延出させた裏面壁131と、上面壁132における裏面壁131の上縁に連なる部位と、裏面壁131および上面壁132の左側端縁に連なる左側面壁133と、裏面壁131および左側面壁の下縁に連なる底面壁134と、から装飾部材収容室形成壁部14を形成することで、裏面構成部材13と一体化し、裏面構成部材13の左側面壁133の前縁に形成したフランジ部133aおよび右側面壁135の前縁に形成したフランジ部135aを介して、遊技盤本体1aの裏面側適所に裏面構成部材13を固定するだけで、装飾部材収容室20が適切な位置に形成されるようにした。
【0029】
このように、装飾部材収容室形成壁部14を裏面構成部材13と一体化しておけば、装飾部材収容室20を形成するための部材を別途組み付ける手間がかからず、また、変動表示装置4の表示部4aとセンターケース5の表示用窓部5aとの位置合わせ、および変動表示視認凹室5cの左側(案内誘導路2aが形成されている側)に開設した装飾部材視認窓部53と装飾部材収容室形成壁部14の右側(案内誘導路2aが形成されていない側)開口との位置合わせが容易となり、遊技盤本体1aへの組み付け作業を効率良く行うことができる。
【0030】
なお、本構成例として示した装飾部材収容室形成壁部14は、前面および右側面を全開放とし、前面側の開口は遊技盤本体1aの裏面により閉塞し、右側面の開口はセンターケース5の装飾部材視認窓部53の開口形状にほぼ一致する状態で連通させたが、これに限定されるものではない。例えば、装飾部材収容室形成壁部14として前面壁を備えるものとし、遊技盤本体1aの裏面より適宜隔たった後方に装飾部材収容室20を形成しても良いし、装飾部材収容室形成壁部14として移動可能な右側面壁を備えるものとし、右側面壁が装飾部材収容室20を遮蔽している状態から装飾部材収容室20を開放する状態に変換移動した場合にのみ、センターケース5の装飾部材視認窓部53から装飾部材収容室20の装飾部材21が視認可能となるような動的装飾演出を行える構成としても良い。
【0031】
また、本構成例として示した装飾部材収容室形成壁部14により形成する装飾部材収容室20は略直方体の空間であることから、センターケース5の装飾部材視認窓部53を介して遊技者が視認できない死角空部が生ずることとなるので、ほとんど死角空部が生じない空間形状(横断面が後方に向って広がる三角形となる三角柱状)の装飾部材収容室を形成するような装飾部材収容室形成壁部を採用しても良い。
【0032】
しかしながら、遊技者から視認できない死角空部は、遊技者に見せたくないものを配設する目的で利用することもできる。そこで、死角空部を有効利用し、動作可能な可動装飾部材22を装飾部材収容室20に配置した構成例を、遊技盤腰部の横断平面図である図4に基づいて説明する。
【0033】
本構成例においては、遊技機前面より遊技者が変動表示視認凹室5cを介して見ることができない死角空部20aが生ずる略直方体の空間形状とした装飾部材収容室20には、遊技盤本体1aの裏面側に固定配置された電気部品取付パネル30を介して、可動装飾部材22に作用する電気部品たる駆動モータ31および照明基板32を死角空部20aに配設してある。駆動モータ31は、その駆動軸31aが可動装飾部材22の適所に取り付けられることで、可動装飾部材22を回転駆動させる駆動力を与えるように作用する。照明基板32は、その背面側に適数設けたLED32aを適宜に点灯或いは点滅させることで、可動装飾部材22の前面側をライトアップして視認性を高めるように作用する。
【0034】
このように、駆動モータ31や照明基板32といった電気部品を死角空部20aに配置すれば、可動装飾部材22に作用する電気部品の存在を遊技者から見えない状態で装飾部材収容室20内に設け、装飾部材収容壁部14により電気部品を効果的に保護することができるので、電気部品を装飾部材収容室20の外部に設ける場合のように、運搬などの作業時に電気部品が邪魔になったり、破損したりする危険性を低減することができるし、また、そのような危険を回避するために電気部品収納室等を別途設けて電気部品を保護する必要もない。
【0035】
なお、電気部品の動作制御は、当該遊技機の遊技制御を統括的に行う遊技制御機能部(主制御装置や演出制御装置などの複数の制御装置から構成される機能部)により、遊技の流れに応じた演出動作の一環として制御させればよい。例えば、変動表示装置4を用いて行う特別図柄変動表示ゲームで、停止結果が特別態様となる大当りが発生する可能性を遊技者に印象づけるリーチ演出の一つとして、照明基板32により可動装飾部材22を照らして装飾部材収納室20における可動装飾部材22の視認性を高めると共に、駆動モータ31の駆動により可動装飾部材22に動きを与えると、特別図柄変動表示ゲーム中は変動表示視認凹室5cを介して変動表示装置4の表示部4aを注視している遊技者が、装飾部材視認窓部53を介して変動表示視認凹室5cと連通する装飾部材収容室20内で可動装飾部材22により行っているリーチ演出を見落とす可能性は殆ど無いので、大当り発生への期待感により遊技上の興趣を一層高めるというリーチ演出本来の機能を効果的に発揮できる。
【0036】
また、電気部品が装飾部材へ作用する態様は、駆動モータ31の正逆回転に伴う円運動に限らず、より複雑な動作を行うようにしても良い。図5に示すのは、上述した第1実施形態に係る遊技機とは異なり、装飾部材収容室形成壁部14′を一体化した裏面構成部材13′を備える第2実施形態の遊技機における遊技盤腰部の横断平面図であり、本図に基づいて、第3構成例に係る可動装飾部材23の動作を説明する。
【0037】
本実施形態に係る装飾部材収容室裏面構成部材13′は、変動表示装置4の表示部4aが臨む裏面開口13aよりも適宜後方に裏面壁131′が位置するように、図示されていない上面壁、左側面壁133′および底面壁134′を適宜後方に延出させることで、装飾部材収容室形成壁部14′を形成したものである。斯く構成した装飾部材収容室形成壁部14′により形成される装飾部材収容室20は、その奥行が若干広くなり、可動装飾部材23を前後動させるに十分な空間を確保できる。
【0038】
加えて、装飾部材収容室形成壁部14′により形成される装飾部材収容室20は、裏面壁131′よりも変動表示装置4の表示面4aが手前側に位置することにより、死角空部20aとは別に後部死角空部20bが生じ、可動装飾部材23が裏面壁131′の前面に密接する状態(図5中、実線で示す可動装飾部材23)では、後部死角空部20bによって遊技者から視認できない右側部23a(変動表示装置4側である右側部位)が生ずると共に、可動装飾部材23が裏面壁131′から離隔するように前面側へ移動した状態(図5中、破線で示す可動装飾部材23)では、視認不可能であった右側部23aが後部死角空部20bから抜け出して遊技者から視認可能となる。
【0039】
すなわち、本実施形態に係る遊技機においては、変動表示装置4の表示部4aよりも適宜後方まで奥行を有する装飾部材収容室20内で可動装飾部材23を前後動させることにより、遊技者の視点からの距離を変化させて、可動装飾部材23が手前に来て遊技者から見えや易くしたり、可動装飾部材23を奥へ移動させて遊技者から見え難くしたりするだけではなく、後部死角空部20bによって可動装飾部材23の右側部23aを視認不可能としたり視認可能としたりすることもできるので、これを多様な装飾演出に用いることができる。
【0040】
なお、図5に示す装飾部材収容室20の空間形状においては、可動装飾部材23を前方へ移動させると、右側部23aの反対側である左側部23b(左側面壁133′側の部位)が死角空部20aに入って遊技者から視認不可能な状態になるので、例えば、可動装飾部材23を前方へ移動させた場合には、右側部23aが遊技者から視認可能になるのと相前後して左側部23bが遊技者から視認不可能となるようにし、可動装飾部材23を後方へ移動させた場合には、左側部23bが遊技者から視認可能になるのと相前後して右側部23aが遊技者から視認不可能となるようにし、可動部材23の右側部23aもしくは左側部23bの何れか一方のみを遊技者に視認させることを有効利用した装飾演出を行わせることが可能となる。
【0041】
上述した可動装飾部材23を前後動させる機構は特に限定されるものではなく、公知既存の駆動機構を適宜に採用して実現できるが、本実施形態においては、死角空部20a内に配置した駆動モータ33のモータ軸33aにより正逆回転するギア34の歯をラック部材35の歯列に歯噛させ、ラック部材35を前後方向へスライド移動させることで、ラック部材35の後端部が取り付けられた可動装飾部材23を前後動させるものとした。また、死角空部20a内には、電気部品取付パネル30を介して照明基板32を配設し、その背面側に適数設けたLED32aを適宜に点灯或いは点滅させることで、可動装飾部材23の前面側をライトアップして視認性を高められるようにしてある。
【0042】
また、電気部品が装飾部材へ作用する態様としては、駆動モータ31,33の正逆回転に伴う配設位置を変化させるものに限らず、遊技者から見える状態を変化させるものでも良い。図6および図7に示すのは、上述した第1,第2実施形態に係る遊技機とは異なり、装飾部材収容室形成壁部14″を一体化した裏面構成部材13″を備える第3実施形態の遊技機における遊技盤腰部の横断平面図であり、本図に基づいて、第4構成例に係る可動装飾部材24の動作を説明する。
【0043】
本実施形態に係る装飾部材収容室裏面構成部材13″は、裏面壁131″における変動表示装置4に隣接する側に、後方へ窪む装飾部材片面収容室20cが形成されるように、左後方延出壁131a、背面壁131b、右後方延出壁131cを裏面壁131″に設け、装飾部材片面収容室20cの上面および底面も、図示されていない上面壁および底面壁134″によって各々閉塞される。
【0044】
そして、可動装飾部材24は、前記装飾部材片面収容室20cの前面開口に概ね収まる形状(例えば、略四角形状)で相対向する平行な二面を備える板状の回動基体24aを有し、該回動基体24aの略中間位置に上下方向の回動軸24bを設けることで、回動軸24b回りに回動基体24aが正逆方向へ適宜回転することに伴って、回動基体24aの一方の面に設けた表示機能部241が遊技機前面に臨み、回動基体24aの他方の面に設けた反射機能部242が装飾部材片面収容室20c内に収容された表示状態(遊技機前面より遊技者が変動表示視認凹室5cを介して表示機能部241を視認可能な状態)と、反射機能部242が遊技機前面に臨み、反射機能部241が装飾部材片面収容室20c内に収容された反射状態(遊技機前面より遊技者が変動表示視認凹室241を介して反射機能部242を視認可能な状態)とに変換させることができる。
【0045】
すなわち、本構成例の可動装飾部材24は、遊技機の前面側から遊技者が装飾部材収容室20を見るときの視線Aに対して、表示機能部241が遊技者に直接見える表示状態(図6(a)を参照)と、反射機能部242に映った虚像が遊技者に見える反射状態(図6(b)を参照)とに変換できるので、装飾機能部242を遊技者に直接見せたり、本来なら遊技者からは見えない部位を反射機能部242に映った虚像として遊技者に間接的に見せたりすることで、興趣の高い装飾演出を行うことが可能となる。
【0046】
なお、可動装飾部材24の回動基体24aを回動軸24b回りに正逆回転させる電気部品については図示を省略したが、裏面構成部材14″の上部もしくは下部に配設するものとし、上述した各実施形態とは異なり、遊技機前面より遊技者が変動表示視認凹室5cを介して見ることができない死角空部20aには配設しない。後述するように、死角空部20aは、遊技者から直接的に視認できないものの、間接的に視認できる空部として用いるためである。また、可動装飾部材24の回動基体24aが装飾部材片面収容室20cの前面開口を完全に遮蔽している状態(表示機能部241もしくは反射機能部242の一方が真正面に臨んでいる状態)においては、装飾部材片面収容室20cの内部が遊技者からは見えないが、可動装飾部材24の回転に伴って、装飾部材片面収容室20c内が遊技者から見えてしまうので、装飾部材片面収容室20cの内壁面にも装飾表示を施しておくことが望ましい。
【0047】
本構成例の可動装飾部材24における表示機能部241は、透光樹脂製のレンズ部材の内空部にLED等の発光手段を内蔵させたもので、発光手段の発光によってレンズ部材の前面側に光が透過するようにした。例えば、遊技機の機種に応じた演出用キャラクタ等を描いた半透過フィルムをレンズ部材に貼設しておけば、発光手段の発光によって遊技者が演出用キャラクタを明確に視認することが可能となるので、レンズ部材の表面が遊技者から視認される通常表示状態と、発光手段によって演出用キャラクタがレンズ部材に浮かび上がる特別表示状態の2種類の表示状態を生ぜしめることが可能となり、装飾演出の幅を一層広げることが可能となる。
【0048】
一方、本構成例の可動装飾部材24における反射機能部242は、任意形状の鏡を用いることで、光を全反射させるものとし、反射機能部242に対する遊技者の視線Aの入射角に応じて、装飾部材収容室20内における死角空部20aの適所が遊技者に見えるようにした。加えて、死角空部20aには、例えば、第1死角装飾部材36a,第2死角装飾部材36b,第3死角装飾部材36cを配設し、可動装飾部材24の回転角度に応じて変化する遊技者の視線Aの反射機能部242への入射角に応じ、第1〜第3死角装飾部材36a〜36cの何れかが遊技者に見えるようになる。
【0049】
例えば、視線Aの入射角が浅い場合には、最も右側(変動表示視認凹室5cに近い側)に配置した第1死角装飾部材36aが遊技者に見える第1反射状態となり(図6(b)を参照)、更に入射角が深くなると、第1死角装飾部材36aの左側に配置した第2死角装飾部材36bが遊技者に見える第2反射状態となり(図7(a)を参照)、更に入射角が深くなると、第2死角装飾部材36bの左側に配置した第3死角装飾部材36cが遊技者に見える第3反射状態となる(図7(b)を参照)。
【0050】
このように、死角空部20aには、遊技機前面より遊技者が変動表示視認凹室5cを介して直接見ることができない第1〜第3死角装飾部材36a〜36cを配設し、可動装飾部材24が反射状態に変換することで、反射機能部242に映った第1〜第3死角装飾部材36a〜36cが遊技者に見えるようにすれば、反射状態に変換した可動装飾部材24によって、あたかも可動装飾部材24の表示機能部241が第1〜第3死角装飾部材36a〜36cの何れかに変わったかのような演出効果を発揮できる。
【0051】
なお、第1〜第3死角装飾部材36a〜36cは、死角装飾部材取付パネル37を介して装飾部材収容室20内に配設するものとし、この死角装飾部材取付パネル37は、可動装飾部材24の回動軸24bを中心とする円弧に概ね接する平坦な3つの面として第1死角装飾部材取付面37a,第2死角装飾部材取付面37b,第3子各装飾部材取付面37cを有するもので、これら第1〜第3死角装飾部材取付面37a〜37cに各々取り付けられた第1〜第3死角装飾部材36a〜36cは、それぞれ第1〜第3反射状態における反射機能部242との離隔距離がほぼ一定となるので、遊技者の視線Aに対して、第1〜第3死角装飾部材36a〜36cの虚像までの距離をほぼ一定にできる。よって、第1〜第3死角装飾部材36a〜36cの大きさを同一としておけば、第1反射状態における第1死角装飾部材36aも、第2反射状態における第2死角装飾部材36bも、第3反射状態における第3死角装飾部材36cよりもほぼ一定の大きさとして遊技者に見せることができる。無論、第1〜第3死角装飾部材36a〜36cの見え方を積極的に変化させるような配置を採用して、装飾演出を行うようにしても良い。
【0052】
また、第1〜第3死角装飾部材36a〜36cは装飾部材収容室20内の死角空部20aに配設するので、可動装飾部材24の状態変換位置(可動装飾部材片面収容室20cの形成位置や回動軸24bの軸着位置等)と第1〜第3死角装飾部材36a〜36cの配設位置を適切に設定する組み付け作業も容易となる。なお、本実施形態においては、第1〜第3死角装飾部材36a〜36cを設けることで3種類の反射状態を生ぜしめるものとしたが、これに限らず、装飾演出によっては、1種類もしくは2種類の反射状態でもよいし、4種類以上の反射状態を設定しても構わない。更に、第1〜第3死角装飾部材36a〜36cとして、前述した可動装飾部材24における表示機能部241と同様に、透光樹脂製のレンズ部材の内空部にLED等の発光手段を内蔵させたものを用いれば、第1〜第3反射状態の夫々に対して、発光手段が発光していない通常反射状態と、発光手段を発光させた特別反射状態の2種類を生ぜしめることが可能となり、反射状態における装飾演出の幅を一層広げることが可能となる。無論、動かない立体造形物などを死角装飾部材として用いても構わない。
【0053】
また、特許請求の範囲に記載した以外の本発明の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(1) 前面側に略円形状の遊技領域が形成される遊技盤を構成する厚肉板状の遊技盤本体と、
前記遊技盤本体の遊技領域側方周縁に沿って設けられ、発射された遊技球を前記遊技領域に案内する案内誘導路と、
前記遊技盤本体を前後に貫通するように形成された開口部を介して、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示部が裏面側から臨むように配設される変動表示装置と、
前記遊技盤本体の開口部に前面側から取り付けられ、前記変動表示装置の表示部が臨む表示用開口窓部を備える前面構成部材と、
を備えた遊技機において、
前記遊技盤本体における案内誘導路の内側方から開口部にかけて、流下する遊技球の流下方向に変化を与える流下方向変化付与部材を分散配置するに必要十分な領域面積を有する側方流下領域を形成し、
前記前面構成部材は、
前記遊技盤本体の開口部へ内挿され、所要形状の前面開口から裏面側の表示用開口窓部に至る変動表示視認凹室を形成し、遊技盤本体の裏面よりも適宜後方に表示用開口窓部が位置するような奥行を有する周壁部、
を備え、
前記前面構成部材の変動表示視認凹室に連通すると共に、前記遊技領域における側方流下領域に対応する遊技盤本体裏面の後方適所に形成され、前面構成部材の変動表示視認凹室を介して内部の装飾部材を遊技者に視認可能とする装飾部材収容室を設けたことを特徴とする遊技機。
(2) 前記変動表示装置の表示部を前面に臨ませた状態で保持し、前記遊技盤本体の裏面側に取り付けられる裏面構成部材を備え、
前記裏面構成部材と一体に形成した装飾部材収容室形成壁部の前面開口を遊技盤本体の裏面にて閉塞し、装飾部材収容室形成壁部の変動表示視認凹室側の開口を前面構成部材の周壁部に形成した装飾部材視認窓部に合わせることで、装飾部材収容室を形成するようにしたことを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(3) 前記装飾部材収容室は、遊技機前面より遊技者が変動表示視認凹室を介して見ることができない死角空部が生ずる空間形状とし、
前記装飾部材に作用する電気部品を、前記装飾部材収容室の死角空部に配設したことを特徴とする(1)又は(2)に記載の遊技機。
(4) 前記装飾部材は、相対向する二面の一方に表示機能部を、他方の面に反射機能部を備え、遊技機前面より遊技者が変動表示視認凹室を介して前記表示機能部を視認可能な表示状態と、遊技機前面より遊技者が変動表示視認凹室を介して前記反射機能部を視認可能な反射状態と、に変換可能としたことを特徴とする(1)〜(3)の何れか1項に記載の遊技機。
(5) 前記装飾部材収容室は、遊技機前面より遊技者が変動表示視認凹室を介して見ることができない死角空部が生ずる空間形状とし、
前記死角空部には、遊技機前面より遊技者が変動表示視認凹室を介して直接見ることができない死角装飾部材を配設し、
前記装飾部材が反射状態に変換することで、反射機能部に映った死角装飾部材が遊技者に見えるようにしたことを特徴とする(4)に記載の遊技機。
【0054】
(1)の発明によると、遊技盤本体における案内誘導路の内側方から開口部にかけて、流下する遊技球の流下方向に変化を与える流下方向変化付与部材を分散配置するに必要十分な領域面積を有する側方流下領域を形成することで、この側方流下領域の側方に開設する開口部が遊技領域の他側に近接するほど大きく設定しても、弾球遊技における球流下の多様性を保持することが可能となり、大きな開口部に対応する変動表示視認凹室を備えた前面構成部材の裏面側から変動表示装置の大型の表示部を臨ませることで、変動表示装置による視覚的インパクトを強めることができ、しかも、前面構成部材の変動表示視認凹室を介して内部の装飾部材を遊技者に視認可能とする装飾部材収容室を、遊技領域における側方流下領域に対応する遊技盤本体裏面の後方適所に形成することで、側方流下領域を狭めることなく、装飾演出を効果的に行える装飾演出機能を設けることが可能となる。
(2)の発明によると、装飾部材収容室を形成するための部材を別途組み付ける手間がかからず、また、変動表示装置の表示部と前面構成部材の表示用窓部との位置合わせ、および変動表示視認凹室の装飾部材視認窓部と装飾部材収容室形成壁部の開口との位置合わせが容易となり、遊技盤本体への組み付け作業を効率良く行うことができる。
(3)の発明によると、電気部品が遊技者から見えない状態で装飾部材収容室内に設けることができる。よって、電気部品を装飾部材収容室の外部に設ける場合のように、運搬などの作業時に電気部品が邪魔になったり、破損したりする危険性を低減することができるし、また、そのような危険を回避するために電気部品収納室等を別途設けて電気部品を保護する必要もない。
(4)の発明によると、装飾部材の状態変換により遊技者から視認される状態を変化させ、興趣の高い装飾演出を行うことが可能となる。
(5)の発明によると、反射状態に変換した装飾部材によって、あたかも装飾部材の表示機能部が死角装飾部材に変わったかのような演出効果を発揮できる。しかも、死角装飾部材は装飾部材収容室内の死角空部に配設するので、装飾部材の状態変換位置と死角装飾部材の配設位置を適切に設定する組み付け作業も容易となる。
【0055】
以上本発明をいくつかの実施形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態は全て例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、上記の実施形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものではなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0056】
1 遊技盤
1a 遊技盤本体
2 ガイドレール
2a 案内誘導路
3 遊技領域
3a 側方流下領域
4 変動表示装置
4a 表示部
5 センターケース
5c 変動表示部視認凹室
51 周壁部
52 取付部
53 装飾部材視認窓部
13 裏面構成部材
14 装飾部材視認窓部
20 装飾部材収容室
21 装飾部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面側に遊技領域が形成される遊技盤を構成する遊技盤本体と、
前記遊技盤本体を前後に貫通するように形成された開口部を介して、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示部が裏面側から臨むように配設される変動表示装置と、
前記遊技盤本体の開口部に前面側から取り付けられ、前記変動表示装置の表示部が臨む前面開口を備える前面構成部材と、
を備えた遊技機において、
前記遊技盤本体における開口部の周りに、遊技球の流下方向に変化を与える流下方向変化付与部材を分散配置する流下領域を形成し、
前記流下領域に対応する遊技盤本体裏面の後方適所に設けられ、動作可能な装飾部材と、
を備え、
前記装飾部材は、発光手段とレンズ部材を備え、
前記発光手段の発光によってレンズ部材の前面側に光が透過するようにし、
前記前面構成部材の前面開口を見る視点を、前記流下領域とは反対側へずらすことで、前記装飾部材の少なくとも一部を直接視認できるようにしたことを特徴とする遊技機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−106049(P2012−106049A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−43181(P2012−43181)
【出願日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【分割の表示】特願2010−166989(P2010−166989)の分割
【原出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】