説明

遊技機

【課題】
遊技機本体と前面枠のそれぞれの開放状態の検出を一つのセンサで可能とした遊技機を
提供することことにある。
【解決手段】
外枠1に対して開閉可能に支持されたパチンコ機本体4と、同パチンコ機本体4に対し
て開閉可能に装着された扉枠15とを備えたパチンコ機において、前記パチンコ機本体4
と扉枠15とが閉塞状態にある場合に扉枠15に配設したリミットスイッチ51がパチン
コ機本体4に形成した透孔55を通して外枠1に当接し、パチンコ機本体4又は扉枠15
が開放されることでリミットスイッチ51と外枠1との当接状態が解除されるようにした

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に関し、特に遊技機本体と前面枠を開閉する際に開閉状態を検出できる
センサを備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種である例えばパチンコ機においては遊技機本体としてのパチンコ機本体や
前面枠としての扉枠やガラス枠(以下扉枠等という)を開放した場合には管理室において
開放の有無を報知とその時間を記録するようになっている。これは機器の保守・点検のた
めにホール側で開放する場合もあるが、主として遊技者側の不正を防止する観点から行わ
れているものである。遊技者は釘を入りやすく調整したり、不正にセーフ球とするために
扉枠等を開放する不正を行う。また、もっと大がかりな場合には制御機構内のROMを入
れ替え(いわゆる裏ROMの不正使用)るためにパチンコ機本体を開放する。
開放の有無は具体的には扉枠等とパチンコ機本体との間に扉枠等の開放を検出する第1
のセンサを配設し、支持枠体としての外枠とパチンコ機本体との間にパチンコ機本体の開
放を検出する第2のセンサを配設する。
また、機種によってはパチンコ機本体に開閉盤としてのセット盤が開閉可能に装着され
、このセット盤の基盤ボックス内に制御機構が設けられているものがある。この場合には
裏ROMの不正使用はパチンコ機本体に対してセット盤を開放し、基盤ボックスを取り外
して行われるためパチンコ機本体とセット盤との間にパチンコ機本体の開放を検出する第
2のセンサを配設する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のように2つのセンサを配設するのは、コストアップにつながり、
装着作業も両方行うこととなりこの点でもコストアップとなる。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。そ
の第1の目的とするところは、遊技機本体と前面枠のそれぞれの開放状態の検出を一つの
センサで可能とした遊技機を提供することにあり、第2の目的とするところは、開閉盤と
前面枠のそれぞれの開放状態の検出を一つのセンサで可能とした遊技機を提供するもので
ある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、支持枠体と、同支持枠体に
対して開閉可能に支持され遊技面が形成された遊技盤と遊技球発射機構とを備えた遊技機
本体と、同遊技盤の前面に配置され同遊技機本体に対して開閉可能に装着された前面枠と
を備えた遊技機において、前記遊技機本体及び前面枠が前記支持枠体に対して閉塞状態に
ある場合に同支持枠体又は前面枠のいずれか一方側に配設したセンサの検出部と同支持枠
体又は前面枠のいずれか他方側の被検出部とを同遊技機本体を間に介在させた状態で接触
、押圧あるいは近接させるとともに、同遊技機本体又は前面枠のいずれかが開放されるこ
とで同被検出部の検出部に対する接触、押圧あるいは近接状態が解除されるようにしたこ
とをその要旨とする。
このような構成では、支持枠体に対して遊技機本体及び前面枠とが閉塞状態にある場合
に、支持枠体又は前面枠のいずれか一方に配設されたセンサの検出部が遊技機本体を間に
介在させた状態でいずれか他方の支持枠体又は前面枠の被検出部に対して接触、押圧ある
いは近接させられる。
ここに、遊技機本体を間に介在させた状態とは遊技機本体の厚みがあるにもかかわらず
高感度のセンサで検出する場合や、遊技機本体に連通路を形成し、この連通路を介する場
合等を含む。
また、被検出部とはいずれか他方の支持枠体又は前面枠それ自体であってもよいし、こ
れらに併設した別部材であってもよい。また例えば連通路方向に突設されたブラケットの
ようなものであってもよい。
前面枠を開放すると、センサの検出部あるいは被検出部と支持枠体側の検出部あるいは
被検出部とが離間して接触、押圧あるいは近接状態が解除される。これによって開放され
たことが認識される。また、前面枠もろとも遊技機本体を開放すると、前面枠は遊技機本
体に装着されているため上記と同様支持枠体側の被検出部に対して接触、押圧あるいは近
接状態が解除される。これによって開放されたことが認識される。
【0005】
請求項2に記載の発明では、支持枠体と、同支持枠体に対して開閉可能に支持され遊技
面が形成された遊技盤と遊技球発射機構とを備えた遊技機本体と、同遊技盤の前面に配置
され同遊技機本体に対して開閉可能に装着された前面枠とを備えた遊技機において、前記
遊技機本体には前後方向にスライド移動して端部が外方に露出するスライド部材を装着し
、前記遊技機本体及び前面枠が前記支持枠体に対して閉塞状態にある場合に同支持枠体又
は前面枠のいずれか一方側の被検出部を、同スライド部材の一端と当接させ、これに連動
して同スライド部材の他端をいずれか他方の支持枠体又は前面枠に配設したセンサの検出
部に接触、押圧あるいは近接させるとともに、同遊技機本体又は前面枠のいずれかが開放
されることで同スライド部材の他端の同検出部に対する接触、押圧あるいは近接状態が解
除されるようにしたことをその要旨とする。
このような構成では、支持枠体に対して遊技機本体及び前面枠とが閉塞状態にある場合
に、支持枠体又は前面枠のいずれか一方に配設された被検出部が遊技機本体に装着された
スライド部材の一端に当接する。スライド部材は押動されてその他端がいずれか他方の支
持枠体又は前面枠のセンサの検出部に接触、押圧あるいは近接させられる。
前面枠を開放すると、スライド部材への押動作用がなくなるためセンサの検出部は被検
出部から離間し接触、押圧あるいは近接状態が解除される。これによって開放されたこと
が認識される。また、前面枠もろとも遊技機本体を開放すると、前面枠は遊技機本体側に
装着されているためスライド部材は押動状態ではあるものの他端によるいずれか他方の支
持枠体又は前面枠のセンサの検出部への接触、押圧あるいは近接状態が解除される。これ
によって開放されたことが認識される。
【0006】
請求項3に記載の発明では、支持枠体と、遊技面が形成された遊技盤と遊技球発射機構
とを備えるとともに、同遊技盤の裏面側に制御機構を備えた開閉盤を開閉可能に装着した
同支持枠体に対して開閉可能に支持された遊技機本体と、同遊技盤の前面に配置され同遊
技機本体に対して開閉可能に装着された前面枠とを備えた遊技機において、前記開閉盤及
び前面枠が前記遊技機本体に対して閉塞状態にある場合に同開閉盤又は前面枠のいずれか
一方側に配設したセンサの検出部と同開閉盤又は前面枠のいずれか他方側の被検出部とを
同遊技機本体を間に介在させた状態で接触、押圧あるいは近接させるとともに、同開閉盤
又は前面枠のいずれかが開放されることで同被検出部の検出部に対する接触、押圧あるい
は近接状態が解除されるようにしたことをその要旨とする。
このような構成では、遊技機本体に対して開閉盤及び前面枠が閉塞状態にある場合に、
開閉盤又は前面枠のいずれか一方に配設されたセンサの検出部が遊技機本体に形成された
連通路を介していずれか他方の開閉盤又は前面枠の被検出部に対して接触、押圧あるいは
近接させられる。ここに、遊技機本体を間に介在させた状態とは遊技機本体の厚みがある
にもかかわらず高感度のセンサで検出する場合や、遊技機本体に連通路を形成し、この連
通路を介する場合等を含む。
また、被検出部とはいずれか他方の開閉盤又は前面枠それ自体であってもよいし、これ
らに併設した別部材、例えば連通路方向に突設されたブラケットのようなものであっても
よい。
前面枠を開放すると、センサの検出部あるいは被検出部と支持枠体側の検出部あるいは
被検出部とが離間して接触、押圧あるいは近接状態が解除される。これによって開放され
たことが認識される。また、開閉盤を開放すると、前面枠は遊技機本体側に装着されてい
るため上記と同様支持枠体側の被検出部に対して接触、押圧あるいは近接状態が解除され
る。これによって開放されたことが認識される。
【0007】
請求項4に記載の発明では、支持枠体と、遊技面が形成された遊技盤と遊技球発射機構
とを備えるとともに、同遊技盤の裏面側に制御機構を備えた開閉盤を開閉可能に装着した
同支持枠体に対して開閉可能に支持された遊技機本体と、同遊技盤の前面に配置され同遊
技機本体に対して開閉可能に装着された前面枠とを備えた遊技機において、前記遊技機本
体には前後方向にスライド移動して端部が外方に露出するスライド部材を装着し、前記開
閉盤及び前面枠が前記支持枠体に対して閉塞状態にある場合に同開閉盤又は前面枠のいず
れか一方側の被検出部を、同スライド部材の一端と当接させ、これに連動して同スライド
部材の他端をいずれか他方の開閉盤又は前面枠に配設したセンサの検出部に接触、押圧あ
るいは近接させるとともに、同開閉盤又は前面枠のいずれかが開放されることで同スライ
ド部材の他端の同検出部に対する接触、押圧あるいは近接状態が解除されるようにしたこ
とをその要旨とする。
このような構成では、遊技機本体に対して開閉盤及び前面枠が閉塞状態にある場合に、
開閉盤又は前面枠のいずれか一方に配設された被検出部が遊技機本体に装着されたスライ
ド部材の一端に当接する。スライド部材は押動されてその他端がいずれか他方の開閉盤又
は前面枠のセンサの検出部に接触、押圧あるいは近接させられる。
前面枠を開放すると、スライド部材への押動作用がなくなるためセンサの検出部は被検
出部から離間し接触、押圧あるいは近接状態が解除される。これによって開放されたこと
が認識される。また、開閉盤を開放すると、前面枠は遊技機本体側に装着されているため
スライド部材は押動状態ではあるものの他端によるいずれか他方の支持枠体又は前面枠の
センサの検出部への接触、押圧あるいは近接状態が解除される。これによって開放された
ことが認識される。
【発明の効果】
【0008】
請求項1及び2に記載された発明では、前面枠又は遊技機本体の開放の有無を1つのセ
ンサのみで検出することができるため、コストの削減に寄与できる。また、請求項3及び
4に記載された発明では、前面枠又は開閉盤の開放の有無を1つのセンサのみで検出する
ことができるため、コストの削減に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1及び2のパチンコ機の正面図。
【図2】実施の形態1のパチンコ機の扉枠を開放した状態の斜視図。
【図3】実施の形態2のパチンコ機の扉枠を開放した状態の斜視図。
【図4】実施の形態1及び2のパチンコ機における裏面図。
【図5】実施の形態1のパチンコ機における部分拡大平面図。
【図6】実施の形態1のパチンコ機における部分拡大平面図。
【図7】実施の形態1のパチンコ機における部分拡大平面図。
【図8】実施の形態1のパチンコ機における扉枠裏面の部分拡大斜視図。
【図9】実施の形態1のパチンコ機において扉枠及びパチンコ機本体を閉塞したときのリミットスイッチの配置状態を説明する概念図。
【図10】実施の形態2のパチンコ機における部分平面図。
【図11】実施の形態2のパチンコ機における部分拡大平面図。
【図12】実施の形態2のパチンコ機における部分拡大平面図。
【図13】実施の形態2のパチンコ機における部分拡大平面図。
【図14】実施の形態2のパチンコ機においてパチンコ機本体にセット盤を閉塞させたときのリミットスイッチ及び中間スイッチの配置関係を説明する部分断面図。
【図15】実施の形態2のパチンコ機における中間スイッチの断面図であって、 (a)はスライドピンがリミットスイッチにも扉枠にも接していない状態 (b)スライドピンがリミットスイッチ及び扉枠に接した状態 (c)はスライドピンが扉枠に接しいるがリミットスイッチに接していない状態。
【図16】他の実施の形態のパチンコ機において扉枠及びパチンコ機本体を閉塞したときのリミットスイッチの配置状態を説明する概念図。
【図17】他の実施の形態のパチンコ機において扉枠及びパチンコ機本体を閉塞したときのリミットスイッチ及び中間スイッチの配置状態を説明する概念図。
【図18】他の実施の形態のパチンコ機において扉枠及びパチンコ機本体を閉塞したときのリミットスイッチの配置状態を説明する概念図。
【図19】他の実施の形態のパチンコ機において扉枠及びパチンコ機本体を閉塞したときの光センサの配置状態を説明する概念図。
【図20】他の実施の形態のパチンコ機において扉枠及びパチンコ機本体を閉塞したときの近接スイッチの配置状態を説明する概念図。
【図21】他の実施の形態のパチンコ機において扉枠及びパチンコ機本体を閉塞したときの近接スイッチの配置状態を説明する概念図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をパチンコ機に応用した実施の形態1及び2について図面に基づいて説明
する。まず、主として図1〜図4に基づいてパチンコ機の概略を説明し、その後実施の形
態1及び2それぞれの固有の構成について説明する。尚、以下の説明で前面側或いは表面
側とは遊技者が正対する側をいい、後面側或いは背面側とはその反対側をいうものとする
。また図4における説明では裏面側からみた左右方向をそれぞれ左右とする。
図1〜図4に示すように、パチンコ遊技機の支持枠体としての外枠1は上下左右の各枠
板1a〜1dによって四角形に枠組みされた木製の枠体とされている。下部枠板1b上面
には幕板2が配設されている。図2及び図3に示すように、外枠1には遊技機本体として
のパチンコ機本体4が装着されている。パチンコ機本体4はヒンジ金具6の回動軸6aを
中心に回動し外枠1に対して開閉可能とされている。パチンコ機本体4の上半身には遊技
盤5が装着されている。図1〜図3に示すように、遊技盤5の前面にはほぼ垂直に配置さ
れた遊技面9が形成されている。遊技面9上には内レール10、外レール11、入賞口1
2及び可変表示装置13等が所定位置に配置された遊技領域14が形成されている。尚、
釘については図示が省略されている。遊技盤5の周囲は額縁状の扉枠支持フレーム7にて
包囲されている。扉枠支持フレーム7はパチンコ機本体4と一体的に形成されている。扉
枠支持フレーム7の上部前面には水平方向に3つのランプ8が配設されている。
【0011】
図4に示すように、遊技盤5の背面側には開閉可能に開閉盤としてのセット盤22がパ
チンコ機本体4に対して開閉可能に装着されている。セット盤22は上下に配設されたヒ
ンジ部23によってパチンコ機本体4に支持されており、盤面に散点的に配置された開閉
ピン26の引き出し及び押し込みによってパチンコ機本体4に着脱される。セット盤22
の中央付近には可変表示装置13の制御を行う制御機構としての図柄表示装置ユニット3
1が配設されている。同ユニット31に隣接して賞球の排出等のパチンコ機の電子的制御
を行う制御機構としての制御装置ユニット32が配設されている。同両ユニット31,3
2の上方には賞球タンク33が配設されている。賞球タンク33の右方には入出力基盤3
4が配設されている。入出力基盤34の下方には球払い出し機構Pが配設されている。球
払い出し機構Pの下方にはセーフ球処理機構Qが配設されている。セット盤22の下方に
は遊技球発射機構Rが配設されている。
【0012】
図1〜図3に示すように、遊技盤5の前面には前面枠としての扉枠15が配設されてい
る。扉枠15はヒンジ金具6の回動軸6aを中心に回動しパチンコ機本体4に対して開閉
可能とされている。扉枠15は閉じられた状態で前記扉枠支持フレーム7に当接する。扉
枠15はほぼ正方形の外形を有し、中央にほぼ正方形の大型の窓穴16が形成されている
。扉枠15上方の上梁19には水平方向に3つの透孔24が形成されている。透孔24は
前記扉枠支持フレーム7のランプ8に対応しており、扉枠15を閉じた時に各ランプ8が
対応する透孔24内に配置される。上梁19前面には半透明の装飾パネル25が配設され
、同透孔24を覆っている。ランプ8の光は同透孔24を通して光透過性の装飾パネル2
5を明るく照らし出す。左縦枠21には鍵穴27を(図1参照)露出させるための台形の
大きな切り欠き28が形成されている。
図2及び図3に示すように、扉枠15の背面側には同窓穴16の全周囲に渡って同窓穴
16を包囲する金属製の補強フレーム29が配設されている。
【0013】
扉枠15の下方には上部カバープレート35が装着されている。上部カバープレート3
5はパチンコ機本体4に対して図示しないヒンジ金具によって片持ち支持され同パチンコ
機本体4に対して開閉可能とされている。上部カバープレート35は前方に突出形成され
、上面に上受け皿36が載置されている。上部カバープレート35の下方には下部カバー
プレート37が配設されている。下部カバープレート37はパチンコ機本体4に対して固
着されている。下部カバープレート37は前方に突出形成され、上面に下受け皿38が載
置されている。下受け皿38は主として上受け皿36に貯留しきれなかった遊技球を貯留
するものである。下部カバープレート37には灰皿40が装着されている。下受け皿38
の右側方には操作ハンドル39が取付けられている。
【0014】
(実施の形態1)
以下実施の形態1の固有の構成について説明する。
図2、図8及び図9に示すように、前記上梁19内部であってヒンジ金具6の回動軸6
a寄り位置にはセンサとしてのリミットスイッチ51が配設されている。リミットスイッ
チ51は上梁19内部の設置台52に固着されている。リミットスイッチ51は同設置台
52上に設置された本体51aと検出部としてのレバー51bとを備えている。レバー5
1bは前後方向に進退可能とされており、図示しない内部のスプリングによって後方側(
つまりレバー51b先端側)に付勢されている。図2及び図7に示すように、レバー51
bは上梁19に形成された開口部53から後方に向かって突出させられている。
図2、図5〜図7及び図9等に示すように、扉枠支持フレーム7にはリミットスイッチ
51のレバー51bを挿入するための透孔55が形成されている。透孔55はトンネル状
に前後面に連通されており、図7に示すように、扉枠15をパチンコ機本体4に装着した
状態においてレバー51bは同透孔55に挿入されてその先端が後方側に露出される。ま
た、図5及び図9に示すように扉枠15及びパチンコ機本体4が閉塞された状態ではレバ
ー51bは外枠1の上部枠板1aの前面に当接し、図示しないスプリングの付勢力に抗し
て前方方向(本体51a方向)に押し込まれた状態で保持される。
【0015】
このような構成の実施の形態1のパチンコ機の作用について説明する。
図1のパチンコ機本体4と扉枠15を完全に閉塞した状態(つまり、通常の遊技可能状
態)においては図5及び図9に示すように、リミットスイッチ51のレバー51bは外枠
1の上部枠板1aの前面に当接している。本実施の形態ではこのレバー51bが本体51
a方向に押し込まれた状態はリミットスイッチ51が入力されていない非検出の状態とさ
れる。
まず、扉枠15のみを開放させると図6に示すように開放にともないリミットスイッチ
51のレバー51bは透孔55から抜け出、外枠1の上部枠板1aによる押動作用が解消
されるため図示しないスプリングの付勢力によって復帰する。すなわち、リミットスイッ
チ51が入力されて扉枠15が開放されたことが検出される。
また、パチンコ機本体4を開放させると扉枠15も同時に開放することとなり、図7に
示すようにリミットスイッチ51のレバー51bは透孔55内に配置されたままではある
が、外枠1の上部枠板1aによる押動作用が解消され図示しないスプリングの付勢力によ
って復帰する。すなわち、リミットスイッチ51が入力されてパチンコ機本体4が開放さ
れたことが検出される。
【0016】
このように構成することにより本実施の形態1は次のような効果を奏する。
(1)扉枠15及びパチンコ機本体4のそれぞれが開放されたことをチェックするため
にそれぞれにセンサが必要であるところ、1つのリミットスイッチ51によっていずれが
開放されたことも検出できることとなり、2つのセンサを使用していた従来に比べコスト
が削減され、その装着作業や保守・点検も軽減されるためトータルとしてパチンコ機のコ
ストが削減される。
(2)リミットスイッチ51のレバー51bは透孔55を通して外枠1の上部枠板1a
に当接するため、扉枠15及びパチンコ機本体4が閉塞された状態では外からいたずらに
触わることも目視することもできない。
(3)不正遊技をたくらむ者は例えば扉枠15を少しだけ開放して指を入れてリミット
スイッチ51のレバー51bを押さえることでリミットスイッチ51が入力されるのを阻
止しようとする可能性がある。ところが、このように透孔55位置がヒンジ金具6寄りに
、かつ上梁19に形成されているため、非常に指が入れにくく、またレバー51bも目視
しにくいため不正遊技防止に大きく貢献する。
【0017】
(実施の形態2)
以下実施の形態2の固有の構成について説明する。
図10〜図14に示すように、前記パチンコ機本体4の上部中央寄りには中間スイッチ
61が配設されている。図15(a)〜図15(c)に示すように、中間スイッチ61は
本体ケース62とスライド部材としてのスライドピン63とコイルスプリング64とより
構成されている。本体ケース62の前後面壁65,66にはそれぞれ開口部65a,66
aが形成され、スライドピン63は同両開口部65a,66a間にスライド可能に懸架さ
れている。スライドピン63の前端寄りには小フランジ63aが形成されている、コイル
スプリング64は前面壁65と小フランジ63a間に配置されて小フランジ63aを介し
てスライドピン63を前面壁65方向に付勢している。この付勢状態において図3に示す
ように、スライドピン63の前端はパチンコ機本体4に形成された透孔4aから前方に突
出させられている。
【0018】
セット盤22の裏面側にはセンサとしてのリミットスイッチ67が配設されている。リ
ミットスイッチ67はセット盤22に直接図示しない締結部材で固着されている。図11
〜図13及び図15(a)〜図15(c)に示すように、リミットスイッチ67は本体6
7aと検出部としてのレバー67bを備えており、同レバー67bはセット盤22に開口
された開口部22aから前方に向かって露出されている。パチンコ機本体4に閉塞された
状態で開口部22aは上記透孔4aと前後方向に重複して配置される。
パチンコ機本体4に対して扉枠15及びセット盤22が閉塞状態にある図10に示す状
態ではスライドピン63の前端は図15(b)に示すように扉枠15(の上梁19)によ
って押動されてスライドピン63の後端がリミットスイッチ67のレバー67bを押動す
る。一方、図15(a)に示すように扉枠15の押動がなくなるとコイルスプリング64
の付勢力によってスライドピン63は前方にスライド移動し、リミットスイッチ67のレ
バー67bと干渉しなくなる。
【0019】
このような構成の実施の形態2のパチンコ機の作用について説明する。
図10のパチンコ機本体4に対して扉枠15とセット盤22を完全に閉塞した状態にお
いては図15(b)に示すように、リミットスイッチ67のレバー67bはスライドピン
63の後端によって押動されている。本実施の形態ではこのレバー67bが本体67a方
向に押された状態はリミットスイッチ67が入力されていない非検出の状態とされる。
まず、扉枠15のみを開放させると図12及び図15(a)に示すように開放にともな
い扉枠15のスライドピン63に対する押動作用がなくなるためスライドピン63はコイ
ルスプリング64の付勢力によって前方にスライド移動し、リミットスイッチ67のレバ
ー67bと干渉しなくなる。すなわち、リミットスイッチ67が入力されて扉枠15が開
放されたことが検出される。
また、図13のように扉枠15を閉塞したままでセット盤22のみを開放させるとスラ
イドピン63の後端のリミットスイッチ67のレバー67bへの押動が解消される。すな
わち、リミットスイッチ51が入力されてセット盤22が開放されたことが検出される。
但し扉枠15を閉塞したままなので扉枠15のスライドピン63に対する押動作用は維持
されたままである(図15(c)参照)。
【0020】
このように構成することにより本実施の形態1は次のような効果を奏する。
(1)扉枠15とセット盤22のそれぞれが開放されたことをチェックするためにそれ
ぞれにセンサが必要であるところ、1つのリミットスイッチ67によっていずれが開放さ
れたことも検出できることとなり、2つのセンサを使用していた従来に比べコストが削減
され、その装着作業や保守・点検も軽減されるためトータルとしてパチンコ機のコストが
削減される。
(2)扉枠15とセット盤22との間隔がパチンコ機本体4を挟んで開いているため、
リミットスイッチ67を入り切りしにくいところ、スライドピン63が中間に介在されて
いるため、従来からの既存のリミットスイッチ67であっても正確に入り切りすることが
できる。
(3)リミットスイッチ67のレバー67bは透孔55を通して外枠1の上部枠板1a
に当接するため、扉枠15及びパチンコ機本体4が閉塞された状態では外からいたずらに
触わることも目視することもできない。
(4)不正遊技をたくらむ者は例えば扉枠15を少しだけ開放して指を入れてリミット
スイッチ67のレバー67bを押さえることでリミットスイッチ67が入力されるのを阻
止しようとする可能性がある。ところが、このように中間スイッチ61配設位置が開放口
から離間した中央寄り、かつ上梁19に形成されているため、非常に指が入れにくく、ま
たレバー67bも目視しにくいため不正遊技防止に大きく貢献する。
【0021】
尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・実施の形態1のように外枠1に対して扉枠15とパチンコ機本体4との開閉を検出す
る場合において実施の形態2のような中間スイッチ61をパチンコ機本体4に配設しても
構わない。
・図16に示すように、外枠1の上部枠板1aから被検出部としてのブラケット71を
前方に向かって延出させ、扉枠15及びパチンコ機本体4を閉塞した状態でリミットスイ
ッチ51のレバー51bとブラケット71とが透孔55内で当接するようにしてもよい。
このように構成すれば、レバー51bをそれほど長く構成しなくともよくなる。
・図17に示すように、実施の形態2におけるリミットスイッチ67をセット盤22側
ではなく扉枠15側に配設するようにしても構わない。
・図18に示すように、図16のリミットスイッチ51とブラケット71との装着位置
を逆転させて構成してもよい。
・図19に示すように、リミットスイッチ51の代わりに光センサ73を使用し、外枠
1の上部枠板1aには扉枠15及びパチンコ機本体4を閉塞した状態で光センサ73の光
軸を遮るブラケット74を装着するようにしてもよい。もちろん、光センサ73とブラケ
ット74の装着位置を逆転させてもよい。
・図20に示すように、リミットスイッチ51、光センサ73の代わりに近接スイッチ
75を使用し、外枠1の上部枠板1aに近接スイッチ75に近接する鉄製のブラケット7
6を装着するようにしてもよい。もちろん、近接スイッチ75とブラケット76の装着位
置を逆転させてもよい。
・図21に示すように、高感度の近接スイッチ75を使用することで、透孔55を設け
ずともパチンコ機本体4を間に介在させて外枠1側の金属プレート77を検出するように
してもよい。もちろん、近接スイッチ75と金属プレート77の装着位置を逆転させても
よい。
・透孔55は扉枠15及びパチンコ機本体4を閉塞した状態では外部から目視不能とな
っていたが、これを外部から目視できる切り欠き状に形成しても構わない。
・例えば上記実施の形態1ではセンサとしてのリミットスイッチ51を上方に配設した
が、扉枠15、パチンコ機本体4及び外枠1が重複する位置であるならばいずれに配設し
ても構わない。
・上記実施の形態2の中間スイッチ61は他の構成としても構わない。例えば、上記で
はコイルスプリング64を配設していたが、これは必ずしもなくとも構わない。また、ス
ライドピン63は一体の棒体で構成されていたが、必ずしも棒体形状でなくともよく、一
本で構成されていなくとも構わない。
・本発明はパチンコ機以外にもアレパチ、アレンジボール等の遊技機にも応用可能であ
る等その他、本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
【0022】
上記実施の形態から把握できる本発明のその他の技術的思想について下記に付記とし
て説明する。
(1)前記遊技機本体及び前面枠が前記支持枠体に対して閉塞状態にある場合に同支持
枠体又は前面枠のいずれか一方側に配設したセンサの検出部と同支持枠体又は前面枠のい
ずれか他方側の被検出部とを同遊技機本体に形成された連通路を介して接触、押圧あるい
は近接させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
(2)前記開閉盤及び前面枠が前記遊技機本体に対して閉塞状態にある場合に同開閉盤
又は前面枠のいずれか一方側に配設したセンサの検出部と同開閉盤又は前面枠のいずれか
他方側の被検出部とを同遊技機本体に形成された連通路を介して接触、押圧あるいは近接
させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
(3)前記遊技機本体に形成された連通路は左右いずれかの開閉口から離間した位置に
形成されていることを特徴とする付記1又は2に記載の遊技機。
(4)前記遊技機本体に装着されたスライド部材は左右いずれかの開閉口から離間した
位置に形成されていることを特徴とする請求項2又は4に記載の遊技機。
(5)前記連通路は前記遊技盤及び前面枠が前記支持枠体に対して閉鎖状態にある場合
には外部から目視不能であることを特徴とする付記1〜3のいずれかに記載の遊技機。
(6)前記センサの検出部と前記被検出部材とは前記連通路内にて検出状態となること
を特徴とする付記1〜3、5のいずれかに記載の遊技機。
(7)スライド部材は付勢手段によっていずれか一方の端部方向に付勢されていること
を特徴とする請求項2又は4若しくは付記4のいずれかに記載の遊技機。
【符号の説明】
【0023】
1…支持枠体としての外枠、1a…被検出部としての上部枠板、4…遊技機本体として
のパチンコ機本体、5…遊技盤、9…遊技面、15…前面枠としての扉枠、22…開閉盤
としてのセット盤、51…センサとしてのリミットスイッチ、51b…検出部としてのレ
バー、55…連通路としての透孔、61…中間スイッチ、63…スライド部材としてのス
ライドピン、67…センサとしてのリミットスイッチ、67b…検出部としてのレバー、
71,74,76…被検出部としてのブラケット、73…センサとしての光センサ、75
…センサとしての近接スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持枠体と、同支持枠体に対して開閉可能に支持され遊技面が形成された遊技盤と遊技
球発射機構とを備えた遊技機本体と、同遊技盤の前面に配置され同遊技機本体に対して開
閉可能に装着された前面枠とを備えた遊技機において、
前記遊技機本体及び前面枠が前記支持枠体に対して閉塞状態にある場合に同支持枠体又
は前面枠のいずれか一方側に配設したセンサの検出部と同支持枠体又は前面枠のいずれか
他方側の被検出部とを同遊技機本体を間に介在させた状態で接触、押圧あるいは近接させ
るとともに、同遊技機本体又は前面枠のいずれかが開放されることで同被検出部の検出部
に対する接触、押圧あるいは近接状態が解除されるようにしたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
支持枠体と、同支持枠体に対して開閉可能に支持され遊技面が形成された遊技盤と遊技
球発射機構とを備えた遊技機本体と、同遊技盤の前面に配置され同遊技機本体に対して開
閉可能に装着された前面枠とを備えた遊技機において、
前記遊技機本体には前後方向にスライド移動して端部が外方に露出するスライド部材を
装着し、
前記遊技機本体及び前面枠が前記支持枠体に対して閉塞状態にある場合に同支持枠体又
は前面枠のいずれか一方側の被検出部を、同スライド部材の一端と当接させ、これに連動
して同スライド部材の他端をいずれか他方の支持枠体又は前面枠に配設したセンサの検出
部に接触、押圧あるいは近接させるとともに、同遊技機本体又は前面枠のいずれかが開放
されることで同スライド部材の他端の同検出部に対する接触、押圧あるいは近接状態が解
除されるようにしたことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
支持枠体と、遊技面が形成された遊技盤と遊技球発射機構とを備えるとともに、同遊技
盤の裏面側に制御機構を備えた開閉盤を開閉可能に装着した同支持枠体に対して開閉可能
に支持された遊技機本体と、同遊技盤の前面に配置され同遊技機本体に対して開閉可能に
装着された前面枠とを備えた遊技機において、
前記開閉盤及び前面枠が前記遊技機本体に対して閉塞状態にある場合に同開閉盤又は前
面枠のいずれか一方側に配設したセンサの検出部と同開閉盤又は前面枠のいずれか他方側
の被検出部とを同遊技機本体を間に介在させた状態で接触、押圧あるいは近接させるとと
もに、同開閉盤又は前面枠のいずれかが開放されることで同被検出部の検出部に対する接
触、押圧あるいは近接状態が解除されるようにしたことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
支持枠体と、遊技面が形成された遊技盤と遊技球発射機構とを備えるとともに、同遊技
盤の裏面側に制御機構を備えた開閉盤を開閉可能に装着した同支持枠体に対して開閉可能
に支持された遊技機本体と、同遊技盤の前面に配置され同遊技機本体に対して開閉可能に
装着された前面枠とを備えた遊技機において、
前記遊技機本体には前後方向にスライド移動して端部が外方に露出するスライド部材を
装着し、
前記開閉盤及び前面枠が前記支持枠体に対して閉塞状態にある場合に同開閉盤又は前面
枠のいずれか一方側の被検出部を、同スライド部材の一端と当接させ、これに連動して同
スライド部材の他端をいずれか他方の開閉盤又は前面枠に配設したセンサの検出部に接触
、押圧あるいは近接させるとともに、同開閉盤又は前面枠のいずれかが開放されることで
同スライド部材の他端の同検出部に対する接触、押圧あるいは近接状態が解除されるよう
にしたことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−120933(P2012−120933A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−77092(P2012−77092)
【出願日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【分割の表示】特願2010−160260(P2010−160260)の分割
【原出願日】平成12年8月28日(2000.8.28)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】