説明

遊技機

【課題】遊技性の低下を抑制しつつ、遊技者の好みや設置環境に応じた明るさとすることのできる遊技機を提供する。
【解決手段】所定の契機により行われる当否抽選において当選結果が得られた場合に、多くの賞球を獲得できる大当たり状態を発生させるパチンコ機10は、複数の発光手段を備えている。また、パチンコ機10は、所定の発光手段の明るさを調節可能な調節手段を備えており、当該所定の発光手段の明るさを、遊技者の好みや設置環境に応じた明るさとすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、例えば、遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられた所定の始動入球手段に遊技球が入球すると大当たり状態を発生させるか否か当否抽選を行う。これに伴い所定の表示装置において識別情報が変動表示され、前記当否抽選の抽選結果に基づいた特定態様で識別情報が停止表示されると、遊技者に有利な大当たり状態が発生し、遊技者は多くの遊技価値(賞球)を獲得することが可能となる。
【0003】
このような遊技機においては、装飾効果や演出効果を高めるべく、液晶表示装置や数多くの発光体(例えばLED)が設けられており、これらの光の態様によって、大当たり状態への期待感を抱かせたり、遊技の単調感を抑制したりしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−154110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では、液晶画面の大型化、発光体の設置個数の増加、発光体の高輝度化等により、光による態様を煌びやかにする傾向にある。ところが、設置箇所の照明環境や、遊技者の好みによって、光による装飾効果や演出効果が十分に奏されないことが懸念される。また、遊技を長時間行うような場合には、遊技者は目に疲れを感じることもある。
【0006】
これに対し、ただ単に発光体の設置個数を減らしたり、発光体を輝度の低いものに変更したりするのでは、光による装飾効果や演出効果の低減を招くだけであり、他の機種の遊技機に比べて見劣りしてしまったり、遊技性の低下を招いたりしまうおそれがある。
【0007】
なお、上述した課題は、パチンコ機に限られるものではなく、スロットマシン等の他の遊技機にも該当する問題である。
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技性の低下を抑制しつつ、遊技者の好みや設置環境等に応じた明るさとすることのできる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記課題等を解決するのに適した各手段を項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0010】
手段1.発光手段を備える遊技機において、所定の発光手段の明るさを調節可能な調節手段を備えることを特徴とする遊技機。
【0011】
手段1によれば、遊技者の好みや、ホールの照明や天候等遊技機の設置箇所の明るさ等に応じて、発光手段の明るさを適宜調節することができる。従って、遊技者は比較的快適に遊技を行うことができる。
【0012】
尚、発光手段としては、例えば、複数の光源を具備するもの、LEDとレンズとをユニット化したもの、液晶パネル及びバックライトを具備する液晶表示装置等が挙げられる。また、本手段において「明るさ」とあるのは「単位時間当たりの光の照射量」、「輝度」、「コントラスト」、「色調」等といった意味を有する。
【0013】
尚「前記発光手段は、赤、緑、青のうち少なくとも2色の発光素子を備え、前記調節手段は、前記各発光素子の明るさをそれぞれ調節可能であること」としてもよい。この場合、発光手段の色調を変更することができる。また、「前記発光手段は液晶表示装置として構成されるとともに、バックライトとしてマトリクス状に配設された複数のLEDを備え、前記調節手段は、前記各LEDの明るさをそれぞれ調節可能であること」としてもよい。この場合、液晶表示装置の表示部の全体的な明るさだけでなくコントラストを調節することもできる。
【0014】
手段2.前記調節手段は、操作手段と、前記操作手段の操作に基づいて前記所定の発光手段の明るさ制御を行う明るさ制御手段とを備えることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
【0015】
手段2によれば、人為的な操作によって発光手段の明るさを調節することができる。例えば、発光手段が明るすぎると思われる場合には暗くすることで、遊技を長時間行った場合でも、視覚疲労の抑制等を図ることができる。結果として、快適な遊技環境を提供することができる。
【0016】
手段3.前記操作手段は、遊技者が操作可能な位置に設けられることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
【0017】
手段3によれば、遊技者が発光手段を自分好みの明るさに調節することができる。また、遊技ホール関係者が発光手段を好ましい明るさに調節することもできる。
【0018】
手段4.前記操作手段は、遊技者が操作不可能な位置に設けられることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
【0019】
手段4によれば、遊技ホール関係者が発光手段を好ましい明るさに調節することができる。
【0020】
手段5.前記調節手段は、遊技機外部からの信号を入力可能な外部信号入力手段と、前記外部信号入力手段に入力された信号に基づいて前記発光手段の明るさ制御を行う明るさ制御手段とを備えることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
【0021】
手段5によれば、遊技機外部からの指示で明るさを調節することができる。例えば、複数の遊技機と電気的に接続された所定の操作手段をホール関係者が操作し、複数の遊技機に対して同時に信号を出力することで、複数の遊技機の明るさを一度に調節することができる。従って、例えば、ホールに設置された全ての遊技機の明るさを一律に変更したい場合や、遊技島単位で明るさを変更したい場合等において、一台ずつ明るさを調節する場合に比べて作業性の向上が図られる。尚、ホール関係者による調節と遊技者による調節との両方が可能である場合、遊技者の調節の方が優先されることとしてもよい。
【0022】
手段6.前記調節手段は、外部の明るさを計測する明るさ計測手段と、前記明るさ計測手段の計測結果に基づいて前記発光手段の明るさ制御を行う明るさ制御手段とを備えることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
【0023】
手段6によれば、発光手段の明るさを、遊技機の設置環境(遊技機外部の明るさ)に応じた好適な明るさとなるように、人手を要することなく予め設定した明るさに自動調節することができる。尚、発光手段の明るさに関し、人為的な調節と自動調節との両方が可能である場合、人為的な調節の方が優先されることとしてもよい。また、明るさ計測手段としては、例えば、照度計、輝度計、光量計、フォトダイオードや光電子倍増管(フォトマル)を搭載した光センサ等が挙げられる。
【0024】
手段7.前記明るさ制御手段は、前記発光手段を点滅させるとともに、当該点滅する発光手段の点灯時間と消灯時間との比率を変更することで、前記発光手段の明るさを調節することを特徴とする手段2乃至6のいずれかに記載の遊技機。
【0025】
手段7によれば、発光手段を点滅させることで、遊技者には、残像現象によって、かかる発光手段が連続して点灯しているように見えることを利用して、点滅する発光手段の点灯時間と消灯時間との比率を変更することで、当該発光手段の明るさを調節することができる。つまり、発光手段が連続して点灯しているように見えるといった点滅速度の範囲内で、単位時間当たりの点灯時間を長くすれば(連続点灯でもよい)明るく見え、単位時間当たりの点灯時間を短くすれば暗く見える。このため、発光手段の明るさを調節するべく、例えば、発光手段に印加する電圧を大きく変化させるといった必要がなくなり、発光手段の短寿命化や破損を防止することができる。
【0026】
手段8.前記発光手段は複数の発光素子を備え、
前記明るさ制御手段は、前記発光素子を点滅させるとともに、当該点滅する発光素子の点灯時間と消灯時間との比率を変更し、同時に点灯する前記発光素子の数を増減させることで、前記発光手段の明るさを調節することを特徴とする手段2乃至7のいずれかに記載の遊技機。
【0027】
手段8によれば、発光素子を点滅させることで、遊技者には、残像現象によって、かかる発光素子が連続して点灯しているように見えることを利用して、点滅する発光手段の点灯時間と消灯時間との比率を変更し、同時に点灯する発光素子の数を増減させることで、当該発光素子ひいては発光手段の明るさを調節することができる。このため、発光手段による光の演出(光の見え方)を変えることを必須とすることなく、発光手段の明るさを変更することができる。
【0028】
手段9.前記発光手段は複数の発光素子を備え、
前記複数の発光素子を複数の組に分け、
前記明るさ制御手段は、点灯の対象となる発光素子の組を順次切替えることを特徴とする手段2乃至8のいずれかに記載の遊技機。
【0029】
手段9によれば、発光素子を組毎で順次点灯させるといった動作を高速で繰り返すことで、実際に点灯しているのが1つの組の発光素子であっても、あたかも全ての組の発光素子が同時にかつ連続的に点灯しているかのように見せることができる。従って、発光手段による光の演出を変えることなく、複数の発光素子に対応する配線(ポート)等を集約することができ、回路の省スペース化やコストダウン等を図ることができる。尚、「前記複数の発光素子を複数の組に分け」とあるのを「前記複数の発光素子を、n個を1組としてm組(n、mは自然数)に分け」としてもよい。
【0030】
手段10.前記発光手段は複数の発光素子を備え、
前記複数の発光素子を複数の組に分け、組毎に前記発光素子のアノード又はカソードの一方が共通して接続される共通線と、異なる組の前記発光素子のアノード又はカソードの他方が共通して接続され得る区分線とを備え、
所定の発光素子に接続された共通線及び区分線に対して駆動信号が送られることで前記所定の発光素子が点灯する構成であって、
前記明るさ制御手段は、駆動信号を送る前記共通線を順次切替えることを特徴とする手段2乃至9のいずれかに記載の遊技機。
【0031】
手段10によれば、駆動信号が送られた共通線に接続された発光素子のうち、駆動信号が送られた区分線に接続されたものが点灯することとなる。このため、駆動信号を送る共通線を順次切替えることで、発光素子を組毎で順次点灯させることができる。従って、駆動信号を送る共通線を順次切替えるといった動作を高速で繰り返すことで、上記手段9と同様の作用効果が奏される。
【0032】
手段11.前記明るさ制御手段は、点滅のサイクルを少なくとも1周期分記憶しているテーブルを所定間隔毎に参照して前記発光手段の点灯制御を行い、参照するテーブルを変えることで前記発光手段の明るさを変更することを特徴とする手段7乃至10のいずれかに記載の遊技機。
【0033】
手段11によれば、明るさの調節に関する制御の複雑化を抑制ことができる。
【0034】
手段12.前記調節手段は、遊技者が前記所定の発光手段を発光している状態であると認識できる明るさの範囲内において、前記所定の発光手段の明るさを少なくとも2段階で調節可能であることを特徴とする手段1乃至11のいずれかに記載の遊技機。
【0035】
手段12によれば、遊技者にとって発光手段が点灯して見える状態にあるときの発光手段の明るさを少なくとも2段階で変化させることができる。従って、例えば、複数の発光手段により織り成す光の演出(遊技者が視認する光の態様)を変えることを必須とすることなく、全体的な明るさを調整することができる。このため、光の態様(光って見える発光手段の数)が変わることに起因して、本来予期していた光による演出効果が奏されなくなったり、視認態様に斑ができてしまったりするおそれを回避することができる。尚、調節手段による所定の発光手段の明るさ調節は段階的なものに限定されず、連続的な明るさ調節ができる構成であってもよい。
【0036】
手段13.表示演出を行う表示演出手段と、少なくとも前記当否抽選の結果に基づき、前記表示演出の演出態様を決定する演出決定手段と、前記演出決定手段により決定された演出態様の表示演出を前記表示演出手段にて実行させる表示演出制御手段とを備え、
前記発光手段は、少なくとも前記表示演出手段又は当該表示演出手段の周縁部に設けられたものであることを特徴とする手段1乃至12のいずれかに記載の遊技機。
【0037】
手段13によれば、表示演出手段において当否抽選の結果に応じた表示演出が行われるため、遊技者は表示演出手段を見て遊技時間の大半を過ごすこととなる。すなわち、遊技者の視覚に対して特に大きな影響を及ぼすこととなる表示演出手段やその周縁部に設けられる発光手段の明るさを調節可能とすることで、遊技者にとって遊技機を好適な明るさとすることができるといった上記作用効果が十分に奏されることとなる。このため、例えば、遊技機に搭載される全ての発光手段の明るさを調節可能に構成する場合に比べ、構成の複雑化等を抑制することができる。
【0038】
手段14.所定の契機により、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行う抽選手段と、前記当否抽選により当選結果が得られた場合に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態制御手段とを備えることを特徴とする手段1乃至13のいずれかに記載の遊技機。
【0039】
手段15.前記所定の契機が訪れることなく所定時間経過した場合には、前記明るさ制御手段が前記発光手段の明るさを初期の明るさに戻すことを特徴とする手段14に記載の遊技機。
【0040】
例えば、操作手段の操作による設定が継続して残るような場合には、誰も遊技していない遊技機の発光手段が、前に遊技していた遊技者の好みの明るさとなっているので、その他の遊技者にとって明るすぎたり暗すぎたりするおそれがあり、かかる遊技機の遊技を敬遠する原因となるおそれがある。この点、本手段15によれば、遊技が行われていない遊技機については発光手段の明るさが初期の明るさに戻されるため、上記不具合を抑制することができる。尚、初期の明るさとは電源を立ち上げたときの状態のときの明るさを意味し、特に、上記手段2乃至5のように人為的な操作により明るさを調節可能であるものに関しては、電源立上後に操作が行われていない状態のときの明るさを意味する。また、初期の明るさとは、発光手段の明るさを最も明るく調節したときの明るさであることとしてもよい。この場合、発光手段の明るさが暗くなっていることによって、その他の機種の遊技機に比べて見劣りしてしまうといった事態を防止することができる。
【0041】
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
【0042】
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。さらに、前記各入球手段に入球した場合に遊技球を払い出す払出手段を備えたものが挙げられる。
【0043】
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
【0044】
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
【0045】
D.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する第1の表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)と、前記第1の表示手段による変動表示等に伴って表示演出を行う第2の表示手段とを備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
【0046】
E.上記各手段における遊技機は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する第1の表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)と、前記第1の表示手段による変動表示等に伴って表示演出を行う第2の表示手段とを備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む取込手段と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出手段とを備え、前記取込手段により遊技球が取り込まれることにより遊技の開始条件が成立するように構成した遊技機」が挙げられる。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、遊技者の好みや設置環境等に応じた明るさとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】一実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】前面枠セットを開放した状態における内枠等を示す正面図である。
【図3】遊技盤の構成を示す正面図である。
【図4】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図5】内枠および遊技盤の構成を示す背面図である。
【図6】パチンコ機の主な電気的構成を示すブロック図である。
【図7】遊技制御に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。
【図8】主制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。
【図9】主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。
【図10】タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図11】NMI割込み処理を示すフローチャートである。
【図12】始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図13】第2契機対応口通過処理を示すフローチャートである。
【図14】第1表示制御処理を示すフローチャートである。
【図15】変動表示設定処理を示すフローチャートである。
【図16】判別情報設定処理を示すフローチャートである。
【図17】(a),(b)は各種テーブル構成を示す説明図である。
【図18】可変入賞装置制御処理を示すフローチャートである。
【図19】第2表示制御処理を示すフローチャートである。
【図20】契機対応ユニット制御処理を示すフローチャートである。
【図21】受信割込み処理を示すフローチャートである。
【図22】払出制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。
【図23】タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図24】コマンド判定処理を示すフローチャートである。
【図25】サブ制御装置の通常処理を示すフローチャートである。
【図26】装飾図柄の決定に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。
【図27】カウンタの更新処理を示すフローチャートである。
【図28】発光体ユニット点灯処理(ランプ設定処理)を示すフローチャートである。
【図29】点灯パターン設定処理を示すフローチャートである。
【図30】第1及び第2発光体ユニットの回路構成を説明するための説明図である。
【図31】第1〜第3コモンデータ選択テーブルを示す説明図である。
【図32】第1発光体ユニット用セグメントデータ選択テーブル及び第2発光体ユニット用セグメントデータ選択テーブルの一例を示す説明図である。
【図33】コモン信号線のオン・オフのタイミングを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図である。図2は、パチンコ機10より前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図2では便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している)。
【0050】
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、例えば木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。内枠12は、パチンコ機10の正面から見て左側に上下に延びる開閉軸線を軸心に、前方側に開放できるようになっている。
【0051】
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられているとともに、下皿ユニット13を除く範囲に対応して、前面枠セット14が、内枠12に対して開閉可能に取り付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側に上下に延びる開閉軸線を軸心に、前方側に開放できるようになっている。
【0052】
下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。なお、符号24はスピーカからの音出力口であり、符号25は下皿15内から遊技球を下方へと排出する球抜きレバーである。
【0053】
下皿15よりも右方には、手前側に突出して遊技球発射ハンドル(以下単に「ハンドル」という)18が配設されている。また、下皿15の左方には、灰皿26が設けられている。一方、下皿15の上方においては、球受皿としての上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置(発射手段)の方へ導出する球受皿である。
【0054】
また、図2において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30(図3参照)が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、樹脂ベース20には、前面枠セット14の開放を検知する開放検知センサ22が設けられている。また、図示しないが内枠12の開放を検知する開放検知スイッチも設けられている。
【0055】
次に、遊技盤30の構成について図3を用いて説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット(作動口)33、第2契機対応口34、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り前記一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33に遊技球が入球(入賞)すると、後述する検出スイッチの出力により、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞部(一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33)に入賞しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車27等の各種部材(役物)が配設されている。
【0056】
第1契機対応ユニット33は、一対の開閉部材33aを備えており、当該開閉部材33aが所定条件の成立に応じて開閉動作するように構成されている。これにより、第1契機対応ユニット33は、遊技球が入球困難又は入球不能な閉状態と、遊技球が前記閉状態より入球容易な開状態とに切換り可能となる。第1契機対応ユニット33は、例えば、通常モード時には開閉部材33aが開状態となり規定時間(例えば0.2秒)の経過した場合又は規定個数(例えば1個)の遊技球の入球があった場合に閉状態となる。この開閉処理は、通常モード時においては1回だけ行われる。
【0057】
可変表示装置ユニット35には、第2契機対応口34の通過をトリガとして普通図柄を変動表示する普通図柄表示装置41と、第1契機対応ユニット33への入賞をトリガとしてLEDを色換え表示(変動表示)する特別表示装置43と、特別表示装置43による変動表示に合わせて装飾図柄を変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。
【0058】
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球が第2契機対応口34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)し、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合に第1契機対応ユニット33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。また、普通図柄表示装置41による普通図柄の変動表示中に、新たに遊技球が第2契機対応口34を通過した場合には、その分の普通図柄の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
【0059】
なお、普通図柄は、複数のランプの点灯態様を切換えることにより変動表示される構成の他、装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)の一部で変動表示される構成等であってもよい。保留ランプ44も同様に、装飾図柄表示装置42の一部で表示される構成であってもよい。
【0060】
特別表示装置43は、普通図柄表示装置41の普通図柄の右側方に設けられ、赤、緑、青の発光色を有する三色発光ダイオード(三色LED)により構成されている。この特別表示装置43についても、主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。本実施形態では、この特別表示装置43によって大当たりか否かが確定的に表示されるようになっている。
【0061】
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、サブ制御装置262によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、特別表示装置43にて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、表示制御装置45によって表示が行われる。
【0062】
ところで、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)42には、例えば、上・中・下の3つの図柄列(識別情報列)が設定されており、図柄列毎に複数種類の図柄(装飾図柄)が変動表示される。本実施形態では、装飾図柄には「0」〜「9」のいずれかの数字が付されており、装飾図柄は、数字の昇順又は降順に周期性をもって右から左へとスクロール変動表示される。これにより一連の図柄列が構成されている。なお、図柄の変動態様はスクロール変動に限らず、切換え変動等でもよい。
【0063】
かかる場合、上図柄列においては、装飾が降順(付された数字が減る順)に表示され、中図柄列及び下図柄列においては、装飾図柄が昇順(付された数字が増える順)に表示される。そして、所定時間経過後、上図柄列、下図柄列、中図柄列の順に停止表示される。また、主制御装置261によって大当たりが確定すると、特別表示装置43にてその旨が表示されると共に、補助的に装飾図柄表示装置42上で装飾図柄が所定の有効ライン上に装飾図柄が大当たり図柄の組合わせ(例えば、同一の装飾図柄の組合わせ)で停止表示され、大当たり状態が開始される。尚、上述した大当たり図柄の組合わせが表示される直前においては、いわゆるリーチ状態(リーチ態様の成立状態)となる。但し、リーチ状態となった場合でも大当たり状態に至らない場合もある。
【0064】
また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47の上部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成され、装飾図柄表示装置42の側部に沿って上下に延びるワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153上を転動した後ステージ153の中央奥側に形成されたポケット154に入球したりする。尚、ポケット154は、第1契機対応ユニット33の直上方の遊技領域へと通じる案内通路155と連通しており、該ポケット154に入球した遊技球は、比較的高い確率で第1契機対応ユニット33に入球するようになっている。
【0065】
また、本実施形態では、センターフレーム47には、それぞれ8つのLED(LED701〜708、LED709〜716)を有する発光手段としての第1発光体ユニット401及び第2発光体ユニット402が設けられている。第1及び第2発光体ユニット401、402はそれぞれ円弧状をなすとともに、装飾図柄表示装置42を挟んで左右対称に設置されており、全体として略環状をなしている。また、LED701〜708及びLED709〜716は、第1及び第2発光体ユニット401、402の長手方向に沿って所定間隔毎に配置されている。
【0066】
尚、本実施形態では、第1及び第2発光体ユニット401、402は、LED701〜708、LED709〜716を搭載する基板と、基板前方に配置される透明なパネルと、パネルの前方に配置される断面略コ字状の透明なワープ構成部とを備え、前記パネル及びワープ構成部によってワープ流路152が形成されている。また、ステージ153のうち少なくともLED701〜716の前方に位置する部位は透明な素材により構成されている。これらの構成により、LED701〜716から発せられた光は、ワープ流路152やステージ153を介してパチンコ機10の前方へと照射されることとなる。尚、センターフレーム47には意匠性の向上を図るために発光体ユニット401、402の他にも数多くのLEDが内蔵されていることとしてもよい。
【0067】
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。より詳しくは、第1契機対応ユニット33に対し遊技球が入賞すると、特別表示装置43は、3色LEDを赤→緑→青→赤→・・・という具合に高速で色換え表示(変動表示)し、所定時間が経過すると、いずれかの色に決定表示する。高速の色換え表示とは、例えば4msec毎に赤、緑、青を順番に表示するという具合である。このとき赤又は緑で決定表示(例えば数秒間停止)される際に、すなわち大当たり抽選に当選した場合に、特別遊技状態が発生する。ここで赤又は緑が大当たりを示す表示である。特に、赤は、大当たり終了後の遊技モードが後述する高確率モードであることを示す表示であり、緑は、大当たり終了後の遊技モードが後述する時間短縮モードであることを示す表示である。そのため、特別表示装置43が3色LEDを赤又は緑で決定表示する場合、これを受けて、装飾図柄表示装置42には、特定の図柄の組合わせが補助的に表示されることになる。そして、可変入賞装置32の大入賞口が所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。より詳しくは、規定時間(例えば29秒)の経過又は規定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンド(特賞状態)として、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数(所定ラウンド数)繰り返し開放される。
【0068】
また、特別表示装置43の変動表示中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。同様に、大当たり状態中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留されることとなる。
【0069】
さて、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール部材としてのレールユニット50が取り付けられており、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50は内レール構成部51と外レール構成部52とを有する。
【0070】
内レール構成部51の先端部分(図3の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール構成部51及び外レール構成部52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図3の右上部:外レール構成部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻される。
【0071】
図2の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置より発射された直後に遊技球を案内する発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62と一体的に樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて遊技領域に案内されるようになっている。
【0072】
また、発射レール61とレールユニット50との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として球案内通路内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。
【0073】
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。また、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材65,66を設置している。これにより、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされる。また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。
【0074】
また、図2中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられている。当該シャッタ68は、その下辺部に沿って設けられた軸部を軸心として回動可能となっており、前面枠セット14を開放した状態(図2の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68が排出口67をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態(図1の状態)では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋(図示略)により、シャッタ68が押し開けられるようになっており、排出口67と上皿19とが連通された状態となる。なお、前面枠セット14の開放状態においては、遊技球は下皿15へ排出されるようになっている。
【0075】
次に、前面枠セット14について図1を参照しつつ説明する。前面枠セット14には遊技領域(レールユニット50の内周部により略円形状に区画形成された領域)のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。
【0076】
また、前面枠セット14にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。
【0077】
その他、上皿19の前面側には、LED等の発光手段が内蔵された演出ボタン131及び明るさ調節スイッチ132が設けられている。演出ボタン131を押圧操作することで、装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。また、詳しくは後述するが、明るさ調節スイッチ132を押圧操作することで、前記第1及び第2発光体ユニット401、402(LED701〜716)の明るさを調節することができる。尚、本実施形態の明るさ調節スイッチ132は押圧式であるが、ダイヤル式やレバースライド式のスイッチを採用してもよい。
【0078】
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。遊技場等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図られる。
【0079】
なお、図面の開示は省略するが、前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の補強板が設けられており、この補強板はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えている。より詳しくは、補強板の一部が後方に折り返されて前後2列のガラス保持溝が形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持されようになっている。
【0080】
次に、パチンコ機10の背面の構成を図4に基づいて詳しく説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合において、主基板とサブ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
【0081】
なお、第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で工具等を用いずとも着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。
【0082】
また、前面枠セット14の施錠機構は、内枠12の施錠機構と一体的となっており、当該一体となった施錠機構G1の本体部は内枠12の背面側に設けられている。そのため、図2では、施錠機構G1から内枠12の前面側に突出した係止爪T1,T2のみが示されている。そして、係止爪T1,T2が前面枠セット14の背面側に係止されることにより、前面枠セット14が施錠された状態となる。
【0083】
図5は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態における構成を示す背面図である。同図に示すように、遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。
【0084】
遊技盤30の中央には可変表示装置ユニット35が配置されている。可変表示装置ユニット35においては、センターフレーム47(図3参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板などが配設されている。
【0085】
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成形品であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33(それぞれ図3参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30よりも下方の内枠12には、樹脂製の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10外部へ案内する排出通路218が形成されている。従って、図5に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
【0086】
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。
【0087】
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出する入賞感知機構(入球検出手段)などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、カウントスイッチ223が設けられている。カウントスイッチ223は可変入賞装置32への入賞球をカウントするスイッチである。また、第1契機対応ユニット33に対応する位置には第1契機対応ユニットスイッチ224が設けられ、第2契機対応口34に対応する位置には第2契機対応口スイッチ225が設けられている。
【0088】
入賞口スイッチ221及び第2契機対応口スイッチ225は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、さらにこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置261)に接続されている。また、カウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続され、さらにこの大入賞口中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、第1契機対応ユニットスイッチ224は中継基板を介さずに直接主基板に接続されている。
【0089】
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口を開放する大入賞口ソレノイドが設けられ、第1契機対応ユニット33には、開閉部材33aを開閉駆動する第1契機対応ユニット(始動口)ソレノイドが設けられている。なお、図5において符号228は打球槌等を備えるセットハンドルであり、符号229は発射モータである。
【0090】
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。本実施形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる。
【0091】
また、裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付ける取付機構が設けられている。さらに、内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付ける取付機構が設けられている。
【0092】
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分ける遊技球分配部245が設けられている。また、内枠12の下端部には、下皿15に向けて設置された上記スピーカの背後を囲む樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
【0093】
図4の説明に戻り、第1制御基板ユニット201は、主制御装置261と、サブ制御装置262とを具備している。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
【0094】
また、サブ制御装置262は、主制御装置261(主基板)からの指示に従い各種演出制御を司るCPUや、各種プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含むサブ制御基板を具備しており、このサブ制御基板についても当該サブ制御基板に対応する基板ボックスに収容されて構成されている。
【0095】
また、サブ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介してサブ制御装置262及び表示制御装置45に入力される。
【0096】
第2制御基板ユニット202は、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314を具備している。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者によるハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
【0097】
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
【0098】
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
【0099】
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技場の営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
【0100】
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
【0101】
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部354を有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施形態では、前述のサブ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。
【0102】
また、払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置(払出手段)358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は前記上皿19に供給される。また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するバイブレータ360が取り付けられており、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりの解消が図られる。
【0103】
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
【0104】
また、裏パックユニット203は、外部中継端子板230用の開口部391が設けられており、裏パックユニット203の固定された状態でも、外部中継端子板230の取外し及び操作が可能となっている。
【0105】
なお、本実施形態では、主制御装置261は、厳重に封印された基板ボックス263に格納されているため、主制御装置261に何らかの不正な信号を送ったりする等の不正行為は困難である。このため、主制御装置261によって直接的に制御される特別表示装置43のLEDを「赤」又は「緑」の大当たりの態様で不正に点灯させることは困難である。従って、装飾図柄表示装置42に大当たりとなったかのような表示を行わせるとともに、セルなどを用いて大入賞口を強制的に開放し、大当たりとなっていないにもかかわらず出玉を獲得するというような不正行為が行われる場合にも、特別表示装置43の点灯態様を確認することによって、そのような不正行為が簡単に発見できる。
【0106】
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。本実施形態では、主制御装置261が抽選手段及び特別遊技状態制御手段を構成する。
【0107】
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
【0108】
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
【0109】
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、通常処理(図9参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理(図8参照)において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、図11の停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
【0110】
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
【0111】
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、特別表示装置43、普通図柄表示装置41、その他図示しないスイッチ等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43および普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
【0112】
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。尚、本実施形態ではサブ制御装置262が明るさ制御手段を構成する。
【0113】
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカ24、各種電飾部(ランプ102〜106、第1及び第2発光体ユニット401、402等)、演出ボタン131、及び明るさ調節スイッチ132が接続されている。
【0114】
図30に示すように、本実施形態では、第1発光体ユニット401のLED701〜708のアノードはまとめてコモン信号線COM1に接続されるとともに、第2発光体ユニット402のLED709〜716のアノードはまとめてコモン信号線COM2に接続されている。また、LED701、709のカソードはセグメント信号線SEG1に接続され、LED702、710のカソードはセグメント信号線SEG2に接続され、LED703、711のカソードはセグメント信号線SEG3に接続され、LED704、712のカソードはセグメント信号線SEG4に接続され、LED705、713のカソードはセグメント信号線SEG5に接続され、LED706、714のカソードはセグメント信号線SEG6に接続され、LED707、715のカソードはセグメント信号線SEG7に接続され、LED708、716のカソードはセグメント信号線SEG8に接続されている。
【0115】
さらに、コモン信号線COM1、COM2、及びセグメント信号線SEG1〜SEG8は、それぞれ図示しないトランジスタ等のスイッチング素子を介して、それぞれ入出力ポート554に接続されている。各LED701〜716は、アノード側及びカソード側にそれぞれ設けられたスイッチング素子が両方ともオンとなることによって通電し、点灯する構成となっている。そして、サブ制御装置262は、入出力ポート554から信号を出力することによってスイッチング素子を駆動制御(オン、オフ)し、LED701〜716を点灯制御している。
【0116】
以降、スイッチング素子をオンする信号を駆動信号と称し、スイッチング素子をオフする信号を非駆動信号と称する。さらに、スイッチング素子がオンとなり、これに対応する接続線が通電可能となる状態を、当該接続線がオンとなると記載する。従って、実際には駆動信号や非駆動信号はスイッチング素子に送られるが、便宜上、これに対応する接続線へ送ると記載する。また、駆動信号及び非駆動信号は1msecの幅を有しており、駆動信号を1回送ることで対応するLED701〜716が1msec間点灯し、非駆動信号を1回送ることで対応するLED701〜716が1msec間消灯することとなる。尚、図示は省略するが、必要に応じて抵抗等を適宜介在させることとしてもよい。また、本実施形態ではLED701〜708、709〜716をアノードコモンとしたが、カソードコモンとしてもよい。
【0117】
本実施形態では、コモン信号線COM1及びCOM2に対して交互に駆動信号が送られる。つまり、第1発光体ユニット401と第2発光体ユニット402とが交代で点灯する。そして、駆動信号を交互に送るといった動作を高速(例えば1msec毎)で行うことにより、各第1及び第2発光体ユニット401、402は実際には点滅しているのであるが、遊技者には、残像現象により、第1及び第2発光体ユニット401、402があたかも同時にかつ連続して点灯しているように見えることとなる。
【0118】
また、本実施形態では、操作手段としての明るさ調節スイッチ132の押圧操作に応じて、LED701〜716の明るさを3段階で調節可能に構成されている。初期状態、すなわち、パチンコ機10の電源立上後に明るさ調節スイッチ132の操作がない状態においては最も明るい「強」の状態となるように設定されており、明るさ調節スイッチ132を1回押圧する毎に、「強」→「中」→「弱」→「強」→・・・といった具合に明るさレベルが変更される。本実施形態では、サブ制御装置262及び明るさ調節スイッチ132により調節手段が構成される。
【0119】
LED701〜716の明るさの調節は、各LED701〜716の点灯時間と消灯時間との比率を変更することで行われる。より詳しく説明すると、第1及び第2発光体ユニット401、402の点灯制御には、図31(a)、(b)、(c)に示すような第1コモンデータ選択テーブル、第2コモンデータ選択テーブル、第3コモンデータ選択テーブルのいずれかが参照される。
【0120】
図31(a)に示す第1コモンデータ選択テーブルを参照する場合には、コモン信号線COM1及びCOM2に対して1msec毎に交互に駆動信号を送ることとなる。これにより、図33(a)に示すように、コモン信号線COM1及びCOM2が入替わりでオンされるようになり、コモン信号線COM1及びCOM2がオンとされる周期、すなわち点灯周期t1が2msecになる。従って、第1発光体ユニット401の消灯と同時に第2発光体ユニット402が点灯するといった具合に、第1発光体ユニット401又は第2発光体ユニット402のどちらか一方は必ず点灯可能な状態とされる。
【0121】
図31(b)に示す第2コモンデータ選択テーブルを参照する場合には、コモン信号線COM1及びCOM2の一方に駆動信号を送った後、他方に駆動信号を送る前に、両方(コモン信号線COM1及びCOM2)に非駆動信号を1回ずつ送ることとなる。これにより、図33(b)に示すように、コモン信号線COM1及びCOM2の一方がオフしてから1msec後に他方がオンされるようになり、コモン信号線COM1及びCOM2がオンとされる周期(点灯周期t2)が4msecになる。従って、第1発光体ユニット401が消灯した後、第1及び第2発光体ユニット401、402のどちらも点灯しない状態を1msec挟んでから、第2発光体ユニット402が点灯するといった具合に、第1コモンデータ選択テーブルを参照する場合に比べて各LED701〜716の点灯間隔が広がることとなる。結果として、各LED701〜716の単位時間当たりの点灯時間(光量、光の照射量)が低減するため、暗く見える。
【0122】
図31(c)に示すように、第3コモンデータ選択テーブルを参照する場合には、コモン信号線COM1又はCOM2の一方に駆動信号(他方に非駆動信号)を送った後、コモン信号線COM1又はCOM2の他方に駆動信号(一方に非駆動信号)を送る前に、両コモン信号線COM1、COM2に非駆動信号を2回ずつ送ることとなる。これにより、図33(c)に示すように、コモン信号線COM1及びCOM2の一方がオフしてから2msec後に他方がオンされるようになり、コモン信号線COM1及びCOM2がオンとされる周期(点灯周期t3)が6msecになる。従って、第1発光体ユニット401が消灯した後、第1及び第2発光体ユニット401、402のどちらも点灯しない状態を2msec挟んでから、第2発光体ユニット402が点灯するといった具合に、第2コモンデータ選択テーブルを参照する場合よりもさらに各LED701〜716の点灯間隔が広がることとなる。結果として、各LED701〜716の単位時間当たりの光量が低減するため、より暗く見える。
【0123】
以上のように、本実施形態では、1msec幅の駆動信号を送った後に1msec幅の非駆動信号を何回送るかによって点灯周期における点灯時間と消灯時間との比率を変更し、明るさを調節しているのである。尚、第1〜第3コモンデータ選択テーブルは、実際には、8ビットのデータ群で構成されており、コモン信号線COM1、COM2に1ビットずつ割り当てられている(6ビット分は使用しない)。例えば、第2コモンデータ選択テーブルは、「00000001(B)」、「00000000(B)」、「00000010(B)」、「00000000(B)」といった一連のデータ群で構成され、1msec毎にこれらのデータが順次読み出される。そして、読み出されたデータに応じて、「1」に対応するコモン信号線COM1、COM2に駆動信号を送り、「0」に対応するコモン信号線COM2、COM1に非駆動信号を送ることで、各発光体ユニット401、402が4msec周期で点灯することとなる。
【0124】
また、第1及び第2発光体ユニット401、402(LED701〜716)の点灯パターンは、どのセグメント信号線SEG1〜SEG8に駆動信号を送るかによって決定される。この点灯パターンの設定に際して参照されるテーブル(セグメントデータ選択テーブル)は、第1発光体ユニット401用のものと第2発光体ユニット402用のものとが用意されている。
【0125】
例えば、大当たり状態やリーチ状態ではないが装飾図柄の変動表示中であるといった場合には、図32(a)、(b)に示すような第1発光体ユニット用セグメントデータ選択テーブル及び第2発光体ユニット用セグメントデータ選択テーブルが参照される。そして、コモン信号線COM1に駆動信号を送る際には、第1発光体ユニット401用のテーブルを参照して駆動信号を送るセグメント信号線SEG1〜SEG8を選択する。一方、コモン信号線COM2に駆動信号を送る際には、第2発光体ユニット402用のテーブルを参照して駆動信号を送るセグメント信号線SEG1〜SEG8を選択する。
【0126】
このように、第1発光体ユニット401用のテーブルと第2発光体ユニット402用のテーブルとをそれぞれ用意することで、駆動信号を送るコモン信号線COM1、COM2が切替わるのに伴って、駆動信号を送るセグメント信号線SEG1〜SEG8を切替えることができる。結果として、上記のように第1発光体ユニット401と第2発光体ユニット402とに接続されるセグメント信号線SEG1〜SEG8を共通化したとしても、LED701〜716で織り成す光の演出(遊技者が実際に視認することとなるLED701〜708、709〜716の点灯態様)を変えることなく明るさだけを変更することができる(切替えない場合は、第1及び第2発光体ユニット401、402を同時に点灯する場合と同様の見え方となる)。
【0127】
また、図32(a)、(b)に示すように、各セグメントデータ選択テーブルは複数(図32では3つ)のデータにより構成されており、参照するデータ(アドレス番号「1」〜「3」のデータ)を所定間隔毎(例えば1sec毎)に切替えることで、LED701〜716の点灯態様(光の演出)を動的なものとすることができる。尚、セグメントデータ選択テーブルは実際には8ビットのデータ群であり、各ビットの情報が各セグメント信号線SEG1〜SEG8に割り当てられている。
【0128】
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する特別表示装置43にて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43の表示に合わせた表示が行われる。
【0129】
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
【0130】
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
【0131】
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
【0132】
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理(図22参照)によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理(図22参照)において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
【0133】
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
【0134】
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
【0135】
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、後述するコマンド判定処理(図24参照)により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
【0136】
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
【0137】
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
【0138】
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技機の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
【0139】
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置(表示演出手段)たる装飾図柄表示装置42が接続されている。本実施形態では、表示制御装置45が表示演出制御手段を構成する。
【0140】
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行なう。
【0141】
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
【0142】
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
【0143】
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
【0144】
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
【0145】
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(図11のNMI割込み処理)を実行する。
【0146】
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
【0147】
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
【0148】
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
【0149】
本実施形態では、主制御装置261内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選(大当たり抽選)を行うこととしている。具体的には、図7に示すように、大当たりの抽選に使用する抽選用乱数カウンタとしての大当たり乱数カウンタC1と、大当たりに際し後述する高確率モード又は低確率モードへの移行決定に使用するモード決定カウンタC2と、特別表示装置43の変動表示時間の決定等に使用する変動選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、特別表示装置43の変動表示時間の決定等に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、普通図柄表示装置41の抽選に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際の変動パターンやリーチ種別の抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1,CS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。詳しくは、決定された変動パターンにより、特別表示装置43の変動時間が決定されるとともに、装飾図柄表示装置42における変動態様及び変動時間すなわち演出パターン(演出態様)が決定される。
【0150】
カウンタC1,C2,C3,CINI,CS1,CS2,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
【0151】
RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とからなる記憶エリアとしての第1保留球格納エリア及び第2保留球格納エリアが設けられている。第1保留球格納エリアの各エリアには、第1契機対応ユニット33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。また、第2保留球格納エリアの各エリアには、第2契機対応口34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納されるようになっている。当該構成を採用することで、上記のように特別表示装置43及び普通図柄表示装置41における変動表示を保留可能としている。
【0152】
各カウンタについて詳しく説明すると、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり676)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したタイミングで大当たり乱数カウンタバッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値がRAM503の第1保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値は、低確率状態(通常モードや時間短縮モード等)と高確率状態(高確率モード)とで2種類設定されており、本実施形態では、低確率状態であれば大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率状態であれば大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。
【0153】
ここで、各種遊技モードについて説明する。本実施形態では、遊技モード(遊技状態)が、通常モード(通常状態)及び当該通常モードよりも遊技者に有利な複数の特定モードの間で切換設定される。より詳しくは、特定モードとしては、高確率モード及び時間短縮モードの2つが設定されている。このうち、高確率モードは、次回大当たりまで継続する遊技モードであり、時間短縮モードは、所定期間終了後には次のモードへ移行するモードである。
【0154】
通常モードとは、上記高確率モード等の特定モードでない通常時の状態をいう。従って、通常モード時には、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)が通常の低確率となっている。
【0155】
また、高確率モードとは、特別表示装置43において「赤」で停止表示されること(装飾図柄表示装置42において予め定められた確変図柄で停止表示されること)によって大当たりになり、その後の大当たり確率が低確率状態時に比べアップした状態をいう。以下の説明では適宜、装飾図柄表示装置42において確変図柄によって大当たりになった場合を「確変大当たり」といい、確変図柄以外の通常図柄によって大当たりになった場合を「通常大当たり」という。
【0156】
高確率モードにおいては、大当たり確率が高められ、高確率状態となるのであるが、これに加えて、本実施形態では(1)特別表示装置43における変動表示時間を短くした状態(時間短縮状態)、(2)普通図柄表示装置41における変動表示時間を短くした状態、(3)第1契機対応ユニット33の開閉処理に関わる規定時間(開放時間)を通常モードに比べて長くした状態、又は、規定個数(入賞個数)を通常モードに比べて多くした状態、(4)普通図柄表示装置41において「○」図柄が停止表示される旨の当選結果が得られた場合一回につき行う第1契機対応ユニット33の開閉処理の実行回数を通常モードに比べて多くした状態、(5)普通図柄表示装置41において「○」図柄が停止表示される確率(当選確率)を通常モード時の当選確率より高くした状態が付与される。より具体的には、高確率モード時には、第1契機対応ユニット33の開閉部材33aが開状態となり、規定時間(例えば3秒)の経過した場合又は規定個数(例えば3個)の遊技球の入球があった場合に閉状態となる。そして、この開閉処理が2回繰り返し行われる。これによって、第1契機対応ユニット33が頻繁に開放されるようになり、大当たり抽選が連続してなされると共に、玉持ちのよい状態となる。これに限らず、高確率モードとしては、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)を高めることに加え、上記(1)〜(5)の構成の任意の組合せを採用できる。なお、上記(2)〜(5)の状態により、第1契機対応ユニット33における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が通常モード時の割合より高い状態となる。つまり、このような状態が本実施形態における高入球状態に相当する。従って、上記高確率モードは、高確率・時間短縮・高入球モードと言い換えることができる。これに対し、通常モード時のように、上記(2)〜(5)の状態ではない状態は低入球状態に相当する。
【0157】
また、時間短縮モードとは、特別表示装置43において「緑」で停止表示されること(装飾図柄表示装置42において予め定められた確変図柄以外の通常図柄で停止表示されること)によって大当たりになり、その後特別表示装置43の変動表示が100回行われる間設定される遊技モードであり、通常モードよりも遊技者に有利な状態をいう。時間短縮モードは、大当たり確率が通常モード時と同じ低確率であり、かつ、第1契機対応ユニット33における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が通常モード時の割合より高い遊技モードである。本実施形態では、高確率モード時に付与される上記(1)〜(5)の状態が同様に付与される。つまり、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)の違いを除いて同様の状態(時間短縮状態及び高入球状態)となる。もちろん、高確率モード時と同様に、上記(1)〜(5)の構成の任意の組合せを採用できる。従って、上記時間短縮モードは、低確率・時間短縮・高入球モードと言い換えることができる。
【0158】
モード決定カウンタC2は、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、モード決定カウンタC2によって、大当たり後、高確率モードへ移行させるか否かが決定されるようになっている。具体的には、カウンタの値が「1,3,5,7,9」という奇数であれば高確率モードへの移行が決定され、「0,2,4,6,8」という偶数であれば時間短縮モードへの移行が決定される。なお、ここでは移行という文言を用いたが、もともと高確率モードにある場合にカウンタ値が奇数であれば高確率モードが継続されることになり、もともと時間短縮モードにある場合にカウンタ値が偶数であれば時間短縮モードが継続されることになる。モード決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、モード決定カウンタC2の値がモード決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したタイミングで、モード決定カウンタバッファに格納されているモード決定カウンタC2の値がRAM503の第1保留球格納エリアに格納される。
【0159】
また、変動選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、抽選確率の状態や変動開始時の始動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値がRAM503の第1保留球格納エリアに格納される。
【0160】
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり198)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり240)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。図7中でもこのように表記した。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチ種別(リーチパターン)やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
【0161】
なお、本実施形態では、「大当たり」が発生する場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチのうちいずれかが選択され、「前後外れリーチ」が発生する場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチのうちどちらかが選択され、「前後外れ以外リーチ」が発生する場合にはノーマルリーチが選択される。また、「完全外れ」となる場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチのいずれも選択されない。
【0162】
また、変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
【0163】
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
【0164】
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり250)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第2契機対応口34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。通常、当選となる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。一方、高確率モード時及び時間短縮モード時、つまり第1契機対応ユニット33が高入球状態にある場合においては224あり、その範囲は「5〜228」である。つまり、普通図柄表示装置41における「○」図柄の停止確率が通常モードに比べ高くなる。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、第1契機対応ユニット33が所定時間の間、作動状態となる。また、高確率モード時及び時間短縮モード時においては、普通図柄表示装置41において抽選の結果が表示されるまでの時間(普通図柄の変動表示時間)が短縮される等して、第1契機対応ユニット33が高入球状態となる割合が多くなる。これによって、第1契機対応ユニット33が頻繁に開放されるようになり、大当たり抽選が連続してなされる。
【0165】
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理をフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
【0166】
図10は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
【0167】
図10において、先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
【0168】
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。
【0169】
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2、変動選択カウンタC3及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,9,238,250)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3,C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
【0170】
その後、ステップS304では、第1契機対応ユニット33への入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、第2契機対応口34への遊技球の通過に伴う第2契機対応口通過処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
【0171】
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図12のフローチャートを参照して説明する。ステップS501では、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したか否かを第1契機対応ユニットスイッチ224の検出情報により判別する。遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したと判別されると、続くステップS502では、始動保留球数Naが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。第1契機対応ユニット33への入賞があり、且つ始動保留球数Na<4であることを条件にステップS503に進み、始動保留球数Naをインクリメントする。
【0172】
また、続くステップS504では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2及び変動選択カウンタC3の各値を、RAM503の第1保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、始動入賞処理を一旦終了する。従って、この始動入賞処理の機能により本実施形態における抽選手段(当否抽選処理)の一部が構成される。
【0173】
次に、ステップS305の第2契機対応口通過処理について図13のフローチャートを参照して説明する。ステップS601では、遊技球が第2契機対応口34を通過したか否かを第2契機対応口スイッチ225の検出情報により判別する。遊技球が第2契機対応口34を通過したと判別されると、続くステップS602では、普通図柄表示装置41の保留球数Nbが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。第2契機対応口34への通過があり、且つ保留球数Nb<4であることを条件にステップS603に進み、保留球数Nbを1インクリメントする。また、続くステップS604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の第2保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、第2契機対応口通過処理を一旦終了する。
【0174】
図11は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
【0175】
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
【0176】
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図11のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
【0177】
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図8のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
【0178】
先ずはじめに、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
【0179】
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS113へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS105で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS113へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS106でRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS113へ移行する。
【0180】
ステップS113の処理では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
【0181】
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS112で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
【0182】
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS104:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS110では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信し、ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS112で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
【0183】
次に、通常処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S210の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS211,ステップS212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【0184】
先ずステップS201では、前回の処理で更新された特別表示装置43や第1契機対応ユニット33等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する外部出力処理を実行する。
【0185】
例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド、図柄コマンド等をサブ制御装置262に送信する。つまり、変動パターンコマンドや図柄コマンドは、特別表示装置43にて行われる表示に合わせた表示演出を装飾図柄表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力されるコマンドであり、本実施形態における指令情報に相当する。従って、この外部出力処理の機能が本実施形態における指令情報出力手段を構成する。これに対し、変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
【0186】
便宜上、ここで変動パターンコマンド等について説明する。変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動種別を特定する情報が含まれている。本実施形態では、例えば通常モード時には「FF10」,「FF11」,「FF12」,「FF13」,「FF14」,「FF15」,「FF16」のうちのいずれかが変動パターンコマンドとして設定される。また、高確率モード時には、「FD10」,「FD11」,「FD12」,「FD13」,「FD14」,「FD15」,「FD16」が設定され、時間短縮モード時には、「FE10」,「FE11」,「FE12」,「FE13」,「FE14」,「FE15」,「FE16」が設定される。一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動種別との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに対応する演出パターンを実行する。
【0187】
以下、装飾図柄の変動種別、及び、変動種別と変動パターンコマンドとの対応関係について説明する。
【0188】
ノーマルリーチは、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。そして、ノーマルリーチに対応する変動パターンコマンドには通常モード時には「FF11」が設定され、高確率モード時には「FD11」が設定され、時間短縮モード時には「FE11」が設定される。なお、本実施形態では、ノーマルリーチが導出される変動表示時間は通常モード時「20秒」、高確率モード時「8秒」、時間短縮モード時「10秒」に設定されている。
【0189】
スーパーリーチは、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態では、スーパーリーチには通常モード時で30秒、40秒、50秒パターンの3種類(スーパーリーチSR1,SR2,SR3)が用意されている。なお、高確率モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。各リーチパターンに対応して、スーパーリーチSR1ならば通常モード時「FF12」、高確率モード時「FD12」、時間短縮モード時「FE12」が変動パターンコマンドに設定される。スーパーリーチSR2ならば通常モード時「FF13」、高確率モード時「FD13」、時間短縮モード時「FE13」が設定される。スーパーリーチSR3ならば通常モード時「FF14」、高確率モード時「FD14」、時間短縮モード時「FE14」が設定される。
【0190】
プレミアムリーチは、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態のプレミアムリーチには通常モード時で60秒、70秒パターンの2種類(プレミアムリーチPR1,PR2)が用意されている。なお、高確率モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。各リーチパターンに対応して、プレミアムリーチPR1ならば通常モード時「FF15」、高確率モード時「FD15」、時間短縮モード時「FE15」が変動パターンコマンドに設定される。プレミアムリーチPR2ならば通常モード時「FF16」、高確率モード時「FD16」、時間短縮モード時「FE16」が設定される。
【0191】
また、いずれのリーチ状態にもならない「完全外れ」に対応する変動パターンコマンドには通常モード時「FF10」、高確率モード時「FD10」、時間短縮モード時「FE10」が変動パターンコマンドに設定される。本実施形態では、完全外れとなる変動表示時間は通常モード時で10秒に設定されている。もちろん、高確率モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。
【0192】
また、サブ制御装置262は、図柄コマンドに基づき停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるコマンドであり、確変図柄の組合わせ、通常図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせという5つの区分を指定するものである。これらの区分は、「A1」,「A2」,「A3」,「A4」,「A5」で示され、この内のいずれかが図柄コマンドとして設定される。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する停止図柄を表示する。
【0193】
以下、停止図柄の区分及び、停止図柄と図柄コマンドとの対応関係について説明する。
【0194】
確変図柄の組合わせは、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、確変図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A1」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに確変図柄を示す「A1」が設定されている場合、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
【0195】
通常図柄の組合わせは、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、通常図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A2」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに通常図柄を示す「A2」が設定されている場合、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
【0196】
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、前後外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A3」が設定される。前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、前後外れ以外図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A4」が設定される。完全外れ図柄の組合わせは、リーチ発生しない「完全外れ」に対応するものであり、完全外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A5」が設定される。なお、詳しくは後述するが、図柄コマンドに「A3」〜「A5」が設定されている場合、サブ制御装置262は、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。本実施形態では、外れ用の図柄コマンドに「A3」〜「A5」の3つのコマンドを用意しているが、これに限らず、例えば外れ用の図柄コマンドが1つだけの構成としてもよい。
【0197】
図9の説明に戻り、ステップS202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では198,240)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
【0198】
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
【0199】
その後、ステップS205では、第1表示制御処理を実行する。この処理では、特別表示装置43においてどのような制御を行うか当該特別表示装置43の制御内容の設定が行われると共に、大当たり判定や装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動パターン(演出パターン)の設定などが行われる。この第1表示制御処理の詳細は後述する。装飾図柄の変動パターン(演出パターン)が本実施形態における表示演出の演出態様に相当する。
【0200】
ステップS206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32においてどのような制御を行うか当該可変入賞装置32の制御内容の設定が行われる。これにより、大当たり状態(特別遊技状態)となった場合には、可変入賞装置32の大入賞口の開閉処理が所定ラウンド数繰り返し実行される。可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。この可変入賞装置制御処理の機能により本実施形態における特別遊技状態制御手段が構成される。
【0201】
ステップS207では、第2表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41おいてどのような制御を行うか当該普通図柄表示装置41の制御内容の設定などが行われる。この第2表示制御処理の詳細は後述する。
【0202】
ステップS208では、契機対応ユニット制御処理を実行する。この処理では、第1契機対応ユニット33においてどのような制御を行うか当該第1契機対応ユニット33の制御内容の設定が行われる。
【0203】
その後は、ステップS209において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS210で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
【0204】
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS211,ステップS212)。
【0205】
つまり、ステップS211では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。
【0206】
また、ステップS212では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
【0207】
ここで、ステップS201〜S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
【0208】
さて、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS209:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS213以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS213において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS214において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS215において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。その後、ステップS216において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS217でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS218でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
【0209】
なお、ステップS209の処理は、ステップS201〜S208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS211,S212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS213)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
【0210】
次に、前記ステップS205の第1表示制御処理について図14のフローチャートを参照して説明する。
【0211】
図14において、ステップS801では、今現在、大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、大当たり状態(特別遊技状態)の最中と大当たり状態終了後の所定時間とが含まれる。
【0212】
続くステップS802では、表示タイマの設定状況を見て特別表示装置43による色換え表示(変動表示)中であるか否かを判別する。詳しくは、表示タイマが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、表示タイマが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。そして、大当たり中でなくさらに変動表示中でもない場合、ステップS803に進み、始動保留球数Naが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、大当たり中であるか、又は始動保留球数Naが0である場合、そのまま本処理を終了する。
【0213】
また、大当たり中、変動表示中の何れでもなく且つ始動保留球数Na>0であれば、ステップS804に進む。ステップS804では、始動保留球数Naから1を減算する。ステップS805では、第1保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
【0214】
その後、ステップS806では、変動表示設定処理を実行する。ここで、図15のフローチャートを用いて変動表示設定処理の詳細を説明する。
【0215】
まず、ステップS901では、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。具体的には、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常モード等の低確率状態では大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率モードでは「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。従って、この処理の機能により本実施形態における抽選手段(当否抽選処理)の一部が構成される。ここで大当たりであると判断された場合(ステップS901:YES)、ステップS902へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(ステップS901:NO)、すなわち外れである場合には、ステップS909へ移行する。
【0216】
ステップS902では、確変大当たりであるか否かを判断する。本実施形態では、大当たりとなった場合、それぞれ1/2の確率で高確率モード又は時間短縮モードへ移行するように構成されている。具体的には、高確率モードへ移行させるか否かは、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されているモード決定カウンタC2の値に基づいて判断される。格納されているモード決定カウンタC2の値が、数値0〜9のうち奇数「1,3,5,7,9」であるならば高確率モードへの移行が決定され(確変大当たり)、偶数「0,2,4,6,8」であるならば時間短縮モードへの移行が決定される(通常大当たり)。
【0217】
ここで確変大当たりであると判断された場合(ステップS902:YES)、ステップS904にて大当たり変動パターンを決定し、ステップS905にて確変図柄(本実施形態では「A1」)を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
【0218】
一方、ステップS902で確変大当たりでないと判断された場合(ステップS902:NO)、すなわち通常大当たりである場合には、ステップS907にて大当たり変動パターンを決定し、ステップS908にて通常図柄(本実施形態では「A2」)を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
【0219】
上記ステップS904,ステップS907では、大当たり時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1及び第2変動種別カウンタCS1、CS2の値に基づいて装飾図柄の図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターン(変動種別)との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、各遊技モード毎にテーブル等により予め規定されている。なお、本実施形態におけるモード判別は、後述する高確率状態フラグ、時間短縮状態フラグ及び高入球状態フラグのオンオフ状況の組合せにより行われる。例えば、高確率状態フラグ、時間短縮状態フラグ及び高入球状態フラグが全てオン状態(フラグ値「1」)であれば、高確率モードと判別される。
【0220】
ここで、第1変動種別カウンタCS1及び第2変動種別カウンタCS2の数値と変動種別との対応関係について説明する。例えば通常モード中の大当たり時においては、図17(a)に示すような通常モード中大当たり時テーブルによって前記対応関係が規定されている。すなわち、CS1=0〜9のときは、CS2の値に関わらず、変動パターンコマンドに「FF11」(ノーマルリーチ)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=0〜69のときは、変動パターンコマンドに「FF12」(スーパーリーチSR1)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=70〜149のときは、変動パターンコマンドに「FF13」(スーパーリーチSR2)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=150〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF14」(スーパーリーチSR3)が設定される。CS1=197,198かつCS2=0〜120のときは、変動パターンコマンドに「FF15」(プレミアムリーチPR1)が設定される。CS1=197,198かつCS2=121〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF16」(プレミアムリーチPR2)が設定される。
【0221】
また、ステップS905,ステップS908における図柄コマンドは、大当たりの図柄を所定区分で指示するものであり、停止図柄の決定は、後述するようにサブ制御装置262が行う。具体的には、確変図柄の組合わせを示す「A1」が図柄コマンドに設定されると(ステップS905)、1,3,5,7,9のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせをサブ制御装置262が停止図柄として決定する。一方、通常図柄の組合わせを示す「A2」が図柄コマンドに設定されると(ステップS908)、0,2,4,6,8のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせをサブ制御装置262が停止図柄として決定する。当該ステップS905、ステップS908で図柄コマンドを設定した後、ステップS917へ移行する。
【0222】
また、ステップS901にて否定判断された場合に移行するステップS909では、リーチであるか否かを判断する。この判断は、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されている変動選択カウンタC3の値に基づいてなされる。上述したように、本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。ここでリーチであると判断された場合(ステップS909:YES)、ステップS910へ移行する。一方、リーチでないと判断された場合(ステップS909:NO)、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS915にて外れ変動パターンを決定し、ステップS916にて完全外れ図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
【0223】
ステップS910では、前後外れリーチであるか否かを判断する。ここで前後外れリーチであると判断された場合(ステップS910:YES)、ステップS911にて外れ変動パターンを決定し、ステップS912にて前後外れ図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。一方、前後外れリーチでないと判断された場合(ステップS910:NO)、すなわち前後外れ以外リーチである場合には、ステップS913にて外れ変動パターンを決定し、ステップS914にて前後外れ以外図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
【0224】
上記ステップS911,ステップS913,ステップS915で外れ変動パターンを決定する際、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS904等と同様である。なお、上記ステップS904,S907,S911,S913,S915により、本実施形態における演出決定手段が構成される。
【0225】
ここで、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動種別との対応関係について説明する。例えば通常モード中の前後外れリーチ時においては、図17(b)に示すような通常モード中前後外れリーチ時テーブルによって前記対応関係が規定されている。すなわち、CS1=0〜9のときは、CS2の値に関わらず、変動パターンコマンドに「FF11」(ノーマルリーチ)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=0〜90のときは、変動パターンコマンドに「FF12」(スーパーリーチSR1)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=91〜170のときは、変動パターンコマンドに「FF13」(スーパーリーチSR2)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=171〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF14」(スーパーリーチSR3)が設定される。また、前後外れ以外リーチ時(C3=2〜21)においては、変動種別カウンタCS1,CS2の値にかかわらずノーマルリーチとなり、変動パターンコマンドに「FF11」が設定される。また、完全外れ時(C3=22〜238)においては、変動種別カウンタCS1,CS2の値にかかわらず、変動パターンコマンドに「FF10」が設定される。
【0226】
また、ステップS912,ステップS914,ステップS916における図柄コマンドが外れの図柄の組合わせの所定区分を指示するものであることも、上記ステップS905等と同様である。具体的には、前後外れ図柄の組合わせを示す「A3」が図柄コマンドに設定されると(ステップS912)、当該図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている前後外れリーチに対応する図柄の組合わせを停止図柄として決定する。前後外れ以外図柄の組合わせを示す「A4」が図柄コマンドに設定されると(ステップS914)、RAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている前後外れ以外リーチに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。完全外れ図柄の組合わせを示す「A5」が図柄コマンドに設定されると(ステップS916)、RAM553の完全外れ図柄バッファに格納されている完全外れに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。
【0227】
さて、ステップS917では、特別表示装置43において色換え表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す開始設定処理を行う。この開始設定処理では、表示タイマの設定処理が行われる。表示タイマとは、変動時間を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には10000msecと設定される。そして、後述するように表示タイマは通常処理が1回行われる毎に4msecずつ減算されていく。なお、本実施形態における特別表示装置43の変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1,CS2により選出される装飾図柄の変動パターンに対応した値が設定される。このような表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43に対し色換え表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43において色換え表示が開始される。特別表示装置43は上述したような3色LEDであり、点灯している色が赤であれば緑、緑であれば青、青であれば赤へ色換えを行う。そして、ステップS917の終了後、変動表示設定処理を終了する。
【0228】
図14の説明に戻り、ステップS802がYES、すなわち変動表示中である場合には、ステップS807に進み、表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。例えば、10000msecの表示タイマが設定された場合には、当該表示タイマの設定された回の次回の通常処理における表示タイマ減算処理において表示タイマの値は9996msecとなる。
【0229】
続いてステップS808に進み、上記減算後の表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち表示タイマの値が「0」となった時にステップS808が肯定判別される。ステップS808で肯定判別された場合には、ステップS809において上記表示タイマを解除〔オフ(クリア)〕し、ステップS810において特別表示装置43にて停止表示を行うための停止表示設定を行う。そして、この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、高確率モードへの移行を伴う確変大当たりである場合には赤色を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、時間短縮モードへの移行を伴う通常大当たりである場合には緑色を停止表示させ、外れである場合には青色を停止表示させる。繰り返しとなるが、このような特別表示装置43による停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なものとなっている。
【0230】
続いてステップS811に進み、判別情報設定処理を行う。より詳しくは、図16に示すように、ステップS1001において、停止表示が大当たりに対応するか否かを判別する。ここで、大当たりに対応する場合には、ステップS1002へ移行し、大当たり設定を行う。具体的には、大当たりフラグ、可変フラグ、可変タイマ及びラウンド数カウンタの設定処理を行う。そして、ステップS1002の終了後、判別情報設定処理を終了する。
【0231】
大当たりフラグとは、特別遊技状態としての大当たり状態か否かを判別するための状態判別情報であり、ここでは大当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される。大当たりフラグの値は、大当たり乱数カウンタC1の値に基づき決定される。
【0232】
可変フラグとは、可変入賞装置32が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。
【0233】
可変タイマとは、可変入賞装置32の開放時間を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
【0234】
ラウンド数カウンタとは、後述するように大当たり状態中に実行されるラウンド数(特賞状態発生回数、つまり可変入賞装置32の開閉処理の実行回数)を判別するための判別情報であり、本処理では15ラウンドを示す「15」が値として設定される。
【0235】
さて、ステップS1001において、大当たりに対応しない、すなわち外れであると判別された場合には、ステップS1003へ移行する。
【0236】
ステップS1003では、変動回数カウンタの設定の有無を判別する。変動回数カウンタとは、時間短縮状態の継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、後述するように通常大当たり終了後にカウンタ値として「100」が設定される。
【0237】
ここで、変動回数カウンタが解除されている場合(オフ状態の場合)には、そのまま本処理を終了する。一方、変動回数カウンタが設定されている場合(オン状態の場合)には、時間短縮状態の設定中とみなし、ステップS1004において、変動回数カウンタの値を1減算する処理を行い、ステップS1005へ移行する。
【0238】
ステップS1005では、変動回数カウンタの値が残り0カウントか否かを判別する。つまり、今回の変動表示が、通常大当たりの終了後(時間短縮状態の付与後)、100回目の変動表示であったか否かを判別する。ここで、変動回数カウンタの値が残り0カウントであれば、ステップS1006において後述する高入球状態フラグをリセットする(「0」にする)処理を行い、ステップS1007において後述する時間短縮状態フラグをリセットする(「0」にする)処理を行い、ステップS1008において変動回数カウンタを解除(オフ)する処理を行い、本処理を終了する。
【0239】
一方、ステップS1005で、変動回数カウンタの値が残り0カウントでないと判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
【0240】
図14の説明に戻り、ステップS811の判別情報設定処理の終了後、第1表示制御処理を終了する。また、上記ステップS808で否定判別された場合には、ステップS812において、特別表示装置43のLEDの色換え表示(変動表示)を継続して行うための色換え表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この色換え表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43に対し色換え表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯色が赤であれば緑、緑であれば青、青であれば赤への色換えを行うよう設定する。これによって、第1表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43のLEDの色換え表示(変動表示)が実現される。なお、本実施形態では、停止表示設定処理(ステップS810)の後に、判別情報設定処理(ステップS811)を行う構成となっているが、これに限らず、例えば、変動表示設定処理(ステップS806)の後に行う構成としてもよい。
【0241】
次に上記ステップS206の可変入賞装置制御処理について図18のフローチャートを参照して説明する。
【0242】
まず、ステップS1201において可変入賞装置32の可変フラグがオンであるか否かを判別する。ここで、可変フラグがオンでない(オフである)と判別された場合、そのまま本処理を終了する。
【0243】
上述したように可変フラグとは、可変入賞装置32が開状態中であるか否かを判別するための判別情報であり、上記ステップS1201の判別処理に際しては、可変フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には開状態中とみなされ、可変フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には閉状態中であるとみなされる。
【0244】
そして、この可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、可変入賞装置32に対し各種制御信号が出力される。可変フラグがオンの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口を開放する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が開状態となる。一方、可変フラグがオフの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口を閉鎖する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が閉状態となる。
【0245】
一方、上記ステップS1201において肯定判別された場合、すなわち可変フラグがオンである場合は可変入賞装置32が開状態であるとみなし、ステップS1202において可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に可変タイマの値が4msecずつ減算されていく。
【0246】
続いてステップS1203に進み、上記減算後の可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判別する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち可変タイマの値が「0」となった時にステップS1203が肯定判別される。そして、ステップS1203で肯定判別された場合にはステップS1204へ移行する。
【0247】
また、ステップS1203で否定判別された場合には、ステップS1205において可変入賞装置32へ入賞した遊技球の球数が規定個数に達したか否かを判別する。ここで肯定判別された場合には、ステップS1204へ移行する。一方、ステップS1205で否定判別された場合、すなわち可変入賞装置32への入賞個数が規定個数に達していない場合には、そのまま本処理を終了する。従って、可変入賞装置32は、規定された開放時間が経過するまで又は規定個数の遊技球が入賞するまで開状態を維持し、前記条件が成立すると閉状態となる。
【0248】
ステップS1204に進み、上記ラウンド数カウンタの値を参酌して可変入賞装置32の開放回数、すなわち実行したラウンド数が規定回数の達したか(ラウンド数カウンタの値が0か)否かを判別する。ここで、ラウンド数が規定回数に達していない場合には、ステップS1206において、ラウンド数カウンタの値を1減算し、そのまま本処理を終了する。つまり、実行したラウンド数が、事前に設定された規定回数に達するまで上記開閉処理が繰り返し行われる。
【0249】
一方、ステップS1204において、ラウンド数が規定回数に達していると判別された場合には、ステップS1207において終了設定処理を行い、本処理を終了する。
【0250】
ステップS1207の終了設定処理では、上記可変フラグ及び可変タイマのリセット処理(解除処理)、大当たりフラグのリセット処理、ラウンド数カウンタのリセット処理、高確率状態フラグの設定処理、時間短縮状態フラグの設定処理、高入球状態フラグの設定処理、変動回数カウンタの設定処理などが行われる。
【0251】
より詳しくは、可変フラグ及び可変タイマのリセット処理により、可変フラグ及び可変タイマが解除(オフ)される。
【0252】
大当たりフラグのリセット処理では、大当たり状態の終了を示す「0」がフラグ値として設定される。
【0253】
ラウンド数カウンタのリセット処理により、ラウンド数カウンタが解除(オフ)される。
【0254】
高確率状態フラグとは、遊技モードが高確率状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記高確率状態フラグの設定処理では、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されているモード決定カウンタC2の値に基づいて、フラグ値の切換設定が行われる。これにより、大当たり終了後に高確率モードが設定される場合(確変大当たり)には、高確率状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定され、時間短縮モードが設定される場合(通常大当たり)には、低確率状態の発生を示す「0」がフラグ値として設定される。
【0255】
時間短縮状態フラグとは、遊技モードが時間短縮状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記時間短縮状態フラグの設定処理では、時間短縮状態を発生させる旨を示す「1」がフラグ値として設定される。
【0256】
高入球状態フラグとは、遊技モードが高入球状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記高入球状態フラグの設定処理では、高入球状態を発生させる旨を示す「1」がフラグ値として設定される。
【0257】
変動回数カウンタとは、上述したように時間短縮状態の継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、前記変動回数カウンタの設定処理では、上記高確率状態フラグの設定処理と同様にモード決定カウンタC2の値に基づいて、変動回数カウンタの切換設定が行われる。これにより、大当たり終了後に高確率モードが設定される場合(確変大当たり)には、変動回数カウンタは解除(オフ)される。一方、時間短縮モードが設定される場合(通常大当たり)には、変動回数カウンタの値として変動表示100回分に相当する「100」が設定される。
【0258】
次に、前記ステップS207の第2表示制御処理について図19のフローチャートを参照して説明する。
【0259】
図19において、ステップS2101では、表示タイマの設定状況を見て普通図柄表示装置41による切換表示(変動表示)中であるか否かを判別する。詳しくは、表示タイマが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、表示タイマが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。そして、変動表示中でもない場合、ステップS2102に進み、保留球数Nbが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、保留球数Nbが0である場合には、そのまま本処理を終了する。

また、変動表示中でなく且つ保留球数Nb>0であれば、ステップS2103に進む。ステップS2103では、保留球数Nbから1を減算する。ステップS2104では、第2保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
【0260】
その後、ステップS2105では、開始設定処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41において切換表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは普通図柄表示装置41の表示タイマの設定処理が行われる。表示タイマとは、変動時間を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。なお、本実施形態における普通図柄表示装置41の変動表示時間は、上述したように高入球状態と低入球状態とでそれぞれ予め設定されている。このような表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切換表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、普通図柄表示装置41において切換表示が開始される。上述したように普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示するように構成されており、表示されているのが「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。そして、ステップS2105の終了後、第2表示制御処理を終了する。
【0261】
さて、ステップS2101がYES、すなわち変動表示中である場合には、ステップS2106に進み、表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。
【0262】
続いてステップS2107に進み、上記減算後の表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち表示タイマの値が「0」となった時にステップS2107が肯定判別される。ステップS2107で肯定判別された場合には、ステップS2108において上記表示タイマを解除〔オフ(クリア)〕し、ステップS2109において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための停止表示設定を行う。そして、この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
【0263】
なお、上述したように、第2保留球格納エリアの実行エリアに格納されている普通図柄乱数カウンタC4の値に基づいて当選か否かが判別される。具体的には、当選か否かは普通図柄乱数カウンタC4の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常モード等の低入球状態では普通図柄乱数カウンタC4の数値0〜250のうち「5〜153」が当たり値であり、高確率モード等の高入球状態では「5〜228」が当たり値である。
【0264】
続いてステップS2110に進み、判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、第1契機対応ユニット33の開閉処理を行うための設定処理を行う。具体的には、可変フラグ、可変タイマ及び開放回数カウンタの設定処理を行う。
【0265】
可変フラグとは、第1契機対応ユニット33が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。
【0266】
可変タイマとは、第1契機対応ユニット33の開放時間を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
【0267】
開放回数カウンタとは、第1契機対応ユニット33の開閉処理の実行回数を判別するための判別情報である。
【0268】
一方、ステップS2107で否定判別された場合には、ステップS2111において、普通図柄表示装置41の切換表示(変動表示)を継続して行うための切換え表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切換え表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切換え表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、第2表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の切換表示(変動表示)が実現される。
【0269】
次に上記ステップS208の契機対応ユニット制御処理について図20のフローチャートを参照して説明する。
【0270】
まず、ステップS2201において第1契機対応ユニット33の可変フラグがオンであるか否かを判別する。ここで、可変フラグがオンでない(オフである)と判別された場合、そのまま本処理を終了する。
【0271】
上述したように可変フラグとは、第1契機対応ユニット33が開状態中であるか否かを判別するための判別情報であり、上記ステップS2201の判別処理に際しては、可変フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には開状態中とみなされ、可変フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には閉状態中であるとみなされる。
【0272】
そして、この可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、第1契機対応ユニット33に対し各種制御信号が出力される。可変フラグがオンの場合には第1契機対応ユニット33に対し開閉部材33aを開放する旨の制御信号が出力され、第1契機対応ユニット33が開状態となる。一方、可変フラグがオフの場合には第1契機対応ユニット33に対し開閉部材33aを閉鎖する旨の制御信号が出力され、第1契機対応ユニット33が閉状態となる。
【0273】
一方、上記ステップS2201において肯定判別された場合、すなわち可変フラグがオンである場合は第1契機対応ユニット33が開状態であるとみなし、ステップS2202において可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に可変タイマの値が4msecずつ減算されていく。
【0274】
続いてステップS2203に進み、上記減算後の可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判別する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち可変タイマの値が「0」となった時にステップS2203が肯定判別される。そして、ステップS2203で肯定判別された場合にはステップS2204へ移行する。
【0275】
また、ステップS2203で否定判別された場合には、ステップS2205において第1契機対応ユニット33へ入賞した遊技球の球数が規定個数に達したか否かを判別する。ここで肯定判別された場合には、ステップS2204へ移行する。一方、ステップS2205で否定判別された場合、すなわち第1契機対応ユニット33への入賞個数が規定個数に達していない場合には、そのまま本処理を終了する。従って、第1契機対応ユニット33は、規定された開放時間が経過するまで又は規定個数の遊技球が入賞するまで開状態を維持し、前記条件が成立すると閉状態となる。
【0276】
ステップS2204に進み、上記開放回数カウンタの値を参酌して第1契機対応ユニット33の開放回数が規定回数の達したか(開放回数カウンタの値が0か)否かを判別する。ここで、開放回数が規定回数に達していない場合には、ステップS2206において、開放回数カウンタの値を1減算し、そのまま本処理を終了する。つまり、事前に設定された規定回数に達するまで上記開閉処理が繰り返し行われる。
【0277】
一方、ステップS2204において、開放回数が規定回数に達していると判別された場合には、ステップS2207において終了設定処理を行い、本処理を終了する。
【0278】
ステップS2207の終了設定処理では、上記可変フラグ及び可変タイマのリセット処理(解除処理)、開放回数カウンタのリセット処理などが行われる。
【0279】
より詳しくは、可変フラグ及び可変タイマのリセット処理により、可変フラグ及び可変タイマが解除(オフ)される。また、開放回数カウンタのリセット処理により、開放回数カウンタが解除(オフ)される。
【0280】
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図21を参照して受信割込み処理を説明し、その後図22を参照してメイン処理を説明する。
【0281】
図21は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
【0282】
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図23に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
【0283】
次に、払出制御装置311のメイン処理について図22を参照して説明する。図22は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
【0284】
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
【0285】
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
【0286】
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
【0287】
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
【0288】
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
【0289】
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
【0290】
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
【0291】
次に、図23のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動される。
【0292】
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図24を参照して以下に説明する。
【0293】
図24は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図21参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
【0294】
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
【0295】
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
【0296】
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
【0297】
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
【0298】
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
【0299】
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
【0300】
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
【0301】
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
【0302】
ここで、図23のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
【0303】
一方、ステップS3202で肯定判定されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
【0304】
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
【0305】
その後、ステップS3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
【0306】
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。
【0307】
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
【0308】
次に、サブ制御装置262の通常処理ついて図25を参照しつつ説明する。先ずステップS3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判別する。
【0309】
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
【0310】
ステップS3902の後又はステップS3901で否定判定された場合に、ステップS3903へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では1msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3904へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3910へと移行する。
【0311】
ステップS3904では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図26に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタC5と、上列、中列及び下列の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
【0312】
大当たり時装飾図柄カウンタC5は、大当たりの際、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施形態では、装飾図柄表示装置42において装飾図柄は、確変図柄が5通り、通常図柄が5通り設定されている。従って、大当たり時装飾図柄カウンタC5としては、5個(0〜4)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタC5は、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが確変図柄の組合わせを示す「A1」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「3」(のゾロ目)、2であれば「5」(のゾロ目)、3であれば「7」(のゾロ目)、4であれば「9」(のゾロ目)という具合に、確変図柄の組合わせを決定する。また、図柄コマンドが通常図柄の組合わせを示す「A2」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「0」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)、2であれば「4」(のゾロ目)、3であれば「6」(のゾロ目)、4であれば「8」(のゾロ目)という具合に通常図柄の組合わせを決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタC5はステップS3902のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、後述するようにサブ制御装置262が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。なお、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタC5はRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
【0313】
上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に上列装飾図柄、中列装飾図柄、下列装飾図柄の停止図柄(外れ図柄の組合わせ)を決定するものであり、各列では10の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に10個(0〜9)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより上図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより下図柄列の停止図柄が決定される。
【0314】
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に10減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
【0315】
ここで、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図27に示すように、ステップS4001では、上図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS4002では、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、上図柄列、中図柄列及び下図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下図柄列の外れ図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上図柄列の外れ図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上図柄列の更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄列の更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、下図柄列の更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下図柄列の外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップS4003〜S4005の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に10を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
【0316】
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上図柄列、中図柄列及び下図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
【0317】
その後、ステップS4006では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせになっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合わせである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、それが前後外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチ(前後外れ図柄)の組合わせである場合(S4007がYES)、ステップS4008に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチ(前後外れ以外図柄)の組合わせである場合(S4007がNO)には、ステップS4009に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
【0318】
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(S4006がNO)、ステップS4010に進み、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄の組合わせになっているか否かを判別し、外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっていれば(S4010がYES)、ステップS4011に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップS4006、S4010が共にNOの場合は、上・中・下で図柄が揃っている、すなわち大当たり図柄の組合わせに相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
【0319】
図25の説明に戻り、ステップS3905では表示設定処理を行う。ここでは、RAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。従って、ここで装飾図柄表示装置42において表示する表示態様が決定され、変動パターンコマンドの変動時間に対応する値が変動時間タイマに設定される。この際、サブ制御装置262は、装飾図柄の変動種別と変動パターンコマンドとを対応付けるテーブルに基づいて処理を行う。また、当該ステップS3905では、演出ボタン131の操作の有無についても確認し、演出ボタン131の操作が確認された場合には、これに応じた設定を行う。
【0320】
尚、表示コマンドは、例えば変動表示の開始から終了までの一連の表示演出を指定するためのコマンドや、大当たり中の表示演出を指定するためのコマンドであり、コマンドバッファに格納された情報に基づいてその都度必要な表示コマンドが生成される。通常、サブ制御装置262にて生成される変動表示に関わる表示コマンドは大別して通常変動データ群やリーチ演出データ群などからなり、基本的にはこれらデータ群を構成する各データが上記変動時間タイマを基に予め決められた時間順序に則して順次出力されることで、各種変動パターンに応じた表示演出が行われる。例えば、通常変動データ群が通常変動データ1,通常変動データ2,・・・,通常変動データmからなり、リーチ演出データ群がリーチ演出データ1,リーチ演出データ2,・・・,リーチ演出データnからなる場合には、通常変動の開始に伴い通常変動データ1→2→・・・→mの順でデータ出力が順次行われ、それに引き続きリーチ演出の開始に伴いリーチ演出データ1→2→・・・→nの順でデータ出力が順次行われる。
【0321】
また、当該ステップS3905の表示設定処理では、図柄コマンドに基づいて停止図柄の決定もあわせて行う。なお、上述したことであるが、図柄コマンドに「A1」が設定されている場合、1,3,5,7,9のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。一方、図柄コマンドに「A2」が設定されている場合、0,2,4,6,8のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。また、図柄コマンドに「A3」が設定されている場合、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ(図26参照)に格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「A4」が設定されている場合、前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「A5」が設定されている場合、完全外れ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。
【0322】
尚、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での図柄の変動表示を開始する。なお、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまで(ステップS3905で設定された変動時間タイマが0になるまで)の間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
【0323】
ステップS3906のランプ設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。また、始動保留球数Na及びNbに応じた保留ランプ44、46の点灯制御等、ランプに関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3906で行われる。
【0324】
ステップS3907の音声設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカ24の出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3907で行われる。
【0325】
ステップS3908では、客待ち演出(例えば装飾図柄表示装置42の変動表示が行われていない状態で所定時間が経過すると表示されるように設定されているデモ画面表示)の制御設定等その他の処理を行う。
【0326】
ステップ3909では、上記ステップS3904〜3908の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
【0327】
1msec毎に行われるステップS3904〜S3909の処理が実行された後、又は、上記ステップS3903で否定判定された場合には、ステップS3910に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
【0328】
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3911に進み、RAM553が破壊されているか否かが判別される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
【0329】
一方、ステップS3910で電源断の発生情報が記憶されると判別された場合、ステップS3912において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
【0330】
さて、上記のように、本実施形態では、第1及び第2発光体ユニット401、402を交互に点灯させる動作を高速で行っている。ここで、ステップS3906のランプ設定処理のうち、第1及び第2発光体ユニット401、402の点灯制御に関する処理(発光体ユニット点灯処理)について図28を参照しつつ説明する。
【0331】
まず、ステップS4101では、明るさ調節スイッチ132の操作があったか否かを判別する。
【0332】
ここで明るさ調節スイッチ132の操作が確認された場合には、ステップS4102に進み、「0」、「1」、「2」の値をとり得るコモンデータ選択カウンタのカウンタ値を1加算する。尚、当該コモンデータ選択カウンタのカウンタ値に基づいて、図31(a)、(b)、(c)に示す第1〜第3コモンデータ選択テーブルのいずれかが選択されることとなる。ここで、対応関係についても述べておくと、コモンデータ選択カウンタのカウンタ値が「0」のときは第1コモンデータ選択テーブル(図31(a)参照)が選択され、カウンタ値が「1」のときは第2コモンデータ選択テーブル(図31(b)参照)が選択され、カウンタ値が「2」のときは第3コモンデータ選択テーブル(図31(a)参照)が選択される。尚、コモンデータ選択カウンタのカウンタ値の初期値は「0」であり、カウンタ値が最大値「2」となった場合には次回の更新で初期値「0」に戻る。
【0333】
続くステップS4103では、各コモンデータ選択テーブルを構成するデータのうちのいずれかを選択するためのコモンデータポインタを設定する。つまり、上記ステップS4102においてコモンデータ選択カウンタのカウント値が1加算されたことで、参照するコモンデータ選択テーブルが変更されるため、これに合わせてコモンデータポインタを新たに設定する(アドレス番号「1」を示すように設定する)のである。
【0334】
また、上記ステップS4101で明るさ調節スイッチ132の操作が確認されなかった場合、すなわち、参照するコモンデータ選択テーブルが前回の処理のときと同じ場合には、ステップS4104においてコモンデータポインタを更新(次のデータに対応したポインタに更新)する。尚、コモンデータポインタの示すアドレス番号が最大値となった場合には次回の更新に際してアドレス番号「1」に戻る。
【0335】
ステップS4103又はステップS4104の処理の後、ステップS4105に移行し、コモンデータポインタの示すデータを取得し、これに応じた出力を実行する。つまり、コモン信号線COM1、COM2に対し、駆動信号又は非駆動信号を送る。例えば、図31(a)のアドレス番号「1」のデータ「00000001(B)」を取得した場合には、コモン信号線COM1に駆動信号を送り、コモン信号線COM2に非駆動信号を送ることとなる。
【0336】
ステップS4106では、第1及び第2発光体ユニット401、402の点灯パターンを設定する点灯パターン設定処理を行う。具体的には、駆動信号を送るセグメント信号線SEG1〜SEG8を選択するのであるが、かかる選択に際してはセグメントデータ選択テーブルが参照されるようになっている。セグメントデータ選択テーブルは複数設けられており、各セグメントデータ選択テーブルは各種遊技状態等との対応付けがなされている。さらに、上記のように、本実施形態では、第1及び第2発光体ユニット401、402の点灯パターンをそれぞれ設定するために、第1発光体ユニット401用のセグメントデータ選択テーブルと第2発光体ユニット402用のセグメントデータ選択テーブルとが用意されている(図32(a)、(b)参照)。ここで、図29を参照しつつ、点灯パターン設定処理の詳細を説明する。
【0337】
まず、ステップS4201では、セグメントデータ選択テーブルの中から所定のセグメントデータ選択テーブルを選択するための条件が前回の処理のときと同じであるか否か(例えば、遊技状態の変化がなかったか否か)を判別する。
【0338】
ここで肯定判定された場合、つまり点灯パターンの設定に際して参照するセグメントデータ選択テーブルが前回の処理と同じである場合、すなわち、LED701〜716による光の演出態様に変更がない場合には、ステップS4202において、当該点灯パターン設定処理で使用されるタイマを確認し、1sec以上経過したか否かを判定する。尚、上記のように、本実施形態では、LED701〜716の点灯態様(光の演出)を動的なものとするために、1sec毎に点灯するLED701〜716の組合わせを変更するようになっている。つまり、当ステップS4202では、点灯するLED701〜716の組合わせを変更するタイミングが到来したか否かを判別している。
【0339】
ここで肯定判定された場合には、ステップS4203に進み、各セグメントデータ選択テーブルを構成する複数のデータのうちのいずれかを選択するためのセグメントデータポインタを更新する。尚、ステップS4203では、次の1secを計るために再度タイマをセットする。
【0340】
また、上記ステップS4201で否定判定された場合、つまり、前回の処理のときとは異なるセグメントデータ選択テーブルを参照する場合には、ステップS4204で新たにタイマをセットするとともに、ステップS4205でセグメントデータポインタを新たに設定する。
【0341】
ステップS4203又はステップS4205の処理の後、又はステップS4202で否定判定された場合、ステップS4206に移行する。ステップS4206では、セグメントデータポインタの示す第1発光体ユニット用セグメントデータ選択テーブルのデータを取得し、第1セグメント出力バッファに格納するとともに、セグメントデータポインタの示す第2発光体ユニット用セグメントデータ選択テーブルのデータを取得し、第2セグメント出力バッファに格納する。その後、本処理を終了する。
【0342】
図28の説明に戻り、ステップS4107では、上記ステップS4105の出力は、コモン信号線COM1に駆動信号を送る(コモン信号線COM1をオンする)ものであったか否か(第1〜第3コモンデータ選択テーブルから取得されたデータが「00000001(B)」であったか否か)を判定する。
【0343】
ここで肯定判定された場合には、ステップS4108に進み、第1セグメント出力バッファに格納されているデータに応じた出力を実行する。つまり、第1発光体ユニット401のLED701〜708の点灯態様を所定の態様とするべく、セグメント信号線SEG1〜SEG8に対し、駆動信号又は非駆動信号を送る。例えば、図32(a)のアドレス番号「1」のデータ「11110000(B)」が格納されていた場合には、セグメント信号線SEG1〜SEG4に非駆動信号を送り、セグメント信号線SEG5〜SEG8に駆動信号を送ることとなる。結果として、LED701〜704が消灯し、LED705〜708が点灯する。
【0344】
一方、ステップS4107で否定判定された場合には、ステップS4109に進み、第2セグメント出力バッファに格納されているデータに応じた出力を実行する。つまり、第2発光体ユニット402のLED709〜716の点灯態様を所定の態様とするべく、セグメント信号線SEG1〜SEG8に対し、駆動信号又は非駆動信号を送る。例えば、図32(b)のアドレス番号「1」のデータ「00001111(B)」が格納されていた場合には、セグメント信号線SEG1〜SEG4に駆動信号を送り、セグメント信号線SEG5〜SEG8に非駆動信号を送ることとなる。結果として、LED701〜704が点灯し(但し、コモン信号線COM2に駆動信号が送られた状態のときだけ)、LED705〜708が消灯する。
【0345】
ステップS4108、ステップS4109の処理を実行した後、本処理を終了する。
【0346】
次に、第1及び第2発光体ユニット401、402(LED701〜708)の点灯態様について、1msec毎に行われる発光体ユニット点灯処理(図28参照)の流れに沿って説明する。ここでは、コモンデータ選択カウンタのカウント値が「0」のときに、ステップS4101で明るさ調節スイッチ132の押圧操作が確認された場合を例に挙げて説明する。すなわち、ステップS4101で肯定判定されると、ステップS4102に進んでコモンデータ選択カウンタのカウント値が「1」に更新されるとともに、ステップS4103で図31(b)の第2コモンデータ選択テーブルのアドレス番号「1」のデータを取得するようにコモンデータポインタが設定される。従って、ステップS4105でコモン信号線COM1に駆動信号が送られ、コモン信号線COM2に非駆動信号が送られることとなる。
【0347】
続いてステップS4106において点灯パターン設定処理が行われる。ここでは、例えば、図32(a)、(b)に示す第1発光体ユニット用及び第2発光体ユニット用セグメントデータ選択テーブルを参照するように対応付けられた遊技状態に切替わった直後であることとして説明する。
【0348】
すなわち、参照するセグメントデータ選択テーブルが変更されたため、図29のステップS4201で否定判定されると、ステップS4204に進んで1secを計るためのタイマがセットされるとともに、ステップS4205で第1発光体ユニット用セグメントデータ選択テーブル及び第2発光体ユニット用セグメントデータ選択テーブルのアドレス番号「1」の各データを取得するようにセグメントデータポインタが設定される。そして、第1発光体ユニット用セグメントデータ選択テーブル及び第2発光体ユニット用セグメントデータ選択テーブルのアドレス番号「1」の各データをそれぞれ第1セグメント出力バッファ及び第2セグメント出力バッファに格納し、点灯パターン設定処理を終了する。
【0349】
点灯パターン設定処理の後に移行するステップS4107においては、今回の発光体ユニット点灯処理では上記ステップS4105でコモン信号線COM1に駆動信号が送られたので肯定判定されることとなる。従って、ステップS4108に進み、セグメント信号線SEG1〜SEG8への信号出力に際して、第1セグメント出力バッファに格納されている図32(a)のアドレス番号「1」のデータを参照する。このため、セグメント信号線SEG1〜SEG4に非駆動信号が送られ、セグメント信号線SEG5〜SEG8に駆動信号が送られることとなる。
【0350】
つまり、今回の発光体ユニット点灯処理では、LED701〜704が消灯状態とされ、LED705〜708が点灯される。また、LED709〜716は消灯状態である。
【0351】
また、上記発光体ユニット点灯処理から1msec経過後に行われる発光体ユニット点灯処理において、明るさ調節スイッチ132の操作がなく、前回の処理のときと同じ第2コモンデータ選択テーブルを参照する場合には、ステップS4104で、第2コモンデータ選択テーブルのアドレス番号「2」のデータを取得するようにコモンデータポインタが更新される。従って、ステップS4105のコモン信号線COM1、COM2への信号出力に際して図31(b)の第2コモンデータ選択テーブルのアドレス番号「2」のデータが参照される。このため、ステップS4105でコモン信号線COM1及びコモン信号線COM2に非駆動信号が送られることとなる。
【0352】
続いて、ステップS4106において点灯パターン設定処理が行われるのであるが、ここでは、遊技状態に変化がなく、前回の処理のときと同じ第1発光体ユニット用及び第2発光体ユニット用セグメントデータ選択テーブルが選択される場合を例に挙げる。
【0353】
すなわち、図29のステップS4201で肯定判定されると、ステップS4202において1sec経過していないために否定判定され、ステップS4206に移行する。つまり、1sec経過するまでは、セグメントデータポインタは前回の発光体ユニット点灯処理のときと同じアドレス番号「1」を示すのであり、第1及び第2セグメント出力バッファには1secの間同じデータが格納されることとなる。
【0354】
点灯パターン設定処理の後に移行するステップS4107においては、今回の発光体ユニット点灯処理では上記ステップS4105においてコモン信号線COM1に駆動信号が送られていないので否定判定されることとなる。従って、ステップS4109に進み、セグメント信号線SEG1〜SEG8への信号出力に際して、第2セグメント出力バッファに格納されている図32(b)のアドレス番号「1」のデータを参照する。これにより、セグメント信号線SEG1〜SEG4に非駆動信号が送られ、セグメント信号線SEG5〜SEG8に駆動信号が送られる。
【0355】
しかしながら、今回の発光体ユニット点灯処理では、コモン信号線COM1、COM2に対してともに非駆動信号が送られているため、LED701〜716はいずれも消灯状態とされる。尚、コモン信号線COM1、COM2のどちらにも駆動信号が送られていない場合には、セグメント信号線SEG1〜SEG8のいずれにも駆動信号を送らない構成としてもよい。
【0356】
さらに、上記発光体ユニット点灯処理から1msec経過後に行われる発光体ユニット点灯処理では(明るさ調節スイッチ132の操作がないものとする)、ステップS4104でコモンデータポインタが図31(b)の第2コモンデータ選択テーブルのアドレス番号「3」のデータを取得するように更新され、ステップS4105でコモン信号線COM1に非駆動信号が送られるとともに、コモン信号線COM2に駆動信号が送られる。
【0357】
続いて、ステップS4106の点灯パターン設定処理においては、参照するセグメントデータ選択テーブルの変更もなく、1secも経過していないために、前回の発光体ユニット点灯処理のときと同じデータが第1及び第2セグメント出力バッファに格納される。
【0358】
その後のステップS4107においては、今回の発光体ユニット点灯処理では上記ステップS4105においてコモン信号線COM1に駆動信号が送られていないので否定判定されることとなる。従って、ステップS4109に進み、セグメント信号線SEG1〜SEG8への信号出力に際して、第2セグメント出力バッファに格納されている図32(b)のアドレス番号「1」のデータを参照する。これにより、セグメント信号線SEG1〜SEG4に非駆動信号が送られ、セグメント信号線SEG5〜SEG8に駆動信号が送られる。
【0359】
今回の発光体ユニット点灯処理では、前回の処理のときとは異なり、コモン信号線COM2に駆動信号が送られているため、LED709〜712が点灯され、LED713〜716が消灯状態とされる。もちろんLED701〜708は消灯状態とされる。尚、上記のように、発光体ユニット点灯処理は1msec毎に行われているため、遊技者には、残像現象によって、あたかも、LED705〜708及びLED709〜712が同時に点灯しているように見える。
【0360】
また、上記発光体ユニット点灯処理から1msec後に行われる発光体ユニット点灯処理では、コモン信号線COM1、COM2への出力に際して第2コモンデータ選択テーブルのアドレス番号「4」のデータを参照することとなる。これは第2コモンデータ選択テーブルのアドレス番号「2」のデータを参照するときと同じくいずれのLED701〜716も消灯状態となる。
【0361】
そして、上記のように1msec毎に行われる発光体ユニット点灯処理が繰り返し行われることで(明るさ調節スイッチ132の操作や、遊技状態の変化がない場合)、点灯するLEDが1sec毎に、「LED705〜708及びLED709〜712」→「LED703〜706及びLED711〜714」→「LED701〜704及びLED7013〜716」→「LED705〜708及びLED709〜712」→・・・といった具合に切替わって行く。
【0362】
尚、明るさ調節スイッチ132の操作が行われ、第1コモンデータ選択テーブルが参照されるようになった場合には、上記のように第2コモンデータ選択テーブルを参照する場合に比べてLED701〜716の点灯間隔が詰まり(図33(a)参照)、明るく見えるようになる。また、第3コモンデータ選択テーブルが参照されるようになった場合には、第2コモンデータ選択テーブルを参照する場合に比べてLED701〜716の点灯間隔が開き(図33(c)参照)、暗く見えるようになる。但し、明るさ調節スイッチ132の操作が行われた場合に変化するのは明るさだけであり、LED701〜716による光の演出態様(実際に遊技者が視認することとなるLED701〜716の組合わせ)は同じである。
【0363】
以上詳述したように、本実施形態では、前面枠セット14の前面に設けられた明るさ調節スイッチ132を押圧操作することで、第1及び第2発光体ユニット401、402の明るさ(単位時間当たりの光量)を調節できるようになっている。このため、遊技者は、第1及び第2発光体ユニット401、402の明るさを、自分にとって好ましい明るさとなるように適宜調節することができる。つまり、第1及び第2発光体ユニット401、402による明るく煌びやかな光の態様を堪能することもできるし、第1及び第2発光体ユニット401、402が明るすぎると思われる場合には暗くして視覚疲労の抑制等を図ることができる。結果として、光の態様に対する感覚の個人差を許容し、快適な遊技環境を提供することができる。
【0364】
また、本実施形態では、第1及び第2発光体ユニット401、402(LED701〜716)を交互に高速で点灯させている。つまり、LED701〜716によって織り成す光の演出(遊技者が視認する光の態様)を変えることなく、高速で点滅するLED701〜716の点灯時間と消灯時間との比率を変更する(点灯間隔を変える)ことで、第1及び第2発光体ユニット401、402(LED701〜716)の明るさを調節している。従って、光の態様(同時に光って見えるLED701〜716の数)が変わることに起因して、本来予期していた光による演出効果が奏されなくなったり、視認態様に斑ができてしまったりするといったおそれを回避することができる。さらには、LED701〜716に対応する配線(ポート)等を集約することができ、回路の省スペース化やコストダウン等を図ることができる。また、例えば、発光手段(発光素子)に印加する電圧を変化させることで明るさを調節するといった構成に比べ、明るさを調節するために必要な部品数の増加を抑制することができる。
【0365】
加えて、本実施形態では、LED701〜716の点滅のサイクルを1周期分記憶している第1〜第3コモンデータ選択テーブルを所定間隔毎に参照してLED701〜716の点灯制御を行い、参照するコモンデータ選択テーブルを変えることでLED701〜716の明るさを変更している。このため、明るさの調節に関する制御の複雑化を抑制ことができる。
【0366】
また、本実施形態では、装飾図柄表示装置42において当否抽選の結果を示す変動表示が行われるため、遊技者は装飾図柄表示装置42を見て遊技時間の大半を過ごすこととなる。従って、かかる装飾図柄表示装置42の周縁部に設けられる第1及び第2発光体ユニット401、402は、遊技者の視覚に対して特に大きな影響を及ぼすこととなるため、この第1及び第2発光体ユニット401、402の明るさを調節可能とすることで、遊技者にとってパチンコ機10を好適な明るさとすることができるといった上記作用効果が十分に奏される。このため、例えば、パチンコ機10に搭載される全てのランプ・電飾の明るさを調節可能に構成する場合に比べ、構成の複雑化等を抑制することができる。
【0367】
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0368】
(a)上記実施形態では、センターフレーム47に設けられる第1及び第2発光体ユニット401、402の明るさだけを調節可能としているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、パチンコ機10に設けられる様々なランプや表示装置の明るさを調節可能としてもよい。例えば、装飾図柄表示装置42や環状電飾部102等の明るさを調節可能に構成してもよい。尚、液晶表示装置である装飾図柄表示装置42については、バックライトやフロントライトの明るさを調節してもよい。例えば、液晶表示装置のバックライトとしてLEDをマトリクス状に配置するとともに、各LEDの点灯時間と消灯時間との比率を変更する制御を行って各LEDの明るさを調節可能としてもよい。この場合、装飾図柄表示装置42の表示部の全体的な明るさだけでなくコントラストを調節することもできる。このようにコントラストを調節することで、遊技者の視覚疲労を軽減する等の効果を得ることができるとともに、表示演出に応じて部分的に明るさを変える(陰影をつける)ことで演出効果の向上を図ることもできる。
【0369】
また、光源(発光素子)の種類としてはLEDに限定されるものではなく、その他の蛍光ランプ、エレクトロルミネセンス(EL)、電球、水銀ランプ、メタルハライドランプ等を採用してもよい。尚、一般にこれらの光源を直接遊技者に視認させる(つまり光源が発光手段を構成する)ケースは少なく、大抵の場合カバー手段を介して視認可能(つまり少なくとも光源及びカバー手段によって発光手段を構成する)としている。カバー手段は、透明体(無色透明、有色透明)で構成されてもよいし、ハーフミラーで構成されてもよいし、レンズ機能を有していてもよい。このようにカバー手段を設けることで、装飾効果等の向上が図られる。
【0370】
尚、蛍光ランプの明るさ調節する構成としては、例えば、低電圧の直流電流を高電圧で高周波の交流電力に交換して蛍光ランプに供給する増幅手段(インバータ等)と、増幅手段への入力電圧を変化させる電圧調整手段(D/Aコンバータ等)と、電圧調整手段を制御する電圧制御手段(サブ制御装置262等)とを備え、蛍光ランプに供給される電圧を変化させることで蛍光ランプの明るさを調節するといった構成が挙げられる。より具体的な例を挙げると、電圧調整手段は、電圧制御手段からの信号に基づいて、5(V)で送られてくる電圧をそのまま5(V)で出力したり、4(V)に変換して出力したりする。そして、例えば、増幅手段に入力された電圧が5(v)の場合には1000(V)に増幅された電圧が蛍光ランプに供給され、増幅手段に入力された電圧が4(v)の場合には800(V)に増幅された電圧が蛍光ランプに供給される。尚、安定器としてはインバータ式に限定されることなく、グロー式、ラピッド式でもよい。但し、インバータ式の安定器を採用することで、省エネルギー化、発熱の抑制、光のちらつきの防止、騒音の抑制、軽量化等が図られる。
【0371】
(b)上記実施形態では、明るさ調節スイッチ132の操作によってのみ発光体ユニット401、402が調節可能に構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではない。
【0372】
例えば、外部中継端子板230(外部信号入力手段)に対してパチンコ機10の外部からの信号を入力可能に構成しておき、サブ制御装置262は外部中継端子板230に入力された信号に基づいて、第1及び第2発光体ユニット401、402の明るさを調節することとしてもよい。この場合、複数の遊技機と電気的に接続された所定の操作手段をホール関係者が操作し、複数の遊技機に対して同時に信号を出力することで、複数の遊技機の明るさを一度に調節することができる。従って、例えば、ホールに設置された全ての遊技機の明るさを一律に変更したい場合や、遊技島単位で明るさを変更したい場合等において、一台ずつ明るさを調節する場合に比べて作業性の向上が図られる。尚、ホール関係者による調節と遊技者による調節(明るさ調節スイッチ132による調節)との両方が可能である場合、遊技者の調節の方が優先されることとしてもよい。
【0373】
(c)また、例えば、前面枠セット14の前面に対して、明るさを計測する明るさ計測手段(例えば、照度計、輝度計、光量計、フォトダイオードや光電子倍増管(フォトマル)を搭載した光センサ等)を設け、かかる明るさ計測手段の計測結果に基づいて、第1及び第2発光体ユニット401、402の明るさを調節することとしてもよい(例えば、明るさ計測手段の計測値を予め設定しておいた閾値と比較し、計測値が閾値よりも大きいか否かで明るさを変更する)。この場合、第1及び第2発光体ユニット401、402(パチンコ機10)の明るさを、パチンコ機10の設置環境(パチンコ機10の周辺の明るさ)に応じた好適な明るさとなるように、人手を要することなく予め設定した明るさに自動調節することができる。尚、第1及び第2発光体ユニット401、402の明るさに関し、人為的な調節(遊技者又はホール関係者による調節)と自動調節との両方が可能である場合、人為的な調節の方が優先されることとしてもよい。また、パチンコ機10外部の明るさと、自動調節される第1及び第2発光体ユニット401、402の明るさとの対応関係を調節可能としてもよい。例えば、明るさ計測手段の計測値を予め設定しておいた閾値と比較して明るさを自動調節する場合には、前記閾値が設定可能であること(前記閾値を調節する閾値調節手段を例えば遊技者が操作不可能な位置に設けること)としてもよい。この場合、第1及び第2発光体ユニット401、402(パチンコ機10)の明るさをホールの雰囲気に合わせることができる。
【0374】
(d)上記実施形態のLED701〜716として、赤、緑、青の三色のLEDを1組とした三色LEDを採用するとともに、各色のLEDの明るさをそれぞれ調節可能に構成してもよい。つまり、上記実施形態では、各発光体ユニット401、402毎にコモン信号線を1本ずつ用意していたが、LED701〜716を三色LEDとするのに伴って、各色毎でグループ分けするべく、各発光体ユニット401、402に対応するコモン信号線を3本ずつ(上記実施形態では各1本)にする。さらに、各色に対応するコモン信号線に対して駆動信号を送る頻度を異ならせる。これにより、三色LEDの各色の明るさを調節することができる。この場合、遊技者の好みに応じて発光手段(LED701〜716)の色バランスを変更することができる。
【0375】
また、例えば、光の色の異なる蛍光ランプや電球を複数用意しておき(例えば、液晶表示装置のバックライトとして、光の色が異なる蛍光ランプを交互に並べ)、遊技者の操作によって点灯する蛍光ランプや電球を切替え又は各蛍光ランプや電球の明るさを調節し、光の色(例えば、昼光色、昼白色、電球色等)を変更可能に構成してもよい。
【0376】
(e)上記実施形態において、第1契機対応ユニット33に遊技球が入球することなく所定時間が経過し、装飾図柄表示装置42においてデモ画面表示が行われる場合には、第1及び第2発光体ユニット401、402の明るさが初期の明るさに戻されることとしてもよい。すなわち、コモンデータ選択カウンタのカウンタ値を「0」に設定し、第1コモンデータ選択テーブルが参照されるようにするのである。この場合、例えば、誰も遊技していないパチンコ機10の発光体ユニット401、402が、前に遊技していた遊技者の明るさ調節スイッチ132の操作によって暗くなっているような場合には、当該パチンコ機10が目立たなくなってしまい、その他の機種のパチンコ機に比べて見劣りしてしまうおそれがある。この点、上記構成を採用することで、遊技が行われていないパチンコ機10の第1及び第2発光体ユニット401、402の明るさを一番明るい状態とすることができるため、上記不具合を抑制することができる。
【0377】
尚、「デモ画面表示が表示される条件」としては、「第1契機対応ユニット33に遊技球が入球することなく(第1契機対応ユニット33への最後の入球から)所定時間が経過した場合」に限定されるものではなく、例えば、発射手段(発射モータ229)が駆動しなくなってから所定時間が経過した場合、発射手段によって最後に遊技球が発射されてから所定時間が経過した場合、装飾図柄表示装置42における変動表示が行われなくなってから(最近の変動表示が停止してから)所定時間が経過した場合、又は、演出ボタンが最後に押されてから所定時間が経過した場合等(組合わせも可)が挙げられる。また、経過時間のカウントはサブ制御装置262で行ってもよいし、表示制御装置45で行ってもよい。つまり、前者の場合には、表示制御装置45はサブ制御装置262からデモ画面表示を行う旨のコマンドを受信することでデモ画面表示を実行させるが、後者の場合には、サブ制御装置262からデモ画面表示を行う旨のコマンドを受信してから所定時間経過後にデモ画面表示を実行させることとなる。
【0378】
(f)上記実施形態では、第1及び第2発光体ユニット401、402を交互に順次点灯する点灯制御を行い、高速で点滅するLED701〜716の点灯時間と消灯時間との比率を変更することで明るさを調節しているが、各LED701〜716に供給される電流値を変化させることで調節してもよい。また、第1及び第2発光体ユニット401、402のどちらか一方は必ず消灯状態とされるといった構成に限定されるものではなく、両発光体ユニット401、402を常時点灯することのできる構成を採用してもよい。すなわち、上記実施形態では、LED701〜708のアノードは共通してコモン信号線COM1に接続され、LED709〜716のアノードは共通してコモン信号線COM2に接続されているが、例えば、LED701〜716に対応して16本の信号線を用意し、LED701〜716の各アノードを各信号線と1対1で接続してもよい。
【0379】
(g)上記実施形態では、サブ制御装置262が点灯制御手段を構成しているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、サブ制御装置262とは別に点灯制御手段としてのLEDドライバを設け、サブ制御装置262からの信号に基づいてLEDドライバがLED701〜716を点灯制御する構成としてもよい。
【0380】
また、例えば、液晶表示装置としての装飾図柄表示装置42の明るさを調節可能に構成する場合には、表示制御装置45が点灯制御手段を構成することとしてもよいし、表示制御装置45とは別に点灯制御手段としてのLCDドライバを設けてもよい。
【0381】
(h)明るさを調節可能な発光手段の光源として指向性を有するLEDを採用する場合には、遊技者の操作に基づいて、LEDの光の照射方向を変更可能に構成してもよい。この場合、LEDから照射される光を遊技者の目線から逸らしたり、目線に合わせたりすることができ、遊技者が視認するLEDの明るさ(遊技者の目に照射される光量)が変わることとなる。
【0382】
(i)発光手段(発光素子)の前方に偏光フィルタ(偏光板)を設け、当該偏光フィルタの角度を変えたり、位置をずらしたり、偏光フィルタを異なる種類の変更フィルタに差し替えたり、複数の偏光フィルタを重ねたりすることで、遊技者が視認する発光手段の明るさを調節可能としてもよい。また、発光手段(発光素子)の側方に反射板を設け、角度を変えたり、位置をずらしたりしてもよい。この場合にも、遊技者が視認する発光手段の明るさを変えることができる。
【0383】
(j)第1及び第2発光体ユニット401、402の点灯制御に際して参照されるテーブル構成等は特に限定されるものではなく、遊技機の機種毎にそれぞれ設定されるものである。尚、遊技を行うにあたって、一般に大当たり遊技状態(特別遊技状態)のときよりも滞在時間の長くなる通常遊技状態においては、特別遊技状態のときよりも明るさの設定を多段階で行えることとしてもよい。例えば、通常遊技状態のときには5段階で明るさ調節を行え、特別遊技状態のときには3段階で明るさ調節を行えるといった具合である。この場合、特別遊技状態においての明るさの調節に関してテーブル構成の複雑化を抑制することができる。
【0384】
さらに、通常遊技状態のときには、特別遊技状態のときに比べ、第1及び第2発光体ユニット401、402を暗くする調節ができることとしてもよい。例えば、通常遊技状態のときに選択可能な明るさのレベルを明るい方から「1」「2」「3」「4」「5」とすると、特別遊技状態のときに選択可能な明るさのレベルは「1」「2」「3」であるといった具合である。この場合、特別遊技状態における第1及び第2発光体ユニット401、402の明るさのレベルを一定のレベル以上に規定することができ、特別遊技状態のときの光による装飾効果等が十分に奏されることとなる。また、リーチ状態のときにも、第1及び第2発光体ユニット401、402の明るさのレベルを一定のレベル以上に規定することで、リーチ状態のときの光による演出効果(大当たりになるのではないかと言った期待感を盛り上げる効果)が十分に奏されることとなる。
【0385】
上記のような構成の態様例としては、例えば、発光体ユニット点灯処理(図28参照)において、ステップS4101の明るさ調節スイッチ132の操作の有無を確認する前に、リーチ状態中であるか否かの判別や、大当たり状態中であるか否かの判別や、デモ画面表示中であるか否かの判別を行い、これらの判別において否定された場合にステップS4101に移行し、一方、いずれかで肯定された場合には、第1及び第2発光体ユニット401、402の明るさを予め設定されている明るさに変更する(対応するテーブルを参照して明るさを決定する)といった構成が挙げられる。
【0386】
また、このように状態変化に伴い半ば強制的に明るさが変更される構成を採用する場合には、例えば、第1及び第2発光体ユニット401、402の明るさのレベルを記憶する明るさレベル記憶エリアを設け、第1及び第2発光体ユニット401、402の明るさの変更を伴う状態変化に際し(例えば通常遊技状態→大当たり遊技状態)元の状態(通常遊技状態)のときの明るさレベルを明るさレベル記憶エリアに記憶するとともに、元の状態に戻る(大当たり遊技状態が終了して通常遊技状態に戻る)際には、明るさレベル記憶エリアを参照して、第1及び第2発光体ユニット401、402の明るさを設定することとしてもよい。当該構成を採用することで、他の状態を経由して元の状態に戻ったときに第1及び第2発光体ユニット401、402の明るさが元通りになっているため、再度好みの明るさに設定しなければいけないといった手間を省略することができる。
【0387】
加えて、上記実施形態において、通常遊技状態のときと特別遊技状態のときとでは異なるコモンデータ選択テーブルを参照し、各LED701〜716の点灯時間と消灯時間との比率を異ならせることとしてもよい。この場合、例えば、特別遊技状態のときの方が通常遊技状態のときよりも各LED701〜716を明るく見せる等、遊技状態や演出に合わせてLED701〜716の明るさを変えることができ、演出効果を高めることができる。尚、リーチ状態のときには、特別遊技状態のときと同じ、又は、通常遊技状態及び特別遊技状態のときとは異なるコモンデータ選択テーブルを参照することとしてもよい。
【0388】
尚、第1及び第2発光体ユニット401、402の明るさの調節は、一般に遊技時間の割合が大当たり状態(特別遊技状態)よりも多くなりやすい通常遊技状態のときにのみ行え、遊技者にとって有利な状態である(つまり遊技者にとって好ましい状態である)大当たり状態のときには行えない構成としてもよい。これにより、遊技者の興趣の低下を抑制しつつ、明るさ調節に関する制御の簡素化を図ることができる。
【0389】
(k)上記実施形態では、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって装飾図柄表示装置42における表示態様が決定されるとともに、当該表示態様の表示演出を装飾図柄表示装置42にて表示するようにサブ制御装置262が表示制御装置45に対し指示を出す構成となっている。これに限らず、サブ制御装置262が省略され、主制御装置261から表示制御装置45に対し直接コマンドが出力される構成としてもよい。
【0390】
(l)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、雀球等の各種遊技機として実施することも可能である。さらに、パチンコ機以外の遊技機として、回胴式遊技機としてのスロットマシンや、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機としても、もちろん実施可能である。尚、上記実施形態では、当否抽選としてはループカウンタのカウンタ値を取得して、当該カウンタ値が予め設定しておいた大当たりに対応する値であるか否かを判別することによって行われるが、例えば、遊技盤に始動口及び可変入賞装置ユニットが設けられ、始動口へ遊技球が入球することに基づき可変入賞装置ユニットが一時的に開放状態とされ、この開放状態時において可変入賞装置の内部領域へ入球した遊技球が、当該可変入賞装置の内部領域に設けられた特定入球部に入球すると、特別遊技状態が発生して可変入賞装置ユニットの開閉が繰り返し行われ、多くの遊技球が入球可能となる遊技機においては、可変入賞装置の内部領域に入球した遊技球が特定入球部に入球するか否かが当否抽選であることとしてもよい。また、当否抽選がないパチンコ機として実施してもよい。
【0391】
(m)表示演出手段としては、上記実施形態の装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)以外にも、ドットマトリックス、エレクトロルミネセンス(EL)、回転ドラム等を用いてもよい。また、上記特別表示装置43のように、識別情報を変動表示し、当該識別情報を特定態様で停止表示することで、大当たりか否かを確定的に表示する表示手段を表示演出手段としてもよい。
【符号の説明】
【0392】
10…パチンコ機、42…表示演出手段としての装飾図柄表示装置、45…表示演出制御手段としての表示制御装置、132…操作手段としての明るさ調節スイッチ、261…主制御装置、262…明るさ制御手段としてのサブ制御装置、401…発光手段としての第1発光体ユニット、402…発光手段としての第2発光体ユニット、701〜716…発光素子としてのLED、COM1,COM2…コモン信号線(共通線)、SEG1〜SEG8…セグメント信号線(区分線)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光手段を備える遊技機において、所定の発光手段の明るさを調節可能な調節手段を備え、
前記調節手段は、操作手段と、前記操作手段の操作に基づいて前記所定の発光手段の明るさ制御を行う明るさ制御手段とを備えることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2012−228615(P2012−228615A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−189602(P2012−189602)
【出願日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【分割の表示】特願2007−112677(P2007−112677)の分割
【原出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】